JPWO2011077640A1 - 制御弁式鉛蓄電池 - Google Patents
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Abstract
制御弁式鉛蓄電池において、正極活物質の比表面積が1.5m2/g以上4.5m2/g以下であり、セパレータ(4)の平均孔径が1.5μm以上2.5μm以下である。
Description
本発明は、制御弁式鉛蓄電池(以下では単に「電池」と記すことがある)に関する。
制御弁式鉛蓄電池の用途は、トリクル用途とサイクル用途とに大別される。トリクル用途では、無停電用電源等に代表されるように、常に充電され、停電時のみ放電される。サイクル用途では、電動車用電源等に代表されるように、深い放電を受けた後に満充電されるという充放電サイクルが繰り返される。
従来では、制御弁式鉛蓄電池は、トリクル用途としての使用が主流であった。近年では、電動車用電源としての制御弁式鉛蓄電池の需要が高まってきており、サイクル使用時における制御弁式鉛蓄電池の長寿命化が求められている。
制御弁式鉛蓄電池のサイクル寿命特性の改善を目的として種々の検討がなされている。例えば特許文献1には、正極活物質の比表面積を5.0m2/g〜8.0m2/gとし、負極活物質の比表面積を0.8m2/g〜1.4m2/gとし、且つ、電極群を電槽に収納させた状態で50kg/dm2以上の群圧で加圧すれば、サイクル寿命特性に優れた鉛蓄電池が得られることが示されている。
特許文献1の技術では、群圧が従来よりも高いため、電槽の厚みを厚くする等の電槽の強度を高くする必要がある。
また、特許文献1の技術では、正極活物質の軟化が進行する恐れがあるため、サイクル寿命特性の更なる向上が要求されている。
本発明は、優れたサイクル寿命特性を有する制御弁式鉛蓄電池を提供するものである。
本発明に係る制御弁式鉛蓄電池では、正極活物質の比表面積が1.5m2/g以上4.5m2/g以下であり、セパレータの平均孔径が1.5μm以上2.5μm以下である。これにより、電極群を電槽に収容する際に電極群等に与えられる圧力(群圧)を高めることなくサイクル寿命特性に優れた制御弁式鉛蓄電池を提供できる。
正極活物質の比表面積を2.0m2/g以上3.5m2/g以下とすれば、更に優れたサイクル寿命特性が得られる。
本明細書では、「比表面積」は、満充電状態における比表面積、つまり、化成後の活物質の比表面積であり、BET(Brunauer-Emmett-Teller)法に従って測定される。
本明細書では、「平均孔径」は、セパレータが電池に組み立てられた際のセパレータの孔径、つまり、正極板と負極板との間の寸法が電池に組み立てられる状態まで小さくなった際のセパレータの孔径であり、液体圧入法により測定されたメディアン径である。液体圧入法では、セパレータの孔径を測定する際に使用される液体として公知の液体(例えば水と同程度の比重を有する液体)を使用できる。
本発明によれば、サイクル寿命特性が向上する。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は、以下に示す実施形態に限定されない。
図1は、本発明の一実施形態に係る制御弁式鉛蓄電池の断面図である。
本実施形態に係る制御弁式鉛蓄電池10は、図1に示すように、電槽1内に正極板2と負極板3とがセパレータ4を介して収納されて構成されている。電槽1は、制御弁式鉛蓄電池の電槽として公知の電槽であれば良く、蓋5で閉じられている。
蓋5は弁筒5aと弁体6と弁押え板7とで構成される制御弁8を備えている。弁筒5aは、蓋5に設けられており、電槽1の長手方向に延びている。弁体6は、弁筒5aに装着されている。弁押え板7は、弁体6よりも蓋5の外側に設けられており、弁体6が弁筒5aから脱落することを防止するとともに制御弁8に適切な開弁圧を与える。
なお、制御弁8の構成は、上記構成及び図1に示す構成に限定されない。
また、電池10は、同極の極板同士を接続するストラップを有していても良いし、電槽1は、正極端子及び負極端子を有していることが好ましい。また、電池10がモノブロックタイプの制御弁式鉛蓄電池である場合には、単セル同士はセル間接続体等を介して接続されていることが好ましい。
正極板2では、正極集電体(図示せず)に正極活物質(図示せず)が充填されており、負極板3では、負極集電体(図示せず)に負極活物質(図示せず)が充填されている。
集電体は、制御弁式鉛蓄電池の集電体として公知の集電体であれば良く、Pb合金からなれば良い。例えば、正極集電体は、1.0質量%以上2.2質量%以下のSnと0.05質量%以上0.15質量%以下のCaとを含むPb合金からなり、負極集電体は、0質量%以上1.0質量%以下のSnと0.05質量%のCaとを含むPb合金からなる。このような集電体は、鋳造により作製された格子体(鋳造格子)、エキスパンドメタルからなる格子体(エキスパンド格子)、又は、打ち抜きにより作製された格子体(パンチング格子)であっても良いし、貫通孔が形成された箔であっても良い。
正極活物質は、二酸化鉛である。この正極活物質は、1.5m2/g以上4.5m2/g以下の比表面積を有しており、2.0m2/g以上3.5m2/g以下の比表面積を有していることが好ましい。
正極板2は、次に示す方法に従って製造される。公知の手法により得られた鉛粉(金属鉛と酸化鉛との混合物)に水と希硫酸とを添加して混練する。これにより、ペースト状の正極活物質が得られる。このペースト状の正極活物質を正極集電体に充填してから、公知の手法に従って熟成、乾燥、更には化成を行う。これにより、正極2が得られる。
正極活物質の比表面積を変更するためには、鉛粉に対する水若しくは希硫酸の量を調整しても良いし、希硫酸中の硫酸濃度を調整しても良い。また、ペースト状の正極活物質にカーボンを添加しても良い。ペースト状の正極活物質にカーボンを添加すると、カーボンが化成中に酸化されて正極活物質に空孔が形成される。また、ペースト状の正極活物質に硫酸スズ、酸化スズ又はリン酸塩等を添加しても良い。
負極活物質は、金属鉛であり、その比表面積は、制御弁式鉛蓄電池の負極活物質の比表面積として公知の値であれば良く、例えば0.7m2/g以上2.0m2/g以下である。負極板3は、制御弁式鉛蓄電池の負極板3の製造方法として公知の製造方法に従って製造しうる。
なお、充電時に正極板2側で発生した酸素ガスを負極板3で吸収できるように、負極活物質の容量は正極活物質の容量よりも大きいことが好ましい。その容量差は、制御弁式鉛蓄電池の容量差として公知の容量差であれば良い。
また、正極板2及び負極板3がセパレータ4に密着するように、群圧を設定すれば良い。群圧は、制御弁式鉛蓄電池の群圧として公知の値であれば良く、例えば11.0kPa以上40.0kPa以下であれば良い。群圧が11.0kPa未満であれば、正極板2又は負極板3がセパレータ4に密着しない恐れがある。一方、群圧が40.0kPaを超えると、電槽1の強度の強化が必要となることがある。
セパレータ4は、電解液(希硫酸)に対して化学的に安定であれば良く、所定量の電解液を保持可能であれば良く、正極板2と負極板3との短絡を防止であれば良い。この全ての要件を満足する材料としては、例えばガラスマットが挙げられる。
セパレータ4は、1.5μm以上2.5μm以下の平均孔径を有している。セパレータ4の平均粒径を変更するためには、ガラス繊維の径、ガラス繊維の目付け量(ガラス繊維の質量)、バインダーの含有量及び圧縮量(電極群を電槽1内に入れる前に行う群圧縮工程における圧縮度合い)の少なくとも1つを変更すれば良く、又は、シリカ等をセパレータ4に添加しても良い。
電解液(不図示)は、正極活物質、負極活物質及びセパレータ4に形成された空孔内に含浸されて保持されており、制御弁式鉛蓄電池における電解液の組成として公知の組成を有していれば良い。なお、電槽1内には、負極板3による酸素ガスの吸収反応を妨げない程度の量の遊離電解液が含まれていても良い。ここで、遊離電解液は、正極活物質、負極活物質及びセパレータ4の何れにも含浸されない電解液である。
本実施形態における正極活物質は、1.5m2/g以上4.5m2/g以下の比表面積を有している。このように本実施形態における正極活物質の比表面積は従来の正極活物質の比表面積(例えば特許文献1における比表面積)よりも小さいため、充放電の繰り返しに起因する正極活物質の軟化が防止される。しかし、正極活物質の反応面積の低下を招き、反応効率の低下を引き起こす。これを防ぐために、本実施形態では、セパレータ4の平均孔径を1.5μm以上2.5μm以下として、正極活物質に接する電解液の量を確保している。また、セパレータ4の平均孔径が1.5μm以上2.5μm以下であるときに正極活物質の比表面積が2.0m2/g以上3.5m2/g以下であれば、サイクル寿命特性が更に向上する。以下、具体的に説明する。
正極活物質の比表面積が1.5m2/gを下回るとサイクル寿命特性の低下を招く理由として、断言できないが次に示すことが考えられる。一般に、鉛蓄電池を放電すると、硫酸鉛が正極板2側に析出するので、正極活物質の反応面積は放電により低下する。ここで、正極活物質の比表面積が1.5m2/gを下回ると、放電後の正極活物質の反応面積は著しく小さくなると考えられる。そのため、放電後の充電が極めて困難となり、充電受入れ性の低下を招く。よって、寿命に至る。
正極活物質の比表面積が4.5m2/gを上回るとサイクル寿命特性の低下を招く理由として、次に示すことが考えられる。一般に、鉛蓄電池を繰り返し充放電すると、正極活物質が粗大化され、これにより、正極活物質が軟化する。すると、正極活物質間の結合力の低下を招き、正極活物質の脱落を引き起こす。ここで、正極活物質の比表面積が4.5m2/gを上回ると、正極活物質の径が小さくなるので、正極活物質同士の接触面積の低下を招く。そのため、この正極活物質間の結合力は充放電を繰り返す前においても弱いと考えられる。よって、この正極活物質を備えた鉛蓄電池を繰り返し充放電すると、正極活物質間の結合力が著しく小さくなり、従って、正極活物質が脱落し易くなる又は正極活物質が脱落するタイミングが早くなる。
セパレータ4の平均孔径が1.5μmを下回ると、セパレータ4が保持可能な電解液の量が多くなる。そのため、電槽1内に供給された電解液の少なくとも半分以上がセパレータ4に吸収されるので、正極活物質又は負極活物質の表面上に存在する電解液の量の減少を招く。よって、放電反応が起こり難くなる。
また、セパレータ4の平均孔径が1.5μmを下回ると、充電時に正極板2側で発生する酸素ガスが負極板3側へ移動し難くなる。そのため、負極板3側での水素ガス発生反応を抑制できず、電槽1の内圧上昇を招く。よって、制御弁8が開いて漏液を招く。これにより、電解液中の水分が電槽1の外へ漏れるので、電池反応の反応物質の1つである硫酸が減少する。また同時に、制御弁8が開いた時点で密閉状態から開放されるので、負極板3が正極板2で発生する酸素ガスを吸収できなくなる。そのため、正極板2からは酸素ガスが発生し続け、負極板3からは水素ガスが発生し続けて(制御弁8が開き続けて)、電解液が加速的に減少する。従って、寿命に至る。
セパレータ4の平均孔径が2.5μmを上回ると、セパレータ4が保持可能な電解液の量が少なくなる。そのため、電槽1に供給可能な電解液の量が少なくなる。よって、この場合であっても、正極活物質又は負極活物質の表面上に存在する電解液の量の減少を招くので、放電反応が起こり難くなる。
また、セパレータ4の平均孔径が2.5μmを上回ると、セパレータ4の機械的強度の低下を招く。セパレータ4が所定の機械的強度を有していれば、セパレータ4は、粒子間の結合力が低下した正極活物質の脱落を阻止できる。しかし、セパレータ4の機械的強度が低ければ、セパレータ4は、粒子間の結合力が低下した正極活物質の脱落を阻止し難い。
このようにセパレータ4の平均孔径が1.5μm以上2.5μm以下であれば、正極活物質等の表面近傍に存在する電解液の量を確保できる。さらに、正極活物質の比表面積が2.0m2/g以上3.5m2/g以下であれば、正極活物質の反応面積を十分確保しつつ充放電の繰り返しによる正極活物質の軟化を防止できる。よって、セパレータ4の平均孔径の最適化により得られる効果が充分に発揮されると考えられる。
本実施例では、正極活物質の比表面積とセパレータの平均孔径とを種々変更して制御弁式鉛蓄電池を作製し、その電池に対してサイクル寿命試験を行った。
1.電池の作製
まず、集電体を準備した。1.6質量%のSnと0.06質量%のCaとを含むPb合金からなるシートを用意し、このシートに対してエキスパンド加工を施した。このようにして正極集電体を得た。また、0.25質量%のSnと0.07質量%のCaとを含むPb合金からなるシートを用意し、このシートに対してエキスパンド加工を施した。このようにして負極集電体を得た。
まず、集電体を準備した。1.6質量%のSnと0.06質量%のCaとを含むPb合金からなるシートを用意し、このシートに対してエキスパンド加工を施した。このようにして正極集電体を得た。また、0.25質量%のSnと0.07質量%のCaとを含むPb合金からなるシートを用意し、このシートに対してエキスパンド加工を施した。このようにして負極集電体を得た。
次に、ペースト状の活物質を準備した。鉛粉(鉛粉は30質量%のPbと70質量%のPbOとからなる)に水を添加して混練し、更に硫酸濃度が40質量%である希硫酸を滴下しながら混練した。このようにしてペースト状の正極活物質を得た。また、上記鉛粉にカーボン(導電助剤)、硫酸バリウム(防縮剤)及びリグニンスルホン酸ナトリウム塩(防縮剤)を添加して混合した後、水を添加して混練し、更に希硫酸を滴下しながら混練した。このようにしてペースト状の負極活物質を得た。なお、何れの混練もボールミルを用いて行われた。
ペースト状の正極活物質を正極集電体に充填させてから、この極板を熟成させて乾燥させた。これにより、未化成の正極板を得た。同じく、ペースト状の負極活物質を負極集電体に充填させ、この極板を熟成させて乾燥させた。これにより、未化成の負極板を得た。未化成の正極板では、高さ(図1の上下方向)が67.0mmであり、幅が44.5mmであり、厚み(図1の左右方向)が3.00mmであった。また、未化成の負極板では、高さ(図1の上下方向)が68.0mmであり、幅が44.5mmであり、厚み(図1の左右方向)が1.90mmであった。
未化成の正極板を6枚と未化成の負極板を7枚とを用いて単セルを作製した。このとき、未化成の正極板と未化成の負極板との間には、ガラス繊維からなるセパレータを配置した。このようにして3個の単セルを作製した。単セルのそれぞれを電槽のセル室内に収容して、単セルを直列接続し、所定の単セルを電槽の端子に接続した。その後、各セル室内に電解液を注入してから、正極板を電解酸化し、負極板を電解還元した。このようにしてモノブロックタイプの制御弁式鉛蓄電池(6V15Ah)を作製した。
本実施例では、何れの電池においても、負極活物質の比表面積を1.0m2/gとした。また、正極活物質の比表面積は、図2及び図3に示す通りであった。なお、鉛粉に添加する水及び希硫酸の量を多くしてペースト状の正極活物質を作製すると、その正極活物質の比表面積は大きくなった。
本実施例では、セパレータの平均孔径は、図2及び図3に示す通りであった。なお、ガラス繊維の径及びガラス繊維の目付け量を変更して、セパレータの平均孔径を変更した。
本実施例では、セパレータに加わる群圧は、14.7kPa(非SI単位系に換算すると、20kgf/dm2)であった。
2.サイクル寿命試験
(1)試験方法
図2及び図3に示す各電池に対して、次に示すサイクル寿命試験を行った。25℃雰囲気中で、高率放電(5.00Aでの定電流放電,放電終止電圧が5.25V)を2時間行った後、定電流定電圧充電(充電電圧が7.35V,初期充電電流が4.50A)を12時間行った。これを1サイクルとし、高率放電での放電容量が60%になった時点で寿命に至ったとした。
(1)試験方法
図2及び図3に示す各電池に対して、次に示すサイクル寿命試験を行った。25℃雰囲気中で、高率放電(5.00Aでの定電流放電,放電終止電圧が5.25V)を2時間行った後、定電流定電圧充電(充電電圧が7.35V,初期充電電流が4.50A)を12時間行った。これを1サイクルとし、高率放電での放電容量が60%になった時点で寿命に至ったとした。
(2)結果と考察
結果を図4〜図6に示す。なお、図6では、セパレータの平均孔径を「d」と表記している。
結果を図4〜図6に示す。なお、図6では、セパレータの平均孔径を「d」と表記している。
図4〜図6の結果から、正極活物質の比表面積が1.5m2/gを下回ると、又は、正極活物質の比表面積が4.5m2/gを上回ると、サイクル寿命特性が低下した。その理由としては、上記実施形態に記したことを考えている。
また、セパレータの平均孔径が1.5μmを下回ると、又は、セパレータの平均孔径が2.5μmを上回ると、サイクル寿命特性が低下した。その理由としては、上記実施形態に記したことを考えている。
一方、正極活物質の比表面積が1.5m2/g以上4.5m2/g以下であり、且つ、セパレータの平均孔径が1.5μm以上2.5μm以下であれば、セパレータの平均孔径が1.5μm以上2.5μm以下の範囲外にある場合のサイクル数の最高値(例えば電池D6のサイクル数)よりも高かった。その上、セパレータの平均孔径が1.5μm以上2.5μm以下であるときに、正極活物質の比表面積を2.0m2/g以上3.5m2/g以下とすれば、サイクル数が700以上となり、サイクル寿命特性が著しく向上した。その理由としては、上記実施形態に記したことを考えている。
また、図6からわかるように、セパレータの平均孔径が1.5μm以上2.5μm以下の範囲外であるときには、正極活物質の比表面積を1.2m2/gから1.5m2/gへ変更しても、又は、正極活物質の比表面積を4.5m2/gから5.0m2/gへ変更しても、サイクル寿命特性は若干向上したに過ぎなかった。しかし、セパレータの平均孔径が1.5μm以上2.5μm以下であるときには、正極活物質の比表面積を1.2m2/gから1.5m2/gへ変更すると、又は、正極活物質の比表面積を4.5m2/gから5.0m2/gへ変更すると、サイクル寿命特性が著しく向上した(サイクル数が約1.5倍以上となった)。このことは、本発明者が今般初めて発見したことであり、本発明者が当初予想していた域を遙かに超えるものである。このような結果が得られた理由として、本発明者は、正極活物質の比表面積の最適化とセパレータの平均孔径の最適化とによる相乗効果であろうと考えている。
なお、本発明者は、負極活物質の比表面積が0.7m2/g以上2.0m2/g以下であれば図4〜図6に示す結果と同様の結果が得られることを確認している。つまり、図4〜図6に示す結果は、負極活物質の比表面積が1.0m2/gである場合に限定されない。
また、本発明者は、セパレータに加わる群圧が11.0kPa以上40.0kPa以下であれば図4〜図6に示す結果と同様の結果が得られることを確認している。つまり、図4〜図6に示す結果は、上記群圧が14.7kPaである場合に限定されない。
以上説明したように、本発明は、制御弁式鉛蓄電池に有用であり、電動車用電源等のサイクル用途に好適である。
1 電槽
2 正極板
3 負極板
4 セパレータ
5 蓋
5a 弁筒
6 弁体
7 弁押え板
8 制御弁
10 電池(制御弁式鉛蓄電池)
2 正極板
3 負極板
4 セパレータ
5 蓋
5a 弁筒
6 弁体
7 弁押え板
8 制御弁
10 電池(制御弁式鉛蓄電池)
本発明は、制御弁式鉛蓄電池(以下では単に「電池」と記すことがある)に関する。
制御弁式鉛蓄電池の用途は、トリクル用途とサイクル用途とに大別される。トリクル用途では、無停電用電源等に代表されるように、常に充電され、停電時のみ放電される。サイクル用途では、電動車用電源等に代表されるように、深い放電を受けた後に満充電されるという充放電サイクルが繰り返される。
従来では、制御弁式鉛蓄電池は、トリクル用途としての使用が主流であった。近年では、電動車用電源としての制御弁式鉛蓄電池の需要が高まってきており、サイクル使用時における制御弁式鉛蓄電池の長寿命化が求められている。
制御弁式鉛蓄電池のサイクル寿命特性の改善を目的として種々の検討がなされている。例えば特許文献1には、正極活物質の比表面積を5.0m2/g〜8.0m2/gとし、負極活物質の比表面積を0.8m2/g〜1.4m2/gとし、且つ、電極群を電槽に収納させた状態で50kg/dm2以上の群圧で加圧すれば、サイクル寿命特性に優れた鉛蓄電池が得られることが示されている。
特許文献1の技術では、群圧が従来よりも高いため、電槽の厚みを厚くする等の電槽の強度を高くする必要がある。
また、特許文献1の技術では、正極活物質の軟化が進行する恐れがあるため、サイクル寿命特性の更なる向上が要求されている。
本発明は、優れたサイクル寿命特性を有する制御弁式鉛蓄電池を提供するものである。
本発明に係る制御弁式鉛蓄電池では、正極活物質の比表面積が1.5m2/g以上4.5m2/g以下であり、セパレータの平均孔径が1.5μm以上2.5μm以下である。これにより、電極群を電槽に収容する際に電極群等に与えられる圧力(群圧)を高めることなくサイクル寿命特性に優れた制御弁式鉛蓄電池を提供できる。
正極活物質の比表面積を2.0m2/g以上3.5m2/g以下とすれば、更に優れたサイクル寿命特性が得られる。
本明細書では、「比表面積」は、満充電状態における比表面積、つまり、化成後の活物質の比表面積であり、BET(Brunauer-Emmett-Teller)法に従って測定される。
本明細書では、「平均孔径」は、セパレータが電池に組み立てられた際のセパレータの孔径、つまり、正極板と負極板との間の寸法が電池に組み立てられる状態まで小さくなった際のセパレータの孔径であり、液体圧入法により測定されたメディアン径である。液体圧入法では、セパレータの孔径を測定する際に使用される液体として公知の液体(例えば水と同程度の比重を有する液体)を使用できる。
本発明によれば、サイクル寿命特性が向上する。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は、以下に示す実施形態に限定されない。
図1は、本発明の一実施形態に係る制御弁式鉛蓄電池の断面図である。
本実施形態に係る制御弁式鉛蓄電池10は、図1に示すように、電槽1内に正極板2と負極板3とがセパレータ4を介して収納されて構成されている。電槽1は、制御弁式鉛蓄電池の電槽として公知の電槽であれば良く、蓋5で閉じられている。
蓋5は弁筒5aと弁体6と弁押え板7とで構成される制御弁8を備えている。弁筒5aは、蓋5に設けられており、電槽1の長手方向に延びている。弁体6は、弁筒5aに装着されている。弁押え板7は、弁体6よりも蓋5の外側に設けられており、弁体6が弁筒5aから脱落することを防止するとともに制御弁8に適切な開弁圧を与える。
なお、制御弁8の構成は、上記構成及び図1に示す構成に限定されない。
また、電池10は、同極の極板同士を接続するストラップを有していても良いし、電槽1は、正極端子及び負極端子を有していることが好ましい。また、電池10がモノブロックタイプの制御弁式鉛蓄電池である場合には、単セル同士はセル間接続体等を介して接続されていることが好ましい。
正極板2では、正極集電体(図示せず)に正極活物質(図示せず)が充填されており、負極板3では、負極集電体(図示せず)に負極活物質(図示せず)が充填されている。
集電体は、制御弁式鉛蓄電池の集電体として公知の集電体であれば良く、Pb合金からなれば良い。例えば、正極集電体は、1.0質量%以上2.2質量%以下のSnと0.05質量%以上0.15質量%以下のCaとを含むPb合金からなり、負極集電体は、0質量%以上1.0質量%以下のSnと0.05質量%のCaとを含むPb合金からなる。このような集電体は、鋳造により作製された格子体(鋳造格子)、エキスパンドメタルからなる格子体(エキスパンド格子)、又は、打ち抜きにより作製された格子体(パンチング格子)であっても良いし、貫通孔が形成された箔であっても良い。
正極活物質は、二酸化鉛である。この正極活物質は、1.5m2/g以上4.5m2/g以下の比表面積を有しており、2.0m2/g以上3.5m2/g以下の比表面積を有していることが好ましい。
正極板2は、次に示す方法に従って製造される。公知の手法により得られた鉛粉(金属鉛と酸化鉛との混合物)に水と希硫酸とを添加して混練する。これにより、ペースト状の正極活物質が得られる。このペースト状の正極活物質を正極集電体に充填してから、公知の手法に従って熟成、乾燥、更には化成を行う。これにより、正極2が得られる。
正極活物質の比表面積を変更するためには、鉛粉に対する水若しくは希硫酸の量を調整しても良いし、希硫酸中の硫酸濃度を調整しても良い。また、ペースト状の正極活物質にカーボンを添加しても良い。ペースト状の正極活物質にカーボンを添加すると、カーボンが化成中に酸化されて正極活物質に空孔が形成される。また、ペースト状の正極活物質に硫酸スズ、酸化スズ又はリン酸塩等を添加しても良い。
負極活物質は、金属鉛であり、その比表面積は、制御弁式鉛蓄電池の負極活物質の比表面積として公知の値であれば良く、例えば0.7m2/g以上2.0m2/g以下である。負極板3は、制御弁式鉛蓄電池の負極板3の製造方法として公知の製造方法に従って製造しうる。
なお、充電時に正極板2側で発生した酸素ガスを負極板3で吸収できるように、負極活物質の容量は正極活物質の容量よりも大きいことが好ましい。その容量差は、制御弁式鉛蓄電池の容量差として公知の容量差であれば良い。
また、正極板2及び負極板3がセパレータ4に密着するように、群圧を設定すれば良い。群圧は、制御弁式鉛蓄電池の群圧として公知の値であれば良く、例えば11.0kPa以上40.0kPa以下であれば良い。群圧が11.0kPa未満であれば、正極板2又は負極板3がセパレータ4に密着しない恐れがある。一方、群圧が40.0kPaを超えると、電槽1の強度の強化が必要となることがある。
セパレータ4は、電解液(希硫酸)に対して化学的に安定であれば良く、所定量の電解液を保持可能であれば良く、正極板2と負極板3との短絡を防止であれば良い。この全ての要件を満足する材料としては、例えばガラスマットが挙げられる。
セパレータ4は、1.5μm以上2.5μm以下の平均孔径を有している。セパレータ4の平均粒径を変更するためには、ガラス繊維の径、ガラス繊維の目付け量(ガラス繊維の質量)、バインダーの含有量及び圧縮量(電極群を電槽1内に入れる前に行う群圧縮工程における圧縮度合い)の少なくとも1つを変更すれば良く、又は、シリカ等をセパレータ4に添加しても良い。
電解液(不図示)は、正極活物質、負極活物質及びセパレータ4に形成された空孔内に含浸されて保持されており、制御弁式鉛蓄電池における電解液の組成として公知の組成を有していれば良い。なお、電槽1内には、負極板3による酸素ガスの吸収反応を妨げない程度の量の遊離電解液が含まれていても良い。ここで、遊離電解液は、正極活物質、負極活物質及びセパレータ4の何れにも含浸されない電解液である。
本実施形態における正極活物質は、1.5m2/g以上4.5m2/g以下の比表面積を有している。このように本実施形態における正極活物質の比表面積は従来の正極活物質の比表面積(例えば特許文献1における比表面積)よりも小さいため、充放電の繰り返しに起因する正極活物質の軟化が防止される。しかし、正極活物質の反応面積の低下を招き、反応効率の低下を引き起こす。これを防ぐために、本実施形態では、セパレータ4の平均孔径を1.5μm以上2.5μm以下として、正極活物質に接する電解液の量を確保している。また、セパレータ4の平均孔径が1.5μm以上2.5μm以下であるときに正極活物質の比表面積が2.0m2/g以上3.5m2/g以下であれば、サイクル寿命特性が更に向上する。以下、具体的に説明する。
正極活物質の比表面積が1.5m2/gを下回るとサイクル寿命特性の低下を招く理由として、断言できないが次に示すことが考えられる。一般に、鉛蓄電池を放電すると、硫酸鉛が正極板2側に析出するので、正極活物質の反応面積は放電により低下する。ここで、正極活物質の比表面積が1.5m2/gを下回ると、放電後の正極活物質の反応面積は著しく小さくなると考えられる。そのため、放電後の充電が極めて困難となり、充電受入れ性の低下を招く。よって、寿命に至る。
正極活物質の比表面積が4.5m2/gを上回るとサイクル寿命特性の低下を招く理由として、次に示すことが考えられる。一般に、鉛蓄電池を繰り返し充放電すると、正極活物質が粗大化され、これにより、正極活物質が軟化する。すると、正極活物質間の結合力の低下を招き、正極活物質の脱落を引き起こす。ここで、正極活物質の比表面積が4.5m2/gを上回ると、正極活物質の径が小さくなるので、正極活物質同士の接触面積の低下を招く。そのため、この正極活物質間の結合力は充放電を繰り返す前においても弱いと考えられる。よって、この正極活物質を備えた鉛蓄電池を繰り返し充放電すると、正極活物質間の結合力が著しく小さくなり、従って、正極活物質が脱落し易くなる又は正極活物質が脱落するタイミングが早くなる。
セパレータ4の平均孔径が1.5μmを下回ると、セパレータ4が保持可能な電解液の量が多くなる。そのため、電槽1内に供給された電解液の少なくとも半分以上がセパレータ4に吸収されるので、正極活物質又は負極活物質の表面上に存在する電解液の量の減少を招く。よって、放電反応が起こり難くなる。
また、セパレータ4の平均孔径が1.5μmを下回ると、充電時に正極板2側で発生する酸素ガスが負極板3側へ移動し難くなる。そのため、負極板3側での水素ガス発生反応を抑制できず、電槽1の内圧上昇を招く。よって、制御弁8が開いて漏液を招く。これにより、電解液中の水分が電槽1の外へ漏れるので、電池反応の反応物質の1つである硫酸が減少する。また同時に、制御弁8が開いた時点で密閉状態から開放されるので、負極板3が正極板2で発生する酸素ガスを吸収できなくなる。そのため、正極板2からは酸素ガスが発生し続け、負極板3からは水素ガスが発生し続けて(制御弁8が開き続けて)、電解液が加速的に減少する。従って、寿命に至る。
セパレータ4の平均孔径が2.5μmを上回ると、セパレータ4が保持可能な電解液の量が少なくなる。そのため、電槽1に供給可能な電解液の量が少なくなる。よって、この場合であっても、正極活物質又は負極活物質の表面上に存在する電解液の量の減少を招くので、放電反応が起こり難くなる。
また、セパレータ4の平均孔径が2.5μmを上回ると、セパレータ4の機械的強度の低下を招く。セパレータ4が所定の機械的強度を有していれば、セパレータ4は、粒子間の結合力が低下した正極活物質の脱落を阻止できる。しかし、セパレータ4の機械的強度が低ければ、セパレータ4は、粒子間の結合力が低下した正極活物質の脱落を阻止し難い。
このようにセパレータ4の平均孔径が1.5μm以上2.5μm以下であれば、正極活物質等の表面近傍に存在する電解液の量を確保できる。さらに、正極活物質の比表面積が2.0m2/g以上3.5m2/g以下であれば、正極活物質の反応面積を十分確保しつつ充放電の繰り返しによる正極活物質の軟化を防止できる。よって、セパレータ4の平均孔径の最適化により得られる効果が充分に発揮されると考えられる。
本実施例では、正極活物質の比表面積とセパレータの平均孔径とを種々変更して制御弁式鉛蓄電池を作製し、その電池に対してサイクル寿命試験を行った。
1.電池の作製
まず、集電体を準備した。1.6質量%のSnと0.06質量%のCaとを含むPb合金からなるシートを用意し、このシートに対してエキスパンド加工を施した。このようにして正極集電体を得た。また、0.25質量%のSnと0.07質量%のCaとを含むPb合金からなるシートを用意し、このシートに対してエキスパンド加工を施した。このようにして負極集電体を得た。
まず、集電体を準備した。1.6質量%のSnと0.06質量%のCaとを含むPb合金からなるシートを用意し、このシートに対してエキスパンド加工を施した。このようにして正極集電体を得た。また、0.25質量%のSnと0.07質量%のCaとを含むPb合金からなるシートを用意し、このシートに対してエキスパンド加工を施した。このようにして負極集電体を得た。
次に、ペースト状の活物質を準備した。鉛粉(鉛粉は30質量%のPbと70質量%のPbOとからなる)に水を添加して混練し、更に硫酸濃度が40質量%である希硫酸を滴下しながら混練した。このようにしてペースト状の正極活物質を得た。また、上記鉛粉にカーボン(導電助剤)、硫酸バリウム(防縮剤)及びリグニンスルホン酸ナトリウム塩(防縮剤)を添加して混合した後、水を添加して混練し、更に希硫酸を滴下しながら混練した。このようにしてペースト状の負極活物質を得た。なお、何れの混練もボールミルを用いて行われた。
ペースト状の正極活物質を正極集電体に充填させてから、この極板を熟成させて乾燥させた。これにより、未化成の正極板を得た。同じく、ペースト状の負極活物質を負極集電体に充填させ、この極板を熟成させて乾燥させた。これにより、未化成の負極板を得た。未化成の正極板では、高さ(図1の上下方向)が67.0mmであり、幅が44.5mmであり、厚み(図1の左右方向)が3.00mmであった。また、未化成の負極板では、高さ(図1の上下方向)が68.0mmであり、幅が44.5mmであり、厚み(図1の左右方向)が1.90mmであった。
未化成の正極板を6枚と未化成の負極板を7枚とを用いて単セルを作製した。このとき、未化成の正極板と未化成の負極板との間には、ガラス繊維からなるセパレータを配置した。このようにして3個の単セルを作製した。単セルのそれぞれを電槽のセル室内に収容して、単セルを直列接続し、所定の単セルを電槽の端子に接続した。その後、各セル室内に電解液を注入してから、正極板を電解酸化し、負極板を電解還元した。このようにしてモノブロックタイプの制御弁式鉛蓄電池(6V15Ah)を作製した。
本実施例では、何れの電池においても、負極活物質の比表面積を1.0m2/gとした。また、正極活物質の比表面積は、図2及び図3に示す通りであった。なお、鉛粉に添加する水及び希硫酸の量を多くしてペースト状の正極活物質を作製すると、その正極活物質の比表面積は大きくなった。
本実施例では、セパレータの平均孔径は、図2及び図3に示す通りであった。なお、ガラス繊維の径及びガラス繊維の目付け量を変更して、セパレータの平均孔径を変更した。
本実施例では、セパレータに加わる群圧は、14.7kPa(非SI単位系に換算すると、20kgf/dm2)であった。
2.サイクル寿命試験
(1)試験方法
図2及び図3に示す各電池に対して、次に示すサイクル寿命試験を行った。25℃雰囲気中で、高率放電(5.00Aでの定電流放電,放電終止電圧が5.25V)を2時間行った後、定電流定電圧充電(充電電圧が7.35V,初期充電電流が4.50A)を12時間行った。これを1サイクルとし、高率放電での放電容量が60%になった時点で寿命に至ったとした。
(1)試験方法
図2及び図3に示す各電池に対して、次に示すサイクル寿命試験を行った。25℃雰囲気中で、高率放電(5.00Aでの定電流放電,放電終止電圧が5.25V)を2時間行った後、定電流定電圧充電(充電電圧が7.35V,初期充電電流が4.50A)を12時間行った。これを1サイクルとし、高率放電での放電容量が60%になった時点で寿命に至ったとした。
(2)結果と考察
結果を図4〜図6に示す。なお、図6では、セパレータの平均孔径を「d」と表記している。
結果を図4〜図6に示す。なお、図6では、セパレータの平均孔径を「d」と表記している。
図4〜図6の結果から、正極活物質の比表面積が1.5m2/gを下回ると、又は、正極活物質の比表面積が4.5m2/gを上回ると、サイクル寿命特性が低下した。その理由としては、上記実施形態に記したことを考えている。
また、セパレータの平均孔径が1.5μmを下回ると、又は、セパレータの平均孔径が2.5μmを上回ると、サイクル寿命特性が低下した。その理由としては、上記実施形態に記したことを考えている。
一方、正極活物質の比表面積が1.5m2/g以上4.5m2/g以下であり、且つ、セパレータの平均孔径が1.5μm以上2.5μm以下であれば、セパレータの平均孔径が1.5μm以上2.5μm以下の範囲外にある場合のサイクル数の最高値(例えば電池D6のサイクル数)よりも高かった。その上、セパレータの平均孔径が1.5μm以上2.5μm以下であるときに、正極活物質の比表面積を2.0m2/g以上3.5m2/g以下とすれば、サイクル数が700以上となり、サイクル寿命特性が著しく向上した。その理由としては、上記実施形態に記したことを考えている。
また、図6からわかるように、セパレータの平均孔径が1.5μm以上2.5μm以下の範囲外であるときには、正極活物質の比表面積を1.2m2/gから1.5m2/gへ変更しても、又は、正極活物質の比表面積を4.5m2/gから5.0m2/gへ変更しても、サイクル寿命特性は若干向上したに過ぎなかった。しかし、セパレータの平均孔径が1.5μm以上2.5μm以下であるときには、正極活物質の比表面積を1.2m2/gから1.5m2/gへ変更すると、又は、正極活物質の比表面積を4.5m2/gから5.0m2/gへ変更すると、サイクル寿命特性が著しく向上した(サイクル数が約1.5倍以上となった)。このことは、本発明者が今般初めて発見したことであり、本発明者が当初予想していた域を遙かに超えるものである。このような結果が得られた理由として、本発明者は、正極活物質の比表面積の最適化とセパレータの平均孔径の最適化とによる相乗効果であろうと考えている。
なお、本発明者は、負極活物質の比表面積が0.7m2/g以上2.0m2/g以下であれば図4〜図6に示す結果と同様の結果が得られることを確認している。つまり、図4〜図6に示す結果は、負極活物質の比表面積が1.0m2/gである場合に限定されない。
また、本発明者は、セパレータに加わる群圧が11.0kPa以上40.0kPa以下であれば図4〜図6に示す結果と同様の結果が得られることを確認している。つまり、図4〜図6に示す結果は、上記群圧が14.7kPaである場合に限定されない。
以上説明したように、本発明は、制御弁式鉛蓄電池に有用であり、電動車用電源等のサイクル用途に好適である。
1 電槽
2 正極板
3 負極板
4 セパレータ
5 蓋
5a 弁筒
6 弁体
7 弁押え板
8 制御弁
10 電池(制御弁式鉛蓄電池)
2 正極板
3 負極板
4 セパレータ
5 蓋
5a 弁筒
6 弁体
7 弁押え板
8 制御弁
10 電池(制御弁式鉛蓄電池)
Claims (3)
- 正極板と、負極板と、前記正極板と前記負極板との間に配置されたセパレータとを備えた制御弁式鉛蓄電池であって、
前記正極板は、比表面積が1.5m2/g以上4.5m2/g以下である正極活物質を有し、
前記セパレータの平均孔径が1.5μm以上2.5μm以下である制御弁式鉛蓄電池。 - 請求項1に記載の制御弁式鉛蓄電池であって、
前記正極活物質の比表面積が2.0m2/g以上3.5m2/g以下である制御弁式鉛蓄電池。 - 請求項1に記載の制御弁式鉛蓄電池であって、
前記セパレータは、ガラス繊維からなる制御弁式鉛蓄電池。
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