JP5482435B2 - 帯状可撓性支持体の搬送方法、有機エレクトロニクス素子の製造方法 - Google Patents

帯状可撓性支持体の搬送方法、有機エレクトロニクス素子の製造方法 Download PDF

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本発明は、両端に帯状可撓性支持体の両端を保持する受け部を有する段付き搬送ロールによる帯状可撓性支持体の搬送方法及びこの搬送方法による有機エレクトロニクス素子の製造方法に関する。更に詳しくは、外気と遮断された環境内で膜が形成された面を両端に帯状可撓性支持体の両端を保持する受け部を有する段付き搬送ロールにより非接触で搬送する時、帯状可撓性支持体の座屈による搬送停止を防止した搬送方法及びこの搬送方法による有機エレクトロニクス素子の製造方法に関する。
従来より連続走行する帯状可撓性支持体を非接触で搬送する搬送方法としては、空気を吹き付けることで浮上させて搬送する搬送方式、帯状可撓性支持体の端部を保持する両端に受け部を有する段付き搬送ロール(以下、単に段付き搬送ロールとも言う)による搬送方法が知られている。
非接触搬送方式は、塗膜面へのスリキズ、ゴミの付着等による故障を避けるため例えば、光学用フィルム、インクジェット記録用紙、熱現像記録材料、有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、有機EL素子とも言う)、有機薄膜トランジスター素子、有機太陽電池素子(以下、有機PV素子とも言う)、有機光電変換素子を始めとした、様々な有機エレクトロニクス素子等の製造に使用されている。
有機エレクトロニクス素子は、有機化合物を用いて電気的な動作を行う素子であり、省エネルギー、低価格、柔軟性といった特長を発揮出来ると期待され、従来のシリコーンを主体とした無機半導体に替わる技術として注目されている。これらの有機エレクトロニクス素子は、有機化合物の非常に薄い膜に電極を介して電流を流すことで、発光したり、発電したり、帯電したり、電流や電圧を制御したりする素子である。
有機EL素子は有機化合物の薄膜からなる発光層を電極で挟持した構成で、第1電極(陽極又は陰極)と第2電極(陽極又は陰極)間に電流を供給すると発光する素子である。従って、薄膜の有機EL素子を光源として利用すると、小型化、軽量化が容易である上、蛍光灯に比べ発光の応答速度が速く、点灯直後の光量も比較的安定した照明装置となる。
有機EL素子は、一般には蒸着方式による製膜で製造されているが、生産性の向上や製造コスト低減のため、塗布方式での製造が望まれている。
有機PV素子や有機光電変換素子は、有機化合物の薄膜からなる発電層を第1電極(陽極又は陰極)と第2電極(陽極又は陰極)で挟持した構成で、光を照射すると発電する素子である。従って、薄膜の有機光電変換素子を太陽電池として利用すると、小型化、軽量化が容易である上、既存の無機半導体系の太陽電池に比べ、低照度環境や高温環境下でも比較的安定した出力を得られる太陽電池となる。
例えば、有機EL素子は、光透過性の電極、例えばITO(インジウムチンオキサイド)の上に有機分子やポリマー、有機金属錯体などのナノメートル単位の薄膜層を積層し、最後に薄膜の電極層を形成して得られる。しかしながら、これらの薄膜の膜厚の全てを併せても、全体の膜厚は1.0μmにも満たない、非常に薄い多層構造の薄膜、即ち、機能性薄膜の積層体である。従って薄膜形成前の支持体には優れた平面性が必要とされる。又、支持体に異物や突起物、キズ、折れやヒビ割れ等が存在した状態で有機EL素子を形成した時、電圧印加時に、ショート(いわゆるリーク)により発光電流の増大や非発光となることがある。
このため異物の付着防止に対して、例えば特開2006−294536号公報には帯状可撓性支持体の上に、少なくとも第1電極と、正孔輸送層と、発光層と、電子注入層と、第2電極と、封止層又は封止フィルムとの形成体をこの順番で有する有機EL素子をロールツーロール方式で製造する時、異物の付着を防止するため、帯電防止手段で処理した巻取り補助部材をJIS B 9920に準拠した清浄度がクラス5以下の環境条件で巻き取る方法が開示されている。国際公開第06/100868号には帯状可撓性支持体の上に第1電極/有機化合物層/第2電極の構成を有する有機EL素子を製造する時、異物の付着を防止するため、帯状可撓性支持体の除電処理工程を配設し、有機化合物層は、露点温度−20℃以下、且つJIS B 9920に準拠し、清浄度がクラス5以下の環境条件で、且つ、乾燥部及び加熱処理部を除き10℃から45℃の大気圧条件下で形成する方法が開示されている。
しかし、異物の付着量を少なくして製造することは、設備コストが高く、異物が付着しても、異物による擦り傷等の2次的な影響の少ない製造方法が求められていた。
特開2007−42315号公報には、ロールツーロール方式で有機EL素子を形成する工程で帯状可撓性支持体を非接触で搬送することが開示されている。
又、スリキズ対策として、真空下、帯状可撓性支持体にロールツーロール方式で薄膜形成を行う生産工程で支持体や成膜面にキズの発生しない段付き搬送ロールを使用したガイドロール機構を組み込んだ真空成膜装置、及びこれを用い発光寿命の改善された生産性の高い有機エレクトロルミネッセンス素子を製造する方法が開示されている(例えば特許文献1参照。)。
しかしながら、特許文献1に記載の段付き搬送ロールを使用したガイドロール機構を使用した場合、次の欠点があることが判った。
1)有機エレクトロニクス素子の特徴の1つとして、樹脂フィルムである帯状可撓性支持体の上に電極として樹脂フィルムとは収縮率が異なる導電性の膜がパターン形成されているため、収縮の差により帯状可撓性支持体の平面性が悪くなる。このため、帯状可撓性支持体の平面性を保ち、膜形成時に均一な膜を得るためには張力を出来るだけ高くして搬送することが必要になる。しかし、帯状可撓性支持体に張力を掛けると段付き搬送ロールの非接触部で帯状可撓性支持体が時々座屈して搬送不良が発生する。
2)座屈が発生した箇所が折れキズとなり、性能異常の原因となる。
3)座屈を直すために搬送を中断して、座屈部分を掛け直す必要があるが、これに合わせ不活性ガス雰囲気や真空雰囲気を外気(大気環境)に戻すことになり、再開には元の環境を戻すために時間が掛り、生産効率が低下する。
4)大気環境に戻すことにより、座屈部分だけでなくその周辺部が不良になる。場合によっては、加工中の元巻1本全部が不良になる可能性がある。
この様な、状況から外気と遮断された環境内で搬送ロールに段付き搬送ロールを使用して帯状可撓性支持体の両端を保持して搬送する時に、座屈による搬送不良の発生が生じない帯状可撓性支持体の搬送方法の開発及びこの搬送方法を使用した有機エレクトロニクス素子の製造方法の開発が望まれている。
特開2009−256709号公報
本発明は上記状況に鑑みなされたものであり、その目的は外気と遮断された環境内で搬送ロールに段付き搬送ロールを使用して帯状可撓性支持体の両端を保持して搬送する時に、座屈による搬送不良の発生が生じない帯状可撓性支持体の搬送方法及びこの搬送方法を使用した有機エレクトロニクス素子の製造方法を提供することである。
本発明の上記目的は下記の構成により達成された。
1.外気と遮断された環境内で、帯状可撓性支持体を搬送ロールとして胴部の両端に前記帯状可撓性支持体を受ける受け部を有する段付き搬送ロールを使用して、前記帯状可撓性支持体の両端部を前記受け部で保持し、連続的に搬送する帯状可撓性支持体の搬送方法において、
前記帯状可撓性支持体が樹脂フィルムであり、
前記段付き搬送ロールの前記胴部は、前記受け部までの高さ(P)と前胴部の幅(O)との比率(P/O)が0.004から0.03である部分と、該部分の両側に形成され該部分よりも外径が小さい凹形状部分と、を有することを特徴とする帯状可撓性支持体の搬送方法。
2.帯状可撓性支持体の上に、第1の電極と第2の電極との間に、少なくとも1層の有機機能層を積層した構成の積層膜を有する有機エレクトロニクス素子の製造方法において、前記帯状可撓性支持体の搬送が前記1に記載の搬送方法により搬送されることを特徴とする有機エレクトロニクス素子の製造方法。
本発明は上記状況に鑑みなされたものであり、その目的は外気と遮断された環境内で搬送ロールに段付き搬送ロールを使用して帯状可撓性支持体の両端を保持して搬送する時に、座屈による搬送不良の発生が生じない帯状可撓性支持体の搬送方法及びこの搬送方法を使用した有機エレクトロニクス素子の製造方法を提供することが出来た。
外気と遮断された環境で、段付き搬送ロールを使用して帯状可撓性支持体の両端を保持し連続的に搬送しながらダイコーターにより塗布液を塗布し塗膜を形成する工程の概略図である。 図1(b)に示す搬送ロールとして使用されている段付き搬送ロールのA−A′に沿った概略断面図である。 図1(b)に示す搬送ロールとして使用されている段付き搬送ロールの他の形状の概略図である。 段付き搬送ロールを使用し帯状可撓性支持体を搬送する時の状態を示す模式図である。 本発明の搬送方法を使用して製造した有機エレクトロニクス素子の概略図である。 図1から図4に示す塗布方法を使用して有機エレクトロニクス素子の内、有機EL素子を製造する製造工程の概略図である。
以下、本発明を実施する形態を図1から図4を参照しながら説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
図1は外気と遮断された環境で、段付き搬送ロールを使用して帯状可撓性支持体の両端を保持し連続的に搬送しながらダイコーターにより塗布液を塗布し塗膜を形成する工程の概略図である。
図1(a)は外気と遮断された環境で、帯状可撓性支持体の両端を段付き搬送ロールにより保持し連続的に搬送しながらダイコーターを使用し塗布液を塗布し塗膜を形成する工程の概略図である。図1(b)は図1(a)のVで示される部分の拡大概略斜視図である。
図中、1は帯状可撓性支持体の両端を段付き搬送ロールにより保持し連続的に搬送しながらダイコーターを使用し塗布液を塗布し塗膜を形成する工程を示す。工程1は、塗布室2に納められた状態となっている。塗布室2の内部は外気と遮断された環境となっている。外気と遮断された環境とは、例えば、酸素や水分の影響を受けやすい膜を帯状可撓性支持体に成膜する場合の不活性ガスで置換した環境、帯状可撓性支持体に蒸着等の真空成膜方法で成膜する場合の真空環境、異物の影響を受けやすい膜を帯状可撓性支持体に成膜する場合の高クリーン環境等を言う。本図は帯状可撓性支持体に塗布する場合に塗布室を不活性ガスで置換した場合を示している。
工程1は、帯状可撓性支持体3の供給工程1aと、塗布工程1bと、乾燥工程1cと、回収工程1dとを有している。
供給工程1aはアキュームレーター1a1と、繰り出し装置(不図示)を使用しており、繰り出し装置(不図示)に装着されたロール状の帯状可撓性支持体3を繰り出し、塗布工程1bに帯状可撓性支持体3を供給する。
帯状可撓性支持体3は表面上に既に膜が形成されている場合もあるし、これから膜を形成する場合もある。形成されている膜の種類は特に限定はなく、例えば、単層の膜、複数の膜が積層された膜、導電性物質等がパターン状に形成された膜等が挙げられる。
パターン状に形成された膜の形成方法、パターン形状は特に限定はなく必要に応じて適宜選択することが可能である。パターン化した膜の例として有機エレクトロニクス素子の場合の第1電極又は第2電極が挙げられる。
塗布工程1bはスリット型ダイコーター1b1と、帯状可撓性支持体3を保持するバックロール1b2とを使用しており、スリット型ダイコーター1b1により塗布液をバックロール1b2に保持され連続的に搬送(図中の矢印方向)される帯状可撓性支持体3に塗布し、ウェット塗膜が形成される。
乾燥工程1cは、乾燥装置1c1を使用しており、塗布工程1bで塗布されたウェット塗膜が形成されている帯状可撓性支持体3を加熱乾燥し乾燥塗膜を形成する。乾燥装置1c1としては特に限定はなく、例えばヒーター加熱方式、加熱風方式等が挙げられ必要に応じて適宜選択することが可能となっている。
回収工程1dは、アキュームレーター1d1と、巻取り装置(不図示)とを使用しており、塗膜が形成された帯状可撓性支持体3を巻芯に巻取りロール状で回収する。
供給工程1aから繰り出された帯状可撓性支持体の表面に塗膜が形成され回収工程1dで巻芯に巻取りロール状で回収するまで帯状可撓性支持体は搬送ロールにより保持され搬送される。本発明で搬送ロールとは帯状可撓性支持体に当接して、搬送に寄与するロールを言う。本図ではアキュームレーター1a1、アキュームレーター1d1に使用しているロール1fからロール1i等が搬送ロールに該当する。
段付き搬送ロール1eは、胴部1e1の一方の端部に受け部1e2と、他方の端部に受け部1e3とを有する形状を有しており、受け部1e2と、受け部1e3とで帯状可撓性支持体3の両端部を保持し、帯状可撓性支持体3の両端部以外は胴部1e1に接触しない構造となっている。尚、胴部1e1は受け部1e2と、受け部1e3との間を示す。
本図に示す如き構造の搬送ロールを段付き搬送ロールと言う。本図に示す段付き搬送ロールは工程の搬送ロール全てに使用しても構わないが、特に帯状可撓性支持体の膜を形成する面、膜を形成した面が接触する箇所に使用することが好ましい。
段付き搬送ロールを使用することで、帯状可撓性支持体3の塗布面又は塗膜が非接触で搬送されるためスリキズ防止、異物付着防止には好適とされている。しかしながら、次の問題点が挙げられる。
1)帯状可撓性支持体3を搬送する時に一定以上の張力を掛けて搬送すると、帯状可撓性支持体3が座屈して搬送不良となるため低張力でしか搬送することが出来ず、搬送安定性が悪いため高速化出来ず生産効率が低下する。
2)座屈が発生した時、工程を止めて、座屈部分を掛け直す必要があるが、特に、環境が外気と遮断されている場合は、工程を一度外気(大気環境)に戻すことになり、再開には元の環境にするのに時間が掛かり生産効率が低下する。
3)工程を大気環境に戻すことにより、座屈部分だけでなくその周辺部が不良になる。場合によっては、加工中の元巻1本全部が不良になる可能性がある。
尚、本発明で座屈とは帯状可撓性支持体が撓み、折れ目が発生した状態を言う。
本発明は、搬送に段付き搬送ロールを使用しても、座屈による搬送不良をなくし、外気と遮断されている環境でも安心して搬送することが出来る搬送方法及びこの搬送方法を使用した有機エレクトロニクス素子の製造方法に関するものである。
図2は図1(b)に示す段付き搬送ロールのA−A′に沿った概略断面図である。
図中、1e21は受け部1e2の内面を示す。1e31は受け部1e3の内面を示す。Lは段付き搬送ロール1eの受け部1e2の内面1e21と、受け部1e3の内面1e31との間の胴部1e1の幅を示す。Mは胴部1e1の幅方向の中心Nの表面からの受け部1e3の高さを示す。受け部の高さMと胴部の幅Lとの比率は0.004から0.03である。受け部1e2の高さは受け部1e3の高さMと同じであり、高さと幅Lとの比率も受け部1e3の高さMと胴部のLとの比率と同じである。
胴部の幅Lに対する受け部の高さMの比率(M/L)が0.0004未満の場合は、低張力で搬送した場合、帯状可撓性支持体が段付き搬送ロールの胴部に接触してしまい、非接触の効果が得られないため好ましくない。
胴部の幅Lに対する受け部の高さMの比率(M/L)が0.03を超える場合は、帯状可撓性支持体が段付き搬送ロールに接触する前に座屈が発生してしまい、工程を止めて座屈した箇所を修復しないと復元しないため好ましくない。
図3は図1(b)に示す段付き搬送ロールの他の形状の概略図である。図3(a)は図1(b)に示す段付き搬送ロールの他の形状の概略斜視図である。図3(b)は図3(a)に示すB−B′に沿った概略断面図である。
図中、1e′は段付き搬送ロールを示す。1e′21は受け部1e′2の内面を示す。1e′31は受け部1e′3の内面を示す。N′は胴部1e′1の中心を示す。胴部1e′1は、第1胴部1e′11と、第2胴部1e′4と、第3胴部1e′12とを有する構造と成っている。
第1胴部1e′11と、第3胴部1e′12とは第2胴部1e′4の両側に同じ幅で設けられた凹形状を有している。第2胴部1e′4は中心N′に設けられており、中心N′の両側に同じ幅を有したQで示される幅を有している。
受け部1e′2と、受け部1e′3とで帯状可撓性支持体3の両端部を保持し、帯状可撓性支持体3(図1参照)の両端部以外は胴部1e′1に接触しない構造となっている。
帯状可撓性支持体3(図1参照)が搬送中に撓みが生じた場合、撓みは胴部1e′1の第2胴部1e′4と接触するため撓みを小さ抑えることが出来、座屈までに至らない。座屈までに至らない場合は、帯状可撓性支持体3の弾性により水平に復帰するため、搬送を中断することなく続けて生産することが可能となる。
段付き搬送ロール1e′の第2胴部1e′4の両側に凹形状の第1胴部1e′11と凹形状の第3胴部1e′12とを形成した理由は、座屈防止のための撓みの規制は第2胴部1e′4のみで可能であり、それ以外の箇所は帯状可撓性支持体3が接触しない様に逃がした構造にしている。
Oは段付き搬送ロール1e′の受け部1e′2の内面1e′21と、受け部1e′3の内面1e′31との間の胴部1e′1の幅を示す。Pは胴部1e′1の第2胴部1e′4の表面からの受け部1e′3の高さを示す。
受け部1e′3の高さPと胴部の幅Oとの比率(P/O)は、図2に示す段付き搬送ロール1eの受け部1e3の高さMと胴部の幅Lとの比率(M/L)と同じで0.004から0.03である。受け部1e′2の高さと、胴部の幅Oとの比率も受け部1e′3の受け部の高さPと胴部の幅Oとの比率と同じである。
Qは第2胴部1e′4の幅を示す。第2胴部1e′4の幅Qは、段付き搬送ロールの大きさにもよるが、撓みの位置バラツキ等を考慮し、10mmから20mmが好ましい。
図2及び図3に示される段付き搬送ロールに使用する材質は特に限定はないが、例えば、SUS、アルミ等が挙げられる。
図1から図3に示される段付き搬送ロールで搬送する帯状可撓性支持体3としては樹脂フィルムが挙げられる。樹脂フィルムの膜厚は、樹脂フィルムの搬送性、保持性等を考慮し、50μmから250μmが好ましい。
図4は段付き搬送ロールを使用し帯状可撓性支持体を搬送する時の状態を示す模式図である。
(a)は図2に示す段付き搬送ロールを使用し帯状可撓性支持体を搬送する時の帯状可撓性支持体状態を示す概略図である。帯状可撓性支持体3は搬送時に帯状可撓性支持体3の中央部に撓みが発生することがある。撓み量は段付き搬送ロール1eの胴部1e1の中央に接触するが、受け部1e3(受け部1e2)の高さMと胴部1e1の幅Lとの比率(M/L)が0.004から0.03であるため、撓みを小さ抑えることが出来、座屈までに至らない。座屈までに至らない場合は帯状可撓性支持体3の弾性により水平に復帰するため搬送を中断することなく続けて生産を行うことが可能となる。
帯状可撓性支持体3が段付き搬送ロール1eの胴部1e1の中央に接触する部分は、接触によりスリキズ等で不良になる場合もあるが、後工程の検査工程で抽出廃棄は可能であり、弾性で水平に復帰した後は良品である。
(b)は図3に示す段付き搬送ロールを使用し帯状可撓性支持体を搬送する時の帯状可撓性支持体状態を示す概略図である。
帯状可撓性支持体3は搬送時に帯状可撓性支持体3の中央部に座屈までに至らない撓みが発生することがあるが、撓みは段付き搬送ロール1e′の胴部1e′1の第2胴部1e′4に接触するが、第2胴部1e′4の表面からの受け部1e′3の高さP(図3参照)と、胴部1e′1の幅Oとの比率(P/O)が、図2に示す段付き搬送ロール1eの受け部1e3の高さMと幅Lとの比率(M/L)と同じで0.004から0.03であるため撓みを小さ抑えることが出来、座屈まで至らない。座屈までに至らない場合は、帯状可撓性支持体3の弾性により水平に復帰するため搬送を中断することなく続けて生産を行うことが可能となる。
帯状可撓性支持体3が段付き搬送ロール1e′の胴部1e′1の第2胴部1e′4に接触する部分は、接触によりスリキズ等で不良になる場合もあるが、後工程の検査工程で抽出廃棄は可能であり、弾性で水平に復帰した後は良品である。
(c)は従来の段付き搬送ロールを使用し帯状可撓性支持体を搬送する時の帯状可撓性支持体状態を示す概略図である。
段付き搬送ロール1e″の、両端の受け部1e″2と、受け部1e″3の間の胴部1e″1の幅と、胴部1e″1の表面から受け部1e″2と、受け部1e″3の高さとの比率が本図の(a)に示される段付き搬送ロール1e及び(b)に示される段付き搬送ロール1e′の場合よりも高いため、帯状可撓性支持体3の中央部に発生する撓みが胴部1e″1表面に達する前に座屈が発生する。座屈が発生することで帯状可撓性支持体3の中央部に折れスジが出来てしまいこの箇所は不良品となる、又、座屈が発生した箇所は復元しないために座屈を修復するため搬送を一旦止めて座屈部分を掛け直す必要がある。
図4(a)から(c)に示す段付き搬送ロールを使用して、帯状可撓性支持体を搬送する時の張力は、帯状可撓性支持体の幅により影響されるため一概に決めることは出来ないが、例えば250mm幅の場合、通常の搬送張力の10Nから30Nの範囲での搬送が可能となる。尚、使用する帯状可撓性支持体の幅が異なる場合には、通常、支持体の幅に比例して張力を変える必要がある。
図1から図4に示す様に、外気と遮断された環境内で、基材の上に膜を有する樹脂フィルム製の帯状可撓性支持体を、図2又は図3に示す段付き搬送ロールを使用して、帯状可撓性支持体を連続的に帯状可撓性支持体を搬送することで次の効果が挙げられる。
1.搬送に張力を掛けることが可能となり、搬送が安定するため高速化が可能になり、生産効率の向上が可能となった。
2.座屈に伴う搬送不良がなくなることで、外気と遮断された環境内での連続生産が可能になり、生産効率の向上が可能となった。
3.電極をパターン形成された平面性の悪い帯状可撓性支持体でも搬送に張力を掛けることでバックロール上での帯状可撓性支持体の安定した保持及び平面性の矯正が可能となり、安定した塗布が可能となった。
4.ロールツーロール方式に用いられ、且つ厚さ50μmから250μmの樹脂フィルム製の帯状可撓性支持体において、座屈に伴う搬送不良、座屈に伴う品質欠陥がなくなり、ロールツーロール方式での有機エレクトロニクス素子の生産への適応が可能となった。
図1から図4に示す本発明の搬送方法を使用し、有機EL素子、有機薄膜トランジスター素子、有機太陽電池素子(以下、有機PV素子とも言う)、有機光電変換素子をはじめとした、様々な有機エレクトロニクス素子等をロールツーロール方式での製造に使用することが可能である。
有機エレクトロニクス素子の場合、樹脂フィルム製の帯状可撓性支持体の上には帯状可撓性支持体の熱収縮率と異なる熱収縮率を有する導電性物質等から構成されているパターン化した膜が形成されている。この様な帯状可撓性支持体は次の特徴を有している。
1.帯状可撓性支持体の平面性は、膜を形成する前又は膜を形成した後のクリーニングした後の乾燥、塗布した後の乾燥等の熱処理が行われることで、帯状可撓性支持体と膜との熱収縮率が異なる材料であるため帯状可撓性支持体の表面が凹凸状となってしまう。
2.更に、この様な帯状可撓性支持体の平面性を矯正するために一定以上の張力を掛け搬送すると、表面に異物が付着、搬送ロールとの擦れに伴うスリキズが発生する危険が高いため、非接触で搬送する必要がある。
3.非接触で搬送するため段付き搬送ロールで張力を掛け搬送すると座屈が発生し、搬送不良が発生する。
4.工程が蒸着工程、クリーン度を要求される工程、塗布液が有機溶媒を使用していることから不活性ガスで置換されている工程から構成されているため、一旦座屈が発生すると、工程を止め修復するのであるが再開には元の状態に戻すために時間を必要とするため生産効率が低下する。
5.段付き搬送ロールを使用し、座屈の発生を防止するためには、張力を最低限まで低くして搬送することが必要であり、処理に時間が掛かり生産効率が低下する。
6.張力を掛けられないためバックロール上での帯状可撓性支持体の安定した保持及び平面性の矯正が困難となり、安定した塗布が難しくなる。
次に上記に示した様な導電性物質等から構成されているパターン化した膜が形成されている帯状可撓性支持体を使用し、本発明の搬送方法による有機エレクトロニクス素子の製造方法に付き説明する。
図5は本発明の搬送方法を使用して製造した有機エレクトロニクス素子の概略図である。図5(a)は本発明の有機エレクトロニクス素子の概略斜視図である。図5(b)は図1(a)のC−C′に沿った概略断面図である。
図中、4は有機エレクトロニクス素子を示す。有機エレクトロニクス素子4は、基材401上に順次、第1電極(陽極)402と、機能層403と、第2電極(陰極)404と接着剤層405を介して固定された封止部材406とにより密着封止された封止構造となっている。
402aは第1電極(陽極)402の取り出し電極を示し、404aは第2電極(陰極)404の取り出し電極を示す。第1電極(陽極)402と基材401との間にガスバリア膜(不図示)を設けても構わない。
封止部材406の厚さは、爪折れの発生に伴う生産性、有機エレクトロニクス素子自体の柔軟性等を考慮し、5μmから500μmが好ましい。
接着剤層405の厚さは、接着性、防湿性等を考慮し、10μmから50μmが好ましい。
機能層としては、例えば、第1電極の上に、正孔輸送層/有機層(発光層、もしくは光電変換層)/電子輸送層を順次積層した構成が挙げられる。
尚、本図に示す、有機エレクトロニクス素子を複数並べて大型の有機エレクトロニクス素子とすることも可能である。又、基板上に形成された取り出し電極を有する第1電極と、第1電極上に形成された機能層までを形成した積層体を複数並べ、全ての積層体に共通な第2電極を積層体の上に設け、本図に示す様に接着剤層405と、封止部材406とにより密着封止し有機エレクトロニクス素子とすることも可能である。
本図に示される有機エレクトロニクス素子4は、有機EL素子としては取り出し電極402aと取り出し電極404aとから直流が供給されることにより、基材から光が発せられる。又、有機PV素子では、基材から光が照射されることで直流の起電力が発生し、取り出し電極402aと取り出し電極404aとから電力が取り出される。
次に、有機エレクトロニクス素子に付き説明する。
本図に示す有機エレクトロニクス素子のうち、有機EL素子の層構成は積層法による一例を示したものであるが、有機EL素子の代表的な層構成としては次の(1)から(5)に示す構成が挙げられる。
(1)基材/第1電極(陽極)/有機層(発光層)/第2電極(陰極)/接着剤/封止部材
(2)基材/第1電極(陽極)/有機層(発光層)/電子輸送層/第2電極(陰極)/接着剤/封止部材
(3)基材/第1電極(陽極)/正孔輸送層/有機層(発光層)/正孔阻止層/電子輸送層/第2電極(陰極)/接着剤/封止部材
(4)基材/第1電極(陽極)/正孔輸送層/有機層(発光層)/正孔阻止層/電子輸送層/陰極バッファー層(電子注入層)/第2電極(陰極)/接着剤/封止部材
(5)基材/第1電極(陽極)/陽極バッファー層/正孔輸送層/有機層(発光層)/正孔阻止層/電子輸送層/陰極バッファー層(電子注入層)/第2電極(陰極)/接着剤/封止部材
発光層は、電極又は電子輸送層、正孔輸送層から注入されてくる電子及び正孔が再結合して発光する層であり、発光する部分は発光層の層内であっても発光層と隣接層との界面であってもよい。前記発光層は、含まれる発光材料が前記要件を満たしていれば、その構成には特に制限はない。又、同一の発光スペクトルや発光極大波長を有する層が複数層あってもよい。各発光層間には非発光性の中間層を有していることが好ましい。
発光層の膜厚の総和は1nmから100nmの範囲にあることが好ましく、更に好ましくは、より低い駆動電圧を得ることが出来ることから30nm以下である。尚、ここで言うところの発光層の膜厚の総和とは、発光層間に非発光性の中間層が存在する場合には、該中間層も含む膜厚である。
個々の発光層の膜厚としては1nmから50nmの範囲に調整することが好ましく、更に好ましくは1nmから20nmの範囲に調整することである。青、緑、赤の各発光層の膜厚の関係については、特に制限はない。
ここで、発光層は、少なくとも発光色の異なる2種以上の発光材料を含有していることが好ましく、単層でも複数の発光層からなる発光層ユニットを形成していてもよい。
発光層の作製には、発光材料やホスト化合物を、例えば、真空蒸着法、スピンコート法、キャスト法、LB法、インクジェット法等の公知の薄膜化法により製膜して形成することが出来る。
本図に示す有機エレクトロニクス素子のうち、有機光電変換素子(有機薄膜太陽電池)の層構成は積層法による一例を示したものであるが、有機光電変換素子(有機薄膜太陽電池)の層構成の代表的な層構成としては次の(I)から(IV)に示す構成が挙げられる。機能層の代表的な層構成としては次の構成が挙げられる。
(I)基材/第1電極(陽極)/正孔輸送層/電子ブロック層/光電変換層/正孔ブロック層/電子輸送層/第2電極(陰極)/接着剤/封止部材
(II)基材/第1電極(陽極)/電子ブロック能を有する正孔輸送層/光電変換層/正孔ブロック能を有する電子輸送層/陰極バッファー層/第2電極(陰極)/接着剤/封止部材
(III)基材/第1電極(陽極)/陽極バッファー層/正孔輸送層/電子ブロック層/光電変換層/正孔ブロック層/電子輸送層/第2電極(陰極)/接着剤/封止部材
(IV)基材/第1電極(陽極)/陽極バッファー層/正孔輸送層/電子ブロック層/光電変換層/正孔ブロック層/電子輸送層/陰極バッファー層/第2電極(陰極)/接着剤/封止部材
光電変換層(p型半導体とn型半導体が混合された層、バルクヘテロジャンクション層、i層とも言う)が少なくとも1層以上あり、光を照射すると電流を発生する層である。
有機光電変換素子は有機EL素子と同様に、光電変換層を正孔輸送層、電子輸送層で挟み込むことで、正孔及び電子の陽極・陰極への取り出し効率を高めることが出来るため、それらを有する構成の方が好ましい。又、光電変換層自体も正孔と電子の整流性(キャリア取り出しの選択性)を高めるため、p型半導体材料とn型半導体材料単体からなる層で光電変換層を挟み込む様な構成(p−i−n構成ともいう)であっても良い。又、太陽光の利用効率を高めるため、異なる波長の太陽光をそれぞれの光電変換層で吸収する様な構成であっても良い。光電変換層の層厚としては50nmから400nmの範囲に調整することが好ましく、更に好ましくは80nmから300nmの範囲に調整することである。
光電変換層の作製には、p型半導体材料とn型半導体材料を、例えば、真空蒸着法、スピンコート法、キャスト法、LB法、インクジェット法等の公知の薄膜化法により製膜して形成することが出来る。
図6は図1から図4に示す塗布方法を使用して有機エレクトロニクス素子の内、照明用に使用する有機EL素子を製造する製造工程の概略図である。
図中、5は有機EL素子の製造工程を示す。製造工程5は、第1供給工程501と、正孔輸送層形成工程502と、発光層形成工程503と、電子輸送層形成工程504と、第1回収工程505と、第2供給工程506と、第2電極形成工程507と第2回収工程508と、第3供給工程509と、封止部材貼合工程510と、断裁工程511とを有している。
第1供給工程501は、ロール状に巻き取られた帯状可撓性支持体6の繰り出し装置(不図示)とアキュームレーター501aとを使用しており、連続的に、次工程の正孔輸送層形成工程502に帯状可撓性支持体6を搬送ロール501b、501cを介して繰り出す様になっている。アキュームレーター501aは次工程の正孔輸送層形成工程502との速度調整のために配設されている。帯状可撓性支持体6はインジウムチンオキシド(ITO)を使用しパターン化して形成された第1電極(陽極)(不図示)が形成されている。尚、第1電極(陽極)の位置を示すアライメントマーク(不図示)を設けることが好ましい。第1電極(陽極)の厚さは120nmとした。
パターン化の方法としては、電極物質を蒸着やスパッタリング等の方法により薄膜を形成させ、フォトリソグラフィー法で所望の形状のパターンを形成してもよく、或いはパターン精度をあまり必要としない場合は(100μm以上程度)、上記電極物質の蒸着やスパッタリング時に所望の形状のマスクを介してパターンを形成してもよい。或いは、有機導電性化合物の様に塗布可能な物質を用いる場合には、印刷方式、コーティング方式等湿式製膜法を用いることも可能である。
第1供給工程501において搬送ロール501b、501c及びアキュームレーター501aには図2に示す段付き搬送ロールを使用している。
正孔輸送層形成工程502は、塗布工程502aと、乾燥工程502bとを有し、アキュームレーター502cを使用している。正孔輸送層形成工程502では、第1電極までが形成された帯状可撓性支持体6の上全面に正孔輸送層形成用塗布液が塗布される。
この後、乾燥工程502bを経て正孔輸送層が形成され、次工程の発光層形成工程503に搬送される。アキュームレーター502cは次工程の発光層形成工程503との速度調整のために配設されている。
正孔輸送層形成工程502において搬送ロール502f、502g及びアキュームレーター502cには図2に示す段付き搬送ロールを使用している。
塗布工程502aは前計量型塗布方法で塗布を行っており、前計量型塗布方法としては、スリット型ダイコーターを用いたエクストルージョン塗布方法、スリット型ダイコーターを用いたスライド塗布方法、カーテン塗布方法、インクジェットヘッドを用いた塗布方法が挙げられる。これらの前計量型の塗布装置の使用は正孔輸送層の材料に応じて適宜選択することが可能となっている。本図は前計量型の塗布装置としてスリット型ダイコーター502a1と帯状可撓性支持体6を保持するバックロール502a2とを使用している。
スリット型ダイコーター502a1による正孔輸送層形成用塗布液は、帯状可撓性支持体6の上に形成された第1電極の上を含め全面に塗布される。尚、塗布工程502aで帯状可撓性支持体6の上に全面塗布された正孔輸送層形成用塗布液は塗布終了後に不要とする部分の塗膜は除去工程(不図示)で除去される。除去の方法は特に限定はないが、例えば塗布液に使用した溶媒による払拭方式が挙げられる。不要部分としては、第1電極用外部取り出し用電極(不図示)の上、第2電極(不図示)用の外部取り出し用電極(不図示)の上及び隣接する第1電極(不図示)の間が挙げられる。
乾燥工程502bは、乾燥装置502b1と加熱処理装置502b2とを使用している。乾燥装置502b1、加熱処理装置502b2としては特に限定はなく、例えば加熱方式、加熱風方式等が挙げられ必要に応じて適宜選択することが可能となっている。
加熱処理装置502b2は正孔輸送層形成用塗膜(不図示)を帯状可撓性支持体6の裏面側から裏面伝熱方式で加熱する様になっている。加熱処理装置502b2における正孔輸送層(不図示)の加熱処理条件として、正孔輸送層の平滑性向上、残留溶媒の除去、正孔輸送層の硬化等を考慮し、正孔輸送層を構成している樹脂のガラス転移温度に対して−30℃から+30℃、且つ、正孔輸送層を構成している有機化合物の分解温度を超えない温度で裏面伝熱方式の熱処理を行うことが好ましい。
乾燥工程502bと発光層形成工程503との間には必要に応じて帯電防止手段502dを配設することが好ましい。
帯電防止手段502dは、非接触式帯電防止装置502d1と接触式帯電防止装置502d2とを有している。非接触式帯電防止装置502d1としては例えば、非接触式のイオナイザーが挙げられる。イオナイザーの種類については特に制限はなく、イオン発生方式はAC方式、DC方式どちらでも構わない。ACタイプ、ダブルDCタイプ、パルスACタイプ、軟X線タイプが用いることが出来るが、特に精密除電の観点から、ACタイプが好ましい。ACタイプの使用の際に必要となる噴射気体については、空気かNが用いられるが、十分に純度が高められたNで行うことが好ましい。又、インラインで行う観点よりブロワータイプ、若しくはガンタイプより選ばれる。
接触式帯電防止装置502d2としては、除電ロール又はアース接続した導電性ブラシを用いて行われる。除電器としての除電ロールは、接地されており、除電された表面に回転自在に接触して表面電荷を除去する。この様な除電ロールとしては、アルミニウム、銅、ニッケル、ステンレス等の金属製ロールの他に、カーボンブラック、金属粉、金属繊維等の導電性材料を混合した弾性のあるプラスチックやゴム製のロールが使用される。特に、帯状可撓性支持体6との接触をよくするため、弾性のあるものが好ましい。アース接続した導電性ブラシとは、一般には、線状に配列した導電性繊維からなるブラシ部材や線状金属製のブラシを有する除電バー又は除電糸構造のものを挙げることが出来る。除電バーについては、特に限定はないが、コロナ放電式のものが好ましく用いられ、例えば、キーエンス社製のSJ−Bが用いられる。除電糸についても、特に限定はないが、通常フレキシブルな糸状のものが好ましく用いられ、例えば、ナスロン社製の12/300×3をその一例として挙げることが出来る。
非接触式帯電防止装置502d1は帯状可撓性支持体6の上に形成されている正孔注入層面側に使用し、接触式帯電防止装置502d2は帯状可撓性支持体6の裏面側に使用することが好ましい。
正孔輸送層の厚さは、0.1nmから100nmが好ましく、5nmから70nmがより好ましく、10nmから50nmが最も好ましい。
発光層形成工程503は、塗布工程503aと、乾燥工程503bとを有し、アキュームレーター503cを使用している。アキュームレーター503cは次工程の電子輸送層形成工程504との速度調整のために配設されている。発光層形成工程503では、正孔輸送層までが形成された帯状可撓性支持体6の上全面に発光層形成用塗布液が塗布される。
この後、乾燥工程503bを経て発光層が形成され、次工程の電子輸送層形成工程504に搬送される。アキュームレーター503cは次工程の電子輸送層形成工程504との速度調整のために配設されている。
発光層形成工程503において搬送ロール503eから503g及びアキュームレーター503cには図2に示す段付き搬送ロールを使用している。
塗布工程503aは、正孔輸送層形成工程502の塗布工程502aと同じ前計量型塗布方法で塗布を行っており、前計量型の塗布装置として塗布工程502aと同じスリット型ダイコーター503a1と帯状可撓性支持体6を保持するバックロール503a2とを使用している。スリット型ダイコーター503a1による発光層形成用塗布液は、帯状可撓性支持体6の上に形成された正孔輸送層の上を含め全面に塗布される。尚、塗布工程503aで帯状可撓性支持体6の上に全面塗布された正孔輸送層形成用塗布液は塗布終了後に不要とする部分の塗膜は除去工程(不図示)で除去される。除去の方法及び不要とする部分は正孔輸送層の場合と同じである。
乾燥工程503bは、乾燥装置503b1と加熱処理装置503b2とを使用している。乾燥装置503b1、加熱処理装置503b2は、正孔輸送層形成工程502の乾燥工程502bで使用している乾燥装置502b1と加熱処理装置502b2と同じであるため説明は省略する。
乾燥工程503bと電子輸送層形成工程504との間には必要に応じて帯電防止手段503dを配設することが好ましい。帯電防止手段503dとしては、正孔輸送層形成工程502で用いた帯電防止手段502dと同じであるため説明は省略する。
発光層(不図示)が多層の場合は、積層する数に合わせて塗布工程、乾燥工程を配設する必要がある。例えば、発光層を多層にすることで白色素子の作製が可能である。本発明において、発光層とは青色発光層、緑色発光層、赤色発光層を指す。発光層を積層する場合の積層順としては、特に制限はなく、又各発光層間に非発光性の中間層を有していてもよい。又、発光層を4層以上設ける場合には、陽極に近い順から、例えば青色発光層/緑色発光層/赤色発光層/青色発光層、青色発光層/緑色発光層/赤色発光層/青色発光層/緑色発光層、青色発光層/緑色発光層/赤色発光層/青色発光層/緑色発光層/赤色発光層の様に青色発光層、緑色発光層、赤色発光層を順に積層することが、輝度安定性を高める上で好ましい。
発光層の膜厚の総和は特に制限はないが、膜の均質性、発光に必要な電圧等を考慮し、通常2nmから5μm、好ましくは2nmから200nmの範囲で選ばれる。更に10nmから20nmの範囲にあるのが好ましい。膜厚を20nm以下にすると電圧面のみならず、駆動電流に対する発光色の安定性が向上する効果があり好ましい。個々の発光層の膜厚は、好ましくは2nmから100nmの範囲で選ばれ、2nmから20nmの範囲にあるのが更に好ましい。青、緑、赤の各発光層の膜厚の関係については、特に制限はないが、発光層中、青発光層(複数層ある場合はその総和)が最も厚いことが好ましい。
電子輸送層形成工程504は、塗布工程504aと、乾燥工程504bとを有し、アキュームレーター504cを使用している。アキュームレーター504cは次工程の第1回収工程505との速度調整のために配設されている。電子輸送層形成工程504では、発光層までが形成された帯状可撓性支持体6の上全面に電子輸送層形成用塗布液が塗布される。この後、乾燥工程504bを経て電子輸送層が形成され、次工程の第1回収工程505に搬送され一旦回収される。
電子輸送層形成工程504において搬送ロール504eから504g及びアキュームレーター504cには図2に示す段付き搬送ロールを使用している。
塗布工程504aは正孔輸送層形成工程502の塗布工程502aと同じ前計量型塗布方法で塗布を行っており、前計量型の塗布装置として塗布工程502aと同じスリット型ダイコーター504a1と帯状可撓性支持体6を保持するバックロール504a2とを使用している。スリット型ダイコーター504a1による電子輸送層形成用塗布液は、帯状可撓性支持体6の上に形成された発光層の上を含め全面に塗布される。尚、塗布工程504aで帯状可撓性支持体6の上に全面塗布された電子輸送層形成用塗布液は塗布終了後に不要とする部分の塗膜は除去工程(不図示)で除去される。除去の方法及び不要とする部分は正孔送層の場合と同じである。
乾燥工程504bは、乾燥装置504b1と加熱処理装置504b2とを使用している。乾燥装置504b1、加熱処理装置504b2は、正孔輸送層形成工程502の乾燥工程502bで使用している乾燥装置502b1と加熱処理装置502b2と同じであるため説明は省略する。
乾燥工程504bと第1回収工程505との間には必要に応じて帯電防止手段504dを配設することが好ましい。帯電防止手段504dとしては、正孔輸送層形成工程502で用いた帯電防止手段502dと同じであるため説明は省略する。
電子輸送層の好ましい膜厚範囲としては、0.1nmから100nmが好ましく、5nmから80nmがより好ましく、10nmから60nmが最も好ましい。
第2供給工程506は、電子輸送層迄が形成されロール状に巻き取られた帯状可撓性支持体6の繰り出し装置(不図示)とアキュームレーター506aとを使用ており、次工程の第2電極形成工程507に電子輸送層迄が形成された帯状可撓性支持体6を繰り出す様になっている。アキュームレーター506aは次工程の第2電極形成工程507との速度調整のために配設されている。
第2供給工程506において搬送ロール506b及びアキュームレーター506aには図2に示す段付き搬送ロールを使用している。
第2電極形成工程507は、蒸発源容器507bを有する蒸着装置507aとアキュームレーター507cとを有している。アキュームレーター507cは次工程の第2回収工程508との速度調整のために配設されている。
第2電極形成工程507では第2供給工程506から供給されてくる電子輸送層迄が形成された帯状可撓性支持体6に付けられているアライメントマーク(不図示)を検出装置(不図示)で読み取り、検出装置(不図示)の情報に従って蒸着装置507aで決められた位置に、第2電極(陰極)(不図示)を、既に形成されている電子注入層(不図示)の上にマスクパターン成膜する。第2電極(陰極)としてのシート抵抗は数百Ω/□以下が好ましく、膜厚は通常10nmから5μm、好ましくは50nmから200nmの範囲で選ばれる。この段階で、基材/第1電極(陽極)/正孔輸送層/発光層/電子注入層/第2電極(陰極)の構成までが形成された帯状可撓性支持体6が出来上がる。
第2電極(陰極)の形成方法については、特に限定はなく、例えばスパッタリング法、反応性スパッタリング法、分子線エピタキシー法、クラスターイオンビーム法、イオンプレーティング法、プラズマ重合法、大気圧プラズマ重合法、プラズマCVD法、レーザーCVD法、熱CVD法、コーティング法などを用いることが出来る。
第2電極の膜厚は通常10nmから5μm、好ましくは50nmから200nmの範囲が好ましい。
第2電極形成工程507において搬送ロール507cから507e及びアキュームレーター507cには図2に示す段付き搬送ロールを使用している。
第2回収工程508では基材/第1電極(陽極)/正孔輸送層/発光層/電子注入層/第2電極(陰極)の構成までが形成された帯状可撓性支持体6がロール状に巻き取られ回収される。
第3供給工程509は、繰り出し装置(不図示)を使用しており、第2回収工程508で回収された第2電極(陰極)迄が形成された帯状可撓性支持体6を連続的に次工程の封止部材貼合工程510に繰り出す様になっている。
第3供給工程509において搬送ロール509aには図2に示す段付き搬送ロールを使用している。
封止部材貼合工程510は接着剤塗布装置510aと、封止部材貼合510bを使用している。接着剤塗布装置510aで第1電極402(図5参照)の取り出し電極402a(図5参照)と、第2電極404(図5参照)の取り出し電極404a(図5参照)上を除いて第2電極404(図5参照)の上及び周囲に接着剤が塗布され、封止部材510cが貼合される。
断裁工程511は断裁装置511aを使用して、封止部材貼合工程510から送られてくる第2電極(陰極)迄が形成された帯状可撓性支持体6に付いているアライメントマークを検出装置(不図示)で検出し、断裁することで図5に示す個別の有機EL素子が製造される。
尚、本図は図2に示される段付き搬送ロールを各工程の搬送ロールに使用した製造工程の1例を示したものであり、製造工程を構成している各工程の配置により搬送系は異なるため搬送系に合わせて図2に示される段付き搬送ロールを使用することが好ましい。
特に膜を形成している面及び膜を形成する面が接触する搬送ロールには図2、図3に示される段付き搬送ロールを使用することが好ましい。
尚、本図に示される製造工程の内、第1供給工程501と、第1回収工程505と、第3供給工程509と、封止部材貼合工程510とは異物の付着を避けるためJIS B 9920に準じて測定した清浄度クラスが5以下の環境条件となっている。
正孔輸送層形成工程502と、発光層形成工程503と、電子輸送層形成工程504との各工程は、使用する塗布液が有機溶媒を使用しているから外気と遮断し不活性ガスで置換した環境となっている。
第2供給工程506と、第2電極形成工程507と第2回収工程508とは真空の環境となっている。
尚、本図に示される製造工程での帯状可撓性支持体の搬送張力は、帯状可撓性支持体が250mm幅の場合に10Nから20Nの張力で搬送を行った。帯状可撓性支持体の幅が異なる場合には、通常、支持体の幅に比例して張力を変える必要がある。
本図は有機EL素子を製造しているため各塗布工程502a、塗布工程503a、塗布工程504aには全面塗工タイプのスリット型ダイコーターとなっているが、例えば、インクジェット方式、フレキソ印刷方式、オフセット印刷方式、グラビア印刷方式、スクリーン印刷方式、マスクを用いたスプレー塗布方式等に使用する各種塗布装置を使用することが可能である。
本図は、発光層形成工程から電子輸送層形成工程と、第2電極形成工程とに分割した場合を示したが正孔注入輸送層形成工程から第2電極形成工程までを連続することも可能である。
尚、本図で示す有機EL素子を製造する製造工程で、例えば、基材/第1電極/正孔輸送層/光電変換層/電子注入層/第2電極の構成を有する有機光電変換素子を製造する場合、有機機能層である正孔輸送層、光電変換層の形成にも図1から図3に示す段付き搬送ロールを使用した本発明の搬送方法を使用することが可能である。但し、電子注入層を蒸着方式で形成する場合は、光電変換層を形成した後一旦巻取り保管した後、電子注入層、第2電極を蒸着方式で形成することが好ましい。
次に本発明の塗布方法を使用した有機エレクトロニクス素子の製造方法に係わる有機エレクトロニクス素子の内、有機EL素子及び有機PV素子に使用する材料に付き説明する。
(有機EL素子の発光層)
発光層中に含有される有機発光材料としては、カルバゾール、カルボリン、ジアザカルバゾール等の芳香族複素環化合物、トリアリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、ポリアリーレン、芳香族縮合多環化合物、芳香族複素縮合環化合物、金属錯体化合物等及びこれらの単独オリゴ体或いは複合オリゴ体等が挙げられるが、本発明においてはこれに限られるものではなく、広く公知の材料を用いることが出来る。
又、発光層中(成膜材料)には、好ましくは0.1質量%から20質量%程度のドーパントが発光材料中に含まれてもよい。ドーパントとしては、ペリレン誘導体、ピレン誘導体等公知の蛍光色素等、又、リン光発光タイプの発光層の場合、例えば、トリス(2−フェニルピリジン)イリジウム、ビス(2−フェニルピリジン)(アセチルアセトナート)イリジウム、ビス(2,4−ジフルオロフェニルピリジン)(ピコリナート)イリジウム、等に代表されるオルトメタル化イリジウム錯体等の錯体化合物が同様に0.1質量%から20質量%程度含有される。
リン光発光方式は、発光層内部に発光領域を持つためか、比較的発光ムラが起こりづらく本発明において好ましい態様である。発光層の膜厚は、1nmから数百nmの範囲が好ましい。
(有機PV素子のp型半導体材料)
光電変換層(バルクヘテロジャンクション層)に用いられるp型半導体材料としては、種々の縮合多環芳香族低分子化合物や共役系ポリマー・オリゴマーが挙げられる。
縮合多環芳香族低分子化合物としては、例えば、ペンタセンやその誘導体、ポルフィリンやフタロシアニン、銅フタロシアニンやこれらの誘導体などが挙げられる。
共役系ポリマーとしては、例えば、ポリ3−ヘキシルチオフェン(P3HT)等のポリチオフェン及びそのオリゴマー、ポリチオフェン−チエノチオフェン共重合体、ポリチオフェン−ジケトピロロピロール共重合体、ポリチオフェン−チアゾロチアゾール共重合体,Nature Mat.vol.6(2007),p497に記載のPCPDTBT等の様なポリチオフェン共重合体、ポリピロール及びそのオリゴマー、ポリアニリン、ポリフェニレン及びそのオリゴマー、ポリフェニレンビニレン及びそのオリゴマー、ポリチエニレンビニレン及びそのオリゴマー、ポリアセチレン、ポリジアセチレン、ポリシラン、ポリゲルマン等のσ共役系ポリマー、等のポリマー材料が挙げられる。
(有機PV素子のn型半導体材料)
光電変換層(バルクヘテロジャンクション層)に用いられるn型半導体材料としては、特に限定されないが、例えば、フラーレン、オクタアザポルフィリン等、p型半導体のパーフルオロ体(パーフルオロペンタセンやパーフルオロフタロシアニン等)、ナフタレンテトラカルボン酸無水物、ナフタレンテトラカルボン酸ジイミド、ペリレンテトラカルボン酸無水物、ペリレンテトラカルボン酸ジイミド等の芳香族カルボン酸無水物やそのイミド化物を骨格として含む高分子化合物等を挙げることが出来る。
有機ELパネル及び有機PVパネルの構成に使用する共通材料に付き説明する。
(輸送層、電子ブロック層)
正孔輸送層、電子ブロック層に用いられる材料としては、フタロシアニン誘導体、ヘテロ環アゾール類、芳香族三級アミン類、ポリビニルカルバゾール、ポリエチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホン酸(PEDOT:PSS)などに代表される導電性高分子等の高分子材料が、又、発光層に用いられる、例えば、4,4′−ジカルバゾリルビフェニル、1,3−ジカルバゾリルベンゼン等のカルバゾール系発光材料、(ジ)アザカルバゾール類、1,3,5−トリピレニルベンゼンなどのピレン系発光材料に代表される低分子発光材料、ポリフェニレンビニレン類、ポリフルオレン類、ポリビニルカルバゾール類などに代表される高分子発光材料などが挙げられる。
(電子注入・輸送層、正孔ブロック層)
電子注入・輸送層材料としては、種々のn型材料を用いることが出来る。本発明の有機エレクトロニクス素子に好ましく用いることが出来る材料の例としては、8−ヒドロキシキノリナートリチウム、ビス(8−ヒドロキシキノリナート)亜鉛等の金属錯体化合物若しくは以下に挙げられる含窒素五員環誘導体がある。即ち、オキサゾール、チアゾール、オキサジアゾール、チアジアゾール若しくはトリアゾール誘導体が好ましい。具体的には、2,5−ビス(1−フェニル)−1,3,4−オキサゾール、2,5−ビス(1−フェニル)−1,3,4−チアゾール、2,5−ビス(1−フェニル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−(4′−tert−ブチルフェニル)−5−(4″−ビフェニル)1,3,4−オキサジアゾール、2,5−ビス(1−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール、1,4−ビス[2−(5−フェニルオキサジアゾリル)]ベンゼン、1,4−ビス[2−(5−フェニルオキサジアゾリル)−4−tert−ブチルベンゼン]、2−(4′−tert−ブチルフェニル)−5−(4″−ビフェニル)−1,3,4−チアジアゾール、2,5−ビス(1−ナフチル)−1,3,4−チアジアゾール、1,4−ビス[2−(5−フェニルチアジアゾリル)]ベンゼン、2−(4′−tert−ブチルフェニル)−5−(4″−ビフェニル)−1,3,4−トリアゾール、2,5−ビス(1−ナフチル)−1,3,4−トリアゾール、1,4−ビス[2−(5−フェニルトリアゾリル)]ベンゼン等が挙げられる。
更に上述の化合物以外にも、フラーレン類、カーボンナノチューブ類、p型半導体のパーフルオロ体(パーフルオロペンタセンやパーフルオロフタロシアニン等)、及び酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ガリウム等のn型無機酸化物などを用いることも本発明において好ましい。
本発明においては、目的に応じて、電子注入層と電子輸送層を積層形成してもよく、電子の輸送性と電極との接合において最適な材料を選択すればよい。
又、本発明においては、逆のキャリアである電子をブロックする機能を有し、電荷の選択性を向上させる様な材料を選択してもよい。
電子注入層(バッファ層)においては、リチウム、カリウム、ナトリウム、セシウム等のイオンを含むハロゲン化物、例えば、フッ化リチウムや、フッ化カリウム等を積層させ、電極との接合を向上させる構成が本発明において特に好ましい。
これら無機材料からなる電子注入材料を用いる場合は、主にシャドウマスクを通した蒸着法によりパターニング製膜することが好ましいが、溶液として製膜出来る場合は、生産性の点で塗布製膜することがより好ましい。
蒸着法の場合は、前述した拭き取りパターニングを行った後に蒸着製膜する製法が本発明において特に好ましい。
(有機機能層形成用塗布液に使用する溶媒)
各有機材料には溶解特性(溶解パラメータやイオン化ポテンシャル、極性)がそれぞれにあり、溶解出来る溶媒には限定がある。又その際には溶解度もそれぞれ違うため、一概に濃度も決めることが出来ないが、本発明において用いられる溶媒の種類は、成膜しようとする有機材料に応じて、前記の条件に適ったものを、公知の溶媒から選択すればよく、例えば、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素、テトラクロロエタン、トリクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、クロロトルエン等のハロゲン系炭化水素系溶媒や、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、アニソールなどのエーテル系溶媒、メタノールや、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、シクロヘキサノール,2−メトキシエタノール、エチレングリコール、グリセリン等のアルコール系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素系溶媒、ヘキサン、オクタン、デカン、テトラリン等のパラフィン系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミルなどのエステル系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロン等のケトン系溶媒、ピリジン、キノリン、アニリン等のアミン系溶媒、アセトニトリル、バレロニトリル等のニトリル系溶媒、チオフェン、二硫化炭素などの硫黄系溶媒が挙げられる。尚、使用可能な溶媒は、これらに限るものではなく、これらを2種以上混合して溶媒として用いてもよい。
これらの内、好ましい例としては、有機エレクトロニクスパネルに用いられる材料の良溶媒としては、例えば芳香族系溶媒、ハロゲン系溶媒、エーテル系溶媒などであり、好ましくは、芳香族系溶媒、エーテル系溶媒である。又、貧溶媒としては、アルコール系溶媒、ケトン系溶媒、パラフィン系溶媒などが挙げられ、中でもアルコール系溶媒、パラフィン系溶媒である。
尚、これらの有機物層を塗布等によって積層する場合、下層にあたる層を溶解しない様、材料や、溶媒を選択することが必要である。
又、そのため、これら有機物層の材料を積極的に架橋させるなどして不溶化させる構成も好ましく用いることが出来る。例えばビニル基の様な重合性基或いは架橋基を持ち、加熱或いは光照射等によって、前記の構造単位をそれぞれ有する重合体・若しくは架橋構造を形成するものを用いることが出来る。これにより重層による膜の溶解、界面の乱れ等を抑えることが出来る。
(第1電極)
第1電極は、陰極、陽極は特に限定せず、素子構成により選択することが出来るが、好ましくは透明電極を陽極として用いることである。例えば、陽極として用いる場合、好ましくは380nmから800nmの光を透過する電極である。材料としては、4eVより大きな(深い)仕事関数を持つものが適しており、例えば、インジウムチンオキシド(ITO)、SnO、ZnO等の透明導電性金属酸化物、金、銀、白金等の金属薄膜、金属ナノワイヤー、カーボンナノチューブ等を用いることが出来る。
(第2電極)
第2電極は陰極、陽極は特に限定せず、素子構成により選択することが出来るが、好ましくは透明電極を陽極として用いることである。例えば、陰極として用いる場合、好ましくは仕事関数が4eV以下(浅い)の金属、合金、電気伝導性化合物及びこれらの混合物を電極物質とするものが用いられる。この様な電極物質の具体例としては、ナトリウム、ナトリウム−カリウム合金、マグネシウム、リチウム、マグネシウム/銅混合物、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム(Al)混合物、インジウム、リチウム/アルミニウム混合物、希土類金属等が挙げられる。これらの中で、有機機能層との電気的な接合、及び酸化等に対する耐久性の点から、これら金属とこれより仕事関数の値が大きく(深く)安定な金属である第二の金属との混合物、例えば、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム(Al)混合物、リチウム/アルミニウム混合物、アルミニウム単独等が好適である。
第2電極はこれらの電極物質を蒸着やスパッタリング等の方法により薄膜を形成させることにより、作製することが出来る。
第2電極として反射率の高い金属材料を用いれば、例えば有機EL素子において、発光した光の一部を反射して外部に取り出すことが出来、又、有機PV素子においては、光電変換層を通過した光を反射し、再度、光電変換層に戻すことで光路長を稼ぐ効果が得られ、何れにおいても外部量子効率の向上が期待出来る。
更に、金属(例えば金、銀、銅、白金、ロジウム、ルテニウム、アルミニウム、マグネシウム、インジウム等)、又は炭素からなるナノ粒子、ナノワイヤー、ナノ構造体であってもよく、ナノ粒子やナノワイヤーの高分散性なペーストであれば、透明で導電性の高い対電極を塗布法や印刷法により形成出来好ましい。
又、対電極側を光透過性とする場合は、例えば、アルミニウム及びアルミニウム合金、銀及び銀化合物等の対電極に適した導電性材料を薄く1nmから20nm程度の膜厚で作製した後、上記透明電極の説明で挙げた導電性光透過性材料の膜を設けることで、光透過性の電極とすることも出来る。
(支持体)
支持体としては、発光した光、若しくは起電力を発生させるための光を透過させることが可能な、即ちこれら光の波長に対して透明な部材であることが好ましい。本発明で用いることが出来る基材の例としては、ガラス基板や樹脂基材等が好適に挙げられるが、軽量性と柔軟性の観点から透明樹脂フィルムを用いることが望ましい。
透明樹脂フィルムには特に制限がなく、その材料、形状、構造、厚み等については公知のものの中から適宜選択することが出来る。例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)変性ポリエステル等のポリエステル系樹脂フィルム、ポリエチレン(PE)樹脂フィルム、ポリプロピレン(PP)樹脂フィルム、ポリスチレン樹脂フィルム、環状オレフィン系樹脂等のポリオレフィン類樹脂フィルム、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等のビニル系樹脂フィルム、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)樹脂フィルム、ポリサルホン(PSF)樹脂フィルム、ポリエーテルサルホン(PES)樹脂フィルム、ポリカーボネート(PC)樹脂フィルム、ポリアミド樹脂フィルム、ポリイミド樹脂フィルム、アクリル樹脂フィルム、トリアセチルセルロース(TAC)樹脂フィルム等を挙げることが出来るが、可視域の波長(380〜800nm)における透過率が80%以上である樹脂フィルムであれば、本発明に係る透明樹脂フィルムに好ましく適用することが出来る。中でも透明性、耐熱性、取り扱いやすさ、強度及びコストの点から、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、二軸延伸ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリエーテルサルホンフィルム、ポリカーボネートフィルムであることが好ましく、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、二軸延伸ポリエチレンナフタレートフィルムであることがより好ましい。又、ロールツーロール方式に用いられる透明樹脂フィルムの厚さとしては、搬送安定性等から50μmから250μmを用いることが望ましい。
本発明に用いられる支持体には、塗布液の濡れ性や接着性を確保するために、表面処理を施すことや易接着層を設けることが出来る。表面処理や易接着層については従来公知の技術を使用出来る。例えば、表面処理としては、コロナ放電処理、火炎処理、紫外線処理、高周波処理、グロー放電処理、活性プラズマ処理、レーザー処理等の表面活性化処理を挙げることが出来る。又、易接着層としては、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン、ビニル系共重合体、ブタジエン系共重合体、アクリル系共重合体、ビニリデン系共重合体、エポキシ系共重合体等を挙げることが出来る。
又、酸素及び水蒸気の透過を抑制する目的で、透明基材にはバリアコート層が予め形成されていてもよいし、透明導電層を製膜する側、又は反対側にハードコート層が予め形成されていてもよい。
(封止)
作製した有機光電変換素子が大気中の酸素、水分等で劣化しない様に、有機EL素子や有機PV素子では、公知の手法によって封止することが好ましい。例えば、薄膜のアルミニウム、酸化ケイ素、酸化アルミニウム等のガスバリア層が形成されたプラスチックフィルムと有機エレクトロニクス素子の上を接着剤やUV硬化・熱硬化樹脂等で封止接着し貼合する手法、ガスバリア性の高い有機高分子材料(ポリビニルアルコール等)をスピンコートする方法、ガスバリア性の高い無機薄膜(酸化ケイ素、酸化アルミニウム等)又は有機膜(パリレン等)を真空下や大気下でスパッタ法やCVD法などで堆積する方法、及びこれらを複合的に積層する方法等を挙げることが出来る。
更に本発明においては、素子寿命向上の観点から、基材を含む有機エレクトロニクス素子全体を2枚のバリア付き基材でラミネート封止した構成でもよく、好ましくは、水分ゲッター等を同封した構成であっても構わない。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。尚、実施例において「部」或いは「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り「質量部」或いは「質量%」を表す。
実施例1
(帯状可撓性支持体の準備)
表1に示す様に厚さを変えた幅250mm、長さ500mの帯状可撓性支持体を準備しNo.1−Aから1−Fとした。
Figure 0005482435
(塗布液の準備)
アセトン100質量部に市販の染料、C.I.アシッドレッド249を1.5質量部、溶解した塗布液を調製し、粘度1.0mP・sになる様にポリビニルブチレート(PVB)の添加量を調整し塗布液を準備した。塗布液の粘度は東機産業株式会社製の、E型粘度計 VISCONIC ED型を使用し、温度25℃で測定した値を示す。
(スリット型ダイコーターの準備)
以下に示すスリット型ダイコーターを準備した。
スリット型ダイコーターの幅 400mm
スリット間隙O 20μm
塗布幅 150mm
(段付き搬送ロールの準備)
表2に示す胴部の幅と受け部の高さとの比率を変えた図2に示す形状の段付き搬送ロールを準備しNo.1−aから1−fとした。
材質:SUS+ハードクロムメッキ
胴部の直径:200mm
胴部の幅(図2のL):200mm
受け部の幅:25mm
胴部の幅と受け部の高さ(図2のM)との比率の変化は、胴部の直径を一定にして受け部の高さを変えることで行った。
Figure 0005482435
(塗布)
図1に示す塗膜を形成する工程のアキュームレーター及び搬送ロールを準備した段付き搬送ロールNo.1−aから1−fを使用し、準備した帯状可撓性支持体No.1−Aから1−Fにスリット型ダイコーターを使用し、表3に示す様な組み合わせで準備した塗布液を準備した帯状可撓性支持体の上に、塗布速度5m/minで塗布し、塗膜を形成し試料No.101から128とした。搬送張力は座屈の発生状況を確実に見るために、通常の搬送張力(10Nから30N)より高い40Nに設定した。工程内は水分濃度10ppm、酸素濃度10ppm以下のチッソガスで置換し外気と遮断した環境とした。
塗布速度は、三菱電機(株)製 レーザドップラ速度計LV203で測定した。
評価
作製した各試料No.101から128に付き、座屈による折れ目の発生の有り無しに付き以下に示す方法により評価した結果を表3に示す。
(座屈の有り無し)
塗布開始から終了までを目視で観察し座屈による折れ目の発生の有り無しを確認した。
Figure 0005482435
実施例2
搬送張力を通常の搬送張力の範囲である15Nとした他は全て実施例1で作製した各試料No.101から128と同じ方法で試料を作製しNo.201から228とした。
評価
作製した各試料No.201から228に付き、擦り傷の有り無しに付き以下に示す方法により評価した結果を表4に示す。
(擦り傷の有り無し)
塗布開始から終了までを目視で観察し擦り傷の有り無しを確認した。
Figure 0005482435
実施例1の表3に示される結果、及び実施例2の表4に示される結果より、外気と遮断された環境内で、帯状可撓性支持体を凸部の高さと、胴部の幅との比率が0.004から0.03の段付き搬送ロールを使用して、膜厚50μmから250μmの樹脂フィルム製帯状可撓性支持体を通常の搬送張力(10Nから30N)より高い搬送張力40Nで連続的に搬送しながら塗布液を塗布して作製した試料No.102、103、106から109、112、113、116,117、120から123、126、127は、張力を上げても座屈による折れ目の発生がないことが確認された。又、通常の搬送張力の範囲である15Nで連続的に搬送しながら塗布液を塗布して作製した試料No.202、203、206から209、212、213、216,217、220から223、226、227は、段付き搬送ロールとの擦れによる擦り傷の発生がないことが確認された。
帯状可撓性支持体を凸部の高さと、胴部の幅との比率が0.004から0.03の段付き搬送ロールを使用することで、通常の搬送張力(10Nから30N)より高い搬送張力40Nでも座屈による折れ目の発生がなく、通常の搬送張力の範囲でも擦り傷の発生がないことが確認された。
外気と遮断された環境内で、帯状可撓性支持体を凸部の高さと、胴部の幅との比率が0.003の段付き搬送ロールを使用して、膜厚50μmから250μmの樹脂フィルム製帯状可撓性支持体を通常の搬送張力(10Nから30N)より高い搬送張力40Nで連続的に搬送しながら塗布液を塗布して作製した試料No.101、105、111、115、119、125は座屈による折れ目の発生は認められなかったが、通常の搬送張力の範囲である15Nで連続的に搬送しながら塗布液を塗布して作製した試料No.201、205、211、215、219、225は擦り傷の発生が認められた。
外気と遮断された環境内で、帯状可撓性支持体を凸部の高さと、胴部の幅との比率が0.04の段付き搬送ロールを使用して、膜厚50μmから250μmの樹脂フィルム製帯状可撓性支持体を通常の搬送張力(10Nから30N)より高い搬送張力40Nで連続的に搬送しながら塗布液を塗布して作製した試料No.104、110、114、118、124、128は座屈による折れ目の発生が認められ、通常の搬送張力の範囲である15Nで連続的に搬送しながら塗布液を塗布して作製した試料No.204、210、214、218、224、228は擦り傷の発生が認められなかった。本発明の有効性が確認された。
尚、実施例1で作製した各試料No.101から128を作成する時、実施例2で作製した各試料No.201から228を作成する時、搬送張力を10N、20N、30Nと変化した他は全てと同じ方法で試料を作製し、座屈による折れ目の発生有り、無しと、擦り傷の有り、無しとを評価した結果、表3、表4と同じ結果を得た。
実施例3
〈有機EL素子の作製〉
帯状の有機EL素子(基材/第1電極(陽極)/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/第2電極(陰極)/封止材)を図6に示す製造工程を使用し、以下に示す方法で作製した後、断裁し有機EL素子を作製し試料No.301とした。尚、正孔輸送層、発光層、電子輸送層はスリット型ダイコーターで塗布し形成し、第1電極(陽極)、第2電極(陰極)は蒸着方式で成膜し形成した。
(段付き搬送ロールAの準備)
段付き搬送ロールとしては、以下の構成からなる図2に示す形状の段付き搬送ロールを使用した。
材質:SUS+ハードクロムメッキ
胴部の直径:200mm
胴部の幅(図2のL):200mm
受け部の幅:25mm
受け部の高さ(図2のM):2mm
胴部の幅(図2のL)と受け部の高さ(図2のM)との比率:0.01
(比較段付き搬送ロールBの準備)
受け部の高さを8mmとして、胴部の幅(図2のL)と受け部の高さ(図2のM)との比率を0.04とした以外は、段付き搬送ロールAと同じ段付き搬送ロールを作製し比較段付き搬送ロールBとした。
〈第1電極形成済み帯状可撓性支持体の準備〉
厚さ125μm、幅250mm、長さ500mの帯状可撓性支持体としてPENを準備し、準備した段付き搬送ロールAを使用し、搬送5×10−1Paの真空環境条件で厚さ120nmのITO(インジウムチンオキシド)をスパッタリング法により、マスクパターン成膜を行い、取り出し電極を有する12mm×5mmの大きさの第1電極を一定間隔で12列連続的に形成し、一旦巻取り保管し第1電極形成済み帯状可撓性支持体を作製した。帯状可撓性支持体には、予め第1電極を形成する位置を示すためにアライメントマークを第1電極が形成される面及び反対の面の同じ位置に設けた。尚、第1電極を形成する工程の搬送ロールとしては、段付き搬送ロールAを使用した。
(正孔輸送層形成用塗布液の準備)
ポリエチレンジオキシチオフェン・ポリスチレンスルホネート(PEDOT/PSS、Bayer社製 Bytron P AI 4083)を純水で65%、メタノール5%で希釈した溶液を正孔輸送層形成用塗布液として準備した。正孔輸送層形成用塗布液の粘度は0.7mPa・sであった。粘度はブルックフィールド社製 デジタル粘度計 LVDV−Iを使用し、20℃で測定した値を示す。
(正孔輸送層の形成)
準備したスリット型ダイコーターを使用し、第1電極迄が形成された帯状可撓性支持体を帯電除去処理した後、バックアップロールに保持された帯状可撓性支持体の上全面(但し、両端の10mmは除く)に、準備した正孔輸送層形成用塗布液を以下に示す条件で塗布した後、第1電極の取り出し電極形成部分及び各パターン化して形成されている第1電極の周囲の正孔輸送層を溶媒としてアセトンを使用し払拭し除去した。この後、引き続き乾燥・加熱処理を行い正孔輸送層を形成した。尚、正孔輸送層形成工程の段付き搬送ロールとしては、段付き搬送ロールAを使用した。
(帯電除去処理)
帯電除去処理は第1電極形成側に非接触式帯電防止装置を、裏面側に接触式帯電防止装置を使用した。非接触式帯電防止装置はヒューグルエレクトロニクス(株)製フレキシブルAC式イオナイズィングバーMODEL4100Vを使用し行った。接触式帯電防止装置は都ローラー工業(株)製導電性ガイドロールME−102を使用し行った。
(正孔輸送層形成用塗布液の塗布条件)
塗布条件としては、正孔輸送層形成用塗布液を搬送張力15N、塗布速度5m/min、塗布幅180mm、ウェット膜厚は2μm、正孔輸送層形成用塗布液の塗布時の温度は25℃、露点温度−20℃以下のNガス環境の大気圧下で、且つ清浄度クラスが5以下(JIS B 9920)で行った。尚、塗布速度は、三菱電機(株)製 レーザドップラ速度計LV203で測定した。
(乾燥及び加熱処理条件)
正孔輸送層形成用塗膜の乾燥及び加熱処理条件としては、正孔輸送層形成用塗布液を塗布し予備乾燥工程を通過した後、乾燥装置を使用し温度120℃で残留溶媒を除去した後、引き続き、加熱処理装置により温度150℃で裏面伝熱方式の熱処理を行い、正孔輸送層を形成した。
(発光層形成用塗布液の準備)
ジカルバゾール誘導体(CBP) 1.00質量%
イリジウム錯体(Ir(ppy)) 0.05質量%
トルエン 98.95質量%
発光層形成用塗布液の粘度は0.59mPa・sであった。粘度はブルックフィールド社 デジタル粘度計 LVDV−Iを使用し、20℃で測定した値を示す。
(発光層の形成)
準備された正孔輸送層までが形成された帯状可撓性支持体を帯電除去処理した後、正孔輸送層の上全面(但し、帯状可撓性支持体の両端の10mmは除く)に、スリット型ダイコーターを使用し、発光層形成用塗布液を以下に示す条件で塗布した後、第1電極の取り出し電極形成部分及び各パターン化して形成されている第1電極の周囲の正孔輸送層を溶媒としてアセトンを使用し払拭し除去した。この後、引き続き乾燥・加熱処理を行い発光層までを形成した帯状可撓性支持体を作製し、引き続き電子輸送層形成工程に搬送した。
尚、発光層形成工程の段付き搬送ロールとしては、段付き搬送ロールAを使用した。
(帯電除去処理)
帯電除去処理は発光層側を非接触式帯電防止装置を、裏面側に接触式帯電防止装置を使用した。非接触式帯電防止装置及び触式帯電防止装置は正孔輸送層を形成する時と同じものを使用した。
(発光層形成用塗布液の塗布条件)
塗布条件としては、発光層形成用塗布液を搬送張力15N、塗布速度5m/min、塗布幅180mm、ウェット膜厚は2μm、発光層形成用塗布液の塗布時の温度は25℃、露点温度−20℃以下のNガス環境の大気圧下で、且つ、清浄度がクラス5以下(JIS B 9920)で行った。尚、塗布速度は正孔輸送層の塗布速度と同じ測定方法で行った。
乾燥及び加熱処理条件
発光層形成用塗膜の乾燥及び加熱処理条件としては、発光層形成用塗布液を塗布した後、乾燥装置を使用し、乾燥条件は、乾燥装置のスリットノズル形式の流出口から成膜面に向け高さ100mm、流出風速1m/s、幅手の風速分布5%、温度120℃で溶媒を除去した後、引き続き、加熱処理装置により温度150℃で裏面伝熱方式の熱処理を行った。
(電子輸送層形成用塗布液の準備)
電子輸送層形成用塗布液として、0.5質量%の電子輸送材料1を含有する1−ブタノール溶液を準備した。
Figure 0005482435
(電子輸送層の形成)
準備された発光層までが形成された帯状可撓性支持体を帯電除去処理した後、発光層の上全面(但し、PETの両端の10mmは除く)に、準備したスリット型ダイコーターを使用し、準備した電子輸送層形成用塗布液を以下に示す条件で塗布した後、第1電極の取り出し電極形成部分及び各パターン化して形成されている第1電極の周囲の電子輸送層を溶媒としてアセトンを使用し払拭し除去した。この後、引き続き乾燥部で以下に示す条件により乾燥・加熱処理を行い、パターン化した電子輸送層までを形成した。この後、一旦巻取り保管した。尚、電子輸送層形成工程の段付き搬送ロールとしては、段付き搬送ロールAを使用した。
(帯電除去処理)
帯電除去処理は電子輸送層側を非接触式帯電防止装置を、裏面側を接触式帯電防止装置を使用した。非接触式帯電防止装置及び触式帯電防止装置は正孔輸送層を形成する時と同じものを使用した。
(電子輸送層形成用塗布液の塗布条件)
塗布条件としては、電子輸送層形成用塗布液を、搬送張力15N、塗布速度5m/min、塗布幅180mm、ウェット膜厚は2μm、電子輸送層形成用塗布液の塗布時の温度は25℃、露点温度−20℃以下のNガス環境の大気圧下で、且つ、清浄度がクラス5以下(JIS B 9920)で行った。尚、塗布速度は、正孔輸送層の塗布速度と同じ測定方法で行った。
乾燥及び加熱処理条件
電子輸送層形成用塗膜の乾燥及び加熱処理条件としては、電子輸送層形成用塗布液を塗布した後、乾燥装置を使用し、乾燥条件は、乾燥装置のスリットノズル形式の流出口から成膜面に向け高さ100mm、流出風速1m/s、幅手の風速分布5%、温度120℃で溶媒を除去した後、引き続き、加熱処理装置により温度150℃で裏面伝熱方式の熱処理を行った。
(第2電極の形成)
引き続き、電子輸送層までが形成された帯状可撓性支持体に付けられたアライメントマークを検出し、アライメントマークの位置に従って形成された電子輸送層の上に第1電極の上に取り出し電極になる部分を除き、第1電極の大きさ及び第2電極用取り出し電極を形成する大きさで、5×10−4Paの真空下にて第2電極形成材料としてアルミニウムを使用し、蒸着法にてマスクパターン成膜し、厚さ100nmの第2電極を積層した。尚、第2電極形成工程の搬送ロールとしては、段付き搬送ロールAを使用した。
(有機EL素子の作製)
第2電極迄が形成された帯状可撓性支持体に、以下に示す条件で接着剤を介して封止部材により封止し、個別の有機EL素子が繋がった状態とした後、断裁し個別の有機EL素子を作製し試料No.301とした。尚、封止工程の搬送ロールとしては、段付き搬送ロールAを使用した。
(接着剤の塗布)
帯状可撓性支持体に付けられたアライメントマークを検出し、アライメントマークの位置に従って第1電極及び第2電極用取り出し電極の端部を除いて第2電極の上及び第2電極の周辺に紫外線硬化型の液状接着剤(エポキシ樹脂系)を使用し、厚さ30μmで塗設した。
(封止部材の準備)
封止部材として、PETフィルム(帝人・デュポン社製)を使用し、無機膜(SiN)をバリア層に使用した2層構成の帯状シート封止部材を準備した。PETの厚さ100μm、バリア層の厚さ200nmとした。尚、PETフィルムのバリア層の成膜はスパッタリング法により実施した。JIS K−7129B法(1992年)に準拠した方法で主としてMOCON法により測定した水蒸気透過度は0.01g/m・dayであった。JIS K7126B法(1987年)に準拠した方法で主としてMOCON法により測定した酸素透過度は0.1ml/m・day・MPaであった。
(封止部材の貼合)
準備した封止部材を接着剤塗設面にロールラミネータ法により積重し、大気圧環境化にて押圧0.1MPaでロール圧着した後、波長365nmの高圧水銀ランプを、照射強度20mW/cm、距離15mmで1分間照射し固着させ貼合し固定した。
(断裁)
帯状可撓性支持体に付けられたアライメントマークを検出し、アライメントマークの位置に従って断裁した。
(比較有機EL素子の作製)
尚、段付き搬送ロールAに変えて段付き搬送ロールBを使用した以外は全て試料No.301と同じ方法で比較有機EL素子を作製し試料No.302とした。
評価
作製した各試料No.301、302に付き、座屈による折れ目の発生の有り、無しを、塗布開始から終了までを目視で観察した結果、試料No.301では座屈による折れ目の発生は確認されなかったが、比較の試料No.302では座屈による折れ目の発生があり、工程を一旦止め、座屈による折れ目の発生した箇所を復帰させ製造したため試料No.301の製造に対して、大幅に時間が掛かり生産効率が低下した。本発明の有効性が確認された。
実施例4
〈有機光電変換素子の作製〉
帯状の有機光電変換素構造体(基材/第1電極(陽極)/正孔輸送層/光電変換層/電子注入層/第2電極(陰極))を図4に示す製造工程を使用し、以下に示す方法で作製した後、断裁し有機光電変換素子を作製し試料No.401とした。尚、正孔輸送層、光電変換層はスリット型ダイコーターで塗布し形成し、第1電極(陽極)、電子注入層、第2電極(陰極)は蒸着方式で成膜し形成した。
(段付き搬送ロールCの準備)
段付き搬送ロールとしては、以下の構成からなる図2に示す形状の段付き搬送ロールを使用した。
材質:SUS+ハードクロムメッキ
胴部の直径:200mm
胴部の幅(図2のL):200mm
受け部の幅:25mm
受け部の高さ(図2のM):2mm
胴部の幅(図2のL)と受け部の高さ(図2のM)との比率:0.01
(比較段付き搬送ロールDの準備)
受け部の高さを8mmとして、胴部の幅(図2のL)と受け部の高さ(図2のM)との比を0.04とした以外は、実施例3で準備した段付き搬送ロールBと同じ段付き搬送ロールを作製し比較段付き搬送ロールDとした。
〈第1電極形成済み帯状支持体の準備〉
厚さ125μm、幅200mm、長さ100mの帯状可撓性支持体としてPETを準備し、5×10−1Paの真空環境条件で厚さ120nmのITO(インジウムチンオキシド)をスパッタリング法により、マスクパターン成膜を行い、取り出し電極を有する50mm×50mmの大きさの第1電極を一定間隔で連続的に形成し、一旦巻取り保管し第1電極形成済み帯状可撓性支持体を作製した。尚、帯状可撓性支持体には、予め第1電極を形成する位置を示すためにアライメントマークを第1電極が形成される面及び反対の面の同じ位置に設けた。尚、第1電極を形成する工程の搬送ロールとしては、段付き搬送ロールCを使用した。
(正孔輸送層形成用塗布液の準備)
ポリエチレンジオキシチオフェン・ポリスチレンスルホネート(PEDOT/PSS、Bayer社製 Bytron P AI 4083)を純水で65%、メタノール5%で希釈した溶液を正孔輸送層形成用塗布液として準備した。正孔輸送層形成用塗布液の粘度は0.7mPa・sであった。粘度はブルックフィールド社製 デジタル粘度計 LVDV−Iを使用し、20℃で測定した値を示す。
(正孔輸送層の形成)
準備したスリット型ダイコーターを使用し、準備された第1電極が形成された帯状可撓性支持体を帯電除去処理した後、バックアップロールに保持された帯状可撓性支持体の上全面(但し、両端の10mmは除く)に、準備した正孔輸送層形成用塗布液を以下に示す条件で塗布した後、第1電極の取り出し電極形成部分及び各パターン化して形成されている第1電極の周囲の正孔輸送層を溶媒としてアセトンを使用し払拭し除去した。この後、引き続き乾燥・加熱処理を行い正孔輸送層を形成した。尚、正孔輸送層形成工程の搬送ロールとしては、段付き搬送ロールCを使用した。
(帯電除去処理)
帯電除去処理は第1電極形成側を非接触式帯電防止装置を、裏面側を接触式帯電防止装置を使用した。非接触式帯電防止装置はヒューグルエレクトロニクス(株)製フレキシブルAC式イオナイズィングバーMODEL4100Vを使用し行った。接触式帯電防止装置は都ローラー工業(株)製導電性ガイドロールME−102を使用し行った。った。
(正孔輸送層形成用塗布液の塗布条件)
塗布条件としては、乾燥膜厚が30nmになる様に、正孔輸送層形成用塗布液を搬送張力15N、塗布速度5m/min、塗布幅180mm、正孔輸送層形成用塗布液の塗布時の温度は25℃、露点温度−20℃以下のNガス環境の大気圧下で、且つ清浄度がクラス5以下(JIS B 9920)で行った。尚、塗布速度は、三菱電機(株)製 レーザドップラ速度計LV203で測定した。
(乾燥及び加熱処理条件)
正孔輸送層形成用塗膜の乾燥及び加熱処理条件としては、正孔輸送層形成用塗布液を塗布し予備乾燥工程を通過した後、乾燥装置を使用し、乾燥装置のスリットノズル形式の流出口から成膜面に向け高さ100mm、流出風速1m/s、幅手の風速分布5%、温度120℃で残留溶媒を除去した後、引き続き、加熱処理装置により温度150℃で裏面伝熱方式の熱処理を行い、正孔輸送層を形成した。
(光電変換層形成用塗布液の準備)
光電変換層用塗布液として、P3HT(プレクストロニクス製:レジオレギュラーポリ−3−ヘキシルチオフェン)(Mw=52000、高分子p型半導体材料)とPCBM(Mw=911、低分子n型半導体材料)(フロンティアカーボン:6,6−フェニル−C61−ブチリックアシッドメチルエステル)を3.0質量%になる様に1:1で混合した液を調製した。
(光電変換層の形成)
準備された正孔輸送層までが形成された帯状可撓性支持体を帯電除去処理した後、正孔輸送層の上全面(但し、帯状可撓性支持体の両端の10mmは除く)に、スリット型ダイコーターを使用し、光電変換層形成用塗布液を以下に示す条件で塗布した後、第1電極の取り出し電極形成部分及び各パターン化して形成されている第1電極の周囲の正孔輸送層を溶媒としてアセトンを使用し払拭し除去した。この後、引き続き乾燥・加熱処理を行い光電変換層までを形成した帯状可撓性支持体を作製し、一旦巻取り保管した。尚、光電変換層形成工程の段付き搬送ロールとしては、段付き搬送ロールCを使用した。
(帯電除去処理)
帯電除去処理は光電変換層側に非接触式帯電防止装置を、裏面側を接触式帯電防止装置を使用した。非接触式帯電防止装置及び触式帯電防止装置は正孔輸送層を形成する時と同じものを使用した。
(光電変換層形成用塗布液の塗布条件)
塗布条件としては、乾燥後の厚みが150nmになる様に光電変換層形成用塗布液を搬送張力15N、塗布速度5m/min、塗布幅180mm、光電変換層形成用塗布液の塗布時の温度は25℃、露点温度−20℃以下のNガス環境の大気圧下で、且つ、清浄度がクラス5以下(JIS B 9920)で行った。尚、塗布速度は、正孔輸送層の塗布速度と同じ測定方法で行った。
乾燥及び加熱処理条件
光電変換層形成用塗膜の乾燥及び加熱処理条件としては、光電変換層形成用塗布液を塗布した後、乾燥装置を使用し、乾燥条件は、乾燥装置のスリットノズル形式の流出口から成膜面に向け高さ100mm、流出風速1m/s、幅手の風速分布5%、温度120℃で溶媒を除去した後、引き続き、加熱処理装置により温度150℃で裏面伝熱方式の熱処理を行い、光電変換層を形成した。
(電子注入層の形成)
準備された光電変換層までを形成した各帯状可撓性支持体を帯電防止処理した後、形成された光電変換層の上に、第1電極の上に取り出し電極になる部分を除き、5×10−4Paの真空環境条件にて電子注入層形成材料としてLiFを使用し、第1電極の取り出し電極になる部分を除き、蒸着法にて厚さ0.5nmのLiF層(電子注入層)を積層し電子注入層までを形成した。尚、電子注入層形成工程の搬送ロールとしては、段付き搬送ロールCを使用した。
(第2電極の形成)
引き続き、電子注入層までを形成された帯状可撓性支持体に付けられたアライメントマークを検出し、アライメントマークの位置に従って形成された電子注入層の上に第1電極の上に取り出し電極になる部分を除き、第1電極の大きさ及び第2電極用取り出し電極を形成する大きさで、5×10−4Paの真空下にて第2電極形成材料としてアルミニウムを使用し、第1電極の取り出し電極と重ならない位置に取り出し電極を有する様に蒸着法にて第1電極と同じ大きさにマスクパターン成膜し、厚さ100nmの第2電極を積層した。尚、第2電極形成工程の搬送ロールとしては、段付き搬送ロールCを使用した。
(有機光電変換素子の作製)
第2電極迄が形成された帯状可撓性支持体に、以下に示す条件で接着剤を介して封止部材により封止し、個別の有機光電変換素子が繋がった状態とした後、断裁し個別の有機光電変換素子を作製し試料No.401とした。尚、封止工程の搬送ロールとしては、段付き搬送ロールCを使用した。
(接着剤の塗布)
帯状可撓性支持体に付けられたアライメントマークを検出し、アライメントマークの位置に従って第1電極及び第2電極用取り出し電極の端部を除いて第2電極の上及び第2電極の周辺に紫外線硬化型の液状接着剤(エポキシ樹脂系)を使用し、厚さ30μmで塗設した。
(封止部材の準備)
封止部材として、PETフィルム(帝人・デュポン社製)を使用し、無機膜(SiN)をバリア層に使用した2層構成の帯状シート封止部材を準備した。PETの厚さ100μm、バリア層の厚さ200nmとした。尚、PETフィルムのバリア層の成膜はスパッタリング法により実施した。JIS K−7129B法(1992年)に準拠した方法で主としてMOCON法により測定した水蒸気透過度は0.01g/m・dayであった。JIS K7126B法(1987年)に準拠した方法で主としてMOCON法により測定した酸素透過度は0.1ml/m・day・MPaであった。
(封止部材の貼合)
準備した封止部材を接着剤塗設面にロールラミネータ法により積重し、大気圧環境化にて押圧0.1MPaでロール圧着した後、波長365nmの高圧水銀ランプを、照射強度20mW/cm、距離15mmで1分間照射し固着させ貼合し、複数の有機ELパネルが連続的に繋がった状態とした。
(断裁)
帯状可撓性支持体に付けられたアライメントマークを検出し、アライメントマークの位置に従って断裁した。
(比較有機光電変換素子の作製)
尚、段付き搬送ロールCに変えて段付き搬送ロールDを使用した以外は全て試料No.301と同じ方法で比較有機光電変換素子を作製し試料No.402とした。
評価
作製した試料No.401、402に付き、座屈による折れ目の発生の有り、無しを、塗布開始から終了までを目視で観察した結果、試料No.401では座屈による折れ目の発生は確認されなかったが、比較の試料No.402では座屈による折れ目の発生があり、工程を一旦止め、座屈による折れ目の発生した箇所を復帰させ製造したため試料No.401の製造に対して、大幅に時間が掛かり生産効率が低下した。本発明の有効性が確認された。
1 工程
1a 供給工程
1b、502a、503a、504a 塗布工程
1c、502b、503b、504b 乾燥工程
1d 回収工程
1e、1e′、1e″、501b、501c、502c、502f、502g、503c、503e、503f、503g、504c、504e、504f、504g、506a、506b、507c、507e、509a 段付き搬送ロール
1e1、1e′1、1e″1 胴部
1e2、1e′2、1e″2、1e3、1e′3、1e″3 受け部
1e′11 第1胴部
1e′4 第2胴部
1e′12第3胴部
3、6 帯状可撓性支持体
4 有機エレクトロニクス素子
401 基材
402 第1電極(陽極)
403 機能層
404 第2電極(陰極)
405 接着剤層
406、510c 封止部材
5 製造工程
501 第1供給工程
502 正孔輸送層形成工程
503 発光層形成工程
504 電子輸送層形成工程
510 封止部材貼合工程
511 断裁工程

Claims (2)

  1. 外気と遮断された環境内で、帯状可撓性支持体を搬送ロールとして胴部の両端に前記帯状可撓性支持体を受ける受け部を有する段付き搬送ロールを使用して、前記帯状可撓性支持体の両端部を前記受け部で保持し、連続的に搬送する帯状可撓性支持体の搬送方法において、
    前記帯状可撓性支持体が樹脂フィルムであり、
    前記段付き搬送ロールの前記胴部は、前記受け部までの高さ(P)と前胴部の幅(O)との比率(P/O)が0.004から0.03である部分と、該部分の両側に形成され該部分よりも外径が小さい凹形状部分と、を有することを特徴とする帯状可撓性支持体の搬送方法。
  2. 帯状可撓性支持体の上に、第1の電極と第2の電極との間に、少なくとも1層の有機機能層を積層した構成の積層膜を有する有機エレクトロニクス素子の製造方法において、前記帯状可撓性支持体の搬送が請求項1に記載の搬送方法により搬送されることを特徴とする有機エレクトロニクス素子の製造方法。
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