JP3804686B2 - モータ駆動制御装置及び電動パワーステアリング装置 - Google Patents

モータ駆動制御装置及び電動パワーステアリング装置 Download PDF

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本発明は、電動パワーステアリング装置に用いるに最適なモータ駆動制御装置の改良並びにそれを用いた電動パワースタリング装置に関する。
従来電動パワーステアリング装置に使用されるモータは一般的には永久磁石同期モータ(PMSM)であり、永久磁石同期モータは3相の正弦波電流で駆動されている。また、モータを駆動する制御方式としては、ベクトル制御と称する制御方式が広く使用されている。しかし、電動パワーステアリング装置の小型化の要望が強く、小型化に適したモータとしてブラシレスDCモータを用いる傾向にある。
このような状況の下で、従来の電動パワーステアリング装置用モータのベクトル制御方式を用いたモータ駆動制御装置について、図1を参照して説明する。
その構成はモータ1の電流を制御する電流指令値算出部100の後に、電流指令値Iavref,Ibvref,Icvrefとモータ電流Ia,Ib,Icとの誤差を検出する減算器20−1,20−2,20−3と、減算器20−1,20−2,20−3からの各誤差信号を入力するPI制御部21と、PI制御部21からの電圧va,vb,vcを入力するPWM制御部30と、直流を交流に変換するインバータ31とを介してモータ1に至る主経路が接続されている。インバータ31とモータ1との間にはモータ電流Ia,Ib,Icを検出する電流検出回路32−1,32−2,32−3が配され、検出されたモータ電流Ia,Ib,Icがそれぞれ減算器20−1,20−2,20−3にフィードバックされるフィードバック制御系Bが構成されている。
次に、電流指令値算出部100について説明する。先ずその入力に関して、図示しないトルクセンサで検出されたトルクから算出されたトルク指令値Trefと、モータ1に接続された位置検出センサ11で検出されたモータ1内のロータの回転角θeと、微分回路24で演算された電気角速度ωeとを入力している。電気角速度ωe及びロータの回転角θeを入力とし、換算部101で逆起電圧ea,eb,ecを算出する。次に、3相/2相変換部102でd軸成分電圧ed、q軸成分電圧eqに変換し、このd軸成分電圧ed、q軸成分電圧eqを入力としてq軸指令電流算出部108でq軸の電流指令値Iqrefが算出される。ただし、この場合、d軸の電流指令値Idref=0として演算される。即ち、モータの出力方程式
(数1)
Tref×ωm=3/2(ed×Id+eq×Iq)

において、Id=Idref=0を入力すると、
(数2)
Iq=Iqref=2/3(Tref×ωm/eq)

として算出される。電流指令値Iavref,Ibvref,Icvrefは、q軸指令電流算出部108からの電流指令値Iqrefと後述する進角制御の進角Φに基づいて算出される。即ち、q軸指令電流算出部108は進角算出部107で算出された進角Φと電流指令値Iqrefを入力し、2相/3相変換部109にて電流指令値Iavref,Ibvref,Icvrefが算出される。
なお、Φ=acos(ωb/ωm)或いはΦ=K(1−(ωb/ωm))などの関数が経験的に用いられる(“acos”はcos−1を表わす)。また、モータのベース角速度ωbとは、弱め界磁制御を用いずにモータ1を駆動させた際のモータの限界角速度である。図2にトルクTとモータの回転数n(角速度ωe)の関係を示し、弱め界磁制御がない場合の限界角速度ωbの一例を示す。
次に、進角制御について説明する。
モータ1が高速回転でない間、つまりモータ1の機械角速度ωmがモータのベース角速度ωbより低速の間は、電流指令値Iavref,Ibvref,Icvrefは進角Φに関係なく、電流指令値Iqrefから2相/3相変換部109で算出された値に従って制御すれば、トルク指令値Trefに従ったトルクを出力することができる。つまり、電動パワーステアリング装置としては、運転手のハンドル操作がスムーズに実行されていることを意味する。
ところが、モータ1が高速回転、即ちモータの機械角速度ωmがモータのベース角速度ωbより高速になると、進角Φを加味した制御を実行しないとベース角速度ωbより高速の角速度を実現することができなくなる。このモータの高速回転を電動パワーステアリング装置に置き換えると、駐車時の切り返しや緊急避難のためのハンドル急操舵の場合に、ハンドル操作にモータ1が追従しないために運転者の操舵フィーリングを悪化させてしまうのである。
モータの高速回転時のトルク制御として弱め界磁制御という制御方式があり、その具体的な一手法として進角制御がある。この進角制御方式の詳細は、特許文献1や非特許文献1に記載されている。進角制御方式の特徴は、電流指令値Iqrefの位相を角度Φだけ進めて界磁弱めの成分を作成することである。図10(B)において、電流指令値Iqrefを角度Φだけ進めるとd軸成分としてIqref×sinΦが、q軸成分としてIqref×cosΦが発生する。ここで、Iqref×sinΦが界磁弱め成分として作用し、Iqref×cosΦがトルク成分として作用する。
また、電動パワーステアリング装置に使用されるモータの駆動制御方式として、ロータの回転位置に基づいて、制御器からインバータを介して回転磁界を発生させ、ロータの回転を駆動制御させるようにしたベクトル制御が採用される。即ち、ベクトル制御は、ロータの外周面に所定角度の間隔で配された複数の励磁コイルに、ロータ位置に応じて制御回路によって各励磁コイルの励磁を順次切り換えることにより、ロータの回転駆動を制御するようになっている。
この種のベクトル制御は、例えば特許文献2などに開示されている。図3は、ベクトル制御によるモータ56の駆動制御の一例を示すブロック構成である。
図3において、モータ56の制御指令値を決定する指令電流決定部51から、PI制御部52、2相/3相座標変換部53、PWM電圧発生部54、インバータ55を介してモータ56に至る指令信号の主経路が形成されている。また、インバータ55とモータ56との間に電流センサ571,572が配され、これら電流センサ571,572で検出されたモータ電流を3相/2相座標変換部59で2相に変換し、2相電流成分Iq,Idを指令電流決定部51とPI制御部52との間に配された減算回路581,582にフィードバックさせるフィードバック経路が形成されている。
この制御系により、指令電流決定部51では、トルクセンサで検出されたトルクから算出されるトルク指令値Trefや、位置検出センサで検出されたロータの回転角θと電気角ωを受け、電流指令値Idref,Iqrefが決定される。これら電流指令値Idref,Iqrefはそれぞれ減算回路581,582において、フィードバック経路の3相/2相座標変換部59で2相に変換された2相電流成分Iq,Idによってフィードバック補正される。即ち、2相電流成分Id,Iqと、電流指令値Idref,Iqrefとの誤差が減算回路581,582で演算される。その後、PI制御部521,522で、PWM制御のデューティを示す信号がd成分及びq成分の形で指令値Vd及びVqとして算出され、2相/3相座標変換部53によってd成分及びq成分から3相成分Va,Vb,Vcに逆変換される。そして、インバータ55は、3相の指令値Va,Vb,Vcに基づいてPWM制御され、モータ56にインバータ電流が供給されてモータ56の回転を制御するようになっている。
なお、61は車速センサ、62は感応領域判定回路、63は係数発生回路、64は基本アシスト力計算回路、65は戻し力計算回路、66は電気角変換部、67は角速度変換部、68は非干渉制御補正値計算部である。
上述のようなベクトル制御の場合、トルク指令値Tref及び電気角ω、回転角θに基づいて電流指令値Idref,Iqrefが決定される。また、モータ56のフィードバック電流Iu,Iwが3相電流Iu,Iv,Iwに変換された後、2相電流成分Id,Iqに変換され、その後、減算回路582及び581で2相電流成分Id及びIqと、電流指令値Idref及びIqrefとの誤差が演算され、その誤差がPI制御による電流制御を実行することによってインバータ55への指令値Vd、Vqが求められる。そして、指令値Vd、Vqが2相/3相座標変換部53で再び3相の指令値Va、Vb、Vcに逆変換され、インバータ55が制御されてモータ56の駆動制御を行うようになっている。
米国特許第5677605号明細書 特開2001−18822号公報 C.C.Chan et al「Novel Permanent Magnet Motor Drives for Electric Vehicles」 IEEE Transaction on Industrial Electronics Vol 43 No.2 April 1996 page 335 Fig.5
ところで、進角制御により発生するd軸成分及びq軸成分は、電流指令値Iqrefを位相Φだけ進めるだけなので、d軸のIqref×sinΦとq軸のIqref×cosΦが一定関係に縛られ、必ずしも量的なバランスが最適化されていないのである。その結果、高速回転時にモータ端子電圧が飽和し、電流指令値にモータ電流が追従できず、トルクリップルが大きくなったり、モータ騒音も大きくなる。このため、電動パワーステアリング装置としては、急速なハンドル操舵時に、ハンドルを通して異常な振動を感じたり、モータ騒音を引起こし運転手に不快感を与えるなどの不具合が生じる。
また、上述したようなベクトル制御の場合、モータ56の検出電流やインバータ55の出力は3相であり、フィードバック制御系は2相である。このように2相/3相座標変換部53で再び2相から3相に逆変換することによって、モータ56を駆動制御する必要があり、2相/3相変換及び3相/2相変換が混在しているために制御系全体が複雑になってしまう問題がある。
そして、モータ56の制御は、制御系の線形性を維持することができれば制御応答性が良好になり、制御が容易で制御目標も達成しやすい。ところが、モータ56の駆動制御には様々な非線形性の要因が含まれる。モータ駆動の非線形性を発生させる要因として、例えばインバータ制御のデッドタイムがある。即ち、インバータのスイッチング素子としてFETが使用されるが、FETは理想的なスイッチング素子ではなく、上下アームにおける短絡を防止するために、上下アームのFETを共にオフ状態にする期間(デッドタイム)が設けられる。このようなデッドタイムを有するFETのスイッチングにより発生するモータ電流には、スイッチング過渡状態の非線形要素が含まれることになる。また、モータ電流を検出する検出素子や検出回路などにも非線形要素が含まれる。
このことは、例えばa相電流Iaに発生する非線形要素が、フィードバック系の3相/2相座標変換部59におけるd−q変換によって、d軸電流成分Id及びq軸電流成分Iqに含有されてしまう。そのため、電流成分Id,Iqに基づいて電流制御が行われ、PI制御部522及び521からインバータ55への指令値Vd及びVqが算出され、更に2相/3相座標変換部53でd相及びq相からa相、b相及びc相に逆変換され、3相の指令値Va、Vb、Vcが算出される。これにより、当初a相電流Iaに含まれていた非線形要素が、d−q変換によってインバータ55の指令値Va、Vb、Vcに拡散され、a相だけでなく、b相及びc相の指令値にも非線形要素が含まれてしまう。つまり、上記従来の制御方式の場合、モータを3相で駆動しているにも拘わらず、フィードバックの電流制御を2相で演算し、2相で決定された指令値Vd、Vqを形式的に3相指令値Va、Vb、Vcに変換して制御しているため、非線型要素が拡散してしまうのである。
従って、上記従来のモータ制御によるとトルクリップルが大きく、モータの騒音も大きいという問題があった。また、このようなモータ制御を電動パワーステアリング装置に適用すると、ハンドル操作に追従して、正確かつ円滑にアシストすることができず、操舵時に振動を感じたり、騒音が大きくなるという問題が生じてしまう。
本発明は上述のような事情よりなされたものであり、本発明の目的は、モータ制御に含まれる非線形要素を各相に分離した状態で制御することにより、トルクリップルが小さく、騒音ノイズの小さいモータ駆動制御装置を提供すると共に、このモータ駆動制御装置を電動パワーステアリング装置に採用し、操舵性能を向上させ、良好な操舵感を備えた電動パワーステアリング装置を提供することにある。
更に本発明の目的は、モータの高速回転時にもモータ端子電圧が飽和せず、トルクリップルが小さく、モータ騒音も小さく、電動パワーステアリング装置にあってはハンドルの急速な操舵時にも、騒音も小さく、ハンドル操作が滑らかに追随できるモータ駆動制御装置及び電動パワーステアリング装置を提供することにある。
本発明は3以上の相を有するモータを制御するモータ駆動制御装置に関し、本発明の上記目的は、前記モータの電流波形又は誘起電圧がn(2以上の自然数)次高調波が含まれた矩形波若しくは擬似矩形波であり、前記モータの逆起電圧のd軸及びq軸成分である電圧ed及びeqを算出するd−q電圧算出部と、前記電圧ed及びeq、前記モータの回転角度、角速度、逆起電圧及び前記モータへのトルク指令値に基づいてq軸成分である電流指令値Iqrefを算出するq軸指令電流算出部と、d軸成分である電流指令値Idrefを算出するd軸指令電流算出部と、前記電流指令値Iqref及びIdrefに基づいて前記モータの電流を制御する電流制御部とを設けることによって達成される。
また、本発明の上記目的は、前記モータが3相の場合、相電流指令値Iavref,Ibvref,Icvrefを前記電流指令値Idref、Iqref及び前記モータの回転角度θeに依存する定数によって算出することにより、或いは前記電流制御部が積分制御を含んでいることにより、或いは前記モータがブラシレスDCモータであることにより、或いは前記モータ駆動制御装置が、車両のステアリング系にアシストを付与するブラシレスDCモータの駆動に用いられることにより、或いは前記モータの検出された機械角速度ωmが前記モータのベース角速度ωbより高速である場合に、前記電流指令値Idrefが、前記モータのトルク指令値Tref、前記ベース角速度ωb及び前記機械角速度ωmにより算出されることにより、或いは前記電流指令値Iqrefは、前記モータの回転角度、角速度、逆起電圧及び前記モータへのトルク指令値で定義されたモータ出力方程式に前記電流指令値を代入して算出されることにより、或いは前記電流指令値Idrefは、前記トルク指令値Tref及びsinΦの関数で求められ、進角Φは前記ベース角速度ωb及び前記機械角速度ωmから導かれることにより、或いは前記モータが3以上の相を有するブラシレスDCモータであることによって、より効果的に達成される。
さらに、上記各モータ駆動制御装置を、車両のステアリング系にアシストを付与するブラシレスDCモータの駆動に用いることにより、本発明の上記目的とする電動パワーステアリング装置が得られる。
本発明の上記目的は、前記モータがブラシレスDCモータであり、前記ブラシレスDCモータの誘起電圧波形が矩形波若しくは擬似矩形波であり、前記矩形波若しくは擬似矩形波を周波数分析した際の次数波成分をn(2以上の自然数)とした場合、振幅成分の5%以上の次数波成分nを、Pを極数、ωを実回転数として、“n×P/2×ω≦電流制御の応答周波数の上限値”とし、前記電流制御部が少なくとも前記矩形波若しくは擬似矩形波の誘起電圧波形の関数でモータ電流波形を与えることにより、より効果的に達成される。
また、本発明の上記目的は、前記モータ駆動装置は角度推定手段を有し、前記角度推定手段からの推定角度でモータ電流波形を与えることにより、或いは前記電流制御の応答周波数の上限値が1000Hzであることにより、より効果的に達成される。
上述のように、本発明によれば、モータの高速回転時にもモータの端子電圧が飽和せず、トルクリップルが少なく、またモータ騒音が小さい効果があり、さらに、電動パワーステアリング装置にあっては、ハンドルの急速操舵にも滑らかに追随してハンドル操作に違和感がなく、騒音の少ない電動パワーステアリング装置を提供できる優れた効果がある。
また、本発明に係る電動パワーステアリング装置によると、ベクトル制御を基に各相電流指令値を算出し、電流フィードバック制御は各相個別に制御するPVC制御を用いることにより、ブラシレスDCモータを小型で、トルクリップルが小さく、モータ騒音も小さくなるように制御できるモータ駆動制御装置を提供でき、ハンドル操作がスムーズで騒音の小さい電動パワーステアリング装置を提供できる。
以下に、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
本例では3相ブラシレスDCモータについて説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、他のモータについても同様に本発明を適用することができる。
図4に示すように本発明に係る3相ブラシレスDCモータ1は、円筒形のハウジング2と、このハウジング2の軸心に沿って配設され、上下端部の軸受3a、3bにより回転自在に支持された回転軸4と、この回転軸4に固定されたモータ駆動用の永久磁石5と、この永久磁石5を包囲するようにハウジング2の内周面に固定され、かつ3相の励磁コイル6a、6b及び6cが巻き付けられたステータ6とを具備し、回転軸4及び永久磁石5によってロータ7を構成している。このロータ7の回転軸4の一端近傍には、位相検出用のリング状永久磁石8が固定され、この永久磁石8は、周方向に等間隔で交互にS極とN極に着磁されている。
ハウジング2内の軸受3bが配設された側の端面には、ステ−9を介してリング状の薄板で成る支持基板10が配設されている。この支持基板10には、永久磁石8に対向するように、レゾルバやエンコーダなどのロータ位置検出器11が固定されている。なお、ロータ位置検出器11は図5に示すように、実際には励磁コイル6a〜6cの駆動タイミングに対応して周方向に適宜離間して複数設けられている。ここで、励磁コイル6a〜6cは、ロータ7の外周面を電気角で120度ずつ離隔して取り囲むように配設され、各励磁コイル6a〜6cのコイル抵抗は全て等しくなるようになっている。
また、ロータ位置検出器11は、対向する永久磁石8の磁極に応じて位置検出信号を出力するようになっている。ロータ位置検出器11は、永久磁石8の磁極によって変化することを利用してロータ7の回転位置を検知するようになっている。この回転位置に応じて、後述するベクトル制御相電流指令値算出部20が、3相励磁コイル6a〜6cに対して2相同時に通電しながら、励磁コイル6a〜6cを1相ずつ順次切り換える2相励磁方式によって、ロータ7を回転駆動させるようになっている。
そして、モータ1の駆動制御は、モータ電流として矩形波電流若しくは擬似矩形波電流又はモータ誘起電圧として矩形波電圧若しくは擬似矩形波電圧を用いて制御する。
ここで、矩形波電流若しくは擬似矩形波電流又は誘起電圧の矩形波電圧若しくは擬似矩形波電圧で制御するのは、正弦波電流又は正弦波電圧と比較すると、電流ピーク値又は電圧ピーク値が同じであれば、矩形波電流又は矩形波電圧の方が実効値が大きくなるため、大きな出力値(パワー)を得ることができるからである。その結果、同性能のモータを製作する場合、モータ電流として矩形波電流若しくは擬似矩形波電流又はモータ誘起電圧として矩形波電圧若しくは擬似矩形波電圧を用いた方が、モータの小型化を図れるという長所がある。その反面、矩形波電流若しくは擬似矩形波電流又は誘起電圧の矩形波電圧若しくは擬似矩形波電圧による制御は、正弦波電流又は正弦波電圧による制御に比べて、トルクリップルを小さくするのが困難であるという短所もある。
電流(Id)制御によって制御されるモータ電流波形の一例を図6に示す。図6(A)は、比較的モータ1が低速回転で電流(Id)制御による弱め界磁制御が無い場合(Idref=0)のモータ電流波形を示し、図6(B)はモータ1が高速回転で電流(Id)制御による弱め界磁制御が有る場合のモータ電流波形を示している。図6(A)はモータ電流波形であり、これに対応する誘起電圧の波形は図7(A)に示すような矩形(台形)波となっている。図7(A)の誘起電圧の波形に対して、Id=0のときの実際の電流波形は図7(B)(図6(A)に対応)になり、Id=10[A]のときの実際の電流波形は図7(C)(図6(B)に対応)になる。本発明で意味する矩形波電流又は矩形波電圧とは、な完全な矩形波(台形波)とは異なり、図6(A)又は図7(B)のような凹部や図6(B)又は図7(C)のようなピークを持った波形、或いは図7(A)のような電流波形(擬似矩形波電流)又は電圧波形(擬似矩形波電圧)を含むものである。
本発明に係るモータはn(=2,3,4,…)次高調波の電流又は電圧で駆動され、n次高調波の周波数が電流制御の応答周波数の上限値(例えば1000Hz)以下となっている。即ち、モータの誘起電圧波形が矩形波若しくは擬似矩形波であり、矩形波若しくは擬似矩形波を周波数分析した際の次数波成分をn(=2,3,4,…)とした場合、振幅成分の5%以上の次数波成分nが、下記数3で表わされる、
(数3)
n×P/2×ω≦電流制御の応答周波数の上限値
Pは極数、ωは実回転数である。

この場合、角度センサを設け、少なくとも矩形波又は擬似矩形波の誘起電圧波形の関数で電流波形を与えるようにする。モータ相関の電気的時定数を制御周期以上としても良く、角度推定手段を設け、この角度推定手段からの推定角度でモータ電流波形を与えるようにしても良い。
振幅成分の5%以上の次数波成分nに対して、上記数3で設定する理由は下記による。電流指令値に電流制御部で応答できない次数波成分nが乗ると、モータのトルクリップルとして現れる。モータのトルクリップルが10%以内であれば、トルク制御系でハンドルに感じないようにすることは知られている(例えば特許第3298006号)。従って、電流値(トルク)で10%以下になるように、逆起電圧の高次数波成分を決めることができる。逆起電圧と電流に含まれる高次数波成分の関係は、ベクトル制御(又は擬似ベクトル制御)の態様によって一意には求められないが、実験的に振幅成分の5%以下であれば電流値(トルク)で10%以下になることが知見された。
また、電動パワーステアリングでは通常20KHzのPWM制御を行っているが、20KHzより低周波になるとモータ騒音が問題になり、20KHzより高周波になると電磁放射ノイズや発熱の問題が生じる。これは駆動手段としてのFETの性能に左右され、20KHzのPWM制御では1/20の1000Hzが電流制御の応答周波数の上限値となり、40KHzのPWM制御では1/20の2000Hzが電流制御の応答周波数の上限値となる。
このような特性のモータ(極数P)に対して、本発明では図8に示すようなモータ駆動制御装置を構成する。即ち、本発明のモータ駆動制御装置はベクトル制御相電流指令値算出部20と、ベクトル制御相電流指令値算出部20からの電流指令値Iavref,Ibvref,Icvrefと、電流検出回路32−1,32−2,32−3からのモータ相電流Ia,Ib,Icとに基づいて各相電流誤差を求める減算回路20−1,20−2,20−3と、比例積分制御を行うPI制御部21とを備え、PWM制御部30のPWM制御によってインバータ31からモータ1に各相指令電流が供給され、モータ1の回転駆動を制御するようになっている。破線で示す領域Aは電流制御部を構成している。
本実施例ではベクトル制御相指令値算出回路20において、ベクトル制御の優れた特性を利用してベクトル制御d、q成分の電流指令値を決定した後、この電流指令値を各相電流指令値に変換すると共に、フィードバック制御部でd、q制御ではなく、全て相制御で閉じるような構成にしている。よって、電流指令値を算出する段階ではベクトル制御の理論を利用しているので、本制御方式を擬似ベクトル制御(Pseudo Vector Control。以下、「PVC制御」とする。)と呼ぶ。
なお、本実施例の電流制御部Aは、モータ1の各相電流指令値Iavref,Ibvref,Icvrefとモータ相電流Ia,Ib,Icとから各相電流誤差を求める減算回路20−1,20−2,20−3と、その各相電流誤差を入力とするPI制御部21とで構成されている。また、インバータ31とモータ1との間に、モータ電流検出回路として電流検出回路32−1、32−2、32−3が配され、電流検出回路32−1、32−2、32−3で検出したモータの各相電流Ia、Ib、Icを減算回路20−1、20−2、20−3に供給するフィードバック回路Bが形成されている。
また、ベクトル制御相電流指令値算出部20は、各相逆起電圧算出部としての換算部101と、d軸及びq軸電圧算出部としての3相/2相変換部102と、q軸の電流指令値Iqrefを算出するq軸指令電流算出部103と、各相電流指令算出部としての2相/3相変換部104と、d軸の電流指令値Idrefを算出するd軸指令電流算出部105と、トルク指令値Trefからモータのベース角速度ωbを換算する換算部106とを備え、レゾルバなどのロータ位置検出器11によって検出されたロータ7の回転角度θeと、回転角度θeを微分回路24で算出した電気角速度ωeとで成るロータ位置検出信号と、図示しないトルクセンサで検出されたトルクに基づいて決定されたトルク指令値Trefとを受け、ベクトル制御による相指令値信号を算出するようになっている。ロータ位置検出器11は角度センサとしての機能を有しており、角度推定手段に置き換えることも可能である。
トルク指令値Trefはq軸指令電流算出部103、換算部106及びd軸指令電流算出部105に入力され、回転角度θeは換算部101、3相/2相変換部102及び2相/3相変換部104に入力され、電気角速度ωeは換算部101、q軸指令電流算出部103及びd軸指令電流算出部105に入力される。
このようなPVC制御を用いたモータ駆動制御装置の構成において、モータ1の駆動制御は以下のように行われる。
先ず、ベクトル制御相電流指令値算出部20でロータ7の回転角度θe及び電気角速度ωeを換算部101に入力し、換算部101に格納されている換算表に基づいて各相の逆起電圧ea、eb、ecが算出される。逆起電圧ea、eb、ecはn次高調波の矩形波若しくは擬似矩形波であり、n次高調波の周波数はモータの電気角速度にnを乗じたものである。モータの電気角速度は、モータの実速度をωとすると、P/2×ωで表わされる。次に、逆起電圧ea、eb、ecはd−q電圧算出部としての3相/2相変換部102で、下記数4及び数5に基づいて、d軸及びq軸成分の電圧ed及びeqに変換される。
Figure 0003804686
Figure 0003804686
次に、本発明の重要なポイントであるd軸の電流指令値Idrefの算出方法について説明する。
d軸電流指令値Idrefは、換算部106からのベース角速度ωb、微分回路24からの電気角速度ωe、トルクセンサからのトルク指令値Trefを入力としてd軸指令電流算出部105で下記数6に従って算出される。ただし、Ktはトルク係数、ωbはモータのベース角速度で、ベース角速度ωbはトルク指令値Trefを入力として換算部106で求めている。
(数6)
Idref=−|Tref/Kt|・sin(acos(ωb/ωm))

上記数6のacos(ωb/ωm)の項に関し、モータの回転速度が高速回転でない場合、つまりモータ1の機械角速度ωmがベース角速度ωbより低速時の場合は、ωm<ωbとなるのでacos(ωb/ωm)=0となり、よってIdref=0となる。しかし、高速回転時、つまり機械角速度ωmがベース角速度ωbより高速になると、電流指令値Idrefの値が現れて、弱め界磁制御を始める。数6に表わされるように、電流指令値Idrefはモータ1の回転速度によって変化するため、高速度回転時の制御をつなぎめなく円滑に行うことが可能であるという優れた効果がある。
また、別の効果として、モータ端子電圧の飽和の問題に関しても効果がある。モータの相電圧Vは、一般的に
(数7)
V=E+R・I+L(di/dt)

で表わされる。ここで、Eは逆起電圧、Rは固定抵抗、Lはインダクタンスであり、逆起電圧Eはモータが高速回転になるほど大きくなり、バッテリ電圧などの電源電圧は固定であるから、モータの制御に利用できる電圧範囲が狭くなる。この電圧飽和に達する角速度がベース角速度ωbで、電圧飽和が生じるとPWM制御のデューティ比が100%に達し、それ以上は電流指令値に追随できなくり、その結果トルクリップルが大きくなる。
しかし、数6で表わされる電流指令値Idrefは極性が負であり、上記数6のL(di/dt)に関する電流指令値Idrefの誘起電圧成分は、逆起電圧Eと極性が反対となる。よって、高速回転になるほど値が大きくなる逆起電圧Eを、電流指令値Idrefによって誘起される電圧で減じる効果を示す。その結果、モータ1が高速回転になっても、電流指令値Idrefの効果によってモータを制御できる電圧範囲が広くなる。つまり、電流指令値Idrefの制御による弱め界磁制御によってモータの制御電圧は飽和せず、制御できる範囲が広くなり、モータの高速回転時にもトルクリップルが大きくなることを防止できる効果がある。
上述の電流指令値Idrefの算出に関する回路系のブロック構成が図9である。図9において、トルク指令値Trefは換算部106及びトルク係数部105dに入力され、モータの電気角速度ωeは機械角算出部105aに入力される。機械角算出部105aはモータの電気角速度ωeからモータの機械角速度ωm(=ωe/P)を算出し、acos算出部105bに入力する。また、換算部106は、トルク指令値Trefをベース角速度ωbに換算してacos算出部105bに入力し、トルク係数部105dはトルク指令値Trefを係数lqb(=Tref/Kt)に換算して絶対値部105eに入力する。acos算出部105bは入力された機械角速度ωm及びベース角速度ωbを基に、進角Φ=acos(ωb/ωm)を算出してsin算出部105cに入力する。sin算出部105cは、入力された進角ΦからsinΦを求めて−1倍する乗算器105fに入力し、乗算器105fはsin算出部105cからの進角Φと、絶対値部105eからの絶対値|Iqb|とを乗算して−1倍して電流指令値Idrefを求める。下記数8によって電流指令値Idrefが求められ、これがd軸指令電流算出部105の出力となる。
(数8)
Idref=−|Iqb|×sin(acos(ωb/ωm))

上記数8に従って算出された電流指令値Idrefは、q軸指令電流算出部103及び2相/3相変換部104に入力される。
一方、q軸の電流指令値Iqrefはq軸指令電流算出部103において、2相電圧ed及びeq、電気角速度ωe(=ωm×P)、d軸の電流指令値Idrefを基に下記数9及び数10で示すモータ出力方程式に基づいて算出される。即ち、モータ出力方程式は
(数9)
Tref×ωm=3/2(ed×Id+eq×Iq)

である。従って、この数9にId=Idref,Iq=Iqrefを代入すると
(数10)
Iqref=2/3(Tref×ωm−ed×Idref)/eq

となる。また、電流指令値Idrefには数8で算出した値を代入すれば良い。
数10で示されるように、電流指令値Iqrefは、モータの出力は電力に相当するというモータの出力方程式から導びかれているため、電流指令値Iqrefを容易に演算することができる。また、必要な指令トルクTrefを得るための電流指令値Idrefとバランスのとれた最適な電流指令値Iqrefを演算することができる。従って、モータの高速回転時にもモータの端子電圧が飽和せず、トルクリップルを最小にする制御が可能となる。
以上説明したような本発明の電流指令値Idref及びIqrefの関係を図示すると、図10(A)のようになる。図10(B)は従来の進角制御方式の場合の関係を示している。
電流指令値Idref及びIqrefは各相電流指令値算出部としての2相/3相変換部104に入力され、各相の電流指令値Iavref,Ibvref,Icvrefに変換される。即ち、数12及び数13のように表わされる。ここで、添え字は、例えば電流指令値Iavrefの“avref”は、ベクトル制御によって決定されたa相の電流指令値を表わしている。なお、行列式C2は数13に示すように、モータの回転角度θeによって決定される定数である。
Figure 0003804686
Figure 0003804686
従来は電流指令値Iqrefと進角Φを用いて、図1の2相/3相変換部109で電流指令値Iavref,Ibvref,Icvrefを算出していたが、本発明では上述したように電流指令値Idref及びIqrefを入力として2相/3相変換部104で電流指令値Iavref,Ibvref,Icvrefを算出している。そして、電流検出回路32−1,32−2,32−3で検出されたモータの各相電流Ia,Ib,Icと、電流指令値Iavref,Ibvref,Icvrefとを減算回路20−1,20−2,20−3で減算して各々の誤差を算出する。次に、各相電流の誤差をPI制御部21で制御してインバータ31の指令値、即ちPWM制御部30のデューティを表わす電圧値va,vb,vcを算出し、その電圧値va,vb,vcに基づいてPWM制御部30がインバータ31をPWM制御することによりモータ1は駆動され、所望のトルクが発生する。
以上説明したように、本発明のモータ及びその駆動制御装置は、モータの高速回転時にもモータの端子電圧が飽和せず、トルクリップルを最小にする制御が可能となる。このため、本発明を電動パワーステアリング装置に適用した場合、急速ハンドル操舵が滑らかに実行可能となり、運転手にハンドルの振動などの違和感を与えないという優れた効果がある。
本発明は、従来技術のd、q制御によるフィードバック制御と異なり、フィードバック制御が各相制御のみで実行されている点で全く異なる。この結果、従来技術では、a相で発生した非線形要素が、従来のd、q制御によるフィードバック制御を実行する過程で、b,c各相まで分散して正しく補正制御できなくなる問題があったが、本発明ではa相の非線形要素はa相のみでフィードバック制御され、b相、c相には分散されないので、正しく補正制御できる。
このようなPVC制御を使用することにより、制御に含まれる非線形要素を各相に分離した状態でモータを制御でき、その結果トルクリップルの少ない、騒音が小さいモータ制御が可能になる。このため、電動パワーステアリング装置に適用した場合には、駐車時や緊急操舵においても騒音が小さく、スムーズで振動の少ないハンドル操作が可能になる。
なお、上記実施例では相電圧ea,eb,ecを用いたが、線間電圧eab,ebc,ecaなどに換算して制御しても同じ効果が得られる。
本発明によれば、モータの高速回転時にもモータの端子電圧が飽和せず、トルクリップルが少なく、モータ騒音が小さいので、電動パワーステアリング装置に適用すれば、ハンドルの急速操舵にも滑らかに追随してハンドル操作に違和感がなく、騒音の少ない電動パワーステアリング装置を提供できる。
また、本発明に係る電動パワーステアリング装置によると、ベクトル制御を基に各相電流指令値を算出し、電流フィードバック制御は各相個別に制御するPVC制御を用いることにより、ブラシレスDCモータを小型で、トルクリップルが小さく、モータ騒音も小さくなるように制御できるモータ駆動制御装置を提供でき、ハンドル操作がスムーズで騒音の小さい電動パワーステアリング装置を提供できる。
従来の進角制御を基にした制御ブロック図である。 弱め界磁制御を用いない場合の限界角速度であるベース角速度を示す図である。 従来のベクトル制御の制御方式を示す制御ブロック図である。 本発明の制御対象であるブラシレスDCモータの一例を示す断面構造図である。 ロータ位置検出の原理を示す図である。 台形波電流(電圧)の定義の説明に関する図である。 誘起電圧波形(矩形波)の一例を示す図である。 本発明に係るブラシレスDCモータの制御系の一例を示すブロック図である。 本発明の弱め界磁制御に係る電流指令値Idref算出の構成例を示すブロック図である。 本発明の制御方式と従来の進角制御方式による電流指令値Idref及びIqrefのベクトル関係を示す図である。
符号の説明
1 モータ
2 ハウジング
3 軸受
4 回転軸
5 永久磁石
6 ステータ
7 ロータ
8 リング状永久磁石
9 ステー
10 支持基板
11 ロータ位置検出器
20 ベクトル相指令値算出部
20−1,20−2,20−3 減算回路
21 PI制御部
24 微分回路
30 PWM制御部
31 インバータ
32−1,32−2,32−3 電流検出器
100 電流指令値算出部
101、106 換算部
102 3相/2相変換部
103 q軸指令電流算出部
104 2相/3相変換部
105 d軸指令電流算出部
105a 機械角算出部
105b acos算出部
105c sin算出部
105d トルク係数部
105e 絶対値部
105f 乗算器

Claims (13)

  1. 3以上の相を有するモータを制御するモータ駆動制御装置において、前記モータの電流波形又は誘起電圧がn(2以上の自然数)次高調波が含まれた矩形波若しくは擬似矩形波であり、前記モータの逆起電圧のd軸及びq軸成分である電圧ed及びeqを算出するd−q電圧算出部と、前記電圧ed及びeq、前記モータの回転角度、角速度、逆起電圧及び前記モータへのトルク指令値に基づいてq軸成分である電流指令値Iqrefを算出するq軸指令電流算出部と、d軸成分である電流指令値Idrefを算出するd軸指令電流算出部と、前記電流指令値Iqref及びIdrefに基づいて前記モータの電流を制御する電流制御部とを具備したことを特徴とするモータ駆動制御装置。
  2. 前記モータが3相の場合、相電流指令値Iavref,Ibvref,Icvrefを前記電流指令値Idref、Iqref及び前記モータの回転角度θeに依存する定数によって算出するようになっている請求項1に記載のモータ駆動制御装置。
  3. 前記電流制御部が積分制御を含んでいる請求項1に記載のモータ駆動制御装置。
  4. 前記モータがブラシレスDCモータである請求項1乃至3のいずれかに記載のモータ駆動制御装置。
  5. 請求項1乃至4のいずれかに記載のモータ駆動制御装置が、車両のステアリング系にアシストを付与するブラシレスDCモータの駆動に用いられる電動パワーステアリング装置。
  6. 前記モータの検出された機械角速度ωmが前記モータのベース角速度ωbより高速である場合に、前記電流指令値Idrefが、前記モータのトルク指令値Tref、前記ベース角速度ωb及び前記機械角速度ωmにより算出されるようになっている請求項1に記載のモータ駆動制御装置。
  7. 前記電流指令値Iqrefは、前記モータの回転角度、角速度、逆起電圧及び前記モータへのトルク指令値で定義されたモータ出力方程式に前記電流指令値を代入して算出される請求項6に記載のモータ駆動制御装置。
  8. 前記電流指令値Idrefは、前記トルク指令値Tref及びsinΦの関数で求められ、進角Φは前記ベース角速度ωb及び前記機械角速度ωmから導かれるようになっている請求項7に記載のモータ駆動制御装置。
  9. 前記モータが3以上の相を有するブラシレスDCモータである請求項6乃至8のいずれかに記載のモータ駆動制御装置。
  10. 請求項6乃至9のいずれかに記載のモータ駆動制御装置が、車両のステアリング系にアシスト力を付与するブラシレスDCモータの駆動に用いられた電動パワーステアリング装置。
  11. 請求項1におけるモータがブラシレスDCモータであり、前記ブラシレスDCモータの誘起電圧波形が矩形波若しくは擬似矩形波であり、前記矩形波若しくは擬似矩形波を周波数分析した際の次数波成分をn(2以上の自然数)とした場合、振幅成分の5%以上の次数波成分nを、Pを極数、ωを実回転数として、“n×P/2×ω≦電流制御の応答周波数の上限値”とし、前記電流制御部が少なくとも前記矩形波若しくは擬似矩形波の誘起電圧波形の関数でモータ電流波形を与えるようになっている請求項1に記載のモータ駆動制御装置。
  12. 前記モータ駆動装置は角度推定手段を有し、前記角度推定手段からの推定角度でモータ電流波形を与えるようになっている請求項11に記載のモータ駆動制御装置。
  13. 前記電流制御の応答周波数の上限値が1000Hzである請求項11に記載のモータ駆動制御装置。
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