JP5167717B2 - モータ駆動制御装置及びモータ駆動制御装置を使用した電動パワーステアリング装置 - Google Patents
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Description
ところで、近年、電動パワーステアリング装置の出力に対する要求はますます厳しくなっており、モータの高出力化、高効率化、高回転化の要求に対応するため、モータの誘起電圧に高調波を含ませる構造とし、そのモータを制御するにあたって、ベルトルク制御を基に各相電流指令値を算出し、電流フィードバック制御は各相個別に制御する疑似ベクトル制御を行うようにしたモータ駆動制御装置が提案されている(例えば、特許文献3参照)。
したがって、q軸電流のみを電動モータに流す場合と、q軸電流とd軸電流とを電動モータに流す場合とで、合成磁束の位相が変化することよって、トルクリップルを抑えるための最適電流位相が変化してしまうことになる。ゆえに、q軸電流とd軸電流との双方を指令電流として用いて制御する場合に、q軸電流のみで制御する際のトルクリップル及び騒音所定値以下とする進角度(以下、適切進角度と称す)を用いた進角制御では、実電流が適切電流位相からずれてしまい、トルクリップルを発生し、騒音を発生してしまうという未解決の課題がある。
さらに、請求項3に係るモータ駆動制御装置は、請求項1又は2に係る発明において、前記進角度演算部は、d軸電流有り時のモータ角速度と進角度との関係を表す第1の記憶テーブルと、d軸電流無し時のモータ角速度と進角度との関係を表す第2の記憶テーブルとを備え、d軸電流の有無に応じて前記第1の記憶テーブル及び第2の記憶テーブルを選択するように構成されていることを特徴としている。
なおさらに、請求項5に係るモータ駆動制御装置は、請求項3又は4に係る発明において、前記記憶テーブルは、検出遅れと電流波形の基本波形に対する電流制御の応答遅れと電機子反作用による誘起電圧の位相ずれとを補償する値をもとに作成されていることを特徴としている。
さらに、請求項7に係るモータ駆動制御装置は、請求項1乃至6の何れか1つに係る発明において、前記電動モータの誘起電圧は、矩形波及び正弦波の何れか一方に高調波成分が含有されている疑似矩形波誘起電圧であることを特徴としている。
図1は、本発明の第1の実施形態を示す全体構成図であって、図中、1はステアリング機構であり、このステアリング機構1はステアリングホイール2が装着されたステアリングシャフト3と、このステアリングシャフト3のステアリングホイール2とは反対側に連結されたラックピニオン機構4と、このラックピニオン機構4にタイロッド等の連結機構5を介して連結された左右の転舵輪6とを備えている。
そして、電動モータ8は車両に搭載されたバッテリ11から出力されるバッテリ電圧Vbがヒューズ12及びイグニッションスイッチ71を介して供給されるベクトル制御を行う制御装置13によって駆動制御される。
制御装置13は、図2に示すように、モータ角度検出器17の検出信号に基づいて電気角θe及びモータ角速度ωmを演算する角速度換算部20と、操舵トルクセンサ16で検出した操舵トルクT及び車速センサ18で検出した車速Vsが入力されこれらに基づいて電動モータ8に対する電流指令値Irefを生成し、生成した電流指令値及びモータ角速度に基づいて電動モータ8のd−q軸座標系のd軸電流指令値Idref及びq軸電流指令値Iqrefを演算する電流指令値生成部21と、この電流指令値生成部21で生成したd軸電流指令値Idref及びq軸電流指令値Iqrefを後述する補正電気角θe′に基づいて2相/3相変換して各相電流指令値IAref、IBref及びICrefを算出する2相/3相変換部23と、この2相/3相変換部23から出力される相電流指令値IAref、IBref及びICrefとモータ電流検出部19で検出された各相電流Ima、Imb及びImcとに基づいて電動モータ8の駆動制御するモータフィードバック制御部24とを備えている。
また、モータフィードバック制御部24は、2相/3相変換部23から出力される相電流指令値IAref、IBref及びICrefからモータ電流検出部19で検出した実相電流Ima、Imb及びImcを減算して電流偏差ΔIA、ΔIB及びΔICを算出する減算部25と、この減算部25から出力される電流偏差ΔIA、ΔIB及びΔICに基づいて比例積分制御を行って電圧指令値VAref、VBref及びVCrefを算出する電流制御部26と、この電流制御部26から出力される電圧指令値VAref、VBref及びVCrefに基づいてパルス幅変調(PWM)信号を形成するPWM制御部27と、図6に示すように、PWM制御部27から出力されるパルス幅変調信号によって6個の電界効果トランジスタQau〜Qcdのゲートが制御されて、2相/3相変換部23で変換された相電流指令値IAref、IBref及びICrefに応じた相電流Ima、Imb及びImcを電動モータ8に供給するインバータ回路28とを備えている。
今、図1及び図6に示すイグニッションスイッチ71をオン状態とすることにより、制御装置13にバッテリ11からの電源が投入されて、制御装置13での操舵補助制御処理が開始されると共に、図6に示すリレー72が通電状態となってインバータ回路28にバッテリ電圧Vbが供給されて電動モータ8を駆動可能な状態となる。
そして、電流指令値生成部21で生成したd軸電流指令値Idref及びq軸電流指令値Iqrefが2相/3相変換部23に供給されて3相の相電流指令値IAref、IBref及びICrefを算出する。
このモータフィードバック制御部24では、減算部25で、2相/3相変換部23から出力される相電流指令値IAref、IBref及びICrefからモータ電流検出部19で検出されたモータ駆動電流Ima、Imb及びImcが減算されて電流偏差ΔIA、ΔIB及びΔICが算出され、これら電流偏差ΔIA、ΔIB及びΔICが電流制御部26に供給されてこの電流制御部26で比例、積分処理を行って電圧指令値VAref、VBref及びVCrefを算出する。
このとき、車両が停車している状態でステアリングホイール2を操舵する所謂据え切り状態では、車速Vsが零であって、図4に示す電流指令値算出用記憶テーブルの特性線の勾配が大きいことにより、小さい操舵トルクTで大きな電流指令値Irefを算出するので、電動モータ8で大きな操舵補助力を発生して軽い操舵を行うことができる。
この第2の実施形態では電動モータ8の誘起電圧波形に高調波を含むベクトル制御を行う場合にトルクリップル及び騒音を所定値以下に抑制するようにしたものである。
すなわち、第2の実施形態では、図7に示すように、電流指令値生成部21が電流指令値Irefとこの電流指令値Iref及びモータ角速度ωmに基づいて算出されるd軸直流電流指令値IdDCとを出力するように構成されている。
このd軸直流電流指令値有無判断テーブルは、図8に示すように、モータ角速度ωmが“0”から第1の所定値ωm1までの間では電流指令値Irefが最大値Irefmaxで一定値となり、モータ角速度ωmが第1の所定値ωm1を超えるとモータ角速度ωmの増加に応じて電流指令値Irefが減少し、モータ角速度ωmが第2の所定値ωm2に達すると電流指令値Irefが“0”となるように特性線L0が設定されている。
そして、この図8のd軸直流電流指令値有無判断テーブルに基づく判断結果がd軸直流電流指令値IdDCが必要であるときには、電流指令値Irefを基に、図9に示す電流指令値Irefとd軸直流電流指令値IdDCとの関係を表すd軸直流電流指令値算出用記憶テーブルを参照してd軸直流電流指令値IdDCを算出する。このd軸直流電流指令値算出用記憶テーブルは、図9に示すように、電流指令値Irefが“0”から所定値Iref1までの間ではd軸直流成分IdDCが一定値Id1をとり、電流指令値Irefが所定値Iref1を超えると、電流指令値Irefの増加に応じてd軸直流成分IdDCが一定値Id1より徐々に減少して電流指令値Irefが最大値Iref2に達するとd軸直流成分IdDCが“0”となるように特性線が設定されている。
一方、電流指令値生成部21から出力されるd軸直流電流指令値IdDCとモータ角速度ωmとが進角度演算部29に入力され、この進角度演算部29で前述した第1の実施形態におけるd軸電流指令値Idrefに代えてd軸直流電流指令値IdDCパラメータとする特性曲線L1及びL2を有する進角度算出用記憶テーブルを参照して進角度θ0を算出し、算出した進角度θ0を加算器30に供給して、角速度換算部20から出力される電気角θeを補正し、この加算器30から出力される補正電気角θe′がd−q軸電流指令値生成部22及び2相/3相変換部23に供給される。
この第2の実施形態でも、電流指令値生成部21から入力されるd軸直流電流指令値IdDCは、図8に示すように、電流指令値Irefが所定値Iref1以下であるときには比較的大きな所定値Id1に固定されるので、この状態では、進角度演算部29で第2の進角度算出用記憶テーブルが選択され、電流指令値Irefが所定値Iref1より増加して所定値Iref2の近傍となると、d軸直流電流指令値IdDCが零近傍の閾値以下となって進角度演算部29で第1の進角度算出用記憶テーブルが選択されることになり、電流指令値生成部21から入力されるd軸直流電流指令値IdDCに基づいて最適な進角度θ0を算出することができる。
次に、本発明の第3の実施形態を図11〜図20について説明する。
すなわち、第3の実施形態においては、図11に示すように、前述した第2の実施形態における図7の構成において、電流指令値生成部21が、電流指令値Iref、d軸直流電流指令値IdDC及びd軸振幅指令値IdAMPを生成するように変更されていると共に、d−q軸電流指令値生成部22がd軸振幅指令値IdAMP及びエネルギ一定式によるトルク一定式に基づいてq軸電流指令値演算を行うように変更されている。
ed0E=edE/ωm=K1E1sin(η1)+K5E5sin(6θ+η5) …………(2)
eq0E=eqE/ωm=K1E1cos(η1)+K5E5cos(6θ+η5) …………(3)
∵Ek:角速度1[rad/s]におけるk次高調波の無通電時の誘起電圧波高値(k=1,5)
Kk:k次高調波波高値歪みゲイン(k=1,5)
ηk:k次高調波歪み位相角(k=1,5)
eaE=K1E1ωmsin(θ+η1)+K5E5ωmsin(5θ+η5)
ebE=K1E1ωmsin(θ−(2/3)π+η1)+K5E5ωmsin(5(θ−(2/3)π)+η5)
ecE=K1E1ωmsin(θ+(2/3)π+η1)+K5E5ωmsin(5(θ+(2/3)π)+η5)
edE=(2/3){eaEcosθ+ebEcos(θ−(2/3)π)+ecEcos(θ+(2/3)π)}
eqE=(2/3){eaEsinθ+ebEsin(θ−(2/3)π)+ecEsin(θ+(2/3)π)}
Tmωm=KtIrefωm=IaeaE+IbebE+IcecE=(2/3)(IqeqE+IdedE)……(4)
Iqref={(2/3)KtIrefωm−edEIdref}/eqE
={(2/3)KtIref−ed0EIdref}/eq0E …………(5)
ここで、Tmはモータトルク、ωmはモータ機械角速度、Ktはモータトルク定数、Ia、Ib、Icは3相の各相電流値、eaE、ebE、ecEは各相誘起電圧、Id、Iqはd軸、q軸電流、edE、eqE、ed0E、eq0Eは下記(6)式及び(7)式で算出される歪みを考慮したd軸、q軸誘起電圧である。
eq0E=eqE/ωm …………(7)
また、d軸電流指令値演算部53では、d−q軸誘起電圧演算部51から出力されるd軸誘起電圧ed0E及びq軸誘起電圧eq0Eと電流指令値生成部21から出力されるd軸直流電流指令値IdDC及びd軸電流振幅指令値idAMPに基づいて下記(8)式の演算を行ってd軸電流指令値Idrefを算出する。
この(8)式のIdDCは任意に決定できるパラメータであり、idAMP、iqc、iqsはモータ印加電圧の有効利用率を向上させるために決定されるパラメータである。
モータ印加電圧の有効利用率を最大にするためには、図14に示すように、横軸にd軸電圧Vdをとり、縦軸にq軸電圧Vqをとったときに、矢印Y0で表すd軸電圧Vd及びq軸電圧Vqの合成ベクトル|V|のベクトル軌跡が原点(0,0)を中心とする円C0上を移動させることが望ましいが、これを実現するのは計算が複雑で、解を求めるのは困難であるため、円条件に近い状態で電圧合成ベクトル|V|を略一定とするd軸電流値を求める。
このように、電圧合成ベクトル|V|が法線Ln上を移動するためには、図14に示すように、d軸電圧Vd(θ)とq軸電圧Vq(θ)とが正値を取る場合、180度位相がずれた逆位相とする必要があり、両者の振幅条件としては、図14における電圧合成ベクトル|V|を構成するd軸電圧Vdの直流成分VdDCとq軸電圧Vqの直流成分VqDCで構成されるハッチング図示の三角形T1と、法線Lnとd軸電圧Vdの交流成分VdACの振幅及びq軸電圧Vqの交流成分VqACの振幅で構成されるハッチング図示の三角形T2とが相似形であることから、d軸電圧Vd及びq軸電圧Vqの直流制限と交流成分との比が下記(9)式で表される法線条件を満足する必要がある。
VqAC/VdAC=√(Vqc 2+Vqs 2)/√(Vdc 2+Vds 2)=VdDC/VqDC………(9)
そして、トルク一定の条件からq軸電流値iq(θ)は前記(1)式で一意に決定されることから、円条件に近い状態に電圧構成ベクトル|V|を略一定とする条件を満足するようにd軸電流値id(θ)を設定する必要がある。
そして、d軸電流値id(θ)に対して、前述した逆位相の条件を満足するために、前記(12)式で定義されるd軸電流モデルの逆位相とする。すなわち、d軸電流値id(θ)は、前記(12)式を用いて、前述した(8)式の形で定義すれば、q軸電流値iq(θ)の逆位相成分を持つd軸電流値id(θ)として表現できる。
eq0=eq/ωm=E1−E5cos(6θ) ………(16)
∵Ek:角速度1[rad/s]におけるk次高調波の無通電時の誘起電圧波高値 (k=1,5)
ea=E1ωmsinθ+E5ωmsin5θ
eb=E1ωmsin(θ−(2/3)π)+E5ωmsin5(θ−(2/3)π)
ec=E1ωmsin(θ+(2/3)π)+E5ωmsin5(θ+(2/3)π)
ed=(2/3){eacosθ+ebcos(θ−(2/3)π)+eccos(θ+(2/3)π)}
eq=(2/3){easinθ+ebsin(θ−(2/3)π)+ecsin(θ+(2/3)π)}
このように、誘起電圧は電機子起磁力により歪みが発生してしまうため、上述した(15)式及び(16)式の誘起電圧ed0及びeq0を基に後述するようにq軸電流指令値演算部45で、トルク一定式より算出されたq軸電流指令値Iqrefを使用しても効果的にトルクリップルを抑制できない場合がある。
上記(2)式及び(3)式で高調波波高値歪みゲインK1、K5及び高調波歪み位相角η1、η5は相電流値により決定する歪みパラメータであり、このパラメータをパラメータ設定部61で相電流毎に決定することで歪みを考慮したd軸誘起電圧ed0E及びq軸誘起電圧eq0Eを生成することが可能となる。
電動モータ82の通電状態での誘起電圧を直接測定することは非常に困難であるため、無通電状態の誘起電圧より上記歪みパラメータの推定を行う。
最初に(15)式及び(16)式の歪みを考慮しない誘起電圧にて制御系を構成し、実モータにて平均トルク及びトルクリップルの測定を行う。すなわち、(5)式のed0E、eq0Eを(15)式及び(16)式のed0、eq0に置き換え構成する。
Tm=T0+T6ccos(6θ)+T6ssin(6θ) …………(17)
この(17)式において、右辺第一項T0は平均トルクで、右辺第二項のT6c及び第三項のT6sは、トルクリップル6次成分をcosとsinに分解した時の各振幅値である。上記3つのパラメータはトルクリップル測定の結果を高速フーリエ変換(FFT)することで求めることができる。
Tm=(2/3)(eq0EIq+ed0EId)=T0+T6ccos(6θ)+T6ssin(6θ)……(18)
ここで、q軸電流値Iqはトルク一定式によって算出されたq軸電流値Iqrefであるが、トルクを一定とするためのq軸電流算出式である前記(5)式の分母にq軸誘起電圧eq0が含まれIqの次数成分が無限となるため、このままでは歪みパラメータの解を求めることができない。
Iq=IqDC+iqccos(6θ)−iqssin(6θ) …………(19)
∵ IqDC=2KtIref/3E1
iqc=(E5/E1)IqDC
iqs=(E5/E1)IdDC
また、d軸電流Idは、前記(9)式で定義されている。
T0=(2/3)E1(IqDCK1C+IdDCK1S) …………(20)
T6C=(2/3)E5(IqDC(K1C−K5C−idAMPK1S)+IdDCK5S)……(21)
T6S=(2/3)E5(−IdDC(K1C−K5C−idAMPK1S)+IqDCK5S)…(22)
∵ K1S=K1sin(η1)
K1C=K1cos(η1)
K5S=K5sin(η5)
K5C=K5cos(η5)
iqs=(K5E5/K1CE1)IdDC ……(23)
そして、決定した歪みパラメータK1、K5、η1及びη5をパラメータ設定部61に設定する。
先ず、前述した決定手法にて決定した歪みパラメータをパラメータ設定部61に設定する。
この状態で、ステアリングホイール2を操舵すると、そのときの操舵トルクTが操舵トルクセンサ16で検出されると共に、車速Vが車速センサ18で検出される。そして、検出された操舵トルクT及び車速Vが電流指令値生成部21に入力されることにより、この電流指令値生成部21で、図4の電流指令値算出マップを参照して電流指令値Irefを算出すると共に、算出した電流指令値Irefに基づきマップを参照してd軸直流電流指令値IdDC及びd軸電流振幅指令値IdAMPを算出する。
一方、モータ角度検出器17で検出されたモータ回転角θmが角速度換算部20に供給されて電気角θe及びモータ角速度ωmが算出される。
このとき、電流指令値生成部21で算出されたd軸直流電流指令値IdDC及び角速度換算部20で算出されたモータ角速度ωmが進角度演算部29に供給されて、図5に示す進角度算出用記憶テーブルを参照して進角度θ0が算出され、この進角度θ0が加算器30に供給されて電気角θeに加算されて補正電気角θe′が算出され、この補正電気角θe′がd−q軸電流指令値生成部22及び2相/3相変換部23に供給される。
一方、電流検出部19で検出されたIma、Imb及びImcが3相/2相変換部62にてd軸電流値Id及びq軸電流値Iqに変換されてd−q軸誘起電圧演算部51に含まれるパラメータ設定部61に入力され、入力されたd軸電流値Id及びq軸電流値Iqに従い歪みパラメータK1、K5、η1、η5を出力し、d−q軸誘起電圧演算部51は出力された歪みパラメータK1、K5、η1、η5及び電気角θに基づき歪みを考慮した誘起電圧であるd軸誘起電圧ed0E及びq軸誘起電圧eq0Eを算出し、これらをd軸電流指令値演算部53及びq軸電流指令値演算部52に供給する。
一方、q軸電流指令値演算部52では、d軸電流指令値Idref、操舵補助電流指令値Iref及び誘起電圧ed0E,eq0Eに基づいて前記(5)式の演算を行ってトルク変動を生じないq軸電流指令値Iqrefを算出する。
そして、この第3の実施形態においても、前述した第2の実施形態と同様に、電流指令値生成部21から出力されるd軸直流電流指令値IdDCが進角度演算部29に供給され、この進角度演算部29でd直流電流指令値IdDC及びモータ角速度ωmに基づいて最適な進角度θ0が算出され、算出された進角度θ0で補正された補正電気角θe′がd−q軸電流指令値生成部22及び2相/3相変換部23に供給されるので、d−q軸電流指令値生成部22のd軸電流指令値演算部53及びq軸電流指令値演算部52でトルクリップル及び騒音を所定値以下に抑制するd軸電流指令値Idref(θe′)及びq軸電流指令値Iqref(θe′)を算出することができる。
さらに、上記第1〜第3の実施形態においては、モータ角速度ωmをモータ角度検出器17の回転角検出信号に基づいて算出する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、電動モータ8の端子電圧からモータ逆起電圧を推定し、推定したモータ逆起電圧に基づいてモータ角速度ωmを推定するようにしてもよい。
Claims (8)
- 相数が3以上の電動モータをベクトル制御部でベクトル制御するモータ駆動制御装置であって、
前記電動モータの電気角を検出する電気角検出手段及びモータ角速度を検出する角速度検出手段とを有し、前記ベクトル制御部は、前記角速度検出手段で検出したモータ角速度とd軸電流の有無とに基づいてトルクリップル及び騒音を抑制する進角度を演算する進角度演算部と、該進角度演算部で演算した進角度によって前記電気角検出手段で検出した電気角を補正する電気角補正部と、該電気角補正部で補正した電気角に基づいてベクトル制御を行う制御演算部とを備えていることを特徴とするモータ駆動制御装置。 - 前記ベクトル制御部は、電動モータのd−q軸電流指令値を生成する電流指令値生成部を有し、該電流指令値生成部で生成したd軸電流指令値を前記進角度演算部に供給するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のモータ駆動制御装置。
- 前記進角度演算部は、d軸電流有り時のモータ角速度と進角度との関係を表す第1の記憶テーブルと、d軸電流無し時のモータ角速度と進角度との関係を表す第2の記憶テーブルとを備え、d軸電流の有無に応じて前記第1の記憶テーブル及び第2の記憶テーブルを選択するように構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のモータ駆動制御装置。
- 前記進角度演算部は、d軸電流量に応じてモータ角速度と進角度との関係を表す記憶テーブルを変化させることを特徴とする請求項1又は2に記載のモータ駆動制御装置。
- 前記記憶テーブルは、検出遅れと電流波形の基本波形に対する電流制御の応答遅れと電機子反作用による誘起電圧の位相ずれとを補償する値をもとに作成されていることを特徴とする請求項3又は4に記載のモータ駆動制御装置。
- 前記記憶テーブルは、夫々のモータ角速度及びd軸電流において、モータトルクリップル及び騒音を所定値以下に抑制する値を設定して作成されていることを特徴とする請求項3又は4に記載のモータ駆動制御装置。
- 前記電動モータの誘起電圧は、矩形波及び正弦波の何れか一方に高調波成分が含有されている疑似矩形波誘起電圧であることを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載のモータ駆動制御装置。
- 操舵系に対して操舵補助力を発生する電動モータを前記請求項1乃至7の何れか1項に記載のモータ駆動制御装置で駆動制御するようにしたことを特徴とする電動パワーステアリング装置。
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