JP2009298496A - 搬送ローラおよび膜電極接合体の製造装置、製造方法 - Google Patents

搬送ローラおよび膜電極接合体の製造装置、製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2009298496A
JP2009298496A JP2008151832A JP2008151832A JP2009298496A JP 2009298496 A JP2009298496 A JP 2009298496A JP 2008151832 A JP2008151832 A JP 2008151832A JP 2008151832 A JP2008151832 A JP 2008151832A JP 2009298496 A JP2009298496 A JP 2009298496A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
roller
diameter
electrode assembly
membrane electrode
web
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2008151832A
Other languages
English (en)
Inventor
Kenichiro Wakamatsu
健一郎 若松
Kyo Hashimoto
巨 橋本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tokai University
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Tokai University
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tokai University, Toyota Motor Corp filed Critical Tokai University
Priority to JP2008151832A priority Critical patent/JP2009298496A/ja
Publication of JP2009298496A publication Critical patent/JP2009298496A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Registering, Tensioning, Guiding Webs, And Rollers Therefor (AREA)

Abstract

【課題】膜電極接合体に代表される従来よりも薄いウェブを高い搬送速度で適切に搬送することを可能とするために、ウェブに生じるしわを防止しつつ、搬送ローラとウェブが相対的にスリップすることを防止できる搬送ローラを提供し、またその搬送ローラを用いた膜電極接合体の製造装置およびその製造装置による膜電極接合体の製造方法を提供する。
【解決手段】搬送ローラ1の軸方向略中央部に形成される縮径ローラ部2と、搬送ローラ1の軸方向両端部において縮径ローラ部2の半径R1に比して大きい半径R2に形成される拡径ローラ部3と、縮径ローラ部2と拡径ローラ部3とを繋ぐテーパローラ部4と、を備える搬送ローラ1であって、縮径ローラ部2の外周面には、拡径ローラ部3に比して摩擦係数が大きい摩擦面5が形成される構成とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、ウェブ搬送装置に用いる搬送ローラの技術に関し、また、その搬送ローラを用いた膜電極接合体の製造装置および製造方法に関する。
近年、ウェブ搬送装置で取り扱われるウェブの薄化が進められており、従来よりも薄いウェブを適切に搬送するためのウェブハンドリング技術の開発が盛んに行われている。特に、燃料電池の分野において取り扱われる膜電極接合体は、非常に薄い膜であり、また、しわが生じやすいという特性があるため、膜電極接合体を高い搬送速度で安定して搬送することができるウェブハンドリング技術の確立が望まれている。
従来、搬送されるウェブにしわが生じることを防止する技術として、ウェブ搬送に用いる搬送ローラの軸方向略中央部のローラ径を搬送ローラの両端部のローラ径に比して小さくすることによって、ウェブに対して軸方向外側向きの張力を付与する技術が知られており、例えば、以下に示す特許文献1にその技術が開示され公知となっている。
しかしながら、搬送ローラの軸方向略中央部のローラ径を両端部のローラ径に比して小さくする方法によってウェブを搬送すると、搬送速度が増すにつれて、搬送ローラの軸方向略中央部において、ウェブに対してウェブが搬送ローラから浮き上がる方向への浮力が作用するため、搬送ローラとウェブが相対的にスリップしてしまう場合があった。このスリップはウェブを傷つけたり、搬送ローラが空転したりする原因となるため、スリップを防止しなければ、従来に比してより薄いウェブに対して、搬送ローラの軸方向略中央部のローラ径を両端部のローラ径に比して小さくする方法を適用することができなかった。
また従来、搬送ローラとウェブが相対的にスリップすることを防止する技術として、ウェブ搬送に用いる搬送ローラの表面に凹部やスパイラル上の溝を形成することにより、搬送ローラとウェブの間に巻き込んだ空気を係る溝から適宜排出して、ウェブに対してウェブが搬送ローラから浮き上がる方向への浮力が作用することを抑制し、搬送ローラとウェブが相対的にスリップすることを防止する技術が知られている。例えば、以下に示す特許文献2および特許文献3にその技術が開示され公知となっている。
しかしながら、搬送ローラとウェブが相対的にスリップすることを防止する技術だけでは、搬送されるウェブにしわが生じることを防止することができなかった。つまり、膜電極接合体に代表される従来よりも薄いウェブを適切に搬送する技術を確立するためには、搬送されるウェブにしわが生じることを防止する技術と、搬送ローラとウェブが相対的にスリップすることを防止する技術を両立させる必要があった。
特開2003−112704号公報 特開平7−157167号公報 特開2008−7797号公報
本発明は、係る現状を鑑みて成されたものであり、膜電極接合体に代表される従来よりも薄いウェブを高い搬送速度で適切に搬送することを可能とするために、ウェブに生じるしわを防止しつつ、搬送ローラとウェブが相対的にスリップすることを防止できる搬送ローラを提供し、またその搬送ローラを用いた膜電極接合体の製造装置およびその製造装置による膜電極接合体の製造方法を提供することを課題としている。
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
即ち、請求項1においては、ウェブ搬送装置に用いられるウェブの搬送ローラであって、前記搬送ローラの軸方向略中央部に形成される縮径ローラ部と、前記搬送ローラの軸方向両端部において前記縮径ローラ部の径に比して大きい径に形成される拡径ローラ部と、前記縮径ローラ部と前記拡径ローラ部とを繋ぐテーパローラ部と、を備え、前記縮径ローラ部の外周面には、前記拡径ローラ部の外周面に比して摩擦係数が大きい摩擦面が形成されるものである。
請求項2においては、前記縮径ローラ部および前記拡径ローラ部は、その径の最大差を、0.05mm以上、3mm以下とするものである。
請求項3においては、前記摩擦面には、複数の溝部と、該溝部に隣接する複数のランド部が形成されるものである。
請求項4においては、前記ランド部の表面粗さは、前記拡径ローラ部の表面粗さに比して大きいものである。
請求項5においては、前記ランド部の表面粗さは、RMS粗さを、0.1μm以上、1μm以下とするものである。
請求項6においては、前記複数の溝部は、溝幅を、10μm以上、10mm以下とし、かつ、溝深さを、150μm以上、1mm以下とし、かつ、溝ピッチを、設定した溝幅以上、10mm以下とし、前記複数の溝部の溝断面積の合計を、浮上断面積以上とするものである。
請求項7においては、膜電極接合体の製造装置であって、該製造装置が備えるウェブの搬送ローラは、該搬送ローラの軸方向略中央部に形成される縮径ローラ部と、前記搬送ローラの軸方向両端部において前記縮径ローラ部の径に比して大きい径に形成される拡径ローラ部と、前記縮径ローラ部と前記拡径ローラ部とを繋ぐテーパローラ部と、を備え、前記縮径ローラ部の外周面には、前記拡径ローラ部の外周面に比して摩擦係数が大きい摩擦面が形成されるものである。
請求項8においては、前記縮径ローラ部および前記拡径ローラ部は、その径の最大差を、0.05mm以上、3mm以下とするものである。
請求項9においては、前記摩擦面には、複数の溝部と、該溝部に隣接する複数のランド部が形成されるものである。
請求項10においては、前記ランド部の表面粗さは、前記拡径ローラ部の表面粗さに比して大きいものである。
請求項11においては、前記ランド部の表面粗さは、RMS粗さを、0.1μm以上、1μm以下とするものである。
請求項12においては、前記複数の溝部は、溝幅を、10μm以上、10mm以下とし、かつ、溝深さを、150μm以上、1mm以下と、かつ、前記複数の溝部の溝断面積の合計を、浮上断面積以上とし、かつ、溝ピッチを、設定した溝幅以上、10mm以下とするものである。
請求項13においては、膜電極接合体の製造方法であって、前記膜電極接合体は、軸方向略中央部に形成される縮径ローラ部と、前記搬送ローラの軸方向両端部において前記縮径ローラ部の径に比して大きい径に形成される拡径ローラ部と、前記縮径ローラ部と前記拡径ローラ部とを繋ぐテーパローラ部とを備え、前記縮径ローラ部の外周面に、前記拡径ローラ部の外周面に比して摩擦係数が大きい摩擦面が形成される、搬送ローラによって搬送されるものである。
請求項14においては、前記縮径ローラ部および前記拡径ローラ部は、その径の最大差を、0.05mm以上、3mm以下とするものである。
請求項15においては、前記摩擦面には、複数の溝部と、該溝部に隣接する複数のランド部が形成されるものである。
請求項16においては、前記ランド部の表面粗さは、前記拡径ローラ部の表面粗さに比して大きいものである。
請求項17においては、前記ランド部の表面粗さは、RMS粗さを、0.1μm以上、1μm以下とするものである。
請求項18においては、前記複数の溝部は、溝幅を、10μm以上、10mm以下とし、かつ、溝深さを、150μm以上、1mm以下と、かつ、前記複数の溝部の溝断面積の合計を、浮上断面積以上とし、かつ、溝ピッチを、設定した溝幅以上、10mm以下とするものである。
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
請求項1においては、搬送ローラによって搬送されるウェブにしわが発生することを防止しつつ、搬送ローラとウェブの間でスリップが発生することを防止できる。
請求項2においては、搬送ローラによってウェブに適切な張力を付与することができる。これにより、ウェブにしわが発生することを確実に防止できる。
請求項3においては、複数の溝部によって、ウェブと搬送ローラの間に巻き込んだ空気を排出することができる。これにより、ウェブがランド部から浮き上がる方向に作用する浮力を低減し、ランド部からウェブに対して付与される張力を増大させることができる。
請求項4においては、ランド部とウェブの間において作用する摩擦力を高めて、搬送ローラとウェブの間でスリップが発生することを防止できる。
請求項5においては、ランド部とウェブの間で作用する摩擦力を適切な大きさにまで高めて、搬送ローラとウェブの間でスリップが発生することを確実に防止できる。
請求項6においては、ウェブと搬送ローラの間に巻き込んだ空気を確実に排出することができる。これにより、ウェブの浮き上がりを確実に防止し、ランド部とウェブの間で作用する摩擦力が低下することを確実に防止できる。
請求項7においては、搬送ローラによって搬送される膜電極接合体にしわが発生することを防止しつつ、搬送ローラと膜電極接合体の間でスリップが発生することを防止できる。
請求項8においては、搬送ローラによって膜電極接合体に適切な張力を付与することができる。これにより、膜電極接合体にしわが発生することを確実に防止できる。
請求項9においては、複数の溝部によって、膜電極接合体と搬送ローラの間に巻き込んだ空気を排出することができる。これにより、膜電極接合体がランド部から浮き上がる方向に作用する浮力を低減し、ランド部から膜電極接合体に対して付与される張力を増大させることができる。
請求項10においては、ランド部と膜電極接合体の間で作用する摩擦力を高めて、搬送ローラと膜電極接合体の間でスリップが発生することを防止できる。
請求項11においては、ランド部と膜電極接合体の間で作用する摩擦力を適切な大きさにまで高めて、搬送ローラと膜電極接合体の間でスリップが発生することを確実に防止できる。
請求項12においては、膜電極接合体と搬送ローラの間に巻き込んだ空気を確実に排出することができる。これにより、膜電極接合体の浮き上がりを確実に防止し、ランド部と膜電極接合体の間で作用する摩擦力が低下することを確実に防止できる。
請求項13においては、搬送ローラによって搬送される膜電極接合体にしわが発生することを防止しつつ、搬送ローラと膜電極接合体の間でスリップが発生することを防止できる。
請求項14においては、搬送ローラによって膜電極接合体に適切な張力を付与することができる。これにより、膜電極接合体にしわが発生することを確実に防止できる。
請求項15においては、複数の溝部によって、膜電極接合体と搬送ローラの間に巻き込んだ空気を排出することができる。これにより、膜電極接合体がランド部から浮き上がる方向に作用する浮力を低減し、ランド部から膜電極接合体に対して付与される張力を増大させることができる。
請求項16においては、ランド部と膜電極接合体の間において作用する摩擦力を高めて、搬送ローラと膜電極接合体の間でスリップが発生することを防止できる。
請求項17においては、ランド部と膜電極接合体の間で作用する摩擦力を適切な大きさにまで高めて、搬送ローラと膜電極接合体の間でスリップが発生することを確実に防止できる。
請求項18においては、膜電極接合体と搬送ローラの間に巻き込んだ空気を確実に排出することができる。これにより、膜電極接合体の浮き上がりを確実に防止し、ランド部と膜電極接合体の間において作用する摩擦力が低下することを確実に防止できる。
次に、発明の実施の形態を説明する。
まず始めに、本発明の一実施例に係る搬送ローラの全体構成について、図1および図2を用いて説明をする。図1は本発明の一実施例に係る搬送ローラの全体構成を示す模式図、図2は本発明の一実施例に係る搬送ローラの摩擦面を示す部分拡大模式図である。
図1に示す如く、本発明の一実施例に係る搬送ローラ1は、ウェブ搬送装置に用いられるウェブ搬送用のローラ部材であり、縮径ローラ部2、拡径ローラ部3、テーパローラ部4等を備えている。
縮径ローラ部2は、搬送ローラ1の軸方向略中央部において半径R1に形成される略円筒形状の部位であり、縮径ローラ部2の外周面には摩擦面5を形成している。
また、拡径ローラ部3・3は、搬送ローラ1の軸方向両端部において半径R2に形成される円筒形状の部位である。
搬送ローラ1は、縮径ローラ部2の径に比して拡径ローラ部3・3の径を大きく設定する(即ち、R2>R1)構成としている。このような構成とすることにより、ウェブ9を搬送する際に、搬送ローラ1によって、ウェブ9に対して該ウェブ9の搬送方向に対する略左右方向外側に作用する張力を付与することができる。縮径ローラ部2の半径R1と拡径ローラ部3の半径R2の最大差(以後、コンケイブ量と記載する)ΔRは、ウェブ9に対して付与する張力の大きさを決める要素となることが知られている。
テーパローラ部4・4は、縮径ローラ部2と拡径ローラ部3・3を繋ぐ部位であり、テーパローラ部4・4においては、搬送ローラ1の半径を、縮径ローラ部2から各拡径ローラ部3・3へ向かって半径R1から半径R2まで漸次変化させる構成としている。
図2に示す如く、摩擦面5には、複数の溝部6・6・・・と、複数のランド部7・7・・・を形成している。
溝部6・6・・・の状態は、溝幅W、溝深さD、溝ピッチPおよび溝断面積Sg等によって特定され、ランド部7・7・・・の状態は、その表面のRMS粗さ(以後、ランド部粗さRqと記載する)によって特定される。
つまり、摩擦面5の摩擦係数は、ランド部7・7・・・のランド部粗さRqや、あるいは搬送ローラ1の材質、溝部6・6・・・およびランド部7・7・・・の形状等によって特定することができる。
そして、本発明の一実施例に係る搬送ローラ1では、ランド部粗さRqを、拡径ローラ部3およびテーパローラ部4の表面のRMS粗さに比して大きく設定することにより、摩擦面5の摩擦係数が、拡径ローラ部3およびテーパローラ部4の摩擦係数に比して大きくなるようにしている。これにより、搬送ローラ1によって搬送するウェブ9に対して、該ウェブ9の搬送方向に対する略左右方向外側に作用する張力をより確実に付与することができる。
尚、本実施例では、ランド部7・7・・・のランド部粗さRqを調整することにより、摩擦面5の摩擦係数を、拡径ローラ部3およびテーパローラ部4の摩擦係数に比して大きくする構成としているが、例えば、搬送ローラ1の材質を変更したり、溝部6・6・・・およびランド部7・7・・・の形状等を変更することによっても摩擦面5の摩擦係数を調整することが可能である。
また、搬送ローラ1では、溝部6・6・・・の状態によって、搬送ローラ1とウェブ9の間に巻き込まれる空気の排出状態が異なってくる。つまり、溝部6・6・・・によって、搬送ローラ1とウェブ9の間に巻き込まれる空気を速やかに排出する構成とすれば、ウェブ9が空気から受ける浮上力が減少し、搬送ローラ1とウェブ9の接触面圧を増大させることができる。そして、接触面圧が増大すれば、搬送ローラ1とウェブ9との間でスリップが起こりにくくなる。
さらに、ランド部7・7・・・の状態(即ち、ランド部粗さRq)によって、搬送ローラ1とウェブ9の間で作用する摩擦力が決まってくるため、ランド部粗さRqを調整して搬送ローラ1とウェブ9の間で作用する摩擦力を増大させる構成とすれば、搬送ローラ1とウェブ9との間でスリップがより起こりにくくなる。
つまり、搬送ローラ1では、溝部6・6・・・の状態およびランド部7・7・・・のランド部粗さRqを適切に設定することにより、搬送ローラ1とウェブ9との間で起こるスリップを確実に防止する構成としている。
即ち、本発明の一実施例に係る搬送ローラ1は、ウェブ搬送装置に用いられる搬送ローラ1であって、搬送ローラ1の軸方向略中央部に形成される縮径ローラ部2と、搬送ローラ1の軸方向両端部において縮径ローラ部2の半径R1に比して大きい半径R2に形成される拡径ローラ部3と、縮径ローラ部2と拡径ローラ部3とを繋ぐテーパローラ部4と、を備える搬送ローラ1であって、縮径ローラ部2の外周面には、拡径ローラ部3に比して摩擦係数が大きい摩擦面5が形成される構成としている。
このような構成とすることにより、搬送ローラ1によって搬送されるウェブ9にしわが発生することを防止しつつ、搬送ローラ1とウェブ9の間でスリップが発生することを防止できるのである。
また、本発明の一実施例に係る搬送ローラ1において、摩擦面5には、複数の溝部6・6・・・と、溝部6に隣接する複数のランド部7・7・・・が形成される構成としている。
このような構成とすることにより、複数の溝部6・6・・・によって、ウェブ9と搬送ローラ1の間に巻き込んだ空気を排出することができるのである。またこれにより、ウェブ9がランド部7・7・・・から浮き上がる方向に作用する浮力を低減し、ランド部7・7・・・からウェブ9に対して付与される張力を増大させることができるのである。
さらに、本発明の一実施例に係る搬送ローラ1において、ランド部7・7・・・の表面粗さは、拡径ローラ部3の表面粗さに比して大きくしている。
このような構成とすることにより、ランド部7・7・・・とウェブ9の間において作用する摩擦力を高めて、搬送ローラ1とウェブ9の間でスリップが発生することを防止できるのである。
次に、本発明の一実施例に係る搬送ローラを用いた膜電極接合体製造装置について、図3を用いて説明をする。図3は本発明の一実施例に係る膜電極接合体製造装置の全体構成を示す模式図である。
図3に示す如く、本発明の一実施例に係る搬送ローラ1を用いた膜電極接合体製造装置10は、巻出し部11、塗工部12、乾燥部13、巻取り部14等の各部により構成している。尚、ここでは、膜電極接合体の製造装置の一例として、塗工および乾燥工程に用いる膜電極接合体製造装置10を例示しているが、その他切断工程や貼り合せ工程に用いる膜電極接合体の製造装置においても、本発明に係る搬送ローラ1を用いることができる。
膜電極接合体製造装置10においては、ウェブ9の搬送経路上流側より順に、まず巻出し部11の巻出しローラ11aにセットされるロール状のウェブ9を巻出して塗工部12へと供給する。次に塗工部12において、塗工用ダイ15によりウェブ9に対して等幅かつ均等厚さにペーストを塗工する。このときペーストが塗工されるウェブ9の背後には、バックアップローラ16を配置している。これにより、塗工用ダイ15によるウェブ9に対するペーストの塗工を安定して行うようにしている。次に乾燥部13において、ペーストが塗工されたウェブ9を昇温した乾燥部13内を通過させてペーストを乾燥させる。最後に巻取り部14において、ペースト塗工後のウェブ9を巻取りローラ14aによって再びロール状に巻取って一連の塗工および乾燥工程を完了する構成としている。
巻取り部14には、ウェブ9の搬送手段として駆動ローラ17が設けられている。駆動ローラ17は、ウェブ9の搬送方向に対して直角かつ水平に回転可能に支持されており、モーター(図示せず)により回転駆動される構成としている。
さらに、ウェブ9の搬送経路上には、複数のガイドローラ18・18・・・が設けられている。各ガイドローラ18・18・・・は駆動ローラ17と同様にウェブ9の搬送方向に対して直角かつ水平に回転可能に支持されており、適宜曲がりを設けつつウェブ9の搬送経路を形成する構成としている。
各ガイドローラ18・18・・・は、それ自身は駆動されず、ガイドローラ18・18・・・と接するウェブ9が駆動されることにより、従動的に回転されるものである。
また、巻出し部11、巻取り部14には、テンション検出器19・20が設けられている。テンション検出器19・20は、搬送経路上のウェブ9のテンションを検出しており、検出したテンションに応じて駆動ローラ17や巻出しローラ11aおよび巻取りローラ14a等の回転数を制御してウェブ9の搬送速度を調整することにより、ウェブ9の張り過ぎや弛みを防止するようにしている。
即ち、本発明の一実施例に係る膜電極接合体製造装置10において、膜電極接合体製造装置10が備える搬送ローラ1は、搬送ローラ1の軸方向略中央部に形成される縮径ローラ部2と、搬送ローラ1の軸方向両端部において縮径ローラ部2の半径R1に比して大きい半径R2に形成される拡径ローラ部3と、縮径ローラ部2と拡径ローラ部3とを繋ぐテーパローラ部4と、を備え、縮径ローラ部2の外周面には、拡径ローラ部3に比して表面粗さが大きい摩擦面5が形成される構成としている。
また、本発明の一実施例に係る膜電極接合体9aの製造方法では、膜電極接合体9aは、搬送ローラ1の軸方向略中央部に形成される縮径ローラ部2と、搬送ローラ1の軸方向両端部において縮径ローラ部2の半径R1に比して大きい半径R2に形成される拡径ローラ部3と、縮径ローラ部2と拡径ローラ部3とを繋ぐテーパローラ部4と、を備え、縮径ローラ部2の外周面には、拡径ローラ部3に比して表面粗さが大きい摩擦面5が形成される搬送ローラ1によって搬送される構成としている。
このような構成とすることにより、搬送ローラ1によって搬送される膜電極接合体9aにしわが発生することを防止しつつ、搬送ローラ1と膜電極接合体9aの間でスリップが発生することを防止できるのである。
次に、本発明の一実施例に係る搬送ローラを用いた膜電極接合体製造装置による膜電極接合体の搬送結果について、図4〜図7を用いて説明をする。図4は本発明の一実施例に係る搬送ローラによる膜電極接合体の搬送結果を示す説明図、図5(a)は図4中に示す(条件1)に係る搬送ローラを示す模式図、図5(b)は図4中に示す(条件2)に係る搬送ローラを示す模式図、図6(a)は図4中に示す(条件3)に係る搬送ローラを示す模式図、図6(b)は図4中に示す(条件5)に係る搬送ローラを示す模式図、図7は図4中に示す(条件6)に係る搬送ローラを示す模式図である。尚、以下に示す(条件1)〜(条件6)の条件は、膜電極接合体の製造装置に用いる搬送ローラとして最適な条件を確認するために行った実験の際に設定した条件の一例である。
図4および図5(a)に示す如く、(条件1)に係る搬送ローラ1aは、コンケイブ量ΔRが0で、溝部6・6・・・を設けない構成としている。つまり、(条件1)に係る搬送ローラ1aは、従来から存在する単純な円筒形状を有する搬送ローラである。また、この場合、搬送ローラ1aの周面全体を単一のランド部7とし、ランド部7のRMS粗さ(即ち、ランド部粗さRq)を0.1μmとしている。尚、以下に示す各条件(条件2〜条件6)においても、ランド部粗さRqは全て0.1μmとしており、ランド部粗さRqの条件を統一するようにしている。
この場合、搬送ローラ1aと膜電極接合体9aの間ではスリップが生じている。また、膜電極接合体9aには、スリップに起因する擦り傷が生じている。さらに、膜電極接合体9aにはしわが発生している。
このように、従来から存在する単純な円筒形状を有する搬送ローラ1aでは、膜電極接合体9aにしわや擦り傷を生じさせてしまうため、このような搬送ローラ1aを膜電極接合体製造装置10に使用することは適当でない。
次に、図4および図5(b)に示す如く、(条件2)に係る搬送ローラ1bは、コンケイブ量ΔRは(条件1)に係る搬送ローラ1aと同様に0であるが、溝部6・6・・・を設ける構成としている。溝部6・6・・・の構成は、溝ピッチPを1mm、溝幅Wを0.2mm、溝深さDを0.2mmとしている。また、この場合、溝部6・6・・・に隣接する搬送ローラ1bの外周面をランド部7・7・・・としている。つまり、(条件2)に係る搬送ローラ1bは、従来から存在する単純な円筒形状を有する搬送ローラ1aに溝部6・6・・・を追加した構成としている。
この場合、搬送ローラ1bと膜電極接合体9aの間でスリップは生じていない。このため、膜電極接合体9aには、スリップに起因する擦り傷は生じていない。しかし、膜電極接合体9aにはしわが発生している。
このように、従来から存在する単純な円筒形状を有する搬送ローラ1aに溝部6・6・・・を追加した(条件2)に係る搬送ローラ1bの構成では、膜電極接合体9aに擦り傷を生じさせることは防止できるが、膜電極接合体9aにしわを生じさせることは防止できないため、このような搬送ローラ1bを膜電極接合体製造装置10に使用することは適当でない。
次に、図4および図6(a)に示す如く、(条件3)に係る搬送ローラ1cは、コンケイブ量ΔRを1mmとし、溝部6・6・・・は設けない構成としている。また、この場合、縮径ローラ部2において摩擦面5を形成している。そして摩擦面5における搬送ローラ1cの外周面をランド部7としている。つまり、(条件3)の搬送ローラ1cは、従来から存在する縮径ローラ部を有する搬送ローラである。
この場合、溝部6・6・・・を設けていないため、搬送ローラ1cと膜電極接合体9aの間ではスリップが生じている。そして、膜電極接合体9aには、スリップに起因する擦り傷が生じている。しかし、コンケイブ量ΔRを1mmとし、縮径ローラ部2を設けることにより、ウェブ9には適切な張力を付与され、膜電極接合体9aに発生するしわを防止することができている。
このように、従来から存在する縮径ローラ部を有する搬送ローラ1cでは、膜電極接合体9aにしわが発生することは防止できるが、膜電極接合体9aに擦り傷を生じさせてしまうため、このような搬送ローラ1cを膜電極接合体製造装置10に使用することは適当でない。
次に、図1、図2および図4に示す如く、(条件4)の搬送ローラは、コンケイブ量ΔRを1mmとし、溝部6・6・・・を設ける構成としている。溝部6・6・・・の構成は、溝ピッチPを1mm、溝幅Wを0.2mm、溝深さDを0.2mmとし、(条件2)における溝部6・6・・・の構成と同様としている。また、この場合、縮径ローラ部2において摩擦面5を形成している。そして摩擦面5において、溝部6・6・・・に隣接する搬送ローラ1の外周面をランド部7・7・・・としている。つまり、(条件4)の搬送ローラは、本発明の一実施例に係る搬送ローラ1であり、従来から存在する縮径ローラ部を有する搬送ローラ1cに溝部6・6・・・を追加した構成としている。
この場合、搬送ローラ1と膜電極接合体9aの間ではスリップは生じていない。このため、スリップに起因する擦り傷も生じていない。さらに、膜電極接合体9aにはしわが発生していない。
このように、本発明に係る搬送ローラ1では、搬送ローラ1と膜電極接合体9aの間でスリップが生じることを防止して、膜電極接合体9aに擦り傷を生じさせることがなく、また、膜電極接合体9aに張力を付与することによって、膜電極接合体9aにしわを生じさせることもない。このような搬送ローラ1は、膜電極接合体製造装置10に使用することに適している。
次に、図4および図6(b)に示す如く、(条件5)に係る搬送ローラ1dは、コンケイブ量ΔRを4mmとし、溝部6・6・・・を設ける構成としている。溝部6・6・・・の構成は、溝ピッチPを1mm、溝幅Wを0.2mm、溝深さDを0.2mmとし、(条件2)および(条件4)における溝部6の構成と同様としている。また、この場合、縮径ローラ部2において摩擦面5を形成している。そして摩擦面5において、溝部6・6・・・に隣接する搬送ローラ1dの外周面をランド部7・7・・・としている。つまり、(条件5)に係る搬送ローラ1dは、(条件4)の本発明に係る搬送ローラ1に比して、コンケイブ量ΔRを大きく設定している点が相違している。
この場合、搬送ローラ1dと膜電極接合体9aの間では相対的なスリップは生じていないが、拡径ローラ部3と縮径ローラ部2の周速度差が大きくなりすぎてしまい、ウェブ9に擦り傷が生じてしまう。尚、この場合、膜電極接合体9aにしわは発生していない。
このように、コンケイブ量ΔRを大きく設定し過ぎると、膜電極接合体9aにしわが発生することは防止できるが、搬送状態が不安定となり、擦り傷等が発生してしまうことになる。このような搬送ローラ1dを膜電極接合体製造装置10に使用することは適当でない。
つまり、本発明に係る搬送ローラ1において、スリップ防止効果としわ防止効果を両立させるためには、コンケイブ量ΔRの適正範囲を把握して、適正なコンケイブ量ΔRとなるように搬送ローラを設計することが重要となってくる。
次に、図4および図7に示す如く、(条件6)に係る搬送ローラ1eは、コンケイブ量ΔRを1mmとし、溝部6・6・・・を設ける構成としている。溝部6・6・・・の構成は、溝ピッチPを20mm、溝幅Wを0.2mm、溝深さDを0.2mmとし、(条件2)、(条件4)および(条件5)に比して溝ピッチPを大きく設定している。また、この場合、縮径ローラ部2において摩擦面5を形成している。そして摩擦面5において、溝部6・6・・・に隣接する搬送ローラ1eの外周面をランド部7・7・・・としている。つまり、(条件6)に係る搬送ローラ1eは、(条件4)の本発明に係る搬送ローラ1に比して、溝ピッチPを大きく設定している点が相違している。
この場合、膜電極接合体9aに擦り傷やしわは発生していないが、搬送ローラ1eと膜電極接合体9aの間ではスリップが生じており、搬送状態が不安定となっている。このように、溝ピッチPを大きく設定し過ぎると、搬送状態が不安定となるため、このような搬送ローラ1eを膜電極接合体製造装置10に使用することは適当でない。
つまり、本発明に係る搬送ローラ1において、スリップ防止効果としわ防止効果を両立させるためには、溝ピッチPについても適正範囲を把握して、適正な溝ピッチPとなるように搬送ローラを設計することが重要となってくる。
ここに示した(条件1)〜(条件6)は、膜電極接合体の製造装置に用いる搬送ローラとして最適な条件を確認するために行った実験の際に設定した条件の一例であり、その他にも数多くの条件による試行を行って、膜電極接合体製造装置10に用いる搬送ローラとして最適な条件を確認した。その結果を以下に示す。
まず、コンケイブ量ΔRは、0.05mm以上、3mm以下の範囲にあることが望ましい。コンケイブ量ΔRが0.05mm未満であれば、しわ防止効果が不十分であり、また、コンケイブ量ΔRが3mmを越えると、拡径ローラ部3と縮径ローラ部2の周速度差が大きくなりすぎてしまい、ウェブ9に擦り傷が発生してしまうからである。尚、テーパローラ部4の形状は、必ずしも直線および曲線状に連続的に径が変化する構成とする必要はなく、ステップ状に段階的に径が変化する構成とすることも可能である。但し、機械加工の容易さと言う観点から見れば、テーパローラ部4の形状は、直線状に連続的に径が変化する構成とすることが望ましい。
即ち、本発明の一実施例に係る搬送ローラ1は、縮径ローラ部2および拡径ローラ部3は、その径の最大差(即ち、コンケイブ量ΔR)を、0.05mm以上、3mm以下としている。このような構成とすることにより、搬送ローラ1によってウェブ9に適切な張力を付与することができるのである。またこれにより、ウェブ9にしわが発生することを確実に防止できるのである。
溝部6・6・・・を形成する領域は、ウェブ9を支持する支持面のうち、少なくとも縮径ローラ部2に形成されていればよいが、ウェブ9を支持する支持面の全体(即ち、テーパローラ部4や拡径ローラ部3)に溝部6・6・・・を形成する構成とすることも可能である。但し、溝部6・6・・・を設ける目的(即ち、浮上力の低減)や搬送ローラ1の製造に掛かる手間等を考慮すれば、縮径ローラ部2にのみ溝部6・6・・・を形成する構成とすることが望ましい。
溝幅Wは、10μm以上、10mm以下とすることが望ましい。溝幅Wが10μm未満であると、ウェブ9と搬送ローラ1の間に巻き込んだ空気を十分に排出することができず、また、溝幅Wが10mmを越えると、ウェブ9が溝部6に落ち込んでしまい、ウェブ9に溝部6のエッジによる接触痕がついてしまうためである。
溝ピッチPは、設定した溝幅W以上、10mm以下とすることが望ましい。溝ピッチPが設定した溝幅W未満であると、ウェブ9と搬送ローラ1との接触面積が小さくなり、接触面圧が高くなるため、ウェブ9に接触面による接触痕がついてしまう。また、溝ピッチPが10mmを越えると、接触面積に対する溝部6・6・・・の割合が少なくなりすぎてしまい、ウェブ9と搬送ローラ1の間に巻き込んだ空気を十分に排出することができなくなるためである。
溝深さDは、150μm以上、1mm以下とすることが望ましい。溝深さDが150μm未満であると、ウェブ9と搬送ローラ1の間に巻き込んだ空気を十分に排出することができず、また、溝深さDが1mmを越えると、ウェブ9と搬送ローラ1の間に巻き込んだ空気の排出効果が飽和し、また加工の困難性も高くなり、溝深さDが1mmを越える構成とする必要性に乏しいためである。
さらに溝部6・6・・・の溝断面積Sgの合計は、浮上断面積S以上とすることが望ましい。浮上断面積Sとは、ウェブ9と搬送ローラ1の間に空気を巻き込んだ際に、ウェブ9と縮径ローラ部2との間で形成される空間の断面積のことである。このため、溝断面積Sgの合計を浮上断面積S以上とすることにより、溝部6・6・・・によって、ウェブ9と搬送ローラ1の間に巻き込んだ空気の体積以上の空間を確保することができ、ウェブ9と搬送ローラ1の間に巻き込んだ空気を効果的に排出することができるためである。
尚、浮上断面積Sは、以下の数式(1)〜(5)によって求められる。各数式中の各語は、εはウェブの平均ひずみ、εはフラット部(即ち、縮径ローラ部2)におけるウェブのひずみ、Tはウェブに作用する平均張力(N/m)、Eはウェブのヤング率(Pa)、tはウェブの厚さ(m)、Rはフラット部(即ち、縮径ローラ部2)のローラ半径(m)、ΔRはコンケイブ量(m)、Wはテーパ部(即ち、テーパローラ部4)の長さ(m)、Lはウェブの幅(m)、Tはフラット部(即ち、縮径ローラ部2)においてウェブに作用する張力(N/m)、フラット部(即ち、縮径ローラ部2)の巻き込み空気による浮上量h(m)、ηは空気の粘度(Pa・sec)、Uはウェブの搬送速度(m/sec)、Wはフラット部(即ち、縮径ローラ部2)の幅(m)を表している。
Figure 2009298496
即ち、本発明の一実施例に係る搬送ローラ1において、複数の溝部6・6・・・は、溝幅Wを、10μm以上、10mm以下とし、かつ、溝深さDを、150μm以上、1mm以下とし、かつ、溝部6・6・・・の溝断面積Sgの合計を、浮上断面積S上とし、かつ、溝ピッチPを、設定した溝幅W以上、10mm以下としている。このような構成とすることにより、ウェブ9と搬送ローラ1の間に巻き込んだ空気を確実に排出することができるのである。またこれにより、ウェブ9の浮き上がりを確実に防止し、ランド部7とウェブ9の間において作用する摩擦力が低下することを確実に防止できるのである。
ランド部粗さRqは、RMS粗さで、0.1μm以上、1μm以下とすることが望ましい。ランド部粗さRqを、RMS粗さで0.1μm以上とすることにより、表面粗さがウェブ9と搬送ローラ1の間に巻き込んだ空気を排出するための微細な溝として働き、より高速で搬送した場合にもスリップ防止効果が得られるためである。また、ランド部粗さRqが、RMS粗さで1μmを越えると、表面粗さによってウェブ9に擦り傷がつきやすくなってしまうためである。尚、ランド部7・7・・・に表面粗さを形成する方法としては、研削加工や溶射加工等が挙げられるが、本発明に係る搬送ローラ1は、ランド部7・7・・・の表面粗さの形成方法によっては限定されない。
即ち、本発明の一実施例に係る搬送ローラ1において、ランド部7・7・・・の表面粗さ(即ち、ランド部粗さRq)は、RMS粗さを、0.1μm以上、1μm以下としている。このような構成とすることにより、ランド部7・7・・・とウェブ9の間で作用する摩擦力を適切な大きさにまで高めて、搬送ローラ1とウェブ9の間でスリップが発生することを確実に防止できるのである。
本発明の一実施例に係る搬送ローラの全体構成を示す模式図。 本発明の一実施例に係る搬送ローラの摩擦面を示す部分拡大模式図。 本発明の一実施例に係る膜電極接合体製造装置の全体構成を示す模式図。 本発明の一実施例に係る搬送ローラによる膜電極接合体の搬送結果を示す説明図。 (a)図4中に示す(条件1)に係る搬送ローラを示す模式図、(b)図4中に示す(条件2)に係る搬送ローラを示す模式図。 (a)図4中に示す(条件3)に係る搬送ローラを示す模式図、(b)図4中に示す(条件5)に係る搬送ローラを示す模式図。 図4中に示す(条件6)に係る搬送ローラを示す模式図。
符号の説明
1 搬送ローラ
2 縮径ローラ部
3 拡径ローラ部
4 テーパローラ部
5 摩擦面
6 溝部
7 ランド部
9 ウェブ
9a 膜電極接合体
10 膜電極接合体製造装置

Claims (18)

  1. ウェブ搬送装置に用いられるウェブの搬送ローラであって、
    前記搬送ローラの軸方向略中央部に形成される縮径ローラ部と、
    前記搬送ローラの軸方向両端部において前記縮径ローラ部の径に比して大きい径に形成される拡径ローラ部と、
    前記縮径ローラ部と前記拡径ローラ部とを繋ぐテーパローラ部と、
    を備え、
    前記縮径ローラ部の外周面には、
    前記拡径ローラ部の外周面に比して摩擦係数が大きい摩擦面が形成される、
    ことを特徴とする搬送ローラ。
  2. 前記縮径ローラ部および前記拡径ローラ部は、
    その径の最大差を、0.05mm以上、3mm以下とする、
    ことを特徴とする請求項1に記載の搬送ローラ。
  3. 前記摩擦面には、
    前記搬送ローラの軸方向に対して平行でない複数の溝部と、
    該溝部に隣接する複数のランド部が形成される、
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の搬送ローラ。
  4. 前記ランド部の表面粗さは、
    前記拡径ローラ部の表面粗さに比して大きい、
    ことを特徴とする請求項3に記載の搬送ローラ。
  5. 前記ランド部の表面粗さは、
    RMS粗さを、0.1μm以上、1μm以下とする、
    ことを特徴とする請求項4に記載の搬送ローラ。
  6. 前記複数の溝部は、
    溝幅を、10μm以上、10mm以下とし、かつ、
    溝深さを、150μm以上、1mm以下とし、かつ、
    溝ピッチを、設定した溝幅以上、10mm以下とし、
    前記複数の溝部の溝断面積の合計を、浮上断面積以上とする、
    ことを特徴とする請求項3〜請求項5のいずれか一項に記載の搬送ローラ。
  7. 膜電極接合体の製造装置であって、
    該製造装置が備えるウェブの搬送ローラは、
    該搬送ローラの軸方向略中央部に形成される縮径ローラ部と、
    前記搬送ローラの軸方向両端部において前記縮径ローラ部の径に比して大きい径に形成される拡径ローラ部と、
    前記縮径ローラ部と前記拡径ローラ部とを繋ぐテーパローラ部と、
    を備え、
    前記縮径ローラ部の外周面には、
    前記拡径ローラ部の外周面に比して摩擦係数が大きい摩擦面が形成される、
    ことを特徴とする膜電極接合体の製造装置。
  8. 前記縮径ローラ部および前記拡径ローラ部は、
    その径の最大差を、0.05mm以上、3mm以下とする、
    ことを特徴とする請求項7に記載の膜電極接合体の製造装置。
  9. 前記摩擦面には、
    複数の溝部と、
    該溝部に隣接する複数のランド部が形成される、
    ことを特徴とする請求項7または請求項8に記載の膜電極接合体の製造装置。
  10. 前記ランド部の表面粗さは、
    前記拡径ローラ部の表面粗さに比して大きい、
    ことを特徴とする請求項9に記載の膜電極接合体の製造装置。
  11. 前記ランド部の表面粗さは、
    RMS粗さを、0.1μm以上、1μm以下とする、
    ことを特徴とする請求項10に記載の膜電極接合体の製造装置。
  12. 前記複数の溝部は、
    溝幅を、10μm以上、10mm以下とし、かつ、
    溝深さを、150μm以上、1mm以下と、かつ、
    前記複数の溝部の溝断面積の合計を、浮上断面積以上とし、かつ、
    溝ピッチを、設定した溝幅以上、10mm以下とする、
    ことを特徴とする請求項9〜請求項11のいずれか一項に記載の膜電極接合体の製造装置。
  13. 膜電極接合体の製造方法であって、
    前記膜電極接合体は、
    軸方向略中央部に形成される縮径ローラ部と、
    前記搬送ローラの軸方向両端部において前記縮径ローラ部の径に比して大きい径に形成される拡径ローラ部と、
    前記縮径ローラ部と前記拡径ローラ部とを繋ぐテーパローラ部とを備え、
    前記縮径ローラ部の外周面に、前記拡径ローラ部の外周面に比して摩擦係数が大きい摩擦面が形成される、
    搬送ローラによって搬送される、
    ことを特徴とする膜電極接合体の製造方法。
  14. 前記縮径ローラ部および前記拡径ローラ部は、
    その径の最大差を、0.05mm以上、3mm以下とする、
    ことを特徴とする請求項13に記載の膜電極接合体の製造方法。
  15. 前記摩擦面には、
    複数の溝部と、
    該溝部に隣接する複数のランド部が形成される、
    ことを特徴とする請求項13または請求項14に記載の膜電極接合体の製造方法。
  16. 前記ランド部の表面粗さは、
    前記拡径ローラ部の表面粗さに比して大きい、
    ことを特徴とする請求項15に記載の膜電極接合体の製造方法。
  17. 前記ランド部の表面粗さは、
    RMS粗さを、0.1μm以上、1μm以下とする、
    ことを特徴とする請求項16に記載の膜電極接合体の製造方法。
  18. 前記複数の溝部は、
    溝幅を、10μm以上、10mm以下とし、かつ、
    溝深さを、150μm以上、1mm以下と、かつ、
    前記複数の溝部の溝断面積の合計を、浮上断面積以上とし、かつ、
    溝ピッチを、設定した溝幅以上、10mm以下とする、
    ことを特徴とする請求項15〜請求項17のいずれか一項に記載の膜電極接合体の製造方法。
JP2008151832A 2008-06-10 2008-06-10 搬送ローラおよび膜電極接合体の製造装置、製造方法 Pending JP2009298496A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008151832A JP2009298496A (ja) 2008-06-10 2008-06-10 搬送ローラおよび膜電極接合体の製造装置、製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008151832A JP2009298496A (ja) 2008-06-10 2008-06-10 搬送ローラおよび膜電極接合体の製造装置、製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2009298496A true JP2009298496A (ja) 2009-12-24

Family

ID=41545818

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008151832A Pending JP2009298496A (ja) 2008-06-10 2008-06-10 搬送ローラおよび膜電極接合体の製造装置、製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2009298496A (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011241015A (ja) * 2010-05-17 2011-12-01 Konica Minolta Holdings Inc 帯状可撓性支持体の搬送方法、有機エレクトロニクス素子の製造方法
JP2013049146A (ja) * 2011-08-30 2013-03-14 Sato Knowledge & Intellectual Property Institute ローラ、搬送装置、および印字装置
JP2013129464A (ja) * 2011-12-20 2013-07-04 Nitto Denko Corp ガイドローラ
JP2018095417A (ja) * 2016-12-14 2018-06-21 株式会社ヒラノテクシード テンションカットロール装置
CN110323474A (zh) * 2019-07-15 2019-10-11 无锡先导智能装备股份有限公司 膜电极生产设备
CN111834605A (zh) * 2020-07-16 2020-10-27 东莞维科电池有限公司 一种改善极片波浪边的方法及其采用的辊压机
JP7086426B1 (ja) 2021-10-08 2022-06-20 若水技研株式会社 ウエブ搬送装置
JP2023056696A (ja) * 2021-10-08 2023-04-20 若水技研株式会社 メカロス抑制機構

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08208088A (ja) * 1994-10-27 1996-08-13 Minnesota Mining & Mfg Co <3M> デュアルトラクションローラ
JP2004074162A (ja) * 2002-08-09 2004-03-11 Jfe Steel Kk 方向変換ロール、方向変換ロールを用いた金属板の方向変換方法、及び方向変換ロールを用いた金属板の方向変換装置
JP2005001810A (ja) * 2003-06-11 2005-01-06 Asahi Kasei Corp シート状物の搬送ロール

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08208088A (ja) * 1994-10-27 1996-08-13 Minnesota Mining & Mfg Co <3M> デュアルトラクションローラ
JP2004074162A (ja) * 2002-08-09 2004-03-11 Jfe Steel Kk 方向変換ロール、方向変換ロールを用いた金属板の方向変換方法、及び方向変換ロールを用いた金属板の方向変換装置
JP2005001810A (ja) * 2003-06-11 2005-01-06 Asahi Kasei Corp シート状物の搬送ロール

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011241015A (ja) * 2010-05-17 2011-12-01 Konica Minolta Holdings Inc 帯状可撓性支持体の搬送方法、有機エレクトロニクス素子の製造方法
JP2013049146A (ja) * 2011-08-30 2013-03-14 Sato Knowledge & Intellectual Property Institute ローラ、搬送装置、および印字装置
JP2013129464A (ja) * 2011-12-20 2013-07-04 Nitto Denko Corp ガイドローラ
JP2018095417A (ja) * 2016-12-14 2018-06-21 株式会社ヒラノテクシード テンションカットロール装置
CN110323474A (zh) * 2019-07-15 2019-10-11 无锡先导智能装备股份有限公司 膜电极生产设备
CN111834605A (zh) * 2020-07-16 2020-10-27 东莞维科电池有限公司 一种改善极片波浪边的方法及其采用的辊压机
CN111834605B (zh) * 2020-07-16 2021-12-07 东莞维科电池有限公司 一种改善极片波浪边的方法及其采用的辊压机
JP7086426B1 (ja) 2021-10-08 2022-06-20 若水技研株式会社 ウエブ搬送装置
JP2023056696A (ja) * 2021-10-08 2023-04-20 若水技研株式会社 メカロス抑制機構
JP2023056695A (ja) * 2021-10-08 2023-04-20 若水技研株式会社 ウエブ搬送装置
JP7492265B2 (ja) 2021-10-08 2024-05-29 若水技研株式会社 メカロス抑制機構

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2009298496A (ja) 搬送ローラおよび膜電極接合体の製造装置、製造方法
JP4656344B2 (ja) ウェブ搬送方法及び装置
JP5898945B2 (ja) ガイドローラ
JPH08188311A (ja) 薄型ウエブにおいて皺を防止する方法と装置
KR20080087753A (ko) 웹 안내 롤러, 웹 안내 장치 및 웹 안내 방법
JP6942118B2 (ja) ロール状グラファイトシート
WO2011158584A1 (ja) 薄膜ガラスの搬送装置、及び薄膜ガラスの搬送方法
JP5315884B2 (ja) シート状物の搬送方法および搬送装置、ならびにシート状物の巻き取り体の製造方法
WO2007102617A1 (en) Coating apparatus
JP5930828B2 (ja) 巻取装置
JP2013043749A (ja) 搬送装置、及び搬送方法
JP2003211051A (ja) 塗布装置
KR20190131717A (ko) 필름 주름 제거용 롤러
JP4210159B2 (ja) 膜搬送ロール及び膜搬送装置
JP2001063884A (ja) シートロール体の製造方法及び装置。
JP2011167708A (ja) スリット帯板の蛇行防止装置
JP2008062238A (ja) ガイドロール
JP2000086031A (ja) シート状物の搬送装置およびシート状物の製造方法
WO2007099886A1 (en) Coating apparatus
JP2001063885A (ja) シートロール体の製造方法及び装置
JP2023069843A (ja) 斜行調整装置、ウェブ処理装置、及び多層フィルムの製造方法
KR100644511B1 (ko) 극박 압연재 주름 방지용 댄서롤을 구비한 압연 장치
JP2017001797A (ja) ウェブ搬送装置およびウェブの搬送方法
CN210102137U (zh) 片材供给装置
JP2004269113A (ja) 搬送方法、搬送装置、塗布方法及び塗布物製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100824

A977 Report on retrieval

Effective date: 20120726

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120731

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120907

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20121127

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20130611