JPWO2008149768A1 - 有機エレクトロルミネッセンス発光素子および製造方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、曲面形状を利用して、可撓性を有する屈曲性の基板に張力をかけながら固定することで曲面形状の上で2枚の基板同士を密着させ、貼合力を得て、貼合する基板同士の均一な密着性をうる有機EL素子の製造方法を提供する。本発明の製造方法は、曲率をもつ剛性基板、第1電極層を有する屈曲性の第1基板、光透過性のある第2電極層を有する屈曲性の第2基板があり、第1、第2の少なくとも一方の基板の電極層上に、少なくとも1層の有機層を有し、前記曲率をもつ剛性基板上の凸面側に前記第1基板を設置し、さらに前記第2基板を、それぞれ第1電極層と第2電極層が有機層を挟むように設置し、第2基板に張力が生じるように、第2基板の対向する両端部を第1基板または剛性基板上に固定させ、前記曲率をもつ剛性基板上に、前記第1基板、前記第2基板を貼合させた状態で保持することを特徴とする。

Description

本発明は、曲率をもった基板上に、貼合法によって有機エレクトロルミネッセンス発光素子を作製する有機エレクトロルミネッセンス発光素子の製造方法および該製造方法によって製造された有機エレクトロルミネッセンス発光素子に関する。
有機エレクトロルミネッセンス(EL)発光素子は、電極と電極の間を厚さわずか0.1μm程度の有機材料の膜で構成する全固体素子であり、なおかつその発光が2〜20V程度の比較的低い電圧で達成できることから、次世代の平面ディスプレイや照明として期待されている技術である。
さらに、最近発見されたリン光発光を利用する有機ELでは、以前の蛍光発光を利用するものに比べ原理的に約4倍の発光効率が実現可能であることから、その材料開発をはじめとして、発光素子の層構成や電極の研究開発が世界中で行われている。
また、有機EL発光素子の構成は、透明電極と対向電極に有機層が挟まれただけの単純なものであり、平面ディスプレイの代表である液晶ディスプレイに比べ、部品点数が圧倒的に少ないため、製造コストも低く抑えられるはずであるが、現状では必ずしもそうではなく、性能的にもコスト的にも液晶ディスプレイに大きく水をあけられている。
特にコストに対しては、生産性の悪さがその要因と考えられる。
現在商品化されている有機EL発光素子の殆どが、低分子材料を蒸着して成膜する、いわゆる蒸着法で製造されている。この蒸着法は精製が容易な低分子化合物を有機EL材料として用いることができること、高純度材料が得やすいこと、さらに積層構造を作るのが容易なことから、効率、寿命という面で非常に優れている。反面、10−4Pa以下という高真空条件下で蒸着を行うため、成膜する装置に制約が加わり、実際には小さい面積の基板にしか適用できず、さらに複数層積層するとなると成膜に時間がかかりスループットが低いことが欠点である。特に照明用途や大面積の電子ディスプレイに適用する場合は問題となり、有機EL発光素子がそのようなアプリケーションに実用されていないひとつの原因となっている。
それに対し高分子系では、有機EL素子の有機化合物層をスピンコート、インクジェット、印刷、スプレーといった塗布プロセスにより製造することができる。
これは、大気圧下で製造することができるため、低コスト化が可能であるが、有機EL素子の有機層を製膜する際には、必要な材料(高分子材料および/または低分子材料)を溶液調製して薄膜に塗布するため、複数の有機材料を精密に混合できる(例えば、発光ホスト材料に対するドーパント量等の調整がしやすい等)ことから、素子を大面積化しても発光ムラができにくいという特徴がある。また、製造コストの面でも非常に有利であるが、一般的な製造工程においては、有機層を成膜した後形成される対向電極は、蒸着またはスパッタリングなど真空プロセスでの生産となるため、結局その工程がボトルネックとなり革新的な生産プロセスになり得ていない。また、前記蒸着系とは対照的に、高分子材料の純度があげられないこと、積層が難しいことなど発光性能上は蒸着系に及ばないのが実状であり、殆ど実用には供されていない。
上記は、主に材料に帰因する製造方式の違いであるが、素子を形成する方法自体に着目すると、
(A)電極基板上に薄膜を逐次形成して行く方法(逐次成膜法)と、
(B)電極基板上と対向電極基板の2つに適宜薄膜を形成した後に貼合する方法(貼合法)、とがある。
貼合法の利点は、
(1)逐次製膜法では最後に成膜する対向電極を予め準備しておけること、
(2)基板にフィルムを用いることでロールツウロール方式での連続生産が可能になること、
(3)接合面を有機層同士にすれば有機層の積層が容易にできること、
などが挙げられる。
特に(1)や(2)は生産性を飛躍的に改善する原動力になり、もし技術が完成すれば有機EL発光素子の最大の問題点であった製造コストを大幅に低減することも可能になると思われる。
一方、ロールツウロール方式は貼合方式以外でもその技術が開示されている。
例えば、特許文献1では、正孔輸送材料を、リボン状にリールに巻かれた電極基板上にインクジェット法により連続して成膜する方法が記載されているが、この場合も前記高分子塗布方式で記載したように対向電極の形成が結局真空プロセスになってしまうために、ロールツウロール方式のメリットが大幅に目減りしてしまい実質それほど生産性は向上しない。
〈貼合方式の技術課題〉
このように、貼合方式は生産性を革新的に改善する有効な技術手段ではあるが、現在のところ、この方式で作製された有機EL素子は、性能上の問題を抱え、また、的確なブレークスルーが見つかっておらず、発展途上にあるといった状態である。
その理由はいくつかあるが、原理的に考えてみると貼合したときの接合面が必ずしも分子レベルで密着しておらず、結果としてキャリア移動が円滑に行えなくなる、さらに、接合面が剥離し、発光素子として機能しなくなること等が要因であると予想される。
特に接合面の剥離は、ロールツウロール方式でも変わらず、巻き取り工程が存在するため、その際に剥離がおきやすく製造上大きな問題となる。また、基板をフィルムやプラスチック基材など可撓性基材にしたときには使用時に素子が破壊されてしまうという致命的な欠陥を引き起こす恐れがある。
〈貼合方式の従来技術〉
このような観点から貼合時の接合不良を改善する技術がいくつか開示されている。
例えば特許文献2には、両方の接合層を同じ材料で構成することで、層間の密着性を向上させる技術が、また、特許文献3では2つの接合面を、湿式法で作製したのち完全に乾燥していない状態で貼合する技術が紹介されている。しかしながら、両方ともに接合面での密着性は不十分であり根本的な解決とはなっていない。
その他にも、例えば特許文献4には、接合面に高分子バインダーを存在させ、かつ、素子周囲を接着または融着して接合面の密着性を向上させる技術が、特許文献5では同様の技術思想を、発光層を転写法で作る技術と組合せ、リン光発光にも適用できることが記載されている。
周囲を接着することは、素子駆動中の水分や酸素の悪影響を低減し発光寿命を向上させることには寄与するが、前記接合面剥離を根本的に解決できる技術手段ではない。
薄膜界面の剥離は、貼合法だけの問題ではない。
現在商品化されている有機EL発光素子は全てガラスが基板になっている可撓性のない発光素子であるが、前記の如く、全固体素子である有機EL発光素子はフィルムなどの可撓性を有する基板への適用が可能(いわゆるフレキシブルディスプレイの実現)であることが大きな特徴である。
現状では、可撓性基材のガスバリア性が不十分なことが、その実用化を遅らせているといわれるが、それ以外の課題として、有機層と対向電極層との剥離も大きな課題である。
この課題は、現状が可撓性のない素子であるため、顕在化した課題としてあまり取り上げられていないが、原理上、有機物と対向電極を形成する金属との接着性は低く、根本的な問題である。
また、通常適用されている逐次成膜法では、発光層やキャリア輸送・注入層などの有機層を成膜した後に、対向電極(通常は陰極、具体的にはAlやCa、Baなどの仕事関数の小さい金属)を成膜することになるが、そのとき、すでに成膜されている有機層にダメージを与えてしまうと、有機EL素子の発光特性や発光寿命などが大きく劣化するという問題点がある。つまり、対向電極と有機層界面の密着性を向上させるために対向電極を強いエネルギー状態で成膜することは不可能であり、実質上、真空蒸着や、穏和な条件下でのスパッタリングで成膜するしかすべがない状況である。
この問題点を解決する手段として、対向電極に最も近い有機層の上に、半導体材料や金属からなる緩衝層を設ける技術が、特許文献6や特許文献7等に開示されている。
確かにこのような緩衝層を間に入れることで、対向電極成膜時のダメージを低減することは可能ではあるが、製造プロセス的には負荷が増えることになり、生産性の面から決して好ましいものではない。
この観点から、貼合法の製造プロセスを考えてみる。
貼合は必要な層を全部成膜した後に行われるため、透明電極や対向電極の成膜は最初に行われることになる。
金属や金属酸化物を成膜する際は、性能のよい膜とするために、堆積させるときまたは製膜後に高いエネルギーを印加することが望まれるが、貼合法はそれを可能にするひとつの手段であると考えることもできる。
つまり、貼合する際の接合面を有機層同士にするとすれば、透明電極と対向電極はそれぞれ性能や生産性の面で最も相応しい方法で予め成膜しておくことができる。
その上に適宜有機層を積層して貼合すれば、前記接合面での不具合さえ改善してやれば、性能的にも製造プロセス的にも良好な革新的な方法になりうるものである。
貼合法の問題点として、先に接合面での不具合を挙げた。この問題に対し鋭意検討した結果、例えば有機層同士を接合する際には、その接合界面でのキャリア移動が面全体に均一ではなく局所的にキャリアが流れやすい部分と流れにくい部分ができやすいことがわかってきた。特に、有機層界面で発光する蛍光方式はその挙動が顕著であり、発光ムラが起こりやすいことがわかった。
一方、リン光方式は、蛍光方式とは異なり、発光層内部に発光領域をもつためか、比較的このような現象がおき難く、特に、発光層の有機層全体における相対的な膜厚比率を上げたときや、発光層の膜厚を厚くしたとき、また、発光層同士を接合する発光層2層としたときなどは、顕微鏡観察でもわからないくらい発光ムラを抑えることが可能であることがわかった。
これは、貼合法の最大の難点である、接合界面でのキャリア移動が遅くなるという現象を、逆に有効活用した技術であり、今までに類をみない画期的な発見であるといえる。
特開2005−327667号公報 特開2002−203675号公報 特開平9−306667号公報 特開平9−7736号公報 特開2004−79300号公報 特開2005−243411号公報 特開2005−183013号公報
有機EL素子を貼合法にて作製するには以上のような利点があるが、実際に貼合素子を作るうえでは、貼合において貼合面の均一な密着性が必要となる。
2枚の基板を貼りあわせ作製する構造の有機EL素子は、それぞれが分離しないように固定する必要があるが、接着などにより有機層以外の部分を結合させても、素子部(有機層部)が浮き上がってしまう恐れがある。
均一な密着性を得るには、有機層のTg以上に加熱し結合させる方法も考えられるが、ポリマー材料の場合Tgが高く、フレキシブル基盤としても用いられる樹脂基板の耐熱性が課題となる。
また、機械的圧着の場合、大面積の発光部をもっているとき、全体を均一に圧着することが難しい。
従って本発明の目的は、曲面形状を利用して、可撓性を有する屈曲性の基板(フレキ基板)を、張力をかけながら固定することで曲面形状の上で2枚の基板同士、または曲面とフレキ基板を密着させ、貼合力を得ることで、貼合する基板同士が均一な密着性をもつ、曲面を有する有機EL素子の新たな製造方法およびその形状(形態、構造)を得ることにある。
本発明の上記目的は以下の手段により達成される。
(1)曲率をもつ剛性基板、第1電極層を有する屈曲性の第1基板、光透過性のある第2電極層を有する屈曲性の第2基板があり、第1、第2の少なくとも一方の基板の電極層上に、少なくとも1層の有機層を有し、
前記曲率をもつ剛性基板上の凸面側に前記第1基板を設置し、さらに前記第2基板を、それぞれ第1電極層と第2電極層が有機層を挟むように設置し、
第2基板に張力が生じるように、第2基板の対向する両端部を第1基板または剛性基板上に固定させ、
前記曲率をもつ剛性基板上に、前記第1基板、前記第2基板を貼合させた状態で保持することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス発光素子。
(2)曲率をもつ剛性基板、第1電極層を有する屈曲性の第1基板、光透過性のある第2電極層を有する屈曲性の第2基板、光透過性の屈曲性の第3基板があり、第1、第2の少なくとも一方の基板の電極層上に、少なくとも1層の有機層を有し、
曲率をもつ剛性基板上の凸面側に前記第1基板を設置し、さらに前記第2基板を、第1電極層と第2電極層が有機層を挟むように設置し、その上に前記第3基板を設置し、
第3基板に張力が生じるように、第3基板の対向する両端部を第1基板または剛性基板上に固定させ、
前記曲率をもつ剛性基板上に、前記第1基板、前記第2基板を貼合させた状態で保持することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス発光素子。
(3)曲率をもつ剛性基板であって第1電極層を有する第1基板、光透過性のある第2電極層を有する屈曲性の第2基板があり、第1、第2の少なくとも一方の基板の電極層上に、少なくとも1層の有機層を有し、
第1基板である前記曲率をもつ剛性基板上の凸面上に、前記第2基板を、第1電極層と第2電極層が有機層を挟むように設置し、
第2基板に張力が生じるように、第2基板の対向する両端部を前記第1基板に固定させ、前記第1基板、前記第2基板を貼合させた状態で保持することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス発光素子。
(4)曲率をもつ剛性基板であって第1電極層を有する第1基板、光透過性のある第2電極層を有する屈曲性の第2基板、光透過性の屈曲性の第3基板があり、第1、第2の少なくとも一方の基板の電極層上に、少なくとも1層の有機層を有し、
第1基板である前記曲率をもつ剛性基板上の凸面上に、前記第2基板を、第1電極層と第2電極層が有機層を挟むように設置し、その上に前記第3基板を設置し、
第3基板に張力が生じるように、第3基板の対向する両端部を前記第1基板に固定させ、前記第1基板、前記第2基板を貼合させた状態で保持することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス発光素子。
(5)張力が生じるように配置する基板両端の固定部の少なくとも一方に、弾性部材からなる張力発生手段を備えたことを特徴とする前記1〜4のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス発光素子。
(6)前記剛性基板が、光透過性または光反射性であることを特徴とする前記1〜5のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス発光素子。
(7)前記剛性基板が、特定の波長を透過または反射させることを特徴とする前記1〜5のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス発光素子。
(8)円筒状剛体で表面に第1電極層を有する第1筒状基板、光透過性の第2電極層を有する屈曲性の第2基板があり、少なくとも一方の基板の電極層上に、少なくとも1層の有機層を有し、
前記第1筒状基板の外表面側に、前記第2基板を、第1電極層と第2電極層が間に有機層を挟むように設置し、
第2基板に張力が生じるように、基板終端部を前記第1筒状基板に接合させ、
前記第1筒状基板、前記第2基板を貼合させた状態を保持することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス発光素子。
(9)円筒状剛体基板、第1電極層を有する屈曲性の第1基板、光透過性のある第2電極層を有する屈曲性の第2基板があり、第1、第2の少なくとも一方の基板の電極層上に、少なくとも1層の有機層を有し、
円筒状剛体基板上の外表面側に前記第1基板を設置し、前記第2基板を、第1電極層と第2電極層が有機層を挟むように設置し、
前記第2基板に張力が生じるように、基板終端部を第1基板または円筒状剛体基板に接合させ、前記第1基板、前記第2基板を貼合させた状態を保持することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス発光素子。
(10)第1基板、第2基板がともに透明基板であり、円筒状剛体基板に複数巻きされていることを特徴とする前記9に記載の有機エレクトロルミネッセンス発光素子。
(11)円筒状剛体基板が光透過性または光反射性であることを特徴とする前記8〜10のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス発光素子。
(12)円筒状剛体基板が特定の波長を透過または反射させることを特徴とする前記11に記載の有機エレクトロルミネッセンス発光素子。
(13)前記8〜12のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス発光素子の製造方法であって、円筒状剛体基板に、円筒状剛体基板からみて最も外側に設置した屈曲性の基板をこれに張力をかけながら巻きつけ、前記基板終端を円筒状剛体基板または前記屈曲性の基板の内側に設置された別の屈曲性基板に固定することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス発光素子の製造方法。
本発明により、曲面を有する(湾曲した)有機エレクトロルミネッセンス(EL)素子を、塗布、貼合法により得るときに、剛体曲面基材上において、貼合する屈曲性(柔軟性)の基板にテンションをかけ圧力に転化して、これを貼合する、フレキ基板を用いた、塗布、貼合法による均一な密着性を有する有機EL素子の製造方法を得る。
曲率をもつ剛性基板上に有機EL発光素子を形成するプロセスを示す断面図である。 請求の範囲第2項に記載の実施形態による有機EL発光素子を形成するプロセス示す図である。 請求の範囲第3項に記載の実施形態による有機EL発光素子を形成するプロセス示す図である。 請求の範囲第8項に記載の実施形態による筒状の有機EL発光素子を形成するプロセス示す図である。 請求の範囲第9項に記載の実施形態を示す概略図である。 好ましい実施の形態における円筒剛体基板を用いた有機EL発光素子を形成するプロセスの概略図である。
符号の説明
1 剛性基板
2 円筒状剛体基板
A 第1基板
B 第2基板
C 第3基板
以下、本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。
本発明は、曲率をもつ剛性基板、第1電極層を有する屈曲性の第1基板、光透過性のある第2電極層を有する屈曲性の第2基板があり、第1、第2の少なくとも一方の基板の電極層上には、少なくとも1層の有機層を有し、
前記曲率をもつ剛性基板の凸面側に前記第1基板を設置し、さらに前記第2基板を、それぞれ第1電極層と第2電極層が間に有機層を挟むように設置し、
第2基板に張力が生じるように、第2基板の対向する両端部を第1基板または剛性基板上に固定させて、
前記曲率をもつ剛性基板上に、前記第1基板、前記第2基板が貼合された状態で保持されることを特徴とする有機EL発光素子である。
製造される有機EL発光素子の形状(形態)として、前記の曲率、また剛性基板、屈曲性の第1基板、第2基板等にそれぞれ幾つかの好ましい形態があり、それぞれについて、以下、順次、好ましい実施形態により説明する。
(好ましい実施形態)
所定の曲率をもつ剛性基板上に剛性基板と同じ曲率をもつように有機EL素子を形成する方法について以下説明する。
先ず、屈曲性の第1基板、屈曲性の第2基板について説明する。
本発明の有機EL素子は、第1電極層を有する屈曲性の第1基板、第2電極層を有する屈曲性の第2基板を密着・貼合することで製造される。2枚の基板を貼合することで有機EL素子が形成されるので、各基板上には、貼合されたとき、有機EL発光素子を形成するに必要な有機層が、適正に積層された状態であることが要求される。
例えば、有機層構成が、陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極からなる有機EL素子を形成する場合、第1基板として、屈曲性の支持体上に、例えば、第1電極層(陰極)/電子輸送層/発光層と形成したものを準備する。
また、同じく、屈曲性の支持体上に光透過性のある第2電極層(陽極)/正孔輸送層/発光層を積層した第2基板を作製する。
2つの基板を有機層が支持体間に挟持されるよう、即ち電極同士が対向するように重ね、密着・貼合することで前記の層構成を有する有機EL素子が形成される。
有機EL各層のどの位置で貼合するかは任意であり、例えば第1基板として、屈曲性の支持体上に、陰極層/電子輸送層を積層し、第2基板として、屈曲性の支持体上に、陽極層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層を積層して貼合してもよい。
また、上記では、同一層同士が貼合されるよう構成しているが、例えば異なった層同士を貼合する形態、例えば、例えば第1基板として、屈曲性の支持体上に、陰極層/電子輸送層を積層し、第2基板として、屈曲性の支持体上に、陽極層/正孔輸送層/発光層を積層し、貼合してもよい。
また、一方の基板のみに有機層を形成し貼合してもよい。この場合第1基板、第2基板のどちらかに有機層を全て配置し、他方は電極層のみの構成となる。
さらには、有機EL発光素子の有機層構成は上記の他にも種々提案されており、例えば、支持体上に、陽極/正孔注入・輸送層/発光層/電子注入・輸送層/陰極等、最も単純には、陽極/発光層/陰極等の層構成からなる形態もあり、どのような形態においても、いずれかの層間で分離し第1基板、第2基板を作製して、これを貼合することで同様に実施できるものである。これら有機EL素子における各有機層、各薄膜の膜厚は、1nm〜数μmの範囲に亘るが、これらの有機層が第1基板そして第2基板上にそれぞれ分けて形成され、貼合することで、本発明の有機EL素子は形成される。
なお、上記各機能層については、公知文献を参照できる。
従って、以下の製造プロセスの説明において用いられる第1基板、第2基板において、各基板上の有機層構成は、上記有機EL層構成のいかなる部分で分離されたものであってもよい。
有機EL素子は、電極間に単数または複数の有機層を積層した構成であり、例えば、前記のような構成を有し、上記以外にも電子阻止層、また正孔阻止層、またバッファー層等適宜必要な層が所定の層順で積層され、両極から注入された正孔および電子等のキャリア移動がスムースに行われるよう構成されている。
有機EL素子を構成するこれら各有機層において、発光層中に含有される有機発光材料としては、カルバゾール、カルボリン、ジアザカルバゾール等の芳香族複素環化合物、トリアリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、ポリアリーレン、芳香族縮合多環化合物、芳香族複素縮合環化合物、金属錯体化合物等およびこれらの単独オリゴ体または複合オリゴ体等が挙げられるが、本発明においてはこれに限られるものではなく、広く公知の材料を用いることができる。
また発光層中(成膜材料)には、好ましくは0.1〜20質量%程度のドーパントが発光材料中に含まれてもよい。ドーパントとしては、ペリレン誘導体、ピレン誘導体等公知の蛍光色素等、また、リン光発光タイプの発光層の場合、例えば、トリス(2−フェニルピリジン)イリジウム、ビス(2−フェニルピリジン)(アセチルアセトナート)イリジウム、ビス(2,4−ジフルオロフェニルピリジン)(ピコリナート)イリジウム、などに代表されるオルトメタル化イリジウム錯体等の錯体化合物が同様に0.1〜20質量%程度含有される。
りん光発光方式は、発光層内部に発光領域をもつためか、比較的発光ムラが起こりづらく、貼合法の最大の難点である接合界面でのムラや、キャリア移動が遅くなるという現象を起こしにくいため、貼合法との相性がよい。発光層の膜厚は、1nm〜数百nmの範囲に亘る。
正孔注入・輸送層中に用いられる材料としては、フタロシアニン誘導体、ヘテロ環アゾール類、芳香族三級アミン類、ポリビニルカルバゾール、ポリエチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホン酸(PEDOT:PSS)などに代表される導電性高分子等の高分子材料が、また、発光層に用いられる、例えば、4,4′−ジカルバゾリルビフェニル、1,3−ジカルバゾリルベンゼン等のカルバゾール系発光材料、(ジ)アザカルバゾール類、1,3,5−トリピレニルベンゼンなどのピレン系発光材料に代表される低分子発光材料、ポリフェニレンビニレン類、ポリフルオレン類、ポリビニルカルバゾール類などに代表される高分子発光材料などが挙げられる。
電子注入・輸送層材料としては、8−ヒドロキシキノリナートリチウム、ビス(8−ヒドロキシキノリナート)亜鉛等の金属錯体化合物もしくは以下に挙げられる含窒素五員環誘導体がある。即ち、オキサゾール、チアゾール、オキサジアゾール、チアジアゾールもしくはトリアゾール誘導体が好ましい。具体的には、2,5−ビス(1−フェニル)−1,3,4−オキサゾール、2,5−ビス(1−フェニル)−1,3,4−チアゾール、2,5−ビス(1−フェニル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−(4′−tert−ブチルフェニル)−5−(4″−ビフェニル)1,3,4−オキサジアゾール、2,5−ビス(1−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール、1,4−ビス[2−(5−フェニルオキサジアゾリル)]ベンゼン、1,4−ビス[2−(5−フェニルオキサジアゾリル)−4−tert−ブチルベンゼン]、2−(4′−tert−ブチルフェニル)−5−(4″−ビフェニル)−1,3,4−チアジアゾール、2,5−ビス(1−ナフチル)−1,3,4−チアジアゾール、1,4−ビス[2−(5−フェニルチアジアゾリル)]ベンゼン、2−(4′−tert−ブチルフェニル)−5−(4″−ビフェニル)−1,3,4−トリアゾール、2,5−ビス(1−ナフチル)−1,3,4−トリアゾール、1,4−ビス[2−(5−フェニルトリアゾリル)]ベンゼン等が挙げられる。
有機EL素子、各有機層の膜厚は、0.05〜0.3μm程度必要であり、好ましくは0.1〜0.2μm程度である。
また、有機層(有機EL各機能層)の形成方法としては塗布および印刷等が好ましい。
塗布は、スピン塗布、転写塗布、イクストリュージョン塗布等が使用できる。材料使用効率を考慮すると、転写塗布、イクストリュージョン塗布のようなパターン塗布できる方法が好ましく、特に転写塗布が好ましい。
また、印刷は、スクリーン印刷、オフセット印刷、インクジェット印刷等が使用できる。表示素子としては膜が薄く、素子サイズが微小で、RGBのパターンの重ね等を考慮すると、オフセット印刷、インクジェット印刷のような高精度高精細印刷が好ましい。
各有機材料には溶解特性(溶解パラメータやイオン化ポテンシャル、極性)がそれぞれにあり、溶解できる溶媒には限定がある。またその際には溶解度もそれぞれ違うため、一概に濃度も決めることができないが、本発明において用いられる溶媒の種類は、成膜しようとする有機EL材料に応じて、前記の条件に適ったものを、公知の溶媒から選択すればよく、例えば、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素、テトラクロロエタン、トリクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、クロロトルエン等のハロゲン系炭化水素系溶媒や、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、アニソールなどのエーテル系溶媒、メタノールや、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、シクロヘキサノール,2−メトキシエタノール、エチレングリコール、グリセリン等のアルコール系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素系溶媒、ヘキサン、オクタン、デカン、テトラリン等のパラフィン系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミルなどのエステル系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロン等のケトン系溶媒、ピリジン、キノリン、アニリン等のアミン系溶媒、アセトニトリル、バレロニトリル等のニトリル系溶媒、チオフェン、二硫化炭素などの硫黄系溶媒が挙げられる。
なお、使用可能な溶媒は、これらに限るものではなく、これらを二種以上混合して溶媒として用いてもよい。
これらのうち好ましい例としては、有機EL材料において、各機能層材料によっても異なるものの、大凡について、良溶媒としては、例えば芳香族系溶媒、ハロゲン系溶媒、エーテル系溶媒などであり、好ましくは、芳香族系溶媒、エーテル系溶媒である。また、貧溶媒としては、アルコール系溶媒、ケトン系溶媒、パラフィン系溶媒などが挙げられ、なかでもアルコール系溶媒、パラフィン系溶媒である。
本発明においては、予め、第1基板上に第1電極、また第2基板上に第2電極を形成しておくことが好ましく、電極形成には、蒸着等最適のプロセスを用いることができる。電極の形成は、屈曲性の基版として樹脂フィルムを用い、ロールツウロール形態で形成することが好ましい。
2つの電極のうち、正孔の注入を行う陽極に使用される導電性材料としては、4eVより大きな仕事関数をもつものが適しており、銀、金、白金、パラジウム等およびそれらの合金、酸化スズ、酸化インジウム、ITO等の酸化金属、さらにはポリチオフェンやポリピロール等の有機導電性樹脂が用いられる。透光性であることが好ましく、透明電極としてはITOが好ましい。ITO透明電極の形成方法としては、マスク蒸着またはフォトリソパターニング等が使用できるが、これに限られるものではない。
また、陰極として使用される導電性物質としては、4eVより小さな仕事関数をもつものが適しており、マグネシウム、アルミニウム等。合金としては、マグネシウム/銀、リチウム/アルミニウム等が代表例として挙げられる。また、その形成方法は、マスク蒸着、フォトリソパターニング、メッキ、印刷等が使用できるが、これに限られるものではない。
また、本発明において、屈曲性の基板としては、透明性樹脂フィルムが用いられる。透明性樹脂フィルムとしては、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリメチルメタアクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ナイロン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリサルホン、ポリエーテルサルフォン、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、ポリビニルフルオライド、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリビニリデンフルオライド、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリイミド、ポリプロピレン等のフィルムが挙げられる。
また屈曲性がある金属の薄板等も光透過性を必要としない場合使用可能である。
また、本発明において、曲面をもった有機EL発光素子の作製に用いられ、又その構造の一部を構成する剛性基板、円筒状剛性基板を構成する材料としては、光透過性のもの、また光透過性のないものいずれでもよく、光透過性のガラス、また樹脂からなる成型体や、樹脂からなる成型体でも光透過性のないもの、また光反射性の金属材料からなる成型体、金属の筒などが用いられる。剛性基板、あるいは円筒状剛性基板はこれに屈曲性のシートを重ね張力をかけてこれを貼合圧に転化するため、剛性を有することが必要であり、張力によって撓んだり、変形しない材料で形成される。
従って、請求の範囲1に記載された発明は、例えば、ガラス製等の曲率をもつ剛性基板、厚み200μmの樹脂シート等で形成された第1電極層を有する屈曲性の第1基板、同じく光透過性の樹脂シートで、第2電極層を有する屈曲性の第2基板をそれぞれ用意し、第1、第2基板の少なくとも一方の基板の電極層上に、少なくとも1層の有機層を有するように構成する。それぞれの有機層は、貼合されたときに有機EL素子を構成するように2つの基板上に分けて形成されている。例えば、第1基板上にアルミニウム蒸着層からなる第1電極(陰極)/電子輸送層/発光層を形成し、第2基板上にはスパッタで形成したITO薄膜を第2電極(陽極)/正孔輸送層/発光層と形成する。なお、第1、第2の基板上に形成する発光層は同組成である。
各基板は、電極については、蒸着あるいはスパッタ等、最適な方法でそれぞれ形成することができ(連続してロール形状での形成も可能である)、その後に、各有機層を塗布によりそれぞれ形成できる。
このような第1電極層(陰極)また有機層を有する屈曲性の第1基板、光透過性のある第2電極層(陽極)、有機層を有する屈曲性の第2基板を用意して、作製した第1基板、第2基板を、例えばガラス製の、曲率をもつ剛体基板の凸面側に、第1基板を設置する。さらに第2基板を、それぞれ第1電極層と第2電極層が、間に有機層を挟むように設置して、第2基板に張力が生じるように、第2基板の両端部を第1基板または剛性基板上に固定させる。
曲率をもつ剛性基板上に、第1、第2基板が張力によって、密着された状態で保持されることで、曲率をもった剛性基板上において、有機層間が均一に密着した状態で、第1基板、第2基板が貼合・保持されて、これにより曲率をもつ有機EL発光素子が形成される。
これを、図を用い説明する。
図1は、円筒の一部を曲率方向と直角の方向で切り取った形態をもつ、曲率をもつ剛性基板上に有機EL発光素子を形成するプロセスを、曲率が最大となる方向からみた断面図で示したものである。
剛性基板1、例えばガラス製で、曲率(指定していないが)をもった基板である。第1基板Aは、例えば、樹脂フィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚み200μm)上に、例えば、蒸着アルミニウム層(200nm)からなる第1電極層/電子輸送層/発光層を積層した構成をもつ。また、第2基板Bは、同じく、屈曲性の支持体、例えばポリエチレンテレフタレートフィルム(厚み200μm)上にITOからなる厚み150nmの第2電極層(陽極層)/正孔輸送層/そして、同じく発光層を積層した構成を有する(有機層は図では省略されている)。
これらを用いて、曲率をもった有機EL発光素子を、貼合法により以下のプロセスで作製する。
先ず、剛性基板1上に第1基板Aを、貼合したとき第1電極層側(即ち有機層側)が、第2基板B側にくるように重ねて配置する。次いで、第2基板Bをこの上に、同様に有機層側即ち第2電極側が第1基板A側となるよう配置する。配置のときには、第2基板Bに、図1においてFで示す張力をかける。
張力は剛性基板1の曲面を構成する曲率の方向に沿って第2基板を引っ張ることで与えるが、この張力Fによって第2基板Bが、第1基板Aおよび剛性基板1に対し、その面に垂直な方向に貼合圧fを生じさせる。例えば、第2基板Bの両端に引っ張り張力を与えてもよいが、例えば、第2基板Bの一方の末端を、剛性基板1に対して固定して、剛性基板1の曲面を構成する曲率の方向に沿って第2基板Bを他方の末端から引っ張ればよい。
上記のように第2基板を剛性基板1に対し剛性基板の曲率の方向に張力を加えた状態で、固定、その状態で保持することで、貼合圧fが生じ、これにより均一な密着性をもつ曲面をもつ有機EL発光素子が得られる。
必要とされる張力Fの強さは、剛性基板のもつ曲率や素子(発光面)の面積等により一概に規定できないが、貼合圧fの値として、少なくとも0.1MPa以上10MPa以下程度となるような張力であることが好ましい。張力がこれより少ないと全体に亘って均一な密着性が期待できず、また過大になると、有機層(表面)の乱れ、破壊等が起こる。
ここでは、剛性基板をガラス製として、第1基板上の第1電極を反射性電極とした陰極基板、第2基板を陽極基板、即ち、ITO透明電極を有する構成としたが、剛性基板をガラス等の透明基板として、逆に、ITO電極を有する第2基板、反射性電極を有する第1基板の順に貼合し、第1基板に張力をかけて貼合すればガラス製の剛性基板側から発光を取り出すことができ、負の曲率をもった面から発光させることができる。
次いで、図2に本発明の請求の範囲2に記載の実施形態を示す。
図2も、図1と同様に断面図で示す。前記同様に曲率をもつ金属あるいはガラス等からなる剛性基板1上に、第1電極層を有する屈曲性の第1基板A、光透過性のある第2電極層を有する屈曲性の第2基板Bを、第1電極層と第2電極層が有機層を挟むように重ねて、さらに、光透過性のやはり屈曲性(可撓性)の第3基板Cをその上に配置して、第3基板Cに張力Fをかける。張力をかけ、第3基板Cの両端部を第1基板A、または剛性基板1上に固定して、前記曲率をもつ剛性基板1上に、前記第1基板A、前記第2基板Bを貼合させた状態で保持することで、有機EL発光素子を得る。張力は前記同様に貼合圧fが少なくとも0.1MPa以上10MPa以下程度となるように張力をかけることが好ましい。
この場合、第3基板としては光透過性、屈曲性である他、水分透過率が小さいガスバリア性の樹脂フィルムであることが好ましい。これらのフィルムとしては、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリカーボネート、ポリエチレン、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリプロピレン等の前記屈曲性の支持体として挙げられたものが同様に挙げられる。
また、これらプラスチックフィルム上に、透明な厚み数nm〜数百nmの酸化珪素、窒化珪素、酸窒化珪素等透湿度の低い材料からなる薄膜を形成したフィルム、アルミナ蒸着膜等を形成したフィルム、ガスバリア性の膜を形成したフィルムが、透湿度が低いためさらに好ましい。例えば、金属蒸着フィルムである凸版印刷製、GXフィルム、テックバリア(三菱樹脂)等のシリカ蒸着フィルム、また、アルミナ蒸着フィルム等ガスバリア層を形成した上記フィルム等を用いることができる。
例えばガラス、金属等の剛性基板と、第3基板としてこのようなガスバリア性フィルムを用いこの間に第1基板、第2基板を挟持して密着・貼合することで、ガスバリア性が向上した有機EL発光素子が得られる。これにより光透過性の第2基板、第3基板を介して電界発光を取り出すことができ、曲面を有する電界発光を得ることができる。
また、前記同様に、剛性基板をガラス製として、第1基板、第2基板の貼合順を逆にして第3基板で挟持する構成とすれば、剛性基板のマイナスの曲率側(凹面)から発光を取り出すことができる。凹面側から光を取り出す上記の構成のとき、第3基板は光透過性をもつ必要はないので、例えば、金属ラミネートフィルム等が使用できる。
請求の範囲3に記載の実施形態は、剛性基板上に電極層を配置して、これを第1基板として、電極層上に有機層を配置して、これを第2基板と密着・貼合するものである。
即ち、ガラス等、曲率をもつ剛性基板であって第1電極層を有する第1基板、光透過性のある第2電極層を有する屈曲性の第2基板があり、第1、第2の少なくとも一方の基板の電極層上には、少なくとも一層の有機層が形成されており、第1基板である曲率をもつ剛性基板上の凸面上に、前記第2基板を、第1電極層と第2電極層が有機層を間に挟むように設置し、第2基板に張力が生じるように、第2基板の両端部を、曲率をもつ第1基板に固定させて、第1基板、第2基板を貼合させた状態で保持する有機EL発光素子である。図3にこれを示す。
図3図で、第1電極を有する剛性基板1上に、光透過性の第2電極側が第1電極と対向するように光透過性の第2基板Bが配置され、張力Fをかけられ、両端を剛性基板1上に固定され有機EL素子を構成する。
剛性基板1の第1電極層上または第2基板の電極層上のいずれかまたは両方に貼合後に有機EL素子を構成するように各有機層が配置されている。この場合、第2基板上に有機EL各有機層を形成する方が塗布でこれを形成できるため好ましい態様である。
密着・貼合後、第1電極、第2電極間に電位をかければ電界発光が、光透過性の第2基板を透過して観察される。貼合圧fはここでも0.1MPa以上10MPa以下程度となるように張力Fがかけられる。
第1基板となる剛性基板としては金属、ガラス等が挙げられるが、金属とする場合、例えば、曲率をもつアルミニウム板を用いればこれをそのまま反射性電極層として電極を兼ねて用いることもできる。
また、図3の実施形態において、剛性基板をガラスのような透光性の材質で構成し、これにITO等からなる透明電極層を設けて第2電極として、これに必ずしも透光性でなくともよい屈曲性のシート上に反射性の第1電極(例えばアルミニウム)を形成し、さらに有機層を形成した第1基板を、電極同士対向するように有機層を挟持して配置し、張力をかけて保持することで同じく有機EL発光素子を構成する。第1電極層、第2電極層間に電位をかけることで、ガラス製の剛性基板の凹面側から発光を取り出すことができる。
請求の範囲4に記載の実施形態は、請求の範囲3記載の形態において、第2基板Bの上に、光透過性の第3基板Cを配置して、曲率をもった面上で第3基板Cに張力が生じるように剛性基板に対して固定し、有機EL発光素子を形成するものである。
第3基板としては、請求の範囲2に記載の実施形態(図2)と同様に、光透過性、屈曲性の樹脂フィルム、また、透湿度の小さい(水分透過率の低い)ガスバリア性フィルムであることが好ましい。
上記の実施形態のいずれにおいても、第1基板、第2基板あるいは第3基板を、曲率を有する剛性基板に対して固定して、凸面側の曲率方向に沿って張力をかけるには、張力をかける基板の両端の固定部の少なくともどちらか一方に張力発生手段から張力が伝わればよい。
例えば、一方の端部を固定し他方の端部を張力発生手段に連結して所定の貼合圧fが得られるまで張力Fをあげた後、他方の端部を固定する。
勿論、両端から、所定の貼合圧が生じるまで、凸面側の曲率方向に沿って張力をかけ、所定の張力に達した後両端部を固定してもよい。
固定手段は、例えば、端部を例えば金属製のフックを用いて固定する、また、直接第2基板の端部をテープ止め、また、溶着等でもよい。
また、前記において、剛性基板は、光透過性でも光反射性でもよく、光透過性の場合には剛性基板側から発光を取り出すよう有機EL発光素子を構成可能することも可能である。
また、光反射性である場合、例えば金属等の板を用いると電極層を兼ねることができるので、構成が簡素化できる。
また、剛性基板を特定の波長を透過また反射することのできる材料とすれば、例えば白色発光に対して、色温度を変えたりするなどの調色が可能となる。また、剛性基板の曲面上において透過率、または反射率の異なった領域を設ければ、特定の文様、また、表徴、文字等を表示でき好ましい。
次に請求の範囲8に記載の実施形態について図4を用いて説明する。
ここでは、円筒状剛体上に有機EL発光素子を形成し筒状の発光体をうる。
図4に記載の形態は、円筒状剛体で表面に第1電極層を有する第1筒状基板1′、光透過性の第2電極層を有する屈曲性の第2基板Bを準備し、少なくとも一方の基板の電極層上に最低一層の有機層を有するようにする。例えば、第1筒状基板にはアルミニウム蒸着層からなる第1電極(陰極)を作製しておき、第2基板にITOからなる第2電極(陽極)、さらに有機EL素子を構成する各有機層を形成しておく。
円筒状剛体で表面に第1電極層を有する第1筒状基板1′の外表面(電極)側に、光透過性の第2電極層を有する屈曲性の第2基板Bを、第1電極層と第2電極層が、有機層を間に挟むように設置して、外側の第2基板に円筒面に沿って張力Fが生じるように、第2基板の両端部を、円筒状剛体である第1筒状基板に接合させ、第1筒状基板1′、および第2基板Bを貼合させた状態で保持して作製するものである。
円筒状剛体としては、例えば、ガラスあるいは樹脂の成型体からなるものを用い、これに第1電極層を形成して、第1筒状基板として用いる。
第1筒状基板1′、また第2基板Bの少なくともどちらか一方に有機層を配置してもよく、また、第1筒状基板1′、また第2基板Bの両方に有機層を分けて形成して貼合しても構わないが、この形態においては、第2基板B、即ち、屈曲性がある基材の上に有機層を積層形成する方が効率がよい。
この実施形態においても、前記と同じく第1筒状基板1′(円筒状剛体)に、光透過性の第2電極層を有する屈曲性の第2基板Bを、有機層を挟むように密着配置して張力Fを第2基板にかけて所定の貼合圧fを得て、両端を固定する。第1筒状基板1′上に設けられた第1電極層をアルミニウム等からなる陰極として、屈曲性の透明な光透過性の電極、例えばITO電極を陽極としてこれに有機層を保持させた第2基板Bを用いれば、円筒状の発光体(照明)が得られる。
第2基板Bは両端を重ねて張力をかけてもよく、その後両端を同時に固定すると完全円筒状の発光体(照明)が得られる。
また、ガラス、あるいは樹脂成型体からなる円筒状剛体1′(第1筒状基板)に、第1電極を設けて第1筒状基板とする代わりに、例えばアルミニウム等の金属からなる円筒状剛体をそのまま第1電極として用い(第1筒状基板)、これに有機層を積層した第2基板を貼合し有機EL発光素子を形成してもよい。
次に、請求の範囲9に記載の実施形態を図5に示す。
図5においては、円筒状剛体基板2、第1電極層を有する屈曲性の第1基板A、光透過性のある第2電極層を有する屈曲性の第2基板Bを用いる。
第1基板には例えば陰極層が形成され、第2基板には透明な例えばITOからなる陽極が形成される。そして第1、第2の少なくとも一方の基板の電極層上には少なくとも一層の有機層を有し、貼合したときに有機EL素子を構成する各有機層がそれぞれの基板の電極上に分けられて所定の順で積層されている。
円筒状剛体基板2上の外表面側に、第1電極層(陰極)を有する屈曲性の第1基板Aを設置し、さらに、光透過性のある第2電極層(陽極)を有する屈曲性の第2基板Bを、第1電極層と第2電極層が、第1、第2の少なくとも一方の基板の電極層上に形成された有機層を間に挟むように、且つ、第2基板Bに、円筒面に沿った張力が生じるように密着・配置する。
即ち、第2基板Bの両端の間に引っ張り張力を加える。この張力により貼合圧fが所定の値(前記0.1MPa〜10Mpa)に達したとき、第2基板の両端を、第1基板あるいは円筒状剛体に対し固定すれば、所定の貼合圧下において第1基板、第2基板が円筒状剛体基板上において密着された状態で保持される。
第1基板上の第1電極は通常は陰極であって、アルミニウム等の反射性金属電極とし、第2基板は透明電極であるため基材を透明な屈曲性のプラスチックフィルムとすれば、フィルム基材を通して、電界発光が観察される。
また、第1電極を陽極として、第2電極に透明な陰極材料を用いてもよい。この場合に有機層の積層順は逆になる。透明な陰極としては、例えば、アルミニウム等金属を用いその厚みを数Å〜100Å程度とした層などが挙げられる。
また、第1基板A、第2基板Bがともに透明基板のとき、例えば第1基板A上の第1電極を透明な陰極で構成すれば、第2電極はITOであり透明であるため、第2基板、第1基板を積層して、円筒状に複数回、巻きまわして後、張力(テンション)をかけて密着・固定し貼合することもできる。これにより円筒状発光体の輝度を向上させることができる。
また、第1基板A、第2基板Bに加えて、前記請求の範囲2に記載の構成のように、第3基板Cを用いて、張力をかける形態があり、同じく第3基板Cとしてガスバリア性の透明樹脂フィルムを用いることで、素子を用いた発光体の水分や酸素等、有害ガスに対する耐性を向上させることが可能である。
また、請求の範囲8、9に記載の実施形態において、円筒状剛体また円筒状剛体基板は、光透過性あるいは光反射性であってもよい。光透過性の円筒状剛体としてはガラス、また、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂等の筒状の透明樹脂成型体が挙げられ、反射性の円筒状剛体としては種々の金属から形成されたパイプが挙げられ、張力による貼合圧で変形等のないものであれば材料の種類は問わない。
第1基板上の第1電極が例えばアルミニウム等の金属の反射性電極である場合には、円筒状剛体が光透過性あるいは光反射性であるかによって電界発光の出射方向に変化はないが、円筒状剛体がガラスのような透明な材料であるとき、前記第1電極を透明なもの(例えば透明陰極)として、これを組み合わせると両電極を介して有機EL層の両界面から発光が利用でき、円筒状剛体の内面も発光し、全体が発光する蛍光灯のような発光体が得られる。
また、第1筒状基板を形成する円筒状剛体に特定の波長を透過あるいは反射させる性質をもたせれば、前記同様に、色温度調整等の発光色の調色が可能である。
従って、本発明は、請求の範囲1〜12に記載の実施形態によって限定されるものではなく、前記第1基板、また第2基板あるいは第3基板等屈曲性の基板のうち、曲率をもった剛性基板、また、円筒状剛体に対し、これらの最も外側に配置した屈曲性の基板を、これに張力をかけながら巻きつけ、あるいは貼り付け、基板末端を剛性基板、円筒状剛体、あるいは、巻きつけられた基板の内側に設置された、有機層を挟んで対向する別の屈曲性基板に固定することによって、曲面が必要な有機EL発光素子を用いた発光体(照明)を、その曲面を利用することで、貼合によって、均一に、かつ、密着性よく得るものである。
以下好ましい実施の形態をあげて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれにより限定されるものではない。
《第2基板:第2電極(陽極)層側基板》
厚さ100μmのポリエチレンナフタレートフィルム(帝人・デユポン社製フィルム、以下、PENと略記する)を用い、以下に示す方法で透明ガスバリア層と第2電極層とを形成し、ガスバリア層と第2電極層とをこの順番で有する可撓性支持体を準備した。
〈透明性ガスバリア層の形成〉
準備したPEN上に、大気圧プラズマ放電処理法を用い、テトラエトキシシラン(反応ガス)を全ガスに対し0.1%用いて、厚さ約90nmの透明ガスバリア層を形成した。JIS K−7129−1992に準拠した方法により水蒸気透過度(25±0.5℃、相対湿度(90±2%RH))を測定した結果、10−3g/(m・24h)以下であった。また、JIS K−7126−1987に準拠した方法により酸素透過率を測定した結果、10−3cm/(m・24h・atm)以下であった。
〈第2電極層の形成〉
形成した透明性ガスバリア層の上に厚さ120nmのITO(インジウムチンオキシド)を蒸着法により形成しパターニングを行って第2電極層を形成した。
〈正孔輸送層および発光層の形成〉
正孔輸送層、発光層を形成し、加熱処理した後、除電処理し、室温と同じ温度になるまで冷却した。なお、清浄度はJISB 9920に準拠し測定し、クラス5で行った。
なお、正孔輸送層は正孔輸送層形成用塗布液を、エクストルージョン塗布機を使用した湿式塗布方式により塗布・乾燥した後加熱処理を行い形成した。
また、発光層は、アライメントマークに従って湿式パターン塗布装置の位置合わせを行い、保持手段で保持した状態でパターン化して形成されている第2電極のパターンに合わせ発光層形成用塗布液を湿式パターン塗布装置により形成した。
なお、正孔輸送層形成用塗布液を塗布する前に、帯状可撓性支持体の洗浄表面改質処理を、波長184.9nmの低圧水銀ランプを使用し、照射強度15mW/cm、距離10mmで実施した。帯電除去処理は、微弱X線による除電器を使用し行った。
正孔輸送層形成用塗布液は乾燥後の厚みが30nmになるように塗布し、発光層形成用塗布液は乾燥後の厚みが50nmになるように塗布した。
(塗布条件)
正孔輸送層形成用塗布液、発光層形成用塗布液の塗布温度は、25℃とし、乾燥装置および加熱処理装置は除いた他の環境温度は25℃、大気圧条件で行った。
(乾燥および加熱処理条件)
正孔輸送層形成用塗布液を塗布した後、乾燥部ではスリットノズル形式の吐出口から製膜面に向け高さ100mm、吐出風速1m/s、幅手の風速分布5%、温度100℃で溶媒を除去した後、引き続き、加熱処理装置により温度200℃で裏面伝熱方式の熱処理を行って正孔輸送層を形成した。
発光層形成用塗布液を塗布した後、乾燥部ではスリットノズル形式の吐出口から製膜面に向け高さ100mm、温度60℃で溶媒を除去した後、引き続き、加熱処理部において温度220℃で加熱処理を行って発光層を形成した。
(正孔輸送層形成用塗布液)
ポリエチレンジオキシチオフェン・ポリスチレンスルホネート(PEDOT/PSS、Bayer社製 Bytron P AI 4083)を純水で65%、メタノールで5%希釈した溶液を正孔輸送層形成用塗布液として準備した。
(発光層形成用塗布液)
導電性ポリマーMEH−PPV(ポリ−〔2−メトキシ−5−(2′−エチルヘキシルオキシ)−1,4−フェニレンビニレン〕)を1,2−ジクロロエタン中に溶解し0.25%溶液とし有機化合物層形成用塗布液として準備した。
《第1基板:第1電極(陰極)層側基板》
厚さ100μmのポリエチレンナフタレートフィルム(帝人・デユポン社製フィルム、以下、PENと略記する)を用い、以下に示す方法で透明ガスバリア層と第1電極層とを形成し、ガスバリア層と第1電極層とをこの順番で有する可撓性支持体を準備した。
〈透明性ガスバリア層の形成〉
準備したPEN上に、第2基板と同様に大気圧プラズマ放電処理法で、厚さ約90nmの透明ガスバリア層を形成した。JIS K−7129−1992に準拠した方法により水蒸気透過率を測定した結果、10−3g/(m・24h)以下であった。JIS K−7126−1987に準拠した方法により酸素透過率を測定した結果、10−3cm/(m・24h・atm)以下であった。
〈第1電極の形成〉
帯状可撓性支持体を使用し、第2電極形成用材料としてMgおよび酸化防止としてAgを使用し、5×10−4Paの真空下にて第1電極形成気相堆積装置でMgとAgを9:1の製膜レートで共蒸着した。膜厚は100nmとした。
〈電子輸送層および発光層の形成〉
エクストルージョン塗布機を使用した湿式塗布方式により、電子輸送層形成用塗布液、発光層形成用塗布液を用いて、前記帯状可撓性支持体上に形成された第2電極上にそれぞれ、電子輸送層、発光層を形成した。
電子輸送層形成用塗布液は、BCP(20mg)をトルエン10mlの比率で溶解した溶液を用いた。
また、発光層は、前記発光層形成用塗布液と同じものを用いた。
なお、電子輸送層形成用塗布液を塗布する前に、同様の洗浄表面改質処理、帯電除去処理を実施した。また、電子輸送層形成用塗布液は乾燥後の厚みが10nmになるように塗布し、発光層形成用塗布液は乾燥後の厚みが30nmになるように塗布した。
なお、塗布条件、乾燥条件は第2基板を作製するときと同様の条件で行った。
また、発光層形成、乾燥後、発光層は、加熱処理部において温度220℃で加熱処理を行った。
《剛性支持部材(芯)の準備》
素子作製に用いる材料として以下の材料を用意した。
アクリル管 φ200mm L=150mm t=3mm
両面接着シート(日栄化工株式会社 マトリクス両面粘着シート NT−1700MX)ゴム(NBR t=0.5mm) 図6
SUS303製のフック 図6
封止フィルム 凸版印刷 GXフィルム
フレキシブル配線(電極取出し用)
アルミ箔粘着テープ(サイド封止用)
《発光素子の作製》
円筒状剛体基板2としてアクリル管(φ200mm L=150mm t=3mm)を用い、これに第1基板Aを両面接着シート(日栄化工株式会社 マトリクス両面粘着シート NT−1700MX)adを用いて接着した。
次いで、第2基板Bを、第2基板Bの端部をNBRゴム(厚みt=0.5mm)Gと、基板とゴムを接合するステンレス(SUS303製)製の接合フックHを用いて固定し、第2基板Bに張力をかけながら巻きつけ、基板の終端とゴムGをやはりステンレス製の接合フックHを用いて接合した(図6)。このとき、張力は貼合圧が0.2MPaとなるよう調整した。
(端部はフックを用いないで、直接第2基板の端部同士をテープ止め、また、超音波溶着でもよい。)
さらに、第1基板、第2基板の電極部に電極取り出し用のフレキシブル配線Sを接続し、筒の軸方向に電極を取り出した。
さらに、この上から、封止フィルム(凸版印刷 GXフィルム:厚み100μm)を巻きつけ(図では示していない)両端部にサイド封止用のアルミ箔粘着テープTを巻きつけ封止した。
作製した円筒状の有機EL発光素子に通電(2.5mA/cm)したところ、接触不良による未発光領域がない発光を示す円筒状の発光素子が得られた。

Claims (13)

  1. 曲率をもつ剛性基板、第1電極層を有する屈曲性の第1基板、光透過性のある第2電極層を有する 屈曲性の第2基板があり、第1、第2の少なくとも一方の基板の電極層上に、少なくとも1層の有機層を有し、
    前記曲率をもつ剛性基板上の凸面側に前記第1基板を設置し、さらに前記第2基板を、それぞれ第1電極層と第2電極層が有機層を挟むように設置し、
    第2基板に張力が生じるように、第2基板の対向する両端部を第1基板または剛性基板上に固定させ、
    前記曲率をもつ剛性基板上に、前記第1基板、前記第2基板を貼合させた状態で保持することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス発光素子。
  2. 曲率をもつ剛性基板、第1電極層を有する屈曲性の第1基板、光透過性のある第2電極層を有する屈曲性の第2基板、光透過性の屈曲性の第3基板があり、第1、第2の少なくとも一方の基板の電極層上に、少なくとも1層の有機層を有し、
    曲率をもつ剛性基板上の凸面側に前記第1基板を設置し、さらに前記第2基板を、第1電極層と第2電極層が有機層を挟むように設置し、その上に前記第3基板を設置し、
    第3基板に張力が生じるように、第3基板の対向する両端部を第1基板または剛性基板上に固定させ、
    前記曲率をもつ剛性基板上に、前記第1基板、前記第2基板を貼合させた状態で保持することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス発光素子。
  3. 曲率をもつ剛性基板であって第1電極層を有する第1基板、光透過性のある第2電極層を有する屈曲性の第2基板があり、第1、第2の少なくとも一方の基板の電極層上に、少なくとも1層の有機層を有し、
    第1基板である前記曲率をもつ剛性基板上の凸面上に、前記第2基板を、第1電極層と第2電極層が有機層を挟むように設置し、
    第2基板に張力が生じるように、第2基板の対向する両端部を前記第1基板に固定させ、前記第1基板、前記第2基板を貼合させた状態で保持することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス発光素子。
  4. 曲率をもつ剛性基板であって第1電極層を有する第1基板、光透過性のある第2電極層を有する屈曲性の第2基板、光透過性の屈曲性の第3基板があり、第1、第2の少なくとも一方の基板の電極層上に、少なくとも1層の有機層を有し、
    第1基板である前記曲率をもつ剛性基板上の凸面上に、前記第2基板を、第1電極層と第2電極層が有機層を挟むように設置し、その上に前記第3基板を設置し、
    第3基板に張力が生じるように、第3基板の対向する両端部を前記第1基板に固定させ、前記第1基板、前記第2基板を貼合させた状態で保持することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス発光素子。
  5. 張力が生じるように配置する基板両端の固定部の少なくとも一方に、弾性部材からなる張力発生手段を備えたことを特徴とする請求の範囲第1項〜第4項のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス発光素子。
  6. 前記剛性基板が、光透過性または光反射性であることを特徴とする請求の範囲第1項〜第5項のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス発光素子。
  7. 前記剛性基板が、特定の波長を透過または反射させることを特徴とする請求の範囲第1項〜第5項のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス発光素子。
  8. 円筒状剛体で表面に第1電極層を有する第1筒状基板、光透過性の第2電極層を有する屈曲性の第2基板があり、少なくとも一方の基板の電極層上に、少なくとも1層の有機層を有し、
    前記第1筒状基板の外表面側に、前記第2基板を、第1電極層と第2電極層が有機層を挟むように設置し、
    第2基板に張力が生じるように、基板終端部を前記第1筒状基板に接合させ、
    前記第1筒状基板、前記第2基板を貼合させた状態を保持することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス発光素子。
  9. 円筒状剛体基板、第1電極層を有する屈曲性の第1基板、光透過性のある第2電極層を有する屈曲性の第2基板があり、第1、第2の少なくとも一方の基板の電極層上に、少なくとも1層の有機層を有し、
    円筒状剛体基板上の外表面側に前記第1基板を設置し、前記第2基板を、第1電極層と第2電極層が有機層を挟むように設置し、
    前記第2基板に張力が生じるように、基板終端部を第1基板または円筒状剛体基板に接合させ、前記第1基板、前記第2基板を貼合させた状態を保持することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス発光素子。
  10. 第1基板、第2基板がともに透明基板であり、円筒状剛体基板に複数巻きされていることを特徴とする請求の範囲第9項に記載の有機エレクトロルミネッセンス発光素子。
  11. 円筒状剛体基板が光透過性または光反射性であることを特徴とする請求の範囲第8項〜第10項のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス発光素子。
  12. 円筒状剛体基板が特定の波長を透過または反射させることを特徴とする請求の範囲第11項に記載の有機エレクトロルミネッセンス発光素子。
  13. 請求の範囲第8項〜第12項のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス発光素子の製造方法であって、円筒状剛体基板に、円筒状剛体基板からみて最も外側に設置した屈曲性の基板をこれに張力をかけながら巻きつけ、前記基板終端を円筒状剛体基板または前記屈曲性の基板の内側に設置された別の屈曲性基板に固定することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス発光素子の製造方法。
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