JP4830222B2 - エレクトロルミネッセンス素子 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、情報表示端末などのディスプレイや面発光光源として幅広い用途が期待されるエレクトロルミネッセンス素子(以下、EL素子と表記する)に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
EL素子は、広視野角、応答速度が速い、低消費電力などの利点から、ブラウン管や液晶ディスプレイに変わる、次世代のフラットパネルディスプレイとして期待されている。特に、透明電極基材や封止材にプラスチックフィルムを使用することにより、ロール巻き取り方式でEL素子を作製することが可能となるため、薄型、軽量、フレキシブルなEL素子を安価に提供できると期待されている。
【0003】
EL素子は、少なくとも一方が透明な2枚の電極の間に発光媒体層を挟持した構造であり、両電極間に電流を流すことにより発光媒体層で発光が生じるものである。
【0004】
ただし、EL素子は、大気中の水分や酸素などの影響により劣化する。EL素子劣化の具体例として、ダークスポットと呼ばれる非発光領域が発生し、時間の経過と共に拡大するといった現象がある。特に、ガスバリア性が低いプラスチックフィルムを基材として使用した場合には、EL素子の劣化はさらに早く進行する。
【0005】
この問題を解決する手段として、特開平5−89961号公報、特開平7−65957号公報などに記載されているように、ガスバリアフィルムによりEL素子を被覆封止する方法がある。
【0006】
背面側(光取り出し面と反対側)に配置するガスバリアフィルムとしては、透光性である必要が無く、特にガスバリア性が高いアルミニウム箔などの金属箔を積層したフィルムで封止することが効果的である。
【0007】
それに対して、前面側(光取り出し面側)のフィルム基材は、透光性である必要が有るために、フッ素系樹脂フィルムや無機薄膜蒸着フィルムなどの透光性ガスバリアフィルムを積層したフィルムが用いられてきた。しかし、前記フィルムを含み十分なガスバリア性を有する透光性フィルムが未だ開発されていないのが現状である。
【0008】
従って、現状のフィルムEL素子の実用化に際し、薄型・軽量・小型・低価格を要求される用途に使用することが好ましい。たとえば、電報、グリーティングカード、はがき等、文字や絵などの情報を相手に伝達する各種印刷物は、少なくとも相手の手元に届くまでの間、EL素子の劣化を抑制できれば目的を達成することができる。
【0009】
このような用途に対しては、使用時まで発光を視認できなくても良く、金属箔のようにガスバリア性の高い層を有する封止袋に封入し、劣化を抑制する手段が有効である。しかし、封止袋による封止では、EL素子の外観が封止袋のシール端部の分大きくなるため、好ましくないといった問題がある。
また、EL素子の背面側の封止能は十分であるにもかかわらず、封止袋ではEL素子の両面に封止材が配置されるため、封止材が余分に使用されているといった問題がある。
また、一度開封するとEL素子が劣化し、たとえ再度封入したとしても、水分を含んだ空気を一緒に封入してしまうため、EL素子の劣化を抑制できないといった問題がある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明では、上記の問題点を解決するためになされたものであり、その課題とするところは、光取り出し面側のフィルム基材のガスバリア性能不足を使用直前まで補うことにより、外部からの水分を遮断し、しかも繰り返し封止することができるエレクトロルミネッセンス素子を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、まず請求項1においては、少なくとも、保護層、前面封止層、透光性基材層、透明陽極層、発光媒体層、陰極層、及び少なくともガスバリア層とシーラント層を有する背面封止層がこの順に積層されており、かつ、前記前面封止層と前記背面封止層が、前記背面封止層が端部突出部を備えるように重ね合わされ封止されており、かつ、前記保護層が、ガスバリア層と粘着層を有し、剥離可能な状態で前記背面封止層の全ての端部突出部と接するように積層されていることを特徴とするエレクトロルミネッセンス素子である。
請求項2においては、前記保護層が再封止可能な状態にもうけられたことを特徴とする、請求項1記載のエレクトロルミネッセンス素子である。
請求項3においては、前面封止層、背面封止層または保護層の少なくとも1面に、1層以上の印刷層が積層されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のエレクトロルミネッセンス素子である。
請求項4においては、前記保護層が金属箔を備えることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のエレクトロルミネッセンス素子である。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のEL素子及びその製造方法の一例を、図1に基づいて説明する。
【0013】
エレクトロルミネッセンス素子が発光するためには、少なくとも図に示すように透明陽極層2、発光媒体層3および陰極層4があれば良いが、具体的な形態としては、透明陽極層2を透光性基材層1上に形成し、前面封止層6、透光性基材層1,透明陽極層2,発光媒体層3,陰極層4、背面封止層5をこの順に積層することが望ましい。
【0014】
本実施の形態において、透光性基材層1としては、透光性と絶縁性を有する基板であれば如何なる基材も使用することができる。例えば、ポリプロピレン、ポリエーテルサルフォン、ポリカーボネート、シクロオレフィンポリマー、ポリアリレート、ポリアミド、ポリメチルメタクリレート等のプラスチックフィルムやシートを用いても良く、又はこれらのプラスチックフィルムやシートに、酸化珪素や酸化アルミニウムなどのガスバリア膜を成膜したものや、これらのガスバリア膜が成膜されたフィルムをラミネートしたものを用いることができる。
【0015】
まず、透光性基材層1上に、スパッタリング法や真空蒸着法などの既知の成膜方法により、透明陽極層2を形成する。その後、ウェットエッチング法やドライエッチング法など既知のパターニング技術により透明陽極層2をパターニングし、引き出し電極2aを兼ねた透明陽極層2と陰極用引き出し電極2bとを形成する。
【0016】
透明陽極層2の材料としては、インジウムスズ酸化物やインジウム亜鉛酸化物、亜鉛アルミニウム酸化物、カドミウムスズ酸化物などの金属酸化物材料や、金、白金などの金属薄膜材料を使用することができる。
【0017】
また、透光性基材層1と透明陽極層2の密着性を向上させるために、あらかじめ透光性基材1表面に、コロナ放電処理、プラズマ処理、UVオゾン処理などの表面処理を施してもよく、さらには酸化珪素、窒化珪素、酸窒化珪素などの無機絶縁薄膜や、クロム、チタンなどの金属薄膜などを単層もしくは積層して挿入してもよい。
【0018】
次に、発光媒体層3を形成する。ここで、発光媒体層3を形成する前に、透明陽極層2の表面洗浄や表面改質を目的として、コロナ放電処理、プラズマ処理、UVオゾン処理などの表面処理を施すことが好ましい。
【0019】
本発明における発光媒体層3としては、蛍光物質を含む単層膜、あるいは多層膜で形成することができる。多層膜で形成する場合の発光媒体層の構成例は正孔注入輸送層、電子輸送性発光層または正孔輸送性発光層、電子輸送層からなる2層構成や正孔注入輸送層、発光層、電子輸送層からなる3層構成等がある。さらにより多層で形成することも可能であり、各層を基板上に順に成膜する。
【0020】
正孔注入輸送層の材料としては、銅フタロシアニン、テトラ(t−ブチル)銅フタロシアニン等の金属フタロシアニン類及び無金属フタロシアニン類、キナクリドン化合物、1,1−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)シクロヘキサン、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン、N,N’−ジ(1−ナフチル)−N,N’−ジフェニル−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン等の芳香族アミンなどの低分子材料や、ポリチオフェン、ポリアニリン等の高分子材料、ポリチオフェンオリゴマー材料、その他既存の正孔輸送材料の中から選ぶことができる。
【0021】
発光層材料としては、9,10−ジアリールアントラセン誘導体、ピレン、コロネン、ペリレン、ルブレン、1,1,4,4−テトラフェニルブタジエン、トリス(8−キノリノラート)アルミニウム錯体、トリス(4−メチル−8−キノリノラート)アルミニウム錯体、ビス(8−キノリノラート)亜鉛錯体、トリス(4−メチル−5−トリフルオロメチル−8−キノリノラート)アルミニウム錯体、トリス(4−メチル−5−シアノ−8−キノリノラート)アルミニウム錯体、ビス(2−メチル−5−トリフルオロメチル−8−キノリノラート)[4−(4−シアノフェニル)フェノラート]アルミニウム錯体、ビス(2−メチル−5−シアノ−8−キノリノラート)[4−(4−シアノフェニル)フェノラート]アルミニウム錯体、トリス(8−キノリノラート)スカンジウム錯体、ビス〔8−(パラ−トシル)アミノキノリン〕亜鉛錯体及びカドミウム錯体、1,2,3,4−テトラフェニルシクロペンタジエン、ペンタフェニルシクロペンタジエン、ポリ−2,5−ジヘプチルオキシ−パラ−フェニレンビニレン、クマリン系蛍光体、ペリレン系蛍光体、ピラン系蛍光体、アンスロン系蛍光体、ポルフィリン系蛍光体、キナクリドン系蛍光体、N,N’−ジアルキル置換キナクリドン系蛍光体、ナフタルイミド系蛍光体、N,N’−ジアリール置換ピロロピロール系蛍光体等の低分子材料や、ポリフルオレン、ポリパラフェニレンビニレン、ポリチオフェンなどの高分子材料、その他既存の発光材料を用いることができる。
【0022】
電子注入輸送層の材料としては、2−(4−ビフィニルイル)−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール、2,5−ビス(1−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール、およびオキサジアゾール誘導体やビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]キノリノラート)ベリリウム錯体、トリアゾール化合物等が挙げられる。
【0023】
発光媒体層3の形成方法は、材料に応じて、真空蒸着法や、スピンコート、スプレーコート、フレキソ、グラビア、ロールコート、凹版オフセットなどのコーティング法、印刷法を用いることができる。発光媒体層3の膜厚は、単層または積層により形成する場合においても1000nm以下であり、好ましくは50〜150nmである。
【0024】
次に、陰極層4を形成する。陰極層4の材料としては電子注入効率の高い物質を用いることが好ましい。具体的にはMg,Al, Yb等の金属単体を用いたり、発光媒体と接する界面にLiや酸化Li,LiF等の化合物を1nm程度挟んで、安定性・導電性の高いAlやCuやAgを積層して用いることができる。
【0025】
または電子注入効率と安定性を両立させるため、仕事関数が低いLi,Mg,Ca,Sr,La,Ce,Er,Eu,Sc,Y,Yb等の金属1種以上と、安定なAg,Al,Cu等の金属元素との合金系を用いてもよい。具体的にはMgAg,AlLi,CuLi等の合金が使用できる。
【0026】
陰極層4の形成方法としては、材料に応じて、抵抗加熱蒸着法、電子ビーム蒸着法、反応性蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法、ラミネート法などを用いることができる。陰極の厚さは、10nm〜1000nm程度が望ましい。
【0027】
次に、背面封止層5および前面封止層6を積層する。前記封止層5、6は少なくともガスバリア層を有し、かつ少なくともどちらか一方にシーラント層を有することが好ましい。ここで、封止層5、6を積層する前に、陰極層4上に酸化珪素、酸化アルミニウム、窒化珪素などのガスバリア性に優れた無機薄膜を、単独膜もしくは硬化性樹脂などの有機膜との積層膜で成膜することによりEL素子を保護することがより好ましい。
【0028】
前記ガスバリア層としては、基材に酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化クロム、酸化マグネシウム等の金属酸化物や、弗化アルミニウム、弗化マグネシウム等の金属弗化物や、窒化珪素、窒化アルミニウム、窒化クロム等の金属窒化物やその他透光性無機薄膜を単層または積層したフィルムや、アルミニウム、銅、ニッケル、ステンレス、アルミニウム合金などを蒸着したフィルムや、またはこれらの金属箔を用いることができる。本発明において、ガスバリア層の性能は10-2g/m2/day以下であることが好ましく、とくに10-5g/m2/day以下であることがより望ましい。背面封止層5は、EL発光取り出し面と反対側に配置されるために、透光性である必要はなく、ガスバリア性の高い金属箔を用いることが好ましい。また、前面封止層6は、光取り出し面側であるため、金属酸化物や金属窒化物などの透光性無機薄膜を用いることが好ましい。
【0029】
シーラント層としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン・プロピレン共重合体などのポリオレフィンの酸変性物、エチレン・酢酸ビニル共重合体の酸変性物、エチレン・アクリル酸共重合体、エチレン・メタクリル酸共重合体、アイオノマーなどの熱可塑性接着性樹脂を用いることができる。
【0030】
次に、封止層5,6を熱圧着することによりEL素子を封止する。ここで、熱圧着は、真空中もしくは、窒素やアルゴンなどの不活性乾燥ガス雰囲気中で行うことがより好ましい。封止方法としては、EL素子を被覆するように封止層5,6を重ね合せ、両者を熱圧着することが好ましい。
【0031】
次に、透光性基材層1と前面封止層6のガスバリア性能不足を補うために、保護層7を前面封止層6および、背面封止層5の端部突出部に積層する。保護層7は少なくともガスバリア層と粘着層とを有し、かつ剥離可能な状態で積層されていることが好ましい。更には、剥離後に、再貼着ができることがより好ましい。剥離可能な状態で積層されれば、保護層7は透光性である必要はなく、アルミニウム、銅、ニッケル、ステンレス、アルミニウム合金などの金属材料の蒸着フィルムでも良く、これら金属材料の金属箔でも良く、酸化珪素、酸化アルミニウム、弗化アルミニウム、窒化珪素、酸窒化珪素などの無機薄膜蒸着フィルムでも良く、着色や印字が施されたプラスチックフィルムや紙でもよく、上記プラスチックフィルム、金属箔、紙などを組み合わせて積層しても良く、別のエレクトロルミネッセンス素子でも良い。特に、耐湿性に優れた金属箔が少なくとも積層されていることが好ましい。また、保護層7は、全面で剥離できなくてもよく、例えば背面封止層5との粘着部分のうち1辺を剥離できなくして、見開き状に剥離してもよい。
【0032】
粘着層の主材料としては、天然ゴム、エステル化天然ゴム、スチレンブタジエンゴム、ブチルゴム、ポリイソブチレンポリマー、スチレン−イソプレン−スチレンなどのゴム系粘着剤や、アクリル酸エステルを主体にアクリル酸、メタクリル酸、アクリルアミド、酢酸ビニル、スチレンなどのモノマーの共重合体を主成分としたアクリル系粘着剤や、シリコーンゴムとオルガノクロルシランの加水分解物の縮合反応により得られるシリコーン樹脂からなるシリコーン系粘着剤や、これらの混合物を用いることができる。
【0033】
これらの粘着剤には、粘着力の調整や耐候性の向上など必要に応じて、ロジン系樹脂、テルペン系樹脂、脂肪族系石油樹脂、芳香族系石油樹脂などの粘着付与剤や、フタル酸エステル、りん酸エステル、動植物・鉱物油などの可塑剤や、炭酸カルシウム、珪酸塩などの充填剤や、アミン系、フェノール系、イムダール系などの老化防止剤や、その他既存の添加剤を適量混合することが好ましい。
【0034】
粘着層は、保護層7を剥離する際に、前面封止層6及び背面封止層5側に残存せずに、保護層7と共に剥離されることが好ましいため、保護層7側に予め下塗り剤を塗布したり、コロナ処理などの表面処理を施すことにより、粘着層と保護層7との粘着力を向上させても良く、さらに必要に応じて、前面封止層6及び背面封止層5に剥離剤を塗布し、粘着層を剥離されやすくしてもよい。
【0035】
下塗り剤としては、粘着層と親和性の有るポリマー材料と、保護層7と親和性の有るポリマー材料、との混合体もしくは共重合体を用いることが好ましい。特に、有機チタン系、イソシアネート系、ポリエチレンイミン系、ポリブタジエン系などを主成分として用いることができる。例えば、アルミ箔とアクリル系ゴムとの組み合わせの場合には、イソシアネート、活性水素含有物、塩化ゴムの混合体などを用いることができる。
【0036】
剥離剤としては、ポリエステルアクリレート、ポリエステルアリルアクリルアミドなどの長鎖アルキル基含有ポリマーや、フェニルメチルシロキサンとジメチルシロキサンのコポリマーなどのシリコーン系ポリマーや、ポリ(1,1−シヒドロパ−フロロヘキシルメタクリレート)、ポリ(N−エチル、N−パーフロロオクタンスルホアミドエチルメタクリレート)などのパーフロロ系ポリマーなどを使用することができる。
【0037】
意匠性を寄与するために、前面封止層6、背面封止層5または保護層7には、ガスバリア層とシーラント層の他に、印刷層が積層されていることがより好ましい。印刷層としては、プラスチックフィルムなどの透光性基材上に、フレキソ、グラビア、ロールコート、凹版オフセット、インクジェット法などの既知の印刷法により、印字や着色を施しても良く、その他偏光やレンズや反射防止やカラーフィルターなどの機能を付与しても良い。
【0038】
【実施例】
以下、本発明に係わるEL素子を説明する。図1は、本発明のEL素子およびそれを用いた発光積層体の製造工程の一例を説明した概略図である。また、図2(a)〜(d)は、それぞれ順に比較例1〜4記載のEL素子を説明した概略図である。
【0039】
(実施例1)
まず、透光性基材層1として、ポリエチレンテレフタレートフィルム(50μm)の一方の面に、接着層として酸化珪素薄膜を50nm成膜した後に、透明陽極層2として、スパッタリング法によりインジウム錫酸化物(ITO)を150nm形成した。さらに、フォトリソグラフィー法及びウェットエッチング法によって、ITO膜2をパターンニングし、引き出し電極2aを兼ねたITO膜2と陰極引き出し電極2bとを形成した(図1(a))。
【0040】
次に、ITO膜表面をUVオゾン処理した後に、発光媒体層3として、ポリ[2−メトキシ−5−(2’−エチル−ヘキシロキシ)−1,4−フェニレン ビニレン](MEHPPV)をダイレクトグラビア法により100nm形成した。
【0041】
次に、陰極層4として、真空蒸着法によりCa(20nm)とAg(200nm)をこの順に積層形成した(図1(b))。
【0042】
次に、背面封止層5として、ポリエチレンテレフタレート(12μm)、アルミニウム箔(20μm)、ポリエチレンの酸変性物(30μm)をこの順にドライラミネート及び押し出しラミネートした。
【0043】
次に、前面封止層6として、ポリエチレンテレフタレート(12μm)上に、酸化珪素薄膜(50nm)を真空蒸着した後に、ポリエチレンの酸変性物(30μm)をドライラミネートした。
【0044】
次に、乾燥窒素雰囲気中で、前面封止層6と背面封止層5とを端部で熱圧着し、EL素子を被覆封止した。
【0045】
最後に、保護層7として、アルミ箔テープ(3M社登録商標スコッチ)を、乾燥窒素雰囲気中で、前面封止層6および背面封止層5の端部突出部に粘着した(図1(c))。
【0046】
得られたEL素子を、40℃90%RHの恒温槽で1000時間保存した後に、保護層7を剥離して、EL素子を発光させたところ、発光面積は初期面積の80%であった。
また、得られたEL素子を、40℃90%RHの恒温槽で500時間保存した後に、保護層7を剥離して、EL素子を発光させたところ、発光面積は初期面積の90%であり、さらに再度保護層7を粘着し、40℃90%RHの恒温槽で500時間保存し、保護層7を剥離して、EL素子を発光させたところ、発光面積は初期面積の60%であった。
【0047】
(実施例2)
実施例1で用いた前面封止層6および保護層7に、予め印刷層を積層し、発光積層体を作製した。印刷層としては、ポリエチレンテレフタレート(12μm)基材上に印字し、前面封止層及び保護層7にラミネートすることにより印字部8を設けた(図1(d))。
【0048】
得られたEL素子を、40℃90%RHの恒温槽で1000時間保存した後に、保護層6を剥離し、EL素子を発光させたところ、発光面積は初期面積の80%であった。
また、得られたEL素子を、40℃90%RHの恒温槽で500時間保存した後に、保護層7を剥離して、EL素子を発光させたところ、発光面積は初期面積の90%であり、さらに再度保護層7を粘着し、40℃90%RHの恒温槽で500時間保存し、保護層7を剥離して、EL素子を発光させたところ、発光面積は初期面積の60%であった。
【0049】
(比較例1)
実施例1で作製したEL素子に、保護層6を積層せず(図2(a))、40℃90%RHの恒温槽で1000時間保存し、EL素子を発光させたところ、発光しなかった。
【0050】
(比較例2)
比較例1で作製したEL素子を、アルミニウム箔と粘着層からなる封止袋8の内部に封入した(図2(b))。得られたEL素子を、40℃90%RHの恒温槽で1000時間保存した後に、封止袋8から取り出し、EL素子を発光させたところ、発光面積は初期面積の80%であった。
また、得られたEL素子を、40℃90%RHの恒温槽で500時間保存した後に、封止袋から取り出し、EL素子を発光させたところ、発光面積は初期面積の90%であり、さらに再度封止袋8の内部にEL素子を封入し、40℃90%RHの恒温槽で500時間保存した後に、封止袋8から取り出し、EL素子を発光させたところ、発光しなかった。
【0051】
(比較例3)
実施例1のEL素子において、背面封止層5および前面封止層6を熱圧着する箇所を透光性基材層1の端部に行い、保護層7を前面封止層6のみに粘着した(図2(c))。得られたEL素子を、40℃90%RHの恒温槽で1000時間保存し、EL素子を発光させたところ、発光面積は初期面積の60%であった。
また、得られたEL素子を、40℃90%RHの恒温槽で500時間保存した後に、保護層7を剥離して、EL素子を発光させたところ、発光面積は初期面積の80%であり、さらに再度保護層7を粘着し、40℃90%RHの恒温槽で500時間保存し、保護層7を剥離して、EL素子を発光させたところ、発光面積は初期面積の20%であった。
【0052】
(比較例4)
実施例1のEL素子において、背面封止層5と前面封止層6とを熱圧着の際に、背面封止層5が前面封止層6よりも突出しないようにし、保護層7を前面封止層6のみに粘着した(図2(d))。得られたEL素子を、40℃90%RHの恒温槽で1000時間保存し、EL素子を発光させたところ、発光面積は初期面積の65%であった。
また、得られたEL素子を、40℃90%RHの恒温槽で500時間保存した後に、保護層7を剥離して、EL素子を発光させたところ、発光面積は初期面積の85%であり、さらに再度保護層7を粘着し、40℃90%RHの恒温槽で500時間保存し、保護層7を剥離して、EL素子を発光させたところ、発光面積は初期面積の30%であった。
【0053】
【発明の効果】
発明によれば、少なくともガスバリア層と粘着層を有する保護層を、前面封止層に積層することにより、光取り出し面側のガスバリア性能不足を補うことができ、外部からの水分を遮断し、使用直前までEL素子の劣化を抑制することができる。
発明によれば、少なくともガスバリア層とシーラント層を有する背面封止層と保護層とが接していることによりフィルム端部からの水分の侵入を抑制することができるため、長期にわたりEL素子の劣化を抑制することができる。
発明によれば、EL素子の使用後も保護層を再粘着することで、該EL素子の劣化を抑制することができる。
発明によれば、前面封止層もしくは背面封止層及び/又は保護層に、印刷層を積層することにより、実際の使用に際するまで長期にわたりEL素子の劣化が抑制され、かつ剥離後も、再粘着することによりEL素子の劣化が抑制できる、意匠性に優れた発光積層体を作製できる。
【0054】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のEL素子の製造工程の一例を示した説明図である。
【図2】本発明の比較例1〜4のEL素子を示す説明図である。
【符号の説明】
1 透光性基材層
2 透明陽極層
3 発光媒体層
4 陰極層
5 背面封止層
6 前面封止層
7 保護層
8 印字部
9 1〜4及び6からなる積層体
10 発光部
11 封止袋

Claims (4)

  1. 少なくとも、保護層、前面封止層、透光性基材層、透明陽極層、発光媒体層、陰極層、及び少なくともガスバリア層とシーラント層を有する背面封止層がこの順に積層されており、かつ、
    前記前面封止層と前記背面封止層が、前記背面封止層が端部突出部を備えるように重ね合わされ封止されており、かつ、
    前記保護層が、ガスバリア層と粘着層を有し、剥離可能な状態で前記背面封止層の全ての端部突出部と接するように積層されていることを特徴とするエレクトロルミネッセンス素子。
  2. 前記保護層が再封止可能な状態にもうけられたことを特徴とする、請求項1記載のエレクトロルミネッセンス素子。
  3. 前面封止層、背面封止層または保護層の少なくとも1面に、1層以上の印刷層が積層されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のエレクトロルミネッセンス素子。
  4. 前記保護層が金属箔を備えることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のエレクトロルミネッセンス素子。
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