JP4246523B2 - 乳酸系樹脂組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、乳酸系樹脂を主成分として含有する乳酸系樹脂組成物に関する。
【0002】
【発明の背景】
従来のプラスチックは、自然環境中で長期にわたって安定的であり、しかも嵩比重が小さいため、廃棄物埋め立て地の短命化を促進したり、自然の景観や野生動植物の生活環境を損なうなどの問題点が指摘されていた。近年、環境問題の意識が高まるに連れ、プラスチック製品においても、自然環境中に廃棄された際に経時的に分解・崩壊し、自然環境に悪影響を及ぼさない環境適性が求められるようになり、生分解性プラスチックが注目されるようになった。
【0003】
生分解性プラスチックは、土壌中や水中で加水分解或いは生分解して徐々に崩壊・分解が進行し、最終的に微生物の作用により無害な分解物となるプラスチックである。
現在、実用化されている生分解性プラスチックとしては、乳酸系樹脂、脂肪族ポリエステル、変性PVA、セルロースエステル化合物、デンプン変性体、およびこれらのブレンド体等がある。中でも、乳酸系樹脂は、トウモロコシや砂糖キビなどの植物から得られる乳酸を原料とする天然物由来の生分解性プラスチックであり、しかも透明性に優れ、コストパフォーマンスにも優れているため、特に注目に価する樹脂であると言えるが、本来的に脆い性質を有しており、シートやフィルムの原料としてそのまま用いると充分な強度が得られず、破断を生じ易いという課題も抱えていた。
【0004】
このような乳酸系樹脂の耐破断性を改良する方法として、従来、ポリブチレンサクシネート、或いはポリブチレンサクシネート/アジペート共重合体、或いはポリカプロラクトンなどの乳酸系樹脂以外の脂肪族ポリエステルを、乳酸系樹脂に配合する手法が知られている。
しかし、乳酸系樹脂以外の脂肪族ポリエステルを配合することによって耐破断性を改良するためには、乳酸系樹脂以外の脂肪族ポリエステルを30質量%以上配合する必要がある。そうするとヘイズが大幅に増加するため、透明性が要求される用途には使用することができない。ちなみに、透明性が要求される用途に用いるには、シートのヘイズがシート厚100μmで50%以下である必要がある。
【0005】
上記問題点を解決すべく、本発明の目的は、乳酸系樹脂が本来有する生分解性、透明性、耐熱性を維持しつつ、それでいて耐破断性に優れた乳酸系樹脂組成物を提供することにある。
【0006】
【従来の技術】
なお、特許文献1(特開平9−169896)には、乳酸系樹脂、グリコール/脂肪族ジカルボン酸共重合体、ポリカプロラクトンから選ばれる2種以上の生分解性ポリマーと可塑剤との混合物からなる生分解性ポリマー組成物が開示されている。
【0007】
【特許文献1】
特開平9−169896号公報
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、乳酸系樹脂と、可塑剤によって可塑化されたポリカプロラクトンとを含有することを第1の特徴とし、ポリカプロラクトンを可塑化する可塑剤は、その溶解パラメータ(SP値)が乳酸系樹脂のSP値とポリカプロラクトンのSP値の中間値よりもポリカプロラクトン寄り、中でも好ましくは、ポリカプロラクトンのSP値よりも低いことを第2の特徴とし、乳酸系樹脂とポリカプロラクトンとの含有割合が質量比で80:20〜95:5であることを第3の特徴とする乳酸系樹脂組成物を提案する。
【0009】
ポリカプロラクトンを可塑剤によって可塑化することにより、ポリカプロラクトンは可塑化及び膨潤化され、その耐衝撃性の改良効果が向上する。よって、可塑剤によって可塑化されていないポリカプロラクトンを乳酸系樹脂に配合した場合に比べ、少ない配合量で耐破断性の改良効果を発現できるため、乳酸系樹脂が本来有する耐熱性、透明性を損なうことがなく、それでいて耐破断性に優れた乳酸系樹脂組成物を得ることができる。
また、可塑剤を混合系に添加する場合、SP値が近い方との相溶性が高く溶解し易いため、可塑剤のSP値を、乳酸系樹脂のSP値とポリカプロラクトンのSP値の中間値よりもポリカプロラクトン寄り、即ち当該中間値よりも低い値、中でもポリカプロラクトンのSP値よりも低い値とすることにより、乳酸系樹脂及びポリカプロラクトンの混合系中に可塑剤が存在しても、ポリカプロラクトンに選択的に溶解してこれを可塑化し、乳酸系樹脂への影響を抑えつつポリカプロラクトンの耐破断性改良効果を高めることができる。
よって、本発明のSP値を有する可塑剤を用いれば、乳酸系樹脂、可塑剤及びポリカプロラクトンを同時に混合して乳酸系樹脂組成物を製造する場合であっても、ポリカプロラクトンを好ましく可塑化することができ、乳酸系樹脂への影響を抑えつつポリカプロラクトンの耐破断性改良効果を高めることができ、耐熱性を維持しつつ耐破断性に優れた乳酸系樹脂組成物を得ることができる。
【0010】
なお、前述のように特許文献1(特開平9−169896)には、乳酸系樹脂、グリコール/脂肪族ジカルボン酸共重合体、ポリカプロラクトンから選ばれる2種以上の生分解性ポリマーと可塑剤との混合物からなる生分解性ポリマー組成物が開示されているが、グリコール/脂肪族ジカルボン酸共重合体と可塑剤を併用することによっては、耐破断性の改良効果はほとんど得られない。
また、ポリカプロラクトンが充分に可塑化されていない場合も耐破断性改良効果は得られない。更に、可塑剤の添加により乳酸系樹脂が可塑化されると、ガラス転移温度(Tg)が低下して耐熱性が低下することになる。ちなみに、乳酸系樹脂組成物(特にシート体)の耐熱性としては、50℃における貯蔵弾性率E’が1.0GPa以上であることが好ましい。
【0011】
本発明の溶解パラメータ(SP値)とは、Fedors法[Polym.Eng.Sci.14(2)152,(1974)]によって算出される値である。
本発明における数値範囲の上限値及び下限値は、本発明が特定する数値範囲から僅かに外れる場合であっても、当該数値範囲内と同様の作用効果を備えている限り本発明の均等範囲に含める意を包含するものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について説明する。
【0013】
本発明の乳酸系樹脂組成物は、乳酸系樹脂を主成分として含有し、かつ乳酸系樹脂と可塑剤によって可塑化されたポリカプロラクトンとを所定の割合で含有する樹脂組成物である。
なお、「主成分とする」とは、乳酸系樹脂組成物の主な機能を決定する成分の一つが乳酸系樹脂であり、乳酸系樹脂の機能を阻害しない範囲で他の成分を含んでいてもよいという意を包含するものであり、一般的には乳酸系樹脂が少なくとも50%以上、好ましくは80%含まれる。
【0014】
(乳酸系樹脂)
本発明に用いられる乳酸系樹脂(「PLA」とも言う。)は、構造単位がL−乳酸であるポリ(L−乳酸)、構造単位がD−乳酸であるポリ(D−乳酸)、或いは、構造単位がL−乳酸及びD−乳酸であるポリ(DL−乳酸)、或いはこれらの二種類以上の混合体であればよく、乳酸系樹脂のDL構成比は、L体:D体=100:0〜90:10、若しくはL体:D体=0:100〜10:90が好ましい。中でもL体:D体=99.5:0.5〜94:6、若しくはL体:D体=0.5:99.5〜6:94であるのがより好ましい。前記の好ましい範囲内であれば、部品の耐熱性が得られ易く、広範囲の用途に用いることができる。
【0015】
また、本発明に用いられる乳酸系樹脂は、上記いずれかの乳酸と、他のヒドロキシカルボン酸単位との共重合体であっても、また、脂肪族ジオールや脂肪族ジカルボン酸との共重合体であってもよい。
乳酸系樹脂に共重合される上記の「他のヒドロキシ−カルボン酸単位」としては、乳酸の光学異性体(L−乳酸に対してはD−乳酸、D−乳酸に対してはL−乳酸)、グリコール酸、3−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ酪酸、2−ヒドロキシn−酪酸、2−ヒドロキシ3,3−ジメチル酪酸、2−ヒドロキシ3−メチル酪酸、2−メチル乳酸、2−ヒドロキシカプロン酸等の2官能脂肪族ヒドロキシ−カルボン酸やカプロラクトン、ブチロラクトン、バレロラクトン等のラクトン類などが挙げられる。
乳酸系樹脂に共重合される上記「脂肪族ジオール」としては、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール,1,4−シクロヘキサンジメタノールなどが挙げられる。
また、乳酸系樹脂に共重合される上記「脂肪族ジカルボン酸」としては、コハク酸、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸およびドデカン二酸などが挙げられる。
【0016】
さらに、耐熱性を向上させるなどの必要に応じ、少量共重合成分としてテレフタル酸のような非脂肪族ジカルボン酸及び/又はビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物のような非脂肪族ジオールを用いて共重合させてもよい。
また、分子量増大を目的として少量の鎖延長剤、例えばジイソシアネート化合物、エポキシ化合物、酸無水物などを共重合させることもできる。
【0017】
乳酸系樹脂の重合法としては、縮重合法、開環重合法、その他の公知の重合法を採用することができる。例えば、縮重合法では、L−乳酸或いはD−乳酸或いはこれらの混合物を直接脱水縮重合して任意の組成を持った乳酸系樹脂を得ることができる。また、開環重合法では、乳酸の環状二量体であるラクチドを必要に応じて重合調整剤等を用いながら、選ばれた触媒を使用してポリ乳酸系重合体を得ることができる。この際、ラクチドには、L−乳酸の2量体であるL−ラクチド、D−乳酸の2量体であるD−ラクチド、或いはL−乳酸とD−乳酸からなるDL−ラクチドがあり、これらを必要に応じて混合して重合することにより任意の組成及び結晶性を有する乳酸系樹脂を得ることができる。
【0018】
本発明に用いられる乳酸系樹脂の重量平均分子量の好ましい範囲は、5万から40万、より好ましくは10万から25万である。5万以上の分子量であれば好適な実用物性を発揮する。また、40万以下であれば溶融粘度が高過ぎることがなく良好な成形加工性を発揮する。
なお、乳酸系樹脂の代表的なものとしては、島津製作所製ラクティシリーズ、三井化学製レイシアシリーズ、カーギル・ダウ製Nature Worksシリーズなどが挙げられる。
【0019】
(ポリカプロラクトン)
ポリカプロラクトン(「PCL」とも言う。)としては、例えば環状モノマーであるε−カプロラクトンを開環重合したをものを用いることができ、具体的製品としてはダイセル化学工業株式会社製セルグリーンシリーズなどが挙げられる。
但し、他の製造方法により得られたPCLを用いることもできる。また、末端封止の構造等に特に限定されるものではない。
本発明に用いることができるポリカプロラクトンの数平均分子量の範囲は5,000〜1,000,000、好ましくは5,000〜200,000である。
【0020】
(可塑剤)
本発明に用いる可塑剤は、その溶解パラメータ(SP値)が、乳酸系樹脂のSP値とポリカプロラクトンのSP値の中間値よりもポリカプロラクトンのSP値寄り、即ち当該中間値よりも低いことが好ましい。中でもポリカプロラクトンのSP値よりも低いことがより好ましい。例えば、乳酸系樹脂のSP値が11.12(cal/cm3)1/2であり、ポリカプロラクトンのSP値が10.18(cal/cm3)1/2である場合、可塑剤のSP値は、その中間値である10.65よりも低い値が好ましく、中でもより好ましくは10.18より低い値である。
実際、乳酸系樹脂やポリカプロラクトンの構造等の相違によるSP値の相違幅を考慮すると、可塑剤のより好ましいSP値の範囲は、8.5〜10(cal/cm3)1/2、特に8.8〜9.2(cal/cm3)1/2である。10(cal/cm3)1/2以下であれば、可塑剤とポリカプロラクトンとの相溶性が高いため、溶融混練時に可塑剤が乳酸系樹脂に移行することが少なく、必要とする耐破断性改良効果を得ることができる。また、SP値が8.5(cal/cm3)1/2以上であれば、可塑剤のブリードアウトがなく実用上好ましい。
【0021】
SP値が8.5〜10(cal/cm3)1/2の範囲にある可塑剤の具体例としては、アジピン酸ジブチル、アジピン酸ジイソブチル、アジピン酸ジイソノニル、アジピン酸ジイソデシル、アジピン酸ジ(2−エチルヘキシル)、アジピン酸ジ(n―オクチル)、アジピン酸ジ(n―デシル)、アジピン酸ジブチルジグリコール、セバシン酸ジブチル、セバシン酸ジ(2−エチルヘキシル)、アゼライン酸ジ(n―ヘキシル)、アゼライン酸ジ(2−エチルヘキシル)、ドデカンジオン酸ジ(2−エチルヘキシル)等の脂肪酸エステル、フタル酸ジイソノニル、フタル酸ジイソデシル、フタル酸ジ(2−エチルヘキシル)等のフタル酸エステル、またはトリメリット酸トリ(2−エチルヘキシル)等のトリメリット酸エステルなどがあげられる。
【0022】
可塑剤は、可塑化ポリカプロラクトン中に占める割合が、5〜25質量%、特に10〜20質量%であるのが好ましい。5〜25質量%の範囲内であれば、ポリカプロラクトンを充分に可塑化でき、しかも乳酸系樹脂への影響を抑えることができる。
【0023】
(配合割合)
本発明の乳酸系樹脂組成物において、乳酸系樹脂と可塑化された可塑化ポリカプロラクトンの含有割合は、質量比で80:20〜95:5、中でも82:18〜92:8であるのが好ましい。
所定のSP値を有する可塑剤を配向して可塑化することにより、ポリカプロラクトンの耐衝撃性の改良効果を充分に向上させることができるから、上記の如くポリカプロラクトンの配合量を少なくしても所望の耐破断性の改良効果が得られ、乳酸系樹脂が本来有する耐熱性、透明性を損なうことがなく、乳酸系樹脂組成物の耐破断性を高めることができる。
【0024】
(その他の含有成分)
本発明の効果を損なわない範囲で、熱安定剤、抗酸化剤、UV吸収剤、光安定剤、顔料、着色剤、滑剤、核剤等の添加剤を処方することができる。
【0025】
(乳酸系樹脂組成物)
本発明の乳酸系樹脂組成物は、射出成形法,射出圧縮成形法,押出成形法,ブロー成形法,プレス成形法,発泡成形法などにより、各種の成形品、例えばシート、フィルム、容器等に成形することができる。
また、本発明の乳酸系樹脂組成物は、耐熱性を維持しつつ耐破断性が充分に改良されているのが好ましく、そのための指標として、50℃における貯蔵弾性率(E’)が1.0GPa以上、特に1.2GPa以上であるのが好ましい。
【0026】
(製造方法)
次に、本発明の乳酸系樹脂組成物の製造方法について、特に乳酸系樹脂シートの製造方法を中心に説明する。
【0027】
本発明の乳酸系樹脂組成物の製造方法において、可塑剤は予めポリカプロラクトンに混合しておき、その後乳酸系樹脂と混合することもできるが、本発明の場合は、乳酸系樹脂、ポリカプロラクトン及び可塑剤を同時に混合しても、予め可塑剤をポリカプロラクトンに混ぜた場合と同等の効果を得ることができる。
すなわち、可塑剤のSP値をポリカプロラクトンのSP値により近い値、好ましくはポリカプロラクトンのSP値よりも低い値、具体的に好ましい値として8.5〜10(cal/cm3)1/2と設定することにより、可塑剤はSP値の近いポリカプロラクトンに選択的に溶解するから、予めポリカプロラクトンに可塑剤を配合した場合と同様にポリカプロラクトンを選択的に可塑化及び膨潤化し、乳酸系樹脂組成物の耐熱性を損なうことなく耐破断性を改良することができる。
【0028】
ここで、図1及び図2は、乳酸系樹脂、ポリカプロラクトン及び可塑剤を同時に混合した場合の粘弾性挙動を示した図であり、図1は低温域(−150〜0℃)における損失弾性率E”の挙動、言い換えればポリカプロラクトンのガラス転移点(Tg)付近の挙動を示し、図2は高温域(0〜120℃付近)における損失弾性率E”の挙動、言い換えれば乳酸系樹脂のガラス転移点(Tg)付近の挙動を示している。なお、詳しい試験条件等は下記粘弾性挙動試験の項目にて説明する。
【0029】
この試験結果を見ると、図1に示されるように、乳酸系樹脂、ポリカプロラクトン及び可塑剤を同時に配合した場合にも、ポリカプロラクトンの損失弾性率E”のピーク面積が増大しており、このことは可塑剤がポリカプロラクトンに溶解したことを示している。また、低温における損失弾性率E”のピーク面積と耐破断性には相関があり、可塑剤を配合したことにより耐破断性が改良されていることが分る。
その一方、図2に示されるように、乳酸系樹脂のE”ピーク温度(Tg)はほとんど低下していないことから、乳酸系樹脂、ポリカプロラクトン及び可塑剤を同時に混合しても、可塑剤は乳酸系樹脂にほとんど溶解せず、そのガラス転移点も低下せず、耐熱性が維持されることが分る。
これより、本発明のSP値の範囲の可塑剤を用いれば、乳酸系樹脂、ポリカプロラクトン及び可塑剤を同時に混合しても、ポリカプロラクトンを選択的に可塑化及び膨潤化することができ、本発明の本旨が満足されることが分る。
【0030】
乳酸系樹脂とポリカプロラクトンとの混合は、同一の押出機にそれぞれの原料を投入して行うことができる。具体的には、押出機の口金からそのまま押出して直接フィルムを作製する方法、或いはストランド形状に押し出してペレットを作製した後、再度押出機を用いてフィルムを作製する方法などを採用することができる。いずれの方法においても、原料の分解による分子量の低下を考慮する必要があるが、均一に混合させるためには後者を選択することが好ましい。
【0031】
なお、乳酸系樹脂及びポリカプロラクトンは、それぞれ充分に乾燥させて水分を除去した後、押出機によって溶融するのが好ましい。
乳酸系樹脂はL−乳酸構造とD−乳酸構造の組成比によって融点が変化すること、ポリカプロラクトンの混合の割合によって樹脂組成物の融点が変化すること等を考慮して、溶融押出温度を適宜選択することが好ましい。実際には100〜250℃の温度範囲が通常選択される。
【0032】
多層構造の乳酸系樹脂シートを製造する場合は、通常に用いられる多層方法を採用することができる。例えば、各層の材料を複数の押出機からフィードブロック式或いはマルチマニホールド式によって一つの口金に導入する方法(いわゆる共押出法)、一枚のシートを形成しロール状に巻回した後、このシートをロールから巻き出してその表面上に表面層を形成するシートをロールやプレス板を用いて加熱圧着する方法等を採用することができる。
【0033】
溶融成形されたシートは、回転するキャスティングドラム(冷却ドラム)に接触させて急冷することが好ましい。
乳酸系樹脂とポリカプロラクトンとの混合割合や、これらの樹脂の性質によって適宜選択することが好ましいが、例えば、キャスティングドラムの温度は60℃以下とするのが好ましい。キャスティングドラムの温度が60℃より低ければシートがキャスティングドラムに粘着して引き取れなかったり、乳酸系樹脂部分の結晶化が促進されて延伸できなくなるという不都合な事態は生じない。従って、キャスティングドラムの温度を60℃以下において急冷し、乳酸系樹脂部分を実質上非晶性にすることが好ましい。
【0034】
また、得られたシートを一軸或いは二軸延伸して更に耐衝撃性、耐熱性を付与するようにしてもよい。延伸方法としては、通常採用される延伸方法を採用することができる。例えば、シートを周速差のある2個のロール間で延伸するロール延伸法、および/または、テンターを用いクリップでシートを把持しながらクリップ列の列間隔を拡大させて延伸するテンター延伸法などは、工業的に好ましい方法である。
延伸後は、非収縮フィルム用途に用いる場合であれば、通常の熱固定ポリエチレンテレフタレートフィルムで行われるような熱処理を行い、収縮フィルム用途に用いる場合であれば、室温から60℃の低温のゾーンを通過させるなどして速やかに冷却を行い、熱収縮性を発現するよう延伸歪みを固定する。シートの延伸倍率は各方向1.2〜6.0倍、好ましくは1.3〜5.0倍の範囲で、延伸温度は60〜160℃の範囲で適宜選択することができる。
【0035】
得られた乳酸系樹脂シートは、乳酸系樹脂の特徴である生分解性、低燃焼カロリー性、燃焼時の有害ガスを発生させないこと等の優れた性質を有し、かつ良好な透明性、耐破断性等を有する。
【0036】
(比較試験1)
以下に実施例及び比較例を用いて、本発明の構成について具体的に検討する。なお、本発明は以下に記載される事項によって、限定されるものではない。
【0037】
耐熱性の評価としての50℃における貯蔵弾性率、耐衝撃性の評価としての伸び、透明性の評価としてのヘイズの測定を、それぞれ次に示す条件で行った。
【0038】
(貯蔵弾性率E’)
岩本製作所(株)製粘弾性スペクトロメーターVES−F3を用い、振動周波数10Hz、温度50℃で、フィルムの幅方向について測定した。50℃におけるE’が1GPa以上であることを実用基準とする。
【0039】
(伸び)
JIS K 7127に基づいて引張試験を行い降伏強度、および破断時の強度と伸びを測定した。試験サンプルには2号試験片を用い、引張り速度100mm/minで5回測定し、その平均値を求めた。伸びは100%以上であることを実用基準とした。
【0040】
(ヘーズ)
JIS K 7105に基づいて、全光線透過率および拡散透過率を求め、以下の式(1)で算出した。100μm厚でのヘーズが50%以下であることを実用基準とした。
ヘイズ(%)=拡散透過率/全光線透過率 ×100・・・(1)
【0041】
次に、実施例において使用する乳酸系樹脂組成物の作成方法を示す。
【0042】
(実施例1)
ポリカプロラクトンとしてダイセル化学工業社製セルグリーンP−H7(SP値:10.18)、可塑剤として田岡化学株式会社製アジピン酸ジイソデシル(DIDA、SP値8.95)を用い、P−H7、および、DIDAを質量比8:2の割合で混合し、三菱重工製40mmφ小型同方向二軸押出機を用いて190℃でコンパウンドし、ペレット形状にした可塑化ポリカプロラクトンを得た。
次に、乳酸系樹脂として、カーギル・ダウ社製NatureWorks4031D(L−乳酸/D−乳酸=98.5/1.5、重量平均分子量20万、SP値:11.12)を用いて、NatureWorks4031Dと可塑化ポリカプロラクトンを質量比90:10の割合で混合し、三菱重工製40mmφ小型同方向二軸押出機を用いて190℃でコンパウンドし、ペレットを得た。
得られたペレットを三菱重工製110mmφ単軸押出機でTダイよりバレル温度200℃で押出し、キャスティングロールで35℃に急冷し200μm厚のシートを得た。得られたシートに関して、ガラス転移温度、伸び、ヘイズの評価を行った。結果を表1に示す。
【0043】
(実施例2)
NatureWorks4031D、P−H7、および、DIDAを質量比80:18:2の割合で混合し、実施例1と同様の方法でシートの作成、評価を行った。結果を表1に示す。
【0044】
(実施例3)
P−H7、および、DIDAを質量比75:25の割合で混合、コンパウンドを行い、可塑化ポリカプロラクトンを作成した後、NatureWorks4031Dと可塑化ポリカプロラクトンを質量比80:20の割合で混合し、実施例1と同様の方法でシートの作成、評価を行った。結果を表1に示す。
【0045】
(実施例4)
可塑剤として、田岡化学工業社製セバシン酸ジブチル(DBS:SP値9.08)を用い、P−H7、および、DBSを質量比90:10の割合で混合、コンパウンドを行い、可塑化ポリカプロラクトンを作成した後、NatureWorks4031Dと可塑化ポリカプロラクトンを質量比80:20の割合で混合し、実施例1と同様の方法でシートの作成、評価を行った。結果を表1に示す。
【0046】
(実施例5)
可塑剤として、田岡化学工業社製トリメリット酸トリ(2−エチルヘキシル)(TOTM:SP値9.26)を用い、P−H7、および、TOTMを質量比90:10の割合で混合、コンパウンドを行い、可塑化ポリカプロラクトンを作成した後、NatureWorks4031Dと可塑化ポリカプロラクトンを質量比80:20の割合で混合し、実施例1と同様の方法でシートの作成、評価を行った。結果を表1に示す。
【0047】
【表1】
【0048】
(比較例1)
NatureWorks4031D、および、P−H7を質量比80:20の割合で混合し、実施例1と同様の方法でシートの作成、評価を行った。結果を表2に示す。
【0049】
(比較例2)
P−H7、および、DIDAを質量比50:50の割合で混合、コンパウンドを行い、可塑化ポリカプロラクトンを作成した後、NatureWorks4031Dと可塑化ポリカプロラクトンを質量比80:20の割合で混合し、実施例1と同様の方法でシートの作成、評価を行った。結果を表2に示す。
【0050】
(比較例3)
可塑剤として、黒金化成株式会社製ジメチルフタレート(DMP:SP値10.80)を用い、P−H7、および、DMPを質量比90:10の割合で混合、コンパウンドを行い、可塑化ポリカプロラクトンを作成した後、NatureWorks4031Dと可塑化ポリカプロラクトンを質量比80:20の割合で混合し、実施例1と同様の方法でシートの作成、評価を行った。結果を表2に示す。
【0051】
(比較例4)
P−H7、および、DIDAを質量比90:10の割合で混合、コンパウンドを行い、可塑化ポリカプロラクトンを作成した後、NatureWorks4031Dと可塑化ポリカプロラクトンを質量比70:30の割合で混合し、実施例1と同様の方法でシートの作成、評価を行った。結果を表2に示す。
【0052】
【表2】
【0053】
表1から明らかなように、実施例1〜5のシートは、50℃におけるE’が1.0GPa以上、伸びが100%以上、100μm厚でのヘイズが50%以下であり、耐熱性、耐衝撃性、透明性に優れていることがわかった。なお、実施例1〜5のシートは生分解性であるので、環境保護の観点からも優れたものである。
一方、比較例1、3のシートは50℃におけるE’が1.0GPa以上、100μm厚でのヘイズが50%以下であり、耐熱性、透明性に優れているものの、伸びが100%未満であり、耐衝撃性に劣るものであった。比較例2のシートは、耐衝撃性、透明性には優れるものの、50℃におけるE’が1.0GPa未満であり、耐熱性に劣るものであった。比較例4のシートは、耐熱性、耐衝撃性には優れるものの、100μm厚でのヘイズが50%を越えており、透明性に劣るものであった。このように、比較例1〜4では、耐熱性、耐衝撃性、および、透明性の1つ以上において実用不可能なものであった。
【0054】
(比較試験2:粘弾性挙動試験)
乳酸系樹脂、ポリカプロラクトン及び可塑剤を同時に混合した場合(実施例)の粘弾性挙動を検討するべく、実施例及び比較例を用いて損失弾性率E”測定して比較検討した。
【0055】
(損失弾性率E”の測定)
岩本製作所(株)製粘弾性スペクトロメーターVES−F3を用い、振動周波数10Hz、温度−150〜150℃、昇温速度3℃/minで、フィルムの幅方向について測定した。
【0056】
(実施例6)
乳酸系樹脂としてのカーギル・ダウ社製NatureWorks4031D(L−乳酸/D−乳酸=98.5/1.5、重量平均分子量20万、SP値:11.12)、ポリカプロラクトンとしてのダイセル化学工業社製セルグリーンP−H7(SP値:10.18)、及び可塑剤として田岡化学工業社製アジピン酸ジー2−エチルヘキシル(DOA、SP値:9.00)を、質量比80:20:2の割合で同時に混合し、三菱重工製40mmφ小型同方向二軸押出機を用いて190℃でコンパウンドし、ペレットを得た。
得られたペレットを三菱重工製110mmφ単軸押出機でTダイよりバレル温度200℃で押出し、キャスティングロールで35℃に急冷し200μm厚のシートを得た。
得られたシートに関して、損失弾性率(E”)を測定し、その結果を図1及び図2に示した。
【0057】
(実施例7)
乳酸系樹脂、ポリカプロラクトン及び可塑剤の配合割合を、質量比80:20:5に変更した以外は、実施例6と同様にシートを製造し、得られたシートに関して損失弾性率(E”)を測定し、その結果を図1及び図2に示した。
【0058】
(比較例5)
乳酸系樹脂、ポリカプロラクトン及び可塑剤の配合割合を、質量比80:20:0に変更した以外は、実施例6と同様にシートを製造し、得られたシートに関して損失弾性率(E”)を測定し、その結果を図1及び図2に示した。
【図面の簡単な説明】
【図1】 粘弾性挙動試験において、低温域(−150〜0℃)における損失弾性率E”を示した図である。
【図2】 同じく粘弾性挙動試験において、高温域(0℃〜120℃程度)における損失弾性率E”を示した図である。
Claims (5)
- 乳酸系樹脂と、可塑剤によって可塑化された可塑化ポリカプロラクトンとを含有することを第1の特徴とし、
ポリカプロラクトンを可塑化する可塑剤は、その溶解パラメータ(SP値)が乳酸系樹脂のSP値とポリカプロラクトンのSP値の中間値よりもポリカプロラクトン寄りであることを第2の特徴とし、
乳酸系樹脂と可塑化ポリカプロラクトンとの含有割合が質量比で80:20〜95:5であることを第3の特徴とする乳酸系樹脂組成物(但し、エチレン/酢酸ビニル共重合体を含有する乳酸系樹脂組成物、及び、SiO 2 50%以上を含有する結晶性無機粉末を含有する乳酸系樹脂組成物を除く)。 - ポリカプロラクトンを可塑化する可塑剤の溶解パラメータ(SP値)が、ポリカプロラクトンのSP値よりも低いことを特徴とする請求項1に記載の乳酸系樹脂組成物。
- 可塑化ポリカプロラクトン中に占める可塑剤の割合が5〜25質量%であることを特徴とする請求項1又は2に記載の乳酸系樹脂組成物。
- 50℃における貯蔵弾性率(E’)が1.0GPa以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の乳酸系樹脂組成物。
- 乳酸系樹脂、可塑剤及びポリカプロラクトンを同時に混合することを第1の特徴とし、
当該可塑剤は、その溶解パラメータ(SP値)が乳酸系樹脂のSP値とポリカプロラクトンのSP値の中間値よりもポリカプロラクトン寄りであることを第2の特徴とし、
当該可塑剤は、ポリカプロラクトンを可塑化することを第3の特徴とする乳酸系樹脂組成物(但し、エチレン/酢酸ビニル共重合体を含有する乳酸系樹脂組成物、及び、SiO 2 50%以上を含有する結晶性無機粉末を含有する乳酸系樹脂組成物を除く)の製造方法。
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