JP2006294484A - 有機エレクトロルミネッセンス素子とその製造方法及び有機エレクトロルミネッセンス表示装置 - Google Patents

有機エレクトロルミネッセンス素子とその製造方法及び有機エレクトロルミネッセンス表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 基板上の画素電極上に発光素子を形成するための精度の高いバンク層を容易に形成することが可能であり、アライメント処理が不要なバンク層の形成方法を提供する。
【解決手段】 少なくとも駆動回路、薄膜トランジスタ、反射画素電極、感光層隔壁、発光層を含む1以上の有機化合物層、透明画素電極より構成されるトップエミッション型の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法において、駆動回路、薄膜トランジスタ、反射画素電極が形成されている基板上に、湿式塗布により基板全面にネガ型感光層を形成する工程と、駆動回路、薄膜トランジスタ電極、反射画素電極をマスクとして、感光層形成面の裏面より感光層の露光を行う工程と、露光が行われた感光層を現像する工程と、により感光層隔壁を形成し、反射画素電極上に有機化合物層を形成することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は有機エレクトロルミネッセンス(EL)素子の製造方法に関し、特に発光画素の隣接境界に隔壁を形成した有機EL素子の製造方法に関する。
有機EL装置(電気光学装置)の製造方法の1つとして、発光材料等の機能材料をインク化し、このインク(液体材料)を基板上に吐出する液滴吐出法(インクジェット法)がある。このインクジェット法は、三色発光方式によるディスプレイの製造には非常に有用な方法であるが、飛行曲がりなどの吐出不良が存在するため、有機エレクトロルミネッセンスで要求される高精度な微細パターンを直接描画するには十分なレベルにあるとは言えない。したがって、現実的なところは、そのような電子デバイスに液滴吐出法が応用される場合は、液滴吐出法の吐出精度をカバーするために、基板上に開口部を有するバンク層(隔壁)を形成し、このバンク層に形成された開口部に対して液滴を吐出することにより機能材料のパターニングを行っている(特許文献1参照。)。
バンク層は一般的にフォトリソグラフィー法により形成される。方法としては、基板上に感光性を有する合成樹脂をコーティングして感光性材料層(単に感光層ともいう。絶縁層である。)を設けた後、前記開口部に対応するパターンを有するマスクを露光光で照明し、マスクを透過した露光光により感光性材料層を露光し、次いで現像処理することによりバンク層が得られる。
このバンク層の形成方法は、マスクを透過した露光光を感光性材料層に露光する構成であるため、感光性材料層の所望の位置に露光光を照射するために、感光性材料層が設けられた基板とマスクとのアライメント処理が必要となる。このように、アライメント処理のための工程が必要となるためスループットが低下するとともに、アライメント装置を備えた露光装置、いわゆるステッパが必要となる。更に、ステッパは複数のショット領域に対してステップ・アンド・リピートしながら順次露光処理する構成であるが、基板の大型化に伴ってショット数も多くなりスループットが低下する。
また、バンク層に用いられる材料は感光性が低いため長時間露光しなくてはならず、ステッパに負荷がかかり、高価なステッパにおいて光学系のメンテナンスが頻繁に必要になったりステッパが故障するおそれが高くなるなど、コスト面においても不利になる。
このような課題に対して以下のような手法による改善が試みられている。
例えば、フォトリソグラフィー法に変わるものとして、レーザー光熱転写法が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。この方法は、転写材料が形成されたドナーシートと画素電極が形成された透明基板を密着させ、ドナーシート側から画素の仕切りパターンに対応したレーザー照射を行うことにより、透明基板上に仕切りパターンを転写するものである。
しかしながら特許文献2の技術では、ドナーシートと画素電極を密着させて行う為、密着性が非常に重要になる。密着不良の場合には転写ムラなどが生じると画素電極基板の歩留まりが上がらない問題があった。
また、スループットを改善したフォトリソグラフィー法が提案されている(例えば、特許文献3参照。)。基板上に予め遮光部を設けておき、遮光部をマスクとして基板裏面より露光することでバンクを形成するものである。この方式においても、その遮光部と画素電極を重なり合わせる必要があり、位置合わせを含め製造工程が非常に煩雑になるものであった。
特開2000−353594号公報 特開2001−130141号公報 特開2004−63286号公報
本発明の目的は、有機EL素子の製造方法であって、基板上の画素電極上に発光素子を形成するための精度の高いバンク層を容易に形成することが可能であり、アライメント処理が不要なバンク層の形成方法を提供することを目的とする。
上記課題は、以下の構成により解決することができた。
(請求項1)
少なくとも駆動回路、薄膜トランジスタ、反射画素電極、感光層隔壁、発光層を含む1以上の有機化合物層、透明画素電極より構成されるトップエミッション型の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法において、
駆動回路、薄膜トランジスタ、反射画素電極が形成されている基板上に、湿式塗布により基板全面にネガ型感光層を形成する工程と、駆動回路、薄膜トランジスタ電極、反射画素電極をマスクとして、感光層形成面の裏面より感光層の露光を行う工程と、露光が行われた感光層を現像する工程と、により感光層隔壁を形成し、反射画素電極上に有機化合物層を形成することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
(請求項2)
少なくとも駆動回路、薄膜トランジスタ、透明画素電極、感光層隔壁、発光層を含む1以上の有機化合物層、反射画素電極より構成されるボトムエミッション型の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法において、
駆動回路、薄膜トランジスタ、透明画素電極が形成されている基板上に、湿式塗布により基板全面にポジ型感光層を形成する工程と、駆動回路、薄膜トランジスタをマスクとして、感光層形成面の裏面より感光層の露光を行う工程と、露光が行われた感光層を現像する工程と、により駆動回路、薄膜トランジスタ上に感光層隔壁を形成し、透明画素電極上に有機化合物層を形成することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
(請求項3)
感光層が光感応性樹脂を含む光感応性樹脂層であることを特徴とする請求項1又は2に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
(請求項4)
露光が、搬送されながら行われ、搬送方向と垂直な方向にライン状に設けられた開口スリットを通して行われることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
(請求項5)
薄膜トランジスタの半導体層が、薄膜トランジスタのゲート電極より小なる領域で形成されていることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
(請求項6)
有機化合物層が発光層以外の機能層であるときは蒸着法あるいは湿式成膜法により全面に機能層を形成することを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
(請求項7)
有機化合物層が青、緑、赤より選択されるいずれかの発光層であるときは、感光層隔壁により囲われた反射画素電極あるいは透明画素電極のある領域に、液滴吐出法により選択的に発光層を形成することを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
(請求項8)
有機化合物層が、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層又は電子注入層の何れかもしくはそれらの複数の機能を有する層であり、単層あるいは積層にて形成されることを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
(請求項9)
前記工程の一部若しくは全部を、一方からロール状に巻かれた帯状可撓性連続シート基板を送り出し、他方でロール状に巻き取る間に行われることを特徴とする請求項1〜8の何れか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
(請求項10)
有機化合物層の溶媒除去が、幅手分布5%以内、吐出風速0.1〜2m/s、温度30〜200℃の気流による乾燥であることを特徴とする請求項9に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
(請求項11)
帯状可撓性連続シート基板の搬送速度ばらつきが、平均速度に対し10%以下であることを特徴とする請求項9又は10に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
(請求項12)
請求項1〜11の何れか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法により製造されたことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
(請求項13)
発光層の発光機構が燐光に基づくものであることを特徴とする請求項12に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
(請求項14)
請求項12又は13に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子が複数配置されていることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス表示装置。
基板上の反射性部位や光不透過性部位をマスクとして用い、感光層に露光光を照射することによりバンク層(感光層隔壁)を形成する為、特許文献2のような遮光層を新たに設置する必要はない。当然位置合わせ(アライメント処理)も不要であり、ロールツーロールのような基板連続搬送プロセスにも適用可能であり、生産性改善が達成される。
本発明によれば、基板上に反射性の電極および駆動回路が予め設けられているため、基板裏面より感光層の露光を行うことにより、電極および駆動回路パターンで感光層のパターニングが可能となる。ここでネガ型の感光材料を使用すれば、回路パターン以外の露光部となる領域の感光層が感光層隔壁として形成される一方、回路パターンに相当する未露光部となる領域の感光層は現像される。一方、ポジ型の感光材料を使用することにより、回路パターンに相当する未露光部となる感光層が感光層隔壁として形成される一方、回路パターン以外の露光部となる領域の感光層は現像される。ここで、基板に予め設けられた電極及び駆動回路パターンを露光光のマスクとして使用するため、露光光照射時のマスクアライメント処理が不要になる。また、露光光照射は、基板全体の一括露光可能な安価な照明装置でよく、可撓性基板による連続生産に好適な方法であり、生産性の向上によるコスト抑制が可能となる。
請求項2において、ボトムエミッションとしているが、隔壁形成後、透明電極上に反射性材料を形成することで反射性陽極として、反射画素電極の変わりに透明電極を形成することによりトップエミッションとすることも可能である。
また、薄膜トランジスタの半導体層が、薄膜トランジスタのゲート電極より小なる領域で形成することにより、有機半導体層はゲート電極上に形成されるバンク層によりカバーされ、その後の工程での半導体層へのダメージを防止することが可能であり、好ましい。
本発明の有機EL素子の製造方法により、アライメント処理をすることなく、画素電極の境界領域に容易に精度良くバンク層を形成することが可能となったものである。
即ち、本発明の有機EL素子の製造方法においては、駆動回路、薄膜トランジスタ、画素電極が形成されている基板上の画素電極上に発光層を含む1以上の有機化合物層(発光素子層)を精度良く形成するために、画素電極の境界領域にバンク層(隔壁)を容易に精度良く形成することができる。
以下、図をもって本発明の有機EL素子の製造方法を説明する。
図1は、本発明に係る感光層隔壁形成装置10の概略構成図である。この感光層隔壁形成装置10は、ロール状に巻かれたフレキシブルな帯状可撓性連続シート基板11を送り出すための供給ロール12と、他方に帯状可撓性連続シート基板11をロール状に巻き取る巻取ロール13とを備えている。これら供給ロール12および巻取ロール13は、後述の各部のロールと共に、各々の周速が互いに同期するように図示しない駆動源により一定速度で回転されるようになっている。
予め、駆動回路、薄膜トランジスタ及び画素電極が形成され帯状可撓性連続シート基板11は供給ロール12に巻かれたロール状態で供給され、該ロールより送り出された帯状可撓性連続シート基板11は、表面洗浄除電部20、感光層塗布乾燥部25、露光現像部30を通り巻取ロール13により巻き取られる。
表面洗浄除電部20における表面洗浄とは、前記帯状可撓性連続シート基板11の表面に付着したゴミ等を洗浄除去するものであり、表面洗浄手段としては、例えば低圧水銀ランプ、エキシマランプ、プラズマ洗浄装置等を挙げることができる。
また、表面洗浄除電部20における除電としては、帯電を除去するものであり、除電手段としては、例えば光照射方式とコロナ放電式等が挙げられ、これらの中から必要に応じて適宜選択使用することが可能である。光照射式としては微弱X線、コロナ放電方式としてはコロナ放電により空気イオンを生成する。これら除電装置により、基材の帯電除去が図られるため、ゴミの付着や絶縁破壊が防止されるため、素子の歩留まりの向上が図られる。
次に、感光層塗布乾燥部25において、前記帯状可撓性連続シート基板11の表面に感光層が塗布され、乾燥される。
次に、露光現像部30においては、感光層が塗布され帯状可撓性連続シート基板11の裏面より、シート基板に形成されている駆動回路、薄膜トランジスタ及び画素電極をマスクとして露光を行い、その後、現像液よる現像処理により感光層隔壁を形成し、その後乾燥を行う。
この様にして、駆動回路、薄膜トランジスタ及び画素電極が形成され、該画素電極の周囲には感光層隔壁が形成され帯状可撓性連続シート基板が得られる。
得られた帯状可撓性連続シート基板は巻き取りロールに巻き取り感光層隔壁の形成工程で一旦終了しても良く、また、連続して次の工程(画素電極上に有機EL素子の発光層を含む1つ以上の有機化合物層の形成工程)を行ってもよい。
一旦巻き取りを行う場合は、形成された感光層隔壁の保護のため、巻き取り時にクッション層となる合紙等と同時に巻き取ることが好ましい。
図2は、予め駆動回路、薄膜トランジスタ及び画素電極が形成された帯状可撓性連続シート基板の、画素電極が透明電極からなるボトムエミッションタイプの有機EL素子に適用する基板の一部を示す図である。
図2(a)において、ソースバスライン(SBL)及びゲートバスライン(GBL)が網目状に形成(本発明における駆動回路である。)され、一つの網目が一つの画素を形成し、一つの画素毎に薄膜トランジスタ(TFT)が形成されており、薄膜トランジスタ(TFT)のドレイン電極は画素電極(P1)に接続されており、画素電極は透明電極からなるものである。図2(b)は、その上に感光層を形成し、裏面より露光(矢印)し、現像した後の感光層隔壁が形成された模式図であり、図2(c)は、図2(b)における感光層(R1)を形成したときのA−A線における断面図であり、図2(d)は、露光、現像後の感光層隔壁(RR1)が形成された後のA−A線の断面図である。感光層を形成する感光性樹脂としては未露光部が現像(残る)されるポジタイプの感光性樹脂が用いられる。
図3(a)は、図2と同様に駆動回路、薄膜トランジスタ(TFT)及び画素電極が形成されている。図3における画素電極(P2)は金属からなる不透明の電極である。図3(b)は、その上に感光層を形成し、裏面より露光(矢印)し、現像した後の感光層隔壁が形成された模式図であり、図3(c)は、図3(b)における感光層(R2)を形成したときのB−B線における断面図であり、図3(d)は、露光、現像後の感光層隔壁(RR2)が形成された後のB−B線の断面図である。感光層を形成する感光性樹脂としては露光部が現像(残る)されるネガタイプの感光性樹脂が用いられる。
以下、本発明に係る各構成要素の詳細について順次説明する。
〈駆動回路、TFT、画素電極が形成された支持基材〉
本発明の有機EL素子の製造方法に用いられる駆動回路、薄膜トランジスタ及び画素電極が形成された支持基材は通常の方法により得ることができる。
支持基材上に電極や駆動回路の構成材料を電極パターンや回路パターンに付与する方法としては、蒸着やスパッタリング等の方法を用いて導電性薄膜を形成する方法、アルミニウムや銅などの金属箔上に熱転写する方法、導電性ポリマーの溶液あるいは分散液、金属微粒子を含有する分散液等を直接インクジェット法によりパターニング等の種々の方法を用いることが出来る。
薄膜トランジスタ(TFT)としては、液晶ディスプレイ等に使用されている無機半導体系のものでも、有機半導体を用いたもの、何れでも良く、好ましくはプラスチックフィルム上に形成されたTFTである。プラスチックフィルム上に形成されたTFTとしては、アモルファスシリコン系のものが知られているが、その他、米国Alien Technology社が開発しているFSA(Fluidic Self Assembly)技術、即ち、単結晶シリコンで作製した微小CMOS(Nanoblocks)をエンボス加工したプラスチックフィルム上に配列させることで、フレキシブルなプラスチックフィルム上にTFTを形成するものとしても良い。さらに、Science283,822(1999)やAppl.Phys.Lett,771488(1998)、Nature,403,521(2000)等の文献に記載されているような有機半導体を用いたTFTであってもよい。
このように、本発明に用いられるスイッチング素子としては、上記FSA技術で作製したTFT及び有機半導体を用いたTFTが好ましく、特に好ましいものは有機半導体を用いたTFTである。この有機半導体を用いてTFTを構成すれば、シリコンを用いてTFTを構成する場合のように真空蒸着装置等の設備が不要となり、印刷技術やインクジェット技術を活用してTFTを形成できるので、製造コストが安価となる。
また、有機半導体を用いたTFTの内、電界効果型トランジスタ(FET)が特に好ましく、具体的には図4(a)、(b)、(c)に示す構造の有機TFTである。図4(a)、(b)に示す有機TFTは、ボトムゲート型の有機TFTであり、基板1上にゲート電極G、ゲート絶縁層GI、ソース電極S、ドレイン電極Dを形成した後、有機半導体層OSを形成したものであり、図4(b)は、基板1上にゲート電極G,ゲート絶縁層GI,有機半導体層SOを形成した後,ソース電極S、ドレイン電極Dを形成したものである。
図4(c)は、トップゲート型の有機TFTであり、基板1上にソース電極S、ドレイン電極Dを形成した後、有機半導体層OSを形成し、更にその上にゲート絶縁層GI、ゲート電極Gを形成したものである。
本発明においては、図4(a)及び(b)に示す有機TFTは、感光層隔壁を形成する際の裏面(図中、下側)からの露光に対し、ゲート電極よりも小さい有機半導体層を、ゲート電極により保護された構造となる点で好ましい。
有機半導体層を形成する化合物は、単結晶材科でもアモルファス材料でもよく、低分子でも高分子でもよいが、特に好ましいものとしては、ペンタセンやトリフェニレン、アントラセン等に代表される縮環系芳香族炭化水素化合物の単結晶や、前記π共役系高分子が挙げられる。
ソース電極、ドレイン電極及びゲート電極は、金属でも導電性無機化合物でも導電性有機化合物でも何れでもよいが、作製の容易さの観点から導電性有機化合物であることが好ましく、その代表例としては、前記π共役系高分子化合物にルイス酸(塩化鉄、塩化アルミニウム、臭化アンチモン等)やハロゲン(ヨウ素や臭素など)、スルホン酸塩(ポリスチレンスルホン酸のナトリウム塩(PSS)、p−トルエンスルホン酸カリウム等)などをドープしたものが挙げられ、具体的にはPEDOTにPSSを添加した導電性高分子が代表例として挙げられる。有機TFTの具体例としては、図5で示したものが挙げられる。
〈支持基板〉
本発明の有機EL素子に用いることのできる支持基板(以下、基体、基板、基材、支持体等ともいう)としては、駆動回路、薄膜トランジスタ、反射若しくは透明の画素電極が形成された面に感光性樹脂層を形成し、基板の裏面から露光を行うため、基板は光透過性基板である必要があり、透明あるいは半透明であることが必要である。
具体的には、ガラス、石英、光透過性樹脂フィルムなどを用いることができるが、有機EL素子にフレキシブル性を与えることが可能な樹脂フィルムが好ましく、更に、本発明の有機EL素子の製造方法として連続搬送される帯状可撓性連続シート状基板であることが好ましい。
樹脂フィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、セロファン、セルロースジアセテート、セルローストリアセテート、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロピオネート(CAP)、セルロースアセテートフタレート(TAC)、セルロースナイトレート等のセルロースエステル類又はそれらの誘導体、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリエチレンビニルアルコール、シンジオタクティックポリスチレン、ポリカーボネート、ノルボルネン樹脂、ポリメチルペンテン、ポリエーテルケトン、ポリイミド、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリフェニレンスルフィド、ポリスルホン類、ポリエーテルイミド、ポリエーテルケトンイミド、ポリアミド、フッ素樹脂、ナイロン、ポリメチルメタクリレート、アクリル或いはポリアリレート類、アートン(商品名JSR社製)或いはアペル(商品名三井化学社製)といったシクロオレフィン系樹脂等を挙げられる。
樹脂フィルムの表面には、無機物、有機物の被膜またはその両者のハイブリッド被膜が形成されていてもよく、水蒸気透過度が0.01g/m2・day・atm以下のバリア性フィルムであることが好ましく、更には、酸素透過度10-3g/m2/day以下、水蒸気透過度10-5g/m2/day以下の高バリア性フィルムであることが好ましい。
該バリア膜を形成する材料としては、水分や酸素など素子の劣化をもたらすものの浸入を抑制する機能を有する材料であればよく、例えば、酸化珪素、二酸化珪素、窒化珪素などを用いることができる。更に該膜の脆弱性を改良するためにこれら無機層と有機材料からなる層の積層構造を持たせることがより好ましい。無機層と有機層の積層順については特に制限はないが、両者を交互に複数回積層させることが好ましい。
該バリア膜の形成方法については、特に限定はなく、例えば真空蒸着法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、分子線エピタキシー法、クラスタ−イオンビーム法、イオンプレーティング法、プラズマ重合法、大気圧プラズマ重合法、プラズマCVD法、レーザーCVD法、熱CVD法、コーティング法などを用いることができるが、特開2004−68143号に記載されているような大気圧プラズマ重合法によるものが特に好ましい。
次に感光層隔壁を形成する感光性樹脂及び感光層隔壁の形成方法について説明する。
駆動回路、薄膜トランジスタ、画素電極が形成された基板上の、画素電極が透明のときはポジタイプの感光性樹脂を用い、画素電極が不透明のときはネガタイプの感光性樹脂を用いて感光性樹脂層を形成し、感光性樹脂層が形成された面とは反対の面(裏面)から、駆動回路、薄膜トランジスタ、画素電極をマスクとしてパターン露光をすることにより、画素電極の境界領域にバンク層(隔壁)を形成する。
〈感光性樹脂層の形成〉
感光性樹脂層としては、ポジ型、ネガ型の公知の材料を用いることができる。感光特性としては、特に制限はないが、レーザーで露光が行えるレーザー感光性の材料を用いることが好ましい。このような感光性樹脂層に用いられる、レーザー感光性の材料としては、(1)特開平11−271969号公報、特開2001−117219号公報、特開平11−311859号公報、同11−352691号公報のような色素増感型の光重合感光材料、(2)特開平9−179292号公報、米国特許第5,340,699号明細書、特開平10−90885号公報、特開2000−321780号公報、同2001−154374号公報のような赤外線レーザーに感光性を有するネガ型感光材料、(3)特開平9−171254号公報、同5−115144号公報、同10−87733号公報、同9−43847号公報、同10−268512号公報、同11−194504号公報、同11−223936号公報、同11−84657号公報、同11−174681号公報、同7−285275号公報、特開2000−56452号公報、国際公開第97/39894号パンフレット、同第98/42507号パンフレット等のような赤外線レーザーに感光性を有するポジ型感光材料が挙げられる。中でも工程が暗所に限定されない点で、(2)と(3)が好ましい。
感光性樹脂の塗布溶液を形成する溶媒としては、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、メチルセロソルブ、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブ、エチルセロソルブアセテート、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジオキサン、アセトン、シクロヘキサノン、トリクロロエチレン、メチルエチルケトン等が挙げられる。これら溶媒は、単独であるいは2種以上混合して使用する。
感光性樹脂層を形成する方法としては、スプレーコート法、スピンコート法、ブレードコート法、デイップコート法、キャスト法、ロールコート法、バーコート法、ダイコート法などの塗布による方法が用いられる。
〈露光〉
感光性樹脂層を形成した後、支持基盤の光感応性樹脂層が形成された面と反対の面より、駆動回路、薄膜トランジスタ、画素電極をマスクとして光感応性樹脂層をパターニング露光を行う。パターニング露光を行う光源としては、感光波長に応じて種々の発光光源を用いることができるが、紫外線、可視、赤外線の何れも用いることる。用いられる光源としては、高圧水銀ランプ、低圧水銀ランプ、ハロゲンランプ、キセノンランプ、赤外線ランプや種々のレーザー光源が用いられる。好ましく用いられる光源としてはレーザー光源であり、例えばArレーザー、半導体レーザー、He−Neレーザー、YAGレーザー、炭酸ガスレーザー等が挙げられ、好ましくは赤外に発振波長があるもので、半導体レーザーである。出力は50mW以上が適当であり、好ましくは100mW以上である。
〈現像〉
次に、露光された感光性樹脂層を現像する。感光性樹脂層の現像に用いられる現像液としては、水系アルカリ現像液が好適である。水系アルカリ現像液としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、メタケイ酸ナトリウム、メタケイ酸カリウム、第二リン酸ナトリウム、第三リン酸ナトリウム等のアルカリ金属塩の水溶液や、アンモニア、エチルアミン、n−プロピルアミン、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、コリン、ピロール、ピペリジン、1,8−ジアザビシクロ−[5,4,0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ−[4,3,0]−5−ノナン等のアルカリ性化合物を溶解した水溶液を挙げることが出来る。本発明におけるアルカリ性化合物のアルカリ現像液中における濃度は、通常1質量%〜10質量%、好ましくは2質量%〜5質量%である。
現像液には、必要に応じアニオン性界面活性剤、両性界面活性剤やアルコール等の有機溶剤を加えることができる。有機溶剤としては、プロピレングリコール、エチレングリコールモノフェニルエーテル、ベンジルアルコール、n−プロピルアルコール等が有用である。
次に、画素電極の境界領域に形成された隔壁を利用して画素電極上に発光層を含む有機化合物層の形成について説明する。
本発明の有機EL素子の基材上に形成された画素電極上に形成する有機化合物層(機能層)の構成の好ましい具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されない。
(i)基材/透明画素電極/発光層/電子輸送層/反射画素電極
(ii)基材/透明画素電極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/反射画素電極
(iii)基材/透明画素電極/正孔輸送層/発光層/正孔阻止層/電子輸送層/反射画素電極
(iv)基材/透明画素電極/正孔輸送層/発光層/正孔阻止層/電子輸送層/陰極バッファー層/反射画素電極
(v)基材/透明画素電極/陽極バッファー層/正孔輸送層/発光層/正孔阻止層/電子輸送層/陰極バッファー層/反射画素電極
上記の構成は透明基板上に左から順に各層を形成するボトムエミッションタイプの有機EL素子の構成を示すものであるが、上記記載と全く逆順の支持基盤上に反射画素電極を形成した後、右から順に各層を形成するトップエミッションタイプの有機EL素子であっても良い。
ここで、発光層としては、発光極大波長が各々430〜480nm(青)、510〜550nm(緑)、600〜640nm(赤)の範囲にある少なくとも3種の発光層である。
支持基材上に形成された画素電極について説明する。
各画素電極は下記の陽極或いは陰極材料から適宜選択して用いることができる。
《陽極》
有機EL素子における陽極としては、仕事関数の大きい(4eV以上)金属、合金、電気伝導性化合物及び金属との混合物を電極物質とするものが好ましく用いられる。このような電極物質の具体例としてはAu等の金属、CuI、インジウムチンオキシド(ITO)、SnO2、ZnO等の導電性透明材料が挙げられる。また、IDIXO(In23−ZnO)等非晶質で透明導電膜を作製可能な材料を用いてもよい。陽極はこれらの電極物質を蒸着やスパッタリング等の方法により、薄膜を形成させ、フォトリソグラフィー法で所望の形状のパターンを形成してもよく、あるいはパターン精度をあまり必要としない場合は(100μm以上程度)、上記電極物質の蒸着やスパッタリング時に所望の形状のマスクを介してパターンを形成してもよい。あるいは、有機導電性化合物のように塗布可能な物質を用いる場合には、印刷方式、コーティング方式など湿式成膜法を用いることもできる。この陽極より発光を取り出す場合には、透過率を10%より大きくすることが望ましく、また陽極としてのシート抵抗は数百Ω/□以下が好ましい。更に膜厚は材料にもよるが、通常10〜1000nm、好ましくは10〜200nmの範囲で選ばれる。
《陰極》
一方、陰極としては、仕事関数の小さい(4eV以下)金属(電子注入性金属と称する)、合金、電気伝導性化合物及びこれらの混合物を電極物質とするものが用いられる。このような電極物質の具体例としては、ナトリウム、ナトリウム−カリウム合金、マグネシウム、リチウム、マグネシウム/銅混合物、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム(Al23)混合物、インジウム、リチウム/アルミニウム混合物、希土類金属等が挙げられる。これらの中で、電子注入性及び酸化等に対する耐久性の点から、電子注入性金属とこれより仕事関数の値が大きく安定な金属である第二金属との混合物、例えば、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム(Al23)混合物、リチウム/アルミニウム混合物、アルミニウム等が好適である。陰極はこれらの電極物質を蒸着やスパッタリング等の方法により薄膜を形成させることにより、作製することができる。また、陰極としてのシート抵抗は数百Ω/□以下が好ましく、膜厚は通常10nm〜5μm、好ましくは50〜200nmの範囲で選ばれる。なお、発光した光を透過させるため、有機EL素子の陽極または陰極のいずれか一方が、透明または半透明であれば発光輝度が向上し好都合である。
また、陰極に上記金属を1〜20nmの膜厚で作製した後に、陽極の説明で挙げた導電性透明材料をその上に作製することで、透明または半透明の陰極を作製することができ、これを応用することで陽極と陰極の両方が透過性を有する素子を作製することができる。
次に、本発明の有機EL素子の機能層として用いられる、注入層、阻止層、電子輸送層等について説明する。
《注入層:電子注入層、正孔注入層》
注入層は必要に応じて設け、電子注入層と正孔注入層があり、上記の如く陽極と発光層または正孔輸送層の間、及び陰極と発光層または電子輸送層との間に存在させてもよい。
注入層とは、駆動電圧低下や発光輝度向上のために電極と有機層間に設けられる層のことで、「有機EL素子とその工業化最前線(1998年11月30日エヌ・ティー・エス社発行)」の第2編第2章「電極材料」(123〜166頁)に詳細に記載されており、正孔注入層(陽極バッファー層)と電子注入層(陰極バッファー層)とがある。
陽極バッファー層(正孔注入層)は、特開平9−45479号公報、同9−260062号公報、同8−288069号公報等にもその詳細が記載されており、具体例として、銅フタロシアニンに代表されるフタロシアニンバッファー層、酸化バナジウムに代表される酸化物バッファー層、アモルファスカーボンバッファー層、ポリアニリン(エメラルディン)やポリチオフェン等の導電性高分子を用いた高分子バッファー層等が挙げられる。
陰極バッファー層(電子注入層)は、特開平6−325871号公報、同9−17574号公報、同10−74586号公報等にもその詳細が記載されており、具体的にはストロンチウムやアルミニウム等に代表される金属バッファー層、フッ化リチウムに代表されるアルカリ金属化合物バッファー層、フッ化マグネシウムに代表されるアルカリ土類金属化合物バッファー層、酸化アルミニウムに代表される酸化物バッファー層等が挙げられる。上記バッファー層(注入層)はごく薄い膜であることが望ましく、素材にもよるがその膜厚は0.1nm〜5μmの範囲が好ましい。
《阻止層:正孔阻止層、電子阻止層》
阻止層は、上記の如く、有機化合物薄膜の基本構成層の他に必要に応じて設けられるものである。例えば、特開平11−204258号公報、同11−204359号公報、及び「有機EL素子とその工業化最前線(1998年11月30日エヌ・ティー・エス社発行)」の237頁等に記載されている正孔阻止(ホールブロック)層がある。
正孔阻止層とは広い意味では電子輸送層の機能を有し、電子を輸送する機能を有しつつ正孔を輸送する能力が著しく小さい正孔阻止材料からなり、電子を輸送しつつ正孔を阻止することで電子と正孔の再結合確率を向上させることができる。また、後述する電子輸送層の構成を必要に応じて、本発明に係わる正孔阻止層として用いることができる。
本発明の有機EL素子の正孔阻止層は、発光層に隣接して設けられていることが好ましい。
《発光層》
本発明に係る発光層は、電極または電子輸送層、正孔輸送層から注入されてくる電子及び正孔が再結合して発光する層であり、発光する部分は発光層の層内であっても発光層と隣接層との界面であってもよい。
(ホスト化合物)
本発明の有機EL素子の発光層には、以下に示すホスト化合物とリン光性化合物(リン光発光性化合物ともいう)が含有されることが好ましい。これにより、より一層発光効率を高くすることができる。また、ホスト化合物として下記の化合物以外の化合物を含有してもよい。
Figure 2006294484
Figure 2006294484
ここで、本発明においてホスト化合物とは、発光層に含有される化合物の内で、その層中での質量比が20%以上であり、かつ室温(25℃)においてリン光発光のリン光量子収率が、0.1未満の化合物と定義される。好ましくはリン光量子収率が0.01未満である。
更に公知のホスト化合物を複数種併用して用いてもよい。ホスト化合物を複数種用いることで、電荷の移動を調整することが可能であり、有機EL素子を高効率化することができる。また、リン光性化合物を複数種用いることで、異なる発光を混ぜることが可能となり、これにより任意の発光色を得ることができる。
これらの公知のホスト化合物としては、正孔輸送能、電子輸送能を有しつつ、且つ発光の長波長化を防ぎ、なお且つ高Tg(ガラス転移温度)である化合物が好ましい。
公知のホスト化合物の具体例としては、以下の文献に記載されている化合物が挙げられる。
特開2001−257076号公報、同2002−308855号公報、同2001−313179号公報、同2002−319491号公報、同2001−357977号公報、同2002−334786号公報、同2002−8860号公報、同2002−334787号公報、同2002−15871号公報、同2002−334788号公報、同2002−43056号公報、同2002−334789号公報、同2002−75645号公報、同2002−338579号公報、同2002−105445号公報、同2002−343568号公報、同2002−141173号公報、同2002−352957号公報、同2002−203683号公報、同2002−363227号公報、同2002−231453号公報、同2003−3165号公報、同2002−234888号公報、同2003−27048号公報、同2002−255934号公報、同2002−260861号公報、同2002−280183号公報、同2002−299060号公報、同2002−302516号公報、同2002−305083号公報、同2002−305084号公報、同2002−308837号公報等。
(リン光性化合物(リン光発光性化合物))
発光層に使用される材料(以下、発光材料という)としては、上記のホスト化合物を含有すると同時に、リン光性化合物を含有することが好ましい。これにより、より発光効率の高い有機EL素子とすることができる。
本発明に係るリン光性化合物は、励起三重項からの発光が観測される化合物であり、室温(25℃)にてリン光発光する化合物であり、リン光量子収率が、25℃において0.01以上の化合物である。リン光量子収率は好ましくは0.1以上である。上記リン光量子収率は、第4版実験化学講座7の分光IIの398頁(1992年版、丸善)に記載の方法により測定できる。溶液中でのリン光量子収率は種々の溶媒を用いて測定できるが、本発明に用いられるリン光性化合物は、任意の溶媒のいずれかにおいて上記リン光量子収率が達成されればよい。
リン光性化合物の発光は原理としては2種挙げられ、一つはキャリアが輸送されるホスト化合物上でキャリアの再結合が起こってホスト化合物の励起状態が生成し、このエネルギーをリン光性化合物に移動させることでリン光性化合物からの発光を得るというエネルギー移動型、もう一つはリン光性化合物がキャリアトラップとなり、リン光性化合物上でキャリアの再結合が起こりリン光性化合物からの発光が得られるというキャリアトラップ型であるが、いずれの場合においても、リン光性化合物の励起状態のエネルギーはホスト化合物の励起状態のエネルギーよりも低いことが条件である。
リン光性化合物は、有機EL素子の発光層に使用される公知のものの中から適宜選択して用いることができる。
本発明で用いられるリン光性化合物としては、好ましくは元素の周期表で8族〜10族の金属を含有する錯体系化合物であり、更に好ましくはイリジウム化合物、オスミウム化合物、または白金化合物(白金錯体系化合物)、希土類錯体であり、中でも最も好ましいのはイリジウム化合物である。
以下に、リン光性化合物の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されない。これらの化合物は、例えば、Inorg.Chem.40巻、1704〜1711に記載の方法等により合成できる。
Figure 2006294484
Figure 2006294484
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本発明においては、リン光性化合物のリン光発光極大波長としては特に制限されるものではなく、原理的には中心金属、配位子、配位子の置換基等を選択することで得られる発光波長を変化させることができる。
《正孔輸送層》
正孔輸送層とは正孔を輸送する機能を有する正孔輸送材料からなり、広い意味で正孔注入層、電子阻止層も正孔輸送層に含まれる。正孔輸送層は単層または複数層設けることができる。
正孔輸送材料としては、正孔の注入または輸送、電子の障壁性のいずれかを有するものであり、有機物、無機物のいずれであってもよい。例えば、トリアゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体及びピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、オキサゾール誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、シラザン誘導体、アニリン系共重合体、また導電性高分子オリゴマー、特にチオフェンオリゴマー等が挙げられる。
正孔輸送材料としては上記のものを使用することができるが、ポルフィリン化合物、芳香族第3級アミン化合物及びスチリルアミン化合物、特に芳香族第3級アミン化合物を用いることが好ましい。
芳香族第3級アミン化合物及びスチリルアミン化合物の代表例としては、N,N,N′,N′−テトラフェニル−4,4′−ジアミノフェニル;N,N′−ジフェニル−N,N′−ビス(3−メチルフェニル)−〔1,1′−ビフェニル〕−4,4′−ジアミン(TPD);2,2−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)プロパン;1,1−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)シクロヘキサン;N,N,N′,N′−テトラ−p−トリル−4,4′−ジアミノビフェニル;1,1−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)−4−フェニルシクロヘキサン;ビス(4−ジメチルアミノ−2−メチルフェニル)フェニルメタン;ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)フェニルメタン;N,N′−ジフェニル−N,N′−ジ(4−メトキシフェニル)−4,4′−ジアミノビフェニル;N,N,N′,N′−テトラフェニル−4,4′−ジアミノジフェニルエーテル;4,4′−ビス(ジフェニルアミノ)クオードリフェニル;N,N,N−トリ(p−トリル)アミン;4−(ジ−p−トリルアミノ)−4′−〔4−(ジ−p−トリルアミノ)スチリル〕スチルベン;4−N,N−ジフェニルアミノ−(2−ジフェニルビニル)ベンゼン;3−メトキシ−4′−N,N−ジフェニルアミノスチルベンゼン;N−フェニルカルバゾール、更には米国特許第5,061,569号明細書に記載されている2個の縮合芳香族環を分子内に有するもの、例えば、4,4′−ビス〔N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ〕ビフェニル(NPD)、特開平4−308688号公報に記載されているトリフェニルアミンユニットが3つスターバースト型に連結された4,4′,4″−トリス〔N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ〕トリフェニルアミン(MTDATA)等が挙げられる。
更にこれらの材料を高分子鎖に導入した、またはこれらの材料を高分子の主鎖とした高分子材料を用いることもできる。また、p型−Si、p型−SiC等の無機化合物も正孔注入材料、正孔輸送材料として使用することができる。
また、特開平11−251067号公報、J.Huang et.al.著文献(Applied Physics Letters 80(2002),p.139)に記載されているような所謂p型正孔輸送材料を用いることもできる。本発明においては、より高効率の発光素子が得られることから、これらの材料を用いることが好ましい。
正孔輸送層は上記正孔輸送材料を、例えば、真空蒸着法、スピンコート法、キャスト法、インクジェット法を含む印刷法、LB法等の公知の方法により、薄膜化することにより形成することができる。正孔輸送層の膜厚については特に制限はないが、通常は5nm〜5μm程度、好ましくは5〜200nmである。この正孔輸送層は上記材料の1種または2種以上からなる一層構造であってもよい。
また、不純物をドープしたp性の高い正孔輸送層を用いることもできる。その例としては、特開平4−297076号、特開2000−196140号、特開2001−102175号、J.Appl.Phys.,95,5773(2004)などに記載されたものが挙げられる。
本発明においては、このようなp性の高い正孔輸送層を用いることが、より低消費電力の素子を作製することができるため好ましい。
《電子輸送層》
電子輸送層とは電子を輸送する機能を有する材料からなり、広い意味で電子注入層、正孔阻止層も電子輸送層に含まれる。電子輸送層は単層または複数層設けることができる。
従来、単層の電子輸送層、及び複数層とする場合は発光層に対して陰極側に隣接する電子輸送層に用いられる電子輸送材料(正孔阻止材料を兼ねる)としては、陰極より注入された電子を発光層に伝達する機能を有していればよく、その材料としては従来公知の化合物の中から任意のものを選択して用いることができ、例えば、ニトロ置換フルオレン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、チオピランジオキシド誘導体、カルボジイミド、フレオレニリデンメタン誘導体、アントラキノジメタン及びアントロン誘導体、オキサジアゾール誘導体等が挙げられる。更に、上記オキサジアゾール誘導体において、オキサジアゾール環の酸素原子を硫黄原子に置換したチアジアゾール誘導体、電子吸引基として知られているキノキサリン環を有するキノキサリン誘導体も、電子輸送材料として用いることができる。更にこれらの材料を高分子鎖に導入した、またはこれらの材料を高分子の主鎖とした高分子材料を用いることもできる。
また、8−キノリノール誘導体の金属錯体、例えば、トリス(8−キノリノール)アルミニウム(Alq3)、トリス(5,7−ジクロロ−8−キノリノール)アルミニウム、トリス(5,7−ジブロモ−8−キノリノール)アルミニウム、トリス(2−メチル−8−キノリノール)アルミニウム、トリス(5−メチル−8−キノリノール)アルミニウム、ビス(8−キノリノール)亜鉛(Znq)等、及びこれらの金属錯体の中心金属がIn、Mg、Cu、Ca、Sn、GaまたはPbに置き替わった金属錯体も、電子輸送材料として用いることができる。その他、メタルフリーもしくはメタルフタロシアニン、またはそれらの末端がアルキル基やスルホン酸基等で置換されているものも、電子輸送材料として好ましく用いることができる。また、発光層の材料として例示したジスチリルピラジン誘導体も、電子輸送材料として用いることができるし、正孔注入層、正孔輸送層と同様に、n型−Si、n型−SiC等の無機半導体も電子輸送材料として用いることができる。
電子輸送層は上記電子輸送材料を、例えば、真空蒸着法、スピンコート法、キャスト法、インクジェット法を含む印刷法、LB法等の公知の方法により、薄膜化することにより形成することができる。電子輸送層の膜厚については特に制限はないが、通常は5nm〜5μm程度、好ましくは5〜200nmである。電子輸送層は上記材料の1種または2種以上からなる一層構造であってもよい。
また、不純物をドープしたn性の高い電子輸送層を用いることもできる。その例としては、特開平4−297076号公報、特開平10−270172号公報、特開2000−196140号公報、特開2001−102175号公報、J.Appl.Phys.,95,5773(2004)などに記載されたものが挙げられる。
本発明においては、このようなn性の高い電子輸送層を用いることがより低消費電力の素子を作製することができるため好ましい。
《封止》
本発明に用いられる封止手段としては、例えば封止部材と、電極、支持基板とを接着剤で接着する方法を挙げることができる。
封止部材としては、有機EL素子の表示領域を覆うように配置されておればよく、凹板状でも、平板状でもよい。また、透明性、電気絶縁性は特に問わない。
具体的には、ガラス板、ポリマー板・フィルム、金属板・フィルム等が挙げられる。ガラス板としては、特にソーダ石灰ガラス、バリウム・ストロンチウム含有ガラス、鉛ガラス、アルミノケイ酸ガラス、ホウケイ酸ガラス、バリウムホウケイ酸ガラス、石英等を挙げることができる。また、ポリマー板としては、ポリカーボネート、アクリル、ポリエチレンテレフタレート、ポリエーテルサルファイド、ポリサルフォン等を挙げることができる。金属板としては、ステンレス、鉄、銅、アルミニウム、マグネシウム、ニッケル、亜鉛、クロム、チタン、モリブテン、シリコン、ゲルマニウムおよびタンタルからなる群から選ばれる一種以上の金属または合金からなるものが挙げられる。本発明においては、素子を薄膜化できるということからポリマーフィルム、金属フィルムを好ましく使用することができる。更には、ポリマーフィルムは、酸素透過度10-3g/m2/day以下、水蒸気透過度10-5g/m2/day以下のものであることが好ましい。
封止部材を凹状に加工するのは、サンドブラスト加工、化学エッチング加工等が使われる。
接着剤として具体的には、アクリル酸系オリゴマー、メタクリル酸系オリゴマーの反応性ビニル基を有する光硬化および熱硬化型接着剤、2−シアノアクリル酸エステルなどの湿気硬化型等の接着剤を挙げることができる。また、エポキシ系などの熱および化学硬化型(二液混合)を挙げることができる。また、ホットメルト型のポリアミド、ポリエステル、ポリオレフィンを挙げることができる。また、カチオン硬化タイプの紫外線硬化型エポキシ樹脂接着剤を挙げることができる。
なお、有機EL素子が熱処理により劣化する場合があるので、室温から80℃までに接着硬化できるものが好ましい。また、前記接着剤中に乾燥剤を分散させておいてもよい。封止部分への接着剤の塗布は、市販のディスペンサーを使ってもよいし、スクリーン印刷のように印刷してもよい。
また、有機層を挟み支持基板と対向する側の電極の外側に、該電極と有機層を被覆し、支持基板と接する形で無機物、有機物の層を形成し封止膜とすることも好適にできる。この場合、該膜を形成する材料としては、水分や酸素など素子の劣化をもたらすものの浸入を抑制する機能を有する材料であればよく、例えば、酸化珪素、二酸化珪素、窒化珪素などを用いることができる。更に該膜の脆弱性を改良するためにこれら無機層と有機材料からなる層の積層構造を持たせることが好ましい。これらの膜の形成方法については、特に限定はなく、例えば真空蒸着法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、分子線エピタキシー法、クラスタ−イオンビーム法、イオンプレーティング法、プラズマ重合法、大気圧プラズマ重合法、プラズマCVD法、レーザーCVD法、熱CVD法、コーティング法などを用いることができる。
封止部材と有機EL素子の表示領域との間隙には、気相および液相では、窒素、アルゴン等の不活性気体や、フッ化炭化水素、シリコンオイルのような不活性液体を注入することが好ましい。また、真空とすることも可能である。また、内部に吸湿性化合物を封入することもできる。
吸湿性化合物としては例えば金属酸化物(例えば、酸化ナトリウム、酸化カリウム、酸化カルシウム、酸化バリウム、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム等)、硫酸塩(例えば、硫酸ナトリウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、硫酸コバルト等)、金属ハロゲン化物(例えば、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、フッ化セシウム、フッ化タンタル、臭化セリウム、臭化マグネシウム、沃化バリウム、沃化マグネシウム等)、過塩素酸類(例えば過塩素酸バリウム、過塩素酸マグネシウム等)等があげられ、硫酸塩、金属ハロゲン化物および過塩素酸類においては無水塩が好適に用いられる。
《保護膜、保護板》
有機層を挟み支持基板と対向する側の前記封止膜あるいは前記封止用フィルムの外側に、素子の機械的強度を高めるために保護膜、あるいは保護板を設けてもよい。特に、封止が前記封止膜により行われている場合には、その機械的強度は必ずしも高くないため、このような保護膜、保護板を設けることが好ましい。これに使用することができる材料としては、前記封止に用いたのと同様なガラス板、ポリマー板・フィルム、金属板・フィルム等を用いることができるが、軽量かつ薄膜化ということからポリマーフィルムを用いることが好ましい。
《光取出し》
有機エレクトロルミネッセンス素子は、空気よりも屈折率の高い(屈折率が1.7〜2.1程度)層の内部で発光し、発光層で発生した光のうち15%から20%程度の光しか取り出せないことが一般的に言われている。これは、臨界角以上の角度θで界面(透明基板と空気との界面)に入射する光は、全反射を起こし素子外部に取り出すことができないことや、透明電極ないし発光層と透明基板との間で光が全反射を起こし、光が透明電極ないし発光層を導波し、結果として、光が素子側面方向に逃げるためである。
この光の取り出しの効率を向上させる手法としては、例えば、透明基板表面に凹凸を形成し、透明基板と空気界面での全反射を防ぐ方法(米国特許第4774435)。基板に集光性を持たせることにより効率を向上させる方法(特開昭63−314795号)。素子の側面等に反射面を形成する方法(特開平1−220394号)。基板と発光体の間に中間の屈折率を持つ平坦層を導入し、反射防止膜を形成する方法(特開昭62−172691号)。基板と発光体の間に基板よりも低屈折率を持つ平坦層を導入する方法(特開2001−202827号)。基板、透明電極層や発光層のいずれかの層間(含む、基板と外界間)に回折格子を形成する方法(特開平11−283751)などがある。
本発明においては、これらの方法を本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子と組み合わせて用いることができるが、基板と発光体の間に基板よりも低屈折率を持つ平坦層を導入する方法、あるいは基板、透明電極層や発光層のいずれかの層間(含む、基板と外界間)に回折格子を形成する方法を好適に用いることができる。
本発明は、これらの手段を組み合わせることにより、更に高輝度あるいは耐久性に優れた素子を得ることができる。
透明電極と透明基板の間に低屈折率の媒質を光の波長よりも長い厚みで形成すると、透明電極から出てきた光は、媒質の屈折率が低いほど、外部への取り出し効率が高くなる。
低屈折率層としては、例えば、エアロゲル、多孔質シリカ、フッ化マグネシウム、フッ素系ポリマーなどが挙げられる。透明基板の屈折率は一般に1.5〜1.7程度であるので、低屈折率層は、屈折率がおよそ1.5以下であることが好ましい。またさらに1.35以下であることが好ましい。
また、低屈折率媒質の厚みは、媒質中の波長の2倍以上となるのが望ましい。これは、低屈折率媒質の厚みが、光の波長程度になってエバネッセントで染み出した電磁波が基板内に入り込む膜厚になると、低屈折率層の効果が薄れるからである。
全反射を起こす界面もしくはいずれかの媒質中に回折格子を導入する方法は、光取り出し効率の向上効果が高いという特徴がある。この方法は、回折格子が1次の回折や、2次の回折といったいわゆるブラッグ回折により、光の向きを屈折とは異なる特定の向きに変えることができる性質を利用して、発光層から発生した光のうち、層間での全反射等により外に出ることができない光を、いずれかの層間もしくは、媒質中(透明基板内や透明電極内)に回折格子を導入することで光を回折させ、光を外に取り出そうとするものである。
導入する回折格子は、二次元的な周期屈折率を持っていることが望ましい。これは、発光層で発光する光はあらゆる方向にランダムに発生するので、ある方向にのみ周期的な屈折率分布を持っている一般的な1次元回折格子では、特定の方向に進む光しか回折されず、光の取り出し効率がさほど上がらない。しかしながら、屈折率分布を二次元的な分布にすることにより、あらゆる方向に進む光が回折され、光の取り出し効率が上がる。
回折格子を導入する位置としては前述のとおり、いずれかの層間もしくは、媒質中(透明基板内や透明電極内)でも良いが、光が発生する場所である有機発光層の近傍が望ましい。
このとき、回折格子の周期は、媒質中の光の波長の約1/2 〜 3倍程度が好ましい。
回折格子の配列は、正方形のラチス状、三角形のラチス状、ハニカムラチス状など、2次元的に配列が繰り返されることが好ましい。
《集光シート》
本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子は、基板の光取出し側に、例えばマイクロレンズアレイ上の構造を設けるように加工したり、あるいは、所謂集光シートと組み合わせることにより、特定方向、例えば素子発光面に対し正面方向に集光することにより、特定方向上の輝度を高めることができる。
マイクロレンズアレイの例としては、基板の光取り出し側に一辺が30μmでその頂角が90度となるような四角錐を2次元に配列する。一辺は10μm〜100μmが好ましい。これより小さくなると回折の効果が発生して色付く、大きすぎると厚みが厚くなり好ましくない。
集光シートとしては、例えば液晶表示装置のLEDバックライトで実用化されているものを用いることが可能である。このようなシートとして例えば、住友スリーエム社製輝度上昇フィルム(BEF)などを用いることができる。プリズムシートの形状としては、例えば基材に頂角90度、ピッチ50μmの△状のストライプが形成されたものであってもよいし、頂角が丸みを帯びた形状、ピッチをランダムに変化させた形状、その他の形状であっても良い。
また、発光素子からの光放射角を制御するために光拡散板・フィルムを、集光シートと併用してもよい。例えば、(株)きもと製拡散フィルム(ライトアップ)などを用いることができる。
《ガスバリア層》
本発明に係る有機EL素子はガスバリア層により保護されていることが好ましく、酸素及び水蒸気の透過を阻止する層であれば、その組成等は特に限定されるものではない。本発明のガスバリア層を構成する材料として具体的には、無機酸化物が好ましく、酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化窒化珪素、酸化窒化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化スズ等を挙げることができる。また、本発明におけるガスバリア層の厚さは、用いられる材料の種類、構成により最適条件が異なり、適宜選択されるが、5〜2000nmの範囲内であることが好ましい。ガスバリア層の厚さが、上記の範囲より薄い場合には、均一な膜が得られず、ガスに対するバリア性を得ることが困難であるからである。また、ガスバリア層の厚さが上記の範囲より厚い場合には、ガスバリア性フィルムにフレキシビリティを保持させることが困難であり、成膜後に折り曲げ、引っ張り等の外的要因により、ガスバリア性フィルムに亀裂が生じる等のおそれがあるからである。
本発明に係るガスバリア層は、後述する原材料をスプレー法、スピンコート法、スパッタリング法、イオンアシスト法、後述するプラズマCVD法、後述する大気圧または大気圧近傍の圧力下でのプラズマCVD法等を適用して形成することができる。
しかしながら、スプレー法やスピンコート法等の湿式法では、分子レベル(nmレベル)の平滑性を得ることが難しく、また溶剤を使用するため、後述する基材が有機材料であることから、使用可能な基材または溶剤が限定されるという欠点がある。そこで、本発明においては、プラズマCVD法等で形成されたものであることが好ましく、特に大気圧プラズマCVD法は、減圧チャンバー等が不要で、高速成膜ができ生産性の高い成膜方法である点から好ましい。上記ガスバリア層を大気圧プラズマCVD法で形成することにより、均一かつ表面の平滑性を有する膜を比較的容易に形成することが可能となるからである。
プラズマCVD法、大気圧または大気圧近傍の圧力下でのプラズマCVD法であるが、特に好ましくは、大気圧または大気圧近傍の圧力下でのプラズマCVD法を用いて形成される。尚、プラズマCVD法の層形成条件の詳細については、後述する。
プラズマCVD法、大気圧または大気圧近傍の圧力下でのプラズマCVD法により得られるガスバリア層は、原材料(原料ともいう)である有機金属化合物、分解ガス、分解温度、投入電力などの条件を選ぶことで、金属炭化物、金属窒化物、金属酸化物、金属硫化物、金属ハロゲン化物、またこれらの混合物(金属酸窒化物、金属酸化ハロゲン化物、金属窒化炭化物など)も作り分けることができるため好ましい。
例えば、珪素化合物を原料化合物として用い、分解ガスに酸素を用いれば、珪素酸化物が生成する。また、亜鉛化合物を原料化合物として用い、分解ガスにニ硫化炭素を用いれば、硫化亜鉛が生成する。これはプラズマ空間内では非常に活性な荷電粒子・活性ラジカルが高密度で存在するため、プラズマ空間内では多段階の化学反応が非常に高速に促進され、プラズマ空間内に存在する元素は熱力学的に安定な化合物へと非常な短時間で変換されるためである。
このような無機物の原料としては、典型または遷移金属元素を有していれば、常温常圧下で気体、液体、固体いずれの状態であっても構わない。気体の場合にはそのまま放電空間に導入できるが、液体、固体の場合は、加熱、バブリング、減圧、超音波照射等の手段により気化させて使用する。又、溶媒によって希釈して使用してもよく、溶媒は、メタノール、エタノール、n−ヘキサンなどの有機溶媒及びこれらの混合溶媒が使用出来る。尚、これらの希釈溶媒は、プラズマ放電処理中において、分子状、原子状に分解されるため、影響は殆ど無視することができる。
このような有機金属化合物としては、ケイ素化合物として、シラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラn−プロポキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラn−ブトキシシラン、テトラt−ブトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、(3,3,3−トリフルオロプロピル)トリメトキシシラン、ヘキサメチルジシロキサン、ビス(ジメチルアミノ)ジメチルシラン、ビス(ジメチルアミノ)メチルビニルシラン、ビス(エチルアミノ)ジメチルシラン、N,O−ビス(トリメチルシリル)アセトアミド、ビス(トリメチルシリル)カルボジイミド、ジエチルアミノトリメチルシラン、ジメチルアミノジメチルシラン、ヘキサメチルジシラザン、ヘキサメチルシクロトリシラザン、ヘプタメチルジシラザン、ノナメチルトリシラザン、オクタメチルシクロテトラシラザン、テトラキスジメチルアミノシラン、テトライソシアナートシラン、テトラメチルジシラザン、トリス(ジメチルアミノ)シラン、トリエトキシフルオロシラン、アリルジメチルシラン、アリルトリメチルシラン、ベンジルトリメチルシラン、ビス(トリメチルシリル)アセチレン、1,4−ビストリメチルシリル−1,3−ブタジイン、ジ−t−ブチルシラン、1,3−ジシラブタン、ビス(トリメチルシリル)メタン、シクロペンタジエニルトリメチルシラン、フェニルジメチルシラン、フェニルトリメチルシラン、プロパルギルトリメチルシラン、テトラメチルシラン、トリメチルシリルアセチレン、1−(トリメチルシリル)−1−プロピン、トリス(トリメチルシリル)メタン、トリス(トリメチルシリル)シラン、ビニルトリメチルシラン、ヘキサメチルジシラン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、テトラメチルシクロテトラシロキサン、ヘキサメチルシクロテトラシロキサン、Mシリケート51等が挙げられる。
チタン化合物としては、例えば、チタンメトキシド、チタンエトキシド、チタンイソプロポキシド、チタンテトライソポロポキシド、チタンn−ブトキシド、チタンジイソプロポキシド(ビス−2,4−ペンタンジオネート)、チタンジイソプロポキシド(ビス−2,4−エチルアセトアセテート)、チタンジ−n−ブトキシド(ビス−2,4−ペンタンジオネート)、チタンアセチルアセトネート、ブチルチタネートダイマー等が挙げられる。
ジルコニウム化合物としては、ジルコニウムn−プロポキシド、ジルコニウムn−ブトキシド、ジルコニウムt−ブトキシド、ジルコニウムトリ−n−ブトキシドアセチルアセトネート、ジルコニウムジ−n−ブトキシドビスアセチルアセトネート、ジルコニウムアセチルアセトネート、ジルコニウムアセテート、ジルコニウムヘキサフルオロペンタンジオネート等が挙げられる。
アルミニウム化合物としては、アルミニウムエトキシド、アルミニウムトリイソプロポキシド、アルミニウムイソプロポキシド、アルミニウムn−ブトキシド、アルミニウムs−ブトキシド、アルミニウムt−ブトキシド、アルミニウムアセチルアセトナート、トリエチルジアルミニウムトリ−s−ブトキシド等が挙げられる。
硼素化合物としては、ジボラン、テトラボラン、フッ化硼素、塩化硼素、臭化硼素、ボラン−ジエチルエーテル錯体、ボラン−THF錯体、ボラン−ジメチルスルフィド錯体、三フッ化硼素ジエチルエーテル錯体、トリエチルボラン、トリメトキシボラン、トリエトキシボラン、トリ(イソプロポキシ)ボラン、ボラゾール、トリメチルボラゾール、トリエチルボラゾール、トリイソプロピルボラゾール、等が挙げられる。
錫化合物としては、テトラエチル錫、テトラメチル錫、二酢酸ジ−n−ブチル錫、テトラブチル錫、テトラオクチル錫、テトラエトキシ錫、メチルトリエトキシ錫、ジエチルジエトキシ錫、トリイソプロピルエトキシ錫、ジエチル錫、ジメチル錫、ジイソプロピル錫、ジブチル錫、ジエトキシ錫、ジメトキシ錫、ジイソプロポキシ錫、ジブトキシ錫、錫ジブチラート、錫ジアセトアセトナート、エチル錫アセトアセトナート、エトキシ錫アセトアセトナート、ジメチル錫ジアセトアセトナート等、錫水素化合物等、ハロゲン化錫としては、二塩化錫、四塩化錫等が挙げられる。
また、その他の有機金属化合物としては、例えば、アンチモンエトキシド、ヒ素トリエトキシド、バリウム2,2,6,6−テトラメチルヘプタンジオネート、ベリリウムアセチルアセトナート、ビスマスヘキサフルオロペンタンジオネート、ジメチルカドミウム、カルシウム2,2,6,6−テトラメチルヘプタンジオネート、クロムトリフルオロペンタンジオネート、コバルトアセチルアセトナート、銅ヘキサフルオロペンタンジオネート、マグネシウムヘキサフルオロペンタンジオネート−ジメチルエーテル錯体、ガリウムエトキシド、テトラエトキシゲルマン、テトラメトキシゲルマン、ハフニウムt−ブドキシド、ハフニウムエトキシド、インジウムアセチルアセトナート、インジウム2,6−ジメチルアミノヘプタンジオネート、フェロセン、ランタンイソプロポキシド、酢酸鉛、テトラエチル鉛、ネオジウムアセチルアセトナート、白金ヘキサフルオロペンタンジオネート、トリメチルシクロペンタジエニル白金、ロジウムジカルボニルアセチルアセトナート、ストロンチウム2,2,6,6−テトラメチルヘプタンジオネート、タンタルメトキシド、タンタルトリフルオロエトキシド、テルルエトキシド、タングステンエトキシド、バナジウムトリイソプロポキシドオキシド、マグネシウムヘキサフルオロアセチルアセトナート、亜鉛アセチルアセトナート、ジエチル亜鉛、などが挙げられる。
また、これらの金属を含む原料ガスを分解して無機化合物を得るための分解ガスとしては、水素ガス、メタンガス、アセチレンガス、一酸化炭素ガス、二酸化炭素ガス、窒素ガス、アンモニアガス、亜酸化窒素ガス、酸化窒素ガス、二酸化窒素ガス、酸素ガス、水蒸気、フッ素ガス、フッ化水素、トリフルオロアルコール、トリフルオロトルエン、硫化水素、二酸化硫黄、二硫化炭素、塩素ガスなどが挙げられる。
金属元素を含む原料ガスと、分解ガスを適宜選択することで、各種の金属炭化物、金属窒化物、金属酸化物、金属ハロゲン化物、金属硫化物を得ることができる。
また、これらの金属を含む原料ガスを分解して無機化合物を得るための分解ガスとしては、水素ガス、メタンガス、アセチレンガス、一酸化炭素ガス、二酸化炭素ガス、窒素ガス、アンモニアガス、亜酸化窒素ガス、酸化窒素ガス、二酸化窒素ガス、酸素ガス、水蒸気、フッ素ガス、フッ化水素、トリフルオロアルコール、トリフルオロトルエン、硫化水素、二酸化硫黄、二硫化炭素、塩素ガス、などが挙げられる。
金属元素を含む原料ガスと、分解ガスを適宜選択することで、各種の金属炭化物、金属窒化物、金属酸化物、金属ハロゲン化物、金属硫化物を得ることができる。
これらの反応性ガスに対して、主にプラズマ状態になりやすい放電ガスを混合し、プラズマ放電発生装置にガスを送りこむ。このような放電ガスとしては、窒素ガスおよび/または周期表の第18属原子、具体的には、ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノン、ラドン等が用いられる。これらの中でも特に、窒素、ヘリウム、アルゴンが好ましく用いられる。
上記放電ガスと反応性ガスを混合し、混合ガスとしてプラズマ放電発生装置(プラズマ発生装置)に供給することで膜形成を行う。放電ガスと反応性ガスの割合は、得ようとする膜の性質によって異なるが、混合ガス全体に対し、放電ガスの割合を50%以上として反応性ガスを供給する。
本発明に係るガスバリア層においては、ガスバリア層が含有する無機化合物が、SiOx、SiNyまたはSiOxy(x=1〜2、y=0.1〜1)であることが好ましく、特に水分の透過性、光線透過性及び後述する大気圧プラズマCVD適性の観点から、SiOxであることが好ましい。
本発明に係る無機化合物は、例えば、上記有機珪素化合物に、更に酸素ガスや窒素ガスを所定割合で組み合わせて、O原子とN原子の少なくともいずれかと、Si原子とを含む膜を得ることができる。なお、SiO2は透明性が高いもののガスバリア性が少し低めで水分をやや通すことから、N原子を含んだ方がより好ましい。すなわち、酸素原子と窒素原子の数の比をx:yとした場合に、x/(x+y)は0.95以下、さらに0.80以下であればより一層好ましい。よって、本発明に係るガスバリア層においては、光線透過率Tが、80%以上であることが好ましい。
なお、N原子の割合が多いと光透過性が低下し、x=0であるSiNではやや黄色みを呈する。そこで、具体的な酸素原子と窒素原子の割合は用途に応じて決めればよい。例えば、表示装置において発光素子に対して発光面側に膜を形成する場合のような、光透過性を要する用途であれば、x/(x+y)が0.4以上、0.95であれば、光透過性と防水性のバランスをとることができるので好ましい。また、表示装置の発光素子の後面に設けられる映り込み防止膜のように光を吸収あるいは遮光した方が好ましい用途であればx/(x+y)は0以上0.4未満であることが好ましい。
よって、本発明に係るガスバリア層は、透明であることが好ましい。上記ガスバリア層が透明であることにより、ガスバリア性フィルムを透明なものとすることが可能となり、有機EL素子の透明基板等の用途にも使用することが可能となるからである。
《有機化合物層の形成》
画素電極の境界領域には隔壁が形成されており、有機化合物層の形成には種々の方法を用いることができる。
発光色の異なる発光層の形成には、液滴吐出法により個々に発光層を形成するインクを用いて画素電極が形成されている個々の領域に形成することが好ましく、発光層以外の機能層であるときは蒸着法あるいは湿式成膜法により全面に機能層を形成することが好ましい。
〈液滴吐出法〉
液滴吐出法としては、ピエゾ素子の電気−機械変換により液滴を圧力吐出させる方式、電気−熱変換により気泡を発生させて液滴を圧力吐出させる方式、静電力により液滴を吸引吐出させる方式等が通常、用いられている。
ここで、液滴吐出法の吐出技術としては、帯電制御方式、加圧振動方式、電気機械変換式、電気熱変換方式、静電吸引方式などが挙げられる。帯電制御方式は、材料に帯電電極で電荷を付与し、偏向電極で材料の飛翔方向を制御して吐出ノズルから吐出させるものである。また、加圧振動方式は、材料に2.9MPa程度の超高圧を印加して吐出ノズル先端側に材料を吐出させるものであり、制御電圧をかけない場合には材料が直進して吐出ノズルから吐出され、制御電圧をかけると材料間に静電的な反発が起こり、材料が飛散して吐出ノズルから吐出されない。また、電気機械変換方式は、ピエゾ素子(圧電素子)がパルス的な電気信号を受けて変形する性質を利用したもので、ピエゾ素子が変形することによって材料を貯留した空間に可撓物質を介して圧力を与え、この空間から材料を押し出して吐出ノズルから吐出させるものである。また、電気熱変換方式は、材料を貯留した空間内に設けたヒータにより、材料を急激に気化させてバブル(泡)を発生させ、バブルの圧力によって空間内の材料を吐出させるものである。静電吸引方式は、材料を貯留した空間内に微小圧力を加え、吐出ノズルに材料のメニスカスを形成し、この状態で静電引力を加えてから材料を引き出すものである。また、この他に、電場による流体の粘性変化を利用する方式や、放電火花で飛ばす方式などの技術も適用可能である。なお、液滴吐出装置としてはディスペンサー方式であってもよい。液滴吐出法は、材料の使用に無駄が少なく、しかも所望の位置に所望の量の材料を的確に配置できるという利点を有する。なお、液滴吐出法により吐出される液状材料(流動体)の一滴の量は、例えば1〜300ナノグラムである。
〈湿式成膜〉
湿式成膜法としてはディッピング法、スプレーコート、スピンコート法、ディップコート法、キャスト法、ダイコート法、ロールコート法、バーコート法、グラビアコート法、インクジェット法等が使用可能である。これらの成膜法は有機化合物層の材料に応じて適宜選択できる。
〈蒸着、プラズマ、CVD等による成膜〉
発光層以外の有機化合物層を全面に形成する場合は、湿式成膜法以外の蒸着、プラズマ、CVD等のドライ成膜法も用いることができる。
本発明の有機ELの作製方法の一例として基板/陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極からなる有機ELの作製方法について説明する。
ここでは可撓性の基板を搬送している例であるが、この基板はある幅を持った可撓性のものだけではなく、いわゆる枚葉塗布とよばれる1枚ずつカットされたものでもかまわない。
〈透明性ガスバリア性フィルム基板の作製〉
基材として、厚さ100μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(帝人・デユポン社製フィルム、以下、PETと略記する)上に、下記の大気圧プラズマ放電処理装置及び放電条件で、低密度層、中密度層、高密度層、中密度層のユニットを3回積層した透明ガスバリア性フィルムを作製した。
(大気圧プラズマ放電処理装置)
図6の大気圧プラズマ放電処理装置は、対向電極としてロール回転電極35及び複数の角筒型電極36を有し、更に電界印加手段40、ガス供給手段50、電極温度調節手段60等を有している
誘電体で被覆したロール回転電極35及び複数の角筒型電極36のセットを以下のように作製した。
第1電極となるロール回転電極35は、冷却水による冷却手段を有するチタン合金T64製ジャケットロール金属質母材に対して、大気プラズマ法により高密度、高密着性のアルミナ溶射膜を被覆し、ロール径1000mmφとなるようにした。一方、第2電極の角筒型電極36は、中空の角筒型のチタン合金T64に対し、上記同様の誘電体を同条件にて方肉で1mm被覆し、対向する角筒型固定電極群とした。
この角筒型電極36をロール回転電極35のまわりに、対向電極間隙を1mmとして24本配置した。角筒型固定電極群の放電総面積は、150cm(幅手方向の長さ)×4cm(搬送方向の長さ)×24本(電極の数)=14400cm2であった。
プラズマ放電中、第1電極(ロール回転電極35)及び第2電極(角筒型固定電極36群)が80℃になるように調節保温し、ロール回転電極35はドライブで回転させて薄膜形成を行った。上記24本の角筒型固定電極36中、上流側より4本を下記第1層(低密度層1)の成膜用に、次の6本を下記第2層(中密度層1)の成膜用に、次の8本を第3層(高密度層1)の成膜用に使用し、残りの6本を第4層(中密度層2)の成膜用にして、各条件を設定して1パスで4層を積層した。この条件を更に2回繰り返して、透明ガスバリア性フィルム1を作製した。
(第1層:低密度層1)
下記の条件で、プラズマ放電を行って、厚さ約90nmの低密度層1を形成した。
〈ガス条件〉
放電ガス:窒素ガス 94.8体積%
薄膜形成性ガス:ヘキサメチルジシロキサン(以下、HMDSOと略記)
(リンテック社製気化器にて窒素ガスに混合して気化) 0.2体積%
添加ガス:酸素ガス 5.0体積%
〈電源条件:第1電極側の電源のみを使用した〉
第1電極側 電源種類 応用電機社製高周波電源
周波数 80kHz
出力密度 10W/cm2
上記形成した第1層(低密度層)の密度は、マックサイエンス社製MXP21を用いたX線反射率法で測定した結果、1.90であった。
(第2層:中密度層1)
下記の条件で、プラズマ放電を行って、厚さ約90nmの中密度層1を形成した。
〈ガス条件〉
放電ガス:窒素ガス 94.9体積%
薄膜形成性ガス:ヘキサメチルジシロキサン(以下、HMDSOと略記)
(リンテック社製気化器にて窒素ガスに混合して気化) 0.1体積%
添加ガス:酸素ガス 5.0体積%
〈電源条件:第1電極側の電源のみを使用した〉
第1電極側 電源種類 応用電機社製高周波電源
周波数 80kHz
出力密度 10W/cm2
上記形成した第2層(中密度層)の密度は、前述のマックサイエンス社製MXP21を用いたX線反射率法で測定した結果、2.05であった。
(第3層:高密度層1)
下記の条件で、プラズマ放電を行って、厚さ約90nmの高密度層1を形成した。
〈ガス条件〉
放電ガス:窒素ガス 94.9体積%
薄膜形成性ガス:ヘキサメチルジシロキサン(以下、HMDSOと略記)
(リンテック社製気化器にて窒素ガスに混合して気化) 0.1体積%
添加ガス:酸素ガス 5.0体積%
〈電源条件〉
第1電極側 電源種類 応用電機社製高周波電源
周波数 80kHz
出力密度 10W/cm2
第2電極側 電源種類 パール工業社製高周波電源
周波数 13.56MHz
出力密度 10W/cm2
上記形成した第3層(高密度層)の密度は、前述のマックサイエンス社製MXP21を用いたX線反射率法で測定した結果、2.20であった。
(第4層:中密度層2)
上記第2層(中密度層1)の同様の条件で、中密度層2を形成した。
(第5層〜第12層)
上記第1層〜第4層(1ユニット)の形成と同条件で、これを2回繰り返して、透明ガスバリア性フィルムを作製した。
JISk7129Bに準拠した方法により水蒸気透過率を測定した結果、10-3g/m2/day以下であった。
JISk7126Bに準拠した方法により酸素透過率を測定した結果、10-3g/m2/day以下であった。
図2に示すように、基板上に駆動回路、薄膜トランジスタを形成したのち、ITO(インジウムチンオキシド)の透明画素電極を蒸着法により形成した。
〈感光層隔壁の形成〉
(感光性樹脂層形成工程)
次に、感光性樹脂としてポジ型フォトレジスト液(東京応化社製;OFPR−800)を塗布し、100℃にて1分間乾燥させることで、厚さ2μmの感光性樹脂層を形成した。
(感光性樹脂層露光工程及び現像工程)(図2(c))
感光性樹脂層20に発振波長830nm、出力100mWの半導体レーザーで200mJ/cm2のエネルギー密度で感光層隔壁を形成する為の露光を基板裏面より行った後、アルカリ水溶液で現像し、感光層隔壁を得た(図2(d)参照。)。
〈正孔輸送層の作製〉
前記、第一電極が形成されているロール状帯状可撓性シートを繰り出し洗浄表面改質処理工程、任意位置での帯電除去処理工程、塗布膜形成処理工程、溶媒除去処理工程、熱処理工程が連続して行われ、正孔輸送層が形成されロール状に巻き取られることを第一の工程とする。搬送速度は1m/minで実施した。
洗浄表面改質処理としては、ドライ洗浄装置を用い、低圧水銀ランプ、波長184.9nm、照射強度15mW/cm2、距離10mmにて実施した。この処理により有機汚染物除去と濡れ性向上の表面改質が行われる。洗浄表面改質処理としては低圧水銀ランプの他、エキシマランプ、プラズマ洗浄装置、などを利用可能である。
帯電除去処理としては大別して光照射方式とコロナ放電方式があり、光照射方式は微弱X線、コロナ放電方式はコロナ放電により空気イオンを生成する。この空気イオンは、帯電物体に引き寄せられて反対極性の電荷を補い、静電気を中和する。コロナ放電による除電器、軟X線による除電器が利用可能である。本発明では微弱X線による除電器を利用した。これにより、基材の帯電除去が図られる為、ゴミの付着や絶縁破壊が防止される為、素子の歩留まりの向上が図られる。
塗布膜形成処理としては、本実施例では正孔輸送層としてポリエチレンジオキシチオフェン・ポリスチレンスルホネート(PEDOT/PSS、Bayer社製 Bytron P AI 4083)を純水65%メタノール5%で希釈した溶液をダイコート法により乾燥後の厚みが50nmになるように成膜を行い正孔輸送層を形成した。
搬送されるフレキシブル基材をバックアップロール上に密着搬送し、該バックアップロール上には塗膜形成の為のダイコータが基材から一定間隙を設け設置される。なお、バックアップロールには適宜クリーニング装置が装着されていても良い。
送液はタンク内に調製された溶液をギアポンプ等の精密ポンプを介し送液量を制御しダイコータへ送液される。送液された液はろ過フィルターを介しマニホールド内に充填されチャンバー内を一定圧力に保ちスリットを介し塗布ヘッドから幅手に塗液を均一に基材上へ成膜する。塗膜厚みは基材の搬送速度と送液量および溶液濃度により適宜調整される。なお、同時重層塗布をする際は同時供給可能なエクストルージョン塗布機やスライド塗布機が好適に使用される。
塗膜形成時の搬送速度ムラは塗布平均速度に対し0.2以上10%以下が好ましい。更に好ましくは0.2%以上3%以下が好ましい。これにより、素子の長手方向での厚み精度が保たれ発光特性の均一化が図られる。
塗布後は加熱された気流による乾燥処理工程にて溶媒を除去する。本実施例では、スリットノズル形式の噴出し口から成膜面に向け高さ100mm、噴出し風速1m/s、幅手分布5%であり、乾燥温度は100℃で実施した。乾燥炉は有機化合物層の材料に応じて適宜数ゾーンにして温度条件の変更や風速の変更等を行う事も可能である。
溶媒除去後、本実施例としては温度200℃のヒートロールを密に並べたロール間から吸引することにより支持体が吸着搬送され裏面伝熱による加熱で加熱処理を行なった。本例は1例でありこの例に限定されるものではなく、裏面より伝熱される形態であれば形式には拘らない。加熱処理はガラス転移点温度±50度でかつ分解温度を超えない温度かつ裏面伝熱で行う事が好ましい。加熱処理を行う事により膜の平滑性や残留溶媒の除去、塗膜の硬化が図られることにより、積層時の素子特性の向上が図られる。
〈発光層の形成〉
続いて、適宜帯電処理を行った後、正孔輸送層上に発光層の形成を行った。
発光層はホスト材のポリビニルカルバゾール(PVK)に赤ドーパント材Ir−9を10質量%を1,2−ジクロロエタン中に溶解し10%溶液とした。この溶液を第一正孔輸送層上に、液滴吐出方式を用い乾燥後の厚み100nmになる様に成膜を行い発光層を形成した。続いて、正孔注入輸送層と同様な乾燥炉を用い60℃にて乾燥を行い連続して220℃にて加熱処理を連続して行った。同様に、緑ドーパント材Ir−1を5%、青ドーパント材Ir−12を3%、に適宜変更し、同様に形成した。
加熱処理後は基材が室温と同じ温度になるまで冷却したのちロール状に巻き取った。ロール状に巻き取る際は通気性のある合紙や素子面に空間を持たせる巻き方が好ましい。
〈電子輸送層、陰極、封止膜の形成〉
発光層が形成されたフィルム基板を5×10-4Pa真空下にて有機EL層形成領域に厚さ0.5nmのLiF層を蒸着した。続いて、有機EL層領域および電極出し領域を含めた領域に厚さ100nmのアルミ層も同様に蒸着を行い、電極となる領域以外にスパッタリング法、プラズマCVD法、イオンプレーティング法などを用いSiOxやSiNxもしくは複合膜などの無機膜を300nmの封止膜として形成し巻き取った。なお、無機膜形成前に応力緩和層を蒸着や蒸着重合を用いポリマー膜を形成したり、低応力無機膜をプラズマCVD等で形成しても良い。
また、別の形態として、封止接着材としてUV硬化性のエポキシ樹脂(ナガセケムテックス(株)製UVレジン XNR5570−B1)を電極端子を除く部分にダイコートにより塗布し、ガスバリア性の有する樹脂フィルムを圧着させ貼り合わせ後、UVランプを陰極側から照射し樹脂フィルムの接着を実施してもよい。この際、接着材のエポキシ樹脂は熱硬化型であっても良い。その場合は、貼り合わせ時にヒートロール間を通すことにより加熱圧着を行う。また、封止接着材は発光部領域の外周のみにディスペンサー、スクリーン印刷等で形成しても良い。本例で用いられるガスバリアフィルムは透明電極が付いていないことを除いては有機EL層作製時の基材と同様である。
本実施例では、電子輸送層を上述のように蒸着で形成したが、正孔輸送層と同様の方法で、湿式塗布により電子輸送層を形成するLiFの分散液やNaFの水溶液を一面に塗布し、乾燥処理および熱処理を行うことにより形成しても良い。この際、発光層の再溶解を防止するため、電子輸送層形成材料に用いる溶媒として、発光層に対して不溶な非極性溶媒を用いる。乾燥処理としては、200℃以下で加熱して乾燥蒸発させるのが好ましい。
接着封止後は、連続的巻き取り、次工程にて断裁してパネル化を行う方法、巻き取らず連続的に断裁してストッカーに収納する方法等、適宜選択可能である。
以上の方法により、有機EL素子を得た。
実施例2
実施例1に用いた透明ガスバリア性フィルム1を用い、図3に示すように、基板上に駆動回路、薄膜トランジスタを形成したのち、反射画素電極を形成した。
〈感光層隔壁の形成〉
(光感応性樹脂層形成工程)
次に、光感応性樹脂としてネガ型フォトレジスト液(日本ゼオン社製;ELX−168)を塗布し、100℃にて1分間乾燥させることで、厚さ2μmの感光性樹脂層を形成した。
(感光性樹脂層露光工程及び現像工程)(図3(c))
支持基材の裏面から、感光性樹脂層20に、発振波長830nm、出力100mWの半導体レーザーで200mJ/cm2のエネルギー密度で、駆動回路、薄膜トランジスタ、反射画素電極をマスクとして感光層隔壁を形成する為の露光を基板裏面より行った後、フォトレジスト現像液(東京応化社製;NMD−3)で60秒間現像後し、感光層隔壁を得た(図3(d)参照。)。
実施例1と同様にして、画素電極上に発光層を含む有機化合物層を形成し、有機EL素子を得た。
本発明で作製した有機EL素子は青、緑、赤色の発光を有し、フルカラーディスプレイおよび白色照明に利用可能な有機EL素子が作製できる。この際、従来のフォトリソグフィーにおいてスループット低下の課題となっていた位置合わせを不要とすることができた。
本発明の感光層隔壁形成装置の概略構成図である。 画素電極として透明導電膜を有するボトムエミッションタイプの有機El素子に適用する基板の一部を示す図である。 画素電極として反射性導電膜を有するトップエミッションタイプの有機El素子に適用する基板の一部を示す図である。 TFTの構造を示す断面図である。 有機TFTの好ましい構成例を示す図である。 大気圧プラズマ放電処理装置を示す構成断面図である。
符号の説明
10 感光層隔壁形成装置
11 帯状可撓性連続シート基板
12 供給ロール
13 巻取ロール
25 感光層塗布乾燥部
30 露光現像部
35 ロール回転電極(第1電極)
36 角筒型固定電極群(第2電極)
40 電界印加手段
50 ガス供給手段
60 電極温度調節手段

Claims (14)

  1. 少なくとも駆動回路、薄膜トランジスタ、反射画素電極、感光層隔壁、発光層を含む1以上の有機化合物層、透明画素電極より構成されるトップエミッション型の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法において、
    駆動回路、薄膜トランジスタ、反射画素電極が形成されている基板上に、湿式塗布により基板全面にネガ型感光層を形成する工程と、駆動回路、薄膜トランジスタ電極、反射画素電極をマスクとして、感光層形成面の裏面より感光層の露光を行う工程と、露光が行われた感光層を現像する工程と、により感光層隔壁を形成し、反射画素電極上に有機化合物層を形成することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
  2. 少なくとも駆動回路、薄膜トランジスタ、透明画素電極、感光層隔壁、発光層を含む1以上の有機化合物層、反射画素電極より構成されるボトムエミッション型の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法において、
    駆動回路、薄膜トランジスタ、透明画素電極が形成されている基板上に、湿式塗布により基板全面にポジ型感光層を形成する工程と、駆動回路、薄膜トランジスタをマスクとして、感光層形成面の裏面より感光層の露光を行う工程と、露光が行われた感光層を現像する工程と、により駆動回路、薄膜トランジスタ上に感光層隔壁を形成し、透明画素電極上に有機化合物層を形成することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
  3. 感光層が光感応性樹脂を含む光感応性樹脂層であることを特徴とする請求項1又は2に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
  4. 露光が、搬送されながら行われ、搬送方向と垂直な方向にライン状に設けられた開口スリットを通して行われることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
  5. 薄膜トランジスタの半導体層が、薄膜トランジスタのゲート電極より小なる領域で形成されていることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
  6. 有機化合物層が発光層以外の機能層であるときは蒸着法あるいは湿式成膜法により全面に機能層を形成することを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
  7. 有機化合物層が青、緑、赤より選択されるいずれかの発光層であるときは、感光層隔壁により囲われた反射画素電極あるいは透明画素電極のある領域に、液滴吐出法により選択的に発光層を形成することを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
  8. 有機化合物層が、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層又は電子注入層の何れかもしくはそれらの複数の機能を有する層であり、単層あるいは積層にて形成されることを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
  9. 前記工程の一部若しくは全部を、一方からロール状に巻かれた帯状可撓性連続シート基板を送り出し、他方でロール状に巻き取る間に行われることを特徴とする請求項1〜8の何れか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
  10. 有機化合物層の溶媒除去が、幅手分布5%以内、吐出風速0.1〜2m/s、温度30〜200℃の気流による乾燥であることを特徴とする請求項9に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
  11. 帯状可撓性連続シート基板の搬送速度ばらつきが、平均速度に対し10%以下であることを特徴とする請求項9又は10に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
  12. 請求項1〜11の何れか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法により製造されたことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
  13. 発光層の発光機構が燐光に基づくものであることを特徴とする請求項12に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  14. 請求項12又は13に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子が複数配置されていることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス表示装置。
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