JP4609135B2 - 有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法 - Google Patents

有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、テレビやパソコンモニター、携帯電話等の携帯端末などに使用されるフラットパネルディスプレイや、面発光光源、照明、発光型広告体などとして、幅広い用途が期待される有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、有機EL素子とする)に関するものである。
有機EL素子は、広視野角、応答速度が速い、低消費電力などの利点から、ブラウン管や液晶ディスプレイに変わるフラットパネルディスプレイとして期待されている。
有機EL素子は、陽極層と陰極層との間に発光媒体層を挟時した構造であり、両電極間に電圧を印加し、電流を流すことにより発光媒体層で発光が生じる自発光型の表示素子である。
発光媒体層は、通常機能分離された複数の層から構成され、その典型的な例としては、正孔注入層に銅フタロシアニン、正孔輸送層にN,N’−ジ(1−ナフチル)−N,N’−ジフェニル−1,1’−ビフェニル−4、4’−ジアミン、蛍光体層にトリス(8−キノリノール)アルミニウムなどが積層された低分子型発光媒体層や、ポリチオフェン誘導体、ポリアルキルフルオレン誘導体などが積層された高分子型発光媒体層がある。
陰極層は、アルミニウムや銀などの金属が用いられるが、隣接する発光媒体層によっては、カルシウムやバリウム、リチウムといった電子注入層が必要である。そのため、有機EL素子の電子注入層が、水分あるいは有機溶剤による劣化を起こしてダークスポットと呼ばれる非発光部が発生し、拡大するという問題があった。
この問題を解決するための手段が、特許文献1や特許文献2などで開示されている。これらは、有機EL素子の外表面を接着剤がコートされた封止体で貼り合わせる方法である。しかし、従来の封止体の加熱乾燥方法又は減圧加熱乾燥方法では、封止体を十分に乾燥させることができなかった。このため、熱圧着、熱硬化する際に、封止体から除去しきれなかった水や有機溶剤がアウトガスとして発生し、有機EL素子に劣化を与えて、ダークスポットが発生するという問題点があった。
特開平5−101884 特開2004−139977
本発明はこのような問題点を解決するためになされたものであり、本発明の目的は、封止体に含まれる水分及び溶媒を十分に除去し、この封止体を用いて有機EL素子を形成することで、初期状態においてダークスポットの少ない有機EL素子を提供することである。
本発明は上記のような課題を解決するためになされたものであり、請求項1に記載の発明は、基板上に陽極層、発光媒体層、陰極層をこの順に形成する工程と、封止材上に接着樹脂からなる樹脂層を積層して封止体を形成する工程と、前記基板と前記封止体とを張り合わせる工程と、からなる有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法であって、前記封止体を形成する工程は、封止材上に熱硬化性接着樹脂又は光硬化性接着樹脂からなる樹脂層を積層する工程と、前記樹脂層にマイクロ波、遠赤外線を同時に照射して、乾燥する工程と、からなり、前記基板と前記封止体とを張り合わせる工程は、基板と前記封止体とを張り合わせる工程と、前記接着樹脂を光又は熱により硬化させる工程と、からなることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法である。
請求項2に記載の発明は、前記封止体に、マイクロ波、遠赤外線を同時に照射して、乾燥する工程は、30〜90℃で行うことを特徴とする請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
請求項3に記載の発明は、前記封止材はセラミックス、ガラス、石英、金属箔のいずれかであることを特徴とする請求項1又は2に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法である
本発明によれば、封止体に含まれる水分、溶媒分を十分に除去することができた。このため、有機EL素子に与えるダメージを抑制し、長寿命の有機EL素子を製造することができる。
本発明は、上記問題点を解決するため鋭意検討した最良の形態である。以下、本発明による有機EL素子の一例として、基材/陽極層/発光媒体層/陰極層/樹脂層/封止体をこの順に積層した場合を、図に基づいて説明するが、本発明はこの構成に限定されたものではない。
ここで、本実施の形態において、基材1としては透光性と絶縁性を有する基板であれば如何なる基板も使用することができる。例えば、ガラスや石英、ポリプロピレン、ポリエーテルサルフォン、ポリカーボネート、シクロオレフィンポリマー、ポリアリレート、ポリアミド、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のプラスチックフィルムやシート、または、これらプラスチックフィルムやシートに酸化珪素、酸化アルミニウム等の金属酸化物や、弗化アルミニウム、弗化マグネシウム等の金属弗化物、窒化珪素、窒化アルミニウムなどの金属窒化物、酸窒化珪素などの金属酸窒化物、アクリル樹脂やエポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂などの高分子樹脂膜を単層もしくは積層させた透光性基材や、アルミニウムやステンレスなどの金属箔、シート、板や、前記プラスチックフィルムやシートにアルミニウム、銅、ニッケル、ステンレスなどの金属膜を積層させた非透光性基材などを用いることができる。
また、これら基材は、必要に応じて、薄膜トランジスタ(TFT)を形成し、駆動用基板として用いても良い。TFTの材料としては、ポリチオフェンやポリアニリン、銅フタロシアニンやペリレン誘導体等の有機TFTを用いてもよく、アモルファスシリコンやポリシリコンTFTを用いてもよい。
また、これらの基材は、あらかじめ加熱処理を行うことにより、基材内部や表面に吸着した水分を極力低減することがより好ましい。また、基材上に積層される材料におうじて、密着性を向上させるために、超音波洗浄処理、コロナ放電処理、プラズマ処理、UVオゾン処理などの表面処理を施すことが好ましい。また、これら基材には、必要に応じてカラーフィルター層や光散乱層、光偏向層などを設けてもよい。
始めに、基材1の上に陽極層3を成膜し、必要に応じてパターニングをおこなう(図1(a))。ここで、陽極層3の材料としては、ITO(インジウムスズ複合酸化物)やインジウム亜鉛複合酸化物、亜鉛アルミニウム複合酸化物などの金属複合酸化物や、金、白金などの金属材料や、これら金属酸化物や金属材料の微粒子をエポキシ樹脂やアクリル樹脂などに分散した微粒子分散膜を、単層もしくは積層したものをいずれも使用することができる。また、必要に応じて、陽極層3の配線抵抗を低くするために、銅やアルミニウムなどの金属材料を補助電極として併設してもよい。陽極層3の形成方法としては、材料に応じて、抵抗加熱蒸着法、電子ビーム蒸着法、反応性蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法などの乾式成膜法や、グラビア印刷法、スクリーン印刷法などの湿式成膜法などを用いることができる。陽極層3のパターニング方法としては、材料や成膜方法に応じて、マスク蒸着法、フォトリソグラフィー法、ウェットエッチング法、ドライエッチング法などの既存のパターニング法を用いることができる。
次に、発光媒体層4を形成する(図1(b))。本発明における発光媒体層4としては、発光物質を含む単層膜、あるいは多層膜で形成することができる。多層膜で形成する場合の構成例としては、正孔輸送層、電子輸送性発光層または正孔輸送性発光層、電子輸送層からなる2層構成や正孔輸送層、発光層、電子輸送層からなる3層構成、さらには、必要に応じて正孔(電子)注入機能と正孔(電子)輸送機能を分けたり、正孔(電子)の輸送をプロックする層などを挿入することにより、さらに多層形成することがより好ましい。
正孔輸送材料の例としては、銅フタロシアニン、テトラ(t−ブチル)銅フタロシアニン等の金属フタロシアニン類及び無金属フタロシアニン類、キナクリドン化合物、1,1−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)シクロヘキサン、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン、N,N’−ジ(1−ナフチル)−N,N’−ジフェニル−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン等の芳香族アミン系低分子正孔注入輸送材料や、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリビニルカルバゾール、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)とポリスチレンスルホン酸との混合物などの高分子正孔輸送材料、ポリチオフェンオリゴマー材料、その他既存の正孔輸送材料の中から選ぶことができる。
発光材料としては、9,10−ジアリールアントラセン誘導体、ピレン、コロネン、ペリレン、ルブレン、1,1,4,4−テトラフェニルブタジエン、トリス(8−キノリノラート)アルミニウム錯体、トリス(4−メチル−8−キノリノラート)アルミニウム錯体、ビス(8−キノリノラート)亜鉛錯体、トリス(4−メチル−5−トリフルオロメチル−8−キノリノラート)アルミニウム錯体、トリス(4−メチル−5−シアノ−8−キノリノラート)アルミニウム錯体、ビス(2−メチル−5−トリフルオロメチル−8−キノリノラート)[4−(4−シアノフェニル)フェノラート]アルミニウム錯体、ビス(2−メチル−5−シアノ−8−キノリノラート)[4−(4−シアノフェニル)フェノラート]アルミニウム錯体、トリス(8−キノリノラート)スカンジウム錯体、ビス〔8−(パラ−トシル)アミノキノリン〕亜鉛錯体及びカドミウム錯体、1,2,3,4−テトラフェニルシクロペンタジエン、ペンタフェニルシクロペンタジエン、ポリ−2,5−ジヘプチルオキシ−パラ−フェニレンビニレン、クマリン系蛍光体、ペリレン系蛍光体、ピラン系蛍光体、アンスロン系蛍光体、ポルフィリン系蛍光体、キナクリドン系蛍光体、N,N’−ジアルキル置換キナクリドン系蛍光体、ナフタルイミド系蛍光体、N,N’−ジアリール置換ピロロピロール系蛍光体等、Ir錯体等の燐光性発光体などの低分子系発光材料や、ポリフルオレン、ポリパラフェニレンビニレン、ポリチオフェン、ポリスピロなどの高分子材料や、これら高分子材料に前記低分子材料の分散または共重合した材料や、その他既存の発光材料を用いることができる。
電子輸送材料の例としては、2−(4−ビフィニルイル)−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール、2,5−ビス(1−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール、オキサジアゾール誘導体やビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]キノリノラート)ベリリウム錯体、トリアゾール化合物等を用いることができる。
発光媒体層4の膜厚は、単層または積層により形成する場合においても1000nm以下であり、好ましくは50〜150nmである。特に、高分子EL素子の正孔輸送材料は、基材や陽極層の表面突起を覆う効果が大きく、50〜100nm程度厚い膜を成膜することがより好ましい。
発光媒体層4の形成方法としては、材料に応じて、真空蒸着法や、スピンコート、スプレーコート、フレキソ、グラビア、マイクログラビア、凹版オフセットなどのコーティング法、印刷法やインクジェット法などを用いることができる。高分子発光媒体層を溶液化する際には、形成方法に応じて、溶剤の蒸気圧、固形分比、粘度などを制御することが好ましい。溶剤としては、水、キシレン、アニソール、シクロヘキサノン、メシチレン、テトラリン、シクロヘキシルベンゼン、安息香酸メチル、安息香酸エチル、トルエン、エタノール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メタノール、イソプロピルアルコール、酢酸エチル、酢酸ブチルなどの単独溶媒でも、混合溶媒でも良い。また、塗工性向上のために、必要に応じて界面活性剤、酸化防止剤、粘度調整剤、紫外線吸収剤などの添加剤を適量混合することがより好ましい。塗布液の乾燥方法としては、EL特性に支障のない程度に溶剤を取り除ければ良く、加熱しても、減圧しても、加熱減圧しても良い。
次に、陰極層5を形成する(図1(c))。陰極層5の材料としては、発光媒体層4への電子注入効率の高い物質を用いる。具体的にはMg,Al, Yb等の金属単体を用いたり、発光媒体と接する界面にLiや酸化Li,LiF等の化合物を1nm程度挟んで、安定性・導電性の高いAlやCuを積層して用いてもよい。または電子注入効率と安定性を両立させるため、仕事関数が低いLi,Mg,Ca,Sr,La,Ce,Er,Eu,Sc,Y,Yb等の金属1種以上と、安定なAg,Al,Cu等の金属元素との合金系を用いてもよい。具体的にはMgAg,AlLi,CuLi等の合金が使用できる。陰極層5を透光性電極層として利用する場合には、仕事関数が低いLi,Caを薄く設けた後に、ITO(インジウムスズ複合酸化物)やインジウム亜鉛複合酸化物、亜鉛アルミニウム複合酸化物などの金属複合酸化物を積層してもよく、前記有機発光媒体層4に、仕事関数が低いLi,Caなどの金属を少量ドーピングして、ITOなどの金属酸化物を積層してもよい。
陰極層5の形成方法は、材料に応じて、抵抗加熱蒸着法、電子ビーム蒸着法、反応性蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法を用いることができる。陰極の厚さに特に制限はないが、10nm〜1000nm程度が望ましい。また、陰極層5を透光性電極層として利用する場合、CaやLiなどの金属材料を用いる場合の膜厚は0.1〜10nm程度が望ましい。
封止体10は封止材2上に樹脂6を設けて作成することができる。
封止材2としては、水分や酸素の透過性が低い基材である必要がある。また、材料の一例として、アルミナ、窒化ケイ素、窒化ホウ素等のセラミックス、無アルカリガラス、アルカリガラス等のガラス、石英、アルミニウムやステンレスなどの金属箔、耐湿性フィルムなどを挙げることができる。耐湿性フィルムの例として、プラスチック基材の両面にSiOxをCVD法で形成したフィルムや、透過性の小さいフィルムと吸水性のあるフィルムまたは吸水剤を塗布した重合体フィルムなどがあり、耐湿性フィルムの水蒸気透過率は、10−6g/m/day以下であることが好ましい。
樹脂層6の材料の一例として、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、シリコーン樹脂などからなる光硬化型接着性樹脂、熱硬化型接着性樹脂、2液硬化型接着性樹脂や、エチレンエチルアクリレート(EEA)ポリマー等のアクリル系樹脂、エチレンビニルアセテート(EVA)等のビニル系樹脂、ポリアミド、合成ゴム等の熱可塑性樹脂を挙げることができる。樹脂層6を封止材2の上に形成方する法の一例として、溶剤溶液法、押出ラミ法、溶融・ホットメルト法、カレンダー法などを挙げることができる。また、図3に示すように、封止材2の上に樹脂6を設けた封止体10は、多層構成とすることが好ましい。封止材2上に形成する樹脂層6に用いる樹脂の軟化点は、120℃以下であることが望ましい。樹脂の軟化点温度がこれよりも大きいと、封止体10と基材1との貼り合せに問題が生じる可能性がある。封止材2上に形成する樹脂層6の厚みは、封止する有機EL素子の大きさや形状により任意に決定されるが、5〜500μm程度が望ましい。
また、封止材2に熱線反射剤を加えて熱線反射特性を持たせ、樹脂層6側からマイクロ波及び遠赤外線が照射することが望ましい。樹脂層6を透過した遠赤外線線が、封止材2の熱線反射剤により反射され、封止体10全体に効率良くマイクロ波及び遠赤外線が照射されるためである。このような、熱線反射剤の例として、ATO(アンチモン錫酸化物)、ITO(インジウムスズ複合酸化物)などの金属複合酸化物、アルミン酸亜鉛、ステンレス、ニッケル、錫、銀、銅、ブロンズ、酸化チタンなどの金属材料やこれら金属材料の微粉末などが挙げられる。微粒子の粒径は2〜15μm程度が望ましい。熱線反射特性を有していない封止材を使用する場合でも、材料に応じて、熱線反射剤を封止材2の上に抵抗加熱蒸着法、電子ビーム蒸着法、反応性蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法などの乾式法により成膜して熱線反射性能を持たせることができる。また、封止材中に熱線反射剤を混練りして形成してもよい。
次に、樹脂層6と封止材2とで構成された封止体を減圧槽7にセットし、樹脂層側が照射されるようにマイクロ波及び遠赤外線を同時に照射し、減圧下で封止体の乾燥を行う(図2)。乾燥終了後、時間経過により再吸湿が起こらないよう乾燥窒素雰囲気中の封止室で保管することが望ましい。
封止体の乾燥装置は少なくともマイクロ波乾燥ユニットと、遠赤外線乾燥ユニット、マイクロ波乾燥と遠赤外線乾燥を制御する制御部で構成されるが、さらに減圧槽7を設け、減圧下で乾燥を行うことが望ましい。マイクロ波乾燥ユニットは、投入電力が調節可能で、かつ間欠的または連続的な照射が可能である。遠赤外線乾燥ユニットは、照射加熱温度調節が可能な制御盤を外部に備えている。また、減圧槽7は、外部から継続的または間欠的に水、有機溶剤が気化する温度に加熱する機構とその制御部を有している。さらに、減圧槽7は、有機ELパネルの製造装置に組み込まれ、基材1と封止体10の貼り合わせを行う封止室に隣接し、減圧槽から封止室に搬送すると、水及び溶媒の浸入を最低限に抑えることができるため、有機EL素子の品質保護上好ましい。また、減圧槽7は不活性ガスの導入が可能であることが望ましい。これにより、乾燥を行った封止体に、再び水分が吸着することを防ぐことが出来る。樹脂中の水分を充分に取り除くための条件として、200mm角サイズの封止体を対照としたとき、マイクロ波乾燥ユニットのマイクロ波出力が0.1〜5.0kw程度、最低でもマイクロ波出力時間は1分以上が望ましい。又、遠赤外線加熱温度は遠赤外線によって樹脂が硬化する懸念があるので30〜90℃程度が望ましい。減圧度は水分が遠赤外線加熱温度において、水分が充分に揮発する真空度である必要があり、0.1Torr以下が望ましい。
最後に、基材1と封止材10との貼り合わせを封止室で行う。封止体を、封止材と樹脂層の2層構造とし、樹脂層6に熱可塑性樹脂を使用した場合は、加熱したロールで圧着のみ行う(図3(a))。熱硬化型接着樹脂を使用した場合は、加熱したロールで圧着した後、さらに硬化温度で加熱硬化を行う(図3(b))。光硬化性接着樹脂を使用した場合は、ロールで圧着した後、さらに光を照射することで硬化を行う(図3(c))。
実施の形態に基づいた実施例及び比較例を図1〜3に従って説明する。
まず、基材1としてガラス基材を用いた。基材1上にスパッタリング法で陽極層3としてITO膜を150nm形成した後に、フォトリソグラフィー法及びウェットエッチング法によって、ITO膜をパターニングした(図1(a))。
次に、発光媒体層4として、正孔輸送層にポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)とポリスチレンスルホン酸との混合物(20nm)、蛍光体層にポリ[2−メトキシ−5−(2’−エチル−ヘキシロキシ)−1,4−フェニレンビニレン](MEHPPV)(100nm)をそれぞれスピンコート法により形成した(図1(b))後に、陰極層5として、真空蒸着法によりCa(20nm)とAg(200nm)をこの順に積層形成した(図1(c))。
次に樹脂層6にエポキシ系の熱硬化性接着剤、封止材2にコバルト酸化物をガラス基板に被膜した熱線反射ガラスを使用し、該接着剤を有機溶剤で溶解させ、それを封止材2上にコートし、有機溶剤を揮散させることで樹脂層を有する封止体(300mm×300mm)を作成した。減圧槽、マイクロ波乾燥ユニット、遠赤外線乾燥ユニットを有する乾燥装置を用い、この封止体の樹脂層側が、遠赤外線に照射されるように減圧槽にセットし、乾燥後の封止体の重量が一定になるまでマイクロ波乾燥及び遠赤外線乾燥を同時に行った(図2)。マイクロ波出力は1.5kw、マイクロ波出力時間は30分、遠赤外線加熱温度は70℃、減圧度は0.1Torrで行った。
最後に、乾燥窒素雰囲気中で基材1と封止材2を貼りあわせ、90℃に加熱した熱ロールで圧着した。圧着後、110℃で1時間加熱硬化を行った(図3(b))。得られた有機EL素子の初期状態を観察した結果、端部劣化やダークスポットはなく、又60℃、90%RH恒温高湿槽中で500時間保存した結果、端部劣化やダークスポットは見られなかった。
(比較例1)
実施例に記載した有機EL素子において、封止体を、乾燥装置で乾燥せず、基材1と封止材2を実施例と同様に貼り合わせた。その結果、有機EL素子の初期状態においてダークスポットが観察され、素子中のダークスポット面積比率は1〜3%程度であった。
(比較例2)
実施例に記載した有機EL素子において、封止体を実施例1の乾燥装置を用い、遠赤外線乾燥ユニットを作動させず、マイクロ波乾燥ユニットのみで乾燥した。この封止体を基材1と実施例と同様に貼り合わせた。その結果、有機EL素子の初期状態においてダークスポットが観察され、素子中のダークスポット面積比率は0.5〜1.0%程度であった。
(比較例3)
実施例に記載した有機EL素子において、封止体を実施例1の乾燥装置を用い、マイクロ波乾燥ユニットを作動させず、遠赤外線乾燥ユニットのみで乾燥した。この封止体を基材1と実施例と同様に貼り合わせた。その結果、有機EL素子の初期状態においてダークスポットが観察され、乾燥装置で乾燥しないケースと同程度で、素子中のダークスポット面積比率は1〜3%程度であった。
本発明の高分子EL素子の一例を示す断面概略図である。 本発明で使用する減圧槽の概略説明図である。 本発明の貼り合わせ工程を示した断面簡略図である。
符号の説明
1 基材
2 封止材
3 陽極層
4 発光媒体層
5 陰極層
6 樹脂層
7 減圧槽
8 マイクロ波乾燥ユニット
9 遠赤外線乾燥ユニット
10 封止体

Claims (3)

  1. 基板上に陽極層、発光媒体層、陰極層をこの順に形成する工程と、封止材上に接着樹脂からなる樹脂層を積層して封止体を形成する工程と、前記基板と前記封止体とを張り合わせる工程と、からなる有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法であって、
    前記封止体を形成する工程は、
    封止材上に熱硬化性接着樹脂又は光硬化性接着樹脂からなる樹脂層を積層する工程と、
    前記樹脂層にマイクロ波、遠赤外線を同時に照射して、乾燥する工程と、
    からなり、
    前記基板と前記封止体とを張り合わせる工程は、
    基板と前記封止体とを張り合わせる工程と、
    前記接着樹脂を光又は熱により硬化させる工程と、
    からなることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
  2. 前記封止体に、マイクロ波、遠赤外線を同時に照射して、乾燥する工程は、30〜90℃で行うことを特徴とする請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
  3. 前記封止材はセラミックス、ガラス、石英、金属箔のいずれかであることを特徴とする請求項1又は2に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
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