JP2008108563A - パッシベーション層の製造方法及びその製造装置 - Google Patents

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Abstract

【解決課題】 ダークスポットの発生を抑制するパッシベーション膜の形成方法を提供する。
【解決手段】 基板上に、少なくともカラーフィルタ層と、色変換層と、平坦化層と、第1電極と、有機発光層を含む有機EL層と、第2電極とを順次備えた有機EL素子において、前記カラーフィルタ層、色変換層および/または平坦化層に内在する水分の浸透による前記有機EL層の劣化を防止するためのパッシベーション層の製造方法であって、前記平坦化層上に、未処理パッシベーション膜(14、19)を形成する工程と、前記未処理パッシベーション膜を研磨して前記パッシベーション層(18、20)を得る研磨工程とを含むパッシベーション層の製造方法である。
【選択図】 図1

Description

本発明はパッシベーション層の製造方法、および、該パッシベーション層を含む有機EL素子に関する。
有機ELディスプレイパネルのカラー化方式の一つに、基板上にカラーフィルタ等を形成し、これを利用して有機発光層からの光を赤、緑、青の3原色に分離あるいは3原色を発生させる方式がある。
この方法では、基板上に、カラーフィルタ等を形成するので段差が生じ、その上に、透明電極および補助配線を形成した場合には、透明電極および補助配線がショートまたは切断する危険性がある。これを回避する方法としては平坦化を設ける方法が一般的である。また平坦化層を研磨し平坦化層表面をより平坦にし、電極のショート及び断線を防ぐ方法等も提案されている(例えば、特許文献1を参照。)。
平坦化層を形成した後、ITO電極等を形成する場合、ディスプレイ駆動時に発生する熱等により、有機層中の水分や有機溶媒成分が揮発し、ガスとして放出されるので、発光素子機能が劣化し、信頼性が低下するという問題があった。この問題を解決するため、基板と有機EL構造体との間に酸化ケイ素からなるパッシベーション層を形成する方法が示され(例えば、特許文献2を参照。)、また、パッシベーション層として、窒化珪素を用いる方法が示されている。
また、酸化珪素、酸窒化珪素等の積層構造等の方法もある(例えば、特許文献3を参照。)。
パッシベーション膜に要求される性能として、高い防湿性、高い平坦性、基板と有機EL構造体との屈折率差の小ささ、高い生産性が要求される。
防湿性を低下させる要因として、ピンホール形成を挙げることができる。ピンホール形成は、基板の搬送中にチャンバー内のパーティクルが飛散し基板に付着する現象や、パッシベーション膜をスパッタ法によって製膜しているときに異常放電が発生することによりターゲット上のパーティクルが高いエネルギーで基板に衝突すること等により発生する。また、異常放電の発生によりパーティクルが基板に付着し、パッシベーション膜の表面平坦性(平均表面粗さRa)やPeak−to−Valley値が大きくなる。
また、パッシベーション膜の表面に、主にスパッタ中の異常放電に起因して形成されるおよそ10nm以上の突起が、陽極−陰極間の短絡の原因となる。
これらピンホールや突起は、ダークスポットという有機ELディスプレイパネルの欠陥となるという問題があった。
特開2004−46110号公報 特開平11−260562号公報 特開平2002−134268号公報
本発明の目的は、上記現状に鑑み、ダークスポットの発生を抑制するパッシベーション膜の形成方法および製造装置を提供することにある。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものである。すなわち、本発明に係るパッシベーション層の製造方法は、基板上に、少なくともカラーフィルタ層と、色変換層と、平坦化層と、第1電極と、有機発光層を含む有機EL層と、第2電極とを順次備えた有機EL素子において、前記カラーフィルタ層、色変換層および/または平坦化層に内在する水分の浸透による前記有機EL層の劣化を防止するためのパッシベーション層の製造方法であって、前記平坦化層上に、未処理パッシベーション膜を形成する工程と、前記未処理パッシベーション膜を研磨して前記パッシベーション層を得る研磨工程とを含む。
本発明に係るパッシベーション層の製造装置は、スパッタ法により未処理パッシベーション膜を形成するスパッタ部と、前記未処理パッシベーション膜を研磨テープにより研磨する真空排気可能な研磨部とを独立に備え、前記スパッタ部と前記研磨部とが真空排気可能な搬送部により連結されている装置であって、前記スパッタ部は、被積層面を有する試料を鉛直に固定する手段と、前記被積層面に未処理パッシベーション膜を形成するスパッタ手段とを備え、前記搬送部は、未処理パッシベーション膜を形成した試料を鉛直に保持して、スパッタ部と同等の真空度に保持された研磨部に搬送する手段を備え、前記研磨部は、前記鉛直に保持された試料面上に形成された未処理パッシベーション膜を研磨テープにより研磨する手段を備える。
本発明によれば、ダークスポットの発生を抑制した有機EL層を得ることができる。
本発明のポイントは、第1の未処理パッシベーション膜製膜中に付着するパーティクルや、異常放電の発生により起こる膜欠陥を研磨により除去し、その上に第2の未処理パッシベーション膜を製膜することにある。これにより第2の未処理パッシベーション膜の成長は第1の未処理パッシベーション膜とは分離され、第1の未処理パッシベーション膜と第2の未処理パッシベーション膜との両方に欠陥等があったとしても、両方のパッシベーション膜を貫通するピンホールや膜欠陥が発生しないようにすることができる。
本発明のパッシベーション層の製造方法は、基板上に、少なくともカラーフィルタ層と、色変換層と、平坦化層と、パッシベーション層と、第1電極と、有機発光層を含む有機EL層と、第2電極とを順次備えた色変換方式のボトムエミッション型有機EL素子の製造工程の一部として好適に用いることができる。
本発明のパッシベーション層の製造方法について、図1に示すように、まず、ガラス基板11上にシャドーマスクを形成した後、RGBの3色を発光させるための色変換層12をフォトプロセスで形成する。色変換層12の段差を埋めるためにアクリル系の平坦化層13で平坦化する。
本発明のパッシベーション層の製造方法は、次に、上記平坦化層を支持体13として、該支持体13上に第1の未処理パッシベーション膜14を形成する工程を含むものである(図1(a))。支持体は、パッシベーション層を積層する対象であり、鉛直に保持されている。未処理パッシベーション膜の形成法としては、CVD法、塗布法、スパッタ法等を採用することができる。特にスパッタ法は、マグネトロンスパッタ装置を用いてシリコンをターゲットとした反応性スパッタにより行う。この際に平坦化層と第1の未処理パッシベーション層14との密着性を確保するために平坦化層表面をUV照射等により改質してもよい。
本発明のパッシベーション層の製造方法は、次に、上記第1の未処理パッシベーション膜14を研磨して(図1(b))、パッシベーション層18を得る研磨工程を含むものである。
未処理パッシベーション膜の表面を均一に研磨する方法としては、研磨材を使用する方法、イオンミリング法、研磨テープを押しつける方法等種々あるが、研磨テープを用いた方法で説明する。
研磨テープを用いた研磨は、未処理パッシベーション膜14上に研磨テープ15を押しつけ用ローラー16によって押しつけ、該押しつけ用ローラー16を左右に回転移動17することにより行うことができる。
研磨テープの材質としては、例えば、ポリウレタンフィルム、PETフィルム等を母材とした不織布上に、#600〜10000の研磨剤を特殊接着剤で塗布したものを採用することができる。特殊接着剤としては、研磨剤を良好に分散できるものであれば特に限定されないが、例えば、ポリウレタン樹脂系接着剤を採用することができる。
研磨テープの押付け圧は、通常、5g/cm2〜50g/cm2である。
上記研磨工程における研磨の深さは、上記未処理パッシベーション膜14の平均表面粗さRaより大きいことが好ましい。 上記未処理パッシベーション膜の平均表面粗さRaは、製膜条件にもよるが、窒素とアルゴンのガス比1:3、ガス圧0.5Pa、スパッタパワー密度2W/cm2の条件では、通常、0.5nm〜5nmである。なお、平均表面粗さRaは、JIS B 0601(表面粗さ)に準拠して、触針式表面粗さ測定機を用いて、被測定面の垂直断面に現れる微小凹凸の輪郭の断面曲線を測定し、250μm長さの範囲内で平均線から山頂の高さの大きいものから5番目までと、谷底の深さの大きいものから5番目までの距離の差の平均値として算出する。研磨の深さは、触針式表面粗さ測定機を用いて段差測定から確認できる。
次いで第1のパッシベーション層上に、前記未処理パッシベーション膜を形成する工程(図1(c))と前記研磨工程(図1(d))とを交互に行って、第2のパッシベーション層20を形成し(図1(e))、2層以上の積層構造を有するパッシベーション層1を得てもよい。
パッシベーション層を積層構造とし、各パッシベーション膜を形成するごとに表面を研磨し、ピンホールの起点となるパーティクルを除去し、表面を平滑にすることで、ダークエリア、ダークスポットの抑制をすることができる。
本発明のパッシベーション層の製造方法によれば、環境温度85℃、湿度90%、初期面輝度100cd/m2での100時間連続点灯試験の後において、直径が10μmを超えるダークスポットの個数を2000mm×2000mmの範囲で好ましくは、30個以下、より好ましくは、20個以下とすることができる。
未処理パッシベーション膜の研磨工程の後には洗浄を行い表面の清浄化を行ってもよい。
未処理パッシベーション膜の形成手段と研磨手段とを備えたパッシベーション層の製造装置もまた、本発明の1つの態様である。
上述したように未処理パッシベーション膜は、例えば、スパッタ法で形成し、前記未処理パッシベーション膜の研磨は、例えば、テープ研磨で行うことができるが、研磨時に発生する粉塵の影響を避けるため、図2に示すように、スパッタ部21と研磨部23とを独立に設け、前記未処理パッシベーション膜を形成する試料24は、スパッタ部21と研磨部23とを連結する搬送部22を介して移動する構成が望ましい。
スパッタ部は、RFスパッタリングを行うため、試料を鉛直に保持する手段と、試料に対向してターゲット25を装着可能なターゲット保持手段と、前記試料とターゲットとの間に電圧を印加するための手段と、一定圧力のスパッタガスを供給する手段とを備えたパッシベーション層形成手段と、試料24を搬送部22内へ送り出す、図示しない移動手段とを備え、
搬送部22は、真空排気可能で、試料の搬入および搬出時に真空度を一定に保持する手段と、鉛直に保持された試料を保持する手段を備え、
研磨部23は、真空排気可能で、外縁部に研磨テープ27を固定可能なローラー28と、前記研磨テープ27をパッシベーション層の被処理面に押しあてながら被処理面に並行にローラーを移動させるローラー並進手段と、搬送部より試料を受け入れる際に真空度を一定に保持する手段と、搬送部22より試料を引き出す移動手段とを備える。
望ましい真空度としては、0.05Pa〜0.5Paである。
上記搬送部22と研磨部23が、真空度を一定に保持する手段を備えることにより、隣り合う部屋間での搬送が容易になり、また、低真空度の部屋からの異物の拡散を防止することができる。
本発明の有機EL素子は、色変換方式のボトムエミッション型有機EL素子である場合、平坦化層上に、パッシベーション層と、第1電極(透明電極)と、有機EL層と、第2電極とを順次形成して製造することができる。
平坦化層は、上述したように、透明電極および補助配線がショートまたは切断しないように、基板上への各層の形成によって生じた段差を埋める役割を有する。
平坦化層の材質としては、エポキシ変性アクリレートのほか、シリコーン、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエーテルサルホン、ポリビニルブチラール、ポリフェニレンエーテル、ポリアミド、ポリエーテルイミド等が挙げられる。
パッシベーション層は、ディスプレイ駆動時に発生する熱等により主に平坦化層から揮発した有機層中の水分や有機溶媒成分が発光素子を劣化させるのを防止する機能を有する層である。
パッシベーション層の材質として例えば、窒化珪素、酸化珪素、および/または、酸窒化珪素が好ましく用いられる。
第1電極は、透光性導電性材料からなる膜であり、例えば、In−Tin酸化物(ITO)、In−Zn酸化物(IZO)等が好ましく用いられる。第2電極は、Mg/Ag、AlLi、Al等の導電性かつ反射性の材料を用いることが好ましい。
第2電極は、有機EL層の第1電極と反対側の表面に直接、あるいは上記保護膜を介して形成される。
有機EL層は、正孔注入層、正孔輸送層、有機発光層、電子輸送層、電子注入層から構成することができるが、該構成には特に限定されず、第1電極および第2電極に電圧が印加されることによって生じる正孔および電子が再結合することで発光する有機発光層を少なくとも含む構造であればよい。具体的には、有機EL層は、例えば、以下に示すような構造が挙げられる。
(1)有機発光層
(2)正孔注入層/有機発光層
(3)有機発光層/電子輸送層
(4)正孔注入層/有機発光層/電子輸送層
(5)正孔注入層/正孔輸送層/有機発光層/電子輸送層
(6)正孔注入層/正孔輸送層/有機発光層/電子輸送層/電子注入層
有機EL層における各層の材料としては、特に限定されるものではなく公知のものを使用することが可能である。有機発光層の材料は、所望する色調に応じて選択することが可能であり、例えば青色から青緑色の発光を得るためには、ベンゾチアゾール系、ベンゾイミダゾール系、ベンゾオキサゾール系等の蛍光増白剤、金属キレート化オキソニウム化合物、スチリルベンゼン系化合物、芳香族ジメチリディン系化合物等を使用することが可能である。
電子注入層の材料としては、Li、Na、K、またはCs等のアルカリ金属;Ba、SI等のアルカリ土類金属;希士類金属;あるいはそれらのフッ化物、アルミキレート(Alq)等を使用することが可能であるが、これらに限定するものではない。さらに、電子輸送層の材料としては、Alq3、ベンズアズールを使用することが可能であるが、これらに限定するものではない。
正孔注入層としては、銅フタロシアニンを使用することが可能であるが、これに限定するものではない。正孔輸送層としては、4,4’−ビス[N−(l−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル、トリフェニルジアミン(TPD)等を使用することが可能であるが、これに限定するものではない。
有機EL層の、第1電極と反対側の面には、ダイヤモンドライクカーボン膜、アモルファスカーボン膜等からなる図示しない保護膜を設けてもよい。
以下に平坦化層以降のプロセスに関する具体的な実施例で示す。
実施例1
平坦化層表面にUV処理を行い表面改質を行った。その後RFスパッタ装置を用いてシリコンをターゲットとして反応性スパッタを行い、酸化珪素を含む第1の未処理パッシベーション膜を厚さにして150nm形成した。製膜は、スパッタガスとして酸素およびアルゴンを用い、分圧比1:3として0.5Paでスパッタパワー密度2W/cm2の条件で行った。このとき第1の未処理パッシベーション膜の平均表面粗さRaは0.85nmであった。
次に、スパッタ部の真空度と搬送部の真空度を0.1Paにそろえて、試料を搬送部に移動し、つぎに、搬送部と研磨部の真空度を0.1Paにそろえて、試料を研磨部に移動し保持体に保持した。
その後、第1の未処理パッシベーション膜の表面を母材がPETフィルム、研磨材WA#10000の研磨テープを用いて10g/cm2の押付け圧で研磨し、第1のパッシベーション層を得た。この時研磨の深さが第1の未処理パッシベーション膜の平均表面粗さRaよりも大きくなるように2.0nm研磨を行った。
次に、試料をスパッタ部から研磨部に移動したのと逆の手順で、試料を研磨部よりスパッタ部に移動し、第2の未処理パッシベーション膜の形成、その後の第2の未処理パッシベーション膜の研磨を以下のように行った。
すなわち、第1の未処理パッシベーション膜と同様に、RFスパッタ装置を用いてシリコンをターゲットとして反応性スパッタを行い、第1のパッシベーション層上に酸化珪素を含む第2の未処理パッシベーション膜を厚さにして150nm形成した。製膜は、スパッタガスとして酸素およびアルゴンを用い、分圧比1:3として0.5Paで、スパッタパワー密度2W/cm2の条件で行った。このとき第2の未処理パッシベーション膜の平均表面粗さは1.00nmであった。その後第2の未処理パッシベーション膜の表面を母材がPETフィルム、研磨材WA#10000の研磨テープを用いて10g/cm2の押付け圧で研磨し第2のパッシベーション層を得た。この時研磨の深さが第2の未処理パッシベーション膜の平均表面粗さRaよりも大きくなるように2.0nm研磨を行った。
実施例2
平坦化層表面にUV処理を行い表面改質を行った。その後RFスパッタ装置を用いてシリコンをターゲットとして反応性スパッタを行い、窒化珪素を含む第1の未処理パッシベーション膜を厚さにして150nm形成した。製膜は、スパッタガスとして窒素とアルゴンを用い、分圧比1:3として0.5Paでスパッタパワー密度2W/cm2の条件で行った。このとき第1の未処理パッシベーション膜平均表面粗さRaは0.90nmであった。
次に、スパッタ部の真空度と搬送部の真空度を0.1Paにそろえて、試料を搬送部に移動し、つぎに、搬送部と研磨部の真空度を0.1Paにそろえて、試料を研磨部に移動し保持体に保持した。
その後、第1の未処理パッシベーション膜の表面を母材がPETフィルム、研磨材WA#10000の研磨テープを用いて10g/cm2の押付け圧で研磨し、第1のパッシベーション層を得た。この時研磨の深さが第1の未処理パッシベーション膜の平均表面粗さRaよりも大きくなるように2.0nm研磨を行った。
次に、試料をスパッタ部から研磨部に移動したのと逆の手順で、試料を研磨部よりスパッタ部に移動し、第2の未処理パッシベーション膜の形成、その後の第2の未処理パッシベーション膜の研磨を以下のように行った。
すなわち、第1の未処理パッシベーション膜と同様に、RFスパッタ装置を用いてシリコンをターゲットとして反応性スパッタを行い、第1のパッシベーション層上に窒化珪素を含む第2の未処理パッシベーション膜を厚さにして150nm形成した。製膜は、スパッタガスとして窒素とアルゴンを用い、分圧比1:3として0.5Paで、スパッタパワー密度2W/cm2の条件で行った。このとき第2の未処理パッシベーション膜の平均表面粗さは0.95nmであった。その後第2の未処理パッシベーション膜の表面を母材がPETフィルム、研磨材WA#10000の研磨テープを用いて10g/cm2の押付け圧で研磨し第2のパッシベーション層を得た。この時研磨の深さが第2のパッシベーション層の平均表面粗さRaよりも大きくなるように2.0nm研磨を行った。
比較例1
平坦化層表面にUV処理を行い表面改質を行った。その後RFスパッタ装置を用いてシリコンをターゲットとして反応性スパッタを行い、酸化珪素を含む第1の未処理パッシベーション膜を厚さにして150nm形成した。製膜は、スパッタガスとして酸素およびアルゴンを用い、分圧比1:3として0.5Paでスパッタパワー密度2W/cm2の条件で行った。このとき第1の未処理パッシベーション膜の平均表面粗さは0.95nmであった。
その後、研磨を行うことなく第1の未処理パッシベーション膜と同様に、RFスパッタ装置を用いてシリコンをターゲットとして反応性スパッタを行った。スパッタガスとして酸素およびアルゴンを用い分圧比1:3として0.5Paで2W/cm2のスパッタパワー密度で第2の未処理パッシベーション膜として酸化珪素膜を150nm形成した。このとき第2の未処理パッシベーション膜の平均表面粗さは1.20nmであった。
比較例2
平坦化層表面にUV処理を行い表面改質を行った。その後RFスパッタ装置を用いてシリコンをターゲットとして反応性スパッタを行い、窒化珪素を含む第1の未処理パッシベーション膜を厚さにして150nm形成した。製膜は、スパッタガスとして窒素とアルゴンを用い、分圧比1:3として0.5Paでスパッタパワー密度2W/cm2の条件で行った。このとき第1の未処理パッシベーション膜の平均表面粗さは1.00nmであった。
その後、第1の未処理パッシベーション膜と同様に、RFスパッタ装置を用いてシリコンをターゲットとして反応性スパッタを行い、第1のパッシベーション層上に窒化珪素を含む第2の未処理パッシベーション膜を厚さにして150nm形成した。製膜は、スパッタガスとして窒素とアルゴンを用い、分圧比1:3として0.5Paで、スパッタパワー密度2W/cm2の条件で行った。このとき第2の未処理パッシベーション膜の平均表面粗さは1.35nmであった。
上記実施例1,2及び比較例1,2のように酸化ケイ素膜及び窒化ケイ素膜のパネルを作成し、環境温度85℃、湿度90%において、初期面輝度100cd/m2で連続点灯試験を行い、20時間後、100時間後のダークスポットの発生数を比較した。ダークスポットの数は、その直径が10μmを越えた時点で顕微鏡を用いた目視計数を行った。計数は、2000mm×2000mmの範囲で行った。
Figure 2008108563
実施例1及び実施例2で作成したサンプルにおいて比較例1及び比較例2に比べてダークスポットの発生を抑制することができた。
本発明の有機EL素子におけるパッシベーション層の形成手順を示す模式的断面図である。 本発明のパッシベーション層の製造装置におけるスパッタ部、搬送部、および、研磨部の連携を示す模式的断面図である。
符号の説明
1 積層構造のパッシベーション層
11 基板
12 カラーフィルタ/色変換層積層体
13 支持体(平坦化層)
14 第1の未処理パッシベーション膜
15 研磨テープ
16 研磨テープ押しつけ用ローラー
17 テープ移動方向
18 第1のパッシベーション層
19 第2の未処理パッシベーション膜
20 第2のパッシベーション層
21 スパッタ部
22 搬送部
23 研磨部
24 試料
25 ターゲット
26、30 試料保持部
27 研磨テープ
28 ローラー
29 テープリール

Claims (5)

  1. 基板上に、少なくともカラーフィルタ層と、色変換層と、平坦化層と、第1電極と、有機発光層を含む有機EL層と、第2電極とを順次備えた有機EL素子において、前記カラーフィルタ層、色変換層および/または平坦化層に内在する水分の浸透による前記有機EL層の劣化を防止するためのパッシベーション層の製造方法であって、
    前記平坦化層上に、未処理パッシベーション膜を形成する工程と、
    前記未処理パッシベーション膜を研磨して前記パッシベーション層を得る研磨工程と、
    を含むパッシベーション層の製造方法。
  2. 前記研磨工程における研磨の深さが、前記未処理パッシベーション膜の平均表面粗さRaより大きいことを特徴とする請求項1に記載のパッシベーション層の製造方法。
  3. 前記未処理パッシベーション膜を形成する工程と前記研磨工程とを交互に行って2層以上の積層構造を有する前記パッシベーション層を得ることを特徴とする請求項1または2に記載のパッシベーション層の製造方法。
  4. 未処理パッシベーション膜をスパッタ法で形成するスパッタ部と、前記未処理パッシベーション膜を研磨テープにより研磨する真空排気可能な研磨部とを独立に備え、
    前記スパッタ部と前記研磨部とが真空排気可能な搬送部により連結されていることを特徴とするパッシベーション層の製造装置。
  5. 前記スパッタ部、研磨部、および搬送部において、基板を鉛直に保持して膜形成およびテープ研磨、および搬送を行うことを特徴とする請求項4に記載のパッシベーション層の製造装置。
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