JPH11242994A - 発光素子およびその製造方法 - Google Patents

発光素子およびその製造方法

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JPH11242994A
JPH11242994A JP10367914A JP36791498A JPH11242994A JP H11242994 A JPH11242994 A JP H11242994A JP 10367914 A JP10367914 A JP 10367914A JP 36791498 A JP36791498 A JP 36791498A JP H11242994 A JPH11242994 A JP H11242994A
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protective film
light
light emitting
layer
substance
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JP10367914A
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English (en)
Inventor
Yoshio Himeshima
義夫 姫島
Shigeo Fujimori
茂雄 藤森
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Original Assignee
Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】長期間、有機薄膜発光素子を安定に駆動できる
保護膜に関する。 【解決手段】陽極と陰極の間に発光を司る物質が存在
し、電気エネルギーにより発光する素子であって、室温
反応性プラズマCVD法によって作製された保護膜によ
って被覆されたことを特徴とする発光素子。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電気エネルギーを
光に変換できる素子であって、表示素子、フラットパネ
ルディスプレイ、バックライト、照明、インテリア、標
識、看板、電子写真機などの分野に利用可能な面状発光
体用の発光素子およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】陰極から注入された電子と陽極から注入
された正孔が両極に挟まれた有機蛍光体内で再結合する
際に発光するという有機積層薄膜発光素子の研究が近年
活発に行われるようになってきた。この素子は、薄型、
低駆動電圧下での高輝度発光、蛍光材料を選ぶことによ
る多色発光が特徴である。
【0003】有機積層薄膜素子が高輝度に発光すること
は、コダック社のC.W.Tangらによって初めて示
された(Appl.Phys.Lett.51(12)
21,p.913,1987)。コダック社の研究グル
ープが提示した有機積層薄膜発光素子の代表的な構成
は、ITOガラス基板上に正孔輸送性のジアミン化合
物、発光層であり、かつ電子輸送層でもあるトリス(8
−ヒドロキシキノリノラト)アルミニウム、そして陰極
としてMg:Agを順次設けたものであり、10V程度
の駆動電圧で1000cd/m2の緑色発光が可能であ
った。現在は、上記の素子構成要素の他に発光層と機能
分離された電子輸送層を設けているものなど構成を変え
ているものもあるが、基本的にはコダック社の構成を踏
襲している。
【0004】有機積層薄膜発光素子は、優れた特性を持
っているが大気中の水分や酸素によってその特性が著し
く損なわれるという問題があり、何等かの方法によって
素子を保護する必要がある。
【0005】従来知られている保護膜または封止方法と
して、蒸着法またはスパッタリングで作製された保護膜
(特開平4−73886号公報)、五酸化二燐を入れた
気密ケースを用いる方法(特開平3−261091号公
報)、有機エレクトロルミネセンス媒体と仕事関数4.
0〜4.5eVの範囲内にあるヘリウムを充填した気密
ケース(特開平4−249092号公報)、光硬化樹脂
で封止する方法(特開平4−267097号公報)、低
表面張力の溶媒に高分子化合物を溶解する方法(特公平
8−21469号公報)、フッ素系高分子膜により被覆
する方法(特許2531857号公報、255694号
公報1、2597047号公報)、金属硫化物による封
止(特開平4−212284号公報)、金属を含む保護
膜(特開平5−159881号公報)、陰極のヤング率
より小さなヤング率を有する保護膜(特開平6−295
788号公報)、光増感剤と被酸化性化合物を分散させ
た封止膜(特開平7−147189号公報)、封止層/
接着層/ガラスからなる加圧基板(特開平7−3208
65号公報)、防湿性を有する熱可塑性高分子による封
止(特開平7−282975号公報)、液状封止材料
(特開平7−211456号公報)、気相製膜法で形成
された吸湿層/防湿層による封止(特開平7−2114
55号公報)、超撥水性物質を含有する封止層(特開平
7−192867号公報)、有機物と無機物からなる封
止層(特開平7−192866号公報)、蒸着重合によ
って作られた封止層(特開平7−169569号公
報)、酸素バリア層と酸素吸収層からなる封止層(特開
平7−169567号公報)、炭素または珪素を含有す
る無機アモルファス保護膜(特開平7−161474号
公報)、熱可塑性高分子(特開平8−22891号公
報)、ポリ尿素保護膜(特開平8−222368号公
報)、透明ガラス基板で封止(特開平8−222369
号公報)、ゴム状弾性を持つ封止層(特開平8−236
271号公報)、1ppm以下の不活性液体での封止
(特開平8−78159号公報)、SiZnOからなる
保護膜(特開平8−96955号公報)、Si層とSi
層を被覆するカバー膜からなる保護膜(特開平8−96
962号公報)、ECR(Electron Cyclotron Resonanc
e)プラズマCVD法(特開平8−111286号公
報)、ポリエチレンテレフタレート保護膜(特開平8−
124679号公報)、注入口を備えた封止ガラス(特
開平8−162270号公報)、ガスバリア性高分子封
止層(特開平8−185980号公報)、不活性ガスを
封入したフィルム(特開平8−302340号公報)、
誘電体と無機層からなるハーメチック・シール(特開平
8−306955号公報)、吸着剤を含有する不活性液
体による封止(特開平9−35868号公報)など数多
くの方法が考案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来技術では
十分な遮蔽効果がなくて長時間の放置によってダークス
ポットと呼ばれる非発光部が経時的に広がったり、保護
膜を形成するのに300℃以上に基板加熱を行うため
に、素子を構成する有機物の変質や形態変化が起こって
素子特性が低下したり破壊されたりしてしまう。また、
内部応力が残るために素子に悪影響を与えることも問題
であった。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、陽極
と陰極の間に発光を司る物質が存在し、電気エネルギー
により発光する素子であって、室温反応性プラズマCV
D法によって作製された保護膜によって被覆することに
よって前記課題を解決できることを見出し本発明に至っ
た。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明において陽極は、光を取り
出すために透明であればよく、その成分としては、イン
ジウム、錫、金、銀、亜鉛、アルミニウム、クロム、ニ
ッケル、酸素、窒素、水素、アルゴン、炭素から選ばれ
る少なくとも一種類の元素からなることが多いが、ヨウ
化銅、硫化銅などの無機導電性物質、ポリチオフェン、
ポリピロール、ポリアニリンなどの導電性ポリマーなど
特に限定されるものでない。本発明において好ましい例
としては、酸化錫、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化錫
インジウム(ITO)があげられるが、パターニング加
工などを施すディスプレイ用途などにおいては、加工性
に優れたITOが特に好適な例としてあげることができ
るが、表面抵抗を下げたり電圧降下抑制のために少量の
銀や金などの金属が含まれていても良く、また、錫、
金、銀、亜鉛、インジウム、アルミニウム、クロム、ニ
ッケルをガイド電極として使用することも可能である。
中でもクロムはブラックマトリックスとガイド電極の両
方の機能を持たせることができることからも好適な金属
である。透明電極の抵抗は素子の発光に十分な電流が供
給できればよいので限定されないが、素子の消費電力の
観点からは低抵抗であることが望ましい。例えば300
Ω/□以下のITO基板であれば素子電極として機能す
るが、現在では10Ω/□程度の基板の供給も可能にな
っていることから、低抵抗品を使用することが特に望ま
しい。ITOの厚みは抵抗値に合わせて任意に選ぶこと
ができるが、通常100〜300nmの間で用いられる
ことが多い。また、ガラス基板はソーダライムガラス、
無アルカリガラスなどが用いられ、また厚みも機械的強
度を保つのに十分な厚みがあればよいので、0.5mm
以上あれば十分である。ガラスの材質については、ガラ
スからの溶出イオンが少ない方がよいので無アルカリガ
ラスの方が好ましいが、SiO2などのバリアコートを
施したソーダライムガラスも市販されているのでこれを
使用できる。ITO膜形成方法は、電子ビーム法、スパ
ッタリング法、化学反応法など特に制限を受けるもので
はない。
【0009】陰極は、電気伝導性があって電子の注入を
実現できるものであれば特に限定されない。具体的に
は、白金、金、銀、銅、鉄、錫、亜鉛、炭素、パラジウ
ム、クロム、アルミニウム、インジウムなどの金属、ま
たはこれら金属を用いた合金、例えばMg:Ag、A
l:Liなどが好ましい例として挙げられる。また、陰
極とそれと接する有機層の間に、Li、Na、Mg、C
a、LiF、LiOHなどの物質を介在させてもよい。
これらの物質は組合せによって、その存在量が変化する
ので規定はできないが、比較的少量でも機能する場合が
多い。この場合、電極の材質は上記物質を単独で使用し
ても高い性能を得ることができ、電極の形成の容易さや
安定性を考慮すると銀、アルミニウム、インジウムなど
が特に好ましい例として挙げることができるが、これら
の金属を含む合金を使用することも可能である。これら
の電極の作製法も抵抗加熱、電子線、スパッタリング、
イオンプレーティング、ペーストのコーティングなど導
通を取ることができれば特に制限されない。
【0010】発光を司る物質とは、1)正孔輸送層/発
光層、2)正孔輸送層/発光層/電子輸送層、3)発光
層/電子輸送層、4)以上の組合わせ物質を一層に混合
した形態、そして、5)発光層単独のいずれであっても
よい。即ち、素子構成としては、上記1)〜3)の多層
積層構造の他に4)5)のように発光材料単独または発
光材料と正孔輸送材料および/または電子輸送材料を含
む層を一層設けるだけでもよい。
【0011】正孔輸送層は正孔輸送材料単独で、あるい
は正孔輸送材料と高分子結着剤により形成され、正孔輸
送材料としてはN,N´−ジフェニル−N,N´−ジ
(3−メチルフェニル)−4,4´−ジアミン(TP
D)、N,N´−ジフェニル−N,N´−ジ(1−ナフ
チル)−4,4´−ジアミン(α−NPD)などのトリ
フェニルアミン類、N−アルキル(例えばN−メチルカ
ルバゾール、N−エチルカルバゾール)またはN−アリ
ルカルバゾール(N−フェニルカルバゾール、N−(3
−メチルフェニルカルバゾール)、N−ナフチルカルバ
ゾール)の多量体(特に3、6位で結合された2〜5量
体)、スチルベン系化合物、ヒドラゾン系化合物、オキ
サジアゾール誘導体やフタロシアニン誘導体に代表され
る複素環化合物、ポリマー系では前記単量体を側鎖に有
するポリカーボネートやスチレン誘導体、ポリビニルカ
ルバゾール、ポリシランなどが好ましいが特に限定され
るものではない。これらの正孔輸送材料は、積層型の素
子の場合、単独で正孔輸送層を形成してもよいし、二種
類以上を混合または積層してもよい。例えば、ITO透
明電極に正孔輸送材料として、まずフタロシアニンを蒸
着して続いてTPDを積層した正孔輸送層は素子の性能
を安定化するし、ポリビニルカルバゾール中にTPDを
分散した正孔輸送層を持つ素子は、電圧耐性が向上す
る。
【0012】発光材料は主に以前から発光体として知ら
れていたアントラセンやピレン、そして前述のトリス
(8−ヒドロキシキノリノラト)アルミニウムや10−
ヒドロキシベンゾ[h]キノリン金属錯体の他にも、例
えば、ビススチリルアントラセン誘導体、テトラフェニ
ルブタジエン誘導体、クマリン誘導体、オキサジアゾー
ル誘導体、ジスチリルベンゼン誘導体、ピロロピリジン
誘導体、ペリノン誘導体、シクロペンタジエン誘導体、
オキサジアゾール誘導体、チアジアゾロピリジン誘導
体、ポリマー系では、ポリフェニレンビニレン誘導体、
ポリパラフェニレン誘導体、そして、ポリチオフェン誘
導体などが使用できる。また発光層に添加するドーパン
トとしては、前述のルブレン、キナクリドン誘導体、ジ
アザインダセン誘導体、フェノキサゾン660、DCM
1、Nile Red、ペリノン、ペリレン、クマリン誘導体な
どがそのまま使用できる。
【0013】電子輸送材料としては、電界を与えられた
電極間において陰極からの電子を効率良く輸送すること
が必要で、電子注入効率が高く、注入された電子を効率
良く輸送することが望ましい。そのためには電子親和力
が大きく、しかも電子移動度が大きく、さらに安定性に
優れ、トラップとなる不純物が製造時および使用時に発
生しにくい物質であることが要求される。このような条
件を満たす物質としてトリス(8−ヒドロキシキノリノ
ラト)アルミニウム、ビス(10−ヒドロキシベンゾ
[h]キノリノラト)ベリリウム、2−(4−ビフェニ
ル)−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−
オキサジアゾール(t−BuPBD)などのオキサジア
ゾール系誘導体、薄膜安定性を向上させたオキサジアゾ
ール二量体系誘導体の1,3−ビス(4−t−ブチルフ
ェニル−1,3,4−オキサジゾリル)ビフェニレン
(OXD−1)、1,3−ビス(4−t−ブチルフェニ
ル−1,3,4−オキサジゾリル)フェニレン(OXD
−7)、トリアゾール系誘導体、フェナントロリン系誘
導体などがある。
【0014】以上の正孔輸送層、発光層、電子輸送層に
用いられる材料は単独で各層を形成することができる
が、高分子結着剤としてポリ塩化ビニル、ポリカーボネ
ート、ポリスチレン、ポリ(N−ビニルカルバゾー
ル)、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリ
レート、ポリエステル、ポリスルフォン、ポリフェニレ
ンオキサイド、ポリブタジエン、炭化水素樹脂、ケトン
樹脂、フェノキシ樹脂、ポリサルフォン、ポリアミド、
エチルセルロース、酢酸ビニル、ABS樹脂、ポリウレ
タン樹脂などの溶剤可溶性樹脂や、フェノール樹脂、キ
シレン樹脂、石油樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、不
飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、
シリコーン樹脂などの硬化性樹脂などに分散させて用い
ることも可能である。
【0015】発光を司る物質の形成方法は、抵抗加熱蒸
着、電子ビーム蒸着、スパッタリング、分子積層法、コ
ーティング法など特に限定されるものではないが、通常
は、抵抗加熱蒸着、電子ビーム蒸着が特性面で好まし
い。層の厚みは、発光を司る物質の抵抗値にもよるので
限定することはできないが、経験的には10〜1000
nmの間から選ばれる。
【0016】電気エネルギーとは主に直流電流を指す
が、パルス電流や交流電流を用いることも可能である。
電流値および電圧値は特に制限はないが、素子の消費電
力、寿命を考慮するとできるだけ低いエネルギーで最大
の輝度が得られるようにするべきである。
【0017】本発明において透明な電極とは、可視光の
光線透過率が30%以上であれば使用に大きな障害はな
いが、理想的には100%に近い方が好ましい。ITO
電極などは80%以上の光線透過率を示すものもある
が、表面抵抗が低いものは光線透過率が低いものが多い
ので、素子特性とのバランスを取りながら選択する必要
がある。基本的には、透明な電極は可視光全域にわたっ
てほぼ同程度の透過率を持つことが好ましい。これはあ
る特定の波長にのみ吸収のある透明電極を使用した場
合、実際の発光色が透明電極を透過することによって変
化することがあるためである。従って、通常は発光色そ
のままで使用したいので平均的な透過率が必要となる。
但し、色を変えたい場合は積極的に吸収を持たせること
も可能であるが、通常はカラーフィルターや干渉フィル
ターを用いて変色させる方が技術的には容易である。
【0018】この様にして作製された発光素子は、室温
反応性プラズマCVD法によって保護膜を形成される。
本手法は、PE−CVD(Plasma Enhanced Chemical Va
porDeposition)とも呼ばれるが、従来と大きく異なる点
は室温など非常に低温で成膜が出来ることである。図1
は、本発明に使用される装置の一例である。図中、基板
は二つのハウジングの間に置かれる。第1のハウジング
は、プロセスチャンバー1内に反応ガスを導入する役目
を果たす。そして、そのハウジングには、図中右側に示
されているように窒素とシランが送り込まれるチャンバ
ーが交互に配置されている。シランキャビティー17に
は、チャンバー内のガスを均一にするためにバッフル1
8が設置されている。窒素用のキャビティー11にもバ
ッフル10が設置されているが、これは接地されておら
ず19のRF発生器1に繋がれている。RF発生器1
は、窒素雰囲気下プラズマを発生しこれによって保護膜
が沈着させられる。第2のハウジングには、基板を包む
ように発生させるプラズマ用に3のRF発生器2に接続
された熱電子スクリーン8が装着されている。この第2
のハウジングには、沈着領域に対するフローの促進を図
るためにバッフル7が設けてある。
【0019】この方法であると、窒素源としてアンモニ
アは必要なく高純度窒素気体が使用できる。この方法を
用いると水素の導入量が少なく、量論的な窒化珪素が作
製できる。それによって、加熱することなく、大面積で
も均一性が高く膜質の良いフィルム(保護膜)を得るこ
とが可能になる。製膜温度は特に基板を加熱する必要は
なく室温で可能である。ここで室温とは通常大気の温度
を示しており、目安として40℃以下、更には30℃未
満を言う。但し、必要によっては80℃以下であれば加
熱することも可能である。
【0020】また、同様の装置を用いて酸化硅素のフィ
ルムを作製することも可能である。
【0021】本保護膜を形成させるに際して、下地の材
料については特に制限はない。通常素子の陰電極の上に
形成されることになるので、前記記載の陰電極材料の上
にそのまま形成することも可能である。しかし、その他
にも前述の発光材料として記載された有機物、ポリエチ
レン、ポリプロピレン、ポリブタジエン、ナイロン、ポ
リエチレンテレフタレート、テフロン、ポリ塩化ビニリ
デン、ポリフッ化ビニリデン、ポリイミド、ポリ尿素、
ポリウレタン、ポリパラキシレンなどの高分子化合物若
しくはオリゴマー、酸化硅素、酸化マグネシウム、フッ
化マグネシウム、酸化チタンなどの無機化合物などの少
なくとも一種類を介在させてから保護膜を設けることも
できるし、逆に保護膜を設けてからこれらの化合物の少
なくとも一種からなる膜を形成させてもよい。更に、上
記保護法とガラスやステンレスの様な金属を背面板とし
て素子作製基板と樹脂によって貼り合わせる手法とを組
み合わせても良い。この時の貼り合わせ樹脂としては、
熱硬化性、光硬化性樹脂などを用いることが可能であ
る。代表的な素材として、エポキシ系、アクリル系をあ
げることが出来るがこれらに限定されるものではない。
【0022】更に、本発明において保護膜を形成する際
に下地をクリーニングすることも可能である。一例とし
て酸素プラズマ、アルゴンプラズマ、窒素プラズマはも
とより、ハロゲン若しくは三フッ化窒素処理、UV照
射、UV−オゾン洗浄が挙げられるが特に限定を受ける
ものではない。また、保護膜まで真空一貫プロセスで作
製し、表面に汚れが付着しないようにして保護膜を作製
してもよい。この様に、クリーニングプロセスは、保護
膜の密着性や膜質を高くできる場合があるが、特に行わ
なくても十分な遮蔽性が発現できれば省略することがで
きる。
【0023】
【実施例】以下、実施例および比較例をあげて本発明を
説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるも
のではない。
【0024】実施例1 ITOガラス基板を所定の大きさに切り出し、12mm
幅のITO帯が残るようにエッチングした。この基板を
洗浄した後にUV−オゾン処理を施してから真空蒸着機
にセットして1×10-4Paにまで真空引きした。そし
てアルミナるつぼからN,N´−ジフェニル−N,N´
−ジ(3−メチルフェニル)−4,4´−ジアミンを
0.3nm/秒の速度で130nm蒸着し、続いてタン
タル製クヌーセンセルからトリス(8−ヒドロキシキノ
リノラト)アルミニウム(III)を同じく0.3nm/
秒の速度で100nm蒸着した。真空中で5×5mm角
の素子ができるようにマスクをセットした後、タングス
テンボートから0.1nm/秒の速度でリチウムを1n
m蒸着してから、0.5nm/秒の速度でアルミニウム
を150nm蒸着した。続いて、本発明におけるCVD
装置中にサンプルを置き減圧にし、プラズマ発生状態に
置いてシランガスと窒素を導入して窒化ケイ素0.4μ
m形成した。この時基板は特に加熱しなかった。素子を
大気中1週間放置して発光させたところ、ダークスポッ
トの発生は肉眼では見られず、直流4mA/cm2の電
流密度で発光させたところ132cd/cm2の発光輝
度が得られ、初期の特性と変化なかった。
【0025】実施例2 実施例1と同様にして作製した素子を60℃、相対湿度
80%の雰囲気に1週間放置して発光させたところ、ダ
ークスポットの発生は肉眼では見られず、直流4mA/
cm2の電流密度で発光させたところ112cd/cm2
の発光輝度が得られ、初期特性からの変化は僅かであっ
た。
【0026】実施例3 実施例1においてプラズマCVDによって保護膜を成膜
する前に酸素プラズマによって表面洗浄を行った素子を
60℃、相対湿度80%の雰囲気に6日間放置して発光
させたところ、ダークスポットの発生は肉眼では見られ
ず、直流4mA/cm2の電流密度で発光させたところ
108cd/cm2の発光輝度が得られ、初期特性から
の変化は僅かであった。
【0027】比較例1 保護膜として200nmの酸化珪素を電子ビーム蒸着で
設けた以外は実施例と全く同様に素子を作製し、素子を
大気中1週間放置して発光させたところ、発光面積の方
が少ない程、ダークスポットが拡がり、直流4mA/c
2の電流密度で発光させたところ素子面の平均値とし
て37cd/cm2の発光輝度しか得られなかった。
【0028】
【発明の効果】本発明は、室温で形成でき長期間安定に
有機薄膜発光素子の特性を保つことができる保護膜であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における室温プラズマCVD装置の一例
を示す図。
【符号の説明】
1 プロセスチャンバー 2 基板 3 RF発生器2 4 RFフィードスルー 5 排気口 6 スロットルバルブ 7 バッフル 8 熱電子スクリーン 9 RFフィードスルー 10 ガスバッフル電極 11 キャビティー 12 ガス導入口 13 シランガス導入 14 ガスマニフォールド 15 窒素導入口 16 シランガスキャビティー導入口 17 シランキャビティ 18 シランガス用バッフル 19 RF発生器1 20 接地スクリーン 21 ロードロックへ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】陽極と陰極の間に発光を司る物質が存在
    し、電気エネルギーにより発光する素子であって、室温
    反応性プラズマCVD法によって作製された保護膜によ
    って被覆されたことを特徴とする発光素子。
  2. 【請求項2】保護膜が窒化珪素からなることを特徴とす
    る請求項1記載の発光素子。
  3. 【請求項3】保護膜が酸化珪素からなることを特徴とす
    る請求項1記載の発光素子。
  4. 【請求項4】陽極と陰極の間に発光を司る物質が存在
    し、電気エネルギーにより発光する素子であって、保護
    膜を室温反応性プラズマCVD法によって作製すること
    を特徴とする発光素子の製造方法。
JP10367914A 1997-12-24 1998-12-24 発光素子およびその製造方法 Pending JPH11242994A (ja)

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