JP3775048B2 - 有機発光素子 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、従来の有機発光素子の欠点を克服し、特に黒点の拡大を一定以下に抑制することにより、高信頼性、及び低価格を実現した有機発光素子及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
高度情報化マルチメディア社会の発展に伴い、低消費電力・高画質の平板型表示素子の開発が活発化している。非発光型の液晶表示素子は低消費電力を特長としてその位置を確立し、携帯情報端末等への応用と更なる高性能化が進んでいる。一方、自発光型の表示素子は外光に影響されにくく、室内での認識が容易なことから、従来のCRTの代替えや、更にはCRTでは実現困難な大画面表示や超高精細表示の実現に向けて、電界発光型ディスプレイの開発が活発化している。
【0003】
1987年にタンらが基板上に正孔注入用電極層、有機正孔輸送層、有機電子輸送性発光層、電子注入用電極層を付着形成することにより、低電圧で発光する有機EL素子を提案して以来、(参考文献:C.W.Tang et al. Appl. Phys. Lett. Vol.51, p.913 (1987))、有機ELディスプレイに関する研究開発がますます活発化している。最近では、文字表示素子や画像表示素子等これを用いたELDが試作されるに至っている。
【0004】
タンらにより提案された従来の有機EL素子の概要を図5を用いて示す。
ガラス基板51の上に酸化インジウム錫(ITO)等の比較的大きなイオン化ポテンシャルを有し正孔の注入が容易な透明導電性薄膜からなる陽極52が形成されている。次にその表面のほぼ全面にに正孔輸送層54、及び電子輸送性の発光層55が順次形成されている。そしてその表面に銀マグネシウム合金(AgMg)等の比較的低い仕事関数を有し電子の注入の容易な金属層からなる陰極56が形成されている。更にその表面は保護層57で被覆され、更に素子側にガラス容器59が設置されその内部は不活性ガス60で充填されている。
【0005】
電子輸送性の発光層は一般的に金属に比較して低い仕事関数を有するが、AgMg合金等の低仕事関数を有する金属を陰極として用いることにより電子の注入とその輸送が比較的容易に実現できる。また、正孔輸送層は比較的大きなイオン化ポテンシャルを有するので、金(Au)や酸化インジウム錫(ITO)等のイオン化ポテンシャルの大きな材料を陽極として用いることにより正孔の注入とその輸送が比較的容易に実現できる。そこで、陰極に対して陽極に正の直流電圧を印加することにより、陽極(ITO)52から正孔輸送層に正孔が注入され、また陰極56から電子輸送性の発光層に電子が注入され、更に正孔輸送層と電子輸送層(発光層)の接合部近傍の発光層中でこれらが結合することにより励起子が形成され発光61が生じる。この発光は透明電極及び基板を通して観測がなされる。勿論、正孔輸送性の有機発光層と電子輸送性の有機層を接合させ、正孔と電子を注入・輸送することによっても発光が得られる。
【0006】
この発光原理は、ガリウム砒素等で形成された無機の発光ダイオードに類似しており、PN接合が形成された化合物半導体に電子と正孔を注入することにより接合部近傍で電子と正孔が再結合することによって生じる発光と対応させることができる。そして、電子輸送層はN型化合物半導体、正孔輸送層はP型化合物半導体に対比させるさせることができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
有機発光素子においては、電荷注入層や発光層に用いられる有機EL媒体と陰極として用いる低仕事関数材料の耐湿性、耐酸化性が低いために信頼性が低く、素子の動作寿命に加えて保存寿命にも問題が残されていた。例えば、素子を空気中に放置するだけで、黒点と呼ばれる非発光部が発生し表示品質が低下し、しかも時間の経過とともにその黒点が拡大し、やがて素子全体の発光が生じなくなるという現象が生じ、実用上極めて深刻な問題であった。
【0008】
黒点の発生する要因については不明な点も残されているが、製膜時に基板表面に付着していたダスト、並びに製膜後に付着するダスト、或いはピンホール等の少なくとも局所的な欠陥が核となって空気中の酸素や水分と反応することにより、有機層もしくは陰極層が剥離し、更に剥離された箇所が新たな欠陥となって更にそこに酸素や水が影響を及ぼすことにより、初期の点欠陥部を中心に黒点がその周辺部にどんどん拡大していくケースが殆どである。
【0009】
黒点の発生を防ぐために製造時に発生する欠陥を完全に無くするという施策も考えられるが、有機薄膜の厚さが0.1μm程度と極めて薄いために、実質的にこれ以下の寸法のダスト等を除去することにより欠陥を排除することは不可能に近い。そこで、薄膜形成後に有機層や陰極層が直接水分や酸素にさらされないように素子の表面を樹脂等で被覆することにより黒点の拡大を防ぐという試みもなされてきた。しかし、一般的に有機物質からなる樹脂は耐溶剤性が低いために使用できる樹脂が限定され、また耐湿性が実用上十分に確保できる樹脂は殆ど皆無であった。そこで、結局、従来例にも示した様に、素子全体を完全に密封された容器中に封入するという必要性が生じていた。
ところが、素子全体を完全に密封された容器に封入することは、製造コストが高くなることに加え、表示素子が厚くなるとともに重量が増加し、特に薄型大画面表示を実現するには大きな支障があった。
【0010】
以上に説明したように、従来の有機発光素子においては高信頼性のディスプレイを実現することが困難であり、更に低価格のカラーディスプレイを実施する事は極めて困難であった。
【0011】
本発明は、この様な従来の有機発光素子の欠点を克服し、特に黒点の拡大を一定以下に抑制することにより、高信頼性、及び低価格の表示素子を実現するものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は少なくとも一方が透明な二枚の基板間に形成され、一方の基板上に少なくとも陽極層、有機物質でなる発光層、及び陰極層を含んでなる複数の層が形成され、電流の注入により一定の画素部の発光層から発光が生じる有機発光素子において、前記発光層の形成された基板上に画素内部に更に微細形状を有する電流非注入領域が形成され、かつもう一方の保護基板と樹脂層を介して密着接合していることを特徴とする有機発光素子である。
【0013】
本発明は、また、第一の基板上に形成された電極の表面の一部に、微小形状の絶縁層を形成し、更に発光層を含む有機薄膜並びにもう一方の電極を形成するプロセスと、第2の基板を第1の基板に対向配置させ、かつ基板間に樹脂を充填するプロセスからなることを特徴とする有機発光素子の製造方法である。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1に記載の発明は、少なくとも一方が透明な二枚の基板と、前記二枚の基板のうちのいずれかの基板上に形成された、陽極層、有機物質でなる発光層を含む有機層、及び陰極層を有する複数の層と、を備え、電流の注入により発光層発光る有機発光素子であって、基板の上に突出した構造を有する支持層により、一画素が複数の発光部に分割され、前記支持層は該基板に対向する基板と直接または樹脂層を介して接触しているとともに、前記支持層の厚さは前記有機層の厚さより厚いことを特徴とする有機発光素子としたものであり、高信頼性、低価格の表示素子を実現するという作用を有する。
【0015】
請求項2に記載の発明は、支持層が絶縁膜からなることを特徴とする請求項1に記載の有機発光素子としたものであり、高信頼性、低価格の表示素子を実現するという作用を有する。
【0016】
請求項3に記載の発明は、支持層が酸化シリコンまたはレジストからなることを特徴とする請求項1または2記載の有機発光素子としたものであり、高信頼性、低価格の表示素子を実現するという作用を有する。
【0017】
請求項4に記載の発明は、支持層が、発光層形成されてい基板に形成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の有機発光素子としたものであり、高信頼性、低価格の表示素子を実現するという作用を有する。
【0018】
請求項5に記載の発明は支持層が、発光層が形成されていない基板に形成されている
ことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の有機発光素子としたものであり、高信頼性、低価格の表示素子を実現するという作用を有する。
【0019】
請求項6に記載の発明は、支持層、発光部を包囲する構造であることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の有機発光素子としたものであり、高信頼性、低価格の表示素子を実現するという作用を有する。
【0020】
請求項7に記載の発明は、発光部の寸法が100ミクロン以下であることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の有機発光素子としたものであり、高信頼性、低価格の表示素子を実現するという作用を有する。
【0021】
請求項8に記載の発明は、基板がフレキシブル基板であることを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の有機発光素子としたものであり、高信頼性、低価格の表示素子を実現するという作用を有する。
【0027】
(実施の形態1)
図1において、1はガラス基板である。その表面には正孔を注入するための酸化インジウム錫でなる透明な陽極2と少なくとも陽極層の表面に付着形成されかつ複数の微小孔を有する形状の酸化シリコンからなる約0.5μmの絶縁層(支持層)3、陽極及び絶縁層の表面に一様に形成された、トリフェニルジアミン(TPD[N,N'-bis(3-methylphenyl)-(1,1'-biphenyl)-4,4'-diamine])からなる正孔輸送層4、及び同様に一様に形成されたアルミキノリノール錯体(Alq[tris(8-hydroxyquino)aluminium])からなる電子輸送性の有機発光層5、及び電子を注入するための銀マグネシウム合金からなる陰極層6、更に保護層としての酸化シリコン層7が順次形成されている。また、これらの膜の形成された基板に対向して第2の基板9が設置され、これらの基板の間には樹脂が充填され樹脂層8が形成されている。陽極2と陰極6の間に電界を印加するとそれぞれの電極から有機発光層に正孔と電子が注入されるが、電流ブロック層3が形成されている部分では正孔が注入されず電流がブロックされ、この層の付着形成されていない微小電流注入領域3’に対応する複数の微小領域から発光する。そして透明な陽極2及びガラス基板1を透過して光が放出される。
【0028】
(実施の形態2)
図3において、31はガラス基板である。その表面には正孔を注入するための酸化インジウム錫でなる透明な陽極32が分割されて形成されている。陽極及び基板の表面に一様に形成された、トリフェニルジアミン(TPD[N,N'-bis(3-methylphenyl)-(1,1'-biphenyl)-4,4'-diamine])からなる正孔輸送層4、及び同様に一様に形成されたアルミキノリノール錯体(Alq[tris(8-hydroxyquino)aluminium])からなる電子輸送性の有機発光層35、及び電子を注入するための銀マグネシウム合金からなる陰極層36、更に保護層としての酸化シリコン層37が順次形成されている。また、これらの膜の形成された基板に対向して支持層40の形成された第2の基板39が設置され、これらの基板の間には樹脂が充填され樹脂層38が形成されている。陽極32と陰極36の間に電界を印加するとそれぞれの電極から有機発光層に正孔と電子が注入されるが、電流非注入部33では正孔が注入されず、結局陽極の形成された複数の微小領域が発光する。そして透明な陽極2及びガラス基板1を透過して光が放出される。
【0029】
【実施例】
次に、本発明の具体例を説明する。
【0030】
(実施例1)
以下、本発明の実施例について図1を参照しながら説明する。
図1において、1はガラス基板である。その表面には正孔を注入するための酸化インジウム錫でなる透明な陽極2と少なくとも陽極層の表面に付着形成されかつ複数の微小孔を有する形状の酸化シリコンからなる約0.5μmの絶縁層(支持層)3、陽極及び絶縁層の表面に一様に形成された、トリフェニルジアミン(TPD[N,N'-bis(3-methylphenyl)-(1,1'-biphenyl)-4,4'-diamine])からなる正孔輸送層4、及び同様に一様に形成されたアルミキノリノール錯体(Alq[tris(8-hydroxyquino)aluminium])からなる電子輸送性の有機発光層5、及び電子を注入するための銀マグネシウム合金からなる陰極層6、更に保護層としての酸化シリコン層7が順次形成されている。また、これらの膜の形成された基板に対向して第2の基板9が設置され、これらの基板の間には樹脂が充填され樹脂層8が形成されている。陽極2と陰極6の間に電界を印加するとそれぞれの電極から有機発光層に正孔と電子が注入されるが、電流ブロック層3が形成されている部分では正孔が注入されず電流がブロックされ、この層の付着形成されていない微小電流注入領域3’に対応する複数の微小領域から発光する。そして透明な陽極2及びガラス基板1を透過して光が放出される。この有機発光素子においては、発光部が互いに隣接した複数の微小領域で形成されているので、肉眼ではほぼ一様に発光しているように観察される。
【0031】
次に本発明の有機発光素子の製造方法について図2を用いて説明する。
(a)21はガラス基板である。ガラス基板にITO(透明電極)22’を一様に付着形成する。フォトリソグラフィーにより透明電極を周期500μm、幅490μmの行電極22に分割する。
【0032】
(b)表面全体に絶縁層(支持層)として0.5μmの厚さの酸化シリコン層(SiO2)23を形成する。
【0033】
(c)透明電極上の酸化シリコン層にフォトリソグラフィーにより互いに隣接して配置された複数の微小孔23’を形成する。ここで微小孔の配列周期は50μmであり微小孔の寸法は約45μm角である。
【0034】
(d)次にその表面全体にトリフェニルジアミン(TPD[N,N'-bis(3-methylphenyl)-(1,1'-biphenyl)-4,4'-diamine])からなる正孔輸送層24、並びにアルミキノリノール錯体(Alq[tris(8-hydroxyquino)aluminium])からなる有機発光層25を順次蒸着形成する。電子を注入するための銀マグネシウム合金でなる周期500μm、幅400μmの列電極26をマスク蒸着法により形成する。最後に酸化シリコン膜を保護膜27として蒸着形成する。
【0035】
(e)次にガラス基板29を有機薄膜等の形成された基板に対向して設置する
(f)基板の内部に紫外線硬化樹脂を、毛管現象を利用して充填させ、その後基板間に圧力を加えることにより二枚の基板をほぼ接触させる。そして紫外線を照射することにより樹脂を硬化させる。
【0036】
以上の様にして形成された有機発光素子においては、表示画素の寸法は行電極と列電極の幅でほぼ決定されるので約500μm角となる。しかし、述べた様に電流注入領域は50μm以下の微小孔領域に分割されているので、一画素も複数(80個)の発光部に分割されている。しかし、この分割された発光部の個々の寸法は肉眼で識別できる限界以下の微小寸法でありかつ互いに隣接しているので、肉眼ではほぼ一様に発光しているように観察される。
【0037】
本発明の有機発光素子においても、従来と同様、製造プロセスにおいてダスト等の欠陥を完全に除去することは不可能であるので、既に述べたようにこの欠陥が存在する発光部においては黒点が発生することはまぬがれえない。しかし、微小に分割された各発光部の有機層や陰極層は樹脂層と基板、及び支持層によりほぼ完全に外気の水分等を遮断されているので黒点が広がる速度は遅い。しかも、例え広がったとしても微小領域に分割された各発光部は電流が注入されない電流非注入領域の上部の支持層が対向基板に接触しているので陰極のはがれ等により発生する黒点が隣接する発光部に広がることはない。従ってたとえ黒点が発生して拡大したとしてもこの広がりがは寸法の微小発光領域、もしくはその近傍に限定され、発光部全体に拡大することはない。
【0038】
その結果、従来の様な非発光領域の拡大に伴う大きな輝度劣化を抑制することが可能となる。しかも特定の微小発光領域においては非発光部黒点が発生し拡大するもののた非発光部が拡大してもその領域は各微小発光部の寸法である50ミクロン程度に限定されるために肉眼で観測されることはない。勿論、互いに隣接しあう複数の発光部において同時に黒点が発生する場合には肉眼で非発光部が観測されることになるが、この確率は極めて小さく実用上問題にはならない。
【0039】
また、樹脂層を介して保護基板と接触させる時に支持層が形成されているので発光部が保護基板と直接接触することはないので、実装時の欠陥発生を生じることもない。
【0040】
以上、実施例を用いて示した様に、本発明においては従来のような複雑な封止手段を講じなくとも、比較的簡単な素子構成で信頼性の高い表示素子を実現することが可能である。
【0041】
実施例においては絶縁層の厚さを約0.5μmにしたが必ずしもこれに限定されることはない。しかし第1の基板と第2の基板を密着する過程において少なくとも有機層の厚さ以上に設定することにより有機層にかかる圧力を緩和することができるので、素子の信頼性と歩留まりを向上させることができる。また、以上の実施例では微小領域の配置周期を50μm、寸法を45μmとしたが必ずしもこれに限定されず、両者ともにこれ以下であってもよい。また、電極構造を複数の行電極と複数の列電極が互いに直交するマトリクス形状にしたが、複数の分割電極と共通電極でなるセグメント形状であってもよい。
【0042】
一方上記の実施例においても、素子を構成する有機層としてTPDからなる正孔輸送層とAlqからなる電子輸送性の発光層を用いているが、必ずしもこの材料には限定されない。また発光層が電子輸送性の有機層と正孔輸送性の有機層の間に介在されていてもよく、また発光効率を高めるために異なる有機色素材料が添加されていてもよい。更にキャリア輸送層、発光層に加えて、正孔注入層、電子注入層等が付加されていてもよい。また、本実施例においては発光領域を微小領域に分割する電流ブロック層として酸化シリコンを用いているが、必ずしもこれには限定されず、他の絶縁材料であってもよい。また、電極材料として陽極にITO、陰極に銀マグネシウム合金を用いているが、必ずしもこれには限定されないことは自明である。
【0043】
本実施例では発光領域分離層として支持層を形成することにより、発光部を構造的かつ電気的に分割しているが、必ずしも支持層を形成しなくても電流非注入領域により電気的に分離されていれば、黒点の拡大が抑制される。
【0044】
また、本実施例ではガラス基板を用いているが、フレキシブル基板や大型基板に素子を形成する場合により大きな効果を発揮することができる。即ち、従来の素子構造では、二枚のフレキシブル基板や大型基板を一様に間隔をなして保持することは困難であり、素子作製時や使用時に二枚の基板が接触し欠陥が発生し、さらに黒点として拡大する可能性が極めて高い。
【0045】
(実施例2)
実施例1においては、第1の基板に形成された絶縁層(支持層)により構成された電流非注入領域により発光部が分離されていることを特徴とする有機発光素子を示したが、第2の基板に支持層を形成してもよい。
【0046】
以下、本発明の第2の実施例に係わる発光素子について図3を参照しながら説明する。
【0047】
図3において、31はガラス基板である。その表面には正孔を注入するための酸化インジウム錫でなる透明な陽極32が分割されて形成されている。陽極及び基板の表面に一様に形成された、トリフェニルジアミン(TPD[N,N'-bis(3-methylphenyl)-(1,1'-biphenyl)-4,4'-diamine])からなる正孔輸送層34、及び同様に一様に形成されたアルミキノリノール錯体(Alq[tris(8-hydroxyquino)aluminium])からなる電子輸送性の有機発光層35、及び電子を注入するための銀マグネシウム合金からなる陰極層36、更に保護層としての酸化シリコン層37が順次形成されている。また、これらの膜の形成された基板に対向して支持層40の形成された第2の基板39が設置され、これらの基板の間には樹脂が充填され樹脂層38が形成されている。陽極32と陰極36の間に電界を印加するとそれぞれの電極から有機発光層に正孔と電子が注入されるが、電流非注入部33では正孔が注入されず、結局陽極の形成された複数の微小領域が発光する。そして透明な陽極32及びガラス基板31を透過して光が放出される。この有機発光素子においては、発光部が互いに隣接した複数の微小領域で形成されているので、肉眼ではほぼ一様に発光しているように観察される。
【0048】
次に、本発明の有機発光素子の製造方法について図4を用いて説明する。
(a)41はガラス基板である。ガラス基板にITO(透明電極)42’を一様に付着形成する。
【0049】
(b)フォトリソグラフィーにより透明電極を周期500μm、幅490μmの行電極42に分割し、更に電流非注入部43を形成する。
【0050】
(c)次にその表面全体にトリフェニルジアミン(TPD[N,N'-bis(3-methylphenyl)-(1,1'-biphenyl)-4,4'-diamine])からなる正孔輸送層44、並びにアルミキノリノール錯体(Alq [tris (8-hydroxyquino) aluminium])からなる有機発光層45を順次蒸着形成する。電子を注入するための銀マグネシウム合金からなる周期500μm、幅400μmの列電極46をマスク蒸着法により形成する。最後に酸化シリコン膜を保護膜47として蒸着形成する。
【0051】
(d)次にガラス基板48に支持層となるレジスト層(約1μm)を形成する。
【0052】
(e)そして、フォトリソグラフィーによりレジストを微小形状に加工し支持層を形成する。
【0053】
(f)そしてこの基板を有機薄膜等の形成された第1の基板に対向して設置する
(g)基板の内部に紫外線硬化樹脂を、毛管現象を利用して充填させ、その後基板間に圧力を加えることにより二枚の基板をほぼ接触させる。そして紫外線を照射することにより樹脂を硬化させる。
【0054】
本発明の有機発光素子においても、従来と同様、製造プロセスにおいてダスト等の欠陥を完全に除去することは不可能でり、既に述べたようにこの欠陥が存在する発光部においては黒点が発生する。しかし、各発光部の有機層や陰極層は樹脂層と基板と支持層によりほぼ完全に外気の水分等を遮断されているので黒点が広がる速度は遅い。しかも、例え広がったとしても電流の注入されない電流非注入領域(電流ブロック領域)には黒点が広がることがない。従って黒点が発生して拡大したとしてもこの広がりがは寸法の微小発光領域に限定され、隣接する発光部に影響することはない。
【0055】
なお、実施例においては、支持層の厚さを約μmにしたが必ずしもこれに限定されることはない。しかし第1の基板と第2の基板を密着する過程において少なくとも有機層の厚さ以上に設定することにより有機層にかかる圧力を緩和することができるので、素子の信頼性と歩留まりを向上させることができる。
【0056】
以上、実施例を用いて示した様に、本発明においては従来のような複雑な封止手段を講じなくとも、比較的簡単な素子構成で信頼性の高い表示素子を実現することが可能である。
【0057】
なお、電極構造を複数の行電極と複数の列電極が互いに直交するマトリクス形状にしたが、複数の分割電極と共通電極でなるセグメント形状であってもよい。
【0058】
一方、上記の実施例においては、素子を構成する有機層としてTPDでなる正孔輸送層とAlqでなる電子輸送性の発光層を用いているが、必ずしもこの材料には限定されない。
【0059】
なお、発光層が電子輸送性の有機層と正孔輸送性の有機層の間に介在されていてもよく、また発光効率を高めるために異なる有機色素材料が添加されていてもよい。更にキャリア輸送層、発光層に加えて、正孔注入層、電子注入層等が付加されていてもよい。
【0060】
なお、本実施例においては発光領域を微小領域に分割する電流ブロック層としてレジスト層を用いているが、必ずしもこれには限定されず、他の絶縁材料であってもよい。
【0061】
なお、電極材料として陽極にITO、陰極に銀マグネシウム合金を用いているが、必ずしもこれには限定されないことは自明である。
【0062】
【発明の効果】
以上、実施例を用いて示した様に、本発明においては従来のような複雑な封止手段を講じなくとも、比較的簡単な素子構成で信頼性の高い表示素子を実現することが可能である。
【0063】
以上の実施例で示した様に、本発明は従来の有機電界発光素子の欠点を克服し、従来にはない高信頼性・高精細の自発光型の平板型表示素子を提供するものであり、産業上極めて大きな効果が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に係わる有機発光素子の断面図
【図2】本発明の実施の形態1に係わる有機発光素子の製造工程を示す図
【図3】本発明の実施の形態2に係わる有機発光素子の断面図
【図4】本発明の実施の形態2に係わる有機発光素子の製造工程を示す図
【図5】従来の有機発光素子の概略構造を示す図
【符号の説明】
1、21 ガラス基板
2、22 陽極(ITO)
3、23 支持層(絶縁層)
4、24 正孔輸送層
5、25 発光層
6、26 陰極(AgMg)
7、27 保護層
8、28 樹脂層
9、29 基板
23” 微小孔
31、41 ガラス基板
32、42 陽極(ITO)
33、43 支持層(絶縁層)
34、44 正孔輸送層
35、45 発光層
36、46 陰極(AgMg)
37、47 保護層
38、50 樹脂層
39、48 基板
40、49 支持層

Claims (8)

  1. 少なくとも一方が透明な二枚の基板と、
    前記二枚の基板のうちのいずれかの基板上に形成された、陽極層、有機物質でなる発光層を含む有機層、及び陰極層を有する複数の層と、を備え
    電流の注入により発光層発光する有機発光素子であって、
    基板の上に突出した構造を有する支持層により、一画素が複数の発光部に分割され、
    前記支持層は該基板に対向する基板と直接または樹脂層を介して接触しているとともに、前記支持層の厚さは前記有機層の厚さより厚いことを特徴とする有機発光素子。
  2. 支持層が絶縁膜からなることを特徴とする請求項1記載の有機発光素子。
  3. 支持層が酸化シリコンまたはレジストからなることを特徴とする請求項1または2記載の有機発光素子。
  4. 支持層が、発光層形成されている基板に形成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の有機発光素子。
  5. 支持層が、発光層形成されていない基板に形成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の有機発光素子。
  6. 支持層、発光部を包囲する構造であることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の有機発光素子。
  7. 発光部の寸法が、100ミクロン以下であることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の有機発光素子。
  8. 基板が、フレキシブル基板であることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の有機発光素子。
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