JP4247016B2 - 有機el表示装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、カーオーディオ、TV等の表示装置として有用な有機化合物を用いた有機EL発光素子(以下、有機EL素子ともいう)を有するディスプレイに関し、さらに詳細には、カラーディスプレイに関する。
【0002】
【従来の技術】
有機EL素子は、錫ドープ酸化インジウム(ITO)などのホール注入電極上に、トリフェニルジアミンなどのホール輸送材料を成膜し、さらにアルミキノリノール錯体(Alq3)などの蛍光物質を発光層として積層し、さらにMgなどの仕事関数の小さな金属電極(電子注入電極)を形成した基本構成を有する素子で、10V前後の電圧で数100から数10,000cd/m2 と極めて高い輝度が得られることで注目されている。
【0003】
ところで、このような有機EL素子をカラーディスプレイとして応用する場合、例えば、発光体自体の発光色を変化させるか、あるいは、蛍光材料で構成された蛍光変換層および/またはカラーフィルター層を用いて青、緑、赤の3元色を得るといった手法が一般的である。
【0004】
発光体自体の発光色を変化させる試みとしては、例えば SID 96 DIGEST・18514.2:Novel Transparent Organic Electroluminescent Devices G.Gu,V.BBulovic,P.E.Burrows,S.RForrest,M.E.Tompsonに記載されたカラー発光素子が知られている。しかし、ここに記載されているカラー発光素子(heterostructure organic light emitting devices)は、R,G,B各々に対応した発光層(Red ETL,Green ETL,Blue ETL)を有する多層構造であり、各発光層毎に陰電極と陽電極とを用意しなければならない。そのため、構造が複雑になり、製造コストも高くなるという問題がある。また、各色の寿命が異なるため、使用に従い色バランスが崩れてくるという不都合もある。
【0005】
一方、単一の発光層と、蛍光材料で構成された蛍光変換層および/またはカラーフィルター層とを組み合わせてカラーディスプレイとする方法は、単独の有機EL素子のみで構成できるため、構成が単純で安価であるばかりか、蛍光変換層および/またはカラーフィルター層をパターン形成することによりフルカラー化できる点で優れた方式といえる。しかし、有機EL構造体上に所定のパターンで蛍光変換層および/またはカラーフィルター層を設けることは、パターニング技術や有機EL構造体へのダメージ等の点から極めて困難である。また、基板上に蛍光変換層および/またはカラーフィルター層をパターン形成し、その上に有機EL構造体を積層すると、段差ができているので、断切れ(膜の不連続部分)が生じ、配線がつなげられなくて電流が流れないために、有機EL素子として機能しなくなってしまうという問題があった。
【0006】
カラーフィルターを使用するに際し、カラーフィルターの表面を平坦化するための有機物層(オーバーコート層)を形成し、さらにその上に無機絶縁物(バリア層)を形成する技術が例えば特開平11−260562号公報等に記載されている。しかしながら、無機絶縁物を形成したとしても依然としてダークスポットの発生、成長を有効に抑制することができず、結果として信頼性の面で問題が残っていた。
【0007】
【特許文献1】
特開平11−260562号公報
【特許文献2】
特開平10−12383号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、信頼性が高く、製造が容易で、しかも低コストの有機EL表示装置を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
すなわち、上記目的は下記の本発明の構成により達成される。
(1) 絶縁基板と、この絶縁基板上に少なくとも1種以上の蛍光変換層および/またはカラーフィルター層と、有機物質からなるオーバーコート層と、無機バリア層と、有機EL構造体とを順次有し、
さらに、前記蛍光変換層および/またはカラーフィルター層と前記オーバーコート層との間に無機バリア層を有する有機EL表示装置。
(2) 絶縁基板と、この絶縁基板上に少なくとも1種以上の蛍光変換層および/またはカラーフィルター層と、有機物質からなるオーバーコート層と、無機バリア層と、有機EL構造体とを順次有し、
前記オーバーコート層上に形成された無機バリア層上に、さらに有機層と無機バリア層とが積層され、前記有機層の膜厚が前記オーバーコート層よりも薄く形成されている有機EL表示装置。
(3) 前記蛍光変換層および/またはカラーフィルター層の微小突起高さが3μm以下である上記(1)または(2)の有機EL表示装置。
) さらに前記蛍光変換層および/またはカラーフィルター層の平均表面粗さRaが50nm以下である上記(1)〜(3)のいずれかの有機EL表示装置。
(5) 前記オーバーコート層の微小突起高さが3μm以下である上記(1)〜(4)のいずれかの有機EL表示装置。
) さらに前記オーバーコート層の平均表面粗さRaが5nm以下である上記(1)〜(5)のいずれかの有機EL表示装置。
) 前記無機バリア層が耐湿性、防湿性を有する上記(1)〜()のいずれかの有機EL表示装置。
) 前記無機バリア層が酸化物、酸窒化物、窒化物のいずれかである上記(1)〜()のいずれかの有機EL表示装置。
) 前記無機バリア層の平均表面粗さRaが10nm以下である上記()または()の有機EL表示装置。
10) 前記カラーフィルター層はその色度が膜厚を調整することによって有機EL素子の発光スペクトルに合わせて調整されている上記(1)〜()のいずれかの有機EL表示装置。
11) 前記カラーフィルタの顔料の粒度が1.5μm 以下である上記(1)〜(10)のいずれかの有機EL表示装置。
12) 前記オーバーコート層の材料がアクリルを主成分とした有機物である上記(1)〜(11)のいずれかの有機EL表示装置。
13) カラーフィルターの顔料または蛍光変換層の蛍光材の平均粒径が1.5μm以下である上記(1)〜(12)のいずれかの有機EL表示装置
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の具体的構成について詳細に説明する。
本発明の有機EL素子は、絶縁基板と、この絶縁基板上に少なくとも1種以上の蛍光変換層および/またはカラーフィルター層と、有機物質からなるオーバーコート層と、無機バリア層と、有機EL構造体とを順次有し、前記蛍光変換層および/またはカラーフィルター層の平均表面粗さRaが50nm以下としたものである。また、この蛍光変換層および/またはカラーフィルター層の微小突起高さが3μm以下としたものである。
【0020】
さらに、前記オーバーコート層の平均表面粗さRaを5nm以下とし、好ましくは前記オーバーコート層の微小突起高さを3μm以下としたものである。
【0021】
このように、蛍光変換層および/またはカラーフィルター層と、有機物質からなるオーバーコート層との平均表面粗さ、突起高さを規制することで、信頼性を確保し、かつ表示品位を確保した有機EL素子が実現できる。
【0022】
カラーフィルター(蛍光変換層を含む。以下同じ。)、オーバーコート層の平坦度がある水準以下であり、また、局所的に存在する微小突起がある水準以下であるとEL素子の縦リークが発生したり、無機バリア層がオーバーコート層を完全に被覆できないか、あるいは局所的な応力集中による割れ、薄膜化により、本来の機能を有することができなくなる。このため、カラーフィルター、オーバーコート層、無機バリア層の平坦度をある水準に規定することで、有機EL表示装置に発生するリーク、ダークスポットを抑制できる。また、同時にカラーフィルター層の膜厚を調整することで、白色発光スペクトルに対応した色度の調整も可能となり、表示品位を確保した有機EL表示装置が実現できる。
【0023】
オーバーコート層は、通常スピンコート、ベークによって形成されるが、使用される材料、塗布時に使用されるフィルタ、ベーク条件等によっては、突起が発生する場合がある。これはオーバーコート層が、ベーク時にマイクロバブルが発生したり、ゲル化したりすることにより発生するものである。これらの現象が起きると、例えばマイクロバブルがその後の工程にてはじけたりして、ゴミの発生、異物として基板に残存し、リーク、ダークスポットの原因となる。また、マイクロバブルが残ると突起となり、リーク電流やダークスポットを生じる原因となる。同様に、ゲル化した場合にも突起となり、リーク、ダークスポットの原因となり、さらには通常状態でゲル化していることもある。これらの原因は、フィルタの目を細かくすれば抑制することができる。また、通常材料にはアクリル等の樹脂材料を使用るが、微量添加物を加えてゲル化を抑えることも可能である。さらに、突起が大きい場合にはバフ研磨してもよい。
【0024】
カラーフィルター、蛍光変換層は、通常顔料または染料が使用されている。このうち、顔料の粒子が大きいとスピンコート、ベーク時に表面荒れが大きくなってしまう。そして、その上にオーバーコート層を形成するが、カラーフィルターの表面荒れが大きくなると、オーバーコート膜は厚くせざるを得なく、コスト上昇になってしまう。そこで、カラーフィルター形成時に、フィルター表面粗さ、突起をある程度以下のものとなるように規制すればよい。また、突起が大きい場合は研磨してもよい。
【0025】
これらの手法を採用することで、基板表面の粗さと突起を抑制することが可能となり、さらにその上に無機バリア膜を形成することで、耐湿性、防湿性を有した基板を作成することが可能となる。この基板を使用してその上に有機ELを形成したり、この基板を対向基板に使用することで高信頼性を有する有機EL表示装置を実現することが可能である。
【0026】
具体的な突起数は、例えば日立社製のGP2100を用いて測定し、これに補助的に日立デコ社製SEM等の計測機を使用して測定できるが、現状3μm 以下を測定することは極めて困難である。そこで、この測定機を使用して突起数を測定したところ、実施例では0個(この突起の大きさは3μm 以下)であった。また、表面粗さRaは小さく5nm以下であった。この基板を使用して、リーク、ダークスポット数を測定したところ64×256ドット(300μ×300μ)で発生数は0であった。
【0027】
本発明の有機ELカラーディスプレイは、例えば白色発光からカラーフィルター(赤色透過層、緑色透過層、青色透過層)により、各種の発光層を得ることができる。また、白色発光によらない場合には、例えば緑および青色発光部は、青緑色発光の有機EL構造体と、緑色透過層または青色透過層との組み合わせにより得られる。赤色発光部は、青緑色発光の有機EL構造体と、この有機EL構造体の青緑発光を赤色に近い波長に変換する蛍光変換層と、赤色透過層との組み合わせにより得ることができる。つまり、青緑色発光で不足する赤色方向の波長の光を蛍光変換フィルターで補うことにより、単一発光色の発光層のみで、カラーディスプレイを得ることができる。このように、カラーフィルターと蛍光変換層とを組み合わせて用いることで、所望の発光色(取り出し光)が得られる。
【0028】
蛍光変換層および/またはカラーフィルター層の平均表面粗さRaは、好ましくは50nm以下、より好ましくは10nm以下である。また、蛍光変換層および/またはカラーフィルター層の微小突起高さは、好ましくは3μm以下、より好ましくは1μm 以下である。
【0029】
青色透過層と、緑色透過層と、赤色透過層とにはカラーフィルターを用いることが好ましい。カラーフィルター層には、液晶ディスプレイ等で用いられているカラーフィルターを用いればよいが、有機EL素子の発光する光に合わせてカラーフィルターの特性を調整し、取り出し効率・色純度を最適化すればよい。このときカットする光は、緑の場合560nm以上の波長の光および480nm以下の波長の光であり、青の場合490nm以上の波長の光であり、赤の場合580nm以下の波長の光である。このようなカラーフィルターを用いて、NTSC標準、あるいは現行のCRTの色度座標に調整することが好ましい。このような色度座標は、一般的な色度座標測定器、例えばトプコン社製のBM−7、SR−1等を用いて測定できる。カラーフィルター層の厚さは0.5〜20μm 程度とすればよい。
【0030】
なお、カラーフィルター層の厚さを調整することで色度を調整することができ、これによってELの発光特性に応じて色度を調整するとよい。
【0031】
また、誘導体多層膜のような光学薄膜を用いてカラーフィルターの代わりにしてもよい。
【0032】
本発明の蛍光変換層は、EL発光の光を吸収し、蛍光変換層中の蛍光体から光を放出させることで、発光色の色変換を行うものである。組成としては、バインダー、蛍光材料、光吸収材料の三つから形成される。
【0033】
蛍光材料は、基本的には蛍光量子収率が高いものを用いればよく、EL発光波長域に吸収が強いことが好ましい。具体的には、蛍光スペクトルの発光極大波長λmax が580〜630nmである蛍光物質が好ましい。実際には、レーザー用色素などが適しており、ローダミン系化合物、ペリレン系化合物、シアニン系化合物、フタロシアニン系化合物(サブフタロシアニン等も含む)、ナフタロイミド系化合物、縮合環炭化水素系化合物、縮合複素環系化合物、スチリル系化合物等を用いればよい。
【0034】
蛍光変換層および/またはカラーフィルター層を所定の表面粗さ以下に規制するためには、カラーフィルターの顔料、蛍光材料が、所定の粒径以下に規制されていることが好ましい。具体的には、粒径(1次、2次を含む最大径)にして、好ましくは1.5μm 以下、より好ましくは1.0μm 以下である。その下限値は特に規制されるものではないが、通常3.0μm 程度である。
【0035】
バインダーは、基本的には蛍光を消光しないような材料を選べばよく、フォトリソグラフィー、印刷等で微細なパターニングができるようなものが好ましい。また、陽電極であるITO、IZOの成膜時にダメージを受けないような材料が好ましい。
【0036】
光吸収材料は、蛍光材料の光吸収が足りない場合に用いるが、必要のない場合は用いなくてもよい。光吸収材料は、蛍光材料の蛍光を消光しないような材料を選べばよい。
【0037】
蛍光変換層および/またはカラーフィルター層の形成には、通常スピンコート法、スクリーン法などの塗布法が用いられる。このとき、塗布原料供給部から塗布原料を供給するに際し、塗布原料用フィルターの目の粗さを規制して、塗布原料中の顔料の粒径を規制するようにするとよい。具体的には、最終段フィルター、または最も目の細かいフィルターの目の大きさ(メッシュ)を好ましくは1.5μm 以下、より好ましくは1.0μm 以下とするとよい。その下限値は特に規制されるものではないが、材料の搬送特性などから好適な値以上とすればよい。
【0038】
このような蛍光変換フィルター層を用いることによって、CIE色度座標において好ましいx、y値が得られる。また、蛍光変換フィルター層の厚さは0.5〜20μm 程度とすればよい。
【0039】
オーバーコート層の表面粗さRaとしては、好ましくはRa5.0nm以下、より好ましくは1.0nm以下である。また、オーバーコート層の微小突起高さは、好ましくは3.0μm以下、より好ましくは1.0μm 以下である。
【0040】
オーバーコート層の形成には、通常スピンコート法、スクリーン法などの塗布法が用いられる。このとき、塗布原料供給部から塗布原料を供給するに際し、塗布原料用フィルターの目の粗さを規制して、塗布原料中のマイクロバブル、ゲル状物質の大きさを規制するようにするとよい。具体的には、最終段フィルター、または最も目の細かいフィルターの目の大きさ(メッシュ)を好ましくは0.5μm 以下、より好ましくは0.2μm 以下とするとよい。
【0041】
オーバーコート層は、好ましくは熱硬化型樹脂または紫外線硬化型樹脂で形成される。特に熱硬化型樹脂は、硬化の際の熱によってオーバーコート層表面がより平坦化されるので好ましい。中でも、アクリル樹脂が特に好ましい。樹脂は一種を用いても、二種以上を併用してもかまわない。オーバーコート層は、通常、基板、蛍光変換層および/またはカラーフィルター層上に塗布し、熱硬化または紫外線硬化して成膜する。通常の熱硬化型樹脂の硬化温度は140〜180℃程度である。紫外線硬化型樹脂の場合、通常、積算光量が1000〜10000mJとなるようにUV光を照射する。
【0042】
オーバーコート層を所定の表面粗さ以下、微小突起高さを所定の高さ以下に規制するためには、オーバーコート層形成時のマイクロバブル、異物、ゲル状物質が、塗布時に存在しないか、所定の大きさ以下に規制されていることが好ましい。また、オーバーコート層形成後には、マイクロバブル、異物、ゲル状物質の痕跡が確認できない程度であることが好ましい。これらの物質の痕跡が確認できるようだと、リークを生じる可能性が高くなってくる。
【0043】
また、オーバーコート層のEL光の透過率は90%以上であることが好ましい。透過率が低くなると、発光層からの発光自体が減衰され、発光素子として必要な輝度が得られなくなる傾向がある。
【0044】
オーバーコート層の膜厚としては、好ましくは100〜3000nm、より好ましくは1000〜2000nmである。オーバーコート層が薄すぎると段差、凹凸等の被覆性が低下し、厚すぎると塗布工程が増加したりして製造が困難になってくる。また、光学特性が低下する等の弊害が生じてくる。
【0045】
また、オーバーコート層上面と基板との距離は、本発明の効果が得られれば特に制限されない。
【0046】
基板とその上の蛍光変換層および/またはカラーフィルター層とをオーバーコート層で覆い、平坦化することで、その上に有機EL構造体を積層しても断切れが生じることがなくなり、信頼性の高い有機ELカラーディスプレイを容易に製造できる。しかしながら、オーバーコート層に有機EL構造体を直接積層すると、特に有機EL構造体の積層時や駆動時の熱により、オーバーコート層の成分が揮発し、それが有機EL構造体の各構成材料に悪影響を及ぼし、ダークスポットと称する非発光領域が生じたり、所定の品位の発光が維持できなくなってしまう。そこで、無機材料からなるバリア層をオーバーコート層と有機EL構造体との間に積層することにより、オーバーコート層成分の有機EL構造体への拡散を防止して、素子の劣化を防ぐ。また、有機EL素子は水分に非常に弱いが、バリア層は有機EL構造体を外気や水分等からも保護し、素子の保存性、耐久性を向上させる。
【0047】
バリア層は、酸化物、酸窒化物、窒化物のいずれかにより形成することができる。具体的にはSiOx で表される酸化ケイ素や、SiOxy 、SiNx 等が挙げられる。これらのなかでも特にSiOxy が好ましいが、これらの材料は、不可避不純物として、C、Ar等を0.5wt%以下含有していてもよい。
【0048】
SiOx のxは1.8〜2.2、特に1.90〜2.05であることが好ましい。xがバリア層全体の平均値としてこのような値であれば、xの値は厚さ方向に勾配をもっていてもよい。SiOxy のxは1.97〜0.80、yは0.02〜0.80であることが好ましい。
【0049】
バリア層の632nmにおける屈折率は好ましくは1.40〜1.55、より好ましくは1.44〜1.48である。屈折率がこれより高いと、オーバーコート層中の成分に対するバリア性がなくなってしまう。低いと、水分等に対するバリア性がなくなってしまう。
【0050】
バリア層表面の平均表面粗さ(Ra )は、2〜50nmが好ましい。また、最大表面粗さ(Rmax )は、10〜50nmが好ましい。バリア層表面で膜の平坦性が悪くなると、電流リークやダークスポットが発生する要因となる。そのため、適当な成膜条件を選び、異常粒成長を抑え、ホール注入電極に接する界面の平均表面粗さ(Ra )、最大表面粗さ(Rmax )を上記範囲内にすることが好ましい。
【0051】
また、バリア層の発光光の透過率は、好ましくは70%以上、より好ましくは80%以上である。透過率が低くなると、発光層からの発光自体が減衰され、発光素子として必要な輝度が得られなくなる傾向がある。
【0052】
また、バリア層の膜厚は、前記の範囲内であれば特に制限されないが、0.1〜10μm 、特に0.5〜5μm であることが好ましい。
【0053】
この無機バリア層は、スパッタ法、プラズマCVD法等によっても成膜できるが、膜厚を厚くしたい場合にはプラズマCVD法で成膜することが好ましい。
【0054】
プラズマCVD法におけるプラズマは、直流、交流のいずれであってもよいが、交流を用いることが好ましい。交流としては数ヘルツからマイクロ波まで可能である。また、バイアス電圧を印加してもよい。
【0055】
原料ガスには、下記のグループに属する化合物を使用することが好ましい。
【0056】
Siを含む化合物としては、メチルシラン、ジメチルシラン、トリメチルシラン、テトラメチルシラン、ジエチルシラン、テトラエチルシラン、テトラブチルシラン、ジメチルジエチルシラン、テトラフェニルシラン、メチルトリフェニルシラン、ジメチルジフェニルシラン、トリメチルフェニルシラン、トリメチルシリル−トリメチルシラン、トリメチルシリルメチル−トリメチルシラン等がある。
【0057】
O源として、O2 、O3 等、
N源として、N2
N+O源として、NO、NO2 、N2 OなどNOx で表示できるNとOの化合物等が挙げられる。
【0058】
上記原料ガスの流量は原料ガスの種類に応じて適宜決定すればよい。また、上記x、yの値も原料ガスの流量を調整することで制御することができる。成膜圧力は、通常0.1〜100Pa(0.001〜1Torr)、投入電力は、通常10W 〜5kW程度が好ましい。
【0059】
スパッタ法を用いて成膜する場合、スパッタガスには、通常のスパッタ装置に使用される不活性ガスが使用できる。中でも、Ar、Kr、Xeのいずれか、あるいは、これらの少なくとも1種以上のガスを含む混合ガスを用いることが好ましい。
【0060】
Ar、Kr、Xeは不活性ガスであり、かつ、比較的原子量が大きいため、好ましい。Ar、Kr、Xeガスを用いることにより、スパッタされた原子が基板まで到達する途中、上記ガスと衝突を繰り返し、運動エネルギーを減少させて、基板に到着する。このことにより、粒成長が抑制され、膜表面がよりスムースになる。
【0061】
スパッタガスにAr、Kr、Xeのいずれかを主スパッタガスとして用いる場合、基板ターゲット間距離の積は20〜60Pa・cm、特に30〜50Pa・cmの範囲が好ましい。この条件であればいずれのスパッタガスを用いても好ましい結果を得ることができるが、特にArを用いることが好ましい。
【0062】
スパッタ法としては、RFスパッタ法を用いることが好ましい。RFスパッタ装置の電力は10〜100W/cm2 の範囲が好ましい。周波数は13.56MHzが好ましい。成膜レートは5〜50nm/分の範囲が好ましい。成膜中の圧力は0.1〜1Paの範囲が好ましい。
【0063】
本発明の有機ELカラーディスプレイの構成例を図1に示す。図1に示される有機ELカラーディスプレイは、基板11上に、蛍光性物質を含む蛍光変換層および/またはカラーフィルター層12と、オーバーコート層13と、バリア層14とを順次有し、さらにその上に通常陽極側となる下部電極21と、発光層を含む有機EL層22と、通常陰極側となる上部電極23とからなる有機EL構造体を有する。蛍光変換層および/またはカラーフィルター層は、必要に応じて、二層以上であってもよい。
【0064】
図2に有機ELカラーディスプレイの第2に構成例を示す。この例ではカラーフィルター層12と、オーバーコート層13との間に、中間バリア層15を有する。このような積層構成とすることで、カラーフィルター層からのアウトガスを、中間バリア層である程度遮断することが可能となる。また、中間バリア層を設けることで、オーバーコート層の密着性も改善される。これらの相乗効果、すなわちカラーフィルター層からのアウトガスの遮断と、オーバーコート層の密着性の改善により、より再現性、信頼性の向上した有機EL表示装置を提供することが可能となる。また、カラーフィルター層の表面性(凹凸)を、中間バリア層で改善することも可能である。
【0065】
図3に有機ELカラーディスプレイの第2に構成例を示す。この例ではオーバーコート層13とバリア層14とが同様に繰り返し積層され、第2のオーバーコート層となる有機層16と第2のバリア層17とを有する。このとき、有機層(第2のオーバーコート層)16には表面性の良好な材料、例えばBARC膜(Bottom AntiReflective Coating:反射防止膜)を用いるとよい。BARC膜には、チタン酸化物(TiO2 )シリコン窒化酸化膜等のような無機材料を用いる場合もあるが、本発明では有機系のBARC膜を第1のオーバーコート層よりも薄く積層するとよい。有機系のBARC膜としては、例えばクラリアント社製のAZ−KrF2等がある。
【0066】
このような積層構成とすることで、に第1のオーバコート層からのアウトガスが、バリア層の欠陥から第2のオーバーコート層に拡散して、アウトガス成分がEL構造体に到達し難くなり、EL構造体にダメージを与えることが抑制できる。また、BARC膜の機能から、背面電極であるメタルからの反射を抑制し、視認性を向上させるという効果も期待できる。また、第2のオーバーコート層は、比較的薄く積層することができるので、それ自体によるアウトガス発生量が少ないという効果もある。
【0067】
有機層、つまり第2のオーバーコート層の膜厚は、第1のオーバーコート層に要求される凹凸の被覆性は必要ない。このため、有機層の膜厚は、好ましくは1nm〜10μm 、より好ましくは10nm〜0.5μm である。また、有機層の材料は、上記オーバーコート層の材料に加えて、表面性の良好な材料を選択することができ、例えばJSR社製のオプトマーシリーズ、日立化成社製のHPシリーズ等を用いることができる。
【0068】
本発明の有機ELカラーディスプレイは、発光した光を蛍光変換層および/またはカラーフィルター層を通して基板側から取り出す構造であっても、逆に、図に示すように封止板に蛍光変換層および/またはカラーフィルター層を形成して発光した光を取り出してもよい。
【0069】
有機EL構造体は、通常、2種以上の発光種を用いて、白色発光を行う。発光ピークは2つ以上であってもかまわない。なお、汎用されている有機ELは発光色が青緑色で、波長帯域の極大波長は400〜550nm程度である。
【0070】
有機EL構造体は、通常透明電極である陽極と、有機ホール注入輸送層と、発光層と、有機電子注入輸送層と、無機電子注入層と、陰極とが順次積層されている。
【0071】
本発明の有機EL構造体は、種々の構成とすることができ、例えば、電子注入・輸送層を省略し、あるいは発光層と一体としたり、正孔注入輸送層と発光層とを混合してもよい。
【0072】
無機電子注入輸送層は有機の電子注入輸送層等との組み合わせにおいては電子注入性を有するものとして必要に応じて下記のものを用いることができる。例えば、K、Li、Na、Mg、La、Ce、Ca、Sr、Ba、Sn、Zn、Zr等の金属元素単体、または安定性を向上させるためにそれらを含む2成分、3成分の合金系、例えばAg・Mg(Ag:0.1〜50at%)、Al・Li(Li:0.01〜14at%)、In・Mg(Mg:50〜80at%)、Al・Ca(Ca:0.01〜20at%)等が挙げられる。
【0073】
さらに、アルカリ金属またはアルカリ士類金属のハロゲン化物も好ましく、例えば、アルカリ金属では、LiF、LiCl、LiBr、LiI、CsF、CsCl、CsBf、CsI、また、アルカリ土類金属ではMgF2 、MgCl2 、MgBr2 、MgI2 等がある。取扱の簡易さと、抵抗率の低さから好ましくはCsI、CsCl、LiFが選択される。
【0074】
無機電子注入輸送層の膜厚としては、好ましくは、0.1nm〜5.0nm、より好ましくは0.5〜1.0nmが好ましい。膜厚はこれより薄いと効果が十分ではなくなり、これより厚いと駆動電圧の上昇が顕著になる為である。前記無機電子注入層の屈折率は、好ましくは1.6〜2.6である。
【0075】
上記無機電子注入輸送層の作製方法はスパッタ法、EB蒸着法、イオンプレーティング法、抵抗加熱蒸着法等が考えられるが、有機EL素子に与えるダメージを考慮して、抵抗加熱蒸着法を用いた蒸着や、多元蒸着源による共蒸着が好ましい。
【0076】
陰極となる電子注入電極は、無機電子注入輸送層との組み合わせでは、低仕事関数で電子注入性を有している必要がないため、特に限定される必要はなく、通常の金属を用いることができる。なかでも、導電率や扱い易さの点で、Al,Ag,In,Ti,Cu,Au,Mo,W,Pt,PdおよびNiから選択される1種または2種以上が好ましく、特にAl,Agから選択される1種または2種等の金属元素が好ましい。
【0077】
これら電子注入電極の厚さは、電子を無機電子注入輸送層に与えることのできる一定以上の厚さとすれば良く、50nm以上、好ましくは100nm以上とすればよい。また、その上限値には特に制限はないが、通常膜厚は50〜500nm程度とすればよい。
【0078】
さらに、有機EL素子を大気中の水分などから保護するため、保護層を設けると、素子中に発生する暗点(ダークスポットと呼ぶ)の発生に伴う劣化を抑制することができる。保護膜は、SiN、SiON、SiO2 、Al23 等水分阻止能が高い膜が好ましい。
【0079】
保護膜の形成方法としては、蒸着法、スパッタ法、CVD法等が考えられるが、低温で形成可能で、段差被覆性が良好であるプラズマCVD法が好ましい。
【0080】
また、有機EL素子を作製した後、素子を大気中に曝すことなく保護膜を形成することが好ましい。保護膜の厚さとしては特に制限されるものではないが、100〜5000nmとするとよい。保護膜の厚さがこれより薄いと水分阻止能が低下し、これより厚いと保護膜の応力による膜剥離や有機EL素子の特性に影響を与えるようになってくる。
【0081】
電子注入電極と保護層とを併せた全体の厚さとしては、特に制限はないが、通常50〜500nm程度とすればよい。
【0082】
本発明において、有機EL構造体を形成する基板としては、非晶質基板(例えばガラス、石英など)、結晶基板(例えば、Si、GaAs、ZnSe、ZnS、GaP、InPなど)、あるいは透明プラスチックなどの樹脂が挙げられ、また、これらの結晶基板に結晶質、非晶質あるいは金属のバッファ層を形成した基板も用いることができる。また、金属基板としては、Mo、Al、Pt、Ir、Au、Pdなどを用いることができ、好ましくはガラス基板が用いられる。
【0083】
陽極は、導電性を有する電極材料であれば特に限定されるものではない。が、ホール注入性を有し、素子設計上要求される仕事関数等を最適化できる材料が好ましい。このような陽極材料としては、具体的には、錫ドープ酸化インジウム(ITO)、亜鉛ドープ酸化インジウム(IZO)、ZnO、SnO2、In23などの透明電極を用いることが好ましい。本来、陽極側から光を取り出すものではないが、上記特性を有する材料である点からこれらの材料が好ましく、特に上記屈折率の関係からは、ITO、IZO等が好ましい。また、これらの材料を用いることにより、陰極側、陽極側双方から光り取り出しが可能な、所謂シースルー表示素子を実現することもできる。
【0084】
また、陽極の厚さは10〜500nm程度とすることが好ましい。素子の信頼性を向上させるために駆動電圧が低いことが必要であるが、好ましいシート抵抗のものとして、20〜60Ω/□(膜厚50〜300nm)のITOが挙げられる。実際に使用する場合には、ITO等の陽電極界面での反射による干渉効果が、光取り出し効率や色純度を十分に満足するように、電極の膜厚や光学定数を設定すればよい。
【0085】
本発明において、有機発光層は、単層もしくは2層以上の積層体により構成され、好ましくは各発光層からの発光光の合成スペクトルが白色発光になるように調製される。なお、本発明における白色とは、CIE色座標において、x=0.29〜0.37、y=0.30〜0.45、好ましくはx=0.32〜0.36、y=0.30〜0.40で表される範囲のものであり、400〜700nmの波長帯域でブロードな発光スペクトルを有するものである。また、複数の発光ピークを有する発光層からの合成光であるため、上記波長帯域内において完全にフラットな特性とはならず、ある程度のピークが数カ所に点在したスペクトルとなる。
【0086】
白色発光を得るための具体的な発光層としては、例えば450nm〜500nmの青色、及び560nm〜600nmの黄色の2層構造とするとよい。
【0087】
発光層は、正孔輸送性化合物もしくは電子輸送性化合物またはこれらの混合物であるホスト物質を含み、正孔および電子の注入機能、正孔および電子の輸送機能ならびに正孔および電子の再結合により、励起子を生成させる機能を有しており、電子的に比較的ニュートラルな化合物を含んでいることが好ましい。
【0088】
有機発光層のホスト物質として用いられる正孔輸送性化合物としては、トリアゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ビラゾリン誘導体、ビラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、オキサゾール誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体が挙げられ、さらに、トリフェニルジアミン誘導体が好ましく使用できる。
【0089】
トリフェニルジアミン誘導体の例としては、テトラアリールべンジシン化合物(トリアリールジアミンないしトリフェニルジアミン:TPD)がとくに好ましい。
【0090】
有機発光層のホスト物質として用いられる電子輸送性化合物としては、下記に示すようなジスチリルアリーレン誘導体を好ましく使用することがでる。また、フェニルアントラセン誘導体やテトラアリールエテン誘導体も、電子輸送性化合物として使用することができる。
【0091】
【化1】
Figure 0004247016
【0092】
本発明において、有機発光層は、正孔輸送性化合物もしくは電子輸送性化合物またはこれらの混合物であるホスト物質に、蛍光物質であるドーバントがドープされた構造を有していることが好ましい。
【0093】
また、本発明にかかる有機EL素子は、好ましくは、互いに積層された2層以上の有機発光層を備えている。2層以上の有機発光層を形成する場合には、それぞれに、異なった発光波長を有する蛍光物質をドーピングすることによって、広い発光波長帯域を確保し、また、発光色の色彩の自由度を向上させることができる。
【0094】
本発明において、ドーバントとして含有させる蛍光物質としては、たとえば、特開昭63−264692号公報に開示された化合物、具体的には、ルブレン系化合物、クマリン系化合物、キナクリドン系化合物、ジシアノメチルビラン系化合物などの化合物よりなる群から選ばれる1種以上の化合物が好ましく使用できる。
【0095】
本発明に好ましく使用できる蛍光物質の例を挙げると、以下のとおりである。
【0096】
【化2】
Figure 0004247016
【0097】
【化3】
Figure 0004247016
【0098】
【化4】
Figure 0004247016
【0099】
【化5】
Figure 0004247016
【0100】
さらに、本発明においては、特開2000−26334号公報および特開2000−26337号公報に記載されているナフタセン系化合物も、ドーバントとして含有させる蛍光物質として、好ましく使用することができ、ルブレン系化合物、クマリン系化合物、キナクリドン系化合物、ジシアノメチルピラン系化合物などと併用することによって、有機EL素子の寿命を飛躍的に向上させることができる。
【0101】
2層以上の有機発光層を設ける場合、各有機発光層が、2種以上のこれらの蛍光物質を含み、2種以上の蛍光物質が、異なった発光波長を有していることが好ましい。
【0102】
本発明において、有機発光層におけるドーバントの含有量は、0.01〜20質量%であることが好ましく、さらに好ましくは、0.1〜15質量%である。
【0103】
本発明において、有機発光層の厚さはとくに限定されるものではなく、その好ましい厚さは、形成方法によっても異なるが、通常、5〜500nm、さらに好ましくは、10〜300nmである。
【0104】
本発明において、2層以上の有機発光層を形成する場合、各有機発光層の厚さは、分子層一層分に相当する厚さから、有機発光層全体の厚さ未満の範囲にあり、具体的には、1〜85nm、好ましくは5〜60nm、さらに好ましくは5〜50nmである。
【0105】
本発明において、好ましくは、有機発光層は蒸着によって形成される。
【0106】
本発明において、好ましくは、有機発光層は、正孔輸送性化合物と電子注入輸送性化合物の混合物を含んでいる。
【0107】
有機発光層が、正孔輸送性化合物と電子注入輸送性化合物の混合物を含んでいる場合には,キャリアのホッピング伝導パスが形成されるため、各キャリアは極性的に優勢な物質中を移動し、逆の極性のキャリア注入が起こり難くなり、したがって、有機発光層に含まれた化合物がダメージを受けることが防止されるので、素子の寿命を向上させることができるという利点がある。
【0108】
さらに、蛍光物質からなるドーバントを、正孔輸送性化合物および電子注入輸送性化合物の混合物を含んだ有機発光層に含有させることによって、有機発光層自体が有する発光波長特性を変化させることができ、発光波長を長波長側に移行させるとともに、発光強度を向上させ、さらには、有機EL素子の安定性を向上させることが可能になる。
【0109】
有機発光層が、正孔輸送性化合物および電子注入輸送性化合物の混合物を含んでいる場合、正孔輸送性化合物と電子注入輸送性化合物の混合比は、それぞれのキャリア移動度とキャリア濃度にしたがって決定されるが、一般的には、質量比で、1/99〜99/1、好ましくは、10/90〜90/10、さらに好ましくは、20/80〜80/20、最も好ましくは、40/60〜60/40が選ばれる。
【0110】
正孔輸送性化合物および電子注入輸送性化合物の混合物を含む有機発光層を形成する場合には、正孔輸送性化合物と電子注入輸送性化合物を、異なる蒸着源に入れて、蒸発させ、共蒸着することが好ましいが、正孔輸送性化合物と電子注入輸送性化合物の蒸気圧が同程度あるいは非常に近い場合には、あらかじめ同じ蒸着源内で混合させておき、蒸着することもできる。
【0111】
正孔輸送性化合物および電子注入輸送性化合物の混合物を含む有機発光層を形成する場合、有機発光層内で、正孔輸送性化合物と電子注入輸送性化合物とが均一に混合していることが好ましいが、均一に混合していることは必ずしも必要でない。
【0112】
本発明において、有機物層は、好ましくは、少なくとも一層の有機発光層に加えて、正孔を安定的に輸送する機能を有する正孔輸送層、ならびに、電子を安定的に輸送する機能を有する電子輸送層を備えている。これらの層を備えることによって、有機発光層に注入される正孔や電子を増大させるとともに、有機発光層内に閉じ込めさせ、再結合領域を最適化させ、発光効率を向上させることが可能になる。
【0113】
本発明において、正孔輸送層に、好ましく使用することができる化合物としては、例えば、テトラアリールベンジシン化合物(トリアリールジアミンないしトリフェニルジアミン:TPD)、芳香族三級アミン、ヒドラゾン誘導体、カルバゾール誘導体、トリアゾール誘導体」イミダゾール誘導体、アミノ基を有するオキサジアゾール誘導体、ポリチオフェンなどを挙げることができる。これらのうち、テトラアリールべンジシン化合物(トリアリールジアミンないしトリフェニルジアミン:TPD)、WO/98/30071号に記載されているトリアリールアミン多量体(ATP)が、とくに好ましく使用することができる。
【0114】
トリアリールアミン多量体(ATP)の好ましい具体例は、以下の通りである。
【0115】
【化6】
Figure 0004247016
【0116】
【化7】
Figure 0004247016
【0117】
【化8】
Figure 0004247016
【0118】
本発明において、さらには、特開昭63−295695号公報、特開平2−191694号公報、特開平3−792号公報、特開平5−234681号公報、特開平5−239455号公報、特開平5−299174号公報、特開平7−126225号公報、特開平7−126226号公報、特開平8−100172号公報、EPO650955Alなどに記載されている各種有機化合物も、正孔注入輸送層、正孔注入層および正孔輸送層に使用することができる。
【0119】
本発明において、2種以上のこれらの化合物を併用してもよく、2種以上のこれらの化合物を併用する場合には、一層中に混合しても、また、2以上の層として、積層してもよい。
【0120】
本発明において、正孔輸送層は、前記化合物を蒸着することによって形成することができる。蒸着によって、素子化する場合には、均一で、ピンホールのない1〜10nm程度の薄膜を形成することができるため、正孔注入層にイオン化ポテンシャルが小さく、可視波長の光を吸収する化合物を用いても、発光色の色調変化や再吸収による発光効率の低下を防止することができる。
【0121】
本発明において、電子輸送層に、好ましく使用することができる化合物としては、たとえば、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(Alq3)などの8−キノリノールないしその誘導体を配位子とする有機金属錯体、オキサジアゾール誘導体、ペリレン誘導体、ピリジン誘導体、ピリミジン誘導体、キノキサリン誘導体などを挙げることができる。
【0122】
本発明において、電子輸送層は、前記化合物を蒸着することによって形成することができる。
【0123】
本発明において、有機発光層、正孔注入輸送層あるいは正孔注入層および正孔輸送層、ならびに、電子注入輸送層あるいは電子注入層および電子輸送層の各層を、蒸着によって形成する条件はとくに限定されるものではないが、1×10-4パスカル以下で、蒸着速度を0.01〜1nm/秒程度とすることが好ましい。各層は、1×10-4パスカル以下の減圧下で、連続して、形成されることが好ましい。1×10-4パスカル以下の減圧下で、連続して、各層を形成することによって、各層の界面に不純物が吸着されることを防止することができるから、高特性の有機EL素子を得ることが可能になるとともに、有機EL素子の駆動電圧を低下させ、ダークスポットが発生し、成長することを抑制することができる。
【0124】
さらに、素子の有機層や電極の劣化を防ぐために、素子上を封止板等により封止することが好ましい。封止板は、湿気の浸入を防ぐために、接着性樹脂層を用いて、封止板を接着し密封する。封止ガスは、Ar、He、N2 等の不活性ガス等が好ましい。また、この封止ガスの水分含有量は、100ppm 以下、より好ましくは10ppm 以下、特には1ppm 以下であることが好ましい。この水分含有量に下限値は特にないが、通常0.1ppm 程度である。
【0125】
さらに、本発明の素子を、平面上に多数並べてもよい。平面上に並べられたそれぞれの素子の発光色を変えて、カラーのディスプレーにすることもできる。
【0126】
有機EL素子は、直流駆動やパルス駆動され、交流駆動とすることもできる。印加電圧は、通常、2〜30V 程度である。
【0127】
【実施例】
次に実施例を示し、本発明をより具体的に説明する。
【0128】
〔実施例1〕
コーニング社製7059ガラス基板上に、青色透過層と、緑色透過層と、赤色透過層として、富士オーリン社製のカラーフィルターで、カット光が緑は560nm以上の波長の光および480nm以下の波長の光、青は490nm以上の波長の光、赤は580nm以下の波長の光であるものを用いて、スピンコーター(DNS社製、SCG−450)を用いてパターン形成した。このとき、塗布液の最終段フィルターの目を1.5μm とした。得られたフィルター層の平均表面粗さRaは青が2nm、緑が2nm、赤が7nm、微小突起の高さは最大でも3μm 以下であった。表面粗さはDigital Instruments社製、nanoscopeにより測定した。また、微小突起は日立社製のGP2100を使用し、かつ日立デコ社製SEMを併用して、200×200mm角の領域内を観察して最大の突起高さを求めたが、3μm 以下は測定不可として、その数を計測するに止めた。
【0129】
その上に、アクリル樹脂を5μm の厚さに塗布し、150℃に加熱して熱硬化し、上記同様のスピンコーターにより塗布し、ベークしてオーバーコート層を形成した。このとき、オーバーコート層塗布液の最終段フィルターの目を0.2μm とした。得られたオーバーコート層の平均表面粗さRaは0.8nm、微小突起の高さは最大でも3μm 以下であった。
【0130】
次に、プラズマCVD法で、SiOxy バリア層を、3μm の厚さに成膜した。このときのSiOxy のxは1.77、yは0.26であった。
【0131】
次に、ITO透明電極(ホール注入電極)を膜厚85nmで64ドット×7ラインの画素(一画素当たり100×100μm )を構成するよう成膜、パターニングした。そして、パターニングされたホール注入電極が形成された基板を、中性洗剤、アセトン、エタノールを用いて超音波洗浄し、煮沸エタノール中から引き上げて乾燥した。その後、UV/O3 洗浄を行った。
【0132】
この透明電極付き基板を、真空蒸着装置の基板ホルダーに固定して、チャンバー内を10-4 Pa以下の減圧状態とした。
【0133】
次に、ホール注入層として、減圧状態を保ったまま、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス[N−(4−メチルフェニル)−N−フェニル(4−アミノフェニル)]−1,1’−ビフェニル−4,4′−ジアミンを蒸音速度0.1nm/secで60nmの厚さに形成した。
【0134】
次いで、減圧状態を保ったまま、ホール輸送層として、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(1−ナフチル)−1,1’−ジフェニル−4.4’−ジアミンを蒸音速度0.1nm/sec で10nmの厚さに形成した。
【0135】
さらに、減圧状態を保ったまま、発光属として下記の化合物1と化合物2を、100:3の体積比率、蒸着速度0.1nm/sec で共蒸着し、40nmの厚さに形成した。
【0136】
【化9】
Figure 0004247016
【0137】
【化10】
Figure 0004247016
【0138】
さらに、減圧状態を保ったまま、発光属として下記の化合物3と化合物4を、100:3の体積比率、蒸着速度0.1nm/sec で共蒸着し、30nmの厚さに形成した。
【0139】
【化11】
Figure 0004247016
【0140】
【化12】
Figure 0004247016
【0141】
次に、電子注入層として、上記IDE120を蒸着速度0.1nm/sec で30nmの厚さに形成した。これら、上部発光層、有機の電子注入層のうち、電子注入層の膜厚を変えることで、総膜厚が表1に示す各サンプルの膜厚となるように形成した。なお、これらの有機層の屈折率n4=1.7であった。
【0142】
次に、減圧状態を保ったまま、電子注入電極としてLiFにMoOを10 mol%混合したものを蒸着速度0.01nm/sec で3nmの厚さにパターン形成した後、配線電極として、Alを蒸着速度1nm/sec で200nmの厚さにパターン形成した。
【0143】
このようにして作製した有機ELカラーディスプレイに直流電圧を印加し、10mA/cm2の一定電流密度で連続駆動させた。有機EL構造体は、駆動電圧18V 、400cd/cm2 の白色の発光が確認できた。青色発光部は、輝度133cd/cm2で、色座標がx=0.15,y=0.20、緑色発光部は、輝度300cd/cm2で、色座標がx=0.35,y=0.53、赤色発光部は、輝度160cd/cm2で、色座標がx=0.60,y=0.38の発光色が得られた。
【0144】
次いで、この有機ELカラーディスプレイについてリーク電流の有無について評価した後、大気中、温度85℃で100時間、10mA/cm2 の一定電流密度でパッシブ駆動させ、ダークスポットを測定した。リーク電流は30Vの電圧印加時に、5μA以上のリーク電流が観測されたものをリークとして測定した。また、ダークスポットの有無は、直径30μm 以上のものをダークスポットとして認識した。結果を表1に示す。
【0145】
【表1】
Figure 0004247016
【0146】
〔実施例2〕
実施例1において、カラーフィルター形成後、オーバーコート層形成前に、バリア層と同様の層を形成した。このとき、第1のバリア層(中間層)を0.5μm とし、第2のバリア層を2.0μm とした。その他は実施例1と同様にして素子を得た。結果を表1に示す。なお、得られたフィルター層の平均表面粗さRaは4nm、微小突起の高さは最大でも3μm 以下であった。また、得られたオーバーコート層の平均表面粗さRaは0.8nm、微小突起の高さは最大でも3μm 以下であった。
【0147】
このような積層構成とすることで、第1のバリア層がカラーフィルターからのアウトガスをある程度抑制することができ、第2のバリア層の膜厚を薄くしても、所定の効果が得られることがわかった。
【0148】
〔実施例3〕
実施例1において、オーバーコート層上にバリア層を形成後、さらにオーバーコート層とバリア層とを形成する作業を繰り返した。このとき、第1のオーバーコート層の膜厚を1.0μm とし、第2のオーバーコート層は、材料に有機系BARC膜材(クラリアント社製、AZ-KrF2)を用い、膜厚0.2μm とした。結果を表1に示す。なお、得られた第2のフィルター層の平均表面粗さRaは4nm、微小突起の高さは最大でも3μm 以下であった。また、得られた第2のオーバーコート層の平均表面粗さRaは0.1nm、微小突起の高さは最大でも3μm 以下であった。
【0149】
このように、バリア層の上にさらに第2のオーバーコート層としての有機層を積層し、さらに層の上にバリア層を積層することで、カラーフィルターからのアウトガスを、第1のバリア層で抑制し、かつ第2のオーバーコート層でさらに拡散吸収するので、第2のオーバーコート層と、第2のバリア層の膜厚がある程度薄くても優れた効果が得られることがわかった。また、第2のバリア層の膜厚が薄くなったことで、膜応力が減少し、その上に積層されるEL構造体とのマッチングが良好となることが解った。
【0150】
〔比較例1〕
実施例1において、カラーフィルター層とオーバーコート層の塗布液最終段フィルターを、目の大きさが5μm のものに代えた他は、実施例1と同様にして素子を作成した。結果を表1に示す。なお、得られたフィルター層の平均表面粗さRaは4nm、微小突起の高さは最大で10μm であった。また、得られたオーバーコート層の平均表面粗さRaは4.4nm、微小突起の高さは最大で10μm であった。
【0151】
表1から明らかなように、本発明の有機ELカラーディスプレイは、非発光面積が比較例のものよりも小さく、保存性、信頼性に優れていることがわかる。
【0152】
【発明の効果】
以上のように、本発明により、信頼性が高く、製造が容易で、しかも低コストの有機EL表示装置、その製造方法、製造装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の有機ELカラーディスプレイの構成例を示す概略断面図である。
【図2】本発明の有機ELカラーディスプレイの第2の構成例を示す概略断面図である。
【図3】本発明の有機ELカラーディスプレイの第3の構成例を示す概略断面図である。
【符号の説明】
11 基板
12 蛍光変換層および/またはカラーフィルター層
13 オーバーコート層
14 バリア層
21 下部電極
22 有機EL
23 上部電極

Claims (13)

  1. 絶縁基板と、この絶縁基板上に少なくとも1種以上の蛍光変換層および/またはカラーフィルター層と、有機物質からなるオーバーコート層と、無機バリア層と、有機EL構造体とを順次有し、
    さらに、前記蛍光変換層および/またはカラーフィルター層と前記オーバーコート層との間に無機バリア層を有する有機EL表示装置。
  2. 絶縁基板と、この絶縁基板上に少なくとも1種以上の蛍光変換層および/またはカラーフィルター層と、有機物質からなるオーバーコート層と、無機バリア層と、有機EL構造体とを順次有し、
    前記オーバーコート層上に形成された無機バリア層上に、さらに有機層と無機バリア層とが積層され、前記有機層の膜厚が前記オーバーコート層よりも薄く形成されている有機EL表示装置。
  3. 前記蛍光変換層および/またはカラーフィルター層の微小突起高さが3μm以下である請求項1または2の有機EL表示装置。
  4. さらに前記蛍光変換層および/またはカラーフィルター層の平均表面粗さRaが50nm以下である請求項1〜3のいずれかの有機EL表示装置。
  5. 前記オーバーコート層の微小突起高さが3μm以下である請求項1〜4のいずれかの有機EL表示装置。
  6. さらに前記オーバーコート層の平均表面粗さRaが5nm以下である請求項1〜5のいずれかの有機EL表示装置。
  7. 前記無機バリア層が耐湿性、防湿性を有する請求項1〜のいずれかの有機EL表示装置。
  8. 前記無機バリア層が酸化物、酸窒化物、窒化物のいずれかである請求項1〜のいずれかの有機EL表示装置。
  9. 前記無機バリア層の平均表面粗さRaが10nm以下である請求項またはの有機EL表示装置。
  10. 前記カラーフィルター層はその色度が膜厚を調整することによって有機EL素子の発光スペクトルに合わせて調整されている請求項1〜のいずれかの有機EL表示装置。
  11. 前記カラーフィルタの顔料の粒度が1.5μm 以下である請求項1〜10のいずれかの有機EL表示装置。
  12. 前記オーバーコート層の材料がアクリルを主成分とした有機物である請求項1〜11のいずれかの有機EL表示装置。
  13. カラーフィルターの顔料または蛍光変換層の蛍光材の平均粒径が1.5μm以下である請求項1〜12のいずれかの有機EL表示装置。
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