JPWO2011007538A1 - 抵抗変化型素子および抵抗変化型記憶装置 - Google Patents

抵抗変化型素子および抵抗変化型記憶装置 Download PDF

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Abstract

本発明のスルーホール型クロスポイント構造の記憶装置に用られる抵抗変化型素子(100)及びこれを用いた抵抗変化型記憶装置は、基板(7)と、基板上に形成された層間絶縁層(3)とを備え、層間絶縁層を貫通するようにスルーホール(4)が形成され、スルーホールの外部に遷移金属酸化物で構成される第1抵抗変化層(2)が形成され、スルーホールの内部に遷移金属酸化物で構成される第2抵抗変化層(5)が形成され、第1抵抗変化層と第2抵抗変化層とは抵抗率が異なり、第1抵抗変化層と第2抵抗変化層とがスルーホールの基板側の開口部(20)のみにおいて互いに接するように形成されている。

Description

本発明は、抵抗変化型素子(ReRAM素子)及びこれをマトリクス上に配設してなる抵抗変化型記憶装置(ReRAM記憶装置)に関する。より詳しくは、2層以上の抵抗変化層を有する抵抗変化型素子及びこれをマトリクス上に配設してなる抵抗変化型記憶装置に関する。
近年、いわゆる抵抗変化型素子(ReRAM素子)をメモリ素子として利用することが提案されている。このような抵抗変化型素子は、主として金属酸化物材料により構成される抵抗変化層を有し、この抵抗変化層に電気的パルスを印加すると、その抵抗値が変化し、かつ、その変化した抵抗値が保持される。抵抗変化層の高抵抗状態と低抵抗状態を、それぞれ、例えば2値データの“1”と“0”に対応させると、2値データを記憶することができる。印加される電気的パルスによって生じる、抵抗変化層の両端の間の電界や、抵抗変化層の端面における電流密度は、抵抗変化層の物理的な状態を変化させるのに十分で、かつ、抵抗変化層を破壊しない程度であればよい。また、電気的パルスは複数回印加されてもよい。
このような抵抗変化型素子を用いた記憶装置として、クロスポイント型メモリの構造が知られている。この構造では、上下の配線の立体交差部分にメモリプラグが形成され、メモリプラグ内にバイポーラ特性を有する抵抗変化層とダイオードとが積層方向に直列に形成され、高集積化とクロストークの抑制が実現される(例えば、特許文献1参照)。
抵抗変化型素子に関する最近の検討結果から、従来は一層から構成されていた抵抗変化層を二つの抵抗変化層で構成された積層構造とすることにより、抵抗変化型素子としてより好ましい特性が得られることがわかってきた。
例えば、非特許文献1には、酸化物からなる絶縁体層と、導電性を有する金属抵抗変化層とを積層して抵抗変化層を構成することが開示されている。かかる構成では、絶縁体層の厚さを制御することで、いわゆるフォーミング工程(積層工程完了後の抵抗変化型素子に電気的な刺激を加えて、抵抗状態のスイッチングが発現するようにする工程)が不要になる。また、抵抗変化型素子を流れる電流の値も制御できる。
特許文献2には、抵抗変化層をTaO(但し、0<x<2.5)で表される組成を有する第1のタンタル酸化物層と、TaO(但し、x<y)で表される組成を有する第2のタンタル酸化物層とを積層した構成が開示されている。かかる構成では、フォーミング工程が不要になる。また、高速で可逆的に安定した書き換え特性と、良好な抵抗値のリテンション特性が得られる。
米国特許第6753561号明細書 国際公開公報WO2008/149484号 特表2008−512857号 国際公開公報WO2008/117494号
R.Meyer et al, IEEE Proceeding of 9th Non-Volatile Memory Technology Symposium,page 1-5, November 2008
特許文献2にあるように、好ましい抵抗変化型素子を得るためには、抵抗変化層が、抵抗率の互いに異なる2層以上の抵抗変化層を有する構成(以下、積層構造)とすることが望ましい。一方、クロスポイント型メモリにおいて、素子を高集積化したり微細化したりするためには、層間絶縁層に形成されたスルーホールを利用して素子を形成する構造(以下、スルーホール型クロスポイント構造)とすることが望ましい。しかしながら、抵抗変化層の積層構造をスルーホール型クロスポイント構造へ適用する場合、製造工程が困難になるという問題が生じる。
特許文献1の構成は、電流制御素子と抵抗変化型素子とを積層するもので、少なくとも六種類の異なる材料で構成される層を積層する必要がある。このような多層で構成される複雑な積層構造をホール内部に形成することは簡単ではない。特に、高集積化・微細化されたクロスポイント型メモリを形成することを考えた場合、メモリを形成するスルーホールも微細化され、その径も必然的に小さくなる。そのような微細なスルーホールの内部に多層で構成される積層構造を形成すること自体がかなり困難なことであり、製造歩留等の観点からは好ましい構成とは言えない。
特許文献1で示されたメモリ構造で、さらに抵抗変化層を積層構造とした場合には、一つのスルーホール内に少なくとも七層を積層して形成する必要が生じ、更に困難な構造形成となる。(なお、特許文献1では電流制御素子と抵抗変化型素子とでメモリプラグを構成している。かかる構成で、抵抗変化型素子のみをスルーホールの中に形成した場合でも、積層構造の採用により、スルーホール内に積層する層の数が増加することは変わるところがない。)しかも、抵抗変化層を構成する各々の層の厚さや組成等は適切に制御する必要がある。よって、スルーホール型クロスポイント構造において抵抗変化層を積層構造とする場合、製造技術の難度はさらに高くなり、量産性や素子の信頼性を確保することは難しくなる。
本発明は、上記課題を解決するものであり、一つの目的は、スルーホール型クロスポイント構造の記憶装置に用いられる抵抗変化型素子及びこれを用いた抵抗変化型記憶装置において、抵抗変化層の積層構造を容易に実現することにある。
上記課題を解決すべく、本発明の抵抗変化型素子は、基板と、前記基板上に形成された第1電極と、第2電極と、層間絶縁層と、を備え、前記層間絶縁層を貫通するようにスルーホールが形成され、前記スルーホールの外部に、前記スルーホールの外部にある前記第1電極と接続され、かつ遷移金属酸化物で構成される第1抵抗変化層が形成され、前記スルーホールの内部に、遷移金属酸化物で構成される第2抵抗変化層が形成され、前記第2抵抗変化層上に前記第2電極が形成され、前記第1抵抗変化層と前記第2抵抗変化層とは抵抗率が異なり、前記第1抵抗変化層と前記第2抵抗変化層とが前記スルーホールの基板側の開口部のみにおいて互いに接するように形成され、前記第1電極と前記第2電極との間に電気的パルスが印加されることで前記第1電極と前記第2電極との間の電気抵抗が変化する。
かかる構成では、第1抵抗変化層の厚みのばらつきを小さくでき、特性がより均質化される。
これに対して、スルーホール内に第2抵抗変化層を形成し、第1抵抗変化層をスルーホールの上部開口を覆うように形成した場合には、スルーホール内の第2抵抗変化層の上端面と、スルーホールを形成している層間絶縁層の上端面とは、スルーホールの外縁に沿って段差が発生する。このため、スルーホールの内部と外縁部とで第1抵抗変化層の厚みに違いが生じる。しかしながら、本発明の構成では、基板上でかつスルーホールの下に、第1電極と第1抵抗変化層とを厚み方向から見て同一の配線状の形状となるように形成しているので、第1抵抗変化層の厚みのばらつきを小さくでき、抵抗変化特性などの特性がより均質化される。
上記の抵抗変化型素子において、前記第1抵抗変化層を構成する遷移金属酸化物の抵抗率が前記第2抵抗変化層を構成する遷移金属酸化物の抵抗率よりも高くてもよい。
かかる構成では、高抵抗変化層である第1抵抗変化層の厚みが均一化される。高抵抗変化層の厚みは通常、2〜10nm程度と薄く、高抵抗変化層の厚みを均一にすることで動作が安定化し、信頼性が向上する。
上記の抵抗変化型素子において、前記第2抵抗変化層は、前記スルーホールの底部と側壁部とを覆うように形成され、さらに、前記スルーホールの内部において前記第2抵抗変化層の上に埋め込み形成された電極を備えてもよい。
かかる構成では、デバイス特性に寄与するスルーホール底部の第2抵抗変化層の膜厚をデバイス特性から決定することができ、残りのスルーホールの空隙をより抵抗の低い第2電極で埋め込むことで寄生抵抗を低減し、配線遅延を防止することができる。また、少なくとも2元系の遷移金属酸化物をスルーホール内部に組成と埋め込み特性を両立して成膜することは技術的に困難である。このスルーホールの空隙をより実用化が進んでいる電極で埋め込むことができれば(例えば単元系の電極など)、製造方法上もメリットがでる。
上記の抵抗変化型素子において、前記第1抵抗変化層は、前記層間絶縁層の厚み方向から見て、前記スルーホールの基板側の開口部の全部を覆うと共にその外側にはみ出すように形成され、第2抵抗変化層は、層間絶縁層の厚み方向から見て、前記一方の開口部の全部を覆うと共にその外側にはみ出さないように形成されていてもよい。
上記の抵抗変化型素子において、前記第1抵抗変化層を構成する遷移金属酸化物および前記第2抵抗変化層を構成する遷移金属酸化物は、それぞれ、Ta、Hf、Zrからなる群より選択される少なくとも1つの遷移金属の酸化物であってもよい。
上記の抵抗変化型素子において、前記第1抵抗変化層を構成する遷移金属酸化物および前記第2抵抗変化層を構成する遷移金属酸化物はいずれもタンタル酸化物であって、一方のタンタル酸化物をTaOと表した場合に0.8≦x≦1.9を満足し、他方のタンタル酸化物をTaOと表した場合にx<yを満足するように構成されていてもよい。
上記の抵抗変化型素子において、前記第1抵抗変化層を構成する遷移金属酸化物の抵抗率が前記第2抵抗変化層を構成する遷移金属酸化物の抵抗率よりも低くてもよい。
上記の抵抗変化型素子において、前記第1抵抗変化層を構成する遷移金属酸化物の抵抗率が前記第2抵抗変化層を構成する遷移金属酸化物の抵抗率よりも高く、前記層間絶縁層と前記第1抵抗変化層との間にフッ素化合物ガスを含むエッチングガスを用いたエッチングに耐性を有するエッチングストッパ層が形成されており、前記スルーホールは前記層間絶縁層および前記エッチングストッパ層を貫通するように形成されていてもよい。
上記の抵抗変化型素子において、前記エッチングストッパ層は、窒化シリコン(SiN)、酸窒化シリコン(SiON)、炭窒化シリコン(SiCN)からなる群より選択される少なくとも1つの材料で構成されてもよい。
上記の抵抗変化型素子において、前記エッチングストッパ層は、5nm以上の厚さを有してもよい。
また、本発明の抵抗変化型記憶装置は、基板と、基板の主面に平行な第1平面内において第1方向に互いに平行に延びるように形成された複数の第1配線と、前記第1平面に平行な第2平面内において第2方向に互いに平行に延びるようにかつ前記複数の第1配線とそれぞれ立体交差するように形成された複数の第2配線と、前記第1配線と前記第2配線との立体交差点のそれぞれに形成されたメモリセルとを備え、前記メモリセルは、請求項1に記載の抵抗変化型素子と、前記抵抗変化型素子に直列に接続された電流制御素子とを備え、前記層間絶縁層が前記第1平面と前記第2平面との間に形成されている。
上記抵抗変化型記憶装置において、前記電流制御素子は、同一のメモリセルを構成する前記抵抗変化型素子に対応する前記スルーホールの、前記第1抵抗変化層で覆われていない開口部を覆うように形成されていてもよい。
上記抵抗変化型記憶装置において、前記電流制御素子は、前記層間絶縁層の両側のうち、同一のメモリセルを構成する前記抵抗変化型素子の第1抵抗変化層が設けられている側に形成されていてもよい。
上記抵抗変化型記憶装置において、前記電流制御素子は、MIMダイオード、MSMダイオード、バリスタからなる群より選択される少なくとも1つの素子であってもよい。
また、本発明の抵抗変化型素子の製造方法は、基板上に、第1電極を形成する第1電極形成ステップと、前記第1電極上に、遷移金属酸化物で構成される第1抵抗変化層を形成する第1抵抗変化層形成ステップと、前記第1抵抗変化層の上に層間絶縁層を形成する層間絶縁層形成ステップと、前記第1抵抗変化層の上に前記層間絶縁層を貫通するようにスルーホールを形成するスルーホール形成ステップと、前記スルーホールの内部において前記第1抵抗変化層と前記スルーホールの開口部でのみ接するように、遷移金属酸化物で構成され、かつ前記第1抵抗変化層と抵抗率が異なる、第2抵抗変化層を形成する第2抵抗変化層形成ステップと、前記第2抵抗変化層上に第2電極を形成するステップと、を有し、前記第1電極と前記第2電極との間に電気的パルスが印加されることで前記第1電極と前記第2電極との間の電気抵抗が変化する。
上記抵抗変化型素子の製造方法において、前記第1抵抗変化層が、前記スルーホールの一方の開口部の全部を覆うとともに該一方の開口部の外側にはみ出すように構成されてもよい。
上記抵抗変化型素子の製造方法は、さらに、前記第1抵抗変化層形成ステップと前記層間絶縁層形成ステップとの間に行われる、前記第1抵抗変化層の上にフッ素化合物ガスを含むエッチングガスを用いたエッチングに耐性を有するエッチングストッパ層を形成するエッチングストッパ層形成ステップを有し、前記層間絶縁層形成ステップは、前記第1抵抗変化層および前記エッチングストッパ層の上に層間絶縁層を形成するステップであってもよい。
上記抵抗変化型素子の製造方法は、前記スルーホール形成ステップにおいて、前記層間絶縁膜は、フッ素化合物ガスを含むエッチングガスを用いてエッチングし、前記エッチングストッパ層は、不活性ガスを用いてエッチングしてもよい。
本発明の上記目的、他の目的、特徴、及び利点は、添付図面参照の下、以下の好適な実施態様の詳細な説明から明らかにされる。
本発明は、上記のような構成を有し、以下のような効果を奏する。すなわち、スルーホール型クロスポイントメモリセルアレイを有する記憶装置に用いられる抵抗変化型素子を有するメモリセル及びこれを用いた記憶装置において、抵抗変化層の積層構造を有するメモリセルアレイを容易に実現することができる。
図1は、本発明の第1実施形態にかかる抵抗変化型素子100の概略構成の一例を示す図であり、図1(a)は断面図、図1(b)は平面図である。図1(a)は、図1(b)においてA−A’線に沿って切った断面を矢印方向から見た断面図である。 図2(a)および図2(b)は、それぞれ本発明の第1実施形態の変形例1及び変形例2にかかる抵抗変化型素子の概略構成の一例を示す断面図である。 図3は、本発明の第1実施形態の抵抗変化型素子を製造する方法の一例を示す工程断面図であり、図3(a)は基板上に第1配線を形成する工程を示す断面図であり、図3(b)は第1配線上に第1の電極材料と第1の抵抗変化材料とを積層する工程を示す断面図であり、図3(c)は第1電極と第1抵抗変化層とを完成させる工程を示す断面図であり、図3(d)は第1電極と第1抵抗変化層とを覆うように層間絶縁層を形成する工程を示す断面図である。 図4は、本発明の第1実施形態の抵抗変化型素子を製造する方法の一例を示す工程図であり、図4(a)は層間絶縁層にスルーホールを形成する工程を示す図であり、図4(b)はスルーホールを充填するように第2の抵抗変化材料と第2の電極材料とを積層する工程を示す図であり、図4(c)は層間絶縁層を露出させて第2抵抗変化層と第2電極とを形成する工程を示す図であり、図4(d)はスルーホールの開口部に露出する第2抵抗変化層と第2電極とを覆うように第2配線を形成する工程を示す図である。 図5は、抵抗変化型素子100に電気的パルスを印加したときの抵抗値の変化を示す図である。 図6は、抵抗変化型素子100の抵抗値に基づいて記憶された情報を読み出す方法を示す模式図である。 図7は、本発明の第1実施形態の抵抗変化型素子においてスルーホールが予定された位置からずれた場合を説明するための図であって、図7(a)は位置ずれが生じなかった場合、図7(b)は位置ずれが生じた場合を示す。 図8は、スルーホールの外部に第1抵抗変化層と第2抵抗変化層とを形成し、スルーホール内部には電極のみを形成した場合において、スルーホールが予定された位置からずれた場合を説明するための図であって、図8(a)は位置ずれが生じなかった場合、図8(b)は位置ずれが生じた場合を示す。 図9は、本発明の第1実施形態の変形例3にかかる抵抗変化型素子100’の概略構成の一例を示す図である。 図10は、本発明の第1実施形態の変形例3にかかる抵抗変化型素子を製造する方法の一例を示す工程断面図であり、図10(a)は基板上に第1配線を形成する工程を示す断面図であり、図10(b)は第1配線上に第1の電極材料と第1の抵抗変化材料とを積層する工程を示す断面図であり、図10(c)は第1電極と第1抵抗変化層とを完成させる工程を示す断面図であり、図10(d)は第1電極と第1抵抗変化層とを覆うように層間絶縁層を形成する工程を示す断面図である。 図11は、本発明の第1実施形態の変形例3にかかる抵抗変化型素子を製造する方法の一例を示す工程断面図であり、図11(a)は層間絶縁層にスルーホールを形成する工程を示す断面図であり、図11(b)はスルーホールを充填するように第2の抵抗変化材料を堆積させる工程を示す断面図であり、図11(c)は層間絶縁層の表面およびスルーホールの側壁の一部を露出させて、スルーホール内に第2抵抗変化層を形成する工程を示す断面図であり、図11(d)はスルーホールを充填するように第2電極を形成し、さらに開口部に露出する第2電極を覆うように第2配線を形成する工程を示す断面図である。 図12は、本発明の第1実施形態の変形例4にかかる抵抗変化型素子100”の概略構成の一例を示す断面図である。 図13は、本発明の第1実施形態の変形例4にかかる抵抗変化型素子を製造する方法の一例を示す工程断面図であり、図13(a)は基板上に第1配線と第1電極と第1抵抗変化層と層間絶縁層とスルーホールを形成する工程を示す断面図であり、図13(b)はスルーホール内部に第2抵抗変化層を形成する工程を示す断面図であり、図13(c)は第2電極を形成する工程を示す断面図であり、図13(d)は絶縁層を形成し、さらに開口部に露出する第2抵抗変化層と第2電極と絶縁層とを覆うように第2配線を形成する工程を示す断面図である。 図14は、本発明の第2実施形態にかかるメモリセルの概略構成の一例を示す図であり、図14(a)は平面図、図14(b)は図14(a)において線B−B’に沿って切った断面を矢印方向から見た断面図、図14(c)は図14(a)において線C−C’に沿って切った断面を矢印方向から見た断面図である。 図15は、本発明の電流制御素子110の電流−電圧特性(I−V特性)を模式的に示す図である。 図16は、本発明の第2実施形態のメモリセルを製造する方法の一例を示す工程断面図であり、図16(a)は基板上に第1配線を形成する工程を示す断面図であり、図16(b)は第1配線上に第1の電極材料と第1の抵抗変化材料とを積層する工程を示す断面図であり、図16(c)は第1電極と第1抵抗変化層とを完成させる工程を示す断面図であり、図16(d)は第1電極と第1抵抗変化層とを覆うように層間絶縁層を形成する工程を示す断面図である。 図17は、本発明の第2実施形態のメモリセルを製造する方法の一例を示す工程断面図であり、図17(a)は層間絶縁層にスルーホールを形成する工程を示す断面図であり、図17(b)はスルーホールを充填するように第2の抵抗変化材料と第2の電極材料とを積層する工程を示す断面図であり、図17(c)は層間絶縁層を露出させる工程を示す断面図であり、図17(d)はスルーホールの開口部に露出する第2抵抗変化層と第2電極とを覆うように電流制御素子および第2配線を形成する工程を示す断面図である。 図18は、本発明の第2実施形態の変形例にかかる抵抗変化型素子の概略構成の一例を示す断面図である。 図19は、本発明の第3実施形態にかかる抵抗変化型記憶装置の概略構成の一例を示す平面図である。 図20は、図20は、本発明の第3実施形態にかかる抵抗変化型記憶装置の概略構成の一例を示す断面図であり、図20(a)は図19の線D−D’に沿って切った断面を矢印方向から見た断面図、図20(b)は図19の線E−E’に沿って切った断面を矢印方向から見た断面図である。 図21は、本発明の第4実施形態にかかる抵抗変化型素子の概略構成の一例を示す断面図である。 図22は、ドライエッチング処理を施す前と後のTaO層における、フッ素の深さ方向の濃度分布を示す図である。 図23は、ドライエッチング処理を施す前と後のTaO層における、酸素の深さ方向の濃度分布を示す図である。 図24は、ドライエッチング処理を施す前と後のTaO層における、炭素の深さ方向の濃度分布を示す図である。 図25は、本発明の第4実施形態にかかる抵抗変化型素子およびメモリセルを製造する方法の一例を示す工程断面図であり、図25(a)は基板上に第1配線と第1電極と第1抵抗変化層とエッチングストッパ層と層間絶縁層とを形成する工程を示す断面図であり、図25(b)は層間絶縁層にスルーホールを形成する工程を示す断面図であり、図25(c)はエッチングストッパ層にスルーホールを形成する工程を示す断面図であり、図25(d)は第2抵抗変化層と第2電極と電流制御素子と第2配線とを形成する工程を示す断面図である。 図26は、本発明の第5実施形態にかかる抵抗変化型素子600の概略構成の一例を示す図であり、図26(a)は断面図、図26(b)は平面図である。図26(a)は、図26(b)においてA−A’線に沿って切った断面を矢印方向から見た断面図である。 図27は、本発明の第5実施形態にかかるメモリセル700の概略構成の一例を示す図であり、図27(a)は断面図、図27(b)は平面図である。図27(a)は、図27(b)においてA−A’線に沿って切った断面を矢印方向から見た断面図である。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
(第1実施形態)
[素子の構成]
図1は、本発明の第1実施形態にかかる抵抗変化型素子100の概略構成の一例を示す図であり、図1(a)は断面図、図1(b)は平面図である。図1(a)は、図1(b)においてA−A’線に沿って切った断面を矢印方向から見た断面図である。
図1に示すように、抵抗変化型素子100は、第1配線8と第2配線9との間に形成された層間絶縁層3(絶縁層)を備え、層間絶縁層3を貫通するようにスルーホール4が形成され、スルーホール4の外部に遷移金属酸化物で構成される第1抵抗変化層2が形成され、スルーホール4の内部に遷移金属酸化物で構成される第2抵抗変化層5が形成され、第1抵抗変化層2と第2抵抗変化層5とは抵抗率が異なり、第1抵抗変化層2と第2抵抗変化層5とがスルーホールの一方の開口部20のみにおいて互いに接するように形成されている。
かかる構成では、スルーホール型クロスポイント構造の記憶装置において、抵抗変化層の積層構造を容易に実現できる。
「第1抵抗変化層2と第2抵抗変化層5とがスルーホール4の一方の開口部のみにおいて互いに接する」とは、第1抵抗変化層2と第2抵抗変化層5との接触面の高さ(基板主面からの距離、以下同様)と、層間絶縁層3と第1抵抗変化層2との基板主面に平行な面内にある接触面の高さとが異なる場合を含む。具体的には、例えば後述するようにフッ素化合物ガスを含むエッチングガスを用いたエッチングによってスルーホール4を形成する場合、第1抵抗変化層2の劣化が問題になることがある。第1抵抗変化層2のうち劣化した部分をエッチバックにより除去することでかかる問題に対応する場合、第1抵抗変化層2と第2抵抗変化層5との接触面は、第1抵抗変化層2側に膨らむことになる。本実施形態はかかる構成を含むものである。ただし、第1抵抗変化層2と第2抵抗変化層5との接触面が、図1に示すように、層間絶縁層3と第1抵抗変化層2との基板主面に平行な面内にある接触面と同一平面内にあることが好ましい。
抵抗変化型素子100において、第1抵抗変化層2は、層間絶縁層3の厚み方向から見て、一方の開口部20の全部を覆うと共にその外側にはみ出すように形成され、第2抵抗変化層5は、層間絶縁層3の厚み方向から見て、一方の開口部20の全部を覆うと共にその外側にはみ出さないように形成されているのが好ましい。
かかる構成では、スルーホール4の一方の開口部において第1抵抗変化層2により第2抵抗変化層5が完全に覆われることになり、第2抵抗変化層5がスルーホール4の外部に配設される第1電極1と接しない。よって、抵抗変化型素子100の動作が安定する。
また、本構成によれば、第1抵抗変化層2と第2抵抗変化層5で構成される抵抗変化層の積層構造はスルーホール4の一方の開口で規定される領域の内部のみで形成される。各々の抵抗変化型素子における抵抗変化層の積層構造部分の面積がスルーホール4の一方の開口によって規定される。スルーホール4の加工精度を上げることにより、抵抗変化型素子100の初期抵抗値のばらつきが低減される。結果として、抵抗変化型素子100の素子間の特性ばらつきを低減することが可能となる。
抵抗変化型素子100は、さらに第1電極1を備え、第1抵抗変化層2は第1電極1と層間絶縁層3との間に形成され、スルーホール4の内部において第2抵抗変化層5の上に第2電極6が形成される。第1電極1と第2電極6との間に電気的パルスが印加されることで第1電極1と第2電極6との間の電気抵抗が変化しかつ該電気的パルスの印加が終了した後でも該変化した電気抵抗が維持される。
「スルーホール4の内部において第2抵抗変化層5の上に第2電極6が形成される」とは、スルーホール4の底面および側壁、あるいはスルーホール4の底面又は側壁において、第2電極6が第2抵抗変化層5よりも内側に存在することを言う。抵抗変化型素子100は、いわゆる不揮発性記憶素子である。
本実施形態では、第1電極1は基板7の上に形成された第1配線8の上に形成される。スルーホール4の上側の開口部に露出する第2抵抗変化層5と第2電極6とを覆うように、第2配線9が形成される。
本実施形態において各部材の具体的構成は、例えば以下のようにすることができる。
基板7は、トランジスタを含む回路が形成され、内部配線によりメモリアレイと電気的に接続されたシリコン基板としうる(但し、隣接する第1配線8が互いに電気的に短絡しないよう、第1配線8と接する面は電気的に絶縁性があることが必要である。)。第1電極1および第2電極6は、Al、Cu、Ti、W、Pt、Ir、Cr、Ni、Nb等の金属やこれらの混合物(合金)、あるいはTiN、TiW、TaN、TaSi、TaSiN、TiAlN、NbN、WN、RuO、In、SnO、IrO等の導電性を有する化合物や、又はこれらの積層構造物を使用することができる。層間絶縁層3は、例えば酸化シリコン(例えば、SiO)等で構成しうる。
第1抵抗変化層2および第2抵抗変化層5は導電性を有する遷移金属酸化物(遷移金属から選択された1種類又は複数種類の元素から成る金属が酸化された材料)で構成されることが好ましい。かかる遷移金属酸化物が抵抗変化材料として好適であることは、非特許文献1あるいは特許文献2に記載されており、詳細な説明を省略する。「遷移金属酸化物で構成される」とは、必ずしも遷移金属酸化物以外の材料を含まないというものではなく、抵抗変化型素子100がメモリ素子として動作するのに必要な抵抗変化特性を持つ限りにおいて、遷移金属酸化物以外の材料や不純物を含んでいてもよい。
第1抵抗変化層2を構成する遷移金属酸化物および第2抵抗変化層5を構成する遷移金属酸化物は、それぞれ、Ta、Hf、Zrからなる群より選択される少なくとも1つの遷移金属の酸化物であるのが好ましい。
第1抵抗変化層2を構成する遷移金属酸化物および第2抵抗変化層5を構成する遷移金属酸化物は、酸素不足型の酸化物であるのが好ましい。酸素不足型の酸化物とは、化学量論的な酸化物と比較して酸素の含有量(原子比:総原子数に占める酸素原子数の割合)が少ない酸化物をいう。
第1抵抗変化層2を構成する遷移金属酸化物および第2抵抗変化層5を構成する遷移金属酸化物は、両者の抵抗率が互いに異なるように選択される。第1抵抗変化層2および第2抵抗変化層5を構成する遷移金属酸化物の内、低抵抗の遷移金属酸化物の抵抗率は例えば数mΩcmである。
第1抵抗変化層2を構成する遷移金属酸化物および第2抵抗変化層5を構成する遷移金属酸化物はいずれもタンタル酸化物であって、一方のタンタル酸化物をTaOと表した場合に0.8≦x≦1.9を満足し、他方のタンタル酸化物をTaOと表した場合にx<yを満足するように構成されているのが好ましい。また、TaOの膜厚は、1〜8nm程度が好ましい。
この場合、TaOの方が抵抗率が低くなり(低抵抗変化層となり)、TaOの方が抵抗率が高くなる(高抵抗変化層となる)。かかる構成では、高速で可逆的に安定した書き換え特性と、良好な抵抗値のリテンション特性を有する抵抗変化型素子が得られる。かかる知見をもたらした実験結果の詳細な説明は、特許文献2に記載されているので省略する。
また、第1抵抗変化層2を構成する遷移金属酸化物および第2抵抗変化層5を構成する遷移金属酸化物はいずれもハフニウム酸化物であって、一方のハフニウム酸化物をHfOと表した場合に0.9≦x≦1.6を満足し、他方のハフニウム酸化物をHfOと表した場合に1.8<yを満足するように構成してもよい。HfOの膜厚は、3〜4nm程度が好ましい。
また、第1抵抗変化層2を構成する遷移金属酸化物および第2抵抗変化層5を構成する遷移金属酸化物はいずれもジルコニウム酸化物であって、一方のジルコニウム酸化物をZrOと表した場合に0.9≦x≦1.4を満足し、他方のジルコニウム酸化物をZrOと表した場合に1.9<yを満足するように構成してもよい。ZrOの膜厚は、1〜5nm程度が好ましい。
これら、タンタル、ハフニウム、ジルコニウムの酸化物では、一般的に酸素含有率が高いほど抵抗率が高くなる。
タンタル、ハフニウム、ジルコニウムの酸化物は、それぞれタンタル、ハフニウム、ジルコニウムターゲットを用い、酸素ガスを含むスパッタガス中でスパッタする反応性スパッタ法により形成できる。スパッタガス中の酸素濃度を変えることにより、それぞれの酸化物中に含まれる酸素含有率(すなわち抵抗率)を変化させることができる。また、CVD法やALD(Atmic Layer Deposition)法を用いても形成できる。
第1抵抗変化層2と第2抵抗変化層5とは、SrRuO(SRO)、Pr0.7Ca0.3MnO3、Pr0.5Ca0.5MnO3、および、その他のPCMOなど、一部のペロブスカイト(一般的に、ABX3の組成を有するペロブスカイト型の結晶構造を有する材料。なお、Xが、酸素またはフッ素のいずれかである場合、Aは、1.0から1.4Åの原子サイズを有し、Bは、0.45から0.75Åの原子サイズを有する材料で構成される)や、RuOXやCuOXなど、活性化エネルギの低い酸化物などでも構成しうる。
第一抵抗変化層2および第2抵抗変化層5は、その一方が導電性を有する金属酸化物、他方が酸化物で構成される絶縁体で構成されるようにしてもよい。酸化物で構成される絶縁体の具体例として、Ta、Al23、Ta25、HfO2、ZrO2などの様々な金属酸化物が考えられる。この場合、絶縁体の厚さを制御することにより、いわゆる初期化工程(抵抗変化型素子に電気的な刺激を加えて、抵抗状態の変化を発現させる工程)が不要で、かつ、抵抗変化型素子を流れる電流の値が制御可能となる。かかる知見をもたらした実験結果の詳細な説明は、非特許文献1あるいは特許文献3に詳述されている通りであるので、記載を省略する。
また、逆に絶縁体の厚さを制御することにより、初期化工程を加えて抵抗変化素子の抵抗変化特性のばらつきを抑制するよう構成してもよい。
第1抵抗変化層2を構成する遷移金属酸化物の抵抗率が第2抵抗変化層5を構成する遷移金属酸化物の抵抗率よりも低くてもよい。かかる構成では、第1抵抗変化層2がもともと還元的な状態(酸素含有率が小さい)にあるので、エッチング時にフッ素含有ガスなどによる影響を受けにくい。よって、スルーホールのエッチングによる第1抵抗変化層の劣化の問題が生じにくい。
なお、図1では、第1電極1と基板7との間に第1配線8が形成され、第2電極6の上に第2配線9が形成されている。なお、第1配線8と第1電極1とは同一部材であってもよい。
さらに、図2(a)に第1実施形態の変形例1として示すように、第1電極1および第1抵抗変化層2が第1配線8上を全て被覆するように形成してもよい。この場合、第1電極1および第1抵抗変化層2の形状を規定するマスクが不要にできる(第1配線8の形状を規定するマスクを使用し、第1配線8と第1電極1および第1抵抗変化層2を同時に加工することが可能である)ため、製造工程の簡略化が可能となる。
第2配線9と第2電極6とは同一部材であってもよい(図2(b)の変形例2を参照)。この構成は、第2電極6を形成する際にCVDやめっき等の手法によりスルーホール4内に第2抵抗変化層5を形成した基板表面を第2電極6の部材で被覆した後、基板全面に形成された第2電極6の部材をエッチング等の手法により第2配線9として加工することにより実現可能である。
第1電極1および第2電極6は、複数の層で構成されてもよい。第1抵抗変化層2と第2抵抗変化層5とは、スルーホールの一方の開口部20の全部において隙間なく接していることが好ましい。
図1を参照しつつ抵抗変化型素子100の構成をより詳細に説明すれば、以下の通りである。
抵抗変化型素子100は、基板7の上に、所定の幅を持つ帯状の第1配線8が形成されている。第1配線8の上には、基板7の厚み方向からみて第1配線8からはみ出さないように、第1電極1と第1抵抗変化層2とがこの順に積層されている。第1電極1と第1抵抗変化層2とは、基板7の厚み方向から見て同一の形状を有する。「基板の上に第1電極が形成される」とは、一般的な解釈に従って、基板に物理的に接するように第1電極が形成される場合と、基板の上に他の部材(例えば、第1配線8)を介して第1電極が形成される場合とを含む。
基板7の上には、第1配線8と第1電極1と第1抵抗変化層2とを覆うように、層間絶縁層3が形成されている。第1抵抗変化層2の上方の層間絶縁層3には、筒状のスルーホール4が、層間絶縁層3を貫通するように、かつ第1抵抗変化層2の上面に達するように、形成されている。スルーホール4の内部には、その底面の全面と側壁の全面とを覆うように第2抵抗変化層5が形成されている。第2抵抗変化層5はスルーホール4を完全に充填しておらず、第2抵抗変化層5がなす空隙(凹部)を完全に充填するように第2電極6が形成されている。「層間絶縁層」には、単一のステップで形成される層間絶縁層のみならず、複数のステップで形成される複数の層間絶縁層が合体して1つの層をなす場合を含む。
スルーホール4の上側の開口部には、第2抵抗変化層5と第2電極6とが露出している。該開口部の上面の全面を覆い、かつ該上側の開口部からはみ出すように、所定の幅を持つ帯状の第2配線9が、基板7の厚み方向から見て第1配線8と直交するように形成されている。
第1抵抗変化層2を構成する遷移金属酸化物の抵抗率は、第2抵抗変化層5を構成する遷移金属酸化物の抵抗率よりも低くなるように構成されていてもよい。すなわち、第1抵抗変化層2を構成する遷移金属酸化物にタンタル酸化物を用い、その組成をTaOと表した場合に0.8≦x≦1.9を満足し、第2抵抗変化層5を構成する遷移金属酸化物にタンタル酸化物を用い、その組成をTaOと表した場合にx<yを満足する。具体的には、例えばx=0.8、y=2.48のとき、第1抵抗変化層の抵抗率は0.6mΩcmとなり、第2抵抗変化層の抵抗率は測定器がオーバーレンジとなる。
かかる構成において、第1電極1の厚さは10nm以上50nm以下、第1抵抗変化層2(低抵抗変化層)の厚さは10nm以上50nm以下、第2抵抗変化層5(高抵抗変化層)の厚さは、底面の最も薄い部分で1nm以上8nm以下が好ましい。
[製造方法]
図3および図4は、本発明の第1実施形態の抵抗変化型素子を製造する方法の一例を示す工程図である。図3(a)は基板7上に第1配線8を形成する工程を示す図であり、図3(b)は第1配線8上に第1電極材料層1’と第1抵抗変化材料層2’とを積層する工程を示す図である。図3(c)は第1電極1と第1抵抗変化層2とを完成させる工程を示す図であり、図3(d)は第1電極1と第1抵抗変化層2とを覆うように層間絶縁層3を形成する工程を示す図である。図4(a)は層間絶縁層3にスルーホール4を形成する工程を示す図であり、図4(b)はスルーホール4を充填するように第2抵抗変化材料層5’と第2電極材料層6’とを積層する工程を示す図である。図4(c)は層間絶縁層3の表面の第2抵抗変化材料層5’と第2電極材料層6’とを除去して層間絶縁層3の表面を露出させる工程を示す図であり、図4(d)はスルーホール4の他方の開口部に露出する第2抵抗変化層5と第2電極6とを覆うように第2配線9を形成する工程を示す図である。
図3および図4に示すように、本実施形態の抵抗変化型素子の製造方法は、基板上に、第1配線8を形成する第1配線形成ステップと、第1配線8上に第1電極1を形成する第1電極形成ステップと、第1電極1上に、遷移金属酸化物で構成される第1抵抗変化層2を形成する第1抵抗変化層形成ステップ(例えば、図3(a)乃至図3(c))と、第1抵抗変化層2の上に層間絶縁層3を形成する層間絶縁層形成ステップ(例えば、図3(d))と、第1抵抗変化層2の上に層間絶縁層3を貫通するようにスルーホール4を形成するスルーホール形成ステップ(例えば、図4(a))と、スルーホール4の内部において第1抵抗変化層2とスルーホール4の開口部20でのみ接するように、遷移金属酸化物で構成され、かつ第1抵抗変化層2と抵抗率(酸素含有率)が異なる、第2抵抗変化層5を形成する第2抵抗変化層形成ステップ、スルーホール中でかつ第2抵抗変化層5上に第2電極6を形成する第2電極形成ステップ、第2抵抗変化層5および第2電極6が埋め込まれたスルーホール4の他方の開口上に第2配線9を形成する第2配線形成ステップ(図4(b)乃至図4(d))とを有する。
第1抵抗変化層2は、スルーホール4の一方の開口部20の全部を覆うとともに該一方の開口部20の外側にはみ出すように構成されているほうが好ましい。そのような構成により、スルーホール4と第1抵抗変化層2の間で位置ずれが発生し、スルーホール4の一方の開口部20の一部が第1抵抗変化層2の外にはみ出したとしていも、第2抵抗変化層5と第1電極1とが直接接触することを阻止でき、安定な動作が可能となる。
なお、図3および図4の例では、第1電極形成ステップと第1抵抗変化層形成ステップとは同一のステップとなっているが、コスパッタ装置を用いれば可能である。同様に、第2電極形成ステップと第2抵抗変化層形成ステップとは同一のステップとしている。
図3および図4を参照しつつ抵抗変化型素子100の製造方法をより詳細に説明すれば、以下の通りである。
まず、図3(a)に示すように、基板7上にアルミ(Al)等の配線材料がスパッタにより堆積され、エッチングにより所定の幅を有する帯状の第1配線8が形成される(第1配線形成ステップ)。
次に、図3(b)に示すように、第1配線8の上に、タンタル(Ta)、チタン(Ti)、あるいはAl等の第1電極材料1’がスパッタにより10〜50nm堆積され(第1の電極材料堆積ステップ)、さらにTaO(0.8≦x≦1.9)で構成される第1抵抗変化材料2’が反応性スパッタ法またはCVD法等により10〜50nm堆積される(第1の抵抗変化材料堆積ステップ)。
次に、図3(c)に示すように、フォトリソグラフィプロセス及びエッチングプロセスにより第1抵抗変化層2が形成されると共に(第1抵抗変化層エッチングステップ)、連続して、エッチングにより第1電極1が形成される(第1電極エッチングステップ)。
次に、図3(d)に示すように、基板7と第1配線8と第1電極1と第1抵抗変化層2とを覆うように層間絶縁層3が堆積され、CMP等により層間絶縁層3の表面が平坦化される(層間絶縁層形成ステップ)。
次に、図4(a)に示すように、フォトリソグラフィプロセス及びエッチングプロセスにより、層間絶縁層3を貫通し、第1抵抗変化層2の表面を開口するスルーホール4が形成される(スルーホール形成ステップ)。
次に、図4(b)に示すように、層間絶縁層3の上面とスルーホール4の底面の全面と側壁の全面とを覆うようにTaO(x<y)で構成される第2抵抗変化材料5’がCVD法により1〜8nm堆積される。さらに白金(Pt)、イリジウム(Ir)、パラジウム(Pd)、タングステン(W)、窒化タンタル(TaN)等の第2電極材料6’が堆積され、スルーホール4が完全に充填される。
次に、図4(c)に示すように、CMP法により層間絶縁層3の上面まで、すなわちスルーホール4の他方の開口部以外の層間絶縁層3の表面が露出するまで、第2抵抗変化材料5’および第2電極材料6’が除去される。これにより、スルーホール4を完全に充填するように、第2抵抗変化層5および第2電極6の積層構造が形成される(層間絶縁層露出ステップ)。
次に、図4(d)に示すように、スルーホール4の他方の開口部に露出する第2抵抗変化層5および第2電極6を被覆するように、Al等の配線材料をスパッタし、フォトリソグラフィプロセス及びエッチングプロセスにより、所定の幅を有する帯状の第2配線9が形成される(第2配線形成ステップ)。
以上により、抵抗変化型素子100が得られる。
電極材料の堆積方法はスパッタに限定されない(以下、全ての実施形態およびその変形例において同様)。例えば、CVDや真空蒸着、めっき、その他の方法を用いても良い。
抵抗変化材料の堆積方法はCVDに限定されない。例えば、スパッタやALD(原子層成長)を用いても良い(以下、全ての実施形態およびその変形例において同様)。
層間絶縁層の表面を平坦化するには、先に述べたCMPの他、いわゆるエッチバックも適用可能である(以下、全ての実施形態およびその変形例において同様)。
配線材料の堆積方法はスパッタに限定されない(以下、全ての実施形態およびその変形例において同様)。例えば、配線の材料としてCu等を使用する場合は、いわゆるダマシン法(基板等の絶縁層にあらかじめ配線溝を形成し、絶縁層上および配線溝中に配線形成用の導電層(Cu等)を堆積した後、導電層をCMP(化学的機械的研磨)法によって配線溝内のみに残されるように研磨する手法)によりストライプ状の配線が形成されてもよい。
[動作]
図5は、抵抗変化型素子100に電気的パルスを印加した場合の抵抗値の変化と対応する情報の関係を示す図である。なお、電気的パルスの電圧および極性は、第1電極1を基準とした第2電極6の電位により定めるものとする。抵抗変化型素子100に電気的パルスを印加するとは、具体的には、第1電極1と第2電極6との間に、所定の極性の電圧とパルス幅を持つ電気的パルスを印加することを言う。
図5に示すように、第1配線8と、第2配線9との間に、極性が異なる2種類の電気的パルス(負電圧パルスE1と成電圧パルスE2)を交互に印加すると、抵抗変化型素子100の抵抗値(第1電極1と第2電極6との間の電気抵抗値)が変化する。第1の閾値電圧より電圧が高い負電圧の電気的パルス(以下、その電圧をE1とする)を印加すると抵抗値が減少して低抵抗値Raとなる。第2の閾値電圧より電圧が高い正電圧の電気的パルス(以下、その電圧をE2とする)を印加すると抵抗値が増加して高抵抗値Rbとなる。抵抗変化型素子100は、第1電極1と第2電極6との間に電気的パルスが印加されることで第1電極と第2電極との間の電気抵抗が変化し、かつ該電気的パルスの印加が終了した後でも該変化した電気抵抗が維持されるため、不揮発性記憶素子として利用できる。
また、抵抗変化型素子100はバイポーラ型の特性を有する。すなわち、第1極性の電圧の電気的パルス(例えば、正電圧の電気的パルス)を印加することで第1抵抗状態(例えば、高抵抗状態)に変化し、第1極性と異なる第2極性の電気的パルス(例えば、負電圧の電気的パルス)を印加することで第2抵抗状態(例えば、低抵抗状態)に変化する。
図6は、抵抗変化型素子100の抵抗値に基づいて記憶された情報を読み出しする方法を示す模式図である。
図6に示すように、2つの異なる抵抗値RaまたはRbのうちいずれか一方を情報「0」とし、もう一方を情報「1」とすると、抵抗値に対応付けて1ビットの情報(「0」または「1」)を記憶することができる。図6では、抵抗値Rb(高抵抗状態)を情報「0」に、抵抗値Ra(低抵抗状態)を情報「1」に割り当てている。
図6に示すように、抵抗変化型素子100が高抵抗状態(抵抗値がRb)のときに負電圧の電気的パルスを印加すると、抵抗変化型素子100は低抵抗状態(抵抗値がRa)となる。これにより、抵抗変化型素子100に記憶された情報は「0」から「1」に書き換えられる。
また、抵抗変化型素子100が低抵抗状態(抵抗値がRa)のときに正電圧の電気的パルスを印加すると、抵抗変化型素子100が低抵抗状態(抵抗値がRb)となる。これにより、抵抗変化型素子100に記憶された情報は「1」から「0」に書き換えられる。
抵抗変化型素子100に記憶された情報を読み取る場合、抵抗変化型素子100の抵抗状態を変化させるために印加する電気的パルス(電圧E1あるいは電圧E2)よりも絶対値が小さく、印加しても抵抗変化型素子100の抵抗値が変化しないような読み出しパルス電圧E3を印加して出力電流値を読み取る。図6に示すように、出力電流値Iaが抵抗値Raに、出力電流値Ibが抵抗値Rbに対応している。よって、読み取られた出力電流値に基づいて、抵抗変化型素子100に記録されていた情報(情報「0」または情報「1」)が読み取られる。
なお、情報と抵抗状態との対応関係や、電気的パルスの極性と抵抗値の増減との対応関係などは、具体的な抵抗変化型素子の構成によって適宜設定でき、上記の態様に限定されるものではない。
[効果]
本実施形態の抵抗変化型素子および抵抗変化型素子の製造方法によれば、スルーホール型クロスポイント構造の記憶装置において抵抗変化層の積層構造を容易に実現できる。第1抵抗変化層と第2抵抗変化層という2つの抵抗変化層が、前者がスルーホールの外部に、後者がスルーホールの内部に形成されることで自己整合的に積層される。例えば、スルーホールの内部に2つの抵抗変化層を形成する場合に比べると、スルーホール内部の層の数が少なくなり、製造が容易となる。それぞれの抵抗変化層の組成や大きさ(厚さや面積)などの設計自由度も向上する。スルーホールの外部に形成される第1抵抗変化層はそもそもスルーホールによる制約を受けない。スルーホールの内部に形成される第2抵抗変化層もスルーホール内部の層の数が少なくなることで、相対的に自由に厚さの設定などができる。2つの抵抗変化層は、CVDやスパッタ、ALD(原子層成長)等を用いて、個別に組成を調整しつつ形成できる。かかる製造方法が採用された場合、抵抗変化層を形成した後にプラズマによる酸化で抵抗率を変化させる場合よりも、組成の均質化や2つの抵抗変化層の厚さの調整などが容易になる。これらは、製造プロセス上の自由度がより高くなるということを意味する。適切な製造プロセス条件を設定することにより、電気特性のばらつきが少ない高信頼性の抵抗変化型素子、あるいはこのような抵抗変化型素子を有する記憶装置を実現できる可能性がより高くなる。
また、第2抵抗変化層と第2電極とは、スルーホール内部において自己整合的に形成される。よって、抵抗変化型素子100は高集積化に適している。
抵抗変化する部分は第1電極と第2電極とで挟まれた部分(スルーホールの開口部)に限定される。言い換えると、抵抗変化型素子の基本構成単位の大きさは、スルーホールによって規定される。このため、抵抗変化型素子の基本構成単位を、製造プロセスのプロセスルールの最小サイズにまで微細化することができる。また、抵抗変化型素子の特性のばらつきを抑制でき、動作の信頼性が向上する。
第1抵抗変化層、第1電極、第2抵抗変化層、第2電極は、いずれも通常の半導体プロセス(例えば、メモリ素子以外の機能を担う部位と同じマスクプロセス、CMOSプロセスなど)により形成でき、製造プロセスを簡略化できる。
第1抵抗変化層と第2抵抗変化層とは抵抗率が異なるため、各抵抗変化層の組成や厚さを適切に制御すれば、良好な特性の抵抗変化型素子が得られる。
また第1抵抗変化層と第2抵抗変化層とがそれぞれ別個独立に製造されるため、遷移金属酸化物を酸化する方法によって積層構造を実現する場合に困難であった、第1抵抗変化層のみに熱処理を加えて抵抗変化型素子の特性を向上させるプロセスが可能となる。
図7は、本発明の第1実施形態の抵抗変化型素子においてスルーホールが予定された位置からずれた場合を説明するための図であって、図7(a)は位置ずれが生じなかった場合、図7(b)は位置ずれが生じた場合を示す。
図8は、スルーホール4の外部(ここでは、第1電極1上)に第1抵抗変化層2と第2抵抗変化層5とを形成し、スルーホール内部には電極のみを形成した場合において、スルーホールが予定された位置からずれた場合を説明するための図であって、図8(a)は位置ずれが生じなかった場合、図8(b)は位置ずれが生じた場合を示す。
図7および図8において、符号が図1と同一である要素は、図1と共通するので、説明を省略する。
図8に示すように、スルーホール4の外部に第1抵抗変化層2と第2抵抗変化層5とを形成し、スルーホール4内部には第2電極6のみを形成した抵抗変化型素子150では、スルーホール4が予定された位置からずれた場合(図8(b))、第2電極6と第1配線8(あるいは第1電極1)とが短絡してしまい、抵抗変化型素子150は抵抗変化できない。
図8(b)のように、メモリセルに短絡が生じると、同一の行および列に存在するメモリセルは使用できなくなり、記憶容量の深刻な低下を招く。
図7に示すように、抵抗変化型素子100では、スルーホール4が予定された位置からずれた場合(図7(b))でも、スルーホール4の底面の全面および側壁の全面は第2抵抗変化層5で覆われているため、第2電極6と第1配線8(あるいは第1電極1)との短絡を抑制できる。
[変形例3]
図9は、本発明の第1実施形態の変形例3にかかる抵抗変化型素子100’の概略構成の一例を示す図である。
図9に示すように、抵抗変化型素子100’は、スルーホール4の内部を除いては抵抗変化型素子100と共通の構成を有する。よって、抵抗変化型素子100と共通する部分については同一の符号を付して説明を省略する。
抵抗変化型素子100’のスルーホール4の内部には、その底面の全面を覆うように第2抵抗変化層5が形成され、さらにその上に第2電極6が形成されている。すなわち、抵抗変化型素子100’では、第2抵抗変化層5がスルーホール4の側壁全面には形成されておらず、第2電極6がスルーホール4の側壁に接している。
スルーホール4の他方の開口部には、第2電極6のみが露出している。該開口部に露出した第2電極6上面全面を覆い、かつ該他方の開口部からはみ出すように、所定の幅を持つ帯状の第2配線9が、基板7の厚み方向から見て第1配線8と直交するように形成されている。
図10および図11は、本発明の第1実施形態の変形例3にかかる抵抗変化型素子を製造する方法の一例を示す工程図であり、図10(a)は基板7上に第1配線8を形成する工程を示す図であり、図10(b)は第1配線8上に第1電極材料層1’と第1抵抗変化材料層2’とを積層する工程を示す図であり、図10(c)は第1電極1と第1抵抗変化層2とを完成させる工程を示す図であり、図10(d)は第1電極1と第1抵抗変化層2とを覆うように層間絶縁層3を形成する工程を示す図であり、図11(a)は層間絶縁層3にスルーホール4を形成する工程を示す図であり、図11(b)はスルーホール4を充填するように第2抵抗変化材料層5’を堆積させる工程を示す図であり、図11(c)は層間絶縁層3およびスルーホール4の側壁の一部を露出させる工程を示す図であり、図11(d)はスルーホール4を充填するように第2電極6を形成し、さらにスルーホール4の他方の開口部に露出する第2電極6を覆うように第2配線9を形成する工程を示す図である。
図10(a)乃至図10(d)および図11(a)は、それぞれ、図3(a)乃至図3(d)および図4(a)と共通するので説明を省略する。
図11(b)に示すように、層間絶縁層3の上面とスルーホール4の内部に一例としてTaO(x<y)で構成される第2抵抗変化材料5’をCVD法により堆積させることで、スルーホール4には第2抵抗変化材料5’が完全に充填される。
次に、図11(c)に示すように、CMPにより層間絶縁層3の上面まで、すなわち層間絶縁層3が露出するまで、第2抵抗変化材料5’が除去される(層間絶縁層露出ステップ)。このとき、第2抵抗変化材料5’が研磨される速度を層間絶縁層3が研磨される速度よりも大きくなるようにCMPの条件を設定し、オーバーポリッシュすることにより、スルーホール4の内部にある第2抵抗変化材料5’も一部が除去される。これにより、スルーホール4の内部に凹部(リセス)が形成される。さらに、エッチバックを行う事で、スルーホール内の第2抵抗変化材料5’を薄膜化する。
次に、図11(d)に示すように、スルーホール4に形成された凹部を充填するように、第2電極6がCVD法により堆積される。その後、CMP法により層間絶縁層3が露出され、スルーホール4の上側の開口部に露出する第2電極6を被覆するように、Al等の配線材料を用いて、スパッタとマスクを用いたエッチングにより、所定の幅を有する帯状に第2配線9が形成される(第2配線形成ステップ)。
以上により、抵抗変化型素子100’が得られる。
このようにして抵抗変化型素子100’でも、スルーホール型クロスポイント構造の記憶装置において抵抗変化層の積層構造を容易に実現できる。本変形例も、スルーホール4が第1電極1及び第1抵抗変化層2に対して位置ずれを起こした場合でも、第2電極6と第1配線8(あるいは第1電極1)との短絡を抑制できる。
[変形例4]
図12は、本発明の第1実施形態の変形例4にかかる抵抗変化型素子100”の概略構成の一例を示す図である。
図12に示すように、抵抗変化型素子100”は、スルーホール4の内部を除いては抵抗変化型素子100と共通の構成を有する。よって、抵抗変化型素子100と共通する部分については同一の符号を付して説明を省略する。
抵抗変化型素子100”のスルーホール4の内部には、その底面の全面と側壁の全面とを覆うように第2抵抗変化層5が形成されている。第2抵抗変化層5はスルーホール4を完全に充填しておらず、第2抵抗変化層5がスルーホール4の内部に成す空隙(凹部)の底面の全面と側壁の全面とを覆うように第2電極6が形成されている。第2電極6は該空隙(凹部)を完全に充填しておらず、第2電極6がなす空隙(凹部)を完全に充填するように絶縁層10が形成されている。
スルーホール4の他方の開口部には、第2抵抗変化層5と第2電極6と絶縁層10とが露出している。該開口部の上面の全面を覆い、かつ該上側の開口部からはみ出すように、所定の幅を持つ帯状の第2配線9が、基板7の厚み方向から見て第1配線8と直交するように形成されている。
図13は、本発明の第1実施形態の変形例4にかかる抵抗変化型素子を製造する方法の一例を示す工程図であり、図13(a)は基板上に第1配線8と第1電極1と第1抵抗変化層2と層間絶縁層3とスルーホール4を形成する工程を示す図であり、図13(b)はスルーホール4内部に第2抵抗変化層5を形成する工程を示す図であり、図13(c)は第2電極6を形成する工程を示す図であり、図13(d)は絶縁層10を形成し、さらにスルーホール4の他方の開口部に露出する第2抵抗変化層5と第2電極6と絶縁層10とを覆うように第2配線9を形成する工程を示す図である。
図13(a)の工程では、図3(a)乃至図3(d)および図4(a)に示した工程により、基板7上に第1配線8と第1電極1と第1抵抗変化層2と層間絶縁層3とスルーホール4とが形成される。
次に、図13(b)に示すように、層間絶縁層3の上面とスルーホール4の底面の全面と側壁の全面とを覆うように、かつ内側に空隙(凹部)が形成されるように、TaO(x<y)で構成される第2抵抗変化材料層(図示せず)がCVD法等によりスルーホール4内にコンフォーマルに堆積される。次にCMP法により層間絶縁層3の上面まで、すなわち層間絶縁層3が露出するまで、第2抵抗変化材料層が除去される。これにより、スルーホール4の内部に、スルーホール4の底面の全面と側面の全面とを覆うように、かつ内側に空隙(凹部)が形成されるように、第2抵抗変化層5が形成される(第2抵抗変化層形成ステップ)。
次に、図13(c)に示すように、層間絶縁層3の上面と第2抵抗変化層5の空隙(凹部)の内部に、第2電極材料層(図示せず)がCVD法等により堆積される。続いてCMP法により層間絶縁層3の上面まで、すなわち層間絶縁層3が露出するまで、第2電極材料層が除去される。これにより、第2抵抗変化層5の空隙(凹部)に、該空隙(凹部)の底面の全面と側面の全面とを覆うように、かつ内側に空隙(凹部)が形成されるように、第2電極6が形成される(第2電極形成ステップ)。
次に、図13(d)に示すように、層間絶縁層3の上面と第2電極6の空隙(凹部)の内部に、絶縁材料層(図示せず)がCVD法により堆積される。続いてCMP法により層間絶縁層3の上面まで、すなわち層間絶縁層3が露出するまで、絶縁材料層が除去される。これにより、該空隙(凹部)を完全に充填するように、絶縁層10が形成される(絶縁層形成ステップ)。その後、スルーホール4の上側の開口部に露出する第2抵抗変化層5と第2電極6と絶縁層10とを被覆するように、Al等の配線材料を用いて、スパッタとマスクを用いたエッチングにより、所定の幅を有する帯状の第2配線9が形成される(第2配線形成ステップ)。
以上により、抵抗変化型素子100”が得られる。
なお、第2抵抗変化材料層の堆積と第2電極材料層の堆積と絶縁材料層の堆積とは、その2つ(第2抵抗変化材料層の堆積と第2電極材料層の堆積、あるいは第2電極材料層の堆積と絶縁材料層の堆積)または3つ全てがCMP工程を挟まずに連続して行われてもよい。
絶縁材料層の堆積方法はCVDに限定されない。例えば、スパッタやALD(原子層成長)を用いても良い(以下、全ての実施形態およびその変形例において同様)。
抵抗変化型素子100”でも、スルーホール型クロスポイント構造の記憶装置において抵抗変化層の積層構造を容易に実現できる。本変形例4では、スルーホール4が第1電極1及び第1抵抗変化層2に対して位置ずれを起こした場合でも、第2電極6と第1配線8(あるいは第1電極1)とが短絡しにくいという効果を奏する。さらに本変形例では、スルーホールの内部にスルーホールの外部と同様の絶縁層が形成されることにより、抵抗変化型素子の各部分にかかるストレスが緩和され、電極と層間絶縁膜層とが剥離しにくくなる。すなわち、抵抗変化型素子の機械的強度が向上する。
(第2実施形態)
[素子の構成]
図14は、本発明の第2実施形態にかかるメモリセルの概略構成の一例を示す図であり、図14(a)は平面図、図14(b)は図14(a)において線B−B’に沿って切った断面を矢印方向から見た断面図、図14(c)は図14(a)において線C−C’に沿って切った断面を矢印方向から見た断面図である。本実施形態のメモリセル200は、スルーホール4の他方の開口部と第2配線9との間に電流制御素子110が設けられている点の除いては、第1実施形態と同様である。よって、図1と図14とで共通する部分については、同一の符号を付して説明を省略する。
メモリセル200は、抵抗変化型素子100と、抵抗変化型素子100に直列に接続された電流制御素子110とを備えている。
電流制御素子110は、正負いずれの電圧に対しても非線形な(電圧の絶対値が低い領域[低電圧域]では抵抗値が大きく、電圧の絶対値が高い領域[高電圧域]では抵抗値が小さい)電流特性を示す素子であって、いわゆる双方向型の整流素子である。電流制御素子110の具体的構成は、例えば、MIM(Metal−Insulator−Metal)ダイオードまたはMSM(Metal−Semiconductor−Metal)ダイオードまたはバリスタとしうる。
電流制御素子110が抵抗変化型素子100と直列に接続されることで、バイポーラ型の抵抗変化型素子を用いてクロスポイントメモリを構成した場合に、クロストークを容易に防止しつつ、抵抗変化型素子には十分な電流を印加できる。
図15は、電流制御素子110の電流−電圧特性(I−V特性)を模式的に示す図である。図15に示すように、VHより高い正電圧(絶対値がVHより大きい正電圧)が印加されたとき、および、VLより低い負電圧(絶対値が−VLより大きい負電圧)が印加されたときには、電流制御素子110の電気抵抗は比較的小さくなる。VH以下の正電圧(絶対値がVH以下である正電圧)が印加されたとき、および、VL以上の負電圧(絶対値が−VL以下である負電圧)が印加されたときには、電流制御素子110の電気抵抗は比較的大きくなる。なお電圧は、電流制御素子110のうち、抵抗変化層側を基準としたときのもう一方の側の電位として定義する。
電流制御素子110の構成は、例えば、第3電極111と電流制御層112と第4電極113とがこの順に積層されたものとすることができる(図17(d)参照)。電流制御層112を構成する材料としては、GaN等の化合物半導体や、Al、SiO、Ta等の酸化物や、ZnO系バリスタ(ZnOにBi、Sb3、CoO、MnO、Cr、SrO、BaO、Pr等を添加したもの)や、SiN(x>0)等の窒化物や、接合を形成したa−Siや、有機物等が挙げられる。もちろん、これに限定されるものではなく、隣接する電極との接合において、印加される電圧の絶対値が増加するに連れてその抵抗値が減少するような非線形の電圧−電流特性を示すものであればよい。
抵抗変化型素子100と組み合わせて用いる電流制御素子110としては、特にMSMダイオードが好適と考えられる。かかる構成において、電流制御素子110は半導体を金属間に挟んだ構造の為に、MIMダイオードより大きい電流を流すことが容易となる。従って、流すことが可能な電流のレンジを大きくできる。MSMダイオードの特性は、金属と金属に隣接する半導体との間に形成される電位障壁に起因する。また、バリスタは結晶の粒界の特性を整流に用いるが、MSMダイオードのようにアモルファス半導体を使用する場合は半導体の構造に起因する特性のばらつきは原理的に発生しないと考えられる。よって、微細化時の動作特性ばらつきもなく、電流制御素子としてより好ましいと考えられる。特に、電流制御層112としてSiN(0<z)を用いた電流制御素子は好適である。その理由とその根拠となる実験データは特許文献4(出願人は本願と同一である)に詳述してあるので、説明を省略する。
第3電極111の材料(第3電極材料)および第4電極113の材料(第4電極材料)には、例えば、窒化タンタル(TaN)等が用いられる。
メモリセル200では、抵抗変化型素子100と電流制御素子110とが直列に接続され、該直列経路の両端に電圧が印加される。このような構成では、電圧E1、E2、E3を適切に設定することで、より安定した動作を実現できる。すなわち、読み出しパルス電圧E3が印加される場合に、電流制御素子110の電気抵抗は比較的大きくなり、印加された電圧のうち、電流制御素子110に分配される割合が大きくなる。一方、電圧E1や電圧E2が印加される場合に、電流制御素子110の電気抵抗は比較的小さくなり、印加された電圧のうち、抵抗変化型素子100に分配される割合が大きくなる。データを書き込むときは、適切な大きさの電圧が抵抗変化層に印加され、データ書込がより確実に実行できる。データを読み出すときは、抵抗変化層に分配される電圧が小さくなるので、ノイズ等が読み出しパルス電圧E3に重畳されても誤って抵抗値を書き換えることなく、安全に抵抗値を読み取ることができる。また、電流制御素子を双方向型とすることで、クロスポイント型メモリにおけるクロストークの抑制に効果的である。
[製造方法]
図16および図17は、本発明の第2実施形態のメモリセルを製造する方法の一例を示す工程図であり、図16(a)は基板7上に第1配線8を形成する工程を示す図であり、図16(b)は第1配線8上に第1電極材料層1’と第1抵抗変化材料層2’とを積層する工程を示す図であり、図16(c)は第1電極1と第1抵抗変化層2とを完成させる工程を示す図であり、図16(d)は第1電極1と第1抵抗変化層2とを覆うように層間絶縁層3を形成する工程を示す図であり、図17(a)は層間絶縁層3にスルーホール4を形成する工程を示す図であり、図17(b)はスルーホール4を充填するように第2抵抗変化材料層5’と第2電極材料層6’とを積層する工程を示す図であり、図17(c)は層間絶縁層3の上面を露出させる工程を示す図であり、図17(d)はスルーホール4の他方の開口部に露出する第2抵抗変化層5と第2電極6とを覆うように電流制御素子110および第2配線9を形成する工程を示す図である。なお、図16および図17は、電流制御素子110にMSMダイオードを用いた場合を例示する。
図16(a)乃至図16(d)および図17(a)乃至図17(c)は、それぞれ、図3(a)乃至図3(d)および図4(a)乃至図4(c)と共通するので説明を省略する。
図17(c)の後に、図17(d)に示すように、電流制御素子110と第2配線9とが形成される。すなわち、まず層間絶縁層3の平坦化された上面38の上に、第3電極材料層と電流制御材料層と第4電極材料層(いずれも図示せず)とがこの順に、スパッタ法あるいはCVD法により積層される。その後、マスクを用いたエッチング工程により、第3電極111、電流制御層112、及び第4電極113とで構成される電流制御素子110が形成される(電流制御素子形成ステップ)。さらに、第2の層間絶縁層11がCVDにより堆積され、CMPにより平坦化された後、露出する第4電極113を被覆するように、Al等の配線材料をスパッタした後、マスクを用いたエッチング工程により、所定の幅を有する帯状の第2配線9が形成される(第2配線形成ステップ)。
第3電極111と電流制御層112と第4電極113との堆積方法はCVDに限定されない。例えば、スパッタやALD(原子層成長)を用いても良い(以下、全ての実施形態およびその変形例において同様)。
[効果]
本実施形態のメモリセルにおいても、第1実施形態の抵抗変化型素子と同様の効果が得られる。また、本実施形態のメモリセルは、抵抗変化型素子と電流制御素子が直列に接続されているため、より安定した動作を実現でき、クロスポイント型メモリにおけるクロストークの抑制にも効果的である。
電流制御素子110は凹凸の少ない部位である、スルーホール4の他方の開口の外側に形成されるため、電気的な特性が揃ったばらつきの少ないメモリセルが実現できる。コンパクトに抵抗変化型素子と電流制御素子とが直列に接続されるので、高集積化ができて量産性に富んだ高信頼性の記憶装置が実現できる。
[変形例]
本実施形態のメモリセルにおいても、第1実施形態の変形例1〜4の抵抗変化型素子が適用可能である。抵抗変化型素子と電流制御素子の上下関係は限定されず、電流制御素子の上に抵抗変化型素子が形成されてもよい。電流制御素子と抵抗変化型素子との接続部の電極を1個としてもよい。すなわち、同一の電極を電流制御素子の電極および抵抗変化型素子の電極として用いても良い。第1配線および/または第2配線を、電流制御素子および/または抵抗変化型素子の電極として用いても良い。
さらに、第1電極1および第1抵抗変化層2が第1配線8の上面を全て被覆するように形成してもよい。さらに、第4電極113および電流制御層112が第3電極111の上面から外側にはみ出した形状をとってもよい(図18参照)。この構造は、例えば、第3電極111の形成後、電流制御層112、第4電極113、および第2配線9を構成する部材を順にスパッタ等により成膜後、これらの3層をエッチング等により第2配線9の形状に一括加工すれば実現可能である。
(第3実施形態)
図19は、本発明の第3実施形態にかかる抵抗変化型記憶装置の概略構成の一例を示す平面図である。図20は、本発明の第3実施形態にかかる抵抗変化型記憶装置の概略構成の一例を示す断面図であり、図20(a)は図19の線D−D’に沿って切った断面を矢印方向から見た図、図20(b)は図19の線E−E’に沿って切った断面を矢印方向から見た図である。
図19および図20に示すように、本実施形態の抵抗変化型記憶装置300は、基板7と、基板7の主面に平行な第1平面内において第1方向に互いに平行に延びるように形成された複数の第1配線8(8a〜8h)と、第1平面に平行な第2平面内において第2方向に互いに平行に延びるようにかつ複数の第1配線8とそれぞれ立体交差するように形成された複数の第2配線9(9a〜9h)と、第1配線8と第2配線9との立体交差点のそれぞれに形成されたメモリセルMCとを備え、メモリセルMCは、第1実施形態の抵抗変化型素子100と、抵抗変化型素子100に直列に接続された電流制御素子110とを備え、層間絶縁層3が第1平面と第2平面との間に形成されている。
電流制御素子110は、同一のメモリセルMCを構成する抵抗変化型素子100に対応するスルーホール4の、第1抵抗変化層2で覆われていない開口部を覆うように形成されていることが好ましい。
電流制御素子110は、層間絶縁層3の両側のうち、同一のメモリセルMCを構成する抵抗変化型素子100の第1抵抗変化層2が設けられている側に形成されていてもよい。
電流制御素子110は、MIMダイオード、MSMダイオード、バリスタからなる群より選択される少なくとも1つの素子であってもよい。
メモリセルMCは、第2実施形態のメモリセル200と同様の構成である。よって、メモリセルMCの構成要素には図14と同一の符号を付して、詳細な説明を省略する。
抵抗変化型記憶装置300は、第2実施形態のメモリセル200をマトリクス状に配列したメモリセルアレイを有する、スルーホール型クロスポイント構造の記憶装置である。
抵抗変化型記憶装置300の動作は、抵抗変化型素子の部分については第1実施形態とどうようである。メモリセルアレイとしての動作は、一般的なクロスポイントメモリアレイと同様であるので、説明を省略する。
抵抗変化型記憶装置300の製造方法は、第2実施形態と同様の方法とすることができる。よって、詳細な説明を省略する。
抵抗変化型記憶装置300では、スルーホール型クロスポイント構造の記憶装置において、抵抗変化層の積層構造を容易に実現することができる。電流制御素子が抵抗変化型素子に直列に接続されることで、隣接する記憶装置によるクロストークによる誤動作が抑制され、信頼性の高い記憶装置が実現される。また、微細なプロセスと親和性がある量産プロセスにより、安定した動作の可能な高集積化された抵抗変化型記憶装置を容易に製作することができる。電流制御素子をMIMダイオード、MSMダイオードまたはバリスタとすれば、抵抗変化型素子がバイポーラ型の動作をする場合において、クロストークが容易に防止できると同時に、抵抗変化型素子に十分な電流を印加できる。微小なノイズ電圧が電源ラインを介してメモリセルに印加されても、電圧のほとんどが電流制御素子で吸収される。よって、抵抗変化型素子の抵抗値を誤って書き換えるなどの誤動作がほとんど生じないようにすることができる。
第3実施形態についても、第1実施形態および第2実施形態と同様の変形例の適用が可能である。
(第4実施形態)
[素子の構成]
図21は、本発明の第4実施形態にかかる抵抗変化型素子の概略構成の一例を示す断面図である。
図21に示すように、本実施形態の抵抗変化型素子400は、第1実施形態の抵抗変化型素子100の構成に加えて、第1抵抗変化層2を構成する遷移金属酸化物の抵抗率が第2抵抗変化層5を構成する遷移金属酸化物の抵抗率よりも高く、層間絶縁層3と第1抵抗変化層2との間にフッ素化合物ガスを含むエッチングガスを用いたエッチングに耐性を有するエッチングストッパ層12が形成されており、スルーホール4’は層間絶縁層3およびエッチングストッパ層12を貫通するように形成されている。
かかる構成では、スルーホールを形成する際にフッ素化合物ガスを含むエッチングガスを用いたエッチングを行っても、第1抵抗変化層に劣化を生じさせにくくなる。
エッチングストッパ層12は、SiN、SiON、SiCNからなる群より選択される少なくとも1つの材料で構成されるのが好ましい。またエッチングストッパ層12は、5nm以上の厚さを有するのが好ましい。
エッチングストッパ層12の厚さは、層間絶縁層3の厚さに比べて十分に薄いことが好ましく、例えば5nm以上かつ30nm以下とするのが好ましい。
図22からは、TaO層の表層から5nm未満の深さ領域にフッ素が混入することが読み取れる。エッチングストッパ層として用いられる窒化シリコン(SiN)や酸窒化シリコン(SiON)、あるいは炭窒化シリコン(SiCN)は構造が緻密なためフッ素が層中へ混入しにくい。フッ素がエッチングストッパ層を透過してTaO層に混入するのを抑制し、かつ抵抗変化層の厚さのばらつきを抑制するためには、エッチングストッパ層の厚さを5nm以上とすることが好ましい。
ただし、コンタクトホール底部に残ったエッチングストッパ層12を不活性ガスを用いたドライエッチングやウェットエッチングによって除去し、第1抵抗変化層2を露出させる必要がある。スルーホール4の基板に対する垂直性を確保するためには、エッチングストッパ層12はなるべく薄い方が好ましい。
そこで、エッチングストッパ層12の厚さは、層間絶縁層3にスルーホール4”を形成するフッ素系エッチングガスを用いたドライエッチング工程の後に、エッチングストッパ層12が5nm以上残り、第1抵抗変化層2が露出しないように設計することが好ましい。
例えば、層間絶縁層3の厚さが300nmである場合、厚さのウエハ面内でのばらつきを±10%、エッチングストッパ層12の層間絶縁層3に対する選択比(エッチングレートの比)を15、エッチングレートのウエハ面内でのばらつきを±10%、エッチングストッパ層12を形成する際のウエハ面内における厚さのばらつきを±10%と仮定し、オーバーエッチングを30%追加すると、エッチングストッパ層12の厚さは20nm程度に設計することが望ましい。
SiNは酸素バリア性も有する。第1抵抗変化層2の上にSiNで構成されるエッチングストッパ層12を設けることで、その上に層間絶縁層3を形成する工程において生じるオゾンや基板の加熱によって第1抵抗変化層2が酸化されるのを抑制できる。SiNで構成されるエッチングストッパ層12を設けることで、層間絶縁層3の組成や形成方法、温度などの選択の自由度を広げることができる。
図17(d)のように、抵抗変化型素子400と第2配線9との間に電流制御素子110を形成し、メモリセル500としてもよい。
[実験例]
以下、エッチングストッパ層を設ける理由について説明する。図1や図9、図12に示された抵抗変化型素子100、100’、100”の構成では、いずれの場合も層間絶縁層3を貫通して第1抵抗変化層2へ到達するスルーホール4を、通常、ドライエッチングにより形成する。この際、スルーホール4の内部に露出する第1抵抗変化層2は、エッチングガスに曝される。
本発明者らは、第1抵抗変化層2をTaOで構成した際、TaOがフッ素化合物ガスを含むエッチングガスに曝されることで、抵抗変化型素子の特性が低下することを発見した。具体的には、抵抗変化型素子の抵抗値が非常に高くなり、電気的パルスを印加しても抵抗値が変化しない場合が多く見られた。本発明者らは、鋭意検討の結果、抵抗変化層にエッチングガスプラズマ中に含まれるラジカルなフッ素が侵入し、抵抗変化層の組成を変化させ、抵抗変化型素子の特性が劣化したのではないかと考えるに至った。かかるメカニズムは、抵抗変化特性を示す他の遷移金属酸化物についても同様にあてはまると考えられる。
以下、フッ素化合物ガスを含むエッチングガスを用いたエッチングが抵抗変化層に与える影響を調べるために本発明者らが行った実験の詳細を説明する。
まず、基板上にタンタル酸化物を堆積したサンプルを用意し、タンタル酸化物の表面を二次イオン質量分析法(SIMS)により測定した。次に、C、O、Arの混合ガス(フッ素化合物ガスを含むエッチングガス)を用いてタンタル酸化物表面にドライエッチング処理を施した後、タンタル酸化物の表面を二次イオン質量分析法(SIMS)により測定した。測定した元素は、フッ素(F)、酸素(O)、および炭素(C)である。
図22は、ドライエッチング処理を施す前と後のTaO層における、フッ素の深さ方向の濃度分布を示す図である。図22において、縦軸はフッ素イオンカウント数(cps)、横軸はTaO層の表面からの深さ(nm)を示す。白丸はドライエッチング前、黒丸はドライエッチング後のデータを表す。
図22に示す結果から、フッ素系ガスを用いたドライエッチング処理により、TaO層の表層にフッ素が混入することが明らかになった。半値幅から見積もると、主としてTaO層の表層から深さ5nm程度の領域にフッ素が多く混入していることが分かった。他のフッ素化合物ガス、例えば、CFやCHF、SFを用いた場合にも同様の結果が得られた。なお、ドライエッチング処理前にも表面付近にフッ素イオンが観測される。何らかの原因でドライエッチング前にTaO層の表層にフッ素が混入したことが考えられる。
図23は、ドライエッチング処理を施す前と後のTaO層における、酸素の深さ方向の濃度分布を示す図である。図24は、ドライエッチング処理を施す前と後のTaO層における、炭素の深さ方向の濃度分布を示す図である。
図23および図24に示す結果から、酸素及び炭素はTaO層の表層にほとんど混入していないことが分かる。したがって、抵抗変化型素子の特性が劣化したのは、フッ素の混入の影響と考えられる。
以上の結果から、フッ素化合物ガスを含むエッチングガスを用いたエッチングから抵抗変化層を保護する製造方法や素子構造、もしくは抵抗変化層がフッ素化合物ガスを含むエッチングガスに曝されて抵抗変化層の組成が変質しても、その後に抵抗変化層の組成を元に戻す追加処理が必要と考えられた。
抵抗変化層に接続するためのコンタクトホールを形成する際には、抵抗変化層も若干はエッチングされ、厚さが減少してしまう。その影響で、抵抗変化層の厚さのばらつきが増加し、抵抗変化型素子の抵抗値や動作特性(抵抗変化を起こす電気的パルスの電圧やパルス幅など)がばらつく原因になる。
抵抗変化層上に層間絶縁層を形成する工程によって、抵抗変化層が酸化されるという問題もある。例えば、抵抗変化層をTaOで構成し、抵抗変化層上に層間絶縁層としてO−TEOSによりNSG層を形成した場合を考える。このときに用いる原料ガスや基板加熱によって、抵抗変化層のTaOがさらに酸化され、絶縁体である五酸化タンタル(Ta)に変質する。TaOが五酸化タンタルに変質してしまうと、抵抗変化層が抵抗変化特性を示さなくなるという問題が生じる。
本実施形態では、層間絶縁層3と第1抵抗変化層2との間にフッ素化合物ガスを含むエッチングガスを用いたエッチングに耐性を有するエッチングストッパ層12を設けることで、かかる問題に対応する。なお、第1実施形態で述べたように、抵抗変化層のうち劣化した部分をエッチバックにより除去した後で、第2抵抗変化層を形成してもよい。
本実施形態の構成によれば、層間絶縁層の形成時や熱処理時に生じる抵抗変化層の酸化や、エッチングガスプラズマ中に含まれるラジカルなフッ素の抵抗変化層への混入を抑え、かつ抵抗変化層の厚さのばらつきを低減できる。
[製造方法]
図25は、本発明の第4実施形態にかかる抵抗変化型素子およびメモリセルを製造する方法の一例を示す工程図であり、図25(a)は基板7上に第1配線8と第1電極1と第1抵抗変化層2とエッチングストッパ層12と層間絶縁層3とを形成する工程を示す図であり、図25(b)は層間絶縁層3にスルーホール4“を形成する工程を示す図であり、図25(c)はエッチングストッパ層12にスルーホール4’を形成する工程を示す図であり、図25(d)は第2抵抗変化層5と第2電極6と電流制御素子110と第2配線9とを形成する工程を示す図である。
本実施形態の抵抗変化型素子の製造方法では、第1実施形態の製造方法の各ステップに加え、さらに、第1抵抗変化層形成ステップと層間絶縁層形成ステップとの間に行われる、第1抵抗変化層2の上にフッ素化合物ガスを含むエッチングガスを用いたエッチングに耐性を有するエッチングストッパ層12を形成するエッチングストッパ層形成ステップを有し、層間絶縁層形成ステップは、第1抵抗変化層およびエッチングストッパ層の上に層間絶縁層3を形成するステップである。
スルーホール形成ステップは、フッ素化合物ガスを含むエッチングガスを用いたエッチングにより層間絶縁層3を除去する層間絶縁層除去ステップと、フッ素化合物ガスを用いないエッチングによりエッチングストッパ層3を除去するエッチングストッパ層除去ステップとを有するのが好ましい。
「フッ素化合物ガスを用いないエッチング」としては、例えば、不活性ガスを用いたドライエッチングや、ウェットエッチングを用いることができる。
図25を参照しつつ抵抗変化型素子400およびメモリセル500の製造方法をより詳細に説明すれば、以下の通りである。
本実施形態では、まず、基板7の上に第1配線8と第1電極1と第1抵抗変化層2とを形成する。かかる工程は、第1実施形態において図3(a)乃至図3(c)で示した方法と同様であるので説明を省略する。
次に、基板7と第1配線8と第1抵抗変化層2とを覆うように、エッチングストッパ層12と層間絶縁層3とがこの順に堆積される。エッチングストッパ層12は、例えばSiNで構成され、CVDを用いて形成される。層間絶縁層3は、CMPにより平坦化される(図25(a))。
次に、ドライエッチング法により、層間絶縁層3を貫通して、エッチングストッパ層12に到達するように、スルーホール4”を形成する。このドライエッチングには、コンタクトホール形状の垂直性を向上させるために、例えば、CFやC、Cなどのフッ素系ガスを用いることが一般的である。かかるフッ素化合物ガスを含むエッチングガスを用いたエッチングは、スルーホール4”がエッチングストッパ層12に到達した段階で停止し、それ以上進まなくなる。
例えば、エッチングストッパ層12としてSiN、層間絶縁層3としてTEOS−SiOを用いて、コンタクトホールをドライエッチングにより形成する場合を考える。例えば、エッチングガスとしてC、OおよびArを17sccm/23sccm/500sccmの流量で使用し、チャンバー圧力2.1Pa、RF電力1800Wとする条件では、SiNのエッチングレートは、TEOS−SiOのそれと比べて1/15と小さくなる。
したがって、厚さのばらつきが比較的大きな層間絶縁層3にドライエッチングによってスルーホールを形成する際に、十分にオーバーエッチングを追加しても、スルーホール4”の成長を、エッチングストッパ層12で止めることが可能である。
図25(c)に示すように、スルーホール4”の底面に露出するエッチングストッパ層12を、アルゴン(Ar)などの不活性ガスのみを用いたドライエッチングによって除去し、第1抵抗変化層2を露出させる。これにより、スルーホール4’が形成される。
エッチングストッパ層12としてSiNを用い、Arガスを用いたドライエッチングで除去する場合を例として考える。Ar流量を100sccm、チャンバー圧力を2.0Pa、RF電力を900Wとすると、SiN層のエッチングレートは60nm/minである。SiN層の厚さが5nm以上30nm以下と十分に薄い場合には、スルーホール4’の基板に対する垂直性を損なうことなく、エッチングストッパ層12を除去し、第1抵抗変化層2が露出するようにスルーホール4’を形成することができる。
エッチングストッパ層12の厚さは薄いことから、厚さのばらつきも小さく、オーバーエッチングもあまり必要としない。エッチングストッパ層12を挿入することで、スルーホール4’を形成する時の第1抵抗変化層2の掘り込み量を減少させることができる。そのため、第1抵抗変化層2の厚さのばらつきが小さく、抵抗値のばらつきも小さくすることができる。
エッチングストッパ層12を除去する際にフッ素系エッチングガスを用いないことから、第1抵抗変化層2がフッ素系エッチングガスに曝されることがない。第1抵抗変化層2が変質することがなく、第1抵抗変化層2の抵抗値のばらつきを低減でき、その抵抗変化特性も劣化しない。
その後の工程は、第2実施形態の図17(b)乃至図17(d)と同様であるので、詳細な説明を省略する。
かかる工程により、抵抗変化型素子400およびメモリセル500が製造される。
エッチングストッパ層の堆積方法はCVDに限定されない。例えば、スパッタやALD(原子層成長)を用いても良い。
本実施形態の抵抗変化型素子を用いても、第2実施形態のようなメモリセルや第3実施
形態のようなクロスポイント型の記憶装置が実現可能であることは言うまでもない。
なお、エッチングストッパ層12は、必ずしも第1配線8の上に形成される必要はなく、第1抵抗変化層2の上にのみ形成されてもよい。
なお、本実施形態では、第1抵抗変化層2を構成する遷移金属酸化物の抵抗率が第2抵抗変化層5を構成する遷移金属酸化物の抵抗率よりも高くなっているが、第1抵抗変化層2を構成する遷移金属酸化物の抵抗率が第2抵抗変化層5を構成する遷移金属酸化物の抵抗率よりも低い場合においても、エッチングストッパ層12を挿入することで、スルーホール4’を形成する時の第1抵抗変化層2の掘り込み量を減少させることができる、という効果は変わらない。従って、この場合においても、第1抵抗変化層2の厚さのばらつきが小さくなり、抵抗値のばらつきも小さくすることができるため、電気特性のばらつきが少ない高信頼性の抵抗変化型素子、あるいはこのような抵抗変化型素子を有する記憶装置を実現するための有効な方法である。
(第5実施形態)
[素子の構成]
図26は、本発明の第5実施形態にかかる抵抗変化型素子600の概略構成の一例を示す図であり、図26(a)は断面図、図26(b)は平面図である。図26(a)は、図26(b)においてA−A’線に沿って切った断面を矢印方向から見た断面図である。
図26に示すように、抵抗変化型素子600は、基板7と、基板7の上に、第1電極1と第2配線9との間に形成された層間絶縁層3(絶縁層)を備え、層間絶縁層3を上下に(厚み方向に)貫通するようにスルーホール4が形成され、スルーホール4の外部に遷移金属酸化物で構成される第1抵抗変化層2が形成され、スルーホール4の内部に遷移金属酸化物で構成される第2抵抗変化層5が形成され、第1抵抗変化層2と第2抵抗変化層5とは抵抗率が異なり、第1抵抗変化層2と第2抵抗変化層5とがスルーホール4の基板側の開口部20のみにおいて互いに接するように形成されている。
本実施形態の抵抗変化型素子600は、第1実施形態にかかる抵抗変化型素子100において、第1配線8を削除し、第1電極1と第1抵抗変化層2とを厚み方向から見て同一の配線状の形状となるように形成する点を除けば、抵抗変化型素子100と同一の構成とすることができる。よって、抵抗変化型素子600と抵抗変化型素子100とで共通する構成要素には、同一の名称と符号を付して説明を省略する。
本実施形態とは異なる構成として、スルーホール4内に第2抵抗変化層5を形成し、第1抵抗変化層2をスルーホール4の他方の開口(上部側の開口)を覆うように形成した場合には、スルーホール内の第2抵抗変化層5の上端面と、スルーホール4を形成している層間絶縁層3の上端面とは、スルーホール4の外縁に沿って段差が発生する。このため、スルーホールの内部と外縁部とで第1抵抗変化層の厚みに違いが生じる。しかしながら、本実施形態の構成では、基板7上でかつスルーホールの下に、第1電極1と第1抵抗変化層2とを厚み方向から見て同一の配線状の形状となるように形成しているので、第1抵抗変化層2の厚みのばらつきを小さくでき、抵抗変化特性などの特性がより均質化される。
抵抗変化型素子600において、第1抵抗変化層2を構成する遷移金属酸化物の抵抗率は、第2抵抗変化層5を構成する遷移金属酸化物の抵抗率よりも高いことが好ましい。
かかる構成では、高抵抗変化層である第1抵抗変化層の厚みが均一化される。高抵抗変化層の厚みは通常、1〜8nm程度と薄く、高抵抗変化層の厚みを均一にする要請が高い。
抵抗変化型素子600において、第2抵抗変化層5は、スルーホール4の底部と側壁部とを覆うように形成され、さらに、スルーホール4の内部において第2抵抗変化層5の上に埋め込み形成された電極6を備えることが好ましい。
図26(b)に示すように、抵抗変化型素子600において、第1抵抗変化層2は、層間絶縁層3の厚み方向から見て、基板側の開口部20(スルーホール4の底部)の全部を覆うと共にその外側にはみ出すように形成され、第2抵抗変化層5は、層間絶縁層3の厚み方向から見て、基板側の開口部20(スルーホール4の底部)の全部を覆うと共にその外側にはみ出さないように形成されているのが好ましい。
かかる構成では、スルーホールの開口部において第1抵抗変化層により第2抵抗変化層が完全に覆われることになり、第2抵抗変化層がスルーホール外部に配設される電極と接しない。よって、抵抗変化型素子の動作が安定する。
[メモリセルの構成]
図27は、本発明の第5実施形態にかかるメモリセル700の概略構成の一例を示す図であり、図27(a)は断面図、図27(b)は平面図である。図27(a)は、図27(b)においてA−A’線に沿って切った断面を矢印方向から見た断面図である。
図27に示すように、メモリセル700は、スルーホール4の上部の開口部と第2配線9との間に電流制御素子110が設けられている点を除いては、上述した抵抗変化型素子600と同様である。また、電流制御素子110は第2実施形態のメモリセル200に含まれるものと同様である。よって、メモリセル700と抵抗変化型素子600およびメモリセル200とで共通する構成要素には、同一の名称と符号を付して説明を省略する。電流制御素子110は、第2実施形態で説明したものと同様の構成とすることができる。
第5実施形態においても、上述した他の実施形態で述べたのと同様に、図9や図12、図18などのような、種々の変形例が可能である。
抵抗変化型素子600およびメモリセル700の製造方法については、第1実施形態乃至第2実施形態と同様とすることができるので、詳細な説明を省略する。
また、第5実施形態において、さらに第4実施形態のエッチングストッパ層12を備える構成としてもよい。
上記説明から、当業者にとっては、本発明の多くの改良や他の実施形態が明らかである。従って、上記説明は、例示としてのみ解釈されるべきであり、本発明を実行する最良の態様を当業者に教示する目的で提供されたものである。本発明の精神を逸脱することなく、その構造及び/又は機能の詳細を実質的に変更できる。
本発明に係る抵抗変化型素子および抵抗変化型記憶装置は、スルーホール型クロスポイント構造の記憶装置において、抵抗変化層の積層構造を容易に実現する抵抗変化型素子および抵抗変化型記憶装置として有用である。
1 第1電極
1’第1電極材料層
2 第1抵抗変化層
2’第1抵抗変化材料層
3 層間絶縁層
4 スルーホール
4’スルーホール
4”スルーホール
5 第2抵抗変化層層
5’第2抵抗変化材料
6 第2電極
6’第2電極材料層
7 基板
8 第1配線
9 第2配線
10 絶縁層
11 第2の層間絶縁層
12 エッチングストッパ層
20 開口部
100 抵抗変化型素子
100’抵抗変化型素子
100”抵抗変化型素子
110 電流制御素子
111 第3電極
112 電流制御層
113 第4電極
150 抵抗変化型素子
200 メモリセル
300 抵抗変化型記憶装置
400 抵抗変化型素子
500 メモリセル
600 抵抗変化型素子
700 メモリセル
本発明は、抵抗変化型素子(ReRAM素子)及びこれをマトリクス上に配設してなる抵抗変化型記憶装置(ReRAM記憶装置)に関する。より詳しくは、2層以上の抵抗変化層を有する抵抗変化型素子及びこれをマトリクス上に配設してなる抵抗変化型記憶装置に関する。
近年、いわゆる抵抗変化型素子(ReRAM素子)をメモリ素子として利用することが提案されている。このような抵抗変化型素子は、主として金属酸化物材料により構成される抵抗変化層を有し、この抵抗変化層に電気的パルスを印加すると、その抵抗値が変化し、かつ、その変化した抵抗値が保持される。抵抗変化層の高抵抗状態と低抵抗状態を、それぞれ、例えば2値データの“1”と“0”に対応させると、2値データを記憶することができる。印加される電気的パルスによって生じる、抵抗変化層の両端の間の電界や、抵抗変化層の端面における電流密度は、抵抗変化層の物理的な状態を変化させるのに十分で、かつ、抵抗変化層を破壊しない程度であればよい。また、電気的パルスは複数回印加されてもよい。
このような抵抗変化型素子を用いた記憶装置として、クロスポイント型メモリの構造が知られている。この構造では、上下の配線の立体交差部分にメモリプラグが形成され、メモリプラグ内にバイポーラ特性を有する抵抗変化層とダイオードとが積層方向に直列に形成され、高集積化とクロストークの抑制が実現される(例えば、特許文献1参照)。
抵抗変化型素子に関する最近の検討結果から、従来は一層から構成されていた抵抗変化層を二つの抵抗変化層で構成された積層構造とすることにより、抵抗変化型素子としてより好ましい特性が得られることがわかってきた。
例えば、非特許文献1には、酸化物からなる絶縁体層と、導電性を有する金属抵抗変化層とを積層して抵抗変化層を構成することが開示されている。かかる構成では、絶縁体層の厚さを制御することで、いわゆるフォーミング工程(積層工程完了後の抵抗変化型素子に電気的な刺激を加えて、抵抗状態のスイッチングが発現するようにする工程)が不要になる。また、抵抗変化型素子を流れる電流の値も制御できる。
特許文献2には、抵抗変化層をTaO(但し、0<x<2.5)で表される組成を有する第1のタンタル酸化物層と、TaO(但し、x<y)で表される組成を有する第2のタンタル酸化物層とを積層した構成が開示されている。かかる構成では、フォーミング工程が不要になる。また、高速で可逆的に安定した書き換え特性と、良好な抵抗値のリテンション特性が得られる。
米国特許第6753561号明細書 国際公開公報WO2008/149484号 特表2008−512857号 国際公開公報WO2008/117494号
R. Meyer et al, IEEE Proceeding of 9th Non-Volatile Memory Technology Symposium, page 1-5, November 2008
特許文献2にあるように、好ましい抵抗変化型素子を得るためには、抵抗変化層が、抵抗率の互いに異なる2層以上の抵抗変化層を有する構成(以下、積層構造)とすることが望ましい。一方、クロスポイント型メモリにおいて、素子を高集積化したり微細化したりするためには、層間絶縁層に形成されたスルーホールを利用して素子を形成する構造(以下、スルーホール型クロスポイント構造)とすることが望ましい。しかしながら、抵抗変化層の積層構造をスルーホール型クロスポイント構造へ適用する場合、製造工程が困難になるという問題が生じる。
特許文献1の構成は、電流制御素子と抵抗変化型素子とを積層するもので、少なくとも六種類の異なる材料で構成される層を積層する必要がある。このような多層で構成される複雑な積層構造をホール内部に形成することは簡単ではない。特に、高集積化・微細化されたクロスポイント型メモリを形成することを考えた場合、メモリを形成するスルーホールも微細化され、その径も必然的に小さくなる。そのような微細なスルーホールの内部に多層で構成される積層構造を形成すること自体がかなり困難なことであり、製造歩留等の観点からは好ましい構成とは言えない。
特許文献1で示されたメモリ構造で、さらに抵抗変化層を積層構造とした場合には、一つのスルーホール内に少なくとも七層を積層して形成する必要が生じ、更に困難な構造形成となる。(なお、特許文献1では電流制御素子と抵抗変化型素子とでメモリプラグを構成している。かかる構成で、抵抗変化型素子のみをスルーホールの中に形成した場合でも、積層構造の採用により、スルーホール内に積層する層の数が増加することは変わるところがない。)しかも、抵抗変化層を構成する各々の層の厚さや組成等は適切に制御する必要がある。よって、スルーホール型クロスポイント構造において抵抗変化層を積層構造とする場合、製造技術の難度はさらに高くなり、量産性や素子の信頼性を確保することは難しくなる。
本発明は、上記課題を解決するものであり、一つの目的は、スルーホール型クロスポイント構造の記憶装置に用いられる抵抗変化型素子及びこれを用いた抵抗変化型記憶装置において、抵抗変化層の積層構造を容易に実現することにある。
上記課題を解決すべく、本発明の抵抗変化型素子は、基板と、前記基板上に形成された第1電極と、第2電極と、層間絶縁層と、を備え、前記層間絶縁層を貫通するようにスルーホールが形成され、前記スルーホールの外部に、前記スルーホールの外部にある前記第1電極と接続され、かつ遷移金属酸化物で構成される第1抵抗変化層が形成され、前記スルーホールの内部に、遷移金属酸化物で構成される第2抵抗変化層が形成され、前記第2抵抗変化層上に前記第2電極が形成され、前記第1抵抗変化層と前記第2抵抗変化層とは抵抗率が異なり、前記第1抵抗変化層と前記第2抵抗変化層とが前記スルーホールの基板側の開口部のみにおいて互いに接するように形成され、前記第1電極と前記第2電極との間に電気的パルスが印加されることで前記第1電極と前記第2電極との間の電気抵抗が変化する。
かかる構成では、第1抵抗変化層の厚みのばらつきを小さくでき、特性がより均質化される。
これに対して、スルーホール内に第2抵抗変化層を形成し、第1抵抗変化層をスルーホールの上部開口を覆うように形成した場合には、スルーホール内の第2抵抗変化層の上端面と、スルーホールを形成している層間絶縁層の上端面とは、スルーホールの外縁に沿って段差が発生する。このため、スルーホールの内部と外縁部とで第1抵抗変化層の厚みに違いが生じる。しかしながら、本発明の構成では、基板上でかつスルーホールの下に、第1電極と第1抵抗変化層とを厚み方向から見て同一の配線状の形状となるように形成しているので、第1抵抗変化層の厚みのばらつきを小さくでき、抵抗変化特性などの特性がより均質化される。
上記の抵抗変化型素子において、前記第1抵抗変化層を構成する遷移金属酸化物の抵抗率が前記第2抵抗変化層を構成する遷移金属酸化物の抵抗率よりも高くてもよい。
かかる構成では、高抵抗変化層である第1抵抗変化層の厚みが均一化される。高抵抗変化層の厚みは通常、2〜10nm程度と薄く、高抵抗変化層の厚みを均一にすることで動作が安定化し、信頼性が向上する。
上記の抵抗変化型素子において、前記第2抵抗変化層は、前記スルーホールの底部と側壁部とを覆うように形成され、さらに、前記スルーホールの内部において前記第2抵抗変化層の上に埋め込み形成された電極を備えてもよい。
かかる構成では、デバイス特性に寄与するスルーホール底部の第2抵抗変化層の膜厚をデバイス特性から決定することができ、残りのスルーホールの空隙をより抵抗の低い第2電極で埋め込むことで寄生抵抗を低減し、配線遅延を防止することができる。また、少なくとも2元系の遷移金属酸化物をスルーホール内部に組成と埋め込み特性を両立して成膜することは技術的に困難である。このスルーホールの空隙をより実用化が進んでいる電極で埋め込むことができれば(例えば単元系の電極など)、製造方法上もメリットがでる。
上記の抵抗変化型素子において、前記第1抵抗変化層は、前記層間絶縁層の厚み方向から見て、前記スルーホールの基板側の開口部の全部を覆うと共にその外側にはみ出すように形成され、第2抵抗変化層は、層間絶縁層の厚み方向から見て、前記一方の開口部の全部を覆うと共にその外側にはみ出さないように形成されていてもよい。
上記の抵抗変化型素子において、前記第1抵抗変化層を構成する遷移金属酸化物および前記第2抵抗変化層を構成する遷移金属酸化物は、それぞれ、Ta、Hf、Zrからなる群より選択される少なくとも1つの遷移金属の酸化物であってもよい。
上記の抵抗変化型素子において、前記第1抵抗変化層を構成する遷移金属酸化物および前記第2抵抗変化層を構成する遷移金属酸化物はいずれもタンタル酸化物であって、一方のタンタル酸化物をTaOと表した場合に0.8≦x≦1.9を満足し、他方のタンタル酸化物をTaOと表した場合にx<yを満足するように構成されていてもよい。
上記の抵抗変化型素子において、前記第1抵抗変化層を構成する遷移金属酸化物の抵抗率が前記第2抵抗変化層を構成する遷移金属酸化物の抵抗率よりも低くてもよい。
上記の抵抗変化型素子において、前記第1抵抗変化層を構成する遷移金属酸化物の抵抗率が前記第2抵抗変化層を構成する遷移金属酸化物の抵抗率よりも高く、前記層間絶縁層と前記第1抵抗変化層との間にフッ素化合物ガスを含むエッチングガスを用いたエッチングに耐性を有するエッチングストッパ層が形成されており、前記スルーホールは前記層間絶縁層および前記エッチングストッパ層を貫通するように形成されていてもよい。
上記の抵抗変化型素子において、前記エッチングストッパ層は、窒化シリコン(SiN)、酸窒化シリコン(SiON)、炭窒化シリコン(SiCN)からなる群より選択される少なくとも1つの材料で構成されてもよい。
上記の抵抗変化型素子において、前記エッチングストッパ層は、5nm以上の厚さを有してもよい。
また、本発明の抵抗変化型記憶装置は、基板と、基板の主面に平行な第1平面内において第1方向に互いに平行に延びるように形成された複数の第1配線と、前記第1平面に平行な第2平面内において第2方向に互いに平行に延びるようにかつ前記複数の第1配線とそれぞれ立体交差するように形成された複数の第2配線と、前記第1配線と前記第2配線との立体交差点のそれぞれに形成されたメモリセルとを備え、前記メモリセルは、請求項1に記載の抵抗変化型素子と、前記抵抗変化型素子に直列に接続された電流制御素子とを備え、前記層間絶縁層が前記第1平面と前記第2平面との間に形成されている。
上記抵抗変化型記憶装置において、前記電流制御素子は、同一のメモリセルを構成する前記抵抗変化型素子に対応する前記スルーホールの、前記第1抵抗変化層で覆われていない開口部を覆うように形成されていてもよい。
上記抵抗変化型記憶装置において、前記電流制御素子は、前記層間絶縁層の両側のうち、同一のメモリセルを構成する前記抵抗変化型素子の第1抵抗変化層が設けられている側に形成されていてもよい。
上記抵抗変化型記憶装置において、前記電流制御素子は、MIMダイオード、MSMダイオード、バリスタからなる群より選択される少なくとも1つの素子であってもよい。
また、本発明の抵抗変化型素子の製造方法は、基板上に、第1電極を形成する第1電極形成ステップと、前記第1電極上に、遷移金属酸化物で構成される第1抵抗変化層を形成する第1抵抗変化層形成ステップと、前記第1抵抗変化層の上に層間絶縁層を形成する層間絶縁層形成ステップと、前記第1抵抗変化層の上に前記層間絶縁層を貫通するようにスルーホールを形成するスルーホール形成ステップと、前記スルーホールの内部において前記第1抵抗変化層と前記スルーホールの開口部でのみ接するように、遷移金属酸化物で構成され、かつ前記第1抵抗変化層と抵抗率が異なる、第2抵抗変化層を形成する第2抵抗変化層形成ステップと、前記第2抵抗変化層上に第2電極を形成するステップと、を有し、前記第1電極と前記第2電極との間に電気的パルスが印加されることで前記第1電極と前記第2電極との間の電気抵抗が変化する。
上記抵抗変化型素子の製造方法において、前記第1抵抗変化層が、前記スルーホールの一方の開口部の全部を覆うとともに該一方の開口部の外側にはみ出すように構成されてもよい。
上記抵抗変化型素子の製造方法は、さらに、前記第1抵抗変化層形成ステップと前記層間絶縁層形成ステップとの間に行われる、前記第1抵抗変化層の上にフッ素化合物ガスを含むエッチングガスを用いたエッチングに耐性を有するエッチングストッパ層を形成するエッチングストッパ層形成ステップを有し、前記層間絶縁層形成ステップは、前記第1抵抗変化層および前記エッチングストッパ層の上に層間絶縁層を形成するステップであってもよい。
上記抵抗変化型素子の製造方法は、前記スルーホール形成ステップにおいて、前記層間絶縁膜は、フッ素化合物ガスを含むエッチングガスを用いてエッチングし、前記エッチングストッパ層は、不活性ガスを用いてエッチングしてもよい。
本発明の上記目的、他の目的、特徴、及び利点は、添付図面参照の下、以下の好適な実施態様の詳細な説明から明らかにされる。
本発明は、上記のような構成を有し、以下のような効果を奏する。すなわち、スルーホール型クロスポイントメモリセルアレイを有する記憶装置に用いられる抵抗変化型素子を有するメモリセル及びこれを用いた記憶装置において、抵抗変化層の積層構造を有するメモリセルアレイを容易に実現することができる。
図1は、本発明の第1実施形態にかかる抵抗変化型素子100の概略構成の一例を示す図であり、図1(a)は断面図、図1(b)は平面図である。図1(a)は、図1(b)においてA−A’線に沿って切った断面を矢印方向から見た断面図である。 図2(a)および図2(b)は、それぞれ本発明の第1実施形態の変形例1及び変形例2にかかる抵抗変化型素子の概略構成の一例を示す断面図である。 図3は、本発明の第1実施形態の抵抗変化型素子を製造する方法の一例を示す工程断面図であり、図3(a)は基板上に第1配線を形成する工程を示す断面図であり、図3(b)は第1配線上に第1の電極材料と第1の抵抗変化材料とを積層する工程を示す断面図であり、図3(c)は第1電極と第1抵抗変化層とを完成させる工程を示す断面図であり、図3(d)は第1電極と第1抵抗変化層とを覆うように層間絶縁層を形成する工程を示す断面図である。 図4は、本発明の第1実施形態の抵抗変化型素子を製造する方法の一例を示す工程図であり、図4(a)は層間絶縁層にスルーホールを形成する工程を示す図であり、図4(b)はスルーホールを充填するように第2の抵抗変化材料と第2の電極材料とを積層する工程を示す図であり、図4(c)は層間絶縁層を露出させて第2抵抗変化層と第2電極とを形成する工程を示す図であり、図4(d)はスルーホールの開口部に露出する第2抵抗変化層と第2電極とを覆うように第2配線を形成する工程を示す図である。 図5は、抵抗変化型素子100に電気的パルスを印加したときの抵抗値の変化を示す図である。 図6は、抵抗変化型素子100の抵抗値に基づいて記憶された情報を読み出す方法を示す模式図である。 図7は、本発明の第1実施形態の抵抗変化型素子においてスルーホールが予定された位置からずれた場合を説明するための図であって、図7(a)は位置ずれが生じなかった場合、図7(b)は位置ずれが生じた場合を示す。 図8は、スルーホールの外部に第1抵抗変化層と第2抵抗変化層とを形成し、スルーホール内部には電極のみを形成した場合において、スルーホールが予定された位置からずれた場合を説明するための図であって、図8(a)は位置ずれが生じなかった場合、図8(b)は位置ずれが生じた場合を示す。 図9は、本発明の第1実施形態の変形例3にかかる抵抗変化型素子100’の概略構成の一例を示す図である。 図10は、本発明の第1実施形態の変形例3にかかる抵抗変化型素子を製造する方法の一例を示す工程断面図であり、図10(a)は基板上に第1配線を形成する工程を示す断面図であり、図10(b)は第1配線上に第1の電極材料と第1の抵抗変化材料とを積層する工程を示す断面図であり、図10(c)は第1電極と第1抵抗変化層とを完成させる工程を示す断面図であり、図10(d)は第1電極と第1抵抗変化層とを覆うように層間絶縁層を形成する工程を示す断面図である。 図11は、本発明の第1実施形態の変形例3にかかる抵抗変化型素子を製造する方法の一例を示す工程断面図であり、図11(a)は層間絶縁層にスルーホールを形成する工程を示す断面図であり、図11(b)はスルーホールを充填するように第2の抵抗変化材料を堆積させる工程を示す断面図であり、図11(c)は層間絶縁層の表面およびスルーホールの側壁の一部を露出させて、スルーホール内に第2抵抗変化層を形成する工程を示す断面図であり、図11(d)はスルーホールを充填するように第2電極を形成し、さらに開口部に露出する第2電極を覆うように第2配線を形成する工程を示す断面図である。 図12は、本発明の第1実施形態の変形例4にかかる抵抗変化型素子100”の概略構成の一例を示す断面図である。 図13は、本発明の第1実施形態の変形例4にかかる抵抗変化型素子を製造する方法の一例を示す工程断面図であり、図13(a)は基板上に第1配線と第1電極と第1抵抗変化層と層間絶縁層とスルーホールを形成する工程を示す断面図であり、図13(b)はスルーホール内部に第2抵抗変化層を形成する工程を示す断面図であり、図13(c)は第2電極を形成する工程を示す断面図であり、図13(d)は絶縁層を形成し、さらに開口部に露出する第2抵抗変化層と第2電極と絶縁層とを覆うように第2配線を形成する工程を示す断面図である。 図14は、本発明の第2実施形態にかかるメモリセルの概略構成の一例を示す図であり、図14(a)は平面図、図14(b)は図14(a)において線B−B’に沿って切った断面を矢印方向から見た断面図、図14(c)は図14(a)において線C−C’に沿って切った断面を矢印方向から見た断面図である。 図15は、本発明の電流制御素子110の電流−電圧特性(I−V特性)を模式的に示す図である。 図16は、本発明の第2実施形態のメモリセルを製造する方法の一例を示す工程断面図であり、図16(a)は基板上に第1配線を形成する工程を示す断面図であり、図16(b)は第1配線上に第1の電極材料と第1の抵抗変化材料とを積層する工程を示す断面図であり、図16(c)は第1電極と第1抵抗変化層とを完成させる工程を示す断面図であり、図16(d)は第1電極と第1抵抗変化層とを覆うように層間絶縁層を形成する工程を示す断面図である。 図17は、本発明の第2実施形態のメモリセルを製造する方法の一例を示す工程断面図であり、図17(a)は層間絶縁層にスルーホールを形成する工程を示す断面図であり、図17(b)はスルーホールを充填するように第2の抵抗変化材料と第2の電極材料とを積層する工程を示す断面図であり、図17(c)は層間絶縁層を露出させる工程を示す断面図であり、図17(d)はスルーホールの開口部に露出する第2抵抗変化層と第2電極とを覆うように電流制御素子および第2配線を形成する工程を示す断面図である。 図18は、本発明の第2実施形態の変形例にかかる抵抗変化型素子の概略構成の一例を示す断面図である。 図19は、本発明の第3実施形態にかかる抵抗変化型記憶装置の概略構成の一例を示す平面図である。 図20は、図20は、本発明の第3実施形態にかかる抵抗変化型記憶装置の概略構成の一例を示す断面図であり、図20(a)は図19の線D−D’に沿って切った断面を矢印方向から見た断面図、図20(b)は図19の線E−E’に沿って切った断面を矢印方向から見た断面図である。 図21は、本発明の第4実施形態にかかる抵抗変化型素子の概略構成の一例を示す断面図である。 図22は、ドライエッチング処理を施す前と後のTaO層における、フッ素の深さ方向の濃度分布を示す図である。 図23は、ドライエッチング処理を施す前と後のTaO層における、酸素の深さ方向の濃度分布を示す図である。 図24は、ドライエッチング処理を施す前と後のTaO層における、炭素の深さ方向の濃度分布を示す図である。 図25は、本発明の第4実施形態にかかる抵抗変化型素子およびメモリセルを製造する方法の一例を示す工程断面図であり、図25(a)は基板上に第1配線と第1電極と第1抵抗変化層とエッチングストッパ層と層間絶縁層とを形成する工程を示す断面図であり、図25(b)は層間絶縁層にスルーホールを形成する工程を示す断面図であり、図25(c)はエッチングストッパ層にスルーホールを形成する工程を示す断面図であり、図25(d)は第2抵抗変化層と第2電極と電流制御素子と第2配線とを形成する工程を示す断面図である。 図26は、本発明の第5実施形態にかかる抵抗変化型素子600の概略構成の一例を示す図であり、図26(a)は断面図、図26(b)は平面図である。図26(a)は、図26(b)においてA−A’線に沿って切った断面を矢印方向から見た断面図である。 図27は、本発明の第5実施形態にかかるメモリセル700の概略構成の一例を示す図であり、図27(a)は断面図、図27(b)は平面図である。図27(a)は、図27(b)においてA−A’線に沿って切った断面を矢印方向から見た断面図である。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
(第1実施形態)
[素子の構成]
図1は、本発明の第1実施形態にかかる抵抗変化型素子100の概略構成の一例を示す図であり、図1(a)は断面図、図1(b)は平面図である。図1(a)は、図1(b)においてA−A’線に沿って切った断面を矢印方向から見た断面図である。
図1に示すように、抵抗変化型素子100は、第1配線8と第2配線9との間に形成された層間絶縁層3(絶縁層)を備え、層間絶縁層3を貫通するようにスルーホール4が形成され、スルーホール4の外部に遷移金属酸化物で構成される第1抵抗変化層2が形成され、スルーホール4の内部に遷移金属酸化物で構成される第2抵抗変化層5が形成され、第1抵抗変化層2と第2抵抗変化層5とは抵抗率が異なり、第1抵抗変化層2と第2抵抗変化層5とがスルーホールの一方の開口部20のみにおいて互いに接するように形成されている。
かかる構成では、スルーホール型クロスポイント構造の記憶装置において、抵抗変化層の積層構造を容易に実現できる。
「第1抵抗変化層2と第2抵抗変化層5とがスルーホール4の一方の開口部のみにおいて互いに接する」とは、第1抵抗変化層2と第2抵抗変化層5との接触面の高さ(基板主面からの距離、以下同様)と、層間絶縁層3と第1抵抗変化層2との基板主面に平行な面内にある接触面の高さとが異なる場合を含む。具体的には、例えば後述するようにフッ素化合物ガスを含むエッチングガスを用いたエッチングによってスルーホール4を形成する場合、第1抵抗変化層2の劣化が問題になることがある。第1抵抗変化層2のうち劣化した部分をエッチバックにより除去することでかかる問題に対応する場合、第1抵抗変化層2と第2抵抗変化層5との接触面は、第1抵抗変化層2側に膨らむことになる。本実施形態はかかる構成を含むものである。ただし、第1抵抗変化層2と第2抵抗変化層5との接触面が、図1に示すように、層間絶縁層3と第1抵抗変化層2との基板主面に平行な面内にある接触面と同一平面内にあることが好ましい。
抵抗変化型素子100において、第1抵抗変化層2は、層間絶縁層3の厚み方向から見て、一方の開口部20の全部を覆うと共にその外側にはみ出すように形成され、第2抵抗変化層5は、層間絶縁層3の厚み方向から見て、一方の開口部20の全部を覆うと共にその外側にはみ出さないように形成されているのが好ましい。
かかる構成では、スルーホール4の一方の開口部において第1抵抗変化層2により第2抵抗変化層5が完全に覆われることになり、第2抵抗変化層5がスルーホール4の外部に配設される第1電極1と接しない。よって、抵抗変化型素子100の動作が安定する。
また、本構成によれば、第1抵抗変化層2と第2抵抗変化層5で構成される抵抗変化層の積層構造はスルーホール4の一方の開口で規定される領域の内部のみで形成される。各々の抵抗変化型素子における抵抗変化層の積層構造部分の面積がスルーホール4の一方の開口によって規定される。スルーホール4の加工精度を上げることにより、抵抗変化型素子100の初期抵抗値のばらつきが低減される。結果として、抵抗変化型素子100の素子間の特性ばらつきを低減することが可能となる。
抵抗変化型素子100は、さらに第1電極1を備え、第1抵抗変化層2は第1電極1と層間絶縁層3との間に形成され、スルーホール4の内部において第2抵抗変化層5の上に第2電極6が形成される。第1電極1と第2電極6との間に電気的パルスが印加されることで第1電極1と第2電極6との間の電気抵抗が変化しかつ該電気的パルスの印加が終了した後でも該変化した電気抵抗が維持される。
「スルーホール4の内部において第2抵抗変化層5の上に第2電極6が形成される」とは、スルーホール4の底面および側壁、あるいはスルーホール4の底面又は側壁において、第2電極6が第2抵抗変化層5よりも内側に存在することを言う。抵抗変化型素子100は、いわゆる不揮発性記憶素子である。
本実施形態では、第1電極1は基板7の上に形成された第1配線8の上に形成される。スルーホール4の上側の開口部に露出する第2抵抗変化層5と第2電極6とを覆うように、第2配線9が形成される。
本実施形態において各部材の具体的構成は、例えば以下のようにすることができる。
基板7は、トランジスタを含む回路が形成され、内部配線によりメモリアレイと電気的に接続されたシリコン基板としうる(但し、隣接する第1配線8が互いに電気的に短絡しないよう、第1配線8と接する面は電気的に絶縁性があることが必要である。)。第1電極1および第2電極6は、Al、Cu、Ti、W、Pt、Ir、Cr、Ni、Nb等の金属やこれらの混合物(合金)、あるいはTiN、TiW、TaN、TaSi、TaSiN、TiAlN、NbN、WN、RuO、In、SnO、IrO等の導電性を有する化合物や、又はこれらの積層構造物を使用することができる。層間絶縁層3は、例えば酸化シリコン(例えば、SiO)等で構成しうる。
第1抵抗変化層2および第2抵抗変化層5は導電性を有する遷移金属酸化物(遷移金属から選択された1種類又は複数種類の元素から成る金属が酸化された材料)で構成されることが好ましい。かかる遷移金属酸化物が抵抗変化材料として好適であることは、非特許文献1あるいは特許文献2に記載されており、詳細な説明を省略する。「遷移金属酸化物で構成される」とは、必ずしも遷移金属酸化物以外の材料を含まないというものではなく、抵抗変化型素子100がメモリ素子として動作するのに必要な抵抗変化特性を持つ限りにおいて、遷移金属酸化物以外の材料や不純物を含んでいてもよい。
第1抵抗変化層2を構成する遷移金属酸化物および第2抵抗変化層5を構成する遷移金属酸化物は、それぞれ、Ta、Hf、Zrからなる群より選択される少なくとも1つの遷移金属の酸化物であるのが好ましい。
第1抵抗変化層2を構成する遷移金属酸化物および第2抵抗変化層5を構成する遷移金属酸化物は、酸素不足型の酸化物であるのが好ましい。酸素不足型の酸化物とは、化学量論的な酸化物と比較して酸素の含有量(原子比:総原子数に占める酸素原子数の割合)が少ない酸化物をいう。
第1抵抗変化層2を構成する遷移金属酸化物および第2抵抗変化層5を構成する遷移金属酸化物は、両者の抵抗率が互いに異なるように選択される。第1抵抗変化層2および第2抵抗変化層5を構成する遷移金属酸化物の内、低抵抗の遷移金属酸化物の抵抗率は例えば数mΩcmである。
第1抵抗変化層2を構成する遷移金属酸化物および第2抵抗変化層5を構成する遷移金属酸化物はいずれもタンタル酸化物であって、一方のタンタル酸化物をTaOと表した場合に0.8≦x≦1.9を満足し、他方のタンタル酸化物をTaOと表した場合にx<yを満足するように構成されているのが好ましい。また、TaOの膜厚は、1〜8nm程度が好ましい。
この場合、TaOの方が抵抗率が低くなり(低抵抗変化層となり)、TaOの方が抵抗率が高くなる(高抵抗変化層となる)。かかる構成では、高速で可逆的に安定した書き換え特性と、良好な抵抗値のリテンション特性を有する抵抗変化型素子が得られる。かかる知見をもたらした実験結果の詳細な説明は、特許文献2に記載されているので省略する。
また、第1抵抗変化層2を構成する遷移金属酸化物および第2抵抗変化層5を構成する遷移金属酸化物はいずれもハフニウム酸化物であって、一方のハフニウム酸化物をHfOと表した場合に0.9≦x≦1.6を満足し、他方のハフニウム酸化物をHfOと表した場合に1.8<yを満足するように構成してもよい。HfOの膜厚は、3〜4nm程度が好ましい。
また、第1抵抗変化層2を構成する遷移金属酸化物および第2抵抗変化層5を構成する遷移金属酸化物はいずれもジルコニウム酸化物であって、一方のジルコニウム酸化物をZrOと表した場合に0.9≦x≦1.4を満足し、他方のジルコニウム酸化物をZrOと表した場合に1.9<yを満足するように構成してもよい。ZrOの膜厚は、1〜5nm程度が好ましい。
これら、タンタル、ハフニウム、ジルコニウムの酸化物では、一般的に酸素含有率が高いほど抵抗率が高くなる。
タンタル、ハフニウム、ジルコニウムの酸化物は、それぞれタンタル、ハフニウム、ジルコニウムターゲットを用い、酸素ガスを含むスパッタガス中でスパッタする反応性スパッタ法により形成できる。スパッタガス中の酸素濃度を変えることにより、それぞれの酸化物中に含まれる酸素含有率(すなわち抵抗率)を変化させることができる。また、CVD法やALD(Atmic Layer Deposition)法を用いても形成できる。
第1抵抗変化層2と第2抵抗変化層5とは、SrRuO(SRO)、Pr0.7Ca0.3MnO3、Pr0.5Ca0.5MnO3、および、その他のPCMOなど、一部のペロブスカイト(一般的に、ABX3の組成を有するペロブスカイト型の結晶構造を有する材料。なお、Xが、酸素またはフッ素のいずれかである場合、Aは、1.0から1.4Åの原子サイズを有し、Bは、0.45から0.75Åの原子サイズを有する材料で構成される)や、RuOXやCuOXなど、活性化エネルギの低い酸化物などでも構成しうる。
第一抵抗変化層2および第2抵抗変化層5は、その一方が導電性を有する金属酸化物、他方が酸化物で構成される絶縁体で構成されるようにしてもよい。酸化物で構成される絶縁体の具体例として、Ta、Al23、Ta25、HfO2、ZrO2などの様々な金属酸化物が考えられる。この場合、絶縁体の厚さを制御することにより、いわゆる初期化工程(抵抗変化型素子に電気的な刺激を加えて、抵抗状態の変化を発現させる工程)が不要で、かつ、抵抗変化型素子を流れる電流の値が制御可能となる。かかる知見をもたらした実験結果の詳細な説明は、非特許文献1あるいは特許文献3に詳述されている通りであるので、記載を省略する。
また、逆に絶縁体の厚さを制御することにより、初期化工程を加えて抵抗変化素子の抵抗変化特性のばらつきを抑制するよう構成してもよい。
第1抵抗変化層2を構成する遷移金属酸化物の抵抗率が第2抵抗変化層5を構成する遷移金属酸化物の抵抗率よりも低くてもよい。かかる構成では、第1抵抗変化層2がもともと還元的な状態(酸素含有率が小さい)にあるので、エッチング時にフッ素含有ガスなどによる影響を受けにくい。よって、スルーホールのエッチングによる第1抵抗変化層の劣化の問題が生じにくい。
なお、図1では、第1電極1と基板7との間に第1配線8が形成され、第2電極6の上に第2配線9が形成されている。なお、第1配線8と第1電極1とは同一部材であってもよい。
さらに、図2(a)に第1実施形態の変形例1として示すように、第1電極1および第1抵抗変化層2が第1配線8上を全て被覆するように形成してもよい。この場合、第1電極1および第1抵抗変化層2の形状を規定するマスクが不要にできる(第1配線8の形状を規定するマスクを使用し、第1配線8と第1電極1および第1抵抗変化層2を同時に加工することが可能である)ため、製造工程の簡略化が可能となる。
第2配線9と第2電極6とは同一部材であってもよい(図2(b)の変形例2を参照)。この構成は、第2電極6を形成する際にCVDやめっき等の手法によりスルーホール4内に第2抵抗変化層5を形成した基板表面を第2電極6の部材で被覆した後、基板全面に形成された第2電極6の部材をエッチング等の手法により第2配線9として加工することにより実現可能である。
第1電極1および第2電極6は、複数の層で構成されてもよい。第1抵抗変化層2と第2抵抗変化層5とは、スルーホールの一方の開口部20の全部において隙間なく接していることが好ましい。
図1を参照しつつ抵抗変化型素子100の構成をより詳細に説明すれば、以下の通りである。
抵抗変化型素子100は、基板7の上に、所定の幅を持つ帯状の第1配線8が形成されている。第1配線8の上には、基板7の厚み方向からみて第1配線8からはみ出さないように、第1電極1と第1抵抗変化層2とがこの順に積層されている。第1電極1と第1抵抗変化層2とは、基板7の厚み方向から見て同一の形状を有する。「基板の上に第1電極が形成される」とは、一般的な解釈に従って、基板に物理的に接するように第1電極が形成される場合と、基板の上に他の部材(例えば、第1配線8)を介して第1電極が形成される場合とを含む。
基板7の上には、第1配線8と第1電極1と第1抵抗変化層2とを覆うように、層間絶縁層3が形成されている。第1抵抗変化層2の上方の層間絶縁層3には、筒状のスルーホール4が、層間絶縁層3を貫通するように、かつ第1抵抗変化層2の上面に達するように、形成されている。スルーホール4の内部には、その底面の全面と側壁の全面とを覆うように第2抵抗変化層5が形成されている。第2抵抗変化層5はスルーホール4を完全に充填しておらず、第2抵抗変化層5がなす空隙(凹部)を完全に充填するように第2電極6が形成されている。「層間絶縁層」には、単一のステップで形成される層間絶縁層のみならず、複数のステップで形成される複数の層間絶縁層が合体して1つの層をなす場合を含む。
スルーホール4の上側の開口部には、第2抵抗変化層5と第2電極6とが露出している。該開口部の上面の全面を覆い、かつ該上側の開口部からはみ出すように、所定の幅を持つ帯状の第2配線9が、基板7の厚み方向から見て第1配線8と直交するように形成されている。
第1抵抗変化層2を構成する遷移金属酸化物の抵抗率は、第2抵抗変化層5を構成する遷移金属酸化物の抵抗率よりも低くなるように構成されていてもよい。すなわち、第1抵抗変化層2を構成する遷移金属酸化物にタンタル酸化物を用い、その組成をTaOと表した場合に0.8≦x≦1.9を満足し、第2抵抗変化層5を構成する遷移金属酸化物にタンタル酸化物を用い、その組成をTaOと表した場合にx<yを満足する。具体的には、例えばx=0.8、y=2.48のとき、第1抵抗変化層の抵抗率は0.6mΩcmとなり、第2抵抗変化層の抵抗率は測定器がオーバーレンジとなる。
かかる構成において、第1電極1の厚さは10nm以上50nm以下、第1抵抗変化層2(低抵抗変化層)の厚さは10nm以上50nm以下、第2抵抗変化層5(高抵抗変化層)の厚さは、底面の最も薄い部分で1nm以上8nm以下が好ましい。
[製造方法]
図3および図4は、本発明の第1実施形態の抵抗変化型素子を製造する方法の一例を示す工程図である。図3(a)は基板7上に第1配線8を形成する工程を示す図であり、図3(b)は第1配線8上に第1電極材料層1’と第1抵抗変化材料層2’とを積層する工程を示す図である。図3(c)は第1電極1と第1抵抗変化層2とを完成させる工程を示す図であり、図3(d)は第1電極1と第1抵抗変化層2とを覆うように層間絶縁層3を形成する工程を示す図である。図4(a)は層間絶縁層3にスルーホール4を形成する工程を示す図であり、図4(b)はスルーホール4を充填するように第2抵抗変化材料層5’と第2電極材料層6’とを積層する工程を示す図である。図4(c)は層間絶縁層3の表面の第2抵抗変化材料層5’と第2電極材料層6’とを除去して層間絶縁層3の表面を露出させる工程を示す図であり、図4(d)はスルーホール4の他方の開口部に露出する第2抵抗変化層5と第2電極6とを覆うように第2配線9を形成する工程を示す図である。
図3および図4に示すように、本実施形態の抵抗変化型素子の製造方法は、基板上に、第1配線8を形成する第1配線形成ステップと、第1配線8上に第1電極1を形成する第1電極形成ステップと、第1電極1上に、遷移金属酸化物で構成される第1抵抗変化層2を形成する第1抵抗変化層形成ステップ(例えば、図3(a)乃至図3(c))と、第1抵抗変化層2の上に層間絶縁層3を形成する層間絶縁層形成ステップ(例えば、図3(d))と、第1抵抗変化層2の上に層間絶縁層3を貫通するようにスルーホール4を形成するスルーホール形成ステップ(例えば、図4(a))と、スルーホール4の内部において第1抵抗変化層2とスルーホール4の開口部20でのみ接するように、遷移金属酸化物で構成され、かつ第1抵抗変化層2と抵抗率(酸素含有率)が異なる、第2抵抗変化層5を形成する第2抵抗変化層形成ステップ、スルーホール中でかつ第2抵抗変化層5上に第2電極6を形成する第2電極形成ステップ、第2抵抗変化層5および第2電極6が埋め込まれたスルーホール4の他方の開口上に第2配線9を形成する第2配線形成ステップ(図4(b)乃至図4(d))とを有する。
第1抵抗変化層2は、スルーホール4の一方の開口部20の全部を覆うとともに該一方の開口部20の外側にはみ出すように構成されているほうが好ましい。そのような構成により、スルーホール4と第1抵抗変化層2の間で位置ずれが発生し、スルーホール4の一方の開口部20の一部が第1抵抗変化層2の外にはみ出したとしていも、第2抵抗変化層5と第1電極1とが直接接触することを阻止でき、安定な動作が可能となる。
なお、図3および図4の例では、第1電極形成ステップと第1抵抗変化層形成ステップとは同一のステップとなっているが、コスパッタ装置を用いれば可能である。同様に、第2電極形成ステップと第2抵抗変化層形成ステップとは同一のステップとしている。
図3および図4を参照しつつ抵抗変化型素子100の製造方法をより詳細に説明すれば、以下の通りである。
まず、図3(a)に示すように、基板7上にアルミ(Al)等の配線材料がスパッタにより堆積され、エッチングにより所定の幅を有する帯状の第1配線8が形成される(第1配線形成ステップ)。
次に、図3(b)に示すように、第1配線8の上に、タンタル(Ta)、チタン(Ti)、あるいはAl等の第1電極材料1’がスパッタにより10〜50nm堆積され(第1の電極材料堆積ステップ)、さらにTaO(0.8≦x≦1.9)で構成される第1抵抗変化材料2’が反応性スパッタ法またはCVD法等により10〜50nm堆積される(第1の抵抗変化材料堆積ステップ)。
次に、図3(c)に示すように、フォトリソグラフィプロセス及びエッチングプロセスにより第1抵抗変化層2が形成されると共に(第1抵抗変化層エッチングステップ)、連続して、エッチングにより第1電極1が形成される(第1電極エッチングステップ)。
次に、図3(d)に示すように、基板7と第1配線8と第1電極1と第1抵抗変化層2とを覆うように層間絶縁層3が堆積され、CMP等により層間絶縁層3の表面が平坦化される(層間絶縁層形成ステップ)。
次に、図4(a)に示すように、フォトリソグラフィプロセス及びエッチングプロセスにより、層間絶縁層3を貫通し、第1抵抗変化層2の表面を開口するスルーホール4が形成される(スルーホール形成ステップ)。
次に、図4(b)に示すように、層間絶縁層3の上面とスルーホール4の底面の全面と側壁の全面とを覆うようにTaO(x<y)で構成される第2抵抗変化材料5’がCVD法により1〜8nm堆積される。さらに白金(Pt)、イリジウム(Ir)、パラジウム(Pd)、タングステン(W)、窒化タンタル(TaN)等の第2電極材料6’が堆積され、スルーホール4が完全に充填される。
次に、図4(c)に示すように、CMP法により層間絶縁層3の上面まで、すなわちスルーホール4の他方の開口部以外の層間絶縁層3の表面が露出するまで、第2抵抗変化材料5’および第2電極材料6’が除去される。これにより、スルーホール4を完全に充填するように、第2抵抗変化層5および第2電極6の積層構造が形成される(層間絶縁層露出ステップ)。
次に、図4(d)に示すように、スルーホール4の他方の開口部に露出する第2抵抗変化層5および第2電極6を被覆するように、Al等の配線材料をスパッタし、フォトリソグラフィプロセス及びエッチングプロセスにより、所定の幅を有する帯状の第2配線9が形成される(第2配線形成ステップ)。
以上により、抵抗変化型素子100が得られる。
電極材料の堆積方法はスパッタに限定されない(以下、全ての実施形態およびその変形例において同様)。例えば、CVDや真空蒸着、めっき、その他の方法を用いても良い。
抵抗変化材料の堆積方法はCVDに限定されない。例えば、スパッタやALD(原子層成長)を用いても良い(以下、全ての実施形態およびその変形例において同様)。
層間絶縁層の表面を平坦化するには、先に述べたCMPの他、いわゆるエッチバックも適用可能である(以下、全ての実施形態およびその変形例において同様)。
配線材料の堆積方法はスパッタに限定されない(以下、全ての実施形態およびその変形例において同様)。例えば、配線の材料としてCu等を使用する場合は、いわゆるダマシン法(基板等の絶縁層にあらかじめ配線溝を形成し、絶縁層上および配線溝中に配線形成用の導電層(Cu等)を堆積した後、導電層をCMP(化学的機械的研磨)法によって配線溝内のみに残されるように研磨する手法)によりストライプ状の配線が形成されてもよい。
[動作]
図5は、抵抗変化型素子100に電気的パルスを印加した場合の抵抗値の変化と対応する情報の関係を示す図である。なお、電気的パルスの電圧および極性は、第1電極1を基準とした第2電極6の電位により定めるものとする。抵抗変化型素子100に電気的パルスを印加するとは、具体的には、第1電極1と第2電極6との間に、所定の極性の電圧とパルス幅を持つ電気的パルスを印加することを言う。
図5に示すように、第1配線8と、第2配線9との間に、極性が異なる2種類の電気的パルス(負電圧パルスE1と成電圧パルスE2)を交互に印加すると、抵抗変化型素子100の抵抗値(第1電極1と第2電極6との間の電気抵抗値)が変化する。第1の閾値電圧より電圧が高い負電圧の電気的パルス(以下、その電圧をE1とする)を印加すると抵抗値が減少して低抵抗値Raとなる。第2の閾値電圧より電圧が高い正電圧の電気的パルス(以下、その電圧をE2とする)を印加すると抵抗値が増加して高抵抗値Rbとなる。抵抗変化型素子100は、第1電極1と第2電極6との間に電気的パルスが印加されることで第1電極と第2電極との間の電気抵抗が変化し、かつ該電気的パルスの印加が終了した後でも該変化した電気抵抗が維持されるため、不揮発性記憶素子として利用できる。
また、抵抗変化型素子100はバイポーラ型の特性を有する。すなわち、第1極性の電圧の電気的パルス(例えば、正電圧の電気的パルス)を印加することで第1抵抗状態(例えば、高抵抗状態)に変化し、第1極性と異なる第2極性の電気的パルス(例えば、負電圧の電気的パルス)を印加することで第2抵抗状態(例えば、低抵抗状態)に変化する。
図6は、抵抗変化型素子100の抵抗値に基づいて記憶された情報を読み出しする方法を示す模式図である。
図6に示すように、2つの異なる抵抗値RaまたはRbのうちいずれか一方を情報「0」とし、もう一方を情報「1」とすると、抵抗値に対応付けて1ビットの情報(「0」または「1」)を記憶することができる。図6では、抵抗値Rb(高抵抗状態)を情報「0」に、抵抗値Ra(低抵抗状態)を情報「1」に割り当てている。
図6に示すように、抵抗変化型素子100が高抵抗状態(抵抗値がRb)のときに負電圧の電気的パルスを印加すると、抵抗変化型素子100は低抵抗状態(抵抗値がRa)となる。これにより、抵抗変化型素子100に記憶された情報は「0」から「1」に書き換えられる。
また、抵抗変化型素子100が低抵抗状態(抵抗値がRa)のときに正電圧の電気的パルスを印加すると、抵抗変化型素子100が低抵抗状態(抵抗値がRb)となる。これにより、抵抗変化型素子100に記憶された情報は「1」から「0」に書き換えられる。
抵抗変化型素子100に記憶された情報を読み取る場合、抵抗変化型素子100の抵抗状態を変化させるために印加する電気的パルス(電圧E1あるいは電圧E2)よりも絶対値が小さく、印加しても抵抗変化型素子100の抵抗値が変化しないような読み出しパルス電圧E3を印加して出力電流値を読み取る。図6に示すように、出力電流値Iaが抵抗値Raに、出力電流値Ibが抵抗値Rbに対応している。よって、読み取られた出力電流値に基づいて、抵抗変化型素子100に記録されていた情報(情報「0」または情報「1」)が読み取られる。
なお、情報と抵抗状態との対応関係や、電気的パルスの極性と抵抗値の増減との対応関係などは、具体的な抵抗変化型素子の構成によって適宜設定でき、上記の態様に限定されるものではない。
[効果]
本実施形態の抵抗変化型素子および抵抗変化型素子の製造方法によれば、スルーホール型クロスポイント構造の記憶装置において抵抗変化層の積層構造を容易に実現できる。第1抵抗変化層と第2抵抗変化層という2つの抵抗変化層が、前者がスルーホールの外部に、後者がスルーホールの内部に形成されることで自己整合的に積層される。例えば、スルーホールの内部に2つの抵抗変化層を形成する場合に比べると、スルーホール内部の層の数が少なくなり、製造が容易となる。それぞれの抵抗変化層の組成や大きさ(厚さや面積)などの設計自由度も向上する。スルーホールの外部に形成される第1抵抗変化層はそもそもスルーホールによる制約を受けない。スルーホールの内部に形成される第2抵抗変化層もスルーホール内部の層の数が少なくなることで、相対的に自由に厚さの設定などができる。2つの抵抗変化層は、CVDやスパッタ、ALD(原子層成長)等を用いて、個別に組成を調整しつつ形成できる。かかる製造方法が採用された場合、抵抗変化層を形成した後にプラズマによる酸化で抵抗率を変化させる場合よりも、組成の均質化や2つの抵抗変化層の厚さの調整などが容易になる。これらは、製造プロセス上の自由度がより高くなるということを意味する。適切な製造プロセス条件を設定することにより、電気特性のばらつきが少ない高信頼性の抵抗変化型素子、あるいはこのような抵抗変化型素子を有する記憶装置を実現できる可能性がより高くなる。
また、第2抵抗変化層と第2電極とは、スルーホール内部において自己整合的に形成される。よって、抵抗変化型素子100は高集積化に適している。
抵抗変化する部分は第1電極と第2電極とで挟まれた部分(スルーホールの開口部)に限定される。言い換えると、抵抗変化型素子の基本構成単位の大きさは、スルーホールによって規定される。このため、抵抗変化型素子の基本構成単位を、製造プロセスのプロセスルールの最小サイズにまで微細化することができる。また、抵抗変化型素子の特性のばらつきを抑制でき、動作の信頼性が向上する。
第1抵抗変化層、第1電極、第2抵抗変化層、第2電極は、いずれも通常の半導体プロセス(例えば、メモリ素子以外の機能を担う部位と同じマスクプロセス、CMOSプロセスなど)により形成でき、製造プロセスを簡略化できる。
第1抵抗変化層と第2抵抗変化層とは抵抗率が異なるため、各抵抗変化層の組成や厚さを適切に制御すれば、良好な特性の抵抗変化型素子が得られる。
また第1抵抗変化層と第2抵抗変化層とがそれぞれ別個独立に製造されるため、遷移金属酸化物を酸化する方法によって積層構造を実現する場合に困難であった、第1抵抗変化層のみに熱処理を加えて抵抗変化型素子の特性を向上させるプロセスが可能となる。
図7は、本発明の第1実施形態の抵抗変化型素子においてスルーホールが予定された位置からずれた場合を説明するための図であって、図7(a)は位置ずれが生じなかった場合、図7(b)は位置ずれが生じた場合を示す。
図8は、スルーホール4の外部(ここでは、第1電極1上)に第1抵抗変化層2と第2抵抗変化層5とを形成し、スルーホール内部には電極のみを形成した場合において、スルーホールが予定された位置からずれた場合を説明するための図であって、図8(a)は位置ずれが生じなかった場合、図8(b)は位置ずれが生じた場合を示す。
図7および図8において、符号が図1と同一である要素は、図1と共通するので、説明を省略する。
図8に示すように、スルーホール4の外部に第1抵抗変化層2と第2抵抗変化層5とを形成し、スルーホール4内部には第2電極6のみを形成した抵抗変化型素子150では、スルーホール4が予定された位置からずれた場合(図8(b))、第2電極6と第1配線8(あるいは第1電極1)とが短絡してしまい、抵抗変化型素子150は抵抗変化できない。
図8(b)のように、メモリセルに短絡が生じると、同一の行および列に存在するメモリセルは使用できなくなり、記憶容量の深刻な低下を招く。
図7に示すように、抵抗変化型素子100では、スルーホール4が予定された位置からずれた場合(図7(b))でも、スルーホール4の底面の全面および側壁の全面は第2抵抗変化層5で覆われているため、第2電極6と第1配線8(あるいは第1電極1)との短絡を抑制できる。
[変形例3]
図9は、本発明の第1実施形態の変形例3にかかる抵抗変化型素子100’の概略構成の一例を示す図である。
図9に示すように、抵抗変化型素子100’は、スルーホール4の内部を除いては抵抗変化型素子100と共通の構成を有する。よって、抵抗変化型素子100と共通する部分については同一の符号を付して説明を省略する。
抵抗変化型素子100’のスルーホール4の内部には、その底面の全面を覆うように第2抵抗変化層5が形成され、さらにその上に第2電極6が形成されている。すなわち、抵抗変化型素子100’では、第2抵抗変化層5がスルーホール4の側壁全面には形成されておらず、第2電極6がスルーホール4の側壁に接している。
スルーホール4の他方の開口部には、第2電極6のみが露出している。該開口部に露出した第2電極6上面全面を覆い、かつ該他方の開口部からはみ出すように、所定の幅を持つ帯状の第2配線9が、基板7の厚み方向から見て第1配線8と直交するように形成されている。
図10および図11は、本発明の第1実施形態の変形例3にかかる抵抗変化型素子を製造する方法の一例を示す工程図であり、図10(a)は基板7上に第1配線8を形成する工程を示す図であり、図10(b)は第1配線8上に第1電極材料層1’と第1抵抗変化材料層2’とを積層する工程を示す図であり、図10(c)は第1電極1と第1抵抗変化層2とを完成させる工程を示す図であり、図10(d)は第1電極1と第1抵抗変化層2とを覆うように層間絶縁層3を形成する工程を示す図であり、図11(a)は層間絶縁層3にスルーホール4を形成する工程を示す図であり、図11(b)はスルーホール4を充填するように第2抵抗変化材料層5’を堆積させる工程を示す図であり、図11(c)は層間絶縁層3およびスルーホール4の側壁の一部を露出させる工程を示す図であり、図11(d)はスルーホール4を充填するように第2電極6を形成し、さらにスルーホール4の他方の開口部に露出する第2電極6を覆うように第2配線9を形成する工程を示す図である。
図10(a)乃至図10(d)および図11(a)は、それぞれ、図3(a)乃至図3(d)および図4(a)と共通するので説明を省略する。
図11(b)に示すように、層間絶縁層3の上面とスルーホール4の内部に一例としてTaO(x<y)で構成される第2抵抗変化材料5’をCVD法により堆積させることで、スルーホール4には第2抵抗変化材料5’が完全に充填される。
次に、図11(c)に示すように、CMPにより層間絶縁層3の上面まで、すなわち層間絶縁層3が露出するまで、第2抵抗変化材料5’が除去される(層間絶縁層露出ステップ)。このとき、第2抵抗変化材料5’が研磨される速度を層間絶縁層3が研磨される速度よりも大きくなるようにCMPの条件を設定し、オーバーポリッシュすることにより、スルーホール4の内部にある第2抵抗変化材料5’も一部が除去される。これにより、スルーホール4の内部に凹部(リセス)が形成される。さらに、エッチバックを行う事で、スルーホール内の第2抵抗変化材料5’を薄膜化する。
次に、図11(d)に示すように、スルーホール4に形成された凹部を充填するように、第2電極6がCVD法により堆積される。その後、CMP法により層間絶縁層3が露出され、スルーホール4の上側の開口部に露出する第2電極6を被覆するように、Al等の配線材料を用いて、スパッタとマスクを用いたエッチングにより、所定の幅を有する帯状に第2配線9が形成される(第2配線形成ステップ)。
以上により、抵抗変化型素子100’が得られる。
このようにして抵抗変化型素子100’でも、スルーホール型クロスポイント構造の記憶装置において抵抗変化層の積層構造を容易に実現できる。本変形例も、スルーホール4が第1電極1及び第1抵抗変化層2に対して位置ずれを起こした場合でも、第2電極6と第1配線8(あるいは第1電極1)との短絡を抑制できる。
[変形例4]
図12は、本発明の第1実施形態の変形例4にかかる抵抗変化型素子100”の概略構成の一例を示す図である。
図12に示すように、抵抗変化型素子100”は、スルーホール4の内部を除いては抵抗変化型素子100と共通の構成を有する。よって、抵抗変化型素子100と共通する部分については同一の符号を付して説明を省略する。
抵抗変化型素子100”のスルーホール4の内部には、その底面の全面と側壁の全面とを覆うように第2抵抗変化層5が形成されている。第2抵抗変化層5はスルーホール4を完全に充填しておらず、第2抵抗変化層5がスルーホール4の内部に成す空隙(凹部)の底面の全面と側壁の全面とを覆うように第2電極6が形成されている。第2電極6は該空隙(凹部)を完全に充填しておらず、第2電極6がなす空隙(凹部)を完全に充填するように絶縁層10が形成されている。
スルーホール4の他方の開口部には、第2抵抗変化層5と第2電極6と絶縁層10とが露出している。該開口部の上面の全面を覆い、かつ該上側の開口部からはみ出すように、所定の幅を持つ帯状の第2配線9が、基板7の厚み方向から見て第1配線8と直交するように形成されている。
図13は、本発明の第1実施形態の変形例4にかかる抵抗変化型素子を製造する方法の一例を示す工程図であり、図13(a)は基板上に第1配線8と第1電極1と第1抵抗変化層2と層間絶縁層3とスルーホール4を形成する工程を示す図であり、図13(b)はスルーホール4内部に第2抵抗変化層5を形成する工程を示す図であり、図13(c)は第2電極6を形成する工程を示す図であり、図13(d)は絶縁層10を形成し、さらにスルーホール4の他方の開口部に露出する第2抵抗変化層5と第2電極6と絶縁層10とを覆うように第2配線9を形成する工程を示す図である。
図13(a)の工程では、図3(a)乃至図3(d)および図4(a)に示した工程により、基板7上に第1配線8と第1電極1と第1抵抗変化層2と層間絶縁層3とスルーホール4とが形成される。
次に、図13(b)に示すように、層間絶縁層3の上面とスルーホール4の底面の全面と側壁の全面とを覆うように、かつ内側に空隙(凹部)が形成されるように、TaO(x<y)で構成される第2抵抗変化材料層(図示せず)がCVD法等によりスルーホール4内にコンフォーマルに堆積される。次にCMP法により層間絶縁層3の上面まで、すなわち層間絶縁層3が露出するまで、第2抵抗変化材料層が除去される。これにより、スルーホール4の内部に、スルーホール4の底面の全面と側面の全面とを覆うように、かつ内側に空隙(凹部)が形成されるように、第2抵抗変化層5が形成される(第2抵抗変化層形成ステップ)。
次に、図13(c)に示すように、層間絶縁層3の上面と第2抵抗変化層5の空隙(凹部)の内部に、第2電極材料層(図示せず)がCVD法等により堆積される。続いてCMP法により層間絶縁層3の上面まで、すなわち層間絶縁層3が露出するまで、第2電極材料層が除去される。これにより、第2抵抗変化層5の空隙(凹部)に、該空隙(凹部)の底面の全面と側面の全面とを覆うように、かつ内側に空隙(凹部)が形成されるように、第2電極6が形成される(第2電極形成ステップ)。
次に、図13(d)に示すように、層間絶縁層3の上面と第2電極6の空隙(凹部)の内部に、絶縁材料層(図示せず)がCVD法により堆積される。続いてCMP法により層間絶縁層3の上面まで、すなわち層間絶縁層3が露出するまで、絶縁材料層が除去される。これにより、該空隙(凹部)を完全に充填するように、絶縁層10が形成される(絶縁層形成ステップ)。その後、スルーホール4の上側の開口部に露出する第2抵抗変化層5と第2電極6と絶縁層10とを被覆するように、Al等の配線材料を用いて、スパッタとマスクを用いたエッチングにより、所定の幅を有する帯状の第2配線9が形成される(第2配線形成ステップ)。
以上により、抵抗変化型素子100”が得られる。
なお、第2抵抗変化材料層の堆積と第2電極材料層の堆積と絶縁材料層の堆積とは、その2つ(第2抵抗変化材料層の堆積と第2電極材料層の堆積、あるいは第2電極材料層の堆積と絶縁材料層の堆積)または3つ全てがCMP工程を挟まずに連続して行われてもよい。
絶縁材料層の堆積方法はCVDに限定されない。例えば、スパッタやALD(原子層成長)を用いても良い(以下、全ての実施形態およびその変形例において同様)。
抵抗変化型素子100”でも、スルーホール型クロスポイント構造の記憶装置において抵抗変化層の積層構造を容易に実現できる。本変形例4では、スルーホール4が第1電極1及び第1抵抗変化層2に対して位置ずれを起こした場合でも、第2電極6と第1配線8(あるいは第1電極1)とが短絡しにくいという効果を奏する。さらに本変形例では、スルーホールの内部にスルーホールの外部と同様の絶縁層が形成されることにより、抵抗変化型素子の各部分にかかるストレスが緩和され、電極と層間絶縁膜層とが剥離しにくくなる。すなわち、抵抗変化型素子の機械的強度が向上する。
(第2実施形態)
[素子の構成]
図14は、本発明の第2実施形態にかかるメモリセルの概略構成の一例を示す図であり、図14(a)は平面図、図14(b)は図14(a)において線B−B’に沿って切った断面を矢印方向から見た断面図、図14(c)は図14(a)において線C−C’に沿って切った断面を矢印方向から見た断面図である。本実施形態のメモリセル200は、スルーホール4の他方の開口部と第2配線9との間に電流制御素子110が設けられている点の除いては、第1実施形態と同様である。よって、図1と図14とで共通する部分については、同一の符号を付して説明を省略する。
メモリセル200は、抵抗変化型素子100と、抵抗変化型素子100に直列に接続された電流制御素子110とを備えている。
電流制御素子110は、正負いずれの電圧に対しても非線形な(電圧の絶対値が低い領域[低電圧域]では抵抗値が大きく、電圧の絶対値が高い領域[高電圧域]では抵抗値が小さい)電流特性を示す素子であって、いわゆる双方向型の整流素子である。電流制御素子110の具体的構成は、例えば、MIM(Metal−Insulator−Metal)ダイオードまたはMSM(Metal−Semiconductor−Metal)ダイオードまたはバリスタとしうる。
電流制御素子110が抵抗変化型素子100と直列に接続されることで、バイポーラ型の抵抗変化型素子を用いてクロスポイントメモリを構成した場合に、クロストークを容易に防止しつつ、抵抗変化型素子には十分な電流を印加できる。
図15は、電流制御素子110の電流−電圧特性(I−V特性)を模式的に示す図である。図15に示すように、VHより高い正電圧(絶対値がVHより大きい正電圧)が印加されたとき、および、VLより低い負電圧(絶対値が−VLより大きい負電圧)が印加されたときには、電流制御素子110の電気抵抗は比較的小さくなる。VH以下の正電圧(絶対値がVH以下である正電圧)が印加されたとき、および、VL以上の負電圧(絶対値が−VL以下である負電圧)が印加されたときには、電流制御素子110の電気抵抗は比較的大きくなる。なお電圧は、電流制御素子110のうち、抵抗変化層側を基準としたときのもう一方の側の電位として定義する。
電流制御素子110の構成は、例えば、第3電極111と電流制御層112と第4電極113とがこの順に積層されたものとすることができる(図17(d)参照)。電流制御層112を構成する材料としては、GaN等の化合物半導体や、Al、SiO、Ta等の酸化物や、ZnO系バリスタ(ZnOにBi、Sb3、CoO、MnO、Cr、SrO、BaO、Pr等を添加したもの)や、SiN(x>0)等の窒化物や、接合を形成したa−Siや、有機物等が挙げられる。もちろん、これに限定されるものではなく、隣接する電極との接合において、印加される電圧の絶対値が増加するに連れてその抵抗値が減少するような非線形の電圧−電流特性を示すものであればよい。
抵抗変化型素子100と組み合わせて用いる電流制御素子110としては、特にMSMダイオードが好適と考えられる。かかる構成において、電流制御素子110は半導体を金属間に挟んだ構造の為に、MIMダイオードより大きい電流を流すことが容易となる。従って、流すことが可能な電流のレンジを大きくできる。MSMダイオードの特性は、金属と金属に隣接する半導体との間に形成される電位障壁に起因する。また、バリスタは結晶の粒界の特性を整流に用いるが、MSMダイオードのようにアモルファス半導体を使用する場合は半導体の構造に起因する特性のばらつきは原理的に発生しないと考えられる。よって、微細化時の動作特性ばらつきもなく、電流制御素子としてより好ましいと考えられる。特に、電流制御層112としてSiN(0<z)を用いた電流制御素子は好適である。その理由とその根拠となる実験データは特許文献4(出願人は本願と同一である)に詳述してあるので、説明を省略する。
第3電極111の材料(第3電極材料)および第4電極113の材料(第4電極材料)には、例えば、窒化タンタル(TaN)等が用いられる。
メモリセル200では、抵抗変化型素子100と電流制御素子110とが直列に接続され、該直列経路の両端に電圧が印加される。このような構成では、電圧E1、E2、E3を適切に設定することで、より安定した動作を実現できる。すなわち、読み出しパルス電圧E3が印加される場合に、電流制御素子110の電気抵抗は比較的大きくなり、印加された電圧のうち、電流制御素子110に分配される割合が大きくなる。一方、電圧E1や電圧E2が印加される場合に、電流制御素子110の電気抵抗は比較的小さくなり、印加された電圧のうち、抵抗変化型素子100に分配される割合が大きくなる。データを書き込むときは、適切な大きさの電圧が抵抗変化層に印加され、データ書込がより確実に実行できる。データを読み出すときは、抵抗変化層に分配される電圧が小さくなるので、ノイズ等が読み出しパルス電圧E3に重畳されても誤って抵抗値を書き換えることなく、安全に抵抗値を読み取ることができる。また、電流制御素子を双方向型とすることで、クロスポイント型メモリにおけるクロストークの抑制に効果的である。
[製造方法]
図16および図17は、本発明の第2実施形態のメモリセルを製造する方法の一例を示す工程図であり、図16(a)は基板7上に第1配線8を形成する工程を示す図であり、図16(b)は第1配線8上に第1電極材料層1’と第1抵抗変化材料層2’とを積層する工程を示す図であり、図16(c)は第1電極1と第1抵抗変化層2とを完成させる工程を示す図であり、図16(d)は第1電極1と第1抵抗変化層2とを覆うように層間絶縁層3を形成する工程を示す図であり、図17(a)は層間絶縁層3にスルーホール4を形成する工程を示す図であり、図17(b)はスルーホール4を充填するように第2抵抗変化材料層5’と第2電極材料層6’とを積層する工程を示す図であり、図17(c)は層間絶縁層3の上面を露出させる工程を示す図であり、図17(d)はスルーホール4の他方の開口部に露出する第2抵抗変化層5と第2電極6とを覆うように電流制御素子110および第2配線9を形成する工程を示す図である。なお、図16および図17は、電流制御素子110にMSMダイオードを用いた場合を例示する。
図16(a)乃至図16(d)および図17(a)乃至図17(c)は、それぞれ、図3(a)乃至図3(d)および図4(a)乃至図4(c)と共通するので説明を省略する。
図17(c)の後に、図17(d)に示すように、電流制御素子110と第2配線9とが形成される。すなわち、まず層間絶縁層3の平坦化された上面38の上に、第3電極材料層と電流制御材料層と第4電極材料層(いずれも図示せず)とがこの順に、スパッタ法あるいはCVD法により積層される。その後、マスクを用いたエッチング工程により、第3電極111、電流制御層112、及び第4電極113とで構成される電流制御素子110が形成される(電流制御素子形成ステップ)。さらに、第2の層間絶縁層11がCVDにより堆積され、CMPにより平坦化された後、露出する第4電極113を被覆するように、Al等の配線材料をスパッタした後、マスクを用いたエッチング工程により、所定の幅を有する帯状の第2配線9が形成される(第2配線形成ステップ)。
第3電極111と電流制御層112と第4電極113との堆積方法はCVDに限定されない。例えば、スパッタやALD(原子層成長)を用いても良い(以下、全ての実施形態およびその変形例において同様)。
[効果]
本実施形態のメモリセルにおいても、第1実施形態の抵抗変化型素子と同様の効果が得られる。また、本実施形態のメモリセルは、抵抗変化型素子と電流制御素子が直列に接続されているため、より安定した動作を実現でき、クロスポイント型メモリにおけるクロストークの抑制にも効果的である。
電流制御素子110は凹凸の少ない部位である、スルーホール4の他方の開口の外側に形成されるため、電気的な特性が揃ったばらつきの少ないメモリセルが実現できる。コンパクトに抵抗変化型素子と電流制御素子とが直列に接続されるので、高集積化ができて量産性に富んだ高信頼性の記憶装置が実現できる。
[変形例]
本実施形態のメモリセルにおいても、第1実施形態の変形例1〜4の抵抗変化型素子が適用可能である。抵抗変化型素子と電流制御素子の上下関係は限定されず、電流制御素子の上に抵抗変化型素子が形成されてもよい。電流制御素子と抵抗変化型素子との接続部の電極を1個としてもよい。すなわち、同一の電極を電流制御素子の電極および抵抗変化型素子の電極として用いても良い。第1配線および/または第2配線を、電流制御素子および/または抵抗変化型素子の電極として用いても良い。
さらに、第1電極1および第1抵抗変化層2が第1配線8の上面を全て被覆するように形成してもよい。さらに、第4電極113および電流制御層112が第3電極111の上面から外側にはみ出した形状をとってもよい(図18参照)。この構造は、例えば、第3電極111の形成後、電流制御層112、第4電極113、および第2配線9を構成する部材を順にスパッタ等により成膜後、これらの3層をエッチング等により第2配線9の形状に一括加工すれば実現可能である。
(第3実施形態)
図19は、本発明の第3実施形態にかかる抵抗変化型記憶装置の概略構成の一例を示す平面図である。図20は、本発明の第3実施形態にかかる抵抗変化型記憶装置の概略構成の一例を示す断面図であり、図20(a)は図19の線D−D’に沿って切った断面を矢印方向から見た図、図20(b)は図19の線E−E’に沿って切った断面を矢印方向から見た図である。
図19および図20に示すように、本実施形態の抵抗変化型記憶装置300は、基板7と、基板7の主面に平行な第1平面内において第1方向に互いに平行に延びるように形成された複数の第1配線8(8a〜8h)と、第1平面に平行な第2平面内において第2方向に互いに平行に延びるようにかつ複数の第1配線8とそれぞれ立体交差するように形成された複数の第2配線9(9a〜9h)と、第1配線8と第2配線9との立体交差点のそれぞれに形成されたメモリセルMCとを備え、メモリセルMCは、第1実施形態の抵抗変化型素子100と、抵抗変化型素子100に直列に接続された電流制御素子110とを備え、層間絶縁層3が第1平面と第2平面との間に形成されている。
電流制御素子110は、同一のメモリセルMCを構成する抵抗変化型素子100に対応するスルーホール4の、第1抵抗変化層2で覆われていない開口部を覆うように形成されていることが好ましい。
電流制御素子110は、層間絶縁層3の両側のうち、同一のメモリセルMCを構成する抵抗変化型素子100の第1抵抗変化層2が設けられている側に形成されていてもよい。
電流制御素子110は、MIMダイオード、MSMダイオード、バリスタからなる群より選択される少なくとも1つの素子であってもよい。
メモリセルMCは、第2実施形態のメモリセル200と同様の構成である。よって、メモリセルMCの構成要素には図14と同一の符号を付して、詳細な説明を省略する。
抵抗変化型記憶装置300は、第2実施形態のメモリセル200をマトリクス状に配列したメモリセルアレイを有する、スルーホール型クロスポイント構造の記憶装置である。
抵抗変化型記憶装置300の動作は、抵抗変化型素子の部分については第1実施形態とどうようである。メモリセルアレイとしての動作は、一般的なクロスポイントメモリアレイと同様であるので、説明を省略する。
抵抗変化型記憶装置300の製造方法は、第2実施形態と同様の方法とすることができる。よって、詳細な説明を省略する。
抵抗変化型記憶装置300では、スルーホール型クロスポイント構造の記憶装置において、抵抗変化層の積層構造を容易に実現することができる。電流制御素子が抵抗変化型素子に直列に接続されることで、隣接する記憶装置によるクロストークによる誤動作が抑制され、信頼性の高い記憶装置が実現される。また、微細なプロセスと親和性がある量産プロセスにより、安定した動作の可能な高集積化された抵抗変化型記憶装置を容易に製作することができる。電流制御素子をMIMダイオード、MSMダイオードまたはバリスタとすれば、抵抗変化型素子がバイポーラ型の動作をする場合において、クロストークが容易に防止できると同時に、抵抗変化型素子に十分な電流を印加できる。微小なノイズ電圧が電源ラインを介してメモリセルに印加されても、電圧のほとんどが電流制御素子で吸収される。よって、抵抗変化型素子の抵抗値を誤って書き換えるなどの誤動作がほとんど生じないようにすることができる。
第3実施形態についても、第1実施形態および第2実施形態と同様の変形例の適用が可能である。
(第4実施形態)
[素子の構成]
図21は、本発明の第4実施形態にかかる抵抗変化型素子の概略構成の一例を示す断面図である。
図21に示すように、本実施形態の抵抗変化型素子400は、第1実施形態の抵抗変化型素子100の構成に加えて、第1抵抗変化層2を構成する遷移金属酸化物の抵抗率が第2抵抗変化層5を構成する遷移金属酸化物の抵抗率よりも高く、層間絶縁層3と第1抵抗変化層2との間にフッ素化合物ガスを含むエッチングガスを用いたエッチングに耐性を有するエッチングストッパ層12が形成されており、スルーホール4’は層間絶縁層3およびエッチングストッパ層12を貫通するように形成されている。
かかる構成では、スルーホールを形成する際にフッ素化合物ガスを含むエッチングガスを用いたエッチングを行っても、第1抵抗変化層に劣化を生じさせにくくなる。
エッチングストッパ層12は、SiN、SiON、SiCNからなる群より選択される少なくとも1つの材料で構成されるのが好ましい。またエッチングストッパ層12は、5nm以上の厚さを有するのが好ましい。
エッチングストッパ層12の厚さは、層間絶縁層3の厚さに比べて十分に薄いことが好ましく、例えば5nm以上かつ30nm以下とするのが好ましい。
図22からは、TaO層の表層から5nm未満の深さ領域にフッ素が混入することが読み取れる。エッチングストッパ層として用いられる窒化シリコン(SiN)や酸窒化シリコン(SiON)、あるいは炭窒化シリコン(SiCN)は構造が緻密なためフッ素が層中へ混入しにくい。フッ素がエッチングストッパ層を透過してTaO層に混入するのを抑制し、かつ抵抗変化層の厚さのばらつきを抑制するためには、エッチングストッパ層の厚さを5nm以上とすることが好ましい。
ただし、コンタクトホール底部に残ったエッチングストッパ層12を不活性ガスを用いたドライエッチングやウェットエッチングによって除去し、第1抵抗変化層2を露出させる必要がある。スルーホール4の基板に対する垂直性を確保するためには、エッチングストッパ層12はなるべく薄い方が好ましい。
そこで、エッチングストッパ層12の厚さは、層間絶縁層3にスルーホール4”を形成するフッ素系エッチングガスを用いたドライエッチング工程の後に、エッチングストッパ層12が5nm以上残り、第1抵抗変化層2が露出しないように設計することが好ましい。
例えば、層間絶縁層3の厚さが300nmである場合、厚さのウエハ面内でのばらつきを±10%、エッチングストッパ層12の層間絶縁層3に対する選択比(エッチングレートの比)を15、エッチングレートのウエハ面内でのばらつきを±10%、エッチングストッパ層12を形成する際のウエハ面内における厚さのばらつきを±10%と仮定し、オーバーエッチングを30%追加すると、エッチングストッパ層12の厚さは20nm程度に設計することが望ましい。
SiNは酸素バリア性も有する。第1抵抗変化層2の上にSiNで構成されるエッチングストッパ層12を設けることで、その上に層間絶縁層3を形成する工程において生じるオゾンや基板の加熱によって第1抵抗変化層2が酸化されるのを抑制できる。SiNで構成されるエッチングストッパ層12を設けることで、層間絶縁層3の組成や形成方法、温度などの選択の自由度を広げることができる。
図17(d)のように、抵抗変化型素子400と第2配線9との間に電流制御素子110を形成し、メモリセル500としてもよい。
[実験例]
以下、エッチングストッパ層を設ける理由について説明する。図1や図9、図12に示された抵抗変化型素子100、100’、100”の構成では、いずれの場合も層間絶縁層3を貫通して第1抵抗変化層2へ到達するスルーホール4を、通常、ドライエッチングにより形成する。この際、スルーホール4の内部に露出する第1抵抗変化層2は、エッチングガスに曝される。
本発明者らは、第1抵抗変化層2をTaOで構成した際、TaOがフッ素化合物ガスを含むエッチングガスに曝されることで、抵抗変化型素子の特性が低下することを発見した。具体的には、抵抗変化型素子の抵抗値が非常に高くなり、電気的パルスを印加しても抵抗値が変化しない場合が多く見られた。本発明者らは、鋭意検討の結果、抵抗変化層にエッチングガスプラズマ中に含まれるラジカルなフッ素が侵入し、抵抗変化層の組成を変化させ、抵抗変化型素子の特性が劣化したのではないかと考えるに至った。かかるメカニズムは、抵抗変化特性を示す他の遷移金属酸化物についても同様にあてはまると考えられる。
以下、フッ素化合物ガスを含むエッチングガスを用いたエッチングが抵抗変化層に与える影響を調べるために本発明者らが行った実験の詳細を説明する。
まず、基板上にタンタル酸化物を堆積したサンプルを用意し、タンタル酸化物の表面を二次イオン質量分析法(SIMS)により測定した。次に、C、O、Arの混合ガス(フッ素化合物ガスを含むエッチングガス)を用いてタンタル酸化物表面にドライエッチング処理を施した後、タンタル酸化物の表面を二次イオン質量分析法(SIMS)により測定した。測定した元素は、フッ素(F)、酸素(O)、および炭素(C)である。
図22は、ドライエッチング処理を施す前と後のTaO層における、フッ素の深さ方向の濃度分布を示す図である。図22において、縦軸はフッ素イオンカウント数(cps)、横軸はTaO層の表面からの深さ(nm)を示す。白丸はドライエッチング前、黒丸はドライエッチング後のデータを表す。
図22に示す結果から、フッ素系ガスを用いたドライエッチング処理により、TaO層の表層にフッ素が混入することが明らかになった。半値幅から見積もると、主としてTaO層の表層から深さ5nm程度の領域にフッ素が多く混入していることが分かった。他のフッ素化合物ガス、例えば、CFやCHF、SFを用いた場合にも同様の結果が得られた。なお、ドライエッチング処理前にも表面付近にフッ素イオンが観測される。何らかの原因でドライエッチング前にTaO層の表層にフッ素が混入したことが考えられる。
図23は、ドライエッチング処理を施す前と後のTaO層における、酸素の深さ方向の濃度分布を示す図である。図24は、ドライエッチング処理を施す前と後のTaO層における、炭素の深さ方向の濃度分布を示す図である。
図23および図24に示す結果から、酸素及び炭素はTaO層の表層にほとんど混入していないことが分かる。したがって、抵抗変化型素子の特性が劣化したのは、フッ素の混入の影響と考えられる。
以上の結果から、フッ素化合物ガスを含むエッチングガスを用いたエッチングから抵抗変化層を保護する製造方法や素子構造、もしくは抵抗変化層がフッ素化合物ガスを含むエッチングガスに曝されて抵抗変化層の組成が変質しても、その後に抵抗変化層の組成を元に戻す追加処理が必要と考えられた。
抵抗変化層に接続するためのコンタクトホールを形成する際には、抵抗変化層も若干はエッチングされ、厚さが減少してしまう。その影響で、抵抗変化層の厚さのばらつきが増加し、抵抗変化型素子の抵抗値や動作特性(抵抗変化を起こす電気的パルスの電圧やパルス幅など)がばらつく原因になる。
抵抗変化層上に層間絶縁層を形成する工程によって、抵抗変化層が酸化されるという問題もある。例えば、抵抗変化層をTaOで構成し、抵抗変化層上に層間絶縁層としてO−TEOSによりNSG層を形成した場合を考える。このときに用いる原料ガスや基板加熱によって、抵抗変化層のTaOがさらに酸化され、絶縁体である五酸化タンタル(Ta)に変質する。TaOが五酸化タンタルに変質してしまうと、抵抗変化層が抵抗変化特性を示さなくなるという問題が生じる。
本実施形態では、層間絶縁層3と第1抵抗変化層2との間にフッ素化合物ガスを含むエッチングガスを用いたエッチングに耐性を有するエッチングストッパ層12を設けることで、かかる問題に対応する。なお、第1実施形態で述べたように、抵抗変化層のうち劣化した部分をエッチバックにより除去した後で、第2抵抗変化層を形成してもよい。
本実施形態の構成によれば、層間絶縁層の形成時や熱処理時に生じる抵抗変化層の酸化や、エッチングガスプラズマ中に含まれるラジカルなフッ素の抵抗変化層への混入を抑え、かつ抵抗変化層の厚さのばらつきを低減できる。
[製造方法]
図25は、本発明の第4実施形態にかかる抵抗変化型素子およびメモリセルを製造する方法の一例を示す工程図であり、図25(a)は基板7上に第1配線8と第1電極1と第1抵抗変化層2とエッチングストッパ層12と層間絶縁層3とを形成する工程を示す図であり、図25(b)は層間絶縁層3にスルーホール4“を形成する工程を示す図であり、図25(c)はエッチングストッパ層12にスルーホール4’を形成する工程を示す図であり、図25(d)は第2抵抗変化層5と第2電極6と電流制御素子110と第2配線9とを形成する工程を示す図である。
本実施形態の抵抗変化型素子の製造方法では、第1実施形態の製造方法の各ステップに加え、さらに、第1抵抗変化層形成ステップと層間絶縁層形成ステップとの間に行われる、第1抵抗変化層2の上にフッ素化合物ガスを含むエッチングガスを用いたエッチングに耐性を有するエッチングストッパ層12を形成するエッチングストッパ層形成ステップを有し、層間絶縁層形成ステップは、第1抵抗変化層およびエッチングストッパ層の上に層間絶縁層3を形成するステップである。
スルーホール形成ステップは、フッ素化合物ガスを含むエッチングガスを用いたエッチングにより層間絶縁層3を除去する層間絶縁層除去ステップと、フッ素化合物ガスを用いないエッチングによりエッチングストッパ層3を除去するエッチングストッパ層除去ステップとを有するのが好ましい。
「フッ素化合物ガスを用いないエッチング」としては、例えば、不活性ガスを用いたドライエッチングや、ウェットエッチングを用いることができる。
図25を参照しつつ抵抗変化型素子400およびメモリセル500の製造方法をより詳細に説明すれば、以下の通りである。
本実施形態では、まず、基板7の上に第1配線8と第1電極1と第1抵抗変化層2とを形成する。かかる工程は、第1実施形態において図3(a)乃至図3(c)で示した方法と同様であるので説明を省略する。
次に、基板7と第1配線8と第1抵抗変化層2とを覆うように、エッチングストッパ層12と層間絶縁層3とがこの順に堆積される。エッチングストッパ層12は、例えばSiNで構成され、CVDを用いて形成される。層間絶縁層3は、CMPにより平坦化される(図25(a))。
次に、ドライエッチング法により、層間絶縁層3を貫通して、エッチングストッパ層12に到達するように、スルーホール4”を形成する。このドライエッチングには、コンタクトホール形状の垂直性を向上させるために、例えば、CFやC、Cなどのフッ素系ガスを用いることが一般的である。かかるフッ素化合物ガスを含むエッチングガスを用いたエッチングは、スルーホール4”がエッチングストッパ層12に到達した段階で停止し、それ以上進まなくなる。
例えば、エッチングストッパ層12としてSiN、層間絶縁層3としてTEOS−SiOを用いて、コンタクトホールをドライエッチングにより形成する場合を考える。例えば、エッチングガスとしてC、OおよびArを17sccm/23sccm/500sccmの流量で使用し、チャンバー圧力2.1Pa、RF電力1800Wとする条件では、SiNのエッチングレートは、TEOS−SiOのそれと比べて1/15と小さくなる。
したがって、厚さのばらつきが比較的大きな層間絶縁層3にドライエッチングによってスルーホールを形成する際に、十分にオーバーエッチングを追加しても、スルーホール4”の成長を、エッチングストッパ層12で止めることが可能である。
図25(c)に示すように、スルーホール4”の底面に露出するエッチングストッパ層12を、アルゴン(Ar)などの不活性ガスのみを用いたドライエッチングによって除去し、第1抵抗変化層2を露出させる。これにより、スルーホール4’が形成される。
エッチングストッパ層12としてSiNを用い、Arガスを用いたドライエッチングで除去する場合を例として考える。Ar流量を100sccm、チャンバー圧力を2.0Pa、RF電力を900Wとすると、SiN層のエッチングレートは60nm/minである。SiN層の厚さが5nm以上30nm以下と十分に薄い場合には、スルーホール4’の基板に対する垂直性を損なうことなく、エッチングストッパ層12を除去し、第1抵抗変化層2が露出するようにスルーホール4’を形成することができる。
エッチングストッパ層12の厚さは薄いことから、厚さのばらつきも小さく、オーバーエッチングもあまり必要としない。エッチングストッパ層12を挿入することで、スルーホール4’を形成する時の第1抵抗変化層2の掘り込み量を減少させることができる。そのため、第1抵抗変化層2の厚さのばらつきが小さく、抵抗値のばらつきも小さくすることができる。
エッチングストッパ層12を除去する際にフッ素系エッチングガスを用いないことから、第1抵抗変化層2がフッ素系エッチングガスに曝されることがない。第1抵抗変化層2が変質することがなく、第1抵抗変化層2の抵抗値のばらつきを低減でき、その抵抗変化特性も劣化しない。
その後の工程は、第2実施形態の図17(b)乃至図17(d)と同様であるので、詳細な説明を省略する。
かかる工程により、抵抗変化型素子400およびメモリセル500が製造される。
エッチングストッパ層の堆積方法はCVDに限定されない。例えば、スパッタやALD(原子層成長)を用いても良い。
本実施形態の抵抗変化型素子を用いても、第2実施形態のようなメモリセルや第3実施
形態のようなクロスポイント型の記憶装置が実現可能であることは言うまでもない。
なお、エッチングストッパ層12は、必ずしも第1配線8の上に形成される必要はなく、第1抵抗変化層2の上にのみ形成されてもよい。
なお、本実施形態では、第1抵抗変化層2を構成する遷移金属酸化物の抵抗率が第2抵抗変化層5を構成する遷移金属酸化物の抵抗率よりも高くなっているが、第1抵抗変化層2を構成する遷移金属酸化物の抵抗率が第2抵抗変化層5を構成する遷移金属酸化物の抵抗率よりも低い場合においても、エッチングストッパ層12を挿入することで、スルーホール4’を形成する時の第1抵抗変化層2の掘り込み量を減少させることができる、という効果は変わらない。従って、この場合においても、第1抵抗変化層2の厚さのばらつきが小さくなり、抵抗値のばらつきも小さくすることができるため、電気特性のばらつきが少ない高信頼性の抵抗変化型素子、あるいはこのような抵抗変化型素子を有する記憶装置を実現するための有効な方法である。
(第5実施形態)
[素子の構成]
図26は、本発明の第5実施形態にかかる抵抗変化型素子600の概略構成の一例を示す図であり、図26(a)は断面図、図26(b)は平面図である。図26(a)は、図26(b)においてA−A’線に沿って切った断面を矢印方向から見た断面図である。
図26に示すように、抵抗変化型素子600は、基板7と、基板7の上に、第1電極1と第2配線9との間に形成された層間絶縁層3(絶縁層)を備え、層間絶縁層3を上下に(厚み方向に)貫通するようにスルーホール4が形成され、スルーホール4の外部に遷移金属酸化物で構成される第1抵抗変化層2が形成され、スルーホール4の内部に遷移金属酸化物で構成される第2抵抗変化層5が形成され、第1抵抗変化層2と第2抵抗変化層5とは抵抗率が異なり、第1抵抗変化層2と第2抵抗変化層5とがスルーホール4の基板側の開口部20のみにおいて互いに接するように形成されている。
本実施形態の抵抗変化型素子600は、第1実施形態にかかる抵抗変化型素子100において、第1配線8を削除し、第1電極1と第1抵抗変化層2とを厚み方向から見て同一の配線状の形状となるように形成する点を除けば、抵抗変化型素子100と同一の構成とすることができる。よって、抵抗変化型素子600と抵抗変化型素子100とで共通する構成要素には、同一の名称と符号を付して説明を省略する。
本実施形態とは異なる構成として、スルーホール4内に第2抵抗変化層5を形成し、第1抵抗変化層2をスルーホール4の他方の開口(上部側の開口)を覆うように形成した場合には、スルーホール内の第2抵抗変化層5の上端面と、スルーホール4を形成している層間絶縁層3の上端面とは、スルーホール4の外縁に沿って段差が発生する。このため、スルーホールの内部と外縁部とで第1抵抗変化層の厚みに違いが生じる。しかしながら、本実施形態の構成では、基板7上でかつスルーホールの下に、第1電極1と第1抵抗変化層2とを厚み方向から見て同一の配線状の形状となるように形成しているので、第1抵抗変化層2の厚みのばらつきを小さくでき、抵抗変化特性などの特性がより均質化される。
抵抗変化型素子600において、第1抵抗変化層2を構成する遷移金属酸化物の抵抗率は、第2抵抗変化層5を構成する遷移金属酸化物の抵抗率よりも高いことが好ましい。
かかる構成では、高抵抗変化層である第1抵抗変化層の厚みが均一化される。高抵抗変化層の厚みは通常、1〜8nm程度と薄く、高抵抗変化層の厚みを均一にする要請が高い。
抵抗変化型素子600において、第2抵抗変化層5は、スルーホール4の底部と側壁部とを覆うように形成され、さらに、スルーホール4の内部において第2抵抗変化層5の上に埋め込み形成された電極6を備えることが好ましい。
図26(b)に示すように、抵抗変化型素子600において、第1抵抗変化層2は、層間絶縁層3の厚み方向から見て、基板側の開口部20(スルーホール4の底部)の全部を覆うと共にその外側にはみ出すように形成され、第2抵抗変化層5は、層間絶縁層3の厚み方向から見て、基板側の開口部20(スルーホール4の底部)の全部を覆うと共にその外側にはみ出さないように形成されているのが好ましい。
かかる構成では、スルーホールの開口部において第1抵抗変化層により第2抵抗変化層が完全に覆われることになり、第2抵抗変化層がスルーホール外部に配設される電極と接しない。よって、抵抗変化型素子の動作が安定する。
[メモリセルの構成]
図27は、本発明の第5実施形態にかかるメモリセル700の概略構成の一例を示す図であり、図27(a)は断面図、図27(b)は平面図である。図27(a)は、図27(b)においてA−A’線に沿って切った断面を矢印方向から見た断面図である。
図27に示すように、メモリセル700は、スルーホール4の上部の開口部と第2配線9との間に電流制御素子110が設けられている点を除いては、上述した抵抗変化型素子600と同様である。また、電流制御素子110は第2実施形態のメモリセル200に含まれるものと同様である。よって、メモリセル700と抵抗変化型素子600およびメモリセル200とで共通する構成要素には、同一の名称と符号を付して説明を省略する。電流制御素子110は、第2実施形態で説明したものと同様の構成とすることができる。
第5実施形態においても、上述した他の実施形態で述べたのと同様に、図9や図12、図18などのような、種々の変形例が可能である。
抵抗変化型素子600およびメモリセル700の製造方法については、第1実施形態乃至第2実施形態と同様とすることができるので、詳細な説明を省略する。
また、第5実施形態において、さらに第4実施形態のエッチングストッパ層12を備える構成としてもよい。
上記説明から、当業者にとっては、本発明の多くの改良や他の実施形態が明らかである。従って、上記説明は、例示としてのみ解釈されるべきであり、本発明を実行する最良の態様を当業者に教示する目的で提供されたものである。本発明の精神を逸脱することなく、その構造及び/又は機能の詳細を実質的に変更できる。
本発明に係る抵抗変化型素子および抵抗変化型記憶装置は、スルーホール型クロスポイント構造の記憶装置において、抵抗変化層の積層構造を容易に実現する抵抗変化型素子および抵抗変化型記憶装置として有用である。
1 第1電極
1’第1電極材料層
2 第1抵抗変化層
2’第1抵抗変化材料層
3 層間絶縁層
4 スルーホール
4’スルーホール
4”スルーホール
5 第2抵抗変化層層
5’第2抵抗変化材料
6 第2電極
6’第2電極材料層
7 基板
8 第1配線
9 第2配線
10 絶縁層
11 第2の層間絶縁層
12 エッチングストッパ層
20 開口部
100 抵抗変化型素子
100’抵抗変化型素子
100”抵抗変化型素子
110 電流制御素子
111 第3電極
112 電流制御層
113 第4電極
150 抵抗変化型素子
200 メモリセル
300 抵抗変化型記憶装置
400 抵抗変化型素子
500 メモリセル
600 抵抗変化型素子
700 メモリセル

Claims (18)

  1. 基板と、前記基板上に形成された第1電極と、第2電極と、層間絶縁層と、を備え、
    前記層間絶縁層を貫通するようにスルーホールが形成され、
    前記スルーホールの外部に、前記スルーホールの外部にある前記第1電極と接続され、かつ遷移金属酸化物で構成される第1抵抗変化層が形成され、
    前記スルーホールの内部に、遷移金属酸化物で構成される第2抵抗変化層が形成され、
    前記第2抵抗変化層上に前記第2電極が形成され、
    前記第1抵抗変化層と前記第2抵抗変化層とは抵抗率が異なり、
    前記第1抵抗変化層と前記第2抵抗変化層とが前記スルーホールの基板側の開口部のみにおいて互いに接するように形成され、
    前記第1電極と前記第2電極との間に電気的パルスが印加されることで前記第1電極と前記第2電極との間の電気抵抗が変化する、
    抵抗変化型素子。
  2. 前記第1抵抗変化層を構成する遷移金属酸化物の抵抗率が前記第2抵抗変化層を構成する遷移金属酸化物の抵抗率よりも高い、請求項1に記載の抵抗変化型素子。
  3. 前記第2抵抗変化層は、前記スルーホールの底部と側壁部とを覆うように形成され、
    さらに、前記スルーホールの内部において前記第2抵抗変化層の上に埋め込み形成された電極を備える、請求項1に記載の抵抗変化型素子。
  4. 前記第1抵抗変化層は、前記層間絶縁層の厚み方向から見て、前記スルーホールの基板側の開口部の全部を覆うと共にその外側にはみ出すように形成され、第2抵抗変化層は、層間絶縁層の厚み方向から見て、前記一方の開口部の全部を覆うと共にその外側にはみ出さないように形成されている、請求項1に記載の抵抗変化型素子。
  5. 前記第1抵抗変化層を構成する遷移金属酸化物および前記第2抵抗変化層を構成する遷移金属酸化物は、それぞれ、Ta、Hf、Zrからなる群より選択される少なくとも1つの遷移金属の酸化物である、請求項1に記載の抵抗変化型素子。
  6. 前記第1抵抗変化層を構成する遷移金属酸化物および前記第2抵抗変化層を構成する遷移金属酸化物はいずれもタンタル酸化物であって、
    一方のタンタル酸化物をTaOと表した場合に0.8≦x≦1.9を満足し、他方のタンタル酸化物をTaOと表した場合にx<yを満足するように構成されている、請求項1に記載の抵抗変化型素子。
  7. 前記第1抵抗変化層を構成する遷移金属酸化物の抵抗率が前記第2抵抗変化層を構成する遷移金属酸化物の抵抗率よりも低い、請求項1に記載の抵抗変化型素子。
  8. 前記第1抵抗変化層を構成する遷移金属酸化物の抵抗率が前記第2抵抗変化層を構成する遷移金属酸化物の抵抗率よりも高く、
    前記層間絶縁層と前記第1抵抗変化層との間にフッ素化合物ガスを含むエッチングガスを用いたエッチングに耐性を有するエッチングストッパ層が形成されており、前記スルーホールは前記層間絶縁層および前記エッチングストッパ層を貫通するように形成されている、請求項1に記載の抵抗変化型素子。
  9. 前記エッチングストッパ層は、窒化シリコン(SiN)、酸窒化シリコン(SiON)、炭窒化シリコン(SiCN)からなる群より選択される少なくとも1つの材料で構成される、請求項8に記載の抵抗変化型素子。
  10. 前記エッチングストッパ層は、5nm以上の厚さを有する、請求項8または9に記載の抵抗変化型素子。
  11. 基板と、
    基板の主面に平行な第1平面内において第1方向に互いに平行に延びるように形成された複数の第1配線と、
    前記第1平面に平行な第2平面内において第2方向に互いに平行に延びるようにかつ前記複数の第1配線とそれぞれ立体交差するように形成された複数の第2配線と、
    前記第1配線と前記第2配線との立体交差点のそれぞれに形成されたメモリセルとを備え、
    前記メモリセルは、請求項1に記載の抵抗変化型素子と、前記抵抗変化型素子に直列に接続された電流制御素子とを備え、
    前記層間絶縁層が前記第1平面と前記第2平面との間に形成されている、抵抗変化型記憶装置。
  12. 前記電流制御素子は、
    同一のメモリセルを構成する前記抵抗変化型素子に対応する前記スルーホールの、前記第1抵抗変化層で覆われていない開口部を覆うように形成されている
    請求項11に記載の抵抗変化型記憶装置。
  13. 前記電流制御素子は、
    前記層間絶縁層の両側のうち、
    同一のメモリセルを構成する前記抵抗変化型素子の第1抵抗変化層が設けられている側に形成されている、
    請求項11に記載の抵抗変化型記憶装置。
  14. 前記電流制御素子は、MIMダイオード、MSMダイオード、バリスタからなる群より選択される少なくとも1つの素子である、請求項11に記載の抵抗変化型記憶装置。
  15. 基板上に、第1電極を形成する第1電極形成ステップと、
    前記第1電極上に、遷移金属酸化物で構成される第1抵抗変化層を形成する第1抵抗変化層形成ステップと、
    前記第1抵抗変化層の上に層間絶縁層を形成する層間絶縁層形成ステップと、
    前記第1抵抗変化層の上に前記層間絶縁層を貫通するようにスルーホールを形成するスルーホール形成ステップと、
    前記スルーホールの内部において前記第1抵抗変化層と前記スルーホールの開口部でのみ接するように、遷移金属酸化物で構成され、かつ前記第1抵抗変化層と抵抗率が異なる、第2抵抗変化層を形成する第2抵抗変化層形成ステップと、
    前記第2抵抗変化層上に第2電極を形成するステップと、を有し、
    前記第1電極と前記第2電極との間に電気的パルスが印加されることで前記第1電極と前記第2電極との間の電気抵抗が変化する、
    抵抗変化型素子の製造方法。
  16. 前記第1抵抗変化層が、前記スルーホールの一方の開口部の全部を覆うとともに該一方の開口部の外側にはみ出すように構成される、請求項15に記載の抵抗変化型素子の製造方法。
  17. さらに、前記第1抵抗変化層形成ステップと前記層間絶縁層形成ステップとの間に行われる、前記第1抵抗変化層の上にフッ素化合物ガスを含むエッチングガスを用いたエッチングに耐性を有するエッチングストッパ層を形成するエッチングストッパ層形成ステップを有し、
    前記層間絶縁層形成ステップは、前記第1抵抗変化層および前記エッチングストッパ層の上に層間絶縁層を形成するステップである、
    請求項15に記載の抵抗変化型素子の製造方法。
  18. 前記スルーホール形成ステップにおいて、前記層間絶縁膜は、フッ素化合物ガスを含むエッチングガスを用いてエッチングし、前記エッチングストッパ層は、不活性ガスを用いてエッチングする、請求項17に記載の抵抗変化型素子の製造方法。
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