JPWO2011065152A1 - 電子部品用チタン銅 - Google Patents
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Abstract
Description
溶体化処理に続いて、材料温度400〜500℃で0.1〜20時間加熱する時効処理を行い、
時効処理に続いて、圧下率0〜40%の冷間圧延を行うことを含む、
電子部品用銅合金の製造方法である。
Tiが2.0質量%未満ではチタン銅本来の変調構造の形成による強化機構を充分に得ることができないことから十分な強度が得られず、逆に4.0質量%を超えると粗大なTiCu3が析出し易くなり、強度及び曲げ加工性が劣化する傾向にある。従って、本発明に係る銅合金中のTiの含有量は2.0〜4.0質量%であり、好ましくは2.7〜3.5質量%である。このようにTiの含有量を適正化することで、電子部品用に適した強度及び曲げ加工性を共に実現することができる。
所定の第3元素をチタン銅に添加すると、Tiが十分に固溶する高い温度で溶体化処理をしても結晶粒が容易に微細化し、強度を向上させる効果がある。また、所定の第3元素は変調構造の形成を促進する。更に、Ti-Cu系の安定相の急激な粗大化を抑制する効果もある。そのため、チタン銅本来の時効硬化能が得られるようになる。
粒界反応相は、時効処理時に粒界反応型の粒子として結晶粒界に沿って析出したTi-Cu系の安定相同士が集合してできた、母相とは異なる相である。粒界反応相を電子顕微鏡で観察すると、まだら模様に見える。粒界反応相を所定の大きさ及び形状に制御することによって、Ti-Cu系の安定相による悪影響が軽減若しくは無害化される。
チタン銅の強度を向上させるためには結晶粒が小さいほどよいが、粒界反応相の面積率が必要以上に上昇しやすくなる不都合が生じる。そこで、好ましい平均結晶粒径は30μm以下、より好ましくは20μm以下である。下限は粒界反応相の面積率が必要以上に上昇しないように1μm以上とするのが好ましく、より好ましくは5μm以上である。本発明において、平均結晶粒径は電子顕微鏡による圧延方向に平行な断面の組織観察における円相当径で表す。
本発明に係る銅合金は種々の伸銅品、例えば板、条、管、棒及び線として提供されることができる。本発明に係るチタン銅は、限定的ではないが、スイッチ、コネクタ、ジャック、端子、リレー等の電子部品の材料として好適に使用することができる。
本発明に係るチタン銅は、特に最終の溶体化処理及びそれ以降の工程で適切な熱処理及び冷間圧延を実施することにより製造可能である。以下に、好適な製造例を工程毎に順次説明する。
溶解及び鋳造によるインゴットの製造は、基本的に真空中又は不活性ガス雰囲気中で行う。溶解において添加元素の溶け残りがあると、強度の向上に対して有効に作用しない。よって、溶け残りをなくすため、FeやCr等の高融点の第3元素は、添加してから十分に攪拌したうえで、一定時間保持する必要がある。一方、TiはCu中に比較的溶け易いので第3元素の溶解後に添加すればよい。従って、Cuに、Mn、Fe、Mg、Co、Ni、Cr、V、Nb、Mo、Zr、Si、B及びPよりなる群から選択される1種又は2種以上を合計で0〜0.50質量%含有するように添加し、次いでTiを2.0〜4.0質量%含有するように添加してインゴットを製造することが望ましい。
インゴット製造時に生じた凝固偏析や晶出物は粗大なので均質化焼鈍でできるだけ母相に固溶させて小さくし、可能な限り無くすことが望ましい。これは曲げ割れの防止に効果があるからである。
具体的には、インゴット製造工程後には、900〜970℃に加熱して3〜24時間均質化焼鈍を行った後に、熱間圧延を実施するのが好ましい。液体金属脆性を防止するために、熱延前及び熱延中は960℃以下とし、且つ、元厚から全体の圧下率が90%までのパスは900℃以上とするのが好ましい。そして、パス毎に適度な再結晶を起こしてTiの偏析を効果的に低減するために、パスごとの圧下量を10〜20mmで実施するとよい。
その後、冷延と焼鈍を適宜繰り返してから溶体化処理を行うのが好ましい。ここで予め溶体化を行っておく理由は、最終の溶体化処理での負担を軽減させるためである。すなわち、最終の溶体化処理では、第二相粒子を固溶させるための熱処理ではなく、既に溶体化されてあるのだから、その状態を維持しつつ再結晶のみ起こさせればよいので、軽めの熱処理で済む。具体的には、第一溶体化処理は加熱温度を850〜900℃とし、2〜10分間行えばよい。そのときの昇温速度及び冷却速度においても極力速くし、ここでは第二相粒子が析出しないようにするのが好ましい。なお、第一溶体化処理は行わなくても良い。
最終の溶体化処理前の中間圧延における圧下率を高くするほど、最終の溶体化処理における再結晶粒が均一かつ微細に生成するので、中間圧延の圧下率は高めに設定する。好ましくは70〜99%ある。圧下率は{((圧延前の厚み−圧延後の厚み)/圧延前の厚み)×100%}で定義される。
最終の溶体化処理では、析出物を完全に固溶させることが望ましいが、完全に無くすまで高温に加熱すると、結晶粒が粗大化しやすいので、加熱温度は第二相粒子組成の固溶限付近の温度とする(Tiの添加量が2.0〜4.0質量%の範囲でTiの固溶限が添加量と等しくなる温度は730〜840℃程度であり、例えばTiの添加量が3.2質量%では800℃程度)。そしてこの温度まで急速に加熱し、冷却速度も速くすれば粗大な第二相粒子の発生が抑制される。従って、典型的には、730〜880℃のTiの固溶限が添加量と同じになる温度以上に加熱し、より典型的には730〜880℃のTiの固溶限が添加量と同じになる温度に比べて0〜20℃高い温度、好ましくは0〜10℃高い温度に加熱する。
最終の溶体化処理に引き続いて、時効処理を行う。従来は最終の溶体化処理の後は冷間圧延を行うことが通例であったが、本発明に係るチタン銅を得る上では最終の溶体化処理の後、冷間圧延を行わずに直ちに時効処理を行うことが好ましい。従来は伸びを維持して高強度を得るために高加工度の冷間圧延を行っていたが、曲げ加工性が劣化していた。曲げ加工性を維持するために加工度を低くすると、歪の分布が不均一になるばかりでなく、強度上昇も小さい。これは時効処理の前に低加工度の冷間圧延を行うと、加工歪が不均一に分布しやすく、変調構造の形成が不均一となって、曲げ歪に対する抵抗が弱くなるだけでなく、粒界反応相が発達しにくいからである。時効処理は粒界反応で析出したTi-Cu系の安定相が集合して粒界反応相が適切な大きさに成長するように、慣例の時効条件よりもやや高温で行うとよい。低温時効すると粒界反応相が粒界に沿って成長し(D2が大きくなり)、粒内に向かって薄く(D1は小さい)成長するのでAvg(D2/D1)が大きくなりやすい。具体的には、材料温度400〜500℃で0.1〜20時間加熱することが好ましく、材料温度400〜480℃で1〜16時間加熱することがより好ましい。
上記時効処理後、最終の冷間圧延を行う。最終の冷間加工によってチタン銅の強度を高めることができる。この冷間圧延は実施しなくてもよいが、高い強度を得ることを目的とする場合は圧下率を5%以上、好ましくは10%以上、より好ましくは15%以上とする。但し、圧下率が高すぎると粒界反応相アスペクト比が大きくなり過ぎることから、圧下率を40%以下、好ましくは30%以下、より好ましくは25%以下とする。
電子部品の構造に応じて、異なる形状加工が要求される。一般に曲げ加工やノッチ加工などの塑性変形を施された部位は加工硬化し、素材の強度はより上昇する。このような曲げ加工部で接圧を担保する構造では塑性変形しにくいので、高いばね限界値は不要である。そのため、このような用途では歪取焼鈍は行わなくても良い。
一方、プレス打ち抜き後の形状加工時に塑性変形を受けない部位で接圧を担保する構造(例:端子の接点部から曲げ加工部までの直線部分(アーム)の距離が長い構造、またはフォーク型端子のようにノッチ加工や曲げ加工が施されない構造であって、曲げ応力がアームにかかるような構造)では、曲げたわみに対する抵抗が必要となるので高いばね限界値が重要となる。
従って、特にばね限界値が重要となる用途では最終の冷間圧延の後、歪取焼鈍を行う。特に最終の冷間圧延の圧下率が3%以上の場合には、ばね限界値が重要となる用途では歪取焼鈍を行うことが好ましい。また、最終の冷間圧延の圧下率が10%以上の場合には、ばね限界値が重要となる用途では歪取焼鈍を行うことが特に好ましい。冷間圧延で導入された転位は不均一に分布しているが、歪取焼鈍を行うことで転位が再配列し、これにより更に強度上昇を図ることもできる。ただし、過度の歪取焼鈍を行うと転位が消滅して強度が低下するため好ましくない。
歪取焼鈍の条件は慣用の条件でよいが、具体的には、材料温度200℃以上400℃未満で0.001〜20時間加熱の条件で行うのが好ましく、低温であれば長時間(例えば材料温度200〜300℃で12〜20時間加熱)、高温であれば短時間(例えば材料温度300〜400℃で0.001〜12時間加熱)の条件で行うのがより好ましい。
<強度>
引張方向が圧延方向と平行になるように、プレス機を用いてJIS13B号試験片を作製した。JIS−Z2241に従ってこの試験片の引張試験を行ない、圧延平行方向の0.2%耐力(YS)を測定した。
<曲げ加工性>
JIS H 3130に従って、Badway(曲げ軸が圧延方向と同一方向)のW曲げ試験を行って割れの発生しない最小半径(MBR)の板厚(t)に対する比であるMBR/t値を測定した。
<平均結晶粒径>
平均結晶粒径の測定は、圧延方向に平行な断面をFIBにて切断することで、断面を露出した後、断面をSIM観察し、単位面積当たりの結晶粒の数をカウントして、結晶粒の平均の円相当径を求めた。具体的には、100μm×100μmの枠を作成し、この枠の中に存在する結晶粒の数をカウントした。なお、枠を横切っている結晶粒については、すべて1/2個としてカウントした。枠の面積10000μm2をその合計で除したものが結晶粒1個当たりの面積の平均値である。その面積を持つ真円の直径が円相当径であるので、これを平均結晶粒径とした。
<粒界反応相>
圧延方向に平行な断面をFIBにて切断することで、断面を露出した後、断面をSIM観察し、観察視野100μm×100μmを撮影した。粒界反応相のまだら模様を構成する黒色部分が、TiCu3であることを付属のEDS(Energy Dispersive X−ray Spectrometer)により確認した。
個々の粒界反応相について、粒界反応相に取り囲まれる最大円の直径D1と粒界反応相を取り囲む最小円の直径D2をそれぞれ写真上で測定し、個々の粒界反応相についてD2/D1を求めた。観察視野中に含まれ、D1及びD2を測定可能なすべての粒界反応相に対してD2/D1を求め、その平均値をAvg(D2/D1)とした。また、測定したD1及びD2の平均値をそれぞれAvgD1及びAvgD2とした。
また、粒界反応相を取り囲む各結晶粒について該結晶粒の粒界に取り囲まれる最大円の直径D3をそれぞれ写真上で測定し、観察視野中で測定可能なすべてのD3の平均値をAvgD3とした。
また、上記写真上の任意の1000μm2の観察視野中で粒界反応相が占める面積を画像解析装置により求め、5箇所の平均値を算出し、これを粒界反応相の1000μm2の観察視野当たりの面積とした。
<ばね限界値(Kb)>
ばね限界値(Kb)は、JIS H3130(合金番号C1990)に準拠して、繰り返し式たわみ試験を実施し、永久歪が残留する曲げモーメントから表面最大応力を測定した。
従来例1〜4は、Ti-Cu系の安定相が粒界で未固溶粒子としてCu母相中に散在する条件として、最終の溶体化処理と時効処理の間に冷間圧延を行った例である。この場合は、粒界反応相の成長は小さく、面積率も小さめであった。強度及び曲げ加工性のバランスも悪い。
実施例1〜17は、最終の溶体化処理後に冷間圧延を行わずに時効処理を行った例である。実施例1〜7は最終溶体化処理を820℃×60sに固定して時効処理及び最終圧延の条件を変化させた。いずれの実施例も強度と曲げ加工性のバランスが従来例に比べて顕著に向上していることが分かる。
また、実施例1〜5又は実施例6〜7より、最終圧延の圧下率が上昇するにつれてAvg(D2/D1)が上昇することが分かる。
実施例8〜10は、最終溶体化処理を800℃×60sとした例であり、実施例1〜7に比べて平均粒径が小さくなった。実施例11〜12では逆に最終溶体化処理の温度を高くしたので、実施例1〜7に比べて平均粒径が大きくなった。
実施例13及び14から、Ti濃度を上げると強度が上昇する傾向にあることが分かる。
実施例15〜17は第三元素を添加した例である。第三元素を添加しても本発明の効果が維持されることが理解できる。
実施例A〜Hは、第1次溶体化処理及び歪取焼鈍の何れも行わなかったが、強度と曲げ加工性のバランスに優れた本発明に係るチタン銅が得られた。但し、歪取焼鈍を行わなかったので、歪取焼鈍を行った例に比べてkb値は小さかった。
実施例I〜Lは、歪取焼鈍を行わなかったが、強度と曲げ加工性のバランスに優れた本発明に係るチタン銅が得られた。同様に、kb値は小さかった。
実施例Mは、実施例5に対して最終圧延の圧下率を40%に高めた例であり、強度が若干向上した。
実施例N〜Qは、実施例1〜5及びMに比べて歪取焼鈍時間を長めに行った例であり、同一圧下率で比べるとばね限界値が若干向上したことが分かる。
実施例R及びSは、時効処理を低温側で行った例であり、実施例4及びMに比べて粒界反応相の面積がそれぞれ減少したが、依然として強度と曲げ加工性のバランスは比較例に比べて優れている。
実施例Tは、実施例9に比べて時効処理を長時間行った例であり、粒界反応相の面積が増大したが、依然として強度と曲げ加工性のバランスは比較例に比べて優れている。
実施例Uは、実施例9に比べて最終冷間圧延の圧下率を高くした例であり、粒界反応相を取り囲む最小円の直径D2がやや大きくなったが、依然として強度と曲げ加工性のバランスは比較例に比べて優れている。
実施例Vは、実施例9に比べて時効処理の時間が長く、最終冷間圧延の圧下率も高いが、依然として強度と曲げ加工性のバランスは比較例に比べて優れている。
実施例W〜Yは、最終溶体化処理の温度を高温側で設定したため、平均結晶粒がやや大きくなったが、依然として強度と曲げ加工性のバランスは比較例に比べて優れている。
実施例Z及びA’はTi濃度を4.0質量%とした例であるが、強度と曲げ加工性のバランスに優れた本発明に係るチタン銅が得られた。
比較例1〜8は実施例と同様に最終の溶体化処理後に冷間圧延を行わずに時効処理を行った例であるが、いずれも熱処理条件及び/又は圧延条件が不適切であったために、強度及び曲げ加工性が十分に向上していない例である。
比較例1は溶体化処理温度及び時効温度が高すぎたため、粒界反応相が粗大化し、粒界反応相の面積率が大きく、結晶粒も大きかった。
比較例2は最終圧延における圧下率が高すぎたため、粒界反応相及び結晶粒が扁平化した。
比較例3は最終圧延における圧下率が高すぎたため、粒界反応相が扁平化した。溶体化処理温度が高いため、結晶粒が大きい。結晶粒が大きいので粒界面積が減少し、粒界反応相は小さくなり、同様の理由で粒界反応相の面積率は小さくなった。
比較例4は溶体化処理温度が低いため、結晶粒が小さくなり、また、最終圧延における圧下率が高すぎたため、粒界反応相及び結晶粒が扁平化した。
比較例5は最終圧延における圧下率が高すぎたため、粒界反応相及び結晶粒が扁平化した。また、時効温度が高すぎたため、粒界反応相が粗大化した。
比較例6は最終圧延における圧下率が高すぎたため、粒界反応相及び結晶粒が扁平化した。また、溶体化処理温度及び時効温度が高すぎたため、粒界反応相が粗大化し、粒界反応相の面積率が大きく、結晶粒も大きかった。
比較例7は溶体化処理温度が低いため結晶粒が小さくなり、時効処理温度が高いため、粒界反応相が粗大化し、最終圧延における圧下率が高すぎたため、粒界反応相及び結晶粒が扁平化した。
比較例8は溶体化温度が高すぎたため結晶粒径が粗大化し、理想的な時効を行ったが、粒界に沿って反応相を形成したため粒界反応相が扁平化した。粒径が大きいので時効処理中に粒界まで拡散する距離が長くなり、反応相へのTi原子の供給が不足したことにより粒界反応相の面積率が低かった。
比較例9は時効処理温度が低かったため、Avg(D2/D1)が大きくなり粒界反応相の形状が不適切であり、曲げが劣化した。
比較例10は時効処理温度が高すぎたため、AvgD2が大きくなり粒界反応相が粗大化した。
比較例11〜13では溶体化処理温度を低く設定しながら時効処理温度を変化させた。結晶粒径が小さいのに加えて、粒界反応相の面積割合が不適切であった。
比較例Aは比較例8に対して最終冷間圧延における圧下率を小さくした例であるが、比較例8と同様に結晶粒径が粗大化し、Avg(D2/D1)も大きくなった。
比較例Bは比較例10に対して最終冷間圧延における圧下率を小さくした例であるが、依然としてAvg(D2/D1)が大きく、バランスの取れた特性は得られなかった。
12 粒界反応相を取り囲む最小円
13 粒界反応相を取り囲む結晶粒の粒界に取り囲まれる最大円
Claims (8)
- Tiを2.0〜4.0質量%含有し、残部銅及び不可避的不純物からなる電子部品用銅合金であって、電子顕微鏡による圧延方向に平行な断面の組織観察において、結晶粒界に沿って析出したTi-Cu系粒子を含む粒界反応相が存在し、個々の粒界反応相についての粒界反応相に取り囲まれる最大円の直径D1に対する粒界反応相を取り囲む最小円の直径D2の比(D2/D1)の平均値Avg(D2/D1)が1.0〜6.0であり、D1の平均値AvgD1が0.4〜2.0μmであり、更に、粒界反応相が1000μm2の観察視野当たり1.5〜15%の面積を占める電子部品用銅合金。
- 電子顕微鏡による圧延方向に平行な断面の組織観察において、D2の平均値AvgD2が1.0〜5.0μmである請求項1記載の銅合金。
- 電子顕微鏡による圧延方向に平行な断面の組織観察において、平均結晶粒径が円相当径で表して5μm以上30μm以下であり、粒界反応相を取り囲む各結晶粒について該結晶粒の粒界に取り囲まれる最大円の直径D3の平均値AvgD3が、AvgD2<AvgD3である請求項1又は2記載の銅合金。
- 第3元素群としてMn、Fe、Mg、Co、Ni、Cr、V、Nb、Mo、Zr、Si、B及びPよりなる群から選択される1種又は2種以上を合計で0〜0.5質量%含有する請求項1〜3何れか一項記載の銅合金。
- 請求項1〜4何れか一項記載の銅合金からなる伸銅品。
- 請求項1〜4何れか一項記載の銅合金を備えた電子部品。
- 請求項1〜4何れか一項記載の銅合金を備えたコネクタ。
- Tiを2.0〜4.0質量%含有し、随意的な第3元素群としてMn、Fe、Mg、Co、Ni、Cr、V、Nb、Mo、Zr、Si、B及びPよりなる群から選択される1種又は2種以上を合計で0〜0.5質量%含有し、残部銅及び不可避的不純物からなる銅合金素材に対して、730〜880℃でTiの固溶限が添加量と同じになる温度以上に加熱する溶体化処理を行い、
溶体化処理に続いて、材料温度400〜500℃で0.1〜20時間加熱する時効処理を行い、
時効処理に続いて、圧下率0〜40%の冷間圧延を行うことを含む、
電子部品用銅合金の製造方法。
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