JP5759426B2 - チタン合金及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、チタン合金に係るもので、特に、銅粉、クロム粉または鉄粉を配合したチタン合金であって、引っ張り強度のみならず優れた伸びを有するチタン合金材およびその製法に関する。
チタン合金は、古くから航空機の用途として古くから知られているが、近年の省エネに係る課題解決手段の一つとして機体の軽量化が望まれている。
航空機材料の機体を軽量化するには、現状の航空機材料と強度は匹敵するものの比重の小さい材料を用いることが有効と考えられている。
航空機に使用されるチタン合金は、6Al−4V合金が主流となっており、この合金の高温における強度を更に向上或いは改善した材料が望まれている。
前記したチタン合金の代替材料としては、例えば、Ti−6Al−2Sn−4Zr−2Mo合金(6242合金)やTi−6Al−2Sn−4Zr−6Mo(6246合金)が知られている。前記したような合金は確かに強度の点では優れているものの、伸びの点では必ずしも満足のいく性能を保証しているものではなく、更なる改善が求められている。
この点については、6Al−4V合金の改良型合金としては、Ti−6Al−6V−2Sn(いわゆる662合金等)が公知文献として知られているが、いずれも強度の点では優れてはいるものの、伸びといういわゆる靭性という点では、まだ改良の余地が残されている。
さらには、前記したチタン合金は、いずれも溶解法で製造されているため、切削加工あるいは鍛造加工のような形で製造できないような複雑な形状の部材を製造したい場合もあるが、64合金は強度が高いために前記した加工を行なうことは難しく改善が求められている。
このような点については、素粉末混合法という手法により、(α+β)二相組織をもつチタン合金部材を製造する方法も知られている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、各合金粉末を個別に準備してこれを配合して合金粉を準備し、更に、これを成形・焼結する工程を得るため、工程が複雑となり、その結果、最終的にコストが上昇し、現実的には使用しにくいという課題が残る。
前記したような点については、例えば、64チタン合金粉に対して鉄、クロムあるいは銅を添加することで、溶解法では実現できない高機能特性を有する組成のチタン合金を偏析なく製造できることが知られている(例えば、特許文献2参照)。
確かに、特許文献2に開示されたようなチタン合金を対象にした場合には、安価でしかも強度の高いチタン合金を製造することが可能となる。しかしながら、近年の64合金に対しては、強度は多少犠牲にしても、靭性に優れて合金に対するニーズも出てきており、このようなニーズに対しては、前記した公知文献に開示あるいは記載されている技術では対応することができず改善が求められている。
このように、引っ張り強度と伸びのバランスがとれたチタン合金であって、かつ、コストの安価なチタン合金およびその製造方法が望まれている。
特開2004−076095号公報 WO2011−152553号公報
本発明は、チタン合金スクラップまたはチタン合金インゴットを原料として、粉末法により品質の優れたチタン合金およびその製造方法を提供することを目的とする。
かかる実情に鑑み前記課題について鋭意検討を進めたところ、チタン合金粉に対して鉄粉、クロム粉または銅粉を適量添加して複合粉とし、前記複合粉を押出し処理して焼結部材とした後、更に溶体化処理あるいは、溶体化処理および時効処理を加えることにより、引っ張り強度のみならず伸びも優れたチタン合金を製造することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
また、前記チタン合金粉に添加する第3の金属の配合比も適切に選択することにより同材料の引っ張り強度のみならず、伸びにも従来のチタン合金に比べて優れていることも見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明に係るチタン合金は、チタン合金粉に、銅粉、クロム粉または鉄粉から選択される1種の金属粉を配合したチタン合金複合粉を原料とし、これを押出により緻密化後、830℃以上で溶体化処理されたチタン合金であって、α+βの結晶組織からなり、結晶組織の中にα結晶を含んでいることを特徴とするものである。
本発明に係るチタン合金中のβ結晶には、鉄、クロムまたは銅が均一に固溶していることを好ましい態様とするものである。
本発明に係るチタン合金の原料であるチタン合金粉に添加する鉄粉の配合比は、3wt〜15wt%とすることを特徴とするものである。
本発明に係るチタン合金の原料であるチタン合金粉に添加するクロム粉の配合比は、4wt%〜6wt%とすることを特徴とするものである。
本発明に係るチタン合金の原料であるチタン合金粉に添加する銅粉の配合比は、2.5wt%〜6.0wt%とすることを特徴とするものである。
また、本発明に係るチタン合金中の扁平状α結晶がクラスターを形成していることを好ましい態様とするものである。
さらには、本発明に係るチタン合金中の引っ張り強度が1200MPa以上であって、しかも伸びが20%以上であることを好ましい態様とするものである。
本発明に係るチタン合金の製造方法は、チタン合金粉に、銅粉、クロム粉または鉄粉から選択された少なくとも1種以上の金属粉を添加したチタン合金複合粉を原料とし、これを押出により緻密化し、溶体化処理することを特徴とするものである。
本発明に係るチタン合金の製造方法においては、前記の溶体化処理を、800℃〜β変態点にて行った後、更に、400〜700℃、好ましくは、550℃〜650℃にて時効処理したことを好ましい態様とするものである。
以上、本発明に係るチタン合金材は、従来の合金に比べて、強度のみならず伸びにも優れているという効果を奏するものである。さらには、溶解および凝固を経ないため、銅やクロムあるいは鉄の偏析が起きず、その結果、溶解法では分散または固溶させることが困難とされていた高い濃度の銅やクロムまたは鉄を添加することができるという効果を奏するものである。また、チタン合金粉末と、銅粉、クロム粉または鉄粉との反応は緻密化工程でおこるので、混合の段階ではメカニカルアロイング等の特殊な手法は不要であるという別異の効果も奏するものである。
本発明に係る合金の組織写真である。 本発明に係る合金の組織写真である。
本発明の最良の実施形態について以下に説明する。
まずは、本発明に係るチタン合金材の例として、64合金をベースにこれに銅粉を添加したチタン合金を例にとり、その特性および製法につき以下に説明する。
本実施態様に係るチタン合金は、64合金粉に鉄粉を配合したチタン合金複合粉を得た後、前記複合粉を押出により緻密化されたチタン合金であって、前記チタン合金がβrichな結晶組織からなり、結晶組織の中に扁平状のα結晶を含んでいることを好ましい態様とするものである。
ここでいうところのチタン64合金粉とは、Ti−6Al−4Vの合金粉を意味するものである。当該合金粉は、金属アルミニウム粉および金属バナジウム粉およびチタン粉を所定量づつ秤量して、均一に混合した粉を本発明に係る原料として使用することができるが、本発明においては、64チタンスクラップを原料として用いることを好ましい態様とするものである。
即ち、64合金スクラップを水素化した後、粉砕整粒してから、脱水素して得られた合金粉を本発明に係る原料として使用することが好ましい。前記した方法で製造された64合金チタン粉は、原料としてスクラップチタンを使用するために、金属アルミニウム粉および金属バナジウム粉およびチタン粉を個別に準備してこれを混合して本発明に係るチタン粉とする方法に比べて安価に64合金粉を準備することができる、という効果を奏するものである。
本発明においては、特に、前記した64合金粉に対して3wt〜15wt%の鉄粉を添加することを好ましい特徴とするものである。前記した量の鉄粉を配合することで、64合金単体の場合に比べて、鉄粉を添加した64合金粉を原料として製造された焼結体の強度は、鉄粉を添加しない64合金単味を原料として製造された焼結体に強度に比べて、高い強度を示すという効果を奏するものである。
さらに好ましくは、64合金粉に対して、鉄粉を3.5wt%〜6wt%添加すると、同原料粉で製造された焼結体の強度は、15%〜30%の範囲だけ、改善されるという効果を奏するものである。
本実施態様においては、鉄粉を例にとって説明したが、鉄粉に代えて銅粉を用いても良い。前記銅粉を使用する場合には、64合金粉に添加する比率は、2.5wt%〜6.0wt%の範囲に添加することを好ましい態様とするものである。
その結果、前記混合粉を原料として得られた焼結体の強度は、銅粉を添加しない場合に比べて10%〜15%だけの引っ張り強度の改善が達成されるという効果を奏するものである。
また、前記銅粉に代えて、クロム粉を添加しても良い。クロム粉の場合には、4wt%〜6wt%だけ64合金粉に配合することが好ましいとされる。前記した範囲のクロム粉を添加することにより、同粉を原料として得られた焼結体の強度は、クロム粉を添加しない場合に比べて15%〜25%の引っ張り強度の改善が認められる、という効果を奏するものである。
本発明においては、前記した46合金複合粉を熱間押出によって、固化成形することができるという効果を奏するものである。従来の技術では、64合金は粉であっても通常の金属チタンに比べて、変形抵抗が大きいためにHIPあるいはCIPを使用して固化成形することが難しいが、本発明に係る押出という手法を利用することにより、緻密な成形体を極めて短時間のうちに製造することができるという効果を奏するものである。
熱64合金の複合粉の熱間押出に際先立って、64合金粉を金属性のカプセルに封入しておくことが好ましい。前記した金属性のカプセルに64合金粉を封入した後、前記カプセルごと全体を押出することが好ましい。
前記カプセルの材質は、カプセルに封入した金属と同程度の変形抵抗を示す金属で構成することが好ましい。前記したような変形抵抗を有するカプセルを使用することで、カプセル内に充填した64合金複合粉を効率よく押出することができるという効果を奏するものである。
前記した64合金複合粉の押出は熱間で行なうことが好ましい。具体的には、押出の温度は、850℃〜(β変点−20℃)の範囲が好ましいとされ、より、好ましくは、850℃〜(β変点−30℃)の範囲が好ましい範囲とされる。前記した範囲の温度にて、64合金粉を押出することにより、緻密な成形体を形成させることができる、という効果を奏するものである。
前記成形体の内部組織を観察してみると緻密な結晶組織で構成することができているという効果を奏するものである。即ち、前記した熱間押出工程は、64合金粉の成形と焼結の工程を同時に行なわせることができることを意味するものである。
よって、従来の方法では、達成しえなかった64合金または64合金粉を熱間で押出しすることにより、緻密な内部組織を有するチタン合金を製造することができるという効果を奏するものである。
本発明においては、前記の方法で製造されたチタン粉を更に、溶体化処理することを特徴とするものである。前記した溶体化処理の温度は、800℃〜β変態点にて行うことが好ましく、具体的には、820℃〜900℃の範囲が好ましく、さらには、830℃〜870℃の温度範囲がより好ましいとされる。
溶体化処理の時間は、焼結体のサイズにより適宜選択することができる、例えば、直径が 20mm〜35mmで全長が4000mm〜7000mm程度の丸棒の場合では、溶体化温度は、830℃〜870℃の場合には、0.5時間〜2時間が好ましい範囲とされる。
本発明においては、更に、前記した溶体化処理の後に、時効析出処理することを好ましい態様とするものである。
前記した時効析出処理の温度は、400℃〜700℃の範囲が好ましい範囲とされる。前記した温度範囲の下限以下の場合には、析出α粒が微細すぎるために強度はアップするものの伸びが出なくなるという新たな課題が生起されるからである。一方、前記した時効析出処理の温度が700℃以上の場合には今度は、α結晶が粗大となり強度低下という新たな課題が生起されるからである。よって、本発明に係る時効処理温度は、550℃〜650℃が好ましい範囲とされる。
時効析出時間は、2時間〜8時間を好ましい範囲とされる、前記した時効時間の下限以下においては、マトリクス中に析出生成されるα結晶の数が不十分であったり、十分に成長していなかったりして、その結果、引っ張り強度が不足、あるいは引張り強度と伸びのバランスを欠く、という結果を招く。一方、前記した時効時間が上限を越える場合には、時効析出した結晶粒が粗大化されて、その結果、時効析出処理されたチタン合金の靭性が低下するという新たな課題が生起される。よって、本発明に係る時効析出処理温度は、 550℃〜650℃の範囲が好ましいとされ、時効析出処理時間は、2時間〜4時間が好ましい範囲とされる。
次に本発明で生成されたチタン合金の機械的な特性について以下に説明する。
本発明に係るチタン合金は、いわゆるα+β型合金であり、結晶組織中には、α相とβ相の2相領域から構成されており、更に、前記β組織には、64合金に添加した金属が均一に固溶した組織で構成されていることを特徴とするものである。
また、前記した結晶組織中に扁平状のα結晶を含んでいることを特徴とするものである。 前記したα結晶の形態を制御することにより扁平状の結晶方向の引っ張り強度を効果的に高めることができるという効果を奏するものである。
本発明においては、また、前記した扁平状のα結晶をコロニー状に析出させることもできる。これは、64合金粉に添加する元素を銅粉に選択した場合に、当該コロニー状のα相を形成させることができるという効果を奏するものである。
前記したα相をコロニー状に形成させることにより、生成されたチタン合金の靭性を効果的に高めることができるという効果を奏するものである。
以上述べたようなチタン合金は、引っ張り強度のみならず、靭性についても従来に比べて優れた効果を奏するものであり、高い強度が求められる航空機材のような用途のみならず、靭性の要求される医療用の超音波メスのような用途にも効果的に適用することができるという効果を奏するものである。
本発明に係るチタン合金の具体的な作製例について、原料から順を追って以下に説明する。
1.原料粉
1)チタン合金粉
組成:Ti−6%Al−4%V
粒度:10μm〜100μm
製法:64合金スクラップを水素化脱水素法により処理された64チタン合金粉
2)添加金属粉
種類:鉄粉、クロム粉、銅粉
粒度:1μm〜50μm
配合比:0、5、10、15、20、25wt%
(実施例:5、10、15wt%)
(比較例:0、20、25wt%)
3)混合器:ダルトン社製のダブルコーン型混合器
2.押出条件
1)押出温度:850℃〜950℃
2)押出方法:カプセル押出
3)カプセル
材質:炭素鋼(SS400)
厚み:2.5(mm)
4)歪速度:50(1/秒)
5)その他
3.溶体化処理
1)温度:800〜870℃
2)時間:0.5Hr〜2Hr
3)雰囲気:アルゴンガス
4.時効析出処理
1)温度:550℃〜650℃
2)時間:2Hr〜8Hr
3)雰囲気:アルゴンガス
[実施例・比較例1](鉄配合の効果)
64合金スクラップを原料としこれをHDH法で処理生成された64チタン合金粉に0〜20%の鉄粉を配合してチタン複合粉とし、それぞれの複合粉をカプセル押出して丸棒を得た。
得られた丸棒を酸洗処理して表面のカプセルを溶解除去させて、鉄入り64チタン合金の丸棒を得た後、前記丸棒の引張強度と伸びを測定した。
また、酸洗処理された丸棒を更に溶体化処理してから、同様の引張強度と伸びを測定した。
更には、酸洗後の丸棒を溶体化処理した後、次いで時効処理してから、同様の引張強度と伸びを測定した。前記した条件下での引張強度と伸びを表1に整理した。表1に示したように押出材を溶体化処理した64合金の伸びは、溶体化処理しない材料に比べて、80%〜200%程度の改善が確認された。
更に、前記溶体化処理した材料を更に、時効析出処理して、引張強度および伸びを測定した。その結果、溶体処理材に比べて、伸びは低下したものの、3%〜16%程度の引張強度が上昇した。
また、64合金粉に添加する鉄粉の配合比率を3から15%まで高めると、引張強度は、10%程度上昇する傾向が確認された。しかしながら、15%を越えると逆に引張強度は低下する傾向を示した。また、鉄粉の配合比率が3%以下では、顕著な引っ張り強度の改善は認められなかった。
よって、64合金粉に添加する鉄粉の配合比率は、3〜15wt%が好ましい範囲であることが確認された。
Figure 0005759426
[実施例・比較例2](クロム配合の効果)
実施例1において、鉄粉に代えて、クロム粉を用いた以外は同じ条件下で引張強度および伸びを測定して、表2にそれらの結果を示した。
クロム粉に対しても、溶体化処理および時効処理を行なわせることにより、引張強度は多少低下するものの、顕著な伸びの改善が認められた。
また、64合金粉に添加するクロム粉の配合比率を4から6%まで高めると、引張強度は10%程度上昇する傾向が確認された。しかしながら、6%を越えると逆に、引張強度は低下する傾向を示した。逆に、4%以下では、顕著な強度の改善は認められなかった。
よって、64合金粉に添加するクロム粉の配合比率は、4〜6wt%が好ましい範囲であることが確認された。
Figure 0005759426
[実施例・比較例3](銅配合の効果)
実施例1において、鉄粉に代えて、銅粉を用いた以外は同じ条件下で引張強度および伸びを測定して、表3にそれらの結果を示した。
銅粉に対しても、溶体化処理および時効処理を行なわせることにより、引張強度は多少低下するものの、顕著な伸びの改善が認められた。
また、64合金粉に添加する銅粉の配合比率を2.5から6%まで高めると、引張強度は10%程度上昇する傾向が確認された。しかしながら、6%を越えると逆に、引張強度および伸びの両者が低下する傾向を示した。逆に、2.5%以下では、顕著な強度の改善は認められなかった。
よって、64合金粉に添加する銅粉の配合比率は、2.5〜6wt%が好ましい範囲であることが確認された。
Figure 0005759426
以上の試験結果より、各金属粉を64合金粉に添加することで、引張強度が上がるとともに、顕著な伸びの改善が確認された。また、溶体化処理および時効処理によっても伸びの改善が認められた。このように、本発明に係る方法で製造された64合金材は、従来の方法で製造された64合金材に比べて、高いレベルの強度および伸びを示すことが確認された。
[実施例4](組織の観察)
実施例3−3で得られたチタン合金材の組織を観察したところ、図1に示すように当該組織中に扁平状のα結晶組織が観察された。また、残りのβ結晶中には、析出物は観察されず、均一な固溶体であることも確認された。
更には、実施例1−3で得られたチタン合金材の組織を同様に観察したところ、組織中には、図2に示すようなクラスター組織も観察された。
本発明は、チタン合金スクラップ又はインゴットを原料として、水素化、脱水素化法によるチタン合金複合粉、及び緻密化したチタン合金材料、及びその製造方法を提供するものである。

Claims (6)

  1. チタン合金粉に、2.5〜6.0wt%の銅粉、4〜6wt%のクロム粉または3〜15wt%の鉄粉から選択された1種の金属粉を配合したチタン合金複合粉を原料とし、これを押出により緻密化後、830℃以上で溶体化処理されたチタン合金であって、前記チタン合金がα+βの結晶組織からなり、結晶組織の中にα結晶を含んでいることを特徴とするチタン合金。
  2. 前記チタン合金中のβ結晶には、鉄、クロムまたは銅が均一に固溶していることを特徴とする請求項1に記載のチタン合金。
  3. 前記チタン合金の引っ張り強度が1200MPa以上であって、しかも伸びが20%以上であることを特徴とする請求項1に記載のチタン合金。
  4. チタン合金粉に、2.5〜6.0wt%の銅粉、4〜6wt%のクロム粉または3〜15wt%の鉄粉から選択された1種の金属粉を添加したチタン合金複合粉を原料とし、これを押出により緻密化し、830℃以上で溶体化処理することを特徴とするチタン合金の製造方法。
  5. 前記溶体化処理は、830℃〜β変態点にて行うことを特徴とする請求項4に記載のチタン合金の製造方法。
  6. 前記チタン合金を830℃〜β変態点にて溶体化処理した後、更に、400〜700℃にて時効処理することを特徴とする請求項4に記載のチタン合金の製造方法。
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