JP2000164348A - Elパネル - Google Patents

Elパネル

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JP2000164348A
JP2000164348A JP10331497A JP33149798A JP2000164348A JP 2000164348 A JP2000164348 A JP 2000164348A JP 10331497 A JP10331497 A JP 10331497A JP 33149798 A JP33149798 A JP 33149798A JP 2000164348 A JP2000164348 A JP 2000164348A
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JP
Japan
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film
moisture
layer
proof
panel
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JP10331497A
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English (en)
Inventor
Mitsuo Nakamura
光夫 中村
Shigeru Obayashi
繁 大林
Yoichiro Yabe
洋一郎 矢部
Naoto Tani
直人 谷
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Toshiba Corp
Toshiba Development and Engineering Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Toshiba Electronic Engineering Co Ltd
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Publication date
Application filed by Toshiba Corp, Toshiba Electronic Engineering Co Ltd filed Critical Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 EL発光素子を防湿性のパッケージフィルム
で封止したELパネルにおいて、EL発光素子の水分に
よる特性劣化を抑制して長寿命化を達成した上で、防湿
フィルムに起因する製造コストの増大を抑制する。 【解決手段】 蛍光体粒子を分散含有する発光体層と、
発光体層の一方の主面上に反射絶縁層を介して配置され
た背面電極層と、発光体層の他方の主面と一体的に対向
配置された透明電極層とを有するEL発光素子を、パッ
ケージフイルムで封止したELパネルである。パッケー
ジフィルムは、防湿層12を有するポリエステルフィル
ム11を 2枚以上用意し、それらの防湿層12を対向さ
せて貼り合せた防湿フイルム13を有し、この防湿フイ
ルム13の一方の表面に接着層14を設けたものであ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はEL(エレクトロル
ミネッセンス)パネルに係り、特にパッケージフィルム
を改良したELパネルに関する。
【0002】
【従来の技術】有機分散型のELパネルは、軽量・薄型
で形状の自由度に優れた面発光体として、PDA(パー
ソナル・デジタル・アシスタント)のLCDモジュール
をはじめとする各種液晶表示装置や各種表示板のバック
ライト、乾式複写機の除電用光源などの用途に幅広く利
用されている。
【0003】このようなELパネルは、ZnSなどの蛍
光体粒子を分散含有する発光体層の一方の面上に、反射
絶縁層を介してAl箔などからなる背面電極を積層する
と共に、発光体層の他方の面上に透明絶縁フィルムにI
TO透明電極を設けた透明電極シートを積層したEL発
光素子を有している。そして、このようなEL発光素子
に電場印加用のリードを付設すると共に、必要に応じて
透明電極側に防湿フィルムを配置し、これらをパッケー
ジフィルムで封止することによって、ELパネルが構成
されている。
【0004】ところで、ZnSなどの蛍光体粒子は水分
により発光特性などが低下することから、パッケージフ
ィルムには防湿性が要求されている。そこで、従来のE
Lパネルにおいては、パッケージフィルムとしてポリク
ロロトリフルオロエチレン(PCTFE)フイルムが用
いられている。PCTFEフイルムは水分透過率が0.1g
/m2 ・day ・40℃・90%RH 程度というような優れた防湿
性を有している。
【0005】しかしながら、PCTFEフイルムは極め
て高価であり、一般的な電子部品などでパッケージフィ
ルムとして用いられているポリエチレンテレフタレート
(PET)フィルムなどと比べて単価が10〜20倍程度と
なる。従って、従来のELパネルにおいては、パッケー
ジフィルムとして用いられるPCTFEフイルムにより
製造コストが増大するという問題があった。
【0006】また、従来のPCTFEフイルムからなる
パッケージフィルムは、通常、変性ポリオレフィン系の
接着層を介してEL発光素子に接着されている。変性ポ
リオレフィン系樹脂からなる接着層を用いた場合、熱接
着時にEL発光素子の発光特性などを劣化させたり、ま
たリード周辺部に不具合が生じるというような問題を招
いていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、従来
のELパネルにおいては、PCTFEフイルムをパッケ
ージフィルムとして用いることによって、水分による発
光特性などの劣化を防止して長寿命化などが図れる反
面、PCTFEフイルムは極めて高価であることから、
ELパネルの製造コストの増大原因となっていた。さら
に、パッケージフィルムをEL発光素子に接着する接着
層に起因して、EL発光素子の特性劣化やリード周辺部
に不具合が生じるというような問題を招いていた。
【0008】本発明はこのような課題に対処するために
なされたもので、EL発光素子の水分による特性劣化を
抑制して長寿命化を達成した上で、製造コストを低減す
ることを可能にしたELパネル、さらにはパッケージフ
ィルムのEL発光素子への接着に起因する素子特性の劣
化やリード周辺部での不良発生などを抑制することを可
能にしたELパネルを提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明のELパネルは、
請求項1に記載したように、蛍光体粒子を分散含有する
発光体層と、前記発光体層の一方の主面上に積層形成さ
れた反射絶縁層と、前記反射絶縁層を介して前記発光体
層と一体的に対向配置された背面電極層と、前記発光体
層の他方の主面と一体的に対向配置された透明電極層と
を有するEL発光素子と、前記背面電極層および透明電
極層にそれぞれ付設された一対のリードと、前記EL発
光素子を挟持する一対のパッケージフィルムとを具備す
るELパネルにおいて、前記一対のパッケージフィルム
のうち少なくとも一方は、 2枚以上の防湿層を有するポ
リエステルフィルムを前記防湿層を対向させて貼り合せ
た防湿フイルムと、前記防湿フイルムの一方の表面に設
けられた接着層とを有し、前記接着層を介して前記EL
発光素子の表面に接着されていることを特徴としてい
る。
【0010】本発明のELパネルにおいて、上記した防
湿フイルムは例えば請求項2に記載したように、水分透
過率が0.3g/m2 ・day ・40℃・90%RH 以下というような
防湿性を有するものである。また、このような条件を満
足させる上で、請求項3に記載したように、防湿層には
SiOx 蒸着膜やAlOx 蒸着膜などが用いられる。さ
らに、請求項4に記載したように、防湿層としてのSi
x 蒸着膜やAlOx蒸着膜は10〜50nmの範囲の厚さを
有することが好ましい。
【0011】本発明のELパネルは、さらに請求項5に
記載したように、前記接着層は熱可塑性ホットメルトフ
ィルムからなることを特徴としている。この熱可塑性ホ
ットメルトフィルムには、請求項6に記載したように、
ランダム共重合型飽和ポリエステルを用いることが好ま
しい。さらに、請求項7に記載したように、熱可塑性ホ
ットメルトフィルムの厚さは、リードの厚さの 1/3以上
で、かつEL発光素子の厚さの 1/2未満であることが好
ましい。
【0012】本発明のELパネルにおいては、防湿層を
有するポリエステルフィルムを 2枚以上用意し、これら
のフイルムをそれぞれの防湿層を対向させて貼り合せた
積層フィルムを、防湿フイルムとして用いている。この
ような防湿フィルムの防湿層としては、例えばSiOx
蒸着膜やAlOx 蒸着膜などが用いられる。
【0013】ここで、SiOx やAlOx の蒸着膜は、
その形成法法に由来してあまり厚くすることができず、
例えば10〜50nmの範囲の厚さとなる。このような厚さの
SiOx 蒸着膜やAlOx 蒸着膜では、単層構造でEL
パネルに要求される防湿性を十分に満足させることがで
きない。そこで、本発明においては、防湿層を有するポ
リエステルフィルムを 2枚以上貼り合せたものを防湿フ
ィルムとして用いている。このような防湿フィルムによ
れば、ELパネルに要求される0.3g/m2 ・day・40℃・9
0%RH 以下というような水分透過率を満足させることが
可能となる。
【0014】そして、上記したような防湿層を有するポ
リエステルフィルムは、従来のPCTFEフイルムに比
べて安価であるため、ELパネルの製造コストを大幅に
低下させることができる。従って、本発明のELパネル
によれば、EL発光素子の水分による特性劣化を抑制し
て長寿命化を達成した上で、製造コストを低減すること
が可能となる。
【0015】また、上記したような防湿フィルムからな
るパッケージフィルムの接着層として、例えばランダム
共重合型飽和ポリエステルからなる熱可塑性ホットメル
トフィルムを使用することによって、パッケージフィル
ムをEL発光素子に低温度で熱接着することができる。
従って、パッケージフィルムの熱接着に伴うEL発光素
子の特性劣化やリード周辺部の保持不良などの発生を抑
制することが可能となる。特にランダム共重合型飽和ポ
リエステルは、耐熱性、耐寒性、透光性、電気絶縁性な
どに優れることから、ELパネルの特性向上にも寄与す
る。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施するための形
態について、図面を参照して説明する。
【0017】図1は、本発明の一実施形態によるELパ
ネルの概略構造を示す断面図である。同図に示すELパ
ネル1は、ZnSのような蛍光体粒子を例えばシアノエ
チルセルロースのような高誘電率を有する有機高分子バ
インダ中に分散含有させた発光体層2を有している。発
光体層2の一方の主面上には、例えばTiO2 やBaT
iO3 などの高反射性無機酸化物粉末をシアノエチルセ
ルロースなどの高誘電率を有する有機高分子バインダ中
に分散含有させた反射絶縁層3が積層形成されており、
この反射絶縁層3を介して例えばAl箔のような金属
箔、カーボンペーストや金属ペーストの塗布層からなる
背面電極層4が一体的に配置されている。
【0018】また、発光体層2の他方の主面上には、ポ
リエステルフィルムのような透明絶縁フィルム上にIT
O膜などを被着形成した透明電極層(透明電極シート)
5が積層配置されている。なお、図示を省略したITO
蒸着膜などの透明電極は発光体層2と対向配置されてお
り、さらにAgペーストのような導体ペーストの印刷層
(図示せず)が供電部として形成されている。
【0019】上述した透明電極層5、発光体層2、反射
絶縁層3および背面電極層4は例えば熱圧着されてお
り、この熱圧着した積層体がEL発光素子6を構成して
いる。このうち、背面電極層4にはその裏面側に背面電
極用リード7が付設されている。また、透明電極層5の
図示を省略した供電部には透明電極用リード8が、透明
電極層5と発光体層2との間に挟持された状態で付設さ
れている。
【0020】EL発光素子6の外側には、透明なパッケ
ージフィルム10、10が配置されている。なお、透明
電極層5側に6-ナイロンフィルムなどからなる吸湿性フ
ィルム9を介在させてもよい。そして、これらパッケー
ジフィルム10を熱圧着してEL発光素子6を封止する
ことによって、ELパネル1が構成されている。
【0021】上述したパッケージフィルム10のうち、
少なくとも一方は 2枚以上の防湿層を有するポリエステ
ルフィルムを、それぞれの防湿層を対向させて貼り合せ
た積層フィルムからなる防湿フイルムを有している。こ
のような防湿フイルムを有するパッケージフィルム10
について、図2を参照して詳述する。
【0022】パッケージフィルム10に用いる防湿フイ
ルムは、まず図2(a)に示すように、ポリエチレンテ
レフタレート(PET)やポリブチレンテレフタレート
(PBT)などからなるポリエステルフィルム11を 2
枚用意し、それぞれの一方の表面に防湿層12を形成す
る。
【0023】防湿層12としては、例えば厚さが10〜50
nmのSiOx 蒸着膜やAlOx 蒸着膜が用いられる。各
防湿層12の厚さが10nm未満であると、積層フィルムと
しても十分な防湿性を得ることができないおそれがあ
る。一方、厚さ50nmを超えるSiOx 蒸着膜やAlOx
蒸着膜からなる防湿層12は剥離などが生じやすく、そ
れ自体を良好に形成することが困難である。
【0024】上記したようなSiOx 蒸着膜やAlOx
蒸着膜からなる防湿層12を形成した 2枚のポリエステ
ルフィルム11を、図2(a)に示すように、それぞれ
の防湿層12を対向させて貼り合わせる。貼り合わせは
プライマーなどを防湿層12に塗布して実施する。この
ような 2枚の防湿層12を有するポリエステルフィルム
11を貼り合わせて、図2(b)に示すように、積層フ
ィルムからなる防湿フィルム13を作製する。そして、
このような防湿フィルム13の一方の表面に接着層14
を形成し、これをパッケージフィルム10として使用す
る。
【0025】積層フィルムからなる防湿フィルム13に
は、例えば図3に示すように、ポリエステルフィルムな
どからなるカバーフィルム15を付加することができ
る。さらに、図4に示すように、防湿層12を有するポ
リエステルフィルム11を 4枚用いて防湿フィルム13
を構成することも可能である。図4に示す防湿フィルム
13′は、防湿層12を対向させて貼り合わせたものを
2枚用意し、これらをさらに積層したものである。防湿
層12を有するポリエステルフィルム11の枚数は、要
求される防湿性に応じて設定することができる。
【0026】接着層14は熱可塑性ホットメルトフィル
ムで形成することが好ましい。特に、EEAやEAAな
どのランダム共重合型飽和ポリエステルを使用すること
が好ましい。ランダム共重合型飽和ポリエステルなどか
らなる熱可塑性ホットメルトフィルムは、例えば 180℃
以下というような低温度での熱接着が可能であり、さら
に耐熱性、耐寒性、透光性、電気絶縁性などに優れると
いう特性を有する。
【0027】また、接着層14としての熱可塑性ホット
メルトフィルムの厚さは、リード7、8の厚さの 1/3以
上で、かつEL発光素子6の厚さの 1/2未満であること
が好ましい。接着層14としての熱可塑性ホットメルト
フィルムの厚さをリード7、8の厚さの 1/3以上とする
ことによって、上下 2枚のパッケージフィルム10、1
0による接着層14の合計の厚さがリード7、8の厚さ
と同等となるため、リード7、8の周辺部が接着層14
で充填されて強固に保持される。さらに、リード7、8
周辺部の空隙発生などが抑制されるため、水分の浸入な
どを有効に抑制することができる。
【0028】一方、接着層14としての熱可塑性ホット
メルトフィルムの厚さをEL発光素子6の厚さの 1/2未
満とすることによって、パッケージフィルム10の熱圧
着工程を良好に実施することが可能となる。熱可塑性ホ
ットメルトフィルムの厚さがEL発光素子6の厚さの 1
/2以上となると、接着層14がEL発光素子6の保持に
寄与せず、熱圧着時に接着層14のはみ出しなどが生じ
やすくなる。接着層14の具体的な厚さは30〜70μm の
範囲とすることが好ましい。
【0029】本発明のELパネルは、上述したような防
湿フイルム13をパッケージフィルム10の主構成部材
として用いたものである。上記した防湿フイルム13
は、安価なPETフィルムなどのポリエステルフィルム
11を基材とし、これにSiOx 蒸着膜やAlOx 蒸着
膜からなる防湿層12を形成したものであるため、従来
の防湿フィルムとしてのPCTFEフイルムに比べて、
大幅に製造コストを削減することができる。
【0030】ここで、SiOx 蒸着膜やAlOx 蒸着膜
からなる防湿層12の厚さは、上記したように50nm程度
が実用的な限度である。このような厚さのSiOx 蒸着
膜やAlOx 蒸着膜からなる防湿層12の単層構造で
は、ELパネルに要求される防湿性を十分に満足させる
ことができないが、上記したように防湿層12を有する
ポリエステルフィルム11を 2枚貼り合せた積層フィル
ムを、防湿フィルム13として使用することによって、
ELパネルに要求される防湿性を再現性よく満足させる
ことが可能となる。
【0031】具体的には、上記した積層フィルムからな
る防湿フィルム13は、0.3g/m2 ・day ・40℃・90%RH
以下の水分透過率を有し、ELパネル1に要求される防
湿性を満足するものである。 2層の防湿層12、12を
有する防湿フイルム13によれば、さらに水分透過率が
0.15g/m2 ・day ・40℃・90%RH 以下というような防湿
性を満足させることができ、従来のPCTFEフィルム
に近い防湿性を付与することができる。
【0032】このように、防湿層12を有するポリエス
テルフィルム11を 2枚貼り合わせた防湿フィルム13
に接着層14を形成したパッケージフィルム10によれ
ば、従来のPCTFEフイルムを用いた場合とほぼ同等
の防湿効果を得た上で、ELパネル1の製造コストを大
幅に低減することができる。従って、EL発光素子6の
水分による特性劣化を抑制して長寿命化を図ると共に、
低コスト化を達成したELパネル1を提供することが可
能となる。
【0033】さらに、ランダム共重合型飽和ポリエステ
ルなどの熱可塑性ホットメルトフィルムからなる接着層
14は、例えば 180℃以下というような低温度でEL発
光素子6に熱接着することができるため、熱圧着による
EL発光素子の特性劣化を防ぐことができると共に、リ
ード7、8周辺部の封止不良や保持不良の発生などを抑
制することが可能となる。また、特にランダム共重合型
飽和ポリエステルは耐熱性、耐寒性、透光性、電気絶縁
性などに優れるため、ELパネル1の特性向上にも寄与
する。
【0034】本発明のELパネル1は、ハンディターミ
ナルなどの携帯用小型情報端末の液晶表示装置のバック
ライトをはじめとして、各種のLCDセルのバックライ
トとして好適に使用されるものである。
【0035】上記構成のELパネル1は、例えば以下の
ようにして作製される。
【0036】まず、背面電極層4となる例えばAl箔上
に、無機酸化物粉末をシアノエチル系有機バインダなど
に分散させたペーストもしくはスラリーなどをスクリー
ン印刷やドクターブレード法などで塗布し、これを乾燥
させて反射絶縁層3を形成する。次いで、反射絶縁層3
上に同様な塗布法を適用して発光体層2を積層形成す
る。発光体層2の形成には、蛍光体粒子をシアノエチル
系有機バインダなどに分散させたペーストもしくはスラ
リーなどが用いられる。
【0037】一方、透明フィルム上にITO膜などを被
着形成して、透明電極層(透明電極シート)4を形成す
る。次いで、透明電極となるITO膜上に、Agペース
トなどを所定の形状に塗布して供電部(図示せず)を形
成し、この供電部上に透明電極用リード8を仮止めす
る。
【0038】そして、上記した透明電極シート4と発光
体層2および反射絶縁層3を積層形成したAl箔4と
を、ITO膜と発光体層2とを対向させて重ね合せた
後、例えば加熱ロール間を通過させることによって熱圧
着(ラミネート)する。このようにして得た熱圧着体
(EL発光素子6)のAl箔(背面電極層)7に背面電
極用リード8を仮止めする。
【0039】次に、6-ナイロンフィルムなどからなる吸
湿性フィルム9をEL発光素子6の透明電極シート4上
に接着剤などを使用して貼り合わせる。さらに、吸湿性
フィルム9とEL発光素子6との積層体の外側に、それ
ぞれ前述した 2枚の防湿層12を有するポリエステルフ
ィルム11を貼り合わせ、さらに接着層14を形成した
パッケージフィルム10を配置し、これを熱圧着ロール
間を通過させて、パッケージフィルム10を熱圧着して
封止することによって、目的とするELパネル1が得ら
れる。
【0040】
【実施例】次に、本発明の具体的な実施例およびその評
価結果について述べる。
【0041】実施例1、2 まず、厚さ12μm のPETフィルムを 2枚用意し、これ
らにそれぞれ厚さ30nmのSiOx 蒸着膜を防湿層として
形成した。そして、各SiOx 蒸着膜にプライマーを塗
布し、これらSiOx 蒸着膜を対向させて 2枚のPET
フィルムを貼り合わせて防湿フィルムとした(実施例
1)。また、厚さ25μm のPETフィルムを 2枚用意
し、同様にしてSiOx 蒸着膜を形成すると共に、Si
x 蒸着膜を対向させて貼り合わせて防湿フィルムとし
た(実施例2)。
【0042】これら各実施例の防湿フィルムの水分透過
率を測定した。その結果、実施例1の防湿フィルムの水
分透過率は 0.15g/m2 ・day ・40℃・90%RH 、実施例2
の防湿フィルムの水分透過率は 0.15g/m2 ・day ・40℃
・90%RH であり、いずれも従来のPCTFEフィルム
(厚さ 100μm で 0.1 g/m2 ・day ・40℃・90%RH )と
同等の防湿性を有していることが確認された。
【0043】さらに、これら防湿フィルムにEAA製ホ
ットメルトフィルムからなる接着層(厚さ50μm )を形
成してパッケージフィルムとした。そして、これら防湿
性パッケージフィルムを用いて、以下のようにしてEL
パネルを作製した。
【0044】まず、常法にしたがってAl箔上に反射絶
縁層および発光体層を形成した。一方、透明フィルム上
にITO膜を被着形成した透明電極シートを、上記した
発光体層上に重ね合せた後、加熱ロール間を通過させる
ことによって熱圧着した。これら熱圧着体の各層の厚さ
は、透明電極層が75μm 、蛍光体層が50μm 、反射絶縁
層が30μm 、背面電極層が80μm であった。背面電極層
としてのAl箔と透明電極層には、それぞれ厚さ80μm
の洋白からなるリードを仮止めした。
【0045】次に、厚さ 100μm の6-ナイロンフィルム
からなる吸湿性フィルムを、熱圧着体の透明電極層上に
配置し、さらにその外側に上述した実施例1の防湿性を
有するパッケージフィルムをそれぞれ配置し、これを熱
圧着ロール間を通過させてパッケージフィルムのはみだ
し部を熱圧着して封止することによって、目的とするE
Lパネルを得た。また、実施例2の防湿性を有するパッ
ケージフィルムを用いて、同様なELパネルを作製し
た。熱封止条件は 150℃、50cm/min、 30kg/cm2とし
た。
【0046】また、本発明との比較例として、厚さ12μ
m のPETフィルムに厚さ30nmのSiOx 蒸着膜を形成
したフイルム 1枚で構成したパッケージフイルムを用い
る以外は、上記実施例と同様にしてELパネル(比較例
1)を作製した。さらに、厚さ 100μm のPCTFEフ
ィルムからなるパッケージフイルムを用いると共に、接
着層に変性ポリオレフィンを用いる以外は、上記実施例
と同様にしてELパネル(比較例2)を作製した。
【0047】これら実施例1、2および比較例1、2に
よる各ELパネルを、50℃、 90%RHの環境下において10
0V,400Hzの条件で点灯試験を行い、輝度半減寿命を測
定、評価した。また、各例におけるパッケージフィルム
とEL発光素子の各構成層との接着性を熱衝撃試験(-40
℃/+65℃,10サイクル)後の剥離の有無により評価し
た。これらの結果を表1に示す。
【0048】
【表1】 表1から明らかなように、実施例1、2によるELパネ
ルは、PCTFEフィルムを用いた比較例2のELパネ
ルと同等の寿命特性を有し、その上でパッケージフィル
ムに要するコストは 1/5以下であった。また、実施例
1、2によるELパネルは、EL発光素子の各構成層に
対して良好な接着性を示し、さらにリード周辺部の封止
性も良好であった。
【0049】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のELパネ
ルによれば、EL発光素子の水分による特性劣化を抑制
して長寿命化を達成した上で、製造コストを低減するこ
とができる。従って、信頼性および寿命特性に優れるE
Lパネルを安価に提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態によるELパネルの概略
構造を示す断面図である。
【図2】 図1に示すELパネルのパッケージフイルム
として用いた防湿フィルムの構造および製造工程を示す
断面図である。
【図3】 本発明のELパネルでパッケージフイルムと
して用いる防湿フィルムの他の構造例を示す断面図であ
る。
【図4】 本発明のELパネルでパッケージフイルムと
して用いる防湿フィルムのさらに他の構造例を示す断面
図である。
【符号の説明】
1……ELパネル 2……発光体層 3……反射絶縁層 4……背面電極層 5……透明電極層 6……EL発光素子 10……パッケージフイルム 11……ポリエステルフイルム 12……防湿層 14……接着層 15……防湿フイルム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大林 繁 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株 式会社東芝横浜事業所内 (72)発明者 矢部 洋一郎 神奈川県川崎市川崎区日進町7番地1 東 芝電子エンジニアリング株式会社内 (72)発明者 谷 直人 神奈川県川崎市川崎区日進町7番地1 東 芝電子エンジニアリング株式会社内 Fターム(参考) 3K007 AB00 AB13 AB18 BB01 BB05 CA06 CB01 DA04 DB02 EB04 EC01 FA02

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 蛍光体粒子を分散含有する発光体層と、
    前記発光体層の一方の主面上に積層形成された反射絶縁
    層と、前記反射絶縁層を介して前記発光体層と一体的に
    対向配置された背面電極層と、前記発光体層の他方の主
    面と一体的に対向配置された透明電極層とを有するEL
    発光素子と、 前記背面電極層および透明電極層にそれぞれ付設された
    一対のリードと、 前記EL発光素子を挟持する一対のパッケージフィルム
    とを具備するELパネルにおいて、 前記一対のパッケージフィルムのうち少なくとも一方
    は、 2枚以上の防湿層を有するポリエステルフィルムを
    前記防湿層を対向させて貼り合せた防湿フイルムと、前
    記防湿フイルムの一方の表面に設けられた接着層とを有
    し、前記接着層を介して前記EL発光素子の表面に接着
    されていることを特徴とするELパネル。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のELパネルにおいて、 前記防湿フイルムは、水分透過率が0.3g/m2 ・day ・40
    ℃・90%RH 以下であることを特徴とするELパネル。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のELパネルにおいて、 前記防湿層は、SiOx 蒸着膜またはAlOx 蒸着膜か
    らなることを特徴とするELパネル。
  4. 【請求項4】 請求項3記載のELパネルにおいて、 前記SiOx 蒸着膜またはAlOx 蒸着膜は10〜50nmの
    範囲の厚さを有することを特徴とするELパネル。
  5. 【請求項5】 請求項1記載のELパネルにおいて、 前記接着層は、熱可塑性ホットメルトフィルムからなる
    ことを特徴とするELパネル。
  6. 【請求項6】 請求項5記載のELパネルにおいて、 前記熱可塑性ホットメルトフィルムは、ランダム共重合
    型飽和ポリエステルからなることを特徴とするELパネ
    ル。
  7. 【請求項7】 請求項5記載のELパネルにおいて、 前記熱可塑性ホットメルトフィルムの厚さは、前記リー
    ドの厚さの 1/3以上で、かつ前記EL発光素子の厚さの
    1/2未満であることを特徴とするELパネル。
  8. 【請求項8】 請求項1記載のELパネルにおいて、 前記接着層は 180℃以下の温度で前記EL発光素子に熱
    接着されていることを特徴とするELパネル。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003031357A (ja) * 2001-07-12 2003-01-31 Toppan Printing Co Ltd エレクトロルミネッセンス素子
JP2003092180A (ja) * 2001-09-18 2003-03-28 Dainippon Printing Co Ltd エレクトロルミネッセント素子
US7226333B2 (en) 2002-09-27 2007-06-05 Kabushiki Kaisha Toshiba Method of manufacturing an organic electroluminescent display device

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