JPWO2015105022A1 - 有機エレクトロルミネセンスデバイス - Google Patents

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Abstract

一方の面に発光面を有する有機エレクトロルミネッセンス素子と、有機エレクトロルミネッセンス素子の他方の面に設けられた駆動電源とを備え、駆動電源がフレキシブル性を有する量子電池を含む有機エレクトロルミネセンスデバイスを構成する。

Description

本発明は、有機エレクトロルミネセンス素子と駆動電源とを備える有機エレクトロルミネセンスデバイスに係わる。
有機エレクトロルミネセンス(EL)素子等を発光素子に用いた画像表示装置(ディスプレイ)等において、フレキシブル化やモバイル用途でのケーブルレス化が求められている。
画像表示装置等のフレキシブル化やケーブルレス化に伴い、パワーサプライである駆動電源のフレキシブル化も必要になっている。
現在、二次電池の主流であるリチウムイオン電池では、高容量化とフレキシブル性の両方に課題がある。一方、これらの課題を解決する電池として、繰り返し充放電できる量子電池が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
国際公開第2013/065093号
しかしながら、有機エレクトロルミネッセンス素子と二次電池とを組み合わせによる、フレキシブル性を有する有機エレクトロルミネッセンスデバイスは実現されていない。
上述した問題の解決のため、本発明においては、フレキシブル性を有する有機エレクトロルミネッセンスデバイスを実現する。
本発明の有機エレクトロルミネセンスデバイスは、一方の面に発光面を有する有機エレクトロルミネッセンス素子と、有機エレクトロルミネッセンス素子の他方の面に設けられた駆動電源とを備え、駆動電源がフレキシブル性を有する量子電池を含む。
本発明によれば、フレキシブル性を有する有機エレクトロルミネセンスデバイスを提供することができる。
第1実施形態の有機ELデバイスの概略構成を示す図である。 量子電池の概略構成(断面構造)を示す図である。 量子電池の充電層の構成を示す図である。 光励起構造変化により形成された新しいエネルギー準位を説明するためのバンド図である。 光励起構造変化により形成された新しいエネルギー準位を説明するためのバンド図である。 量子電池の充放電機能を説明するバンド図である。 量子電池の充放電機能を説明するバンド図である。 バイポーラ型の量子電池の構成を示す図である。 第2実施形態の有機ELデバイスの概略構成を示す図である。
以下、本発明を実施するための形態の例を説明するが、本発明は以下の例に限定されるものではない。
なお、説明は以下の順序で行う。
1.有機エレクトロルミネセンスデバイスの実施形態(第1実施形態)
2.有機エレクトロルミネセンスデバイスの実施形態(第2実施形態)
〈1.有機エレクトロルミネセンスデバイスの実施形態(第1実施形態)〉
以下本発明の有機エレクトロルミネセンス(有機EL)デバイスの具体的な実施の形態について説明する。
[有機ELデバイスの構成]
図1に、本実施形態の有機ELデバイスの概略構成図を示す。
図1に示す有機ELデバイス10は、駆動電源11が封止材12によって封止され、有機EL素子13が封止材14によって封止され、封止材12と封止材14とが接着層15によって接着されて構成されている。有機EL素子13と駆動電源11とは、接着層15と封止材12,14とを介して、近接して積層された配置を有している。また、有機ELデバイス10は、有機EL素子13の駆動電源11と近接する側と反対側の面(上面)から発光する構成である。
なお、有機ELデバイス10は、有機EL素子13を駆動、制御するための図示しない駆動回路等、有機ELデバイスの実現に必要なその他の構成を備えていてもよい。
駆動電源11は、フレキシブル性を有する薄型でシート状(平面状)の量子電池により構成することができる。この有機ELデバイス10に適用可能な駆動電源11、及び、駆動電源11を構成する量子電池の詳細については後述する。
有機EL素子13は、従来から提案されている、シート状(平面状)のフレキシブル性を有する有機エレクトロルミネセンス素子(有機EL素子、OLED)から成る発光素子によって構成することができる。
封止材12及び封止材14には、フレキシブル性を有する、従来公知の封止用の材料を使用することができる。また、封止材12,14自体がガスバリア性を有する材料を含有してもよく、封止材12,14の内側にガスバリア性を有する膜が形成されていてもよい。
駆動電源11と有機EL素子13とは、図示しないが、電気的に接続されている。
フレキシブル性の基準は、屈曲半径Rが100mm以下、好ましくは、屈曲半径Rが30mm〜3mmである。
また、有機ELデバイス10は、厚さが3mm以下であることが好ましい。
フレキシブル性を有する量子電池では、カード規格への実装限界を考慮すると厚さを2.5mm以下とすることが好ましく、さらに0.5mm以下とすることが好ましい。
さらに、必要に応じて、例えば、有機ELデバイス10の外部に、駆動電源11の起電力を昇圧して有機EL素子13に供給する、昇圧回路を設けることができる。
なお、昇圧回路をフレキシブル基板と薄膜の回路で構成することができれば、有機ELデバイス10の内部に設けることも可能である。
本実施形態の有機ELデバイス10は、駆動電源11と有機EL素子13のそれぞれを封止する封止材12,14が接着され、かつ、駆動電源11と有機EL素子13とが電気的に接続されているので、駆動電源11によって有機EL素子13を駆動して、発光させることができる。
また、駆動電源11と有機EL素子13が、いずれもシート状でフレキシブル性を有しているため、フレキシブル性を有する有機ELデバイス10を実現することができる。そして、有機ELデバイス10を曲げた状態でも発光させることが可能になる。
[有機EL素子]
有機ELデバイス10に適用される有機EL素子13は、基板に透明可撓性フィルムを用いた、フレキシブル性を有する構成が提案されている。このフレキシブル性を有する有機エレクトロルミネセンス素子を用いることにより、フレキシブル性を有する有機ELデバイス10を実現することができる。
有機ELデバイス10に適用される有機EL素子13の好ましい層構成の具体例を以下に示す。
(i)基材フィルム/陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極
(ii)基材フィルム/陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極
(iii)基材フィルム/陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/正孔阻止層/陰極
(iv)基材フィルム/陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層/正孔阻止層/陰極
(v)基材フィルム/陽極/正孔注入層/正孔輸送層/電子阻止層/発光層/電子輸送層/電子注入層/正孔阻止層/陰極
基材フィルムには、フレキシブル性を有する樹脂フィルムを使用する。
それぞれの層構成の各層の材料には、従来公知の材料を使用することができる。
各層構成の陰極の上には、保護フィルムを形成することが好ましい。
また、基材フィルムや保護フィルムの内面側に、ガスバリア膜を形成することが好ましい。
有機ELデバイス10を、有機EL素子13を発光素子として用いる照明機器に適用する場合には、フレキシブル性を有する量子電池を発光素子の片面に配置することが可能である。この構成の照明機器を作製する際には、例えば、有機EL素子13と量子電池とを貼り合わせにより接合する、或いは、発光素子と量子電池とを積層して一体化させる。
[駆動電源]
次に、上述の有機ELデバイス10に適用される駆動電源11の構成について説明する。
駆動電源11は、有機EL素子13の非発光面に配置されている。また、駆動電源11は、単独の量子電池、又は、複数の量子電池から構成することができる。
例えば、有機EL素子13の発光に必要な出力電圧を得るために、複数の量子電池を直列接続した構成としてもよい。
一般的に、有機EL素子の駆動には少なくとも2.5V以上の出力電圧が必要とされている。このため、単独の量子電池がこの出力電圧を有していない場合には、複数の量子電池を直列接続し、駆動電源11に要求される出力電圧を発生させることができる。
複数の量子電池を接続する場合には、量子電池を有機ELデバイス10の発光面と並行な平面に並べて単層で配置するか、或いは、複数の量子電池を有機ELデバイス10の発光面と垂直な方向に積層して配置する。そして、配置されたそれぞれの量子電池の電極を直列に接続して駆動電源11から引出すような回路を形成する。
これにより、例えば、単独で1.2〜1.5V程度の出力電圧しか有さない量子電池を用いても、駆動電源11から有機EL素子13の発光に必要な2.5V以上を出力することができる。さらに、直列接続する量子電池の数を多くすることで、6V以上の出力電圧を得ることもできる。
駆動電源11では、量子電池を積層させた方が、単層の場合よりもより小さい主面積で高容量化できる。このため、量子電池を複数積層させた構成とすることが好ましい。複数の量子電池を積層した場合にも、後述する構成の量子電池を用いることにより、有機ELデバイス10に必要とされるフレキシブル性を満たすことが可能である。
また、一般的に用いられているリチウムイオン二次電池は発熱性が高く、複数積層させた場合、特に3層以上積層させた場合には、中心部に積層された電池の放熱性が問題となる。このため、リチウムイオン二次電池を用いた積層構造は実現が難しい。
後述する量子電池では、発熱性が低く、3層以上積層された場合にも発熱による問題が生じにくい。このため、有機ELデバイス10で要求される容量、出力電圧等の駆動電源11の特性を満たすために必要となる量の量子電池を積層させることも可能となる。
[量子電池]
次に、駆動電源11に適用される量子電池の構成について説明する。
図2に、量子電池20の概略構成(断面構造)を示す。この量子電池20は、充電層22に光励起構造変化技術を採用した充電原理に基づく二次電池であり、充放電の繰り返しが可能である。
図2に示す量子電池20は、不動態特性を有する金属材料を使用した導電性の第1電極21、エネルギーを充電する充電層22、p型金属酸化物半導体層23、及び、第1電極21と同じく不動態特性を有する金属材料を使用した導電性の第2電極24が積層された構成である。
(電極)
第1電極21及び第2電極24は、機能的には導電膜が形成されていればよく、導電性のよい金属、例えば銅、銅合金、ニッケル、アルミ、銀、金、亜鉛又はスズ等を使用することが可能である。なかでも銅は安価であり電極の材料としては適している。第1電極21及び第2電極24は、電池製造時の熱工程や経年変化によって生じる電極の酸化による劣化を防止するために、不動態特性を有する金属層を設けている。
不動態とは、金属の電気化学列が卑(活性)な位置にあるにも関わらず、極めて遅い速度で腐食する金属の状態であり、金属材料の耐食性の根底となる。わずかなアノード電流によって大きく分極する金属が、電気化学的にかなり貴(非活性)な金属の挙動に近づくことで不動態化される。この場合、腐食生成物としての酸化皮膜が保護性を有するようになり、耐食性が付与されことになる。
腐食領域は、酸化反応が起きるように電極に電位を正方向に印加するアノード分極曲線で調べることができる。電位が低い場合は電位と共に電流が増加し、ある電位を越えると電流が急激に減少して一定の電位域で持続し、その後再び上昇する。初めの電流が上昇する電位域が活性態域、電流が低い値に保持される電位域が不動態域、そして、再び増加する電位域が過不動態域と呼ばれている。この不動態域で保護性に富む、数ナノメートルの不動態酸化皮膜が生成される。
不動態域では、電流が減少する、即ち導電性が阻害されることになるが、通常、電極は大気との接触を防ぐように保護されており、電極の酸化が生ずるのは局所的な場合である。従って、酸化が局所的に抑えられて電極の劣化が防止され、繰り返し充放電しても長期間使用できる量子電池が可能となる。
具体的な不動態特性を有する金属材料としては、クロム、ニッケル、チタン、モリブデン等があり、或いはこれらクロム、ニッケル、チタン、モリブデン等が少なくとも1種含まれた合金であってもよい。
(充電層)
次に、上述の量子電池20の充電層22の構成について説明する。図3に、量子電池の充電層22の構成を示す。
図3に示す充電層22は、絶縁性被膜26で被覆されたn型金属酸化物半導体25が充填された構成である。この充電層22は、n型金属酸化物半導体25が紫外線照射されて光励起構造変化を生じさせることにより、エネルギーを蓄えることができる機能を有している。
充電層22に使用されるn型金属酸化物半導体25の材料としては、二酸化チタン、酸化第二スズ、酸化亜鉛等がある。これらの金属酸化物は、金属の脂肪族酸塩を分解することにより製造が可能である。金属酸化物の製造には、酸化性雰囲気下での燃焼によって金属酸化物に変化する金属の脂肪族酸塩が使用される。
絶縁性被膜26には、シリコーンの他、無機絶縁物として鉱油、酸化マグネシウム(MgO)、二酸化ケイ素(SiO)を使用してもよく、絶縁性樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレンなどの熱可塑性樹脂、フェノール樹脂、アミノ樹脂などの熱硬化性樹脂でもよい。
(エネルギー準位)
充電層22では、紫外線照射されたn型金属酸化物半導体25が光励起構造変化によって新たなエネルギー準位を形成している。光励起構造変化とは、光の照射により励起された物質の格子間距離が変化する現象であり、非晶質の金属酸化物であるn型金属酸化物半導体25には、この光励起構造変化を生ずる性質を有した物質を用いる。
以下、光励起構造変化による充電層22の新たなエネルギー準位の形成状態について、n型金属酸化物半導体25を二酸化チタン、絶縁皮膜の材料をシリコーンとした例でのバンド図を用いて説明する。
図4及び図5は、第1電極21としての金属の銅30と、n型金属酸化物半導体25としての二酸化チタン32との間に、絶縁性被膜26としてのシリコーン34が存在する構成において、光励起構造変化により新たなエネルギー準位44が形成された状態を説明するバンド図である。このバンド図では、二酸化チタン32の光励起構造変化現象により、n型金属酸化物半導体25のバンドギャップ内に、新たなエネルギー準位44が形成される。また、伝導帯36には、シリコーン34による絶縁層により障壁が存在する。
図4は、二酸化チタン32と銅30の間にシリコーン34による絶縁層を有する構成に、紫外線38が照射された状態を示している。絶縁被膜された二酸化チタン32に紫外線38が照射されると、二酸化チタン32の価電子帯40にある電子42が、伝導帯36に励起される。銅30との界面付近では、この電子42がある確率でシリコーン34の絶縁層を通り抜けて一時的に銅30に移動する。
二酸化チタン32の光励起構造変化は、電子42の不在中に起こり、価電子帯40の電子42が抜けた部位の原子間距離が変化する。このときのエネルギー準位44は、フェルミレベル46内のバンドギャップに移動している。これによりフェルミレベル46内のバンドギャップに、エネルギー準位44が形成される。
二酸化チタン32の光励起構造変化によるエネルギー準位44の形成は、紫外線38が照射されている間は連続して発生する。
図5は、紫外線38が照射されている間に上述した現象が繰り返し起こり、バンドギャップ内に多数のエネルギー準位44が形成された状態である。しかし、これらエネルギー準位44に捕らえられるべき電子42は紫外線38により励起されて銅30に移動している。こうして生じた電子不在のバンドギャップ内のエネルギー準位44は、紫外線照射を終えた後も残存する。
絶縁層としてのシリコーン34の役割は銅30と二酸化チタン32との間に障壁を作り、励起された電子42をトンネル効果により通過させ、電子不在のバンドギャップ内のエネルギー準位44を形成することである。銅30に移動した電子42は、シリコーン34周辺の帯電電位により銅30に留まる。
量子電池20では、さらに充電層22に重ねてp型金属酸化物半導体層23を積層することでブロッキング層を形成し、その上に第2電極24を設けている。このような構造による二次電池の原理については、図6及び図7に示すバンド図で説明する。
以下の説明では、銅30からなる第1電極21と銅48からなる第2電極24とに挟まれた、シリコーン34と二酸化チタン32とからなる充電層22、及び、酸化ニッケル50からなるp型金属酸化物半導体層23を備える構成の量子電池20を例に説明する。
図6は、第2電極24を構成する銅48にマイナス電圧を印加し、第1電極21を構成する銅30を接地して0Vとした場合のバンド図である。
バンドギャップ内にエネルギー準位44を有する二酸化チタン32に、バイアス電界(−)を印加すると、銅30の電子42が、シリコーン34による障壁を通過(トンネリング)して二酸化チタン32に移動する。この移動した電子42は、酸化ニッケル50により銅48への更なる移動がブロックされるため、二酸化チタン32のバンドギャップ間に存在するエネルギー準位44に捕獲される。つまり、二酸化チタン32からなる充電層22にエネルギーが蓄えられ、充電層22に電子42が充満した充電状態になる。この状態は、バイアス電界の印加を解除しても維持されるから、この構成の量子電池が二次電池としての機能を有することになる。
図7は、負荷(図示せず)を銅30と銅48に接続して、放電する場合のバンド図である。二酸化チタン32のバンドギャップに捕獲されていた電子42は、伝導帯36の自由電子となる。この自由電子は銅30に移動し、負荷に流れる。この現象がエネルギーの出力状態であり、放電状態である。そして、最終的にはバンドギャップ内のエネルギー準位44に電子42がない状態となり、充電層22内のエネルギーが全て使用された状態となる。
以上説明したように、外部から電圧を印加することにより、二酸化チタンのバンドギャップに形成されたエネルギー準位に電子を充満させることができる。そして、電極に負荷を接続することで、電子が放出してエネルギーを取り出すことができる。従って、電池として機能させることができる。また、この現象を繰り返し行うことで、二次電池として使用できる。これが、有機ELデバイス10の駆動電源11を構成する量子電池の基本的な原理である。
以上、量子電池の基本的な二次電池としての原理を説明したが、原理的に絶縁性被膜26を介してトンネリング効果により電子42が第1電極21に移動して滞留するため、充電層22と第1電極21との密着性が極めて重要となる。このため、電池の製造時の熱工程及び経年変化によって生じる電極の酸化による密着性低下を防止することが重要となる。この様な理由から、電極の酸化による劣化が量子電池に大きな影響を及ぼす。このため、不動態特性を有する金属で電極を形成し、電極の劣化を部分的な表面の酸化にとどめることにより、電極の酸化を防止して長寿命の量子電池を実現することが可能となる。
第2電極24については、p型金属酸化物半導体層23を介しての積層であり、第1電極21における密着性の観点からの問題は小さいが、電極の劣化による影響は第2電極24においても重要な問題である。このため、第2電極24も、不動態特性を有する金属材料で構成することが、量子電池の長寿命化に有効な手段となる。
上述の構成の量子電池は、単層のセルでは1.2〜1.5V程度の出力電圧しか得られないが、少なくとも2つ以上の量子電池セルを直列に接続することにより、有機EL素子を発光するために必要な2.5V以上の出力電圧を得ることができる。
[量子電池(バイポーラ型)]
次に、単一セルで、有機EL素子13を発光するために必要な出力電圧を有する量子電池の構成について説明する。
図8に示すようなバイポーラ型の量子電池を形成することにより、複数の量子電池のセルを直列接続する方法以外でも、有機EL素子13の発光に必要な出力電圧を確保することができる。
図8に示すバイポーラ型量子電池60は、第1電極61、第1充電層62、第1p型金属酸化物半導体層63、第2電極64、第2充電層65、第2p型金属酸化物半導体層66、及び、第3電極67がこの順に積層された構成である。
バイポーラ型量子電池60において第1電極61、第2電極64、及び、第3電極67は、上述の図2に示す量子電池20における第1電極21、第2電極24と同様の構成とすることができる。同様に、第1充電層62、及び、第2充電層65は、上述の図2に示す量子電池20における充電層22と同様の構成とすることができる。第1p型金属酸化物半導体層63、及び、第2p型金属酸化物半導体層66は、上述の図2に示す量子電池20におけるp型金属酸化物半導体層23と同様の構成とすることができる。
バイポーラ型量子電池60は、上述の図2に示す量子電池20が、一方の電極を共有して、2つ積層された構成である。つまり、図8に示すバイポーラ型量子電池60の第2電極64が、第1p型金属酸化物半導体層63と第2充電層65とに挟まれることで、一方が負極面、他方が正極面として機能するバイポーラ電極となる。
図8に示す構成のバイポーラ型量子電池60によれば、上述の図2に示す量子電池20の2つセルを直列接続した場合と同様の機能を有する。このため、出力電圧が1.2〜1.5V程度である単層の量子電池20のセルを、バイポーラ型量子電池60とすることで、1つの量子電池のセルで有機EL素子13を発光するために必要な出力電圧を確保することができる。
また、例えば、図8に示すバイポーラ型量子電池60において、第3電極67上にさらに充電層、p型金属酸化物半導体層、及び、電極を積層することにより、第3電極67をもバイポーラ電極として機能させ、さらに高出力の量子電池セルを構成することもできる。このように、バイポーラ型量子電池60では、必要な出力に応じて例えば充電層が3層以上積層された構成の量子電池セルを形成することもできる。
駆動電源11に用いる量子電池をバイポーラ型の構造とすることにより、単一セルでより高い出力が得られるだけでなく、電極の省略やパッケージ材の省略等により、量子電池セルの小型化、高密度化が可能となる。
(給電方法)
有機ELデバイス10に適用される駆動電源11への給電方法は、容量結合型、電磁誘導型、電場・磁場共鳴型、及び、電波受信型等のワイヤレス給電を用いることもできる。有機ELデバイス10において、駆動電源11へワイヤレス給電を行う場合には、上述の量子電池に接続する給電用の構成を設けてもよい。
[効果]
有機EL素子の非発光面側に、薄型でフレキシブル性の高い平面状の量子電池を用いた駆動電源を設けることにより、フレキシブル性の高い有機ELデバイスを構成することができる。さらに、駆動電源に用いる量子電池のセルを直列接続する構成や、バイポーラ構造の構成とすることにより、駆動電源からの出力電圧を、有機EL素子の発光が可能となる程度に高めることができる。従って、フレキシブル性の高い有機ELデバイスを実現することができる。
また、一般的にフレキシブルなリチウムイオン二次電池では、発熱温度が45℃以上となる。このリチウムイオン二次電池の発熱温度は、有機EL素子を発光させる適温範囲よりも高い温度である。このため、有機ELデバイスにおいて薄型化を実現するために、有機EL素子とリチウムイオン二次電池とを近接させて積層した場合等では、有機EL素子の発光効率の低下や、寿命への悪影響、表示品質の劣化等の性能の低下が起こる。従って、有機ELデバイスにリチウムイオン二次電池を用いた場合には、有機EL素子と駆動電源との距離を離す等の設計が必要となり、薄型化、フレキシブル性を低下させる要因となる。
これに対し、上述の量子電池では、発熱温度が20℃程度である。このため、この量子電池を駆動電源として備える有機ELデバイスでは、リチウムイオン二次電池を用いた場合に発生する性能低下や、設計への悪影響がない。
さらに、量子電池の発熱温度である20℃程度は、有機EL素子を発光効率が良好となる、好適な温度範囲である。このため、量子電池に接するように有機EL素子を配置することにより、有機EL素子の温度を発光効率の良好な好適な温度範囲に導き、有機EL素子の温度を発光効率の良好な温度域で安定させることができる。
従って、量子電池に近接して積層するように有機EL素子を配置することにより、有機EL素子の発光効率を良好にすることができ、有機ELデバイスの性能を向上させることができる。
〈2.有機エレクトロルミネセンスデバイスの実施形態(第2実施形態)〉
本発明の第2実施形態の有機エレクトロルミネセンス(有機EL)デバイスの概略構成図(断面図)を、図9に示す。
図9に示す有機ELデバイス70は、駆動電源71の上に有機EL素子72が積層され、全体が封止材73によって封止された構成を有している。
そして、有機ELデバイス70では、駆動電源71上に有機EL素子72が直接積層されることで、有機EL素子72と駆動電源71とが近接して積層された配置を有している。また、有機ELデバイス70は、有機EL素子72の非発光面側に駆動電源71が積層され、有機EL素子72の駆動電源71と近接する側と反対側の面(上面)から発光する構成となっている。
なお、有機ELデバイス70は、有機EL素子72を駆動、制御するための図示しない駆動回路等、このデバイスの実現に必要なその他の構成を備えていてもよい。
駆動電源71は、上述の第1実施形態で説明した有機ELデバイス10と同様の構成を適用することができる。また、駆動電源71を構成する量子電池についても、上述の第1実施形態で説明した種々の量子電池の構成を適宜用いることができる。
有機EL素子72は、従来から提案されている、シート状のフレキシブル性を有する有機エレクトロルミネセンス素子(OLED)から成る発光素子によって構成することができる。
封止材73には、フレキシブル性を有する、従来公知の封止用の材料を使用することができる。また、封止材73自体がガスバリア性を有する材料を含有してもよく、封止材73の内側にガスバリア性を有する膜が形成されていてもよい。
駆動電源71と有機EL素子72とは、図示しないが、電気的に接続されている。
本実施形態の有機ELデバイス70は、有機EL素子72と駆動電源71とが積層され、かつ、駆動電源71と有機EL素子72とが電気的に接続されているので、駆動電源71によって有機EL素子72を駆動して、発光させることができる。
また、駆動電源71と有機EL素子72が、いずれもシート状でフレキシブル性を有しているため、フレキシブル性を有する有機ELデバイス70を実現することができる。そして、有機ELデバイス70を曲げた状態でも発光させることが可能になる。
[効果]
第2実施形態の有機ELデバイスは、第1実施形態と同じ効果を有する。さらに、有機EL素子と駆動電源とが積層されることにより、さらなる薄型化が可能となる。
また、有機EL素子と駆動電源とが直接積層されることにより、駆動電源を構成する量子電池からの熱が、より有機EL素子に伝わりやすい構成となる。このため、量子電池の発熱による有機EL素子の発光効率を良好にする効果をより得ることができる。
なお、本発明は上述の実施形態例において説明した構成に限定されるものではなく、その他本発明構成を逸脱しない範囲において種々の変形、変更が可能である。
10,70・・・有機ELデバイス、11,71・・・駆動電源、12,14,73・・・封止材、13,72・・・有機EL素子、15・・・接着層、20・・・量子電池、21,61・・・第1電極、22・・・充電層、23・・・p型金属酸化物半導体層、24,64・・・第2電極、25・・・n型金属酸化物半導体、26・・・絶縁性被膜、30,48・・・銅、32・・・二酸化チタン、34・・・シリコーン、36・・・伝導帯、38・・・紫外線、40・・・価電子帯、42・・・電子、44・・・エネルギー準位、46・・・フェルミレベル、50・・・酸化ニッケル、60・・・バイポーラ型量子電池、62・・・第1充電層、63・・・第1p型金属酸化物半導体層、65・・・第2充電層、66・・・第2p型金属酸化物半導体層、67・・・第3電極

Claims (8)

  1. 一方の面に発光面を有する有機エレクトロルミネッセンス素子と、
    前記有機エレクトロルミネッセンス素子の他方の面に設けられた駆動電源と、を備え、
    前記駆動電源が、フレキシブル性を有する量子電池を含む
    有機エレクトロルミネッセンスデバイス。
  2. 前記駆動電源が2.5V以上の出力電圧を有する請求項1に記載の有機エレクトロルミネセンスデバイス。
  3. 前記量子電池がバイポーラ電極を有する請求項2に記載の有機エレクトロルミネセンスデバイス。
  4. 前記量子電池のセルが直列接続されている請求項2に記載の有機エレクトロルミネセンスデバイス。
  5. 前記駆動電源が6V以上の出力電圧を有する請求項2に記載の有機エレクトロルミネセンスデバイス。
  6. 前記有機エレクトロルミネセンス素子と、前記駆動電源とが近接して積層されている請求項1に記載の有機エレクトロルミネセンスデバイス。
  7. 全体の厚さが3mm以下である請求項2に記載の有機エレクトロルミネセンスデバイス。
  8. 屈曲半径Rが100mm以下である請求項2に記載の有機エレクトロルミネセンスデバイス。
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