JP2014173074A - 生分解性フィルム - Google Patents

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剛平 山村
Masayuki Hirota
真之 廣田
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Risa Hamazaki
Masanori Sueoka
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Abstract

【課題】本発明が解決しようとする課題は、易分解性、柔軟性、加工性に優れた、生分解性フィルムを提供することを目的とする。
【解決手段】本発明は、ポリ乳酸系樹脂(A)を含有するフィルムであって、
フィルム中の樹脂の見かけの質量平均分子量が20,000〜150,000であり、
引張弾性率が100〜1,500MPaであることを特徴とする、生分解性フィルム、である。
【選択図】なし

Description

本発明は、易分解性、柔軟性、加工性に優れた、生分解性フィルムに関する。
近年、地球レベルでの環境問題が重要視され始めており、その環境問題のひとつとしてプラスチック製品の廃棄による土壌汚染が深刻になっている。その問題を解決するアプローチとして、生分解樹脂が注目されている。
フィルム分野においても種々の生分解樹脂の適用が検討されているが、樹脂の種類によって崩壊性、生分解性の程度や速度が異なるため、適用できる用途が制限されるといった問題が存在する。特に希望するよりも崩壊速度、生分解速度が遅い場合が多い。
例えば、特許文献1には、ポリ乳酸と、ガラス転移温度が0℃以下の生分解性脂肪族芳香族共重合ポリエステルと、オキシ酸エステル系可塑剤と、無機質充填材とを構成成分とするフィルムが開示されている。また、特許文献2には、ポリ乳酸系樹脂と可塑剤を含む組成物からなり、特定範囲の伸度と厚さを有するポリ乳酸系樹脂フィルムが開示されている。
特開2004−057016号公報 特開2009−138085号公報
前述の特許文献1および特許文献2に記載の技術では、汎用樹脂と同程度の柔軟性を有し、かつ、実質的に生分解性を有するフィルムは得られるが、その崩壊速度、生分解速度は遅く、使用後も希望する速度で分解しないといった問題があった。
つまり、これまでに汎用樹脂と同程度の柔軟性を有する生分解性フィルムの検討がなされてきたが、その崩壊速度、生分解速度は不十分であった。
本発明は、かかる従来技術の背景に鑑み、易分解性、柔軟性、加工性に優れた生分解性フィルムを提供せんとするものである。
本発明は、ポリ乳酸系樹脂(A)を含有するフィルムであって、
フィルム中の樹脂の見かけの質量平均分子量が20,000〜150,000であり、
引張弾性率が100〜1,500MPaであることを特徴とする、生分解性フィルム、である。
本発明によれば、易分解性、柔軟性、加工性に優れた、生分解性フィルムが提供される。本発明の生分解性フィルムは、易分解性、柔軟性および加工性を必要とする用途に好ましく用いることができる。具体的には、マルチフィルムなどの農業用材料、薫蒸シートなどの林業用材料、紙おむつ、ナプキン、ライナーなどの衛生材料、レジ袋、ゴミ袋、食品用、工業製品用などの各種包装材料、などに好ましく用いることができる。
発明者らは、前記課題、つまり、易分解性、柔軟性、加工性に優れた、生分解性フィルムについて鋭意検討した結果、フィルム中の樹脂の見かけの質量平均分子量と、フィルムの引張弾性率を一定範囲内に納めることにより、かかる課題の解決に初めて成功したものである。
すなわち本発明は、ポリ乳酸系樹脂(A)を含有するフィルムであって、
フィルム中の樹脂の見かけの質量平均分子量が20,000〜150,000であり、
引張弾性率が100〜1,500MPaであることを特徴とする、生分解性フィルム、である。
なお、本発明でいう易分解性とは、所望の用途でフィルムを使用した後、容易に崩壊すること、さらにはそれに伴い、生分解性が速まることをいう。
また、本発明でいう加工性とは、フィルム製造時における加工性、製造したフィルムを用いて所望の形状に加工する際の加工性のいずれか、または両方のことをいう。
以下、本発明の生分解性フィルムについて説明する。
本発明の生分解性フィルムは、フィルムを構成する有機物全体を100質量%としたとき、生分解性を有する有機物を50質量%以上含有する。
本発明でいう「生分解性を有する」とは、JIS K6950、JIS K6951、JIS K6953−1、JIS K6953−2、JIS K6955のいずれかで試験して、60%以上の生分解度を満たすことである。
(ポリ乳酸系樹脂(A))
本発明の生分解性フィルムは、ポリ乳酸系樹脂(A)を含有することが重要である。
ポリ乳酸系樹脂(A)とは、L−乳酸ユニットおよびD−乳酸ユニットから選ばれる単量体ユニットを主たる構成成分とする重合体である。ここで主たる構成成分とは、重合体の構成単位中において、乳酸ユニットの質量割合が最大であることを意味する。ポリ乳酸系樹脂(A)における乳酸ユニットの質量割合は、好ましくは重合体100質量%中において70質量%〜100質量%である。
ポリ乳酸系樹脂としては、ポリL−乳酸、ポリD−乳酸などが好ましく用いられる。本発明でいうポリL−乳酸とは、重合体中の全乳酸ユニット100mol%中において、L−乳酸ユニットの含有割合が50mol%を超え100mol%以下のものをいう。一方、本発明でいうポリD−乳酸とは、重合体中の全乳酸ユニット100mol%中において、D−乳酸ユニットの含有割合が50mol%を超え100mol%以下のものをいう。
ポリL−乳酸は、D−乳酸ユニットの含有割合によって、樹脂自体の結晶性が変化する。つまり、ポリL−乳酸中のD−乳酸ユニットの含有割合が多くなれば、ポリL−乳酸の結晶性は低くなり非晶に近づく。逆にポリL−乳酸中のD−乳酸ユニットの含有割合が少なくなれば、ポリL−乳酸の結晶性は高くなっていく。同様に、ポリD−乳酸は、L−乳酸ユニットの含有割合によって、樹脂自体の結晶性が変化する。つまり、ポリD−乳酸中のL−乳酸ユニットの含有割合が多くなれば、ポリD−乳酸の結晶性は低くなり非晶に近づく。逆にポリD−乳酸中のL−乳酸ユニットの含有割合が少なくなれば、ポリD−乳酸の結晶性は高くなっていく。
ポリL−乳酸中のL−乳酸ユニットの含有割合、あるいは、ポリD−乳酸中のD−乳酸ユニットの含有割合は、フィルムの機械強度を維持する観点から、全乳酸ユニット100mol%中において80〜100mol%が好ましく、より好ましくは85〜100mol%である。
本発明で用いられるポリ乳酸系樹脂(A)は、乳酸ユニット以外の他の単量体ユニットを共重合してもよい。他の単量体としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオールなどのグリコール化合物;シュウ酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸などのジカルボン酸;グリコール酸などのヒドロキシカルボン酸;カプロラクトンなどのラクトン類を挙げることができる。上記の他の単量体ユニットの共重合量は、重合体中の単量体ユニット全体100mol%中において、0〜30モル%であることが好ましく、0〜10モル%であることがより好ましい。なお、上記した単量体ユニットの中でも、用途に応じて生分解性を有する成分を選択することが好ましい。
また、ポリ乳酸系樹脂(A)について、主成分がポリL−乳酸の場合はポリD−乳酸を、また、主成分がポリD−乳酸の場合はポリL−乳酸を、少量混合することも好ましい。これにより形成されるステレオコンプレックス結晶は、通常のポリ乳酸の結晶(α結晶)よりも融点が高いため、フィルムの耐熱性が向上するためである。
ポリ乳酸系樹脂(A)の質量平均分子量は、易分解性、加工性を満足させるため、5万〜25万であることが好ましく、7万〜20万であることがより好ましく、9万〜15万であることがさらに好ましい。
ポリ乳酸系樹脂(A)の製造方法としては、既知の重合方法を用いることができる。具体的には、乳酸からの直接重合法、ラクチドを介する開環重合法などを挙げることができる。
本発明の生分解性フィルムは、後述するポリ乳酸系樹脂(A)以外の熱可塑性樹脂(B)を含有することが好ましい。そして、本発明の生分解性フィルムは、ポリ乳酸系樹脂(A)と熱可塑性樹脂(B)の合計100質量%中において、ポリ乳酸系樹脂(A)が10〜95質量%であることが好ましい。本発明の生分解性フィルムは、ポリ乳酸系樹脂(A)と熱可塑性樹脂(B)の合計100質量%において、ポリ乳酸系樹脂(A)を10質量%以上とすることで、加工性に優れたフィルムとなり、またポリ乳酸系樹脂(A)を95質量%以下とすることで、柔軟性に優れたフィルムとなる。フィルム中のポリ乳酸系樹脂(A)の含有量は、ポリ乳酸系樹脂(A)と熱可塑性樹脂(B)の合計100質量%中において、20〜85質量%であることがより好ましく、30〜75質量%であることがさらに好ましく、40〜65質量%であることが特に好ましい。
また、本発明の生分解性フィルム全体に対するポリ乳酸系樹脂(A)の含有量は、5〜90質量%であることが好ましく、10〜80質量%であることがより好ましく、15〜70質量%であることがさらに好ましく、20〜60質量%であることが特に好ましい。
(ポリ乳酸系樹脂以外の熱可塑性樹脂(B))
本発明の生分解性フィルムは、易分解性、柔軟性、加工性などを向上させるために、ポリ乳酸系樹脂(A)以外の熱可塑性樹脂(本発明において、熱可塑性樹脂(B)と呼ぶ)を含むことが好ましい。該熱可塑性樹脂(B)としては、ポリアセタール、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリ(メタ)アクリレート、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエステル、ポリウレタン、ポリイソプレン、ポリスルホン、ポリフェニレンオキサイド、ポリイミド、ポリエーテルイミド、エチレン/グリシジルメタクリレート共重合体、ポリエステルエラストマー、ポリアミドエラストマー、エチレン/プロピレンターポリマー、エチレン/ブテン−1共重合体、澱粉を含むポリマー、樹脂系の可塑剤などが使用できる。
熱可塑性樹脂(B)として好適なポリエステルの具体例としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどの芳香族ポリエステル系樹脂;ポリ(エチレンサクシネート・テレフタレート)、ポリ(ブチレンサクシネート・テレフタレート)、ポリ(ブチレンアジペート・テレフタレート)などの脂肪族芳香族ポリエステル系樹脂;ポリグリコール酸、ポリ(3−ヒドロキシブチレート)、ポリ(3−ヒドロキシブチレート・3−ヒドロキシヘキサノエート)、ポリ(3−ヒドロキシブチレート・3−ヒドロキシバリレート)、ポリカプロラクトン、ポリブチレンサクシネート、ポリ(ブチレンサクシネート・アジペート)、などの脂肪族ポリエステル系樹脂が使用できる。これらの中でも、生分解性を維持する観点から、脂肪族芳香族ポリエステル系樹脂または脂肪族ポリエステル系樹脂が好ましい。
熱可塑性樹脂(B)として好適な澱粉を含むポリマーの具体例としては、熱可塑性澱粉や、ノバモント社の生分解性樹脂「マタービー(登録商標)」などが使用できる。
熱可塑性樹脂(B)として好適な樹脂系の可塑剤の具体例としては、ポリプロピレングリコールセバシン酸エステルなどのポリエステル系可塑剤、ポリアルキレンエーテル系可塑剤、エーテルエステル系可塑剤、アクリレート系可塑剤などが使用できる。かかる可塑剤の中でも、フィルム全体の生分解性を維持する観点から、樹脂系の可塑剤としては、生分解性を有することが好ましい。さらに、可塑剤の耐ブリードアウト性や、フィルムの耐熱性および耐ブロッキング性の観点から、樹脂系の可塑剤は、例えば数平均分子量1,000以上のポリエチレングリコールなど、常温(20℃±15℃)で固体状、つまり、融点が35℃を超えるものが好ましい。また、ポリ乳酸系樹脂(A)との溶融加工温度を合わせる点で、融点が150℃以下であることが好ましい。
同様の観点から、熱可塑性樹脂(B)として好適な樹脂系の可塑剤は、ポリエーテルセグメントとポリ乳酸セグメントとを有するブロック共重合体、または、ポリエステルセグメントとポリ乳酸セグメントとを有するブロック共重合体であることがさらに好ましい。ここで、可塑化成分は、ポリエーテルセグメントおよびポリエステルセグメントとなる。ここで、ポリエステルセグメントとは、ポリ乳酸以外のポリエステルからなるセグメントを意味する。以下、ポリエーテルセグメントとポリ乳酸セグメントとを有するブロック共重合体、および、ポリエステルセグメントとポリ乳酸セグメントとを有するブロック共重合体を、総称して「ブロック共重合体可塑剤」と記す。主にポリ乳酸系樹脂(A)を可塑化することでフィルムに柔軟性を付与している、これらブロック共重合体可塑剤について以下に説明する。
ブロック共重合体可塑剤に含まれるポリ乳酸セグメントの質量割合は、ブロック共重合体可塑剤全体の50質量%以下であることが、より少量の添加で所望の柔軟性を付与できるため好ましく、5質量%以上であることが、ブリードアウト抑制の点から好ましい。好ましくは、ブロック共重合体可塑剤100質量%中において、乳酸ユニットの質量割合が5質量%〜45質量%であり、ポリエーテルセグメントやポリエステルセグメントの質量割合が55質量%〜95質量%である。
また、ブロック共重合体可塑剤1分子中のポリ乳酸セグメントの数平均分子量は1,200〜10,000であることが好ましい。ブロック共重合体可塑剤の有するポリ乳酸セグメントの数平均分子量が、1,200以上であると、熱可塑性樹脂(B)であるブロック共重合体可塑剤とポリ乳酸系樹脂(A)との間に十分な親和性が生じる。また、該ポリ乳酸セグメントの一部は、ポリ乳酸系樹脂(A)から形成される結晶中に取り込まれ、いわゆる共晶を形成することで、熱可塑性樹脂(B)であるブロック共重合体可塑剤をポリ乳酸系樹脂(A)につなぎ止める作用を生じ、ブロック共重合体可塑剤のブリードアウト抑制に大きな効果を発揮する。その結果、フィルムの耐ブロッキング性も優れることになる。ブロック共重合体可塑剤中のポリ乳酸セグメントの数平均分子量は、1,500〜6,000であることがより好ましく、2,000〜5,000であることがさらに好ましい。なお、ブロック共重合体可塑剤の有するポリ乳酸セグメントにおいて、L−乳酸ユニットが95〜100質量%であるか、あるいはD−乳酸ユニットが95〜100質量%であることが、特にブリードアウトが抑制されるため好ましい。
ブロック共重合体可塑剤がポリエーテルセグメントを有する場合は、ポリエーテルセグメントとしてポリアルキレンエーテルからなるセグメントを有することがより好ましい。具体的には、ポリエーテルセグメントとして、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリエチレングリコール・ポリプロピレングリコール共重合体などからなるセグメントが挙げられる。特にポリエチレングリコールからなるセグメントは、ポリ乳酸系樹脂(A)との親和性が高いために改質効率に優れ、特に少量の添加で所望の柔軟性を付与できるため好ましい。
ブロック共重合体可塑剤がポリエステルセグメントを有する場合は、ポリグリコール酸、ポリ(3−ヒドロキシブチレート)、ポリ(3−ヒドロキシブチレート・3−ヒドロキシヘキサノエート)、ポリ(3−ヒドロキシブチレート・3−ヒドロキシバリレート)、ポリカプロラクトン、あるいはエチレングリコール、プロパンジオール、ブタンジオールなどの脂肪族ジオールと、コハク酸、セバシン酸、アジピン酸などの脂肪族ジカルボン酸よりなるポリエステルなどが、ポリエステルセグメントとして好適に用いられる。
なお、ブロック共重合体可塑剤は、その1分子中に、ポリエーテルセグメントとポリエステルセグメントの両方の成分を含有してもよいし、いずれか一方の成分のみを含有してもよい。可塑剤の生産性やコスト等の理由から、いずれか一方の成分とする場合は、より少量の可塑剤の添加で所望の柔軟性を付与できる観点から、ポリエーテルセグメントを用いる方が好ましい。つまりブロック共重合体可塑剤として好ましい態様は、ポリエーテルセグメントとポリ乳酸セグメントとのブロック共重合体である。
さらにまた、ブロック共重合体可塑剤の1分子中のポリエーテルセグメントやポリエステルセグメントの数平均分子量は、7,000〜20,000であることが好ましい。上記範囲とすることで、生分解性フィルムを構成する組成物に十分な柔軟性を持たせ、なおかつ、ポリ乳酸系樹脂(A)を含む組成物とした際に溶融粘度を適度なレベルとし、インフレーション製膜時などの加工性を安定させることができる。
前記ポリエーテルセグメントおよび/またはポリエステルセグメントと、ポリ乳酸セグメントの各セグメントブロックの順序構成に特に制限は無いが、より効果的にブリードアウトを抑制する観点から、少なくとも1ブロックのポリ乳酸セグメントがブロック共重合体可塑剤分子の端にあることが好ましい。ポリ乳酸セグメントのブロックがブロック共重合体可塑剤分子の両端にあることが最も好ましい。
熱可塑性樹脂(B)を含有することによる易分解性の向上は、例えば、熱可塑性樹脂(B)として比較的低分子量の樹脂を含有することによりフィルム中の樹脂の見かけの質量平均分子量を低くすることや、熱可塑性樹脂(B)として澱粉を含むポリマーなど分解性の高い樹脂を含有することによりフィルム全体の分解性を向上させることなどによって達成される。さらに、熱可塑性樹脂(B)として、ポリ(ブチレンアジペート・テレフタレート)、ポリ(3−ヒドロキシブチレート・3−ヒドロキシヘキサノエート)、ポリ(3−ヒドロキシブチレート・3−ヒドロキシバリレート)、ポリカプロラクトン、ポリ(ブチレンサクシネート・アジペート)などの比較的柔軟性の高いポリエステルを含む場合、インフレーション製膜などドラフト比(ドロー比)の高い製膜法を採用することで、ポリ乳酸系樹脂(A)と熱可塑性樹脂(B)が、フィルムの厚み方向に幾層にも重なった層状アロイ構造を形成し、この構造が易分解性の向上に大きく貢献することを本発明で見出した。
熱可塑性樹脂(B)を含有することによる加工性の向上は、例えば、熱可塑性樹脂(B)として比較的溶融粘度および溶融張力が高い樹脂を含有することによりインフレーション製膜時のバブル形成を安定化することや、熱可塑性樹脂(B)として比較的高い伸度を有する樹脂を含有することによりフィルム全体の伸度を向上させることなどによって達成される。
熱可塑性樹脂(B)を含有することによる柔軟性の向上は、例えば、熱可塑性樹脂(B)としてポリ乳酸系樹脂(A)を可塑化する性能を有する樹脂を含有することにより弾性率を低下させることや、熱可塑性樹脂(B)として柔軟性のある比較的低い弾性率を有する樹脂を含有することによりフィルム全体の柔軟性を向上させることなどによって達成される。
本発明の生分解性フィルムに含まれる熱可塑性樹脂(B)の含有量は、ポリ乳酸系樹脂(A)と熱可塑性樹脂(B)の合計100質量%中において、5〜90質量%であることが好ましい。5質量%以上とすることで、柔軟性に優れたフィルムとなる。90質量%以下とすることで、加工性に優れたフィルムとなる。熱可塑性樹脂(B)の含有量は、ポリ乳酸系樹脂(A)と熱可塑性樹脂(B)の合計100質量%中において、15〜80質量%であることがより好ましく、25〜70質量%であることがさらに好ましく、35〜60質量%であることが特に好ましい。
また、本発明の生分解性フィルム全体に対する熱可塑性樹脂(B)の含有量は、0〜85質量%であることが好ましく、10〜75質量%であることがより好ましく、20〜65質量%であることがさらに好ましく、30〜55質量%であることが特に好ましい。
(熱可塑性樹脂(B)の組み合わせ)
本発明の生分解性フィルムには、前述の熱可塑性樹脂(B)の1種のみを含んでもよいし、2種以上を組み合わせて含んでもよい。組み合わせる樹脂には特に制限はなく、熱可塑性樹脂(B)として前述したポリ乳酸系樹脂以外の熱可塑性樹脂群から選ばれた樹脂をそれぞれ組み合わせることができる。その中でも、柔軟性と易分解性を両立させる点から、樹脂系の可塑剤と、樹脂系の可塑剤以外の熱可塑性樹脂との組み合わせが好ましい。
樹脂系の可塑剤の中では、耐ブロッキング性および耐ブリードアウト性の観点から、前述したブロック共重合体可塑剤、つまり、ポリエーテルセグメントとポリ乳酸セグメントとを有するブロック共重合体、または、ポリエステルセグメントとポリ乳酸セグメントとを有するブロック共重合体が好ましい。より好ましくは、ポリエーテルセグメントとポリ乳酸セグメントとを有するブロック共重合体である。
樹脂系の可塑剤以外の熱可塑性樹脂の中では、生分解性の観点から、前述した脂肪族ポリエステル系樹脂や脂肪族芳香族ポリエステル系樹脂が好ましい。それらの中でも、柔軟性、易分解性の観点からは、ポリ(ブチレンアジペート・テレフタレート)、ポリブチレンサクシネート、ポリ(ブチレンサクシネート・アジペート)、ポリ(3−ヒドロキシブチレート)、ポリ(3−ヒドロキシブチレート・3−ヘキサノエート)、ポリ(3−ヒドロキシブチレート・3−ヒドロキシバリレート)、ポリカプロラクトンから選ばれた樹脂がより好ましい。
つまり熱可塑性樹脂(B)としては、ポリエーテルセグメントとポリ乳酸セグメントとを有するブロック共重合体、ポリエステルセグメントとポリ乳酸セグメントとを有するブロック共重合体、脂肪族ポリエステル系樹脂、および脂肪族芳香族ポリエステル系樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1つの樹脂が好ましい。さらに、ポリエーテルセグメントとポリ乳酸セグメントとを有するブロック共重合体およびポリエステルセグメントとポリ乳酸セグメントとを有するブロック共重合体からなる群より選ばれる少なくとも1つの樹脂(樹脂系の可塑剤)と、脂肪族ポリエステル系樹脂および脂肪族芳香族ポリエステル系樹脂より選ばれる少なくとも1つの樹脂(樹脂系の可塑剤以外の熱可塑性樹脂)との組み合わせからなることがより好ましい。
本発明では、特に前記組み合わせの組成のフィルムにおいて、フィルム中の樹脂の見かけの質量平均分子量を後述する好ましい範囲に設定した場合、ブロック共重合体により柔軟化したポリ乳酸系樹脂(A)による柔軟性の発現効果と、熱可塑性樹脂(B)による柔軟性、加工性の発現効果、ポリ乳酸系樹脂(A)と熱可塑性樹脂(B)の層状アロイ構造による易分解性の発現効果の相乗効果により、柔軟性と加工性、易分解性の両立が非常に高いレベルで達成することができることを見出した。
熱可塑性樹脂(B)が、樹脂系の可塑剤と、樹脂系の可塑剤以外の熱可塑性樹脂との組み合わせである場合、その配合質量比は、(樹脂系の可塑剤/樹脂系の可塑剤以外の熱可塑性樹脂)=(5/95)〜(95/5)であることが好ましく、(10/90)〜(80/20)であることがより好ましく、(20/80)〜(60/40)であることがさらに好ましい。
(結晶性ポリ乳酸系樹脂と非晶性ポリ乳酸系樹脂の混合)
本発明の生分解性フィルムに含有されるポリ乳酸系樹脂(A)は、結晶性ポリ乳酸系樹脂と非晶性ポリ乳酸系樹脂の混合物であることが好ましい。混合物とすることにより、結晶性および、非晶性、それぞれのポリ乳酸系樹脂の利点を両立できるからである。
なお、結晶性ポリ乳酸系樹脂とは、該ポリ乳酸系樹脂を加熱下で十分に結晶化させた後に、適当な温度範囲で示差走査熱量計(DSC)にて測定を行った場合、ポリ乳酸成分に由来する融点が観測されるポリ乳酸系樹脂のことをいう。一方で非晶性ポリ乳酸系樹脂とは、同様の測定を行った際に、明確な融点を示さないポリ乳酸系樹脂のことをいう。
結晶性ポリ乳酸系樹脂の含有は、フィルムの耐熱性および耐ブロッキング性向上に好適である。また、熱可塑性樹脂(B)として前述のブロック共重合体可塑剤を用いる場合、結晶性ポリ乳酸系樹脂はブロック共重合体可塑剤が有するポリ乳酸セグメントと共晶を形成することで、耐ブリードアウト性に大きな効果を発揮する。
一方、非晶性ポリ乳酸系樹脂の含有は、フィルムの柔軟性および耐ブリードアウト性の向上に好適である。これは、フィルムに非晶性ポリ乳酸系樹脂が含有されることにより非晶部分が提供され、そこに可塑剤が分散しやすくなることが影響している。
結晶性ポリ乳酸系樹脂は、耐熱性および耐ブロッキング性向上の観点から、ポリL−乳酸中のL−乳酸ユニットの含有割合、あるいは、ポリD−乳酸中のD−乳酸ユニットの含有割合が全乳酸ユニット100mol%中において96〜100mol%が好ましく、より好ましくは98〜100mol%である。
結晶性ポリ乳酸系樹脂と非晶性ポリ乳酸系樹脂の混合物を用いる場合、結晶性ポリ乳酸系樹脂と非晶性ポリ乳酸系樹脂の合計を100質量%としたとき、結晶性ポリ乳酸系樹脂の含有量は5〜60質量%であることが好ましく、10〜50質量%であることがより好ましく、20〜40質量%であることがさらに好ましい。
(フィルム中の樹脂の見かけの質量平均分子量)
本発明の生分解性フィルムは、フィルム中の樹脂の見かけの質量平均分子量が20,000〜150,000であることが重要である。フィルム中の樹脂の見かけの質量平均分子量が20,000未満であると加工性に劣るフィルムとなり、フィルム中の樹脂の見かけの質量平均分子量が150,000を超えると易分解性に劣るフィルムとなる。フィルム中の樹脂の見かけの質量平均分子量の下限は、40,000以上であることが好ましく、50,000以上であることがより好ましく、60,000以上であることがさらに好ましく、70,000以上であることが特に好ましい。フィルム中の樹脂の見かけの質量平均分子量の上限は、140,000以下であることが好ましく、130,000以下であることがより好ましく、120,000以下であることがさらに好ましく、110,000以下であることが特に好ましい。
本発明でいうフィルム中の樹脂の見かけの質量平均分子量の測定は、具体的な方法は後述するが、ゲル浸透クロマトグラフ(GPC)でヘキサフルオロイソプロパノール溶媒にて行う。分子量はポリメチルメタクリレートの標準試料の校正曲線からの換算により求め、分子量が1,000〜10,000,000に相当する範囲から計算される質量平均分子量の値を、本発明でいうフィルム中の樹脂の見かけの質量平均分子量とする。
なお、フィルム中の樹脂が複数の混合物である場合、分子量測定で得られる分子量分布は各樹脂が重なった状態の曲線となるが、本発明ではその曲線から得られる、フィルム中の樹脂の「見かけの」質量平均分子量を採用する。
(カルボキシル基末端含有量)
本発明の生分解性フィルムは、該フィルムの全成分中のカルボキシル基末端含有量が20〜200eq/tonであることが好ましい。カルボキシル基末端含有量が20eq/ton以上であると、易分解性が良好となり、カルボキシル基末端含有量が200eq/ton以下であると、加工性が良好となる。カルボキシル基末端含有量は40〜180eq/tonであることがより好ましく、60〜160eq/tonであることがさらに好ましく、80〜140eq/tonであることが特に好ましい。
(エンタルピー緩和熱量)
本発明の生分解性フィルムは、ポリ乳酸系樹脂(A)のエンタルピー緩和熱量が1〜10J/gであることが好ましい。ポリ乳酸系樹脂(A)のエンタルピー緩和熱量が1J/g以上であると、易分解性が良好となり、ポリ乳酸系樹脂(A)のエンタルピー緩和熱量が10J/g以下であると、加工性が良好となる。ポリ乳酸系樹脂(A)のエンタルピー緩和熱量は2〜9J/gであることがより好ましく、3〜8J/gであることがさらに好ましく、4〜7J/gであることが特に好ましい。
エンタルピー緩和熱量を上記範囲にする方法は特に限定されないが、後述するエイジング処理をフィルムに施すことなどが挙げられる。エイジング処理の温度が低い、あるいは時間が短いとエンタルピー緩和熱量は小さくなる傾向があり、エイジング処理の温度が高い、あるいは時間が長いとエンタルピー緩和熱量は大きくなる傾向がある。
(充填剤(C))
本発明の生分解性フィルムは、易分解性を向上させるために、充填剤(C)を含むことが好ましい。充填剤(C)としては、無機充填剤および/または有機充填剤が使用できる。
充填剤とは、諸性質を改善するために基材として加えられる物質、あるいは増量、増容、製品のコスト低減などを目的として添加する不活性物質をいう。
無機充填剤の例としては、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム等の炭酸塩;硫酸マグネシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム等の硫酸塩;酸化亜鉛、酸化ケイ素(シリカ)、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化鉄、アルミナなどの金属酸化物;水酸化アルミニウム等の水酸化物;珪酸塩鉱物、ヒドロキシアパタイト、マイカ、タルク、カオリン、クレー、モンモリロナイト、ゼオライト等の複合酸化物;リン酸リチウム、リン酸カルシウム、リン酸マグネシウム等のリン酸塩;塩化リチウム、フッ化リチウム等の金属塩などを使用することができる。
充填剤(C)の平均粒径は、特に限定されないが、0.01〜10μmが好ましい。平均粒径が0.01μm以上であることで、フィルム中に高充填することが可能となり、その結果、フィルムの易分解性が向上する。平均粒径が10μm以下であることで、フィルムの加工性が向上する。平均粒径は、より好ましくは0.1〜8μm、さらに好ましくは0.5〜5μm、最も好ましくは1〜3μmである。なお、ここでいう平均粒径とは、レーザー回折散乱式の方法で測定される累積分布50%平均粒子径とする。
充填剤(C)の樹脂組成物中での分散性を向上させるため、必要に応じて、充填剤に表面処理を施すことができるし、また、さらに分散剤を別途添加してもよい。
フィルム中の充填剤(C)の含有量は、ポリ乳酸系樹脂(A)と熱可塑性樹脂(B)の合計100質量部に対して、充填剤(C)を1〜200質量部含有することが好ましい。フィルム中の充填剤(C)の含有量を、ポリ乳酸系樹脂(A)と熱可塑性樹脂(B)の合計100質量部に対して、1質量部以上とすることで、易分解性に優れたフィルムとなる。また、フィルム中の充填剤(C)の含有量を、ポリ乳酸系樹脂(A)と熱可塑性樹脂(B)の合計100質量部に対して、200質量部以下とすることで、フィルムの加工性に優れたフィルムとなる。充填剤(C)の配合量は、ポリ乳酸系樹脂(A)と熱可塑性樹脂(B)の合計100質量部に対して、3〜150質量部であることがより好ましく、5〜100質量部であることがさらに好ましく、25〜70質量部であることが特に好ましい。
(引裂強さ)
本発明の生分解性フィルムは、JIS K7128−1(1998)で定められたトラウザー引裂法による、長さ方向及び/又は幅方向の引裂強さが0.10N以下であることが好ましい。長さ方向及び/又は幅方向の引裂強さが0.10N以下であると、易分解性が良好となる。長さ方向及び/又は幅方向の引裂強さは0.08N以下であることがより好ましく、0.06N以下であることがさらに好ましく、0.04N以下であることがさらにより好ましく、0.02N以下であることが特に好ましい。下限は特に限定されないが、0.001N以上であることが好ましい。
(引張伸度)
本発明の生分解性フィルムは、長さ方向及び/又は幅方向(長さ方向と垂直な方向)の引張伸度が、50〜300%であることが好ましい。引張伸度は本発明の生分解性フィルムを製造する際や、様々な用途に適用する際の加工性に関する指標となり、引張伸度が大きいほど加工性が良好となる。引張伸度が300%以下であると製造プロセス中のロール間走行時や巻き取り時にタルミやシワが生じにくくなる。長さ方向及び/又は幅方向の引張伸度は、100〜290%がより好ましく、150〜280%がさらに好ましい。長さ方向及び/又は幅方向の引張伸度を50〜300%とするための方法としては、特に限定されないが、例えば、フィルムの樹脂組成を前記した好ましい種類、組み合わせ、配合量にすることが挙げられる。
(引張弾性率)
本発明の生分解性フィルムは、十分な柔軟性を付与するために、引張弾性率が100〜1,500MPaであることが重要である。引張弾性率は柔軟性に関する指標となり、引張弾性率が小さいほど柔軟性が良好となる。引張弾性率が100MPa未満であると、製造プロセス中のロール間走行時や巻き取り時のタルミやシワが生じ、加工性が不良となる。引張弾性率が1500MPaを超えると柔軟性が劣る。引張弾性率は、150〜1,200MPaであることが好ましく、180〜1,000MPaであることがより好ましく、200〜900MPaであることがさらに好ましい。引張弾性率を100〜1,500MPaとするための方法としては、特に限定されないが、例えば、フィルムの樹脂組成を前記した好ましい種類、組み合わせ、配合量にすることが挙げられる。
(厚み)
本発明の生分解性フィルムは、フィルム厚みが5〜200μmであることが好ましい。フィルム厚みを5μm以上とすることで、フィルムとした際のコシが強くなり、加工性が良好となる。フィルム厚みを200μm以下とすることで易分解性、柔軟性が良好となる。フィルム厚みは、7〜150μmがより好ましく、10〜100μmがさらに好ましく、12〜50μmがさらにより好ましい。
(添加剤)
本発明の生分解性フィルムを構成する組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で前述した以外の添加剤を含有してもよい。例えば、公知の可塑剤、酸化防止剤、結晶核剤、有機滑剤、紫外線安定化剤、末端封鎖剤、着色防止剤、艶消し剤、抗菌剤、消臭剤、難燃剤、耐候剤、帯電防止剤、抗酸化剤、イオン交換剤、粘着性付与剤、消泡剤、着色顔料、染料などが使用できる。
有機滑剤としては、脂肪酸アミド系の化合物が好ましく使用できる。
酸化防止剤としてはヒンダードフェノール系酸化防止剤、ヒンダードアミン系酸化防止剤など好ましく使用できる。
末端封鎖剤としては、カルボジイミド化合物、エポキシ化合物、オキサゾリン化合物等の付加反応型化合物が好ましく使用できる。
(エイジング処理)
本発明の生分解性フィルムは、易分解性を良好にするために、エイジング処理を施すことが有効である。エイジング処理の方法は特に限定されないが、例えば、ある一定の温度や湿度を保持できる部屋、オーブン、恒温恒湿槽などの中に、フィルムをある一定の張力のもと保管あるいは搬送させることが挙げられる。具体的には、フィルムに一定張力をかけて熱風オーブン内を搬送させる方法、フィルムに一定張力をかけて、あるいは一定張力をかけないで、恒温恒湿槽に保管する方法、フィルムロールの状態で温度、湿度が管理された室内に保管する方法などが挙げられる。エイジング処理の温度は10〜70℃が好ましく、20〜60℃がより好ましく、30〜50℃がさらに好ましい。エイジング処理の湿度は40〜90%RHが好ましく、50〜85%RHがより好ましく、60〜80%RHがさらに好ましい。エイジング処理時にフィルムにかける張力は、0〜5MPaが好ましい。
(製造方法)
次に、本発明の生分解性フィルムを製造する方法について、具体的に説明するがこれに限定されるものではない。
本発明の生分解性フィルムを構成する組成物、つまり、ポリ乳酸系樹脂(A)に加え、例えば熱可塑性樹脂(B)、充填剤(C)およびその他の成分を含有する組成物を得るにあたっては、各成分を溶媒に溶かした溶液を均一混合した後、溶媒を除去して組成物を製造することも可能であるが、各成分を溶融混練することにより組成物を製造する溶融混練法が、溶媒への原料の溶解、溶媒除去等の工程が不要であるので好ましい。溶融混練方法については、特に制限はなく、ニーダー、ロールミル、バンバリーミキサー、単軸または二軸押出機等の公知の混合機を用いることができる。中でも生産性の観点から、単軸または二軸押出機の使用が好ましい。
溶融混練時の温度は、使用する樹脂の種類にもよるが、150℃〜240℃の範囲が好ましく、190℃〜210℃の範囲がより好ましい。
本発明の生分解性フィルムは、例えば、上記した方法により得られた組成物を用いて、公知のインフレーション法、チューブラー法、Tダイキャスト法などの既存の製膜方法により得ることができる。
本発明の生分解性フィルムを製膜するにあたって、例えば前述した方法により得られた樹脂組成物を一旦ペレット化して再度溶融混練して押出・製膜する際には、ペレットを60〜100℃にて6時間以上乾燥するなどして、水分量を500ppm以下とした組成物を用いることが好ましい。
続いて、本発明の生分解性フィルムをインフレーション法により製膜する方法を以下に例示する。
前述のような方法により製造した組成物を真空ベント孔付き2軸押出機にて溶融押出して環状ダイスに導き、環状ダイスから押出して内部には乾燥エアーを供給して風船状(バブル)に形成する。さらにエアーリングにより均一に空冷固化させ、ニップロールでフラットに折りたたみながら所定の引き取り速度で引き取った後、必要に応じて両端、または片方の端を切り開いて巻き取ることで、目的のフィルムを得ることができる。厚み精度を良くするためには環状ダイスの温度が重要であり、環状ダイスの温度は好ましくは150〜190℃、より好ましくは155〜185℃の範囲である。環状ダイスは、得られるフィルムの厚み精度および均一性の点から、回転式、かつ、スパイラル型を用いるのが良い。また、フィルムに成形した後に、印刷性、ラミネート適性、コーティング適性などを向上させる目的で、コロナ放電処理、プラズマ処理、火炎処理、酸処理などの表面処理を施しても良いし、柔軟性、易分解性などを向上させる目的でエンボス加工などの後加工処理を施しても良い。
以下に実施例を示して本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれにより何ら制限を受けるものではない。
[測定および評価方法]
実施例中に示す測定や評価は次に示すような条件で行った。
(1)引張強度(破断強度)(MPa)
オリエンテック社製TENSILON(登録商標) UCT−100を用いて、室温23℃、相対湿度65%の雰囲気にて、引張強度を測定した。具体的には、測定方向に長さ150mm、幅10mmの短冊状にサンプルを切り出し、初期引張チャック間距離50mm、引張速度200mm/分で、JIS K−7127(1999)に規定された方法にしたがって、長さ方向、幅方向それぞれについて10回の測定を行い、その平均値を引張強度とした。
(2)引張伸度(破断伸度)(%)
オリエンテック社製TENSILON(登録商標) UCT−100を用いて、室温23℃、相対湿度65%の雰囲気にて、引張伸度を測定した。具体的には、測定方向に長さ150mm、幅10mmの短冊状にサンプルを切り出し、初期引張チャック間距離50mm、引張速度200mm/分で、JIS K−7127(1999)に規定された方法にしたがって、長さ方向、幅方向それぞれについて10回の測定を行い、その平均値を引張伸度とした。
(3)引張弾性率(MPa)
オリエンテック社製TENSILON(登録商標) UCT−100を用いて、室温23℃、相対湿度65%の雰囲気にて、引張弾性率を測定した。具体的には、測定方向に長さ150mm、幅10mmの短冊状にサンプルを切り出し、初期引張チャック間距離50mm、引張速度200mm/分で、JIS K−7127(1999)に規定された方法にしたがって、長さ方向、幅方向それぞれについて10回の測定を行い、合計20回の測定の平均値を引張弾性率とした。
(4)フィルム中の樹脂の見かけの質量平均分子量
試料約8mgに、溶媒として5mMのトリフルオロ酢酸ナトリウムを添加したヘキサフルオロイソプロパノール約4mLを加え、室温で緩やかに攪拌後、不溶物がある場合は0.45μmフィルターにて濾過することにより取り除き、測定用試料を調製した。
続いて、ゲル浸透クロマトグラフ(GPC)を用いて分子量測定を行った。測定条件は、カラム温度40℃、注入量0.2mL、流速0.5mL/minとした。分子量への換算は、ポリメチルメタクリレートの標準試料の校正曲線により行った。
そして、分子量が1,000〜10,000,000に相当する範囲から計算される質量平均分子量の値(下2ケタで四捨五入)を、本発明でいうフィルム中の樹脂の見かけの質量平均分子量とした。
なお、測定で用いた装置、標準試料は次の通りである。
検出器:示差屈折率検出器 Waters製 RI−2414型、感度256
送液ポンプ:Waters製 515型 HPLC PUMP
インジェクター:東ソー製オートサンプラー AS−8020型
カラム:Shodex HFIP−806M(2本)(昭和電工製)
標準試料:昭和電工製単分散ポリメチルメタクリレート(分子量 105万、60.8万、21.8万、7.32万、2.76万、2.06万、0.683万、0.185万、0.085万、0.0645万)
(5)カルボキシル基末端含有量(COOH量)(eq/ton)
試料約0.3gに、溶媒としてクロロホルム25mLを加え、室温で緩やかに攪拌後、不溶物がある場合は0.45μmフィルターにて濾過することにより取り除き、測定用試料を調製した。この溶液に指示薬としてブロモフェノールレッド/メタノール1wt%溶液を7滴添加した後、0.005規定のKOHエタノール溶液にて滴定し、中和に要した滴定量(a)(mL)を求めた。同様にして、溶媒のみの中和に要した滴定量(b)(mL)を求め、下記式によりカルボキシル基末端含有量を求めた。測定は試料1検体につき2回行い、その平均値をカルボキシル基末端含有量とした。
COOH量(eq/ton)=(a−b)×0.005×1000/c
a:試料の中和に要した滴定量(mL)(小数点第2位)
b:溶媒のみの中和に要した滴定量(mL)(小数点第2位)
c:試料の質量(g)(小数点第3位)
なお、滴定時に、乳酸の環状2量体であるラクチド等のオリゴマーが加水分解し、カルボキシル基末端を生じるため、ポリマーのカルボキシル基末端およびモノマー由来のカルボキシル基末端、オリゴマー由来のカルボキシル基末端の全てを合計した値を、本発明でいうカルボキシル基末端含有量とした。
また、試料の樹脂がクロロホルムに溶解しない場合は適宜溶媒を変更して測定してもよいし、中和点を観測する指示薬が適当でない場合は適宜指示薬を変更してもよい。
(6)ポリ乳酸系樹脂(A)のエンタルピー緩和熱量(J/g)
セイコーインスツル(株)製示差走査熱量計RDC220を用い、フィルム試料5mgをアルミニウム製受皿にセットし、25℃から降温速度20℃/分で−100℃まで降温後、−100℃のまま10分間保持したのち、昇温速度20℃/分で250℃まで昇温した。その昇温時に観測される、ポリ乳酸系樹脂(A)のガラス転移点の少し高温側に現れるエンタルピー緩和による吸熱ピークのピーク面積から算出される熱量を、JIS K7121(1987)に規定された方法に従って求めた。
(7)引裂強さ(N)
島津製作所製オートグラフ(登録商標) AG−ISを用いて、室温23℃、相対湿度65%の雰囲気にて、引張強さを測定した。具体的には、測定方向に長さ150mm、幅50mmの短冊状にサンプルを切り出し、幅の中央に75mmの切り込みを入れ、初期チャック間距離100mm、引張速度200mm/分で、JIS K−7128−1(1998)に準拠し、長さ方向、幅方向それぞれについて10回の測定を行い、その平均値を引裂強さとした。
(8)易分解性
(1)で測定した長さ方向と幅方向の引張強度の、小さい方の値を用いて、以下の基準にて評価した。
A:10MPa未満
B:10Ma以上20MPa未満
C:20Ma以上30MPa未満
D:30Ma以上。
(9)加工性
(2)で測定した長さ方向と幅方向の引張伸度の、大きい方の値を用いて、以下の基準にて評価した。
A:150%以上
B:100%以上150%未満
C:20%以上100%未満
D:20%未満。
(10)柔軟性
(3)で測定した引張弾性率の値を用いて、以下の基準にて評価した。
A:500MPa以下
B:500MPa超1000MPa以下
C:1000MPa超1500MPa以下
D:1500MPa超。
以下に、実施例で使用した材料について説明する。
[ポリ乳酸系樹脂(A)]
(A1)
結晶性ポリL−乳酸樹脂、質量平均分子量=220,000、D体含有量=1.4%、融点=166℃
(A2)
非晶性ポリL−乳酸樹脂、質量平均分子量=200,000、D体含有量=12.0%、融点=無し
(A3)
結晶性ポリL−乳酸樹脂、質量平均分子量=110,000、D体含有量=1.4%、融点=166℃
(A4)
非晶性ポリL−乳酸樹脂、質量平均分子量=140,000、D体含有量=9.5%、融点=130℃
上記の融点は、ポリ乳酸樹脂を100℃の熱風オーブン中で24時間加熱させた後に、セイコーインスツル社製示差走査熱量計RDC220を用い、試料5mgをアルミニウム製受皿にセットし、25℃から昇温速度20℃/分で250℃まで昇温した際の結晶融解ピークのピーク温度として求めた。
[ポリ乳酸系樹脂(A)以外の熱可塑性樹脂(B)]
(B1)
数平均分子量8,000のポリエチレングリコール62質量部とL−ラクチド38質量部とオクチル酸スズ0.05質量部を混合し、撹拌装置付きの反応容器中で、窒素雰囲気下160℃で3時間重合することで、数平均分子量8,000のポリエチレングリコールの両末端に数平均分子量2,500のポリL−乳酸セグメントを有するブロック共重合体可塑剤B1を得た。
(B2)
ポリブチレンアジペート・テレフタレート樹脂、質量平均分子量60,000(BASF社製、商品名“エコフレックス”FBX7011)
[充填剤(C)]
(C1)
炭酸カルシウム(三共精粉社製、商品名“トップフローH200”、平均粒子径:1.7μm)
[生分解性フィルムの作成]
(比較例1)
ポリ乳酸樹脂(A1)20質量部、ポリ乳酸樹脂(A2)50質量部、熱可塑性樹脂(B1)30質量部に、有機滑剤としてステアリン酸アミド(日本油脂社製、商品名“アルフローS−10”)1質量部を加えた混合物をシリンダー温度190℃のスクリュー径44mmの真空ベント付き2軸押出機に供し、真空ベント部を脱気しながら溶融混練し、均質化した後にペレット化して組成物を得た。
この組成物のペレットを、回転式ドラム型真空乾燥機を用いて、温度60℃で12時間真空乾燥した。
この乾燥した組成物のペレットを、シリンダー温度180℃の単軸押出機に供給し、直径250mm、リップクリアランス1.3mm、温度160℃の回転式スパイラル型環状ダイスより、ブロー比2.4にてバブル状に上向きに押出し、冷却リングにより空冷し、ダイス上方のニップロールで折りたたみながら引き取り、両端部をエッジカッターにて切断して2枚に切り開き、それぞれワインダーにて巻き取り、最終厚みが15μmのフィルムを得た。このとき、ドロー比は36であった。得られたフィルムの物性を表1に示した。
(実施例1、3、4、比較例2、3)
フィルムの組成を表1、2のように変更した以外は、比較例1と同様にして厚さ15μmのフィルムを得た。得られたフィルムの物性を表1に示した。
(実施例2)
フィルムの組成を表1のように変更した以外は、比較例1と同様にして厚さ15μmのフィルムを得た。得られたフィルムを温度40℃、湿度75%RHの恒温恒湿槽内に張力0MPaでセットし、45日間エイジング処理を実施した。得られたフィルムの物性を表1に示した。
(実施例5)
フィルムの組成を表1のように変更した以外は、比較例1と同様にして厚さ15μmのフィルムを得た。得られたフィルムを温度40℃の熱風オーブン内にセットし、張力5MPa、搬送速度10m/分で走行させながら、120時間エイジング処理を実施した。得られたフィルムの物性を表1に示した。
(実施例6)
2軸押出機のシリンダー温度を170℃、単軸押出機のシリンダー温度を160℃、回転式スパイラル型環状ダイスの温度を140℃に設定し、フィルムの組成を表2のように変更した以外は、比較例1と同様にして厚さ15μmのフィルムを得た。得られたフィルムの物性を表2に示した。
(比較例4、5)
2軸押出機のシリンダー温度を200℃、単軸押出機のシリンダー温度を190℃、回転式スパイラル型環状ダイスの温度を170℃に設定し、フィルムの組成を表2のように変更した以外は、比較例1と同様にして厚さ15μmのフィルムを得た。得られたフィルムの物性を表2に示した。
Figure 2014173074
Figure 2014173074
本発明の生分解性フィルムは、易分解性、柔軟性、加工性に優れた、生分解性フィルムである。本発明の生分解性フィルムは、マルチフィルムなどの農業用材料、薫蒸シートなどの林業用材料、紙おむつ、ナプキン、ライナーなどの衛生材料、レジ袋、ゴミ袋、食品用、工業製品用などの各種包装材料、などに使用できる。

Claims (7)

  1. ポリ乳酸系樹脂(A)を含有するフィルムであって、
    フィルム中の樹脂の見かけの質量平均分子量が20,000〜150,000であり、
    引張弾性率が100〜1,500MPaであることを特徴とする、生分解性フィルム。
  2. カルボキシル基末端含有量が20〜200eq/tonである、請求項1に記載の生分解性フィルム。
  3. JIS K7128−1(1998)で定められたトラウザー引裂法による、長さ方向及び/又は幅方向の引裂強さが0.10N以下であることを特徴とする、請求項1または2に記載の生分解性フィルム。
  4. ポリ乳酸系樹脂(A)のエンタルピー緩和熱量が1〜10J/gであることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の生分解性フィルム。
  5. ポリ乳酸系樹脂(A)以外の熱可塑性樹脂(B)を含有することを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の生分解性フィルム。
  6. 熱可塑性樹脂(B)が、ポリエーテル系セグメントとポリ乳酸セグメントとを有するブロック共重合体、ポリエステル系セグメントとポリ乳酸セグメントとを有するブロック共重合体、脂肪族ポリエステル系樹脂、及び脂肪族芳香族ポリエステル系樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1つの樹脂であることを特徴とする、請求項5に記載の生分解性フィルム。
  7. ポリ乳酸系樹脂(A)と熱可塑性樹脂(B)の合計100質量部に対して、充填剤(C)を1〜200質量部含有することを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載の生分解性フィルム。
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CN113248880A (zh) * 2021-05-23 2021-08-13 贵州省材料产业技术研究院 一种延长水果货架期的可生物降解气调膜及其制备方法

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