JP5549226B2 - 塗布方法及び塗布装置 - Google Patents

塗布方法及び塗布装置 Download PDF

Info

Publication number
JP5549226B2
JP5549226B2 JP2009539008A JP2009539008A JP5549226B2 JP 5549226 B2 JP5549226 B2 JP 5549226B2 JP 2009539008 A JP2009539008 A JP 2009539008A JP 2009539008 A JP2009539008 A JP 2009539008A JP 5549226 B2 JP5549226 B2 JP 5549226B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
coating
layer
organic
film
light emitting
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2009539008A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2009057464A1 (ja
Inventor
和彦 坂田
喜芳 遠藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Konica Minolta Inc filed Critical Konica Minolta Inc
Priority to JP2009539008A priority Critical patent/JP5549226B2/ja
Publication of JPWO2009057464A1 publication Critical patent/JPWO2009057464A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5549226B2 publication Critical patent/JP5549226B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
    • H01L21/00Processes or apparatus adapted for the manufacture or treatment of semiconductor or solid state devices or of parts thereof
    • H01L21/02Manufacture or treatment of semiconductor devices or of parts thereof
    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10KORGANIC ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES
    • H10K71/00Manufacture or treatment specially adapted for the organic devices covered by this subclass
    • H10K71/10Deposition of organic active material
    • H10K71/12Deposition of organic active material using liquid deposition, e.g. spin coating
    • H10K71/13Deposition of organic active material using liquid deposition, e.g. spin coating using printing techniques, e.g. ink-jet printing or screen printing
    • H10K71/135Deposition of organic active material using liquid deposition, e.g. spin coating using printing techniques, e.g. ink-jet printing or screen printing using ink-jet printing
    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10KORGANIC ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES
    • H10K71/00Manufacture or treatment specially adapted for the organic devices covered by this subclass
    • H10K71/40Thermal treatment, e.g. annealing in the presence of a solvent vapour
    • H10K71/441Thermal treatment, e.g. annealing in the presence of a solvent vapour in the presence of solvent vapors, e.g. solvent vapour annealing
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B05SPRAYING OR ATOMISING IN GENERAL; APPLYING FLUENT MATERIALS TO SURFACES, IN GENERAL
    • B05CAPPARATUS FOR APPLYING FLUENT MATERIALS TO SURFACES, IN GENERAL
    • B05C5/00Apparatus in which liquid or other fluent material is projected, poured or allowed to flow on to the surface of the work
    • B05C5/02Apparatus in which liquid or other fluent material is projected, poured or allowed to flow on to the surface of the work the liquid or other fluent material being discharged through an outlet orifice by pressure, e.g. from an outlet device in contact or almost in contact, with the work
    • B05C5/0254Coating heads with slot-shaped outlet
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B05SPRAYING OR ATOMISING IN GENERAL; APPLYING FLUENT MATERIALS TO SURFACES, IN GENERAL
    • B05CAPPARATUS FOR APPLYING FLUENT MATERIALS TO SURFACES, IN GENERAL
    • B05C9/00Apparatus or plant for applying liquid or other fluent material to surfaces by means not covered by any preceding group, or in which the means of applying the liquid or other fluent material is not important
    • B05C9/06Apparatus or plant for applying liquid or other fluent material to surfaces by means not covered by any preceding group, or in which the means of applying the liquid or other fluent material is not important for applying two different liquids or other fluent materials, or the same liquid or other fluent material twice, to the same side of the work
    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10KORGANIC ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES
    • H10K71/00Manufacture or treatment specially adapted for the organic devices covered by this subclass

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Condensed Matter Physics & Semiconductors (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Computer Hardware Design (AREA)
  • Microelectronics & Electronic Packaging (AREA)
  • Power Engineering (AREA)
  • Electroluminescent Light Sources (AREA)
  • Coating Apparatus (AREA)
  • Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)

Description

本発明は、支持体に複数の塗布液を重ねて塗布し重層塗布膜を形成する塗布方法及び塗布装置に関する。
機能性塗布液(以下、塗布液ともいう)を支持体に塗布した塗布膜は、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、無機及び有機エレクトロルミネッセンス(以下、有機ELと称す)ディスプレイ等の表示装置等の電極材料、無機及び有機EL素子による発光装置等の光学素子の電極材料、タッチパネル材料、有機光電変換素子、太陽電池用材料等で利用されている。前記表示装置や光学素子は支持体としてガラス基板が主に利用されているが、近年、フレキシブル化や薄型化のためにフィルム基板に置き換える検討が行われている。前記塗布膜は、有機EL素子及び有機光電変換素子においては、複数の塗布液を重ねて塗布し重層塗布膜として形成される。
前記塗布膜を支持体上に形成(成膜)する方法として、現在、真空成膜法が主流で真空蒸着、スパッタリング、イオンプレーティング、プラズマCVD、熱CVD等が知られている。しかしながら、これらの方法では塗布材料の使用効率が低く、また、生産速度が遅く生産性の問題があった。これに対し、塗布装置を用いた塗布方式による塗布は塗布液(塗布材料)の使用効率が高く、生産速度を速くできるため、塗布方式による塗布膜の形成が検討されている。
前記塗布膜の形成について、有機EL素子を構成する少なくとも何れかの層を、スロット型コータを用いて塗布を行うことが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
また、電気光学パネルの製造において前記塗布膜の形成をインクジェット塗布方式を用いた塗布で行うことが開示されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2001−6875号公報 特開2004−295093号公報
特許文献1は、スロット型コータを用い単層の塗布を行うものである。特許文献2は、インクジェットを用い単層の塗布を行うものである。従って、塗布膜を重層とするためには、1層を塗布した後、乾燥、巻き取りを行い、次に2層目を塗布し、乾燥、巻き取り行うという工程を重層の層数回、繰り返す必要があった。即ち、1層の塗布の工程を一回通す毎に、所謂1パス毎に、塗布膜が形成された支持体の巻き取りを行う必要があった。
有機EL素子の有機EL層及び有機光電変換素子の有機光電変換素子層のように脆弱な塗布膜面は、前記巻き取り時に塗布膜面と塗布膜面と反対側の支持体のベース面との接触により損傷を受けやすい。従って、巻き取り回数が多いと損傷を受ける機会も多くなり、塗布膜面の品質の低下及び製品の歩留まりの低下を招いた。
また、従来から重層塗布膜を形成するために、1つのスロット型コータに塗布液を吐出する複数のスリットを設け、重層を同時塗布する重層コータが知られている。しかしながら、有機EL層に用いられる有機EL材料及び有機光電変換素子層に用いられる有機光電変換素子材料等の有機エレクトロニクス材料の塗布液は相互に混合し易いため、重層コータを用いての重層同時塗布は困難であった。
本発明は、上記状況に鑑みなされたもので、有機EL素子の有機EL層の形成に用いられる有機EL材料及び有機光電変換素子層の形成に用いられる有機光電変換素子材料の複数の塗布液を、有機EL層及び有機光電変換素子層を損傷することなく重層塗布できる塗布方法とその塗布方法を用いた塗布装置を提供することを目的とする。
上記目的は、下記の方法及び構成により達成される。
1.長尺状の支持体を挟み、バックアップロールと対向する位置に、異なる塗布液を塗布する複数の塗布手段を、前記バックアップロールの円周に沿って所定の間隔で配設し、
各塗布液の溶媒の沸点、塗布湿潤膜厚、及び塗布速度を含む乾燥条件、並びに、前記間隔を選定して前記塗布手段で複数の塗布液を前記支持体に塗布することにより、前記複数の塗布液が混合を生じることなく積層された重層塗布膜を形成する塗布方法において、
前記複数の塗布液は、有機エレクトロルミネッセンス材料又は有機光電変換材料を含有する液であり、
前記複数の塗布手段は、前記支持体の幅方向に塗布液吐出のスリットを有し、上流側に減圧チャンバーを有するスロット型コータ塗布方式及びサーマルタイプ若しくは剪断モード型のインクジェット塗布方式のうちの何れか、又は両方であることを特徴とする塗布方法。
2.前記複数の塗布液の溶媒の少なくとも1つが沸点120℃以下の溶媒であることを特徴とする1に記載の塗布方法。
3.前記塗布膜1層の塗布湿潤膜厚が0.5〜10μmであることを特徴とする1または2に記載の塗布方法。
1〜3の何れか1項に記載の塗布方法を用いて塗布を行うことを特徴とする塗布装置。
上記により、有機EL材料及び有機光電変換素子材料である複数の塗布液を、塗布液相互の混合を生じることなく1パスで支持体に重層塗布可能となり、1パスで重層塗布膜を形成することが可能となる。これにより、塗布膜が形成された支持体の巻き取り回数を低減でき、塗布膜面の品質の向上及び製品の歩留まりの向上を図ることができる。
本発明の塗布方法を用いた塗布装置の概略模式図である。 図1に示す塗布装置の側面拡大図である。 インクジェットヘッドの設置配列の一例を示す概略平面図である。 大気圧プラズマ放電処理装置の構成断面図である。
符号の説明
1 支持体
2 バックアップロール
10、20、30 塗布ユニット
11、12 コータ
12、22 送液ポンプ
13、23、33 塗布液タンク
111、211 スリット
31 インクジェットユニット
311 インクジェットヘッド
35 ロール回転電極
36角筒型電極
40 電界印加手段
50 ガス供給手段
60 電極温度調節手段
以下に図を参照しながら本発明の実施の形態を説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
本発明を有機EL素子に適用した場合の、その層構成の好ましい具体例を下記に示すが、以下の形態に限定されるものではない。
《有機EL素子》
本発明で用いることのできる有機EL素子としては特に制限がなく、陽極と陰極と、両者に挟まれた有機層が少なくとも1層以上あり、電流を流すと発光する素子であればよい。
発光タイプとしては、蛍光発光性の化合物を用いる蛍光型と、リン光発光性の化合物を用いるリン光型、或いは、蛍光発光性の化合物とリン光発光性の化合物を併用する併用型があるが、どれでも良い。効率がよいという点から、リン光型の有機ELが好ましい。
《有機EL素子の構成》
本発明を適用した有機EL素子は、支持体、電極、種々の機能を有する有機エレクトロルミネッセンス機能液等の構成要素によって構成される。好ましい構成の具体例を以下に示すが、これらに限定されるものではない。
(i)陽極/正孔輸送層/電子阻止層/発光層ユニット/正孔阻止層/電子輸送層/陰極
(ii)陽極/正孔輸送層/電子阻止層/発光層ユニット/正孔阻止層/電子輸送層/陰極バッファー層/陰極
(iii)陽極/陽極バッファー層/正孔輸送層/電子阻止層/発光層ユニット/正孔阻止層/電子輸送層/陰極
(iv)陽極/陽極バッファー層/正孔輸送層/電子阻止層/発光層ユニット/正孔阻止層/電子輸送層/陰極バッファー層/陰極
上記のように、有機EL層は各層を重ね合わせて重層とされる。
《支持体》
支持体としては、透明樹脂フィルムが挙げられる。樹脂フィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、セロファン、セルロースジアセテート、セルローストリアセテート、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロピオネート(CAP)、セルロースアセテートフタレート(TAC)、セルロースナイトレート等のセルロースエステル類またはそれらの誘導体、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリエチレンビニルアルコール、シンジオタクティックポリスチレン、ポリカーボネート、ノルボルネン樹脂、ポリメチルペンテン、ポリエーテルケトン、ポリイミド、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリフェニレンスルフィド、ポリスルホン類、ポリエーテルイミド、ポリエーテルケトンイミド、ポリアミド、フッ素樹脂、ポリメチルメタクリレート、アクリル或いはポリアリレート類、アートン(商品名JSR社製)或いはアペル(商品名三井化学社製)といったシクロオレフィン系樹脂等が挙げられる。
支持体として使用する樹脂フィルムの表面にはガスバリア膜が必要に応じて形成されることが好ましい。ガスバリア膜としては無機物、有機物の被膜またはその両者のハイブリッド被膜が挙げられる。ガスバリア膜の特性としては、JIS K 7129−1992に準拠した方法で測定された、水蒸気透過度(25±0.5℃、相対湿度(90±2)%RH)が0.01g/(m・24hr)以下であることが好ましい。
更には、JIS K 7126−1987に準拠した方法で測定された酸素透過度が、10−3ml/(m・24hr・MPa)以下、JIS K 7129−1992に準拠した方法で測定された、水蒸気透過度(25±0.5℃、相対湿度(90±2)%RH)が、10−5g/(m・24hr)以下の高バリア性フィルムであることが好ましい。
バリア膜を形成する材料としては、水分や酸素等素子の劣化をもたらすものの浸入を抑制する機能を有する材料であればよく、例えば、酸化珪素、二酸化珪素、窒化珪素等を用いることが出来る。更に該膜の脆弱性を改良するためにこれら無機層と有機材料からなる層の積層構造を持たせることがより好ましい。無機層と有機層の積層順については特に制限はないが、両者を交互に複数回積層させることが好ましい。バリア膜の形成方法については、特に限定はなく、例えば真空蒸着法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、分子線エピタキシー法、クラスタ−イオンビーム法、イオンプレーティング法、プラズマ重合法、大気圧プラズマ重合法、プラズマCVD法、レーザーCVD法、熱CVD法、コーティング法等を用いることが出来るが、特開2004−68143号公報に記載されているような大気圧プラズマ重合法によるものが特に好ましい。
《陽極》
陽極(第一画素電極)としては、仕事関数の大きい(4eV以上)金属、合金、電気伝導性化合物及びこれらの混合物を電極物質とするものが好ましく用いられる。このような電極物質の具体例としてはAu等の金属、CuI、インジウムチンオキシド(ITO)、SnO、ZnO等の導電性透明材料が挙げられる。又、IDIXO(In・ZnO)等非晶質で透明導電膜を作製可能な材料を用いてもよい。陽極(第一画素電極)はこれらの電極物質を蒸着やスパッタリング等の方法により、薄膜を形成させ、フォトリソグラフィー法で所望の形状のパターンを形成してもよく、或いはパターン精度をあまり必要としない場合は(100μm以上程度)、上記電極物質の蒸着やスパッタリング時に所望の形状のマスクを介してパターンを形成してもよい。或いは、有機導電性化合物のように塗布可能な物質を用いる場合には、印刷方式、コーティング方式等湿式成膜法を用いることも出来る。この陽極(第一画素電極)より発光を取り出す場合には、透過率を10%より大きくすることが望ましく、又陽極としてのシート抵抗は数百Ω/□以下が好ましい。更に膜厚は材料にもよるが、通常10nm〜1000nm、好ましくは10nm〜200nmの範囲で選ばれる。
《有機エレクトロルミネッセンス機能液》
本発明に用いる有機エレクトロルミネッセンス機能液について説明する。
本発明に用いる有機エレクトロルミネッセンス機能液としては、後述する本発明の有機EL素子を構成する機能層(有機EL素子機能層、有機層、有機化合物層等ともいう)、例えば、以下に示すような正孔輸送層、発光層、電子輸送層等を構成する有機EL材料(有機EL素子用材料)が溶媒中に溶解した状態の溶液、または、溶媒中に分散している分散液等が挙げられる。
また、有機エレクトロルミネッセンス機能液中の有機EL素子用材料の濃度としては、0.1質量%〜10質量%の範囲であることが好ましい。前記濃度範囲は、有機エレクトロルミネッセンス機能液が分散液の場合には、その固形分含量になるが、同様な数値範囲が好ましい範囲として挙げられる。
《有機エレクトロルミネッセンス機能液調製に用いられる溶媒(溶剤)》
本発明に用いる有機エレクトロルミネッセンス機能液の調製に用いられる溶媒としては、特に制限はなく、適宜選択することができるが、塗布後乾燥終了までの時間短縮の観点から、低沸点溶媒が好ましい。
本発明においては、長尺状の支持体に、複数の塗布液を塗布することにより重層塗布膜を形成する塗布方法は、前記支持体を挟み、バックアップロールと対向する位置に複数の塗布手段を配設し、前記塗布手段で前記複数の塗布液を前記支持体に塗布することにより、重層塗布膜を形成することを特徴とする塗布方法である。このため、前記複数の塗布液の少なくとも1つの溶媒が沸点120℃以下の溶媒であることが好ましい。更に好ましくは、前記複数の塗布液に用いられる全ての溶媒が沸点120℃以下の溶媒であることであり、特に好ましくは、沸点が90℃以下の有機溶媒である。溶媒としては有機溶媒が好ましく、例えば、クロロホルム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、等のケトン系溶媒、ベンゼン等の芳香族系溶剤、酢酸エチル等のエステル系溶媒、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶媒、メタノール、エタノール、1−ブタノール等のアルコール系溶媒、アセトニトリル等のニトリル系溶媒、これらの混合溶媒、等が挙げられる。
《陽極バッファー層》
陽極と発光層または正孔輸送層の間、陽極バッファー層(正孔注入層)を存在させてもよい。正孔注入層とは、駆動電圧低下や発光輝度向上のために電極と有機層間に設けられる層のことで、「有機EL素子とその工業化最前線(1998年11月30日エヌ・ティー・エス社発行)」の第2編第2章「電極材料」(123−166頁)に詳細に記載されている。陽極バッファー層(正孔注入層)は、特開平9−45479号公報、同9−260062号公報、同8−288069号公報等にもその詳細が記載されており、具体例として、銅フタロシアニンに代表されるフタロシアニンバッファー層、酸化バナジウムに代表される酸化物バッファー層、アモルファスカーボンバッファー層、ポリアニリン(エメラルディン)やポリチオフェン等の導電性高分子を用いた高分子バッファー層等が挙げられる。
《正孔輸送層》
正孔輸送層とは、正孔を輸送する機能を有する正孔輸送材料からなり、電子阻止層も正孔輸送層に含まれる。正孔輸送層は単層または複数層設けることが出来る。正孔輸送材料としては、正孔の輸送、電子の障壁性の何れかを有するものであり、有機物、無機物の何れであってもよい。例えば、トリアゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体及びピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、オキサゾール誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、シラザン誘導体、アニリン系共重合体、又導電性高分子オリゴマー、特にチオフェンオリゴマー等が挙げられる。
正孔輸送材料としては上記のものを使用することが出来るが、ポルフィリン化合物、芳香族第3級アミン化合物及びスチリルアミン化合物、特に芳香族第3級アミン化合物を用いることが好ましい。芳香族第3級アミン化合物及びスチリルアミン化合物の代表例としては、N,N,N′,N′−テトラフェニル−4,4′−ジアミノフェニル;N,N′−ジフェニル−N,N′−ビス(3−メチルフェニル)−〔1,1′−ビフェニル〕−4,4′−ジアミン(TPD);2,2−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)プロパン;1,1−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)シクロヘキサン;N,N,N′,N′−テトラ−p−トリル−4,4′−ジアミノビフェニル;1,1−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)−4−フェニルシクロヘキサン;ビス(4−ジメチルアミノ−2−メチルフェニル)フェニルメタン;ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)フェニルメタン;N,N′−ジフェニル−N,N′−ジ(4−メトキシフェニル)−4,4′−ジアミノビフェニル;N,N,N′,N′−テトラフェニル−4,4′−ジアミノジフェニルエーテル;4,4′−ビス(ジフェニルアミノ)クオードリフェニル;N,N,N−トリ(p−トリル)アミン;4−(ジ−p−トリルアミノ)−4′−〔4−(ジ−p−トリルアミノ)スチリル〕スチルベン;4−N,N−ジフェニルアミノ−(2−ジフェニルビニル)ベンゼン;3−メトキシ−4′−N,N−ジフェニルアミノスチルベンゼン;N−フェニルカルバゾール、更には米国特許第5,061,569号明細書に記載されている2個の縮合芳香族環を分子内に有するもの、例えば、4,4′−ビス〔N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ〕ビフェニル(NPD)、特開平4−308688号公報に記載されているトリフェニルアミンユニットが3つスターバースト型に連結された4,4′,4″−トリス〔N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ〕トリフェニルアミン(MTDATA)等が挙げられる。
更にこれらの材料を高分子鎖に導入した、またはこれらの材料を高分子の主鎖とした高分子材料を用いることも出来る。又、p型−Si、p型−SiC等の無機化合物も正孔注入材料、正孔輸送材料として使用することが出来る。
又、特開平11−251067号公報、J.Huang et.al.著文献(Applied Physics Letters 80(2002),p.139)に記載されているような所謂p型正孔輸送材料を用いることも出来る。本発明においては、より高効率の発光素子が得られることから、これらの材料を用いることが好ましい。
正孔輸送層の膜厚については特に制限はないが、通常は5nm〜5μm程度、好ましくは5nm〜200nmである。この正孔輸送層は上記材料の1種または2種以上からなる一層構造であってもよい。又、不純物をドープしたp性の高い正孔輸送層を用いることも出来る。その例としては、特開平4−297076号公報、特開2000−196140号公報、特開2001−102175号公報、J.Appl.Phys.,95,5773(2004)等に記載されたものが挙げられる。このようなp性の高い正孔輸送層を用いることが、より低消費電力の有機EL素子を作製することが出来るため好ましい。
《発光層》
本発明において、発光層とは青色発光層、緑色発光層、赤色発光層を指す。発光層を積層する場合の積層順としては、特に制限はなく、又各発光層間に非発光性の中間層を有していてもよい。本発明においては、少なくとも一つの青発光層が、全発光層中最も陽極に近い位置に設けられていることが好ましい。又、発光層を4層以上設ける場合には、陽極に近い順から、例えば青色発光層/緑色発光層/赤色発光層/青色発光層、青色発光層/緑色発光層/赤色発光層/青色発光層/緑色発光層、青色発光層/緑色発光層/赤色発光層/青色発光層/緑色発光層/赤色発光層のように青色発光層、緑色発光層、赤色発光層を順に積層することが、輝度安定性を高める上で好ましい。発光層を多層にすることで白色素子の作製が可能である。
発光層の膜厚の総和は特に制限はないが、膜の均質性、発光に必要な電圧等を考慮し、通常2nm〜5μm、好ましくは2nm〜200nmの範囲で選ばれる。更に10nm〜20nmの範囲にあるのが好ましい。膜厚を20nm以下にすると電圧面のみならず、駆動電流に対する発光色の安定性が向上する効果があり好ましい。個々の発光層の膜厚は、好ましくは2nm〜100nmの範囲で選ばれ、2nm〜20nmの範囲にあるのが更に好ましい。複数層の発光層を形成する場合は、青、緑、赤の各発光層の膜厚の関係については、特に制限はないが、3発光層中、青発光層(複数層ある場合はその総和)が最も厚いことが好ましい。
発光層が複数の場合は発光極大波長が各々430nm〜480nm、510nm〜550nm、600nm〜640nmの範囲にある発光スペクトルの異なる少なくとも3層以上の層を含むことが好ましい。4層より多い場合には、同一の発光スペクトルを有する層が複数層あってもよい。発光極大波長が430nm〜480nmにある層を青発光層、510nm〜550nmにある層を緑発光層、600nm〜640nmの範囲にある層を赤発光層という。又、前記の極大波長を維持する範囲において、各発光層には複数の発光性化合物を混合してもよい。例えば、青発光層に、極大波長430nm〜480nmの青発光性化合物と、同510nm〜550nmの緑発光性化合物を混合して用いてもよい。
発光層に使用する材料は特に限定はなく、例えば、株式会社 東レリサーチセンター フラットパネルディスプレイの最新動向 ELディスプレイの現状と最新技術動向 228〜332頁に記載されている如き各種材料が挙げられる。
有機EL素子の構成層である正孔輸送層及び発光層を形成する工程は、正孔輸送層及び発光層の性能維持、異物付着に伴う故障欠陥の防止等を考慮し、露点温度−20℃以下、且つJIS B 9920に準拠し、測定した清浄度がクラス5以下で、且つ、乾燥部を除き10℃〜45℃の大気圧条件下で形成されることが好ましい。本発明において清浄度がクラス5以下とは、クラス3〜クラス5を示す。
《電子輸送層》
発光層側に隣接する電子輸送層に用いられる電子輸送材料(正孔阻止材料を兼ねる)としては、陰極より注入された電子を発光層に伝達する機能を有していればよく、その材料としては従来公知の化合物の中から任意のものを選択して用いることが出来、例えば、ニトロ置換フルオレン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、チオピランジオキシド誘導体、カルボジイミド、フレオレニリデンメタン誘導体、アントラキノジメタン及びアントロン誘導体、オキサジアゾール誘導体等が挙げられる。更に、上記オキサジアゾール誘導体において、オキサジアゾール環の酸素原子を硫黄原子に置換したチアジアゾール誘導体、電子吸引基として知られているキノキサリン環を有するキノキサリン誘導体も、電子輸送材料として用いることが出来る。更にこれらの材料を高分子鎖に導入した、またはこれらの材料を高分子の主鎖とした高分子材料を用いることも出来る。
又、8−キノリノール誘導体の金属錯体、例えば、トリス(8−キノリノール)アルミニウム(Alq)、トリス(5,7−ジクロロ−8−キノリノール)アルミニウム、トリス(5,7−ジブロモ−8−キノリノール)アルミニウム、トリス(2−メチル−8−キノリノール)アルミニウム、トリス(5−メチル−8−キノリノール)アルミニウム、ビス(8−キノリノール)亜鉛(Znq)等、及びこれらの金属錯体の中心金属がIn、Mg、Cu、Ca、Sn、GaまたはPbに置き替わった金属錯体も、電子輸送材料として用いることが出来る。その他、メタルフリーもしくはメタルフタロシアニン、またはそれらの末端がアルキル基やスルホン酸基等で置換されているものも、電子輸送材料として好ましく用いることが出来る。又、ジスチリルピラジン誘導体も、電子輸送材料として用いることが出来るし、正孔注入層、正孔輸送層と同様に、n型−Si、n型−SiC等の無機半導体も電子輸送材料として用いることが出来る。電子輸送層の膜厚については特に制限はないが、通常は5nm〜5μm程度、好ましくは5nm〜200nmである。電子輸送層は上記材料の1種または2種以上からなる一層構造であってもよい。
又、不純物をドープしたn性の高い電子輸送層を用いることも出来る。その例としては、特開平4−297076号公報、特開平10−270172号公報、特開2000−196140号公報、特開2001−102175号公報、J.Appl.Phys.,95,5773(2004)等に記載されたものが挙げられる。このようなn性の高い電子輸送層を用いることがより低消費電力の素子を作製することが出来るため好ましい。電子輸送層は上記電子輸送材料を、例えば、湿式塗布、真空蒸着法等の公知の方法により、薄膜化することにより形成することも出来る。
《陰極バッファー層》
陰極バッファー層(電子注入層)とは、電子を輸送する機能を有する材料からなり広い意味で電子輸送層に含まれる。電子注入層とは、駆動電圧低下や発光輝度向上のために電極と有機層間に設けられる層のことで、「有機EL素子とその工業化最前線(1998年11月30日エヌ・ティー・エス社発行)」の第2編第2章「電極材料」(123〜166頁)に詳細に記載されている。陰極バッファー層(電子注入層)は、特開平6−325871号公報、同9−17574号公報、同10−74586号公報等にもその詳細が記載されており、具体的にはストロンチウムやアルミニウム等に代表される金属バッファー層、フッ化リチウムに代表されるアルカリ金属化合物バッファー層、フッ化マグネシウムに代表されるアルカリ土類金属化合物バッファー層、酸化アルミニウムに代表される酸化物バッファー層等が挙げられる。上記バッファー層(注入層)はごく薄い膜であることが望ましく、素材にもよるがその膜厚は0.1nm〜5μmの範囲が好ましい。
《陰極》
陰極(第2画素電極)としては、仕事関数の小さい(4eV以下)金属(電子注入性金属と称する)、合金、電気伝導性化合物及びこれらの混合物を電極物質とするものが用いられる。このような電極物質の具体例としては、ナトリウム、ナトリウム−カリウム合金、マグネシウム、リチウム、マグネシウム/銅混合物、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム(Al)混合物、インジウム、リチウム/アルミニウム混合物、希土類金属等が挙げられる。これらの中で、電子注入性及び酸化等に対する耐久性の点から、電子注入性金属とこれより仕事関数の値が大きく安定な金属である第二金属との混合物、例えば、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム(Al)混合物、リチウム/アルミニウム混合物、アルミニウム等が好適である。陰極はこれらの電極物質を蒸着やスパッタリング等の方法により薄膜を形成させることにより、作製することが出来る。又、陰極としてのシート抵抗は数百Ω/□以下が好ましく、膜厚は通常10nm〜5μm、好ましくは50nm〜200nmの範囲で選ばれる。尚、発光した光を透過させるため、有機EL素子の第1画素電極(陽極)または第2画素電極(陰極)の何れか一方が、透明または半透明であれば発光輝度が向上し好都合である。
又、陰極(第2画素電極)に上記金属を1nm〜20nmの膜厚で作製した後に、第1画素電極の説明で挙げた導電性透明材料をその上に作製することで、透明または半透明の陰極(第二画素電極)を作製することが出来、これを応用することで陽極(第1画素電極)と陰極(第2画素電極)の両方が透過性を有する素子を作製することが出来る。
本発明を有機光電変換素子に適用した場合、その層構成の好ましい具体例を下記に示すが、以下の形態に限定されるものではない。
《有機光電変換素子》
本発明で用いることのできる有機光電変換素子としては特に制限がなく、陽極と陰極と、両者に挟まれた発電層が少なくとも1層以上あり、光を照射すると電流を発生する素子であればよい。
発電層の構成としては、有機半導体材料を積層した構成であれば特に限定されないが、例えば、p型半導体材料とn型半導体材料を積層したヘテロジャンクション型や、p型、n型両方の半導体材料を混合し、ミクロ層分離構造を有した所謂バルクヘテロジャンクション型を挙げることができる。内部量子効率向上の観点から、電荷分離効率に優れる構成が好ましく、バルクヘテロジャンクション型の構造が本願においてより好ましい。
また、本発明の有機光電変換素子を太陽電池として用いる場合には、太陽光スペクトルに最適な吸収特性を有する有機半導体材料を用いることが好ましく、効率、意匠性の観点からより黒い外観である有機光電変換素子であることが好ましい。
《有機光電変換素子の構成》
本発明を適用した有機光電変換素子は、支持体の一方面上に、透明電極、発電層及び対電極が順次積層されている。
また、これに限られず、例えば透明電極や対電極と発電層との間に正孔輸送層、電子輸送層、正孔ブロック層、電子ブロック層、電極バッファー層、或いは平滑化層等の他の層を有して有機光電変換素子が構成されてもよい。また、正孔ブロック能を有する電子輸送層、電子ブロック能を有する正孔輸送層であっでもよい。これらの中でも、バルクへテロジャンクション型の発電層を有する有機光電変換素子においては、発電層と陽極(通常、透明電極側)との中間には正孔輸送層及び/または電子ブロック層を、発電層と陰極(通常、対電極側)との中間には電子輸送層及び/または正孔ブロック層を形成することで、バルクへテロジャンクション型の発電層で発生した電荷をより効率的に取り出すことが可能となるため、これらの層を有していることが好ましい。
(i)陽極/正孔輸送層/電子ブロック層/発電層/正孔ブロック層/電子輸送層/陰極
(ii)陽極/電子ブロック能を有する正孔輸送層/発電層/正孔ブロック能を有する電子輸送層/陰極バッファー層/陰極
(iii)陽極/陽極バッファー層/正孔輸送層/電子ブロック層/発電層/正孔ブロック層/電子輸送層/陰極
(iv)陽極/陽極バッファー層/正孔輸送層/電子ブロック層/発電層/正孔ブロック層/電子輸送層/陰極バッファー層/陰極
上記のように、有機光電変換素子は各層を重ね合わせて重層とされる。また、本発明の薄膜形成方法は、上記の各構成を形成するのに適用できるが、特に陽極及び陰極を除く各層の形成に好ましく適用できる。
《塗布》
有機エレクトロルミネッセンス及び有機光電変換素子等の機能液を塗布する方法としては、従来より種々の方法が知られている。
本発明においては、非常に薄い単層塗布膜を形成するためスロット型コータ塗布方式、またはインクジェット塗布方式が好ましい。
スロット型塗布コータを使用する場合、コータの上流に減圧チャンバーを設置し、ビード部を減圧状態に保持することで塗布の均一性が更に向上する。ビード下部を減圧することで支持体の表面性や濡れ性の変化があっても、塗布液の接液位置がほとんど変動せず、均一な膜厚の塗布膜が得ることができるからである。
スロット型コータ塗布方式とは少なくとも2本のコータダイが組み合わされ、塗布液供給装置から供給された塗布液はコータダイのポケット部で巾手に広がり、スリット部から巾手に均一な流量で流出し、そのまま支持体に巾手に均一な塗布膜厚で塗布される。前述のように、コータダイ上流部に減圧チャンバーを設置するのが、更に好ましい実施形態である。
インクジェットヘッドとしては特に限定はなく、例えば発熱素子を有し、この発熱素子からの熱エネルギーにより塗布液の膜沸騰による急激な体積変化によりノズルから塗布液を吐出させるサーマルタイプのヘッドでもよいし、インク圧力室に圧電素子を備えた振動板を有しており、この振動板によるインク圧力室の圧力変化で塗布液を吐出させる剪断モード型(ピエゾ型)のヘッドであってもよいが、塗布液の安定性の点から剪断モード型(ピエゾ型)のヘッドが好ましい。
図1は、本発明の塗布方法を用いた塗布装置の概略模式図である。図1は3種類の塗布液を重ねて塗布し、3層の塗布膜を形成する例で、2層の塗布はスロット型コータ(以下、コータとも略す)を用い、1層はインクジェットを用いた例である。図2は、図1に示す塗布装置を矢印Z1方向から見た側面拡大図である。コータ11、21は断面図としている。
ロール状に巻かれた長尺状の支持体1は、駆動手段(不図示)により巻き出しロール(不図示)から矢印B方向に繰り出され搬送される。
長尺状の支持体1はバックアップロール2に支持されながら搬送され、塗布手段である塗布ユニット10のコータ11、塗布ユニット20のコータ21、塗布ユニット30のインクジェットユニット31に配設されたインクジェットヘッド311により、順次1層ずつ塗布液を塗布され、3層の重層塗布膜を形成される。形成された重層塗布膜は乾燥部(不図示)で乾燥され巻き取りロール(不図示)に巻き取られる。
塗布ユニット10は、コータ11、送液ポンプ12、塗布液タンク13及び塗布液供給管14を含み構成される。送液ポンプ12は、塗布液タンク13に貯留されている塗布液を塗布液供給管14を介してコータ11に供給する。コータ11は、支持体幅方向に塗布幅に対応するスリット111を有し、支持体1を挟みバックアップロール2に対向する位置に配設される。コータ11は、スリット111より支持体1に塗布液を吐出して塗布を行う。塗布ユニット10は、支持体1の幅方向に渡り塗布液をスリット111より均一に吐出する機能も有する。
塗布ユニット20は、コータ21、送液ポンプ22、塗布液タンク23及び塗布液供給管24を含み構成される。機能は塗布ユニット10と同様である。
塗布ユニット30は、インクジェットユニット31、インクジェットユニット31に配設されたインクジェットヘッド311、塗布液タンク33、塗布液供給管34を含み構成される。インクジェットヘッド311は支持体1を挟みバックアップロール2に対向する位置に配設される。塗布液タンク33に貯留されている塗布液は、塗布液供給管34を介しインクジェットヘッド311に供給され、インクジェットヘッド311のノズルから支持体1に射出される。これにより、塗布液が支持体1に塗布される。塗布液は、インクジェットヘッド311のノズルよりバックアップロール2の略回転中心方向に射出される。
インクジェットユニット31にはインクジェットヘッド311が任意の個数、配列で設置されている。個数及び配列は、使用する塗布液、塗布条件、例えばインクジェットヘッド311の射出幅及び支持体1の塗布幅等、により適宜設定される。
塗布ユニット30は、塗布液をインクジェットヘッド311に供給するとともに、インクジェットヘッド311内の塗布液圧力を一定に保つ機能も有する。
インクジェットヘッド311としては特に限定はなく、例えば発熱素子を有し、この発熱素子からの熱エネルギーにより塗布液の膜沸騰による急激な体積変化によりノズルから塗布液を吐出させるサーマルタイプのヘッドでもよいし、インク圧力室に圧電素子を備えた振動板を有しており、この振動板によるインク圧力室の圧力変化で塗布液を吐出させる剪断モード型(ピエゾ型)のヘッドであってもよい。
図3は、インクジェットヘッド311の設置配列の一例を示す概略平面図である。
図3において、311−1〜311−5は配置されたインクジェットヘッドを示す。インクジェットヘッド311−1〜311−5は、各ヘッド311−1〜311−5のノズル吐出口を有する面と支持体1の塗布膜面とが平行で一定間隔を保持し、支持体1の移動方向と直交方向である幅方向に配設されたノズル吐出口の中心を結ぶ線と支持体1の移動方向とのなす角度を90°に配置されている。又、隣り合うヘッドの間に未塗布部をなくすために、各ヘッド311−1〜311−5の端部は互いに重なり合うように千鳥状に配設されている。このように複数のヘッドを使用し、本図に示すように配設することで支持体1の幅に対する対応が容易となり、且つ、各ヘッド間で未塗布部分がなくなり安定した塗布膜が得られる。
コータ11、21及びインクジェットヘッド311はバックアップロール2の円周に沿って所定の間隔で配設される。
前述のように、有機EL層に用いられる有機EL材料及び有機光電変換素子層に用いられる有機光電変換素子材料の塗布液は相互に混合し易い性質を有し、極めて薄い塗膜であるために、乾燥しやすい性質も有する。このため、コータ11で塗布した第1の塗布液の乾燥の進行程度によって、コータ21で第2の塗布液を塗布しても混合しなくなる。従って、塗布を所定の間隔で行うと塗布液の混合を生じることなく塗膜を積層することができる。ここで、塗布液が相互に混合を生じない時間は、塗布液毎に予め実験等により測定し、設定することができる。前記所定の間隔は測定した塗布液が相互に混合を生じない時間と、支持体1の移動速度から設定することができる。また、バックアップロール2の直径は、前記所定の間隔と、配設する塗布ユニットの数から設定することができる。
ここで、バックアップロールの直径は、0.5m〜5mの範囲が好ましい。0.5m未満では配設する塗布ユニットの数が少なくなり、1パスで塗布できる層数が少なく生産効率が低減する。また、1パスで塗布できる層数が少なくなると巻き取り回数が多くなり、塗布膜面が前記巻き取り時に損傷を受けやすくなる。5mを超えるとバックアップロール2の製作が困難になり、メンテナンス性も低減する。
また、塗布1層の塗布湿潤膜厚(単層の乾燥前塗布膜厚)は0.5〜10μmであることが好ましい。0.5μm未満では、塗布が困難になり、塗布膜厚がばらつきやすくなる。10μmを超えると乾燥に時間が掛かり、前記所定の間隔を大きくしなければ塗布液相互の混合を防止することが困難になり、装置の大型化、コストアップの要因となる。
この方式による塗布速度は1〜10m/minが好ましく、1〜5m/minが更に好ましい。塗布湿潤膜厚が薄いため、塗布速度を早くすると安定塗布できず、品質欠陥が発生する。また、塗布速度が早いと乾燥が進んでいない状態で上層が塗布され、層間の混合が発生し、これも品質欠陥につながる。
本実施の形態では、2つのコータと1つのインクジェットというようにコータとインクジェットの組合せの構成としたが、全てコータでも、また全てインクジェットの構成としてもよい。更に好ましくは、塗布スジ等の塗布ムラを防ぐため、全てコータで構成することがよい。
上記のように、バックアップロールに巻回され連続移動する支持体に沿って、複数の塗布ユニットを所定の間隔で配設し、前記支持体に1層ずつ塗布し積層することにより、有機EL材料及び有機光電変換素子材料である複数の塗布液を、塗布液相互の混合を生じることなく1パスで重層塗布することができる。即ち、1パスで支持体に重層塗布膜を形成することができ、塗布膜が形成された支持体の巻き取り回数を低減できる。これにより、塗布膜面の品質の向上及び製品の生産性の向上を図ることができる。
以下、有機EL素子に適用した場合の実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されず、有機光電変換素子等の有機エレクトロニクス素子にも適用できるものである。
本発明の有機EL素子の作製方法の一例として陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極からなる有機ELの作製方法について説明し、請求範囲の技術については、正孔輸送層/発光層のみに適用したものを示すが、この範囲に限定されるものではなく、各種機能層に用いても構わない。
実施例1
《支持体》
基板として、厚さ200μmのポリエーテルサルフォン(住友ベークライト社製フィルム、以下、PESと略記する)上に、下記の大気圧プラズマ放電処理装置及び放電条件で、低密度層、中密度層、高密度層、中密度層のユニットを3層積層した透明ガスバリア性フィルムを作製した。
(大気圧プラズマ放電処理装置)
図4は大気圧プラズマ放電処理装置の構成断面図である。対向電極としてロール回転電極35及び複数の角筒型電極36を有し、更に電界印加手段40、ガス供給手段50、電極温度調節手段60等を有している。
誘電体で被覆したロール回転電極35及び複数の角筒型電極36のセットを以下のように作製した。
第1電極となるロール回転電極35は、冷却水による冷却手段を有するチタン合金T64製ジャケットロール金属質母材に対して、大気プラズマ法により高密度、高密着性のアルミナ溶射膜を被覆し、ロール直径1000mmとなるようにした。一方、第2電極の角筒型電極36は、中空の角筒型のチタン合金T64に対し、上記同様の誘電体を同条件にて方肉で1mm被覆し、対向する角筒型固定電極群とした。
この角筒型電極36をロール回転電極35のまわりに、対向電極間隙を1mmとして24本配置した。角筒型固定電極群の放電総面積は、150cm(幅手方向の長さ)×4cm(搬送方向の長さ)×24本(電極の数)=14400cmであった。
プラズマ放電中、第1電極(ロール回転電極35)及び第2電極(角筒型固定電極36群)が80℃になるように調節保温し、ロール回転電極35はドライブで回転させて薄膜形成を行った。上記24本の角筒型固定電極36中、上流側より4本を下記第1層(低密度層1)の成膜用に、次の6本を下記第2層(中密度層1)の成膜用に、次の8本を第3層(高密度層1)の成膜用に使用し、残りの6本を第4層(中密度層2)の成膜用にして、各条件を設定して1パスで4層を積層した。この条件を更に2回繰り返して、透明ガスバリア性フィルムを作製した。
(第1層:低密度層1)
下記の条件で、プラズマ放電を行って、厚さ約90nmの低密度層1を形成した。
〈ガス条件〉
放電ガス:窒素ガス 94.8体積%
薄膜形成性ガス:ヘキサメチルジシロキサン(以下、HMDSOと略記)
(リンテック社製気化器にて窒素ガスに混合して気化) 0.2体積%
添加ガス:酸素ガス 5.0体積%
〈電源条件:第1電極側の電源のみを使用した〉
第1電極側 電源種類 応用電機社製高周波電源
周波数 80kHz
出力密度 10W/cm
上記形成した第1層(低密度層)の密度は、マックサイエンス社製MXP21を用いたX線反射率法で測定した結果、1.90であった。
(第2層:中密度層1)
下記の条件で、プラズマ放電を行って、厚さ約90nmの中密度層1を形成した。
〈ガス条件〉
放電ガス:窒素ガス 94.9体積%
薄膜形成性ガス:ヘキサメチルジシロキサン(以下、HMDSOと略記)
(リンテック社製気化器にて窒素ガスに混合して気化) 0.1体積%
添加ガス:酸素ガス 5.0体積%
〈電源条件:第1電極側の電源のみを使用した〉
第1電極側 電源種類 応用電機社製高周波電源
周波数 80kHz
出力密度 10W/cm
上記形成した第2層(中密度層)の密度は、前述のマックサイエンス社製MXP21を用いたX線反射率法で測定した結果、2.05であった。
(第3層:高密度層1)
下記の条件で、プラズマ放電を行って、厚さ約90nmの高密度層1を形成した。
〈ガス条件〉
放電ガス:窒素ガス 94.9体積%
薄膜形成性ガス:ヘキサメチルジシロキサン(以下、HMDSOと略記)
(リンテック社製気化器にて窒素ガスに混合して気化) 0.1体積%
添加ガス:酸素ガス 5.0体積%
〈電源条件〉
第1電極側 電源種類 応用電機社製高周波電源
周波数 80kHz
出力密度 10W/cm
第2電極側 電源種類 パール工業社製高周波電源
周波数 13.56MHz
出力密度 10W/cm
上記形成した第3層(高密度層)の密度は、前述のマックサイエンス社製MXP21を用いたX線反射率法で測定した結果、2.20であった。
(第4層:中密度層2)
上記第2層(中密度層1)の同様の条件で、中密度層2を形成した。
(第5層〜第12層)
上記第1層〜第4層(1ユニット)の形成と同条件で、これを2回繰り返して、透明ガスバリア性フィルムを作製した。
JIS K 7129−1992に準拠した方法により水蒸気透過度を測定した結果、10−3g/(m・24hr)以下であった。
JIS K 7126−1987に準拠した方法により酸素透過度を測定した結果、10−3ml/(m・24hr・MPa)以下であった。
《陽極の作成》
次いで、該ガスバリア性フィルム基板上にITO(インジウムチンオキシド)をスパッタ法、蒸着法、イオンプレーティング法等の成膜法により120nm成膜し、陽極を作成した。
陽極が形成されているロール状帯状可撓性シートを繰り出し、洗浄表面改質処理工程、帯電除去処理工程を経て、ロール状に巻き取った。
洗浄表面改質処理としては、低圧水銀ランプ、エキシマランプ、プラズマ洗浄装置、などを利用可能である。
本実施例では、ドライ洗浄表面改質処理装置としては低圧水銀ランプ波長184.9nm、照射強度15mW/cm、照射距離10mmにて実施した。この処理により有機汚染物除去と濡れ性向上の表面改質が行われる。
帯電除去処理としては、大別して光照射方式とコロナ放電式があり、光照射式は微弱X線、コロナ放電式はコロナ放電により空気イオンを生成する。この空気イオンは、帯電物体に引き寄せられて反対極性の電荷を補い、静電気を中和する。コロナ放電による除電器、軟X線による除電器が利用可能である。
本実施例では微弱X線による除電器を利用した。この処理により、基板の帯電除去が図られるため、ゴミの付着や絶縁破壊が防止されるため、素子の歩留まりの向上が図られる。
《正孔輸送層塗布液の作成》
正孔輸送層としてポリエチレンジオキシチオフェン・ポリスチレンスルホネート(PEDOT/PSS、Bayer社製 Bytron P AI 4083)をメタノールで70%希釈して、正孔輸送層塗布を作成した。
《発光層塗布液の作成》
発光層は、ホスト材料のポリビニルカルバゾール(PVK)に緑ドーパント材料Ir(ppy)を5質量%で混合し、1,2−ジクロロエタン中に溶解し固形分濃度を1質量%溶液とした。
《正孔輸送層/発光層の塗布》
直径3mのバックアップロール(以下、BRとも略す)を利用し、スロット型コータを利用し、塗布速度4m/min、湿潤膜厚を下層2.5μm、上層5μmで両液を塗布した。2つのコータは、5m離した位置に設置した。
《正孔輸送層/発光層の乾燥/後処理》
本実施例における溶媒除去処理としては、塗布後、加熱された気流による乾燥処理工程にて溶媒を除去した。スリットノズル形式の噴出し口から成膜面に向け高さ100mm、噴出し風速1m/s、幅手分布5%、乾燥温度100℃で実施した。乾燥炉は有機化合物層の材料に応じて、適宜数ゾーンにして温度条件の変更や風速の変更等を行う事も可能である。
本実施例における熱処理工程としては、溶媒除去後、温度150℃のヒートロールを密に並べたロール間から吸引する事により基板が吸着搬送され、裏面伝熱による加熱で熱処理を行った。本例は一例でありこの例に限定されるものではなく、裏面より伝熱される形態であれば形式には拘らない。加熱処理はガラス転移点温度±50度でかつ分解温度を超えない温度かつ裏面伝熱で行う事が好ましい。加熱処理を行う事により膜の平滑性や残留溶媒の除去、塗膜の硬化が図られる事により、積層時の素子特性の向上が図られる。
巻き取られたロールは収納箱に保管され、減圧下(10−6〜10−2Pa)に収納される。適宜、温度をかけても良い。収納期間は1時間〜200時間が好ましく、長ければ長い程よい。これにより、素子劣化に起因する酸素や微量水分が取り除かれる。
《電子輸送層、陰極》
前記発光層形成工程後の後工程の一例として、得られたロール状の上記フィルムを5×10-4Paの真空下にて、発光層上に蒸着ヘッドを用いて、陽極の全面に、電子輸送材料である化合物(2)を蒸着し、膜厚20nmの電子輸送層を形成した。次いで、電子輸送層の上に、厚さ0.5nmのLiF層を蒸着した。
続いて、有機EL層領域及び電極出し領域を含めた領域に厚さ100nmのアルミ層も同様に蒸着を行い、この順に形成した後、電極となる領域以外にスパッタリング法、プラズマCVD法、イオンプレーティング法などを用いSiOxやSiNxもしくは複合膜などの無機膜を300nmの封止膜として形成し巻き取り、実施例1の有機EL素子(本発明)を得た。
実施例2
《支持体》
実施例1と同じフィルムを用い、同じ方法で透明ガスバリア性フィルムを作製した。
《陽極の作成》
実施例1と同じ方法で陽極を作成し、同じ表面処理を行った。
《正孔輸送層塗布液の作成》
正孔輸送層としてポリエチレンジオキシチオフェン・ポリスチレンスルホネート(PEDOT/PSS、Bayer社製 Bytron P AI 4083)をメタノールで70%希釈して、正孔輸送層塗布を作成した。
《発光層塗布液の作成》
発光層は、ホスト材料のポリビニルカルバゾール(PVK)に緑ドーパント材料Ir(ppy)を5質量%で混合し、1,2−ジクロロエタン中に溶解した。溶剤量のみ変更し、固形分濃度を2質量%溶液とした。
《正孔輸送層/発光層の塗布》
直径4.5mのバックアップロールを利用し、正孔輸送層はスロット型コータを利用し、発光層はインクジェット塗布装置を利用し、塗布速度4m/min、湿潤膜厚を下層2.5μm、上層2.5μmで両液を塗布した。スロット型コータとインクジェット塗布装置は、7m離した位置に設置した。
《正孔輸送層/発光層の乾燥/後処理》
実施例1と同じ方法で乾燥、後処理を行った。
《電子輸送層、陰極》
実施例1と同じ方法で電子輸送層、陰極を作成し、封止膜をつけ、実施例−2の有機EL素子(本発明)を得た。
実施例3
《支持体》
実施例1と同じフィルムを用い、同じ方法で透明ガスバリア性フィルムを作製した。
《陽極の作成》
実施例1と同じ方法で陽極を作成し、同じ表面処理を行った。
《正孔輸送層塗布液の作成》
正孔輸送層としてポリエチレンジオキシチオフェン・ポリスチレンスルホネート(PEDOT/PSS、Bayer社製 Bytron P AI 4083)をメタノールで70%希釈して、正孔輸送層塗布を作成した。
《発光層塗布液の作成》
発光層は、ホスト材料のポリビニルカルバゾール(PVK)に緑ドーパント材料Ir(ppy)を5質量%で混合し、1,2−ジクロロエタン中に溶解した。溶媒量を変え、濃度は3%とした。
《正孔輸送層/発光層の塗布》
直径1mのバックアップロールを利用し、インクジェット塗布装置を利用し、塗布速度2m/min、湿潤膜厚を下層2μm、上層1.7μmで両液を塗布した。2つのインクジェット塗布装置は、2m離した位置に設置した。
《正孔輸送層/発光層の乾燥/後処理》
実施例1と同じ方法で乾燥、後処理を行った。
《電子輸送層、陰極》
実施例1と同じ方法で電子輸送層、陰極を作成し、封止膜をつけ、実施例−3の有機EL素子(本発明)を得た。
比較例1
《支持体》
実施例1と同じフィルムを用い、同じ方法で透明ガスバリア性フィルムを作製した。
《陽極の作成》
実施例1と同じ方法で陽極を作成し、同じ表面処理を行った。
《正孔輸送層塗布液の作成》
実施例1と同じ液を作成した。
《発光層塗布液の作成》
実施例1と同じ液を作成した。
《正孔輸送層/発光層の塗布》
直径0.3mのバックアップロールを使用し、正孔輸送層を塗布速度4m/min、湿潤膜厚2.5μmとなるようにスロット型コータで塗布/乾燥後、巻き取りを行い、再度同じ塗布ラインを使用し、発光層を塗布速度4m/min、湿潤膜厚5μmとなるようにインクジェット塗布装置で塗布/乾燥した。
《後処理》
実施例1と同じ方法で後処理を実施した。
《電子輸送層、陰極》
実施例1と同じ方法で電子輸送層、陰極を作成し、封止膜をつけ、比較例−1の有機EL素子(本発明)を得た。
比較例2
《支持体》
実施例1と同じフィルムを用い、同じ方法で透明ガスバリア性フィルムを作製した。
《陽極の作成》
実施例1と同じ方法で陽極を作成し、同じ表面処理を行った。
《正孔輸送層塗布液の作成》
実施例1と同じ液を作成した。
《発光層塗布液の作成》
実施例1と同じ液を作成した。
《正孔輸送層/発光層の塗布》
直径0.3mのバックアップロールを使用し、正孔輸送層を塗布速度4m/min、湿潤膜厚2.5μmとなるようにスロット型コータで塗布/乾燥後、巻き取りを行い、再度同じ塗布ラインを使用し、発光層を塗布速度4m/min、湿潤膜厚5μmとなるようにこちらもスロット型コータで塗布/乾燥した。
《後処理》
実施例1と同じ方法で後処理を実施した。
《電子輸送層、陰極》
実施例1と同じ方法で電子輸送層、陰極を作成し、封止膜をつけ、比較例−2の有機EL素子(本発明)を得た。
評価
《有機EL素子の評価》
得られた有機EL素子実施例1〜3(本発明)、比較例1〜2の各素子について、10Vの電圧を印加して、発光部の発光状態について目視観察を行い、下記の基準で発光特性を下記に示すような基準に基づきランク評価を行った。その結果を表1に示す。
《ランク評価の基準》
◎:発光部の全面で良好な発光を示す。
○:全面発光するが実用上問題ないレベルの輝度ムラが観察される。
△:局部的な非発光が観察されるが実用上問題ないレベル。
×:発光しない発光部が比較的大きな領域として観察される。
上記のように本発明の効果が確認できた。

Claims (4)

  1. 長尺状の支持体を挟み、バックアップロールと対向する位置に、異なる塗布液を塗布する複数の塗布手段を、前記バックアップロールの円周に沿って所定の間隔で配設し、
    各塗布液の溶媒の沸点、塗布湿潤膜厚、及び塗布速度を含む乾燥条件、並びに、前記間隔を選定して前記塗布手段で複数の塗布液を前記支持体に塗布することにより、前記複数の塗布液が混合を生じることなく積層された重層塗布膜を形成する塗布方法において、
    前記複数の塗布液は、有機エレクトロルミネッセンス材料又は有機光電変換材料を含有する液であり、
    前記複数の塗布手段は、前記支持体の幅方向に塗布液吐出のスリットを有し、上流側に減圧チャンバーを有するスロット型コータ塗布方式及びサーマルタイプ若しくは剪断モード型のインクジェット塗布方式のうちの何れか、又は両方であることを特徴とする塗布方法。
  2. 前記複数の塗布液の溶媒の少なくとも1つが沸点120℃以下の溶媒であることを特徴とする請求項1に記載の塗布方法。
  3. 前記塗布膜1層の塗布湿潤膜厚が0.5〜10μmであることを特徴とする請求項1又は2に記載の塗布方法。
  4. 請求項1〜3の何れか1項に記載の塗布方法を用いて塗布を行うことを特徴とする塗布装置。
JP2009539008A 2007-11-01 2008-10-17 塗布方法及び塗布装置 Expired - Fee Related JP5549226B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009539008A JP5549226B2 (ja) 2007-11-01 2008-10-17 塗布方法及び塗布装置

Applications Claiming Priority (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007284895 2007-11-01
JP2007284895 2007-11-01
JP2009539008A JP5549226B2 (ja) 2007-11-01 2008-10-17 塗布方法及び塗布装置
PCT/JP2008/068857 WO2009057464A1 (ja) 2007-11-01 2008-10-17 塗布方法及び塗布装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2009057464A1 JPWO2009057464A1 (ja) 2011-03-10
JP5549226B2 true JP5549226B2 (ja) 2014-07-16

Family

ID=40590856

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009539008A Expired - Fee Related JP5549226B2 (ja) 2007-11-01 2008-10-17 塗布方法及び塗布装置

Country Status (3)

Country Link
US (1) US20100209614A1 (ja)
JP (1) JP5549226B2 (ja)
WO (1) WO2009057464A1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20190110035A (ko) * 2018-03-19 2019-09-27 닛토덴코 가부시키가이샤 도공 장치 및 도공막의 제조 방법

Families Citing this family (17)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2010131580A1 (ja) * 2009-05-09 2010-11-18 コニカミノルタホールディングス株式会社 塗布方法、有機エレクトロニクス素子
JP5316493B2 (ja) * 2010-07-30 2013-10-16 コニカミノルタ株式会社 塗布方法および塗布装置
FI20105903A0 (fi) * 2010-08-30 2010-08-30 Beneq Oy Laite
US8726836B2 (en) * 2010-09-10 2014-05-20 Shenzhen China Optoelectronics Technology Co., Ltd. Liquid crystal coating apparatus and liquid crystal coating method
US9040120B2 (en) 2011-08-05 2015-05-26 Frito-Lay North America, Inc. Inorganic nanocoating primed organic film
US9777365B2 (en) 2011-11-29 2017-10-03 Itn Energy Systems, Inc. Multi-zone modular coater
US9267011B2 (en) 2012-03-20 2016-02-23 Frito-Lay North America, Inc. Composition and method for making a cavitated bio-based film
US9162421B2 (en) 2012-04-25 2015-10-20 Frito-Lay North America, Inc. Film with compostable heat seal layer
AU2013278072B2 (en) 2012-06-23 2016-03-17 Frito-Lay North America, Inc. Deposition of ultra-thin inorganic oxide coatings on packaging
FI125341B (en) * 2012-07-09 2015-08-31 Beneq Oy Apparatus and method for treating substrate
US9149980B2 (en) 2012-08-02 2015-10-06 Frito-Lay North America, Inc. Ultrasonic sealing of packages
US9090021B2 (en) 2012-08-02 2015-07-28 Frito-Lay North America, Inc. Ultrasonic sealing of packages
JP2014072175A (ja) * 2012-10-02 2014-04-21 Konica Minolta Inc 有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法
KR102400483B1 (ko) * 2015-10-02 2022-05-23 삼성디스플레이 주식회사 유기 발광 디스플레이 장치용 제조 장치와, 이를 이용한 유기 발광 디스플레이 장치의 제조 방법
JP6874636B2 (ja) * 2017-10-16 2021-05-19 トヨタ自動車株式会社 多層塗工装置
JP7153343B2 (ja) * 2019-04-25 2022-10-14 株式会社Sijテクノロジ 液滴吐出装置および液滴吐出方法
JP7351501B2 (ja) * 2019-04-25 2023-09-27 株式会社Sijテクノロジ 液滴吐出装置および液滴吐出方法

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000157912A (ja) * 1998-11-26 2000-06-13 Konica Corp マット化表面を有する塗膜の塗布乾燥方法及び塗布乾燥装置
JP2000185254A (ja) * 1998-10-15 2000-07-04 Toppan Printing Co Ltd 多層塗布装置
JP2001276718A (ja) * 2000-03-31 2001-10-09 Dainippon Printing Co Ltd 電界ジェット法を用いる多層コーティング方法
JP2004014172A (ja) * 2002-06-04 2004-01-15 Konica Minolta Holdings Inc 有機エレクトロルミネッセンス素子及びその製造方法と用途
JP2004160274A (ja) * 2002-11-08 2004-06-10 Toray Ind Inc 塗膜の形成方法、塗膜の形成装置および積層膜付きシート状物の製造方法
JP2004351413A (ja) * 2003-05-01 2004-12-16 Nordson Corp 液体の塗布及び乾燥方法
WO2007004627A1 (ja) * 2005-07-05 2007-01-11 Konica Minolta Holdings, Inc. パターニング装置、有機エレクトロルミネッセンス素子とその製造方法及び有機エレクトロルミネッセンス表示装置

Family Cites Families (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6534114B2 (en) * 2001-02-28 2003-03-18 Eastman Kodak Company Coating method for modifying adhesion of thin films to substrates
US7510741B2 (en) * 2004-06-01 2009-03-31 3M Innovative Properties Company Method of making multilayer cholesteric liquid crystal optical bodies
US20060060135A1 (en) * 2004-09-17 2006-03-23 Eastman Kodak Company Apparatus for forming discontinuous stripe coatings
JP5157440B2 (ja) * 2005-03-18 2013-03-06 コニカミノルタホールディングス株式会社 有機el素子の製造方法
US8080277B2 (en) * 2005-03-18 2011-12-20 Konica Minolta Holdings, Inc. Method of forming organic compound layer, method of manufacturing organic EL element and organic EL element
JP5364964B2 (ja) * 2005-04-22 2013-12-11 コニカミノルタ株式会社 塗膜乾燥方法
JP2007001231A (ja) * 2005-06-27 2007-01-11 Konica Minolta Medical & Graphic Inc 平版印刷用原版の製造方法
JP2007175926A (ja) * 2005-12-27 2007-07-12 Konica Minolta Photo Imaging Inc インクジェット記録用紙の製造方法及び該インクジェット記録用紙の製造方法を用いて製造されたインクジェット記録用紙
JP4960633B2 (ja) * 2006-01-24 2012-06-27 三菱製紙株式会社 多層塗布方法
JP2007260558A (ja) * 2006-03-28 2007-10-11 Mitsubishi Paper Mills Ltd グラビア塗布方法

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000185254A (ja) * 1998-10-15 2000-07-04 Toppan Printing Co Ltd 多層塗布装置
JP2000157912A (ja) * 1998-11-26 2000-06-13 Konica Corp マット化表面を有する塗膜の塗布乾燥方法及び塗布乾燥装置
JP2001276718A (ja) * 2000-03-31 2001-10-09 Dainippon Printing Co Ltd 電界ジェット法を用いる多層コーティング方法
JP2004014172A (ja) * 2002-06-04 2004-01-15 Konica Minolta Holdings Inc 有機エレクトロルミネッセンス素子及びその製造方法と用途
JP2004160274A (ja) * 2002-11-08 2004-06-10 Toray Ind Inc 塗膜の形成方法、塗膜の形成装置および積層膜付きシート状物の製造方法
JP2004351413A (ja) * 2003-05-01 2004-12-16 Nordson Corp 液体の塗布及び乾燥方法
WO2007004627A1 (ja) * 2005-07-05 2007-01-11 Konica Minolta Holdings, Inc. パターニング装置、有機エレクトロルミネッセンス素子とその製造方法及び有機エレクトロルミネッセンス表示装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20190110035A (ko) * 2018-03-19 2019-09-27 닛토덴코 가부시키가이샤 도공 장치 및 도공막의 제조 방법

Also Published As

Publication number Publication date
JPWO2009057464A1 (ja) 2011-03-10
WO2009057464A1 (ja) 2009-05-07
US20100209614A1 (en) 2010-08-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5549226B2 (ja) 塗布方法及び塗布装置
JP6153510B2 (ja) 有機電子素子および有機電子素子の製造方法
JPWO2007004627A1 (ja) パターニング装置、有機エレクトロルミネッセンス素子とその製造方法及び有機エレクトロルミネッセンス表示装置
JP5055711B2 (ja) 有機el素子の製造方法、有機el素子
JP5494648B2 (ja) 有機エレクトロニクス素子及びその製造方法
WO2006100889A1 (ja) 有機el層の形成方法
JP6757563B2 (ja) Oledの作製方法
WO2012039218A1 (ja) 塗布方法、有機エレクトロニクス素子の製造方法
JP2006302637A (ja) 有機エレクトロルミネッセンス素子、表示装置及び照明装置
JP4941297B2 (ja) 有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法
JP2006302636A (ja) 有機エレクトロルミネッセンス素子、有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法、表示装置および照明装置
JP2010062012A (ja) 有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法および有機エレクトロルミネッセンス素子
WO2017056682A1 (ja) 有機エレクトロルミネッセンスパネル
JP2007005177A (ja) 有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法、有機エレクトロルミネッセンス表示装置
JP5092756B2 (ja) 有機エレクトロルミネッセンスパネルの製造方法、有機エレクトロルミネッセンス照明装置および有機エレクトロルミネッセンスパネルの製造装置
JP5546088B2 (ja) 有機エレクトロルミネッセンス素子
US10862074B2 (en) Manufacturing flexible organic electronic devices
JP5862439B2 (ja) 有機半導体素子及びその製造方法
JP5772826B2 (ja) 有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法
US7714505B2 (en) Electroluminescence element
JP2009129567A (ja) 有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法および有機エレクトロルミネッセンス素子
JP2006294485A (ja) 有機エレクトロルミネッセンス素子、その製造方法及び表示装置
JP4259106B2 (ja) 有機エレクトロルミネッセンス素子用透明導電性基板、これを用いた有機エレクトロルミネッセンス素子および有機エレクトロルミネッセンス表示装置
JP2012084534A (ja) 有機エレクトロルミネッセンス素子及びその製造方法
JP2004192822A (ja) 有機エレクトロルミネッセンス素子およびその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110418

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20110818

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130625

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130826

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20131217

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140213

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140422

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140505

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5549226

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees