JP2001210464A - 有機電界発光素子 - Google Patents

有機電界発光素子

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JP2001210464A
JP2001210464A JP2000014567A JP2000014567A JP2001210464A JP 2001210464 A JP2001210464 A JP 2001210464A JP 2000014567 A JP2000014567 A JP 2000014567A JP 2000014567 A JP2000014567 A JP 2000014567A JP 2001210464 A JP2001210464 A JP 2001210464A
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organic electroluminescent
electrode
sealing plate
light emitting
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JP2000014567A
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Takeshi Ikeda
武史 池田
Shigeo Fujimori
茂雄 藤森
Tetsuo Oka
哲雄 岡
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Toray Industries Inc
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Toray Industries Inc
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    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10KORGANIC ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES
    • H10K50/00Organic light-emitting devices
    • H10K50/80Constructional details
    • H10K50/84Passivation; Containers; Encapsulations
    • H10K50/841Self-supporting sealing arrangements

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Abstract

(57)【要約】 【課題】薄型特性を損なうことなく安定な発光特性を保
持する有機電界発光素子を提供することができる。 【解決手段】基板上に第一電極と、少なくとも有機化合
物からなる発光層を含む薄膜層と、第二電極を積層する
ことにより発光領域を形成し、さらにこの基板と封止板
とを貼り合わせて封止が行われる有機電界発光素子であ
って、前記封止板と基板が接する面の発光領域を取り囲
む位置に凹部が形成されていることを特徴とする有機電
界発光素子。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、表示素子、フラッ
トパネルディスプレイ、バックライト、照明、インテリ
ア、標識、看板、電子写真機などの分野に利用可能な電
気エネルギーを光に変換できる有機電界発光素子に関す
る。
【0002】
【従来の技術】有機電界発光素子は陽極から注入された
正孔と陰極から注入された電子とが両極に挟まれた有機
発光層内で再結合することにより発光するものである。
その代表的な構造は、ガラス基板上に透明な第一電極
(陽極)、正孔輸送層、有機発光層、第二電極(陰極)
を積層したものであり、駆動により生じた発光は第一電
極およびガラス基板を通じて外部に取り出される。この
ような有機電界発光素子では薄型、低電圧駆動下での高
輝度発光や、有機発光材料を選択することによる多色発
光が可能であり、発光デバイスやディスプレイなどに応
用する検討が盛んである。
【0003】一方で、有機電界発光素子は高温、高湿な
どの条件により容易に劣化するという欠点がある。特に
高湿条件では非発光領域、いわゆるダークスポットが拡
大し、発光素子としての機能が著しく低下する。このダ
ークスポット拡大の原因は水分であることが知られてお
り、これまで有機電界発光素子を水分から遮蔽するため
の封止技術が数多く開示されている。
【0004】特開平1−243393号公報では有機電
界発光素子を図1のように樹脂を用いてモールドする方
法が開示されている。この方法は、半導体封止、IC封
止など他分野で行われている封止方法と同様に、素子部
全体を透湿性の低い材料で覆うものである。この方法に
よれば、有機電界発光素子を水分からほぼ完全に遮蔽す
ることができる。しかしながら、前述のように有機電界
発光素子は熱などによって容易に劣化するため、樹脂を
硬化させるための加熱や、紫外線等の照射などの硬化プ
ロセスに大きな制限があった。また樹脂硬化時の体積収
縮などにより応力場が発生し、これにより有機電界発光
素子の陰極/有機層界面を剥離させ、ダークスポットが
拡大したり、リーク画素が発生するという問題があっ
た。
【0005】この問題を解決する技術として、特開平4
−363890号公報では有機電界発光素子と封止板と
で挟持される封止空間をフッ化炭素液体などの不活性液
体で満たす方法が開示されている。この技術によれば、
樹脂硬化のための加熱や紫外線照射による有機電界発光
素子の劣化は起こらなくなる。しかしながら、ディスプ
レイや発光デバイスとしての実用条件を想定した繰り返
し熱履歴を付加した時、封止空間内部では大きな熱応力
が発生し、素子にダメージを与えるという問題があっ
た。
【0006】一方では、特開平4−249092号公報
では上記封止空間をHeガスで満たす方法が開示されて
いる。この方法によれば、有機電界発光素子には熱応力
によるダメージがほとんど発生しない。しかしながら、
発光素子周辺だけを樹脂などの封止剤により貼り合せを
行う場合、樹脂幅の制御が難しく、多くの場合スクリー
ン印刷法やディスペンサーによる高精度な樹脂幅を制御
する技術が必要となる。封止剤は温度などの条件により
粘度が著しく変化するため、封止剤塗布時などに封止剤
が発光素子部まで侵入し、素子にダメージを与える問題
がしばしば見られる。
【0007】この問題を解決するための一つの方法とし
て、特開平8−241790号公報では図2に示すよう
に、封止板9を座グリ形状に加工する方法が開示されて
いる。この封止板を用いて封止を行うことにより、余分
な封止剤4が発光素子部まで侵入しなくなり安定な発光
特性を持つ有機電界発光素子を得ることができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら図2に示
すように座グリ形状の封止板は平板形状の封止板よりも
厚く、このため封止した素子も厚くなり薄型素子として
の特性が損なわれる。さらにこの封止板の厚さを薄くす
ると機械的強度が小さくなり、封止板に垂直方向に働く
負荷に対して容易に破壊することが懸念される。
【0009】本発明はかかる問題を解決し、薄型特性を
損なうことなく安定な発光特性を保持する有機電界発光
素子を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、基板上に第一
電極と、少なくとも有機化合物からなる発光層を含む薄
膜層と、第二電極を積層することにより発光領域を形成
し、さらにこの基板と封止板とを貼り合わせて封止が行
われる有機電界発光素子であって、前記封止板と基板が
接する面の発光領域を取り囲む位置に凹部が形成されて
いることを特徴とする有機電界発光素子である。
【0011】
【発明の実施の形態】以下では本発明を詳しく説明する
が、本発明は例示した形式や構造をもつ有機電界発光素
子の製造方法に限定されるわけではない。したがって、
単一発光素子、セグメント型、単純マトリクス型、アク
ティブマトリクス型などの発光素子の形式や、カラー、
モノクロなどの発光色数を問わず任意の構造の有機電界
発光素子に適用することが可能である。
【0012】本発明は、基板上に第一電極と、少なくと
も有機化合物からなる発光層を含む薄膜層と、第二電極
を積層することにより発光領域を形成し、さらにこの基
板と封止板とを貼り合わせて封止が行われる有機電界発
光素子であって、前記封止板と基板が接する面の発光領
域を取り囲む位置に凹部が形成されていることを特徴と
し、より好ましくは封止板に凹部を形成するのがよい。
【0013】本発明での凹部とは、基板あるいは封止板
の平均厚さよりも小さい厚さを持つ領域を指す。この凹
部の基板あるいは封止板に対する断面形状は、矩形など
の比較的簡単な形状から、V形、半円形、さらにより複
雑なものまであらゆる形状を持つことができる。凹部の
深さは用いる基板あるいは封止板の厚さや強度にもよる
ので一概には言えないが、上限としては機械的な強度を
考慮して、基板あるいは封止板の厚さの80%、下限と
しては1μmの範囲であれば十分な効果が得られる。例
えば1.1mmの基板を用いる時は、1μmから0.9
mmの範囲にあれば十分な効果が得られ、より好ましく
は10μmから0.5mmの範囲にあることが望まし
い。
【0014】基板あるいは封止板に対して凹部を形成す
る位置は、図3に示すように素子を封止した時に発光領
域を取り囲む位置であれば良く、またどのような形状を
持つものでも構わない。例えば図3に示すように単純な
4角形を縁取るようなものから、三角形以上の多角形、
円形、文字形などさまざまな形状が適用できる。またこ
れらの凹部は必ずしも連続した形状を持つ必要はなく、
ドット状などの不連続な配置であっても十分な効果が得
られる。
【0015】本発明により得られる効果は第一に、封止
剤の発光素子部への侵入を抑止することである。通常の
貼り合せによる封止では、基板と封止板の間に封止剤を
介在させて貼り合せを行う。封止剤は初期特性としては
比較的低粘度であるために、基板と封止板を貼り合せる
と、貼り合せる方向に負荷が生じて封止剤は基板と平行
方向へと広がる。このため封止剤の粘度や貼り合せ時の
負荷などの条件によっては、発光素子部にまで封止剤が
侵入し、発光素子部を劣化させることがしばしば起こ
る。このような素子劣化を抑制する一般的な方法とし
て、スクリーン印刷法やディスペンサーにより適量の封
止剤を塗布する方法が用いられているが、温度などの条
件により著しく粘度が変化するような封止剤に対しては
完全な制御が難しく、生産の歩留まりが低くなることが
懸念される。しかしながら、本発明の凹部を有する基板
あるいは封止板を用いれば、温度や貼り合せ時の負荷な
どのあらゆる条件においても余分な封止剤を凹部へと吸
収させることができるため、封止剤の広がりによる素子
の劣化を完全に抑制することができる。
【0016】また本発明によれば、貼り合せを行う時に
余分な封止剤を凹部へ吸収させることができるので封止
剤の厚みムラを解消し、基板と封止板の平行度を高精度
に保つことができる。これにより、本発明によって得ら
れた有機電界発光素子は高い寸法精度を有するので、高
精度な実装が可能となる。
【0017】さらに本発明によれば、基板あるいは封止
板に凹部を形成するだけでなく、基板に形成された凹部
と封止板に形成された凸部、もしくは基板に形成された
凸部と封止板に形成された凹部とがお互いかみ合うよう
に貼り合わせることにより、従来の条件で封止を行った
素子よりも飛躍的に封止特性を向上させることができ
る。
【0018】これまで、貼り合せ法による封止技術の検
討を重ねた結果、封止剤の幅と封止特性の間には強い相
関があることがわかった。ここで言う封止特性とは、有
機電界発光素子の表示特性を劣化させる原因である水分
等が封止空間内部へ侵入するのを抑制する特性であり、
封止特性を向上させるためには封止剤の塗布幅を大きく
することが効果的である。しかし実用面を考えると多く
の場合この封止剤の塗布幅は小さいことが好ましく、実
際はこれらの兼ね合いで決定される。一方、本発明で
は、封止剤の幅を大きくすることなく封止特性を向上さ
せることができる。
【0019】さらに具体的に図を用いて説明する。図4
は、基板1と封止板9を封止剤4を用いて貼り合わせた
有機電界発光素子の断面図である。素子を劣化させる水
分は封止剤を介して侵入してくるのであるが、この図に
示すように、基板に形成された凸部15と封止板に形成
された凹部14とをお互いかみ合うように貼り合わせる
ことにより、水分が封止空間へ侵入するまでの経路を格
段に大きすることができる。すなわち、封止剤の塗布幅
を大きくすることなく封止特性を向上させることが可能
となり、発光領域の有効面積が非常に大きな有機電界発
光素子を作製することができるようになる。図4には基
板に形成された凸部と封止板に形成された凹部を示して
いるが、基板に凹部、封止板に凸部など逆でもよく、そ
のどちらであっても構わない。より好ましくは、基板に
は電極を形成することを考慮して、封止板に凹部、基板
に凸部を形成することが望ましい。
【0020】封止板にはガラス、樹脂、あるいはアルミ
ニウムやステンレス等の金属など水分透過率の小さい材
料を板状もしくはフィルム状に形成したものを用いるこ
とができる。これらは単独系であっても、例えばポリエ
チレンなどの樹脂フィルム上にアルミニウムなどの金属
を蒸着した複合系であってもよい。さらに必要に応じ
て、あらかじめ封止板表面に吸湿効果を有するゲッター
膜などを形成したり、反射防止効果を有する黒色膜ある
いは光吸収膜を形成しておくこともできる。吸湿剤とし
てはシリカゲル、ゼオライト、活性炭、酸化カルシウ
ム、酸化ゲルマニウム、酸化バリウム、酸化マグネシウ
ム、五酸化リン、塩化カルシウムなどを、前記ゲッター
膜としてはアルミニウム、マグネシウム、バリウム、チ
タンなどの金属蒸着膜を例示することができる。
【0021】基板の材料は、表示または発光素子として
機能するに適した光学的透明性、機械的強度、耐熱性な
どを有するものであれば、材質は特に限定されないが、
一般的にはガラスや樹脂が好適である。樹脂としては、
ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、無定形
ポリオレフィンなどのプラスチック板やフィルム類を用
いることができる。ガラスについては、無アルカリガラ
スや酸化珪素膜などのバリアコートを施したソーダライ
ムガラスなどが使用できる。厚みは機械的強度を保つの
に十分な厚みがあればよいので、0.5mm以上あれば
十分である。なお、上記第一電極もしくは基板には、公
知技術を用いて反射防止機能を付加することができる。
【0022】基板、あるいは封止板に対して凹部または
凸部を形成する方法は、用いる材質や形状を考慮して、
あらゆる公知の方法から選択することができる。例え
ば、射出成形、押出成形、熱成形、冷間成形、スクリー
ン印刷法、ホットプレス法、掘削法、蒸着法、スパッタ
リング法、CVD法などが挙げられるが、これらに限定
されることはなくあらゆる方法を用いることができる。
【0023】さらに、基板洗浄を行うことにより、基板
表面が清浄になりゴミやダストによる欠陥を抑制するこ
とができる。基板洗浄を行う時は、洗浄剤としてアセト
ン、イソプロビルアルコール、メタノールをはじめとす
る各種有機溶媒、アルカリ洗浄液、界面活性剤などを適
宜使用することができる。洗浄方法としては基板を洗浄
剤中に浸漬させるだけの方法から、洗浄剤を直噴射する
方法、あるいは超音波洗浄法などさまざまな方法を用い
ることができる。洗浄後の基板は、高圧ガスを噴射した
り、赤外線照射によって加熱するなどして完全に洗浄剤
を除去すると、より一層洗浄の効果が高まる。また必要
に応じて洗浄後の基板をUVオゾン洗浄すると、更に清
浄な表面を持った基板が得られる。
【0024】本発明における封止剤としては、エポキシ
樹脂、ポリイミド樹脂、ノボラック樹脂、ポリエステル
樹脂、アクリル樹脂をはじめとする様々な樹脂やはんだ
などをはじめとする各種無機材料などさまざまな材料を
用いることができるが、基板あるいは封止板との接着
性、高い水分遮蔽性を有するものであれば、いずれも好
適なものとして用いることができる。
【0025】封止を行う方法としては、基板と封止板と
を封止剤を介して貼り合せれば良く、特に限定はされな
い。
【0026】第一電極と第二電極は素子の発光のために
十分な電流を供給するための役割を有するものであり、
光を取り出すために少なくとも一方は透明であることが
望ましい。本発明において、基板上に形成される第一電
極を透明電極とし、これを陽極とする。
【0027】好ましい透明電極材料としては、酸化錫、
酸化亜鉛、酸化インジウム、インジウムー錫酸化物(以
下ITO)などをあげることができる。パターニングを
施す目的からは、加工性に優れたITOを用いることが
好ましい。
【0028】第一電極をパターニングする場合には、ウ
エットエッチングを伴うフォトリソグラフィ法を用いる
ことができる。第一電極のパターン形状は特に限定され
ず、用途によって最適パターンを選択すればよい。本発
明では一定の間隔をあけて配置された複数のストライプ
状電極を好的な例として挙げることができる。
【0029】第一電極の表面抵抗を下げたり、電圧降下
抑制のために、少量の銀や金などの金属が含まれていて
もよく、また、錫、金、銀、亜鉛、インジウム、アルミ
ニウム、クロム、ニッケルを第一電極のガイド電極とし
て使用することも可能である。特に、クロムはブラック
マトリックスとガイド電極の両方の機能を持たせること
ができることから好適な金属である。素子の消費電力や
駆動時の低電圧化の観点からは、第一電極は低抵抗であ
ることが望ましい。例えば第一電極としてITOを用い
る場合、300Ω/□以下のITO基板(ITO薄膜を
形成した透明基板)であれば素子電極として機能する
が、現在では10Ω/□程度のITO基板の供給も可能
になっていることから、低抵抗品を使用することも可能
である。ITOの厚みは抵抗値と関係があり一概に規定
できないが、通常50〜300nmである。
【0030】第一電極膜形成方法は、電子ビーム法、ス
パッタリング法、化学反応法、コーティング法など特に
制限を受けるものではない。
【0031】透明電極は可視光線透過率が30%以上あ
れば使用に大きな障害はないが、理想的には100%に
近い方が好ましい。基本的には可視光全域において同程
度の透過率をもつことが好ましいが、発光色を変化させ
たい場合には積極的に光吸収性を付与させることも可能
である。このような場合にはカラーフィルターや干渉フ
ィルターを用いて変色させる方法が技術的に容易であ
る。
【0032】有機電界発光素子に含まれる薄膜層として
は、1)正孔輸送層/発光層、2)正孔輸送層/発光層
/電子輸送層、3)発光層/電子輸送層、そして4)以
上の組合せ物質を一層に混合した形態の発光層、のいず
れであってもよい。すなわち、素子構成として有機化合
物からなる発光層が存在していれば、上記1)〜3)の
多層積層構造の他に4)のように発光材料単独または発
光材料と正孔輸送材料や電子輸送材料を含む発光層を一
層設けるだけでも良い。
【0033】正孔輸送層は正孔輸送性物質単独で、ある
いは正孔輸送性物質と高分子結着剤により形成される。
正孔輸送性物質としては、N,N’−ジフェニル−N,
N’−ジ(3−メチルフェニル)−1,1’−ジフェニ
ル−4,4’−ジアミン(TPD)やN,N’−ジフェ
ニル−N,N’−ジナフチル−1,1’−ジフェニル−
4,4’−ジアミン(NPD)などに代表されるトリフ
ェニルアミン類、N−イソプロピルカルバゾール、ビス
カルバゾール誘導体、ピラゾリン誘導体、スチルベン系
化合物、ヒドラゾン系化合物、オキサジアゾール誘導体
やフタロシアニン誘導体に代表される複素環化合物、ポ
リマー系では前記単量体を側鎖に有するポリカーボネー
トやポリスチレン誘導体、ポリビニルカルバゾール、ポ
リシラン、ポリフェニレンビニレンなどが好ましいが、
特に限定されるものではない。
【0034】第一電極上にパターニングして形成される
発光層の材料は、アントラセンやピレン、そして8−ヒ
ドロキシキノリンアルミニウムの他には、例えば、ビス
スチリルアントラセン誘導体、テトラフェニルブタジエ
ン誘導体、クマリン誘導体、オキサジアゾール誘導体、
ジスチリルベンゼン誘導体、ピロロピリジン誘導体、ピ
ロロピロール誘導体、ペリノン誘導体、シクロペンタジ
エン誘導体、チアジアゾロピリジン誘導体、ポリマー系
では、ポリフェニレンビニレン誘導体、ポリパラフェニ
レン誘導体、そしてポリチオフェン誘導体などが使用で
きる。また、発光層に添加するドーパントとしては、ル
ブレン、キナクリドン誘導体、フェノキサゾン660、
DCM1、ペリノン、ペリレン、クマリン540、ジア
ザインダセン誘導体などがそのまま使用できる。
【0035】電子輸送性物質としては、電界を与えられ
た電極間において陰極からの電子を効率よく輸送するこ
とが必要で、電子注入効率が高く、注入された電子を効
率よく輸送することが望ましい。そのためには電子親和
性が大きく、しかも電子移動度が大きく、さらに安定性
に優れ、トラップとなる不純物が製造時および使用時に
発生しにくい物質であることが要求される。このような
条件を満たす物質として8−ヒドロキシキノリンアルミ
ニウム(Alq3)、ヒドロキシベンゾキノリンベリリ
ウム、2−(4−ビフェニル)−5−(4−t−ブチル
フェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(t−Bu
PBD)などのオキサジアゾール系誘導体、薄膜安定性
を向上させたオキサジアゾール二量体系誘導体の1,3
−ビス(4−t−ブチルフェニル−1,3,4−オキサ
ジゾリル)ビフェニレン(OXD−1)、1,3−ビス
(4−t−ブチルフェニル−1,3,4−オキサジゾリ
ル)フェニレン(OXD−7)、トリアゾール系誘導
体、フェナントロリン系誘導体などがある。
【0036】以上の正孔輸送層、発光層、電子輸送層に
用いられる材料は単独で各層を形成することができる
が、高分子結着剤としてポリ塩化ビニル、ポリカーボネ
ート、ポリスチレン、ポリ(N−ビニルカルバゾー
ル)、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリ
レート、ポリエステル、ポリスルホン、ポリフェニレン
エーテル、ポリブタジエン、炭化水素樹脂、ケトン樹
脂、フェノキシ樹脂、ポリウレタン樹脂などの溶剤可溶
性樹脂や、フェノール樹脂、キシレン樹脂、石油樹脂、
ユリア樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、
アルキド樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂などの硬
化性樹脂などに分散させて用いることも可能である。
【0037】上記正孔輸送層、発光層、電子輸送層など
の有機層の形成方法は、抵抗加熱蒸着、電子ビーム蒸
着、スパッタリング法などがある。特に限定されるもの
ではないが、通常は、抵抗加熱蒸着、電子ビーム蒸着な
どの蒸着法が特性面で好ましい。層の厚みは、有機層の
抵抗値にもよるので限定することはできないが、10〜
1000nmの間から選ばれる。
【0038】第二電極となる陰極は、電子を本素子の発
光層に効率よく注入できる物質であれば特に限定されな
い。従って、アルカリ金属などの低仕事関数金属の使用
も可能であるが、電極の安定性を考えると、白金、金、
銀、銅、鉄、錫、アルミニウム、マグネシウム、インジ
ウムなどの金属、またはこれら金属と低仕事関数金属と
の合金などが好ましい例として挙げられる。また、あら
かじめ有機層に低仕事関数金属を微量ドーピングしてお
き、その後に比較的安定な金属を陰極として成膜するこ
とで、電極注入効率を高く保ちながら安定な電極を得る
こともできる。これらの電極の作製法も抵抗加熱蒸着、
電子ビーム蒸着、スパッタリング、イオンプレーティン
グ法などのドライプロセスが好ましい。
【0039】第二電極上には必要に応じて保護層を形成
することができる。保護層としては既に例示した第一電
極および第二電極材料の他に、酸化ケイ素、酸化ガリウ
ム、酸化チタン、窒化ケイ素などの無機材料、各種高分
子材料、有機電界発光素子を構成する有機材料を用いる
ことができる。中でも窒化ケイ素は水分に対するバリア
性に優れた好適な保護層材料である。これら保護膜は蒸
着法、スパッタリング法、CVD法などによって形成さ
れる。
【0040】
【実施例】以下、実施例および比較例を挙げて本発明を
説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるも
のではない。
【0041】実施例1 厚さ1.1mm、100×120mmの無アルカリガラ
ス表面にスパッタリング法によって厚さ130nmのI
TO膜が形成されたITO基板(ジオマテック(株)
製)を用意した。このITO膜をフォトリソグラフィ法
を用いて幅270μm、ピッチ300μm、長さ90m
mのITOラインが272本ストライプ状になるように
パターニングし、第一電極2を形成した。
【0042】次にこの基板を真空蒸着機内にセットし
た。発光層を含む薄膜層は、抵抗線加熱方式による真空
蒸着法によって以下のように形成した。なお、蒸着時の
真空度は2×10-4Pa以下であり、蒸着中は蒸着源に
対して基板を回転させた。
【0043】まず、図5に示すような配置において、実
膜厚で、銅フタロシアニンを10nm、N,N’−ジフ
ェニル−N,N’−ジ(3−メチルフェニル)−1,
1’−ジフェニル−4,4’−ジアミン(TPD)を5
0nm蒸着して正孔輸送層11を形成した。次に、8−
ヒドロキシキノリン−アルミニウム錯体(Alq3)を
50nm蒸着し、緑色発光層を形成した。この後に、薄
膜層をリチウム蒸気に曝してドーピング(膜厚換算量
0.5nm)した。正孔輸送層、発光層及びリチウムを
蒸着する際は、ITOの一部を露出するために、開口部
70mm×87mmの開口部を有するマスクを用いて図
6の有機層12に示す領域に蒸着範囲を限定した。
【0044】第二電極は抵抗線加熱方式による真空蒸着
法によって以下のように形成した。3×10-4Pa以下
の真空度で、幅250μm、ピッチ300μm、長さ1
00mmのスリットが200本入ったマスクを用いて、
アルミニウムを320nmの厚さに蒸着して第二電極8
をパターニングした。
【0045】封止板9は基板1と同じく無アルカリガラ
ス製で、厚さ1.1mmのものを用いた。これを図7に
示すように、封止時に発光領域を囲むように深さ0.4
mmの凹部14を、板状の無アルカリガラスを掘削する
ことにより形成した。この封止板をUVオゾン洗浄機で
10分間洗浄した。その後、基板と封止板を露点−10
0℃以下の低湿度に制御したグローブボックス内で、封
止剤4を用いて貼り合わせた。封止剤は、2液混合型の
エポキシ樹脂(XNR/H3101、チバ・スペシャル
ティ・ケミカルズ社製)を用いた。
【0046】得られた有機電界発光素子に電圧を付加し
て発光させたところ、封止剤はすべて封止板の凹部で止
まっており、封止空間内部への侵入は無かった。これに
より素子を大気中で半年間保存した後も、すべての発光
領域に対して90%以上の領域で発光を維持することが
できた。。
【0047】比較例1 封止板に凹部が形成されていないこと以外は、実施例1
と同様にして有機電界発光素子を作製した。封止板は、
厚さ1.1mmの無アルカリガラスを用いた。その結
果、封止後の素子は封止剤が発光領域にまで侵入してお
り、これらの領域では、素子が非発光化していた。
【0048】
【発明の効果】薄型特性を損なうことなく安定な発光特
性を保持する有機電界発光素子を提供することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の技術で製造される有機電界発光素子の一
例を示す断面図。
【図2】従来の技術で製造される有機電界発光素子の別
の一例を示す断面図。
【図3】本発明で製造される有機電界発光素子の一例を
示す図。
【図4】(a)本発明で製造される有機電界発光素子の
一例を示す断面図。(b)従来の技術で製造される有機
電界発光素子の一例を示す断面図。
【図5】本発明で製造される有機電界発光素子の一例を
示す断面図。
【図6】本発明で製造される有機電界発光素子の一例を
示す図。
【図7】本発明で製造される有機電界発光素子の一例を
示す断面図。
【符号の説明】
1 基板 2 第一電極 3 有機電界発光素子 4 封止剤 5 正孔輸送層 6 発光層 7 隔壁 8 第二電極 9 封止板 10 発光領域 11 正孔輸送材料 12 有機層 13 水分侵入経路 14 凹部 15 凸部 16 封止剤幅 30 シャドーマスク
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3K007 AB00 AB01 AB13 BA06 BB01 BB02 BB05 CA01 CA05 CA06 CB01 CB03 DA00 DB03 EB00 FA01 FA02 5C094 AA38 AA60 BA27 CA19 DA06 DA07 DA09 EA05 EB02 FB01 FB02 FB20 HA08

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板上に第一電極と、少なくとも有機化合
    物からなる発光層を含む薄膜層と、第二電極を積層する
    ことにより発光領域を形成し、さらにこの基板と封止板
    とを貼り合わせて封止が行われる有機電界発光素子であ
    って、前記封止板と基板が接する面の発光領域を取り囲
    む位置に凹部が形成されていることを特徴とする有機電
    界発光素子。
  2. 【請求項2】請求項1記載の有機電界発光素子であっ
    て、凹部が封止板に形成されていることを特徴とする有
    機電界発光素子。
  3. 【請求項3】請求項1記載の有機電界発光素子であっ
    て、凹部が基板に形成されていることを特徴とする有機
    電界発光素子。
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