JP2009283154A - 有機発光装置および電子機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】 有機発光装置が備える有機発光素子の特性の経時的な劣化を抑制または防止することができる有機発光装置、および、かかる有機発光装置を備える電子機器を提供することにある。
【解決手段】表示装置10は、TFT回路基板20と、TFT回路基板20上に設けられた有機EL素子1と、有機EL素子1を封止する上基板9とを有し、TFT回路基板20は、基板21と、駆動用TFT24を備える回路部22の下地保護膜23とが接合膜11を介して接合されたものであり、接合膜11は、乾燥剤を含有する主としてシリコーン材料で構成されていることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、有機発光装置および電子機器に関するものである。
有機半導体材料を使用したエレクトロルミネッセンス素子(有機EL素子)は、固体発光型の安価な大面積フルカラー表示装置(有機発行装置)が備える有機発光素子としての用途が有望視され、多くの開発が行われている(例えば、特許文献1参照)。
一般に、有機EL素子は、陰極と陽極との間に有機半導体材料(有機発光材料)で構成される有機半導体層(有機発光層)を有する構成であり、陰極と陽極との間に電界を印加すると、有機発光層に陰極側から電子が注入され、陽極側から正孔が注入される。
そして、注入された電子と正孔とが有機発光層において再結合し、エネルギー準位が伝導帯から価電子帯に戻る際の失活エネルギーの少なくとも一部を光エネルギーとして放出することにより、有機発光層が発光する。
このような有機EL素子における発光効率等の特性を向上させることを目的に、用いる有機発光材料の種類や、デバイス構造等について活発な研究が行われている。
ところで、有機発光材料は、一般的に、水に対する反応性が高いため、水分と接触すると経時的に変質・劣化することとなる。すなわち、有機発光層が経時的に変質・劣化することとなる。そのため、有機発光層の特性が低下したり、有機発光層が接触する層との間に剥離が生じてしまうこと等に起因して、有機EL素子の発光効率等の特性が低下するという問題がある。
かかる問題を解決すること、すなわち、有機発光材料の変質・劣化を防止することを目的に、水蒸気バリア性を有する封止材を用いて有機EL素子を封止するとともに、この封止材の内側に乾燥剤を配置して、有機EL素子の外部から内部への水分の移動(浸入)を抑制または防止し、さらに、仮に水分が侵入したとしても、この水分を乾燥剤に吸着させるようにしたデバイス構造が開発されている。
例えば、特許文献1には、中央部に凹部を備え、この凹部内に乾燥剤を収納し得るガラス板を封止材として用いた有機EL装置が提案されている。
すなわち、特許文献1では、有機EL装置は、凹部内に乾燥剤が収納されたガラス板の縁部に、このガラス基板と有機EL素子が形成された基板とを接着する樹脂材料を塗布し、前記ガラス板と前記基板とを、それぞれ、乾燥剤側と有機EL素子側とを対向させて接合し、前記樹脂材料を硬化させることによって封止されている。
かかる構成の有機EL装置では、有機EL素子がガラス基板と接触して傷が付かないように、ガラス基板と有機EL素子とは一定の間隔を有した状態で配置されたものである。その結果、有機EL装置内に水分が浸入した際に、十分に有機EL素子が吸湿するのを防止することができなかった。その上、有機EL素子から発せられる熱が、有機発光装置内に滞留してしまうという問題があった。
特開2000−195660号公報
本発明の目的は、有機発光装置が備える有機発光素子の特性の経時的な劣化を抑制または防止することができる有機発光装置、および、かかる有機発光装置を備える電子機器を提供することにある。
このような目的は以下の本発明により達成される。
本発明の有機発光装置は、基板と、
該基板上に設けられ、主として有機発光材料で構成された有機発光層と、該有機発光層に導通する電極とを有する有機発光素子を備える発光デバイスと、
前記発光デバイスを封止するように設けられた封止部材とを有し、
前記基板と前記発光デバイスとが、乾燥剤を含有する主としてシリコーン材料で構成された接合膜で接合されていることを特徴とする。
これにより、有機発光装置が備える有機発光素子の特性の経時的な劣化を抑制または防止することができる有機発光装置を提供することができる。
本発明の有機発光装置では、前記発光デバイスは、前記有機発光素子が有する前記電極に接続されたスイッチング素子を備えたものであることが好ましい。
このような構成の有機発光装置(アクティブマトリックス型の有機発光装置)において、有機発光素子の特性の経時的な変質、劣化を抑制または防止することができる。特に、
有機発光素子が発する熱を、スイッチング素子および接合膜を介して、有機発光装置外部へと効率良く放熱することができ、有機発光素子を高寿命なものとすることができる。
本発明の有機発光装置では、前記基板と前記封止部材とが、前記接合膜と同様の接合膜で接合されていることが好ましい。
これにより、有機発光素子が吸湿するのをより確実に防止することができる。結果として、有機発光素子の特性の経時的な変質、劣化を抑制または防止することができる。
本発明の有機発光装置では、前記発光デバイスと前記封止部材とが、前記接合膜と同様の接合膜で接合されていることが好ましい。
これにより、有機発光素子が吸湿するのをより確実に防止することができる。特に、封止部材を構成する材料として、ガスバリア性の低い材料(例えば、樹脂材料)を用いた場合に、有機発光装置内に水分が浸入するのをより効果的に防止することができる。
本発明の有機発光装置では、前記シリコーン材料は、その主骨格がポリジメチルシロキサンで構成されることが好ましい。
かかる化合物は、比較的入手が容易で、かつ安価であるとともに、かかる化合物を含有する接合膜にエネルギーを付与することにより、化合物を構成するメチル基が容易に切断されて、その結果として、接合膜に確実に接着性を発現させることができるため、シリコーン材料として好適に用いられる。また、このような接合膜は、特に優れた伝熱性を有するものとなり、有機発光素子が発する熱をより確実に有機発光装置外部に放熱することができる。
本発明の有機発光装置では、前記シリコーン材料は、シラノール基を有することが好ましい。
これにより、接合膜を構成するシリコーン材料は、隣接するシリコーン分子が有する水素基同士が結合することとなり、得られる接合膜の膜強度が優れたものとなる。
本発明の有機発光装置では、前記接合膜における前記乾燥剤の含有率は、2〜40wt%であることが好ましい。
これにより、有機発光装置内部に水分が浸入した場合でも、有機発光素子が吸湿するのをより確実に防止することができる。また、基板と発光デバイスとの接合強度を十分に高いものとすることができる。結果として、耐久性に優れるとともに、より長期間にわたって、有機発光素子の特性の劣化が抑制された有機発光装置を得ることができる。
本発明の有機発光装置では、前記乾燥剤は、粒子状をなすものであることが好ましい。
これにより、乾燥剤を接合膜全体に均一に分散させることができ、接合膜の吸湿能をより高めることができる。結果として、有機発光素子の変質、劣化をより効率良く抑制または防止することができる。
本発明の有機発光装置では、前記乾燥剤の平均粒径は、10〜10000nmであることが好ましい。
これにより、接合膜の吸湿能はより優れたものとなるとともに、接合膜の機械的強度および、基板と発光デバイスとの接合強度は特に優れたものとすることができる。
本発明の有機発光装置では、前記接合膜中に含まれる前記乾燥剤の平均粒径をr(nm)、前記接合膜の平均厚さをT(nm)としたとき、0.06≦r/T≦0.9の関係を満足するものであることが好ましい。
これにより、接合膜の機械的強度、および基板と発光デバイスとの接合強度は特に優れたものとなる。結果として、有機発光装置の耐久は特に優れたものとすることができる。
本発明の有機発光装置では、前記乾燥剤は、主としてケイ素化合物で構成されたものであることが好ましい。
これにより、接合膜は、吸湿能および機械的強度に特に優れたものとなる。
本発明の有機発光装置では、前記接合膜の平均厚さは、10〜10000nmであることが好ましい。
これにより、基板と発光デバイスとを十分に高い寸法精度で接合することができるとともに、これらをより強固に接合することができる。
本発明の有機発光装置では、前記基板は、樹脂材料で構成されたものであることが好ましい。
これにより、有機発光素子が、吸湿により変質、劣化するのを確実に防止しながら、有機発光装置の軽量化、薄型化を図ることができる。
本発明の有機発光装置では、前記基板の前記接合膜と接している面には、予め、前記接合膜との密着性を高める表面処理が施されていることが好ましい。
これにより、基板の接合面が清浄化および活性化され、接合面に対して接合膜が化学的に作用し易くなる。その結果、基板の接合面と接合膜との接合強度を高めることができる。
本発明の有機発光装置では、前記表面処理は、プラズマ処理または紫外線照射処理であることが好ましい。
これにより、接合膜を形成するために、基板の表面を特に最適化することができる。
本発明の有機発光装置では、前記封止部材は、透明性を有し、
有機発光装置は、前記有機発光素子が発する光を、前記封止部材側から取り出す構造の装置であることが好ましい。
かかる構成の有機発光装置に適用することにより、有機発光装置が備える有機発光素子の消費電力が確実に低減して、さらには、有機発光素子の長寿命化を確実に図ることができる。
本発明の電子機器は、本発明の有機発光装置を備えることを特徴とする。
これにより、長期間にわたって高い発光輝度を有する信頼性の高い電子機器が得られる。
以下、本発明の有機発光装置および電子機器を、添付図面に示す好適実施形態に基づいて詳細に説明する。
<有機発光装置>
図1は、本発明の有機発光装置を適用したアクティブマトリックス型表示装置の実施形態を示す横断面図、図2は、図1に示すアクティブマトリクス型表示装置の有機EL素子の配置を示す平面図、図3は、有機EL素子の他の配置を示す平面図である。なお、以下では、説明の都合上、図1の上側を「上」、下側を「下」と言う。
図1に示すアクティブマトリックス型表示装置(以下、単に「表示装置」と言う。)10は、全体形状が板状をなすTFT回路基板20と、このTFT回路基板20上に設けられ、発光色が、赤色(R)の有機EL素子1R、緑色(G)の有機EL素子1G、青色(B)の有機EL素子1Bと、各有機EL素子1(1R、1G、1B)同士を区画する隔壁部35と、TFT回路基板20に対向する上基板(封止部材)9とを有している。以下、各部の構成について説明する。
基板21は、表示装置10を構成する各部の支持体となるものである。また、有機EL素子1の下側で、有機EL素子1を気密的に封止する封止材として機能するものである。
なお、本実施形態の表示装置10は、上基板9(後述する陰極8)側から、光を取り出す構成(トップエミッション型)であるため、基板21を構成する材料としては、光透過性は要求されない。
表示装置10では、このような基板21を構成する材料としては、各種樹脂材料が用いられる。これにより、表示装置10の軽量化、薄型化を図ることができる。また、落下等の衝撃により、表示装置10が破損するのを防止することができる。
このような樹脂材料として、具体的には、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)等のポリオレフィン、環状ポリオレフィン、変性ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリカーボネート、ポリ−(4−メチルペンテン−1)、アイオノマー、アクリル系樹脂、ポリメチルメタクリレート、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂)、ブタジエン−スチレン共重合体、ポリオキシメチレン、ポリビニルアルコール(PVA)、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリシクロヘキサンテレフタレート(PCT)等のポリエステル、ポリエーテル、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルイミド、ポリアセタール(POM)、ポリフェニレンオキシド、変性ポリフェニレンオキシド、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリフェニレンサルファイド、ポリアリレート、芳香族ポリエステル(液晶ポリマー)、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、その他フッ素系樹脂のような樹脂材料が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせたものを好適に用いることができる。
また、このような基板21にガスバリア性を高める処理を施してもよい。例えば、かかる樹脂基板の表面に、SiO、SiO、SiN等のケイ素化合物や、DLC(ダイヤモンドライクカーボン)等の無機材料を気相成膜法を用いて成膜することにより、樹脂基板のガスバリア性をさらに優れたものとすることができる。
基板21の平均厚さは、特に限定されないが、1〜30mm程度であるのが好ましく、5〜20mm程度であるのがより好ましい。
そして、基板21上の全面にわたって、接合膜11が設けられている。
本発明において、接合膜11は、シリコーン材料および乾燥剤111を含有するものである。
このような接合膜11は、基板21と回路部22とを接合する(および、基板21と上基板9とを接合する)接合膜としての機能を有するとともに、乾燥剤111を含むものであるため、表示装置10内に浸入した水分を吸湿する機能も有している。このような接合膜11と有機EL素子1との間には、回路部22のみが存在するだけで、結果として、表示装置10は、有機EL素子1の直近に乾燥剤111が設けられた構成を有している。これにより、表示装置10内に水分が浸入した際にも、有機EL素子1が吸湿するのを確実に防止することができる。
また、表示装置10では、装置の軽量化、薄型化を目的として、基板21の構成材料として樹脂材料が用いられているが、基板を樹脂材料で構成することにより得られるメリットに反して、基板側から、表示装置内部に水分が浸入し易くなる。表示装置10では、基板21上の全面にわたって、上述したような接合膜11を設けることにより、基板21を通して表示装置10内に浸入しようとする水分を、接合膜11中に含まれる乾燥剤111で確実に吸湿することができる。さらに、このような接合膜11は、緻密で、かつ密度が高いものである。そのため、仮に、基板21が破損した場合であっても、接合膜11がガスバリア層としても機能し、表示装置10内に水分が浸入するのを防止することができる。
また、このような接合膜11は、優れた熱伝導性を有するものである。したがって、有機EL素子1が発熱した際に、回路部22および接合膜11を介して、基板21から表示装置10外部へと効率良く放熱することができる。
このように、表示装置10は、有機EL素子1が吸湿するのが確実に防止されるとともに、有機EL素子1が発した熱を表示装置10外部へと効率良く放熱することができるため、有機EL素子1の経時的な劣化を抑制または防止することができる。
また、本実施形態の表示装置10は、基板21と上基板9とが、それぞれの外周部において接合膜11を介して接合されている。このような接合膜11は、上述したように、緻密で、かつ密度が高いものであるため、基板同士を樹脂材料系の接着剤で接合する場合に比べて、表示装置10内の気密性をより高いものとすることができる。その結果、有機EL素子1が吸湿するのをより効果的に防止することができる。
このような接合膜11の平均厚さは、10〜10000nm程度であるのが好ましく、50〜5000nm程度であるのがより好ましい。これにより、基板21と回路部22(下地保護膜23)とを接合した接合体の寸法精度が著しく低下するのを防止しつつ、より強固に接合することができる。
また、接合膜11中に含まれる乾燥剤111としては、特に限定されないが、例えば、表示装置10内(基板21と、上基板9と、基板21および上基板9の外周部に設けられた接合膜11とで囲まれた領域)に含まれる水を、化学的に吸着(化学吸着)する乾燥剤や、物理的に吸着(物理吸着)する乾燥剤等が挙げられる。
水を化学吸着する乾燥剤としては、例えば、酸化ナトリウム(NaO)、酸化カリウム(KO)、酸化カルシウム(CaO)のような金属酸化物、硫酸リチウム(LiSO)、硫酸ナトリウム(NaSO)、硫酸カルシウム(CaSO)のような硫酸塩、塩化カルシウム(CaCl)、塩化マグネシウム(MgCl)、塩化ストロンチウム(SrCl)のような金属ハロゲン化物、過塩素酸バリウム(Ba(ClO)、過塩素酸マグネシウム(Mg(ClO)のような過塩素酸塩等が挙げられる。
また、水を物理吸着する乾燥剤としては、例えば、シリカゲルA型、シリカゲルB型、天然ゼオライト、合成ゼオライト、アロフェンおよびセピオライト等のケイ素化合物が挙げられる。
接合膜11中に含まれる乾燥剤111としては、以上のような乾燥剤のうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができるが、上述したような材料の中でもケイ素化合物で構成されたものであるのが好ましい。このようなケイ素化合物は、前述したシリコーン材料との親和性に優れた成分である。そのため、接合膜11は、シリコーン材料と乾燥剤111との界面での密着性が優れたものとなり、機械的強度が特に優れたものとなる。また、接合膜11中に乾燥剤111がより均一に分散したものとなり、接合膜11の吸湿能を特に優れたものとすることができる。
このような乾燥剤111は、接合膜11における含有率が、2〜40wt%であるのが好ましく、20〜30wt%であるのがより好ましい。これにより、接合膜11の吸湿能は特に優れたものとなる。さらに、接合膜11中に含まれる乾燥剤111の含有率が上記条件を満足する場合には、乾燥剤111が存在することによって、接合膜11の機械的強度が低下するのが確実に防止される。結果として、接合膜11は、十分に優れた吸湿能を有するとともに、基板21と下地保護膜23との接合強度を優れたものとすることができる。
また、このような乾燥剤111は、接合膜11中において、粒子状をなすものであるのが好ましい。
接合膜11中において乾燥剤111が粒子状をなすものである場合、その平均粒径は、10〜10000nmであるのが好ましく、100〜5000nmであるのがより好ましい。これにより、接合膜11の吸湿能は特に優れたものとなる。また、接合膜11中に乾燥剤111が存在することにより、接合膜11の主材料であるシリコーン材料の機械的強度が低下するのを確実に防止することができ、基板21と下地保護膜23との接合強度は特に優れたものとなる。
さらに、このような接合膜11中に含まれる乾燥剤111が粒子状をなすものである場合、接合膜11中に含まれる乾燥剤111の平均粒径をr(nm)、接合膜11の平均厚さをT(nm)としたとき、0.06≦r/T≦0.9であるのが好ましく、0.1≦r/T≦0.7であるのがより好ましい。これにより、接合膜11の機械的強度は十分に高いものとなるとともに、基板21と下地保護膜23との接合強度は特に優れたものとなる。結果として、表示装置10の耐久性は特に優れたものとなる。
基板21上に、接合膜11を介して接合される回路部22は、下地保護膜23と、下地保護膜23上に形成された駆動用TFT(スイッチング素子)24と、第1層間絶縁層25と、第2層間絶縁層26とを有している。表示装置10では、回路部22が備える下地保護膜23が、接合膜11を介して基板21と接合している。そして、このように接合膜11を介して接合された基板21と回路部22とでTFT回路基板20を構成する。
駆動用TFT24は、半導体層241と、半導体層241上に形成されたゲート絶縁層242と、ゲート絶縁層242上に形成されたゲート電極243と、ソース電極244と、ドレイン電極245とを有している。
回路部22上には、各駆動用TFT24に対応して、それぞれ、有機EL素子1(1R、1G、1B)が設けられている。
また、図1(図2、図3も同様)に示すように、隣接する有機EL素子1(1R、1G、1B)同士は、隔壁部(バンク)35により区画されている。この隔壁部35は、互いに対向配置された陽極3と陰極8との間に設けられ、これらの電極間の距離を規制する機能も有している。
隔壁部35は、板状をなす第1隔壁部31と、第1隔壁部31上に設けられたブロック状をなす第2隔壁部32とで構成される。第1隔壁部31は、隣接する陽極3間をまたぐように設けられている。また、第1隔壁部31は、陽極3に接する(接合した)陽極接合部311と、TFT回路基板20の回路部22の上面に接する(接合した)基板接合部312とを有している。これにより、隔壁部35がTFT回路基板20に対して確実に固定される。第2隔壁部32は、主に有機半導体層7を包囲する部位である。この第2隔壁部32は、その両側面321が上方に向かって互いに接近するように傾斜した傾斜面となっている。また、第2隔壁部32の上面(頂面)322は、平面を構成している。
このような構成の複数の隔壁部35は、全体として平面視での形状が格子状をなしている(図2参照)。これにより、各隔壁部35の内側に有機半導体層7(有機EL素子1)を設けることができ、このように設けられた有機半導体層7は、マトリクス状をなす。よって、有機EL素子1を表示装置10に好適に用いることができる。
第1隔壁部31および第2隔壁部32の構成材料は、耐熱性、撥液性、インク溶剤耐性、下地層との密着性等を考慮して選択される。
具体的には、第1隔壁部31および第2隔壁部32の構成材料としては、例えば、SiOのようなシリコン酸化物(無機材料)や、アクリル系樹脂、ポリイミド系樹脂のような樹脂材料(有機材料)が挙げられる。また、第1隔壁部31の構成材料と第2隔壁部32の構成材料とは、同じであってもよいし、異なっていてもよい。
また、隔壁部35の開口の形状は、図2に示す構成では四角形であるが、この他、例えば、円形、楕円形、六角形等の多角形等、いかなるものであってもよい。
なお、隔壁部35の開口の形状を多角形とする場合には、角部は丸みを帯びているのが好ましい。これにより、正孔輸送層4、発光層5、および電子輸送層6を、後述するような有機半導体材料含有液を用いて形成する際に、これらの有機半導体材料含有液を、隔壁部35の内側の空間の隅々にまで確実に、すなわち、過不足なく供給することができる。
このような隔壁部35の高さは、陽極3、正孔輸送層4、発光層5、および電子輸送層6の合計の厚さにもよるが、例えば、30〜500nm程度とするのが好ましい。かかる高さとすることにより、十分に隔壁(バンク)としての機能が発揮される。
本実施形態では、各有機EL素子1の陽極3は、個別電極(画素電極)を構成し、各駆動用TFT24のドレイン電極245に配線27により電気的に接続されている。また、正孔輸送層4、発光層5、および電子輸送層6を備える有機半導体層7とは、各有機EL素子1に対して個別に形成されており、陰極8は、共通電極とされている。
そして、各有機EL素子1は、図2に示すように、平面視において、マトリクス状に配置され、2点鎖線で囲まれる部分(3つの有機EL素子1R、1G、1B)により1画素が構成されている。なお、有機EL素子1R、1G、1Bの配置は、図2に示すものに限定されず、例えば、図3(a)および図3(b)に示すようなものであってもよい。図3(a)では、有機EL素子1R、1G、1Bの配置の順番が図2に示す構成のものとは異なっている。図3(b)では、有機EL素子1R、1G、1Bがそれぞれ三角形の頂部に位置するように配置されている。
表示装置10では、個別に(複数)設けられた陽極3と、これらの陽極3を平面視で包含するように設けられた陰極8と、各陽極3にそれぞれ対応するように陰極8との間に設けられた有機半導体層7とで、有機EL素子1が構成されている。なお、本実施形態では、有機半導体層7は、陽極3側から正孔輸送層4と発光層5と電子輸送層6とがこの順で積層された積層体となっている。
また、陰極8が全陽極3を包含するようなものであることにより、当該陰極8が全陽極3に対応する共通電極となり、個別に陰極8を設けるのが省略され、表示装置10の構造を簡単なものとすることができる。
陽極3は、TFT回路基板20の回路部22の上面に設けられ(積層され)、正孔輸送層4(有機半導体層7)に正孔を注入する電極である。
この陽極3の構成材料(陽極材料)としては、導電性を有するものであればよく、特に限定されないが、仕事関数が大きく、導電性に優れた材料を用いるのが好ましい。
このような陽極材料としては、例えば、ITO(酸化インジウムと酸化亜鉛との複合物)、SnO2、Sb含有SnO2、Al含有ZnO等の酸化物、Al、Ni、Co、Au、Pt、Ag、Cuまたはこれらを含む合金等が挙げられ、これらのうちの少なくとも1種を用いることができる。
陽極3の平均厚さは、特に限定されないが、10〜200nm程度であるのが好ましく、50〜150nm程度であるのがより好ましい。陽極3の厚さが薄すぎると、陽極3としての機能が充分に発揮されなくなるおそれがあり、一方、陽極3が厚過ぎると、後述する正孔と電子との再結合を発光層5において好適に行うことができず、有機EL素子1の発光効率等の特性が低下するおそれがある。
なお、陽極材料には、例えば、ポリチオフェン、ポリピロール等の導電性樹脂材料を用いることもできる。
また、このような陽極3は、光反射性を有するのが好ましい。これにより、後述する発光層5で発光した光が陽極3側で吸収(吸光)されることなく、上基板9側に反射させて、上基板9(陰極8)を通過する光の量を増大させることができる。その結果、有機EL素子1の発光効率や光の取り出し効率等の特性が向上をすることとなる。
かかる構成の陽極3は、前述したような陽極材料のうち、Al、Ni、Co、Agまたはこれらを含む合金で、その少なくとも表面付近を構成することにより形成することができる。
一方、陰極8は、電子輸送層6(有機半導体層7)に電子を注入する電極である。
この陰極8の構成材料(陰極材料)としては、表示装置10が陰極8側から光を取り出すトップエミッション構造であるため透光性を有する透明導電性材料が選択される。
このような陰極材料としては、インジウムティンオキサイド(ITO)、フッ素含有インジウムティンオキサイド(FITO)、アンチモンティンオキサイド(ATO)、インジウムジンクオキサイド(IZO)、アルミニウムジンクオキサイド(AZO)、酸化スズ(SnO)、酸化亜鉛(ZnO)、フッ素含有酸化スズ(FTO)、フッ素含有インジウムオキサイド(FIO)、インジウムオキサイド(IO)、等の透明導電性材料が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
陰極8の平均厚さは、特に限定されないが、100〜3000nm程度であるのが好ましく、500〜2000nm程度であるのがより好ましい。陰極8の厚さが薄すぎると、陰極8としての機能が充分に発揮されなくなるおそれがあり、一方、陰極8が厚過ぎると、陰極材料の種類等によっては、光の透過率が低下して、トップエミッション型の構造を有する有機EL素子1として、実用に適さなくなるおそれがある。
このような陰極8は、その光(可視光領域)の透過率が好ましくは60%以上、より好ましくは80%以上となっている。これにより、光を効率よく陰極8側から取り出すことができる。
また、陽極3と陰極8との間には、有機半導体層7が設けられている。本実施形態では、この有機半導体層7は、正孔輸送層4と発光層5と電子輸送層6とで構成される積層体となっている。
なお、かかる構成の有機半導体層7においては、正孔輸送層4、発光層5および正孔輸送層6が、有機半導体材料で構成されたものである。
正孔輸送層4は、陽極3から注入された正孔を発光層5まで輸送する機能を有するものである。
この正孔輸送層4の構成材料(正孔輸送材料)としては、例えば、ポリエチレンジオキシチオフェン:ポリスチレンスルホネート、ポリアニリン:ポリスチレンスルホネート、ポリアリールアミン、フルオレン−アリールアミン共重合体、フルオレン−ビチオフェン共重合体、ポリ(N−ビニルカルバゾール)、ポリビニルピレン、ポリビニルアントラセン、ポリチオフェン、ポリアルキルチオフェン、ポリヘキシルチオフェン、ポリ(p−フェニレンビニレン)、ポリチニレンビニレン、ピレンホルムアルデヒド樹脂、エチルカルバゾールホルムアルデヒド樹脂またはその誘導体等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
なお、陽極3と正孔輸送層4との間には、例えば、陽極3からの正孔注入効率を向上させる正孔注入層を設けるようにしてもよい。
この正孔注入層の構成材料(正孔注入材料)としては、例えば、銅フタロシアニンや、4,4’,4’’−トリス(N,N−フェニル−3−メチルフェニルアミノ)トリフェニルアミン(m−MTDATA)等が挙げられる。
また、電子輸送層6は、陰極8から注入された電子を発光層5まで輸送する機能を有するものである。
電子輸送層6の構成材料(電子輸送材料)としては、例えば、1,3,5−トリス[(3−フェニル−6−トリ−フルオロメチル)キノキサリン−2−イル]ベンゼン(TPQ1)のようなベンゼン系化合物、ナフタレン系化合物、フェナントレン系化合物、クリセン系化合物、ペリレン系化合物、アントラセン系化合物、ピレン系化合物、アクリジン系化合物、スチルベン系化合物、BBOTのようなチオフェン系化合物、ブタジエン系化合物、クマリン系化合物、キノリン系化合物、ビスチリル系化合物、ジスチリルピラジンのようなピラジン系化合物、キノキサリン系化合物、2,5−ジフェニル−パラ−ベンゾキノンのようなベンゾキノン系化合物、ナフトキノン系化合物、アントラキノン系化合物、2−(4−ビフェニリル)−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(PBD)のようなオキサジアゾール系化合物、3,4,5−トリフェニル−1,2,4−トリアゾールのようなトリアゾール系化合物、オキサゾール系化合物、アントロン系化合物、1,3,8−トリニトロ−フルオレノン(TNF)のようなフルオレノン系化合物、MBDQのようなジフェノキノン系化合物、MBSQのようなスチルベンキノン系化合物、アントラキノジメタン系化合物、チオピランジオキシド系化合物、フルオレニリデンメタン系化合物、ジフェニルジシアノエチレン系化合物、フローレン系化合物、ピロール系化合物、フォスフィンオキサイド系化合物、8−ヒドロキシキノリン アルミニウム(Alq)、ベンゾオキサゾールやベンゾチアゾールを配位子とする錯体のような各種金属錯体等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
なお、陰極8と電子輸送層6との間には、例えば、陰極8から電子輸送層6への電子の注入効率を向上させる電子注入層を設けるようにしてもよい。
この電子注入層の構成材料(電子注入材料)としては、例えば、8−ヒドロキシキノリン、オキサジアゾール、または、これらの誘導体(例えば、8−ヒドロキシキノリンを含む金属キレートオキシノイド化合物)等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上組み合わせて用いることができる。
このような正孔輸送層4および電子輸送層6の平均厚さは、特に限定されないが、10〜150nm程度であるのが好ましく、50〜100nm程度であるのがより好ましい。これにより、正孔(または電子)を陽極3(または陰極8)から発光層5により効率良く注入することができる。
ここで、陽極3と陰極8との間に通電(電圧を印加)すると、正孔輸送層4中を移動した正孔が発光層5に注入され、また、電子輸送層6中を移動した電子が発光層5に注入され、この発光層5において正孔と電子とが再結合する。そして、発光層5ではエキシトン(励起子)が生成し、このエキシトンが基底状態に戻る際にエネルギー(蛍光やりん光)を放出(発光)する。
各発光層5(5R、5G、5B)の構成材料(発光材料)としては、それぞれ、各種の高分子材料や、各種の低分子材料を単独または組み合わせて用いることができる。
高分子の発光材料としては、例えば、トランス型ポリアセチレン、シス型ポリアセチレンのようなポリアセチレン系化合物、ポリ(パラ−フェンビニレン)(PPV)のようなポリパラフェニレンビニレン系化合物、ポリ(3−アルキルチオフェン)(PAT)のようなポリチオフェン系化合物、ポリ(9,9−ジアルキルフルオレン)(PDAF)、α,ω−ビス[N,N’−ジ(メチルフェニル)アミノフェニル]−ポリ[9,9−ビス(2−エチルヘキシル)フルオレン−2,7−ジル](PF2/6am4)のようなポリフルオレン系化合物、ポリ(パラ−フェニレン)(PPP)のようなポリパラフェニレン系化合物、ポリ(N−ビニルカルバゾール)(PVK)のようなポリカルバゾール系化合物、ポリ(メチルフェニルシラン)(PMPS)のようなポリシラン系化合物等が挙げられる。
一方、低分子の発光材料としては、例えば、ジスチリルベンゼン(DSB)のようなベンゼン系化合物、ナフタレン、ナイルレッドのようなナフタレン系化合物、フェナントレンのようなフェナントレン系化合物、クリセン、6−ニトロクリセンのようなクリセン系化合物、ペリレン、N,N’−ビス(2,5−ジ−t−ブチルフェニル)−3,4,9,10−ペリレン−ジ−カルボキシイミド(BPPC)のようなペリレン系化合物、コロネンのようなコロネン系化合物、アントラセン、ビススチリルアントラセンのようなアントラセン系化合物、ピレンのようなピレン系化合物、4−(ジ−シアノメチレン)−2−メチル−6−(パラ−ジメチルアミノスチリル)−4H−ピラン(DCM)のようなピラン系化合物、アクリジンのようなアクリジン系化合物、スチルベンのようなスチルベン系化合物、2,5−ジベンゾオキサゾールチオフェンのようなチオフェン系化合物、ベンゾオキサゾールのようなベンゾオキサゾール系化合物、ベンゾイミダゾールのようなベンゾイミダゾール系化合物、2,2’−(パラ−フェニレンジビニレン)−ビスベンゾチアゾールのようなベンゾチアゾール系化合物、ビスチリル(1,4−ジフェニル−1,3−ブタジエン)のようなブタジエン系化合物、ナフタルイミドのようなナフタルイミド系化合物、クマリンのようなクマリン系化合物、ペリノンのようなペリノン系化合物、オキサジアゾールのようなオキサジアゾール系化合物、アルダジン系化合物、1,2,3,4,5−ペンタフェニル−1,3−シクロペンタジエン(PPCP)のようなシクロペンタジエン系化合物、キナクリドン、キナクリドンレッドのようなキナクリドン系化合物、ピロロピリジンのようなピリジン系化合物、2,2’,7,7’−テトラフェニル−9,9’−スピロビフルオレンのようなスピロ化合物、フタロシアニン(HPc)、銅フタロシアニンのような金属または無金属のフタロシアニン系化合物、フローレンのようなフローレン系化合物、各種金属錯体等が挙げられる。
各発光層5R、5G、5Bの構成材料としては、これらの発光材料の中から、目的の発光色を発する材料を選択するようにすればよい。
赤色の発光材料(発光層5Rの構成材料)としては、例えば、トリス(1−フェニルイソキノリン) イリジウム(III)、ポリ[2,5−ビス(3、7−ジメチルオクチロキシ)−1,4−フェニレンビニレン]、ポリ[2−メトキシ−5−(2’−エチルヘキシルオキシ)−1,4−(1−シアノビニレン)フェニレン]、ポリ[2−メトキシ−5−(3,7−ジメチルオクチルオキシ)−1,4−フェニレンビニレン]等が挙げられる。
緑色の発光材料(発光層5Gの構成材料)としては、例えば、9,10−ビス[(9−エチル−3−カルバゾール)−ビニレニル]−アントラセン、ポリ(9,9−ジヘキシル−2,7−ビニレンフルオレニレン)、ポリ[(9,9−ジオクチルフルオレン−2,7−ジイル)−コ−(1,4−ジフェニレン−ビニレン−2−メトキシ−5−{2−エチルヘキシルオキシ}ベンゼン)]、ポリ[(9,9−ジオクチル−2,7−ジビニレンフルオレニレン)−オルト−コ−(2−メトキシ−5−(2−エトキシルヘキシルオキシ)−1,4−フェニレン)]等が挙げられる。
青色の発光材料(発光層5Bの構成材料)としては、例えば、4,4’−ビス(9−エチル−3−カルバゾビニレン)−1,1’−ビフェニル、ポリ[(9.9−ジオクチルフルオレン−2,7−ジイル)−コ−(2,5−ジメトキシベンゼン−1,4−ジイル)]、ポリ[(9,9−ジヘキシルオキシフルオレン−2,7−ジイル)−オルト−コ−(2−メトキシ−5−{2−エトキシヘキシルオキシ}フェニレン−1,4−ジイル)]、ポリ[(9,9−ジオクチルフルオレン−2,7−ジイル)−コ−(エチルニルベンゼン)]等が挙げられる。
なお、発光材料として低分子系のものを用いる場合、各発光層5R、5G、5Bのいずれも、低分子系の発光材料で構成するのが好ましく、高分子系のものを用いる場合、各発光層5R、5G、5Bのいずれも、高分子系の発光材料で構成するのが好ましい。
表示装置10では、上述した回路部22、隔壁部35、および有機EL素子1で発光デバイス13を構成している。
また、有機EL素子1(陰極8)上には、前述した接合膜と同様の接合膜11が設けられており、この有機EL素子1上の接合膜11および基板21の外周部(TFT回路基板20の回路部22が形成されていない部位)上の接合膜11と、上基板(封止部材)9とが接合されている。これにより、有機EL素子1が、基板21と上基板9との間で封止されている。このように、上基板9と有機EL素子1とが接合膜11を介して接合されることにより、上基板9と有機EL素子1とが高い寸法精度で接合される。特に、上基板9として、樹脂フィルムのように、可撓性を有する材料で構成されたものを用いた場合には、上基板9にしわ等が発生するのを確実に防止することができる。その結果、表示画像全面にわたって、均一な輝度を有する表示装置10を得ることができる。
上述したように、表示装置10は、上基板9(陰極8)側から光を取り出す構成を有するものであるため、上基板9は、実質的に透明(無色透明、着色透明、半透明)とされる。
上基板9には、各種ガラス材料基板および各種樹脂基板のうち透明なものが選択され、例えば、石英ガラス、ソーダガラスのようなガラス材料や、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリプロピレン、シクロオレフィンポリマー、ポリアミド、ポリエーテルサルフォン、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、ポリアリレートのような樹脂材料等を主材料として構成される基板を用いることができる。このような材料を用いることにより、上基板9が優れた光透過性を示すこととなり、よって、当該上基板9から光が確実に出射する(図1参照)。
また、このような上基板9を構成する材料として樹脂材料を用いた場合には、上基板9にガスバリア性を高める表面処理を施してもよい。このような処理としては、例えば、基板21に施すことができる処理を好適に適用することができる。
<表示装置の製造方法>
次に、本実施形態の表示装置10の製造方法について説明する。
図4〜図6は、それぞれ、表示装置10の製造方法を説明するための図(縦断面図)である。なお、以下の説明では、図4〜図6中の上側を「上」、下側を「下」と言う。
本実施形態の表示装置10の製造方法は、回路部22、隔壁部35、および有機EL素子1を発光デバイス形成用基板上に形成し、その後、発光デバイス形成用基板を除去することにより、回路部22、隔壁部35、および有機EL素子1で構成される発光デバイス13を用意する工程と、樹脂材料で構成された基板21を用意し、基板21上に接合膜11を成膜する工程と、基板21上に成膜された接合膜11に接合用エネルギーを付与する工程と、接合用エネルギーが付与されたことにより、その表面に接着性が発現した接合膜11と、発光デバイス13とを貼り合わせる工程と、発光デバイス13の上面に基板21上に設けられた接合膜と同様の接合膜11を成膜し、接着性を発現させた後に、上基板(封止部材)9を用意し、基板21の外周部および発光デバイス13上に設けられた接合膜11と上基板9とを接合する工程とを有する。このような製造方法では、発光デバイス13を成形する際に、直接基板21に熱(例えば、駆動用TFT24を形成する際にかかる熱)をかけることがないため、基板21の構成材料として樹脂材料を好適に用いることができる。
[1]まず、発光デバイス13(回路部22と隔壁部35と有機EL素子1との一体形成体)を用意する。
以下に、このような発光デバイス13を得る方法の一例について説明する。
[1−A]まず、発光デバイス形成用基板上に、中間膜を成膜する。
このような発光デバイス形成用基板としては、例えば、厚さ0.4〜1.1mm程度のガラス基板や石英基板を好適に用いることができる。
また、中間膜の構成材料としては、後述するように、発光デバイス形成用基板を除去(本実施形態では、エッチング処理)する際に、除去されない材料であればよいが、例えば、モリブデン(Mo)を好適に用いることができる。このようなMo膜は、例えば、厚さ500nmの膜をスパッタリング法を用いて発光デバイス形成用基板上に成膜することができる。
[1−B]上記のようにして得られた中間膜上に、下地保護膜23を成膜する。
このような下地保護膜23としては、例えば、TEOS(テトラエトキシシラン)や酸素ガス等を原料ガスとして、プラズマCVD法等により、平均厚さが約200〜500nmの酸化シリコンを主材料として構成される。このような下地保護膜23は、主としてシリコーン材料で構成された接合膜11と、化学構造の類似性により、より強固に接合することができる。
[1−C]次に、下地保護膜23上に、駆動用TFT24を形成する。
[1−Ca]まず、発光デバイス形成用基板を約350℃に加熱した状態で、下地保護膜23上に、例えばプラズマCVD法等により、平均厚さが約30〜70nmのアモルファスシリコンを主材料として構成される半導体膜を形成する。
[1−Cb]次いで、半導体膜に対して、レーザアニールまたは固相成長法等により結晶化処理を行い、アモルファスシリコンをポリシリコンに変化させる。
ここで、レーザアニール法では、例えば、エキシマレーザでビームの長寸が400mmのラインビームを用い、その出力強度は、例えば200mJ/cm程度に設定される。また、ラインビームについては、その短寸方向におけるレーザー強度のピーク値の90%に相当する部分が各領域に重なるようにラインビームを走査する。
[1−Cc]次いで、半導体膜をパターニングして島状とし、各島状の半導体層241を覆うように、例えば、TEOS(テトラエトキシシラン)や酸素ガスなどを原料ガスとして、プラズマCVD法等により、平均厚さが約60〜150nmの酸化シリコンまたは窒化シリコン等を主材料として構成されるゲート絶縁層242を形成する。
[1−Cd]次いで、ゲート絶縁層242上に、例えば、スパッタ法等により、アルミニウム、タンタル、モリブデン、チタン、タングステンなどの金属を主材料として構成される導電膜を形成した後、パターニングし、ゲート電極243を形成する。
[1−Ce]次いで、この状態で、高濃度のリンイオンを打ち込んで、ゲート電極243に対して自己整合的にソース・ドレイン領域を形成する。なお、不純物が導入されなかった部分がチャネル領域となる。
[1−D]次に、駆動用TFT24に電気的に接続されるソース電極244およびドレイン電極245を形成する。
[1−Da]まず、ゲート電極243を覆うように、第1層間絶縁層25を形成した後、コンタクトホールを形成する。
[1−Db]次いで、コンタクトホール内にソース電極244およびドレイン電極245を形成する。
[1−E]次に、ドレイン電極245と陽極3とを電気的に接続する配線(中継電極)27を形成する。
[1−Ea]まず、第1層間絶縁層25上に、第2層間絶縁層26を形成した後、コンタクトホールを形成する。
[1−Eb]次いで、コンタクトホール内に配線27を形成する。
以上のようにして、発光デバイス形成用基板上に回路部22が形成される。
[1−F]次に、回路部22が備える第2層間絶縁層26上に、各配線27に接触するように、複数の陽極(個別電極)3を形成する。
この陽極3は、第2層間絶縁層26上に、例えば、真空蒸着法やスパッタ法のような気相成膜法等により、前述したような陽極3の構成材料を主材料として構成される導電膜を形成した後、パターニングすることにより得ることができる。
[1−G]次に、第2層間絶縁層26上に、各陽極3を区画するように、すなわち、各有機EL素子1(1R、1G、1B)を形成する領域を区画するように、隔壁部(バンク)35を形成する。
隔壁部35は、第2層間絶縁層26上に第1隔壁部31を形成した後、この第1隔壁部31上に、第2隔壁部32を形成することにより得ることができる。
なお、第1隔壁部31は、陽極3および第2層間絶縁層26を覆うように絶縁膜を形成した後、フォトリソグラフィー法等を用いてパターニングすること等により形成することができる。
また、第2隔壁部32は、陽極3および第1隔壁部31を覆うように絶縁膜を形成した後、第1隔壁部31を得たのと同様にして形成することができる。
[1−H]次に、各陽極3上に、すなわち、各隔壁部35の内側に、それぞれ、正孔輸送層4、発光層5(5R、5G、5B)および電子輸送層6をこの順で積層して有機半導体層7(7R、7G、7B)を形成する。
[1−Ha]まず、各陽極3上に、それぞれ、正孔輸送層4を形成する。
この正孔輸送層4は、例えば、スパッタ法、真空蒸着法、CVD法等を用いた気相プロセスや、スピンコート法(パイロゾル法)、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイヤーバーコート法、ディップコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、インクジェット印刷法等を用いた液相プロセス等により形成することができるが、中でも、インクジェット法(液滴吐出法)を用いた液相プロセスにより形成するのが好ましい。インクジェット法を用いることにより、正孔輸送層4の薄膜化、画素サイズの微小化を図ることができる。また、正孔輸送層形成用の有機半導体材料含有液を、隔壁部35の内側に選択的に供給することができるため、有機半導体材料のムダを省くことができる。
具体的には、正孔輸送層形成用の有機半導体材料含有液を、インクジェットプリント装置のヘッドから吐出し、各陽極3上に供給し、脱溶媒または脱分散媒した後、必要に応じて、150℃程度で短時間の加熱処理を施す。
この脱溶媒または脱分散媒は、減圧雰囲気に放置する方法、熱処理(例えば50〜60℃程度)による方法、窒素ガスのような不活性ガスのフローによる方法等が挙げられる。さらに、追加の熱処理(150℃程度で短時間)で行うことにより、残存溶媒を除去する。
用いる有機半導体材料含有液は、前述したような正孔輸送材料を溶媒または分散媒に溶解または分散することにより調製される。
また、有機半導体材料含有液の調製に用いる溶媒または分散媒としては、例えば、硝酸、硫酸、アンモニア、過酸化水素、水、二硫化炭素、四塩化炭素、エチレンカーボネイト等の各種無機溶媒や、メチルエチルケトン(MEK)、アセトン、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトン(MIBK)、メチルイソプロピルケトン(MIPK)、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒、メタノール、エタノール、イソプロパノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール(DEG)、グリセリン等のアルコール系溶媒、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、1,2−ジメトキシエタン(DME)、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン(THF)、テトラヒドロピラン(THP)、アニソール、ジエチレングリコールジメチルエーテル(ジグリム)、ジエチレングリコールエチルエーテル(カルビトール)等のエーテル系溶媒、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、フェニルセロソルブ等のセロソルブ系溶媒、ヘキサン、ペンタン、ヘプタン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶媒、トルエン、キシレン、ベンゼン等の芳香族炭化水素系溶媒、ピリジン、ピラジン、フラン、ピロール、チオフェン、メチルピロリドン等の芳香族複素環化合物系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMA)等のアミド系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化合物系溶媒、酢酸エチル、酢酸メチル、ギ酸エチル等のエステル系溶媒、ジメチルスルホキシド(DMSO)、スルホラン等の硫黄化合物系溶媒、アセトニトリル、プロピオニトリル、アクリロニトリル等のニトリル系溶媒、ギ酸、酢酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸等の有機酸系溶媒のような各種有機溶媒、または、これらを含む混合溶媒等が挙げられる。
なお、陽極3上に供給された有機半導体材料含有液は、流動性が高く(粘性が低く)、水平方向(面方向)に広がろうとするが、陽極3が隔壁部35により囲まれているため、所定の領域以外に広がることが阻止され、正孔輸送層4(有機EL素子1)の輪郭形状が正確に規定される。
[1−Hb]次に、各正孔輸送層4上に、発光層5を形成する。
この発光層5も、気相プロセスや液相プロセスにより形成することができるが、前述したのと同様の理由から、インクジェット法(液滴吐出法)を用いた液相プロセスにより形成するのが好ましい。また、インクジェット法を用いることにより、複数色の発光層5R、5G、5Bの塗り分けを容易に行うことができるという利点も得られる。
[1−Hc]次に、各有機発光層5上に、さらに電子輸送層6を形成する。
この電子輸送層6も、気相プロセスや液相プロセスにより形成することができるが、前述したのと同様の理由から、インクジェット法(液滴吐出法)を用いた液相プロセスにより形成するのが好ましい。
以上のようにして、有機半導体層7が形成される。
[1−I]次に、基板21上に形成された有機半導体層7および隔壁部35の上面全体にわたって、共通電極(陰極8)を形成する。この陰極8は、例えば、前述した陽極3と同様の方法を用いて形成することができる。
[1−J]次に、発光デバイス形成用基板および中間膜をエッチングにより除去する。
本実施形態では、発光デバイス形成用基板は、例えば、フッ酸(HF)を用いてエッチングすることにより、完全に除去することができる。さらに、発光デバイス形成用基板を除去した後、Mo膜(中間膜)を、混合酸(リン酸、硝酸および酢酸の混合液)を用いてエッチングすることにより、完全に除去することができる。
以上の工程を経て、下地保護膜23上に駆動用TFT24等が形成された発光デバイス13を得ることができる。
[2]次に、基板21を用意し、基板21上の全面にわたって接合膜11を成膜する。
このような接合膜11は、その少なくとも一部の領域に接合用エネルギーを付与することにより、接合膜11の表面付近の前記領域に発現した接着性によって、基板21と発光デバイス13が備える下地保護膜23とを接合するとともに、後述する上基板9と基板21とを接合するものである。
以下、基板21上に接合膜11を成膜する方法について説明する。
基板21上に接合膜11を成膜する方法は、基板21を用意し、基板21上に、乾燥剤およびシリコーン材料を含有する液状材料を供給することにより、液状被膜12を形成する工程と、液状被膜12を乾燥して、基板21上に接合膜11を得る工程とを有する。
[2−A]まず、前述したような基板21を用意する(図4(a)参照)。
このような基板21の接合膜11が形成される面(接合面215)には、必要に応じて、形成される接合膜11との密着性を高める表面処理を施すのが好ましい。これにより、接合面215が、清浄化および活性化され、接合面215に対して接合膜11が化学的に作用し易くなる。その結果、後述する工程において、接合面215上に接合膜11を形成したとき、接合面215と接合膜11との接合強度を高めることができる。
この表面処理としては、特に限定されないが、例えば、スパッタリング処理、ブラスト処理のような物理的表面処理、酸素プラズマ、窒素プラズマ等を用いたプラズマ処理、コロナ放電処理、エッチング処理、電子線照射処理、紫外線照射処理、オゾン暴露処理のような化学的表面処理、または、これらを組み合わせた処理等が挙げられる。
なお、表面処理を施す基板21が、樹脂材料(高分子材料)で構成されている場合には、特に、コロナ放電処理、窒素プラズマ処理等が好適に用いられる。これにより、表示装置10の軽量化、薄型化を図りながらも、基板21と接合膜11との接合強度をより高いものとすることができ、表示装置10の耐久性をさらに優れたものとすることができる。
また、表面処理として、特にプラズマ処理または紫外線照射処理を行うことにより、接合面215を、より清浄化および活性化することができる。その結果、接合面215と接合膜11との接合強度を特に高めることができる。
また、基板21の構成材料によっては、上記のような表面処理を施さなくても、接合膜11との接合強度が十分に高くなるものがある。このような効果が得られる基板21の構成材料としては、例えば、前述したような各種金属系材料、各種シリコン系材料、各種ガラス系材料等を主材料とするものが挙げられる。
このような材料で構成された基板21は、その表面が酸化膜で覆われており、この酸化膜の表面には、水酸基が結合している。したがって、このような酸化膜で覆われた基板21を用いることにより、上記のような表面処理を施さなくても、基板21の接合面215と接合膜11との接合強度を高めることができる。
また、表面処理を施すのに代えて、基板21の接合面215に、あらかじめ、中間層を形成するようにしてもよい。
この中間層は、いかなる機能を有するものであってもよく、例えば、接合膜11との密着性を高める機能、クッション性(緩衝機能)、応力集中を緩和する機能等を有するものが好ましい。このような中間層上に接合膜11を成膜することにより、基板21と下地保護膜23との接合強度が優れたものとなり、最終的に、信頼性の高い表示装置10を得ることができる。
かかる中間層の構成材料としては、例えば、アルミニウム、チタンのような金属系材料、金属酸化物、シリコン酸化物のような酸化物系材料、金属窒化物、シリコン窒化物のような窒化物系材料、グラファイト、ダイヤモンドライクカーボンのような炭素系材料、シランカップリング剤、チオール系化合物、金属アルコキシド、金属−ハロゲン化合物のような自己組織化膜材料、樹脂系接着剤、樹脂フィルム、樹脂コーティング材、各種ゴム材料、各種エラストマーのような樹脂系材料等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、これらの各材料で構成された中間層の中でも、酸化物系材料で構成された中間層によれば、基板21と接合膜11との間の接合強度を特に高めることができる。
[2−B]次に、乾燥剤およびシリコーン材料を含有する液状材料を塗布法を用いて接合面215上に供給する。これにより、基板21の接合面215上に、液状被膜12が形成される(図4(b)参照)。
塗布法としては、特に限定されないが、例えば、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイヤーバーコート法、ディップコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、マイクロコンタクトプリンティング法および液滴吐出法や等が挙げられるが、特に、液滴吐出法を用いるのが好ましい。液滴吐出法によれば、図4(b)に示すように、液状材料を液滴121として接合面215に供給することができるため、たとえ液状被膜12を接合面215の一部の領域に選択的にパターニングして形成する場合であったとしても、液状材料をこの領域の形状に対応して(選択的に)供給することができる。また、液滴吐出法を用いることにより、基板21上に塗布する液状材料の量を厳密に調整することができる。これにより、基板21と発光デバイス13と上基板9とが高い寸法精度で接合された表示装置10を得ることができる。このような表示装置10は、発光輝度にムラが発生するのが確実に防止され、また、視野角の広い画像表示が可能となる。
液滴吐出法としては、特に限定されないが、圧電素子による振動を利用して液状材料を吐出する構成のインクジェット法が好適に用いられる。インクジェット法によれば、目的とする領域(位置)に、液状材料を液滴121として、優れた位置精度で供給することができる。また、圧電素子の振動数および液状材料の粘度等を適宜設定することにより、液滴121のサイズ(大きさ)を、比較的容易に調整できることから、液滴121のサイズを小さくすれば、たとえ膜を形成する領域の形状が微細なものであったとしても、この領域の形状に対応した液状被膜12を確実に形成することができる。
液状材料の粘度(25℃)は、通常、0.5〜200mPa・s程度であるのが好ましく、3〜20mPa・s程度であるのがより好ましい。液状材料の粘度をかかる範囲とすることにより、一定の吐出量で長期間にわたって安定して吐出することができる。さらに、この液状材料で構成される液状被膜12を次工程[2−C]で乾燥させた際に、接合膜11を形成するのに十分な量のシリコーン材料を液状材料中に含有したものとすることができる。
また、液状材料の粘度をかかる範囲内とすれば、具体的には、液滴121の量(液状材料の1滴の量)を、平均で、0.1〜40pL程度に、より現実的には1〜30pL程度に設定し得る。これにより、接合面215に供給された際の液滴121の着弾径が小さなものとなることから、微細な形状の接合膜11を確実に形成することができる。
さらに、接合面215の膜形成領域に供給する液滴121の適宜設定することにより、形成される接合膜11の厚さの制御を比較的容易に行うことができる。
また、液状材料は、前述したようにシリコーン材料に加え、乾燥剤を含むものであるが、シリコーン材料単独で、液状をなし、シリコーン材料に乾燥剤を溶解または分散するだけで目的とする粘度範囲である場合、シリコーン材料および乾燥剤のみで液状材料を構成することができる。また、シリコーン材料単独で、固形状または高粘度の液状をなす場合には、シリコーン材料の溶液または分散液に乾燥剤を溶解または分散したものを液状材料とすることができる。
シリコーン材料を溶解または分散するための溶媒または分散媒としては、例えば、アンモニア、水、過酸化水素、四塩化炭素、エチレンカーボネイト等の無機溶媒や、メチルエチルケトン(MEK)、アセトン、等のケトン系溶媒、メタノール、エタノール、イソブタノール等のアルコール系溶媒、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル等のエーテル系溶媒、メチルセロソルブ等のセロソルブ系溶媒、ヘキサン、ペンタン等の脂肪族炭化水素系溶媒、トルエン、キシレン、ベンゼン等の芳香族炭化水素系溶媒、ピリジン、ピラジン、フラン等の芳香族複素環化合物系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)等のアミド系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム等のハロゲン化合物系溶媒、酢酸エチル、酢酸メチル等のエステル系溶媒、ジメチルスルホキシド(DMSO)、スルホラン等の硫黄化合物系溶媒、アセトニトリル、プロピオニトリル、アクリロニトリル等のニトリル系溶媒、ギ酸、トリフルオロ酢酸等の有機酸系溶媒のような各種有機溶媒、または、これらを含む混合溶媒等を用いることができる。
シリコーン材料は、液状材料中に含まれ、次工程[2−C]において、この液状材料を乾燥させることにより形成される接合膜11の主材料として構成するものである。
ここで、「シリコーン材料」とは、ポリオルガノシロキサン骨格を有する化合物であり、通常、主骨格(主鎖)部分が主としてオルガノシロキサン単位の繰り返しからなる化合物のことを言い、主鎖の一部から突出する分枝状の構造を有するものであってもよく、主鎖が環状をなす環状体であってもよく、主鎖の末端同士が連結しない直鎖状のものであってもよい。
例えば、ポリオルガノシロキサン骨格を有する化合物において、オルガノシロキサン単位は、その末端部では下記一般式(1)で表わされる構造単位を有し、連結部では下記一般式(2)で表わされる構造単位を有し、また、分枝部では下記一般式(3)で表わされる構造単位を有している。
Figure 2009283154
[式中、各Rは、それぞれ独立して、置換または無置換の炭化水素基を表し、各Zは、それぞれ独立して、水酸基または加水分解基を表し、Xはシロキサン残基を表し、aは0または1〜3の整数を表し、bは0または1〜2の整数を表し、cは0または1を表す。]
なお、シロキサン残基とは、酸素原子を介して隣接する構造単位が有するケイ素原子に結合しており、シロキサン結合を形成している置換基のことを表す。具体的には、−O−(Si)構造(Siは隣接する構造単位が有するケイ素原子)となっている。
このようなシリコーン材料において、ポリオルガノシロキサン骨格は、分枝状をなすもの、すなわち上記一般式(1)で表わされる構造単位、上記一般式(2)で表わされる構造単位および上記一般式(3)で表わされる構造単位で構成されているのが好ましい。この分枝状をなすポリオルガノシロキサン骨格を有する化合物(以下、「分枝状化合物」と略すこともある。)は、主骨格(主鎖)部分が主としてオルガノシロキサン単位の繰り返しからなる化合物であり、主鎖の途中でオルガノシロキサン単位の繰り返しが分枝するとともに、主鎖の末端同士が連結しないものである。
この分枝状化合物を用いることにより、次工程[2−C]において、液状材料中に含まれるこの化合物の分枝鎖同士が互いに絡まり合うようにして接合膜11が形成されることから、得られる接合膜11は特に膜強度に優れたものとなる。
なお、上記一般式(1)〜上記一般式(3)中、基R(置換または無置換の炭化水素基)としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等のアルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、フェニル基、トリル基、ビフェニリル基等のアリール基、ベンジル基、フェニルエチル基等のアラルキル基等が挙げられる。さらに、これらの基の炭素原子に結合している水素原子の一部または全部が、I)フッ素原子、塩素原子、臭素原子のようなハロゲン原子、II)グリシドキシ基のようなエポキシ基III)メタクリル基のような(メタ)アクリロイル基IV)カルボキシル基、スルフォニル基のようなアニオン性基等で置換された基等が挙げられる。
加水分解基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等のアルコキシ基、ジメチルケトオキシム基、メチルエチルケトオキシム基等のケトオキシム基、アセトキシ基等のアシルオキシ基、イソプロペニルオキシ基、イソブテニルオキシ基等のアルケニルオキシ基等が挙げられる。
また、分枝状化合物は、その分子量が、1×10〜1×10程度のものであるのが好ましく、1×10〜1×10程度のものであるのがより好ましい。分子量をかかる範囲内に設定することにより、液状材料の粘度を上述したような範囲内に比較的容易に設定することができる。
このような分枝状化合物は、シラノール基を有するものであるのが好ましい。すなわち、上記一般式(1)〜上記一般式(3)で表わされる構造単位において、各基Zは水酸基であるのが好ましい。これにより、次工程[2−C]において、液状被膜12を乾燥させて接合膜11を得る際に、隣接する分枝状化合物が有する水酸基同士が結合することとなり、得られる接合膜11の膜強度が優れたものとなる。さらに、基板21として、前述したように、その接合面(表面)215から水酸基が露出しているものを用いた場合には、分枝状化合物が備える水酸基と、基板21が備える水酸基とが結合することから、分枝状化合物を物理的な結合ばかりでなく、化学的な結合によっても基板21に結合させることができる。その結果、接合膜11は、基板21の接合面215に対して、強固に結合したものとなる。
また、シラノール基が有するシリコン原子に連結している炭化水素基は、フェニル基であるのが好ましい。すなわち、基Zが水酸基である上記一般式(1)〜上記一般式(3)で表わされる構造単位に存在する基Rは、フェニル基であるのが好ましい。これにより、シラノール基の反応性がより向上するため、隣接する分枝状化合物が有する水酸基同士の結合がより円滑に行われるようになる。
さらに、シラノール基が存在しないシリコン原子に連結している炭化水素基は、メチル基であるのが好ましい。すなわち、基Zが存在しない上記一般式(1)〜上記一般式(3)で表わされる構造単位に存在する基Rは、メチル基であるのが好ましい。このように、基Zが存在しない上記一般式(1)〜上記一般式(3)で表わされる構造単位に存在する基Rがメチル基である化合物は、比較的入手が容易で、かつ安価であるとともに、後工程[3]において、接合膜11に接合用エネルギーを付与することにより、メチル基が容易に切断されて、その結果として、接合膜11に確実に接着性を発現させることができるため、分枝状化合物(シリコーン材料)として好適に用いられる。
以上のことを考慮すると、分枝状化合物としては、例えば、下記一般式(4)で表わされるような主骨格がポリジメチルシロキサンで構成される化合物が好適に用いられる。
Figure 2009283154
[式中、nは、それぞれ独立して、0または1以上の整数を表す。]
さらに、上述した分枝状化合物は、比較的柔軟性に富む材料である。そのため、後工程[4]において、接合膜11を介して基板21に発光デバイス13(下地保護膜23)を接合する際に、例えば、基板21と下地保護膜23との各構成材料が互いに異なるものを用いる場合であったとしても、基板21と下地保護膜23との間に生じる熱膨張に伴う応力を確実に緩和することができる。これにより、最終的に得られる表示装置10において、剥離が生じるのを確実に防止することができる。
また、液状材料中に含まれる乾燥剤111としては、前述したような乾燥剤を用いることができる。
[2−C]次に、基板21上に設けられた液状被膜12を乾燥することにより、接合膜11を形成する。(図4(c)参照)。
液状被膜12を乾燥させる際の温度は、25℃以上であるのが好ましく、25〜100℃程度であるのがより好ましい。
また、乾燥させる時間は、0.5〜48時間程度であるのが好ましく、15〜30時間程度であるのがより好ましい。
かかる条件で液状材料を乾燥させることにより、接合用エネルギーを付与することにより接着性が好適に発現する接合膜11を確実に形成することができる。また、シリコーン材料として前記工程[2−B]で説明したようなシラノール基を有するものを用いた場合には、シリコーン材料が有するシラノール基同士を、さらには、シリコーン材料が有するシラノール基と基板21が有する水酸基とを、確実に結合させることができるため、形成される接合膜11を膜強度に優れ、かつ基板21に対して強固に結合したものとすることができる。
さらに、乾燥させる際の雰囲気の圧力は、大気圧下であってもよいが、減圧下であるのが好ましい。具体的には、減圧の程度は、133.3×10−5〜1333Pa(1×10−5〜10Torr)程度であるのが好ましく、133.3×10−4〜133.3Pa(1×10−4〜1Torr)程度であるのがより好ましい。これにより、接合膜11の膜密度が緻密化して、接合膜11をより優れた膜強度を有するものとすることができる。
以上のように、接合膜11を形成する際の条件を適宜設定することにより、形成される接合膜11の膜強度等を所望のものとすることができる。
また、このような接合膜11の平均厚さは、前述したように、10〜10000nm程度であるのが好ましく、50〜5000nm程度であるのがより好ましい。供給する液状材料の量を適宜設定して、形成される接合膜11の平均厚さを前記範囲内とすることにより、基板21と下地保護膜23とを接合した接合体の寸法精度が著しく低下するのを防止しつつ、より強固に接合することができる。
すなわち、接合膜11の平均厚さが前記下限値を下回った場合は、十分な接合強度が得られないおそれがある。一方、接合膜11の平均厚さが前記上限値を上回った場合は、接合体の寸法精度が著しく低下するおそれがある。
さらに、接合膜11の平均厚さをかかる範囲とすることにより、接合膜11がある程度弾性に富むものとなることから、基板21と下地保護膜23とを接合する際に、接合膜11と接触させる下地保護膜23の接合面にパーティクル等が付着していても、このパーティクルを接合膜11で取り囲むようにして接合膜11と下地保護膜23の接合面とが接合することとなる。そのため、このパーティクルが存在することによって接合膜11と下地保護膜23との接合界面における接合強度が低下したりこの界面において剥離が生じたりするのを的確に抑制または防止することができる。
また、本実施形態では、液状材料を供給して接合膜11を形成する構成となっていることから、たとえ基板21の接合面215に凹凸が存在している場合であっても、その凹凸の高さにもよるが、凹凸の形状に追従するようにして接合膜11を形成ことができる。その結果、接合膜11が凹凸を吸収して、その表面がほぼ平坦面で構成されることとなる。
以上のようにして、基板21上に接合膜11を設けることができる。
なお、上記では、接合膜11を基板21上に設ける構成について説明したが、接合膜11は、後述する発光デバイス13が備える下地保護膜23上に設けるようにしてもよい。この場合、下地保護膜23の少なくとも接合膜11を形成すべき領域に、予め、前述したような表面処理を施したり、前述した中間層を設けるようにすればよい。
さらに、接合膜11は、基板21および下地保護膜23の双方に設けるようにしてもよい。この場合には、表面処理や中間層の形成は、基板21と下地保護膜23の双方に行ってもよく、いずれか一方に選択的に行うようにしてもよい。
[3]次に、接合膜11が形成された基板21に対して接合用エネルギーを付与する。
接合膜11に接合用エネルギーを付与すると、この接合膜11では、表面115付近の分子結合(例えば、シリコーン材料の主骨格がポリジメチルシロキサンで構成されている場合、Si−CH結合)の一部が切断し、表面115が活性化されることに起因して、表面115付近に下地保護膜23(発光デバイス13)に対する接着性が発現する。
このような状態の基板21は、下地保護膜23と、化学的結合に基づいて強固に接合可能なものとなる。
ここで、本明細書中において、表面115が「活性化された」状態とは、上述のように接合膜11の表面115の分子結合の一部、具体的には、例えば、ポリジメチルシロキサン骨格が備えるメチル基が切断されて、接合膜11中に終端化されていない結合手(以下、「未結合手」または「ダングリングボンド」とも言う。)が生じた状態の他、この未結合手が水酸基(OH基)によって終端化された状態、さらに、これらの状態が混在した状態を含めて、接合膜11が「活性化された」状態と言うこととする。
接合膜11に付与する接合用エネルギーは、いかなる方法を用いて付与するものであってもよいが、例えば、接合膜11にエネルギー線を照射する方法、接合膜11を加熱する方法、接合膜11に圧縮力(物理的エネルギー)を付与する方法、接合膜11をプラズマに曝す(プラズマエネルギーを付与する)方法、接合膜11をオゾンガスに曝す(化学的エネルギーを付与する)方法等が挙げられる。中でも、本実施形態では、接合膜11に接合用エネルギーを付与する方法として、特に、接合膜11にエネルギー線を照射する方法を用いるのが好ましい。かかる方法は、接合膜11に対して比較的簡単に効率よく接合用エネルギーを付与することができるので、接合用エネルギーを付与する方法として好適に用いられ、接合膜の表面を効率よく活性化させることができる。
このうち、エネルギー線としては、例えば、紫外線、レーザ光のような光、X線、γ線のような電磁波、電子線、イオンビームのような粒子線等や、またはこれらのエネルギー線を2種以上組み合わせたものが挙げられる。
これらのエネルギー線の中でも、特に、紫外線を用いるのが好ましい(図4(d)参照)。かかる範囲内の紫外線によれば、付与されるエネルギー量が最適化されるので、接合膜11中の骨格をなす分子結合が必要以上に破壊されるのを防止しつつ、接合膜11から表面115付近の分子結合を選択的に切断することができる。これにより、接合膜11の特性(機械的特性、化学的特性等)が低下するのを防止しつつ、接合膜11に接着性を確実に発現させることができる。
また、紫外線によれば、広い範囲をムラなく短時間に処理することができるので、分子結合の切断を効率よく行うことができる。さらに、紫外線には、例えば、UVランプ等の簡単な設備で発生させることができるという利点もある。
なお、紫外線の波長は、より好ましくは、126〜200nm程度とされる。
また、UVランプを用いる場合、その出力は、接合膜11の面積に応じて異なるが、1mW/cm〜1W/cm程度であるのが好ましく、5mW/cm〜50mW/cm程度であるのがより好ましい。なお、この場合、UVランプと接合膜11との離間距離は、3〜3000mm程度とするのが好ましく、10〜1000mm程度とするのがより好ましい。
また、紫外線を照射する時間は、接合膜11の表面115付近の分子結合を切断し得る程度の時間、すなわち、接合膜11の表面付近に存在する分子結合を選択的に切断し得る程度の時間とするのが好ましい。具体的には、紫外線の光量、接合膜11の構成材料等に応じて若干異なるものの、1秒〜30分程度であるのが好ましく、1秒〜10分程度であるのがより好ましい。
また、紫外線は、時間的に連続して照射されてもよいが、間欠的(パルス状)に照射されてもよい。
また、接合膜11に対するエネルギー線の照射は、いかなる雰囲気中で行うようにしてもよく、具体的には、大気、酸素のような酸化性ガス雰囲気、水素のような還元性ガス雰囲気、窒素、アルゴンのような不活性ガス雰囲気、またはこれらの雰囲気を減圧した減圧(真空)雰囲気等が挙げられるが、中でも、大気雰囲気(特に、露点が低い雰囲気下)中で行うのが好ましい。これにより、表面115付近にオゾンガスが生じて、表面115の活性化がより円滑に行われることとなる。さらに、雰囲気を制御することに手間やコストをかける必要がなくなり、エネルギー線の照射をより簡単に行うことができる。
このように、エネルギー線を照射する方法によれば、接合膜11に対して選択的にエネルギーを付与することが容易に行えるため、例えば、接合用エネルギーの付与による基板21の変質・劣化を防止することができる。
また、エネルギー線を照射する方法によれば、付与する接合用エネルギーの大きさを、精度よく簡単に調整することができる。このため、接合膜11で切断される分子結合の量を調整することが可能となる。このように切断される分子結合の量を調整することにより、基板21と下地保護膜23との間の接合強度を容易に制御することができる。
すなわち、表面115付近で切断される分子結合の量を多くすることにより、接合膜11の表面115付近に、より多くの活性手が生じるため、接合膜11に発現する接着性をより高めることができる。一方、表面115付近で切断される分子結合の量を少なくすることにより、接合膜11の表面115付近に生じる活性手を少なくし、接合膜11に発現する接着性を抑えることができる。
なお、付与する接合用エネルギーの大きさを調整するためには、例えば、エネルギー線の種類、エネルギー線の出力、エネルギー線の照射時間等の条件を調整すればよい。
さらに、エネルギー線を照射する方法によれば、短時間で大きな接合用エネルギーを付与することができるので、接合用エネルギーの付与をより効率よく行うことができる。
[4]次に、接合膜11と下地保護膜23とが密着するように、基板21と下地保護膜23(発光デバイス13)とを貼り合わせる(図5(e)参照)。これにより、前記工程[3]において、接合膜11の表面115に下地保護膜23に対する接着性が発現していることから、接合膜11と下地保護膜23の接合面とが化学的に結合する。その結果、基板21と発光デバイス13とが、接合膜11により接合される。
このようにして得られた基板21と下地保護膜23(発光デバイス13)との接合体では、従来の接合方法で用いられていた接着剤のように、主にアンカー効果のような物理的結合に基づく接着ではなく、共有結合のような短時間で生じる強固な化学的結合に基づいて、基板21と下地保護膜23とが接合されている。このため、かかる接合体は短時間で形成することができ、かつ、極めて剥離し難く、接合ムラ等も生じ難いものとなる。
また、このような接合方法によれば、高温(例えば、350℃以上)での熱処理を必要としないことから、耐熱性の低い材料で構成された基板21および下地保護膜23をも、接合に供することができる。これにより、樹脂材料で構成された基板21を変質、劣化させることなく、表示装置10を製造することができる。
また、接合膜11を介して基板21と下地保護膜23とを接合しているため、基板21および下地保護膜23の構成材料に制約がないという利点もある。
以上のことから、基板21および下地保護膜23の各構成材料の選択の幅をそれぞれ広げることができる。
また、基板21の熱膨張率と下地保護膜23との熱膨張率が互いに異なっている場合には、できるだけ低温下で接合を行うのが好ましい。接合を低温下で行うことにより、接合界面に発生する熱応力のさらなる低減を図ることができる。
具体的には、基板21と下地保護膜23との熱膨張率の差にもよるが、基板21および下地保護膜23の温度が25〜50℃程度である状態下で、基板21と下地保護膜23とを貼り合わせるのが好ましく、25〜40℃程度である状態下で貼り合わせるのがより好ましい。このような温度範囲であれば、基板21と下地保護膜23との熱膨張率の差がある程度大きくても、接合界面に発生する熱応力を十分に低減することができる。その結果、基板21と下地保護膜23との間で、反りや剥離等の発生を確実に抑制または防止することができる。
また、この場合、具体的な基板21と下地保護膜23との間の熱膨張係数の差が、5×10−5/K以上あるような場合には、上記のようにして、できるだけ低温下で接合を行うことが特に推奨される。
また、基板21と下地保護膜23とが接合する接合膜11の面積や形状を適宜設定することにより、接合膜11に生じる応力の局所集中を緩和することができる。これにより、例えば、基板21と下地保護膜23との間で熱膨張率差が大きい場合でも、基板21と下地保護膜23とを確実に接合することができる。
なお、本実施形態では、前記工程[3]および本工程[4]で示したように、接合膜11に接合用エネルギーを付与して、接合膜11の接合面(表面)115付近に接着性を発現させた後、接合膜11を介して基板21と下地保護膜23とを接触させることにより接合体を得るようにしたが、これに限らず、接合膜11を介して基板21と下地保護膜23とを接触させた後、接合膜11に接合用エネルギーを付与することにより接合体を得るようにしてもよい。すなわち、前記工程[3]と本工程[4]との順序を逆にして接合体を得るようにしてもよい。このような順序で各工程を施して接合体を得る場合においても前述したのと同様の効果が得られる。
ここで、本工程において、基板21と下地保護膜23とを接合するメカニズムについて説明する。
例えば、下地保護膜23の接合膜11と接合する接合面235に水酸基が露出している場合を例に説明すると、本工程において、基板21に形成された接合膜11と、下地保護膜23の接合面235とが接触するように、これらを貼り合わせたとき、接合膜11の表面115に存在する水酸基と、下地保護膜23の接合面235に存在する水酸基とが、水素結合によって互いに引き合い、水酸基同士の間に引力が発生する。この引力によって、基板21と下地保護膜23とが接合されると推察される。
また、この水素結合によって互いに引き合う水酸基同士は、温度条件等によって、脱水縮合を伴って表面から切断される。その結果、基板21と下地保護膜23との接触界面では、水酸基が結合していた結合手同士が結合する。これにより、基板21と下地保護膜23とがより強固に接合されると推察される。
また、基板21の接合膜11の表面や内部、および、下地保護膜23の接合面や内部に、それぞれ終端化されていない結合手すなわち未結合手(ダングリングボンド)が存在している場合、基板21と下地保護膜23とを貼り合わせた時、これらの未結合手同士が再結合する。この再結合は、互いに重なり合う(絡み合う)ように複雑に生じることから、接合界面にネットワーク状の結合が形成されることとなる。これにより、接合膜11と下地保護膜23とが特に強固に接合される。
なお、前記工程[3]で活性化された接合膜11の表面は、その活性状態が経時的に緩和してしまう。このため、前記工程[3]の終了後、できるだけ早く本工程[4]を行うようにするのが好ましい。具体的には、前記工程[3]の終了後、60分以内に本工程[4]を行うようにするのが好ましく、5分以内に行うのがより好ましい。かかる時間内であれば、接合膜11の表面が十分な活性状態を維持しているので、基板21と下地保護膜23とを貼り合わせたとき、これらの間に十分な接合強度を得ることができる。
換言すれば、活性化させる前の接合膜11は、シリコーン材料を乾燥させて得られた接合膜であるため、化学的に比較的安定であり、耐候性に優れている。このため、活性化させる前の接合膜11は、長期にわたる保存に適したものとなる。したがって、そのような接合膜11を備えた基板21を多量に製造または購入して保存しておき、本工程の貼り合わせを行う直前に、必要な個数のみに前記工程[3]に記載した接合用エネルギーの付与を行うようにすれば、接合体の製造効率の観点から有効である。
以上のようにして、基板21と下地保護膜23(発光デバイス13)とが接合された接合体を得ることができる。このようにして得られた接合体は、基板21と回路部22とが接合膜11を介して接合されたTFT回路基板20上に有機EL素子1および隔壁部35が形成された構成を有するものとなる。
また、このようにして得られた接合体は、基板21と下地保護膜23との間の接合強度が5MPa(50kgf/cm)以上であるのが好ましく、10MPa(100kgf/cm)以上であるのがより好ましい。このような接合強度を有する接合体は、その剥離を十分に防止し得るものとなる。また、かかる構成の接合方法によれば、基板21と下地保護膜23とが上記のような大きな接合強度で接合された接合体を効率よく作製することができる。
なお、接合体(基板21と発光デバイス13との接合体)を得る際、または、接合体を得た後に、この接合体に対して、必要に応じ、以下の3つの工程([4a]、[4b]および[4c])のうちの少なくとも1つの工程(接合体の接合強度を高める工程)を行うようにしてもよい。これにより、基板21と下地保護膜23との接合強度のさらなる向上を容易に図ることができる。
[4a] 得られた接合体を、基板21と下地保護膜23とが互いに近づく方向に加圧する。
これにより、基板21の表面および下地保護膜23の表面に、それぞれ接合膜11の表面がより近接し、接合体における接合強度をより高めることができる。
また、接合体を加圧することにより、接合体中の接合界面に残存していた隙間を押し潰して、接合面積をさらに広げることができる。これにより、接合体における接合強度をさらに高めることができる。
なお、この圧力は、基板21および発光デバイス13の各構成材料、各厚さや、接合装置等の条件に応じて、適宜調整すればよい。具体的には、基板21および発光デバイス13の各構成材料や各厚さ等に応じて若干異なるものの、0.2〜10MPa程度であるのが好ましい。これにより、基板21と下地保護膜23(発光デバイス13)との接合強度を確実に高めることができる。なお、この圧力が前記上限値を上回っても構わないが、基板21および下地保護膜23の各構成材料によっては、基板21および発光デバイス13に損傷等が生じるおそれがある。
また、加圧する時間は、特に限定されないが、10秒〜30分程度であるのが好ましい。なお、加圧する時間は、加圧する際の圧力に応じて適宜変更すればよい。具体的には、接合体を加圧する際の圧力が高いほど、加圧する時間を短くしても、接合強度の向上を図ることができる。
[4b] 得られた接合体を加熱する。
これにより、接合体における接合強度をより高めることができる。
このとき、接合体を加熱する際の温度は、室温より高く、接合体の耐熱温度未満であれば、特に限定されないが、好ましくは25〜100℃程度とされ、より好ましくは50〜100℃程度とされる。かかる範囲の温度で加熱すれば、接合体が熱によって変質・劣化するのを確実に防止しつつ、接合強度を確実に高めることができる。
また、加熱時間は、特に限定されないが、1〜30分程度であるのが好ましい。
また、前記工程[4a]、[4b]の双方を行う場合、これらを同時に行うのが好ましい。すなわち、接合体を加圧しつつ、加熱するのが好ましい。これにより、加圧による効果と、加熱による効果とが相乗的に発揮され、接合体の接合強度を特に高めることができる。
[4c] 得られた接合体に紫外線を照射する。
これにより、接合膜11と下地保護膜23との間に形成される化学結合を増加させ、接合体の接合強度を特に高めることができる。
このとき照射される紫外線の条件は、前記工程[3]に示した紫外線の条件と同等にすればよい。
また、本工程[4c]を行う場合、基板21が透光性を有していることが必要である。そして、透光性を有する基板21側から、紫外線を照射することにより、接合膜11に対して確実に紫外線を照射することができる。
以上のような工程を行うことにより、接合体における接合強度のさらなる向上を容易に図ることができる。
なお、本構成の接合方法では、液滴吐出法としてインクジェット法を用いる場合について説明したが、これに限定されず、電気熱変換素子による材料の熱膨張を利用してインクを吐出するバブルジェット法(「バブルジェット」は登録商標)を液滴吐出法として用いるようにしてもよい。バブルジェット法によっても前述したのと同様の効果が得られる。
[5]次に、前記工程[2]と同様にして発光デバイス13(陰極8)上に接合膜11をパターニングして成膜(図5(f)参照)した後、前記工程[3]と同様にしてかかる接合膜11に接合用エネルギーを付与する。
[6]次に、上基板(封止部材)9を用意する。そして、上基板9を、基板21の発光デバイス13が設けられた面側から、基板21に重ね合わせる(図6(g)参照)。この際、発光デバイス13(陰極8)上に設けられ、接着性の発現した接合膜11と上基板9とが接合されるとともに、基板21上に設けられ、接着性が発現した接合膜11と上基板9とがそれぞれの外周部において接合される。これにより、各有機EL素子1が上基板9により封止された表示装置10を得ることができる(図6(h)参照)。
表示装置10では、基板21と上基板9とが、それぞれの外周部において前述したような乾燥剤を含有する接合膜11を介して接合されている。これにより、表示装置10内部(基板21、上基板9、および、基板21および上基板9の外周部に設けられた接合膜11によって囲まれた領域)に、表示装置10外部から水分が浸入するのをより効率良く抑制することができる。
また、表示装置10では、上基板9と発光デバイス13とが上述したような接合膜11を介して接合されているため、上基板9の構成材料が、ガスバリア性に乏しい樹脂材料を用いた場合でも、上基板9を通して表示装置10の内部に水分が浸入するのを確実に防止することができる。
なお、上基板9を基板21に重ね合わせる際、または上基板9を基板21に重ね合わせた後に、前記工程[4a]、[4b]、および[4c]のうち、少なくとも一つの工程と同様の工程を行うことにより、上基板9と基板21との接合強度をさらに優れたものとすることができ、表示装置10の耐久性をさらに優れたものとすることができる。
<電子機器>
次に、上述した表示装置10を備える本発明の電子機器について説明する。
なお、以下では、本発明の電子機器の一例として、携帯電話を代表に説明する。
図7は、携帯電話の実施形態を示す斜視図である。
図7に示す携帯電話は、表示部1001を備える携帯電話本体1000を有している。携帯電話本体1000には、上述した表示装置10が内蔵されており、これらは、携帯電話機本体1000において表示部1001などとして用いられる。
なお、表示装置10は、図7で説明した携帯電話の他に、種々の電子機器に対して適用できる。
例えば、テレビや、ビデオカメラ、ビューファインダ型、モニタ直視型のビデオテープレコーダ、ラップトップ型パーソナルコンピュータ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳(通信機能付も含む)、電子辞書、電卓、電子ゲーム機器、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、防犯用テレビモニタ、電子双眼鏡、POS端末、タッチパネルを備えた機器(例えば金融機関のキャッシュディスペンサー、自動券売機)、医療機器(例えば電子体温計、血圧計、血糖計、心電表示装置、超音波診断装置、内視鏡用表示装置)、魚群探知機、各種測定機器、計器類(例えば、車両、航空機、船舶の計器類)、フライトシュミレータ、その他各種モニタ類、プロジェクター等の投射型表示装置等に適用することができる。また、本発明の電子機器は、表示機能を有しない発光機能のみを有するものであってもよい。
表示装置10は、上述したように、基板21と下地保護膜23(発光デバイス13)とが乾燥剤を含有する接合膜11を介して接合されたものである。このような表示装置10では、表示装置10内に水分が浸入した際にも、有機EL素子1が吸湿するのが確実に防止されるとともに、有機EL素子1が発する熱が表示装置10外部へと効率良く放熱される。その結果、有機EL素子1が劣化、変質するのが長期間にわたって抑制、または防止され、表示装置10を搭載した電子機器は、使用環境によらず、品質劣化が抑えられた信頼性の高いものとなる。
以上、本発明の有機発光装置および電子機器を図示の実施形態について説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、発光装置および電子機器を構成する各部は、同様の機能を発揮し得る任意の構成のものと置換することができる。また、任意の構成物が付加されていてもよい。
例えば、本発明の有機発光装置および電子機器は、前記実施形態のうちの、任意の2以上の構成(特徴)を組み合わせたものであってもよい。
なお、本実施形態では、表示装置10を、上基板9(陰極8)側から光を取り出すトップエミッション型に適用した場合について説明したが、このような場合に限定されず、基板21(陽極3)側から光を取り出すボトムエミッション型に適用してもよい。なお、基板21(陽極3)側から光を取り出す場合には、基板21は、光透過性を有する材料で形成されていることが好ましい。
また、本実施形態では、表示装置10を、アクティブ型の表示装置に適用した場合について説明したが、本発明はこれに限定されず、パッシブ型の表示装置に適用してもよい。
また、本実施形態では、表示装置10が有する有機半導体層7は、陽極3側から、正孔輸送層4、有機発光層5、電子輸送層6の順に積層されたものについて説明したが、本発明はこれに限定されず、有機半導体層は、正孔輸送層および/または電子輸送層を有さない構成であってもよい。また、有機半導体層は、有機発光層に加え、有機発光層に電子、または正孔を輸送する機能を有する層を備えたものであってもよい。例えば、有機半導体層は、電子輸送層、有機発光層、正孔輸送層に加え、電子輸送層の陰極側に電子注入層や、正孔輸送層の陽極側に正孔注入層を備えたものであってもよい。
また、本実施形態では、基板21の発光デバイス13が設けられる面側の全面にわたって接合膜11が成膜されたものについて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、基板21上の発光デバイス13と接合される領域のみに接合膜11が設けられ、基板21と上基板9とが、外周部においてエポキシ接着剤やウレタン系接着剤のような樹脂系接着剤を用いて接合されたものであってもよい。
また、本実施形態では、上基板9と表示装置10(陰極8)とが接合膜11を介して接合されたものとして説明したが、かかる接合膜11は設けなくてもよい。
さらに、表示装置10は、本実施形態で説明したように各有機EL素子1(1R、1G、1B)がそれぞれ異なる発光色(赤色、緑色および青色)を発光するフルカラー表示のものに限定されず、各有機EL素子が同一の発光色(例えば、白色)を発光する単色(モノカラー)表示のものであってもよい。また、各有機EL素子が同一の発光色である場合には、フルカラー表示の発光装置にするために、カラーフィルターを有するものであってもよい。
さらに、本発明の有機半導体装置の各部の構成は、同様の機能を発揮し得る任意のものと置換することができ、あるいは、任意の構成のものを付加することもできる。
本発明の有機発光装置を適用したアクティブマトリックス型表示装置の好適な実施形態を示す横断面図である。 図1に示すアクティブマトリクス型表示装置の有機EL素子の配置を示す平面図である。 有機EL素子の他の配置を示す平面図である。 図1に示すアクティブマトリックス型表示装置の製造方法を説明するための図(縦断面図)である。 図1に示すアクティブマトリックス型表示装置の製造方法を説明するための図(縦断面図)である。 図1に示すアクティブマトリックス型表示装置の製造方法を説明するための図(縦断面図)である。 携帯電話の実施形態を示す斜視図である。
符号の説明
1、1R、1G、1B……有機EL素子 3……陽極 31……第1隔壁部 311……陽極接合部 312……基板接合部 32……第2隔壁部 321……側面 322……上面(頂面) 35……隔壁部(バンク) 4……正孔輸送層 5、5R、5G、5B……発光層 6…電子輸送層 7、7R、7G、7B……有機半導体層(有機半導体層積層体) 8……陰極 9……上基板(封止部材) 10……表示装置 11…接合膜 111…乾燥剤 115…表面 12…液状被膜 121…液滴 13…発光デバイス 20……TFT回路基板 21……基板 215…表面 22……回路部 23……下地保護膜 235…接合面 24……駆動用TFT 241……半導体層 242……ゲート絶縁層 243……ゲート電極 244……ソース電極 245……ドレイン電極 25……第1層間絶縁層 26……第2層間絶縁層 27……配線 1000……携帯電話本体 1001……表示部

Claims (17)

  1. 基板と、
    該基板上に設けられ、主として有機発光材料で構成された有機発光層と、該有機発光層に導通する電極とを有する有機発光素子を備える発光デバイスと、
    前記発光デバイスを封止するように設けられた封止部材とを有し、
    前記基板と前記発光デバイスとが、乾燥剤を含有する主としてシリコーン材料で構成された接合膜で接合されていることを特徴とする有機発光装置。
  2. 前記発光デバイスは、前記有機発光素子が有する前記電極に接続されたスイッチング素子を備えたものである請求項1に記載の有機発光装置。
  3. 前記基板と前記封止部材とが、前記接合膜と同様の接合膜で接合されている請求項1または2に記載の有機発光装置。
  4. 前記発光デバイスと前記封止部材とが、前記接合膜と同様の接合膜で接合されている請求項1ないし3のいずれかに記載の有機発光装置。
  5. 前記シリコーン材料は、その主骨格がポリジメチルシロキサンで構成される請求項1ないし4のいずれかに記載の有機発光装置。
  6. 前記シリコーン材料は、シラノール基を有する請求項1ないし5のいずれかに記載の有機発光装置。
  7. 前記接合膜における前記乾燥剤の含有率は、2〜40wt%である請求項1ないし6のいずれかに記載の有機発光装置。
  8. 前記乾燥剤は、粒子状をなすものである請求項1ないし7のいずれかに記載の有機発光装置。
  9. 前記乾燥剤の平均粒径は、10〜10000nmである請求項8に記載の有機発光装置。
  10. 前記接合膜中に含まれる前記乾燥剤の平均粒径をr(nm)、前記接合膜の平均厚さをT(nm)としたとき、0.06≦r/T≦0.9の関係を満足するものである請求項8または9に記載の有機発光装置。
  11. 前記乾燥剤は、主としてケイ素化合物で構成されたものである請求項1ないし10のいずれかに記載の有機発光装置。
  12. 前記接合膜の平均厚さは、10〜10000nmである請求項1ないし11のいずれかに記載の有機発光装置。
  13. 前記基板は、樹脂材料で構成されたものである請求項1ないし12のいずれかに記載の有機発光装置。
  14. 前記基板の前記接合膜と接している面には、予め、前記接合膜との密着性を高める表面処理が施されている請求項1ないし13のいずれかに記載の有機発光装置。
  15. 前記表面処理は、プラズマ処理または紫外線照射処理である請求項14に記載の有機発光装置。
  16. 前記封止部材は、透明性を有し、
    有機発光装置は、前記有機発光素子が発する光を、前記封止部材側から取り出す構造の装置である請求項1ないし15のいずれかに記載の有機発光装置。
  17. 請求項1ないし16のいずれかに記載の有機発光装置を備えることを特徴とする電子機器。
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