JPWO2010004888A1 - 有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、有機EL素子において、不要な有機層を溶剤により均一に拭き取り除去しパターニングする際、溶剤や溶剤蒸気の飛散・浸透により、有機層必要部分の溶解や、膜厚の不均一が起こり、性能にバラツキが発生する問題を改善し、生産効率低下を排除し、広幅帯状の可撓性支持体に、品質が安定した複数の有機EL素子を連続的に生産する有機EL素子の製造方法を提供する。本発明の製造方法は、基板上に、陽極、少なくとも有機発光材料からなる発光層を含む有機層および陰極を積層して成る積層体を有する有機EL素子の製造方法において、当該有機層形成後に、低温環境下にて当該有機層の一部を溶剤により拭き取り除去する工程を有し、前記拭き取り除去する工程全てが20℃以下の環境で行われることを特徴とする。

Description

本発明は、有機エレクトロルミネッセンス素子における、有機層(有機機能層)の精密且つ迅速なパターニング方法に関し、形成した有機層をパターン状に除去して有機エレクトロルミネッセンス素子を製造する方法に関する。
近年、フラットパネルディスプレイなどの表示装置や電子写真複写機、プリンタなどの光源に有機エレクトロルミネッセンス素子の使用が検討されている。
有機EL素子はガラス基板等の透明基板上にITO等の透明導電膜からなる第1電極が設けられ、その上に正孔輸送層および発光層を含む有機層、およびアルミニウム等からなる陰極がこの順に設けられることで構成されている。
このように、有機EL素子は、例えば、蛍光性(或いはリン光性)有機化合物等の非常に薄い薄膜を含む有機層を、陽極と陰極ではさみ、これに電流を流すことで発光する電流駆動型発光素子である。そして10V以下の低電圧で駆動することが可能であり、これにより高効率な発光を得ることが可能なため将来のディスプレイとして注目を浴びている。
有機EL素子に使用する蛍光性(或いはリン光性)有機化合物の非常に薄い薄膜(有機層)の形成方法としては、ウェットプロセス法が、大気圧下で形成することができるため、操作が簡便でありコスト的な観点からも好ましい。
さらに、塗布溶液を調製して薄膜にするため、大面積に対してもムラができ難いという特徴があり、コスト、製造技術という面で非常にメリットがある。特に、照明用途にはコスト、製造技術という面で非常にメリットがあると言える。
また、有機EL素子の製造方法として枚葉方式と、帯状の可撓性基材を使用するロールツーロール方式が知られているが、ロールツーロール方式は生産効率があげられる可能性が高いためウェットプロセスでの検討が進められている。
ウェットプロセス法により有機EL素子を構成している正孔輸送層や発光層などの有機層を塗布する時、基板上の全面に有機層を成膜すると、予め基板上にパターニングされ形成された第1電極の外部電極取り出し部となる領域上にも成膜がされてしまう。
有機層は基本的には絶縁物であるため電気接点に有機層があれば導通不良を引き起こすことになる。このため、外部電極取り出し部となる部分に有機層を形成させない方法がこれまでに検討されてきた。
例えば、ロールツーロール方式により、第1電極の上に湿式塗布方式により正孔輸送層形成用塗布液、発光層形成用塗布液等を順次パターン塗布することで、各機能層を形成する。この方法はパターン塗布により順次積層して行くため、塗布に時間がかかり生産効率をあげることが困難である。
また、パターン塗布を行う場合、塗布膜が不連続になるため、塗布領域毎に塗布端を有することになる。その結果、各々の塗布領域の中央と端部で溶剤蒸気濃度差に起因した蒸発速度差により塗布液流動が生じ、乾燥ムラと呼ばれる膜厚の不均一性を誘発してしまう。
このため、有機層の精密且つ迅速なパターニング方法として、連続して形成した有機層をパターン状に除去する方法が検討された。
例えば、発光部と非発光部との間に撥液部を形成した後、有機層を塗布法により形成したのち、撥液部よりも外側の非発光部に形成された有機層を溶剤により拭き取り除去し、有機EL表示装置を製造する方法が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
また、連続シート上にエレクトロルミネッセントポリマー材料層(有機層または有機機能層)を形成したのち、所定の領域を表面に対し接線方向に沿って、溶剤を用いて表面を擦って拭き取り(ワイピング)パターニングする方法も知られており、連続シート上でこれを連続的に行うことも知られている(例えば、特許文献2参照)。
しかしながら、特許文献1には基板に帯状の可撓性基板を使用したロールツーロール方式に関する記載は一切ないし、また、特許文献2においても溶剤を用いてワイピングすることは記載があるが、ロールツーロール方式等に適用した場合のワイピングに関する課題について特に触れられていない。
即ち、ワイピング(拭き取り)により有機層を除去するとき次のような技術的な欠点を有していることが判った。
不要とする有機層を溶剤により拭き取り除去する場合、特に帯状の可撓性基板上に複数の有機EL素子を形成した場合には、全ての有機EL素子について不要とする有機層を均一に除去する際にはバラツキが発生する危険がある。
有機層の不要部分に有機層を溶解する流体が接触すると、これが周囲に浸透或いは飛散するため、有機層の必要部分においても有機層を構成する有機材料が溶け、膜厚が不均一になる、また発光領域にバラツキが生じる等の現象が起こり、性能にバラツキが発生する危険がある。
また、流体が飛散しないように注意深く行うと、拭き取りの速度が遅くなり、生産効率が低下する。
従って、特に基板が広幅帯状の可撓性支持体である場合、複数の有機EL素子を連続的に生産する場合は、有機層の均一な除去に時間を要し、生産効率が低下する。
このような状況より、帯状の可撓性基材上に、少なくとも第1電極と、1層以上の有機層と、第2電極とを有する有機ELパネルを、好ましくはロールツーロール方式により、生産効率が高く、性能品質が安定した有機ELパネルを製造する方法の開発が要望されている。
特開2004−152512号公報 特表2007−515756号公報
有機EL素子において、不要な有機層を溶剤により均一に拭き取り除去してパターニングする際、溶剤また溶剤蒸気の周囲への飛散・浸透で、有機層必要部分の溶解や、膜厚の不均一が起こり、これにより発光領域にバラツキを生じ、性能にバラツキが発生する等の問題を改善し、また、拭き取りの速度の低下(生産効率の低下)を排除し、広幅帯状の可撓性支持体において、好ましくはロールツウロールにより、品質が安定した複数の有機EL素子を連続的に生産する有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法を提供することにある。
本発明の上記課題は以下の手段により達成されるものである。
1.基板上に、陽極、少なくとも有機発光材料からなる発光層を含む有機層、および陰極を積層して成る積層体を有する有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法において、前記製造方法が、当該有機層形成後に、当該有機層の一部を、溶剤により拭き取り除去する工程を有し、前記拭き取り除去する工程の全てが20℃以下の環境で行われることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
2.前記溶剤により拭き取り除去する工程を、15℃以下の環境下で行うことを特徴とする前記1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
3.前記溶剤が、前記環境下において、3000Pa以下の蒸気圧を有するものであることを特徴とする前記1または2に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
また、好ましい態様として以下の手段が上げられる。
4.基板上に、陽極、少なくとも有機発光材料からなる発光層を含む有機層、および陰極を積層して成る積層体を有する有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法において、前記製造方法が、全ての有機層形成後に、当該有機層の一部を溶剤により拭き取り除去する工程を、複数有することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
5.溶剤により拭き取り除去する複数の前記工程が、全層溶解可能な溶剤により拭き取り除去する工程と、少なくとも最後に有機層最下層が溶解可能な溶剤で拭き取り除去する工程、とを含むことを特徴とする前記4に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
6.溶剤により拭き取り除去する複数の前記工程が、当該有機層に対する良溶媒により拭き取り除去する工程と、少なくとも最後に貧溶媒により拭き取り除去する工程を含むことを特徴とする前記4に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。(貧溶媒は有機層を溶解せずに残渣を洗浄除去する働き)
7.溶剤により拭き取り除去する複数の前記工程が、低接触圧で主に溶剤を付着させる工程と、より高い接触圧で拭き取り除去する工程を含むことを特徴とする前記4に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
8.溶剤により拭き取り除去する複数の前記工程が、少なくとも最後に、より低い接触圧で拭き取り除去する工程を含むことを特徴とする前記4に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
9.溶剤により拭き取り除去する複数の前記工程が、少なくとも最上層を溶解する溶剤による拭き取り除去と、最後に少なくとも最下層が溶解する溶剤による拭き取り除去の二つの工程を含むことを特徴とする前記4に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
10.溶剤により拭き取り除去する複数の前記工程に加えて、少なくとも最後に陽極上を拭き取り除去する工程を有することを特徴とする前記4〜9のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
11.溶剤により拭き取り除去する複数の前記工程を、20℃以下の環境下で行うことを特徴とする前記4〜10のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
12.溶剤により拭き取り除去する複数の前記工程で使われる溶剤が、拭き取り環境において、3000Pa以下の蒸気圧を有することを特徴とする前記4〜11のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
13.溶剤により拭き取り除去する複数の前記工程は、前の工程より後の工程において拭き取り幅が大きいことを特徴とする前記4〜12のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
14.基板上に、陽極、少なくとも有機発光材料からなる発光層を含む有機層、および陰極を積層して成る積層体を有する有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法において、前記製造方法が、当該有機層形成後に、当該有機層の一部を溶剤により拭き取り除去する工程を有し、その後、且つ、陰極形成前に、拭き取り残渣を除去する工程を有することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
15.前記拭き取り残渣を除去する工程が、拭き取り部分へのUV照射によることを特徴とする前記14に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
16.前記拭き取り残渣を除去する工程が、拭き取り部分へのレーザー照射によることを特徴とする前記14に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
17.前記拭き取り残渣を除去する工程が、残渣含有溶剤の拭き取りであることを特徴とする前記14に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
18.前記拭き取り残渣を除去する工程が、残渣含有溶剤の吸引であることを特徴とする前記14の記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
19.前記拭き取り残渣を除去する工程が、残渣に対し貧溶媒を供給し、これを吸引することによることを特徴とする前記18に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
20.基板上に、陽極、少なくとも有機発光材料からなる発光層を含む有機層、および陰極を積層して成る積層体を有する有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法において、前記製造方法が、当該有機層形成後に、当該有機層の一部を、溶剤により拭き取り除去する工程を有し、その後、陰極形成前に溶剤を除去する工程を有することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
21.前記溶剤を除去する工程が、残留溶剤の乾燥であることを特徴とする前記20に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
22.前記溶剤を除去する工程が、残留溶剤の拭き取りであることを特徴とする前記20に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
23.前記溶剤を除去する工程が、残留溶剤の吸引であることを特徴とする前記20に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
24.基板上に、陽極、少なくとも有機発光材料からなる発光層を含む有機層、および陰極を積層して成る積層体を有する有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法において、前記製造方法が、当該有機層形成後に、当該有機層の一部を、溶剤により拭き取り除去する工程を有し、その後、陰極形成前に有機層端部のバリを除去する工程を有することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
25.前記バリを除去する工程が、カレンダー処理であることを特徴とする前記24の記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
26.基板上に、陽極、少なくとも有機発光材料からなる発光層を含む有機層、および陰極を積層して成る積層体を有する有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法において、前記製造方法が、当該有機層形成後に、当該有機層の拭き取り箇所へのパターニングを行う工程を有し、当該有機層のパターンの一部を溶剤により拭き取り除去する工程を有することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス表示装置の製造方法。
27.前記パターニングが、光照射により硬化する光硬化層を含む当該有機層の拭き取り箇所において、光硬化層を硬化しない処理であることを特徴とする前記26の記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
28.前記パターニングが、当該基材または当該有機層の拭き取り箇所に対する撥液処理であることを特徴とする前記26の記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
29.基板上に、パターン化された陽極、少なくとも有機発光材料からなる発光層を含む有機層、および陰極を積層して成る積層体を有する有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法において、前記製造方法が、当該有機層の一部を当該有機層形成後に溶剤により拭き取り除去する工程を有し、且つ、拭き取りを、陽極のパターンを位置決めマークとして検出し行うことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス表示装置の製造方法。
30.前記位置決めマークの検出が、マイクロ波による陽極の加熱による検出であることを特徴とする前記29の記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
31.前記位置決めマークの検出が、陽極吸収波長のレーザーによる陽極の吸収による検出であることを特徴とする前記29の記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
32.前記位置決めマークの検出が、陽極の接触通電による検出であることを特徴とする前記29の記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
33.前記位置決めマークの検出が、陽極端部の画像処理による検出であることを特徴とする前記29の記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
34.基板上に、陽極、少なくとも有機発光材料からなる発光層を含む有機層、および陰極を積層して成る積層体を有する有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法において、前記製造方法が、当該有機層の一部を当該有機層形成後に溶剤により拭き取り除去する工程を有し、且つ、前記溶剤により拭き取り除去する工程が、着色溶剤を用いて拭き取りを行って、残留溶剤を検査することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス表示装置の製造方法。
35.基板上に、陽極、少なくとも有機発光材料からなる発光層を含む有機層、および陰極を積層して成る積層体を有する有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法において、前記製造方法が、少なくとも陽極上の当該有機層の一部を当該有機層形成後に拭き取り除去する工程を有し、且つ、拭き取り後に陽極の接触通電により拭き取り状態を検査することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス表示装置の製造方法。
本発明により、有機層を溶剤により拭き取り除去して均一にパターニングすることで発光領域のバラツキ等、性能バラツキの発生を改善、また生産効率の低下を排除して、安定した品質の複数の有機EL素子を生産することのできる有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法が得られる。また、特に、可撓性支持体を用いたロールツウロール生産において連続的に、性能バラツキ発生を改善、また生産効率の低下を排除し、安定した品質で複数の有機EL素子を生産することのできる有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法が得られる。
本発明に係る有機ELパネルの一例を示す概略図である。 有機ELパネルのロールツーロール方式での製造工程の一例を示す模式図である。 有機ELパネルが可撓性基材上に連続形成される様子を示す模式図である。 ワイピングヘッドまた拭き取り装置の一例を、またそのワイピングの様子を示す概略図である。 塗布工程とパターニング工程の一例を示すフロー図である。 可撓性基材の幅手方向に拭き取りを行う工程の一例を示す模式図である。
本発明は、基板上に均一に形成した有機層から少なくとも当該有機層の一部を拭き取り除去して、基板上に有機層をパターニング形成する方法を提供する。この方法で様々な種類の有機EL素子の各有機層(有機機能層)をパターニングでき、一以上のかかる有機層を有する有機EL素子(OLED)を提供できる。
かかる有機EL素子は、一以上の電極および一以上の電極上に配設された有機層を備える。有機層は、有機EL材料からなり、一以上の電極に隣接した表面上に配設された第一のパターンを有すると共に実質的に一様な厚さを有する。
本発明は、有機EL素子用の有機層(有機機能層)におけるパターニング方法を提供する。かかる有機層はパターニングされていると共に実質的に一様な厚さを有しており、有機EL材料の連続シートを形成し、表面に対する接線方向に沿って連続シートの表面を擦って連続シートの一部分を拭き取り除去することによって形成される。
本発明は、また、基板の表面から一以上の有機EL材料被膜(有機層)を選択的に連続的に除去する方法を提供する。かかる方法は、表面上に配設された被膜を有する基板を供給する段階、接線方向に沿って被膜の一部分にワイピングヘッドを接触させる段階、該部分をワイピングヘッドで擦って基板から被膜(有機層)の一部分を除去する段階を含んでなる。
本発明は、また、基板の表面から一以上の有機機能材料被膜(有機層)を選択的に除去するための装置を用いる。かかる装置は、一以上の有機層を有する基板を供給する手段、有機層の一部分を除去するためのワイピングヘッドであって、有機層に接触するワイピングヘッド、および該部分を除去した後に基板を回収する手段を備える。
本発明の別の態様は、基板の表面上に配設された一以上の有機層の一部分を除去するためのワイピングヘッドを提供することである。かかるワイピングヘッドは、有機層の該部分に接触して除去するための接触面を備える。接触面は接線方向に沿って該部分に接触し、所定の幾何学的形状を有している。
本発明の上記その他の態様、利点および特徴は、以下の詳しい説明、添付の図面および特許請求の範囲から明らかとなろう。
図1は、照明用に使用する本発明に係る有機ELパネルの一例を示す概略図である。図1(a)は有機ELパネルの一例を示す概略斜視図を示す。図1(b)は図1(a)のA−A′に沿った概略断面図である。図1(c)は図1(a)のB−B′に沿った概略断面図である。
図中、1は有機ELパネルを示す。有機ELパネル1は、可撓性基材101上に順次、陽極(第1電極)102と、正孔輸送層103と、発光層104と、電子輸送層105と、陰極バッファ層(電子注入層)106と、陰極(第2電極)107を積層した構成を有する。この例においてはさらに、接着剤層108と、封止部材109とを有している。
接着剤層108と、封止部材109とにより封止層を形成している。有機ELパネル1は、陽極(第1電極)102の取り出し電極102aと、陰極(第2電極)107の取り出し電極107aの端部を除いて接着剤層108により封止された密着封止構造となっている。陽極(第1電極)102と可撓性基材101との間にガスバリア膜(不図示)を設けても構わない。本発明では第2電極の上を封止部材109で封止された状態を有機ELパネルと云い、第2電極までが形成された状態を有機EL素子と云う。
本図に示す有機ELパネルの層構成はその一例を示したものであるが、陽極(第1電極)と陰極(第2電極)との間の他の代表的な層構成としては以下の様な構成が挙げられる。
(1)陽極(第1電極)/発光層/陰極(第2電極)
(2)陽極(第1電極)/発光層/電子輸送層/陰極(第2電極)
(3)陽極(第1電極)/正孔輸送層/発光層/正孔阻止層/電子輸送層/陰極(第2電極)
(4)陽極(第1電極)/陽極バッファ層(正孔注入層)/正孔輸送層/発光層//電子輸送層/陰極バッファ層(電子注入層)/陰極(第2電極)
(5)陽極(第1電極)/陽極バッファ層(正孔注入層)/正孔輸送層/発光層/正孔阻止層/電子輸送層/陰極バッファ層(電子注入層)/陰極(第2電極)
有機ELパネルを構成している各層については後に説明する。
図2は図1に示す有機ELパネルを帯状の可撓性基材を使用してロールツーロール方式で製造する製造工程の一例を示す模式図である。
図2には、簡単に、有機ELパネルの製造工程を示した。製造工程は、帯状の可撓性基材の供給工程201と、第1電極形成工程202と、正孔輸送層、発光層、電子輸送層等の有機層形成工程203、さらに、有機層の拭き取り工程204、そして、第2電極形成工程205により構成される。その後、封止工程を経て、有機ELパネルが形成される。尚、有機層形成工程は、形成される有機層の積層順に、順次複数の工程(例えば塗布)を有するが、ここでは省略し一つの工程で示している。また、拭き取り工程についても、複数の工程をもつ場合があり、例えば、正孔輸送層形成後、拭き取り工程、さらに発光層形成工程というように、拭き取り工程が有機層形成工程の間に組み込まれる場合があるが、ここでは、例えば、有機層として発光層形成、その後拭き取り工程という一番単純で原理的な形を示した。
形成される有機ELパネルは、枚葉の可撓性基材上に形成されてもよいが、例えば、可撓性基材上に連続形成される場合、例えば図3に示すような形態で、帯状の可撓性基材上に複数、連続形成される。
この場合、帯状の可撓性基材上に図3(a)に示す如く、複数の連続して、並置された第1電極2のパターンが先ず形成される。
第1電極2のパターンは、例えば、陽極の場合、ITO膜を、スパッタ法等を用いて形成する。電極パターンは、レジストを用いたリフトオフ法、或いはマスクを用いて可撓性支持体上に連続的にパターニング形成することができる。
次いで、図3(b)に示す如く、第1電極パターンを形成した後に、有機層3を全面に例えば、塗布等のウェットプロセスを用いて連続形成する。
照明用に使用する本発明の有機ELパネルの一例においては、例えば塗布等により全面連続形成された有機層3を、図3(c)の如く、可撓性基材の搬送方向に沿って、拭き取り除去することでパターニングする。
有機層が複数の場合には、複数層をまとめて拭き取りによってパターニングすることも、また、各有機層毎に拭き取りを行ってパターニングを繰り返すことも可能である。
次いで、第2電極7を、この上にやはりパターン状に形成して、複数の有機EL素子が並置されたパネルを作製することができる。
図3(c)のように有機層3をパターニングして、第1電極の端部を露出させ、さらに第2電極パターンを、第2電極7を、隣接する第1電極の露出した端部に接続させ形成することで、支持体の幅手方向に並んだ各有機EL素子を電気的に直列に接続するように形成する。
図3(d)に、第2電極(陰極)7のパターン形成と、形成された後のその断面図を示す。図では3つの素子が電気的に直列に接続した構成となっている。
第2電極7は、例えば、アルミニウム等からなる陰極であり、スパッタ法、或いは蒸着法等を用いて同様にパターニング形成できる。
図3に示す形態では、有機層は第一の電極パターン上全面に配設され、拭き取り後の被覆表面領域部分および未被覆表面領域部分を含んで形成される。被覆表面領域は、大抵は未被覆表面領域より大きい。
被覆表面領域部分は素子の有機EL機能層となり厚みは約10〜約150nmの範囲内の厚さを有している。
図3(c)の如く、有機層の除去パターニングを第1電極2の端部を露出するように行うことで、第2電極7をその露出した一端部に接続、導通するようにパターニング配置することで、例えば、図3(d)の様に、帯状の可撓性基材の横方向に並んだ、有機EL素子同士を電気的に直列接続して形成することができる。
有機層に使用する蛍光性(またはリン光性)有機化合物の非常に薄い薄膜(有機層)の形成方法としては、蒸着等でもよいが、ウェットプロセスが、大気圧下で形成することができるため、操作が簡便でありコスト的な観点からも好ましい。また、塗布溶液を調製して薄膜に形成するため、大面積に対してもムラができ難いという特徴があり、コスト、製造技術という面で非常にメリットがある。特に、照明用途にはコスト、製造技術という面で非常にメリットがあると言える。
例えば、ロールツーロール方式により、第1電極の上に湿式塗布方式により正孔輸送層形成用塗布液、発光層形成用塗布液等を順次、例えばインクジェット法又印刷法等によりパターニング塗布する。この方法はパターニング塗布により順次積層して行くため、生産効率の観点からは、効率を上げることが困難である。
有機層の精密且つ迅速なパターニング方法として、本発明においては連続して形成した有機層をパターン状に拭き取り除去する方法を用いる。これにより均一な有機層の除去、パターニングができ、且つ簡便であって精度も高い。
本発明は、連続した基板上の有機層の一部分を選択的に連続的に除去し、鮮明にパターニングされた有機EL機能層を形成する。
本発明においては、溶剤により「湿らせた」軟質ヘッドまたテープ状部材等のワイピングヘッドを用いて連続的に、可撓性基材上に均一に設けられた(有機層)材料被膜から、その一部を除去する。即ち、ワイピングヘッドを用いた接線方向のワイピングにより、被膜材料を除去する。
図4に、有機層(被膜材料)が形成された連続シートから、ワイピングにより被膜材料を連続的に除去する本発明のワイピングヘッドまたは拭き取り装置の一例を、またそのワイピングの様子について概略図を示す。
これらの図において、帯状の可撓性基材の電極パターン上に連続塗布形成された有機層は、拭き取り装置の基台11上に搬送される。この拭き取り装置は、拭き取りユニット12を有している。拭き取りユニット12は、テープ状部材15を送り出すための送り出しロール16と巻き取るための巻き取りロール17を含んでいる。送り出しロール16と巻き取りロール17との間において、テープ状部材15に含浸する溶剤を供給するための溶剤供給手段が設けられている。この溶剤供給手段は、溶剤保持タンク18とそこからテープ部材15まで溶剤を導く供給パイプ19を含んでいる。溶剤供給パイプ19と巻き取りロール17との間において、テープ状部材15を有機層に対して押圧するための押圧ロール21が設けられている。この押圧ロール21はシリンダ22に接続されており、所望の圧力でテープ状部材15を帯状の可撓性基材上の有機層に対して押圧することができる。拭き取りユニット12はそれを可撓性基材の幅手方向に移動可能にさせる第一の位置調整手段13によって支持されている。
図4(b)は図4(a)の矢印の方向からみた側面図である。
テープ状部材15としては、略拭き取り幅をもつ、例えば、大凡、幅1〜5mmの多孔質、耐溶剤性、又繊維質の、織布、不織布等から選ばれるものが好ましく、パターンにもよるが、ここでは、幅2mmの綿布テープを用いている。テープ状部材の幅は、拭き取り幅〜拭き取り幅の80%の範囲、好ましくは、拭き取り幅の95%〜80%の範囲であると好ましい。基材に対する溶剤の濡れ性また有機溶媒の有機層への浸透によってテープ状部材に近接した有機層も拭き取られるからである。有機溶剤としては、例えば発光層材料等の除去には、トルエン、キシレン等非極性の溶剤が用いられる。有機層に対するテープ状部材15の押圧力は9.81×10Pa〜4.91×10Paの範囲が選ばれ、例えば、9.81×10に設定する。そして、図3における電流取り出し領域即ち、未被覆表面領域を例えば前記の幅2mmで、可撓性基材の搬送方向に沿って連続的に形成するために、押圧ローラ21が毎秒5cmで、摩擦移動するようにして、有機層を拭き取る。拭き取りのための速度は1〜50cm/秒の範囲が好ましく、相対速度であり搬送方向、又逆方向のどちらでもよい。
速すぎると、テープ状部材への有機層材料の吸収が充分に起こらず、拭き残りが多くなる。また遅すぎると溶媒の有機層への横方向への浸透によって、拭き取りのエッジが乱れ、パターニングの精度が悪くなる。
これによって、連続的に外部電極接続領域において第1電極層ITOからなる表面を露出させることができる。尚、押圧ローラ21の押圧力は前記の通り、9.81×10Pa〜4.91×10Paの範囲内にあることが好ましい。これは、9.81×10Pa以下の押圧力では有機層の拭き取りが不十分になりやすく、逆に4.91×10Pa以上の押圧力では電極層に損傷を与えて短絡が生じやすくなるからである。
その後、所定の大きさに断裁の後、第2電極を、蒸着或いは塗布等により図3の如くに、可撓性基材上に形成された各有機EL素子を、幅手方向に、直列に電気的に連結するようにパターン形成して、有機ELパネルが形成される。形成された有機ELパネルは、さらに、第一電極、第2電極の電流取り出し領域の各々において外部電極と接続領域を介してはんだ付けすることによって、有機EL素子を得ることができる。
尚、拭き取りによるワイピング装置としては上記の例に限定されず、テープ状部材を用いる代わりに、溶剤吸収性で、且つ弾性がある多孔性の(例えばスポンジ状)材料から構成されたブレードを用いてこれを基材に押圧して、擦ることで拭き取る方法でもよい。
別形態のワイピングヘッドとしては、例えば、略直方体形状で、スポンジ、エラストマー、熱可塑性樹脂、繊維マット、多孔質材料、ポリウレタンゴム、合成ゴム、天然ゴム、シリコーン等の材料またこれらの組み合わせからなる耐溶剤性の材料で構成される。その一形態としては、例えば、耐溶剤性のある多孔性のウレタンゴム等の材料によって形成されるワイピングヘッドがある。
ワイピングヘッドの拭きとり部分構造として、台形の断面形状、先端のとがった断面形状、正方形の断面形状、先端の丸い断面形状などの幾何学的断面形状を有していてもよく、掻き取る或いは拭き取る有機層の性質、掻き取り速度等に合わせて設計してよい。所定の厚みをもち先端は弾性をもつため、拭き取り時には、撓み、ブレードとして、基材から有機層を擦離、有機層を拭き取ることができる。
溶媒供給は、ワイピングヘッドによる拭き取りに先だって行われ、拭き取り直前に行われることが好ましい。また、別にフィルム表面が予め溶媒で湿らされてもよい。
本発明においては、これらの連続する可撓性基材からの有機層(被膜)の除去において、即ち、基板上に、陽極を形成、さらに、この上に少なくとも有機発光材料からなる発光層を含む有機層を形成したのち、当該有機層形成後に、前記溶剤を供給して溶剤により拭き取り除去する工程において、これを20℃以下という低温環境下にて、また、好ましくは、3000Pa以下の蒸気圧を有する溶剤を用いて、当該有機層の一部を、溶剤によって拭き取り除去することに特徴がある。
本発明においては、溶剤により拭き取り除去する工程を、20℃以下の温環境下で行うが、さらに好ましくは、15℃以下、より好ましくは、10℃以下の環境下で行う。
本発明において、これらの環境下で拭き取りを行うということは、前記拭き取り装置のワイピングヘッドが塗膜と接する部分の温度を、前記の様に20℃以下、好ましくは15℃以下、より好ましくは10℃以下とすることであり、拭き取り装置内の温度を制御して、この温度範囲とすればよい。
また、前記拭き取り溶剤としては、さらに、前記低温環境下において、100Pa以上3000Pa以下の蒸気圧を有するものが好ましい。さらに好ましくは、100Pa以上2000Pa以下、特に好ましいのは200Pa以上1500Pa以下の蒸気圧を有するものである。蒸気圧が100Pa未満の場合には乾燥に時間がかってしまう。
これらの温度範囲にて、拭き取りを行うため、また、溶剤の蒸気圧を所定の範囲に保つためにも、前記拭き取り装置が保たれる例えば恒温層中のみでなく、前記拭き取り装置の基材が搬送されるステージに、或いはその前後にも冷却機構を有することが好ましい。
20℃以下の低温環境下ではない(高温の)場合、また、溶剤の蒸気圧が高すぎて溶剤の蒸発が大きい場合、溶媒の隣接領域への拡散や浸透、これに伴う有機層へのダメージ、また、これによる(乾燥した)ゴミの飛散等が起こり、またさらに、蒸気圧が高いと、危険物であるための発火の危険等も大きい。また、蒸発による揮散から結果的に使用溶剤が多くなり、回収の工数も大きくなる。
また、拭き取りの効率を向上させるため、拭き取り工程において拭き取り面に超音波を照射することも好ましい。
本発明において溶剤の蒸気圧については、化学便覧改訂第3版、基礎編II II−101〜II−132を参照できるが、また低温での蒸気圧については同じく化学便覧改訂第3版、基礎編II II−101に記載のHarlacher−Braun式を用いて計算が可能である。
前記の温度条件を用いることで、溶剤の、拭き取り部の隣接領域への拡散や浸透を抑えることができ、有機層のパターニングの精度が向上する。
この為には、本発明における有機層の除去は、有機層、各層毎に行うことができる。各層の溶解乃至膨潤に適した溶剤は、各層毎に異なることがあるからである。従って、陽極上に、例えば正孔輸送層を形成した後、これを前記の拭き取り装置を用いて拭き取りパターニングする。さらに、発光層を形成した後、これをパターニングするというように、繰り返し行うことで、各層を溶解する最適の溶剤にて拭き取り除去することができる。
これらの有機層拭き取り除去方法について、以下、好ましい態様の幾つかを述べる。
本発明においては、基板上に、陽極、少なくとも有機発光材料からなる発光層を含む有機層、即ち、例えば、正孔輸送層/発光層/電子輸送層等を積層・形成した後、これら全ての有機層を一度に拭き取ることは、拭き取り工程を塗布工程ごとに行わないで済むため工数上好ましい。本発明の好ましい態様においては、基板上に、陽極、少なくとも有機発光材料からなる発光層を含む有機層、即ち、例えば、正孔輸送層/発光層/電子輸送層等の有機層を積層・形成した後、これら全ての有機層、例えば電子輸送層、発光層、正孔輸送層各層の一部を、拭き取り工程により、拭き取り除去することが好ましい。例えば電子輸送層、発光層、正孔輸送層各層を膨潤或いは溶解するに最適な溶剤を用いて拭き取り除去する。
全ての層を一度に拭き取り除去する場合には、他の拭き取り工程を有すること、即ち、複数の拭き取り工程を有することが好ましい。例えば、各層を充分に溶解する溶剤は限られる場合があるため、全層を溶解する溶剤がない場合もあり、また、全層を除去するため、除去する層厚も厚くなるので、有機層を溶剤にて拭き取る工程の後、残渣を除去するために、さらに溶剤による拭き取り工程を実施することが好ましい。
尚、有機層を構成する発光材料を始めとする有機機能材料は極性の弱いものが多く、共通の溶剤を用いることができるものも多いこと、且つ、完全に溶解せずとも、膨潤させることで、本発明においては拭き取り(掻き取り)除去ができるので、拭き取り除去工程の数は必ずしも拭き取る層の数と同じでなくともよい。
全層塗設後に、拭き取りを集中して行うことで、各層の塗布ごとに拭き取ることで、パターニングを繰り返す必要がなく、工程を集中できるので、作業時間を抑えて製造コストを削減できるので好ましい。全ての有機層形成後に、当該有機層全てを、一度に、溶剤により拭き取り除去することは、各層の積層後、一度に全層のパターニングが可能であり工数上好ましい。
また、前記複数の層を溶剤により拭き取り除去する工程は、塗布された有機層の全層が除去可能な溶剤によって拭き取り除去する工程に加えて、拭き取り工程として、少なくとも最後の工程に、有機層のうちの最下層が溶解可能な溶剤を用いて拭き取り除去する工程を実施することが好ましい。
図5(a)に、塗布工程と、上記のパターニング工程のフロー図の一例を示す。図5に示すフロー図においては、第1電極がパターン形成された支持体上に、有機層として、順次、正孔輸送層、発光層、また電子輸送層を全て全面に塗布した後、各層を共通に溶解或いは膨潤させることのできる溶剤、例えば、下記のような構成の場合、キシレンにより15℃で、図4(a)に示したワイピングヘッドを用いて、一度に3つの層を、拭き取り除去する(拭き取り工程1)。次いで、第二の拭き取り工程により、最下層である正孔輸送層が最も溶解しやすい溶剤であるトルエンにより、クリーニングのための拭き取りを行う(拭き取り工程2)。
(正孔輸送層)
窒素雰囲気下で、50mgの正孔輸送材料1(下記)を10mlのトルエンに溶解した溶液を塗布・製膜したのち、窒素雰囲気下、180秒間紫外光を照射し、光重合・架橋を行い、膜厚約20nmの正孔輸送層を形成した。
(発光層)
正孔輸送層上に、100mgのPVKと10mgのドーパント4を10mlのトルエンに溶解した溶液を塗布・製膜し、120℃で1時間真空乾燥し、膜厚約50nmの発光層とした。
(電子輸送層)
発光層上に、50mgの電子輸送材料1を10mlの1−ブタノールに溶解した溶液を塗布・製膜することで、電子輸送層を形成した。60℃で1時間真空乾燥し、膜厚約15nmの電子輸送層を得た。
パターニング後、次いで、電子注入層(陰極バッファ層:例えば、フッ化リチウム層)、第2電極(陰極:例えば、アルミニウム)を、図3(d)に示したパターンとなるようそれぞれマスク蒸着行うことで有機EL素子が構成される。
また、図5(b)には、正孔輸送層と発光層および電子輸送層の溶解(膨潤)溶剤が異なるため、正孔輸送層の拭き取り工程(拭き取り工程1)を、発光層および電子輸送層の拭き取り工程(拭き取り工程2)を別に設け、異なった溶剤で実施する場合を示している。拭き取り工程2の後、前記同様に、別にクリーニングのために拭き取り工程(拭き取り工程3)を設けている。
全層が溶解可能な溶剤により拭き取り除去することで、原理的には全て除去できるはずであるが、除去する層が多い(厚くなるため)こと、また、層間で溶解度に差もあることから、最後に、もう一度、有機層最下層(陽極上に形成される場合には、例えば、正孔輸送層)が溶解可能な溶剤により拭き取り除去することが好ましい。
これにより、電極上に残る、拭き取り残渣を除去して、有機EL素子を構成したときの電極の接触不良を確実に防止できる。
複数の拭き取り工程については、拭き取りによる残渣をなくし拭き取りを完全にするため、また電極層へのダメージを軽減するため、拭き取りの実施方法について幾つかの異なった考え方があり、以下にこれを挙げる。いずれの方法も好ましく用いることができる。
複数の拭き取り工程は、有機層に対する良溶媒により拭き取り除去する工程と、これに加えて少なくとも最後に有機層に対する貧溶媒により拭き取り除去する工程を有してもよい。貧溶媒は有機層を溶解しないが、拭き取りにより、良溶媒によって拭き取りした後の残渣を洗浄除去する働きがあり、これを用いて拭き取ることも好ましい。
また、拭き取り除去においてワイピングヘッドの接触圧という観点からは、前記複数の溶剤により拭き取り除去する工程は、先ず、ワイピングヘッドを低接触圧(9.81×10Pa〜9.81×10Pa)で、主に溶剤を有機層に付着させる工程と、所定時間後に、より高い接触圧(9.81×10Pa〜4.91×10Pa)で拭き取り除去する工程を有することが好ましい。溶剤付着から拭き取り迄に膨潤時間を設けることで確実に拭き取ることができるので好ましい。
また前記の、溶剤により拭き取り除去する工程は、少なくとも最後の工程としては、電極等が殆ど露出してから行うことになるので、より低い接触圧で拭き取り除去する工程を有することが好ましい。最後には、例えばITO等の陽極などの表面を直接擦ることになるので、接触圧は低くして電極へのダメージを低減させることが好ましい。9.81×10Pa以下の接触圧を用いることが好ましい。電極の傷や剥離による接触不良を抑えることができる。
また、前記複数の、溶剤により拭き取り除去する工程は、溶解度という観点にたつと、少なくとも最上層を溶解する溶剤による拭き取り除去工程と、最後に、少なくとも最下層が溶解する溶剤による拭き取り除去工程の二つの工程を含むことが好ましい。それぞれの層の溶解に最適な溶剤を用いることで、拭き取りの効率を挙げることができる。
前記、溶剤により拭き取り除去する複数の工程は、前記溶剤により拭き取り除去する複数の工程に加えて、少なくとも最後に、陽極上をクリーニングする拭き取り工程を有することも好ましい。例えば、有機層を拭き取り除去した後には、溶剤に対する各有機層の溶解度には差があるため残渣が残ることがあり、最小限、陽極の表面をクリーニングするための拭き取りを行うことは好ましい。前記の低接触圧で拭き取りを行うことが好ましい。
勿論ながら、前記、溶剤により拭き取り除去する複数の工程は、低温環境下で行うことが好ましい。
低温環境下とは、20℃以下の低温環境下で行うことであり、また、拭き取り環境において、用いられる溶剤は、3000Pa以下の蒸気圧を有することが好ましい。
また、前記、溶剤により拭き取り除去する複数の工程は、前の拭き取り工程より後の拭き取り工程において拭き取り幅が大きいことが好ましい。即ち、最初の拭き取り工程におけるよりも、2番目の拭き取り工程における拭き取り時に拭き取り幅を大きくして、下層の拭き取りによる縁の不均一部分、バリ等を含め一緒に除去するようにするとよい。
上記の如く、本発明は、その一態様においては、基板上に、陽極、少なくとも有機発光材料からなる発光層を含む有機層等を形成した後、当該有機層形成後に、当該有機層の一部を溶剤により拭き取り除去してパターニングする工程を有するが、その拭き取りの後、且つ、陰極層(例えばアルミニウム等)の形成前に、当該拭き取り工程の最後において、拭き取り残渣を除去する工程を有することが好ましい。
この拭き取り残渣を除去する工程が、溶剤を付与しない拭き取り部材によって、残渣が乾燥しない中に、残渣を溶剤と一緒に、即ち残渣含有溶剤を拭き取る拭き取り工程であってもよい。
拭き取り残渣の除去工程としては、前記のように、さらに拭き取りを行ってもよいが、拭き取り残渣を除去は、拭き取り部分へのUV照射、また、拭き取り部分へのレーザー照射によることも好ましい態様である。これらの光照射による残渣の分解は、さらに拭き取りを行うのに比べ、電極層(例えば、陽極のITO蒸着膜)を傷つけることがなく、擦過によるダメージを残すことがないので、好ましい。
電極(この場合陽極(例えばITO))上に残渣が残った場合には、これによる電極と接続端子との間で接触不良がおきやすい。電気的な導通がバラつくほか、密着自体も悪くなる。
また、前記拭き取り残渣を除去する工程は、残渣が乾燥しない中に、残渣を溶剤ごと吸引する。即ち、残渣を含有溶剤の吸引であることも好ましい。
また、さらに、前記拭き取り残渣を除去する工程が、溶剤を用いた拭き取りののち、残った残渣に対し、貧溶剤を供給し、これを吸引することによって行ってもよく、好ましい方法である。この方法では、供給した溶剤を残渣と共に吸引除去する。
本発明においては、基板上に、陽極、少なくとも有機発光材料からなる発光層を含む有機層を積層し、当該有機層形成、さらに、当該有機層の一部を、溶剤により拭き取り除去した後、また、陰極形成前に、溶剤を除去する工程を有することが好ましい。
残留溶剤があると、これによる陰極の腐食のほか、有機層がダメージをうけ、発光効率の低下又導通が阻害され発光が不均一になる懼れがある。
溶剤を除去する工程としては、(1)残留溶剤について完全に乾燥することが挙げられる。
また、(2)残留溶剤を、乾燥した(溶剤を供給しないで)ワイピングヘッドにより拭き取ってもよい。勿論、残留溶剤を吸引によって除いても良い。溶剤を供給しないで多孔性のワイピングヘッドを用いて拭き取る方法は、実質的にこの方法である。
また、有機層を形成しその一部を拭き取り除去してパターニングしたのち、陰極形成前には、拭き取りによる残渣の除去、またその後の、溶剤や残渣の除去を意図したワイピングヘッドによる拭き取りに加え、残渣の分解等により形成される有機層のパターン端部における所謂「バリ」(端部の乱れ)を除去する工程を有することが好ましい。
これらの「バリ」があると、ハンドリングにより塵となったり、電極の接触不良を起こしたりするので、除去する工程を有することが好ましい。
バリを除去する工程には、例えばカレンダー処理がある。
本発明においては、基板上に、陽極、少なくとも有機発光材料からなる発光層を含む有機層を積層し、有機層形成したのち、当該有機層の拭き取りによりパターニングを行うが、有機層の拭き取り前に、有機層を、別の方法により、パターニングしてもよい。このパターニングは、電極を露出して接続を行うための前記のパターニングと同じ領域を露出してパターニングするよう選択される。
このパターニングにより、有機層の一部を前記拭き取り除去するパターニングにおいて、これを容易に且つ、精度よく行わせることができる。
例えば、有機層のパターニングは、有機層が光硬化層を構成する場合に適用できる。
後述するが、各有機層の有機材料、例えば、正孔輸送材料、発光材料又電子輸送材料等に重合性の基を導入し、塗布後に、必要なら熱或いは光(UV)照射によって、有機材料を重合させ高分子鎖を形成し有機層を形成する場合、例えば、有機層が光硬化性層の場合、当該有機層の拭き取り箇所においてのみ有機層を硬化しないように予めパターニングすることで、未硬化有機層の当該部分のみ本発明の溶剤を用いワイピングヘッドによる拭き取りを用いることで除去できる。非硬化層は容易に除去できるのに対し、硬化した部分は、除かれにくいため、バリの発生や、拭き取り残渣の発生も少なく拭き取ることができ、精度のよいパターニングが可能となる。
また、このような、有機層自体のパターニングとしては、当該基材または当該有機層の拭き取り箇所に対して撥液処理を施すことが挙げられる。例えば、有機層上に撥液パターンを設けることで、撥液パターンが溶剤をはじくので、溶剤を所望の領域にのみ浸透させその部分の拭き取りを行うことができる。
また、電極パターンを形成した後、撥液層をパターン状に形成し、この上に有機層を形成することで、有機層の拭き取り除去を容易且つ精度よく行うことができる。撥液層上の有機層は撥液層が形成されていない部分に形成された有機層よりも容易に拭き取り除去されうるからである。撥液層としては、フッ素化合物、ポリシロキサン等を用いることができる。
本発明の有機ELパネルの製造工程は、帯状の可撓性基材の供給工程201と、第1電極形成工程202と、正孔輸送層、発光層、電子輸送層等の有機層塗布工程203、さらに、有機層の拭き取り工程204、そして、第2電極形成工程205により構成され、連続して或いは断続して、全体の工程を構成している。中でも、本発明に係るパターニング工程、即ちワイピングヘッドを用いた拭き取り工程は、長尺の連続した可撓性の支持体、例えばロール状のプラスチックフィルムを支持体として実施されることが好ましい。
その為に、特にパターニングについては、支持体の、長尺方向(搬送方向)において、ズレ等が起こらないことが好ましい。特に、電極の露出面積がばらつき、異なってくると、接触面積にばらつきが生じ、好ましくない。
従って、パターニングにより拭き取り除去する有機層の位置精度は重要であり、支持体(フィルム)の蛇行等に対しても、これを、補償して、所定の連続したパターンを形成させるものでなくてはならない。
従って、本発明においては、有機層の一部を当該有機層形成後に溶剤により拭き取り除去する工程において、その位置精度を高めるために、有機層塗布前に予めパターン状に形成されている第1電極(陽極)であるITOパターンを拭き取り位置を決めるためのマークとして検出して、これにより位置制御することが好ましい。
位置決めマーク陽極(ITO)の検出は、マイクロ波の照射によることが好ましい。
ITO等はマイクロ波を吸収するので、送信アンテナ、コントローラ、受信アンテナ等を備えたマイクロ波センサにより位置を検出できる。第1電極パターンについて、帯状の可撓性基材の長手方向又幅手方向について、それぞれマイクロ波センサを用いて、例えば搬送時の蛇行等による幅手方向のズレ、またパターンの検出を行うことができる。マイクロ波センサは、高濃度の溶剤蒸気中等でも使用でき、スペースもとらず、好ましい。例えば、小形マイクロ波位置検出センサMWS−ST/SR−2WG−R形マイクロ レフレックス((株)ワイヤーデバイス製)等を用いることができる。
また、マイクロ波の吸収により陽極は発熱するので、この熱を検出することで、電極パターンを熱パターンとして検出でき、これによる支持体の蛇行等にあわせて、拭き取り装置の位置を制御して一定の電極面積が露出するように拭き取りを行うことができる。また、拭き取りを複数回行う場合の、ズレを修正することができる。これにより小さなパターンにも対応でき、素子を集積化したときに有効である。マイクロ波とは0.3〜30GHzの周波数をもつ電磁波のことを指し、2.4GHz帯、船舶レーダー等に用いられる3GHz帯、その他ETCの通信に用いられる5.6GHzなどがよく使われる。
また、これら位置決めマークの検出は、前記熱検出の後、上記の熱パターンから陽極パターンを検出した後、陽極端部を画像処理によって検出する方法で行われることが好ましい。
また、位置決めマークの検出は、陽極(ITO)吸収波長のレーザー、例えば、紫外レーザーであるエキシマレーザー等により陽極のみを検出して行うこともできる。
また、位置決めマークの検出は、陽極に端子を接触させて直接通電により検出することもできる。ダメージが残った場合に影響の少ない電極パターンの端部を用いる方が好ましい。
また、勿論、可撓性基材の搬送において幅規制ガイドを設け蛇行の補正を行うことは位置決めにおいて重要である。
有機層拭き取り除去後の残渣の残留、又溶剤による拭き取り洗浄における残溶剤は、これによる、電極表面の汚れ等が、素子において通電の不均一や、接触不良等を起こすので、これをよく取り除くことが必要である。その為に、前記のように、溶剤による拭き取り工程や、残渣の分解工程を設けるのであるが、拭き取り工程後に、残渣(残渣含有溶剤)又溶剤そのものの電極や基板上への残留について確認しやすくするために、用いる溶剤を着色させることができる。着色溶剤を用いると、その着色から容易に残留を吸光度計或いは目視等にて確認でき好ましい。
着色剤としては、微量ですむことから吸光係数の大きい有機EL性能に影響を与えない例えばトリフェニルメタン系染料等が好ましい。
拭き取り除去する工程ののち、残渣(残渣含有溶剤)また溶剤の電極上への残留については、陽極の接触通電を用いても検査することができる。残渣による汚れがあると通電の不均一や、接触不良等を起こすので、これにより残留を検査・確認する方法も好ましい。
以上において、搬送方向に沿って複数形成された所定の第1電極パターン上に全面に形成された有機層の所定の領域を連続的に搬送方向に沿って拭き取り除去するワイピングヘッドによる拭き取りの態様を説明したが、拭き取り方法はこれに限定されるものではなく、本発明の拭き取りによるパターニングは、例えば、搬送される可撓性支持体の搬送方向に対し幅手方向に拭き取りを行うこともできる。搬送を一旦止め、あるいは、前後にアキュームを配置して拭き取り工程においては搬送を止めた形で拭き取りユニット(あるいはワイピングヘッド)を幅手方向に向けて所定の押圧で拭き取り動作を行うようにする。これを所定の時間ごとに(周期的に)行うことで、所定の間隔で幅手方向に拭き取りパターン形成することができる。断裁して封止するときに有機層等が残ることは接着力の面で好ましくないので、幅手方向にもパネル単位の拭き取りを行って有機層を除去することが好ましい。
図7にこの様子を示す。図7(a)は図4で示した拭き取りユニット12が幅手方向に移動して有機層を拭き取る様子を示す。第一電極また有機層が形成され、例えば搬送方向に有機層がふき取られた連続する可撓性基材から、可撓性基材が静止した状態において、さらに有機層が幅手方向に拭き取り除去される様子を示している。Aは可撓性基材の搬送方向を、また、Bは拭き取りユニット12の移動方向(幅手方向)を示す。図7(b)はその拭き取り工程を幅手方向から見た模式図である。可撓性基材の搬送方向拭き取り工程の前後にアキューム機構が設けられ、上流側のアキューム機構にはタッチローラDが配置され駆動ローラとして、間欠駆動することで、拭き取り時、可撓性基材が静止状態となり有機層を幅手方向にふき取られる。
本発明において、ロールツーロールとは、本図に示す様にロール状に巻いた帯状の可撓性基材を使用し、第1電極形成工程202〜第2電極形成工程205を順次経て、有機ELパネルを作製する方式を云う。
尚、工程全体が長くなり、設置が困難となる場合は適宜工程を分断し、帯状の可撓性基材をロール状に巻き取り保管し、再度次の工程に帯状の可撓性基材をロール状で供給する様にしても構わない。
202の第1電極形成工程においては、供給工程201からロール状の可撓性基材が連続的に、例えば、複数の搬送ローラ(省略)201bを介して繰り出される。
第1電極形成工程202では供給工程201から連続的に供給されてくる帯状の可撓性基材3に付けられるアライメントマークを読み取って、これに従って、決められた位置に取り出し電極を有する第1電極をマスクパターン成膜する(図3(a))。第1電極形成工程は真空蒸着装置、またはスパッタ装置等が用いられ、尚形成する第1電極の数、サイズは、帯状の可撓性基材の幅、作製する有機ELパネルの大きさ等から適宜決めることが可能である。第1電極の厚さは、100nm〜200nmが好ましい。第1電極が形成された後は、巻き取り装置により搬送ローラを介して第1電極までが積層された帯状の可撓性基材を一旦巻き取り一次保管することが好ましい。一次保管した後、有機層形成工程203(図2参照)に送られる。尚、巻き取り保管しない場合は連続して例えば、正孔輸送層等有機層形成工程に送られる。
この供給工程201と第1電極形成工程202とは真空環境下で行うことが好ましい。
次の有機層塗布工程は大気圧条件であるので、従って、ここでは一旦巻き取ることが好ましい。尚、巻き取り、保管しない場合は、例えば、連続して有機層形成工程に送られるが、連続して有機層形成工程に送られる場合には、例えば複数の減圧したチャンバーからなる、バッファ領域を設けて、徐々に減圧を解除して、連続して有機層形成工程203に送ることができる。
また、連続して有機層形成工程に送る場合、塗布工程との速度差を調整するアキュームレータが間に設置されてもよい。
帯状の可撓性基材には予め第1電極を形成する位置を決めるためのアライメントマーク(不図示)を付けておくことが好ましい。
又供給工程を大気圧条件としたときには、供給工程と第1電極形成工程の間にはやはりバッファ領域を設ける必要がある。
有機層の形成工程は、第1電極が形成され巻き芯に巻き取られたロール状の帯状の可撓性基材を繰り出す繰り出し部と、塗布部、乾燥部、また巻き取り部を有している。
各有機層の形成は、第1電極までが形成された帯状の可撓性基材の第1電極の上全面に各有機層形成用塗布液が塗布され、乾燥され巻き取られる工程である。
塗布は、例えば、全面塗工タイプのダイコート方式の湿式塗布機を用いた塗布であり、第1電極(陽極)が形成された帯状の可撓性基材を保持するバックアップロールを用いる。
有機層形成用塗布液は、第1電極(陽極)が形成された帯状の可撓性基材上全面に塗布される(図3(b))。各有機層の厚みは、各機能層毎にそれぞれ異なってもよいが、大凡5〜200nmの範囲である。
尚、塗布機としては、このほかに、例えば、スクリーン印刷方式、フレキソ印刷方式、インクジェット方式、メイヤーバー方式、キャップコート法、スプレー塗布法、キャスト法、ロールコート法、バーコート法、グラビアコート法等の塗布機の使用が可能である。
これらの湿式塗布機の使用は有機層の材料に応じて適宜選択することができる。
尚、有機層の塗布としては、例えば、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、また電子注入層等複数の層が順次塗布されるので、複数の塗布機を有する場合がある。
乾燥は送風乾燥装置を、また、裏面側から裏面伝熱方式で加熱する加熱装置を用いてもよい。
有機層の平滑性を保つこと、残留溶剤の除去、また、重合(架橋)タイプの有機材料層の硬化等を考慮して、層構成材料のガラス転移温度に対して−30〜+30℃、且つ、正孔輸送層を構成している有機化合物の分解温度を超えない温度で裏面伝熱方式の熱処理を行うことが好ましい。
また、有機層の塗布後の、拭き取りも、複数の層を塗布後、一度に拭き取り、又、各層塗布後に、層ごとに拭き取りする等の、幾つものパターンがあり、部分的にみると、必ずしも、典型的に有機層形成工程、有機層拭き取り工程を順次繰り返すようになっているとは限らないが、ここでは、複数の有機層の塗布工程の後、拭き取り工程を行って一度にパターニングする態様をとるものとして説明する。
全面塗布による有機層形成が終了した後(図3(b))、乾燥し、一旦巻き取り、保管することが可能となっている。
巻き取られた、ロール状に巻かれた帯状の可撓性基材は、次の、拭き取り工程204において、溶剤を用いた拭き取りによりパターニングされる。拭き取り装置、方法については既に説明した。
拭き取り工程(パターニング工程)においては、前記ワイピングヘッドまたは拭き取り装置を用いて、連続搬送される電極パターンが形成された可撓性支持体上に全面に有機機能層が塗布形成されたのち、連続的にその一部(電極の電流取り出し領域、また外部電極接続領域)を拭き取り除去する(図3(c))。
拭き取り工程については、前記の記載を参照して欲しい。
また、有機層の拭き取り工程は、例えば、電子輸送層塗布後、拭き取り、発光層塗布、また拭き取りと、順次層形成ごとに拭き取りを行うように工程を構成することもでき、また、例えば、複数の有機層を形成した後、これを一度に拭き取りパターニングするというように工程を構成することもできる。
さらに、前記のように有機層を拭き取り除去した後のクリーニングのための拭き取り工程を備えることもできる。
また、前記有機層塗布部工程と、拭き取り工程との間には必要に応じて帯電防止手段、またアキュームレータ等を配設することができる。
拭き取り工程でパターニングされた後、有機層がパターニングされた帯状の可撓性基材はいったん巻き取られるが、一旦巻き取られた帯状の可撓性基材は次の第2電極形成工程205に送られ、パターニングされた第2電極が形成される。
第2電極形成工程205は、例えば蒸着或いはスパッタ装置等からなり、有機層のパターニングののち連続して電極形成を行うには、大気圧系から真空系に移動することになるので、やはり、複数の例えば、減圧チャンバーからなるバッファ領域を設けて、徐々に真空度を上げ、連続して第2電極形成工程に入るようにすることができる。
第2電極形成工程においては、真空蒸着、或いはスパッタ等の蒸着源を用いた真空装置が用いられる。第1電極同様にマスクパターンを用いて、取り出し電極形成部および隣接する第1電極の位置やサイズ、数に合わせ第2電極のパターン化が行われる。例えばアルミニウム等の電極材料を10〜数100nm程度にパターニング蒸着形成する(図3(d))。
また、前述のように、前記有機層塗布工程、又拭き取り工程、さらに第2電極形成工程等において、その位置決めのために、前記帯状の可撓性基材3に付けられたアライメントマークを用いてもよいが、有機機能層塗布前に予めパターン状に形成されている陽極(ITO)を、拭き取り位置を決めるためのマークとして検出して、これにより位置制御することが好ましい。
位置決めマーク陽極(ITO)の検出は、前記のようにマイクロ波センサを用いて、また、マイクロ波の照射による熱パターン、陽極(ITO)吸収波長のレーザー(例えば、紫外レーザーであるエキシマレーザー等)による陽極の検出、また、直接、端子を接触させ通電して、これらのデータを画像処理して電極端部を検出して行うことができる。
これにより拭き取り装置(ワイピングヘッド)の位置を制御して一定の位置で、一定の電極面積が露出するように拭き取りを行う。また、拭き取りを複数回行う場合の、ズレの修正ができる。
第2電極(陰極)としてのシート抵抗は数百Ω/□以下が好ましく、膜厚は通常10nm〜5μm、好ましくは50〜200nmの範囲で選ばれる。この段階で、例えば、基材/第1電極(陽極)/正孔輸送層/発光層/陰極バッファ層(電子注入層)/第2電極(陰極)の有機層構成を有する有機EL素子ができ上がり、図3(d)の如くに幅手方向に並列した各素子は電気的に直列に接続される。
尚、第2電極(陰極)層の形成が蒸着装置の場合を示したが、特に限定はなく、例えばドライ方式のスパッタリング法、反応性スパッタリング法、分子線エピタキシー法、クラスターイオンビーム法、イオンプレーティング法、プラズマ重合法、大気圧プラズマ重合法、プラズマCVD法、レーザーCVD法、熱CVD法などを用いることができる。又、陰極バッファ層(電子注入層)は湿式塗布方式を用いることも可能である。
この段階で作製された有機ELパネルは複数個が連続的に繋がっているため、その後、個別の有機ELパネルに断裁される。
有機ELパネルは、所定のサイズに断裁された後、電気回路と接続、結線される。また、封止部材(封止材料)を用いて封止される。封止は、後述する、水分透過率またガス透過率の低い(ガスバリア性の)膜を形成したフィルムを、封止部材として重ね接着封止することにより行える。また、ガス透過率の低い、酸化ケイ素、窒化ケイ素等の材料膜を第2電極形成後に設けてもよい。
また封止は断裁前に、取り出し電極部(結線部)を残して封止してもよい。
以下、本発明の機能性薄膜の製造方法の一例として挙げた有機EL素子を構成している材料について説明する。
有機EL素子は、前述のように、電極間に単数または複数の有機層を積層した構成であり、例えば、前記のような構成を有し、適宜必要な層が所定の層順で積層され、両極から注入された正孔および電子等のキャリア移動がスムースに行われるよう構成されている。
有機EL素子を構成するこれら各有機層において、発光層中に含有される有機発光材料としては、カルバゾール、カルボリン、ジアザカルバゾール等の芳香族複素環化合物、トリアリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、ポリアリーレン、芳香族縮合多環化合物、芳香族複素縮合環化合物、金属錯体化合物等およびこれらの単独オリゴ体或いは複合オリゴ体等があげられるが、本発明においてはこれに限られるものではなく、広く公知の材料を用いることができる。
また発光層中には、好ましくは0.1〜20質量%程度のドーパントが発光材料中に含まれてよい。ドーパントとしては、ペリレン誘導体、ピレン誘導体等公知の蛍光色素等、また、リン光発光タイプの発光層の場合、例えば、トリス(2−フェニルピリジン)イリジウム、ビス(2−フェニルピリジン)(アセチルアセトナート)イリジウム、ビス(2,4−ジフルオロフェニルピリジン)(ピコリナート)イリジウム、などに代表されるオルトメタル化イリジウム錯体等の金属錯体化合物が同様に0.1〜20質量%程度含有される。
発光層の膜厚は、1nm〜数百nmの範囲に亘る。
正孔注入・輸送層中に用いられる材料としては、フタロシアニン誘導体、ヘテロ環アゾール類、芳香族三級アミン類、ポリビニルカルバゾール、ポリエチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホン酸(PEDOT:PSS)などに代表される導電性高分子等の高分子材料が、また、発光層に用いられる、例えば、4,4′−ジカルバゾリルビフェニル、1,3−ジカルバゾリルベンゼン等のカルバゾール系発光材料、(ジ)アザカルバゾール類、1,3,5−トリピレニルベンゼンなどのピレン系発光材料に代表される低分子発光材料、ポリフェニレンビニレン類、ポリフルオレン類、ポリビニルカルバゾール類などに代表される高分子発光材料などが挙げられる。
電子注入・輸送層材料としては、8−ヒドロキシキノリナートリチウム、ビス(8−ヒドロキシキノリナート)亜鉛等の金属錯体化合物もしくは以下に挙げられる含窒素五員環誘導体がある。即ち、オキサゾール、チアゾール、オキサジアゾール、チアジアゾールもしくはトリアゾール誘導体が好ましい。具体的には、2,5−ビス(1−フェニル)−1,3,4−オキサゾール、2,5−ビス(1−フェニル)−1,3,4−チアゾール、2,5−ビス(1−フェニル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−(4′−tert−ブチルフェニル)−5−(4″−ビフェニル)1,3,4−オキサジアゾール、2,5−ビス(1−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール、1,4−ビス[2−(5−フェニルオキサジアゾリル)]ベンゼン、1,4−ビス[2−(5−フェニルオキサジアゾリル)−4−tert−ブチルベンゼン]、2−(4′−tert−ブチルフェニル)−5−(4″−ビフェニル)−1,3,4−チアジアゾール、2,5−ビス(1−ナフチル)−1,3,4−チアジアゾール、1,4−ビス[2−(5−フェニルチアジアゾリル)]ベンゼン、2−(4′−tert−ブチルフェニル)−5−(4″−ビフェニル)−1,3,4−トリアゾール、2,5−ビス(1−ナフチル)−1,3,4−トリアゾール、1,4−ビス[2−(5−フェニルトリアゾリル)]ベンゼン等が挙げられる。
有機EL素子において、各有機層の膜厚は、0.05〜0.3μm程度必要であり、好ましくは0.1〜0.2μm程度である。
《反応性有機化合物》
また、本発明では、上記の各機能層において、反応性基をもつ有機化合物(反応性有機化合物)を用いてもよい。反応性有機化合物を用いる層としては特に制限はなく、各有機層に用いることができる。それぞれ各有機層に反応性基をもつそれぞれの機能を持つ有機材料を用いればよい。
反応性基をもつ有機材料(化合物)を用いることで、反応性有機化合物を基板上で反応させ、有機分子によるネットワークポリマーを形成させることができる。ネットワークポリマーが生成することで、構成層のTg(ガラス転移点)調整による素子劣化の抑制させることができる。
塗布等のウェットプロセスで積層する工程の場合では、下層が上層の塗布液に溶解しないことが好ましいため、下層を樹脂化し溶剤溶解性を劣化させることで、上層塗布を可能とすることができる。例えば、正孔輸送層をこのように架橋した有機層として、樹脂化することで、上層として発光層を塗布する際に下層の溶解、又浸透を防止することができる。
用いることのできる反応性基としては、特に限定されないが、例えば、ビニル基、エチニル基、イソシアネート基、エポキシ基等が代表的には挙げられる。
また、有機層(有機EL各機能層)の形成方法としては塗布および印刷等が好ましい。
塗布は、ダイコート法、スピン塗布、転写塗布、イクストリュージョン塗布等が使用できる。また、印刷は、スクリーン印刷、オフセット印刷、インクジェット印刷等が使用できる。表示素子としては膜が薄く、素子サイズが微小で、RGBのパターンの重ね等を考慮すると、オフセット印刷、インクジェット印刷のような高精度高精細印刷が好ましい。
各有機材料には溶解特性(溶解パラメータやイオン化ポテンシャル、極性)がそれぞれにあり、溶解できる溶剤には限定がある。またその際には溶解度もそれぞれ違うため、一概に濃度も決めることができないが、本発明において用いられる溶剤の種類は、成膜しようとする有機EL材料に応じて、前記の条件に適ったものを、公知の溶剤から選択すればよく、例えば、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素、テトラクロロエタン、トリクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、クロロトルエン等のハロゲン系炭化水素系溶剤や、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、アニソールなどのエーテル系溶剤、メタノールや、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、シクロヘキサノール,2−メトキシエタノール、エチレングリコール、グリセリン等のアルコール系溶剤、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素系溶剤、ヘキサン、オクタン、デカン、テトラリン等のパラフィン系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソプロピル、酢酸アミルなどのエステル系溶剤、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロン等のケトン系溶剤、ピリジン、キノリン、アニリン等のアミン系溶剤、アセトニトリル、バレロニトリル等のニトリル系溶剤、チオフェン、二硫化炭素などの硫黄系溶剤、また水も挙げられる。
尚、使用可能な溶剤は、これらに限るものではなく、これらを二種以上混合して溶剤として用いてもよい。
これらのうち好ましい例として、多種の有機材料で構成される各有機層の機能材料によって異なるものの、大凡については、良溶媒としては、例えば芳香族系溶剤、ハロゲン系溶剤、エステル系溶剤、エーテル系溶剤などであり、好ましくは、芳香族系溶剤、エステル系溶剤、エーテル系溶剤である。また、貧溶剤としては、アルコール系溶剤、ケトン系溶剤、パラフィン系溶剤などが挙げられ、中でもアルコール系溶剤、パラフィン系溶剤が貧溶剤である。
従って、拭き取り工程において用いられる溶剤も同様であり、各層を溶解するものが好ましいが、これらの中、本発明の低温条件(20℃以下の各温度)において、100Pa以上3000Pa以下の蒸気圧を有するものが特に好ましい。各層を溶解或いは膨潤させる溶剤として当該層を塗布・成膜するときに用いたものを基本的には用いることができるが、必ずしも同じ溶剤を用いる必然性はない。
また、有機層は、架橋する場合もあり、これにより溶解性また親和性が変わる場合もあるので、特に複数の層を同時に拭き取り除去する場合等には、試行の後適宜決定する必要がある。
また、有機ELパネルにおいて、第1、第2の2つの電極のうち、正孔の注入を行う第1の電極(陽極)に使用される導電性材料としては、4eVより大きな仕事関数をもつものが適しており、銀、金、白金、パラジウム等およびそれらの合金、酸化スズ、酸化インジウム、ITO等の酸化金属、さらにはポリチオフェンやポリピロール等の有機導電性樹脂が用いられる。透光性であることが好ましく、透明電極としてはITOが好ましい。ITO透明電極の形成方法としては、マスク蒸着またはフォトリソパターニング等が使用できるが、これに限られるものではない。
また、第2の電極(陰極)として使用される導電性物質としては、4eVより小さな仕事関数をもつものが適しており、マグネシウム、アルミニウム等。合金としては、マグネシウム/銀、リチウム/アルミニウム等が代表例として挙げられる。また、その形成方法は、マスク蒸着、フォトリソパターニング、メッキ、印刷等が使用できるが、これに限られるものではない。
また、本発明において、帯状の可撓性の基板としては、透明性樹脂フィルムが用いられる。透明性樹脂フィルムとしては、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリメチルメタアクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ナイロン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリサルホン、ポリエーテルサルフォン、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、ポリビニルフルオライド、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリビニリデンフルオライド、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリイミド、ポリプロピレン等のフィルムが挙げられる。
また支持体として、水分透過率が小さいガスバリア性の樹脂フィルムが好ましく、前記プラスチックフィルム上に、透明な厚み数nm〜数百nmの酸化珪素、窒化珪素、酸窒化珪素等透湿度の低い材料からなる薄膜を形成したフィルム、また、アルミナ蒸着膜等を形成したフィルム、また金属層を形成したフィルム等、ガスバリア性の膜を形成した透湿度の低いフィルムが挙げられる。例えば、金属蒸着フィルムである凸版印刷製、GXフィルム、テックバリア(三菱樹脂)等のシリカ蒸着フィルム、また、アルミナ蒸着フィルム等ガスバリア層を形成した上記フィルム等を用いることができる。
これらは、有機ELパネルの前記封止部材としても用いることが出来、支持体と同時に封止部材として共に用いると封止性がさらに向上し効果的である。
以下、実施例を挙げて本発明の具体的な効果を示すが、本発明の態様はこれに限定されるものではない。
〈有機ELパネル1の作製〉
(第1電極の形成)
厚さ100μm、幅200mm、長さ500mのポリエチレンテレフタレートフィルム(帝人・デュポン社製フィルム、以下、PETと略記する)を準備した。尚、帯状の可撓性基材には、予め第1電極を形成する位置を示すためにアライメントマークを設け、5×10−1Paの真空環境条件で厚さ120nmのITO(インジウムチンオキシド)をスパッタリング法により、マスクパターン成膜を行い、取り出し電極を有する10mm×10mmの大きさの第1電極を一定間隔で12列、連続的に形成し巻き取った。
(第1正孔輸送層形成)
ポリエチレンジオキシチオフェン・ポリスチレンスルホネート(PEDOT/PSS、Bayer社製 Bytron P AI 4083)を純水で70%希釈した溶液を第1正孔輸送層形成用塗布液として、PETの上全面(但し、両端の10mmは除く)に、エクストルージョン塗布機を使用し乾燥後の厚みが30nmになるように塗布した。塗布後、乾燥・加熱処理を行い、第1正孔輸送層を形成した。
塗布条件
第1正孔輸送層形成用塗布液の塗布条件は、温度は25℃、露点温度−20℃以下のNガス環境の大気圧下で、且つ清浄度クラス5以下(JIS B 9920)で行った。
(第1正孔輸送層のパターン化:拭き取り工程1)
第1正孔輸送層が形成された基材に、マイクロ波(2.45GHz)を照射して第1電極を熱パターンとしてその位置を検出して、これを位置決めマークとして用い、第1電極の取り出し電極部分の上および第1電極の周囲の不要の部分に、正孔輸送層に対してこれを膨潤させる良溶媒であるメチルエチルケトンを供給して、図4の拭き取り装置により、装置内温度10℃で1.96×10Pa程度の押圧でワイピングヘッド(押圧ロールおよびテープ状部材)の基材との相対速度が5cm/毎秒となるよう擦って、連続的に拭き取り除去した(図3(c))。尚、温度は5℃、メチルエチルケトンの蒸気圧は5℃において4173Paである。また、マイクロ波照射機は四国計測工業(株)製 μ−reactorを用いた。
第1正孔輸送層を除去後、基材は乾燥し一旦巻き取った。尚、尚溶剤の供給量は10ml/min、温度10℃で行った。
次いで、以下の通り、第2正孔輸送層、発光層、電子輸送層を順次、エクストルージョン塗布機を使用し塗布、乾燥、巻き取りを繰り返すことで形成した。搬送速度は、3m/分とした。
(第2正孔輸送層)
窒素雰囲気下で、50mgの正孔輸送材料1(下記)を10mlのトルエンに溶解した溶液をエクストルージョン塗布法により製膜した。乾燥後、窒素雰囲気下、180秒間紫外光を照射し、光重合・架橋を行い、膜厚約20nmの第2正孔輸送層を形成した。
(発光層)
第2正孔輸送層上に、PVK、ドーパント4をそれぞれ1質量%、0.1質量%含むトルエン溶液をエクストルージョン塗布法により製膜した。120℃で乾燥し、膜厚約50nmの発光層とした。
(電子輸送層)
発光層上に、0.5質量%の電子輸送材料1を含有する1−ブタノール溶液を同様にエクストルージョン塗布法により製膜した。60℃で乾燥し、膜厚約15nmの電子輸送層とした。
塗布条件は、いずれも同様に、温度は25℃、露点温度−20℃以下のNガス環境、大気圧下で、且つ清浄度クラス5以下(JIS B 9920)で行った。
(有機層のパターン化:拭き取り工程2)
巻き取った前記、第2正孔輸送層、発光層、電子輸送層が形成された基材(PET)を供給して、PET上に形成された第1電極パターンを位置決めマークとして、マイクロ波センサを用いて、位置決めを行い、第1電極の取り出し電極部分の上および第1電極(第1正孔輸送層)の周囲の不要の部分を、図4の拭き取り装置により、第2正孔輸送層、発光層に対し親和性が高い溶剤であるo−キシレン、電子輸送層に対して良溶媒である1−ブタノールをそれぞれ2:1の混合比で混合した溶剤を供給して、温度15℃、前記同様、押圧ロール(テープ状部材)の基材との相対速度が5cm/毎秒となるよう擦って連続的に拭き取り除去した。尚、ワイピングヘッドの押圧は1.96×10Paとした。拭き取り温度は、拭き取り装置内を15℃まで冷却して溶剤のトータルの供給量は20ml/minで行った。
因みに、1−ブタノールの15℃における蒸気圧は368Pa、また、o−キシレンの15℃における蒸気圧は475Paである。
これにより膨潤また溶解された3つの有機層を一度に擦って除去パターニングを行った。パターニング後、乾燥装置で乾燥し、一旦巻き取り1時間保管した。
(有機ELパネルの作製)
次いで、以下に示す条件で前記有機層の上に順次陰極バッファ層(電子注入層)、第2電極、封止層を形成し、断裁し有機ELパネルを作製し試料No.101とした。
(陰極バッファ層(電子注入層)の形成)
パターン化された有機層が形成されたロール状のPETに付けられた陽極の位置に従って電子輸送層の上および第1電極の取り出し電極を除いた周辺に、蒸着装置で5×10−4Paの真空環境条件にてLiFを用い、マスクパターン蒸着成膜して、厚さ0.5nmの陰極バッファ層(電子注入層)を積層した(図3(d)に示す如く)。
(第2電極の形成)
引き続き、同様に陰極バッファ層(電子注入層)上に第1電極の大きさに合わせ5×10−4Paの真空下にてアルミニウムを使用し蒸着法にてマスクパターン成膜し、厚さ100nmのアルミニウム層からなる第2電極を積層し有機EL素子を作製した。
第2電極パターンは、フィルム幅方向の12列の第1電極との間に形成される素子が、直列に連結するように、第1電極パターンの取り出し部と接続するようパターニングした(図3(d))。
次いで、作製した有機EL素子のPETに付けられたアライメントマークを検出し、アライメントマークの位置に従って第1電極および第2電極の引き出し電極の端部を除いて発光領域および発光領域の周辺に紫外線硬化型の液状接着剤(エポキシ樹脂系)を使用し、厚さ30μmで塗設した。
(封止部材の貼合)
この後、封止フィルム(凸版印刷 GXフィルム:厚み100μm)を、準備した有機EL素子の液状接着剤塗設面にロールラミネータ法により積重し、大気圧環境化にて押圧0.1MPaでロール圧着した後、波長365nmの高圧水銀ランプを、照射強度5〜20mW/cm、距離5〜15mmで1分間照射し固着させ貼合した。
(断裁)
次いで、作製した複数の有機ELパネルが連続的に繋がった状態のものを個別の有機ELパネルの大きさに、アライメントマークを検出し、アライメントマークの位置に従って断裁し、有機ELパネル1を作製した。
〈比較パネル2〜11の作製〉
第1正孔輸送層のパターン化(拭き取り工程1)および有機層のパターン化(拭き取り工程2)について、溶剤の種類、また拭き取り温度を表1に示すように変えて、同様に有機層の拭き取りによるパターニングを行って、それ以外は同様にして有機ELパネル2〜11を作製した。
さらにパネル1、またパネル11の作製において、拭き取り工程2によって有機層を一度に拭き取りパターニングした後に、拭き取り工程3として、さらに同様の装置にて、クリーニングのための拭き取りを同じ溶剤を用いて、但し電極が露出している部分であるため押圧は4.91×10Paとし温度10℃で実施した以外は同様に作製した有機ELパネルをパネル12、パネル13とした。
評価
作製した各パネル1〜13について、終わり5mの箇所から抜き取った試料について、発光領域の中央部と周辺部の輝度比、ダークスポット(スポット状の非発光部)を以下に示す試験方法により試験し、以下に示す評価ランクに従って評価した結果を表2に示す。
中央部周辺部の輝度比の測定
定電圧電源を用いて、直流5Vを印加し、その時、各有機EL素子において、中央部と外周部における輝度を測定しその比を測定した。当初輝度比には差がなかったが、100時間通電し続けたところ、中央部の輝度に比べ周辺部の輝度が低下した。この周辺部の輝度低下を相対値で表した。
(中央部周辺部の輝度比)
○:中央部の輝度に対し90%以内の輝度であった。
△:中央部に対し90%未満80%以上の輝度であった。
×:中央部に対し80%未満の輝度であった。
(ダークスポット(スポット状の非発光部)の発生数の測定方法)
定電圧電源を用いて、有機ELパネルに直流5Vを印加し、ダークスポットの有無についてルーペ(倍率8倍)を用い、目視にて観察した。発光領域全てで測定を行い、ダークスポットの数を目視で測定した。
ダークスポット(スポット状の非発光部)の評価ランク
◎:ダークスポットの発生が全くない。
○:ダークスポット1個以上、5個未満
△:ダークスポット5個以上、20個未満
×:ダークスポット20個以上
拭き取り時の温度が20℃以下の場合に、中央部周辺部の輝度比またダークスポットとも良好な特性であることがわかる。特に、蒸気圧も3000Pa以下となる場合には、また、再度のクリーニングのための拭き取りを行ったパネルについては、輝度比、またダークスポット特性がよく、即ち拭き取りパターニングにおいて残渣が残らずバリ等もないため、良好な特性を示している。拭き取り工程1を低温としたものは特に良好であった。
1 有機ELパネル
101 可撓性基材
102、4 陽極(第1電極)
102a、107a、4a 取り出し電極
103、5 正孔輸送層
104 発光層
105 電子輸送層
106 陰極バッファ層(電子注入層)
107 陰極(第2電極)
108 接着剤層
109 封止部材
11 基台
12 拭き取りユニット
15 テープ状部材15
16 送り出しロール
17 巻き取りロール
19 供給パイプ
21 押圧ロール
22 シリンダ

Claims (3)

  1. 基板上に、陽極、少なくとも有機発光材料からなる発光層を含む有機層、および陰極を積層して成る積層体を有する有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法において、前記製造方法が、当該有機層形成後に、当該有機層の一部を、溶剤により拭き取り除去する工程を有し、前記拭き取り除去する工程の全てが20℃以下の環境で行われることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
  2. 前記溶剤により拭き取り除去する工程を、15℃以下の環境下で行うことを特徴とする請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
  3. 前記溶剤が、前記環境下において、3000Pa以下の蒸気圧を有するものであることを特徴とする請求項1または2に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
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