JP2009199957A - 有機発光装置および電子機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】使用環境によらず、耐久性に優れ、信頼性の高い有機発光装置、および、かかる有機発光装置を備える電子機器を提供することにある。
【解決手段】表示装置10は、基材1と、基材1上に設けられた有機EL素子2と、有機EL素子2を封止する封止フィルム5と、有機EL素子2が有する封止フィルム5とを接合する接合膜4とを有し、接合膜4は、金属原子と、該金属原子と結合する酸素原子と、前記金属原子および前記酸素原子の少なくとも一方に結合する脱離基とを含み、この接合膜4は、その少なくとも一部の領域にエネルギーを付与することにより、接合膜の表面付近に存在する前記脱離基が、前記金属原子および前記酸素原子の少なくとも一方から脱離し、前記接合膜の表面の前記領域に発現する接着性によって、封止フィルム5と基材1とを接合している。
【選択図】図1

Description

本発明は、有機発光装置および電子機器に関するものである。
有機発光材料を使用したエレクトロルミネッセンス素子(有機EL素子)は、個体発光型の安価な大面積フルカラー表示装置(有機発光装置)が備える有機発光素子としての用途が有望視されるなど、多くの開発が行われている(例えば、特許文献1参照)。
一般に、有機EL素子は、陰極と陽極との間に有機発光材料で構成される有機発光層を有する構成であり、陰極と陽極との間に電界を印加すると、有機発光層に陰極側から電子が注入され、陽極側から正孔が注入される。
そして、注入された電子と正孔とが有機発光層において再結合し、エネルギー準位が伝導帯から価電子帯に戻る際の失活エネルギーの少なくとも一部を光エネルギーとして放出することにより、有機発光層が発光する。
このような有機発光装置として、可撓性を有する樹脂フィルム間に有機EL素子を封止して構成されるようなフレキシブルディスプレイが提案されている。このようなフレキシブルディスプレイは、ガラス基板上に有機EL素子を形成するような従来の有機発光装置に比べて、軽量化が可能となるとともに、落下等の衝撃によって割れにくい、また、曲げ変形させることができるといった利点を有している。
このようなフレキシブルディスプレイでは、有機発光層を構成する有機発光材料が、外気中の水分や酸素により劣化、変質するのを防止するため、有機EL素子を封止する樹脂フィルムとして、ガスバリア性を有する樹脂フィルムが用いられている(例えば、特許文献2参照)。
そして、樹脂フィルム同士の接合には、一般的に、エポキシ樹脂やアクリル樹脂等の光硬化性の樹脂系接着剤が用いられており、有機EL素子が形成された一方の樹脂フィルム(基材)に、かかる接着剤を介して他方の樹脂フィルム(封止フィルム)が接合されている。
ところが、樹脂フィルム間の接合に、かかる接着剤を用いた場合、フレキシブルディスプレイを、高温、多湿下で使用したり、曲げ変形を繰り返し行ったりすると、有機EL素子と樹脂フィルムとの間で剥離が生じるという問題を有していた。
特開平10−153967号公報 特開2002−260847号公報
本発明の目的は、使用環境によらず、耐久性に優れ、信頼性の高い有機発光装置、および、かかる有機発光装置を備える電子機器を提供することにある。
このような目的は以下の本発明により達成される。
本発明の有機発光装置は、可撓性を有する第1の可撓性フィルムおよび第2の可撓性フィルムと、
前記第1の可撓性フィルムと前記第2の可撓性フィルムとの間に設けられた少なくとも1つの有機発光素子とを有し、
前記有機発光素子は、前記第1の可撓性フィルム側に位置する陽極と、前記第2の可撓性フィルム側に位置する陰極と、前記陽極と前記陰極との間に位置し、主として有機発光材料で構成された有機発光層を有する有機半導体層とを備え、前記陽極と前記陰極との間に電圧を印加することにより、前記有機発光層が発光するものであり、
前記陰極と前記第2の可撓性フィルムとが、接合膜を介して接合されており、
前記接合膜は、金属原子と、該金属原子と結合する酸素原子と、前記金属原子および前記酸素原子の少なくとも一方に結合する脱離基とを含み、
当該接合膜は、その少なくとも一部の領域にエネルギーを付与することにより、前記接合膜の表面付近に存在する前記脱離基が、前記金属原子および前記酸素原子の少なくとも一方から脱離し、前記接合膜の表面の前記領域に発現する接着性によって、前記陰極と前記第2の可撓性フィルムとを接合していることを特徴とする。
これにより、使用環境によらず、耐久性に優れ、信頼性の高い有機発光装置を提供することができる。
本発明の有機発光装置は、可撓性を有する第1の可撓性フィルムおよび第2の可撓性フィルムと、
前記第1の可撓性フィルムと前記第2の可撓性フィルムとの間に設けられた少なくとも1つの有機発光素子とを有し、
前記有機発光素子は、前記第1の可撓性フィルム側に位置する陽極と、前記第2の可撓性フィルム側に位置する陰極と、前記陽極と前記陰極との間に位置し、主として有機発光材料で構成された有機発光層を有する有機半導体層とを備え、前記陽極と前記陰極との間に電圧を印加することにより、前記有機発光層が発光するものであり、
前記陰極は、導電性を有する接合膜で構成されており、
前記接合膜は、金属原子と、該金属原子と結合する酸素原子と、前記金属原子および前記酸素原子の少なくとも一方に結合する脱離基とを含み、
当該接合膜は、その少なくとも一部の領域にエネルギーを付与することにより、前記接合膜の表面付近に存在する前記脱離基が、前記金属原子および前記酸素原子の少なくとも一方から脱離し、前記接合膜の表面の前記領域に発現する接着性によって、前記有機半導体層と前記第2の可撓性フィルムとを接合していることを特徴とする。
これにより、使用環境によらず、耐久性に優れ、信頼性の高い有機発光装置を提供することができる。
本発明の有機半導体装置では、前記有機半導体層は、前記有機発光層の前記陰極側に、電子を輸送する機能を有する電子輸送層を備え、前記電子輸送層と前記第2の可撓性フィルムとが前記接合膜を介して接合されていることが好ましい。
これにより、接合膜の耐久性を優れたものとしつつ、導電性を有する接合膜(陰極)から有機発光層への電子の伝達効率がさらに高くなる。
本発明の有機発光装置は、複数の前記有機発光素子を有し、
前記陰極は、複数の前記有機発光素子の共通電極であることが好ましい。
これにより、有機EL素子の歩留まりが向上するとともに、有機発光装置の製造時間を短縮することができ、有機発光装置の生産性をさらに高めることができる。
本発明の有機発光装置では、前記第1の可撓性フィルムの外周部と、前記第2の可撓性フィルムの外周部とは、前記接合膜と同様の接合膜で接合されていることが好ましい。
これにより、有機EL素子が封止された第1の可撓性フィルム(基材)と第2の可撓性フィルム(封止フィルム)とで密閉された空間の気密性をさらに優れたものとすることができる。
本発明の有機発光装置では、前記金属原子は、インジウム、スズ、亜鉛、チタン、およびアンチモンのうちの少なくとも1種であることが好ましい。
これにより、第2の電極が優れた透明性(光透過性(透光性))および導電性を有する。よって、当該有機発光装置が、第1の電極を陽極、第2の電極を陰極とし、該陰極側から光を取り出すトップエミッション構造の装置である場合、第2の電極は、電極としての機能と、光を出射する機能とを発揮することができる。
本発明の有機発光装置では、前記脱離基は、水素原子、炭素原子、窒素原子、リン原子、硫黄原子およびハロゲン原子、またはこれらの各原子で構成される原子団のうちの少なくとも1種であることが好ましい。
これらの脱離基は、エネルギーの付与による結合/脱離の選択性に比較的優れている。このため、エネルギーを付与することによって比較的簡単に、かつ均一に脱離する脱離基が得られることとなり、接合膜の接着性をより高度化することができる。その結果、第2の電極と第2の可撓性フィルムとの間で剥離が起こるのをより確実に防止することができ、有機発光装置の耐久性はさらに優れたものとなる。
本発明の有機発光装置では、前記接合膜は、インジウムティンオキサイド(ITO)、フッ素含有インジウムティンオキサイド(FITO)、アンチモンティンオキサイド(ATO)、インジウムジンクオキサイド(IZO)、アルミニウムジンクオキサイド(AZO)、酸化スズ(SnO)、酸化亜鉛(ZnO)、フッ素含有酸化スズ(FTO)、フッ素含有インジウムオキサイド(FIO)またはインジウムオキサイド(IO)に、脱離基として水素原子が導入されたものであることが好ましい。
これにより、第2の電極が優れた透明性(光透過性(透光性))および導電性を有する。よって、当該有機発光装置が、第1の電極を陽極、第2の電極を陰極とし、該陰極側から光を取り出すトップエミッション構造の装置である場合、第2の電極は、電極としての機能と、光を出射する機能とを発揮することができる。また、かかる構成の接合膜は、それ自体が優れた機械的特性を有している。また、多くの材料に対して特に優れた接着性を示すものである。結果として、第2の電極と第2の可撓性フィルムとの接合強度を特に高いものとすることができる。
本発明の有機発光装置では、前記接合膜中の金属原子と酸素原子の存在比は、3:7〜7:3であることが好ましい。
これにより、接合膜の安定性が特に高いものとなり、第2の電極と第2の可撓性フィルムとの接合強度を特に高いものとすることができる。
本発明の有機発光装置では、前記接合膜は、その少なくとも表面付近に存在する前記脱離基が、当該接合膜から脱離した後に、活性手が生じることが好ましい。
これにより、第2の電極と第2の可撓性フィルムとを化学的結合に基づいて強固に接合することができる。
本発明の有機発光装置では、前記活性手は、未結合手または水酸基であることが好ましい。
これにより、第2の電極と第2の可撓性フィルムとの接合強度を特に高いものとすることができる。
本発明の有機発光装置では、前記接合膜の平均厚さは、10〜3000nmであることが好ましい。
これにより、第2の電極と第2の可撓性フィルムとの接合強度を十分に高いものとすることができる。また、上記条件を満足する接合膜は十分に緻密なものとなり、優れたガスバリア性を有するものとなる。
本発明の有機発光装置では、前記接合膜は、流動性を有さない固体状をなしていることが好ましい。
これにより、第2の電極と第2の可撓性フィルムとをより精度高く接合することができる。また、接着剤を用いた接合に比べ、第2の電極と第2の可撓性フィルムとを短時間で強固に接合することが可能になる。結果として、有機発光装置の生産性をさらに優れたものとすることができる。
本発明の有機発光装置では、前記接合膜が接する少なくとも一方の面には、予め、前記接合膜との密着性を高める表面処理が施されていることが好ましい。
これにより、接合膜が接する面の表面を清浄化および活性化し、接合膜の接合強度を高めることができる。
本発明の有機発光装置では、前記表面処理は、プラズマ処理であることが好ましい。
これにより、接合膜が接する面の表面を特に最適化することができる。
本発明の有機発光装置では、前記第2の可撓性フィルムと前記接合膜との間に、中間層が介挿されていることが好ましい。
これにより、第2の電極と第2の可撓性フィルムとの接合強度をさらに高いものとすることができる。
本発明の有機発光装置では、前記中間層は、酸化物系材料を主材料として構成されていることが好ましい。
これにより、第2の電極と第2の可撓性フィルムとの接合強度を特に高いものとすることができ、有機発光装置の信頼性をさらに高いものとすることができる。
本発明の有機発光装置では、前記エネルギーの付与は、前記接合膜にエネルギー線を照射する方法、前記接合膜を加熱する方法、および前記接合膜に圧縮力を付与する方法のうちの少なくとも1つの方法により行われることが好ましい。
これにより、接合膜に対して比較的簡単に効率よくエネルギーを付与することができる。
本発明の有機発光装置では、前記エネルギー線は、波長126〜300nmの紫外線であることが好ましい。
これにより、接合膜に付与されるエネルギー量が最適化されるので、接合膜中の脱離基を確実に脱離させることができる。その結果、接合膜の特性(機械的特性、化学的特性等)が低下するのを防止しつつ、接合膜に接着性を発現させることができる。
本発明の有機発光装置では、前記加熱の温度は、25〜150℃であることが好ましい。
これにより、接合体が熱によって変質・劣化するのを確実に防止しつつ、接合強度を確実に高めることができる。
本発明の有機発光装置では、前記圧縮力は、0.2〜10MPaであることが好ましい。
これにより、圧力が高すぎて半導体素子に損傷等が生じるのを防止しつつ、有機発光装置の接合強度を確実に高めることができる。
本発明の有機発光装置では、前記エネルギーの付与は、大気雰囲気中で行われることが好ましい。
これにより、雰囲気を制御することに手間やコストをかける必要がなくなり、エネルギーの付与をより簡単に行うことができる。
本発明の電子機器は、本発明の有機発光装置を備えることを特徴とする。
これにより、信頼性の高い電子機器が得られる。
以下、本発明の有機発光装置および電子機器を、添付図面に示す好適実施形態に基づいて詳細に説明する。
<有機発光装置>
まず、本発明の有機発光装置(有機エレクトロルミネッセンス装置)の第1実施形態について説明する。
<<第1実施形態>>
図1は、本発明の有機発光装置(パッシブマトリックス型表示装置)の第1実施形態を示す模式図(横断面図)、図2は、図1の有機発光装置が有する陽極および陰極のパターンを説明するための平面図、図3は、図1および図2に示す有機発光装置が備える有機EL素子の配置パターンを説明するための平面図、図4は、有機EL素子の他の配置パターンを示す平面図、図5は、図1に示す有機発光装置における接合膜のエネルギー付与前の状態を示す部分拡大図、図6は、図1に示す有機発光装置における接合膜のエネルギー付与後の状態を示す部分拡大図、図7は、接合膜を成膜する際に用いられる成膜装置を模式的に示す縦断面図、図8は、図7に示す成膜装置が備えるイオン源の構成を示す模式図、図9および図10は、それぞれ、図1に示す有機発光装置の製造方法(製造工程)を説明するための図である。なお、以下では、説明の都合上、図1〜図8中の上側を「上」または「上方」、下側を「下」または「下方」と言う。
図1および図2に示すパッシブマトリックス型表示装置(以下、単に「表示装置」とも言う。)10は、可撓性を有する基材(第1の可撓性フィルム)1と、基材1上に設けられ、発光色が、赤色(R)の有機EL素子2R、緑色(G)の有機EL素子2G、青色(B)の有機EL素子2Bと、各有機EL素子2(2R、2G、2B)同士を区画する隔壁部3と、基材1と対向し、有機EL素子2を封止するように設けられた封止フィルム(第2の可撓性フィルム)5とを有している。そして、封止フィルム5は、有機EL素子2(後述する陰極23)および基材1の外周部と接合膜4を介して接合されている。以下、各部の構成について説明する。
基材1は、可撓性を有するものである。このような基材1は、その上面に有機EL素子2が設けられており、この有機EL素子2を支持する支持体となるとともに、有機EL素子2の下側で、有機EL素子2を気密的に封止する封止材として機能するものである。
なお、本実施形態の表示装置10は、封止フィルム5(後述する陰極23)側から光を取り出す構成(トップエミッション型)であるため、基材1を構成する材料としては、可撓性が要求されるが、光透過性は要求されない。
このような基材1を構成する材料としては、例えば、各種樹脂材料が好適に用いられる。これにより、表示装置10の軽量化が図られるとともに、可撓性が向上し、曲げ変形が可能なものとなる。また、落下等の衝撃により、表示装置10が破損するのを防止することができる。
具体的には、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)等のポリオレフィン、環状ポリオレフィン、変性ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリカーボネート、ポリ−(4−メチルペンテン−1)、アイオノマー、アクリル系樹脂、ポリメチルメタクリレート、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂)、ブタジエン−スチレン共重合体、ポリオキシメチレン、ポリビニルアルコール(PVA)、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリシクロヘキサンテレフタレート(PCT)等のポリエステル、ポリエーテル、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルイミド、ポリアセタール(POM)、ポリフェニレンオキシド、変性ポリフェニレンオキシド、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリフェニレンサルファイド、ポリアリレート、芳香族ポリエステル(液晶ポリマー)、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、その他フッ素系樹脂のような樹脂材料が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせたものを好適に用いることができる。
また、このような基材1としては、上述したような樹脂材料で構成された可撓性フィルムにガスバリア性を高める処理が施されたものであってもよい。例えば、かかる可撓性フィルムの表面に、SiO、SiO、SiN等のケイ素化合物や、DLC(ダイヤモンドライクカーボン)等の無機材料を気相成膜法を用いて成膜することにより、基材1のガスバリア性をさらに優れたものとすることができる。
また、このような基材1の平均厚さは、その構成材料等によって若干異なり、特に限定されないが、10〜2000μm程度であるのが好ましく、30〜300μm程度であるのがより好ましい。基材1の厚さが薄すぎると、基材1の強度が低下し、支持体としての機能が損なわれるおそれがある。また、基材1のガスバリア性が著しく低下し、水分が表示装置10の外部から基材1を通して浸入し、有機EL素子2を構成する有機発光材料が劣化、変質するおそれがある。一方、基材1の厚さが厚すぎると、基材1の可撓性が損なわれる可能性がある。
また、図1に示すように、隣接する有機EL素子2同士は、隔壁部(バンク)3により区画されている。この隔壁部3は互いに対向配置されている陽極21と陰極23との間に設けられ、これらの電極間の距離を規制する機能も有している。隔壁部3は、その両端部31が、図1の上方に向かって互いに接近するように傾斜した傾斜面となっている。
このような構成の隔壁部3は、全体として平面視での形状が格子状をなしている(図2参照)。これにより、隣接する隔壁部3間に有機半導体層22(有機EL素子2)を設けることができ、このように設けられた有機半導体層22はマトリクス状をなす。また。隔壁部3は隣接する有機半導体層22同士が導通しないように絶縁性の材料で構成されている。
このような隔壁部3の構成材料としては、絶縁性、耐熱性、撥液性、有機半導体層22および基材1との密着性を考慮して選択される。
具体的には、隔壁部3の構成材料としては、例えば、SiOのようなシリコン酸化物(無機材料)や、アクリル系樹脂、ポリイミド系樹脂のような樹脂材料(有機材料)が挙げられる。
隔壁部3の構成材料にシリコン酸化物を用いた場合、隣接する有機半導体層22間の絶縁性を確実に得ることができる。また、隔壁部3を形成する際の加工性に優れるため、寸法精度の高い隔壁部3を形成することができ、結果として、高精度の表示装置10を得ることができる。
また、隔壁部3の開口の形状は、図2に示す構成では四角形であるが、この他、例えば、円形、楕円形、六角形等の多角形等、いかなるものであってもよい。
このような隔壁部3の高さは、陽極21、有機半導体層22の合計の厚さにもよるが、例えば、30〜500nm程度とするのが好ましい。かかる高さとすることにより、十分に隔壁(バンク)としての機能が発揮される。
基材1の上面の隔壁部3間には、有機EL素子2(2R、2G、2B)が設けられている。
有機EL素子2は、陽極21と、陰極23と、陽極21と陰極23との間に設けられた各有機半導体層22(22R、22G、22B)とを有している。すなわち、基材1側から、陽極21、有機半導体層22、陰極23の順に積層された構成を有している。
陽極21は、有機半導体層22(本実施形態では、正孔輸送層221)に正孔を注入する電極である。
この陽極21の構成材料(陽極材料)としては、導電性を有するものであればよく、特に限定されないが、仕事関数が大きく、優れた導電性を有するものが好適に用いられる。
このような陽極21の構成材料としては、インジウムティンオキサイド(ITO)、フッ素含有インジウムティンオキサイド(FITO)、アンチモンティンオキサイド(ATO)、インジウムジンクオキサイド(IZO)、アルミニウムジンクオキサイド(AZO)、酸化スズ(SnO)、酸化亜鉛(ZnO)、フッ素含有酸化スズ(FTO)、フッ素含有インジウムオキサイド(FIO)、インジウムオキサイド(IO)、Al、Ni、Co、Au、Pt、Ag、Cuまたはこれらを含む合金等が挙げられ、これらのうちの少なくとも1種を用いることができる。
陽極21の平均厚さは、特に限定されないが、10〜200nm程度であるのが好ましく、50〜150nm程度であるのがより好ましい。これに対して、陽極21が薄すぎると、陰極21としての機能が充分に発揮されなくなるおそれがあり、一方、陰極23が厚過ぎると、後述する正孔と電子との再結合を有機発光層222において効率良く行うことができず、有機EL素子2の発光効率等の特性が低下するおそれがある。
なお、陽極材料には、例えば、ポリチオフェン、ポリピロール等の導電性樹脂材料を用いることもできる。このような材料を用いることにより、表示装置10の可撓性を向上させることができる。
また、このような陽極21は、光反射性を有するのが好ましい。これにより、後述する有機発光層222で発光した光が陽極21側で吸収(吸光)されることなく、封止フィルム5側に反射させて、封止フィルム5(陰極23)を通過する光の量を増大させることができる。その結果、有機EL素子2の発光効率や光の取り出し効率等の特性が向上をすることとなる。
かかる構成の陽極21は、前述したような陽極材料のうち、Al、Ni、Co、Agまたはこれらを含む合金で、その少なくとも表面付近を構成することにより形成することができる。
一方、陰極23は、有機半導体層22(本実施形態では、電子輸送層223)に電子を注入する電極である。
なお、表示装置10は、前述したように、陰極23側から光を取り出す構成(トップエミッション型)であるため、陽極21を構成する材料としては、実質的に透明(無色透明、着色透明、半透明)とされる。
この陰極23の構成材料(陰極材料)としては、電子輸送層223への電子の注入効率を向上させることを目的に、優れた導電性を発揮するもののうち、特に、仕事関数が小さいものが好適に用いられる。
このような陰極23の構成材料としては、例えば、Li、Na、K、Rb、CsおよびFrからなるアルカリ金属、および、Be、Mg、Ca、Sr、BaおよびRaからなるアルカリ土類金属等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、陰極23の構成材料として、上述したような金属を含む合金を用いる場合には、Ag、Al、Cu等の安定な金属を含む合金、具体的には、MgAg、AlLi、CuLi等の合金を用いるようにすればよい。かかる合金を陰極23の構成材料として用いることにより、電子の電子輸送層223への注入効率および陰極23の安定性の向上を図ることができる。
陰極23の平均厚さは、特に限定されないが、10〜200nm程度であるのが好ましく、50〜150nm程度であるのがより好ましい。これに対して、陰極23の厚さが薄すぎると、陰極23としての機能が充分に発揮されなくなるおそれがあり、一方、陰極23が厚過ぎると、後述する正孔と電子との再結合を有機発光層222において効率よく行うことができず、有機EL素子2の発光効率等の特性が低下するおそれがある。
陽極21と陰極23との間には、正孔輸送層221と有機発光層222(222R、222G、222B)と電子輸送層223とが陽極21側からこの順で積層された有機半導体層22(22R、22G、22B)が設けられている。
なお、かかる構成の有機半導体層22においては、正孔輸送層221、有機発光層222および電子輸送層223が、有機半導体材料で構成されたものである。
正孔輸送層221は、陽極21から注入された正孔を有機発光層222まで輸送する機能を有するものである。
この正孔輸送層221の構成材料(正孔輸送材料)としては、例えば、ポリエチレンジオキシチオフェン:ポリスチレンスルホネート、ポリアニリン:ポリスチレンスルホネート、ポリアリールアミン、フルオレン−アリールアミン共重合体、フルオレン−ビチオフェン共重合体、ポリ(N−ビニルカルバゾール)、ポリビニルピレン、ポリビニルアントラセン、ポリチオフェン、ポリアルキルチオフェン、ポリヘキシルチオフェン、ポリ(p−フェニレンビニレン)、ポリチニレンビニレン、ピレンホルムアルデヒド樹脂、エチルカルバゾールホルムアルデヒド樹脂またはその誘導体等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
なお、陽極21と正孔輸送層221との間には、例えば、陽極21からの正孔注入効率を向上させる正孔注入層を設けるようにしてもよい。
この正孔注入層の構成材料(正孔注入材料)としては、例えば、銅フタロシアニンや、4,4’,4’’−トリス(N,N−フェニル−3−メチルフェニルアミノ)トリフェニルアミン(m−MTDATA)等が挙げられる。
また、電子輸送層223は、陰極23から注入された電子を有機発光層222まで輸送する機能を有するものである。
電子輸送層223の構成材料(電子輸送材料)としては、例えば、1,3,5−トリス[(3−フェニル−6−トリ−フルオロメチル)キノキサリン−2−イル]ベンゼン(TPQ1)のようなベンゼン系化合物、ナフタレン系化合物、フェナントレン系化合物、クリセン系化合物、ペリレン系化合物、アントラセン系化合物、ピレン系化合物、アクリジン系化合物、スチルベン系化合物、BBOTのようなチオフェン系化合物、ブタジエン系化合物、クマリン系化合物、キノリン系化合物、ビスチリル系化合物、ジスチリルピラジンのようなピラジン系化合物、キノキサリン系化合物、2,5−ジフェニル−パラ−ベンゾキノンのようなベンゾキノン系化合物、ナフトキノン系化合物、アントラキノン系化合物、2−(4−ビフェニリル)−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(PBD)のようなオキサジアゾール系化合物、3,4,5−トリフェニル−1,2,4−トリアゾールのようなトリアゾール系化合物、オキサゾール系化合物、アントロン系化合物、1,3,8−トリニトロ−フルオレノン(TNF)のようなフルオレノン系化合物、MBDQのようなジフェノキノン系化合物、MBSQのようなスチルベンキノン系化合物、アントラキノジメタン系化合物、チオピランジオキシド系化合物、フルオレニリデンメタン系化合物、ジフェニルジシアノエチレン系化合物、フローレン系化合物、ピロール系化合物、フォスフィンオキサイド系化合物、8−ヒドロキシキノリン アルミニウム(Alq)、ベンゾオキサゾールやベンゾチアゾールを配位子とする錯体のような各種金属錯体等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
なお、陰極23と電子輸送層223との間には、例えば、陰極23から電子輸送層223への電子の注入効率を向上させる電子注入層を設けるようにしてもよい。
この電子注入層の構成材料(電子注入材料)としては、例えば、8−ヒドロキシキノリン、オキサジアゾール、または、これらの誘導体(例えば、8−ヒドロキシキノリンを含む金属キレートオキシノイド化合物)等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上組み合わせて用いることができる。
このような正孔輸送層221および電子輸送層223の平均厚さは、特に限定されないが、10〜150nm程度であるのが好ましく、50〜100nm程度であるのがより好ましい。これにより、正孔(または電子)を陽極21(または陰極23)から有機発光層222により効率良く注入することができる。
ここで、陽極21と陰極23との間に通電(電圧を印加)すると、正孔輸送層221中を移動した正孔が有機発光層222に注入され、また、電子輸送層223中を移動した電子が有機発光層222に注入され、この有機発光層222において正孔と電子とが再結合する。そして、有機発光層222ではエキシトン(励起子)が生成し、このエキシトンが基底状態に戻る際にエネルギー(蛍光やりん光)を放出(発光)する。
各有機発光層222(222R、222G、222B)の構成材料(発光材料)としては、それぞれ、各種の高分子材料や、各種の低分子材料を単独または組み合わせて用いることができる。
高分子の発光材料としては、例えば、トランス型ポリアセチレン、シス型ポリアセチレン、ポリ(ジ−フェニルアセチレン)(PDPA)、ポリ(アルキル,フェニルアセチレン)(PAPA)のようなポリアセチレン系化合物、ポリ(パラ−フェンビニレン)(PPV)、ポリ[2,5−ビス(3、7−ジメチルオクチロキシ)−1,4−フェニレンビニレン]などのポリ(2,5−ジアルコキシ−パラ−フェニレンビニレン)(RO−PPV)、シアノ−置換−ポリ(パラ−フェンビニレン)(CN−PPV)、ポリ(2−ジメチルオクチルシリル−パラ−フェニレンビニレン)(DMOS−PPV)、ポリ(2−メトキシ,5−(2’−エチルヘキソキシ)−パラ−フェニレンビニレン)(MEH−PPV)のようなポリパラフェニレンビニレン系化合物、ポリ(3−アルキルチオフェン)(PAT)、ポリ(オキシプロピレン)トリオール(POPT)のようなポリチオフェン系化合物、ポリ(9,9−ジアルキルフルオレン)(PDAF)、α,ω−ビス[N,N’−ジ(メチルフェニル)アミノフェニル]−ポリ[9,9−ビス(2−エチルヘキシル)フルオレン−2,7−ジル](PF2/6am4)、ポリ(9,9−ジオクチル−2,7−ジビニレンフルオレニル−オルト−コ(アントラセン−9,10−ジイル)、ポリ(9,9−ジヘキシル−2,7−ビニレンフルオレニレン)、ポリ[(9.9−ジオクチルフルオレン−2,7−ジイル)−コ−(2,5−ジメトキシベンゼン−1,4−ジイル)]のようなポリフルオレン系化合物、ポリ(パラ−フェニレン)(PPP)、ポリ(1,5−ジアルコキシ−パラ−フェニレン)(RO−PPP)のようなポリパラフェニレン系化合物、ポリ(N−ビニルカルバゾール)(PVK)のようなポリカルバゾール系化合物、ポリ(メチルフェニルシラン)(PMPS)、ポリ(ナフチルフェニルシラン)(PNPS)、ポリ(ビフェニリルフェニルシラン)(PBPS)のようなポリシラン系化合物等が挙げられる。
一方、低分子の発光材料としては、例えば、ジスチリルベンゼン(DSB)、ジアミノジスチリルベンゼン(DADSB)、4,4’−ビス(9−エチル−3−カルバゾビニレン)−1,1’−ビフェニルのようなベンゼン系化合物、ナフタレン、ナイルレッドのようなナフタレン系化合物、フェナントレンのようなフェナントレン系化合物、クリセン、6−ニトロクリセンのようなクリセン系化合物、ペリレン、N,N’−ビス(2,5−ジ−t−ブチルフェニル)−3,4,9,10−ペリレン−ジ−カルボキシイミド(BPPC)のようなペリレン系化合物、コロネンのようなコロネン系化合物、アントラセン、ビススチリルアントラセン、9,10−ビス[(9−エチル−3−カルバゾール)−ビニレニル]−アントラセンのようなアントラセン系化合物、ピレンのようなピレン系化合物、4−(ジ−シアノメチレン)−2−メチル−6−(パラ−ジメチルアミノスチリル)−4H−ピラン(DCM)のようなピラン系化合物、アクリジンのようなアクリジン系化合物、スチルベンのようなスチルベン系化合物、2,5−ジベンゾオキサゾールチオフェンのようなチオフェン系化合物、ベンゾオキサゾールのようなベンゾオキサゾール系化合物、ベンゾイミダゾールのようなベンゾイミダゾール系化合物、2,2’−(パラ−フェニレンジビニレン)−ビスベンゾチアゾールのようなベンゾチアゾール系化合物、ビスチリル(1,4−ジフェニル−1,3−ブタジエン)、テトラフェニルブタジエンのようなブタジエン系化合物、ナフタルイミドのようなナフタルイミド系化合物、クマリンのようなクマリン系化合物、ペリノンのようなペリノン系化合物、オキサジアゾールのようなオキサジアゾール系化合物、アルダジン系化合物、1,2,3,4,5−ペンタフェニル−1,3−シクロペンタジエン(PPCP)のようなシクロペンタジエン系化合物、キナクリドン、キナクリドンレッドのようなキナクリドン系化合物、ピロロピリジン、チアジアゾロピリジンのようなピリジン系化合物、2,2’,7,7’−テトラフェニル−9,9’−スピロビフルオレンのようなスピロ化合物、フタロシアニン(HPc)、銅フタロシアニンのような金属または無金属のフタロシアニン系化合物、フローレンのようなフローレン系化合物、8−ヒドロキシキノリン アルミニウム(Alq)、トリス(4−メチル−8キノリノレート) アルミニウム(III)(Almq)、8−ヒドロキシキノリン 亜鉛(Znq)、(1,10−フェナントロリン)−トリス−(4,4,4−トリフルオロ−1−(2−チエニル)−ブタン−1,3−ジオネート)ユーロピウム(III)(Eu(TTA)(phen))、ファクトリス(2−フェニルピリジン)イリジウム(Ir(ppy))、2,3,7,8,12,13,17,18−オクタエチル−21H,23H−ポルフィン プラチナム(II)、トリス(1−フェニルイソキノリン) イリジウム(III)のような各種金属錯体等が挙げられる。
各有機発光層222R、222G、222Bの構成材料としては、これらの発光材料の中から、目的の発光色を発する材料を選択するようにすればよい。
赤色の発光材料(有機発光層222Rの構成材料)としては、例えば、トリス(1−フェニルイソキノリン) イリジウム(III)、ポリ[2,5−ビス(3、7−ジメチルオクチロキシ)−1,4−フェニレンビニレン]、ポリ[2−メトキシ−5−(2’−エチルヘキシルオキシ)−1,4−(1−シアノビニレン)フェニレン]、ポリ[2−メトキシ−5−(3,7−ジメチルオクチルオキシ)−1,4−フェニレンビニレン]等が挙げられる。
緑色の発光材料(有機発光層222Gの構成材料)としては、例えば、9,10−ビス[(9−エチル−3−カルバゾール)−ビニレニル]−アントラセン、ポリ(9,9−ジヘキシル−2,7−ビニレンフルオレニレン)、ポリ[(9,9−ジオクチルフルオレン−2,7−ジイル)−コ−(1,4−ジフェニレン−ビニレン−2−メトキシ−5−{2−エチルヘキシルオキシ}ベンゼン)]、ポリ[(9,9−ジオクチル−2,7−ジビニレンフルオレニレン)−オルト−コ−(2−メトキシ−5−(2−エトキシルヘキシルオキシ)−1,4−フェニレン)]等が挙げられる。
青色の発光材料(有機発光層222Bの構成材料)としては、例えば、4,4’−ビス(9−エチル−3−カルバゾビニレン)−1,1’−ビフェニル、ポリ[(9.9−ジオクチルフルオレン−2,7−ジイル)−コ−(2,5−ジメトキシベンゼン−1,4−ジイル)]、ポリ[(9,9−ジヘキシルオキシフルオレン−2,7−ジイル)−オルト−コ−(2−メトキシ−5−{2−エトキシヘキシルオキシ}フェニレン−1,4−ジイル)]、ポリ[(9,9−ジオクチルフルオレン−2,7−ジイル)−コ−(エチルニルベンゼン)]等が挙げられる。
なお、発光材料として低分子系のものを用いる場合、各有機発光層222R、222G、222Bのいずれも、低分子系の発光材料で構成するのが好ましく、高分子系のものを用いる場合、各有機発光層222R、222G、222Bのいずれも、高分子系の発光材料で構成するのが好ましい。
かかる構成の発光装置10において、陽極21は、一方向(図2中、y方向)に隣接するもの同士が、直線状をなすように、一体的に形成された共通電極で構成されており、そして、一方向に直交する方向(図2中、y方向)に隣接する陰極23(共通電極)は、互いに平行となるように設けられている。すなわち、各陽極21は、一方向に対して平行となるようにストライプ状に設けられ、各陰極23は、一方向に直交する方向に平行となるようにストライプ状に設けられている。
具体的には、図2において、例えば、陽極21aが、有機EL素子2R、有機EL素子2R’、有機EL素子2R’’の共通電極である。また、陰極23aが有機EL素子2R、有機EL素子2G、有機EL素子2Bの共通電極である。
かかる表示装置10は、ストライプ状に設けられた陽極21と陰極23とが直交する位置に、有機半導体層22が存在し、電圧を印加する陽極21および陰極23を選択することにより、これら同士が直交する位置の有機EL素子2を選択的に発光することとなる。(例えば、図2において、陽極21aおよび陰極23aに導通すると、有機EL素子2Rが発光する。)また、各陽極21および各陰極23はそれぞれ、図示しないドライバICに接続されている。
また、各有機EL素子2R、2G、2Bは、図3に示すように、平面視において、マトリクス状に配置され、2点鎖線で囲まれる部分(3つの有機EL素子2R、2G、2B)により1画素が構成されている。なお、有機EL素子2R、2G、2Bのパターンは、図3に示すものに限定されず、例えば、図4に示すようなものであってもよい。図4では、有機EL素子2R、2G、2Bの配置の順番が、図3に示す構成のものと異なっている。
このような基材1上に設けられた有機EL素子2を覆うように、基材1および有機EL素子2上に封止フィルム5が設けられている。そして、封止フィルム5は、有機EL素子2の陰極23と後述する接合膜4を介して接合されるとともに、その外周部において、接合膜4を介して基材1と接合されている。これにより、有機EL素子2が基材1と封止フィルム5との間で封止されている。
このような封止フィルム5は、ガスバリア性を有する材料で構成されている。封止フィルム5がこのようなガスバリア性を有する材料で構成されることにより、有機EL素子2が吸湿等により劣化するのを抑制または防止することができる。
このような封止フィルム5を構成する材料としては、例えば、上述した基材1の構成材料として挙げた樹脂材料を用いることができる。
また、このような封止フィルム5としては、上述したような樹脂材料で構成された可撓性フィルムにガスバリア性を高める処理が施されたものであってもよい。このような処理としては、例えば、基材1に施すことができる処理を好適に適用することができる。
上述したように、封止フィルム5は、有機EL素子2が備える陰極23および基材1の外周部と接合膜4を介して接合されている。
本発明ではこの接合膜4に特長を有しており、具体的には、接合膜4として、次のような構成のものが用いられる。
以下、接合膜4について詳述する。
このような接合膜4は、陰極23の上面および基材1の外周部上に設けられ、金属原子と、この金属原子に結合する酸素原子と、これら金属原子および酸素原子の少なくとも一方に結合する脱離基403とを含むものである(図5参照。)。換言すれば、接合膜4は、金属酸化物で構成される金属酸化物膜に脱離基403を導入したものと言うことができる。
このような接合膜4は、エネルギーが付与されると、脱離基403が接合膜4(金属原子および酸素原子の少なくとも一方)から脱離し、図6に示すように、接合膜4の少なくとも表面45付近に、活性手404が生じるものである。そして、これにより、接合膜4表面に接着性が発現する。かかる接着性が発現すると、封止フィルム5を、接合膜4を備えた陰極23(有機EL素子2)および基材1に強固に接合、固定することができる。
このような接合膜4は、基材と封止フィルムとの封止(接合)に一般的に用いられる樹脂系の接着剤とは異なり、高温、多湿な環境下においても劣化、変質することがない化学的に高い安定性を有するものである。特に、このような接合膜4は優れた耐熱性を有している。そのため、有機EL素子2(有機発光層222)を連続して発光させた場合では、有機EL素子2が高温となるが、この熱によって、接合膜4が変質、劣化するのが確実に防止される。
さらに、有機EL素子2と封止フィルム5とがこのような接合膜4を介して接合された表示装置10は、繰り返し曲げ変形させても、有機EL素子2と封止フィルム5との間で剥離が生じにくいものとなる。
結果として、表示装置10の使用環境によらず、陰極23(有機EL素子2)と封止フィルム5とが接合膜4を介して長期間にわたって強固に接合され、陰極23と封止フィルム5との間で剥離が生じるのを確実に防止することができる。そのため、有機EL素子と剥離した封止フィルムにしわ等が発生し、表示画像にムラが生じるのを防止することができる。
また、このような接合膜4は、樹脂系の接着剤を乾燥、硬化させてなる接着剤層の厚さ(約数十μm)よりも極めて厚さが薄く、かつ厚みムラも極めて小さいものである。そのため、有機EL素子2および隔壁部3の上面に、封止フィルム5を、その表面が平滑な状態で配置することができる。上述したように、表示装置10は、封止フィルム5側から光を取り出す構成(トップエミッション)を有しており、封止フィルム5の表面に凹凸が存在すると、表示画像にムラが生じるという問題があるが、表示装置10では、このような問題の発生を確実に防止することができる。
さらに、封止フィルム5は、基材1の外周部と上述したような接合膜4を介して接合されている。これにより、基材1と封止フィルム5との密着性が高まり、表示装置10の耐久性を特に優れたものとすることができる。さらに、基材1と封止フィルム5とで封止される空間の気密性を高めることができ、有機EL素子2が水蒸気等を吸湿して劣化、変質するのを防止することができる。
また、接合膜4は、金属原子と、この金属原子と結合する酸素原子とで構成されるもの、すなわち主として金属酸化物で構成されるものであることから、変形し難い強固な膜となる。このため、表示装置10では、封止フィルム5の基材1からの剥離をより確実に防止することができる。
さらに、接合膜4は、流動性を有さない固体状をなすものである。このため、流動性を有する液状または粘液状(半固形状)の接着剤に比べて、接着層(接合膜4)の厚さや形状がほとんど変化しない。したがって、このような接合膜4を備える表示装置10では、従来に比べ、陰極23と封止フィルム5とをより精度高く接合することができる。さらに、接着剤の硬化に要する時間が不要になるため、短時間で強固な接合が可能となる。
また、このような接合膜4は、被着体との優れた接着性を有するとともに、優れた導電性を有するものである。
以上のような接合膜4としての機能が好適に発揮されるように、金属原子が選択される。
具体的には、金属原子としては、特に限定されないが、例えば、Li、Be、B、Na、Mg、Al、K、Ca、Sc、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Rb、Sr、Y、Zr、Nb、Mo、Cd、In、Sn、Sb、Cs、Ba、La、Hf、Ta、W、TiおよびPb等が挙げられる。中でも、In(インジウム)、Sn(スズ)、Zn(亜鉛)、Ti(チタン)およびSb(アンチモン)のうちの1種または2種以上を組み合わせて用いるのが好ましい。接合膜4を、これらの金属原子を含むもの、すなわちこれらの金属原子を含む金属酸化物に脱離基403を導入したものとすることにより、接合膜4は、優れた伝熱性および導電性を発揮するものとなる。なお、かかる接合膜4は、高い透明性も有する。
より具体的には、金属酸化物としては、例えば、インジウム錫酸化物(ITO)、インジウム亜鉛酸化物(IZO)、アンチモン錫酸化物(ATO)、フッ素含有インジウム錫酸化物(FTO)、酸化亜鉛(ZnO)および二酸化チタン(TiO)等が挙げられる。
なお、金属酸化物としてインジウム錫酸化物(ITO)を用いる場合には、インジウムとスズとの原子比(インジウム/スズ比)は、99/1〜80/20であるのが好ましく、97/3〜85/15であるのがより好ましい。これにより、前述したような効果をより顕著に発揮させることができる。
また、接合膜4中の金属原子と酸素原子の存在比は、3:7〜7:3程度であるのが好ましく、4:6〜6:4程度であるのがより好ましい。金属原子と酸素原子の存在比を前記範囲内になるよう設定することにより、接合膜4の安定性が高くなり、陰極23と封止フィルム5とをより長期間にわたって強固に接合することができるようになる。
また、脱離基403は、前述したように、金属原子および酸素原子の少なくとも一方から脱離することにより、接合膜4に活性手を生じさせるよう振る舞うものである。したがって、脱離基403には、エネルギーを付与されることによって、比較的簡単に、かつ均一に脱離するものの、エネルギーが付与されないときには、脱離しないよう接合膜4に確実に結合しているものが好適に選択される。
かかる観点から、脱離基403には、水素原子、炭素原子、窒素原子、リン原子、硫黄原子およびハロゲン原子、またはこれらの各原子で構成される原子団のうちの少なくとも1種が好適に用いられる。かかる脱離基403は、エネルギーの付与による結合/脱離の選択性に比較的優れている。このため、このような脱離基403は、上記のような必要性を十分に満足し得るものとなり、接合膜4の接着性をより高度なものとすることができる。
なお、上記の各原子で構成される原子団(基)としては、例えば、メチル基、エチル基のようなアルキル基、メトキシ基、エトキシ基のようなアルコキシ基、カルボキシル基、アミノ基およびスルホン酸基等が挙げられる。
以上のような各原子および原子団の中でも、脱離基403は、特に、水素原子であるのが好ましい。水素原子で構成される脱離基403は、化学的な安定性が高いため、脱離基403として水素原子を備える接合膜4は、耐候性および耐薬品性に優れたものとなる。
以上のことを考慮すると、接合膜4としては、インジウム錫酸化物(ITO)、インジウム亜鉛酸化物(IZO)、アンチモン錫酸化物(ATO)、フッ素含有インジウム錫酸化物(FTO)、酸化亜鉛(ZnO)または二酸化チタン(TiO)の金属酸化物に、脱離基403として水素原子が導入されたものが好適に選択される。
かかる構成の接合膜4は、それ自体が優れた機械的特性を有している。また、多くの材料に対して特に優れた接着性を示すものである。したがって、このような接合膜4は、陰極23(および基材1)に対して特に強固に接着するとともに、封止フィルム5に対しても特に強い被着力を示し、その結果として、陰極23と封止フィルム5とを強固に接合することができる。
また、接合膜4の平均厚さは、1〜1000nm程度であるのが好ましく、2〜800nm程度であるのがより好ましい。接合膜4の平均厚さを前記範囲内とすることにより、陰極23および基材1と封止フィルム5との接合強度を十分に高いものとすることができる。さらに、表示装置10全体としての可撓性を十分に高いものとすることができる。
これに対して、接合膜4の平均厚さが前記下限値を下回った場合は、接合膜4の材料等によっては、十分な接合強度が得られないおそれがある。一方、接合膜4の平均厚さが前記上限値を上回った場合は、陰極23と封止フィルム5とを接合する際の接合条件等によっては、表示装置10の寸法精度が著しく低下するおそれがある。
さらに、接合膜4の平均厚さが前記範囲内であれば、接合膜4にある程度の形状追従性が確保される。このため、陰極23の接合面(接合膜4に隣接する面)に凹凸が存在している場合(例えば、有機EL素子2の陰極23を除いた高さ(陽極21、正孔輸送層221、および有機発行層222の高さの合計)と隔壁部3の高さとの差が大きい場合)でも、その凹凸の高さにもよるが、凹凸の形状に追従するように接合膜4を被着させることができる。その結果、接合膜4は、凹凸を吸収して、その表面に生じる凹凸の高さを緩和することができ、接合膜4の封止フィルム5に対する密着性を高めることができるとともに、封止フィルム5の表面をより平滑なものとすることができる。
なお、上記のような形状追従性の程度は、接合膜4の厚さが厚いほど顕著になる。したがって、形状追従性を十分に確保するためには、接合膜4の膜自体の機械的強度の低下が認められない範囲で、接合膜4の厚さをできるだけ厚くすればよい。
以上説明したような接合膜4は、接合膜4のほぼ全体に脱離基403を存在させる場合には、例えば、A:脱離基403を構成する原子成分を含む雰囲気下で、物理的気相成膜法により、金属原子と酸素原子とを含む金属酸化物材料を成膜することにより形成することができる。また、接合膜4の表面45付近に偏在させる場合には、例えば、B:金属原子と前記酸素原子とを含む金属酸化物膜を成膜した後、この金属酸化物膜の表面付近に含まれる金属原子および酸素原子の少なくとも一方に脱離基403を導入することにより形成することができる。
以下、AおよびBの方法を用いて、陰極23上に接合膜4を成膜する場合について、詳述する。
A:Aの方法では、接合膜4は、上記のように、脱離基403を構成する原子成分を含む雰囲気下で、物理的気相成膜法(PVD法)により、金属原子と酸素原子とを含む金属酸化物材料を成膜することにより形成される。このようにPVD法を用いる構成とすれば、金属酸化物材料を陰極23に向かって飛来させる際に、比較的容易に金属原子および酸素原子の少なくとも一方に脱離基403を導入することができるため、接合膜4のほぼ全体に亘って脱離基403を導入することができる。
さらに、PVD法によれば、緻密で均質な接合膜4を効率よく成膜することができる。これにより、PVD法で成膜された接合膜4は、封止フィルム5に対して特に強固に接合し得るものとなる。また、PVD法で成膜された接合膜4は、陰極23に対しても高い密着性を示す。このため、陰極23と封止フィルム5との間に高い接合強度が得られる。さらに、PVD法で成膜された接合膜4は、エネルギーが付与されて活性化された状態が比較的長時間にわたって維持される。このため、表示装置10の製造過程の簡素化、効率化を図ることができる。
また、PVD法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、レーザーアブレーション法等が挙げられるが、中でも、スパッタリング法を用いるのが好ましい。スパッタリング法によれば、金属原子と酸素原子との結合が切断することなく、脱離基403を構成する原子成分を含む雰囲気中に、金属酸化物の粒子を叩き出すことができる。そして、金属酸化物の粒子が叩き出された状態で、脱離基403を構成する原子成分を含むガスと接触させることができるため、金属酸化物(金属原子または酸素原子)への脱離基403の導入をより円滑に行うことができる。
以下、PVD法により接合膜4を成膜する方法として、スパッタリング法(イオンビームスパッタリング法)により、接合膜4を成膜する場合を代表に説明する。
まず、接合膜4の成膜方法を説明するのに先立って、陰極23上にイオンビームスパッタリング法により接合膜4を成膜する際に用いられる成膜装置200について説明する。
図7に示す成膜装置200は、イオンビームスパッタリング法による接合膜4の形成がチャンバー(装置)内で行えるように構成されている。
具体的には、成膜装置200は、チャンバー(真空チャンバー)211と、このチャンバー211内に設置され、有機EL素子2および隔壁部3が形成された基材1(成膜対象物)を保持する基板ホルダー(成膜対象物保持部)212と、チャンバー211内に設置され、チャンバー211内に向かってイオンビームBを照射するイオン源(イオン供給部)215と、イオンビームBの照射により、金属原子と酸素原子とを含む金属酸化物(例えば、ITO)を発生させるターゲット(金属酸化物材料)216を保持するターゲットホルダー(ターゲット保持部)217とを有している。
また、チャンバー211には、チャンバー211内に、脱離基403を構成する原子成分を含むガス(例えば、水素ガス)を供給するガス供給手段260と、チャンバー211内の排気をして圧力を制御する排気手段230とを有している。
なお、本実施形態では、基板ホルダー212は、チャンバー211の天井部に取り付けられている。この基板ホルダー212は、回動可能となっている。これにより、有機EL素子2の陰極23上に接合膜4を均質かつ均一な厚さで成膜することができる。
イオン源(イオン銃)215は、図8に示すように、開口(照射口)250が形成されたイオン発生室256と、イオン発生室256内に設けられたフィラメント257と、グリッド253、254と、イオン発生室256の外側に設置された磁石255とを有している。
また、イオン発生室256には、図8に示すように、その内部にガス(スパッタリング用ガス)を供給するガス供給源219が接続されている。
このイオン源215では、イオン発生室256内に、ガス供給源219からガスを供給した状態で、フィラメント257を通電加熱すると、フィラメント257から電子が放出され、放出された電子が磁石255の磁場によって運動し、イオン発生室256内に供給されたガス分子と衝突する。これにより、ガス分子がイオン化する。このガスのイオンIは、グリッド253とグリッド254との間の電圧勾配により、イオン発生室256内から引き出されるとともに加速され、開口250を介してイオンビームBとしてイオン源215から放出(照射)される。
イオン源215から照射されたイオンビームBは、ターゲット216の表面に衝突し、ターゲット216からは粒子(スパッタ粒子)が叩き出される。このターゲット216は、前述したような金属酸化物材料で構成されている。
この成膜装置200では、イオン源215は、その開口250がチャンバー211内に位置するように、チャンバー211の側壁に固定(設置)されている。なお、イオン源215は、チャンバー211から離間した位置に配置し、接続部を介してチャンバー211に接続した構成とすることもできるが、本実施形態のような構成とすることにより、成膜装置200の小型化を図ることができる。
また、イオン源215は、その開口250が、基板ホルダー212と異なる方向、本実施形態では、チャンバー211の底部側を向くように設置されている。
なお、イオン源215の設置個数は、1つに限定されるものではなく、複数とすることもできる、イオン源215を複数設置することにより、接合膜4の成膜速度をより速くすることができる。
また、ターゲットホルダー217および基板ホルダー212の近傍には、それぞれ、これらを覆うことができる第1のシャッター220および第2のシャッター225が配設されている。
これらシャッター220、221は、それぞれ、ターゲット216、有機EL素子2および接合膜4が、不用な雰囲気等に曝されるのを防ぐためのものである。
また、排気手段230は、ポンプ232と、ポンプ232とチャンバー211とを連通する排気ライン231と、排気ライン231の途中に設けられたバルブ233とで構成されており、チャンバー211内を所望の圧力に減圧し得るようになっている。
さらに、ガス供給手段260は、脱離基403を構成する原子成分を含むガス(例えば、水素ガス)を貯留するガスボンベ264と、ガスボンベ264からこのガスをチャンバー211に導くガス供給ライン261と、ガス供給ライン261の途中に設けられたポンプ262およびバルブ263とで構成されており、脱離基403を構成する原子成分を含むガスをチャンバー211内に供給し得るようになっている。
以上のような構成の成膜装置200を用いて、以下のようにして陰極23上に接合膜4が形成される。
まず、有機EL素子2および隔壁部3が形成された基材1を用意し、この基材1を成膜装置200のチャンバー211内に搬入し、基板ホルダー212に装着(セット)する。
次に、排気手段230を動作させ、すなわちポンプ232を作動させた状態でバルブ233を開くことにより、チャンバー211内を減圧状態にする。この減圧の程度(真空度)は、特に限定されないが、1×10−7〜1×10−4Torr程度であるのが好ましく、1×10−6〜1×10−5Torr程度であるのがより好ましい。
さらに、ガス供給手段260を動作させ、すなわちポンプ262を作動させた状態でバルブ263を開くことにより、チャンバー211内に脱離基403を構成する原子成分を含むガスを供給する。これにより、チャンバー内をかかるガスを含む雰囲気下(水素ガス雰囲気下)とすることができる。
脱離基403を構成する原子成分を含むガスの流量は、1〜100ccm程度であるのが好ましく、10〜60ccm程度であるのがより好ましい。これにより、金属原子および酸素原子の少なくとも一方に確実に脱離基403を導入することができる。
また、チャンバー211内の温度は、25℃以上であればよいが、25〜100℃程度であるのが好ましい。かかる範囲内に設定することにより、金属原子または酸素原子と、前記原子成分を含むガスとの反応が効率良く行われ、金属原子および酸素原子に確実に、前記原子成分を含むガスを導入することができる。
次に、第2のシャッター225を開き、さらに第1のシャッター220を開いた状態にする。
この状態で、イオン源215のイオン発生室256内にガスを導入するとともに、フィラメント257に通電して加熱する。これにより、フィラメント257から電子が放出され、この放出された電子とガス分子が衝突することにより、ガス分子がイオン化する。
このガスのイオンIは、グリッド253とグリッド254とにより加速されて、イオン源215から放出され、陰極材料で構成されるターゲット216に衝突する。これにより、ターゲット216から金属酸化物(例えば、ITO)の粒子が叩き出される。このとき、チャンバー211内が脱離基403を構成する原子成分を含むガスを含む雰囲気下(例えば、水素ガス雰囲気下)であることから、チャンバー211内に叩き出された粒子に含まれる金属原子および酸素原子に脱離基403が導入される。そして、この脱離基403が導入された金属酸化物が陰極23上に被着することにより、接合膜4が形成される。
なお、本実施形態で説明したイオンビームスパッタリング法では、イオン源215のイオン発生室256内で、放電が行われ、電子eが発生するが、この電子eは、グリッド253により遮蔽され、チャンバー211内への放出が防止される。
さらに、イオンビームBの照射方向(イオン源215の開口250)がターゲット216(チャンバー211の底部側と異なる方向)に向いているので、イオン発生室256内で発生した紫外線が、成膜された接合膜4に照射されるのがより確実に防止されて、接合膜4の成膜中に導入された脱離基403が脱離するのを確実に防止することができる。
以上のようにして、厚さ方向のほぼ全体に亘って脱離基403が存在する接合膜4を陰極23上に成膜することができる。
B:また、Bの方法では、被膜は、金属原子と酸素原子とを含む金属酸化物膜を成膜した後、この金属酸化物膜の表面付近に含まれる金属原子および酸素原子の少なくとも一方に脱離基403を導入することにより形成される。かかる方法によれば、比較的簡単な工程で、金属酸化物膜の表面付近に脱離基403を偏在させた状態で導入することができ、接合膜および金属酸化物膜としての双方の特性に優れた被膜(接合膜4)を形成することができる。
ここで、金属酸化物膜は、いかなる方法で成膜されたものでもよく、例えば、PVD法(物理的気相成膜法)、CVD法(化学的気相成膜法)、プラズマ重合法のような各種気相成膜法や、各種液相成膜法等により成膜することができるが、中でも、特に、PVD法により成膜するのが好ましい。PVD法によれば、緻密で均質な金属酸化物膜を効率よく成膜することができる。
また、PVD法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法およびレーザーアブレーション法等が挙げられるが、中でも、スパッタリング法を用いるのが好ましい。スパッタリング法によれば、金属原子と酸素原子との結合が切断することなく、雰囲気中に金属酸化物の粒子を叩き出して、陰極23上に供給することができるため、特性に優れた金属酸化物膜を成膜することができる。
さらに、金属酸化物膜の表面付近に脱離基403を導入する方法としては、各種方法が用いられ、例えば、B1:脱離基403を構成する原子成分を含む雰囲気下で金属酸化物膜を熱処理(アニール)する方法、B2:イオンインプラテーション法等が挙げられるが、中でも、特に、B1の方法を用いるのが好ましい。B1の方法によれば、比較的容易に、脱離基403を金属酸化物膜の表面付近に選択的に導入することができる。また、熱処理を施す際の、雰囲気温度や処理時間等の処理条件を適宜設定することにより、導入する脱離基403の量、さらには脱離基403が導入される金属酸化物膜の厚さの制御を的確に行うことができる。
以下、金属酸化物膜をスパッタリング法(イオンビームスパッタリング法)により成膜し、次に、得られた金属酸化物膜を、脱離基403を構成する原子成分を含む雰囲気下で熱処理することにより、被膜を得る場合を代表に説明する。
なお、Bの方法を用いて被膜の成膜する場合も、Aの方法を用いて被膜を成膜する際に用いられる成膜装置200と同様の成膜装置が用いられるため、成膜装置に関する説明は省略する。
まず、有機EL素子2および隔壁部3が形成された基材1を用意し、この基材1を、成膜装置200のチャンバー211内に搬入し、基板ホルダー212に装着(セット)する。
次に、排気手段230を動作させ、すなわちポンプ232を作動させた状態でバルブ233を開くことにより、チャンバー211内を減圧状態にする。この減圧の程度(真空度)は、特に限定されないが、1×10−7〜1×10−4Torr程度であるのが好ましく、1×10−6〜1×10−5Torr程度であるのがより好ましい。
また、このとき、加熱手段を動作させ、チャンバー211内を加熱する。チャンバー211内の温度は、25℃以上であればよいが、25〜100℃程度であるのが好ましい。かかる範囲内に設定することにより、膜密度の高い金属酸化物膜を成膜することができる。
次に、第2のシャッター225を開き、さらに第1のシャッター220を開いた状態にする。
この状態で、イオン源215のイオン発生室256内にガスを導入するとともに、フィラメント257に通電して加熱する。これにより、フィラメント257から電子が放出され、この放出された電子とガス分子が衝突することにより、ガス分子がイオン化する。
このガスのイオンIは、グリッド253とグリッド254とにより加速されて、イオン源215から放出され、陰極材料で構成されるターゲット216に衝突する。これにより、ターゲット216から金属酸化物(例えば、ITO)の粒子が叩き出され、端子21上に被着して、金属原子と、この金属原子に結合する酸素原子とを含む金属酸化物膜が形成される。
なお、本実施形態で説明したイオンビームスパッタリング法では、イオン源215のイオン発生室256内で、放電が行われ、電子eが発生するが、この電子eは、グリッド253により遮蔽され、チャンバー211内への放出が防止される。
さらに、イオンビームBの照射方向(イオン源215の開口250)がターゲット216(チャンバー211の底部側と異なる方向)に向いているので、イオン発生室256内で発生した紫外線が、成膜された接合膜4に照射されるのがより確実に防止されて、接合膜4の成膜中に導入された脱離基403が脱離するのを確実に防止することができる。
次に、第2のシャッター225を開いた状態で、第1のシャッター220を閉じる。
この状態で、加熱手段を動作させ、チャンバー211内をさらに加熱する。チャンバー211内の温度は、金属酸化物膜の表面に効率良く脱離基403が導入される温度に設定され、100〜600℃程度であるのが好ましく、150〜300℃程度であるのがより好ましい。かかる範囲内に設定することにより、次工程において、有機EL素子2および金属酸化物膜を変質・劣化させることなく、金属酸化物膜の表面に効率良く脱離基403を導入することができる。
次に、ガス供給手段260を動作させ、すなわちポンプ262を作動させた状態でバルブ263を開くことにより、チャンバー211内に脱離基403を構成する原子成分を含むガスを供給する。これにより、チャンバー211内をかかるガスを含む雰囲気下(水素ガス雰囲気下)とすることができる。
このように、前工程でチャンバー211内が加熱された状態で、チャンバー211内を、脱離基403を構成する原子成分を含むガスを含む雰囲気下(例えば、水素ガス雰囲気下)とすると、金属酸化物膜の表面付近に存在する金属原子および酸素原子の少なくとも一方に脱離基403が導入されて、接合膜4が形成される。
脱離基403を構成する原子成分を含むガスの流量は、1〜100ccm程度であるのが好ましく、10〜60ccm程度であるのがより好ましい。これにより、金属原子および酸素原子の少なくとも一方に確実に脱離基403を導入することができる。
なお、チャンバー211内は、前記工程において、排気手段230を動作させることにより調整された減圧状態を維持しているのが好ましい。これにより、金属酸化物膜の表面付近に対する脱離基403の導入をより円滑に行うことができる。また、前記工程の減圧状態を維持したまま、本工程においてチャンバー211内を減圧する構成とすることにより、再度減圧する手間が省けることから、成膜時間および成膜コスト等の削減を図ることができるという利点も得られる。
この減圧の程度(真空度)は、特に限定されないが、1×10−7〜1×10−4Torr程度であるのが好ましく、1×10−6〜1×10−5Torr程度であるのがより好ましい。
また、熱処理を施す時間は、15〜120分程度であるのが好ましく、30〜60分程度であるのがより好ましい。
導入する脱離基403の種類等によっても異なるが、熱処理を施す際の条件(チャンバー211内の温度、真空度、ガス流量、処理時間)を上記範囲内に設定することにより、金属酸化物膜の表面付近に脱離基403を選択的に導入することができる。
以上のようにして、表面45付近に脱離基403が偏在する接合膜4を成膜することができる。
なお、陰極23の少なくとも接合膜4と接合する領域には、上記の方法により接合膜4を形成するのに先立って、陰極23の構成材料に応じて、予め、陰極23と接合膜4との密着性を高める表面処理を施すのが好ましい。
かかる表面処理としては、例えば、スパッタリング処理、ブラスト処理のような物理的表面処理、酸素プラズマ、窒素プラズマ等を用いたプラズマ処理、コロナ放電処理、エッチング処理、電子線照射処理、紫外線照射処理、オゾン暴露処理のような化学的表面処理、または、これらを組み合わせた処理等が挙げられる。このような処理を施すことにより、陰極23の接合膜4を形成すべき領域を清浄化するとともに、該領域を活性化させることができる。これにより、接合膜4と陰極23との接合強度を高めることができる。
また、これらの各表面処理の中でもプラズマ処理を用いることにより、接合膜4を形成するために、陰極23の表面を特に最適化することができる。
また、表面処理に代えて、陰極23の少なくとも接合膜4を形成すべき領域には、あらかじめ、中間層を形成するようにしてもよい。
この中間層は、いかなる機能を有するものであってもよく、特に限定されるものではないが、例えば、接合膜4との密着性を高める機能、クッション性(緩衝機能)、応力集中を緩和する機能、接合膜4を成膜する際に接合膜4の膜成長を促進する機能(シード層)、接合膜4を保護する機能(バリア層)等を有するものが好ましい。このような中間層を介して陰極23と接合膜4とを接合することになり、信頼性の高い表示装置10を得ることができる。
かかる中間層の構成材料としては、例えば、アルミニウム、チタン、タングステン、銅およびその合金等の金属系材料、金属酸化物、金属窒化物、シリコン酸化物のような酸化物系材料、金属窒化物、シリコン窒化物のような窒化物系材料、グラファイト、ダイヤモンドライクカーボンのような炭素系材料、シランカップリング剤、チオール系化合物、金属アルコキシド、金属−ハロゲン化合物のような自己組織化膜材料、樹脂系接着剤、樹脂フィルム、樹脂コーティング材、各種ゴム材料、各種エラストマーのような樹脂系材料等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、これらの各種材料で構成された中間層の中でも、酸化物系材料で構成された中間層によれば、陰極23と接合膜4との間の接合強度を特に高めることができる。
以上のようにして、陰極23上に接合膜4を設けることができる。
なお、上記では、接合膜4を陰極23上に設ける構成について説明したが、接合膜4は、封止フィルム5に設けるようにしてもよい。この場合、封止フィルム5の少なくとも接合膜4を形成すべき領域に、予め、前述したような表面処理を施したり、前述した中間層を設けるようにすればよい。
さらに、接合膜4は、陰極23と封止フィルム5の陰極23と接合する領域との双方に設けるようにしてもよい。この場合には、表面処理や中間層の形成は、陰極23と封止フィルム5の双方に行ってもよく、いずれか一方に選択的に行うようにしてもよい。
また、上述した方法と同様にして、基材1の外周部表面に接合膜4を成膜することができる。
次に、本実施形態の表示装置10の製造方法について説明する。
図9および図10は、本実施形態の表示装置10の製造方法を説明するための図である。なお、以下では、説明の便宜上、図9、図10中の上側を「上」、下側を「下」と言う。
[1]まず、基材1上に、有機EL素子2および隔壁部3を形成する(図9(a)参照)。
[1−A]まず、基材(第1の可撓性フィルム)1を用意し、基材1上に、ストライプ状に互いに平行に伸長する複数の共通電極(陽極21)を形成する。
この陽極21は、基材1上に、例えば、真空蒸着法やスパッタ法のような気相成膜法等により、前述したような陽極21の構成材料を主材料として構成される導電膜を形成した後、パターニングすることにより得ることができる。
[1−B]次に、基材1上に、後に形成する有機EL素子2(2R、2G、2B)を形成する領域を区画するように、隔壁部(バンク)3を形成する。
この隔壁部3は、基材1上に、上述したような材料で構成された絶縁膜を形成した後、フォトリソグラフィー法等を用いてパターニングすること等により形成することができる。
[1−C]次に、各陽極21上に、すなわち、隔壁部3間で囲まれた領域に、それぞれ、正孔輸送層221、有機発光層222(222R、222G、222B)、および電子輸送層223をこの順で積層して有機半導体層22(22R、22G、22B)を形成する。
[1−Ca]まず、各陽極21上に、それぞれ、正孔輸送層221を形成する。
この正孔輸送層221は、例えば、スパッタ法、真空蒸着法、CVD法等を用いた気相プロセスや、スピンコート法(パイロゾル法)、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイヤーバーコート法、ディップコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、インクジェット印刷法等を用いた液相プロセス等により形成することができるが、中でも、インクジェット法(液滴吐出法)を用いた液相プロセスにより形成するのが好ましい。インクジェット法を用いることにより、正孔輸送層221aの薄膜化、画素サイズの微小化を図ることができる。また、正孔輸送層形成用の液状材料を、隔壁部3の内側に選択的に供給することができるため、液状材料のムダを省くことができる。
具体的には、正孔輸送層形成用の液状材料を、インクジェットプリント装置のヘッドから吐出し、各陽極21上に供給し、脱溶媒または脱分散媒した後、必要に応じて、150℃程度で短時間の加熱処理を施す。
この脱溶媒または脱分散媒は、減圧雰囲気に放置する方法、熱処理(例えば50〜60℃程度)による方法、窒素ガスのような不活性ガスのフローによる方法等が挙げられる。さらに、追加の熱処理(150℃程度で短時間)で行うことにより、残存溶媒を除去する。
用いる液状材料は、前述したような正孔輸送材料を溶媒または分散媒に溶解または分散することにより調製される。
また、液状材料の調製に用いる溶媒または分散媒としては、例えば、硝酸、硫酸、アンモニア、過酸化水素、水、二硫化炭素、四塩化炭素、エチレンカーボネイト等の各種無機溶媒や、メチルエチルケトン(MEK)、アセトン、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトン(MIBK)、メチルイソプロピルケトン(MIPK)、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒、メタノール、エタノール、イソプロパノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール(DEG)、グリセリン等のアルコール系溶媒、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、1,2−ジメトキシエタン(DME)、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン(THF)、テトラヒドロピラン(THP)、アニソール、ジエチレングリコールジメチルエーテル(ジグリム)、ジエチレングリコールエチルエーテル(カルビトール)等のエーテル系溶媒、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、フェニルセロソルブ等のセロソルブ系溶媒、ヘキサン、ペンタン、ヘプタン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶媒、トルエン、キシレン、ベンゼン等の芳香族炭化水素系溶媒、ピリジン、ピラジン、フラン、ピロール、チオフェン、メチルピロリドン等の芳香族複素環化合物系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMA)等のアミド系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化合物系溶媒、酢酸エチル、酢酸メチル、ギ酸エチル等のエステル系溶媒、ジメチルスルホキシド(DMSO)、スルホラン等の硫黄化合物系溶媒、アセトニトリル、プロピオニトリル、アクリロニトリル等のニトリル系溶媒、ギ酸、酢酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸等の有機酸系溶媒のような各種有機溶媒、または、これらを含む混合溶媒等が挙げられる。
なお、陽極21上に供給された液状材料は、流動性が高く(粘性が低く)、水平方向(面方向)に広がろうとするが、陽極21が隔壁部3により囲まれているため、所定の領域以外に広がることが阻止され、正孔輸送層221(有機EL素子2)の輪郭形状が正確に規定される。
[1−Cb]次に、各正孔輸送層221上に、有機発光層222(222R、222G、222B)を形成する。
この有機発光層222も、気相プロセスや液相プロセスにより形成することができるが、前述したのと同様の理由から、インクジェット法(液滴吐出法)を用いた液相プロセスにより形成するのが好ましい。また、インクジェット法を用いることにより、複数色の有機発光層222R、222G、222Bの塗り分けを容易に行うことができるという利点も得られる。
[1−Cc]次に、各有機発光層222上に、さらに電子輸送層223を形成する。
この電子輸送層223も、気相プロセスや液相プロセスにより形成することができるが、前述したのと同様の理由から、インクジェット法(液滴吐出法)を用いた液相プロセスにより形成するのが好ましい。
[1−D]次に、基材1上に形成された有機半導体層22および隔壁部3の上面に、陽極21と交差する方向にストライプ状に互いに平行に伸長する複数の共通電極(陰極23)を形成する。
この陰極23は、例えば、前述した陽極21と同様の方法を用いて形成することができる。
[2]次に、陰極23上、および基材1の外周部表面上に、前述したような成膜装置200を用いて、接合膜4をパターニングして成膜する。(図9(b)参照)。
[3]次に、接合膜4の表面45に対してエネルギーを付与する。なお、表面45へのエネルギーの付与は、接合膜4の上面全体にわたってエネルギーを付与することにより行われてもよいし、表面45に選択的にエネルギーを付与することにより行われてもよい。以下、接合膜4にエネルギーを付与する場合について説明する。
ここで、接合膜4にエネルギーを付与すると、接合膜4では、脱離基403の結合手が切れて接合膜4の表面45付近から脱離し、脱離基403が脱離した後には、活性手が接合膜4の表面45付近に生じる。これにより、接合膜4の表面45に、封止フィルム5との接着性が発現する。
このような状態の接合膜4は、封止フィルム5と、化学的結合に基づいて強固に接合可能なものとなる。
ここで、接合膜4に付与するエネルギーは、いかなる方法を用いて付与されるものであってもよいが、例えば、接合膜4にエネルギー線を照射する方法、接合膜4を加熱する方法、接合膜4に圧縮力(物理的エネルギー)を付与する方法、接合膜4をプラズマに曝す(プラズマエネルギーを付与する)方法、接合膜4をオゾンガスに曝す(化学的エネルギーを付与する)方法等が挙げられる。中でも、本実施形態では、接合膜4にエネルギーを付与する方法として、特に、接合膜4にエネルギー線を照射する方法を用いるのが好ましい。かかる方法は、接合膜4に対して比較的簡単に効率よくエネルギーを付与することができるので、エネルギーを付与する方法として好適に用いられる。
このうち、エネルギー線としては、例えば、紫外線、レーザ光のような光、X線、γ線、電子線、イオンビームのような粒子線等や、またはこれらのエネルギー線を2種以上組み合わせたものが挙げられる。
これらのエネルギー線の中でも、特に、波長126〜300nm程度の紫外線を用いるのが好ましい(図9(c)参照)。かかる範囲内の紫外線によれば、付与されるエネルギー量が最適化されるので、接合膜4中の脱離基403を確実に脱離させることができる。これにより、接合膜4の特性(機械的特性、化学的特性等)が低下するのを防止しつつ、接合膜4に接着性を確実に発現させることができる。
また、紫外線によれば、広い範囲をムラなく短時間に処理することができるので、脱離基403の脱離を効率よく行わせることができる。さらに、紫外線には、例えば、UVランプ等の簡単な設備で発生させることができるという利点もある。
なお、紫外線の波長は、より好ましくは、126〜200nm程度とされる。
また、UVランプを用いる場合、その出力は、接合膜4の面積に応じて異なるが、1mW/cm〜1W/cm程度であるのが好ましく、5mW/cm〜50mW/cm程度であるのがより好ましい。なお、この場合、UVランプと接合膜4との離間距離は、3〜3000mm程度とするのが好ましく、10〜1000mm程度とするのがより好ましい。
また、紫外線を照射する時間は、接合膜4の表面45付近の脱離基403を脱離し得る程度の時間、すなわち、接合膜4に必要以上に紫外線が照射されない程度の時間とするのが好ましい。これにより、接合膜4が変質・劣化するのを効果的に防止することができる。具体的には、紫外線の光量、接合膜4の構成材料等に応じて若干異なるものの、0.5〜30分程度であるのが好ましく、1〜10分程度であるのがより好ましい。
また、紫外線は、時間的に連続して照射されてもよいが、間欠的(パルス状)に照射されてもよい。
一方、レーザ光としては、例えば、エキシマレーザのようなパルス発振レーザ(パルスレーザ)、炭酸ガスレーザ、半導体レーザのような連続発振レーザ等が挙げられる。中でも、パルスレーザが好ましく用いられる。パルスレーザでは、接合膜4のレーザ光が照射された部分に経時的に熱が蓄積され難いので、蓄積された熱による接合膜4の変質・劣化を確実に防止することができる。すなわち、パルスレーザによれば、接合膜4の内部にまで蓄積された熱の影響がおよぶのを、防止することができる。
また、パルスレーザのパルス幅は、熱の影響を考慮した場合、できるだけ短い方が好ましい。具体的には、パルス幅が1ps(ピコ秒)以下であるのが好ましく、500fs(フェムト秒)以下であるのがより好ましい。パルス幅を前記範囲内にすれば、レーザ光照射に伴って接合膜4に生じる熱の影響を、的確に抑制することができる。なお、パルス幅が前記範囲内程度に小さいパルスレーザは、「フェムト秒レーザ」と呼ばれる。
また、レーザ光の波長は、特に限定されないが、例えば、200〜1200nm程度であるのが好ましく、400〜1000nm程度であるのがより好ましい。
また、レーザ光のピーク出力は、パルスレーザの場合、パルス幅によって異なるが、0.1〜10W程度であるのが好ましく、1〜5W程度であるのがより好ましい。
さらに、パルスレーザの繰り返し周波数は、0.1〜100kHz程度であるのが好ましく、1〜10kHz程度であるのがより好ましい。パルスレーザの周波数を前記範囲内に設定することにより、レーザ光を照射した部分の温度が著しく上昇して、脱離基403を接合膜4の表面45付近から確実に切断することができる。
なお、このようなレーザ光の各種条件は、レーザ光を照射された部分の温度が、好ましくは常温(室温)〜600℃程度、より好ましくは200〜600℃程度、さらに好ましくは300〜400℃程度になるように適宜調整されるのが好ましい。これにより、レーザ光を照射した部分の温度が著しく上昇して、脱離基403を接合膜4から確実に切断することができる。
また、接合膜4に照射するレーザ光は、その焦点を、接合膜4の表面45に合わせた状態で、この表面45に沿って走査されるようにするのが好ましい。これにより、レーザ光の照射によって発生した熱が、表面45付近に局所的に蓄積されることとなる。その結果、接合膜4の表面45に存在する脱離基403を選択的に脱離させることができる。
また、接合膜4に対するエネルギー線の照射は、いかなる雰囲気中で行うようにしてもよく、具体的には、大気、酸素のような酸化性ガス雰囲気、水素のような還元性ガス雰囲気、窒素、アルゴンのような不活性ガス雰囲気、またはこれらの雰囲気を減圧した減圧(真空)雰囲気等が挙げられるが、中でも、特に、大気雰囲気中で行うのが好ましい。これにより、雰囲気を制御することに手間やコストをかける必要がなくなり、エネルギー線の照射をより簡単に行うことができる。
このように、エネルギー線を照射する方法によれば、接合膜4の表面45付近に対して選択的にエネルギーを付与することが容易に行えるため、例えば、エネルギーの付与による基材1および接合膜4の変質・劣化を防止することができる。これにより、表示装置10の信頼性をさらに高めることができる。
また、エネルギー線を照射する方法によれば、付与するエネルギーの大きさを、精度よく簡単に調整することができる。このため、接合膜4から脱離する脱離基403の脱離量を調整することが可能となる。このように脱離基403の脱離量を調整することにより、接合膜4と封止フィルム5との間の接合強度を容易に制御することができる。
すなわち、脱離基403の脱離量を多くすることにより、接合膜4の表面45付近に、より多くの活性手が生じるため、接合膜4に発現する接着性をより高めることができる。一方、脱離基403の脱離量を少なくすることにより、接合膜4の表面45付近に生じる活性手を少なくし、接合膜4に発現する接着性を抑えることができる。
なお、付与するエネルギーの大きさを調整するためには、例えば、エネルギー線の種類、エネルギー線の出力、エネルギー線の照射時間等の条件を調整すればよい。
さらに、エネルギー線を照射する方法によれば、短時間で大きなエネルギーを付与することができるので、エネルギーの付与をより効率よく行うことができる。
ここで、エネルギーが付与される前の接合膜4は、図5に示すように、その表面45付近に脱離基403を有している。かかる接合膜4にエネルギーを付与すると、脱離基(水素原子)403が接合膜4から脱離する。これにより、図6に示すように、接合膜4の表面45に活性手404が生じ、活性化される。その結果、接合膜4の表面に接着性が発現する。
ここで、本明細書中において、接合膜4が「活性化された」状態とは、上述のように接合膜4の表面45および内部の脱離基403が脱離して、接合膜4の構成原子において終端化されていない結合手(以下、「未結合手」または「ダングリングボンド」とも言う。)が生じた状態の他、この未結合手が水酸基(OH基)によって終端化された状態、さらに、これらの状態が混在した状態を含めて、接合膜4が「活性化された」状態と言うこととする。
したがって、活性手404とは、図6に示すように、未結合手(ダングリングボンド)、または未結合手が水酸基によって終端化されたもののことを言う。このような活性手404が存在するようにすれば、封止フィルム5に対して、特に強固な接合が可能となる。
なお、後者の状態(未結合手が水酸基によって終端化された状態)は、例えば、接合膜4に対して大気雰囲気中でエネルギー線を照射することにより、大気中の水分が未結合手を終端化することによって、容易に生成されることとなる。
また、本実施形態では、接合膜4と封止フィルム5とを接着する(貼り合わせる)前に、予め、接合膜4に対してエネルギーを付与する場合について説明しているが、かかるエネルギーの付与は、接合膜4と封止フィルム5とを貼り合わせる(重ね合わせる)際、または貼り合わせた(重ね合わせた)後に行うようにしてもよい。
[4]次に、封止フィルム5を用意する。そして、図10(d)に示すように、活性化させた接合膜4と封止フィルム5とが密着するようにして、接合膜4を封止フィルム5に接触させる。これにより、前記工程[3]において、接合膜4が封止フィルム5(被着体)に対する接着性が発現していることから、接合膜4と封止フィルム5とが化学的に結合することとなり、接合膜4が封止フィルム5に接着して、封止フィルム5が陰極23(有機EL素子2)および基材1に接合される。最後に、陽極21および陰極23を、それぞれ図示しないドライバICに接続することにより、有機EL素子2が基材1と封止フィルム5とで封止された表示装置10を得ることができる(図10(e)参照)。
このようにして接合膜4と封止フィルム5とが接合された表示装置10では、従来の接合方法で用いられていた接着剤のように、主にアンカー効果のような物理的結合に基づく接着ではなく、共有結合のような短時間で生じる強固な化学的結合に基づいて、接合膜4と封止フィルム5とが接合されている。このように、陰極23および封止フィルム5が分子レベルで接合膜4と接合しているため、例えば、表示装置10を曲げ変形させた場合でも、有機EL素子2と封止フィルム5とが極めて剥離し難く、接合強度に優れたものとなる。また、基材1と封止フィルム5とが、それぞれの外周部で、接合膜4を介して接合されている。接合膜4は、樹脂材料で構成された接着剤に比べ、緻密であり、かつ密度が高いものである。したがって、基材1と封止フィルム5とで封止された空間は気密性に優れたものとなり、有機EL素子2が吸湿し、劣化、変質してしまうのを確実に防止することができる。結果として、表示装置10の信頼性を特に優れたものとすることができる。また、表示装置10の製造時間を短縮することができ、表示装置10の生産性を高めることができる。
以上説明したような封止フィルム5の接合膜4との接合に供される領域には、陰極23と同様に、封止フィルム5の接合膜4と接する表面に、接合膜4との密着性を高める表面処理を施すのが好ましい。これにより、接合膜4と封止フィルム5との接合強度をより高めることができる。
なお、表面処理としては、陰極23に対して施す前述したような表面処理と同様の処理を適用することができる。
さらに、封止フィルム5の接合膜4との接合に供される領域に、以下の基や物質を有する場合には、上記のような表面処理を施さなくても、接合膜4と封止フィルム5との接合強度を十分に高くすることができる。
このような基や物質としては、例えば、水素原子、水酸基、チオール基、カルボキシル基、アミノ基、ニトロ基、イミダゾール基のような官能基、ラジカル、開環分子、2重結合、3重結合のような不飽和結合、F、Cl、Br、Iのようなハロゲン、過酸化物からなる群から選択される少なくとも1つの基または物質が挙げられる。このような基または物質を有する表面は、接合膜4に対する接合強度のさらなる向上を実現し得るものとなる。
また、このようなものを有する表面が得られるように、上述したような各種表面処理を適宜選択して行うことにより、接合膜4と特に強固に接合可能な封止フィルム5が得られる。
また、表面処理に代えて、封止フィルム5の接合膜4との接合に供される領域には、予め、接合膜4との密着性を高める機能を有する中間層を形成しておいてもよい。これにより、かかる中間層を介して接合膜4と封止フィルム5とを接合することになり、より接合強度の高い発光装置10が得られるようになる。
かかる中間層の構成材料には、前述の陰極23に形成する中間層の構成材料と同様のものを用いることができる。
ここで、本工程において、接合膜4と封止フィルム5とを接合するメカニズムについて説明する。
例えば、封止フィルム5の接合膜4との接合に供される領域に、水酸基が露出している場合を例に説明すると、本工程において、接合膜4と封止フィルム5とが接触するように、これらを貼り合わせたとき、接合膜4の表面45に存在する水酸基と、封止フィルム5の前記領域に存在する水酸基とが、水素結合によって互いに引き合い、水酸基同士の間に引力が発生する。この引力によって、接合膜4と封止フィルム5とが接合されると推察される。
また、この水素結合によって互いに引き合う水酸基同士は、温度条件等によって、脱水縮合を伴って表面から切断される。その結果、接合膜4と封止フィルム5との接触界面では、水酸基が結合していた結合手同士が結合する。これにより、接合膜4と封止フィルム5とがより強固に接合されると推察される。
なお、前記工程[3]で活性化された接合膜4の表面は、その活性状態が経時的に緩和してしまう。このため、前記工程[3]の終了後、できるだけ早く本工程[4]を行うようにするのが好ましい。具体的には、前記工程[3]の終了後、60分以内に本工程[4]を行うようにするのが好ましく、5分以内に行うのがより好ましい。かかる時間内であれば、接合膜4の表面が十分な活性状態を維持しているので、本工程で接合膜4を封止フィルム5に貼り合わせたとき、これらの間に十分な接合強度を得ることができる。
換言すれば、活性化させる前の接合膜4は、脱離基403を備えた状態で化学的に比較的安定な膜であり、耐候性に優れている。このため、活性化させる前の接合膜4は、長期にわたる保存に適したものとなる。したがって、そのような接合膜4を備えた基材1を多量に製造または購入して保存しておき、本工程の貼り合わせを行う直前に、必要な個数のみに前記工程[4]に記載したエネルギーの付与を行うようにすれば、表示装置10の製造効率の観点から有効である。
以上のようにして、表示装置10を得ることができる。
このようにして得られた表示装置10は、基材1と封止フィルム5との間の接合強度が5MPa(50kgf/cm)以上であるのが好ましく、10MPa(100kgf/cm)以上であるのがより好ましい。このような接合強度を有する表示装置10は、各部の剥離を十分に防止し得るものとなる。すなわち、得られる表示装置10は、耐久性に優れたものとなる。
なお、表示装置10を得る際、または、表示装置10を得た後に、この表示装置10に対して、必要に応じ、以下の3つの工程([5A]、[5B]および[5C])のうちの少なくとも1つの工程(表示装置10の接合強度を高める工程)を行うようにしてもよい。これにより、表示装置10の接合強度のさらなる向上を図ることができる。
[5A] 本工程では、得られた表示装置10を、基材1と封止フィルム5とが互いに近づく方向に加圧する。
これにより、陰極23の表面および封止フィルム5の表面に、それぞれ接合膜4の表面がより近接し、陰極23(有機EL素子2)と封止フィルム5との接合強度をより高めることができる。また、同様に、基材1および封止フィルム5の外周部において、基材1および封止フィルム5の接合膜4と接する面がより近接し、基材1と封止フィルム5との密着性がさらに向上する。さらに、接合膜4をより緻密に、かつ密度の高いものとすることができ、基材1と封止フィルム5とで封止される空間の気密性をさらに高めることができる。
このとき、表示装置10を加圧する際の圧力は、表示装置10が損傷を受けない程度の圧力で、できるだけ高い方が好ましい。これにより、この圧力に比例して表示装置10における接合強度を高めることができる。
また、加圧する時間は、特に限定されないが、10秒〜30分程度であるのが好ましい。なお、加圧する時間は、加圧する際の圧力に応じて適宜変更すればよい。具体的には、封止フィルム5および基材1を加圧する際の圧力が高いほど、加圧する時間を短くしても、接合強度の向上を図ることができる。
[5B] 本工程では、得られた表示装置10を加熱する。
これにより、陰極23(有機EL素子2)と封止フィルム5との接合強度、および基材1と封止フィルム5との密着性をより高めることができる。
このとき、表示装置10を加熱する際の温度は、室温より高く、表示装置10の耐熱温度未満であれば、特に限定されないが、好ましくは25〜150℃程度とされ、より好ましくは50〜100℃程度とされる。かかる範囲の温度で加熱すれば、表示装置10を構成する部材(有機EL素子2、基材1、および封止フィルム5)の変質、劣化を確実に防止しつつ、接合強度を確実に高めることができる。
また、加熱時間は、特に限定されないが、1〜30分程度であるのが好ましい。
また、前記工程[5A]、[5B]の双方を行う場合、これらを同時に行うのが好ましい。すなわち、表示装置10を加圧しつつ、加熱するのが好ましい。これにより、加圧による効果と、加熱による効果とが相乗的に発揮され、陰極23と封止フィルム5との接合強度、および基材1と封止フィルム5との密着性をより高めることができる。
[5C] 本工程では、得られた表示装置10に紫外線を照射する。
これにより、接合膜4と陰極23および封止フィルム5との間に形成される化学結合を増加させ、陰極23(有機EL素子2)および封止フィルム5と接合膜4との間の接合強度をそれぞれ高めることができる。その結果、表示装置10の信頼性をさらに高めることができる。
このとき照射される紫外線の条件は、前記工程[3]に示した紫外線の条件と同等にすればよい。
以上のような工程を行うことにより、表示装置10における陰極23と封止フィルム5との接合強度、および基材1と封止フィルム5との密着性のさらなる向上を容易に図ることができる。
なお、本実施形態では、表示装置10を、封止フィルム5(陰極23)側から光を取り出すトップエミッション型に適用した場合について説明したが、このような場合に限定されず、基材1(陽極21)側から光を取り出すボトムエミッション型に適用してもよい。
また、本実施形態では、表示装置10を、パッシブ型の表示装置に適用した場合について説明したが、本発明はこれに限定されず、アクティブ型の表示装置に適用してもよい。
また、本実施形態では、表示装置10が有する有機半導体層10は、陽極21側から、正孔輸送層221、有機発光層222、電子輸送層223の順に積層されたものについて説明したが、本発明はこれに限定されず、有機半導体層は、正孔輸送層および/または電子輸送層を有さない構成であってもよい。また、有機半導体層は、有機発光層に加え、有機発光層に電子、または正孔を輸送する機能を有する層を備えたものであってもよい。例えば、有機半導体層は、電子輸送層、有機発光層、正孔輸送層に加え、電子輸送層の陰極側に電子注入層や、正孔輸送層の陽極側に正孔注入層を備えたものであってもよい。
さらに、表示装置10は、本実施形態で説明したように各有機EL素子2R、2G、2Bがそれぞれ異なる発光色(赤色、緑色および青色)を発光するフルカラー表示のものに限定されず、各有機EL素子が同一の発光色(例えば、白色)を発光する単色(モノカラー)表示のものであってもよい。
また、有機EL素子2が封止される基材1と封止フィルム5と接合膜4で密閉された空間に、有機発光層の吸湿を抑制するための乾燥剤を設けてもよい。
<<第2実施形態>>
次に、本発明の有機発光装置の第2実施形態について説明する。
図11は、本発明の有機発光装置(パッシブマトリックス型表示装置)の第2実施形態を示す模式図(横断面図)である。なお、以下の説明では、図11中の上側を「上」、下側を「下」と言う。
以下、有機発光装置の第2実施形態について説明するが、前記第1実施形態にかかる有機発光装置(表示装置)との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
本実施形態にかかる表示装置10’は、陰極23が第1実施形態で説明した接合膜4で構成されており、封止フィルム5が陰極23に直接接合されている以外は、前記第1実施形態と同様である。なお、接合膜4は、前述したように、被着体との優れた接着性を有するとともに、優れた導電性を有するものであり、有機EL素子2が備える電極として好適に用いることができるものである。
すなわち、図11に示す表示装置10’では、陰極23(接合膜4)が、有機EL素子2が備える共通電極としての機能を発揮するとともに、封止フィルム5に接合する接合膜としての機能を発揮するものである。
かかる構成の発光素子10’では、陰極23に、第1実施形態の接合膜に接着性を発現させる処理と同様の処理を行うことにより、簡易に有機EL素子2に導通させることができるとともに、陰極23(有機EL素子2)に封止フィルム5を強固に接合することができる。結果として、陰極23(有機EL素子2)と封止フィルム5との間で剥離が生じるのを確実に防止することができ、表示装置10の信頼性を優れたものとすることができる。
また、陰極23は、第1実施形態で説明した接合膜4と同様の構成を有するものであるため、陰極23は、緻密であり、かつ密度の高い膜(層)となる。そのため、表示装置10の外部から基材1と封止フィルム5とで封止された空間内に水蒸気が浸入した場合であっても、有機発光層222が吸湿してしまうのをより効率良く抑制することができ、有機EL素子2の寿命をより長くすることができる。
また、このような陰極23は、第1実施形態の接合膜4を成膜するのに用いた図7に示すような装置を用いて、繊細なパターニングをすることが可能である。
なお、本実施形態の場合、陰極23の平均厚さは、10〜3000nm程度であるのが好ましく、500〜2000nm程度であるのがより好ましい。陰極23の厚さが薄すぎると、陰極23としての機能が充分に発揮されなくなるおそれがあり、一方、陰極23が厚過ぎると、陰極材料の種類等によっては、陰極23の抵抗率が高くなるおそれがある。また、光の透過率が低下して、トップエミッション型の構造を有する有機EL素子23として、実用に適さなくなるおそれがある。
さらに、陰極23の平均厚さが前記範囲内であれば、陰極23にある程度の形状追従性が確保される。このため、例えば、有機半導体層22の高さと隔壁部3の高さが異なり、陰極23を形成する表面形状が凹凸を有している場合でも、その上に成膜される陰極23が、凹凸の形状に追従するように陰極23と封止フィルム5とを接合することができる。その結果、陰極23は、凹凸を吸収して、その表面に生じる凹凸の高さを緩和することができる。そして、陰極23と封止フィルム5との密着性をさらに高めることができる。また、陰極23が、このような凹凸を吸収するため、結果として、封止フィルム5表面をより平滑なものとすることができる。
なお、上記のような形状追従性の程度は、陰極23の厚さが厚いほど顕著になる。したがって、形状追従性を十分に確保するためには、接合条件等によって生じ得る陰極23と封止フィルム5との接合精度の低下が認められない範囲で、陰極23の厚さをできるだけ厚くすればよい。
かかる陰極23を有する有機EL素子2と、封止フィルム5とは、前記第1実施形態で説明したのと同様にして、すなわち、前記工程[1]〜[4](または、前記工程[1]〜[5])を経て接合することができ、その結果、表示装置10を得ることができる。
<電子機器>
次に、上述した表示装置10(10’)を備える本発明の電子機器について説明する。
なお、以下では、本発明の電子機器の一例として、携帯電話を代表に説明する。
図12は、携帯電話の実施形態を示す斜視図である。
図12に示す携帯電話は、表示部1001を備える携帯電話本体1000を有している。携帯電話本体1000には、上述した表示装置10(10’)が内蔵されており、これらは、携帯電話機本体1000において表示部1001などとして用いられる。
なお、表示装置10(10’)は、図12で説明した携帯電話の他に、種々の電子機器に対して適用できる。
例えば、テレビや、ビデオカメラ、ビューファインダ型、モニタ直視型のビデオテープレコーダ、ラップトップ型パーソナルコンピュータ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳(通信機能付も含む)、電子辞書、電卓、電子ゲーム機器、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、防犯用テレビモニタ、電子双眼鏡、POS端末、タッチパネルを備えた機器(例えば金融機関のキャッシュディスペンサー、自動券売機)、医療機器(例えば電子体温計、血圧計、血糖計、心電表示装置、超音波診断装置、内視鏡用表示装置)、魚群探知機、各種測定機器、計器類(例えば、車両、航空機、船舶の計器類)、フライトシュミレータ、その他各種モニタ類、プロジェクター等の投射型表示装置等に適用することができる。また、本発明の電子機器は、表示機能を有しない発光機能のみを有するものであってもよい。
表示装置10(10’)は、上述したように、有機EL素子2と封止フィルム5とが強固に接合されており、これらの間で剥離が生じるのが確実に防止されたものである。結果として、表示装置10は、使用環境によらず、耐久性に優れ、信頼性に優れたものとすることができる。
以上、本発明の有機発光装置および電子機器を図示の実施形態について説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、有機発光装置および電子機器を構成する各部は、同様の機能を発揮し得る任意の構成のものと置換することができる。また、任意の構成物が付加されていてもよい。
例えば、本発明の有機発光装置および電子機器は、前記実施形態のうちの、任意の2以上の構成(特徴)を組み合わせたものであってもよい。
また、本発明の有機発光装置は、上述した有機発光装置に適用できる他、有機薄膜トランジスタ(有機TFT)のようなスイッチング素子を備えるスイッチング装置にも適用することができる。
さらに、本発明の有機半導体装置の各部の構成は、同様の機能を発揮し得る任意のものと置換することができ、あるいは、任意の構成のものを付加することもできる。
本発明の有機発光装置(パッシブマトリックス型表示装置)の第1実施形態を示す模式図(横断面図)である。 図1の有機発光装置が有する陽極および陰極のパターンを説明するための平面図である。 図1および図2に示す有機発光装置が備える有機EL素子の配置パターンを説明するための平面図である。 有機EL素子の他の配置パターンを示すための平面図である。 図1に示す有機発光装置における接合膜のエネルギー付与前の状態を示す部分拡大図である。 図1に示す有機発光装置における接合膜のエネルギー付与後の状態を示す部分拡大図である。 接合膜を成膜する際に用いられる成膜装置を模式的に示す縦断面図である。 図7に示す成膜装置が備えるイオン源の構成を示す模式図である。 図1に示す有機発光装置の製造方法(製造工程)を説明するための図である。 図1に示す有機発光装置の製造方法(製造工程)を説明するための図である。 本発明の有機発光装置の第2実施形態を示す模式図(横断面図)である。 携帯電話の実施形態を示す斜視図である。
符号の説明
1……基材(第1の可撓性フィルム) 2、2R、2G、2B、2R’、2R’’……有機EL素子 21、21a……陽極 22、22R、22G、22B……有機半導体層 221……正孔輸送層 222、222R、222G、222B……有機発光層 223……電子輸送層 23、23a……陰極 3……隔壁部 31……両端部 4……接合膜 403……脱離基 404……活性手 45……表面 5……封止フィルム(第2の可撓性フィルム) 200……成膜装置 211……チャンバー 212……基板ホルダー 215……イオン源 216……ターゲット 217……ターゲットホルダー 219……ガス供給源 220……第1のシャッター 225……第2のシャッター 230……排気手段 231……排気ライン 232……ポンプ 233……バルブ 250……開口 253……グリッド 254……グリッド 255……磁石 256……イオン発生室 257……フィラメント 260……ガス供給手段 261……ガス供給ライン 262……ポンプ 263……バルブ 264……ガスボンベ 1000……携帯電話本体 1001……表示部

Claims (23)

  1. 可撓性を有する第1の可撓性フィルムおよび第2の可撓性フィルムと、
    前記第1の可撓性フィルムと前記第2の可撓性フィルムとの間に設けられた少なくとも1つの有機発光素子とを有し、
    前記有機発光素子は、前記第1の可撓性フィルム側に位置する陽極と、前記第2の可撓性フィルム側に位置する陰極と、前記陽極と前記陰極との間に位置し、主として有機発光材料で構成された有機発光層を有する有機半導体層とを備え、前記陽極と前記陰極との間に電圧を印加することにより、前記有機発光層が発光するものであり、
    前記陰極と前記第2の可撓性フィルムとが、接合膜を介して接合されており、
    前記接合膜は、金属原子と、該金属原子と結合する酸素原子と、前記金属原子および前記酸素原子の少なくとも一方に結合する脱離基とを含み、
    当該接合膜は、その少なくとも一部の領域にエネルギーを付与することにより、前記接合膜の表面付近に存在する前記脱離基が、前記金属原子および前記酸素原子の少なくとも一方から脱離し、前記接合膜の表面の前記領域に発現する接着性によって、前記陰極と前記第2の可撓性フィルムとを接合していることを特徴とする有機発光装置。
  2. 可撓性を有する第1の可撓性フィルムおよび第2の可撓性フィルムと、
    前記第1の可撓性フィルムと前記第2の可撓性フィルムとの間に設けられた少なくとも1つの有機発光素子とを有し、
    前記有機発光素子は、前記第1の可撓性フィルム側に位置する陽極と、前記第2の可撓性フィルム側に位置する陰極と、前記陽極と前記陰極との間に位置し、主として有機発光材料で構成された有機発光層を有する有機半導体層とを備え、前記陽極と前記陰極との間に電圧を印加することにより、前記有機発光層が発光するものであり、
    前記陰極は、導電性を有する接合膜で構成されており、
    前記接合膜は、金属原子と、該金属原子と結合する酸素原子と、前記金属原子および前記酸素原子の少なくとも一方に結合する脱離基とを含み、
    当該接合膜は、その少なくとも一部の領域にエネルギーを付与することにより、前記接合膜の表面付近に存在する前記脱離基が、前記金属原子および前記酸素原子の少なくとも一方から脱離し、前記接合膜の表面の前記領域に発現する接着性によって、前記有機半導体層と前記第2の可撓性フィルムとを接合していることを特徴とする有機発光装置。
  3. 前記有機半導体層は、前記有機発光層の前記陰極側に、電子を輸送する機能を有する電子輸送層を備え、前記電子輸送層と前記第2の可撓性フィルムとが前記接合膜を介して接合されている請求項2に記載の有機発光装置。
  4. 有機発光装置は、複数の前記有機発光素子を有し、
    前記陰極は、複数の前記有機発光素子の共通電極である請求項1ないし3のいずれかに記載の有機発光装置。
  5. 前記第1の可撓性フィルムの外周部と、前記第2の可撓性フィルムの外周部とは、前記接合膜と同様の接合膜で接合されている請求項1ないし4のいずれかに記載の有機発光装置。
  6. 前記金属原子は、インジウム、スズ、亜鉛、チタン、およびアンチモンのうちの少なくとも1種である請求項1ないし5のいずれかに記載の有機発光装置。
  7. 前記脱離基は、水素原子、炭素原子、窒素原子、リン原子、硫黄原子およびハロゲン原子、またはこれらの各原子で構成される原子団のうちの少なくとも1種である請求項1ないし6のいずれかに記載の有機発光装置。
  8. 前記接合膜は、インジウムティンオキサイド(ITO)、フッ素含有インジウムティンオキサイド(FITO)、アンチモンティンオキサイド(ATO)、インジウムジンクオキサイド(IZO)、アルミニウムジンクオキサイド(AZO)、酸化スズ(SnO)、酸化亜鉛(ZnO)、フッ素含有酸化スズ(FTO)、フッ素含有インジウムオキサイド(FIO)またはインジウムオキサイド(IO)に、脱離基として水素原子が導入されたものである請求項1ないし7のいずれかに記載の有機発光装置。
  9. 前記接合膜中の金属原子と酸素原子の存在比は、3:7〜7:3である請求項1ないし8のいずれかに記載の有機発光装置。
  10. 前記接合膜は、その少なくとも表面付近に存在する前記脱離基が、当該接合膜から脱離した後に、活性手が生じる請求項1ないし9のいずれかに記載の有機発光装置。
  11. 前記活性手は、未結合手または水酸基である請求項10に記載の有機発光装置。
  12. 前記接合膜の平均厚さは、10〜3000nmである請求項1ないし11のいずれかに記載の有機発光装置。
  13. 前記接合膜は、流動性を有さない固体状をなしている請求項1ないし12のいずれかに記載の有機発光装置。
  14. 前記接合膜が接する少なくとも一方の面には、予め、前記接合膜との密着性を高める表面処理が施されている請求項1ないし13のいずれかに記載の有機発光装置。
  15. 前記表面処理は、プラズマ処理である請求項14に記載の有機発光装置。
  16. 前記第2の可撓性フィルムと前記接合膜との間に、中間層が介挿されている請求項1ないし15のいずれかに記載の有機発光装置。
  17. 前記中間層は、酸化物系材料を主材料として構成されている請求項16に記載の有機発光装置。
  18. 前記エネルギーの付与は、前記接合膜にエネルギー線を照射する方法、前記接合膜を加熱する方法、および前記接合膜に圧縮力を付与する方法のうちの少なくとも1つの方法により行われる請求項1ないし17のいずれかに記載の有機発光装置。
  19. 前記エネルギー線は、波長126〜300nmの紫外線である請求項18に記載の有機発光装置。
  20. 前記加熱の温度は、25〜150℃である請求項18または19に記載の有機発光装置。
  21. 前記圧縮力は、0.2〜10MPaである請求項18ないし20のいずれかに記載の有機発光装置。
  22. 前記エネルギーの付与は、大気雰囲気中で行われる請求項18ないし21のいずれかに記載の有機発光装置。
  23. 請求項1ないし22のいずれかに記載の有機発光装置を備えることを特徴とする電子機器。
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