JP3288242B2 - 有機エレクトロルミネッセンス表示装置およびその製造方法 - Google Patents

有機エレクトロルミネッセンス表示装置およびその製造方法

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JP3288242B2 JP04842797A JP4842797A JP3288242B2 JP 3288242 B2 JP3288242 B2 JP 3288242B2 JP 04842797 A JP04842797 A JP 04842797A JP 4842797 A JP4842797 A JP 4842797A JP 3288242 B2 JP3288242 B2 JP 3288242B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、有機エレクトロルミネ
ッセンス表示装置およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】有機エレクトロルミネッセンス表示装置
は、有機エレクトロルミネッセンス(EL)発光素子を
マトリックス状等に配置して、発光させる素子を適宜選
択して文字等を構成し、これにより情報等を表示するも
のである。上記有機EL発光素子は、錫ドープ酸化イン
ジウム(ITO)などの透明電極(陽電極)上にテトラ
フェニルジアミン(TPD)などのホール輸送材料を蒸
着等により薄膜とし、さらにアルミキノリノール錯体
(Alq3 )などの蛍光物質を発光層として積層し、さ
らにMgなどの仕事関数の小さな金属電極(陰電極)を
形成した基本構成を有する素子で、10V 前後の電圧で
数100〜1000cd/cm2ときわめて高い輝度が得られ
ることで注目されている。
【0003】ところで、有機EL素子は、水分に極めて
弱いという問題がある。たとえば、水分の影響により、
発光層と電極層の間で剥離が生じたり、構成材料が変質
してしまったりして、ダークスポットが生じたり、発光
が維持できなっくなってしまうといった問題が生じてい
る。
【0004】この問題を解決するための一方法として、
封入口を有し、有機EL積層構造体部分を被う気密ケー
スを基板上に密着固定し、その内部を不活性ガス雰囲気
とする技術がある(特開平5−89959号等)。
【0005】この技術においては、基板上に気密ケース
を密着固定した後、上記封入口を介して気密ケース内部
を真空引きして、気密ケース内部の残留水分を除去し、
不活性ガスを注入したのち、上記封入口を封止して、気
密ケース内を水分量の少ない不活性ガス雰囲気とし、有
機EL積層構造体部分を保護している。実際には、気密
ケース内の水分量を目的量とするため、上記の真空引き
と不活性ガスの注入を数回繰り返えしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記の気密ケースを用
いる方法によれば、有機EL積層構造体部分を水分から
有効に保護できるが、デバイスの作製のたびに、真空引
きと不活性ガスの注入を数回繰り返さなければならない
ことや、封入口を封止する工程が必要なことで、工程数
が多く、製造に極めて時間がかかるという問題がある。
【0007】また、気密ケースを基板上に密着固定する
場合に用いられる接着剤としては、耐湿性の高いエポキ
シ樹脂系の接着剤が用いられており、主剤と硬化剤を混
合して使用する2液混合型エポキシ樹脂接着剤と、混合
の必要ない加熱硬化型エポキシ樹脂接着剤が実用化され
ている。2液混合型エポキシ樹脂接着剤は室温で硬化す
るという利点はあるが、硬化に数時間を要し、接着剤と
しても混合してから使用しなければならず、ポットライ
フも短いという点で実用的ではない。一方、加熱硬化型
エポキシ樹脂接着剤も硬化温度が一般に140〜180
℃であり、基板上に有機エレクトロルミネッセンス積層
構造体を設置した後に気密ケースを接着剤で密着固定す
る有機エレクトロルミネッセンス表示装置の場合には、
有機エレクトロルミネッセンス積層構造体の耐熱性が問
題となる。有機エレクトロルミネッセンス積層構造体に
用いられる有機材料の耐熱性は、そのガラス転移温度と
密接な関係があることが知られている。上記有機材料の
ガラス転移温度が、加熱硬化型エポキシ樹脂接着剤の硬
化温度より高い場合には問題がないが、これまで知られ
ている上記有機材料のガラス転移温度は一般に75〜1
00℃程度であり、最近の耐熱性が改善された特殊な材
料でも130℃程度のガラス転移温度がようやく得られ
るようになったばかりである。従って、一般的な加熱硬
化型エポキシ樹脂接着剤を用いると有機エレクトロルミ
ネッセンス表示装置に熱ダメージを与えることとなり好
ましくない。
【0008】ここで硬化時間が短く加熱を要しない接着
剤が必要となるが、光硬化型接着剤はこの条件を満足す
る可能性がある。しかし、光硬化型として一般的な接着
剤はラジカル硬化タイプの光硬化型アクリル系接着剤で
あり、この接着剤は、耐湿性においてエポキシ樹脂接着
剤よりも劣り、更にこの接着剤成分であるアクリルモノ
マーが有機エレクトロルミネッセンス積層構造体の有機
材料に侵入もしくは化学反応することで積層構造を破壊
あるいは剥離するような劣化が発生し、結果的にダーク
スポット等の無発光点を生じたり、発光寿命を低下させ
る原因となることが問題である。また、上記したように
光硬化加熱硬化併用型のエポキシ樹脂接着剤も存在する
が、これは一般的にはラジカル硬化タイプのアクリル系
接着剤と加熱硬化型のエポキシ樹脂接着剤の混合や変性
により得られるもので、上記の問題点が解決されていな
い。
【0009】そこで、本発明の目的は、工程数が少なく
容易に製造でき、寿命の長い有機エレクトロルミネッセ
ンス表示装置およびその製造方法を提供することであ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】このような目的は、下記
(1)〜(5)の本発明により達成される。 (1) 有機エレクトロルミネッセンス積層構造体部分
が、その基板とシールド部材とによって形成された気密
空間内に配置され、かつこの気密空間内に実質的に不活
性ガスのみが充填されている有機エレクトロルミネッセ
ンス表示装置において、有機エレクトロルミネッセンス
積層構造体部分の有機材料のガラス転移温度が140℃
以下であり、前記シールド部材が、封入口を持たない連
続部材で構成され、このシールド部材と前記基板とがカ
チオン硬化タイプの紫外線硬化型エポキシ樹脂接着剤で
接着され、前記気密空間の水分含有率が100ppm以
下であることを特徴とする有機エレクトロルミネッセン
ス表示装置。 (2) 前記シールド部材が、平板状部材で構成され、
前記カチオン硬化タイプの紫外線硬化型エポキシ樹脂接
着剤中に微小粒子が分散されており、この接着剤で構成
される層が上記気密空間を形成するためのスペーサとし
ても作用する上記(1)の有機エレクトロルミネッセン
ス表示装置。 (3) 有機エレクトロルミネッセンス積層構造体部分
が、その基板とシールド部材とによって形成された気密
空間内に配置され、かつこの気密空間内に実質的に不活
性ガスのみが充填されている有機エレクトロルミネッセ
ンス表示装置の製造方法において、作業空間を、前記気
密空間に充填する不活性ガスであって水分含有量が10
0ppm以下の不活性ガス雰囲気とし、この雰囲気内
で、基板とシールド部材とをカチオン硬化タイプの紫外
線硬化型エポキシ樹脂接着剤で貼り合わせることによ
り、前記気密空間内の不活性ガスを閉じ込めて、シール
ド部材に不活性ガス導入用の封入口を必要としない有機
エレクトロルミネッセンス表示装置を得る有機エレクト
ロルミネッセンス表示装置の製造方法。 (4) 前記接着剤の硬化作業を、その硬化が完了する
まで前記不活性ガス雰囲気中で行なう上記(3)の有機
エレクトロルミネッセンス表示装置の製造方法。 (5) 前記有機エレクトロルミネッセンス表示装置の
各構成部材を前記不活性ガス雰囲気中に配置する前に、
真空中で加熱し、残留水分を除去し、この状態を保った
ままで前記不活性ガス雰囲気中に搬送し、前記構成部材
を、その残留水分が前記不活性ガス雰囲気の水分と平衡
状態に達するまで該不活性ガス雰囲気中に放置し、その
後前記貼り合わせ作業を行なう上記(3)または(4)
の有機エレクトロルミネッセンス表示装置の製造方法。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の具体的構成につい
て詳細に説明する。
【0012】本発明の有機エレクトロルミネッセンス表
示装置の構成例を図1に示す。この図に示される有機エ
レクトロルミネッセンス表示装置は、基板1、この基板
1上に設けられた有機EL積層構造体部分10、および
基板1上に設けられた有機EL積層構造体部分10を密
閉する箱形のシールド部材20を有している。
【0013】上記シールド部材20は、ガラス、金属、
セラミックス、低透湿性高分子材料等で形成されたもの
であることが好ましい。このシールド部材20は、全体
が一体で、封入口等が無い連続部材で構成され、例えば
矩形等である上面部材21、およびこの上面部材21の
全周囲から下方に延びる垂直部材22を備えた箱形であ
る。このとき、有機EL積層構造体部分10全体の高さ
が通常300〜500nm程度であるので、垂直部材2
2の高さは1〜500μm程度に設定することが好まし
い。垂直部材22の下部は、接着剤30により基板1に
密閉接着され、内部に気密空間40を構成している。接
着剤としては、カチオン硬化タイプの紫外線硬化型エポ
キシ樹脂接着剤を用いる。有機エレクトロルミネッセン
ス積層構造体部分の各層構成材料のガラス転移温度が1
40℃以下、特に80〜100℃程度であるため、通常
の熱硬化型の接着剤を用いると、その硬化温度が140
〜180℃程度であるので、その硬化の際に有機エレク
トロルミネッセンス積層構造体部分が軟化してしまい、
特性の劣化が生じてしまうという問題がある。一方、紫
外線硬化型接着剤の場合は、このような有機エレクトロ
ルミネッセンス積層構造体部分の軟化というような問題
は生じないが、現在一般に用いられている紫外線硬化型
接着剤はアクリル系であるため、その硬化の際にその成
分中のアクリルモノマーが揮発し、それが上記有機エレ
クトロルミネッセンス積層構造体部分の各構成材料に悪
影響を及ぼし、その特性を劣化させるという問題を知見
した。そこで、本発明においては、以上のような問題の
ない、あるいは極めて少ない接着剤を鋭意検討し、上記
のカチオン硬化タイプの紫外線硬化型エポキシ樹脂接着
剤を用いることとした。
【0014】なお、紫外線硬化型エポキシ樹脂接着剤と
して市販されているものの中には、紫外線加熱硬化併用
型のエポキシ樹脂接着剤が含まれる場合があるが、この
場合には、ラジカル硬化タイプのアクリル系樹脂と加熱
硬化タイプのエポキシ樹脂が混合あるいは変性してある
場合が多く、前記のアクリル系樹脂のアクリルモノマー
の揮発の問題や熱硬化型エポキシ樹脂の硬化温度の問題
が解決しておらず、本発明の有機エレクトロルミネッセ
ンス表示装置に用いる接着剤としては好ましくない。
【0015】カチオン硬化タイプの紫外線硬化型エポキ
シ樹脂接着剤とは、主たる硬化剤として紫外線等の光照
射による光分解でルイス酸触媒を放出するルイス酸塩型
硬化剤を含み、光照射により発生されたルイス酸が触媒
となって主成分であるエポキシ樹脂がカチオン重合型の
反応機構により重合し、硬化するタイプの接着剤であ
る。
【0016】上記接着剤の主成分たるエポキシ樹脂とし
ては、エポキシ化オレフィン樹脂、脂環式エポキシ樹
脂、ノボラックエポキシ樹脂等が挙げられる。また、上
記硬化剤としては、芳香族ジアゾニウムのルイス酸塩、
ジアリルヨードニウムのルイス酸塩、トリアリルスルホ
ニウムのルイス酸塩、トリアリルセレニウムのルイス酸
塩等が挙げられる。
【0017】上記気密空間40内には、He、N2 、A
r等の不活性ガスが充填されている。また、この気密空
間40内の不活性ガスの水分含有量は、100ppm以
下、好ましくは10ppm以下、特に好ましくは、1p
pm以下であることが望ましい。この水分含有量に特に
下限値はないが、通常0.1ppm程度である。
【0018】上記した例においては、シールド部材とし
て箱形のものを説明したが、このシールド部材は、図2
に示したように、平板状のシールド部材50であっても
よい。このように、平板状のシールド部材50を用いる
場合には、基板1の上に接着剤を例えばディスペンサに
よりパターン状に配し、この接着剤を硬化させて、有機
EL積層構造体部分10の高さより僅かに高いスペーサ
部60を形成しておき、この上にシールド部材50を接
着剤30Dを用いて接着して内部に気密空間40を形成
することが好ましい。このとき、有機EL積層構造体部
分10全体の高さが通常300〜500nm程度である
ので、スペーサ部60の高さは1〜500μm程度に設
定することが好ましい。この気密空間40の内部も上記
の例と同様の水分含有量の低い不活性ガスが充填されて
いる。
【0019】また、接着剤30D中にある程度以上の剛
性のある微小粒子を分散させておき、接着剤30Dで形
成される層そのもので、上記のスペーサ部60の作用も
行なわさせることも好ましい。この場合、接着剤30D
で形成される層でスペーサ部60を兼ねることとなる。
この微小粒子の直径は、1〜500μm、特に5〜10
0μm程度が好ましい。また、この微小粒子の材質とし
ては、ジビニルベンゼン、ベンゾグアナミン、スチレン
等の高分子材料、もしくはシリカ、グラスファイバー、
ガラスビーズ等の無機材料を用いることが好ましい。
【0020】なお、接着剤と微小粒子の総量のうち、微
小粒子は、0.1〜30wt%、特に1〜10wt%とする
ことが好ましい。上記の量未満のときには、分散された
微小粒子の単位面積当たりの数量が少なくなるためにス
ぺーサとして十分に機能しなくなり、一方、上記の量を
超えると、微小粒子の凝集が発生しやすくなり、微小粒
子の直径に相当するスペースが得られなくなるばかりで
なく、粘度の上昇によりディスペンサ塗布作業が困難に
なったり、十分な接着強度が得られなくなる場合がある
からである。
【0021】なお、有機エレクトロルミネッセンス表示
装置のいずれの構造例においても、図示したように、シ
ールド部材と基板を接着するための接着剤は有機エレク
トロルミネッセンス積層構造体部分から離して設けるこ
とが好ましい。これは、接着剤が、有機エレクトロルミ
ネッセンス積層構造体部分の層間に侵入し、剥離等を生
じさせて劣化させるおそれがあるからである。
【0022】次に、図1および図2における有機EL積
層構造体部分10の層構成の一例について図3を参照し
つつ以下説明する。
【0023】同有機EL積層構造体部分10は、基板1
上に、陽電極11、正孔注入・輸送層12、発光層1
3、電子注入輸送層14、および陰電極15を順次有す
る。
【0024】本発明で用いることのできる有機EL積層
構造体部分の構造は、図示例に限らず、種々の構成とす
ることができ、例えば発光層と、電子注入輸送層と混合
したり、また必要に応じ、この発光層を正孔注入輸送層
と混合してもよい。
【0025】上記基板は、基板側から発光した光を取り
出す構成の場合、ガラスや石英、樹脂等の透明ないし半
透明材料を用いて形成する。また、基板に色フィルター
膜や蛍光性物質を含む色変換膜、あるいは誘電体反射膜
を用いて発光色をコントロールしてもよい。
【0026】本発明において、陽電極として用いられる
透明電極は、好ましくは発光した光の透過率が80%以
上となるように陽電極の材料および厚さを決定すること
が好ましい。具体的には、例えば、錫ドープ酸化インジ
ウム(ITO)、亜鉛ドープ酸化インジウム(IZ
O)、SnO2 、ドーパントをドープしたポリピロール
などを陽電極に用いることが好ましい。また、陽電極の
厚さは10〜500nm程度とすることが好ましい。ま
た、素子の信頼性を向上させるために駆動電圧が低いこ
とが必要である。
【0027】本発明において使用される陰電極の構成材
料としては、電子注入を効果的に行うために、低仕事関
数の物質として、例えば、K、Li、Na、Mg、L
a、Ce、Ca、Sr、Ba、Al、Ag、In、S
n、Zn、Zr等の金属元素単体、または安定性を向上
させるためにそれらを含む2成分、3成分の合金系を用
いることが好ましい。合金系としては、例えばAg・M
g(Ag:1〜20at%)、In・Mg(Mg:50〜
80at%)、Al・Ca(Ca:5〜20at%)等が好
ましい。したがって、ターゲットとしては、通常このよ
うな陰電極構成金属、合金を用いる。
【0028】また、陰電極薄膜の厚さは、電子注入を十
分行える一定以上の厚さとすればよく、50nm以上、好
ましくは100nm以上とすればよい。また、その上限値
には特に制限はないが、通常膜厚は100〜500nm程
度とすればよい。
【0029】次に、本発明のEL素子に設けられる有機
物層について述べる。
【0030】発光層は、正孔(ホール)および電子の注
入機能、それらの輸送機能、正孔と電子の再結合により
励起子を生成させる機能を有する。発光層には比較的電
子的にニュートラルな化合物を用いることが好ましい。
【0031】電荷輸送層は、陽電極からの正孔の注入を
容易にする機能、正孔を輸送する機能および電子を妨げ
る機能を有し、正孔注入輸送層とも称される。
【0032】電子注入輸送層は、陰電極からの電子の注
入を容易にする機能、電子を輸送する機能および正孔を
妨げる機能を有する。この電子注入輸送層は、発光層に
用いる化合物の電子注入輸送機能がさほど高くないとき
などに設けて特に望ましい。
【0033】正孔注入輸送層および電子注入輸送層は、
発光層へ注入される正孔や電子を増大・閉じ込めさせ、
再結合領域を最適化させ、発光効率を改善する。
【0034】なお、正孔注入輸送層および電子注入輸送
層は、それぞれにおいて、注入機能を持つ層と輸送機能
を持つ層とに別個に設けてもよい。
【0035】発光層の厚さ、正孔注入輸送層の厚さおよ
び電子注入輸送層の厚さは特に限定されず、形成方法に
よっても異なるが、通常、5〜100nm程度、特に10
〜100nmとすることが好ましい。
【0036】正孔注入輸送層の厚さおよび電子注入輸送
層の厚さは、再結合・発光領域の設計によるが、発光層
の厚さと同程度もしくは1/10〜10倍程度とすれば
よい。電子もしくは正孔の、各々の注入層と輸送層を分
ける場合は、注入層は1nm以上、輸送層は20nm以上と
するのが好ましい。このときの注入層、輸送層の厚さの
上限は、通常、注入層で100nm程度、輸送層で100
nm程度である。このような膜厚については注入輸送層を
2層設けるときも同じである。
【0037】また、組み合わせる発光層や電子注入輸送
層や正孔注入輸送層のキャリア移動度やキャリア密度
(イオン化ポテンシャル・電子親和力により決まる)を
考慮しながら、膜厚をコントロールすることで、再結合
領域・発光領域を自由に設計することが可能であり、発
光色の設計や、両電極の干渉効果による発光輝度・発光
スペクトルの制御や、発光の空間分布の制御を可能にで
きる。
【0038】上記発光層には発光機能を有する化合物で
ある蛍光性物質を含有させる。この蛍光性物質として
は、例えば、特開昭63−264692号公報等に開示
されているようなトリス(8−キノリノラト)アルミニ
ウム等の金属錯体色素が挙げられる。この他、これに加
え、あるいは単体で、キナクリドン、クマリン、ルブレ
ン、スチリル系色素、その他テトラフェニルブタジエ
ン、アントラセン、ペリレン、コロネン、12−フタロ
ペリノン誘導体等を用いることもできる。発光層は電子
注入輸送層を兼ねたものであってもよく、このような場
合はトリス(8−キノリノラト)アルミニウム等を使用
することが好ましい。これらの蛍光性物質を蒸着等すれ
ばよい。
【0039】また、電子注入輸送層には、トリス(8−
キノリノラト)アルミニウム等の有機金属錯体、オキサ
ジアゾール誘導体、ペリレン誘導体、ピリジン誘導体、
ピリミジン誘導体、キノリン誘導体、キノキサリン誘導
体、ジフェニルキノン誘導体、ニトロ置換フルオレン誘
導体等を用いることができる。上述のように、電子注入
輸送層は発光層を兼ねたものであってもよく、このよう
な場合はトリス(8−キノリノラト)アルミニウム等を
使用することが好ましい。電子注入輸送層の形成も発光
層と同様に蒸着等によればよい。
【0040】なお、電子注入輸送層を電子注入層と電子
輸送層とに分けて設層する場合は、電子注入輸送層用の
化合物のなかから好ましい組合せを選択して用いること
ができる。このとき、陰電極側から電子親和力の値の大
きい化合物の層の順に積層することが好ましい。このよ
うな積層順については電子注入輸送層を2層以上設ける
ときも同様である。
【0041】また、正孔注入輸送層には、例えば、特開
昭63−295695号公報、特開平2−191694
号公報、特開平3−792号公報、特開平5−2346
81号公報、特開平5−239455号公報、特開平5
−299174号公報、特開平7−126225号公
報、特開平7−126226号公報、特開平8−100
172号公報、EP0650955A1等に記載されて
いる各種有機化合物を用いることができる。例えば、テ
トラアリールベンジシン化合物(テトラアリールジアミ
ンないしテトラフェニルジアミン:TPD)、芳香族三
級アミン、ヒドラゾン誘導体、カルバゾール誘導体、ト
リアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、アミノ基を有
するオキサジアゾール誘導体、ポリチオフェン等であ
る。これらの化合物は2種以上を併用してもよく、併用
するときは別層にして積層したり、混合したりすればよ
い。
【0042】正孔注入輸送層を正孔注入層と正孔輸送層
とに分けて設層する場合は、正孔注入輸送層用の化合物
のなかから好ましい組合せを選択して用いることができ
る。このとき、陽電極(ITO等)側からイオン化ポテ
ンシャルの小さい化合物の層の順に積層することが好ま
しい。また陽電極表面には薄膜性の良好な化合物を用い
ることが好ましい。このような積層順については、正孔
注入輸送層を2層以上設けるときも同様である。このよ
うな積層順とすることによって、駆動電圧が低下し、電
流リークの発生やダークスポットの発生・成長を防ぐこ
とができる。また、素子化する場合、蒸着を用いている
ので1〜10nm程度の薄い膜も、均一かつピンホールフ
リーとすることができるため、正孔注入層にイオン化ポ
テンシャルが小さく、可視部に吸収をもつような化合物
を用いても、発光色の色調変化や再吸収による効率の低
下を防ぐことができる。正孔注入輸送層は、発光層等と
同様に上記の化合物を蒸着すればよい。
【0043】本発明の有機EL積層構造体部分は、通状
の方法により形成すればよい。たとえば、発光層等の有
機物層は真空蒸着等により、陽電極および陰電極は蒸着
やスパッタ等により、それぞれ成膜することができる
が、これらの膜のそれぞれは、必要に応じてマスク蒸着
または膜形成後にエッチングなどの方法によってパター
ニングでき、これによって、所望の発光パターンを得る
ことができる。さらには、基板が薄膜トランジスタ(T
FT)であって、そのパターンに応じて各膜を形成する
ことでそのまま表示および駆動パターンとすることもで
きる。最後に、SiOX 等の無機材料、テフロン等の有
機材料からなる保護層を形成してもよい。
【0044】本発明の有機EL素子は、通常、直流駆動
型のEL素子として用いられるが、交流駆動またはパル
ス駆動とすることもできる。印加電圧は、通常、2〜2
0V程度とされる。
【0045】次に、本発明の有機エレクトロルミネッセ
ンス表示装置の製造方法の特徴部分である、シールド部
材20の有機EL積層構造体部分10への取り付け方
法、すなわち上記有機EL積層構造体部分10のシール
ド部材20への封入方法について説明する。
【0046】この封入にあたっては、先ず、図4に示す
ような、気密作業室100を準備する。この気密作業室
100は、主作業室110を備え、必要に応じて、気密
前室120および気密後室130を備えている。
【0047】上記主作業室110と、気密前室120お
よび気密後室130の間には、開閉可能な第1および第
2気密シャッター121および131が設けられて、上
記主作業室110内を気密に保っている。また、気密前
室120の大気側には、この気密前室120内に有機エ
レクトロルミネッセンス表示装置の構成部材の搬入口が
形成され、ここに第3気密シャッター122が設けられ
ている。気密前室120は、この第3気密シャッター1
22と上記第1気密シャッター121により、その内部
が気密に保たれるようになっている。一方、気密後室1
30の大気側には、この気密後室130から製造済みの
有機エレクトロルミネッセンス表示装置の取り出し口が
形成され、ここに第4気密シャッター132が設けられ
ている。気密後室130は、この第4気密シャッター1
32と上記第2気密シャッター131により、その内部
が気密に保たれるようになっている。
【0048】上記主作業室110、気密前室120およ
び気密後室130は、第1、第2および第3開閉バルブ
140、141および142を介して不活性ガス供給装
置150に接続されている。この不活性ガス供給装置1
50は、有機エレクトロルミネッセンス表示装置の気密
空間40内に充填する不活性ガスと同じ不活性ガスを、
上記主作業室110、気密前室120および気密後室1
30に供給するためのものである。
【0049】上記主作業室110、気密前室120およ
び気密後室130には、また、それぞれ第1、第2およ
び第3バキュームポンプ160、161および162が
それぞれ接続され、それぞれの室内の真空引きを行な
う。主作業室110に接続されたれ第1バキュームポン
プ160を、第2および第3バキュームポンプ161お
よび162にも接続して、当初全室をこの第1バキュー
ムポンプ160で真空引きしてもよい。このため、第1
バキュームポンプ160を大型とすることが好ましい。
【0050】上記気密前室120には、この気密前室に
搬入された有機エレクトロルミネッセンス表示装置の構
成部材(基板1上に積層された有機EL積層構造体部分
10およびシールド部材20)の残留水分を蒸発させて
除去するためのヒーター123を設けることが好まし
い。ここでは、1〜10-1Pa等の真空度で、60〜7
0℃で1〜5時間程度加熱を行う。このヒーターは、電
熱ヒーターであることが好ましい。クロメル−アルメル
のCA熱電対等の温度計測装置を気密前室120内に設
け、この温度計測装置により気密前室内の温度を計測し
つつ、PID(Proportional integral and derivativ
e)制御方式により、室温から200℃程度までの温度
範囲をプログラム制御することが好ましい。なお、真空
雰囲気中で十分な温度制御を行なうには、1kW以上の
パワーを有する熱電ヒーターを用いることが好ましい。
【0051】なお、上記気密前室120は、有機EL積
層構造体部分の成膜装置と連続して形成されることが好
ましい。
【0052】一方、上記気密後室130には、有機EL
積層構造体部分10が積層された基板1とシールド部材
20とを接着するための接着剤を硬化するための接着剤
硬化装置133が設けられている。この接着剤硬化装置
133は、紫外線発生装置を用いる。適当な照射時間、
例えば5〜100秒程度で十分に接着剤を硬化するため
に、50〜1000mW/cm2 の照度が得られる紫外
線発生装置を用いることが好ましい。
【0053】次に、以上の気密作業室100を用いての
有機エレクトロルミネッセンス表示装置の製造方法につ
いて説明する。なお、基板1上での有機EL積層構造体
部分10の各膜・層の製膜、設層方法は従来のものと同
じであってよいので、この部分についての説明は省略
し、基板1上に有機EL積層構造体部分10(以下の説
明においては、基板も含めて有機EL積層構造体部分と
称する)が予め形成されたものが準備されているものと
して説明する。
【0054】まず、気密作業室100の主作業室11
0、および気密後室130の真空引きを行い、これらの
室内に不活性ガスを注入する。この真空引きと不活性ガ
スの注入は、数回繰り返して行い、これらの室内の不活
性ガスの純度を90〜99.9%、好ましくは99.0
〜99.9%とし、また、水分含有率を100ppm、
以下、好ましくは10ppm以下、特に好ましくは1p
pmとする。この水分含有率は低ければ低いほどよい
が、現在のところ、達成できる水分含有率は0.1pp
m程度である。不活性ガス雰囲気において、所定の水分
含有率が達成された後は、この不活性ガス雰囲気より低
い水分含有率の不活性ガスを循環供給し、少なくとも達
成された水分含有率を維持する。
【0055】次いで、第3シャッターを開き、上記気密
前室120に、複数の有機EL積層構造体部分10とシ
ールド部材20または50を搬入し、この搬入の後、第
3シャッターを閉じる。この状態でこの気密前室120
の真空引きを行う。このときの真空度は、1〜10-1
a程度とすることが好ましい。
【0056】また、この気密前室120においては、1
〜10-1程度の真空を維持したまま、上記ヒーターによ
って複数の有機EL積層構造体部分10とシールド部材
20または50を加熱し残留水分を除去する。
【0057】残留水分を除去した後、上記第2シャッタ
ーを開いて、有機EL積層構造体部分とシールド部材を
主作業室110内に搬送し、ここで有機EL積層構造体
部分の基板および/またはシールド部材の接着面に接着
剤を塗布する。ついで、有機EL積層構造体部分の基板
とシールド部材の接着面同士が合わされる(これを組み
立て済み部材と称す)。なお、上記の接着剤塗布の前
に、有機EL積層構造体部分とシールド部剤を、上記主
作業室中、すなわち不活性ガス雰囲気中に所定時間放置
し、上記構造体部分等の残留水分が上記不活性ガス雰囲
気の水分と平衡状態に達した後に上記の接着剤塗布を行
うことが好ましい。
【0058】この後、第2シャッターを開いて、この組
み立て済み部材を気密後室130に搬入し、接着剤硬化
装置133を作動させて、上記接着剤を硬化させ、上記
の図1または2の有機エレクトロルミネッセンス表示装
置を完成する。
【0059】最後に、第4シャッターを開いて完成した
有機エレクトロルミネッセンス表示装置を取り出す。
【0060】以上により、気密空間30内に不活性ガス
が充填された有機エレクトロルミネッセンス表示装置を
封入口無しに製造することができる。
【0061】
【実施例】以下、本発明の具体的実施例を示し、本発明
をさらに詳細に説明する。
【0062】<実施例1>厚さ1.1mmのガラス基板
上にITOを厚さ200nmにスパッタ法にて透明電極と
してパターニングし、中性洗剤、アセトン、エタノール
を用いて超音波洗浄し、次いで煮沸エタノール中から引
き上げて乾燥した。この透明電極表面をUV/O3 洗浄
した後、真空蒸着装置の基板ホルダーに固定して、槽内
を1×10-4Pa以下まで減圧した。
【0063】次いで減圧状態を保ったまま、4,4’,
4”トリス(3−メチルフェニルフェニルアミノ)フェ
ニルアミン(MTDATA)を蒸着速度0.2nm/secで
40nmの厚さに蒸着し、正孔注入層とした。そして、こ
の上に、減圧状態を保ったまま、N,N,N’,N’テ
トラキス(3−ビフェニル)−4,4’−ジアミノ−
1,1’−ビフェニル(TPD)を蒸着速度0.2nm/s
ecで35nmの厚さに蒸着し、正孔輸送層とした。
【0064】さらに、減圧を保ったまま、Alq3 :ト
リス(8−キノリノラト)アルミニウムを蒸着速度0.
2nm/secで50nmの厚さに蒸着して、電子注入輸送・発
光層とした。
【0065】次いで、真空蒸着装置からスパッタ装置に
移し、DCスパッタ法にてAg・Mg合金(Mg:5at
%)をターゲットとして、陰電極をレート15nm/min
で200nmの厚さに成膜した。このときのスパッタガス
にはArを用い、ガス圧は0.5Paとした。また、投入
電力は500W、グリッド電圧は6V であった。得られ
た陰電極薄膜の表面の均一性を走査電子顕微鏡で確認し
たところ、100nm±20%であった。
【0066】最後にAlを200nmの厚さにスパッタし
て保護層および配線層として、有機EL積層構造体部分
を得た。
【0067】一方、気密作業室100の条件を次のよう
にして準備した。気密作業室100の主作業室110、
および気密後室130の真空引きを行い、これらの室内
に不活性ガスであるArガスを注入した。この真空引き
と不活性ガスの注入は、3回繰り返して行った。これら
の室内の不活性ガスの純度は99.9%、水分含有率は
10ppmであった。
【0068】次いで、第3シャッターを開き、上記気密
前室120に、複数の有機EL積層構造体部分10とシ
ールド部材20を搬入し、この搬入の後、第3シャッタ
ーを閉じた。この状態でこの気密前室120の真空引き
を行い、室内部の真空度を10-1Paとした。
【0069】この後、上記第2シャッターを開いて、有
機EL積層構造体部分とガラス製シールド部材(縦26
mm×横17mm×厚さ1.1mmのガラス板で、その
一方の面側を深さ0.5mm掘って、有機EL積層構造
体部分の収容室とした)を主作業室110内に搬送し、
ここで有機EL積層構造体部分の基板および/またはシ
ールド部材の接着面に接着剤を塗布した。接着剤として
は、カチオン硬化タイプの紫外線硬化型エポキシ樹脂接
着剤(スリーボンド社製30Y184G)を用いた。つ
いで、有機EL積層構造体部分の基板とシールド部材の
接着面同士を合わせた(これを組み立て済み部材と称
す)。
【0070】この後、第2シャッターを開いて、この組
み立て済み部材を気密後室130に搬入し、接着剤硬化
装置133を作動させて、上記接着剤を硬化させ、上記
の図1の構造の有機エレクトロルミネッセンス表示装置
を完成した。紫外線の照度は100mW/cm2 、照射
時間は60秒であった。
【0071】最後に、第4シャッターを開いて完成した
有機エレクトロルミネッセンス表示装置を取り出した。
【0072】<実施例2>気密前室120において、真
空引きの当初から上記ヒーターによって、複数の有機E
L積層構造体部分10とシールド部材20を真空加熱
(60℃3時間)して残留水分を除去したこと以外は、
上記実施例1と同様にして有機エレクトロルミネッセン
ス表示装置を作製した。
【0073】<実施例3>接着剤の硬化を大気中で行な
ったほかは、実施例1と同様にして第3実施例の有機エ
レクトロルミネッセンス表示装置を作製した。
【0074】<比較例1>図1の構造の有機エレクトロ
ルミネッセンス表示装置で、シールド部材(実施例1と
同じサイズのもの)に予め封入口を設けておき、有機E
L積層構造体部分とシールド部材を大気中で接着の後、
封入口を介して、気密空間の真空引き、不活性ガス(不
活性ガスとしては、実施例と同じものを用いた)の注入
を行ない、これを3回繰り返した。
【0075】この後、上記封入口を実施例1で用いた接
着剤で封止して、比較例1の有機エレクトロルミネッセ
ンス表示装置を作製した。
【0076】<比較例2>実施例1で用いた接着剤をラ
ジカル硬化タイプの紫外線硬化型アクリル樹脂系接着剤
(スリーボンド社製TB−3050)を用いた他は、実
施例1と同様にして比較例2の有機エレクトロルミネッ
センス表示装置を作製した。
【0077】以上作製した実施例1、2および3の有機
エレクトロルミネッセンス表示装置、および比較例1お
よび2の有機エレクトロルミネッセンス表示装置に大気
中で直流電圧を印加し、10mA/cm2の一定電流密度で連
続駆動させた。発光色はいずれも緑色であり、発光極大
波長λmax =520nmであった。発光初期の輝度、お
よび輝度の四半減時間を測定した。また、ダークスポッ
トの発生状態を評価した。その結果を表1に示した。な
お、この表1において、ダークスポットの発生状態の評
価は次のようにして行なった。
【0078】
【表1】
【0079】◎:3000時間経過しても直径100μ
m以上のダークスポットは発生しなかった。 ○:2000時間経過しても直径100μm以上のダー
クスポットは発生しなかった。 △:1000時間経過しても直径100μm以上のダー
クスポットは発生しなかった。 ×:100時間で直径100μm以上のダークスポット
が発生してしまった。
【0080】
【発明の効果】以上本発明によれば、長寿命の有機エレ
クトロルミネッセンス表示装置を容易に作製することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の有機エレクトロルミネッセンス表示装
置の構成例を示す垂直断面図である。
【図2】本発明の有機エレクトロルミネッセンス表示装
置の他の構成例を示す垂直断面図である。
【図3】本発明の有機エレクトロルミネッセンス表示装
置の有機EL積層構造体部分の層構成の例を示す垂直断
面図である。
【図4】本発明の有機エレクトロルミネッセンス表示装
置の製造に用いられる気密作業室の構成例を説明するた
めの説明図である。
【符号の説明】
1 基板 10 有機EL積層構造体部分 20 シールド部材 30 接着剤 40 気密空間 100 気密作業室 110 主作業室 120 気密前室 130 気密後室 123 ヒーター 133 接着剤硬化装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−89959(JP,A) 特開 平5−109482(JP,A) 特開 平9−40760(JP,A) 特開 平4−100819(JP,A) 特開 平9−22779(JP,A) 特開 平7−226294(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H05B 33/04 H05B 33/10 H05B 33/14

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機エレクトロルミネッセンス積層構造
    体部分が、その基板とシールド部材とによって形成され
    た気密空間内に配置され、かつこの気密空間内に実質的
    に不活性ガスのみが充填されている有機エレクトロルミ
    ネッセンス表示装置において、有機エレクトロルミネッ
    センス積層構造体部分の有機材料のガラス転移温度が1
    40℃以下であり、前記シールド部材が、封入口を持た
    ない連続部材で構成され、このシールド部材と前記基板
    とがカチオン硬化タイプの紫外線硬化型エポキシ樹脂接
    着剤で接着され、前記気密空間の水分含有率が100p
    pm以下であることを特徴とする有機エレクトロルミネ
    ッセンス表示装置。
  2. 【請求項2】 前記シールド部材が、平板状部材で構成
    され、前記カチオン硬化タイプの紫外線硬化型エポキシ
    樹脂接着剤中に微小粒子が分散されており、この接着剤
    で構成される層が上記気密空間を形成するためのスペー
    サとしても作用する請求項1の有機エレクトロルミネッ
    センス表示装置。
  3. 【請求項3】 有機エレクトロルミネッセンス積層構造
    体部分が、その基板とシールド部材とによって形成され
    た気密空間内に配置され、かつこの気密空間内に実質的
    に不活性ガスのみが充填されている有機エレクトロルミ
    ネッセンス表示装置の製造方法において、作業空間を、
    前記気密空間に充填する不活性ガスであって水分含有量
    が100ppm以下の不活性ガス雰囲気とし、この雰囲
    気内で、基板とシールド部材とをカチオン硬化タイプの
    紫外線硬化型エポキシ樹脂接着剤で貼り合わせることに
    より、前記気密空間内の不活性ガスを閉じ込めて、シー
    ルド部材に不活性ガス導入用の封入口を必要としない有
    機エレクトロルミネッセンス表示装置を得る有機エレク
    トロルミネッセンス表示装置の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記接着剤の硬化作業を、その硬化が完
    了するまで前記不活性ガス雰囲気中で行なう請求項3の
    有機エレクトロルミネッセンス表示装置の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記有機エレクトロルミネッセンス表示
    装置の各構成部材を前記不活性ガス雰囲気中に配置する
    前に、真空中で加熱し、残留水分を除去し、この状態を
    保ったままで前記不活性ガス雰囲気中に搬送し、前記構
    成部材を、その残留水分が前記不活性ガス雰囲気の水分
    と平衡状態に達するまで該不活性ガス雰囲気中に放置
    し、その後前記貼り合わせ作業を行なう請求項3または
    4の有機エレクトロルミネッセンス表示装置の製造方
    法。
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