JP2000223265A - 発光素子 - Google Patents

発光素子

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JP2000223265A
JP2000223265A JP11025022A JP2502299A JP2000223265A JP 2000223265 A JP2000223265 A JP 2000223265A JP 11025022 A JP11025022 A JP 11025022A JP 2502299 A JP2502299 A JP 2502299A JP 2000223265 A JP2000223265 A JP 2000223265A
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silicon
light
nitrogen
hydrogen
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JP11025022A
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English (en)
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Yoshio Himeshima
義夫 姫島
Shigeo Fujimori
茂雄 藤森
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】湿熱条件下においても、長期間にわたって有機
薄膜発光素子を安定に駆動できる保護膜に関する。 【解決手段】陽極と陰極の間に発光を司る物質が存在
し、電気エネルギーにより発光する素子であって、該素
子が珪素、窒素そして水素からなる保護膜によって被覆
されたことを特徴とするものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電気エネルギーを
光に変換できる素子であって、表示素子、フラットパネ
ルディスプレイ、バックライト、照明、インテリア、標
識、看板、電子写真機などの分野に利用可能な面状発光
体用の発光素子およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】陰極から注入された電子と陽極から注入
された正孔が両極に挟まれた有機蛍光体内で再結合する
際に発光するという有機積層薄膜発光素子の研究が近年
活発に行われるようになってきた。この素子は、薄型、
低駆動電圧下での高輝度発光、蛍光材料を選ぶことによ
る多色発光が特徴である。
【0003】有機積層薄膜素子が高輝度に発光すること
は、コダック社のC.W.Tangらによって初めて示
された(Appl.Phys.Lett.51(12)
21,p.913,1987)。コダック社の研究グル
ープが提示した有機積層薄膜発光素子の代表的な構成
は、ITOガラス基板上に正孔輸送性のジアミン化合
物、発光層であり、かつ電子輸送層でもあるトリス(8
−ヒドロキシキノリノラト)アルミニウム、そして陰極
としてMg:Agを順次設けたものであり、10V程度
の駆動電圧で1000cd/m2の緑色発光が可能であ
った。現在は、上記の素子構成要素の他に発光層と機能
分離された電子輸送層を設けているものなど構成を変え
ているものもあるが、基本的にはコダック社の構成を踏
襲している。
【0004】有機積層薄膜発光素子は、優れた特性を持
っているが大気中の水分や酸素によってその特性が著し
く損なわれるという問題があり、何等かの方法によって
素子を保護する必要がある。
【0005】従来知られている保護膜または封止方法と
して、炭素または珪素を含有する無機アモルファス保護
膜(特開平7−161474号公報)、ECR(Electro
n Cyclotron Resonance)プラズマCVD法(特開平8−
111286号公報)などの方法が考案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来技術では
十分な遮蔽効果がなくて長期間の放置や湿熱環境下にお
いてダークスポットと呼ばれる非発光部が経時的に広が
ったり、保護膜を形成するのに基板加熱を行うために、
素子を構成する有機物の変質や形態変化が起こって素子
特性が低下したり破壊されたりしてしまう。また、内部
応力が残るために素子に悪影響を与えることも問題であ
った。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、陽極と陰極の
間に発光を司る物質が存在し、電気エネルギーにより発
光する素子であって、該素子が珪素、窒素そして水素か
らなる保護膜によって被覆されたことを特徴とする発光
素子である。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明において陽極は、光を取り
出すために透明であればよく、その成分としては、イン
ジウム、錫、金、銀、亜鉛、アルミニウム、クロム、ニ
ッケル、酸素、窒素、水素、アルゴン、炭素から選ばれ
る少なくとも一種類の元素からなることが多い。しか
し、ヨウ化銅、硫化銅などの無機導電性物質、ポリチオ
フェン、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェ
ン)、ポリピロール、ポリアニリンなどの導電性ポリマ
ーなど、特に限定されるものでない。本発明において好
ましい例は、酸化錫、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化
錫インジウム(ITO)があげられる。パターニング加
工などを施すディスプレイ用途などでは、加工性に優れ
たITOが特に好適な例としてあげることができるが、
表面抵抗を下げたり電圧降下抑制のために少量の銀や金
などの金属が含まれていても良い。また、錫、金、銀、
銅、亜鉛、インジウム、アルミニウム、クロム、ニッケ
ルをガイド電極として使用することも可能である。中で
もクロムは、ブラックマトリックスとガイド電極の両方
の機能を持たせることができることから好適な金属であ
る。
【0009】透明電極の抵抗は素子の発光に十分な電流
が供給できればよいので限定されないが、素子の消費電
力の観点からは低抵抗であることが望ましい。例えば3
00Ω/□以下のITO基板であれば素子電極として機
能するが、現在では10Ω/□程度の基板の供給も可能
になっていることから、低抵抗品を使用することが特に
望ましい。ITOの厚みは抵抗値に合わせて任意に選ぶ
ことができるが、通常50〜300nmの間で用いられ
ることが多い。また、本発明において透明な電極とは、
可視光の光線透過率が30%以上であれば使用に大きな
障害はないが、理想的には100%に近い方が好まし
い。ITO電極などは80%以上の光線透過率を示すも
のもあるが、表面抵抗が低いものは光線透過率が低いも
のが多いので、素子特性とのバランスを取りながら選択
する必要がある。基本的には、透明な電極は可視光全域
にわたってほぼ同程度の透過率を持つことが好ましい。
これはある特定の波長にのみ吸収のある透明電極を使用
した場合、実際の発光色が透明電極を透過することによ
って変化することがあるためである。従って、通常は発
光色そのままで使用したいので平均的な透過率が必要と
なる。但し、色を変えたい場合は積極的に吸収を持たせ
ることも可能であるが、通常はカラーフィルターや干渉
フィルターを用いて変色させる方が技術的には容易であ
る。
【0010】また、ガラス基板はソーダライムガラス、
無アルカリガラスなどが用いられ、また厚みも機械的強
度を保つのに十分な厚みがあればよいので、0.5mm
以上あれば十分である。ガラスの材質については、ガラ
スからの溶出イオンが少ない方が良いので無アルカリガ
ラスの方が好ましいが、SiO2などのバリアコートを
施したソーダライムガラスも市販されているのでこれを
使用できる。ITO膜形成方法は、電子ビーム法、スパ
ッタリング法、化学反応法など特に制限を受けるもので
はない。
【0011】陰極は、電気伝導性があって電子の注入を
実現できるものであれば特に限定されない。具体的に
は、白金、金、銀、銅、鉄、錫、亜鉛、炭素、パラジウ
ム、クロム、アルミニウム、インジウムなどの金属、ま
たはこれら金属を用いた合金、例えばMg:Ag、A
l:Liなどが好ましい例として挙げられる。また、陰
極とそれと接する有機層の間に、Li、Na、K、M
g、Ca、LiF、LiOH、金属塩化合物などの物質
を介在させてもよい。これらの物質は組合せによって、
その存在量が変化するので規定はできないが、比較的少
量でも機能する場合が多い。この場合、電極の材質は上
記物質を単独で使用しても高い性能を得ることができ、
電極の形成の容易さや安定性を考慮すると銀、アルミニ
ウム、インジウムなどが特に好ましい例として挙げるこ
とができるが、これらの金属を含む合金を使用すること
も可能である。これらの電極の作製法も抵抗加熱、電子
線、スパッタリング、イオンプレーティング、ペースト
のコーティングなど導通を取ることができれば特に制限
されない。
【0012】発光を司る物質とは、1)正孔輸送層/発
光層、2)正孔輸送層/発光層/電子輸送層、3)発光
層/電子輸送層、4)以上の組合わせ物質を一層に混合
した形態、そして、5)発光層単独のいずれであっても
よい。即ち、素子構成としては、上記1)〜3)の多層
積層構造の他に、4)5)のように発光材料単独または
発光材料と正孔輸送材料および/または電子輸送材料を
含む層を一層設けるだけでもよい。
【0013】正孔輸送層は正孔輸送材料単独で、あるい
は正孔輸送材料と高分子結着剤により形成され、正孔輸
送材料としてはN,N´−ジフェニル−N,N´−ジ
(3−メチルフェニル)−4,4´−ジアミン(TP
D)、N,N´−ジフェニル−N,N´−ジ(1−ナフ
チル)−4,4´−ジアミン(α−NPD)などのトリ
フェニルアミン類、N−アルキル(例えばN−メチルカ
ルバゾール、N−エチルカルバゾール)またはN−アリ
ルカルバゾール(N−フェニルカルバゾール、N−(3
−メチルフェニルカルバゾール)、N−ナフチルカルバ
ゾール)の多量体(特に3、6位で結合された2〜5量
体)、スチルベン系化合物、ヒドラゾン系化合物、オキ
サジアゾール誘導体やフタロシアニン誘導体に代表され
る複素環化合物、ポリマー系では前記単量体を側鎖に有
するポリカーボネートやスチレン誘導体、ポリビニルカ
ルバゾール、ポリシランなどが好ましいが特に限定され
るものではない。これらの正孔輸送材料は、単独で用い
る他にITO電極と正孔輸送層の間にバッファ層を設け
ることもできる。これにより素子の整流特性が向上した
り連続駆動での素子特性の安定化が行える。具体的な材
料としては、銅フタロシアニンに代表されるフタロシア
ニン系化合物、キナクリドン系化合物、ポリアニリン、
ポリピロール、ポリチオフェン系高分子またはそのオリ
ゴマー、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)
などチオフェンやアニリン、ピロールの誘導体ポリマー
またはオリゴマー、ポリシランが使用できる。これらの
化合物は、前記透明電極や正孔輸送材料の中に見出され
る場合があるので上記材料に限定されることはない。ま
たバッファ層以外に、正孔輸送層は単独で形成してもよ
いし、二種類以上を混合または積層してもよい。
【0014】発光材料は主に以前から発光体として知ら
れていたアントラセンやピレン、そして前述のトリス
(8−ヒドロキシキノリノラト)アルミニウムや10−
ヒドロキシベンゾ[h]キノリン金属錯体の他にも、例
えば、ビススチリルアントラセン誘導体、テトラフェニ
ルブタジエン誘導体、クマリン誘導体、オキサジアゾー
ル誘導体、ジスチリルベンゼン誘導体、ピロロピリジン
誘導体、ペリノン誘導体、シクロペンタジエン誘導体、
オキサジアゾール誘導体、チアジアゾロピリジン誘導
体、ポリマー系では、ポリフェニレンビニレン誘導体、
ポリパラフェニレン誘導体、ポリチオフェン誘導体など
が使用できる。また発光層に添加するドーパントとして
は、前述のルブレン、キナクリドン誘導体、ジアザイン
ダセン誘導体、フェノキサゾン660、DCM1、Nile
Red、ペリノン、ペリレン、クマリン誘導体などがその
まま使用できる。
【0015】電子輸送材料は、電界を与えられた電極間
において、陰極からの電子を効率良く輸送することが必
要であり、電子注入効率が高く、注入された電子を効率
良く輸送することが望ましい。そのためには電子親和力
が大きく、しかも電子移動度が大きく、さらに安定性に
優れ、トラップとなる不純物が製造時および使用時に発
生しにくい物質であることが要求される。このような条
件を満たす物質としてトリス(8−ヒドロキシキノリノ
ラト)アルミニウム、ビス(10−ヒドロキシベンゾ
[h]キノリノラト)ベリリウム、2−(4−ビフェニ
ル)−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−
オキサジアゾール(t−BuPBD)などのオキサジア
ゾール系誘導体、薄膜安定性を向上させたオキサジアゾ
ール二量体系誘導体の1,3−ビス(4−t−ブチルフ
ェニル−1,3,4−オキサジゾリル)ビフェニレン
(OXD−1)、1,3−ビス(4−t−ブチルフェニ
ル−1,3,4−オキサジゾリル)フェニレン(OXD
−7)、トリアゾール系誘導体、フェナントロリン系誘
導体などがある。
【0016】以上の正孔輸送層、発光層、電子輸送層に
用いられる材料は単独で各層を形成することができる
が、高分子結着剤としてポリ塩化ビニル、ポリカーボネ
ート、ポリスチレン、ポリ(N−ビニルカルバゾー
ル)、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリ
レート、ポリエステル、ポリスルフォン、ポリフェニレ
ンオキサイド、ポリブタジエン、炭化水素樹脂、ケトン
樹脂、フェノキシ樹脂、ポリサルフォン、ポリアミド、
エチルセルロース、酢酸ビニル、ABS樹脂、ポリウレ
タン樹脂などの溶剤可溶性樹脂や、フェノール樹脂、キ
シレン樹脂、石油樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、不
飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、
シリコーン樹脂などの硬化性樹脂などに分散させて用い
ることも可能である。
【0017】発光を司る物質の形成方法は、抵抗加熱蒸
着、電子ビーム蒸着、スパッタリング、分子積層法、コ
ーティング法など特に限定されるものではないが、通常
は、抵抗加熱蒸着、電子ビーム蒸着が特性面で好まし
い。層の厚みは、発光を司る物質の抵抗値にもよるので
限定することはできないが、10〜1000nmの間か
ら選ばれる。
【0018】電気エネルギーとは主に直流電流を指す
が、パルス電流や交流電流を用いることも可能である。
電流値および電圧値は特に制限はないが、素子の消費電
力、寿命を考慮するとできるだけ低いエネルギーで最大
の輝度が得られるようにするべきである。
【0019】この様にして作製された発光素子は、主に
大気中の湿度で劣化を起こす傾向がある。一番顕著に現
れるのは、発光面内にダークスポットと称される非発光
部位が成長する現象である。ダークスポットは、通常大
気中に置いておくだけでも急激に成長するため、素子を
湿度から守るために何等かの保護膜若しくは封止が必要
になる。最も簡便な方法の一つとして、素子を作製して
からその上に湿度を通さない保護膜を形成する方法が挙
げられる。
【0020】本発明者らは、この保護膜に珪素、窒素そ
して水素からなる成分でできた保護膜が有効であること
を見出した。本保護膜は、本発明の組成を作りうるあら
ゆる方法が使用できるが、一般的にはスパッタリング、
PE−CVDやその他のCVD法、電子ビーム蒸着など
真空プロセスが簡便に使用できる。
【0021】本発明の保護膜の材質は基本的に湿度の透
過率が極めて低いが、その効果には膜厚が影響する。膜
厚が薄すぎると素子を十分に覆うことができずダークス
ポットの発生が起こる。一方、膜厚が厚い場合には、十
分な遮蔽効果が得られるために厚い方が好ましいと言え
る。但し、膜厚を厚くするには真空プロセスの場合、成
膜時間と内部応力について最適な条件を決める必要があ
る。例えば、成膜された保護膜の内部応力として1×1
10Dynes/cm2以下が好ましく、更に好ましくは1×1
8Dynes/cm2以下であるが、膜厚や成膜条件で適切な値
に調整することができる。内部応力の測定法としては、
基板の片側に膜を成膜して基板を片持ち梁りとし、その
たわみからStoneyの式から求める方式や、シリコンウエ
ハー上に成膜してそのたわみをレーザー光で測定する方
法などが挙げられる。
【0022】上記事項に鑑みて、本発明の保護膜材料は
50nm以上の膜厚があれば遮蔽効果を示すが、厳しい
条件(湿熱条件など)での使用を可能にする膜厚として
は、0.1〜20μm、好ましくは0.2〜2μm、更
に好ましくは0.3〜1μmが好ましい膜厚である。
【0023】次に本発明の保護膜の組成について述べ
る。まず第一に本保護膜を構成する主成分として珪素、
窒素、水素が必須である。中でも水素の含有量が低いと
保護膜としての特性が優れていることを見出した。具体
的には、保護膜を構成する原子の平均原子数比が窒素/
珪素=0.1〜1.6かつ水素/珪素=0.2〜1.2
であることが好ましく、更に窒素/珪素=0.3〜0.
6かつ水素/珪素=0.4〜0.8であることが、より
好ましい比率である。
【0024】尚、これら平均原子数比は、ラザフォード
後方散乱分析法(RBS)で測定できる。これは、固体
に高エネルギーのイオンを打ち込み、原子核同士の弾性
衝突(ラザファード散乱)によって散乱してきたHeイ
オンのエネルギーを調べることによって、固体内の元素
分布についての情報を得るものである。
【0025】水素の量比を低減する手法としては幾つか
の方法がある。例えばスパッタリングのターゲットの組
成比を変えることや、CVDでの原料ガスの組成やその
比率を変化させる方法である。例えば、CVDにおける
場合、窒化珪素膜を作製するための窒素源として通常ア
ンモニアを使用する。これを窒素ガスに変更することに
よってアンモニアに起因する膜内への水素原子の導入量
が減り、遮蔽効果を示す膜が得られる。
【0026】本保護膜を形成させるに際して、下地の材
料については特に制限はない。通常素子の陰電極の上に
形成されることになるので、前記記載の陰電極材料の上
にそのまま形成することも可能である。しかし、その他
にも前述の発光材料として記載された有機物、ポリエチ
レン、ポリプロピレン、ポリブタジエン、ナイロン、ポ
リエチレンテレフタレート、テフロン、ポリ塩化ビニリ
デン、ポリフッ化ビニリデン、ポリイミド、ポリ尿素、
ポリウレタン、ポリパラキシレンなどの高分子化合物若
しくはオリゴマー、酸化硅素、酸化マグネシウム、フッ
化マグネシウム、酸化チタンなどの無機化合物などの少
なくとも一種類を介在させてから保護膜を設けることも
できるし、逆に保護膜を設けてからこれらの化合物の少
なくとも一種からなる膜を形成させてもよい。
【0027】更に、素子の封止を確実にするために上記
保護手段に加えて背面板、シートまたはフィルムを使用
した封止を行うことも可能である。即ち、保護手段を施
した素子の背面側(保護手段側)にガラス、プラスチッ
ク(PETやPENなどのポリエステル、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリイミド、ポリ塩化ビニリデ
ン、ポリフェニレンスルフィド、塩化ビニリデン、テフ
ロン、エポキシ、アイオノマーなど、水分または酸素と
の接触を抑制できる材料なら限定されない)フィルム、
シート、または板、そしてその表面にアルミニウム、酸
化硅素や他のプラスチックとの積層によって更に透過性
を抑制したフィルム、シート、または板、アルミナやジ
ルコニアに代表されるセラミックシートまたは板、金属
シートまたは板(ステンレス、アルミニウム、鉄、銅な
ど如何なるものでも良いが、電気的短絡が問題になる場
合は、表面に絶縁物質を配置させることができる)など
水分または酸素との接触を抑制できるものを配置し、こ
れを用いて封止する。
【0028】封止の方法は、上記背面板、シートまたは
フィルムを何等かの方法で素子および/または基板と密
着させることにより行われる。具体的には周辺部分を密
着させる方法と、素子上を含む領域を密着させる方法が
ある。しかし、どちらの方法においても外気と素子領域
が接することを抑制できるように密着させることが肝要
である。密着手段として代表的なものには樹脂がある。
樹脂は外気を通しにくい性質と密着性があれば特に制限
はないが、好適な例としてエポキシ樹脂、シアノエチレ
ン樹脂、アクリル樹脂、ノボラック樹脂、ポリイミド樹
脂などの樹脂(この場合、熱硬化、光硬化、自然硬化な
ど特に制限はない)や低融点ガラス、銅等の金属などが
挙げられるが特に制限はない。
【0029】また、背面板と張り合わせる場合には、素
子基板と背面板の間の何れか若しくは全部のスペースに
乾燥剤や吸着剤、若しくはゲッターと呼ばれる物質を存
在させておくことができる。この様にすれば、封止され
た内部領域に吸着した水分や他の揮発性物質を吸着出来
るため、素子に悪影響を及ぼしにくくなる。具体的な材
料としては、塩化カルシウム、五酸化二燐、ゼオライ
ト、酸化バリウム、シリカゲル、アルカリ金属、アルカ
リ土類金属などを例示することができるが、特にこれら
に限定されない。
【0030】更に、本発明において保護膜を形成する際
に下地をクリーニングすることも可能である。一例とし
て酸素プラズマ、アルゴンプラズマ、窒素プラズマ、R
IE処理、ハロゲン若しくは三フッ化窒素処理、UV照
射、UV−オゾン洗浄が挙げられるが特に限定を受ける
ものではない。また、保護膜まで真空一貫プロセスで作
製し、表面に汚れが付着しないようにして保護膜を作製
してもよい。この様に、クリーニングプロセスは、保護
膜の密着性や膜質を高くできる場合があるが、特に行わ
なくても十分な遮蔽性が発現できれば省略することがで
きる。
【0031】
【実施例】以下、実施例および比較例をあげて本発明を
説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるも
のではない。
【0032】実施例1 ITOガラス基板を所定の大きさに切り出し、12mm
幅のITO帯が残るようにエッチングした。この基板を
洗浄した後にUV−オゾン処理を施してから真空蒸着機
にセットして1×10-4Paにまで真空引きした。そし
てアルミナるつぼから銅フタロシアニンを0.3nm/
秒の速度で20nm蒸着し、N,N´−ジフェニル−
N,N´−ジ(3−メチルフェニル)−4,4´−ジア
ミンを0.3nm/秒の速度で100nm蒸着し、続い
てタンタル製クヌーセンセルからトリス(8−ヒドロキ
シキノリノラト)アルミニウム(III)を同じく0.3
nm/秒の速度で30nm蒸着した。真空中で5×5m
m角の素子ができるようにマスクをセットした後、タン
グステンボートから0.1nm/秒の速度でリチウムを
0.5nm蒸着し、0.5nm/秒の速度でアルミニウ
ムを200nm蒸着した。本サンプルを蒸着装置からC
VD装置中に移して減圧にし、プラズマ発生状態に置い
てシランガスと窒素ガスを導入して、素子の上部および
端部全てが覆われるように窒化珪素保護膜(厚さ0.4
μm)を形成した。この時の窒素ガスフローは、160
cc/分、シランガスフローは20cc/分、アトマイ
ザーパワー(Atomizer Power)60Wであり、基板は加熱
しなかった。
【0033】ここで形成された窒化珪素保護膜の組成を
後方散乱測定装置AN−2500(日新ハイボルテージ
(株)製、測定条件:入射エネルギー2.3MeV、入
射角75deg、試料電流2.5nA、入射イオン4H
+、入射ビーム径0.2mm)で測定を行ったとこ
ろ、窒素/珪素=0.37、水素/珪素=0.54であ
った。
【0034】本サンプルを60℃、相対湿度80%の条
件で保存したところ、平均直径(3点)27μmのダー
クスポットの径は、144時間で31μm、720時間
で32μm、そして1104時間後でも32μmであっ
た。また、素子のエッジ部の浸食による非発光領域の拡
大は観察されなかった。
【0035】実施例2 CVDコーティングを行う前にコーティング面に酸素プ
ラズマ処理を施して、表面を洗浄した以外は実施例1と
同様にしてサンプルを作製した。
【0036】本サンプルを60℃、相対湿度80%の条
件で保存したところ、平均直径(3点)28μmのダー
クスポットの径は、144時間後で30μmであった。
また、素子のエッジ部の浸食による非発光領域の拡大は
観察されなかった。
【0037】実施例3 実施例1のN,N´−ジフェニル−N,N´−ジ(3−
メチルフェニル)−4,4´−ジアミンをN,N´−ジ
フェニル−N,N´−ジナフチル−4,4´−ジアミン
(α−NPD)に変えた他は、実施例1と同様に窒化珪
素保護膜を形成した素子を作製した。本素子を露点−1
00℃の雰囲気下でガラス基板を背面板として周囲をエ
ポキシ樹脂(アラルダイトXNR3101)で封止した
サンプルを作製した。
【0038】本サンプルを80℃、相対湿度80%の条
件で保存したところ、平均直径(3点)23μmのダー
クスポットの径は、120時間後で24μm、820時
間後で25μmであった。また、素子のエッジ部の浸食
による非発光領域の拡大は観察されなかった。
【0039】比較例1 保護膜として0.4μmの酸化珪素を電子ビーム蒸着で
設けた以外は実施例と全く同様に素子を作製し、素子を
大気中1週間放置した後に発光させたところ、平均直径
(3点)23μmのダークスポットは素子発光面の大部
分に広がり、発光領域の方が少ない状態になった。
【0040】
【発明の効果】本発明は、湿熱条件下においてでも長期
間ダークスポットの成長を抑制し、安定に有機薄膜発光
素子の特性を保つことができる保護膜である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】陽極と陰極の間に発光を司る物質が存在
    し、電気エネルギーにより発光する素子であって、該素
    子が珪素、窒素そして水素からなる保護膜によって被覆
    されたことを特徴とする発光素子。
  2. 【請求項2】保護膜を構成する原子の平均原子数比が窒
    素/珪素=0.1〜1.6かつ水素/珪素=0.2〜
    1.2であることを特徴とする請求項1記載の発光素
    子。
  3. 【請求項3】保護膜を構成する原子の平均原子数比が窒
    素/珪素=0.3〜0.6かつ水素/珪素=0.4〜
    0.8であることを特徴とする請求項1記載の発光素
    子。
  4. 【請求項4】窒素源として窒素気体を使用して作製され
    た保護膜によって被覆されたことを特徴とする請求項1
    〜3のいずれか記載の発光素子。
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