JPWO2009136552A1 - 黄銅合金粉末、黄銅合金押出材およびその製造方法 - Google Patents

黄銅合金粉末、黄銅合金押出材およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

黄銅合金粉末は、α相とβ相の混合相からなる黄銅組成を有し、クロムを0.5〜5.0質量%含有する。クロムは、黄銅の母相中に固溶する成分と、結晶粒界に析出する成分とを含む。

Description

本発明は、高強度黄銅合金に関するものであり、特に環境や人体に有害な鉛を含有しない黄銅合金粉末および黄銅合金押出材に関するものである。
近年、環境問題が大きくクローズアップされており、合金開発においてもこの点の注意が必要である。6/4黄銅は、適度な強度および良好な機械的特性を有し、さらに非磁性であることから、機械部品として利用されるのみならず、ガス配管、水道配管、バルブなど広範囲に亘って利用されている。
6/4黄銅からなる部材の加工性を上げるために、通常、合金組成中に数%の鉛を含有させている。この鉛含有黄銅部材を水道配管に使用したとき、鉛が上水道中に溶け出すおそれがある。
上記の問題を解消するために、鉛レスの黄銅素材の開発が進められている。従来の開発例として、鉛の代わりにビスマスを添加したもの、特開2000−309835号公報(特許文献1)や国際公開公報WO98/10106(特許文献2)に開示されているようにスズを添加することによってγ相を析出させたもの、シリコンの微粒子を分散させたもの等がある。これらの開発技術の中には、鉛レスを実現するだけでなく、黄銅そのものの強度を同時に向上させて、応用範囲の拡大を図ったものもある。
しかしながら、ビスマスの添加は、鉛の添加と同程度の強度しか得られていないのが現状である。ビスマスおよび鉛は、共に、添加されることによって黄銅の強度を下げる元素であり、黄銅部材の強度向上には寄与しない。特開2000−309835号公報(特許文献1)や国際公開公報WO98/10106(特許文献2)に開示されているようにスズの添加によってγ相を析出させる方法は、黄銅部材の耐力値や引張強度などを向上させるが、黄銅部材の変形能が大きく低下して加工性に劣るようになる。それに加えて、γ相が起点となり脆性破壊するといった問題も生じてくる。シリコンの微粒子を分散させる方法は、黄銅合金部材の機械的強度の向上には寄与するが、部材の切削性が劣るようになるという欠点を有する。
第46回銅及び銅合金技術研究会講演大会講演概要集(2006)、pp.153−154、近藤勝義ほか(非特許文献1)には、「粉体プロセスによる完全鉛フリー快削性黄銅合金の特性」と題して、粉末冶金法を基調とした黒鉛粒子分散型快削性黄銅合金の作製法が開示されている。黒鉛添加のメリットは、完全鉛フリーにすることができるということと、リサイクルの際に溶融した黄銅上に黒鉛が浮くので分離が容易であるということにある。他方、添加した黒鉛による黄銅部材の強度向上は見込めない。そこで、黒鉛を添加するにあたっては、粉末冶金法を利用した黄銅部材の強度向上技術も考慮すべきである。
一般に、低融点金属を高温化で高融点金属中に溶融させようとすると、低融点金属の蒸気圧が高いために溶融中に急速に低融点金属が蒸発してしまい、所望の合金組成となるように制御することが困難である。
黄銅は、銅と亜鉛の合金である。この黄銅に高融点金属を添加すれば強度の向上が見込める可能性がある。しかしながら、亜鉛の沸点は907℃と低く、融点が1907℃のクロムや、融点が1902℃のバナジウムなどを添加するのは容易ではない。液相状態の黄銅の温度を上昇させて行けば必然的に亜鉛の蒸発量が増大し、急激に合金組成が銅リッチの方向へと変化してしまう。
高融点金属の溶融法としては、電子ビーム溶解法や水素プラズマアーク溶解法などがあるが、これらの方法は、大量生産に適した方法ではなく、希少金属の少量バッチ処理に用いられている。しかも、これらの方法では、低融点金属の蒸発を防ぐことはできない。
低融点金属中に、溶融した高融点金属を添加する方法も考えられるが、高融点金属をその融点まで加熱して溶解させるのは、工業的にみて、コスト的に見合わず、量産が困難である。そのため、一般的には、酸化物のテルミット反応を利用した方法や、より融点の低い母合金の添加などの方法が行なわれる。
特開平10−168533号公報(特許文献3)には、亜鉛中に合金成分を添加する方法が開示されている。この公報には、クロムの添加には母合金を使用したと記載されているが、Zn−Crの熱平衡状態図を見ると、クロムは亜鉛にほとんど固溶しないことがわかる。言い換えれば、亜鉛のマトリクス中に、化合物としてのZn17CrまたはZn13Crが分散した状態になることが理解できる。この母合金を亜鉛に添加した場合、亜鉛の成分比率が増えるだけで、クロム化合物に変化は起こらない。このように、非固溶元素でかつ高融点の金属を低融点金属中に溶解させることは、非常に困難であり、他の手法を開発する必要がある。
銅中へのクロムの添加は、亜鉛含有合金に比べて進んでいる。代表的なものとして、特開平11−209835号公報(特許文献4)や特開2006−124835号公報(特許文献5)に開示された手法がある。これらの公報に開示された方法では、銅中にクロム、ジルコニウム、テルル、イオウ、鉄、シリコン、チタンまたはリンの含有を行なっている。いずれも析出型の銅合金であり、強化相として銅・ジルコニウム化合物等の析出を行うものであるが、亜鉛含有の合金と異なり、高温でも合金化が可能であるので、これらの材料作製を容易にしている。
鉛レス黄銅の開発過程で、黒鉛を添加する手法として粉末冶金法を適用することが有効であることが知られている。これは、黒鉛と黄銅の混合が、粉末を使うことによって可能となったことが大きな理由である。通常の溶製法で黒鉛添加を試みたとしても、両者の比重の違いから、黒鉛は、黄銅の溶湯上に浮いてしまい、黄銅中に分散させることができない。
特開2000−309835号公報 国際公開公報WO98/10106 特開平10−168533号公報 特開平11−209835号公報 特開2006−124835号公報
第46回銅及び銅合金技術研究会講演大会講演概要集(2006)、pp.153−154、近藤勝義ほか
本願発明の発明者らは、鉛レス黄銅合金の開発の一環として、黒鉛を添加した黄銅の開発に取り組んできた。しかし、黒鉛粒子分散型鉛フリー快削性黄銅合金は、その強度が鉛入り快削性黄銅合金と同等程度であり、飛躍的に強度が向上しているわけではない。
本発明の目的は、黄銅合金部材の強度向上に寄与する黄銅合金粉末を提供することである。
本発明の他の目的は、優れた機械的強度を有する黄銅合金押出材を提供することである。
本発明のさらに他の目的は、優れた機械的強度を有する黄銅合金部材を提供することである。
本発明のさらに他の目的は、優れた機械的強度を有する黄銅合金押出材の製造方法を提供することである。
本発明に従った黄銅合金粉末は、α相とβ相の混合相からなる黄銅組成を有し、クロムを0.5〜5.0質量%含有する。上記クロムは、黄銅の母相中に固溶する成分と、結晶粒界に析出する成分とを含む。
上記の黄銅合金粉末の集合体を押出加工すれば、機械的強度に優れた黄銅合金押出材が得られる。所望の機械的強度を得るには、クロムの含有量を0.5質量%以上にする必要がある。最終的に得られる黄銅合金押出材の機械的強度をより高めるには、黄銅合金粉末中のクロムの含有量を高めればよいが、現時点での製造上の観点から5.0質量%が限界である。より好ましいクロムの含有量は、1.0〜2.4質量%である。
黄銅の母相中に強制固溶されるクロム成分は、結晶中の転位運動を抑制して耐力値の向上に寄与する。一方、結晶粒界に析出したクロム成分は、粒界すべりを抑制して極度の加工硬化を引き起こし、引張強度の向上に寄与する。黄銅の母相中に固溶する成分は、母相中に固溶して分散する成分と、母相中に析出物として分散する成分とを含む。
黄銅合金粉末中に、ニッケル、マンガン、ジルコニウム、バナジウム、チタン、シリコン、アルミニウムおよびスズからなる群から選ばれた少なくとも一つの元素を含むようにしてもよい。
好ましくは、上記の黄銅合金粉末は、急冷凝固粉末であり、より好ましくは、水アトマイズ法によって急冷凝固させた粉末である。
この発明に従った黄銅合金押出材は、α相とβ相の混合相からなる黄銅組成を有し、クロムを0.5〜5.0質量%含有し、上記クロムが黄銅の母相中に固溶する成分と、結晶粒界に析出する成分とを含む黄銅合金粉末の集合体を押出加工することによって得られる。
一つの実施形態では、黄銅合金押出材の0.2%耐力値が300MPa以上である。また、引張強度が500MPa以上である。
黄銅合金押出材の切削性を向上させるために、一つの実施形態では、黄銅合金押出材は、黄銅合金粉末に対して0.2〜2.0重量%の黒鉛粒子を添加して混合した後に、この混合粉末集合体を押出加工することによって得られる。添加する黒鉛粒子の粒子径は、好ましくは、1μm〜100μmの範囲内にある。
この発明に従った黄銅合金部材は、α相とβ相の混合相からなる黄銅組成を有し、クロムを0.5〜5.0質量%含有し、さらにニッケル、マンガン、ジルコニウム、バナジウム、チタン、シリコン、アルミニウムおよびスズからなる群から選ばれた少なくとも一つの元素を含む。クロムは、黄銅の母相中に固溶する成分と、結晶粒界に析出する成分とを含む。
黄銅合金部材の切削性を向上させるために、一つの実施形態では、黄銅合金部材は、黒鉛粒子をさらに含む。
この発明に従った黄銅合金押出材の製造方法は、α相とβ相の混合相からなる黄銅組成を有し、クロムを0.5〜5.0質量%含有する黄銅合金粉末を急冷凝固法によって作製する工程と、上記の急冷凝固した黄銅合金粉末の集合体を押出加工する工程とを備える。
好ましくは、急冷凝固法は、水アトマイズ法である。押出加工時の加熱温度は650℃以下が好ましい。
一つの実施形態における製造方法は、押出加工に先立ち、黄銅合金粉末に対して0.2〜2.0重量%の黒鉛粒子を添加して混合する工程を備える。
上記の記載事項を含めて、本発明の構成によってもたらされる作用効果等については、以下の項目で詳しく説明する。
水アトマイズ法によって作製した粉末を示すSEM(走査型電子顕微鏡)写真であり、(a)はCr無添加の6/4黄銅合金粉末、(b)は0.5質量%Cr添加の6/4黄銅合金粉末、(c)は1.0質量%Cr添加の6/4黄銅合金粉末を示す。 作製した水アトマイズ粉末のX線回折結果を示す図である。 押出材の応力−ひずみ曲線を示す図である。 押出材の光学顕微鏡による組織写真を示す図であり、(a)は1質量%Cr添加の黄銅合金圧粉体ビレットの押出材、(b)は0.5質量%Cr添加の黄銅合金圧粉体ビレットの押出材、(c)はCr無添加の黄銅合金圧粉体ビレットの押出材、(d)はCr無添加の黄銅合金溶製ビレットの押出材を示す。 1.0質量%Cr添加の黄銅合金圧粉体ビレットの押出材のSEM像を示す写真である。 黄銅の母相中に固溶するクロム成分の濃度と耐力値との関係を示す図である。 黒鉛粒子添加量と切削性との関係を示す図である。
[新規な黄銅合金粉末作製方法]
本願発明の発明者らは、基材となる黄銅そのものの強度を上げることによって、従来にはない高強度の快削性黄銅部材を作る方法について検討した。黄銅の強度を上げる方法として、一般的には、種々の添加物を加える方法が採用される。例えば、高力黄銅は、銅亜鉛合金に、鉄、アルミニウム、マンガンなどを添加したものであり、その引張強さが460MPaと高く、耐食性も良好なため、船舶用プロペラ等に応用されている。しかしながら、この高力黄銅は、その伸びが15%程度しか保証されず、決して加工性が良いとはいえない。
黒鉛添加を視野に入れた合金開発を行なうためには、今までにない新規な黄銅合金粉末を作製し、この粉末の集合体を押出加工して強度を向上させる必要がある。従来、黄銅の生産には溶製法が採用されていたが、本発明者らは、溶製法に代えて、粉末冶金法によって新しい合金組成の黄銅合金の作製を試みた。
急冷凝固法の一種である水アトマイズ法によれば、溶湯を非常に高速で急冷凝固して粉末を作製するものであるので、粉末中に非平衡相が出現するだけでなく、微細な結晶粒が得られるといった特徴がある。本発明者らは、新たな試みとして、α相とβ相の混合相からなる黄銅合金に、第三元素としてクロム(Cr)を微量添加することによって、従来の黄銅粉末とは性質の異なる粉末を製造し、この粉末の集合体を熱間押出法で押出して固化することによって新しい素材を得た。
黄銅に様々な添加物を加えて性質を改善しようとする試みは、従来から多数行なわれているが、水アトマイズ法で6/4黄銅に遷移元素を積極的に添加したという前例は見当たらない。
本発明者らは、6/4黄銅に、高融点金属であるクロムを添加するための新しい方法を提案するものである。前述したように、黄銅を溶解して、そこにクロムを溶かし込むためには、溶湯をクロムの融点まで加熱しなければならないが、そのような加熱温度は亜鉛の沸点を超えている。そのため、現実的には、亜鉛の蒸気圧の高さを考慮すると、液体の黄銅をクロムの融点まで昇温させることは不可能といってもよい。
黄銅にクロムを添加するための別の方法として、クロムを含む母合金を使用することが考えられる。しかしながら、銅クロムの母合金もその融点が高いので、これを融解したものに黄銅を加える方法では、やはり亜鉛が蒸発してしまい、所定の組成を保つことができない。
本発明者らは、市販のCu−10%Cr母合金を用いた黄銅合金作製法を開発した。母合金中では、クロムは10〜50μm程度の大きさの粒として分散しており、銅に固溶しているわけではない。この母合金をまず1200℃程度で溶解する。この温度では、母合金に含有されているクロムは溶解しないので、固相のまま銅の液相中に浮遊している。この状態で、銅を加えてゆき、クロムの濃度が薄くなるように調節する。すると、クロム濃度が4%程度になったところで、状態図上での固液相線を越えて液相の一相状態になる。このようにして、高融点金属であるクロムを銅との混合液相にすることができた。この状態で所定量の亜鉛を添加し、水アトマイズ法で急冷凝固すると、黄銅中にクロムが強制固溶した非平衡相をもつ粉末を得ることができた。
上記と同様の方法で、黄銅中にバナジウムを強制固溶させることも可能である。ただし、バナジウムと銅との二元状態図では、固液相線はバナジウム濃度が約0.5%のところにあるため、添加バナジウム量は非常に微量となる。従って、現実的には、黄銅中へのバナジウムの添加は技術的に難易度が高いだけでなく、その添加効果を大きくすることが困難である。
本発明者らが開発した方法によれば、添加する亜鉛を極力蒸発させることなく、合金の組成制御を適切に行なうことができる。6/4黄銅においては、亜鉛成分の微妙な量の違いによって、α相とβ相の比率が変化することが知られている。また、α相とβ相の比率の違いが、黄銅合金の機械的性質にも影響を及ぼすことも知られている。
従って、本発明者らが開発した上記の粉末生成方法が、黄銅合金の組成制御という観点から見ても、黄銅に高融点金属を添加するための有利な手法であることがわかる。これに加え、比較的融点の低いニッケルおよびマンガンを添加すれば、より強度を向上させ得る粉末としてその利用価値が高まる。さらに、このようにして得られた黄銅合金粉末に黒鉛を添加して押出加工すれば、強度および快削性に優れた鉛レス快削性黄銅合金が得られる。以上のように本発明の応用範囲は広いので、本発明者らは、様々な機械的特性を持つ多品種の鉛レス黄銅の開発への道を開いたということができる。
従来の典型的な結晶粒微細化の方法は、部材に対して塑性加工と熱処理を繰り返して行なうことであったが、本発明のように粉末冶金法を用いれば既に出発原料として微細化された結晶組織を持つ粉末が準備されているので、微細化のための特別なプロセスを必要としない。また、粉末の状態で、既に材料組成が決まっているので、最終製品の組成をこの段階で把握できる。このような生産工程上の優位性に加えて、本発明に係る材料には、以下に記載する幾つかの優れた特徴がある。
[第三元素添加の効果]
通常、クロムは、黄銅にほとんど固溶しない。しかし、水アトマイズ法のような急冷凝固法を採用することにより、液相状態で溶解しているクロムは、ある一定量だけ、黄銅の母相中に強制固溶される。また、凝固の過程における結晶の成長に伴い、クロムの一部は、結晶粒界に凝縮して微細結晶粒として析出する。黄銅の母相中に固溶する成分は、厳密に言えば、母相中に固溶して分散する成分と、母相中に析出物として分散する成分とを含む。母相中に強制固溶したクロム成分と、結晶粒界に析出したクロム成分とは、加えられる応力に対して異なった作用を呈する。すなわち、母相中に強制固溶したクロム成分は、結晶中の転位運動を抑制して黄銅合金部材の耐力値の向上に寄与する。他方、結晶粒界に析出したクロム成分は、粒界すべりを抑制して極度の加工硬化を引き起こし、引張強度の向上に大きく寄与する。
マンガンを添加した場合の効果は、以下の通りである。マンガンは、クロムと異なり、基本的に黄銅に固溶する。従って、マンガンは、粒界析出物を作ることはなく、極端な加工硬化を引き起こさないが、耐力値および引張強度を共にバランスよく向上させるように作用する。その理由は、母相中に固溶したマンガンが転位をピンニングするからと思われる。
ニッケルを添加した場合の効果は、以下の通りである。ニッケルも黄銅中に完全に固溶するが、黄銅合金の熱間押出の過程でβ相からα相への変態を促し、結晶中に微細なα相を形成して耐力の向上に大きく寄与する。ただし、ニッケルは加工硬化に寄与しないため、最大引張応力に関しては、ニッケルを添加しない粉末押出材と大差はない。
クロム、マンガンおよびニッケルは、周期表の第4周期に現れる遷移元素であるが、上記のように黄銅に添加した場合の効果がそれぞれ異なっており、それらは全く異なった挙動を示す。その理由は、各遷移元素が異なる機構で黄銅を強化しているからである。従って、添加する元素を2種類以上とすれば、それぞれの効果が発現するものと考えられる。
さらに、上記の研究結果から、他の元素を添加した場合の挙動についても、推察が可能になった。周期表の第4周期の遷移元素であるバナジウムは、クロムとよく似た平衡状態図を持っている。従って、クロムの添加と同様の方法でバナジウムを添加してアトマイズ粉末を作れば、母相中に強制固溶するバナジウム成分と、結晶粒界に析出するバナジウム成分とが現れ、クロムと同様の強化機構で黄銅の性能を向上させることができる。
上記の元素以外に、一般的に黄銅の強化元素として知られているチタン、シリコン、アルミニウム、スズなども、補助的な添加元素としてクロム添加黄銅の強化に有効に働くことが期待される。
[急冷凝固法]
本発明の効果が顕著に現れる要因は、急冷凝固法によって黄銅合金粉末を作製することによって、非平衡相および微細な結晶粒を生成することに加えて、クロムの粒界析出を利用した加工硬化を引き起こしたことにある。本発明者らは、急冷凝固法の一例として、水アトマイズ法を利用した。6/4黄銅組成の水アトマイズ粉末の特徴は、非平衡相のβ相になることである。より具体的に説明する。6/4黄銅合金の急冷凝固過程において、固液相線を越えたところはβ相領域であるので、粉末はβ相として凝固する。そのままゆっくりと冷却すれば、相変態してα相とβ相の混合相になるはずであるが、急冷度が高いためにこの相変態はほとんど起こらない。このβ相粉末を熱間加工する過程で昇温したとき、β相からα相への相変態が起こり、混合相となる。
ある種類の添加元素は、β相を安定に保つ効果を発揮する。クロムおよびマンガンには、α相への変態を遅らせる効果が認められた。これは、結晶粒内での原子拡散を抑制している効果であり、急冷凝固で形成された非平衡相を保持する効果が高いと考えられる。
本発明では、凝固過程における粒界析出物が粒界すべりを抑制することによって、加工硬化現象を顕著に発現している。好ましくは、粒界析出物の大きさを、100nm〜500nm程度のサイズ(最大長さ)に制御する。また、析出物の分散状態も重要なファクターであり、組織中で析出物が均一に分散していることが理想なので、原料粉末が均質であることが望ましい。粉末作製法として、アトマイズ法であれば、凝固速度とそれに伴う粉末粒径の制御が容易である。
[押出加工]
黄銅合金押出材の強度の向上には、押出温度が非常に重要な因子となる。押出温度は、低いほど望ましい。粉末の集合体を押出加工するには、粉末を加熱する必要がある。この加熱温度が高ければ、原子拡散が早くなり、急冷凝固で作られた非平衡相が熱平衡状態に近づいてしまう。従って、黄銅合金粉末集合体を、押出加工が可能な最低温度で押出すことが重要である。好ましい押出温度は650℃以下である。押出温度の下限値を決定することは困難である。なぜなら、下限温度は、押出ビレットの大きさ、押出比、装置の押出最大荷重等によって決まるからである。500℃での押出が可能であればその温度が適切な条件であるといえるが、実際には、押出加工を行なうには550℃以上が必要になると思われる。
押出の際には、ビレットの放熱による温度降下、および押出圧力による温度上昇の二つのファクターが影響して実際の押出温度が決まる。従って、押出温度を規定することは現実的ではなく、ビレットの加熱温度を管理するのが実用的である。黄銅の押出実験では、ビレットの加熱管理温度を650℃にしたとき、押出開始までに48秒を要したことがある。模擬実験で得たデータと照らし合わせると、このときの押出開始温度は577℃になる。
本発明者らは、クロム含有黄銅合金粉末集合体を押出加工する際の押出速度を制御することで、より高強度の材料が得られることを見出した。より高強度の材料を得るための押出条件としては、低温での押出が効果的であり、さらに押出速度を低速にすることでより強度の向上が見込まれる。この点については、実験結果に基いて後述する。
黄銅合金押出材の切削性を向上させるために、クロム含有黄銅合金粉末に黒鉛粒子を添加して混合し、この混合粉末集合体を押出加工するようにしても良い。切削性向上効果を発現するには、クロム含有黄銅合金粉末に対して0.2〜2.0重量%の黒鉛粒子を添加する必要がある。添加黒鉛粒子の粒子径は、好ましくは、1μm〜100μmの範囲内である。
[元素の添加量]
第三元素の添加量については、各種元素により適量がある。
クロムについては、0.5質量%の添加で耐力値の向上が認められた。さらにクロムの添加量を増して1質量%にすると、耐力値には差が認められなかったものの、引張強度が非常に高い値を示した。従って、クロムの添加量は0.5質量%以上が好ましく、より好ましくは1.0質量%以上である。
クロム含有量の上限値は、5.0質量%である。粉末製造段階での制限により、銅−クロムの液相状態でクロムの濃度の上限は4%となる。ここで亜鉛を添加した場合に、クロム含有量は2.4質量%となる。銅−クロムの溶解温度を上げることで、クロムの含有量を増やすことは可能である。例えば、溶解温度を1300℃まで上げると、クロムを8%の濃度まで溶解可能であり、ここで亜鉛を添加した場合のクロム含有量は5.0質量%となる。しかしながら、この温度では、亜鉛の蒸気圧が高くなりすぎて、組成制御が困難となる。従って、より好ましいクロム含有量の上限値は、2.4質量%である。
バナジウムは、極微量であっても、粒界析出が起こる。銅−バナジウムの液相状態でのバナジウムの濃度の上限値が0.5%であることを考慮すると、バナジウムの効果を最大限に活かすためには上限値近くまでバナジウムを添加すべきである。その場合、亜鉛添加により、バナジウムの濃度は、0.3質量%となる。バナジウムの濃度をこの値よりも大きくするためには、溶解温度を上げる必要がある。しかし、1200℃以上の温度になると亜鉛の蒸気圧が非常に高くなりすぎるため、最適の組成で粉末を作ることが困難になる。従って、バナジウム添加の効果は限定的にならざるを得ず、他元素との組合せでの強化が必要になる。
黄銅にマンガンを添加することによって得られる効果については、既に多くの研究例があり、高マンガン黄銅として実用化もされている。本発明においては、上記のクロム添加、またはクロムおよびバナジウム添加と組み合わせて、マンガンを補助的に添加することにより、黄銅合金をより高強度化することができる。マンガン添加量としては、0.5質量%で十分な効果が得られることを確認した。従来の研究例によると、マンガンの添加量を増大すると材料の加工性を著しく低下させることも認められているので、マンガン添加量の好ましい上限値は、化合物を作らない範囲である7質量%以下である。より好ましいマンガンの添加量は、1〜3質量%であり、この量を超えると伸びが低下して、黄銅の加工性の低下をきたすおそれがある。
ニッケルは、銅に対して全率固溶するので、Cu−Zn−Ni系においては任意の量を添加して合金化することが可能である。従って、本発明において、ニッケルの添加量については特に上限はない。ニッケルの添加は、耐力値のみを引き上げるという特殊な効果をもたらすものであり、1質量%の添加量で300MPaを超える耐力値を実現できる。
合金部材の実用上の見地からすれば、引張強度よりも耐力値の方が重要であることは言うまでも無い。本発明にとっての最大の効果は6/4黄銅に所定量のクロムを含有させたことにあるが、ニッケルをさらに添加することによってより多くの利点が得られる。クロムは高融点であるがゆえに、微量であっても添加させることが容易ではない。これを克服する手法として、冶金学における熱平衡状態を利用することを既に説明した。クロムとニッケルの効果を同時に発現させるためには、当然両方の元素を添加することになる。この場合の添加方法として、より容易な方法がある。すなわち、クロムのみを添加するためには、前述したようなプロセスを取ることになるが、同時にニッケルも添加するためには、母合金に最初からクロムとニッケルが含まれていることが好ましい。
ニッケルクロム合金は市販されており、合金化することでその融点は下がり、1345℃になる。この合金と銅とを高周波炉を使って溶解することは可能である。ニッケルとクロムとの混合比は1:1になるが、銅−クロム母合金を使って製造するよりもはるかに容易に溶湯を作ることができる。この方法を使ってニッケルを添加することを実施するならば、ニッケル添加量の好ましい上限値は、クロムと同じく、2.4質量%となる。
ニッケルとクロムの母合金での混合比率を変えることにより、ニッケル添加量を増やすことが可能である。母合金でクロム添加量を増やすことは急激に融点を高めてしまうので、粉末製造の難易度が上がるが、ニッケルの比率を上げても融点はあまり上がらず、ニッケルの融点を超えることは無い。従って、ニッケルリッチの粉末を作ることは可能であり、ニッケルの添加量を増やすことは可能である。ニッケルの添加量の上限値については特に制限されないが、黄銅としての特性を損なわない範囲として、5質量%以下の添加に留めておくのが望ましい。ニッケルの含有量をこの範囲にしておけば、所望の機械的特性を持った合金を作ることが可能であり、広い応用範囲に適用可能となる。
その他の添加元素に関しては、概ね数%程度、少なくとも0.1%以上で添加効果を発現する。各種元素の適量、組合せについては、求める機械的性質によって異なってくる。強度向上の観点から見れば、ジルコニウムは結晶粒微細化効果を発現するので、0.1%の添加でも十分にその効果が認められ、ホールペッチの経験則から明確な強化元素であるといえる。
チタンやアルミニウムなどは、固溶強化により母相の強度を上げるので、1%以下の微量添加でもその効果を発現する。
シリコンは、通常、分散強化に用いられる元素であり、3%程度の添加が適量である。しかしながら、他の元素との兼ね合いから、添加が必ずしも強化につながらない場合もある。特に、本発明の合金系では、クロムの析出サイトとシリコンの分散サイトとが同一箇所になってしまうと、強化効果が得られなくなる。従って、クロムの添加量によってシリコンの添加量は制限される関係にあり、クロムとシリコンとを合わせて3%以下にするのが好適といえる。
スズは、0.3%程度で固溶して強化元素としての効果を発現するが、添加量を増やすとγ相が出現するため、脆化の原因となり、多量添加は好ましくなく、0.1%〜0.5%の範囲が好適といえる。
[粉末の作製]
Cu−40%Znの黄銅素材より、水アトマイズ法によって、Cr無添加の黄銅粉末、0.5質量%Cr添加の黄銅粉末、および1.0質量%Cr添加の黄銅粉末を作製した。粉末の化学組成を表1に示し、粉末の外観のSEM(Scanning Electron Microscope)写真を図1に示す。図1の(a)はCrを添加していない6/4黄銅合金粉末を示し、(b)は0.5質量%Crを添加した6/4黄銅合金粉末を示し、(c)は1.0質量%Crを添加した6/4黄銅合金粉末を示す。
作製した粉末のX線回折結果を図2に示す。Cr無添加の黄銅合金粉末および0.5質量%Crを添加した黄銅合金粉末では、β相のみが検出された。1.0質量%Crを添加した黄銅合金粉末では、α相とβ相の2相が検出された。6/4黄銅組成の場合、液相から固液相線を越えるとβ相になり、急冷凝固粉末は一般的にα変態せずに冷却される。1.0質量%Cr添加の黄銅合金粉末を詳細に調査した結果、α相粉末とβ相粉末の混合状態であった。アトマイズの過程で個々の粉末に冷却速度差が生じ、α変態した粉末が生成したものと考えられる。なお、Crは微細粒子として存在するため、X線回折では明瞭な回折ピークは検出されなかった。
[1.0質量%Cr添加の黄銅合金粉末の押出]
水アトマイズ法で作製された組成59%Cu−40%Zn−1%Crの粉末を600MPaで圧粉して押出用ビレットとした。このビレットを電気炉で加熱して押出加工を行なった。加熱用電気炉の温度条件を、650℃、700℃、750℃、780℃の4種類とした。ビレットを、押出機によって押出速度3mm/s、押出比37の条件で加工し、棒材を得た。
棒材から評点間距離10mm、胴回り3mmの引張試験片を切り出して、引張試験を行い、0.2%耐力値および最大引張強度を測定した。その結果を表2に示す。
表2の結果から明らかなように、ビレットを650℃の温度に加熱して押出したものが、最大引張強度および0.2%耐力値において高い数値を示した。加熱温度を上げていくと、これらの機械的強度は低下する傾向にあった。従って、押出前のビレットの加熱温度は、650℃以下が望ましい。
[0.5質量%Cr添加の黄銅合金粉末の押出]
水アトマイズ法で作製された組成59.5%Cu−40%Zn−0.5%Crの粉末を600MPaで圧粉して押出用ビレットとした。このビレットを電気炉で加熱して押出加工を行なった。加熱用電気炉の温度条件を、650℃、700℃、750℃、780℃の4種類とした。ビレットを、押出機によって押出速度3mm/s、押出比37の条件で加工し、棒材を得た。
棒材から評点間距離10mm、胴回り3mmの引張試験片を切り出して、引張試験を行い、0.2%耐力値および最大引張強度を測定した。その結果を表3に示す。
表3の結果から明らかなように、ビレットを650℃の温度に加熱して押出したものが、最大引張強度および0.2%耐力値において高い数値を示した。加熱温度を上げていくと、これらの機械的強度は低下する傾向にあった。従って、押出前のビレットの加熱温度は、650℃以下が望ましい。
また、表2の結果と比較すればわかるように、0.2%耐力値に関しては、0.5%Cr添加のものと、1.0%Cr添加のものとでほぼ同じ値を示した。従って、添加するクロム量が少なくても耐力値は維持されることが認められた。しかし、最大引張強度はクロム量が少なくなると低下している。このことは、耐力値が強制固溶したクロム量によって決まるのに対し、最大引張応力は余剰なクロムが粒界に析出することによって加工硬化度が上昇していることの裏付けとなっている。
[1.0質量%Ni添加の黄銅合金粉末の押出]
水アトマイズ法で作製された組成59%Cu−40%Zn−1.0%Niの粉末を600MPaで圧粉して押出用ビレットとした。このビレットを電気炉で加熱して押出加工を行なった。加熱用電気炉の温度条件を、650℃、700℃、750℃、780℃の4種類とした。ビレットを、押出機によって押出速度3mm/s、押出比37の条件で加工し、棒材を得た。
棒材から評点間距離10mm、胴回り3mmの引張試験片を切り出して、引張試験を行い、0.2%耐力値および最大引張強度を測定した。その結果、ビレットを650℃で加熱して押出したものは、その0.2%耐力値が311MPaで、最大引張強度が479MPaであった。加熱温度を上げていくと、これらの機械的強度は低下する傾向にあった。従って、押出前のビレットの加熱温度は、650℃以下が望ましい。
[0.7質量%Mn添加の黄銅合金粉末の押出]
水アトマイズ法で作製された組成59%Cu−40%Zn−0.7%%Mnの粉末を600MPaで圧粉して押出用ビレットとした。このビレットを電気炉で加熱して押出加工を行なった。加熱用電気炉の温度条件を、650℃、700℃、750℃、780℃の4種類とした。ビレットを、押出機によって押出速度3mm/s、押出比37の条件で加工し、棒材を得た。
棒材から評点間距離10mm、胴回り3mmの引張試験片を切り出して、引張試験を行い、0.2%耐力値および最大引張強度を測定した。その結果、ビレットを650℃で加熱して押出したものは、その0.2%耐力値が291MPaで、最大引張強度が503MPaであった。加熱温度を上げていくと、これらの機械的強度は低下する傾向にあった。従って、押出前のビレットの加熱温度は、650℃以下が望ましい。
[Cr無添加の黄銅合金粉末の押出]
水アトマイズ法で作製された組成60%Cu−40%Znの粉末を600MPaで圧粉して押出用ビレットとした。このビレットを電気炉で加熱して押出加工を行なった。加熱用電気炉の温度条件を、650℃、700℃、750℃、780℃の4種類とした。ビレットを、押出機によって押出速度3mm/s、押出比37の条件で加工し、棒材を得た。
棒材から評点間距離10mm、胴回り3mmの引張試験片を切り出して、引張試験を行い、0.2%耐力値および最大引張強度を測定した。その結果を表4に示す。
表4の結果から明らかなように、ビレットを650℃の温度に加熱して押出したものが、最大引張強度および0.2%耐力値において高い数値を示した。加熱温度を上げていくと、これらの機械的強度は低下する傾向にあった。従って、押出前のビレットの加熱温度は、650℃以下が望ましい。
[Cr無添加の黄銅合金の溶製材ビレットの押出]
組成60%Cu−40%Znの溶製材ビレットを電気炉で加熱して押出加工を行なった。加熱電気炉の温度条件を650℃、700℃、750℃、780℃の4種類とした。ビレットを、押出機によって押出速度3mm/s、押出比37の条件で加工し、棒材を得た。
棒材から評点間距離10mm、胴回り3mmの引張試験片を切り出して、引張試験を行なった。その結果、ビレットを650℃で加熱して押出したものは、その0.2%耐力値が226MPaで、最大引張強度が442MPaであった。
[最大引張強度および0.2%耐力値の比較]
各種ビレットを650℃の温度に加熱して押出加工した黄銅合金押出材の最大引張強度および0.2%耐力値を比較し、それを表5に示した。また、押出材の応力−ひずみ曲線を図3に示す。比較したビレットは、Cr無添加の黄銅合金の溶製ビレット、Cr無添加の黄銅合金圧粉体ビレット、0.5%Cr添加の黄銅合金圧粉体ビレット、1.0%Cr添加の黄銅合金圧粉体ビレットの4種類である。
図3および表5から、次のことを理解できる。まず、Cr無添加の黄銅合金ビレットの2種類を比較すると、溶製ビレットよりも圧粉体ビレットの方が、最大引張強度および0.2%耐力値の両者において高い数値を示している。具体的には、圧粉体ビレットにすることによって、最大引張強度が5.4%向上し、0.2%耐力値が20.7%向上している。この点からだけでも、粉末冶金法の優位性は明らかである。
さらにクロムを1.0質量%添加した圧粉体ビレットと、Cr無添加の溶製ビレットとを比較すると、1.0質量%のCrを添加した圧粉体ビレットの押出材は、その最大引張強度が27.8%向上し、0.2%耐力値が40.2%向上している。0.2%耐力値が大きく向上しているのは、強制固溶しているクロムによる固溶強化であると考えられる。
また、Cr無添加の圧粉体ビレットに比較して、Cr添加の圧粉体ビレットの最大引張強度が大きく向上していることが認められる。これは、粉末製造工程の凝固過程において、固溶しきれなかったクロムが結晶粒界で濃化することによってクロムの粒界偏析が起こり、100nm〜500nm程度の直径を持った球状の析出物が主に粒界三重点や粒界上に存在していることが原因として考えられる。こうした微細析出物は、塑性変形時の粒界すべりに対して大きな抵抗力として働き、結果として高い加工硬化度を示した。
[組織観察結果]
ビレットの加熱温度を650℃にして押出加工した押出材の光学顕微鏡による組織観察結果を図4に示す。図4の(a)は1質量%Cr添加の黄銅合金圧粉体ビレットの押出材、(b)は0.5質量%Cr添加の黄銅合金圧粉体ビレットの押出材、(c)はCr無添加の黄銅合金圧粉体ビレットの押出材、(d)はCr無添加の黄銅合金溶製ビレットの押出材を示す。
図4の写真を比較観察すれば明らかなように、溶製ビレット押出材に比べて、圧粉体ビレット押出材はより微細な結晶粒を有している。黄銅合金溶製ビレット押出材の場合、結晶粒サイズは3〜10μmであるのに対し、Cr無添加の黄銅合金圧粉体ビレット押出材の結晶粒サイズは1〜6μmと微細になっている。また、Cr添加の黄銅合金圧粉体ビレット押出材になると、結晶粒サイズがサブミクロン〜5μmと更なる微細化が進行していることが認められる。
結晶粒微細化に伴い、耐力値はホールペッチ(Hall−Petch)の経験則に従って増加した。Cr添加材の組織には、黒点状の1μm以下の微細な析出物が結晶粒界に観察された。EDS分析を行なった結果、これらの析出物はCrであることを同定した。
図5は、1質量%Cr添加の黄銅合金圧粉体ビレットの押出材のSEM像を示している。
なお、以上の説明では、黄銅合金粉末または黄銅合金粉末押出材を中心に記載したが、本発明は、黄銅合金部材にも適用可能である。すなわち、黄銅合金部材は、α相とβ相の混合相からなる黄銅組成を有し、クロムを0.5〜5.0質量%含有し、さらにニッケル、マンガン、ジルコニウム、バナジウム、チタン、シリコン、アルミニウムおよびスズからなる群から選ばれた少なくとも一つの元素を含む。
[降伏応力(YS)の増大]
クロムを添加することによって黄銅合金部材の降伏応力が増大することが認められるが、この降伏応力増大に寄与するのは、クロムのうち、特に、黄銅の母相中に固溶して分散するクロム成分である。組織解析の結果を利用し、析出物を定量化することで添加したクロムの量から母相中に固溶したクロムの量を算出した。
クロム無添加の黄銅合金部材の降伏応力とクロム添加の黄銅合金部材の降伏応力との差を縦軸で表し、母相中に固溶したクロム成分の濃度(%)を横軸に表したのが図6である。クロム固溶量が0.22%のとき降伏応力の増加量は34MPaで、クロム固溶量が0.35%のとき降伏応力の増加量は54MPaであった。このように、黄銅の母相中に固溶するクロムの濃度に比例して降伏応力が増大していることが認められた。
[黒鉛粒子添加による快削性の向上]
粉末押出による黄銅合金押出材の作製においては、黒鉛粒子を添加することにより、鉛フリーにして環境への悪影響を抑制することができる。一般の黄銅に対して黒鉛を添加することは過去になされたことがあるが、クロムを添加して強度を向上させた黄銅合金に対して黒鉛を添加した前例は無い。そこで、クロム添加により強度を向上させた黄銅への黒鉛添加を行い、切削性の向上を試みた。
使用した黒鉛粒子の平均粒子径は5μmであった。水アトマイズ法で作製したクロム含有黄銅粉末と、黒鉛粒子とを機械的撹拌法で混合した。この混合粉末を前述の方法と同様に圧粉体ビレットとし、熱間押出加工を施して棒材を得た。添加する黒鉛粒子の量としては、クロム含有黄銅合金粉末に対して0.5重量%、0.75重量%および1.0重量%の3種類とした。
図7は、黒鉛粒子添加量と切削性との関係を示す図である。クロム含有黄銅合金粉末に黒鉛粒子を添加して押出加工すれば、切削性が飛躍的に向上することが認められた。切削性の評価は、ドリルによる貫通試験の試験時間を計測することで行った。試験片は5cmの長さに切断した丸棒であり、これにドリル径4.5mmで貫通試験を行った。ドリルには1.3kgfの荷重を与え、主軸回転数を900rpmとした。10回の試験を行い、貫通に要する時間を平均したものを図7のグラフに表示した。
黒鉛を全く添加していない試験片では、180秒以上の切削を行ってもドリルは全く貫通しなかった。ドリルの切削進行が止まっているように見られたため、180秒で貫通しないものに関してはそこで試験を中止することにした。
黒鉛添加量と、ドリル貫通に要する時間との関係を調べた。0.5%クロム含有黄銅合金では、黒鉛無添加の場合に180秒以上であったものが、0.5%の黒鉛添加量で平均28秒の時間でドリルが貫通した。0.75%以上の黒鉛添加量では、貫通時間が20秒以下となり、切削性の飛躍的な向上が認められた。したがって、0.5%クロム含有黄銅合金の場合においては、0.75%以上の黒鉛添加が切削性を大幅に向上させるのに好適な条件であるということができる。
1.0%クロム含有黄銅合金では、黒鉛を0.5%添加しても貫通時間は180秒以上であった。黒鉛添加量を0.75%に増加させると、平均38秒でドリルが貫通した。また、黒鉛添加量を1.0%にすると、貫通時間は20秒以下となった。したがって、1.0%クロム含有黄銅合金の場合においては、1.0%以上の黒鉛添加が切削性を大幅に向上させるのに好適な条件であるということができる。
[低速押出による強度の向上]
本発明者らは、クロム含有黄銅合金の押出速度を制御することで、より高強度の材料が得られることを見出した。高強度材を得るための押出条件としては、低温での押出が効果的であるが、さらに押出速度を低速にすることにより、より強度を向上させることができる。実測値を記載すると、1.0%クロム含有黄銅合金の場合、通常の押出速度(ラム速度3mm/s)で押出を行ったときの耐力値は317MPaで、最大引張強度は565MPaであったが、この押出速度を十分の一(ラム速度0.3mm/s)に減じて押出加工を行ったところ、耐力値は467MPaまで向上し、最大引張強度は632MPaまで向上した。
以上、図面を参照してこの発明の実施形態を説明したが、この発明は、図示した実施形態のものに限定されない。図示した実施形態に対して、この発明と同一の範囲内において、あるいは均等の範囲内において、種々の修正や変形を加えることが可能である。
本発明は、優れた機械的特性を有する6/4黄銅合金部材の製造に有利に利用され得る。

Claims (17)

  1. α相とβ相の混合相からなる黄銅組成を有する黄銅合金粉末であって、
    クロムを0.5〜5.0質量%含有し、
    前記クロムは、黄銅の母相中に固溶する成分と、結晶粒界に析出する成分とを含む、黄銅合金粉末。
  2. 前記黄銅の母相中に固溶する成分は、母相中に固溶して分散する成分と、母相中に析出物として分散する成分とを含む、請求項1に記載の黄銅合金粉末。
  3. 前記クロムの含有量は、1.0〜2.4質量%である、請求項1に記載の黄銅合金粉末。
  4. 前記粉末中に、ニッケル、マンガン、ジルコニウム、バナジウム、チタン、シリコン、アルミニウムおよびスズからなる群から選ばれた少なくとも一つの元素を含む、請求項1に記載の黄銅合金粉末。
  5. 前記粉末は、急冷凝固粉末である、請求項1に記載の黄銅合金粉末。
  6. 前記急冷凝固粉末は、水アトマイズ法によって急冷凝固させた粉末である、請求項5に記載の黄銅合金粉末。
  7. α相とβ相の混合相からなる黄銅組成を有し、クロムを0.5〜5.0質量%含有し、前記クロムが黄銅の母相中に固溶する成分と、結晶粒界に析出する成分とを含む黄銅合金粉末の集合体を押出加工することによって得られる、黄銅合金押出材。
  8. 0.2%耐力値が300MPa以上である、請求項7に記載の黄銅合金押出材。
  9. 引張強度が500MPa以上である、請求項7に記載の黄銅合金押出材。
  10. 前記黄銅合金粉末に対して0.2〜2.0重量%の黒鉛粒子を添加して混合した後に、この混合粉末集合体を押出加工することによって得られる、請求項7に記載の黄銅合金押出材。
  11. 前記添加黒鉛粒子の粒子径は、1μm〜100μmの範囲内にある、請求項10に記載の黄銅合金押出材。
  12. α相とβ相の混合相からなる黄銅組成を有し、クロムを0.5〜5.0質量%含有し、さらにニッケル、マンガン、ジルコニウム、バナジウム、チタン、シリコン、アルミニウムおよびスズからなる群から選ばれた少なくとも一つの元素を含み、前記クロムが黄銅の母相中に固溶する成分と、結晶粒界に析出する成分とを含む、黄銅合金部材。
  13. 黒鉛粒子をさらに含む、請求項12に記載の黄銅合金部材。
  14. α相とβ相の混合相からなる黄銅組成を有し、クロムを0.5〜5.0質量%含有する黄銅合金粉末を急冷凝固法によって作製する工程と、
    前記急冷凝固した黄銅合金粉末の集合体を押出加工する工程とを備える、黄銅合金押出材の製造方法。
  15. 前記急冷凝固法は、水アトマイズ法である、請求項14に記載の黄銅合金押出材の製造方法。
  16. 前記押出加工時の加熱温度は650℃以下である、請求項14に記載の黄銅合金押出材の製造方法。
  17. 前記押出加工に先立ち、前記黄銅合金粉末に対して0.2〜2.0重量%の黒鉛粒子を添加して混合する工程を備える、請求項14に記載の黄銅合金押出材の製造方法。

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