JP6011946B2 - ニッケル基金属間化合物複合焼結材料およびその製造方法 - Google Patents

ニッケル基金属間化合物複合焼結材料およびその製造方法 Download PDF

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Description

第1のニッケル基金属間化合物を含む初析相と、第1のニッケル基金属間化合物と第2のニッケル基金属間化合物とを含む共析相と、を含んで成る2重複相組織を含むニッケル基金属間化合物複合焼結材料およびその製造方法に関する。
ニッケル固溶体相のマトリクスにニッケル基金属間化合物等の金属間化合物を析出させたニッケル基超合金は、優れた高温強度、耐摩耗性を有する材料として広く用いられている。
しかし、例えば、エネルギー効率向上を目的に発電タービン等の熱機関および航空機等のエンジンに用いる部品をより高い温度で使用したい、または、例えば部品の高寿命化を意図して高温でより長い時間使用したいとの要望が増加しており、ニッケル基超合金よりも優れた高温強度を有する材料への要望が強くなっている。
このような、要望に応えるべく、本願発明者らは、例えば特許文献1に示されるようにL1型の結晶構造を有するニッケル基金属間化合物から成る初析相と、L1型の結晶構造を有するニッケル基金属間化合物とD022型の結晶構造を有するニッケル基金属間化合物とから成る共析相と、から成る2重複相組織を有する材料を開発した。
特許文献1に示す2重複相組織(定義等は後述)は、上述の通り初析相および共析相の両方がニッケル基の金属間化合物から成ることから、極めて優れた耐熱性を有している。
国際公開WO2007/086185号公報
しかし、従来の2重複相組織を有する材料は、溶製材として作製されるため、アーク溶解等を用いて高温に加熱して鋳造材を得る必要があり、高温の液相から鋳造するために、喩え精密鋳造を実施しても熱収縮等の影響で所望の形状を得ることができず、鋳造後、更に切断加工および切削加工等の加工を行う必要があるという問題があった。
さらに、溶解鋳造法で作製した鋳塊は凝固組織となるため、全体に結晶粒径が粗大で、かつ製品部位によって結晶粒形状や粒径が不均一であり、材料強度や延性、靱性にバラツキが生じやすいという問題もある。このため、折角、優れた耐熱性を有するにも関わらず、上述のニッケル基超合金等を代替する耐熱合金以外の用途についてほとんど検討されていなかった。
そこで、本発明は、第1のニッケル基金属間化合物を含む初析相と、第1のニッケル基金属間化合物と第2のニッケル基金属間化合物とを含む共析相と、を含んで成る2重複相組織を有し、かつ得られた2重複相組織が均一で高い強度を有する材料を提供すること、および同材料をより優れた寸法精度(ニアネットシェイプ)で製造できる方法を提供することを目的とする。
さらに、本願発明は2重複相組織と、窒化物、炭化物、炭窒化物、酸化物および硼化物から選択される1種以上を含む粒子(硬質粒子)と、を複合させることにより、より強度の高い複合材料およびその製造方法を提供することも目的とする
本願発明の態様1は、第1のニッケル基金属間化合物を含む初析相と、前記第1のニッケル基金属間化合物と該第1のニッケル基金属間化合物と異なる第2のニッケル基金属間化合物とを含む共析相、とを含んで成る2重複相組織を含み、該2重複相組織の平均結晶粒径が50μm以下であることを特徴とするニッケル基金属間化合物複合焼結材料である。
本願発明の態様2は、前記第1のニッケル基金属間化合物がL1型の結晶構造を有し、第2のニッケル基金属間化合物がD022型の結晶構造を有し、前記2重複相組織が、50at%以上のニッケル(Ni)と、5at%〜13at%のアルミニウム(Al)と、9.5at%〜17.5at%のバナジウム(V)と、0at%〜5at%のニオブ(Nb)とを含有することを特徴とする態様1に記載のニッケル基金属間化合物複合焼結材料である。
本願発明の態様3は、前記第1のニッケル基金属間化合物がNiAlまたはニッケルおよびアルミニウム以外の元素を含むNiAlであり、前記第2のニッケル基金属間化合物がNiVまたはニッケルおよびバナジウム以外の元素を含むNiVであることを特徴とする態様2に記載のニッケル基金属間化合物複合焼結材料である。
本願発明の態様4は、前記2重複相組織が、タンタル(Ta):0.5at%〜8at%、タングステン(W):0.5at%〜8at%、クロム(Cr):12at%以下(0at%を含まず)、コバルト(Co):15at%以下(0at%を含まず)、チタン(Ti):0.5at%〜3.5at%、レニウム(Re):0.5at%〜5at%およびカーボン(C、炭素):12.5at%以下(0at%を含まず)から成る群より選択される1種以上を更に含有することを特徴とする態様1〜3の何れかに記載のニッケル基金属間化合物複合焼結材料である。
本願発明の態様5は、前記2重複相組織が、更にボロン(B)を含み、該ボロンの含有量が前記2重複相組織のボロン以外の元素の合計質量に対して10重量ppm〜1000重量ppmであることを特徴とする態様1〜4のいずれかに記載のニッケル基金属間化合物複合焼結材料である。
本願発明の態様6は、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、バナジウム(V)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、アルミニウム(Al)およびイットリウム(Y)からなる群より選択される1種以上の元素の炭化物、窒化物、炭窒化物、酸化物または硼化物を更に含むことを特徴とする態様1〜5のいずれかに記載のニッケル基金属間化合物複合焼結材料である。
本願発明の態様7は、前記炭化物、窒化物、炭窒化物、酸化物または硼化物が前記2重複相組織中に分散していることを特徴とする態様6に記載のニッケル基金属間化合物複合焼結材料である。
本願発明の態様8は、50at%以上のニッケルと、5at%〜13at%のアルミニウムと、9.5at%〜17.5at%のバナジウムと、0at%〜5at%のニオブとを含有する混合粉末または合金粉末を準備する粉末準備工程と、前記混合粉末または合金粉末に圧力を付与した状態で、前記混合粉末または合金粉末を加熱し焼結する焼結工程と、を含むことを特徴とするニッケル基金属間化合物複合焼結材料の製造方法である。
本願発明の態様9は、前記焼結工程の前に、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、クロム、モリブデン、タングステン、アルミニウムおよびイットリウムからなる群より選択される1種以上の元素の炭化物、窒化物、炭窒化物、酸化物または硼化物を含む粒子と、前記混合粉末または合金粉末と、を混合する工程を更に含むことを特徴とする態様8に記載の製造方法である。
本願発明の態様10は、前記混合粉末または合金粉末が、タンタル:0.5at%〜8at%、タングステン:0.5at%〜8at%、クロム:12at%以下(0at%を含まず)、コバルト:15at%以下(0at%を含まず)、チタン:0.5at%〜3.5at%、レニウム:0.5at%〜5at%およびカーボン(炭素):12.5at%以下(0at%を含まず)から成る群より選択される1種以上を更に含有することを特徴とする態様8または9に記載の製造方法である。
本願発明の態様11は、前記混合粉末または合金粉末が、更にボロンを含み、該ボロンの含有量がボロン以外の元素の合計質量に対して10重量ppm〜1000重量ppmであることを特徴とする態様8〜10のいずれか1項に記載の製造方法である。
本願発明の態様12は、50at%以上のニッケルと、5at%〜13at%のアルミニウムと、9.5at%〜17.5at%のバナジウムと、0at%〜5at%のニオブとを含有する母材と、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、クロム、モリブデン、タングステン、アルミニウムおよびイットリウムからなる群より選択される1種以上の元素の炭化物、窒化物、炭窒化物、酸化物または硼化物とを用いて、少なくとも前記母材が溶融した溶融金属を得る溶融工程と、前記溶融金属をアトマイズして、ニッケル基合金マトリクス中にチタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、クロム、モリブデン、タングステン、アルミニウムおよびイットリウムからなる群より選択される1種以上の元素の炭化物、窒化物、炭窒化物、酸化物または硼化物を有するアトマイズ粉末を得るアトマイズ工程と、前記アトマイズ粉末に圧力を付与した状態で、前記アトマイズ粉末を加熱し焼結する焼結工程と、を含むことを特徴とするニッケル基金属間化合物複合焼結材料の製造方法である。
本願発明の態様13は、前記母材が、タンタル:0.5at%〜8at%、タングステン:0.5at%〜8at%、クロム:12at%以下(0at%を含まず)、コバルト:15at%以下(0at%を含まず)、チタン:0.5at%〜3.5at%、レニウム:0.5at%〜5at%およびカーボン(炭素):12.5at%以下(0at%を含まず)から成る群より選択される1種以上を更に含有することを特徴とする態様12に記載の製造方法である。
本願発明の態様14は、前記母材が、更にボロンを含み、該ボロンの含有量がボロン以外の元素の合計質量に対して10重量ppm〜1000重量ppmであることを特徴とする態様12または13に記載の製造方法である。
このように、本願発明により、第1のニッケル基金属間化合物を含む初析相と、第1のニッケル基金属間化合物と第2のニッケル基金属間化合物とを含む共析相と、を含んで成る2重複相組織を含み、高い強度を有するニッケル基金属間化合物複合焼結材料を提供することができる。
また、本願発明に係るニッケル基金属間化合物複合焼結材料は、平均結晶粒径が50μm以下と微細であり、その結晶粒は均一な2重複相組織となっている。
また、本願発明に係るニッケル基金属間化合物複合焼結材料の製造方法は、より高い寸法精度でニッケル基金属間化合物複合焼結材料を製造することができる。
さらに、2重複相組織と、窒化物、炭化物、炭窒化物、酸化物および硼化物から選択される1種以上を含む粒子(硬質粒子)と、を複合させることにより、より高い強度を有するニッケル基金属間化合物複合焼結材料およびその製造方法を提供することも可能となる。
1100℃(1373K)におけるNiAl−NiNb−NiV疑3元系状態図である。 図1に示す3元系状態図のNb量2.5at%における縦断面状態図である。 得られた混合粉末の走査電子顕微鏡(SEM)像であり、図3(a)は実施例1−1のSEM像であり、図3(b)は実施例1−2のSEM像であり、図3(c)は実施例1−3のSEM像である。 得られた分散ニッケル基金属間化合物複合焼結材料の金属組織を示す光学顕微鏡写真であり、図4(a)は実施例1−1の光学顕微鏡写真であり、図4(b)は実施例1−2の光学顕微鏡写真であり、図4(c)は実施例1−3の光学顕微鏡写真である。 X線回折(CuKα)結果を示し、図5(a)は実施例1−1のX線回折結果を示し、図5(b)は実施例1−2のX線回折結果を示し、図5(c)は実施例1−3のX線回折結果を示す。 得られたサンプルの室温〜900℃間の温度での硬さHV1測定結果を示すグラフである。 硬質粒子を含有した焼結用粉末の走査電子顕微鏡(SEM)像であり、図7(a)は実施例1−4のSEM像であり、図7(b)は実施例1−5のSEM像であり、図7(c)は実施例1−6のSEM像であり、図7(d)は実施例1−7のSEM像であり、図7(e)は実施例1−8のSEM像である。 硬質粒子分散ニッケル基金属間化合物複合焼結材料の金属組織を示す光学顕微鏡写真であり、図8(a)は実施例1−4の光学顕微鏡写真であり、図8(b)は実施例1−5の光学顕微鏡写真であり、図8(c)は実施例1−6の光学顕微鏡写真であり、図8(d)は実施例1−7の光学顕微鏡写真であり、図8(e)は実施例1−8の光学顕微鏡写真である。 実施例1−6に係る硬質粒子分散ニッケル基金属間化合物複合焼結材料の金属組織を示すSEM像であり、図9(a)は焼結後サンプルのSEM像であり、図9(b)は焼結後サンプルの高倍率でのSEM像であり、図9(c)は熱処理後サンプルのSEM像であり、図9(d)は熱処理後サンプルの高倍率でのSEM像である。 X線回折(CuKα)結果を示し、図10(a)はTiCを含まない実施例1−2のX線回折結果を再度示し、図10(b)は実施例1−4のX線回折結果を示し、図10(c)は実施例1−5のX線回折結果を示し、図10(d)は実施例1−6のX線回折結果を示し、図10(e)は実施例1−7のX線回折結果を示し、図10(f)は実施例1−8のX線回折結果を示す。 サンプル1−6に係る硬質粒子分散ニッケル基金属間化合物複合焼結材料のX線回折(CuKα)結果をより詳細に示し、図11(a)は焼結後のX線回折結果を示し、図11(b)は熱処理後のX線回折結果を示す。 実施例1−6および1−8の硬質粒子分散ニッケル基金属間化合物複合焼結材料の室温〜900℃間の温度での硬さHV1測定結果を示すグラフである。また、実施例1−2の結果も比較のため記載した。 得られたニッケル基金属間化合物複合焼結材料の焼結後の金属組織を示すSEM像であり、図13(a)は実施例2−1のSEM像であり、図13(b)は、実施例2−1の高倍率でのSEM像であり、図13(c)は実施例2−2のSEM像であり、図13(d)は実施例2−2の高倍率でのSEM像である。 得られたニッケル基金属間化合物複合焼結材料の熱処理後の金属組織を示すSEM像であり、図14(a)は実施例2−1のSEM像であり、図14(b)は、実施例2−1の高倍率でのSEM像であり、図14(c)は実施例2−2のSEM像であり、図14(d)は実施例2−2の高倍率でのSEM像である。 実施例2−1のX線回折結果を示し、図15(a)は焼結後のX線回折結果を示し、図15(b)は熱処理後のX線回折(CuKα)結果を示す。 図16は実施例2−2のX線回折(CuKα)結果を示し、図16(a)は焼結後のX線回折結果を示し、図16(b)は熱処理後のX線回折結果を示す。 結晶方位解析を行い得たパターンクオリティマップの例であり、図17(a)は実施例2−1の例を示し、図17(b)は実施例2−2の例を示す。 実施例2−1および2−2の焼結後および熱処理後の硬さHV1を示す。 図19は、得られた硬質粒子分散ニッケル基金属間化合物複合焼結材料の焼結後の金属組織を示すSEM像であり、図19(a)は実施例2−3のSEM像であり、図19(b)は、実施例2−3の高倍率でのSEM像であり、図19(c)は実施例2−4のSEM像であり、図19(d)は実施例2−4の高倍率でのSEM像である。 得られた硬質粒子分散ニッケル基金属間化合物複合焼結材料の熱処理後の金属組織を示すSEM像であり、図20(a)は実施例2−3のSEM像であり、図20(b)は、実施例2−3の高倍率でのSEM像であり、図20(c)は実施例2−4のSEM像であり、図20(d)は実施例2−4の高倍率でのSEM像である。 実施例2−3のX線回折(CuKα)結果を示し、図21(a)は焼結後のX線回折結果を示し、図21(b)は熱処理後のX線回折結果を示す。 実施例2−4のX線回折(CuKα)結果を示し、図22(a)は焼結後のX線回折結果を示し、図22(b)は熱処理後のX線回折結果を示す。 実施例2−3および2−4の焼結後および熱処理後の硬さHV1を示す。 アトマイズ粉末のSEM像であり、図24(a)は実施例3−1のアトマイズ粉末を示し、図24(b)は実施例3−2のアトマイズ粉末を示し、図24(c)は実施例3−3のアトマイズ粉末を示す。 アトマイズ粉末の粒度分布測定結果を示すグラフであり、図25(a)は実施例3−1のアトマイズ粉末を示し、図25(b)は実施例3−2のアトマイズ粉末を示し、図25(c)は実施例3−3のアトマイズ粉末を示す。 アトマイズ粉末のX線回折(CuKα)結果を示す。図26(a)は実施例3−1のX線回折結果を示し、図26(b)は実施例3−2のX線回折結果を示し、図26(c)は実施例3−3のX線回折結果を示す。また図26の下部にはNiAlおよびNiVのピーク位置を示した。 ニッケル基金属間化合物複合焼結材料の金属組織を示す光学顕微鏡写真であり、図27(a)は実施例3−1Aの光学顕微鏡写真であり、図27(b)は実施例3−1Bの光学顕微鏡写真であり、図27(c)は実施例3−2Aの光学顕微鏡写真であり、 図27(d)は実施例3−2Bの光学顕微鏡写真であり、図27(e)は実施例3−3Aの光学顕微鏡写真であり、図27(f)は実施例3−3Bの光学顕微鏡写真である。 実施例3−2Aと実施例3−2BのSEM像であり、図28(a)は実施例3−2AのSEM像であり、図28(b)は、実施例3−2Aの高倍率でのSEM像であり、図28(c)は実施例3−2BのSEM像であり、図28(d)は実施例3−2Bの高倍率でのSEM像である。 実施例3−3Aと実施例3−3BのSEM像であり、図29(a)は実施例3−3AのSEM像であり、図29(b)は、実施例3−3Aの高倍率でのSEM像であり、図29(c)は実施例3−3BのSEM像であり、図29(d)は実施例3−3Bの高倍率でのSEM像である。 X線回折結果を示し、図30(a)は実施例3−1AのX線回折結果を示し、図30(b)は実施例3−2AのX線回折結果を示し、図30(c)は実施例3−3AのX線回折結果を示す。 図31(a)は、実施例3−1A、3−2Aおよび3−3Aの室温〜900℃間の温度での硬さHV1測定結果を示すグラフであり、図31(b)は、実施例3−1B、3−2Bおよび3−3Bの室温〜900℃間の温度での硬さHV1測定結果を示すグラフである。 実施例3−4〜3−6に係る硬質粒子分散ニッケル基金属間化合物複合焼結材料の金属組織を示す光学顕微鏡写真であり、図32(a)は実施例3−4の光学顕微鏡写真であり、図32(b)は実施例3−5の光学顕微鏡写真であり、図32(c)は実施例3−6の光学顕微鏡写真である。 得られた実施例3−4および3−6に係る硬質粒子分散ニッケル基金属間化合物複合焼結材料の金属組織を示すSEM像であり、図33(a)は実施例3−4のSEM像であり、図33(b)は実施例3−4のより高倍率のSEM像であり、図33(c)は実施例3−6のSEM像であり、図33(d)は実施例3−6のより高倍率のSEM像である。 得られた実施例3−7および3−8に係る硬質粒子分散ニッケル基金属間化合物複合焼結材料の金属組織を示すSEM像であり、図34(a)は実施例3−7のSEM像であり、図34(b)は実施例3−7のより高倍率のSEM像であり、図34(c)は実施例3−8のSEM像であり、図34(d)は実施例3−8のより高倍率のSEM像である。 実施例3−4〜3−6の硬質粒子分散ニッケル基金属間化合物複合焼結材料の室温〜900℃間の温度での硬さHV1測定結果を示すグラフである。 実施例3−7および3−8の硬質粒子分散ニッケル基金属間化合物複合焼結材料の室温での硬さHV1測定結果を示すグラフである。 2重複相組織の透過型電子顕微鏡観察結果を例示しており、図37(a)は2重複相組織の透過電子顕微鏡(TEM)像を示し、図37(b)は、図37(a)中の丸で囲んだ領域から得た制限視野電子線回折像を示し、図37(c)は、2重複相組織の別の電子顕微鏡像を示す。 得られた分散ニッケル基金属間化合物複合焼結材料の金属組織を示すSEM像であり、図38(a)は実施例1−1のSEM像であり、図38(b)は実施例1−1のより高い倍率のSEM像である。 実施例4に係る硬質粒子分散ニッケル基金属間化合物複合焼結材料の金属組織を示す光学顕微鏡写真であり、図39(a)は実施例4−1の光学顕微鏡写真であり、図39(b)は実施例4−2の光学顕微鏡写真であり、図39(c)は実施例4−3の光学顕微鏡写真であり、図39(d)は実施例4−4の光学顕微鏡写真である。 実施例4−1〜4−3サンプルの室温〜900℃間の温度での硬さHV1測定結果を示すグラフである。 実施例5−1〜5−6サンプル(焼結体)の室温硬度HV1を示すグラフである。 実施例6に係る硬質粒子分散ニッケル基金属間化合物複合焼結材料の焼結後の金属組織を示す光学顕微鏡写真であり、図42(a)は実施例6−1の光学顕微鏡写真であり、図42(b)は実施例6−2の光学顕微鏡写真である。 実施例6−1サンプルの室温〜900℃間の温度での硬さHV1測定結果を示すグラフである。
以下、図面に基づいて本発明の実施形態を詳細に説明する。なお、以下の説明では、必要に応じて特定の方向や位置を示す用語(例えば、「上」、「下」及びそれらの用語を含む別の用語)を用いるが、それらの用語の使用は図面を参照した発明の理解を容易にするためであって、それらの用語の意味によって本発明の技術的範囲が制限されるものではない。また、複数の図面に表れる同一符号の部分は同一の部分又は部材を示す。
本願発明者らは、鋭意検討した結果、詳細を後述するように、焼結法(粉末冶金法)、より詳細には加圧下で焼結を行う焼結法を用いることで、第1のニッケル基金属間化合物を含む初析相と、第1のニッケル基金属間化合物と第2のニッケル基金属間化合物とを含む共析相と、を含んで成る2重複相組織を含むニッケル基金属間化合物複合焼結材料を得ることができることを見出した。
すなわち、このような焼結法を用いることで、目的とする組成(得ようとする材料全体での組成)を有する鋳造材を得ることなく、目的とするニッケル基2重複相組織を有する複合材料をニアネットシェイプで得ることができることを見出した。
さらに、本願発明者らはこのような焼結法により得た、2重複相組織を含むニッケル基金属間化合物複合焼結材料は、同様な2重複相組織を有する溶製材と比べ、平均結晶粒径が例えば50μm以下と顕著に小さく、従って溶製材において容易に生じ得る結晶粒粗大化が抑制されることにより均一な2重複相組織粒を得ることができることを見出した。
以下にこれを実施形態1として説明する。
さらに本願発明者らは、上述の加圧下での焼結を行う際に、炭化物、窒化物、炭窒化物、酸化物および硼化物から選択される少なくとも1種を添加することで、2重複相組織とこれら炭化物、窒化物、炭窒化物、酸化物および/または硼化物が複合した高強度の複合材料を得ることができることを見出した。
以下にこれを実施形態2として説明する。
以下、本願発明の実施形態1および2に係る、2重複相組織を有するニッケル基金属間化合物複合焼結材料およびその製造方法について詳述するが、その前に本明細書で用いるいくつかの用語の意味について明らかにしておく。
用語「2重複相組織」とは、初析相と共析相とを含んで成る組織であって、初析相は、第1の金属間化合物を含み、共析相は、該第1の金属間化合物と該第1の金属間化合物と異なる種類の(異なる結晶構造および/または組成を有する)第2の金属間化合物とを含んでいる。
図37は、2重複相組織の透過型電子顕微鏡観察結果を例示しており、図37(a)は2重複相組織の透過電子顕微鏡(TEM)像を示し、図37(b)は、図37(a)中の丸で囲んだ領域から得た制限視野電子線回折像を示し、図37(c)は、2重複相組織の別の電子顕微鏡像を示す。
図37の例では、2重複相組織は、図37(a)および図37(c)に示されるように、透過電子顕微鏡像において4角形状を有する初析相1と初析相1の間の隙間(以下、「チャンネル部」という場合がある)を埋めるように形成されている共析相3とより成る。
第1の金属間化合物および第2の金属間化合物の同定は、X線回折および電子線回折を含む既知の各種方法を用いて行ってよい。
図37(b)に示す電子回折像から、図37に示す共析相3は、金属間化合物NiAlとD022型の結晶構造を有する金属間化合物NiVとから成ることが判っている。また、同様に電子線回折を行って図37に示す初析相1は、L1型の結晶構造を有する金属間化合物NiAlより成ることが判っている。
共析相3では、NiVは層状に形成されたラメラ状の組織(バリアント組織)となっており、観察の条件等に依存するが、ラメラ状の状態を図37(c)のように観察できる場合がある。
以上から判るように、図37の例では、第1の金属間化合物がNiAl(一部が他の元素により置換されている場合も含む)であり、第2の金属間化合物がNiV(一部が他の元素により置換されている場合も含む)となっている。
次に用語「ニッケル基」とは、含有されるそれぞれの元素の中でニッケルの量が最も多いことを意味し、好ましくは原子比(at%)で50%以上のNiを含み、より好ましくは原子比(at%)で60%以上のNiを含む。
本明細書においては、「ニッケル基金属間化合物複合焼結材料」とは、金属間化合物を含んで成る焼結材料を意味し、焼結材料全体の組成において、含有されるそれぞれの元素の中でニッケルの量が最も多いことを意味し、好ましくは原子比(at%)で50%以上のNiを含み、より好ましくは原子比(at%)で60%以上のNiを含む。
また「ニッケル基金属間化合物」とは、含有されるそれぞれの元素の中でニッケルの量が最も多い金属間化合物を意味し、好ましくは原子比(at%)で50%以上のNiを含み、より好ましくは原子比(at%)で60%以上のNiを含む。
本明細書において用いる用語「平均結晶粒径」とは、組織写真等から切片法により測定した平均結晶粒径を意味する。切片法による測定の具体例は、後述する実施例に示す。
以下、本願発明に係る、2重複相組織を有するニッケル基金属間化合物複合焼結材料について詳述する。
A.実施形態1
1.焼結用粉末
(1)焼結用粉末の形態
上述のように、本願発明は、加圧下で焼結を行う焼結法を用いることを特徴の1つとしていることから、焼結の前に所定の組成を有する焼結用粉末を作製する。
焼結用粉末は、例えば、ニッケル粉末、アルミニウム粉末、バナジウム粉末、ニオブ粉末、タンタル粉末およびボロン粉末等の元素粉末を原料粉末とし、これらを混合した混合粉末であってもよい。これらの原料粉末は、全体としてその組成が、本願発明に係る所定の範囲内であれば、単一の粉末が2種類以上の元素を含有する合金粉末を含んでよい。
また、所定の組成を有する溶湯(溶融合金)をアトマイズする等により得た合金粉末であってよい。さらには、元素粉末と合金粉末とを混合した混合粉末であってもよい。
これらの中でもアトマイズ粉末が好ましい。アトマイズ粉末を用いることでより確実に2重複相組織を得られるとともに、得られた複合材料の硬さを溶製材と同等レベルまで高くすることができるからである。
アトマイズ粉末を作製する際の好ましい条件は、不活性ガス雰囲気中1400〜1800℃で溶融させた溶湯を滴下し、そこへ30〜100kg/cmの圧力で不活性ガスを吹き付けることが好ましい。
なお、焼結用粉末の粒子径は、任意の粒子径を有してよい。
混合粉末を得る際の原料粉末の混合は、乳鉢と乳棒等当該技術分野で用いられる任意の方法を用いてよいが、好ましくはボールミルを用いて混合する。ボールミルは、より均一に原料粉末を分散・混合できるためである。
なお、ボールミルを用いた好適な混合条件として、遊星型ボールミル使用し、質量比で粉末1に対し、ボール10〜50の比率となるようにボールを配置し、乾式で混合することを例示できる。またボールミルは窒素ガスまたはアルゴンガスのような不活性ガス雰囲気中で実施するのが好ましい。混合中に粉末が酸化するのを防止できるからである。
また、乾式で混合することに代えて、アルコール等の媒液を用いて、湿式混合を行ってもよい。
(2)焼結用粉末の組成
焼結用粉末の組成は、詳細を後述する焼結後または焼結後に必要に応じて適宜実施する熱処理により、第1のニッケル基金属間化合物を含む初析相と、第1のニッケル基金属間化合物と第2のニッケル基金属間化合物とを含む共析相と、を含んで成る2重複相組織を形成可能な任意の組成を有してよい。
好ましい2重複相組織の例として、上述のように第1のニッケル基金属間化合物がNiAlであり、第2のニッケル基金属間化合物NiVであり、初析相がNiAlを含み、共析相がNiAlとNiVとを含む2重複相組織を挙げることができる。
以下この2重複相組織を「NiAlとNiVとを含んで成る2重複相組織」という場合がある。
なお、本明細書において、金属間化合物NiAlおよびNiVは、それぞれ、置換型元素および侵入型元素のようなニッケルおよびアルミニウム以外の元素を含むNiAl金属間化合物およびニッケルおよびバナジウム以外の元素を含むNiV金属間化合物を含む。
また、NiAlとNiVとを含んで成る2重複相組織を有する本願発明に係る焼結体は、NiAlとNiV以外の相を含んでよい。このような相としてD0の結晶構造を有するNiNbおよびNiTaの少なくとも一方を例示できる。
このようなNiAlとNiV以外の相が存在していても、少量であれば、機械的性質等の特性に及ぼす影響は限定的である。また、用途によっては、NiAlとNiV以外の相がある程度の量で存在していても問題とならない場合、または好ましい場合がある。
しかし、上述のように、本願発明に係る2重複相組織はNiAlとNiVとを含んで成る2重複相組織に限定されるものではない。
・焼結用粉末の好ましい組成
NiAlとNiVとを含んで成る2重複相組織を得るために、焼結用粉末は、5at%〜13at%のアルミニウム(Al)と、9.5at%〜17.5at%のバナジウム(V)と、0at%〜5at%のニオブNbを含有することが好ましい。
この場合、残部がニッケルと不可避的不純物であってよいし、また、ニッケルが50at%以上、含有されている限り他の成分を含んでもよい。
このような、他の成分としてタンタル(Ta)、ボロン(B)、タングステン(W)、クロム(Cr)、コバルト(Co)、チタン(Ti)、レニウム(Re)およびカーボン(C)から成る群から選択される1以上の元素を例示できる。
この場合、それぞれの元素の含有量の好ましい範囲を考慮すると、Ta:0.5at%〜8at%、W:0.5at%〜8at%、Cr:12at(0at%を含まず)およびCo:15at%以下(0at%を含まず)、Ti:0.5at%〜3.5at%、Re:0.5at%〜5at%およびC:12.5at%以下(0at%を含まず)から成る群から選択される1種以上を含有してよい。ボロン(B)については、ボロン以外の元素の合計質量(質量で示した合計含有量)に対して10〜1000重量ppmの範囲(すなわち、ボロン以外の元素の合計質量:ボロンの質量=1:0.00001〜1:0.001)が好ましい。
NiAlとNiVとを含んで成る2重複相組織を得るために、これらの元素および組成範囲が好ましい理由を以下に説明する。図1は、1100℃(1373K)におけるNiAl−NiNb−NiV疑3元系状態図であり、図2は、図1に示す3元系状態図のNb量2.5at%における縦断面状態図である。
図2は、横軸がAl含有量(at%)を示し、縦軸が温度(K)を示す。Nbが2.5at%含有されていることから、at%で示すV含有量は、以下の(1)式により求めることができる。

V含有量(at%)=22.5−Al含有量(at%) (1)
図1から、1100℃において、NiAlはL1構造を有し、NiVはA1構造を有し、NiNbはD0構造を有していることが判る。ここで、A1構造とは、規則構造を有しないfcc構造の固溶体である。
上述の好ましい組成範囲、5at%〜13at%のアルミニウム(Al)と、9.5at%〜17.5at%のバナジウム(V)について図2を用いて説明する。
図2において、アルミニウムの含有量が5at%〜13at%の範囲内(すなわち、(1)式よりV含有量が9.5at%〜17.5at%)であれば、初析L1相とA1相とが共存する温度又は初析L1相とA1相とはD0相とが共存する温度に到達した後、L1相とD022相とが共存する温度まで冷却することで、比較的に容易に2重複相組織を形成することができる。
ニオブは、強度向上の効果を有する。この効果は、5at%まではニオブ量の増加とともに増加する傾向があるが、ニオブ量が5at%を超えるとこの効果は飽和し、さらに2重複相組織中にL1相およびD022相以外のNiNb相などの金属間化合物相が粗大化してより多く出現する場合があることから、ニオブの含有量は5at%以下(含有しない場合も含む)が好ましい。
さらに、上述のタンタル(Ta)、ボロン(B)、タングステン(W)、クロム(Cr)およびコバルト(Co)、チタン(Ti)、Re(レニウム)およびカーボン(C)から成る群から選択される1以上の元素を添加することで、得られる2重複相組織の特性を改善することができる。
タンタルは、固溶強化(硬化)に有効な元素である。その効果は、タンタルの含有量が0.5at%未満では限定的であり、8at%を超えると硬さ向上の効果が飽和してしまい、また、2重複相組織中にNiTaなどの金属間化合物相がより多く出現するという問題を生じる場合がある。従って、タンタルの含有量は0.5at%〜8at%が好ましい。
タングステンは、硬さ向上という効果を有する。その効果は、タングステンの含有量が0.5at%未満では限定的であり、8at%を超えると硬さの向上効果は飽和する場合があると考えられる。従って、タングステンの含有量は0.5at%〜8at%が好ましい。
クロムは、耐酸化性向上と軽量化という効果を有する。その効果は、クロム含有量が12at%までは、クロム含有量の増加とともにより顕著となるが、12at%を超えると飽和し、さらにニッケル固溶体相の出現(安定化)を引き起こし、強度低下を生ずる場合があることから、クロムの含有量は12at%以下(0at%を含まず)が好ましい。
コバルトは、耐酸化性向上という効果を有する。その効果は、コバルト含有量が15at%までは、コバルト含有量の増加とともにこの効果はより顕著となるが、15at%を超えると飽和する。さらにニッケル固溶体相の出現を招く可能性があると考えられることからコバルトの含有量は15at%以下(0at%を含まず)が好ましい。
ボロンは、粒界破壊抑制効果を有する。その効果は、ボロン以外の元素の合計質量(質量で示した合計含有量)に対して10重量ppm未満では限定的であり、ボロン以外の元素の合計質量に対して1000ppmを超えるとボロン化合物(ボライド)を形成して脆化を引き起こす場合がある。従って、ボロン以外の元素の合計質量(質量で示した合計含有量)に対して10〜1000重量ppmの範囲(ずなわち、ボロン以外の元素の合計質量:ボロンの質量=1:0.00001〜1:0.001)が好ましい。
チタンは、強度向上の効果を有する。とりわけ、NiAl(L1)相を強化する効果が大きいと考えられる。この効果はチタンの含有量が0.5at%以上で顕著となる。一方、3.5at%を超えると効果が飽和すると考えられる。また、3.5at%を超えると粗大なNiTiを形成して強度および延靱性を劣化させる場合がある。
レニウムは、2重複相組織を析出硬化させる効果を有する。レニウムを添加したNiAlとNiVとを含んで成る2重複相組織を適切な温度で時効処理するとチャンネル部にレニウム−リッチな組成の析出物が出て,硬さが顕著に増加する。この効果は、レニウムの含有量が0.5at%以上で顕著なり、5at%を超えると飽和する傾向がある。レニウムは高価な元素であるので、効果が飽和する5at%を超えて添加することは経済的ではないと考えられる。
カーボンは、その含有量が少ない時は2重複相組織を固溶強化し、特に高温での延性を大きく改善する。カーボンの含有量が大きい時は、例えばVC(バナジウムカーバイト)のようなカーバイドとして2重複組織中に分散し、高強度化と延性の向上に寄与する。含有量が12.5at%より多いと、カーバイドが粗大化し却って靱性を低下させる場合がある。
2.焼結
次に、所望の組成を有する焼結用粉末を用いて焼結を行う。
焼結は、例えば、焼結用粉末をダイに入れてパンチにて圧力を付与して成形体(圧粉体)を得た後、所定の焼結温度に加熱する、一般的な焼結法により行ってもよい。
焼結により得られる焼結体はその平均結晶粒径が50μm以下と溶製材と比べて1桁以上小さい値とすることができる。
そして、このように結晶粒を微細かつ均一にすることで2重複相組織の強度、延性、靱性等の機械的性質を大幅に向上させることができる。また、通常、焼結温度は、溶製材(鋳造材)を作製する際の溶融温度よりも低い温度が選択されることから、より低い温度で2重複相組織を得ることができる。このため、最終製品に近い形状(ニアネットシェイプ)を得ることができる。
本願発明に係る製造方法では、焼結法を用いることで、容易に最終製品の形状またはこれに近い形状(ニアネットシェイプ)を有する焼結体を得ることができる。すなわち高い寸法精度で焼結体を製造できる。
好ましくは、焼結用粉末に圧力を付与しながら焼結すること(加圧焼結)が好ましい。得られる焼結体の密度を高くすることができ、溶製材の密度により近づけることができるからである。
なお、「焼結用粉末に圧力を付与する」とは、成形体を得た後に焼結を行う場合、成形体に圧力を付与することにより、成形体中の焼結用粉末に圧力が付与されることを含む。
このような、焼結用粉末に圧力を付与しながら焼結する方法(加圧焼結法)の好ましい例としてホットプレスを挙げることをできる。
また、ホットプレス以外の例として真空焼結後に熱間静水圧成形(HIP処理)またはガス圧焼結を行う方法などがある
ホットプレス法により加圧焼結は、以下のように行ってよい。
例えば黒鉛より成るダイに設けた上下方向に延在する貫通孔に下方から下パンチを挿入し、貫通孔の内部でかつ下パンチの上部に上述の焼結用粉末または焼結用粉末を含む粉末を配置する。
その後貫通孔の上方から上パンチを挿入し、焼結用粉末に所定の圧力が付与されるように上パンチと下パンチに応力を付与する。
そして、焼結用粉末に所定の圧力が付与された状態で、例えばダイを加熱する等により焼結用粉末を加熱し焼結する。
また、ダイの貫通孔内部でかつ下パンチの上部に焼結用粉末または焼結用粉末を含む粉末を配置することに代えて、焼結用粉末または焼結用粉末を含む粉末を用いて作製した成形体を配置してもよい。
ホットプレス法を用いる際の焼結温度、昇温速度、焼結時間、焼結用粉末(または成形体)を加圧する応力、焼結雰囲気等の焼結条件は、用いる焼結用粉末の組成、得ようとする複合焼結材料の特性に応じて適宜調整すればよい。
以下に、NiAlとNiVとを含んで成る2重複相組織を得る場合の好適な条件を例示する。
焼結温度は、好ましくは1000℃〜1300℃である。この温度範囲であれば2重複相組織得ることができるからである。より好ましくは、焼結温度は、1250℃〜1280℃である。より確実に2重複相組織得ることができるからである。
また、焼結温度を1250〜1280℃とすることで、得られた焼結体の平均結晶粒径を例えば、40μm以下と確実に微細化でき、従って、高強度・高靱性の2重複相組織を確実に得ることができる。
この焼結温度まで昇温する際の昇温速度は、10℃/分以下が好ましい。昇温速度が速すぎた場合、温度分布が不均一となり、焼結体の特性に内外差が生じる場合があるためである。
また、上述の好ましい焼結温度で保持する時間は、60分〜360分が好ましい。保持時間が短過ぎると緻密化が不十分となる場合があり、長過ぎると結晶粒が粗大化して特性が低下(または劣化)する場合があるからである。
焼結用粉末(または成形体)に付与する応力は、10MPa〜60MPaが好ましい。応力が低すぎると緻密化が不十分となる場合があり、高すぎるとカーボン型が破壊される場合があるからである。
また、焼結は、真空中またはアルゴン、窒素およびヘリウムのような不活性ガスの減圧雰囲気中であることが好ましい。酸素を含む雰囲気中では粉末が酸化し、緻密化が阻害される場合があるからである。
3.熱処理
このようにして作製した複合焼結材料(焼結体)は、焼結条件によっては、焼結体の一部のみに2重複相組織が形成され、他の部分は、2重複相組織以外の組織となっている場合がある。このような部分の少なくとも一部を2重複相組織にするよう熱処理を行ってよい。
焼結温度より高く、液相が出ない1320℃以下の、好ましくは1300℃以下の温度まで加熱する熱処理を行うことが好ましい。
このような熱処理を行ったとしても、熱処理温度は、溶製材(鋳造材)を作製する際の溶融温度よりも低い温度が選択されることから、より低い温度で2重複相組織を得ることができるという本願の効果は得られる。
以下に、NiAlとNiVとを含んで成る2重複相組織を得る場合の好適な条件を例示する。
好ましい、熱処理温度は、1250℃〜1280℃である。この温度範囲で熱処理を行うとニッケル固溶体単相領域に加熱され、その後の冷却過程でNiAlとNiVとを含んで成る2重複相組織をより確実に得ることが出来るからである。
この熱処理温度で、0.5時間〜24時間保持することが好ましい。
また、熱処理は、真空中、またはアルゴン等の不活性ガス雰囲気中で行うことが好ましい。
以上により、本願発明に係る、2重複相組織を含むニッケル基金属間化合物複合焼結材料は、平均結晶粒径が例えば50μm以下と微細にでき、従って均一な組織とすることができる。
そして、好ましくは、本実施形態に係るニッケル基金属間化合物複合焼結材料は、その全体が実質的に2重複相組織のみから成る。
また、本願発明に係る、2重複相組織を含むニッケル基金属間化合物複合焼結材料の製造方法では、より低い温度で2重複相組織を含むニッケル基金属間化合物複合焼結材料を得ることが可能となる。従って、より容易に最終製品に近い形状を得ることができる。
II.実施形態2
本実施形態では、2重複相組織と、炭化物、窒化物および炭窒化物から選択される1種以上を含む粒子(以下、「硬質粒子」という場合がある)と、を複合させたニッケル基金属間化合物複合焼結材料およびその製造方法について説明する。
実施形態2に係る複合焼結材料では、実施形態1で示した2重複相組織に加え、硬質粒子に含まれる炭化物、窒化物および炭窒化物から選択される1種以上が存在している。以下、この複合材料を「硬質粒子分散ニッケル基金属間化合物複合焼結材料」という場合がある。
なお、硬質粒子分散ニッケル基金属間化合物複合焼結材料では、好ましくは硬質粒子に含まれる炭化物、窒化物、炭窒化物、酸化物および硼化物から選択される1種以上(または硬質粒子)が均一に分散している。
従来の溶解鋳造法では,硬質粒子を金属・合金中に均一に分散させることは困難であったが、本発明では、詳細を後述するように焼結法を用いていることから、マトリクスである2重複相組織中に硬質粒子を均質に分散できるという効果を有する。
硬質粒子分散ニッケル基金属間化合物複合焼結材料は、2重複相組織に加えて、硬質粒子に含まれる炭化物、窒化物および炭窒化物が存在していることから、より高い強度(硬さ)を有する。
硬質粒子分散ニッケル基金属間化合物複合焼結材料は、例えば従来、タングステンカーバイト・コバルト(WC−Co)のような、超硬合金が用いられていた用途において、より高い高温強度(硬さ)を有する合金を提供することが可能となる。
このような用途として、熱間押し出し用のダイスおよび熱間鍛造用工具を例示できる。
また、硬質粒子分散ニッケル基金属間化合物複合焼結材料は、例えば従来、ダイス鋼、WC−Co系超硬合金、インコネルのような、工具用材料・耐熱材料が用いられていた用途において、より高い耐酸化性および耐食性を有することが可能となる。
このような用途として、熱間押出し用ダイス、熱間引き抜き加工用工具、熱間鍛造用金型、熱間ロールおよびガイドローラー、熱間曲製用等のマンドレル、摩擦攪拌接合用工具、レンズ成形用金型周辺部品を例示できる。
以下に硬質粒子分散ニッケル基金属間化合物複合焼結材料の製造方法について、説明する。
1.硬質粒子を含有した焼結用粉末の作製
(1)硬質粒子
上述のように、硬質粒子は炭化物、窒化物、炭窒化物、酸化物または硼化物から選択される1種以上を含む粒子である。好ましい硬質粒子は、周期表の4A族(4属)元素(チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf))、5A族(5属)元素(バナジウム(V)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta))および6A族(6属)元素(クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、タングステン(W))から選択される1種以上の元素の炭化物、窒化物、炭窒化物、酸化物または硼化物を含む。
硬質粒子はアルミニウム(Al)またはイットリウム(Y)の炭化物、窒化物、炭窒化物、酸化物または硼化物であってよい。
硬質粒子は、より好ましくは、周期表の4A族(4属)元素(チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、)、5A族(5属)元素(バナジウム(V)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta))および6A族(6属)元素(クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、)から選択される1種以上の元素の炭化物、窒化物、炭窒化物、酸化物または硼化物を主成分(質量比で50%以上)とする。
硬質粒子はアルミニウム(Al)またはイットリウム(Y)の炭化物、窒化物、炭窒化物、酸化物または硼化物を主成分(質量比で50%以上)としてよい。
このような硬質粒子の例として、TiC粒子、TiCN粒子、TiN粒子、TaC粒子およびWC粒子を例示できる。
また、上記以外の酸化物としてイットリアY、アルミナAlおよびトリアThO、硼化物としてMBやMB(Mは金属元素)も例示できる。
上述の炭化物、窒化物、炭窒化物、酸化物および硼化物のなかでも、硬質粒子からマトリクスの2重複相組織に、侵入型元素の炭素または窒素を供給できるという観点では、炭化物、窒化物および炭窒化物がより好ましい。
硬質粒子の粒径は、好ましくは、0.5〜10μm。この場合、粉末サイズの測定は、各種方法により行ってよく、測定法の1つとしてフィッシャーサブシーブサイザーによる方法を例示できる。
(2)硬質粒子と焼結用粉末の混合
次に、上述の硬質粒子と焼結用粉末(実施形態1に示した焼結用粉末)を混合し、硬質粒子含有焼結用粉末を得る。
混合は、粉末の混合に用いられる各種の方法を用いてよい。
例えば、焼結用粉末が元素粉末を混合した混合粉末の場合、乳棒と乳鉢またはボールミルを用いて、元素粉末を混合する際に、硬質粒子を添加して、混合粉末の作製と混合粉末と硬質粒子の混合を同時に行ってもよい。
また、予め乳棒と乳鉢またはボールミルを用いて、混合粉末を得た後、袋の中に混合粉末と硬質粒子とを入れて、例えば袋を振動させて混合してもよい。
焼結用粉末がアトマイズ粉末のような合金粉末の場合、合金粉末を得た後、袋または乳鉢等の中に合金粉末と硬質粒子とを入れて、例えば、袋または乳鉢等を振動させて混合し、硬質粒子含有焼結用粉末を得てよい。
硬質粒子と焼結用粉末との混合比は、得ようとする硬質粒子分散ニッケル基金属間化合物複合焼結材料の特性に合わせて調整してよい。
例えば、硬質粒子含有焼結用粉末(すなわち、硬質粒子と焼結用粉末との合計)に対して、硬質粒子が10〜90体積%である。
硬質粒子の割合が大きいほど、得られた硬質粒子分散ニッケル基金属間化合物複合焼結材料の硬さの値は高くなる傾向がある。
なお、このような方法に代えて、後述する実施例6に示すように、例えば、焼結用粉末の組成を得るための母材と、硬質粒子とを予め混合し、この混合物を例えば2000℃以上に加熱して母材を溶融して、アトマイズを行って、その内部に硬質粒子を含むアトマイズ粉末を得て、これを硬質粒子含有焼結用粉末として用いてよい。アトマイズ粉末を作製するために母材を溶融させる際に、硬質粒子は、その一部分または全部を溶融させてよい。
母材は、例えば合金インゴット、各成分に対応した純金属のインゴット(すなわち、複数の種類のインゴット)、合金粉末、混合粉末等の任意の形態であってよい。
2.焼結
焼結は、実施形態1と同じ方法により実施してよい。
すなわち、実施形態1で示した焼結方法において、焼結用粉末を硬質粒子含有焼結用粉末に置き換えることで焼結を行うことができる。
その他の焼結条件は実施形態1と同じでよい。
3.熱処理
得られた硬質粒子分散ニッケル基金属間化合物複合焼結材料(焼結体)において、2重複相組織以外の部分(硬質粒子を除く)の少なくとも一部を2重複相組織にするように、実施形態1と同様に熱処理を行ってよい。
熱処理の条件は、実施形態1と同じであってよい。
1.実施例1
1−1.ニッケル基金属間化合物複合焼結材料
(1)混合粉末の作製
表1に示す粉末サイズ(粒子径)を有する元素粉末を用いて、表2に示す組成を有する混合粉末(焼結用粉末)を作製した。なお、ボロン(B)についてはボロン以外の元素の合計質量に対する比率(重量ppm)で示した。
混合は表3に示すように実施例1−1のサンプルでは乳鉢と乳棒を用いて行い、実施例1−2および実施例1−3のサンプルでは遊星ボールミルを用いて行った。なお、遊星ボールミルによる混合は、乾式で行い、粉末50gに対してボール2300gを使用した。
Figure 0006011946
粉末サイズの測定方法は、Niはフィッシャーサブシーブサイザー、他はメッシュによった。
Figure 0006011946
Figure 0006011946
図3は、得られた混合粉末の走査電子顕微鏡(SEM)像であり、図3(a)は実施例1−1のSEM像であり、図3(b)は実施例1−2のSEM像であり、図3(c)は実施例1−3のSEM像である。
ボールミルにより得た実施例1−2および1−3の混合粉末は凝集し、実施例1−1の混合粉末と比べ粒径が大きくなっている。
(2)焼結
得られた実施例1−1〜1−3の混合粉末をそれぞれ用いて、ホットプレス法により焼結を行った。
焼結は、真空中で、焼結温度1250℃で3時間保持し、50MPaの圧力を付与して行った。
これにより、直径40mm×高さ5mmのディスク状のニッケル基金属間化合物複合焼結材料(焼結体)を得た。
(3)組織観察
図4は、得られた分散ニッケル基金属間化合物複合焼結材料の金属組織を示す光学顕微鏡写真であり、図4(a)は実施例1−1の光学顕微鏡写真であり、図4(b)は実施例1−2の光学顕微鏡写真であり、図4(c)は実施例1−3の光学顕微鏡写真である。
図38は、得られた分散ニッケル基金属間化合物複合焼結材料の金属組織を示すSEM像であり、図38(a)は実施例1−1のSEM像であり、図38(b)は実施例1−1のより高い倍率のSEM像である。
図4および図38の結果より、乳鉢混合を行った実施例1−1のサンプルでも十分に緻密な組織を得ることができることが判る。そして、ボールミル混合を行った実施例1−2および1−3のサンプルでは、乳鉢混合と比べ均質一様性が向上している様子が観察された。また、SEM像では50μm以下の結晶粒は1〜5μmの2重複相組織からなっていることがわかる。この2重複相組織は何れのサンプルでもサンプル全面に観察された。
(4)X線回折
次に、得られたニッケル基金属間化合物複合焼結材料についてX線回折(CuKα)を行った。
図5はX線回折結果を示し、図5(a)は実施例1−1のX線回折結果を示し、図5(b)は実施例1−2のX線回折結果を示し、図5(c)は実施例1−3のX線回折結果を示す。また図5の下部にはNiAlおよびNiVのピーク位置を示す。
図5のX線回折結果から、実施例1−1〜1−3の何れも2重複相組織が形成されていることによるNiAlおよびNiVの存在が確認できた。
(5)酸素・窒素含有量、密度、硬さ試験結果
表4に得られたニッケル基金属間化合物複合焼結材料の酸素含有量、窒素含有量、密度および室温硬さの測定結果を示す。
酸素含有量は赤外線吸収法により測定した。
窒素含有量は熱伝導方式により測定した。
密度は以下の方法で求めた。
各サンプルを耐水エメリー紙にて#1500まで湿式研磨を行い、吊り下げ式電子天秤を用いて乾燥重量、水中重量、含水重量を測定し、アルキメデス法にてかさ密度を算出した。また比較のために組成の等しい溶製材についても同様に密度測定を行った。密度(かさ密度)は以下の(2)式を用いて算出した。

ρ=Wρ/(W−W’) (2)
ここで、ρは密度(かさ密度)であり、Wは乾燥重量であり、Wは含水重量であり、W’は水中重量である。
硬さは、以下の方法により求めた。
各サンプルを耐水エメリー紙にて#1500まで湿式研磨した後、アルミナ粉末を用いバフ研磨をした。その後、この研磨したサンプルを用いてマイクロビッカース硬さ試験を行った。各サンプル毎に12箇所で測定を行い、最大値および最小値を除いた10点の測定値の平均値を算出し硬さとした。マイクロビッカース硬さ計の測定条件は、荷重1kg、保持時間20秒であった。
Figure 0006011946
表4の結果から、何れのサンプルも硬さが450HV1(JIS(JIS−R1610)の表示による)以上で、十分な硬さが得られていることが分かる。また、ボールミル混合を用いることにより、合金中の酸素量および窒素は増加し比重が低下するものの、硬さが向上していることが分かる。
(6)高温硬さ測定結果
図6は、得られたサンプルの室温〜900℃間の温度での硬さHV1測定結果を示すグラフである。
実施例1−1〜1−3の何れのサンプルも、例えば、400℃で400HV1以上であるなど十分に高い高温硬さを示しており、これにより高温において、高い強度と耐摩耗性を有することが判る。
また、600℃までは、ボールミルにより混合粉末を得た実施例1−2および1−3のサンプルの方が、乳鉢・乳房を用いて混合粉末を得たサンプルより硬さが高くなっている。
1−2.硬質粒子分散ニッケル基金属間化合物複合焼結材料
(1)硬質粒子を含有した焼結用粉末の作製
次に表1に示す原料粉末を表2に示す組成となるように準備し、この原料粉末に硬質粒子として平均粒径1.5μm(粉末サイズの測定方法は、フィッシャーサブシーブサイザーによる)のTiC粒子を表5に示すように8〜80体積%の含有量となるように添加した後、ボールミルにより、硬質粒子を含有した焼結用粉末を作製した。ボールミルの条件は上述した実施例1−2と同じにした。
Figure 0006011946
図7は、硬質粒子を含有した焼結用粉末(混合粉末)の走査電子顕微鏡(SEM)像であり、図7(a)は実施例1−4のSEM像であり、図7(b)は実施例1−5のSEM像であり、図7(c)は実施例1−6のSEM像であり、図7(d)は実施例1−7のSEM像であり、図7(e)は実施例1−8のSEM像である。
硬質粒子TiCの含有量が増加する程、凝集が起こりにくく、凝集粉の粒径が小さくなる傾向が認められた。
(2)焼結
得られた実施例1−4〜1−8の硬質粒子を含有した焼結用粉末をそれぞれ用いて、ホットプレス法により焼結を行って、硬質粒子分散ニッケル基金属間化合物複合焼結材料(焼結体)を得た。
焼結の条件は、上述の実施例1−1〜1−3と同じ条件とした。
(3)熱処理
さらに、実施例1−6のサンプルについては、焼結後のサンプルに熱処理を行った。
熱処理条件は、真空中において1280℃で3時間保持した。
(4)組織観察
図8は、硬質粒子分散ニッケル基金属間化合物複合焼結材料の金属組織を示す光学顕微鏡写真であり、図8(a)は実施例1−4の光学顕微鏡写真であり、図8(b)は実施例1−5の光学顕微鏡写真であり、図8(c)は実施例1−6の光学顕微鏡写真であり、図8(d)は実施例1−7の光学顕微鏡写真であり、図8(e)は実施例1−8の光学顕微鏡写真である。
図8の光学顕微鏡観察結果より、濃灰色のTiC粒子が均一に分散していることが分かる。
さらに、実施例1−6のサンプルについては、SEM観察を行った。
図9は、実施例1−6に係る硬質粒子分散ニッケル基金属間化合物複合焼結材料の金属組織を示すSEM像であり、図9(a)は焼結後サンプルのSEM像であり、図9(b)は焼結後サンプルの高倍率でのSEM像であり、図9(c)は熱処理後サンプルのSEM像であり、図9(d)は熱処理後サンプルの高倍率でのSEM像である。
図9より、濃灰色のTiC粒子が均一に分散し、その間の淡灰色部分には2重複相組織が形成されていることが確認できる。また、熱処理後のサンプルは焼結後のサンプルと比べて粗大化した2重複相組織がはっきりと、全面に形成されていることがわかる。
(5)X線回折
次に、得られた硬質粒子分散ニッケル基金属間化合物複合焼結材料についてX線回折(X線源:CuKα)を行った。
図10はX線回折(CuKα)結果を示し、図10(a)はTiCを含まない実施例1−2のX線回折結果を再度示し、図10(b)は実施例1−4のX線回折結果を示し、図10(c)は実施例1−5のX線回折結果を示し、図10(d)は実施例1−6のX線回折結果を示し、図10(e)は実施例1−7のX線回折結果を示し、図10(f)は実施例1−8のX線回折結果を示す。また図10の下部にはTiC、NiAlおよびNiVのピーク位置を示す。
図10のX線回折結果から、2重複相組織の構成相(NiAlおよびNiV)およびTiC相が確認できた。
図11は、サンプル1−6に係る硬質粒子分散ニッケル基金属間化合物複合焼結材料のX線回折(CuKα)結果をより詳細に示し、図11(a)は焼結後のX線回折結果を示し、図11(b)は熱処理後のX線回折結果を示す。
図11のX線回折結果から、焼結後のサンプルと熱処理後のサンプルの両方より2重複相組織の構成相および(Ti、V)C相の両方が検出され、熱処理による硬質粒子の分解などは生じていないことが分かる。
(6)炭素含有量、酸素含有量、窒素含有量、密度、硬さ試験結果
表6に得られた実施例1−6および1−8の硬質粒子分散ニッケル基金属間化合物複合焼結材料の炭素含有量、酸素含有量、窒素含有量、密度および室温硬さの測定結果を示す。また、実施例1−2のニッケル基金属間化合物複合焼結材料のこれらの結果も再度掲載した
炭素含有量は燃焼・赤外線吸収法により測定した。
酸素・窒素含有量、密度および硬さの測定方法は、実施例1−1〜1−3と同じ方法を用いた。
Figure 0006011946
表6より、TiC添加量の増加により炭素含有量は増加している。一方、酸素含有量、窒素含有量はTiC添加量の影響を受けず、密度は低下していることが分かる。TiCを添加することにより室温硬さが大きく上昇しており、硬さを向上できることが判った。
(7)高温硬さ試験結果
図12は、実施例1−6および1−8の硬質粒子分散ニッケル基金属間化合物複合焼結材料の室温〜900℃間の温度での硬さHV1測定結果を示すグラフである。また、実施例1−2の結果も比較のため記載した。
硬質粒子TiCを添加した実施例1−6および1−8のサンプルは、何れの温度においても硬質粒子TiCを添加していない実施例1−2より高い硬さを有しており、よりいっそう、高温硬さおよび高温での耐摩耗性に優れることが判る。
また、実施例1−6と実施例1−8とを比較すると全ての温度でより多くの硬質粒子TiCを添加した実施例1−8の方が高い硬さを有している。
2.実施例2
2−1.ニッケル基金属間化合物複合焼結材料
(1)混合粉末の作製
表7に示す粉末サイズ(粒子径)を有する元素粉末を用いて、表8に示す組成を有する混合粉末(焼結用粉末)を作製した。混合は表9に示すように実施例2−1のサンプルでは乳鉢と乳棒を用いて行い、実施例2−2のサンプルでは遊星ボールミルを用いて行った。なお、遊星ボールミルによる混合は、乾式で行い、粉末50gに対してボール2300gを使用した。
Figure 0006011946
粉末サイズの測定方法は、Niはフィッシャーサブシーブサイザー、他はメッシュによった。
Figure 0006011946
Figure 0006011946
(2)焼結
得られた実施例2−1および2−2の混合粉末をそれぞれ用いて、ホットプレス法により焼結を行った。
焼結は、真空中で、焼結温度1250℃で3時間保持し、50MPaの圧力を付与して行った。
これにより、直径40mm×高さ5mmのディスク状のニッケル基金属間化合物複合焼結材料(焼結体)を得た。
(3)熱処理
さらに、実施例2−1および2−2の両方のサンプルについて、焼結後に熱処理を行った。
熱処理条件は、真空中において1280℃で3時間保持した
(4)組織観察
図13は、得られたニッケル基金属間化合物複合焼結材料の焼結後の金属組織を示すSEM像であり、図13(a)は実施例2−1のSEM像であり、図13(b)は、実施例2−1の高倍率でのSEM像であり、図13(c)は実施例2−2のSEM像であり、図13(d)は実施例2−2の高倍率でのSEM像である。
図13より、乳鉢混合を行った実施例2−1のサンプルでも十分に緻密な組織を得ることができることが判る。そして、ボールミル混合を行った実施例2−2のサンプルでは、均質一様性が向上している様子が観察された。また、SEM像では50μm以下の結晶粒の中に1μm〜5μmの初析L1相が観察され、2重複相組織となっていることがわかる。何れのサンプルでも全面に亘り2重複相組織が認められた。
図14は、得られたニッケル基金属間化合物複合焼結材料の熱処理後の金属組織を示すSEM像であり、図14(a)は実施例2−1のSEM像であり、図14(b)は、実施例2−1の高倍率でのSEM像であり、図14(c)は実施例2−2のSEM像であり、図14(d)は実施例2−2の高倍率でのSEM像である。
図14より、熱処理材では2重複相組織がより鮮明となっていることが分かる。
(5)X線回折
次に、得られたニッケル基金属間化合物複合焼結材料についてX線回折(CuKα)を行った。
図15は実施例2−1のX線回折結果を示し、図15(a)は焼結後のX線回折結果を示し、図15(b)は熱処理後のX線回折結果を示す。
図16は実施例2−2のX線回折結果を示し、図16(a)は焼結後のX線回折結果を示し、図16(b)は熱処理後のX線回折結果を示す。
図15および図16のX線回折結果から、実施例2−1および2−2のどちらも2重複相組織が形成されていることによるNiAlおよびNiVの存在が確認できた。
(6)平均結晶粒径
実施例2−1および2−2のサンプルについて、焼結後のサンプルについて、電解研磨を行った後、SEMを用いた電子線後方散乱回折(lctron ackcatter iffraction: EBSD)法により結晶方位解析を行ってパターンクオリティマップから切片法を用いて平均切片長さLを求めた。
そして、以下の(3)式より公称粒径dを算出した。結晶方位解析を行う時、解析範囲に結晶粒が100個以上入るようにSEMの倍率を選び各試料について3箇所分析を行った。
d=1.128L (3)
図17は、結晶方位解析を行い得たパターンクオリティマップの例であり、図17(a)は実施例2−1の例を示し、図17(b)は実施例2−2の例を示す。
得られた平均粒径は実施例2−1のサンプルで19μmであり、実施例2−2のサンプルで2μmであった。
(7)硬さ試験結果
実施例1と同じ方法により硬さを測定した。
図18は、実施例2−1および2−2の焼結後および熱処理後の硬さHV1を示す。実施例2−1は焼結後および熱処理後ともHV1の平均値が500程度あり、実施例2−2は焼鈍後および熱処理後ともHV1の平均値が600程度あり、どちらのサンプルも十分な強度(硬さ)を有することが判る。
2−2.硬質粒子分散ニッケル基金属間化合物複合焼結材料
(1)硬質粒子を含有した焼結用粉末の作製
次に表7に示す原料粉末を表8に示す組成となるように準備し、この原料粉末に硬質粒子として平均粒径1.5μm(粉末サイズの測定方法は、フィッシャーサブシーブサイザーによる)のTiC粒子を30体積%の含有量となるように添加した後、実施例2−3では乳鉢と乳棒により、また実施例2−4ではボールミルにより、硬質粒子を含有した焼結用粉末を作製した。乳鉢と乳棒による混合の条件は実施例2−1と同じにし、ボールミルによる混合の条件は実施例2−2と同じにした。
(2)焼結
得られた実施例2−3および2−4の硬質粒子を含有した焼結用粉末をそれぞれ用いて、ホットプレス法により焼結を行って、硬質粒子分散ニッケル基金属間化合物複合焼結材料(焼結体)を得た。
焼結の条件は、上述の実施例2−1および2−2と同じ条件とした。
(3)熱処理
さらに、実施例2−3および2−4について、焼結後のサンプルに熱処理を行った。
熱処理条件は、真空中において1280℃で3時間保持した。
(4)組織観察
図19は、得られた硬質粒子分散ニッケル基金属間化合物複合焼結材料の焼結後の金属組織を示すSEM像であり、図19(a)は実施例2−3のSEM像であり、図19(b)は、実施例2−3の高倍率でのSEM像であり、図19(c)は実施例2−4のSEM像であり、図19(d)は実施例2−4の高倍率でのSEM像である。
図19より、濃灰色のTiC相が均一に分散し、その間の淡灰色相が2重複相組織となっていることが分かる。
図20は、得られた硬質粒子分散ニッケル基金属間化合物複合焼結材料の熱処理後の金属組織を示すSEM像であり、図20(a)は実施例2−3のSEM像であり、図20(b)は、実施例2−3の高倍率でのSEM像であり、図20(c)は実施例2−4のSEM像であり、図20(d)は実施例2−4の高倍率でのSEM像である。
図20より、いずれのサンプルでも濃灰色のTiC相が分散している様子が観察される。また、乳鉢混合に比べてボールミル混合の分散が良いことが分かる。
(5)X線回折
次に、得られた硬質粒子分散ニッケル基金属間化合物複合焼結材料についてX線回折(CuKα)を行った。
図21は実施例2−3のX線回折結果を示し、図21(a)は焼結後のX線回折結果を示し、図21(b)は熱処理後のX線回折結果を示す。
図22は実施例2−4のX線回折結果を示し、図22(a)は焼結後のX線回折結果を示し、図22(b)は熱処理後のX線回折結果を示す。
図21および図22のX線回折結果から、実施例2−3および2−4のどちらも2重複相組織が形成されていることによるNiAlおよびNiVの存在が確認できた。
(6)硬さ試験結果
実施例1と同じ方法により硬さを測定した。
図23は、実施例2−3および2−4の焼結後および熱処理後の硬さHV1を示す。実施例2−3は焼鈍後のHV1の平均値が700程度であり、熱処理後のHV1の平均値が650程度あり、実施例2−4は焼鈍後のHV1の平均値が770程度であり、熱処理後のHV1の平均値が750程度あり、どちらのサンプルも十分な硬さを有することが判る。また、硬質粒子TiCを添加していない実施例2−1および2−2より高い硬さを有しており、硬質粒子を添加することにより、よりいっそう強度(硬さ)が高くなることが判る。
3.実施例3
本実施例では、アトマイズ粉末を用いてニッケル基金属間化合物複合焼結材料および硬質粒子分散ニッケル基金属間化合物複合焼結材料を得た。
2−1.ニッケル基金属間化合物複合焼結材料
(1)アトマイズ粉末の作製
表10の組成を有するアトマイズ粉末(合金粉末)を得た。
なお、表10では、ボロン(B)は、他の元素の合計質量に対する比率(重量ppm)として示してある。
アトマイズ粉末は、アルゴンガス雰囲気下で所定の組成の各元素のインゴットを1600℃で溶融・滴下し、そこへアルゴンガスを50kg/cmの圧力で吹き付けて作製した。
Figure 0006011946
図24は、アトマイズ粉末のSEM像であり、図24(a)は実施例3−1のアトマイズ粉末を示し、図24(b)は実施例3−2のアトマイズ粉末を示し、図24(c)は実施例3−3のアトマイズ粉末を示す。
図25は、アトマイズ粉末の粒度分布測定結果を示すグラフであり、図25(a)は実施例3−1のアトマイズ粉末を示し、図25(b)は実施例3−2のアトマイズ粉末を示し、図25(c)は実施例3−3のアトマイズ粉末を示す。
粒度分布は、メッシュ法により測定した。
図26は、アトマイズ粉末のX線回折(CuKα)結果を示す。図26(a)は実施例3−1のX線回折結果を示し、図26(b)は実施例3−2のX線回折結果を示し、図26(c)は実施例3−3のX線回折結果を示す。また図26の下部にはNiAlおよびNiVのピーク位置を示した。
図26のX線回折結果では、L12相とD022相が形成しており、他の相に起因するピークは認められなかった。
(2)焼結
得られた実施例3−1〜3−3のアトマイズ粉末(焼結用粉末)をそれぞれ用いて、ホットプレス法により焼結を行って、ニッケル基金属間化合物複合焼結材料(焼結体)を得た。
焼結温度を1250℃と1280℃に2水準で行った以外は、焼結の条件は、上述の実施例1−1〜1−3と同じ条件とした。
以下、焼結温度1250℃で焼結したサンプルには例えば「実施例3−1A」のように「A」を付し、焼結温度1280℃で焼結したサンプルには例えば「実施例3−1B」のように「B」を付す。
(3)組織観察
図27は、ニッケル基金属間化合物複合焼結材料の金属組織を示す光学顕微鏡写真であり、図27(a)は実施例3−1Aの光学顕微鏡写真であり、図27(b)は実施例3−1Bの光学顕微鏡写真であり、図27(c)は実施例3−2Aの光学顕微鏡写真であり、 図27(d)は実施例3−2Bの光学顕微鏡写真であり、図27(e)は実施例3−3Aの光学顕微鏡写真であり、図27(f)は実施例3−3Bの光学顕微鏡写真である。
図28は、実施例3−2Aと実施例3−2BのSEM像であり、図28(a)は実施例3−2AのSEM像であり、図28(b)は、実施例3−2Aの高倍率でのSEM像であり、図28(c)は実施例3−2BのSEM像であり、図28(d)は実施例3−2Bの高倍率でのSEM像である。
図29は、実施例3−3Aと実施例3−3BのSEM像であり、図29(a)は実施例3−3AのSEM像であり、図29(b)は、実施例3−3Aの高倍率でのSEM像であり、図29(c)は実施例3−3BのSEM像であり、図29(d)は実施例3−3Bの高倍率でのSEM像である。
図27〜29において、ポア(気孔)は少量確認されるだけであり、緻密な焼結体が得られていることが分かる。また、実施例3−2Aおよび3−2Bでは焼結後の状態で2重複相組織がサンプル全体に観察された。実施例3−3Aについては2重複相組織中に針状または板状のNiAlまたはNiV以外の金属間化合物相が全面に出現しており、実施例3−3BではこのようなNiAl、NiV以外の金属間化合物相は出現しておらず、サンプル全体が2重複相組織となっている。この結果、焼結温度は1280℃の方が好ましいことが分かる。
(4)X線回折
次に、得られたニッケル基金属間化合物複合焼結材料についてX線回折(CuKα)を行った。
図30はX線回折結果を示し、図30(a)は実施例3−1AのX線回折結果を示し、図30(b)は実施例3−2AのX線回折結果を示し、図30(c)は実施例3−3AのX線回折結果を示す。また図30の下部にはNiAlおよびNiVのピーク位置を示す。
図30のX線回折結果から、実施例3−1A、3−2A、3−3Aの何れについても2重複相組織が形成されていることによるNiAlおよびNiVの存在が確認できた。また、図30には示さないが、実施例3−1B、3−2B、3−3Bの何れについても2重複相組織が形成されていることによるNiAlおよびNiVの存在が確認できた。
(5)密度、硬さ試験結果
表11に得られた実施例3−1A〜3−3Bのニッケル基金属間化合物複合焼結材料の密度および室温硬さの測定結果を示す。
密度および硬さの測定方法は、実施例1−1〜1−3と同じ方法を用いた。
Figure 0006011946
表11より、何れの実施例サンプルにおいても十分な密度および硬さが得られているが、実施例3−3Aについては、2重複相組織の生成が一部分であったためか、若干、硬さが低くなった。焼結温度は1280℃が適切であることが分かる。
(6)高温硬さ測定試験結果
図31(a)は、実施例3−1A、3−2Aおよび3−3Aの室温〜900℃間の温度での硬さHV1測定結果を示すグラフであり、図31(b)は、実施例3−1B、3−2Bおよび3−3Bの室温〜900℃間の温度での硬さHV1測定結果を示すグラフである。
何れのサンプルも、例えば、400℃で400HV1(JIS(JIS−R1610)の表示による)以上であるなど十分に高い高温硬さを示しており、これにより高温において、高い強度と耐摩耗性を有することが判る。
2−2.硬質粒子分散ニッケル基金属間化合物複合焼結材料
(1)硬質粒子を含有した焼結用粉末の作製
実施例3−2のアトマイズ粉末に、平均粒径1.5μm(粉末サイズの測定方法は、フィッシャーサブシーブサイザーによる)のTiC(微粒TiC)を50体積%混合し、実施例3−4に係る、硬質粒子を含有した焼結用粉末を作製した。
同様に、実施例3−2のアトマイズ粉末に、平均粒径50μm(粉末サイズの測定方法は、メッシュによる)のTiC(粗粒TiC)を30体積%混合し、実施例3−5に係る、硬質粒子を含有した焼結用粉末を作製した。
さらに、実施例3−2のアトマイズ粉末に、平均粒径2μm(粉末サイズの測定方法は、フィッシャーサブシーブサイザーによる)のNbC(微粒NbC)を30体積%混合し、実施例3−6に係る、硬質粒子を含有した焼結用粉末を作製した。
実施例3−2のアトマイズ粉末に、平均粒径1.5μm(粉末サイズの測定方法は、フィッシャーサブシーブサイザーによる)のWC粉末を30体積%混合し、実施例3−7に係る、硬質粒子を含有した焼結用粉末を作製した。
実施例3−2のアトマイズ粉末に、平均粒径2.0μm(粉末サイズの測定方法は、フィッシャーサブシーブサイザーによる)のTaC粉末を30体積%混合し、実施例3−8に係る、硬質粒子を含有した焼結用粉末を作製した。
得られた実施例3−4〜3−8に係る、硬質粒子を含有した焼結用粉末をそれぞれ用いて、ホットプレス法により焼結を行って、硬質粒子分散ニッケル基金属間化合物複合焼結材料(焼結体)を得た。
焼結の条件は、実施例3−4〜3−6については上述の実施例1−1〜1−3と同じ条件、すなわち、焼結温度は1250℃とした。一方、実施例3−7および3−8については焼結温度を1280℃とした。それ以外の焼結条件は、実施例3−4〜3−6と同じとした。
(3)組織観察
図32は、実施例3−4〜3−6に係る硬質粒子分散ニッケル基金属間化合物複合焼結材料の金属組織を示す光学顕微鏡写真であり、図32(a)は実施例3−4の光学顕微鏡写真であり、図32(b)は実施例3−5の光学顕微鏡写真であり、図32(c)は実施例3−6の光学顕微鏡写真である。
図33は、得られた実施例3−4および3−6に係る硬質粒子分散ニッケル基金属間化合物複合焼結材料の金属組織を示すSEM像であり、図33(a)は実施例3−4のSEM像であり、図33(b)は実施例3−4のより高倍率のSEM像であり、図33(c)は実施例3−6のSEM像であり、図33(d)は実施例3−6のより高倍率のSEM像である。
図34は、得られた実施例3−7および3−8に係る硬質粒子分散ニッケル基金属間化合物複合焼結材料の金属組織を示すSEM像であり、図34(a)は実施例3−7のSEM像であり、図34(b)は実施例3−7のより高倍率のSEM像であり、図34(c)は実施例3−8のSEM像であり、図34(d)は実施例3−8のより高倍率のSEM像である。
図32〜図34より、添加した硬質粒子は、もともとアトマイズ粒子であったと思われるNiAl/NiV相の間に分布していることが分かる。そのNiAl/NiV相中には2重複相組織が観察された。
(4)高温硬さ測定結果
図35は、実施例3−4〜3−6の硬質粒子分散ニッケル基金属間化合物複合焼結材料の室温〜900℃間の温度での硬さHV1測定結果を示すグラフである。
図35より、硬質粒子を分散させることで室温の硬さが上昇している。また、温度上昇に伴う硬さの低下が低いことが分かる、これはニッケル基金属間化合物の特長によると思われる。硬質粒子の粒度としては、微粒の方が硬さの向上の効果が大きいことが判る。また、硬質粒子の種類の影響については、室温では、微粒TiCとNbCとがほぼ同じ硬さとなったが、200℃〜600℃では微粒TiCを用いた方がより高い硬さを得られることが判った。
(5)硬さ測定結果
図36は、実施例3−7および3−8の硬質粒子分散ニッケル基金属間化合物複合焼結材料の室温での硬さHV1測定結果を示すグラフである。
図36より、WCおよびTaCのいずれも分散硬化による硬さ上昇が可能であり、TaCの方がより硬さ上昇が大きいことが判る。
以上に示した実施例1〜3より、本願発明が第1のニッケル基金属間化合物を含む初析相と、第1のニッケル基金属間化合物と第2のニッケル基金属間化合物とを含む共析相と、を含んで成る2重複相組織を有し、かつ得られた2重複相組織が均一で高い強度(硬さ)を有するニッケル基金属間化合物複合焼結材料を提供できること、および粉末成形法を用いることによりニッケル基金属間化合物複合焼結材料をより優れた寸法精度(ニアネットシェイプ)で製造できる方法を提供することが明確である。
さらに、硬質粒子を用いることで、本願発明に係るニッケル基金属間化合物複合焼結材料は、よりいっそう高い強度(硬さ)を有することも明確である。
4.実施例4
本実施例では、硬質粒子としてバナジウム炭化物(VC)とタングステン炭化物(WC)を用いた。
(1)硬質粒子を含有した焼結用粉末の作製
実施例2と同じく、表7に示す原料粉末を表8に示す組成となるように準備し、この原料粉末に硬質粒子として平均粒径1.5μm(粉末サイズの測定方法は、フィッシャーサブシーブサイザーによる)VC粒子または平均粒径1.5μm(粉末サイズの測定方法は、フィッシャーサブシーブサイザーによる)のWC粒子を所定の割合で添加した。
より詳細には、実施例4−1では、VC粒子を30体積%の含有量となるように添加し、実施例4−2では、VC粒子を50体積%の含有量となるように添加し、実施例4−3では、VC粒子を70体積%の含有量となるように添加し、実施例4−4では、WC粒子を50体積%の含有量となるように添加した。
そして、実施例4−1〜4−4の何れのサンプルについても乳鉢と乳棒により、硬質粒子を含有した焼結用粉末を作製した。
(2)焼結
得られた実施例4−1〜4−4の硬質粒子を含有した焼結用粉末をそれぞれ用いて、ホットプレス法により焼結を行って、硬質粒子分散ニッケル基金属間化合物複合焼結材料(焼結体)を得た。
焼結の条件は、上述の実施例2−1および2−2と同じ条件とした。
(3)熱処理
さらに、実施例4−1〜4−4の何れについても焼結後のサンプルに熱処理を行った。
熱処理条件は、真空中において1280℃で3時間保持した。
(4)組織観察
図39は、得られた実施例4に係る硬質粒子分散ニッケル基金属間化合物複合焼結材料の金属組織を示す光学顕微鏡写真であり、図39(a)は実施例4−1の光学顕微鏡写真であり、図39(b)は実施例4−2の光学顕微鏡写真であり、図39(c)は実施例4−3の光学顕微鏡写真であり、図39(d)は実施例4−4の光学顕微鏡写真である。
図39(a)〜(c)より、濃灰色のVC相が均一に分散し、その間の淡灰色相が2重複相組織となっていることが分かる。また、VC粒子の体積率が増加するに従って、VC相の量が増加していることも分かる。
図39(d)より、濃灰色のWC相が均一に分散し、その間の淡灰色相が2重複相組織となっていることが分かる。
(5)硬さ試験結果
実施例1と同じ方法により室温での硬さを測定した。
表12に、実施例4−1〜4−4サンプル(熱処理後)の硬さ試験の結果を示す。実施例4−1〜4−4の何れのサンプルも十分な硬さを有することが判る。
また、実施例4−1〜4−3より、VC粒子の体積率が30%〜70%と増加することにより、室温硬さHV1が658〜1237と大きく増加することが分かる。
Figure 0006011946
(6)高温硬さ測定試験結果
図40は、実施例4−1〜4−3サンプルの室温〜900℃間の温度での硬さHV1測定結果を示すグラフである。
何れのサンプルも例えば、何れのサンプルも、例えば、600℃で400HV1(JIS(JIS−R1610)の表示による)以上であるなど十分に高い高温硬さを示しており、これにより高温において、高い強度と耐摩耗性を有することが判る。
5.実施例5
本実施例では、硬質粒子として値チタンニウム炭化物(TiC)、チタニウム炭窒化物(TiCN)、チタン窒化物(TiN)、タンタル炭化物(TaC)およびタングステン炭化物(WC)を用いた。
(1)硬質粒子を含有した焼結用粉末の作製
上述の実施例3−3のアトマイズ粉末(組成:75.0at%−7.0at%Al−13.0at%V−5at%Taに50ppmのBを添加)に、平均粒径1.5μm(粉末サイズの測定方法は、フィッシャーサブシーブサイザーによる)のTiCを30体積%混合し、実施例5−1に係る、硬質粒子を含有した焼結用粉末を作製した。
実施例3−3のアトマイズ粉末に、平均粒径2.0μm(粉末サイズの測定方法は、メッシュによる)のTiCNを30体積%混合し、実施例5−2に係る、硬質粒子を含有した焼結用粉末を作製した。
実施例3−3のアトマイズ粉末に、平均粒径2.0μm(粉末サイズの測定方法は、メッシュによる)のTiNを30体積%混合し、実施例5−3に係る、硬質粒子を含有した焼結用粉末を作製した。
実施例3−3のアトマイズ粉末に、平均粒径2.0μm(粉末サイズの測定方法は、メッシュによる)のTaCを30体積%混合し、実施例5−4に係る、硬質粒子を含有した焼結用粉末を作製した。
実施例3−3のアトマイズ粉末に、平均粒径1.5μm(粉末サイズの測定方法は、メッシュによる)のWCを15体積%混合し、実施例5−5に係る、硬質粒子を含有した焼結用粉末を作製した。
実施例3−3のアトマイズ粉末に、平均粒径6.0μm(粉末サイズの測定方法は、メッシュによる)のWCを60体積%混合し、実施例5−6に係る、硬質粒子を含有した焼結用粉末を作製した。
(2)焼結
得られた実施例5−1〜5−6に係る、硬質粒子を含有した焼結用粉末をそれぞれ用いて、ホットプレス法により焼結を行って、硬質粒子分散ニッケル基金属間化合物複合焼結材料(焼結体)を得た。
実施例5−1〜5−6の何れのサンプルについても焼結の条件は、実施例3−7および3−8と同じ条件、すなわち、焼結温度は1280℃とした。
(2)硬さ試験結果
実施例1と同じ方法により室温での硬さを測定した。
図41は、実施例5−1〜5−6サンプル(焼結体)の室温硬度HV1を示すグラフである。
実施例5−1〜5−6サンプルは、室温硬度HV1が629〜789と高い値を示していることが分かる。
6.実施例6
本実施例では、硬質粒子をアトマイズする前に加えて、溶融し、アトマイズ粉末を得て、このアトマイズ粉を用いて硬質粒子分散ニッケル基金属間化合物複合焼結材料を得た。
(1)アトマイズ粉末の作製
表13の組成を有する母材(Ni、Al、V、TaおよびNbはそれぞれ純金属インゴットの形態)を用意した。
なお、表13では、ボロン(B)は、他の元素の合計質量に対する比率(重量ppm)として示してある。
これに、15体積%のTiC(粒径1.5μm)を加えた後、アルゴンガス雰囲気下で所定の組成の各元素のインゴットを溶融・滴下(溶融温度2000℃以上)し、そこへアルゴンガスを50kg/cmの圧力で吹き付けてアトマイズ粉末を作製した。
Figure 0006011946
(2)焼結
得られた実施例6−1および6−2に係るアトマイズ粉末をそれぞれ用いて、ホットプレス法により焼結を行って、硬質粒子分散ニッケル基金属間化合物複合焼結材料(焼結体)を得た。
実施例6−1および6−2のどちらのサンプルについても焼結の条件は、実施例3−7および3−8と同じ条件、すなわち、焼結温度は1280℃とした。
(3)組織観察
図42は、得られた実施例6に係る硬質粒子分散ニッケル基金属間化合物複合焼結材料の焼結後の金属組織を示す光学顕微鏡写真であり、図42(a)は実施例6−1の光学顕微鏡写真であり、図42(b)は実施例6−2の光学顕微鏡写真である。
図42(a)、(b)のどちらとも濃灰色のTiC相が均一に分散し、その間の淡灰色相が2重複相組織となっていることが分かる。
(4)硬さ試験結果
実施例1と同じ方法により室温での硬さを測定した。
実施例6−1のサンプル(焼結体)の室温硬度は523HV1であり、実施例6−2のサンプル(焼結体)の室温硬度は551HV1であった。
(5)高温硬さ測定試験結果
図43は、実施例6−1サンプルの室温〜900℃間の温度での硬さHV1測定結果を示すグラフである。
例えば、400℃で400HV1(JIS(JIS−R1610)の表示による)以上であるなど十分に高い高温硬さを示しており、これにより高温において、高い強度と耐摩耗性を有することが判る。
本出願は、日本国特許出願、特願第2011−230005号を基礎出願とする優先権主張を伴う。日本国特許出願、特願第2011−230005号は参照することにより本明細書に取り込まれる。
1 初析相
3 共析相

Claims (11)

  1. 第1のニッケル基金属間化合物から成る初析相と、
    前記第1のニッケル基金属間化合物と、該第1のニッケル基金属間化合物と異なる第2のニッケル基金属間化合物とから成る共析相と、から成る2重複相組織から成り、
    該2重複相組織の平均結晶粒径が50μm以下であり、
    前記2重複相組織が、50at%以上のニッケルと、5at%〜13at%のアルミニウムと、9.5at%〜17.5at%のバナジウムと、0at%〜5at%のニオブとを含有し、
    前記第1のニッケル基金属間化合物が、L1型の結晶構造を有する、NiAlまたはニッケルおよびアルミニウム以外の元素を含むNiAlであり、
    前記第2のニッケル基金属間化合物がD022型の結晶構造を有する、NiVまたはニッケルおよびバナジウム以外の元素を含むNiVであることを特徴とするニッケル基金属間化合物複合焼結材料。
  2. 前記2重複相組織が、タンタル:0.5at%〜8at%、タングステン:0.5at%〜8at%、クロム:12at%以下(0at%を含まず)、コバルト:15at%以下(0at%を含まず)、チタン:0.5at%〜3.5at%、レニウム:0.5at%〜5at%およびカーボン(炭素):12.5at%以下(0at%を含まず)から成る群より選択される1種以上を更に含有することを特徴とする請求項1に記載のニッケル基金属間化合物複合焼結材料。
  3. 前記2重複相組織が、更にボロンを含み、該ボロンの含有量が前記2重複相組織のボロン以外の元素の合計質量に対して10重量ppm〜1000重量ppmであることを特徴とする請求項1またはに記載のニッケル基金属間化合物複合焼結材料。
  4. チタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、クロム、モリブデン、タングステン、アルミニウムおよびイットリウムからなる群より選択される1種以上の元素の炭化物、窒化物、炭窒化物、酸化物または硼化物であって、
    前記2重複相組織中に分散している炭化物、窒化物、炭窒化物、酸化物または硼化物を更に含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のニッケル基金属間化合物複合焼結材料。
  5. 第1のニッケル基金属間化合物を含む初析相と、
    前記第1のニッケル基金属間化合物と、該第1のニッケル基金属間化合物と異なる第2のニッケル基金属間化合物とから成る共析相と、から成る2重複相組織から成り、
    該2重複相組織の平均結晶粒径が50μm以下であり、
    前記第1のニッケル基金属間化合物が、L1型の結晶構造を有する、NiAlまたはニッケルおよびアルミニウム以外の元素を含むNiAlであり、
    前記第2のニッケル基金属間化合物がD022型の結晶構造を有する、NiVまたはニッケルおよびバナジウム以外の元素を含むNiVであるニッケル基金属間化合物複合焼結材料の製造方法であって、
    50at%以上のニッケルと、5at%〜13at%のアルミニウムと、9.5at%〜17.5at%のバナジウムと、0at%〜5at%のニオブとを含有する混合粉末または合金粉末を準備する粉末準備工程と、
    前記混合粉末または合金粉末に圧力を付与した状態で、前記混合粉末または合金粉末を加熱し焼結する焼結工程と、
    を含むことを特徴とするニッケル基金属間化合物複合焼結材料の製造方法。
  6. 前記焼結工程の前に、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、クロム、モリブデン、タングステン、アルミニウムおよびイットリウムからなる群より選択される1種以上の元素の炭化物、窒化物、炭窒化物、酸化物または硼化物を含む粒子と、前記混合粉末または合金粉末と、を混合する工程を更に含むことにより、前記2重複相組織中に前記炭化物、窒化物、炭窒化物、酸化物または硼化物を含む粒子を分散させることを特徴とする請求項に記載の製造方法。
  7. 前記混合粉末または合金粉末が、タンタル:0.5at%〜8at%、タングステン:0.5at%〜8at%、クロム:12at%以下(0at%を含まず)、コバルト:15at%以下(0at%を含まず)、チタン:0.5at%〜3.5at%、レニウム:0.5at%〜5at%およびカーボン(炭素):12.5at%以下(0at%を含まず)から成る群より選択される1種以上を更に含有することを特徴とする請求項またはに記載の製造方法。
  8. 前記混合粉末または合金粉末が、更にボロンを含み、該ボロンの含有量がボロン以外の元素の合計質量に対して10重量ppm〜1000重量ppmであることを特徴とする請求項のいずれか1項に記載の製造方法。
  9. 第1のニッケル基金属間化合物を含む初析相と、
    前記第1のニッケル基金属間化合物と、該第1のニッケル基金属間化合物と異なる第2のニッケル基金属間化合物とから成る共析相と、から成る2重複相組織と、該2重複相組織中に分散したチタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、クロム、モリブデン、タングステン、アルミニウムおよびイットリウムからなる群より選択される1種以上の元素の炭化物、窒化物、炭窒化物、酸化物または硼化物と、から成り、
    該2重複相組織の平均結晶粒径が50μm以下であり、
    前記第1のニッケル基金属間化合物が、L1型の結晶構造を有する、NiAlまたはニッケルおよびアルミニウム以外の元素を含むNiAlであり、
    前記第2のニッケル基金属間化合物がD022型の結晶構造を有する、NiVまたはニッケルおよびバナジウム以外の元素を含むNiVであるニッケル基金属間化合物複合焼結材料の製造方法であって、
    50at%以上のニッケルと、5at%〜13at%のアルミニウムと、9.5at%〜17.5at%のバナジウムと、0at%〜5at%のニオブとを含有する母材と、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、クロム、モリブデン、タングステン、アルミニウムおよびイットリウムからなる群より選択される1種以上の元素の炭化物、窒化物、炭窒化物、酸化物または硼化物とを用いて、少なくとも前記母材が溶融した溶融金属を得る溶融工程と、
    前記溶融金属をアトマイズして、ニッケル基合金マトリクス中にチタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、クロム、モリブデン、タングステン、アルミニウムおよびイットリウムからなる群より選択される1種以上の元素の炭化物、窒化物、炭窒化物、酸化物または硼化物を有するアトマイズ粉末を得るアトマイズ工程と、
    前記アトマイズ粉末に圧力を付与した状態で、前記アトマイズ粉末を加熱し焼結する焼結工程と、
    を含むことを特徴とするニッケル基金属間化合物複合焼結材料の製造方法。
  10. 前記母材が、タンタル:0.5at%〜8at%、タングステン:0.5at%〜8at%、クロム:12at%以下(0at%を含まず)、コバルト:15at%以下(0at%を含まず)、チタン:0.5at%〜3.5at%、レニウム:0.5at%〜5at%およびカーボン(炭素):12.5at%以下(0at%を含まず)から成る群より選択される1種以上を更に含有することを特徴とする請求項に記載の製造方法。
  11. 前記母材が、更にボロンを含み、該ボロンの含有量がボロン以外の元素の合計質量に対して10重量ppm〜1000重量ppmであることを特徴とする請求項または10に記載の製造方法。
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