JP4797285B2 - 有機エレクトロルミネッセンス素子およびその製造方法 - Google Patents

有機エレクトロルミネッセンス素子およびその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、情報端末などのディスプレイや面発光光源として幅広い用途が期待される長寿命で高品質な有機エレクトロルミネッセンス素子、および、高品質で安価な製品を提供するための製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
有機エレクトロルミネッセンス素子(以下有機ELと略す)は、広視野角、応答速度が速い、低消費電力などの利点から、ブラウン管や液晶ディスプレイに変わるフラットパネルディスプレイとして期待されている。
【0003】
有機EL素子は、少なくとも一方が透明な2枚の電極の間に有機又は無機の発光媒体層を挟持した構造であり、両電極間に電圧を印可することにより発光媒体層で発光が生じるものである。
【0004】
このような有機EL素子は、発光媒体層や陰極層を大気暴露させた状態で放置すると、大気中の水分や酸素により劣化する。一つの具体例として、ダークスポットと呼ばれる非発光領域が発生し、時間の経過と共に拡大するといった現象がある。
【0005】
この問題を解決する方法として、特開平5−182759号公報、特開平5−36475号公報等に記載があるように、透明陽極層を形成したガラス基板上に発光媒体層、陰極層を真空下で連続成膜し、金属製やガラス製の封止体により乾燥窒素雰囲気下で有機EL素子を被覆封止する方法があったが、このような有機EL素子を作製するためには、真空下でガラス基板を搬送できる複数の真空蒸着装置および、窒素下封止装置が必要であるため、生産性が低い、製造コストが高いなどの問題点があった。また、ガラス基板や金属製の封止体を用いるため、素子を薄型・軽量化するのに限界があった。
【0006】
この問題を解決する手段として、本発明者らは、特願2000−49249号にて、プラスチック基材上に発光媒体層や陰極層を、蒸着法や印刷法などにより巻き取り成膜し、採光側を透明ガスバリア性フィルムを含む耐湿性フィルム、反対側を金属箔を含む耐湿性フィルムで有機EL素子を被覆封止する方法を提案した。これにより、薄型・軽量の有機EL素子を安価に提供することが可能となる。
【0007】
また、特願2000−283089号においては、上述の採光側の透明ガスバリア性フィルムを含む耐湿性フィルムのガスバリア性が不足している場合の有機EL素子の劣化を、長期間にわたり防止し、かつ薄型・軽量の有機EL素子を安価に提供する手段として、採光側の耐湿性フィルムをガラスに変更し、反対側を耐湿性フィルムで封止して、封止空間内部にプラスチック基材上に陽極層、発光媒体層、陰極層などを、蒸着法や印刷法などにより巻き取り成膜した積層体を密閉するという方法を提案している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上記の方法により、従来の方法に比べて素子劣化防止効果は格段に向上したものの、ダークスポットの拡大などの素子劣化が依然として見られ、より長期にわたる有機EL素子の劣化の防止が必要な用途においては問題となる場合がある。これは、プラスチック基材を含む積層体やそれを固定する接着層、電極を外部に取り出す導電性塗料からなる塗膜からの水蒸気などのガスが原因であった。本発明の目的は上記の問題を解決し、かつ安価に製品を提供できる有機EL素子およびその製造方法を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、本発明の第1の発明は、プラスチック基材の一方の面に、少なくとも透明陽極層、発光媒体層、陰極層が順次積層された積層体を、密閉された空間内に配置する有機エレクトロルミネッセンス素子において、被覆封止された空間内の該プラスチック基材の水分含有率が重量分率で0.2%以下であることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子である。
【0010】
第1の発明においては、透明陽極層、発光媒体層、陰極層という実質的な発光機能部位に直接接しているプラスチック基材として水分含有率の小さなものを使用することで、それを含む積層体が密閉された際に、長期にわたって徐々に放出される水蒸気の総量を減少させ、素子劣化防止効果を高めることができる。
【0011】
本発明の第2の発明は、該プラスチック基材の表面の少なくとも透明陽極層に接する面側に水蒸気バリア性能を有するガスバリア層を形成してあることを特徴とする請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子である。
【0012】
第2の発明においては、水分含有率そのものをも低下させて密閉された空間内に長期にわたって徐々に拡散・放出される水分の総量を減少させるだけでなく、水蒸気バリア性能を有するガスバリア層で残留する基材含有水分の拡散を抑え、素子劣化防止効果をさらに高めることができる。
【0013】
本発明の第3の発明は、密閉された空間内に、該プラスチック基材を固定するための接着層を有し、該接着層の水分含有率が重量分率で0.2%以下であることを特徴とする請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子である。
【0014】
第3の発明においては、上述の実質的な発光機能部位に直接面してはいないが、密閉された空間内で重量比率の高いプラスチック基材固定用の接着層の水分含有率も低下させることで、密閉された空間内に長期にわたって徐々に放出される水蒸気の総量を減少させ、素子劣化防止効果を高めることができる。
【0015】
本発明の第4の発明は、密閉された空間内に、該陰陽両電極を外部に取り出すための導電性塗料からなる塗膜を有し、該導電性塗料からなる塗膜の水分含有率が重量分率で0.2%以下であることを特徴とする請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子である。
【0016】
第4の発明においては、上述の実質的な発光機能部位に直接面してはいないが、密閉された空間内で重量比率の高い陰陽両電極を外部に取り出すための導電性塗料からなる塗膜の水分含有率をも低下させることで、密閉された空間内に長期にわたって徐々に放出される水蒸気の総量を減少させ、素子劣化防止効果を高めることができる。
【0017】
本発明の第5の発明は、密閉された空間内に、該陰陽両電極を外部に取り出すためのフィルムキャリアテープおよび異方性導電膜を有し、該フィルムキャリアテープおよび異方性導電膜の水分含有率が重量分率で0.2%以下であることを特徴とする請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子である。
【0018】
第5の発明においては、導電性塗料と同様に、上述の実質的な発光機能部位に直接面してはいないが、密閉された封止空間内で重量比率の高い陰陽両電極を外部に取り出すためのフィルムキャリアテープおよび異方性導電膜の水分含有率をも低下させることで、密閉された空間内に長期にわたって徐々に放出される水蒸気の総量を減少させ、素子劣化防止効果を高めることができる。
【0019】
本発明の第6の発明は、密閉された空間が、採光側のガラス基板と非採光側の耐湿性フィルムで形成されることを特徴とする請求項1から5の何れかに記載の有機エレクトロルミネッセンス素子である。
【0020】
第6の発明においては、非採光側の耐湿性フィルムであることにより薄型・軽量の素子を作製することができる。
【0021】
本発明の第7の発明は、プラスチック基材の一方の面に、少なくとも透明陽極層、発光媒体層、陰極層が順次積層された積層体を、密閉された空間に配置する有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法において、少なくとも、該プラスチック基材の一方の面に、該透明陽極層を形成する工程、該透明陽極層上に該発光媒体層を積層する工程、該発光媒体層上に該陰極層を積層する工程をこの順に含み、かつ、該陰極層を積層する工程の前までに該プラスチック基材を含む部材を乾燥させる工程を含むことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法である。
【0022】
第7の発明においては、少なくともプラスチック基材を含む部材を、水分や酸素に弱い陰極層を積層する前までに乾燥させる工程を設けて水分やその他のガスを積極的に減少させた後に密閉することにより、素子劣化防止効果を高めることができる。
【0023】
本発明の第8の発明は、該プラスチック基材を含む部材を乾燥させる方法が、マイクロ波乾燥法であることを特徴とする請求項7に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法である。
【0024】
第8の発明においては、乾燥法としてマイクロ波乾燥法を用いることにより、マイクロ波がプラスチック基材内部の水分子を振動させ、水分を短時間で取り除くことが可能になり、素子劣化防止効果の高い有機EL素子を安価に提供することができる。
【0025】
本発明の第9の発明は、該プラスチック基材を含む部材を乾燥させる方法が、減圧乾燥法であることを特徴とする請求項7に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法である。
【0026】
第9の発明においては、乾燥法として減圧乾燥法を用いることにより、大気圧下では乾燥に時間がかかるプラスチック基材の内部から水分を短時間で取り除くことが可能になり、素子劣化防止効果の高い有機EL素子を安価に提供することができる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面を用いて説明するが、本発明はこれにより限定されるものではない。図1から3は、本発明に係わる有機EL素子の構造のいくつかの実施例を示す説明図である。
【0028】
本発明においては、まず、プラスチック基材上に、少なくとも透明陽極層、発光媒体層、陰極層を順次積層した積層体を作成する。以下、各層を説明する。
【0029】
プラスチック基材1としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリプロピレン、シクロオレフィンポリマー、ポリアミド、ポリエーテルサルフォン、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、ポリアリレートなどを使用することができる。
【0030】
このようなプラスチック基材は高分子化合物からなるため、その中にはある程度水分が含まれているが、素子中に密閉された際にその水分の放出が少ないものがよい。水分の放出は、基材の水分含有量と基材中の水蒸気の拡散の大きさとに影響を受ける。本発明のような密閉空間内に有機EL積層体を閉じこめる形状の素子の場合は、新たな水蒸気が外部から密閉空間内部へ供給されることがないため、プラスチック基材の水分含有率を低下させておけば、拡散率が高くても、放出される水蒸気の総量は低下し、有機ELの素子劣化を低減することができる。その水分含有率は0.2%以上であるとダークスポットの拡大が速く、0.2%以下とすることが望ましい。さらに望ましくは0.1%以下、特に望ましくは0.05%以下である。なお、水分含有率の測定は、カール・フィッシャー滴定法(三菱化成製電量滴定式水分測定装置CA-06)により行った。
【0031】
水分含有率を低減する方法としては、元来吸水しにくいポリプロピレン、シクロオレフィンポリマーなどのプラスチック基材を使用する方法と、元来吸水しやすいポリアミド、ポリエステル系などのプラスチック基材を、積極的に乾燥させる方法とがある。乾燥を行うことにより、水分だけでなく、酸素、モノマー、溶剤などのガスも除去できる場合があり、素子劣化防止に有効である。
【0032】
上述のプラスチック基材1を乾燥させる方法としては、通常の加熱乾燥法以外にも、マイクロ波乾燥法、減圧乾燥法、およびこれらを組み合わせた方法などを使用できる。特に、プラスチック基材内部の水分およびその他のガス分子を短時間で取り除くことができる、マイクロ波乾燥法と減圧乾燥法が望ましい。この乾燥を行うのは、水分との反応性の高い材料を使用することが多い陰極層を形成する前が望ましく、さらに陰極層に直接接する発光媒体層をも同時に乾燥することができることから、そして乾燥後の時間経過により再吸湿が起こる前に陰極層を形成できるという意味合いから、陰極層形成直前が特に望ましい。これに加えて、例えばガラス基板5と耐湿性封止材である耐湿性フィルム9で密閉した空間を作成する前の、透明陽極層2、発光媒体層3などの各層の積層工程や、プラスチック基材1をガラス基板5に接着層7にて固定する工程、密閉空間外部に電極を取り出すための配線部材8として導電性塗料を塗布する工程などの前後に乾燥工程を設け、各部材の水分を除去するのがさらに望ましい。
【0033】
上述のように水分の放出は、基材の水分含有量と基材中の水蒸気の拡散の大きさとに影響を受ける。今回のように基材の水分含有量の低下に加えて、プラスチック基材の表面に水蒸気バリア性能を有するガスバリア層を形成することにより、水蒸気の拡散をも小さくでき、さらに素子劣化の速度を低下させることができる。
【0034】
拡散率の低減により素子劣化速度を低下させる方法としては、プラスチック基材1の表面の少なくとも透明陽極層に接する面側あるいは両側の表面に水蒸気バリア性能を有するガスバリア層2を形成する方法がある。少なくとも透明陽極層に接する面側に水蒸気バリア性能を有するガスバリア層を形成するのは、実質的な発光機能部位に直接的に接する面であり、水蒸気の拡散の影響が大きいからである。水蒸気バリア性能を有するガスバリア層2は、水蒸気バリア性能だけでなく、酸素バリア性能など、他のガスに対するバリア性能も有していてもよい。特に酸素バリア性能を有していることが望ましい。
【0035】
ガスバリア層2としては、ポリ塩化ビニルやポリ塩化ビニリデン、ポリクロロトリフロロエチレンなどの有機薄膜から酸化アルミニウム、酸化ケイ素などの無機薄膜、および、それらの複合膜・積層膜まで使用することが可能であるが、その中でも特に酸化アルミニウムや酸化ケイ素などの無機酸化物が水蒸気透過性だけでなく酸素透過性が低くて望ましく、電子線加熱方式の巻き取り式真空蒸着により製膜するのが、バリア性能、製造コストの面からも望ましい。
【0036】
この方法により0.2%以下の範囲内で水分含有率がある程度高くても、密閉空間内や発光機能部位への水分の拡散・放出を抑えることで、素子劣化速度をさらに効率良く低減することができ、使用するプラスチック基材の選択の幅の拡大、乾燥工程の簡略化、さらなる劣化防止効果の向上が可能となる。
【0037】
透明陽極層2としては、インジウムとスズあるいはインジウムと亜鉛の複合酸化物、また、オクチル酸インジウムやアセトンインジウムなどの前駆体を基材上に塗布後、熱分解により酸化物を形成する塗布熱分解法などにより形成することもできる。あるいは、アルミニウム、金、銀などの金属が半透明状に蒸着されたものを用いることができる。透明陽極層2の形成方法としては、スパッタリング法や真空蒸着法などにより透明陽極層2を巻き取り成膜した後に、フォトリソグラフィー法及びウェットエッチング法を用いて、フィルムを巻き取りながら透明陽極層をパターニングし、陽極取り出し電極2aを兼ねた透明陽極層2と陰極取り出し電極2bとを形成することができる。もしくは、マスク蒸着により、透明陽極層をパターン形成してもよい。
【0038】
発光媒体層3は、単層構造でも積層構造でもよく、材料も低分子量のものから高分子量のものまで使用できる。積層する場合には、発光層の他に、正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層、電子注入層などを積層することができる。発光媒体層の膜厚は、単層、積層のいずれの場合においても1000nm以下であり、好ましくは50〜150nmである。
【0039】
発光媒体層3の形成方法としては、低分子材料の場合は、抵抗加熱法などの真空蒸着法により巻き取り成膜することができる。また、高分子材料の場合は、フレキソ、グラビア、マイクログラビア、グラビアオフセット、ダイコート、凹版オフセット、ロールコートなどの湿式コーティング法を用いて、巻き取り成膜することができる。
【0040】
積層する正孔注入材料、正孔輸送材料の例としては、銅フタロシアニン、テトラ(t−ブチル)銅フタロシアニン等の金属フタロシアニン類および無金属フタロシアニン類、キナクリドン化合物、1,1−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)シクロヘキサン、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン、N,N’−ジ(1−ナフチル)−N,N’−ジフェニル−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン等の芳香族アミン系材料のような低分子材料や芳香族アミン系ポリマー、ポリチオフェン、ポリアニリンポリビニルカルバゾール、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)とポリスチレンスルホン酸との混合物のような高分子材料や高分子材料とドーパントの混合物、あるいはポリチオフェンオリゴマーのようなオリゴマー材料などが挙げられ、さらにその他既存の正孔注入輸送材料の中から選ぶことができる。
【0041】
発光材料の例としては、9,10−ジアリールアントラセン誘導体、ピレン、コロネン、ペリレン、ルブレン、1,1,4,4−テトラフェニルブタジエン、トリス(8−キノリノラート)アルミニウム錯体、トリス(4−メチル−8−キノリノラート)アルミニウム錯体、ビス(8−キノリノラート)亜鉛錯体、トリス(4−メチル−5−トリフルオロメチル−8−キノリノラート)アルミニウム錯体、トリス(4−メチル−5−シアノ−8−キノリノラート)アルミニウム錯体、ビス(2−メチル−5−トリフルオロメチル−8−キノリノラート)[4−(4−シアノフェニル)フェノラート]アルミニウム錯体、ビス(2−メチル−5−シアノ−8−キノリノラート)[4−(4−シアノフェニル)フェノラート]アルミニウム錯体、トリス(8−キノリノラート)スカンジウム錯体、ビス〔8−(パラ−トシル)アミノキノリン〕亜鉛錯体及びカドミウム錯体、1,2,3,4−テトラフェニルシクロペンタジエン、ペンタフェニルシクロペンタジエン、ポリ−2,5−ジヘプチルオキシ−パラ−フェニレンビニレン、クマリン系蛍光体、ペリレン系蛍光体、ピラン系蛍光体、アンスロン系蛍光体、ポルフィリン系蛍光体、キナクリドン系蛍光体、N,N’−ジアルキル置換キナクリドン系蛍光体、ナフタルイミド系蛍光体、N,N’−ジアリール置換ピロロピロール系蛍光体等の低分子材料や、ポリフルオレン、ポリパラフェニレンビニレン、ポリチオフェンなどの高分子材料、また、ポリビニルカルバゾール等の蛍光性高分子材料やポリメチルメタクリレート等の非蛍光性高分子材料中に蛍光性材料を分散したものなど、その他既存の発光材料を用いることができる。
【0042】
電子注入材料、電子輸送材料の例としては、2−(4−ビフィニルイル)−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール、2,5−ビス(1−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール、および浜田らの合成したオキサジアゾール誘導体(日本化学会誌、1540頁、1991年)やビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]キノリノラート)ベリリウム錯体、特開平7−90260号公報で述べられているトリアゾール化合物等が挙げられる。
【0043】
陰極層4としては電子注入効率の高い物質を用いる。具体的にはMg,Al, Yb等の金属単体を用いたり、発光媒体と接する界面にLiや酸化Li,LiF等の化合物を1nm程度挟んで、安定性・導電性の高いAlやCuを積層して用いる。
【0044】
または電子注入効率と安定性を両立させるため、仕事関数が低いLi,Mg,Ca,Sr,La,Ce,Er,Eu,Sc,Y,Yb等の金属1種以上と、安定なAg,Al,Cu等の金属元素との合金系が用いられる。具体的にはMgAg,AlLi,CuLi等の合金が使用できる。
【0045】
陰極層4の形成方法としては、材料に応じて、抵抗加熱蒸着法、電子ビーム蒸着法、反応性蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法などを用いて巻き取り成膜することが可能である。また、アルミニウム箔などの金属箔をプラスチック基材1上に作製した発光媒体層4と重ね合せ、ロール間に通し熱圧着することにより両者をラミネートすることも可能である。巻き取り成膜する場合の陰極の厚さは、10nm〜1000nm程度が望ましい。金属箔をラミネートする場合の厚みは、取り扱いが容易な5μm以上が望ましく、さらに言えば箔のピンホールを防止するために15μm以上が好ましい。また、さらに取り扱いを容易にするために、金属箔にポリエチレンテレフタレートなどのプラスチックフィルムを予め有機EL素子と接する面と反対側の面にラミネートしておいても良い。
【0046】
上記の材料及び方法により得られた積層体を、湿気、酸素等に起因する劣化から防止するため密閉された空間内に配置する。ここで、積層体から発せられる光を密閉された空間の外部へ取り出す採光側は、透明な耐湿(防湿)性材料である必要がある。一方、非採光側は透明又は不透明の耐湿性材料である必要がある。かかる必要性から、採光側はガラス基板、非採光側は耐湿性フィルムで形成することが好ましい。以下、密閉された空間の形成に用いる材料及び形成方法を説明する。
【0047】
ガラス基板5は厚みが0.05〜2mm程度と薄く、かつ取り扱いが容易で望ましい。ガラス基板5は積層体の採光側に配置する。ガラス基板の表面には割れ防止用フィルム、反射防止フイルム、拡散フィルム、防汚フィルム、円・直線偏光フィルム、カラーフィルムなどの各種機能性フィルムを目的に合わせて貼ることができる。
【0048】
ガラス基板5には、電極取り出し用配線パターン6をスパッタや真空蒸着、メッキ、印刷法などにより形成しておいても良い。配線の材質は、金属、金属酸化物、導電性ペーストや導電性高分子といった導電性塗料などが使用できるが、導電性が高く、耐湿性フィルム9との接着を妨げず、ガラスとの密着が良いものが望ましい。例としては、アルミニウム、銅、銀、ニッケル、クロムなどの金属材料、もしくはこれらの金属材料を1 成分以上含む合金材料、インジウムスズ複合酸化物、インジウム亜鉛複合酸化物、亜鉛アルミニウム複合酸化物などの金属酸化物などを、単独もしくは組み合わせて使用することができる。また、ガラス基板5上にカラーフィルタを形成し、取り出し電極を有するカラーフィルターとして使用しても良い。
【0049】
上述の電極取り出し用パターン6とプラスチック基材1上の電極取り出し用パターン2a,2bを電気的に接合させるためには、プラスチック基材を接着層7によりガラス上に固定し、電極取り出しパターン6と透明陽極層2の導通を、配線部材8を介して取る必要がある。
【0050】
これらの接着層7と配線部材8は導電性を有する接着剤を使用し、兼用することも可能である。
【0051】
ガラス基板5へのプラスチック基材1の配置、固定は、ガラス基板5が巻き取り可能なものでない場合、固定後の工程は枚葉式とすればよい。本発明では、透明陽極層2、発光媒体層3、陰極層4の各形成工程を、巻き取り式で連続的に行うことにより、製造コストを引き下げ、製品を安価に提供することが可能となるため、これらのうちできる限り多くの工程を巻き取り方式で行うのが望ましく、特に望ましくは、透明陽極層2、発光媒体層3、陰極層4のすべての層を形成した後にガラス基板5に固定することである。
【0052】
接着層7としては、常温硬化型、熱硬化型、ホットメルト型、感圧型などの各接着剤を使用することができ、透明なものであれば、発光部上にも接着層を形成することができる。接着層7はスクリーン印刷、ダイレクトグラビア印刷、フレキソ印刷などの各種印刷法の他、ラミネート法などにより形成することができる。
配線部材8としては、導電性ペーストや導電性高分子といった導電性塗料、低融点ハンダなどのプラスチック基材の低耐熱性を考慮した材料を使用することができる。特に導電性塗料は、塗膜パターンがスクリーン印刷、ダイレクトグラビア印刷、フレキソ印刷などの各種印刷法にて容易に形成でき、望ましい。
【0053】
電極の取り出しは、上述のようなガラス基板上の配線から行う方法以外にも、絶縁性のポリイミドなどからなるフィルム基材上に銅や銀、金、各種合金などからなる導電性パターンを形成したフィルムキャリアテープ14を異方性導電膜15を介して接続するなどの他の配線部材を使用した方法で行い、そのテープを封止接着部分から外部に引き出しても良い(図3)。
【0054】
上述の電極取り出し用パターン6、接着層7および配線部材8、あるいはフィルムキャリアテープ14および異方性導電膜15は、封止空間内部の構成部材のなかで大きな重量分率を占める。そのため、直接、実質的な発光機能部位に接していなくとも、これらの部材中の水分含有率が高い場合には、これらから封止空間内部に徐々に出てくる水分が素子劣化を引き起こす。
【0055】
接着層7に用いる接着剤は高分子化合物を含むものがほとんどであるため、これが吸湿し、水分含有率が高くなる場合がある。また、電極取り出し用パターン6や配線部材8として、印刷による形成が容易な導電性塗料を使用した場合、その中には高分子化合物を含むものが多く、また、フィルムキャリアテープや異方性導電膜も高分子化合物を含むため、水分含有率が高くなる場合がある。
【0056】
すなわち、素子劣化を防ぐために、接着層7、電極取り出し用パターン6や配線部材8として導電性塗料により形成された塗膜、フィルムキャリアテープ14、異方性導電膜15は、水分含有率の低いものを選択し、あるいは内部の水分を積極的に乾燥させて使用することが望ましい。その水分含有率は0.2%以上であるとダークスポットの拡大が速いため、0.2%以下とすることが望ましい。さらに望ましくは0.1%以下、特に望ましくは0.05%以下である。
【0057】
導電性塗料としては、Au、Ag、Cu、Al、Niなどの金属微粒子、SnO2、In23などの酸化物微粒子、カーボン微粒子、などの導電性微粒子とポリエステル樹脂、アクリル樹脂、変性ウレタン樹脂、エポキシ樹脂などのバインダー樹脂、溶剤とを主成分とする導電性ペーストや、ポリアセチレン、ポリアニリン、ポリチオフェンやそれらのドーピング化合物といった導電性高分子などを使用できるが、導電性の面から、金属粒子を含む導電性ペーストが望ましい。この場合、バインダー樹脂や溶剤を水分含有率の少ない脂肪族炭化水素系、芳香族炭化水素系などの疎水性の高いものとすることで、導電性ペーストの水分含有率を低減することができる。
【0058】
耐湿性フィルム9は、素子の大気中の水分や酸素による劣化を防止するために、水蒸気バリア性および酸素バリア性を有している必要がある。耐湿性封止材は有機EL積層体の非採光側に配置する。耐湿性フィルム9としてはガラス製や金属製の封止体、耐湿性フィルムなどを熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、UV硬化性樹脂などの接着剤10で採光側のガラス基板に接着・密閉することで使用できるが、特に耐湿性フィルムは、素子を軽量・薄型化でき、巻き取りの耐湿性フィルムを安価に作製できることから、製品を安価に提供でき望ましい。
【0059】
耐湿性フィルムは、少なくともガスバリア層11とシーラント層12とを有していることが望ましい(図2)。ガスバリア層11としては、基材に酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化クロム、酸化マグネシウム等の金属酸化物、弗化アルミニウム、弗化マグネシウム等の金属弗化物、窒化珪素、窒化アルミニウム、窒化クロムなどの金属窒化物を単層または積層したフィルムや、アルミニウム、銅、ニッケル、ステンレス、アルミニウム合金などを蒸着したフィルムや、これら材料の金属箔、合金箔を用いることができる。特に、ガスバリア性に優れる金属箔や合金箔を用いることが好ましい。また、製造時の取り扱いを容易にするために、基材13としてポリエチレンテレフタレート、ナイロンなどのフィルムをラミネートしても良い。
【0060】
シーラント層12としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン・プロピレン共重合体などのポリオレフィンの酸変性物、エチレン・酢酸ビニル共重合体の酸変性物、エチレン・ アクリル酸共重合体、エチレン・メタクリル酸共重合体、アイオノマーなどの熱可塑性接着性樹脂を用いることができる。この場合、熱圧着により耐湿性フィルムとガラス基板を接着しても良い。この際、耐湿性フィルムの端部を熱圧着しても良いし、熱ロール間を通すことにより、耐湿性フィルム全体を熱圧着しても良い。
【0061】
ガラス基板5と耐湿性フィルム9にて有機EL積層体を密閉する際には、封止空間内部に残留している、また、外部からわずかに侵入してくる水分を吸収するための乾燥剤を同時に封入することができる。乾燥剤としては、アルカリ金属、アルカリ土類金属、および、これらの酸化物、水素化物や、このほかの乾燥剤を選択して使用することができる。使用する乾燥剤は水分だけでなく酸素をも吸収することが望ましい。
【0062】
【実施例】
以下、本発明に係わる有機EL素子及びその製造方法を説明する。図1および図2は、本発明の有機EL素子の断面説明図である。
【0063】
(実施例1)
まず、プラスチック基材1として、水分含有率が0.01%以下であるシクロオレフィンポリマーフィルム(100μm)を使用し、スパッタリング法で透明陽極層2としてITO膜(150nm)を巻き取り成膜した(図1(a))。次に、フォトリソグラフィー法及びウェットエッチング法を用いて、フィルムを巻き取りながら透明陽極層2をパターニングし、陽極引き出し電極2aを兼ねた透明陽極層2と陰極引き出し電極2bとを形成した。
【0064】
次に、発光媒体層3として、ポリ[2−メトキシ−5−(2' −エチル−ヘキシロキシ)−1,4−フェニレンビニレン](MEH−PPV)を用い、フィルムを巻き取りながらダイレクトグラビア法により100nmの塗膜を形成した。次に、陰極層4として、Caを50nm、Ag200nmの2層を巻き取り蒸着した。
【0065】
これとは別に、ガラス基板5上に、スパッタリング法でITO膜(150nm)を成膜した後に、フォトリソグラフィー法及びウェットエッチング法を用いてITO膜をパターニングし、取り出し電極6を形成した。
【0066】
上述のガラス基板5によりプラスチック基材1の採光側を被覆した。まず、ガラス基板上に両面テープ7(ニチバン製)にてプラスチック基材を含む積層体を固定し、ガラス基板上に形成した取り出し電極6とプラスチック基材上の取り出し電極2a,2bとを、電気的に接続するために、銀微粒子およびバインダ樹脂からなる銀ペースト配線部材8(日新EM社製シルベストP-255)をスクリーン印刷により200μm形成した。
【0067】
最後にガラスからなる耐湿封止材9をエポキシ系光硬化樹脂10により接着し、プラスチック基材を含む積層体を密閉された空間内に配置する有機EL素子を作製した。
【0068】
得られた有機EL素子を、40℃90%RHの恒温槽で1000時間保存した結果、発光面積は初期面積の90%であった。
【0069】
(実施例2)
プラスチック基材1として、水分含有率が0.4%のポリメタクリル酸メチルフィルム(100μm)を使用し、発光媒体層3を形成した後、陰極層4を蒸着するまでの間に、0.1Torr,70℃, 1時間の減圧乾燥および蒸着直前の巻き取り式のマイクロ波乾燥を行ったこと、および、銀ペーストで配線部材8を形成しガラス製耐湿封止材9にて密閉するまでの間に、0.1Torr,70℃、1時間の減圧乾燥を行ったことの三点以外は、実施例1と同様に有機EL素子を作製した。なお、上記の乾燥工程により、接着層7、銀ペーストからなる配線部材8の水分含有量はともに0.2%以下となった。得られた有機EL素子を実施例1と同様に評価すると、発光面積は初期面積の90%となった。
【0070】
(実施例3)
プラスチック基材1の両面に、電子線加熱方式により酸化アルミニウム層を蒸着するために、酸素を酸化剤として供給しながら、蒸着材料であるアルミニウムに電子線を照射して、蒸発したアルミニウムと酸素を反応させながら蒸着し(図1(b))、厚み20nmのガスバリア層16を形成した後にスパッタリング法で透明陽極層2としてITO膜を形成する以外は実施例2と同様に有機EL素子を作成した。得られた有機EL素子を実施例1と同様に評価すると、発光面積は初期面積の95%となった。
【0071】
(実施例4)
耐湿性フィルム9で封止密閉する手前までは実施例1と同様に作製し、ガラス製の耐湿性フィルム9の代わりに、耐湿性フィルムとして、ポリエチレンテレフタレート基材13(20μm)、アルミニウム箔からなるガスバリア層11(20μm)、ポリプロピレンの酸変性物からなるシーラント層12(30μm)を順にドライラミネートおよび押し出しラミネートしたものを使用した(図2)。これを有機EL素子を積層したガラス基板5上に重ね、耐湿性フィルム端部をガラス基板5と熱圧着することにより密閉、封止した。
【0072】
得られた有機EL素子を実施例1と同様に評価すると、発光面積は初期面積の90%となった。
【0073】
(比較例)
プラスチック基材1として、含有水分率が0.4%のポリメタクリル酸メチルフィルム(100μm)を使用する以外は、実施例1と同様に有機EL素子を作製した。
【0074】
得られた有機EL素子を実施例1と同様に評価すると、発光面積は初期面の60%となった。
【0075】
以上の実施例および比較例に関して、素子作製条件と評価結果を表1にまとめた。
【0076】
【表1】
Figure 0004797285
【0077】
【発明の効果】
第1の発明によると、実質的な発光機能部位に直接面しているプラスチック基材として水分含有率の低いものを使用することで、それを含む積層体が、ガラスと耐湿性フィルムにより密閉された際に、長期にわたって徐々に放出される水蒸気の総量を減少させ、素子劣化防止効果を高めることができる。
【0078】
第2の発明によると、プラスチック基材の少なくとも透明陽極層に接する面側に水蒸気バリア性能を有するガスバリア層を形成することで、水分含有率そのものをも低下させて密閉された空間内に長期にわたって徐々に拡散・放出される水分の総量を減少させるだけでなく、水蒸気バリア性能を有するガスバリア層で残留する基材含有水分の拡散を抑え、素子劣化防止効果をさらに高めることができる。
【0079】
第3〜第5の発明によると、有機EL素子に直接面してはいないが、密閉された空間内で重量比率の高いプラスチック基材固定用の接着層および電極取り出し用の導電性塗料からなる塗膜、フィルムキャリアテープ、異方性導電膜の水分含有率も低下させることで、上記と同様の効果を得られる。
【0080】
第6の発明によると、耐湿性封止材がフィルム状であることにより薄型・軽量の素子を作製することができる。
【0081】
第7の発明によると、少なくとも水分に弱い陰極層を蒸着する前にプラスチック基材を含む部材を乾燥させる工程を設けて水分やその他のガスを積極的に取り除き水分含有率を低下させ、密閉することにより、素子劣化防止効果を高めることができる。
【0082】
第8、第9の発明によると、乾燥法としてマイクロ波乾燥法や減圧乾燥法を用いることにより、乾燥させたい対象物の内部から水分を短時間で確実に取り除くことが可能になり、素子劣化防止効果の向上と、製造コストの削減につながる。以上のような発明の効果から、長期的に安定な有機EL素子を安価に提供することが可能となった。また、耐湿性フィルムとすることで、有機EL素子を薄型・軽量化することも可能となった。
【0083】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子の一実施例を示す素子断面図。
【図2】本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子の別の実施例を示す素子断面図。
【図3】本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子のさらに別の実施例を示す素子断面図。
【符号の説明】
1 プラスチック基材
2 透明陽極層
2a 透明陽極層、兼、陽極取り出し電極
2b 陰極取り出し電極
3 発光媒体層
4 陰極層
5 ガラス基板
6 電極取り出し用パターン
7 接着層
8 配線部材(導電性塗料からなる塗膜など)
9 耐湿性封止材(図2においてフィルム状)
10 接着剤
11 ガスバリア層
12 シーラント層
13 基材
14 フィルムキャリアテープ
15 異方性導電膜
16 ガスバリア層

Claims (8)

  1. プラスチック基材上に、少なくとも透明陽極層、発光媒体層、陰極層を順次積層した積層体が、ガラス基板と耐湿性封止剤とにより密閉された空間内の前記ガラス基板と張り合わされてなる有機エレクトロルミネッセンス素子において、
    該プラスチック基材の水分含有率が重量分率で0.2%以下であり、
    前記密閉された空間内に、該プラスチック基材を前記ガラス基板と固定するための接着層を有し、該接着層の水分含有率が重量分率で0.2%以下である
    ことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
  2. 該プラスチック基材の表面の少なくとも透明陽極層に接する面側に水蒸気バリア性能を有するガスバリア層を形成してあることを特徴とする請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  3. 前記密閉された空間内に、該陰陽両電極を外部に取り出すための導電性塗料からなる塗膜を有し、該導電性塗料からなる塗膜の水分含有率が重量分率で0.2%以下であることを特徴とする請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  4. 前記密閉された空間内に、該陰陽両電極を外部に取り出すためのフィルムキャリアテープおよび異方性導電膜を有し、該フィルムキャリアテープおよび異方性導電膜の水分含有率が重量分率で0.2%以下であることを特徴とする請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  5. 前記プラスチック基材がシクロオレフィンポリマーからなることを特徴とする請求項1からの何れかに記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  6. プラスチック基材上に、少なくとも透明陽極層、発光媒体層、陰極層を順次積層した積層体が、ガラス基板と耐湿性封止剤とにより密閉された空間内の前記ガラス基板と張り合わされてなる配置する有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法において、
    少なくとも、該プラスチック基材の一方の面に、該透明陽極層を形成する工程、該透明陽極層上に該発光媒体層をフレキソ印刷又はグラビア印刷により積層する工程、該発光媒体層上に該陰極層を積層する工程をこの順に含み、かつ、該陰極層を積層する工程の前までに該プラスチック基材を含む部材を乾燥させる工程を含むことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
  7. 該プラスチック基材を含む部材を乾燥させる方法が、マイクロ波乾燥法であることを特徴とする請求項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
  8. 該プラスチック基材を含む部材を乾燥させる方法が、減圧乾燥法であることを特徴とする請求項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
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