JP2007005177A - 有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法、有機エレクトロルミネッセンス表示装置 - Google Patents

有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法、有機エレクトロルミネッセンス表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 薄膜層を確実に比較的簡単に歩留まりよく形成出来、微細パターニングを可能にするパターン形成方法により基板上にパターン化し形成された複数の画素電極上に少なくとも1層の発光層を含む有機化合物層と第2電極とを有する有機EL素子の製造方法、及び有機エレクトロルミネッセンス表示装置の提供。
【解決手段】 帯状支持体上にパターン化し形成された複数の画素電極上に少なくとも1層の発光層を含む有機化合物層と第2電極とを有する有機EL素子の製造方法において、有機化合物層形成工程は転写手段を有し、前記転写手段は、感光体ドラムと、帯電装置と、静電潜像形成装置と、静電潜像パターンに応じて塗布液を吐出し、顕像パターンを形成する静電吸引ノズル吐出装置とを有し、前記顕像パターンを前記画素電極上に連続的に転写し、有機化合物層を形成することを特徴とする有機EL素子の製造方法。
【選択図】 図1

Description

本発明は、微細パターンの形成方法と、この方法を用い、有機半導体膜を用いたディスプレイ、表示光源などに用いられる電気的発光素子である有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、有機EL素子とも言う)の製造方法、及び有機EL素子を使用した表示装置に関する。
近年液晶ディスプレイに替わる自発発光型ディスプレイとして有機物を用いた発光素子の開発が加速している。有機物を用いた有機EL素子としては、Appl.Phys.Lett.51(12)、21 September 1987の913頁から示されているように低分子を蒸着法で成膜する方法と、Appl.Phys.Lett.71(1)、7 July 1997の34頁から示されているように高分子を塗布する方法が主に報告されている。
有機EL素子の画素の駆動方式として、線順次駆動のパッシブ方式とTFT(Thin Film Transistor)駆動のアクティブ方式とがありアクティブ方式が主流になりつつあると言われている。パッシブ方式の場合は、ガラス基板上にストライプ状に形成されたITO(Indiium Tin Oxide)電極(陽極)に直交させてストライプ状に形成された金属陰極に直流電圧を印加してマトリクス状に画素を発光させて表示するものである。
アクティブ方式の場合、格子状に配列されたTFTに合わせて形成されたマトリクス状の画素をTFTの駆動により発光させて表示するものである。このため、アクティブ方式の場合は格子状に配列されたTFTに合わせて発光材料をパターニングして形成する技術が必要になってくる。
アクティブ方式に低分子系材料を使用する場合、必要とするパターンに合わせたマスクを使用し、マスク越しに異なる発光材料を所望の画素上に蒸着し形成する方法が行われている。一方、高分子系材料を使用する場合、微細且つ容易にパターニングが出来ることから印刷法やインクジェット法を用いたカラー化が注目されている。
印刷法としては、凸版、凹版、平版、孔版といった各種印刷方式が挙げることが出来る。有機EL素子の形成としては、森、応用物理学会欧文誌レター、第39巻、942頁、2000年、Nuesch、Applied Phisics letter、第75巻、1799頁、1999年、甲斐ら,第18回応用物理学関係連合講演会、29p−ZN−11、2001年等にスクリーン印刷法、スタンプ法、マイクログラビア印刷法などで作製されたものが紹介されている。
又、インクジェット法としては、圧電素子の振動によりインク流路を変形させることによりインク滴を吐出させるピエゾ方式、インク流路内に発熱体を設け、その発熱体を発熱させて気泡を発生させ、気泡によるインク流路内の圧力変化に応じてインク滴を吐出させるサーマル方式、インク流路内のインクを帯電させてインクの静電吸引力によりインク滴を吐出させる静電吸引方式などが利用されている。この様なインクジェット法による有機EL素子の形成としては以下の公知例が知られている。特開平7−235378号、特開平10−12377号、特開平10−153967号、特開平11−40358号、特開平11−54270号、特開平11−339957号等に記載されている方法が知られている。
印刷法やインクジェット法によるパターニングの有機ELへの適用は、効率的でありコストダウンに繋がるため大きな期待がされる反面、高精細なパターンを形成する場合に位置精度の面で問題が生じる場合や、液滴の膜厚ムラに起因する発光ムラが問題として生じる場合があり、この様な技術課題に対して以下のような改善策が印刷法、インクジェット法について各々提案されている。
印刷法に関しては、例えば、濡れ性を変化させることが可能な濡れ性可変層の表面に所定のパターンで形成された親水性領域を有する印刷版を用い、親水性領域に有機EL層を形成するための有機EL層形成用塗工液を付着させ、付着した有機EL層形成用塗工液を基材上に印刷することにより高精細なパターンでも不具合なく効率的に基材上に有機EL層をパターン状に形成する方法が知られている(例えば、特許文献1を参照。)。
特許文献1に記載の技術によると、基材上に所望とする膜を得るために、所定のパターンで形成された親水性領域への印刷版への有機EL層形成用塗工液の付着、印刷版から基材上への印刷といった2工程を必要とし、且つ、この2工程では何れも位置精度が確保されることが必要条件となるため、製造工程の煩雑さから歩留まりの低下が懸念される。又、印刷版を必要とするといった欠点もある。
インクジェット法に関しては、例えば、インクジェット法により、特性の異なる薄膜を同一基板上にパターニング成膜する場合、インクジェット法の吐出精度をカバーするために基材上にパターン化された設けたバンクを越えて吐出された液体が流れでないようにするため、バンクを吐出された液体にたいして非親和性となるように処理することで薄膜層を確実に高精度に比較的簡単に歩留まりよく形成出来、高精細な微細パターニングを可能にする方法が知られている(例えば、特許文献2を参照。)。
特許文献2に記載の技術によると、バンク形成のためにフォトリソグラフィー法が依然必要であり、製造工程が煩雑になりがちで歩留まりの低下が懸念される。又、インクジェット法によるダイレクトパターニングのメリットを十分に活かしているとは言えない。
又、トランジスタ及びダイオードなどの電子装置の少なくとも1つの構成要素に対応するインクパターンを転写部材の表面にインクジェットヘッドから複数のインク液滴を分配し形成した後、転写部材から基板にインクパターンを転写する方法が知られている(例えば、特許文献3を参照。)。
特許文献3に記載の技術によると、転写部材の表面にインクパターンを形成する時に、インクパターンの精度はインクジェットヘッドからの吐出精度に依存するようになるのであるが、従来のインクジェット法の吐出精度の課題に対しては対応が不十分となっているため、転写部材から基板にインクパターンを転写した時の歩留まり低下の問題がある。
上記のように、これらの特許文献1〜特許文献3に記載の技術は、成膜方式の位置精度改善、工程簡略化による生産性改善、膜厚均一性の精度向上、といった従来の印刷法やインクジェット法の抱える課題をすべて解決出来るものではなかった。更に、インクジェット法の問題としては、以下の問題が知られている。
(1)ノズル径が大きいため、ノズルから吐出される微小液滴の形状が安定しない。
(2)ノズルから吐出した液滴に付与される運動エネルギーは、液滴半径の3乗に比例して小さくなる。このため、微小液滴は空気抵抗に耐えるほどの十分な運動エネルギーを確保出来ず、空気対流などによる擾乱を受け、正確な着弾が期待出来ない。更に、液滴が微細になるほど、表面張力の効果が増すために、液滴の蒸気圧が高くなり蒸発量が激しくなる。このため微細液滴は、飛翔中の著しい質量の消失を招き、着弾時に液滴の形態を保つことすら難しいという事情があった。以上のように液滴の微細化と高精度化は、相反する課題であり、両方を同時に実現することは困難であった。この着弾位置精度の悪さは、印字画質を低下させるのみならず、例えばインクジェット技術により導電性インクを用いて回路の配線パターンを描画する際などには特に大きな問題となる。すなわち、位置精度の悪さは所望の太さの配線が描画出来ないばかりか、断線やショートを生ずることさえあり得る。
(3)従来のインクジェット装置では、吐出液滴の投影面積よりもはるかに広い面積のメニスカス領域に強い電界強度のフィールドを形成することにより、メニスカスの中心に電荷を集中させ、集中した電荷と形成している電界強度からなる静電力により吐出を行うため、2000[V]に近い非常に高い電圧を印加する必要があり、駆動制御が難しいと共に、インクジェット装置を操作する上での安全性の面からも問題があった。
(4)従来のインクジェット装置では、吐出液滴の投影面積よりもはるかに広い面積のメニスカス領域に強い電界強度のフィールドを形成することにより、メニスカスの中心に電荷を集中させ、集中した電荷と形成している電界強度からなる静電力により吐出を行うため、メニスカス部の中心に電荷が移動するための電荷の移動時間が吐出応答性に影響し、印字速度の向上において問題となっていた。
この様な状況から、薄膜層を確実に形成出来、微細パターニングを可能にするパターン形成方法を用いて基板上にパターン化し形成された複数の画素電極上に少なくとも1層の発光層を含む有機化合物層と第2電極とを有する有機EL素子の製造方法、及びこの製造方法により製造された有機EL素子を使用した有機エレクトロルミネッセンス表示装置の開発が望まれていた。
特開2003−59655号公報 特開2002−334782号公報 特表2002−540591号公報
本発明は、上記状況に鑑みなされたものであり、その目的は、薄膜層を確実に形成出来、微細パターニングを可能にするパターン形成方法により、基板上にパターン化し形成された複数の画素電極上に少なくとも1層の発光層を含む有機化合物層と第2電極とを有する有機EL素子の製造方法、及びこの製造方法により製造された有機EL素子を使用した有機エレクトロルミネッセンス表示装置を提供することである。
本発明の上記目的は、下記の構成により達成された。
(請求項1)
帯状支持体上にパターン化し形成された複数の画素電極上に少なくとも1層の発光層を含む有機化合物層と第2電極とを有する有機エレクトロルミネッセンス素子を、帯状支持体供給工程と画素電極形成工程と、有機化合物層形成工程と、第2電極形成工程と、回収工程とを有する製造装置により製造する有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法において、
前記有機化合物層形成工程は転写手段を有し、
前記転写手段は、表面に感光性受容層を有する感光体ドラムと、
前記感光体ドラムの潜像形成領域に帯電を行う帯電装置と、
前記感光体ドラムの潜像形成領域に静電潜像パターンを形成する静電潜像形成装置と、
前記静電潜像パターンに応じて前記有機化合物層を形成する塗布液を吐出し、顕像パターンを形成する静電吸引ノズル吐出装置とを有し、
前記顕像パターンを前記画素電極上に連続的に転写し、有機化合物層を形成した後、乾燥・熱処理を行うことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
(請求項2)
前記静電潜像パターンは、帯電装置により静電吸引ノズル吐出装置の液滴吐出ノズルの液滴吐出を可能とする閾値電圧Vcに対して、
感光体ドラムの潜像形成領域の表面電圧V1と、
該液滴吐出ノズルの先端電圧V2との差|V1−V2|が、
式1)を満たすように、該潜像形成領域を帯電した後、
静電潜像形成装置により形成されることを特徴とする請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
式1) |V1−V2|>|Vc|
(請求項3)
前記液滴吐出ノズルの吐出口径が、3〜20μmであることを特徴とする請求項1又は2に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
(請求項4)
前記帯状支持体は、顕像パターンを転写する前に、帯電除去処理が施されていることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
(請求項5)
前記帯状支持体は、該帯状支持体を巻き芯に巻き取りロール状としたロール状帯状支持体を帯状支持体供給工程から該帯状支持体として送り出し、回収工程で該帯状支持体を巻き芯に巻き取りロール状とし回収することを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
(請求項6)
前記発光層の発光機構がリン光に基づくものであることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
(請求項7)
請求項1〜6の何れか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法により製造された有機エレクトロルミネッセンス素子を使用したことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス表示装置。
薄膜層を確実に形成出来、微細パターニングを可能にするパターン形成方法により、基板上にパターン化し形成された複数の画素電極上に少なくとも1層の発光層を含む有機化合物層と第2電極とを有する有機EL素子の製造方法、及びこの製造方法により製造された有機EL素子を使用した有機エレクトロルミネッセンス表示装置を提供することが出来、有機EL素子の生産効率の向上が可能となった。
本発明の実施の形態を図1〜図8を参照して説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
図1は帯状支持体上にパターン化され形成された有機EL素子の模式図である。図1の(a)はアクティブ方式の有機EL素子の部分模式図である。図1の(b)は図1の(a)のA−A′に沿った概略断面図である。
図中、1は有機EL素子を示す。有機EL素子は、帯状支持体101上にパターン化され設けられたTFT102aとITO電極(陽極)102bとを有する画素電極102と、正孔輸送層103aと、発光層103bと、電子輸送層(不図示)とを有する有機化合物層103と、第1絶縁層104と第2絶縁層105と陰極層106とを有している。
本発明は、本図に示される様に、帯状支持体上にパターン化された像を連続的に形成するパターン形成方法と、この方法により、帯状支持体上101上にパターン化され設けられた画素電極102上に有機化合物層103を形成することにより有機EL素子を製造する有機EL素子の製造方法、及びこの有機EL素子の製造方法により作製された有機EL素子を使用した有機EL装置に関するものである。
本図に示す有機EL素子の層構成は一例を示したものであるが、他の代表的な有機EL素子の層構成としては次の構成が挙げられる。
(1)基材/陽極/発光層/電子輸送層/陰極/封止層
(2)基材/陽極/正孔輸送層/発光層/正孔阻止層/電子輸送層/陰極/封止層
(3)基材/陽極/正孔輸送層/発光層/正孔阻止層/電子輸送層/陰極バッファー層(電子注入層)/陰極/封止層
(4)基材/陽極/陽極バッファー層(正孔注入層)/正孔輸送層/発光層/正孔阻止層/電子輸送層/陰極バッファー層(電子注入層)/陰極/封止層
有機EL素子を構成している各層については後に説明する。
図2は有機EL素子を作製する製造装置の一例を示す模式図である。図2の(a)は有機EL素子を作製する工程の一例を示す模式図である。図2の(b)は図2の(a)のGで示される部分の拡大模式図である。尚、本図で示す製造装置の説明は、有機EL素子の一例として、帯状可撓性支持体上にガスバリア層、第1電極、正孔輸送層、発光層、電子注入層、第2電極、封止層の順番に形成されている照明用(面発光)有機EL素子の場合について行う。本図では、帯状可撓性支持体上にガスバリア層、第1電極が既に形成されたものを使用するため、第1電極形成工程は省略してある。
図中、2は有機EL素子の製造装置を示す。製造装置2は、帯状支持体の供給工程3と、正孔輸送層を形成する正孔輸送層形成工程4と、発光層を形成する発光層形成工程5と、電子注入層を形成する電子注入層形成工程6と、第2電極を形成する第2電極形成工程7と、封止層を形成する封止層形成工程8と、回収工程9とを有している。本図で示される製造装置は、供給工程3〜発光層形成工程5迄を連続して大気圧条件下で行い、一旦巻き取った後、電子注入層形成工程6〜回収工程9迄を連続して減圧条件下で行う場合を示している。
供給工程3は、繰り出し部301と表面処理部302とを有している。繰り出し部301では、ガスバリア膜と第1電極を含む陽極層とがこの順番で既に形成された帯状支持体301a(以下、帯状支持体Aとする)が巻き芯に巻き取られロール状態で供給される様になっている。301a1は帯状支持体301aの元巻きロールを示す。表面処理部302は洗浄表面改質処理装置302aと、第1帯電防止手段302bとを有している。洗浄表面改質処理装置302aは、正孔輸送層形成用塗布液を塗布する前に供給工程301から送られてきた帯状支持体Aの第1電極(不図示)表面を洗浄改質するため、例えば、低圧水銀ランプ、エキシマランプ、プラズマ洗浄装置等を使用することが好ましい。低圧水銀ランプによる洗浄表面改質処理の条件としては、例えば、波長184.2nmの低圧水銀ランプを、照射強度5〜20mW/cm2で、距離5〜15mmで照射し洗浄表面改質処理を行う条件が挙げられる。プラズマ洗浄装置による洗浄表面改質処理の条件としては、例えば、大気圧プラズマが好適に使用される。洗浄条件としてはアルゴンガスに酸素1〜5体積%含有ガスを用い、周波数100KHz〜150MHz、電圧10V〜10KV、照射距離5〜20mmで洗浄表面改質処理を行う条件が挙げられる。
第1帯電防止手段302bは、非接触式除電防止装置302b1と接触式除電防止装置302b2とを有している。非接触式除電防止装置302b1としては例えば、非接触式のイオナイザーが挙げられイオナイザーの種類については特に制限はなく、イオン発生方式はAC方式、DC方式どちらでも構わない。ACタイプ、ダブルDCタイプ、パルスACタイプ、軟X線タイプが用いることが出来るが、特に精密除電の観点から、ACタイプが好ましい。ACタイプの使用の際に必要となる噴射気体については、空気かN2が用いられるが、十分に純度が高められたN2で行うことが好ましい。又、インラインで行う観点より、ブロワータイプもしくはガンタイプより選ばれる。
接触式除電防止装置302b2としては、除電ロール又はアース接続した導電性ブラシを用いて行われる。除電器としての除電ロールは、接地されており、除電された表面に回転自在に接触して表面電荷を除去する。この様な除電ロールとしては、アルミニウム、銅、ニッケル、ステンレス等の金属製ロールの他に、カーボンブラック、金属粉、金属繊維等の導電性材料を混合した弾性のあるプラスチックやゴム製のロールが使用される。特に、帯状可撓性連続シートとの接触をよくするため、弾性のあるものが好ましい。アース接続した導電性ブラシとは、一般には、線状に配列した導電性繊維からなるブラシ部材や線状金属製のブラシを有する除電バー又は除電糸構造のものを挙げることが出来る。除電バーについては、特に限定はないが、コロナ放電式のものが好ましく用いられ、例えば、キーエンス社製のSJ−Bが用いられる。除電糸についても、特に限定はないが、通常フレキシブルな糸状のものが好ましく用いることが出来る。
非接触式帯電防止装置302b1は帯状可撓性支持体Aの第1電極面側に使用し、接触式帯電防止装置302b2は帯状可撓性支持体Aの裏面側に使用することが好ましい。第1帯電防止手段により基材の帯電除去が図られ、ゴミの付着や絶縁破壊が防止されるため、素子の歩留まりの向上が図られる。
正孔輸送層形成工程4は、転写手段である第1転写装置401aと、第1転写装置401aにより帯状可撓性支持体A上の第1電極a(図3を参照)上に転写され、形成された正孔輸送層bの溶媒を除去する第1乾燥装置401bと、溶媒が除去された正孔輸送層bを加熱処理する第1加熱処理装置401cと、第2帯電防止手段401dとを有している。
第2帯電防止手段401dは、非接触式帯電防止装置401d1と接触式帯電防止装置401d2とを有している。非接触式帯電防止装置401d1は正孔輸送層側に使用し、接触式帯電防止装置401d2は帯状可撓性支持体の裏面側に使用することが好ましい。第2帯電防止手段により、正孔輸送層面及び帯状可撓性支持体の裏面の帯電除去が図られ、ゴミの付着や絶縁破壊が防止されるため、素子の歩留まりの向上が図られる。第2帯電防止手段401dに使用される非接触式帯電防止装置401d1と接触式帯電防止装置401d2は第1帯電防止手段302bに使用した非接触式帯電防止装置302b1、接触式帯電防止装置302b2と同じものが好ましい。
第1乾燥装置401bは、乾燥風の供給口401b1、排気口401b2と、搬送用ロール401b3とを有している。第1加熱処理装置401cは装置本体401c1と、正孔輸送層aが形成された帯状可撓性支持体の裏面側から正孔輸送層bを裏面伝熱方式で加熱する複数の加熱ローラ401c2とを有している。
発光層形成工程5は、転写手段である第2転写装置501aと、第2転写装置501aにより帯状可撓性支持体A上の正孔輸送層b上に転写され、形成された発光層cの溶媒を除去する第2乾燥装置501bと、溶媒が除去された発光層cを加熱処理する第2加熱処理装置501cと、第3帯電防止手段501dと、第1巻き取り部501eとを有している。
第2転写装置501aは第1転写装置401aと同じ型式のものが好ましい。第2転写装置501a(第1転写装置401a)に関しては図3で詳細に説明する。第2乾燥装置501bは第1乾燥装置401cと同じ構造をしている。第2加熱処理装置501cは第1加熱処理装置401cと同じ構造をしており、正孔輸送層b上に形成された、発光層cを帯状可撓性支持体の裏面側から裏面伝熱方式で加熱する様になっている。
第3帯電防止手段501dは、非接触式帯電防止装置501d1と接触式帯電防止装置501d2とを有している。非接触式帯電防止装置501d1は発光層側に使用し、接触式帯電防止装置501d2は帯状可撓性支持体の裏面側に使用することが好ましい。第3帯電防止手段501dにより、発光層面及び帯状可撓性支持体の裏面の帯電除去が図られ、第1巻き取り部501fで巻き取る時、ゴミの付着等による故障が防止されるため素子の歩留まりの向上が図られる。第3帯電防止手段501dに使用される非接触式帯電防止装置501d1と接触式帯電防止装置501d2は第1帯電防止手段302bに使用した非接触式帯電防止装置302b1、接触式帯電防止装置302b2と同じものが好ましい。
本図に示される正孔輸送層形成工程4は、第1転写装置、第1乾燥装置、第1加熱処理装置がそれぞれ1台の場合を示しているが、必要に応じて増加することが可能となっている。又、発光層形成工程5も、第2転写装置、第2乾燥装置、第2加熱処理装置がそれぞれ1台の場合を示しているが、必要に応じて増加することが可能となっている。
第1巻き取り部501eでは発光層cが形成された帯状支持体を、発光層cを内側にして巻き芯に巻き取りロール状としたロール状帯状支持体501f(以下、ロール状帯状支持体Bとする)とする。
電子注入層形成工程6は、供給部601と、電子注入層形成部602とを有している。供給部601では、前工程で作製されたロール状帯状支持体Bが繰り出され電子注入層形成部602へ供給される。電子注入層形成部602では、発光層c上に電子注入層dが形成される。602aは蒸着装置を示し、602bは蒸発源容器を示す。電子注入層dが形成された帯状可撓性支持体は、引き続き、第2電極形成工程7へ送られる。
第2電極形成工程7は、第2電極形成部701で電子注入層形成部602で形成された電子注入層d上に第2電極eが形成される。701aは蒸着装置を示し、701bは蒸発源容器を示す。第2電極eが形成された帯状可撓性支持体は、引き続き、封止層形成工程8に送られる。
封止層形成工程8は、第2電極形成工程7で形成された第2電極eの端部を除いて第2電極e上に封止層形成装置801aに封止層fが形成された帯状可撓性支持体C(照明用(面発光)有機EL素子)が作製される。封止層形成工程8は、封止層形成装置801aと、第4帯電防止手段801bとを有している。第4帯電防止手段801bは、非接触式帯電防止装置801b1と接触式帯電防止装置801b2とを有している。非接触式帯電防止装置801b1は封止層f側に使用し、接触式帯電防止装置801b2は帯状可撓性支持体の裏面側に使用することが好ましい。第4帯電防止手段801bにより、封止層面及び帯状可撓性支持体の裏面の帯電除去が図られ、回収部10で巻き取る時、ゴミの付着等による故障が防止されるため素子の歩留まりの向上が図られる。第4帯電防止手段801bに使用される非接触式帯電防止装置801b1と接触式帯電防止装置801b2は第1帯電防止手段302bに使用した非接触式帯電防止装置302b1、接触式帯電防止装置302b2と同じものが好ましい。
回収工程9は、巻き取り部9aを有している。巻き取り部9aでは帯状可撓性支持体C(照明用(面発光)有機EL素子)を巻き取る際、封止層f側を内側にして巻き取ること好ましい。901は巻き芯に巻き取られロール状として回収されたロール状帯状支持体C(照明用(面発光)有機EL素子)は、性能維持、ダークスポット(未発光部分)等を考慮し、酸素濃度1〜100ppm、水分濃度1〜100ppmの環境下に保管することが好ましい。
本図では、電子注入層形成工程6、第2電極形成工程7、が蒸着装置の場合を示したが、電子注入層及び第2電極の形成方法については、特に限定はなく、例えばスパッタリング法、反応性スパッタリング法、分子線エピタキシー法、クラスタ−イオンビーム法、イオンプレーティング法、プラズマ重合法、大気圧プラズマ重合法、プラズマCVD法、レーザCVD法、熱CVD法、コーティング法などを用いることが出来る。又、本図に示す封止層の代わりに、封止フィルムを貼着する方式であってもかまわない。但し、この場合は封止フィルムの供給部と、貼着部と、回収部とは大気圧条件下で連続的に行われる様にすることが好ましい。
図3は図2のSで示される部分の拡大概略図である。第1転写装置と第2転写装置とは同じ構成・構造をしているので本図は第1転写装置を使用し説明する。
第1転写装置401aは、転写用ドラム10と、転写用ドラム10の表面に設けられた感光層10aの表面に付着している異物を除去する異物除去装置11と、感光層10aの全面に一様の電荷を付与する主帯電用コロナチャージャー12と、帯電された感光層10aの表面に潜像を書き込む露光用光学装置13と、感光層10aの表面に形成された静電潜像パターン(不図示)を顕像する静電吸引ノズル吐出装置14と、感光層10aの表面に形成された静電顕像パターンを、帯状支持体301a上にパターン化されて形成されている第1電極a上に転写させるコロナ転写方式の転写チャージャー15と、転写チャージャー15の両側に配設され、帯状支持体301aを保持する保持ロール16とを有している。
感光層10aは転写用ドラム10の芯である金属の周面上に形成された電荷発生層(不図示)と電荷受容層(不図示)とを有している。電荷発生層(不図示)としては、アクリル系樹脂とフタロシアニン顔料等を有し、電荷受容層(不図示)としては、ポリカーボネート樹脂とアミン化合物等を有している。
異物除去装置11は、感光層10aの表面に付着している異物を除去するための手段として、感光層10aの表面に損傷を与えない手段であれば、接触式でも、非接触式でも限定はない。例えば、接触式では、感光層10aの表面に損傷を与えない剛性を有する回転ブラシ(不図示)が挙げられ。この場合、回転ブラシ(不図示)により除去された異物が飛散しないように吸引装置(不図示)を併用することが好ましい。非接触式の場合は、気体を感光層10aの表面(電荷受容層)に吹き付ける方式が挙げられる。この場合、吹き付けた気体により除去された異物が飛散しないように吸引装置(不図示)を併用することが好ましい。
静電潜像パターン(不図示)は、主帯電用コロナチャージャー12(帯電装置)により静電吸引ノズル吐出装置14の液滴吐出ノズル(吐出電極14b5、図6を参照)の液滴吐出を可能とする閾値電圧Vcに対して、転写用ドラム10の感光層10aの表面(潜像形成領域の表面)電圧V1と、液滴吐出ノズル(吐出電極14b5、図6を参照)の先端電圧V2との差|V1−V2|が、式1)を満たすように、感光層10aの表面(潜像形成領域)を帯電した後、露光用光学装置13(静電潜像形成装置)により形成されていること好ましい。
式1) |V1−V2|>|Vc|
式1)に示す関係を満たすように感光層表面電圧を調整することで、液滴吐出ノズルにメニスカス形成するためのバイアス電圧を印加しておくだけで、感光層表面の電圧の大小パターンに応じて選択吐出が可能になり、従来必要であったパルス電圧による吐出制御スイッチングを不要とすることが出来るため好ましい。
露光用光学装置13は、光源として、レーザ光用光源等を使用することが可能である。転写用ドラム10の回転(図中の矢印方向)速度(周速度)と帯状支持体301aの搬送速度とは同じになるように制御されている。感光性受容層の表面と、帯状支持体301a上の第1電極aとの間隙(エアーギャップ)は、転写効率、転写品質等を考慮し、電荷を掛けた時、帯状支持体301aが感光層10aの表面(電荷受容層)に付着する距離であることが好ましい。静電吸引ノズル吐出装置14は転写用ドラム10の回転方向に対して直交する方向に配置されており、静電吸引ノズル吐出装置14に関しては図6〜図8で詳細に説明する。
転写チャージャー15は、電極15aと、電源トランス15bと、バックブレート15cとを有している。感光層10aの表面に形成された顕像パターンを、帯状支持体301a上にパターン化されて形成されている第1電極a上に転写させる方法は、特に限定はなく、例えばローラ転写方式、コロナ転写方式等が挙げられる。本図はコロナ転写方式の場合を示している。
本図に示される第1転写装置を使用し、感光層10aの表面(電荷受容層)にパターン形成された顕像パターンを帯状支持体301a上の第1電極a上への転写を段階的に説明する。
S1では、除去装置11により感光層10aの表面(電荷受容層)に付着している異物が除去される。
S2では、感光層10aの表面が帯電用コロナチャージャー12により、+に帯電される。この時、感光層10aの表面電位は、絶対値で500〜1000V、好ましくは600〜900Vの範囲に設定することが好ましい。
S3では、帯状支持体301a上にパターン化されて形成されている第1電極aのパターンに合わせたネガ画像が露光用光学装置13によりパターンが照射される。感光層10aでは、光が照射された部分の電位は、0V〜±200Vになり、光が照射されなかった部分(バックグラウンド)の電位は主帯電電位からの暗減衰電位に保持され、感光層10a上に第1電極aのパターンに合わせたネガ潜像が形成される。
S4では、感光層10aの表面(電荷受容層)上に形成された、第1電極aのパターンに合わせたネガ潜像に対して静電吸引ノズル吐出装置14により正孔輸送層用塗布液を間欠的に吐出し塗布が行われる。これで第1電極aのパターンに合わせたネカ潜像がポジ顕像になり、感光層10aの表面(電荷受容層)上に第1電極aのパターンに合わせたポシ顕像(第1正孔輸送層用塗膜)が形成された状態となる。
S5では、転写チャージャー15の電極に、感光層10aの+帯電荷電と反対の−放電が行われる。
S6では、転写用ドラム10が回転し、帯状支持体301aが搬送され、転写チャージャー15の電極上に来た時、電荷差により感光層10a上に形成されているポジ顕像(第1正孔輸送層用塗膜)は帯状支持体301a上にパターン形成されている第1電極a上に転写され、第2正孔輸送層用塗膜が形成される。転写された第2正孔輸送層用塗膜は第1乾燥装置401c(図2を参照)で溶媒が除去され、第1加熱処理装置401c(図2を参照)で加熱処理され正孔輸送層が形成される。正孔輸送層の上への発光層の形成も、S1〜S6と同じ段階を経て行うことが可能となっている。
図4は、図3の上側平面図である。
図中、a1はITO電極(陽極)を示し、a2はTFTを示す。ITO電極(陽極)a1とTFTa2とが1組で第1電極aを形成しており、第1転写装置401aには、帯状支持体301a上にパターン形成された状態で供給される。本図では、第1電極aは横6列で帯状支持体301aの搬送方向(図中の矢印方向)に一定間隔を持って連続的に形成されたパターンとなっている。第1転写装置401aの静電吸引ノズル吐出装置14は帯状支持体301a上に形成された横6列の第1電極aに正孔輸送層用塗布液を吐出する6本のノズルを有していることが塗布速度を上げることから好ましい。他の符号は図3と同義である。
図5は図3のTで示される部分の概略拡大図である。
図中、14aは静電吸引ノズル吐出装置14の筐体を示す。筐体14aの内部には、次の静電吸引ノズル吐出装置14の構成部材が収納されている。1)低誘電体材料(アクリル樹脂、セラミックス等)で形成されたライン型記録ヘッド14b(図6を参照)、2)塗布液の液滴を引くためのパルス電圧を、ライン型記録ヘッド14b(図6を参照)の各吐出電極14b5に塗布液の液滴を誘導するためのバイアス電圧を吐出電極14b5にそれぞれ印加するパルス電圧発生装置14c、3)画像データに応じてパルス電圧発生装置14cを制御する駆動回路(不図示)、4)非導電性の塗布液を蓄えておくための塗布液タンク14dとライン型記録ヘッド14b(図6を参照)との間で塗布液を循環させる塗布液循環制御装置(不図示)、5)静電吸引ノズル吐出装置14全体を制御するコントローラ(不図示)等が収容されている。吐出電極14b5と転写ドラム10(対向電極)の感光層10aまでの距離の設定は、必要に応じて変えることが可能であり、一例として100μmに設定される。14eはライン型記録ヘッド14b(図6を参照)からの塗布液を回収する回収管を示し、14fは塗布液タンク14dへ回収した塗布液を送る回収ポンプを示す。14gは塗布液タンク14dの塗布液をライン型記録ヘッド14b(図6を参照)に供給する供給管を示し、14hは塗布液をライン型記録ヘッド14b(図6を参照)に送る送液ポンプを示す。
図6は図5に示される静電吸引ノズル吐出装置の構成部材のライン型記録ヘッドの一部断面図を含む拡大概略斜視図である。
図中、14b1は塗布液の供給管14gから供給された塗布液をライン型記録ヘッド14bの幅に広げる塗布液供給部を示す。14b2は塗布液供給部14b1からの塗布液を導く塗布液流路を示す。14b3は塗布液回収部を示し、塗布液流路14b2と回収管14eとを繋げている。
14b4は塗布液流路14b2にある塗布液を転写用ドラム10(図5を参照)の感光性受容層に吐出するスリット状の液滴吐出ノズルを示す。液滴吐出ノズル14b4内には所定の間隔(例えば0.2mm)で配列された複数の吐出電極14b5と、各吐出電極14b5の両側及び上面にそれぞれ配置された低誘電体製(例えば、セラミックス製)の仕切り壁14b6が設けられている。吐出電極14b5の数は帯状支持体の幅方向に配列された第1電極の数と間隔に応じて適宜合わせることが可能となっている。本図では6本の場合を示している。各吐出電極14b5は、それぞれ、銅、ニッケル等の金属で形成され、その表面には、濡れ性のよい顔料付着防止用低誘電体膜(例えば、ポリイミド膜)が形成されている。又、各吐出電極14b5の先端は、三角錐形状に成形されており、それぞれが適当な長さ(70μm〜80μm)だけ液滴吐出ノズル14b4から転写用ドラム10(図5を参照)の感光性受容層側に向かって突出している。液滴吐出ノズル14b4の吐出口径は、液滴形成性、液滴安定性等を考慮し、3〜20μmであることが好ましい。
図5、図6に示される静電吸引ノズル吐出装置を使用して塗布液の吐出原理について図7、図8を参照しながら説明する。
図7はパルス電圧発生装置により電圧が付与された状態を示す概略図である。但し、ここでは、説明の便宜上、帯電粒子を含む塗布液が蓄えられたオリフィス内に吐出電極14b5が1本だけ配置された簡略化モデルを用いることとする。
図中、17は塗布液を示し、17aは帯電粒子を示す。パルス電圧発生装置14cを制御する駆動回路(不図示)が、コントローラ(不図示)の制御に応じて、制御信号を、画像データに含まれているデータに応じた時間だけパルス電圧発生装置14cに与えると、パルス電圧発生装置14cは、その制御信号の種類に応じたパルストップのパルスVpをバイアス電圧Vbにのせた高電圧信号をバイアス電圧Vbに重畳して出力する様になっている。パルス電圧発生装置14cからのパルス電圧が吐出電極14b5に印加されると、吐出電極14b5側から転写用ドラム10(対向電極となっている)側に向かう電場が発生する。ここでは、吐出電極14b5の先端が三角錐形状に成形されているため、その先端付近に最も強い電場が発生している。
そして、コントローラ(不図示)は、画像データが転送されてくると、インク循環系の2台の送液ポンプ14h(図5を参照)と、回収ポンプ14f(図5を参照)とを駆動する。これにより、塗布液供給部14b1(図6を参照)から塗布液が圧送されると共に塗布液回収部14b3(図6を参照)が負圧となり、塗布液流路14b2(図6を参照)を流れている塗布液が、各仕切り壁14b6(図6を参照)の隙間を毛細管現象で這い上がり、各吐出電極14b5の先端にまで濡れ広がる。この時各吐出電極14b5の先端付近の塗布液面には負圧がかかっているため、各吐出電極14b5の先端には、それぞれ、塗布液メニスカスが形成される。
メニスカスを形成した状態で、転写ドラムの感光層の帯電、露光により、潜像形成領域(液滴吐出領域)の感光層の表面電圧V1、液滴吐出ノズルの先端電圧V2、非液滴吐出領域における表面電圧V3とし、吐出電極14b5と感光層を相対的にスキャンさせることにより、液滴吐出領域における|V1−V2|のみが吐出可能な閾値電圧である|Vc|を上回るように、一方、非液滴吐出領域における|V1−V3|は|Vc|を下回るようにすることにより、超微細径の液滴が吐出パルス信号なしで転写ドラムの感光層上に形成されている静電潜像パターンに合わせて液滴が吐出され、静電潜像パターンが顕像パターンになる。
静電吸引ノズル吐出装置14は、塗布液吐出口14b4内に配設された吐出電極14b5により液滴の吐出を行うので、塗布液吐出口14b4内で帯電した状態の溶液により電界が集中され、電界強度が高められる。このため、従来のように電界の集中化が行われない構造のノズルでは吐出に要する電圧が高くなり過ぎて事実上吐出不可能とされていたが、吐出電極14b5により溶液を吐出させるので、従来よりも低電圧で溶液の吐出を行うことを可能としている。そして、微細径であるがために、ノズルコンダクタンスの低さによりその単位時間あたりの吐出流量を低減する制御を容易に行うことが出来ると共に、パルス幅を狭めることなく十分に小さな液滴径(上記各条件によれば0.8μm)による溶液の吐出を実現している。更に、吐出される液滴は帯電されているので、微小の液滴であっても蒸気圧が低減され、蒸発を抑制することから液滴の質量の損失を低減し、飛翔の安定化を図り、液滴の着弾精度の低下を防止する。
なお、ノズル21にエレクトロウェッティング効果を得るために、ノズル21の外周に電極を設けるか、又或いは、ノズル内流路22の内面に電極を設け、その上から絶縁膜で被覆してもよい。そして、この電極に電圧を印加することで、吐出電極28により電圧が印加されている溶液に対して、エレクトロウェッティング効果によりノズル内流路22の内面の濡れ性を高めることが出来、ノズル内流路22への溶液の供給を円滑に行うことが出来、良好に吐出を行うと共に、吐出の応答性の向上を図ることが可能となる。
又、パルス電圧発生装置14c(図5を参照)ではバイアス電圧を常時印加すると共にパルス電圧をトリガーとして液滴の吐出を行っているが、吐出に要する振幅で常時交流又は連続する矩形波を印加すると共にその周波数の高低を切り替えることで吐出を行う構成としてもよい。液滴の吐出を行うためには溶液の帯電が必須であり、溶液の帯電する速度を上回る周波数で吐出電圧を印加していても吐出が行われず、溶液の帯電が十分に図れる周波数に替えると吐出が行われる。従って、吐出を行わない時には吐出可能な周波数より大きな周波数で吐出電圧を印加し、吐出を行う場合にのみ吐出可能な周波数帯域まで周波数を低減させる制御を行うことで、溶液の吐出を制御することが可能となる。かかる場合、溶液に印加される電位自体に変化はないので、より時間応答性を向上させると共に、これにより液滴の着弾精度を向上させることが可能となる。
更に、コントローラ(不図示)によって、転写用ドラム10の駆動機構(不図示)が制御されることで、所定の方向に転写用ドラム10が回転される共に、駆動回路を制御することによって、吐出電極14b5との間に高電圧信号が印加される状態となり、塗布液が吐出される。
図8は吐出電極の先端から液滴が吐出にする段階を示した概略フロー図である。
S1では、吐出電極14b5の先端に電場が発生すると、塗布液中の個々の帯電粒子17aは、電場から及ぼされる力fEによって塗布液液面に向かって移動する。これにより塗布液液面付近に帯電粒子が集中する状態となる。この様に帯電粒子が集中すると、塗布液液面付近に複数の帯電粒子17aが、電極の反対側によせられて凝集し始める。
S2では、塗布液液面付近に帯電粒子の凝集体が成長し初め球状体18に成長する。そして、塗布液液面付近に球状体18が成長し始めると、個々の帯電粒子17aには、それぞれ、この球状体18からの静電反発力fconが作用し始める。すなわち、個々の帯電粒子17aには、それぞれ、球状体18からの静電反発力fconと、パルス電圧による電場Eからの力fEとの合力ftotalが作用する。従って、帯電粒子間の静電反発力が互いの凝集力を超えない範囲内においては、球状体18に向いた合力ftotalが作用する帯電粒子17a(吐出電極14b5の先端と球状体18の中心とを結ぶ直線上にある帯電粒子17a)に電界から及ぼされる力fEが、球状体18からの静電反発力fconを上回れば(fE≧fcon)、帯電粒子17aは球状体18に成長する。
S3では、n個の帯電粒子17aから形成された球状体18は、パルス電圧による電場Eから静電反発力FEを受ける一方で、インク溶媒から拘束力Fescを受けている。静電反発力FEと拘束力Fescとが釣り合うと、球状体18は、塗布液液面からやや突出した状態で安定する。
S4では、更に、球状体18が成長し、静電反発力FEが拘束力Fescを上回ると、球状体18は、塗布液液面から離脱し液滴となり塗布液吐出口から転写用ドラム10(図5を参照)の感光性受容層に向けて吐出される。
図1に示す如き帯状支持体上にパターン化され形成された有機EL素子を、図2〜図8に示す様な転写方法を使用した製造方法により、作製することで次の効果が得られる。
1)帯状支持体上に高細緻なパターン像を作製する方法が出来、従来、格子状の隔壁を作製する等の煩雑な工程を必要としたアクティブ型有機EL素子の製造に適用することで、格子状の隔壁の作製工程を不要とすることが可能となり、アクティブ型有機EL素子の製造が容易となった。
2)静電吸引ノズル吐出法で吐出を行う際に、転写ドラムの感光層上に電圧パターンを書き込むことにより、高精度な静電潜像パターンを形成出来、その静電潜像パターンの電圧パターンによる液滴の自己制御性を利用するため、高精細なパターニングが可能となると同時に、吐出電圧を低くすることが出来、吐出電圧の低減及び塗布膜均一性の確保が可能となった。
3)帯電及び静電潜像パターンの形成段階で、吐出電極の先端電圧と転写ドラムの感光層の吐出領域表面電圧との電圧差を吐出可能とする電圧以上に設定されるため、ノズルの吐出スイッチング制御を不要とすることが出来、塗布液への電圧印加不要、アライメント不要、静電潜像パターンの精度で吐出精度が得られ塗布膜均一性確保が可能となった。
4)位置精度のよいダイレクトパターニングが可能となるため、材料コストの低減が図れるとともに、従来のフォトリソグラフィーを不要とすることが出来ることから設備コストも低減が図れるため、生産コストの低減が可能となる。
5)1)〜4)に示される効果より、低コスト、高品質の有機EL素子の製造が可能になり、液晶ディスプレイに替わる自発発光型ディスプレイ装置への適用が可能となった。
以下、本発明に係わる有機EL素子を構成しているガスバリア層、第1電極、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、第2電極、封止層等に付き説明する。
本発明に係わるガスバリア層と第1電極が既に形成された帯状支持体に使用する帯状可支持体としては、透明樹脂フィルムが挙げられる。樹脂フィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、セロファン、セルロースジアセテート、セルローストリアセテート、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロピオネート(CAP)、セルロースアセテートフタレート(TAC)、セルロースナイトレート等のセルロースエステル類又はそれらの誘導体、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリエチレンビニルアルコール、シンジオタクティックポリスチレン、ポリカーボネート、ノルボルネン樹脂、ポリメチルペンテン、ポリエーテルケトン、ポリイミド、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリフェニレンスルフィド、ポリスルホン類、ポリエーテルイミド、ポリエーテルケトンイミド、ポリアミド、フッ素樹脂、ナイロン、ポリメチルメタクリレート、アクリル或いはポリアリレート類、アートン(商品名JSR社製)或いはアペル(商品名三井化学社製)といったシクロオレフィン系樹脂等が挙げられる。
厚さは特に限定されないが、取り扱い性、搬送性等を考慮し、0.05〜1mmの範囲が好ましい。帯状支持体の幅は特に限定はなく、使用するエレクトロルミネッセンス表示装置の画面サイズに応じて適宜に選択することが可能である。
帯状支持体には、添加剤等が含有されていてもよく、例えば電磁波遮蔽透明板がプラズマディスプレイパネルの前面に装着される場合には、パネルの前面から発生する近赤外線を吸収させるための近赤外線吸収剤を含有させもよいし、ディスプレイの見やすさを向上させるために、染料、顔料等の着色剤により着色されていてもよい。
帯状可撓性支持体として使用する樹脂フィルムの表面にはガスバリア膜が必要に応じて形成されることが好ましい。ガスバリア膜としては無機物、有機物の被膜又はその両者のハイブリッド被膜が挙げられる。ガスバリア膜の特性としては、水蒸気透過度が0.01g/m2・day・atm以下であることが好ましい。更には、酸素透過度10-3ml/m2/day以下、水蒸気透過度10-5g/m2/day以下の高バリア性フィルムであることが好ましい。
バリア膜を形成する材料としては、水分や酸素等素子の劣化をもたらすものの浸入を抑制する機能を有する材料であればよく、例えば、酸化珪素、二酸化珪素、窒化珪素等を用いることが出来る。更に該膜の脆弱性を改良するためにこれら無機層と有機材料からなる層の積層構造を持たせることがより好ましい。無機層と有機層の積層順については特に制限はないが、両者を交互に複数回積層させることが好ましい。バリア膜の形成方法については、特に限定はなく、例えば真空蒸着法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、分子線エピタキシー法、クラスタ−イオンビーム法、イオンプレーティング法、プラズマ重合法、大気圧プラズマ重合法、プラズマCVD法、レーザCVD法、熱CVD法、コーティング法等を用いることが出来るが、特開2004−68143号に記載されているような大気圧プラズマ重合法によるものが特に好ましい。
第1電極としては、仕事関数の大きい(4eV以上)金属、合金、電気伝導性化合物及びこれらの混合物を電極物質とするものが好ましく用いられる。この様な電極物質の具体例としてはAu等の金属、CuI、インジウムチンオキシド(ITO)、SnO2、ZnO等の導電性透明材料が挙げられる。又、IDIXO(In23・ZnO)等非晶質で透明導電膜を作製可能な材料を用いてもよい。陽極はこれらの電極物質を蒸着やスパッタリング等の方法により、薄膜を形成させ、フォトリソグラフィー法で所望の形状のパターンを形成してもよく、或いはパターン精度をあまり必要としない場合は(100μm以上程度)、上記電極物質の蒸着やスパッタリング時に所望の形状のマスクを介してパターンを形成してもよい。或いは、有機導電性化合物のように塗布可能な物質を用いる場合には、印刷方式、コーティング方式等湿式成膜法を用いることも出来る。この陽極より発光を取り出す場合には、透過率を10%より大きくすることが望ましく、又陽極としてのシート抵抗は数百Ω/□以下が好ましい。更に膜厚は材料にもよるが、通常10〜1000nm、好ましくは10〜200nmの範囲で選ばれる。
第1電極と発光層又は正孔輸送層の間、正孔注入層(陽極バッファー層)を存在させてもよい。正孔注入層とは、駆動電圧低下や発光輝度向上のために電極と有機層間に設けられる層のことで、「有機EL素子とその工業化最前線(1998年11月30日エヌ・ティー・エス社発行)」の第2編第2章「電極材料」(123−166頁)に詳細に記載されている。陽極バッファー層(正孔注入層)は、特開平9−45479号公報、同9−260062号公報、同8−288069号公報等にもその詳細が記載されており、具体例として、銅フタロシアニンに代表されるフタロシアニンバッファー層、酸化バナジウムに代表される酸化物バッファー層、アモルファスカーボンバッファー層、ポリアニリン(エメラルディン)やポリチオフェン等の導電性高分子を用いた高分子バッファー層等が挙げられる。
正孔輸送層とは、正孔を輸送する機能を有する正孔輸送材料からなり、広い意味で正孔注入層、電子阻止層も正孔輸送層に含まれる。正孔輸送層は単層又は複数層設けることが出来る。正孔輸送材料としては、正孔の注入又は輸送、電子の障壁性の何れかを有するものであり、有機物、無機物の何れであってもよい。例えば、トリアゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体及びピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、オキサゾール誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、シラザン誘導体、アニリン系共重合体、又導電性高分子オリゴマー、特にチオフェンオリゴマー等が挙げられる。
正孔輸送材料としては上記のものを使用することが出来るが、ポルフィリン化合物、芳香族第3級アミン化合物及びスチリルアミン化合物、特に芳香族第3級アミン化合物を用いることが好ましい。芳香族第3級アミン化合物及びスチリルアミン化合物の代表例としては、N,N,N′,N′−テトラフェニル−4,4′−ジアミノフェニル;N,N′−ジフェニル−N,N′−ビス(3−メチルフェニル)−〔1,1′−ビフェニル〕−4,4′−ジアミン(TPD);2,2−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)プロパン;1,1−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)シクロヘキサン;N,N,N′,N′−テトラ−p−トリル−4,4′−ジアミノビフェニル;1,1−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)−4−フェニルシクロヘキサン;ビス(4−ジメチルアミノ−2−メチルフェニル)フェニルメタン;ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)フェニルメタン;N,N′−ジフェニル−N,N′−ジ(4−メトキシフェニル)−4,4′−ジアミノビフェニル;N,N,N′,N′−テトラフェニル−4,4′−ジアミノジフェニルエーテル;4,4′−ビス(ジフェニルアミノ)クオードリフェニル;N,N,N−トリ(p−トリル)アミン;4−(ジ−p−トリルアミノ)−4′−〔4−(ジ−p−トリルアミノ)スチリル〕スチルベン;4−N,N−ジフェニルアミノ−(2−ジフェニルビニル)ベンゼン;3−メトキシ−4′−N,N−ジフェニルアミノスチルベンゼン;N−フェニルカルバゾール、更には米国特許第5,061,569号明細書に記載されている2個の縮合芳香族環を分子内に有するもの、例えば、4,4′−ビス〔N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ〕ビフェニル(NPD)、特開平4−308688号公報に記載されているトリフェニルアミンユニットが3つスターバースト型に連結された4,4′,4″−トリス〔N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ〕トリフェニルアミン(MTDATA)等が挙げられる。
更にこれらの材料を高分子鎖に導入した、又はこれらの材料を高分子の主鎖とした高分子材料を用いることも出来る。又、p型−Si、p型−SiC等の無機化合物も正孔注入材料、正孔輸送材料として使用することが出来る。
又、特開平11−251067号公報、J.Huang et.al.著文献(Applied Physics Letters 80(2002),p.139)に記載されているような所謂p型正孔輸送材料を用いることも出来る。本発明においては、より高効率の発光素子が得られることから、これらの材料を用いることが好ましい。
正孔輸送層の膜厚については特に制限はないが、通常は5nm〜5μm程度、好ましくは5〜200nmである。この正孔輸送層は上記材料の1種又は2種以上からなる一層構造であってもよい。又、不純物をドープしたp性の高い正孔輸送層を用いることも出来る。その例としては、特開平4−297076号、特開2000−196140号、特開2001−102175号、J.Appl.Phys.,95,5773(2004)等に記載されたものが挙げられる。この様なp性の高い正孔輸送層を用いることが、より低消費電力の有機EL素子を作製することが出来るため好ましい。
本発明において、発光層とは青色発光層、緑色発光層、赤色発光層を指す。発光層を積層する場合の積層順としては、特に制限はなく、又各発光層間に非発光性の中間層を有していてもよい。本発明においては、少なくとも1つの青発光層が、全発光層中最も陽極に近い位置に設けられていることが好ましい。又、発光層を4層以上設ける場合には、陽極に近い順から、例えば青色発光層/緑色発光層/赤色発光層/青色発光層、青色発光層/緑色発光層/赤色発光層/青色発光層/緑色発光層、青色発光層/緑色発光層/赤色発光層/青色発光層/緑色発光層/赤色発光層のように青色発光層、緑色発光層、赤色発光層を順に積層することが、輝度安定性を高める上で好ましい。発光層を多層にすることで白色素子の作製が可能である。
発光層の膜厚の総和は特に制限はないが、膜の均質性、発光に必要な電圧等を考慮し、通常2nm〜5μm、好ましくは2〜200nmの範囲で選ばれる。更に10〜20nmの範囲にあるのが好ましい。膜厚を20nm以下にすると電圧面のみならず、駆動電流に対する発光色の安定性が向上する効果があり好ましい。個々の発光層の膜厚は、好ましくは2〜100nmの範囲で選ばれ、2〜20nmの範囲にあるのが更に好ましい。青、緑、赤の各発光層の膜厚の関係については、特に制限はないが、3発光層中、青発光層(複数層ある場合はその総和)が最も厚いことが好ましい。
発光層は発光極大波長が各々430〜480nm、510〜550nm、600〜640nmの範囲にある発光スペクトルの異なる少なくとも3層以上の層を含む。3層以上であれば、特に制限はない。4層より多い場合には、同一の発光スペクトルを有する層が複数層あってもよい。発光極大波長が430〜480nmにある層を青発光層、510〜550nmにある層を緑発光層、600〜640nmの範囲にある層を赤発光層と言う。又、前記の極大波長を維持する範囲において、各発光層には複数の発光性化合物を混合してもよい。例えば、青発光層に、極大波長430〜480nmの青発光性化合物と、同510〜550nmの緑発光性化合物を混合して用いてもよい。
発光層に使用する材料は特に限定はなく、例えば、株式会社 東レリサーチセンター フラットパネルディスプレイの最新動向 ELディスプレイの現状と最新技術動向 228〜332頁に記載されている如き各種材料が挙げられる。
第2転写手段の静電吸引ノズル吐出装置で発光層形成用塗布液を塗布し、乾燥することで形成された発光層は、電極又は電子注入層、正孔輸送層から注入されてくる電子及び正孔が再結合して発光する層であり、発光する部分は発光層の層内であっても発光層と隣接層との界面であってもよい。
使用する正孔輸送層形成用塗布液、及び発光層形成用塗布液は、少なくとも1種の有機化合物材料と少なくとも1種の溶媒とを有し、塗布時のハジキ、塗布ムラ等を考慮し、表面張力が15×10-3〜55×10-3N/mであることが好ましい。
本図で示される有機EL素子の構成層である正孔輸送層及び発光層を形成する工程は、正孔輸送層及び発光層の性能維持、異物付着に伴う故障欠陥の防止等を考慮し、露点温度−20℃以下、且つJISB 9920に準拠し、測定した清浄度がクラス5以下で、且つ、乾燥部を除き10〜45℃の大気圧条件下で形成されることが好ましい。本発明において清浄度がクラス5以下とは、クラス3〜クラス5を示す。
電子注入層とは、電子を輸送する機能を有する材料からなり広い意味で電子輸送層に含まれる。電子注入層とは、駆動電圧低下や発光輝度向上のために電極と有機層間に設けられる層のことで、「有機EL素子とその工業化最前線(1998年11月30日エヌ・ティー・エス社発行)」の第2編第2章「電極材料」(123〜166頁)に詳細に記載されている。電子注入層(陰極バッファー層)は、特開平6−325871号公報、同9−17574号公報、同10−74586号公報等にもその詳細が記載されており、具体的にはストロンチウムやアルミニウム等に代表される金属バッファー層、フッ化リチウムに代表されるアルカリ金属化合物バッファー層、フッ化マグネシウムに代表されるアルカリ土類金属化合物バッファー層、酸化アルミニウムに代表される酸化物バッファー層等が挙げられる。上記バッファー層(注入層)はごく薄い膜であることが望ましく、素材にもよるがその膜厚は0.1nm〜5μmの範囲が好ましい。
他に発光層側に隣接する電子輸送層に用いられる電子輸送材料(正孔阻止材料を兼ねる)としては、陰極より注入された電子を発光層に伝達する機能を有していればよく、その材料としては従来公知の化合物の中から任意のものを選択して用いることが出来、例えば、ニトロ置換フルオレン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、チオピランジオキシド誘導体、カルボジイミド、フレオレニリデンメタン誘導体、アントラキノジメタン及びアントロン誘導体、オキサジアゾール誘導体等が挙げられる。更に、上記オキサジアゾール誘導体において、オキサジアゾール環の酸素原子を硫黄原子に置換したチアジアゾール誘導体、電子吸引基として知られているキノキサリン環を有するキノキサリン誘導体も、電子輸送材料として用いることが出来る。更にこれらの材料を高分子鎖に導入した、又はこれらの材料を高分子の主鎖とした高分子材料を用いることも出来る。
又、8−キノリノール誘導体の金属錯体、例えば、トリス(8−キノリノール)アルミニウム(Alq)、トリス(5,7−ジクロロ−8−キノリノール)アルミニウム、トリス(5,7−ジブロモ−8−キノリノール)アルミニウム、トリス(2−メチル−8−キノリノール)アルミニウム、トリス(5−メチル−8−キノリノール)アルミニウム、ビス(8−キノリノール)亜鉛(Znq)等、及びこれらの金属錯体の中心金属がIn、Mg、Cu、Ca、Sn、Ga又はPbに置き替わった金属錯体も、電子輸送材料として用いることが出来る。その他、メタルフリーもしくはメタルフタロシアニン、又はそれらの末端がアルキル基やスルホン酸基等で置換されているものも、電子輸送材料として好ましく用いることが出来る。又、ジスチリルピラジン誘導体も、電子輸送材料として用いることが出来るし、正孔注入層、正孔輸送層と同様に、n型−Si、n型−SiC等の無機半導体も電子輸送材料として用いることが出来る。電子輸送層の膜厚については特に制限はないが、通常は5nm〜5μm程度、好ましくは5〜200nmである。電子輸送層は上記材料の1種又は2種以上からなる一層構造であってもよい。
又、不純物をドープしたn性の高い電子輸送層を用いることも出来る。その例としては、特開平4−297076号公報、特開平10−270172号公報、特開2000−196140号公報、特開2001−102175号公報、J.Appl.Phys.,95,5773(2004)等に記載されたものが挙げられる。この様なn性の高い電子輸送層を用いることがより低消費電力の素子を作製することが出来るため好ましい。電子輸送層は上記電子輸送材料を、例えば、湿式塗布、真空蒸着法等の公知の方法により、薄膜化することにより形成することも出来る。
第2電極としては、仕事関数の小さい(4eV以下)金属(電子注入性金属と称する)、合金、電気伝導性化合物及びこれらの混合物を電極物質とするものが用いられる。この様な電極物質の具体例としては、ナトリウム、ナトリウム−カリウム合金、マグネシウム、リチウム、マグネシウム/銅混合物、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム(Al23)混合物、インジウム、リチウム/アルミニウム混合物、希土類金属等が挙げられる。これらの中で、電子注入性及び酸化等に対する耐久性の点から、電子注入性金属とこれより仕事関数の値が大きく安定な金属である第二金属との混合物、例えば、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム(Al23)混合物、リチウム/アルミニウム混合物、アルミニウム等が好適である。陰極はこれらの電極物質を蒸着やスパッタリング等の方法により薄膜を形成させることにより、作製することが出来る。又、陰極としてのシート抵抗は数百Ω/□以下が好ましく、膜厚は通常10nm〜5μm、好ましくは50〜200nmの範囲で選ばれる。尚、発光した光を透過させるため、有機EL素子の第1電極(陽極)又は第2電極(陰極)の何れか一方が、透明又は半透明であれば発光輝度が向上し好都合である。
又、第2電極に上記金属を1〜20nmの膜厚で作製した後に、第1電極の説明で挙げた導電性透明材料をその上に作製することで、透明又は半透明の第2電極(陰極)を作製することが出来、これを応用することで第1電極(陽極)と第2電極(陰極)の両方が透過性を有する素子を作製することが出来る。
本発明の有機EL素子を構成している発光層には、発光層の発光効率を高くするために公知のホスト化合物と公知のリン光性化合物(リン光発光性化合物とも言う)を含有することが好ましい。
ホスト化合物とは、発光層に含有される化合物の内で、その層中での質量比が20%以上であり、且つ室温(25℃)においてリン光発光のリン光量子収率が、0.1未満の化合物と定義される。好ましくはリン光量子収率が0.01未満である。ホスト化合物を複数種併用して用いてもよい。ホスト化合物を複数種用いることで、電荷の移動を調整することが可能であり、有機EL素子を高効率化することが出来る。又、リン光性化合物を複数種用いることで、異なる発光を混ぜることが可能となり、これにより任意の発光色を得ることが出来る。リン光性化合物の種類、ドープ量を調整することで白色発光が可能であり、照明、バックライトへの応用も出来る。
これらのホスト化合物としては、正孔輸送能、電子輸送能を有しつつ、且つ発光の長波長化を防ぎ、尚且つ高Tg(ガラス転移温度)である化合物が好ましい。公知のホスト化合物としては、例えば、特開2001−257076号公報、同2002−308855号公報、同2001−313179号公報、同2002−319491号公報、同2001−357977号公報、同2002−334786号公報、同2002−8860号公報、同2002−334787号公報、同2002−15871号公報、同2002−334788号公報、同2002−43056号公報、同2002−334789号公報、同2002−75645号公報、同2002−338579号公報、同2002−105445号公報、同2002−343568号公報、同2002−141173号公報、同2002−352957号公報、同2002−203683号公報、同2002−363227号公報、同2002−231453号公報、同2003−3165号公報、同2002−234888号公報、同2003−27048号公報、同2002−255934号公報、同2002−260861号公報、同2002−280183号公報、同2002−299060号公報、同2002−302516号公報、同2002−305083号公報、同2002−305084号公報、同2002−308837号公報等に記載の化合物が挙げられる。
複数の発光層を有する場合、これら各層のホスト化合物の50質量%以上が同一の化合物であることが、有機層全体に渡って均質な膜性状を得やすいことから好ましく、更にはホスト化合物のリン光発光エネルギーが2.9eV以上であることが、ドーパントからのエネルギー移動を効率的に抑制し、高輝度を得る上で有利となることからより好ましい。リン光発光エネルギーとは、ホスト化合物を基板上に100nmの蒸着膜のフォトルミネッセンスを測定し、そのリン光発光の0−0バンドのピークエネルギーを言う。
ホスト化合物は、有機EL素子の経時での劣化(輝度低下、膜性状の劣化)、光源としての市場ニーズ等を考慮し、リン光発光エネルギーが2.9eV以上且つTgが90℃以上のものであることが好ましい。すなわち、輝度と耐久性の両方を満足するためには、リン光発光エネルギーが2.9eV以上且つTgが90℃以上のものであることが好ましい。Tgは、更に好ましくは100℃以上である。
リン光性化合物(リン光発光性化合物)とは、励起三重項からの発光が観測される化合物であり、室温(25℃)にてリン光発光する化合物であり、リン光量子収率が、25℃において0.01以上の化合物である。先に説明したホスト化合物と合わせ使用することで、より発光効率の高い有機EL素子とすることが出来る。
本発明に係るリン光性化合物は、リン光量子収率は好ましくは0.1以上である。上記リン光量子収率は、第4版実験化学講座7の分光IIの398頁(1992年版、丸善)に記載の方法により測定出来る。溶液中でのリン光量子収率は種々の溶媒を用いて測定出来るが、本発明に用いられるリン光性化合物は、任意の溶媒の何れかにおいて上記リン光量子収率が達成されればよい。
リン光性化合物の発光は原理としては2種挙げられ、1つはキャリアが輸送されるホスト化合物上出来ャリアの再結合が起こってホスト化合物の励起状態が生成し、このエネルギーをリン光性化合物に移動させることでリン光性化合物からの発光を得るというエネルギー移動型、もう一つはリン光性化合物がキャリアトラップとなり、リン光性化合物上出来ャリアの再結合が起こりリン光性化合物からの発光が得られるというキャリアトラップ型であるが、何れの場合においても、リン光性化合物の励起状態のエネルギーはホスト化合物の励起状態のエネルギーよりも低いことが条件である。
リン光性化合物は、有機EL素子の発光層に使用される公知のものの中から適宜選択して用いることが出来る。リン光性化合物としては、好ましくは元素の周期表で8族−10族の金属を含有する錯体系化合物であり、更に好ましくはイリジウム化合物、オスミウム化合物、又は白金化合物(白金錯体系化合物)、希土類錯体であり、中でも最も好ましいのはイリジウム化合物である。
本発明においては、リン光性化合物のリン光発光極大波長としては特に制限されるものではなく、原理的には中心金属、配位子、配位子の置換基等を選択することで得られる発光波長を変化させることが出来る。
本発明の有機EL素子や本発明に係る化合物の発光する色は、「新編色彩科学ハンドブック」(日本色彩学会編、東京大学出版会、1985)の108頁の図4.16において、分光放射輝度計CS−1000(コニカミノルタセンシング社製)で測定した結果をCIE色度座標に当て嵌めた時の色で決定される。
本発明で言うところの白色素子とは、2℃視野角正面輝度を上記方法により測定した際に、1000cd/m2でのCIE1931表色系における色度がX=0.33±0.07、Y=0.33±0.07の領域内にあることを言う。
本発明の有機EL素子の発光の室温における外部取り出し効率は1%以上であることが好ましく、より好ましくは5%以上である。ここに、外部取り出し量子効率(%)=有機EL素子外部に発光した光子数/有機EL素子に流した電子数×100である。
又、カラーフィルター等の色相改良フィルター等を併用しても、有機EL素子からの発光色を蛍光体を用いて多色へ変換する色変換フィルターを併用してもよい。色変換フィルターを用いる場合においては、有機EL素子の発光のλmaxは480nm以下が好ましい。
本発明の有機EL素子は、発光層で発生した光を効率よく取り出すために以下に示す方法を併用することが好ましい。有機EL素子は、空気よりも屈折率の高い(屈折率が1.7〜2.1程度)層の内部で発光し、発光層で発生した光の内15%から20%程度の光しか取り出せないことが一般的に言われている。これは、臨界角以上の角度θで界面(透明基板と空気との界面)に入射する光は、全反射を起こし素子外部に取り出すことが出来ないことや、透明電極ないし発光層と透明基板との間で光が全反射を起こし、光が透明電極ないし発光層を導波し、結果として、光が素子側面方向に逃げるためである。
この光の取り出しの効率を向上させる手法としては、例えば、透明基板表面に凹凸を形成し、透明基板と空気界面での全反射を防ぐ方法(米国特許第4,774,435)。基板に集光性を持たせることにより効率を向上させる方法(特開昭63−314795号公報)。素子の側面等に反射面を形成する方法(特開平1−220394号公報)。基板と発光体の間に中間の屈折率を持つ平坦層を導入し、反射防止膜を形成する方法(特開昭62−172691号公報)。基板と発光体の間に基板よりも低屈折率を持つ平坦層を導入する方法(特開2001−202827号公報)。基板、透明電極層や発光層の何れかの層間(含む、基板と外界間)に回折格子を形成する方法(特開平11−283751号公報)等がある。
本発明においては、これらの方法を有機EL素子と組み合わせて用いることが出来るが、基板と発光体の間に基板よりも低屈折率を持つ平坦層を導入する方法、或いは基板、透明電極層や発光層の何れかの層間(含む、基板と外界間)に回折格子を形成する方法を好適に用いることが出来る。本発明においては、これらの手段を組み合わせることにより、更に高輝度或いは耐久性に優れた素子を得ることが出来る。
透明電極と透明基板の間に低屈折率の媒質を光の波長よりも長い厚みで形成すると、透明電極から出てきた光は、媒質の屈折率が低いほど、外部への取り出し効率が高くなる。低屈折率層としては、例えば、エアロゲル、多孔質シリカ、フッ化マグネシウム、フッ素系ポリマー等が挙げられる。透明基板の屈折率は一般に1.5〜1.7程度であるので、低屈折率層は、屈折率がおよそ1.5以下であることが好ましい。又、更に1.35以下であることが好ましい。低屈折率媒質の厚みは、媒質中の波長の2倍以上となるのが望ましい。これは、低屈折率媒質の厚みが、光の波長程度になってエバネッセントで染み出した電磁波が基板内に入り込む膜厚になると、低屈折率層の効果が薄れるからである。全反射を起こす界面もしくは何れかの媒質中に回折格子を導入する方法は、光取り出し効率の向上効果が高いという特徴がある。この方法は、回折格子が1次の回折や、2次の回折といった所謂ブラッグ回折により、光の向きを屈折とは異なる特定の向きに変えることが出来る性質を利用して、発光層から発生した光の内、層間での全反射等により外に出ることが出来ない光を、何れかの層間もしくは、媒質中(透明基板内や透明電極内)に回折格子を導入することで光を回折させ、光を外に取り出そうとするものである。導入する回折格子は、二次元的な周期屈折率を持っていることが望ましい。これは、発光層で発光する光はあらゆる方向にランダムに発生するので、ある方向にのみ周期的な屈折率分布を持っている一般的な1次元回折格子では、特定の方向に進む光しか回折されず、光の取り出し効率がさほど上がらない。しかしながら、屈折率分布を二次元的な分布にすることにより、あらゆる方向に進む光が回折され、光の取り出し効率が上がる。
回折格子を導入する位置としては前述の通り、何れかの層間もしくは、媒質中(透明基板内や透明電極内)でもよいが、光が発生する場所である有機発光層の近傍が望ましい。この時、回折格子の周期は、媒質中の光の波長の約1/2〜3倍程度が好ましい。回折格子の配列は、正方形のラチス状、三角形のラチス状、ハニカムラチス状等、2次元的に配列が繰り返されることが好ましい。
更に、本発明の有機EL素子は、発光層で発生した光を効率よく取り出すために、基板の光取り出し側に、例えばマイクロレンズアレイ上の構造を設けるように加工したり、或いは、所謂集光シートと組み合わせることにより、特定方向、例えば素子発光面に対し正面方向に集光することにより、特定方向上の輝度を高めることが出来る。マイクロレンズアレイの例としては、基板の光取り出し側に一辺が30μmでその頂角が90度となるような四角錐を2次元に配列する。一辺は10μm〜100μmが好ましい。これより小さくなると回折の効果が発生して色付く、大き過ぎると厚みが厚くなり好ましくない。
集光シートとしては、例えば液晶表示装置のLEDバックライトで実用化されているものを用いることが可能である。この様なシートとして例えば、住友スリーエム社製輝度上昇フィルム(BEF)等を用いることが出来る。プリズムシートの形状としては、例えば基材に頂角90度、ピッチ50μmの△状のストライプが形成されたものであってもよいし、頂角が丸みを帯びた形状、ピッチをランダムに変化させた形状、その他の形状であってもよい。又、発光素子からの光放射角を制御するために光拡散板・フィルムを、集光シートと併用してもよい。例えば、(株)きもと製拡散フィルム(ライトアップ)等を用いることが出来る。
以下、実施例を挙げて本発明の具体的な効果を示すが、本発明の態様はこれに限定されるものではない。
(帯状支持体の準備)
厚さ100μm、幅250mmのポリエチレンテレフタレートフィルム(帝人・デユポン社製フィルム、以下、PETと略記する)を準備した。
(透明性ガスバリア層の形成)
準備したPET上に、大気圧プラズマ放電処理法で、厚さ約90nmの透明ガスバリア層を形成した。JISk−7129Bに準拠した方法により水蒸気透過率を測定した結果、10-3g/m2/day以下であった。JISk−7126Bに準拠した方法により酸素透過率を測定した結果、10-3g/m2/day以下であった。
(第1電極の形成)
形成したバリア層の上に厚さ120nmのITO(インジウムチンオキシド)を蒸着法によりパターニングを行い、第1電極を形成した後、巻き芯に巻き取りロール状とし元巻きロールとした。第1電極の1つの大きさは、幅150μm、長さ150μmとし、各第1電極間の距離は50μmで、帯状支持体の幅方向に1000列配置した。長さ方向は、各第1電極間の距離を200μmとし連続的に作製した。図2で示される製造装置を使用した。
(有機化合物層の形成)
図2で示される製造装置を使用し、以下に示す方法により第1電極上の上に正孔輸送層、発光層の形成を行った。
(正孔輸送層用塗布液の調製)
ポリエチレンジオキシチオフェン・ポリスチレンスルホネート(PEDOT/PSS、Bayer社製 Bytron P AI 4083)を純水で65%、メタノールで5%に希釈し正孔輸送層用塗布液とした。
(正孔輸送層の形成)
第1転写装置の転写用ドラムの表面に設けられた感光層の表面に付着している異物を異物除去装置で除去した後、全面に帯電用コロナチャージャーにより帯電し、帯電された感光層の表面に帯状支持体上に形成されている第1電極のパターンに合わせて露光用光学装置により潜像を書き込み静電潜像パターンを形成した後、静電吸引ノズル吐出装置により以下に示す正孔輸送層用塗布液を静電潜像パターンに塗布し、感光層の表面に正孔輸送層用塗布膜(ウェット)を顕像パターンとして形成した。この後、第1電極が形成されたロール状の帯状支持体を供給工程にセットした後、繰り出し、有機汚染物除去と濡れ性向上のための洗浄表面改質処理、帯状支持体上へのゴミの付着や絶縁破壊を防止するための帯電除去処理した後、第1転写装置により第1電極上に正孔輸送層用塗布膜(ウェット)を連続的に転写した後、60℃の気流乾燥による溶媒除去処理、100℃の裏面伝熱による熱処理を行い正孔輸送層を形成した。
尚、異物除去装置は、ナイロン製の回転ブラシにより接触式で行った。帯電用コロナチャージャーによる感光層の表面電位は+500Vとした。露光用光学装置による書き込みは、光源として半導体レーザを使用し、第1電極のパターンのネガ像を形成するように行った。静電吸引ノズル吐出装置は、液滴吐出を可能とする閾値電圧を900Vに設定し、吐出電極の先端電圧のバイアス電圧−300Vに、パルス電圧100Vを加えることで吐出を行った。洗浄表面改質処理は低圧水銀ランプ波長184.9nm、照射強度15mW/cm2、照射距離10mmにて実施し、帯電除去処理は微弱X線による除電器を使用し帯電除去処理を実施した。帯状支持体の搬送速度は5m/分で行い、転写用ドラムの回転速度(周速度)は帯状支持体の搬送速度と同じとした。感光性受容層の表面と、帯状支持体上の第1電極aとの間隙(エアーギャップ)は150μmとした。転写チャージャーは、転写用ドラムの感光層に+帯電している電圧+400Vに対して、電圧差を大きく取るため、−250Vとした。正孔輸送層は乾燥後の膜厚が50nmになるようにした。
(発光層塗布液の調製)
ホスト材のポリビニルカルバゾール(PVK)に対してドーパント材Ir(ppy)3が5質量%となるように1.2.ジクロロエタン中に溶解した1質量%の溶液とした。
赤ドーパント材であるBtp2Ir(acac)が10質量%になるように1.2.ジクロロエタン中に溶解し1質量%の溶液とした。青ドーパント材であるFIr(pic)が3質量%になるように1.2.ジクロロエタン中に溶解し1質量%の溶液とした。
(発光層の形成)
第2転写装置の転写用ドラムの表面に設けられた感光層の表面に付着している異物を異物除去装置で除去した後、表1に示す様に帯電用コロナチャージャーによる表面の帯電圧と、静電吸引ノズル吐出装置の吐出電極の先端電圧と、吐出電極の液滴吐出を可能とする閾値電圧とを変えて、帯電された感光層の表面に帯状支持体上に形成されている正孔輸送層のパターンに合わせて露光用光学装置により潜像を書き込み静電潜像パターンを形成した後、静電吸引ノズル吐出装置により以下に示す発光層用塗布液を静電潜像パターンに塗布し、感光層の表面に発光層用塗布膜(ウェット)を顕像パターンとして形成した後、正孔輸送層が形成された帯状支持体上へのゴミの付着や絶縁破壊を防止するための帯電除去処理した後、第2転写装置により正孔輸送層上に発光層用塗布膜を連続的に転写した後、60℃の気流乾燥による溶媒除去処理、100℃の裏面伝熱による熱処理を行い発光層を形成し、帯電除去処理を行い巻き芯に巻き取りロール状としNo.1−1〜1−6とした。帯電用コロナチャージャーによる感光層の表面電位は+500Vとした。
尚、異物除去装置は、ナイロン製の回転ブラシにより接触式で行った。露光用光学装置による書き込みは、光源として半導体レーザを使用し、第1電極のパターンのネガ像を形成するように行った。静電吸引ノズル吐出装置は、液滴吐出を可能とする閾値電圧を900Vに設定し、吐出電極の先端電圧のバイアス電圧−300Vに、パルス電圧100Vを加えることで吐出を行った。帯電除去処理は微弱X線による除電器を使用し帯電除去処理を実施した。帯状支持体の搬送速度は5m/分で行い、転写用ドラムの回転速度(周速度)は帯状支持体の搬送速度と同じとした。感光性受容層の表面と、帯状支持体上の第1電極aとの間隙(エアーギャップ)は150μmとした。転写チャージャーは、転写用ドラムの感光層に+帯電している電圧+400Vに対して、電圧差を大きく取るため、−250Vとした。発光層は乾燥後の厚みが100nmとなるようにした。
Figure 2007005177
(有機EL素子の作製)
準備した発光層を形成した帯状支持体1−1〜1−6の発光層上に、以下に示す方法により、電子輸送層、陰極、封止膜を順次形成し有機EL素子を作製し試料No.101〜106とした。
(電子輸送層の形成)
5×10-4Paの真空下にて形成された発光層の領域に厚さ0.5nmのLiF層を蒸着し電子輸送層を形成した。
(陰極の形成)
5×10-4Paの真空下にて形成された電子輸送層の上に厚さ100nmのアルミ層を蒸着し電極を形成した。
(封止膜の形成)
5×10-4Paの真空下にて形成された電極の上に、接続端子となる領域以外にスパッタリング法によりSiOxを厚さ300nmで蒸着させ封止膜とした。
(評価)
作製した各試料No.101〜106に付き、発光ムラを以下に示す試験方法により試験し、以下に示す評価ランクに従って評価した結果を表2に示す。
発光ムラの試験方法
KEITHLEY製ソ−スメジャ−ユニット2400型を用いて、直流電圧を有機EL素子に印加し発光させた。200cdで発光させた発光素子について、50倍の顕微鏡で発光ムラを観察した。
発光ムラの評価ランク
◎:9割以上が均一に発光している
○:8割以上が均一に発光している
△:7割以上が均一に発光している
×:7割未満しか均一に発光していない
Figure 2007005177
本発明の有効性が確認された。
帯状支持体上にパターン化され形成された有機EL素子の模式図である。 有機EL素子を作製する製造装置の一例を示す模式図である。 図2のSで示される部分の拡大概略図である。 図3の上側平面図である。 図4のTで示される部分の概略拡大図である。 図5に示される静電吸引ノズル吐出装置の構成部材のライン型記録ヘッドの一部断面図を含む拡大概略斜視図である。 パルス電圧発生装置により電圧が付与された状態を示す概略図である。 吐出電極の先端から液滴が吐出にする段階を示した概略フロー図である。
符号の説明
1 有機EL素子
101 帯状支持体
102a TFT
102b ITO電極(陽極)
102 画素電極
103a 正孔輸送層
103b 発光層
103 有機化合物層
104 第1絶縁層
105 第2絶縁層
106 陰極層
2 製造装置
4 正孔輸送層形成工程
401a 第1転写装置
401b 第1乾燥装置
401c 第1加熱処理装置
401d 第2帯電防止手段
5 発光層形成工程
501a 第2転写装置
501b 第2乾燥装置
501c 第2加熱処理装置
501d 第3帯電防止手段
6 電子注入層形成工程
7 第2電極形成工程
8 封止層形成工程
10 転写用ドラム
11 異物除去装置
12 主帯電用コロナチャージャー
13 露光用光学装置
14 静電吸引ノズル吐出装置
14a 筐体
14b ライン型記録ヘッド
14b5 吐出電極
14c パルス電圧発生装置
14d 塗布液タンク
15 転写チャージャー
15a 電極

Claims (7)

  1. 帯状支持体上にパターン化し形成された複数の画素電極上に少なくとも1層の発光層を含む有機化合物層と第2電極とを有する有機エレクトロルミネッセンス素子を、帯状支持体供給工程と画素電極形成工程と、有機化合物層形成工程と、第2電極形成工程と、回収工程とを有する製造装置により製造する有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法において、
    前記有機化合物層形成工程は転写手段を有し、
    前記転写手段は、表面に感光性受容層を有する感光体ドラムと、
    前記感光体ドラムの潜像形成領域に帯電を行う帯電装置と、
    前記感光体ドラムの潜像形成領域に静電潜像パターンを形成する静電潜像形成装置と、
    前記静電潜像パターンに応じて前記有機化合物層を形成する塗布液を吐出し、顕像パターンを形成する静電吸引ノズル吐出装置とを有し、
    前記顕像パターンを前記画素電極上に連続的に転写し、有機化合物層を形成した後、乾燥・熱処理を行うことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
  2. 前記静電潜像パターンは、帯電装置により静電吸引ノズル吐出装置の液滴吐出ノズルの液滴吐出を可能とする閾値電圧Vcに対して、
    感光体ドラムの潜像形成領域の表面電圧V1と、
    該液滴吐出ノズルの先端電圧V2との差|V1−V2|が、
    式1)を満たすように、該潜像形成領域を帯電した後、
    静電潜像形成装置により形成されることを特徴とする請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
    式1) |V1−V2|>|Vc|
  3. 前記液滴吐出ノズルの吐出口径が、3〜20μmであることを特徴とする請求項1又は2に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
  4. 前記帯状支持体は、顕像パターンを転写する前に、帯電除去処理が施されていることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
  5. 前記帯状支持体は、該帯状支持体を巻き芯に巻き取りロール状としたロール状帯状支持体を帯状支持体供給工程から該帯状支持体として送り出し、回収工程で該帯状支持体を巻き芯に巻き取りロール状とし回収することを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
  6. 前記発光層の発光機構がリン光に基づくものであることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
  7. 請求項1〜6の何れか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法により製造された有機エレクトロルミネッセンス素子を使用したことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス表示装置。
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