JP2006202584A - 鉛蓄電池及びその製造方法 - Google Patents

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Takeo Sakamoto
剛生 坂本
Shinsuke Kobayashi
真輔 小林
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Shin Kobe Electric Machinery Co Ltd
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Abstract

【課題】薄形シートの集電体から活物質が脱落を抑制し、活物質の利用率を高め、サイクル寿命特性を改善する。
【解決手段】鉛丹、一塩基性硫酸鉛および結着剤としてのヒドロキシメチルセルロースからなることを特徴とした鉛蓄電池用正極未化板およびこれに硫酸アルミニウムを添加したことものを用いる。また、硫酸アルミニウムを添加する方法として硫酸アルミニウム水溶液として添加した正極用のペースト状活物質を製造する。
【選択図】 なし

Description

本発明は鉛蓄電池、特に正極板の製造法に関するものである。
鉛蓄電池は、安価で信頼性が高いという特徴を有するために、自動車用のバッテリ、ゴルフカート等の電動車両の動力源、更には無停電電源装置等の産業機器用の蓄電池として広く使用をされている。
鉛蓄電池の極板の製造法として、ペースト式が広く採用されている。これは、鉛粉や鉛丹に水や希硫酸を加えて混練したペースト状活物質を作製し、該ペースト状活物質を鉛合金製の鋳造格子やエキスパンド格子などの集電体に充填して製造する方法である。(特許文献1)。
しかし、集電体として鋳造格子やエキスパンド格子を用いたペースト式正極板は厚みが厚いために、電解液中の硫酸の拡散が律速となり、出力密度が低いことや、正極活物質の利用率が低いという問題点がある。
そこで、鉛合金製の薄形シートを打ち抜いた格子体を集電体とし、該集電体にペースト状活物質を薄く塗着して薄形のペースト式正極板を製造し、薄形のペースト式負極板と組み合わせて、セパレータを介して渦巻き状に捲回することによって、出力密度や正極活物質の利用率を高くする捲回式の鉛蓄電池の検討がされている(特許文献2)。
特開2004−55417号 特開2004−178832号
しかしながら、上記した従来から使用をされている正極用のペースト状活物質を、薄形シートを用いる捲回式の鉛蓄電池に使用をすると、ペースト状活物質が集電体から脱落しやすいという問題点や、正極活物質の利用率が予想されるほど向上しないという問題点、サイクル寿命特性が悪いという問題点が認められている。
本発明の目的は、薄形シートの集電体から活物質が脱落しにくく、活物質の利用率が高く、サイクル寿命特性が良好である正極用のペースト状活物質を提供することである。
本発明では、鉛丹、一塩基性硫酸鉛および結着剤としてのヒドロキシメチルセルロースからなることを特徴とした鉛蓄電池用正極未化板およびこれに硫酸アルミニウムを添加したことを特徴としている。また、硫酸アルミニウムを添加する方法として硫酸アルミニウム水溶液として添加し、正極用のペースト状活物質を製造することを特徴としている。
本発明の効果として、薄形シートの集電体から活物質の脱落がしにくく、活物質の利用率が高く、サイクル特性が良好な正極用のペースト状活物質を提供することができる。また、熟成工程をなくすことで製造時間、コストを大幅に削減することができる。
(1)正極板の作製
正極用の薄形シートの集電体として、厚さが0.2mmの鉛合金箔を用いて、幅が44mm×長さが69mmの集電体箔を作製した。これに後述する実施例1〜3や比較例に示す4種類の正極用ペースト状活物質を充填し、60℃で16時間の乾燥をして未化成の正極板とした。この未化成の正極板を、比重が1.28(20℃)の希硫酸中で24時間の化成をして正極板とした。
(2)正極活物質の利用率と容量維持率の測定
作製した正極板1枚を、厚みが1.0mmのリテーナを介し、従来から使用されている2枚の負極板で挟み込んで正極板の容量支配とし、比重が1.28(20℃)の希硫酸電解液を注液し、電解液が多量に存在する2Vの鉛蓄電池を製造した。そして25℃、理論容量の0.1CAの定電流値で、放電終止電圧が1.75Vまで放電をして容量を測定し、正極活物質の塗布質量から正極活物質の利用率を測定した。さらに、満充電状態まで充電をした後に、1.75Vまで放電をするサイクルを20サイクル行い、初期の放電容量(Ah)に対する5サイクル目の放電容量の比率(%)(以下、容量維持率と呼ぶ)を測定した。
本発明では、従来から使用されている鉛丹と、試薬用の一塩基性硫酸鉛、ヒドロキシメチルセルロース及び硫酸アルミニウムを用いて以下の実験をした。
(実施例1)
本発明に係わる第1の実施例である正極用ペースト状活物質は鉛丹と一塩基性硫酸鉛、結着剤であるヒドロキシメチルセルロースとを混合した混合物に、水を加えて混練をして正極用のペースト状活物質を製造した。ここで、鉛丹が80質量%、塩基性硫酸鉛が20質量%、ヒドロキシメチルメチルセルロースが1質量%、水は100質量%を添加した。
(比較例1)
第1の実施例の比較例として、鉛丹、結着剤であるヒドロキシメチルセルロースとを混合した混合物に、水を加えて混練をして正極用のペースト状活物質を製造した。ここで、鉛丹が100質量%、ヒドロキシメチルセルロースが1質量%、水は100質量%を添加した。
(実施例2)
本発明に係わる第2の実施例である正極用ペースト状活物質は鉛丹と一塩基性硫酸鉛、結着剤であるヒドロキシメチルセルロースとを混合した混合物に、水を加えて混練をして正極用のペースト状活物質を製造した。ここで、鉛丹が80質量%、一塩基性硫酸鉛が20重量%、ヒドロキシメチルメチルセルロースが1質量%水は100質量%、硫酸アルミニウムを0.1重量%添加した。
(実施例3)
本発明に係わる第3の実施例である正極用ペースト状活物質は鉛丹と結着剤であるヒドロキシメチルセルロースとを混合した混合物に、硫酸アルミニウム水溶液を加えて混練をして正極用のペースト状活物質を製造した。ここで、鉛丹が100質量%、ヒドロキシメチルセルロースが1質量%、硫酸アルミニウム水溶液は0.1質量%の溶液を100質量%添加した。
表1に、上記した4種類の正極用ペースト状活物質を用いた鉛蓄電池の正極活物質利用率(%)及び容量維持率(%)を示す。本発明を用いると、正極活物質利用率及び容量維持率が高く優れていることがわかる。
Figure 2006202584
この詳細な理由は不明であるが、結着剤を使用することによって、正極用活物質と鉛合金シートとの密着性が向上したこと、一塩基性硫酸鉛を添加することにより活物質が多孔質化し、活物質の膨張収縮の影響を緩和できたこと、硫酸アルミニウムを添加することにより活物質粒子間の接着が強化されたことなどが考えられる。硫酸アルミニウムを水溶液として添加した場合に容量維持率が向上するのは、活物質粒子間の接着を強化すると考えられるアルミニウムイオンの分散性が向上したことが考えられる。

Claims (3)

  1. 鉛丹、一塩基性硫酸鉛および結着剤としてのヒドロキシメチルセルロースからなる正極未化板を用いることを特徴とする鉛蓄電池。
  2. 混合物として硫酸アルミニウムを添加した正極未化板を用いることを特徴とする請求項1記載の鉛蓄電池。
  3. 鉛丹、一塩基性硫酸鉛、ヒドロキシメチルセルロースの混合物に硫酸アルミニウム水溶液を添加し、混練することで作製する正極未化板を用いた鉛蓄電池の製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018198151A (ja) * 2017-05-24 2018-12-13 古河電池株式会社 鉛蓄電池
KR102225190B1 (ko) * 2019-09-18 2021-03-09 주식회사 한국아트라스비엑스 수계 바인더를 이용한 납축전지용 양극 활물질 제조 방법

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