JP2008157986A - 有機elディスプレイの製造方法および該製造方法により製造される有機elディスプレイ - Google Patents

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Abstract

【課題】安価に製造でき、且つ、つなぎ目が目立たないようにした、大型の有機ELディスプレイパネルを供給することを目的とする。
【解決手段】(1)表示パネル部となる基板と非パネル部の基板を準備し、これらを基板ホルダー上に連結させる工程と、(2)前記表示パネル部となる基板上に、少なくとも第1電極と、当該第1電極に対向配置された第2電極と、前記第1および第2電極間に配置された有機EL層とを形成する工程と、(3)少なくとも第1電極、第2電極および有機EL層を形成した、前記表示パネル部となる基板と非パネル部の基板を分離し、パネル部となる基板のみをつぎ合わせることにより有機ELディスプレイを形成する工程を含む大画面有機ELディスプレイの製造方法。本発明は、この製造方法により製造された大画面有機ELディスプレイを包含する。
【選択図】図2

Description

本発明は、高精彩で、耐環境性および生産性に優れた有機ELディスプレイの製造方法およびその製造方法により製造される有機ELディスプレイに関する。特に本発明は、大画面の有機ELディスプレイの製造方法およびその製造方法により製造される有機ELディスプレイに関する。
1987年にイーストマンコダック社のC.W.Tangにより2層積層構成のデバイスで高い効率の有機EL素子が発表されて以来(C.W.Tang, S.A.VanSlyke, Appl. Phys. Lett. 51, 913(1987))、現在に至る間に様々な有機EL素子が開発され、携帯端末などに一部実用化され始めている。さらに液晶に比べて視野角依存性が小さいことから大型パネルへの適用も検討されている。
有機ELディスプレイのカラー化の方法には、3色塗分け法、色変換法(以下CCM法)、カラーフィルタ法などがある。この方式の中で、CCM法、カラーフィルタ法は、成膜時にメタルマスクを用いる必要が無く、色変換層やカラーフィルタはフォトプロセスで基板上に作製すればよいため大面積、高精細化に関して有利である。
また、有機EL素子を用いた表示装置にはパッシブマトリックス表示装置とアクティブマトリックス表示装置がある。前者は複数の陽極ラインと複数の陰極ラインが交差した画素位置に発光層が形成されており、各画素は1フレーム期間中に選択された時間だけ点灯する。この表示装置は構造が単純であり製造コストが安価である。しかし、この表示装置は画素が多くなると選択時間が短くなるので、駆動電圧を高くし、瞬間輝度を高くする必要がある。また、有機EL素子は電流駆動であるため、大画面になると配線抵抗による電圧降下が大きく、駆動電圧を高くしなければならないという弊害を生じる。一方、アクティブマトリックス表示装置は、各画素にTFTのスイッチング素子が接続されているため1フレーム期間中に全点灯することができる。そのため電流を抑えることができ、ひいては寿命を延ばすことができ有望である。しかし、この表示装置ではTFTを用いることから製造コストがかり、これを削減しなければならないとうい課題がある。以上のことから大型パネルを安価に製造するには小型のパッシブマトリックス・パネルをつなぎ合わせることが望ましい。
ここで、このようなつなぎ合わせ方式を用いる場合、小型パネルを一枚ごと作製するとスループットが悪いため、大面積の一枚の基板から多数個の小型パネルを形成することが必要となる。具体的な操作としては、図1(A)に示すように、大面積の基板に多数の表示パネル部102を作製した後、個々に切断し、駆動ICなどに接続した後、再度つなぎ合わせることが必要となる。また、屋外などに用いる大型パネルの場合にも、一枚の基板で作ることは不可能であるため、図2(B)に示すように、複数のパネル102をつなぎ合わせることが必要となる。
パネル同士を継ぎあわせて大型のパネルを作製するには、大面積の基板から複数のパネルを作り分割する場合(図1(A))も、複数の基板をつなぎ合わせる場合(図1(B))にも、基板の不要な部分104を切り落とし、必要に応じて端部を研磨し、次いでパネル102を再度つなぎ合わせることが必要となる。また、小型パネル同士のつなぎ目を目立たなくすることも必要である。
例えば、特許文献1には、表示パネルの端面のうち、他の表示パネルと接合する端面をレーザーにより割断し、有機EL層を形成した後、パネルを接合するタイリング型表示装置が開示されている。
また、特許文献2には、エレクトロルミネセンス表示パネルにおいて、該表示パネルがいずれかのパネルの辺の一部に少なくとも供電部の軸方向の長さ分だけ外側に突出した突出部を設け、この突出部により、該表示パネルを複数枚連結した場合に連結部の継ぎ目を目立たないようにすることが開示されている。
また、特許文献3には、タイル式電気光学画像形成デバイスにおいて、各二次元画素アレイおよび少なくとも1つの非直線の縁部を有する2またはそれ以上のタイルを含み、隣接タイルの画素がその非直線の縁部に沿って互いにかみ合わされるように、該タイルの縁部同士を突き合わせて整列させ、これにより隣接タイル間の直線継ぎ目の視認性を減少させた表示装置が開示されている。
特開2002−372928号公報 特開2005−123153号公報 特開2004−046164号公報 C.W.Tang, S.A.VanSlyke, Appl. Phys. Lett. 51, 913(1987)
従来のような、素子および配線が形成されている基板を、寸法精度を保ち、つなぎ目を目立たせる切断面の欠け(チッピング)などがないように切断することは非常に難しい。また、チッピング除去のために研磨加工などを行うと、取り出し電極などの剥離やバリア層や封止部の損傷により、有機EL素子内部へ水分などの浸入がおこる。さらに、切断した基板から、形成された表示パネル部を、研削・研磨加工で寸法精度を満たすように加工することは難しく、また時間もかかるので、量産は不可能である。切断した基板に対する表示部となるパネル部の相対位置を割り出さなければならないからである。
上述した理由から、予め表示部となるパネル部を形成し、必要な寸法に分割・切り出しをするために非表示部を切断し、パネル部を研磨し、次いでつなぎ合わせることは量産的に難しい。また、複数のパネル部を連結した際につなぎ目を目立たないようにすることも必要である。
したがって、本発明は、安価に製造でき、且つ、つなぎ目が目立たないようにした、大型の有機ELディスプレイパネルを供給することを目的とする
本発明は、複数の表示パネル部を連結した際につなぎ目を目立たないようにする大画面有機ELディスプレイの製造方法に関する。この方法は、(1)表示パネル部となる基板と非パネル部の基板を準備し、これらを基板ホルダー上に連結させる工程と、(2)前記表示パネル部となる基板上に、少なくとも第1電極と、当該第1電極に対向配置された第2電極と、前記第1および第2電極間に配置された有機EL層とを形成する工程と、(3)少なくとも第1電極、第2電極および有機EL層を形成した、前記表示パネル部となる基板と非パネル部の基板を分離し、パネル部となる基板のみをつぎ合わせることにより有機ELディスプレイを形成する工程を含む。
本発明では、前記表示パネル部となる基板と前記非パネル部の基板の、端部のチッピングの幅が20μm以下となるように研磨されていることが好ましい。
また、本発明では、前記表示パネル部となる基板のつなぎ合わせにおいて、この基板と同じ屈折率の充填材を接合部に用いることが好ましい。
本発明は、本発明の大画面有機ELディスプレイの製造方法により製造される大画面有機ELディスプレイを包含する。
本発明によればつなぎ目が目立たないように安価な大型のパネルを供給することができる。
大画面の有機ELディスプレイを製造するに際し、予め表示部となるパネル部を形成し、必要な寸法に分割・切り出しをする方法があるが、この方法では、表示パネル部と非表示部を、ダイヤモンドカッターや超鋼ホイールによって、機械的に切断する必要がある。この際、切断された基板端面にチッピングなどが数百μmの幅で生じてしまう。そのため、複数の表示パネル部をつなぎ合わせた場合、つなぎ目がわかってしまい好ましくない。また、大面積の基板に作られた表示パネル部を切断するには、基板上に既に積層された有機膜等があるため切断しにくく、所定の寸法精度も得がたい。
このため、本発明では、電極、有機EL層等の素子部を形成してから基板を切断するのではなく、事前に所定の寸法精度を有し、端面処理をした基板を用い、この基板を、基板ホルダーにセットして複数枚の基板を連結して一枚の基板として成膜プロセスを行う。
本発明の有機ELディスプレイの製造方法は、(1)表示パネル部となる基板と非パネル部の基板を準備し、これらを基板ホルダー上に連結させる工程と、(2)前記表示パネル部となる基板上に、少なくとも第1電極と、当該第1電極に対向配置された第2電極と、前記第1および第2電極間に配置された有機EL層とを形成する工程と、(3)少なくとも第1電極、第2電極および有機EL層を形成した、前記表示パネル部となる基板と非パネル部の基板を分離し、パネル部となる基板のみをつぎ合わせることにより有機ELディスプレイを形成する工程を含む。
以下に本発明を、図面を参照しながら説明する。
第1の工程では、表示パネル部となる基板と非パネル部の基板を準備し、これらを基板ホルダー上に連結させる(図2の200および202)。
まず、図3および図4を参照しながら、一枚の基板を複数つなぎ合わせて大型のひとつのパネルを作製する製造方法を例に説明する。なお、図3では、大面積の一枚の基板に複数の表示パネル部を形成し、これをつなぎ合わせる例であり、図4は、一枚の基板に表示パネル部を形成し、これを複数つなぎ合わせる例である。
パネルを作製するには、基板の隅々まで素子や配線を形成することはできない。ハンドリングや切断代が必要だからであり、基板の外側から数mmは不要な部分(本明細書において、非パネル部とも称する)が生じる。従来の有機ELディスプレイの製造方法では、この不要な部分の除去が必要となってしまう。
本発明では表示パネル部302と不要領域である非パネル部の基板をそれぞれ準備し、これらを基板ホルダー306にセットし、一枚の基板とする。なお、図3では、非パネル部の形状を図面縦方向に4枚の基板と、図面横方向の18枚(3×6枚)として記載したが、本発明はこれに限定されず、表示パネル部302が所定の配置に設置できれば、いかなる形状の非パネル部としてもよい。例えば、非パネル部の形状を図面縦方向に20枚(4×5枚)の基板と、図面横方向の6枚としてもよい。
各々の基板は端面のチッピングを除去するための端面処理をすることにより、つなぎ合わせたときにつなぎ目がわからないようにすることが可能であり、本発明では、このようにすることが好ましい。
本発明では、基板上にフォトリソグラフィに必要な位置決め用のマーカー(図示せず)を設けることが好ましい。
まず、表示パネル部および非パネル部の基板の作製について説明する。基板には厚さ0.2〜1mmのガラス基板を用いることができる。また、ガラス基板に限らずポリカーボネイト、アクリル樹脂などのような透明な材料も利用可能である。
基板の端面には、チッピングのない端面を形成するためのダイヤモンド砥石、レジン砥石またはビトリファイド砥石により、端面仕上げ研磨加工が施される。これは寸法精度をも満足するようにおこなわれる。特に#500番以上の細かな砥粒を有する砥石での研磨加工が望ましい。基板端部のチッピングは20μm以下に処理することが望ましい。また、このとき研磨角度は0から45度が望ましい。その後洗浄・乾燥を経て表示パネル部および非パネル部の基板を得ることができる。
次に、得られた基板302、304を、図5に示すような基板ホルダー306に隙間のないようにセットし、固定する。なお、図5では、簡便のため、表示パネル部および非パネル部の基板を各1枚を保持した図を示したが、本発明では、図3(A)および図4(B)に示したように、所定の数の表示パネル部および非パネル部の基板をセットすることができる。
基板ホルダは、表示パネル部および非パネル部の基板の端面のみを保持するのではなく、図5に示すように、基板の端面と底面を保持するようなものであることが好ましい。基板ホルダーは、セラミックまたは金属により成り、基板どうしがずれないように固定できるように押さえ機構(基板押さえ)502を有したものが望ましい。また、基板押さえ502は、複数箇所に設けることができる。さらに固定を強固にするためホルダー側に接着剤を少量用いることも可能である。接着剤を用いる場合には、各基板を分割する際に有機溶媒で接着剤を溶解すればよい。
次に、第2の工程では、基板ホルダーに把持された基板に、位置決め用マーカーの形成、並びに、カラーフィルター、色変換層、平坦化層、第1バリア層、第1電極、有機EL層、第2電極層、第2バリア層を順次積層し、取り出し電極部のみ第2バリア層を除去し、表示パネル部を形成する(図2の204)。なお、本発明では、カラーフィルター、色変換層、平坦化層、第1バリア層、および第2バリア層は任意要素であり、必要に応じて設ければよい。また、カラーフィルターおよび色変換層は、カラー有機ELディスプレイを製造する場合に設ける。
以下に、ボトムエミッション方式の色変換方式のカラー有機ELディスプレイを例に取り、本発明を説明するが、トップエミッション方式の有機EL素子に対しても適用が可能である。
図3(A)または図4(A)に示したように、所定の寸法、端面仕上げを施した表示パネル部および非表示部の基板302、304を基板ホルダー306にセットする。この基板ホルダーごと成膜プロセスをに供給し、表示パネル部の成膜プロセスを実施する。表示パネル部の成膜法は特に限定されず、従来の方法をそのまま用いればよい。以下に、表示パネル部の形成についての概略を説明する。以下の説明における、各層に使用可能な材料、各層の条件、成膜条件などは、一例であり、本発明はこれらに限定されることなく、従来の材料、各種条件(成膜条件、膜厚等)を用いることができる。
まず、基板ホルダー306によって一体化された基板の上にブラックマトリックスを格子状にフォトプロセスにより形成する。その際、次工程以降の位置決め用にマーカーも形成する。ブラックマトリックスの材料は、従来から用いられているものをそのまま使用することができる。カーボンブラック分散型のレジスト材料(例えば、カラーモザイクCK7800(富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ(株)製)など)や、酸化クロム等を用いることができる。
次いで、赤、緑、青(以下RGBと略す)の3色を発光させるために基板上にカラーフィルターおよび/または色変換層をフォトプロセスで形成する。このとき、RGB各色の色変換層は有機EL層からの光をそれぞれの色に効率よく変換するために12μm程度の厚さが望ましい。
次に、透明支持基板上に、カラーフィルタ層、色変換層、またはカラーフィルタ層と色変換層との積層体から構成される色変換フィルター層を形成する。本明細書において、色変換フィルター層は、カラーフィルタ層、色変換層、およびカラーフィルタ層と色変換層との積層体の総称である。カラーフィルタ層は、所望される波長域の光のみを透過させる層である。また、色変換層との積層構成を採る場合、色変換層で波長分布変換された光の色純度を向上させるためにカラーフィルタ層は有効である。
色変換フィルター層は、スピンコート法、ロールコート法、キャスト法、ディップコート法などを用いて各層の材料を塗布し、続いてフォトリソグラフ法などを用いてパターニングすることによって形成することができる。
カラーフィルタ層は、たとえば、市販の液晶用カラーフィルタ材料(富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ製カラーモザイクなど)を用いて形成することができる。
色変換層は、色変換色素とマトリクス樹脂からなる層である。色変換色素は、入射光の波長分布変換を行って、異なる波長域の光を放射する色素であり、好ましくは有機発光層からの近紫外光または青色から青緑色の光の波長分布変換を行って、所望の波長域の光(たとえば、青色、緑色または赤色)を放射する色素である。色変換色素としては、赤色光を放射するローダミン系色素、シアニン系色素など;緑色光を放射するクマリン系色素、ナフタルイミド系色素など;青色光を放射するクマリン系色素など、当技術分野で知られている任意のものを用いることができる。
マトリクス樹脂は、光硬化性または光熱併用型硬化性樹脂(レジスト)を光および/または熱処理して、ラジカル種またはイオン種を発生させて重合または架橋させ、不溶不融化させたものである。また、色変換層のパターニングを行うために、該光硬化性または光熱併用型硬化性樹脂は、未露光の状態において有機溶媒またはアルカリ溶液に可溶性であることが望ましい。具体的には、マトリクス樹脂は、(1)アクロイル基やメタクロイル基を複数有するアクリル系多官能モノマーおよびオリゴマーと、光または熱重合開始剤とからなる組成物膜を光または熱処理して、光ラジカルまたは熱ラジカルを発生させて重合させたもの、(2)ボリビニル桂皮酸エステルと増感剤とからなる組成物を光または熱処理により二量化させて架橋したもの、(3)鎖状または環状オレフィンとビスアジドとからなる組成物膜を光または熱処理してナイトレンを発生させ、オレフィンと架橋させたもの、および(4)エポキシ基を有するモノマーと酸発生剤とからなる組成物膜を光または熱処理により、酸(カチオン)を発生させて重合させたものなどを含む。光重合開始剤、増感剤および酸発生剤は、含まれる蛍光変換色素が吸収しない波長の光によって重合を開始させるものであることが好ましい。本発明の色変換層において、光硬化性または光熱併用型硬化性樹脂中の樹脂自身が光または熱により重合することが可能である場合には、光重合開始剤および熱重合開始剤を添加しないことも可能である。
次に、カラーフィルタおよび色変換層上に任意要素である平坦化層を形成する。カラーフィルタおよび色変換層上に第1電極や有機EL層を形成するたには、このカラーフィルタや色変換層により形成された溝を埋めて平坦化するためのアクリル系のレジスト材料などからなるオーバーコート層を形成することが好ましい。平坦化層は、スピンコート法などの湿式法で形成することができるが、表示パネル部の外周部において、平坦化層を取り除くことが好ましい。これは、平坦化層を形成した後にコンタクト電極とフレキシブル基板を接続するため、あるいは、ICを搭載する際の強度を持たせるためである。したがって、平坦化層は、フォトリソグラフ法を用いて外周部を取り除くようにパターニングすることが好ましい。また、平坦化層は外周部においてテーパー形状を有することも必要である。テーパー部は平坦化層端部で、第1電極段切れを防止する目的で形成する。好ましいテーパー部の角度は5〜50度である。
次に、平坦化層上に、任意要素である第1バリア層を設ける。本発明では、平坦化層に残留している微量の水分が有機EL層へ拡散してダークスポットを発生させるのを防ぐために、平坦化層上にバリア層を設けることが好ましい。バリア層としては酸化珪素や窒化珪素などがあげられる。バリア層は、スパッタリング若しくはCVD法により1μm程度の膜厚で形成することが好ましい。
次に、上述のようにして形成した第1バリア層上に、まず、第1電極を形成する。この第1電極は、外部駆動回路との接続部から表示部まで形成される。この第1電極の材料としては、ITO(インジウム(In)−スズ酸化物)、IZO(In−亜鉛(Zn)酸化物)等を用いることができる。特に、In−Zn酸化物は、室温での成膜により比較的低抵抗で平滑な膜が得られ、かつ弱酸によるパターニングが可能となるので好ましい。第1電極は、蒸着法、スパッタ法または化学気相堆積(CVD)法を用いて基板全面に材料を成膜し、その後第1の方向に延びるストライプ状にパターニングして形成される。
本発明では、第1電極上に、任意要素である絶縁膜を形成することが好ましい。絶縁膜は、フォトリソグラフ法を用いて第1電極の間であって、透明電極に沿って端部が一部透明電極に重なるように形成されることが好ましい。また、絶縁膜は、サブピクセル部分を開口部とする格子状に形成されていてもよい。絶縁膜は、第1電極と接している端部における電界集中を避けるために、当該箇所においてテーパー形状を有することが好ましい。テーパー形状の好ましい角度は、5〜50度である。絶縁膜に用いる材料は、絶縁耐圧が100V/μm以上の材料で、フォトリソグラフにより形成できるものを選択することが望ましい。材料としては、例えば、ノボラック樹脂系の材料や、ポリイミド材料を用いることができる。
次に、絶縁膜上に第2電極分離隔壁を形成しても良い。第2電極分離隔壁にはアクリレート等のネガ型のフォトレジストやノボラック樹脂等のネガ型フォトレジストを用いることができる。第2電極分離隔壁は逆テーパー形状を有しており、第2電極のパターニング機能をもつ。第2電極を目的の形状に開口部を形成したマスクにより成膜する場合には第2電極分離隔壁を用いる必要はない。
こうして得られた基板に表面処理として、酸素プラズマ処理またはUV/オゾン処理をする。このUV/オゾン処理にはエキシマランプまたは低圧水銀ランプを用いることができる。IZOまたはITO表面にこれらの処理を施すとレジスト残渣は分解除去され、仕事関数は5.1eV程度に深くなる。
酸素プラズマ処理またはUV/オゾン処理の後に有機EL層を形成する。有機EL層の層構成として、陽極および陰極を含め以下のものが考えられる。
(1)陽極/有機発光層/陰極
(2)陽極/正孔注入層/有機発光層/陰極
(3)陽極/有機発光層/電子注入層/陰極
(4)陽極/正孔注入層/有機発光層/電子注入層/陰極
(5)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/有機発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極
上記の層構成において、陽極および陰極の少なくとも一方は、該有機発光体の発する光の波長域において透明であることが望ましく、透明である電極(透明導電膜)を通して光を発して、前記蛍光色変換膜に光を入射させる。本発明においても、透明導電膜を含む第1電極は陽極、陰極としても機能させることができる。
上記各層の材料としては、公知のものが使用される。例えば、有機発光層として青色から青緑色の発光を得るためには、例えばベンゾチアゾール系、ベンゾイミダゾール系、ベンゾオキサゾール系などの蛍光増白剤、金属キレート化オキソニウム化合物、スチリルベンゼン系化合物、芳香族ジメチリディン系化合物などが好ましく使用される。
正孔注入層の材料としては、Pc類(CuPcなどを含む)またはインダンスレン系化合物などを用いることができる。正孔輸送層は、トリアリールアミン部分構造、カルバゾール部分構造、オキサジアゾール部分構造を有する材料を用いて形成することができる。用いることができる材料は、好ましくは、TPD、α−NPD、MTDAPB(o−,m−,p−)、m−MTDATAなどを含む。
電子輸送層の材料としては、Alqのようなアルミニウム錯体;PBD、TPOBのようなオキサジアゾール誘導体;TAZのようなトリアゾール誘導体;以下に示す構造を有するもののようなトリアジン誘導体;フェニルキノキサリン類;BMB−2Tのようなチオフェン誘導体などを用いることができる。
電子注入層の材料としては、Alqのようなアルミニウム錯体、あるいはアルカリ金属ないしアルカリ土類金属をドープしたアルミニウムのキノリノール錯体などを用いることができる。
上記各層の膜厚などの諸条件は、有機EL素子において通常規定される通りである。
次いで、第2電極を形成する。第2電極は、複数の部分電極からなり、高反射率の金属、アモルファス合金、微結晶性合金を用いて形成されることが好ましい。高反射率の金属は、Al、Ag、Mo、W、Ni、Crなどを含む。高反射率のアモルファス合金は、NiP、NiB、CrPおよびCrBなどを含む。高反射率の微結晶性合金は、NiAlなどを含む。
第2電極は、用いる材料に依存して、蒸着(抵抗加熱または電子ビーム加熱)、スパッタ、イオンプレーティング、レーザーアブレーションなどの当該技術において知られている任意の手段を用いて形成することができる。第2電極の形成は、上述のように、逆テーパー状の断面形状を有する分離隔壁を用いて複数の部分電極からなる第2電極を形成してもよいし、あるいは、所望の形状を与えるマスクを用いて複数の部分電極からなる第2電極を形成してもよい。
第2電極を構成する複数の部分電極のそれぞれは、たとえば、第2の方向に延びるストライプ形状であることができる。ここで、第1電極に関する第1の方向と、前述の第2の方向とは交差していることが好ましく、直交していることがより好ましい。そのような構成を採ることによって、第1電極を構成する部分電極の1つと、第2電極を構成する部分電極の1つとに電界を印加することによって、それら部分電極の交差する部位の有機EL層を発光させる、パッシブマトリクス駆動を行うことができる。
第2電極を形成した後に、封止層(第2バリア層)として、酸化シリコンや酸化窒化シリコン等の無機膜を連続的に形成する。本発明では、この層は任意要素である。これらの層を設ける場合、取り出し電極部について、封止層(第2バリア層)をドライエッチングにより除去する。また、ガラス基板、SUS缶、ポリカーボネート等のフィルム基板を用いて、UV硬化樹脂等により、上記のように作成した有機ELパネルと接着する方法を用いることができる。この場合はあらかじめ取り出し電極を除いて接着する。
次に、第3の工程では、上記のようにして各層を形成した表示パネル部となる基板と、不要部分である非パネル部の基板を分離する。以上のように作製し、不要部分を除去したパネルに駆動ICなどを接続した後、再度表示パネル部となる基板のみをつぎ合わせることにより有機ELディスプレイを形成する(図2の206、208;図3(B)、(C)、図4(B)、(C))。
具体的には、分割した表示パネル部のプラグへ、取り出し電極の端子から配線を行う。配線にはフレキシブルプリント基板と圧着する方法やワイヤーボンディング法およびメタルマスクを用いてスパッタリングや蒸着で配線金属膜を形成する方法などがある。次に、複数の表示パネル部を再度つなぎ合わせる。その際、基板と同じ屈折率の透明な接着剤(例えばアクリル樹脂)を塗布し、つなぎ合わせると、つなぎ目は目立たなくなり、一体化することができる。また、つなぎ合わせた後、マザーボードに接着し一体化することも可能である。
上記の実施形態は有機EL素子を使用したディスプレイに本発明を適用した例であるが、本発明の製造方法は、他にプラズマディスプレイや無機電界発光素子を使用したディスプレイにも適用できる。また、駆動方法もパッシブのみならずアクティブ型にも対応可能であり、カラーのみならず単色表示にも適用可能である。
次に、上記のようにして製造される有機ELディスプレイの構造について、図6および7を参照して概略を説明する。図6は、パッシブ型のカラー有機ELディスプレイの接続部の概略を示す図であり、図7は、パッシブ型のカラー有機ELディスプレイの表示パネル部中央の構造を例示する概略図である。また、図7(A)および(B)は、それぞれ、有機ELディスプレイの方向を変えて断面形状を示したものであり、図7に示した座標では、(A)はY−Z面から、(B)はX−Z面からそれぞれ見た場合の有機ELディスプレイの断面図である。
図6は、第1の表示パネル部600と第2の表示パネル部601が接合されている様子を示している。本発明では、同様にして、さらに多くのパネルを接続することができる。各表示パネル部は、中央部654と周辺部650があり、さらに、第1電極の取り出し部652および第2電極の取り出し部(図示せず)が設けられている。各領域の寸法はそれぞれ、図6に示した通りである。
表示パネル部には、図6並びに図7(A)および(B)に示すように、基板上602上に、ブラックマトリックス604、カラーフィルタおよび/または色変換層からなる色変換フィルタ層608、平坦化層610、第1バリア層(611)、第1電極612、絶縁膜614、有機EL層616、第2電極618、第2電極分離隔壁620および封止層(第2バリア層)622が設けられている。なお、図6において、図示した断面位置では、第2電極分離隔壁620は図面上には現れないが、便宜的に波線で形状を示した。
封止層上には、必要に応じてガラス基板等の基板626を接着剤層624を介して接続し、マザーボード632と接続するためのプラグ630などを該基板上に設けることができる。
電極の取り出し部652は、基板602上にブラックマトリックス604および取り出し電極606が敷設されており、取り出し電極は、接続端子628を介してプラグ630に接続される。第2電極の取り出し部(図示せず)も同様に接続することができる。なお、図6では、取り出し電極を引き出し部の末端まで形成した例を示したが、引き出し電極は、接続端子がある領域まで、すなわち引き出し部の途中まで形成すればよいことは、当業者により明らかであろう。
第1の表示パネル部と第2の表示パネル部の連結部分634には、基板と同じ屈折率の透明な接着剤(例えばアクリル樹脂)を塗布し、つなぎ合わせると、つなぎ目は目立たなくなり、一体化することができる。
表示パネル部の周辺部650では、平坦化層610がテーパー形状を有している。これによりこの上に形成される第1電極等の段切れを防止することができる。好ましいテーパーの角度は5〜50度である。
図6および図7では、駆動方法がパッシブ方式のものを例示したが、これのみならずアクティブ型も可能である。また、カラーフィルタおよび色変換層を設けないか、一色のカラーフィルタおよび/または色変換層ければカラーのみならず単色表示も可能である。さらに、本発明のカラー有機ELディスプレイでは、カラーフィルター、色変換層、平坦化層、第1バリア層、および封止層(第2バリア層)は任意要素であり、必要に応じて設ければよい。また、カラーフィルターおよび色変換層は、カラー有機ELディスプレイを製造する場合に設ければよい。
以下に本発明を実施例により詳細に説明する。
(実施例1)
40インチのSVGA規格(ピクセル構成600×800)のディスプレイの作製をおこなった。画素ピッチは1.016mmである。RGB副画素サイズは0.148×0.704mm、副画素間隔は0.130mmとし、画素サイズは0.704mm×0.704mm、画素間隔は0.312mmとした。
(有機EL素子基板ユニットの作製)
500mm×500mm×0.70mmのガラス基板から、ガラス切断機により20インチサイズ(304.8mm×406.4mm)ガラス基板602を切り出し、サンドブラスト法で端面を研磨した。研磨前のガラス端面にはガラスに欠けによる100μmの凹凸が見られたが、研磨により凹凸は10μmと平滑な面が得られた。
次に、端面を研磨して上記基板と同じ程度に平滑である矩形状のガラスを、このガラス基板のまわりに配置し、一体化して外形600mm×600mm、内径500mm×500mmのホルダー治具に固定した。
[ブラックマトリックスの作製]
上記のように組み込まれたガラス面上に、黒色色素を含むレジスト樹脂をスピンコート法で塗布し、フォトリソグラフ法により、パターニングを実施し、カラーフィルター形成用の開口部を残してブラックマトリックス604を膜厚2μm形成した。
以下の手順で、色変換カラーフィルター層608の形成を行った。
[青色フィルターの作製]
青色フィルター材料(富士ハントエレクトロニクステクノロジー製:カラーモザイクCB−7001)をスピンコート法にて塗布後、フォトリソグラフ法によりパターニングを実施し、青色フィルターの線幅0.148mm、ピッチ1.016mm、膜厚6μmのラインパターンを得た。
[緑色変換フィルターの作製]
蛍光色素としてクマリン6(0.7重量部)を溶剤のプロピレングリコールモノエチルアセテート(PGMEA)120重量部へ溶解させた。光重合性樹脂の「VPA100」(商品名、新日鐵化成工業株式会社)100重量部を加えて溶解させ、塗布液を得た。この塗布溶液を、透明基板としてのコーニングガラス(645mm×845mm×1.1mm)上に、スピンコート法を用いて塗布し、フォトリソグラフ法により、パターニングを実施し、緑色変換フィルターに線幅0.148mm、ピッチ1.016mm、膜厚10μmのラインパターンを得た。
[赤色変換フィルター層の作製]
蛍光色素としてクマリン6(0.6重量部)、ローダミン6G(0.3重量部)、ベーシックバイオレット11(0.3重量部)を溶剤のプロピレングリコールモノエチルアセテート(PGMEA)120重量部へ溶解させた。光重合性樹脂の「VPA100」(商品名、新日鐵化成工業株式会社)100重量部を加えて溶解させ、塗布液を得た。この塗布溶液を、透明基板としてのコーニングガラス(645mm×845mm×1.1mm)上に、スピンコート法を用いて塗布し、フォトリソグラフ法により、パターニングを実施し、赤色変換フィルターの線幅0.148mm、ピッチ1.016mm、膜厚10μmのラインパターンを得た。
[平坦化層の作製]
この蛍光変換フィルターの上に、平坦化層610としてUV硬化型樹脂VPA100(新日鐵化学製)をスピンコート法にて塗布し、高圧水銀灯にて照射し、膜厚5μm形成した。この時、蛍光変換フィルターのパターンは変形がなく、且つ、平坦化層上面は平坦であった。平坦化層は基板縁部から50μmの幅の領域で、基板表面までゆるやかに傾斜している。
[第1バリア層の作製]
第1バリア層611として、スパッタ法にて、厚さ0.5μmのSiOx膜を平坦化層の上に形成した。スパッタ装置はRF−プレーナマグネトロン、ターゲットはSiOを用いた。製膜時のスパッタガスはArを使用した。形成時の基板温度は80℃で行った。
[電極取り出し配線]
まず、陰極の端子パッド部および陽極の補助電極部606として抵抗率1.5×10−5[Ω・cm]のMoを膜厚300nm、幅100μm形成した。Moの成膜にはDCマグネトロンスパッタ法を用い、Mo上にレジスト剤「OFRP−800」(商品名、東京応化製)を塗布した後、フォトリソグラフィー法にてパターニングを行った。
[第1電極作製]
次に、スパッタ法にて第1電極612として透明電極(ITO)を全面成膜した。ITO上にレジスト剤「OFRP−800」(商品名、東京応化製)を塗布した後、フォトリソグラフィー法にてパターニングを行い、RGB副画素に位置する、幅0.204mm、間隙0.074mm、膜厚100nmのストライプパターンからなる陽極を得た。
[絶縁膜作製]
次にポジ型フォトレジスト[WIX−2A](商品名、日本ゼオン製)を用い前記副画素に対応する開口部を残して、基板面全面に厚さ1μmの絶縁膜614を形成した。絶縁膜端部の開口部端部に対する角度は鋭角となっている。
[隔壁作製]
次に、ネガ型フォトレジスト[ZPN100](商品名、日本ゼオン製)を用いて、ITO電極のストライプパターンと直交して、隣り合う画素と画素の真中に、厚さ4μmの隔壁620を形成した。隔壁の幅は、画素間隙間隔以下、好ましくは、画素間隙間隔より50μm以下であり、100μm以上であればよい。本実施例では、逆テーパ形状であり、その上部幅230μm、底部幅130μmであり、ピッチは1.016mmである。
[有機EL層616作製]
次いで、前記陽極を形成した基板を抵抗加熱蒸着装置内に装着し、正孔注入層、正孔輸送層、有機発光層、電子注入層を、真空を破らずに順次成膜した。成膜に際して真空槽内圧は1×10−4Paまで減圧した。正孔注入層は銅フタロシアニン(CuPc)を100nm積層した。正孔輸送層は4,4’−ビス〔N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ〕ビフェニル(α−NPD)を20nm積層した。有機発光層(30nm)のホスト物質は4,4’−ビス(2,2’−ジフェニルビニル)ビフェニル(DPVBi)、ゲストは4,4’−ビス[2−{4−(N,N−ジフェニルアミノ)フェニル}ビニル]ビフェニル(DPAVBi)とした。電子注入層はアルミキレート(Alq3)を20nm積層した。
[第2電極作製]
この後、メタルマスクを用いて、厚さ200nmのMg/Ag(10:1の重量比率)層からなる第2電極618を、真空を破らずに形成した。
[封止]
次に、治具より20インチサイズガラスを取り出した。プラズマCVD装置を用いて、混合ガス流量をSiHガス50sccmとNHガス60sccm、Nガス200sccmとし、ガス圧200Pa、RF印加電力を1.50kW、基板ステージ温度を100℃として、一方の基板端より200μmの領域にある電極取り出し部以外の画素領域全体を膜厚2μmのSiNx膜により覆い第2バリア層622を形成した。さらに、グローブボックス内乾燥窒素雰囲気(酸素および水分濃度ともに10ppm以下)下においてシリコン樹脂(信越化学工業製)を接着剤624として用いて有機EL素子基板と封止用ガラス基板(304.4mm×406.0mm×0.7mm)626とを接着し、パネル600を完成した。
[パネルつなぎあわせ]
パネルの第1電極および第2電極からの配線はそれぞれの第2バリア層で覆われていない配線取り出し部606と封止ガラス上に設けられたプラグ630とをフレキシブルケーブル628によって連結することで行われる。
このように製造された20インチサイズパネル4枚を40インチサイズのマザーボード632を支持体として、一つのパネル600の配線取り出し部を設けた端部と、他のパネル601の配線取り出し部を設けない端部とを、接着剤で接着して、40インチサイズディスプレイが出来上がる。
パネルとパネルの連結部分634の接着樹脂としては紫外線硬化型樹脂ケミシール1449E(ケミテック中部(株)製)を用いた。この接着樹脂の屈折率は1.489と、ガラスの屈折率とほぼ同等であり、光学的に継ぎ目がほとんど見えない。各パネルの電気端子であるプラグは、マザーボードに設けられたプラグと結合することで、外部制御回路につながる。
(比較例1)
500mm×500mm×0.70mmのガラス基板をそのまま用いて、実施例1においてホルダー治具内のガラス基板に行ったと同じ手順で、各種膜の形成、パターニング、封止ガラスの接着を行い、ガラス切断機により20インチサイズ(304.8mm×406.4mm)のパネル602を切り出した。ガラス基板の端面の研磨を行わないで、パネル同士を接着樹脂で付き合わせて、ディスプレイと化すると、端面での切断面の欠けが100μmあるので、継ぎ目での光の乱反射により、継ぎ目が目立ってしまう。そこで、20インチサイズパネル600の切断面をサンドブラストで研磨し、凹凸が10μmと平滑な面をだしてから、マザーボードを支持体として、4枚のパネルを接着樹脂で付き合せて40インチディスプレイを作製した。
(実施例2)
パネルを構成するユニットサイズを84.5mm×140.8mm(ピクセル構成120×200)としてガラス基板から切り出し、端面研磨を行い、端面の凹凸を10μmmとした。このユニットを横4列、縦列5列並べるとき、各ユニットを挟むガラス板として、横方向には、10.6mm×140.8mmのガラス板を4枚×6段、縦方向には、490.1mm×10.6mmのガラス板を5列配置し、全体を内径490.1mm×616.2mm、外形550mm×650mmのホルダー治具に固定した。
ホルダー治具に固定した後の製造工程は、全体の大きさは大きくなったが、パターンのピッチは実施例1と同じで実施した。封止ガラスは490mm×616mm×0.7mmの上に、各ユニットパネル位置に接着樹脂を塗布し、ホルダー治具と貼り合せ、隙間に入れたガラス板をはずし、ガラス切断装置により、ユニットパネルに切り出した。得られた20枚のユニットパネルを、個々のプラグに配線をした後、マザーボードを支持体として、5行4列に配置し、接着樹脂で継ぎ合わせて、40インチディスプレイを完成した。
(評価)
実施例1、実施例2、および比較例1で得られた40インチディスプレイは、15〜30Vの駆動電圧を印加することにより、初期輝度は夫々300cd/m、280cd/m、290cd/mとほぼ同等な発光を示した。しかし、画質評価を行うと、比較例1のディスプレイは、継ぎ目が明瞭に見えており、画質で見劣りした。また、比較例2では、研磨加工後の端面の観察を行うと、取り出し電極部に一部剥離が生じたり、第2バリア層への損傷が見られた。これらの欠陥を起点に水分がパネル内部に侵入し、素子性能を低下させることが知られているため、比較例2では、ディスプレイの長期信頼性に問題がある。
本発明の製造方法は、有機EL素子を使用したディスプレイに適用できる。また、駆動方法もパッシブのみならずアクティブ型にも対応可能であり、カラーのみならず単色表示のいずれにも適用可能である。さらに、本発明の製造方法は、この他にプラズマディスプレイや無機電界発光素子を使用したディスプレイにも適用できる。
(A)従来の複数枚取りの方式により、つなぎ合わせで有機ELディスプレイを製造する場合の概略図である。(B)は、従来の一枚取りの方式により、つなぎ合わせで有機ELディスプレイを製造する場合の概略図である。 本発明の製造方法の各工程を示すフロー図である。 (A)〜(C)本発明の製造方法のうち、複数枚取りの場合を例示した概略図である。 (A)〜(C)は、本発明の製造方法のうち、一枚取りの場合を例示した概略図である。 基板ホルダー概略図である。 本発明の有機ELディスプレイの概略断面図であり、接続部の概略を示すものである。 (A)および(B)本発明の有機ELディスプレイの概略断面図であり、表示パネル部中央の構造を例示する概略図である。
符号の説明
102 表示パネル部
104 非表示部
302 表示パネル部
304 非表示部
306 基板ホルダー
502 基板押さえ
602 基板
604 ブラックマトリックス
606 引き出し電極
608 色変換フィルタ層、
610 平坦化層、
611 第1バリア層
612 第1電極
614 絶縁膜
616 有機EL層
618 第2電極
620 第2電極分離隔壁
622 封止層(第2バリア層)
624 接着剤層
626 基板
628 接続端子
630 プラグ
632 マザーボード
634 連結部分
650 表示パネル部周辺部
652 取り出し部
654 表示パネル部中央部

Claims (4)

  1. (1)表示パネル部となる基板と非パネル部の基板を準備し、これらを基板ホルダー上に連結させる工程と、
    (2)前記表示パネル部となる基板上に、少なくとも第1電極と、当該第1電極に対向配置された第2電極と、前記第1および第2電極間に配置された有機EL層とを形成する工程と、
    (3)少なくとも第1電極、第2電極および有機EL層を形成した、前記表示パネル部となる基板と非パネル部の基板を分離し、パネル部となる基板のみをつぎ合わせることにより有機ELディスプレイを形成する工程
    を含む大画面有機ELディスプレイの製造方法。
  2. 前記表示パネル部となる基板と前記非パネル部の基板の、端部のチッピングの幅が20μm以下となるように研磨されていることを特徴とする請求項1に記載の大画面有機ELディスプレイの製造方法。
  3. 前記表示パネル部となる基板のつなぎ合わせにおいて、この基板と同じ屈折率の充填材を接合部に用いることを特徴とする請求項1に記載の大画面有機ELディスプレイの製造方法。
  4. 前記請求項1から3に記載の大画面有機ELディスプレイの製造方法により製造される大画面有機ELディスプレイ。
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