JPWO2009145270A1 - モータの制御装置および電動ステアリング装置 - Google Patents

モータの制御装置および電動ステアリング装置 Download PDF

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Abstract

モータの制御装置は、モータの回転角を検出して回転角信号を出力する回転角検出手段と;前記回転角検出手段の異常の有無を検知する異常検知手段と;前記モータの前記回転角を推定して推定回転角信号を出力する回転角推定手段と; 前記異常検知手段により前記回転角検出手段の異常が検知されていない場合には、前記回転角検出手段から出力される前記回転角信号に基づき前記モータを駆動制御し、前記異常検知手段により前記回転角検出手段の異常が検知された場合には、前記回転角推定手段から出力される前記推定回転角信号に基づき前記モータを駆動制御する駆動制御手段と;を備える。

Description

本発明は、モータの制御装置および電動ステアリング装置に関する。
本願は、2008年5月28日に、日本に出願された特願2008−139802号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
従来、例えばブラシレスモータの駆動力を利用した電動パワーステアリング装置にあっては、ブラシレスモータの回転角をレゾルバで検出し、この検出結果に基づいてブラシレスモータの駆動制御を行うものが知られている(例えば、下記特許文献1参照)。
特開2005−274484号公報
ところで、上記特許文献1に係る電動パワーステアリング装置において、レゾルバやエンコーダなどの直接的に回転角を検出する回転センサに異常が生じると、ブラシレスモータに適切な位相で電流を通電することができなくなるため、駆動制御が困難になる。このため、回転センサの異常が検出された場合には、ブラシレスモータの駆動制御を停止することになり、運転者に必要とされるステアリング操舵力の負担を軽減することができなくなり、運転者が操舵フィーリングに違和感を感じてしまうという問題が生じる。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、モータの回転角を直接的に検出する回転センサに異常が生じた場合であっても、迅速かつ精度良く回転角を推定しつつ、適切な駆動制御を実行することが可能なモータの制御装置を提供すること、および、運転者が操舵フィーリングに違和感を感じてしまうことを防止することが可能な電動ステアリング装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決して係る目的を達成するために、本発明は、以下の構成を有する。
すなわち、本発明の第1態様に係るモータの制御装置は、モータの回転角を検出して回転角信号を出力する回転角検出手段と;前記回転角検出手段の異常の有無を検知する異常検知手段と;前記モータの前記回転角を推定して推定回転角信号を出力する回転角推定手段と;前記異常検知手段により前記回転角検出手段の異常が検知されていない場合には、前記回転角検出手段から出力される前記回転角信号に基づき前記モータを駆動制御し、前記異常検知手段により前記回転角検出手段の異常が検知された場合には、前記回転角推定手段から出力される前記推定回転角信号に基づき前記モータを駆動制御する駆動制御手段と;を備える。
さらに、本発明の第2態様に係るモータの制御装置では、前記異常検知手段により前記回転角検出手段の異常が検知されたことに伴い、前記駆動制御手段が、前記回転角信号に基づく前記モータの駆動制御から前記推定回転角信号に基づく前記モータの駆動制御へと制御処理を切り替える際に、前記推定回転角信号に基づく前記モータの駆動制御の制御量を徐々に増大させてもよい。
さらに、本発明の第3態様に係るモータの制御装置では、前記回転角検出手段が、レゾルバを備えて構成されてもよい。
また、本発明の第4態様に係る電動ステアリング装置は、第1態様から第3態様の何れか1つに記載のモータの制御装置と;前記電動パワーステアリング装置の操舵トルクを検出して操舵トルク信号を出力する操舵トルク検出手段と;前記車両の速度を検出して車速信号を出力する車速検出手段と;前記操舵トルク検出手段から出力される前記操舵トルク信号と、前記車速検出手段から出力される前記車速信号と、前記モータの制御装置から出力される前記回転角信号または前記推定回転角信号とに応じて、前記駆動制御手段により前記モータを駆動制御し、前記操舵トルクを補助する補助トルクを前記モータから発生させる操舵制御手段と;を備える。
さらに、本発明の第5態様に係る電動ステアリング装置では、前記車速検出手段から出力される前記車速信号が所定値未満である場合に、前記操舵制御手段は、前記駆動制御手段が前記回転角信号に基づく前記モータの駆動制御から前記推定回転角信号に基づく前記モータの駆動制御へと制御処理を切り替えることを許可してもよい。
さらに、本発明の第6態様に係る電動ステアリング装置では、前記操舵トルク検出手段から出力される前記操舵トルク信号が所定値未満である場合に、前記操舵制御手段は、前記駆動制御手段が前記回転角信号に基づく前記モータの駆動制御から前記推定回転角信号に基づく前記モータの駆動制御へと制御処理を切り替えることを許可してもよい。
さらに、本発明の第7態様に係る電動ステアリング装置では、前記操舵制御手段は、前記車速検出手段から出力される前記車速信号および前記操舵トルク検出手段から出力される前記操舵トルク信号に基づき、前記モータの目標駆動制御量を設定する目標駆動量設定手段を備え;前記目標駆動量設定手段により設定される前記目標駆動制御量に応じて、前記駆動制御手段により前記モータを駆動制御しており;前記目標駆動量設定手段により設定される前記目標駆動制御量が所定値未満である場合に、前記駆動制御手段が前記回転角信号に基づく前記モータの駆動制御から前記推定回転角信号に基づく前記モータの駆動制御へと制御処理を切り替えることを許可してもよい。
本発明の第1態様に係るモータの制御装置によれば、モータの回転角を直接的に検出する回転角検出手段に異常が生じた場合であっても、迅速かつ精度良く回転角を推定しつつ、適切な駆動制御を実行することができる。例えば、モータが脱調してトルク変動が生じてしまうことや、例えばモータが脱調して停止してしまうなどの不具合が生じることを防止することができる。
さらに、本発明の第2態様に係るモータの制御装置によれば、制御処理の切り替え時に、推定回転角信号に基づくモータの駆動制御の制御量を徐々に増大させることで、モータの出力が急激に変動することを防止することができる。
さらに、本発明の第3態様に係るモータの制御装置によれば、モータを滑らかに駆動制御することができる。
また、本発明の第4態様に係る電動ステアリング装置によれば、モータの回転角を直接的に検出する回転角検出手段に異常が生じた場合であっても、迅速かつ精度良く回転角を推定しつつ、適切な駆動制御を実行することができる。例えば、モータが脱調してトルク変動が生じてしまうことや、例えばモータが脱調して停止してしまうなどの不具合が生じることを防止することができ、操舵フィーリングが劣化することを防止することができると共に、車両の走行挙動が不安定となることを抑制することができる。
さらに、本発明の第5態様に係る電動ステアリング装置によれば、モータの回転角を直接的に検出する回転角検出手段に異常が生じた場合には、フェールセーフ処理によってモータの駆動制御が一時的に停止される。そのため、モータはアシストトルクを出力しない停止状態となり、続いて推定回転角信号に基づくモータの駆動制御の実行が開始される。
このため、例えばヨーレートゲインが相対的に高く、車両挙動に対する操舵の影響が大きくなる高速走行状態では、回転角信号に基づくモータの駆動制御から推定回転角信号に基づくモータの駆動制御へと制御処理が切り替えられると、モータの出力変動が過剰に大きくなり、車両挙動が不安定となる虞がある。
これに対して、本発明では、ヨーレートゲインが相対的に低く、車両挙動に対する操舵の影響が小さくなるものの、路面負荷が相対的に大きいことから大きなアシストトルクが必要とされる低速走行状態において、回転角信号に基づくモータの駆動制御から推定回転角信号に基づくモータの駆動制御へと制御処理を切り替えることを許可することから、運転者の操舵負荷を適切に低減することができる。
さらに、本発明の第6態様に係る電動ステアリング装置によれば、モータの回転角を直接的に検出する回転角検出手段に異常が生じた場合には、フェールセーフ処理によってモータの駆動制御が一時的に停止される。そのため、モータは、アシストトルクを出力しない停止状態となり、続いて推定回転角信号に基づくモータの駆動制御の実行が開始される。
このため、モータの停止状態では、運転者の操舵トルクが増大することになり、この状態において推定回転角信号に基づくモータの駆動制御の実行が開始されると、操舵トルクが過剰に大きく変動することになり、操舵フィーリングに運転者が違和感を感じてしまったり、車両挙動が不安定になってしまう虞がある。
これに対して、本発明では、運転者の操舵トルクが相対的に小さいときに、回転角信号に基づくモータの駆動制御から推定回転角信号に基づくモータの駆動制御へと制御処理を切り替えることを許可することから、操舵トルクが大きく変動してしまうことを防止することができる。
さらに、本発明の第7態様に係る電動ステアリング装置によれば、モータの回転角を直接的に検出する回転角検出手段に異常が生じた場合には、フェールセーフ処理によってモータの駆動制御が一時的に停止される。そのため、モータはアシストトルクを出力しない停止状態となり、続いて推定回転角信号に基づくモータの駆動制御の実行が開始される。
このため、目標駆動制御量が相対的に大きい状態では、回転角信号に基づくモータの駆動制御から推定回転角信号に基づくモータの駆動制御へと制御処理が切り替えられると、操舵トルクが過剰に大きく変動することになり、操舵フィーリングに運転者が違和感を感じてしまったり、車両挙動が不安定になってしまう虞がある。
これに対して、本発明では、目標駆動制御量が相対的に小さいときに、回転角信号に基づくモータの駆動制御から推定回転角信号に基づくモータの駆動制御へと制御処理を切り替えることを許可することから、操舵トルクが大きく変動してしまうことを防止することができる。
本発明の一実施形態に係る電動ステアリング装置の構成図である。 本発明の一実施形態に係る電動ステアリング装置の操舵補助機構の構成図である。 図2に示すA−A線断面図である。 本発明の一実施形態に係るレゾルバの構成図である。 本発明の一実施形態に係るレゾルバの構成図である。 本発明の一実施形態に係るレゾルバの電圧振幅の位相変化の一例を示すグラフ図である。 本発明の一実施形態に係るレゾルバの出力電圧の位相変化の一例を示すグラフ図である。 本発明の一実施形態に係るモータの制御装置の構成図である。 図6に示すFETブリッジの構成図である。 図6に示すFETブリッジの各トランジスタのオン(導通)状態を示す図である。 図6に示すFETブリッジの各トランジスタのオフ(遮断)状態を示す図である。 本発明の一実施形態に係る相間電圧比Vun/Vvnと回転角θmとの対応関係を示すグラフ図である。 本発明の一実施形態に係る相間電圧Vvnと回転角θmとの対応関係を示すグラフ図である。 本発明の一実施形態に係る各相間インダクタンスLun,Lvn,Lwnと回転角θmとの対応関係を示すグラフ図である。 本発明の一実施形態に係る操舵トルクTqとモータ電流と駆動方向反転フラグのフラグ値との変化の一例を示すグラフ図である。 本発明の一実施形態に係る操舵トルクTqとモータ電流と駆動方向反転フラグのフラグ値との変化の一例を示すグラフ図である。 本発明の実施形態に対する比較例として従来技術の一例に係るモータ制御ブロックの構成を示す図である。 本発明の一実施形態に係るd−q軸とγ−δ軸との対応関係の一例を示す図である。 本発明の一実施形態に係るモータ制御ブロックの構成を示す図である。 本発明の一実施形態に係る回転時推定器のブロック構成図である。 本発明の一実施形態に係る切替指示信号と、車速との対応関係の一例を示す図である。 本発明の一実施形態に係る切替指示信号と、操舵トルクとの対応関係の一例を示す図である。 本発明の一実施形態に係る電動ステアリング装置の動作、特に、モータの駆動制御時にレゾルバの異常を検知した場合の処理を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態に係る電動ステアリング装置の動作、特に、回転角推定器および切換部の動作を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態に係る電動ステアリング装置の動作、特に、回転角推定器および切換部の動作を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態に係る電動ステアリング装置の動作、特に、回転角推定器および切換部の動作を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態の第1変形例に係るモータの制御装置の構成図である。 本発明の一実施形態の第2変形例に係るモータの制御装置の構成図である。 本発明の一実施形態の変形例に係るモータ制御ブロックの構成を示す図である。 本発明の一実施形態の変形例に係る回転時推定器のブロック構成図である。
以下、本発明のモータの制御装置および電動ステアリング装置の一実施形態について、添付図面を参照しながら説明する。
本実施の形態によるモータの制御装置(後述)は、図1に示す車両用操舵装置としての電動ステアリング装置1のECU(Electronic Control Unit)50に搭載されている。
この電動ステアリング装置1は、例えば図1に示すように、車両のステアリングホイール2に連結されたステアリングシャフト3およびステアリングシャフト3に連結された自在軸継手4から操舵輪(車輪)5,5に至るステアリング系において、ステアリングギヤボックスを構成するハウジング6内に収容された操舵機構7と、この操舵機構7に操舵補助力を発生させる操舵補助機構8とを備えている。
操舵機構7は、ラックアンドピニオン機構10を備え、このラックアンドピニオン機構10のピニオン軸11は自在軸継手4に連結されている。
そして、ピニオン軸11に具備されるピニオン12と、車幅方向に往復動可能なラック軸13に具備されるラック14とは、互いに噛み合わされている。
ピニオン軸11は、例えば下部、中間部、上部を各軸受15a,15b,15cによって回転可能に支持されており、ピニオン12は、ピニオン軸11の下端部に設けられている。
ラック軸13は、ハウジング6の車幅方向に延びる略円筒状のラックハウジング6a内において、軸受16を介して軸長手方向に往復動可能に支持されている。
ラックハウジング6aの両端は、開口する開口部を備え、開口部からラック軸13の端部13aが突出している。
ラック軸13の各端部13aには、ラック軸13よりも大きな外径のラックエンドプレート17が固定され、さらに、ラックエンドプレート17には、ラックエンドヘッド18が固定されている。
ラックエンドヘッド18は、ボールジョイント19を備え、このボールジョイント19にタイロッド20が連結され、タイロッド20に操舵輪(前輪)5が連係されている。
ラックハウジング6aの両端の開口部近傍の外周面上には、径方向内方に突出する円環凹溝6bが形成されている。
そして、ラックハウジング6aの円環凹溝6bには、ラック軸13の軸長手方向に伸縮可能な蛇腹状のラックエンドカバー21の端部が装着されている。さらに、ラック軸13の端部13aと、ラックエンドプレート17と、ラックエンドヘッド18と、ボールジョイント19とは、ラックエンドカバー21内に収容され、タイロッド20は、ラックエンドカバー21を貫通して外方に突出している。
操舵補助機構8は、ステアリングホイール2による操舵力を軽減するための操舵補助力を発生させるモータからなるモータ31と、ウォームギヤ32と、ウォームホイールギヤ33と、レゾルバ34とを備えて構成されている。さらに、ウォームギヤ32およびウォームホイールギヤ33は、ステアリングギヤボックスを構成するハウジング6内に収容されている。
モータ31はハウジング6に軸支されたウォームギヤ32に連結され、このウォームギヤ32は、ピニオン軸11に一体的に設けられたウォームホイールギヤ33に噛合している。ウォームギヤ32およびウォームホイールギヤ33は、減速機構を構成し、モータ31で発生したトルクは、ウォームギヤ32とウォームホイールギヤ33により倍力されてピニオン軸11に伝達される。
また、ピニオン軸11において中間部の軸受15bと上部の軸受15cとの間には、磁歪に起因する磁気特性の変化に基づいて操舵トルク(操舵入力)を検出する磁歪式の操舵トルクセンサ40が配置されている。
操舵トルクセンサ40は、ピニオン軸11の外周面に軸方向所定間隔をおいて互いに逆方向の異方性となるように設けられた2つの磁歪膜(例えば、Ni−Feめっきなどの磁気異方性を有する磁歪膜)41,42と、各磁歪膜41,42に対向配置された2つの検出コイル43,44と、各検出コイル43,44に接続された検出回路45,46を備えている。各検出回路45,46は、各磁歪膜41,42に操舵トルクが作用したときに発生する逆磁歪特性に起因して生じる各検出コイル43,44のインダクタンスの変化を電圧変化に変換してECU(Electric Control Unit)50に出力する。ECU50は、各検出回路45,46の出力に基づいてステアリングシャフト3に作用する操舵トルクを算出する。
そして、ECU50は、操舵トルクセンサ40で検出される操舵トルク(つまり運転者によってステアリングホイール2から入力される操舵トルク)の大きさに応じて、モータ31に供給すべき目標電流を決定する。さらに、ECU50は、モータ31に流れる電流が目標電流と一致するようにして、例えばPID制御等の制御を行うことにより、操舵トルクに応じた補助トルクをモータ31から発生させ、この補助トルクが減速機構を介してピニオン軸11に伝達する。これにより、運転者による操舵入力と同方向にモータ31による操舵補助力が作用し、運転者の操舵トルクにモータ31の補助トルクが加算された複合トルクによって、操舵輪5が操舵される。
モータ31は、例えば図2に示すように、ハウジング6の側部にボルトによりハウジング6より突出して取付けられ、ハウジング6の側部開口を閉塞するリッド61と、リッド61にボルトにより取付けられた有底筒状のモータケース62と、回転軸O周りに回転可能に設けられ、永久磁石63aを有するロータ63と、ロータ63の外周部を覆うようにして径方向で対向配置され、ロータ63を回転させる回転磁界を発生する複数相のステータ巻線64aを有するステータ64とを備えて構成されている。
ステータ64は、例えばモータケース62内に圧入等により収容され、ロータ63の内周部には回転軸Oと同軸に配置された出力軸65が固定されている。
そして、モータ31のリッド61およびモータケース62は、出力軸65を2つの軸受66を介して回転可能に支持している。
なお、モータ31のステータ64は、例えば図3に示すように、環状に配列された複数の分割コア64bと、絶縁性のボビン64cと、ボビン64cに多重に巻回されたステータ巻線64aとを備えて構成される。このステータ64は、例えばプレス成型等により成型されたモータケース62内に圧入等によって収容されている。
分割コア64bは、例えば略T字型の複数の珪素鋼板が回転軸O方向に積層されて構成され、外周側のヨーク部64b1と内周側のティース部64b2とにより構成されている。ヨーク部64b1の周方向の両端面において、一方の端面上には、周方向に突出する凸部が設けられ、他方の端面上には、凸部が嵌合可能な凹部が設けられ、周方向で隣り合う分割コア64b,64bの一方のヨーク部64b1の凸部が他方のヨーク部64b1の凹部に嵌合することで円環状のヨークが形成されている。ティース部64b2は、ヨーク部64b1よりも小さな周方向幅を有し、ヨーク部64b1から径方向内方のロータ63に向かい突出している。そして、ティース部64b2には、例えば絶縁性樹脂材等からなるボビン64cが装着されている。
また、モータ31のロータ63は、例えば永久磁石63aと、磁石カバー63bと、バックヨーク63cと、出力軸65とを備えて構成されている。
略筒状のバックヨーク63cは、例えば略環状の複数の珪素鋼板が回転軸O方向に積層されて構成される。バックヨーク63cの内周部には、出力軸65が装着され、バックヨーク63cの外周面上には、周方向に所定間隔をおいて複数の永久磁石63aが配置されている。そして、磁石カバー63bは、複数の永久磁石63aの外周面を覆うようにして配置されている。
モータ31の出力軸65は、例えば図2に示すように、カップリング67を介してウォームギヤ32のウォーム軸32aに連結されている。
ウォーム軸32aは、モータ31の出力軸65と同軸に配置され、2つの軸受68を介してハウジング6に回転可能に支持されている。なお、ハウジング6内に装着された2つの軸受68のうち、モータ31側の一方の軸受68は、止め輪69によって軸長手方向でのモータ31側への移動が規制されている。
レゾルバ34は、例えば図2および図4および図5Aに示すように、モータ31の回転軸51に固定された突極35aを有するレゾルバロータ35と、励磁コイル36aおよび2つの第1および第2出力コイル36b,36cを有するレゾルバステータ36とを備える。
さらに、例えば図5Aに示すように、2つの第1および第2出力コイル36b,36cは互いに位相差が90°となるように配置されている。
また、例えば図5Bに示すように、レゾルバ34の励磁コイル36aに電圧振幅がsin波で構成される励磁電圧が印加されると、レゾルバロータ35の回転(つまり、モータ31の回転軸65の回転)に伴い、各第1及び第2出力コイル36b,36cに回転角θmに応じた電圧振幅のエンベロープであるcos波出力電圧及びsin波出力電圧が誘起される。これらのcos波出力電圧及びsin波出力電圧は、RD変換処理によって検出され、さらに、sin波出力電圧及びcos波出力電圧の比である比tanθが算出され、比tanθの値の逆正接値tan−1により、例えば図5Cに示すように、回転角θmが算出される。
本実施形態による電動ステアリング装置1において、モータの制御装置70は、例えば図6に示すように、バッテリ71を直流電源とするFETブリッジ72と、制御部73とを備えて構成され、ECU50に具備されている。
このモータの制御装置70において、モータ31の駆動は、制御部73から出力される制御指令を受けてFETブリッジ72により行われる。
FETブリッジ72は、例えば図7に示すように、FET(例えば、MOSFET:Metal Oxide Semi-conductor Field Effect Transistor)を複数用いてブリッジ接続してなるブリッジ回路を具備し、このブリッジ回路が、パルス幅変調(PWM)された信号によって駆動される。
このブリッジ回路は、例えば各相毎に対をなすハイ側およびロー側U相トランジスタUH,ULと、ハイ側およびロー側V相トランジスタVH,VLと、ハイ側およびロー側W相トランジスタWH,WLとをブリッジ接続して構成される。さらに、各トランジスタUH,VH,WHは、ドレインがバッテリ71(+B)に接続されてハイサイドアームを構成し、各トランジスタUL,VL,WLは、ソースが接地されてローサイドアームを構成している。また、各相毎にハイサイドアームの各トランジスタUH,VH,WHのソースとローサイドアームの各トランジスタUL,VL,WLのドレインとが接続されている。
FETブリッジ72は、例えばモータ31の駆動時等において、制御部73から出力されて各トランジスタUH,VH,WH,UL,VL,WLのゲートに入力されるスイッチング指令であるゲート信号(つまり、PWM信号)に基づき、各相毎に対をなす各トランジスタのオン(導通)/オフ(遮断)状態を切り替える。これにより、FETブリッジ72は、バッテリ71から供給される直流電力を3相交流電力に変換し、3相のステータ巻線64aへの通電を順次転流させる。したがって、各相のステータ巻線64aに交流のU相電流IuおよびV相電流IvおよびW相電流Iwを通電する。
なお、昇圧回路74は、例えばコンデンサと、トランジスタからなるチャージポンプ回路とを備え、各トランジスタのオン(導通)/オフ(遮断)状態を切り替えるゲート信号(つまり、昇圧回路74の昇圧動作を指示する信号)が、制御部73から入力されている。
そして、昇圧回路74は、FETブリッジ72のハイサイドアームを構成する各トランジスタUH,VH,WHのゲート電圧を昇圧する。
また、バッテリ71とFETブリッジ72および昇圧回路74との間、および、FETブリッジ72とモータ31の3相のうちの何れか2相(例えば、U相およびV相)のステータ巻線64a,64aとの間には、リレー駆動回路75aにより開閉駆動されるリレー75bが設けられている。そして、リレー駆動回路75aには、リレー75bの開閉動作を制御するためのリレー駆動信号が制御部73から入力されている。
制御部73では、回転直交座標をなすγ−δ座標上で電流のフィードバック制御(ベクトル制御)を行うものであり、例えば運転者によってステアリングホイール2から入力される操舵トルクに応じて操舵トルクセンサ40が出力する信号(トルク検出信号Tq)および車速センサ78が出力する車速Vなどから目標δ軸電流Iδcを演算する。さらに、モータ31の回転速度ωm(=dθm/dt)およびδ軸電流Iδなどから目標γ軸電流Iγcを演算する。また、目標γ軸電流Iγc及び目標δ軸電流Iδcに基づいて3相の各相出力電圧Vu,Vv,Vwを算出し、各相出力電圧Vu,Vv,Vwに応じてFETブリッジ72へゲート信号であるPWM信号を入力する。同時に、実際にFETブリッジ72からモータ31に供給される各相電流Iu,Iv,Iwの検出値をγ−δ座標上に変換して得たγ軸電流Iγ及びδ軸電流Iδと、目標γ軸電流Iγc及び目標δ軸電流Iδcとの各偏差がゼロとなるように制御を行う。γ−δ座標上での電流のフィードバック制御の詳細については後述する。
例えばモータ31の起動時に、制御部73は、正弦波状の電流を通電するために、各相出力電圧Vu,Vv,Vwと、三角波等のキャリア信号とを比較して、FETブリッジ72の各トランジスタUH,VH,WH,UL,VL,WLをオン/オフ駆動させるゲート信号(つまり、PWM信号)を生成する。そして、FETブリッジ72において3相の各相毎に対をなす各トランジスタのオン(導通)/オフ(遮断)状態を切り替える。この切替により、バッテリ71から供給される直流電力を3相交流電力に変換し、3相のモータ31の各ステータ巻線64aへの通電を順次転流させることで、各ステータ巻線64aに交流のU相電流IuおよびV相電流IvおよびW相電流Iwを通電する。
なお、各トランジスタUH,ULおよびVH,VLおよびWH,WLを、パルス幅変調(PWM)によりオン/オフ駆動させるためのPWM信号のデューティ、つまりオン/オフの比率のマップ(データ)は、予め制御部73に記憶されている。
制御部73には、FETブリッジ72からモータ31の各相のステータ巻線64a毎に供給される各相電流Iu,Iv,Iwの少なくとも何れか2つ(例えば、U相電流Iu,W相電流Iw等)を検出する電流センサ76から出力される検出信号(例えば、U相検出電流Ius,W相検出電流Iws等)と、例えば座標変換の処理等において用いられるモータ31のロータ63の停止時の回転角θm(つまり、所定の基準回転位置からのロータ63の磁極の回転角度であって、モータ31の出力軸65の回転位置)を推定するために必要とされる各相電圧Vu,Vv,Vwの少なくとも何れか2つ(例えば、U相電圧Vu,V相電圧Vv等)およびモータ31の複数相のステータ巻線64aが接続される中点の電圧(中点電圧)Vnを検出する電圧センサ77から出力される検出信号と、車両の速度(車速)Vを検出する車速センサ78から出力される検出信号とが入力されている。
この制御部73は、例えば、位相補正部81と、目標電流設定部82と、第1補正演算部83と、イナーシャ補正部84と、微分演算部85と、第2補正演算部86と、ダンパー補正部87と、界磁制御部88と、電流偏差算出部89と、電流制御部90と、非干渉制御器91と、電圧補正部92と、γδ−3相変換部93と、PWM信号生成部94と、第1及び第2相間電圧算出部95a,95bと、回転角推定器96と、切換部97と、3相−γδ変換部98と、RD変換器99と、異常検知部100と、回転信号切替制御部101と、回転信号切替器102と、電流制限制御部103とを備えて構成されている。
位相補正部81は、操舵トルクセンサ40が出力するトルク検出信号Tqに対して、車速センサ78から出力される車速V毎に、位相補正の処理を行う。
目標電流設定部82は、位相補正部81にて位相補正の処理が行われたトルク検出信号Tqと、車速センサ78から出力される車速Vとに基づき、FETブリッジ72からモータ31に供給される各相電流Iu,Iv,Iwを指定するための電流指令を演算している。この電流指令は、回転する直交座標上でのγ軸目標電流Iγc及びδ軸目標電流Iδcのうち、特に、δ軸目標電流Iδcである。
なお、回転直交座標をなすγ−δ座標は、例えばロータ63の永久磁石による界磁極の磁束方向をγ軸(界磁軸)とし、このγ軸と直交する方向をδ軸(トルク軸)としており、ロータ63の回転位相に同期して回転している。これにより、FETブリッジ72からモータ31の各相に供給される交流信号に対する電流指令として、直流的な信号であるγ軸目標電流Iγcおよびδ軸目標電流Iδcを与えるようになっている。
第1補正演算部83は、目標電流設定部82にて算出されたδ軸目標電流Iδcにイナーシャ補正部84から出力されるイナーシャ補正項を加算して得た値を、新たにδ軸目標電流Iδcとして出力する。
イナーシャ補正部84は、例えば操舵トルクセンサ40が出力するトルク検出信号Tqおよび車速センサ78から出力される車速Vおよび微分演算部85から出力される回転速度ωm(=dθm/dt)の時間微分値(=dωm/dt)に基づき、慣性モーメントに係るイナーシャ補正項を演算する。
なお、回転速度ωmとしては、後述する回転時推定器96bから出力される推定回転数ωrまたは後述するRD変換器99から出力される検出回転数ωdが採用される。
第2補正演算部86は、第1補正演算部83にて補正されたδ軸目標電流Iδcからダンパー補正部87から出力されるダンパー補正項を減算して得た値を、新たにδ軸目標電流Iδcとして出力する。
ダンパー補正部87は、例えば操舵トルクセンサ40が出力するトルク検出信号Tqおよび車速センサ78から出力される車速Vおよび微分演算部85から出力される回転速度ωm(=dθm/dt)に基づき、ダンピング係数に係るダンパー補正項を演算する。
電流制限制御部103は、後述する回転信号切替制御部101から出力される電流制限信号に応じて、電流偏差算出部89に出力するδ軸目標電流Iδcの値をゼロとする。
また、電流制限制御部103は、後述する回転信号切替制御部101から出力される徐変指示信号、つまりδ軸目標電流Iδcの値をゼロから徐々に増大させることを指示する信号に応じて、電流偏差算出部89に出力するδ軸目標電流Iδcの値を、ゼロから第2補正演算部86から出力されるδ軸目標電流Iδcの値まで徐々に増大させるように変化させる。
なお、電流制限制御部103は、後述する回転信号切替制御部101から電流制限信号または徐変指示信号が出力されていない場合には、第2補正演算部86から出力されるδ軸目標電流Iδcの値を変更せずに電流偏差算出部89に出力する。
界磁制御部88は、例えばモータ31の回転速度ωmの増大に伴う逆起電圧の増大を抑制するために、ロータ63の界磁量を等価的に弱めるようにして電流位相を制御する弱め界磁制御の弱め界磁電流に対する目標値をγ軸補正電流とし、補正する。すなわち、界磁制御部88は、後述する3相−γδ変換部98から出力されるδ軸電流Iδに基づき算出したγ軸目標電流Iγcを、さらに回転速度ωmに基づいて補正したγ軸補正電流を、新たにγ軸目標電流Iγcとして出力する。
電流偏差算出部89は、γ軸目標電流Iγcとγ軸電流Iγとの偏差ΔIγを算出するγ軸電流偏差算出部89aと、δ軸目標電流Iδcとδ軸電流Iδとの偏差ΔIδを算出する軸電流偏差算出部89bとを備えて構成されている。
なお、γ軸電流Iγおよび及びδ軸電流Iδは、各相電流Iu,Iv,Iwの検出値をγ−δ座標上に変換してのγ軸電流Iγ及びδ軸電流Iδを演算する3相−γδ変換部98から出力される。
電流制御部90は、例えばPID(比例積分微分)動作により、偏差ΔIγを制御増幅してγ軸電圧指令値ΔVγを算出するγ軸電流PI制御器90aと、偏差ΔIδを制御増幅してδ軸電圧指令値ΔVδを算出するδ軸電流PI制御器90bとを備えて構成されている。
また、非干渉制御器91は、例えばγ軸電流Iγおよびδ軸電流Iδと、予め記憶されているγ軸インダクタンスLγ(後述するd軸インダクタンスLdで代用してもよい)およびδ軸インダクタンスLδ(後述するq軸インダクタンスLqで代用してもよい)と、後述する回転角推定器96の回転時推定器96bから出力される回転速度ωm(推定回転数ωrと同等)とに基づき、γ軸とδ軸との間で干渉し合う速度起電力成分を相殺してγ軸及びδ軸を独立して制御するために、γ軸及びδ軸に対する各干渉成分を相殺するγ軸補償項Vγc(=ωr・Lq・Iδ)及びδ軸補償項Vδc(=ωr・Lq・Iγ)を算出する。
電圧補正部92は、γ軸電圧指令値ΔVγにγ軸補償項Vγcを加算して得た値をγ軸電圧指令値Vγとするγ軸電圧演算部92aと、δ軸電圧指令値ΔVδにδ軸補償項Vδcを加算して得た値をδ軸電圧指令値Vδとするδ軸電圧演算部92bとを備えて構成されている。
γδ−3相変換部93は、回転信号切替器102から出力されるモータ31の回転位置に相当する回転角θmにより、γ−δ座標上でのγ軸電圧指令値Vγおよびδ軸電圧指令値Vδを、静止座標である3相交流座標上での電圧指令値であるU相出力電圧VuおよびV相出力電圧VvおよびW相出力電圧Vwに変換する。
PWM信号生成部94は、後述する回転信号切替制御部101から出力されるPWM駆動許可信号、つまりモータ31のPWM駆動を許可する信号に応じて、モータ31に正弦波状の電流を通電するために、各相出力電圧Vu,Vv,Vwと、三角波等のキャリア信号とを比較して、FETブリッジ72の各トランジスタUH,VH,WH,UL,VL,WLをオン/オフ駆動させるゲート信号(つまり、PWM信号)を生成する。
また、PWM信号生成部94は、例えばモータ31の停止状態での回転角推定時において、後述する回転角推定器96の停止時推定器96aから出力される指令信号Vsaに応じて、FETブリッジ72の各トランジスタUH,VH,WH,UL,VL,WLをオン/オフ駆動させる各パルスからなる所定のゲート信号を出力する。この所定のゲート信号は、モータ31の相端子間(例えば、U相−V相端子間等)に、図8Aおよび図8Bに示すような通電パターンで所定矩形波、例えば可聴周波数外の周波数として、モータ31の駆動時のPWM周波数(例えば、20kHz等)の2倍の周波数(例えば、40kHz等)を有する所定電圧値(例えば、12V等)の矩形波の交流電圧や、パルス状(例えば、10μsec程度)の矩形波の交流電圧(例えば、12Vなど)を印加することをFETブリッジ72に指示する。
また、PWM信号生成部94は、例えばモータ31の停止状態での回転角推定時において、後述のように、回転角θmの複数の候補から単一の推定値を選択する際にも、後述する回転角推定器96の停止時推定器96aから出力される指令信号Vsbの入力があった際には、操舵トルクに応じて生成された各相出力電圧Vu,Vv,Vwに応じて、FETブリッジ72の各トランジスタUH,VH,WH,UL,VL,WLをオン/オフ駆動させる各パルスからなる所定のゲート信号を出力する。
詳細には、この所定のゲート信号は、後述する回転角θmの複数の候補から、単一の推定値θmを仮推定値とし、この仮推定値を用いて、アシスト不感帯内において所定微小電流を通電してモータ31を駆動することをFETブリッジ72に指示し、運転者による操舵入力と同方向にモータ31による操舵補助力が作用するか否かによって、仮推定値が正しいか否かを決定する。仮推定値が正しい場合には、操舵トルクがアシスト不感帯内の範囲を超えた時点より、この推定値を用いてモータを駆動制御しアシストを行う。仮推定値が正しくない場合には、もう一方の推定値を用いてモータを駆動制御しアシストを行う。詳細は後述する。
また、PWM信号生成部94は、昇圧回路74の昇圧動作を指示する信号(例えば、昇圧回路74に具備されるチャージポンプ回路の各トランジスタのオン(導通)/オフ(遮断)状態を切り替えるゲート信号など)を出力する。
また、PWM信号生成部94は、後述する回転信号切替制御部101からPWM駆動許可信号が出力されていない場合には、モータ31への通電の停止を指示するゲート信号を出力する。
第1及び第2相間電圧算出部95a,95bは、作動アンプを備え、各電圧センサ77により検出された各相電圧Vu,Vvおよび中点電圧Vnにより、第1相間電圧算出部95aは、U相間電圧Vun(=Vu−Vn)を算出し、第2相間電圧算出部95bは、V相間電圧Vvn(=Vv−Vn)を算出する。
回転角推定器96は、後述する回転信号切替制御部101から出力される推定指示信号に応じて動作する停止時推定器96aおよび回転時推定器96bを備えている。
そして、切換部97は、モータ31の状態に応じて、停止時推定器96aまたは回転時推定器96bを選択し、停止時推定器96aから出力される停止時回転角θsまたは回転時推定器96bから出力される回転時推定回転角θrを、回転角θmとして出力する。
例えば、切換部97は、モータ31の停止時には停止時推定器96aを選択し、モータ31の回転時には回転時推定器96bを選択する。
切換部97は、回転時推定器96b内にある後述する図17中の停止判定器163が出力する切換信号に基づいて、停止時推定器96aからの出力と回転時推定器96bからの出力を切り換える。詳しくは、図17中に示す起電圧の大きさ(Eex・cosθe)が所定の値よりも小さいときには、停止判定器163は、モータ31が停止していると判断して停止時推定器96aを選択する信号を発生する。一方、前述の起電圧の大きさ(Eex・cosθe)が所定の値よりも大きいときには、停止判定器163は、モータ31が回転していると判断して回転時推定器96bを選択する信号を発生する。
回転角推定器96の停止時推定器96aは、モータ31の停止時に、モータ31のインダクタンスが回転角θmによって変化することを利用して、停止時回転角θsを推定する。
また、回転角推定器96の回転時推定器96bは、モータ31の回転時には、モータ31が発生する誘起電圧が回転速度ωmによって変化することを利用して、回転時推定回転角θrを推定する。
詳細には、回転角推定器96の停止時推定器96aは、第1及び第2相間電圧算出部95a,95bから出力される各相間電圧Vun,Vvnにより、停止時回転角θsの複数の候補を選定する。この複数の候補から単一の推定値を仮推定値とし、この仮推定値を用いて、アシスト不感帯内において所定微小電流を通電してモータ31を駆動することをFETブリッジ72に指示する。このとき、操舵トルクセンサ40から出力されるトルク検出信号Tqから運転者による操舵入力と同方向にモータ31による操舵補助力が作用するか否かによって、仮推定値が正しいか否かを決定する。仮推定値が正しい場合には、この値を停止時回転角θsの推定値として出力し、操舵トルクがアシスト不感帯内の範囲を超えた時点より、この推定値を用いてモータ31を駆動制御しアシストを行う。仮推定値が正しくない場合には、もう一方の推定値を出力し、操舵トルクがアシスト不感帯内の範囲を超えた時点より、この推定値を用いてモータ31を駆動制御しアシストを行う。
詳細には、回転時推定器96b内にある後述する図17中のδ軸誘起電圧推定部151が出力する起電圧の大きさ(Eex・cosθe)に基づいて、モータ31が回転することによって生じる誘起電圧の値が所定値よりも小さいときには、図17中の停止判定器163はモータ31が停止していると推定し、切換信号を出力する。
そして、切換部97は停止時推定器96aによる回転角推定を選択する。
例えばモータ31の停止状態での回転角推定時において、FETブリッジ72の各トランジスタUH,VH,WH,UL,VL,WLを、例えば図8Aに示すように、ハイ側U相トランジスタUHおよびロー側V相トランジスタVLをオン、かつ、他のトランジスタVH,WH,UL,WLをオフとする状態と、例えば図8Bに示すように、ハイ側U相トランジスタUHをオン、かつ、他のトランジスタVH,WH,UL,VL,WLをオフとする状態との2つの状態を繰り返して、駆動させることでモータ31のU相−V相端子間に所定矩形波(例えば、40kHzかつ12V)の交流電圧を印加することを指示する指令信号Vsaを出力する。
もしくは、図8Aに示す通電パターンの状態を1回行った後に、図8Bに示す通電パターンの状態を1回行うことにより、パルス状(例えば、10μsec程度)の矩形波の交流電圧(例えば、12Vなど)を印加することを指示する指令信号Vsaを出力する。
そして、モータ31のU相−V相端子間に所定矩形波が印加されている際のU相間電圧VunとV相間電圧Vvnとの比(相間電圧比)Vun/Vvnに基づき、例えば予め設定された所定の第1マップに対するマップ検索により、停止時回転角θsを取得する。
なお、この第1マップは、例えば相間電圧比Vun/Vvnと、停止時回転角θsとの所定の対応関係を示すマップであって、例えば図9に示すように、電気角(edeg)での0°から360°の範囲内において、相間電圧比Vun/Vvnの適宜の単一の値に対して、停止時回転角θsの4つの値θ1,…,θ4が対応するようになっている。つまり、相間電圧比Vun/Vvnの2周期が電気角(edeg)での360°となっている。
例えば、相間電圧比Vun/Vvn=1.5の場合、停止時回転角θs=θ1(=100°),θ2(=150°),θ3(=280°),θ4(=330°)が対応している。
そして、停止時推定器96aは、モータ31のU相−V相端子間に所定矩形波が印加されている際のV相間電圧Vvnに基づき、例えば予め設定された所定の第2マップに対するマップ検索により、第1マップにより検索された停止時回転角θsの4つの値θ1,…,θ4のうちの何れか2つを選択する。
この第2マップは、例えばV相間電圧Vvnと、停止時回転角θsとの所定の対応関係を示すマップであって、例えば図10に示すように、電気角(edeg)での0°から360°の範囲内において、V相間電圧Vvnの適宜の単一の値に対して、停止時回転角θsの4つの値φ1,…,φ4が対応するようになっている。つまり、各相間電圧Vvnの2周期が電気角(edeg)での360°となっている。
なお、バッテリ電圧(つまり、FETブリッジ72の電源電圧)が変動しても正確な停止時回転角θsを得るために、バッテリ電圧Vbを検出して、この値を用いて検出したV相間電圧Vvnを補正し、補正後のV相間電圧Vvnを用いて第2マップを検索し、停止時回転角θsの4つの値φ1,…,φ4を得ている。このため、停止時推定器96aとバッテリ71(+B)との間には、例えば図6に示すように、作動アンプを備えるボルテージフォロア回路71aが設けられ、このボルテージフォロア回路71aの出力が、停止時推定器96aに入力されている。
例えば相間電圧比Vun/Vvn=1.5が得られるときのV相間電圧VvnがVvn=2.3(V)であったとすると、これを満たす回転角は、停止時回転角θs=φ1(=100°),φ2(=175°),φ3(=280°),φ4(=355°)が対応している。
このため、停止時回転角θsの4つの値θ1(=100°),θ2(=150°),θ3(=280°),θ4(=330°)が第1マップにより検索された場合には、第2マップの検索結果と等しくなる値θ1(=100°),θ3(=280°)の2つが停止時回転角θsの推定値候補として選択される。
なお、FETブリッジ72による通電切換において、例えば図8Aおよび図8Bに示すようにU相およびV相の各ステータ巻線64aに通電される場合には、U相およびV相の各ステータ巻線64aに流れる電流の大きさは等しくなることから、相間電圧比Vun/Vvnは、下記数式(1)に示すように、インピーダンス比Zun/Zvnに等しくなる。そして、各インピーダンスZun(=Run+j・ω・Lun),Zvn(=Rvn+j・ω・Lvn)において、角周波数ω(ω=2πf、例えば、f=40kHz)が高く、角周波数が十分に大きいため、各巻線抵抗Run,Rvnが各リアクタンス(ω・Lun),(ω・Lvn)に比べて十分に小さいので、相間電圧比Vun/Vvnは、相間インダクタンス比Lun/Lvnにほぼ等しくなる。
もしくは、パルス幅Δtが短いので(例えば、10μsec)、電流の変化率(ΔI/Δt)が大きく、各巻線抵抗Run,Rvnにおける電圧降下が、各インダクタンスLun,Lvnにおける電圧降下に比べて十分に小さいので、相間電圧比Vun/Vvnは、下記数式(2)に示すように相間インダクタンス比Lun/Lvnにほぼ等しくなる。
Figure 2009145270
Figure 2009145270
各相間インダクタンスLun,Lvn,Lwnは、モータ31の突極性に起因して、例えば図11に示すように、それぞれ電気角(edeg)で120°の位相差を有しつつ、停止時回転角θsに応じて変化し、この変化の2周期が電気角(edeg)での360°となっている。
モータ31のインダクタンス変化を示す図11において、例えば、各相間インダクタンスLun,Lvn,Lwnの平均値は、約72μHであり、各相間インダクタンスLun,Lvn,Lwnは、最小値(例えば、58μH)と最大値(例えば、86μH)との間で変動している。
したがって、相間インダクタンス比Lun/Lvnに近似される相間電圧比Vun/Vvnから停止時回転角θsを検知することができる。
例えば、モータ31の巻線抵抗Run(例えば、10mΩ)と、角周波数ω(例えば、2π×40×10rad/sec)とに対して、巻線抵抗Run(=10×10−3Ω)<<インピーダンスω・Lun(=18100×10−3Ω)となり、上記数式(1)に示すように、巻線抵抗Runを無視することができる。
また、バッテリ71の電圧に対して、各インピーダンスZun,Zvnが相対的に高いことから、U相およびV相の各ステータ巻線64aに流れる電流の大きさ(例えば、0.1A程度)は、相対的に小さくなり、回転角推定時においてモータ31の相端子間に印加される矩形波の通電によりモータ31に不必要なトルクが発生することは防止されている。
さらに、停止時推定器96aは、操舵トルクセンサ40から出力される操舵トルクTqにより、例えば図9に示す第1マップおよび例えば図10に示す第2マップに基づき選択された停止時回転角θsの2つの値(例えば、θ1,θ3)のうちの何れか1つを仮推定値として選択する。
選択された停止時回転角θsの2つの推定値候補(例えば、θ1,θ3)は、電気角(edeg)で180°の位相差を有することから、各値(例えば、θ1,θ3)に対応するロータ63の界磁方向、つまり磁極の向きは互いに逆方向となる。
このため、2つの各推定値候補(例えば、θ1,θ3)において、モータ31に同一の通電を行うと、一方では、運転者の操舵トルクを補助するようにして、運転者の操舵方向と同一の方向にモータ31による補助トルクが発生し、他方では、運転者の操舵トルクを増加させるようにして、運転者の操舵方向の反対方向にモータ31による補助トルクが発生する。したがって、操舵トルクを観察することによって推定値候補が適正か否かを判定することができる。
例えば、図12または図13のタイムチャートに示すように、操舵トルクセンサ40により検出される操舵トルク(トルク検出信号)Tqがゼロである期間(つまり、時刻t1以前の期間)において、モータ31は、停止状態であって、停止時推定器96aは、第1マップおよび第2マップに基づき停止時回転角θsとして2つの推定値候補(例えば、θ1,θ3)を取得している。ここで、停止時推定器96aは、停止時回転角θsの2つの推定値候補(例えば、θ1,θ3)のうち何れか一方(例えば、θ1)を、いわば一時的な停止時回転角θsの推定値(仮推定値)として選択する。なお、図12または図13に示す例では、検出される操舵トルク(トルク検出信号)Tqがゼロである期間においてモータ31は停止状態であったが、微小なトルクが生じている場合において、モータ31が停止している場合も同様である。
そして、例えば図12または図13に示す時刻t1以降のように、運転者の操舵入力に応じて操舵トルクセンサ40により検出される操舵トルク(トルク検出信号)Tqがゼロから増大傾向に変化を開始すると、停止時推定器96aは、停止時回転角θsの仮推定値に応じて運転者による操舵入力と同方向にモータ31による操舵補助力が作用するようにして、FETブリッジ72を介してモータ31に所定微小電流を一時的(時刻t2〜時刻t3の期間)に通電することを指示する指令信号VsbをPWM信号生成部94に出力する。
なお、この所定微小電流の通電は、操舵トルクセンサ40により検出される操舵トルク(トルク検出信号)Tqが所定の補助下限トルク(アシスト不感帯)以下である状態(例えば、図12または図13に示す時刻t1から時刻t4に亘る期間)で実行される。
そして、停止時推定器96aは、例えば図12または図13に示す時刻t2から時刻t3に亘る期間のように、モータ31に所定微小電流(モータ電流)が通電されたことに起因して、例えば図12に示すように、操舵トルクセンサ40により検出される操舵トルク(トルク検出信号)Tqの増大速度が低下あるいは操舵トルク(トルク検出信号)Tqが減少した場合には、運転者の操舵方向と同一の方向にモータ31による補助トルクが発生しており、停止時回転角θsの仮推定値(例えば、θ1)の設定が適正であると判断し、この仮推定値(例えば、θ1)を所定微小電流の通電前のモータ31の停止状態での停止時回転角θsの推定値として設定する。
一方、例えば図13に示すように、モータ31に所定微小電流(モータ電流)が通電されたことに起因して、操舵トルクセンサ40により検出される操舵トルク(トルク検出信号)Tqの増大速度が増大した場合には、運転者の操舵方向と異なる(つまり反対)の方向にモータ31による補助トルクが発生している。この場合、停止時回転角θsの仮推定値(例えば、θ1)の設定が適正ではないと判断し、この仮推定値(例えば、θ1)以外、つまり停止時回転角θsの2つの値(例えば、θ1,θ3)のうち何れか他方(例えば、θ3)を停止時回転角θsの推定値として設定することが適正であると判断し、例えば図13に示す時刻t3以降のように、モータ31の駆動方向を反転させることを指示する駆動方向反転フラグのフラグ値に「1」を設定し、停止時回転角θsの2つの値(例えば、θ1,θ3)のうち何れか他方(例えば、θ3)を、所定微小電流の通電前のモータ31の停止状態での停止時回転角θsの推定値として設定する。
また、例えば図12または図13に示す時刻t4以降のように、操舵トルク(トルク検出信号)Tqが補助下限トルクを超えた場合には、設定した停止時回転角θsを用いてモータ31を起動する。
モータ31の回転速度ωmが所定速度以上となる駆動状態では、U相間電圧VunまたはV相間電圧Vvnは、モータ31が回転することによる誘起電圧により、停止中の所定値より増大するので、モータ31の回転角θmによって変化するインダクタンスを、モータ31の線間に交流電圧を印加したときの相間電圧比を用いて検出する方法では誤差が生じ、推定が困難になる。従って、この場合には、回転角推定器96の回転時推定器96bは、モータ31が回転していると推定し、切換部97が停止時推定器96aによる回転角推定を選択する。そして、回転時推定器96bは、ロータ63の磁極位置に応じて変動する誘起電圧に基づいて回転時推定回転角θrを推定する。
この推定原理は、例えば図14に示す回転センサ(レゾルバ)201を用いた従来のd−q軸を用いたベクトル制御ブロック200において、実際のモータ31が有するd−q軸に対して、例えば図15および下記数式(3)に示すような位相差θe(=実回転角θ−回転時推定回転角θr)および回転速度ωeを有するγ−δ軸を設定する。
そして、d軸およびq軸とは位相差θeの位相角を有する、γ軸およびδ軸に発生する誘起電圧を図17に示すように推定し、推定したγ軸およびδ軸に発生する誘起電圧より位相差θeを図17のように求める。さらに、この位相差θeがゼロに収束するようにして図16のように、実際の回転角(実回転角)θと回転時推定回転角θrとが等しくなるように制御を行う。
Figure 2009145270
また、d−q軸上の電流(d軸電流Idおよびq軸電流Iq)および電圧(d軸電圧指令値Vdおよびq軸電圧指令値Vq)と、γ−δ軸上の電流(γ軸電流Iγおよびδ軸電流Iδ)および電圧(γ軸電圧Vγおよびδ軸電圧Vδ)とは、下記数式(4),(5)に示すように記述される。
Figure 2009145270
Figure 2009145270
モータ31の回転時に回転角(回転時推定回転角)θrを推定し、この回転時推定回転角θrを用いてモータ31をベクトル制御するための制御ブロックを図16に示す。これは、図6に示す制御部73内のベクトル制御部の詳細である。
回転時推定器96bは、γ軸誘起電圧推定器150と、δ軸誘起電圧推定部151と、tanθe演算部152と、θe演算部153と、偏差演算部154と、PI制御器155と、微分器156と、Ld乗算部157と、回転数演算部158と、積分器159と、乗算器160および161と、加算器162と、停止判定器163とからなる。
γ軸誘起電圧推定器150とδ軸誘起電圧推定部151とは、γ軸電流Iγおよびδ軸電流Iδと、γ軸電圧Vγおよびδ軸電圧Vδと、値(−ωe・Ld・Iγ)および値(ωe・Ld・Iδ)より図17に示すブロック図のように、γ軸に現れる誘起電圧であるγ軸誘起電圧Eex・sinθeとδ軸に現れる誘起電圧であるδ軸誘起電圧Eex・cosθeを演算し出力する。
tanθe演算部152は、得られたγ軸誘起電圧Eex・sinθeとδ軸誘起電圧Eex・cosθeとの比である比tanθeを演算し出力する。
θe演算部153は、比tanθeの値の逆正接値tan−1を求める事により位相差θeを演算し出力する。
偏差演算部154は、このようにして演算した位相差θeと、位相差θeの収束目標値である位相差θe=0の偏差を演算し、この偏差がゼロになるようにPI制御部155でPI制御を行い、制御量Δθを出力する。
また、微分器156は、このようにして演算した位相差θeを微分して回転速度ωeを演算して出力する。
さらに、Ld乗算部157は、回転速度ωeとd軸インダクタンスLdを乗算して出力する。
一方、回転数演算部158は、δ軸誘起電圧Eex・cosθeの値を予め記憶してある誘起電圧定数keで割ることにより、推定回転数ωrを演算して出力する。
さらに、積分器159は、停止時推定器96aから出力される初期回転角θ0に基づき、推定回転数ωrを積分して回転角(実回転角)θを演算して出力する。
また、乗算器160は、回転速度ωeとd軸インダクタンスLdとの乗算値(ωe・Ld)とδ軸電流Iδとを乗算して得た値(ωe・Ld・Iδ)出力する。
乗算器161は、回転速度ωeとd軸インダクタンスLdとの乗算値(ωe・Ld)とγ軸電流Iγとを乗算して得た値(−ωe・Ld・Iγ)を出力する。
加算器162は、制御量Δθと回転角θとを加算し、これを回転時推定回転角θrとして出力する。
以降、回転時推定回転角θrおよび推定回転数ωrを用いて、位相差θeがゼロに収束するように図16に示すブロック図のベクトル制御を行う。
なお、図16および図17中の値(δ軸誘起電圧Eex・cosθe)は、位相角θeがゼロに収束した際には、モータ31の誘起電圧Eexを示す。停止判定器163は、値(δ軸誘起電圧Eex・cosθe)の大きさに基づいて、モータ31が停止しているか回転しているかを判定し、切換部97に切換信号Vcを出力する。
なお、図16および図17においては、制御量Δθを回転角θに加算し、これを回転時推定回転角θrとして出力してベクトル制御を行うことにより、位相角θeをゼロに収束させる例を示した。しかしながら、これに限定されず、例えば図25に示す変形例の様に、制御量Δθを用いてγ軸誘起電圧推定器150およびδ軸誘起電圧推定器151の特性を変更することにより、位相角θeをゼロに収束させてもよい。
例えば図26に示す変形例の様に、γ軸誘起電圧推定器150およびδ軸誘起電圧推定部151中の抵抗値R(モータ抵抗R)とd軸インダクタンスLdとの一方もしくは双方を、制御量Δθによって変更する。具体的には、制御量Δθに対する抵抗値Rおよびd軸インダクタンスLdのマップを予め準備し、このマップを検索することにより抵抗値Rおよびd軸インダクタンスLdを変更する。
RD変換器99は、レゾルバ34の励磁コイル36aに電圧振幅がsin波で構成される励磁電圧が印加された状態で、レゾルバロータ35の回転(つまり、モータ31の回転軸65の回転)に伴い各第1及び第2出力コイル36b,36cに誘起されるモータ31の回転角θmに応じた電圧振幅のエンベロープであるcos波出力電圧及びsin波出力電圧をRD変換処理によって検出する。さらに、RD変換器99は、sin波出力電圧及びcos波出力電圧の比である比tanθmを算出し、比tanθmの値の逆正接値tan−1により、回転角θmを算出する。
異常検知部100は、RD変換器99から出力されるcos波出力電圧及びsin波出力電圧に基づき、レゾルバ34の異常が発生したか否かを判定する。そして、レゾルバ34が異常であると判定した場合には、異常検知信号を出力する。
レゾルバ34の異常を検知する方法として、第1の方法では、例えば図5Bに示すsin波出力電圧及びcos波出力電圧のそれぞれの二乗の和が、正常時には一定の所定値であること(つまり、sinθm+cosθm=一定)を利用する。そして、この二乗の和の値が所定範囲から外れた場合には、異常と判定する。
また、レゾルバ34の異常を検知する方法として、第2の方法では、例えば図5Bに示すsin波出力電圧及びcos波出力電圧のそれぞれは、正常時には一定の所定範囲にて変動することを利用する。そして、sin波出力電圧及びcos波出力電圧の値が所定範囲から外れた場合には、異常と判定する。
異常検知部100は、第1の方法または第2の方法の何れかにより、あるいは、第1の方法および第2の方法を併用して、レゾルバ34の異常が発生したか否かを判定する。
回転信号切替制御部101は、異常検知部100から出力される異常検知信号と、操舵トルクセンサ40が出力するトルク検出信号Tqおよび車速センサ78が出力する車速Vとに応じて、推定指示信号および切替指示信号およびPWM駆動許可信号および電流制限信号および徐変指示信号を出力する。
推定指示信号は、異常検知部100によってレゾルバ34の異常が発生したと判定された際に、回転角推定器96によりモータ31の停止時および回転時の各回転角θs,θrを推定することを指示する。
切替指示信号は、回転信号切替器102による切替動作を制御する指令信号であって、この回転信号切替器102は、切換部97から出力される回転角θmおよび推定回転数ωr、あるいは、RD変換器99から出力される回転角θmおよび検出回転数ωd、の何れか一方を切替指示信号に応じて選択し、回転角θmおよび回転速度ωmとして出力する。
切替指示信号は、異常検知部100から異常検知信号が出力されていない場合、つまりレゾルバ34の異常が発生していないと判定された場合には、RD変換器99から出力される回転角θmおよび検出回転数ωdを選択することを指示する。一方、異常検知部100から異常検知信号が出力されている場合、つまりレゾルバ34の異常が発生していると判定された場合には、切換部97から出力される回転角θmおよび推定回転数ωrを選択することを指示する。
この切替指示信号が出力されるタイミング(つまり、切替指示信号として切替許可を示す「1」が出力されるタイミング)は、切り替えの前後においてモータ31の出力変動が過剰に大きくならないタイミング、あるいは、車両の走行挙動が不安定とならないタイミングであって、例えば図18Aおよび図18Bに示すように、操舵トルクセンサ40が出力するトルク検出信号Tqが所定操舵トルクTa未満である場合または車速センサ78が出力する車速Vが所定車速Va未満である場合などとされている。
PWM駆動許可信号は、FETブリッジ72からモータ31への通電、つまりFETブリッジ72によるモータ31のPWM駆動の実行を許可する信号である。このPWM駆動許可信号は、異常検知部100からレゾルバ34のに異常が発生したことを示す異常検知信号の出力が開始された時点でフェールセーフ処理によって一時的に出力が停止され、他の場合(つまり通常状態)には、出力が継続されている。
このPWM駆動許可信号がPWM信号生成部94に出力されている状態では、PWM信号生成部94からFETブリッジ72にPWM信号が出力され、モータ31のPWM駆動が実行される。一方、PWM駆動許可信号がPWM信号生成部94に出力されていない状態では、PWM信号生成部94からFETブリッジ72にPWM信号が出力されず、モータ31のPWM駆動が停止される。
電流制限信号は、異常検知部100からレゾルバ34の異常が発生したことを示す異常検知信号の出力が開始された時点で、フェールセーフ処理によって電流制限制御部103から電流偏差算出部89に出力されるδ軸目標電流Iδcの値をゼロとすることを電流制限制御部103に指示する。
徐変指示信号は、切替指示信号によって回転信号切替器102での選択動作が切り替えられる際に、切り替えの前後においてモータ31の駆動量が急激に変動することを防止するために、切り替え後に電流制限制御部103から電流偏差算出部89に出力されるδ軸目標電流Iδcの値を、ゼロから第2補正演算部86から出力されるδ軸目標電流Iδcの値まで徐々に増大させるように変化させることを、電流制限制御部103に指示する。
これらにより、異常検知部100からレゾルバ34の異常が発生したことを示す異常検知信号が出力されると、回転信号切替制御部101から電流制限制御部103に電流制限信号が出力されて、電流制限制御部103から電流偏差算出部89に出力されるδ軸目標電流Iδcの値がゼロとされると共に、回転信号切替制御部101からPWM信号生成部94へのPWM駆動許可信号の出力が一時的に停止され、モータ31の駆動制御が一時的に停止され、モータ31は、アシストトルクを出力しない停止状態となる。
そして、回転信号切替制御部101から回転角推定器96に推定指示信号が出力され、モータ31の停止時の停止時回転角θsおよび回転時の回転時推定回転角θrの推定が開始される。そして、所定条件(例えば、トルク検出信号Tqが所定操舵トルクTa未満または車速Vが所定車速Va未満など)が満たされた場合に、回転信号切替制御部101から回転信号切替器102に切替指示信号が出力される。この切替指示信号によって、RD変換器99から出力される回転角θmおよび検出回転数ωdの替わりに、切換部97から出力される回転角θmおよび推定回転数ωrが、外部に出力される回転角θmおよび回転速度ωmとして選択されるように切り替えられる。
そして、これらの回転角θmおよび回転速度ωmに応じてγ−δ座標上で電流のフィードバック制御(ベクトル制御)が開始され、回転信号切替制御部101からPWM信号生成部94へのPWM駆動許可信号の出力が再開される。そして、回転信号切替制御部101から電流制限制御部103に徐変指示信号が出力されて、電流制限制御部103から電流偏差算出部89に出力されるδ軸目標電流Iδcの値は、ゼロから第2補正演算部86から出力されるδ軸目標電流Iδcの値まで徐々に増大するように変化する。
この実施の形態による電動ステアリング装置1は、上記構成を備えており、次に、この電動ステアリング装置1の動作、特にモータ31の駆動制御時にレゾルバ34の異常を検知した場合の処理について説明する。
先ず、例えば図19に示すステップS01においては、レゾルバ34の異常が検知されたか否かを判定する。
この判定結果が「NO」の場合には、処理は進行しない。
一方、この判定結果が「YES」の場合には、ステップS02に進む。
そして、ステップS02においては、レゾルバ34の異常が発生したことを示す異常検知信号を出力する。
そして、ステップS03においては、電流制限制御部103から電流偏差算出部89に出力されるδ軸目標電流Iδcの値をゼロとすることを指示する電流制限信号を出力する。
そして、ステップS04においては、PWM駆動許可信号の出力を停止する。
そして、ステップS05においては、PWM信号生成部94によるPWM信号の生成を停止する。
そして、ステップS06においては、推定指示信号を出力する。
そして、ステップS07においては、回転角の推定演算の処理を開始する。
そして、ステップS08においては、車速センサ78が出力する車速Vが、所定車速Va未満であるか否かを判定する。
この判定結果が「NO」の場合には、このステップS08の判定処理を繰り返し実行する。
一方、この判定結果が「YES」の場合には、ステップS09に進む。
そして、ステップS09においては、操舵トルクセンサ40が出力するトルク検出信号Tqが、所定操舵トルクTa未満であるか否かを判定する。
この判定結果が「NO」の場合には、このステップS09の判定処理を繰り返し実行する。
一方、この判定結果が「YES」の場合には、ステップS10に進む。
そして、ステップS10においては、切替指示信号を出力する。
そして、ステップS11においては、RD変換器99から出力される回転角θmおよび検出回転数ωdの替わりに切換部97から出力される回転角θmおよび推定回転数ωr(つまり、回転角および回転数の推定値)が、回転信号切替器102から外部に出力される回転角θmおよび回転速度ωmとして選択されるように切り替える。
そして、ステップS12においては、回転角および回転数の推定値が設定された回転角θmおよび回転速度ωmに応じてγ−δ座標上で電流のフィードバック制御(ベクトル制御)を開始する。
そして、ステップS13においては、PWM駆動許可信号の出力を再開する。
そして、ステップS14においては、PWM信号生成部94によるPWM信号の生成を開始する。
そして、ステップS15においては、徐変指示信号を出力する。
そして、ステップS16においては、電流制限制御部103から電流偏差算出部89に出力されるδ軸目標電流Iδcの値を、ゼロから第2補正演算部86から出力されるδ軸目標電流Iδcの値まで徐々に増大するように変化させ、エンドに進み、一連の処理を終了する。
以下に、上述したステップS07における回転角の推定演算の処理について説明する。
先ず、例えば図20に示すステップS21においては、車両のイグニッションスイッチが、オン(IG ON)とされているか否かを判定する。
この判定結果が「YES」の場合には、ステップS22に進む。
一方、この判定結果が「NO」の場合には、処理は進行しない。
そして、ステップS22においては、各検出電流(つまり、γ軸電流Iγおよびδ軸電流Iδ)、および各電圧指令値(つまり、γ軸電圧Vγおよびδ軸電圧Vδ)を取得する。
そして、ステップS23においては、取得したγ軸電流Iγおよびδ軸電流Iδおよびγ軸電圧Vγおよびδ軸電圧Vδより、γ軸誘起電圧Eex・sinθeとδ軸誘起電圧Eex・cosθeを演算する。
そして、ステップS24においては、δ軸誘起電圧Eex・cosθeの値に基づいて、モータ31が停止状態であるか否かを判定する。
これは例えば前述の様に、値(Eex・cosθe)が所定値よりも小さい時には、モータ31が回転することによる誘起電圧が発生しておらず、モータ31が停止していると判定する。
この判定結果が「NO」の場合には、後述するステップS44に進む。
一方、この判定結果が「YES」の場合には、ステップS25に進む。
そして、ステップS25においては、モータ31の相端子間(例えば、U相−V相端子間等)に所定矩形波の交流電圧の印加を開始し、停止時回転角θsの推定処理を開始する。
そして、ステップS26においては、各電圧センサ77により検出された各相電圧Vu,Vvおよび中点電圧Vnに基づき算出されるU相間電圧Vun(=Vu−Vn)およびV相間電圧Vvn(=Vv−Vn)を取得する。
そして、ステップS27においては、相間電圧比Vun/Vvnを算出する。
そして、ステップS28においては、相間電圧比Vun/Vvnに基づく第1マップに対するマップ検索により、停止時回転角θsの4つの値θ1,…,θ4を取得する。
そして、ステップS29においては、V相間電圧Vvnに基づく第2マップに対するマップ検索により、停止時回転角θsの4つの値φ1,…,φ4を取得する。
そして、ステップS30においては、4つの値θ1,…,θ4のうちから、4つの値φ1,…,φ4の何れかと同等の2つの値を推定値候補として選択する。
そして、ステップS31においては、所定矩形波の交流電圧の印加を終了する。
そして、図21に示すステップS32においては、停止時回転角θsの2つの推定値候補のうち何れか一方を仮推定値として選択する。
そして、ステップS33においては、操舵トルクセンサ40により検出される操舵トルクTqがゼロよりも大きいか否かを判定する。
この判定結果が「NO」の場合には、このステップS33の判定処理を繰り返し実行する。
一方、この判定結果が「YES」の場合、つまり運転者の操舵入力が開始された場合には、ステップS34に進む。
そして、ステップS34においては、操舵トルクTqが、補助下限トルクよりも小さい所定の設定トルク(Tq<補助下限トルク)であるか否かを判定する。
この判定結果が「YES」の場合には、ステップS35に進む。
一方、この判定結果が「NO」の場合には、このステップS34の判定処理を繰り返し実行する。
そして、ステップS35においては、操舵トルクセンサ40により検出される操舵トルクTqおよび停止時回転角θsの仮推定値に応じて、運転者による操舵入力と同方向にモータ31による操舵補助力が作用するようにして、FETブリッジ72を介してモータ31を所定微小電流により駆動制御する。
そして、ステップS36においては、モータ31に所定微小電流が通電されたことに起因して、操舵トルクセンサ40により検出される操舵トルクTqの増大速度が低下したか否かを判定する。
この判定結果が「NO」の場合には、後述するステップS38に進む。
一方、この判定結果が「YES」の場合には、停止時回転角θsの仮推定値の設定が適正であると判断してステップS37に進む。このステップS37においては、停止時回転角θsの仮推定値を、所定微小電流の通電前のモータ31の停止状態での停止時回転角θsの推定値として設定し、後述するステップS40に進む。
また、ステップS38においては、モータ31に所定微小電流が通電されたことに起因して、操舵トルクセンサ40により検出される操舵トルクTqの増大速度が増大したか否かを判定する。
この判定結果が「NO」の場合には、上述したステップS36に戻る。
一方、この判定結果が「YES」の場合には、停止時回転角θsの仮推定値の設定が適正ではないと判断してステップS39に進む。このステップS39においては、2つの推定値候補のうち何れか他方を、所定微小電流の通電前のモータ31の停止状態での停止時回転角θsの推定値として設定する。これは、前述の駆動方向反転フラグに相当する。
そして、ステップS40においては、所定微小電流によるモータ13の駆動制御の実行を終了し、停止時回転角θsの推定値を回転角θmとして設定し、停止時回転角θsの推定処理を終了する。
そして、図22に示すステップS41においては、再び各検出電流(つまり、γ軸電流Iγおよびδ軸電流Iδ)、および各電圧指令値(つまり、γ軸電圧Vγおよびδ軸電圧Vδ)を取得する。
そして、ステップS42においては、取得したγ軸電流Iγおよびδ軸電流Iδおよびγ軸電圧Vγおよびδ軸電圧Vδ、予め既知とされるモータ抵抗Rと、d軸インダクタンスLd、および後述の位相差速度(回転速度)ωeより、γ軸誘起電圧Eex・sinθeとδ軸誘起電圧Eex・cosθeを演算する。
そして、ステップS43においてはδ軸誘起電圧Eex・cosθeの値に基づいて、モータ31の回転状態であるか否かを判定する。
この判定結果が「NO」の場合には、エンドに進み、一連の処理を終了する。
一方、この判定結果が「YES」の場合には、ステップS44に進む。
そして、ステップS44においては、得られたγ軸誘起電圧Eex・sinθeとδ軸誘起電圧Eex・cosθeの比(tanθe)を求めて、この結果の比(tanθe)の値の逆正接値tan−1を求める事により位相差θeを演算し、さらに位相差θeを微分して位相差速度(回転速度)ωeを演算する。
そして、ステップS45においては、位相差θeと位相差θeの収束目標であるゼロの偏差を演算し、PI制御器155を介して、制御量Δθを演算する。
そして、ステップS46においては、δ軸誘起電圧Eex・cosθeを予め既知の誘起電圧定数keで割る事によって推定回転数ωrを演算し、さらに、この推定回転数ωrを積分して回転角(実回転角)θを求める。
ステップS47においては、前述の回転角θと制御量Δθを加算して、回転時推定回転角θrを演算する。そして、この回転時推定回転角θrを用いて、位相差θeがゼロになるようにモータ駆動制御を行う。
そして、ステップS48においては、モータ31の起動直後か否かを判定する。
この判定結果が「NO」の場合には、後述するステップS50に進む。
一方、この判定結果が「YES」の場合には、ステップS49に進む。
そして、ステップS49においては、停止時回転角θsと回転時推定回転角θrとの間に所定値を超える差が存在するか否かを判定することによって、停止時回転角θsと回転時推定回転角θrとがほぼ等しいか否かを判定する。
この判定結果が「YES」の場合には、ステップS50に進み、このステップS50においては、通常時制御として、回転時推定回転角θrに基づくモータ31の駆動制御を実行し、一連の処理を終了する。
一方、この判定結果が「NO」の場合には、ステップS51に進む。このステップS51においては、所定の異常時制御として、例えば回転駆動されるモータ31の停止を指示したり、例えば回転時推定回転角θrの推定値を回転角θmとして出力することを禁止したりする。さらに、このステップS51においては、電流センサ76から出力される検出信号(例えば、U相検出電流Ius,W相検出電流Iws等)には拘らずに電圧センサ77から出力される検出信号に基づき回転角θmを推定する他の公知の推定処理の実行を指示して、一連の処理を終了する。
モータ31をベクトル制御する制御ループのなかで、ステップS21〜ステップS51の一連の処理を繰り返してモータ31の回転角θmを推定し、モータ31の制御を行う。
上述したように、本実施形態によるモータの制御装置70によれば、モータ31の回転角θmを直接的に検出するレゾルバ34に異常が生じた場合であっても、迅速かつ精度良く回転角θmを推定しつつ、適切な駆動制御を実行することができる。したがって、例えばモータ31が脱調してトルク変動が生じてしまうことや、例えばモータ31が脱調して停止してしまうなどの不具合が生じることを防止することができる。
しかも、制御処理の切り替え時に、推定される回転角θmに基づくモータ31の駆動制御の制御量(例えば、電流制限制御部103から電流偏差算出部89に出力されるδ軸目標電流Iδcの値)を徐々に増大させることで、モータ31の出力が急激に変動することを防止し、モータ31を滑らかに駆動制御することができる。
また、本実施の形態による電動ステアリング装置1によれば、モータ31の回転角θmを直接的に検出するレゾルバ34に異常が生じた場合であっても、迅速かつ精度良く回転角θmを推定しつつ、適切な駆動制御を実行することができる。したがって、例えばモータ31が脱調してトルク変動が生じてしまうことや、例えばモータ31が脱調して停止してしまうなどの不具合が生じることを防止することができ、操舵フィーリングが劣化することを防止することができると共に、車両の走行挙動が不安定となることを抑制することができる。
しかも、切替指示信号が出力されて、レゾルバ34の検出信号に基づくモータ31の駆動制御から推定される回転角θmに基づくモータ31の駆動制御へと制御処理を切り替えることが許可されるタイミングは、ヨーレートゲインが相対的に低く、車両挙動に対する操舵の影響が小さくなるものの、路面負荷が相対的に大きいことから大きなアシストトルクが必要とされる低速走行状態、あるいは、運転者の操舵トルクが相対的に小さいときであることから、操舵トルクが過剰に大きく変動することを防止し、操舵フィーリングに運転者が違和感を感じてしまったり、車両挙動が不安定になってしまうことを防止しつつ、運転者の操舵負荷を適切に低減することができる。
なお、上述した実施の形態では、切替指示信号が出力されるタイミングを、操舵トルクセンサ40が出力するトルク検出信号Tqが所定操舵トルクTa未満である場合または車速センサ78が出力する車速Vが所定車速Va未満である場合としたが、これに限定されず、例えばモータ31の目標駆動制御量(例えば、δ軸目標電流Iδcなど)が所定値未満である場合であってもよい。
なお、上述した実施の形態では、回転時推定器96bは、γ軸電流Iγおよびδ軸電流Iδおよびγ軸電圧指令値Vγおよびδ軸電圧指令値Vδと、予め既知とされる、モータ抵抗Rと、d軸インダクタンスLdと、q軸インダクタンスLqと、に基づき、位相差θeを算出し、位相差θeがゼロとなるように収束制御を実行して、回転時推定回転角θrを推定するとした。しかしながら、これに限定されず、例えば図23に示す第1変形例に係る電動ステアリング装置1のモータの制御装置70のように、作動アンプを具備する第1相間電圧算出部95aにより算出されるU−N相線間電圧Vun(=Vu−Vn)と、電流センサ76から出力されるU相検出電流Iusと、予め既知とされるU−N相インダクタンスLun、および抵抗Runとに基づき、下記数式(6)により、誘起電圧Veを算出し、誘起電圧Veがモータ31の回転速度に比例することを利用して、誘起電圧Veより回転速度ωrを推定し、これを時間積分して得た値を、回転時推定回転角θrの推定値としてもよい。そして、推定した回転時推定回転角θrを用いて図23に示すようにd−q軸での制御を行う。
Figure 2009145270
この第1変形例において、上述した実施の形態と異なる主要な点として、目標電流設定部82は、q軸目標電流Iqcを出力する。そして、電流制御部90は、偏差ΔIdを制御増幅してd軸電圧指令値ΔVdを算出するd軸電流PI制御器90cと、偏差ΔIqを制御増幅してq軸電圧指令値ΔVqを算出するq軸電流PI制御器90eとを備えている。
そして、γδ−3相変換部93に換わるdq−3相変換部93Aは、d−q座標上でのd軸電圧指令値Vdおよびq軸電圧指令値Vqを、静止座標である3相交流座標上での電圧指令値であるU相出力電圧VuおよびV相出力電圧VvおよびW相出力電圧Vwに変換して出力する。また、3相−γδ変換部98に換わる3相−γδ変換部98Aは、各相電流Iu,Iv,Iwの検出値をd−q座標上に変換してd軸電流Id及びq軸電流Iqを演算して出力する。また、回転時推定器96bに換わる回転時推定器96cは、例えば、第1相間電圧算出部95aから出力されるU相間電圧Vun(=Vu−Vn)と電流センサ76から出力されるU相検出電流Iusとに基づき、推定回転数ωrおよび回転時推定回転角θrを演算して出力する。
なお、上述した実施の形態では、停止時推定器96aは、相間電圧比Vun/Vvnに基づき停止時回転角θsの2つの推定値候補(例えば、θ1,θ3)を推定するとしたが、これに限定されず、例えば線間電圧比Vuv/Vwuに基づき停止時回転角θsの2つの推定値候補(例えば、θ1,θ3)を推定してもよい。
この第2変形例に係るモータの制御装置70では、例えば図24に示すように、停止時推定器96aには、各相電圧Vu,Vv,Vwを検出する電圧センサ77から出力される検出信号が入力されている。
そして、停止時推定器96aは、各線間電圧Vuv(=Vu−Vv),Vwu(=Vw−Vu)を算出する。さらに、線間電圧比Vuv/Vwuが線間インダクタンス比Luv/Lwuにほぼ等しくなることを利用して、線間電圧比Vuv/Vwuと、停止時回転角θsとの所定の対応関係を示す第3マップに対するマップ検索により停止時回転角θsを取得する。
なお、この第3マップは、例えば線間電圧比Vuv/Vwuと、停止時回転角θsとの所定の対応関係を示すマップであって、電気角(edeg)での0°から360°の範囲内において、線間電圧比Vuv/Vwuの適宜の単一の値に対して、停止時回転角θsの4つの値α1,…,α4が対応するようになっている。つまり、線間電圧比Vuv/Vwuの2周期が電気角(edeg)での360°となっている。
そして、停止時推定器96aは、第3マップにより検索された停止時回転角θsの4つの値α1,…,α4のうちの何れか2つを選択するために、線間電圧Vwuと、停止時回転角θsとの所定の対応関係を示す第4マップに対するマップ検索により停止時回転角θsを取得する。
この第4マップは、例えば線間電圧Vwuと、停止時回転角θsとの所定の対応関係を示すマップであって、電気角(edeg)での0°から360°の範囲内において、線間電圧Vwuの適宜の単一の値に対して、停止時回転角θsの4つの値β1,…,β4が対応するようになっている。つまり、各線間電圧Vuv,Vwuの2周期が、電気角(edeg)での360°となっている。
そして、第3マップにより検索された停止時回転角θsの4つの値α1,…,α4のうち、線間電圧Vwuに対応する停止時回転角θsの4つの値β1,…,β4の何れか2つと同等の2つの値を停止時回転角θsの推定値候補として選択する。
なお、バッテリ電圧(つまりFETブリッジ72の電源電圧)が変動しても、正確な停止時回転角θsを得るために、バッテリ電圧Vbを検出して、この値を用いて検出した線間電圧Vwuを補正する。この補正後の線間電圧Vwuを用いて第4マップを検索し、停止時回転角θsの4つの値β1,…,β4を得ている。このため、停止時推定器96aとバッテリ71(+B)との間には、例えば図24に示すような作動アンプを備えるボルテージフォロア回路71aが設けられ、このボルテージフォロア回路71aの出力が、停止時推定器96aに入力されている。
なお、この第2変形例に係る各線間電圧Vuv(=Vu−Vv),Vvw(=Vv−Vw),Vwu(=Vw−Vu)は、例えば下記数式(7)に示すように、上述した実施形態での各相間電圧Vun,Vvn,Vwnに対して、大きさが√3倍されて、位相がπ/6だけ遅れる。
Figure 2009145270
なお、上述した実施の形態において、停止時推定器96aは、モータ31に所定微小電流が通電された際に停止時回転角θsの仮推定値(例えば、θ1)の設定が適正ではないと判断したときに、駆動方向反転フラグのフラグ値に「1」を設定した。その後、第2マップに基づき選択された停止時回転角θsの2つの推定値候補(例えば、θ1,θ3)のうち何れか他方(例えば、θ3)を、所定微小電流の通電前のモータ31の停止状態での停止時回転角θsの推定値として設定するとした。しかしながら、これに限定されず、例えば停止時回転角θsの仮推定値(例えば、θ1)の設定が適正ではないと判断した場合であっても、この仮推定値を所定微小電流の通電前のモータ31の停止状態での停止時回転角θsの推定値として設定し、図13に示すように駆動方向反転フラグのフラグ値に「1」を設定し、操舵トルクセンサ40により検出される操舵トルクTqが所定の補助下限トルク以上となった時刻以降において操舵トルクTqに応じてモータ31から補助トルクを発生させる際に、補助トルクの大きさは変更せずに補助トルクの発生方向のみを反転させてもよい。
なお、上述した実施の形態において、レゾルバ34の代わりにホール素子などの回転センサを採用してもよい。
モータの回転角を直接的に検出するセンサに異常が生じた場合であっても、迅速かつ精度良く回転角を推定しつつ、適切な駆動制御を実行し、運転者が操舵フィーリングに違和感を感じてしまうことを防止することができる。
1 電動ステアリング装置
31 モータ
34 レゾルバ(回転角検出手段)
40 操舵トルクセンサ(操舵トルク検出手段)
63 ロータ
64 ステータ
64a ステータ巻線
70 モータの制御装置
72 FETブリッジ
73 制御部(駆動制御手段、操舵制御手段)
78 車速センサ(車速検出手段)
82 目標電流設定部(目標駆動量設定手段)
83 第1補正演算部(目標駆動量設定手段)
86 第2補正演算部(目標駆動量設定手段)
94 PWM信号生成部
96 回転角推定器(回転角推定手段)
100 異常検知部(異常検知手段)

Claims (7)

  1. モータの回転角を検出して回転角信号を出力する回転角検出手段と;
    前記回転角検出手段の異常の有無を検知する異常検知手段と;
    前記モータの前記回転角を推定して推定回転角信号を出力する回転角推定手段と;
    前記異常検知手段により前記回転角検出手段の異常が検知されていない場合には、前記回転角検出手段から出力される前記回転角信号に基づき前記モータを駆動制御し、
    前記異常検知手段により前記回転角検出手段の異常が検知された場合には、前記回転角推定手段から出力される前記推定回転角信号に基づき前記モータを駆動制御する駆動制御手段と;
    を備えることを特徴とするモータの制御装置。
  2. 前記異常検知手段により前記回転角検出手段の異常が検知されたことに伴い、
    前記駆動制御手段が、前記回転角信号に基づく前記モータの駆動制御から前記推定回転角信号に基づく前記モータの駆動制御へと制御処理を切り替える際に、前記推定回転角信号に基づく前記モータの駆動制御の制御量を徐々に増大させる
    ことを特徴とする請求項1に記載のモータの制御装置。
  3. 前記回転角検出手段が、レゾルバを備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のモータの制御装置。
  4. 請求項1から請求項3の何れか1つに記載のモータの制御装置と;
    前記電動パワーステアリング装置の操舵トルクを検出して操舵トルク信号を出力する操舵トルク検出手段と;
    前記車両の速度を検出して車速信号を出力する車速検出手段と;
    前記操舵トルク検出手段から出力される前記操舵トルク信号と、前記車速検出手段から出力される前記車速信号と、前記モータの制御装置から出力される前記回転角信号または前記推定回転角信号とに応じて、前記駆動制御手段により前記モータを駆動制御し、前記操舵トルクを補助する補助トルクを前記モータから発生させる操舵制御手段と;
    を備えることを特徴とする電動ステアリング装置。
  5. 前記車速検出手段から出力される前記車速信号が所定値未満である場合に、
    前記操舵制御手段は、前記駆動制御手段が前記回転角信号に基づく前記モータの駆動制御から前記推定回転角信号に基づく前記モータの駆動制御へと制御処理を切り替えることを許可する
    ことを特徴とする請求項4に記載の電動ステアリング装置。
  6. 前記操舵トルク検出手段から出力される前記操舵トルク信号が所定値未満である場合に、
    前記操舵制御手段は、前記駆動制御手段が前記回転角信号に基づく前記モータの駆動制御から前記推定回転角信号に基づく前記モータの駆動制御へと制御処理を切り替えることを許可する
    ことを特徴とする請求項4に記載の電動ステアリング装置。
  7. 前記操舵制御手段は、
    前記車速検出手段から出力される前記車速信号および前記操舵トルク検出手段から出力される前記操舵トルク信号に基づき、前記モータの目標駆動制御量を設定する目標駆動量設定手段を備え;
    前記目標駆動量設定手段により設定される前記目標駆動制御量に応じて、前記駆動制御手段により前記モータを駆動制御しており;
    前記目標駆動量設定手段により設定される前記目標駆動制御量が所定値未満である場合に、前記駆動制御手段が前記回転角信号に基づく前記モータの駆動制御から前記推定回転角信号に基づく前記モータの駆動制御へと制御処理を切り替えることを許可する;
    ことを特徴とする請求項4に記載の電動ステアリング装置。
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