JP2002170664A - 有機電界発光素子 - Google Patents

有機電界発光素子

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JP2002170664A
JP2002170664A JP2000369687A JP2000369687A JP2002170664A JP 2002170664 A JP2002170664 A JP 2002170664A JP 2000369687 A JP2000369687 A JP 2000369687A JP 2000369687 A JP2000369687 A JP 2000369687A JP 2002170664 A JP2002170664 A JP 2002170664A
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organic electroluminescent
electrode
substrate
resin
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JP2000369687A
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Takeshi Ikeda
武史 池田
Reiko Yoshida
玲子 吉田
Tetsuo Oka
哲雄 岡
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Toray Industries Inc
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    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
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    • H10K50/00Organic light-emitting devices
    • H10K50/80Constructional details
    • H10K50/84Passivation; Containers; Encapsulations
    • H10K50/842Containers
    • H10K50/8426Peripheral sealing arrangements, e.g. adhesives, sealants

Abstract

(57)【要約】 【課題】ダークスポットの経時的拡大を十分かつ安定に
抑制することが可能な有機電界発光素子およびその製造
方法を提供する。 【解決手段】基板上に形成された第一電極と、第一電極
上に形成された少なくとも有機化合物からなる発光層を
含む薄膜層と、薄膜層上に形成された第二電極と、接着
剤で基板と貼り合わされた封止板とを含む有機電界発光
素子であって、前記接着剤部分が2種類以上の接着剤で
構成され、そのうち少なくとも1種類の接着剤の透湿度
が10g/m2・24h以下であることを特徴とする有
機電界発光素子である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、表示素子、フラッ
トパネルディスプレイ、バックライト、インテリアなど
の分野に利用可能な有機電界発光素子に関する。
【0002】
【従来の技術】有機電界発光素子は陽極から注入された
正孔と陰極から注入された電子とが両極に挟まれた有機
発光層内で再結合することにより発光するものである。
その代表的な構造は、ガラス基板上に透明な第一電極
(陽極)、正孔輸送層、有機発光層、第二電極(陰極)
を積層したものであり、駆動により生じた発光は第一電
極およびガラス基板を通じて外部に取り出される。この
ような有機電界発光素子では薄型、低電圧駆動下での高
輝度発光や、有機発光材料を選択することによる多色発
光が可能であり、発光デバイスやディスプレイなどに応
用する検討が盛んである。
【0003】有機電界発光素子における問題点の1つと
して、ダークスポットと呼ばれる非発光領域の面積が経
時的に大きくなることが挙げられる。このような特性劣
化を引き起こす原因は水分であることが知られている。
すなわち、水分が第二電極の欠陥などから有機薄膜層内
に浸入し、素子を不活性化するものである。
【0004】このようなダークスポットの拡大を防止す
るためには、有機電界発光素子を低湿度雰囲気下に保つ
ことが必要であり、通常は水分等の外的環境から素子を
保護する目的で封止手段が用いられてきた。該手段は素
子と封止材とを接着剤を介して封止するにあたり、素子
が2枚の基板で封着されている方法(特開平1−313
892号公報)を始めとし、酸化物やフッ化物等の水分
遮蔽性を有する保護膜を形成する方法(特開平4−21
2284号公報)、乾燥剤を封止素子内部に封入する方
法(特開平6−176867号公報)など多岐にわた
る。また封止に用いられる接着剤に関しては、耐湿性光
硬化樹脂を用いる方法(特開平5−182759号公
報)、低融点ガラスをレーザービームで加熱溶融させる
方法(特開平10−74583号公報)、カチオン硬化
型紫外線硬化エポキシ樹脂を用いる方法(特開平10−
233283号公報)等がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来技
術では主に接着手段の水分遮蔽能の低下による素子内部
への水分侵入や、水分遮蔽能を有する無機保護膜では成
膜時に素子にダメージを与え易いなど多くの問題点があ
り、ダークスポットの拡大を充分に抑制することは出来
なかった。
【0006】本発明はかかる問題を解決し、乾燥剤等が
なくてもダークスポットの経時的拡大を十分かつ安定に
抑制することが可能な有機電界発光素子およびその製造
方法を提供することが目的である。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、基板上に形成
された第一電極と、第一電極上に形成された少なくとも
有機化合物からなる発光層を含む薄膜層と、薄膜層上に
形成された第二電極と、接着剤で基板と貼り合わされた
封止板とを含む有機電界発光素子であって、前記接着剤
部分が2種類以上の接着剤で構成され、そのうち少なく
とも1種類の接着剤の透湿度が10g/m2・24h以
下であることを特徴とする有機電界発光素子である。
【0008】
【発明の実施の形態】以下では本発明を詳しく説明する
が、本発明は例示した形式や構造をもつ有機電界発光素
子の製造方法に限定されるわけではない。したがって、
単一発光素子、セグメント型、単純マトリクス型、アク
ティブマトリクス型などの発光素子の形式や、カラー、
モノクロなどの発光色数を問わず任意の構造の有機電界
発光素子に適用することが可能である。
【0009】本発明における有機電界発光素子の構成部
材には、例えば図1に示す素子では、基板1、封止板2
1、接着剤22など封止内部空間23に接するすべての
部材が含まれる。素子構成によっては、配線、コネクタ
ー、引き出し電極、素子表面を覆う保護フィルムなども
含まれる場合があり、構成部材は特に限定されるわけで
はない。
【0010】封止用接着剤に必要な特性としては、透湿
度が低く、熱的安定性が高く、有機電界発光素子を劣化
させない条件下での接着剤硬化が可能なこと等が挙げら
れる。これら特性の中でも、これまでに述べたように透
湿度の抑制は重要であり、本発明では封止用接着剤に、
少なくとも透湿度が10g/m2・24h以下の特性を
有する接着剤を含むことで前記特性をもたらすことがで
きた。さらに透湿度抑制にとって良好な接着剤だけでな
く、封止用接着剤として必要な特性を少なくとも1つ以
上持つ接着剤を組み合わせることにより、個々の接着剤
の欠点を相互補完し、全体として封止用接着剤として必
要な特性を満たすこともできる。
【0011】組み合わせの例としては、透湿度の低い接
着剤+熱的安定性の高い接着剤、透湿度の低い接着剤+
基板および封止板との密着性が高い接着剤などさまざま
な組み合わせがあるが、ダークスポットの原因となる水
分を効果的に抑制するためには、少なくとも透湿度の低
い樹脂が含まれていることが必要である。
【0012】組み合わせる接着剤の種類は2種類以上で
あり、接着剤としては、樹脂を含む有機化合物、はんだ
などの金属合金、低融点ガラス等の無機化合物など、封
止用接着剤としての特性を少なくとも1つ有するもので
あれば、いずれのものでも用いることができる。樹脂と
しては、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹
脂、ウレタン樹脂などの材料を用いることができるが、
比較的優れた耐熱性及び接着性を有するエポキシ系接着
剤を用いることが望ましい。エポキシ樹脂は加熱硬化
型、室温硬化型(2液混合型)、紫外線硬化型など種々
のものがあるが、いずれのものであっても構わない。
【0013】また、樹脂の透湿度をさらに小さくするた
めには、接着剤にはフィラーを混入しても構わない。フ
ィラーはシリカなどの無機材料からなる微小粒子であ
り、粒子の大きさや形状、混入割合は特に制限されるも
のではなく、必要に応じて最適化される。また、フィラ
ー表面をシランカップリング剤等を用いて表面処理する
ことにより、接着剤とフィラー間の親和性が増し、さら
に透湿度を小さくする効果が向上する。
【0014】本発明における透湿度は、接着剤のバルク
中を透過する水分量を表すパラメータであり、有機電界
発光素子の外部から封止空間内部への水分透過を抑制す
るためには小さい方が好ましい。この透湿度は封止用接
着剤にとって最も重要なパラメータであり、具体的に
は、JIS−Z−0208規格における透湿度が10g
/m2・24h以下、より好ましくは6g/m2・24h
以下であることが好ましい。
【0015】封止用接着剤の熱的安定性は、有機電界発
光素子の用途を考えると、80℃以上の高熱下でも接着
強度を維持することが必要である。本発明の接着剤部分
においてはその耐熱温度が80℃より高いことが望まし
く、100℃以上であることがより好ましい。ここで、
本発明における接着樹脂の耐熱温度とは、JIS−K−
6850規格に基づいた引っ張りせん断接着強度が3N
/mm2 以上を維持する温度範囲の上限の温度を指す。
【0016】接着剤の硬化条件としては、有機電界発光
素子が熱的に劣化しやすいことを考慮して、室温での硬
化、100℃以下での加熱硬化、または紫外線照射によ
る硬化、あるいはレーザーをスポット的に照射すること
により局所的に接着剤を加熱する方法などが好適な例と
して挙げられる。本発明では2種類以上の接着剤を組み
合わせて用いるので、必要に応じて複数の接着剤硬化処
理を施してもよい。
【0017】本発明における複数の接着剤の配置につい
ては、少なくとも透湿性の低い接着剤が有機電界発光素
子の発光領域を取り囲むように配置される必要がある
が、これと組み合わせて用いる接着剤は特に限定されな
い。例えば、図2(a)に示すような有機電界発光素子
の発光領域を取り囲むような連続的な配置、図2(b)
に示すような不連続な配置、図2(c)に示すような局
所的な配置など、さまざまな配置を施すことができる。
【0018】接着剤の配置方法については、公知の技
術、例えばディスペンサやスクリーン印刷法などによっ
て配置することができる。
【0019】封止板にはガラス、樹脂、あるいはアルミ
ニウムやステンレス等の金属など水分透過率の小さい材
料を板状もしくはフィルム状に形成したものを用いるこ
とができる。これらは単独系であっても、例えばポリエ
チレンなどの樹脂フィルム上にアルミニウムなどの金属
を蒸着した複合系であってもよい。
【0020】封止板21の形状は特に限定されず、図3
に示すような凹部24を形成したり、図4に示すような
脚部25を形成するなどして、基板と封止板との接着位
置を規定することもできる。このようにすることで、封
止内部空間23にガスやオイルを満たしたり、吸湿剤を
設けるための容積を確保することもできる。同様の効果
は接着剤の厚みを大きくすることなどによっても得るこ
とができる。さらに必要に応じてあらかじめ封止板表面
に、吸湿効果を有するゲッター膜などを形成したり、反
射防止効果を有する黒色膜あるいは光吸収膜を形成して
おくこともできる。前記吸湿剤としてはシリカゲル、ゼ
オライト、活性炭、酸化カルシウム、酸化ゲルマニウ
ム、酸化バリウム、酸化マグネシウム、五酸化リン、塩
化カルシウムなどを、前記ゲッター膜としてはアルミニ
ウム、マグネシウム、バリウム、チタンなどの金属蒸着
膜を例示することができる。
【0021】また本発明の発光素子の基板上には、少な
くとも一部分が薄膜層の厚さを上回る高さをもつスペー
サーを形成することもできる。このスペーサーは隔壁法
において第二電極をパターニングするための隔壁として
機能させたり、マスク蒸着法においてシャドーマスクが
薄膜層を傷つけることを防止する層として機能させた
り、発光領域を規定したり第一電極のエッジ部分を覆う
ための絶縁層などとして機能させることができる。
【0022】第一電極と第二電極は素子の発光のために
十分な電流を供給するための役割を有するものであり、
光を取り出すために少なくとも一方は透明であることが
望ましい。通常、基板上に形成される第一電極を透明電
極とし、これを陽極とする。
【0023】好ましい透明電極材料としては、酸化錫、
酸化亜鉛、酸化インジウム、ITOなどをあげることが
できる。パターニングを施す目的からは、加工性に優れ
たITOを用いることが好ましい。
【0024】第一電極をパターニングする場合には、ウ
エットエッチングを伴うフォトリソグラフィ法を用いる
ことができる。第一電極のパターン形状は特に限定され
ず、用途によって最適パターンを選択すればよい。本発
明では一定の間隔をあけて配置された複数のストライプ
状電極を好的な例として挙げることができる。
【0025】透明電極の表面抵抗を下げたり、電圧降下
抑制のために、ITOには少量の銀や金などの金属が含
まれていてもよく、また、錫、金、銀、亜鉛、インジウ
ム、アルミニウム、クロム、ニッケルをITOのガイド
電極として使用することも可能である。特に、クロムは
ブラックマトリックスとガイド電極の両方の機能を持た
せることができることから好適な金属である。素子の消
費電力の観点からは、ITOは低抵抗であることが望ま
しい。例えば、300Ω/□以下のITO基板(ITO
薄膜を形成した透明基板)であれば素子電極として機能
するが、現在では10Ω/□程度のITO基板の供給も
可能になっていることから、低抵抗品を使用することも
可能である。ITOの厚みは抵抗値と関係があり一概に
規定できないが、通常50〜300nmである。ITO
膜形成方法は、電子ビーム法、スパッタリング法、化学
反応法、コーティング法など特に制限を受けるものでは
ない。
【0026】透明電極は可視光線透過率が30%以上あ
れば使用に大きな障害はないが、理想的には100%に
近い方が好ましい。基本的には可視光全域において同程
度の透過率をもつことが好ましいが、発光色を変化させ
たい場合には積極的に光吸収性を付与させることも可能
である。このような場合にはカラーフィルターや干渉フ
ィルターを用いて変色させる方法が技術的に容易であ
る。
【0027】基板の材料は、表示または発光素子として
機能するに適した光学的透明性、機械的強度、耐熱性な
どを有するものであれば、材質は特に限定されない。ポ
リメチルメタクリレート、ポリカーボネート、無定形ポ
リオレフィンなどのプラスチック板やフィルム類を用い
ることができるが、ガラス板を用いるのが最も好まし
い。ガラスの材質については、無アルカリガラスや酸化
珪素膜などのバリアコートを施したソーダライムガラス
などが使用できる。厚みは機械的強度を保つのに十分な
厚みがあればよいので、0.5mm以上あれば十分であ
る。なお、上記第一電極もしくは基板には、公知技術を
用いて反射防止機能を付加することができる。
【0028】既に述べたスペーサーは、第一電極に接す
る状態で形成されることが多いので、十分な電気絶縁性
を有することが好ましい。導電性のスペーサーを用いる
こともできるが、その場合は電極間の短絡を防止するた
めの電気絶縁性部分を形成すればよい。スペーサー材料
としては公知の材料を用いることが可能であり、無機物
では酸化ケイ素をはじめとする酸化物材料、ガラス材
料、セラミックス材料などを、有機物ではポリビニル
系、ポリイミド系、ポリスチレン系、アクリル系、ノボ
ラック系、シリコーン系などのポリマー系樹脂材料を好
ましい例として挙げることができる。さらに、スペーサ
ーの全体、もしくは基板あるいは第一電極と接する部分
を黒色化することで、有機電界発光装置の表示コントラ
スト向上に寄与するブラックマトリクス的な機能をスペ
ーサーに付加することもできる。このような場合のスペ
ーサー材料としては、無機物ではケイ素、砒化ガリウ
ム、二酸化マンガン、酸化チタンや酸化クロムと金属ク
ロムとの積層膜などを、有機物では上記樹脂材料に、電
気絶縁性を高めるために表面処理の施されたカーボンブ
ラック系、フタロシアニン系、アントラキノン系、モノ
アゾ系、ビスアゾ系、金属錯塩型モノアゾ系、トリアリ
ルメタン系、アニリン系などの公知の顔料や染料、ある
いは上記無機材料粉末を混合した材料を好ましい例とし
て挙げることができる。
【0029】スペーサーのパターニング方法は特に限定
されないが、第一電極のパターニング工程後に基板全面
にスペーサー層を形成し、公知のフォトリソ法を用いて
パターニングする方法が工程的に容易である。フォトレ
ジストを使用したエッチング法あるいはリフトオフ法に
よってスペーサーをパターニングしてもよいし、例示し
た上記樹脂材料に感光性を付加させた感光性スペーサー
材料を用い、スペーサー層を直接露光、現像することで
パターニングすることもできる。
【0030】有機電界発光素子に含まれる薄膜層として
は、1)正孔輸送層/発光層、2)正孔輸送層/発光層
/電子輸送層、3)発光層/電子輸送層、そして4)以
上の組合せ物質を一層に混合した形態の発光層、のいず
れであってもよい。すなわち、素子構成として有機化合
物からなる発光層が存在していれば、上記1)〜3)の
多層積層構造の他に4)のように発光材料単独または発
光材料と正孔輸送材料や電子輸送材料を含む発光層を一
層設けるだけでも良い。
【0031】正孔輸送層は正孔輸送性物質単独で、ある
いは正孔輸送性物質と高分子結着剤により形成される。
正孔輸送性物質としては、N,N’−ジフェニル−N,
N’−ジ(3−メチルフェニル)−1,1’−ジフェニ
ル−4,4’−ジアミン(TPD)やN,N’−ジフェ
ニル−N,N’−ジナフチル−1,1’−ジフェニル−
4,4’−ジアミン(NPD)などに代表されるトリフ
ェニルアミン類、N−イソプロピルカルバゾール、ビス
カルバゾール誘導体、ピラゾリン誘導体、スチルベン系
化合物、ヒドラゾン系化合物、オキサジアゾール誘導体
やフタロシアニン誘導体に代表される複素環化合物、ポ
リマー系では前記単量体を側鎖に有するポリカーボネー
トやポリスチレン誘導体、ポリビニルカルバゾール、ポ
リシラン、ポリフェニレンビニレンなどが好ましいが、
特に限定されるものではない。
【0032】第一電極上にパターニングして形成される
発光層の材料は、アントラセンやピレン、そして8−ヒ
ドロキシキノリンアルミニウムの他には、例えば、ビス
スチリルアントラセン誘導体、テトラフェニルブタジエ
ン誘導体、クマリン誘導体、オキサジアゾール誘導体、
ジスチリルベンゼン誘導体、ピロロピリジン誘導体、ペ
リノン誘導体、シクロペンタジエン誘導体、チアジアゾ
ロピリジン誘導体、ポリマー系では、ポリフェニレンビ
ニレン誘導体、ポリパラフェニレン誘導体、そしてポリ
チオフェン誘導体などが使用できる。また、発光層に添
加するドーパントとしては、ルブレン、キナクリドン誘
導体、フェノキサゾン660、DCM1、ペリノン、ペ
リレン、クマリン540、ジアザインダセン誘導体など
がそのまま使用できる。
【0033】電子輸送性物質としては、電界を与えられ
た電極間において陰極からの電子を効率よく輸送するこ
とが必要で、電子注入効率が高く、注入された電子を効
率よく輸送することが望ましい。そのためには電子親和
性が大きく、しかも電子移動度が大きく、さらに安定性
に優れ、トラップとなる不純物が製造時および使用時に
発生しにくい物質であることが要求される。このような
条件を満たす物質として8−ヒドロキシキノリンアルミ
ニウム(Alq3)、ヒドロキシベンゾキノリンベリリ
ウム、2−(4−ビフェニル)−5−(4−t−ブチル
フェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(t−Bu
PBD)などのオキサジアゾール系誘導体、薄膜安定性
を向上させたオキサジアゾール二量体系誘導体の1,3
−ビス(4−t−ブチルフェニル−1,3,4−オキサ
ジゾリル)ビフェニレン(OXD−1)、1,3−ビス
(4−t−ブチルフェニル−1,3,4−オキサジゾリ
ル)フェニレン(OXD−7)、トリアゾール系誘導
体、フェナントロリン系誘導体などがある。
【0034】以上の正孔輸送層、発光層、電子輸送層に
用いられる材料は単独で各層を形成することができる
が、高分子結着剤としてポリ塩化ビニル、ポリカーボネ
ート、ポリスチレン、ポリ(N−ビニルカルバゾー
ル)、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリ
レート、ポリエステル、ポリスルホン、ポリフェニレン
エーテル、ポリブタジエン、炭化水素樹脂、ケトン樹
脂、フェノキシ樹脂、ポリウレタン樹脂などの溶剤可溶
性樹脂や、フェノール樹脂、キシレン樹脂、石油樹脂、
ユリア樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、
アルキド樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂などの硬
化性樹脂などに分散させて用いることも可能である。
【0035】上記正孔輸送層、発光層、電子輸送層など
の有機層の形成方法は、抵抗加熱蒸着、電子ビーム蒸
着、スパッタリング法などがある。特に限定されるもの
ではないが、通常は、抵抗加熱蒸着、電子ビーム蒸着な
どの蒸着法が特性面で好ましい。層の厚みは、有機層の
抵抗値にもよるので限定することはできないが、10〜
1000nmの間から選ばれる。
【0036】第二電極となる陰極は、電子を本素子の発
光層に効率よく注入できる物質であれば特に限定されな
い。従って、アルカリ金属などの低仕事関数金属の使用
も可能であるが、電極の安定性を考えると、白金、金、
銀、銅、鉄、錫、アルミニウム、マグネシウム、インジ
ウムなどの金属、またはこれら金属と低仕事関数金属と
の合金などが好ましい例として挙げられる。また、あら
かじめ有機層に低仕事関数金属を微量ドーピングしてお
き、その後に比較的安定な金属を陰極として成膜するこ
とで、電極注入効率を高く保ちながら安定な電極を得る
こともできる。これらの電極の作製法も抵抗加熱蒸着、
電子ビーム蒸着、スパッタリング、イオンプレーティン
グ法などのドライプロセスが好ましい。
【0037】第二電極上には必要に応じて保護層を形成
することができる。保護層としては既に例示した第一電
極および第二電極材料の他に、酸化ケイ素、酸化ガリウ
ム、酸化チタン、窒化ケイ素などの無機材料、各種高分
子材料、有機電界発光素子を構成する有機材料を用いる
ことができる。なかでも窒化ケイ素は水分に対するバリ
ア性に優れた好適な保護層材料である。これら保護膜は
蒸着法、スパッタリング法、CVD法などによって形成
される。
【0038】
【実施例】以下、実施例および比較例を挙げて本発明を
説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるも
のではない。
【0039】実施例1 厚さ1.1mmの無アルカリガラス表面にスパッタリン
グ蒸着法によって厚さ130nmのITO透明電極膜が
形成されたITO基板((株)ジオマテック製)を用意
した。このITO膜をフォトリソ法を用いてパターニン
グした後、46mm×38mmの大きさに切断して、基
板中央部に幅12mmのITO膜(第一電極)が存在す
るようにパターニングして基板を作製した。
【0040】この基板を洗浄してから蒸着機にセット
し、2×10-4Paの真空度まで排気した。15mm角
の開口部を有する発光層用シャドーマスクを配置した状
態で、水晶振動子による膜厚モニター表示値で銅フタロ
シアニン10nm、N,N’−ジフェニル−N,N’−
ジナフチル−1,1’−ジフェニル−4,4’−ジアミ
ン(α−NPD)50nmおよびトリス(8−キノリノ
ラト)アルミニウム(Alq3)50nmを蒸着した。そ
の後、薄膜層をリチウム蒸気に曝してドーピング(膜厚
換算量0.5nm)した。次に、5×12mmの開口部
を4つ有する第二電極用シャドーマスクに交換し、真空
度3×10-4Paでアルミニウムを120nmの厚さに
蒸着して、第二電極をパターニングした。このようにし
て基板上に4つの緑色発光領域を有する発光素子を作製
した。
【0041】本素子を蒸着機から取り出し、ロータリー
ポンプによる減圧雰囲気下で20分間保持した後に、酸
素濃度が10-4%、露点−95℃のアルゴン雰囲気下に
移した。該乾燥雰囲気下で、上述の発光素子と1.1m
m厚の無アルカリガラスを封止板として、2種類の接着
剤を用いて貼り合わせ封止を行った。用いた樹脂は、紫
外線硬化樹脂(30Y−296G、(株)スリーボンド
製、透湿度4.8g/m2・24h)と2液混合型樹脂
(AW106+HV994、(株)チバ・スペシャルテ
ィ・ケミカルズ製、耐熱温度60℃)である。接着剤の
配置は、図2(c)において、紫外線硬化樹脂は10の
位置に、2液混合型樹脂は11の位置に配置した。所望
の条件で接着剤を完全に硬化させた後に、耐環境性保存
試験として封止素子を温度80℃・湿度80%の恒温恒
湿条件下で非点灯の状態で保存した。この素子を任意の
時間に発光させ、非発光領域の大きさを測定し、非発光
領域が拡大し始めるまでの時間を測定した。その結果、
260時間経過後も非発光領域の拡大は観察されず、良
好な封止特性を示した。
【0042】実施例2 実施例1において、2液混合型樹脂として別の樹脂(A
W136N+HY994、(株)チバ・スペシャルティ
・ケミカルズ製、耐熱温度100℃)を用いる以外は同
様の実験を行った。その結果、300時間経過後も非発
光領域の拡大は観察されず、非常に良好な封止特性を示
した。
【0043】実施例3 実施例1において、2液混合型樹脂として別の樹脂(X
NR3101+XNH3101、(株)チバ・スペシャ
ルティ・ケミカルズ製、耐熱温度120℃)を用いる以
外は同様の実験を行った。その結果、330時間経過後
も非発光領域の拡大は観察されず、非常に良好な封止特
性を示した。
【0044】比較例1 実施例1において、封止用接着剤に紫外線硬化樹脂を用
いず、2液混合型樹脂のみを用い、図5のような配置で
封止を行う以外は実施例1と同様の実験を行った。その
結果、100時間が経過する以前に非発光領域の拡大が
観察され、充分な封止特性を得ることが出来なかった。
【0045】比較例2 実施例1において、2液混合型樹脂を用いないで、図5
のような配置で実施例1の紫外線硬化樹脂1種類のみを
用いて封止を行う以外は実施例1と同様の実験を行っ
た。その結果、100時間が経過する以前に非発光領域
の拡大が観察され、充分な封止特性を得ることが出来な
かった。
【0046】比較例3 実施例3において、紫外線硬化樹脂として別の樹脂(#
3735、(株)ロックタイト製、透湿度93g/m2
・24h)を用いる以外は同様の実験を行った。その結
果、60時間が経過する以前に非発光領域の拡大が観察
され、充分な封止特性を得ることが出来なかった。
【0047】
【発明の効果】本発明の有機電界発光素子では、封止用
接着剤が2種類以上から構成され、そのうち少なくとも
1種類の接着剤の透湿度が10g/m2・24h以下で
あることにより、ダークスポットの経時拡大を効果的に
抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で製造される有機電界発光素子の一例を
示す断面図。
【図2】(a)、(b)、(c)本発明で製造される有
機電界発光素子の別の一例を示す図。
【図3】本発明で製造される有機電界発光素子の別の一
例を示す断面図。
【図4】本発明で製造される有機電界発光素子の別の一
例を示す断面図。
【図5】従来の方法で製造される有機電界発光素子の一
例を示す図。
【符号の説明】
1 基板 2 第一電極 3 駆動源 5 正孔輸送層 6 発光層 7 発光領域 8 第二電極 10 低透湿樹脂 11 その他の樹脂 21 封止板 22 接着樹脂 23 封止内部空間 24 凹部 25 脚部

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板上に形成された第一電極と、第一電極
    上に形成された少なくとも有機化合物からなる発光層を
    含む薄膜層と、薄膜層上に形成された第二電極と、接着
    剤で基板と貼り合わされた封止板とを含む有機電界発光
    素子であって、前記接着剤部分が2種類以上の接着剤で
    構成され、そのうち少なくとも1種類の接着剤の透湿度
    が10g/m2・24h以下であることを特徴とする有
    機電界発光素子。
  2. 【請求項2】請求項1記載の有機電界発光素子であっ
    て、少なくとも1種類の接着剤の耐熱温度が80℃以上
    であることを特徴とする有機電界発光素子。
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