JP6128671B1 - 熱間鍛造用金型、熱間鍛造装置、及び熱間鍛造用金型の製造方法 - Google Patents

熱間鍛造用金型、熱間鍛造装置、及び熱間鍛造用金型の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】高温環境下にて高い強度を有するとともに大きな衝撃荷重にも耐え得る、高温耐久性に優れた熱間鍛造用金型、熱間鍛造装置、及び熱間鍛造用金型の製造方法を提供する。【解決手段】テーパ穴20aが形成された補強部材20と、被加工材5を成形する成形部11aが形成されテーパ穴20aに圧入されたニブ10とを備え、ニブ10における少なくとも成形部11aが、Niを主成分とし、2〜13原子%のAl、及び10〜17原子%のVを含む合計100原子%の組成の金属と、前記組成の金属の合計重量に対して10〜1000重量ppmのBとを含み、初析L12相と(L12+D022)共析組織とからなる2重複相組織を有するNi基金属間化合物からなる、熱間鍛造用金型。【選択図】図2

Description

本発明は、高温耐久性を有した熱間鍛造用金型、熱間鍛造装置、及び熱間鍛造用金型の製造方法に関する。
従来、熱間鍛造用金型には、主にSKD61等の熱間工具鋼が使用されている。しかし、熱間鍛造においては、例えば被加工材の加工温度が800℃以上となるため、熱間鍛造用金型が軟化して強度が低下し、加工精度が保てなくなるとともに、金型寿命が短いという問題があった。
また、熱間鍛造用金型には、高温環境下での強度が比較的高いWC−Co等の超硬合金が使用される場合もある。超硬合金は、高温環境下にて使用することが可能であるが、長時間にわたって使用すると酸化が進んで極端に強度が劣化するため、金型寿命が短くなっていた。
近年、高温環境下において高い強度を維持可能な合金として、Al及びVを含みNiを主成分とした2重複相組織を有するNi基金属間化合物が開発されている(例えば、特許文献1参照)。
このようなNi基金属間化合物は、高温環境下での強度が優れているため、ジェットエンジンやガスタービンのタービン部材のような用途への応用が期待されている。
特許第5146935号公報
しかし、前述のNi基金属間化合物は、高温環境下にさらされるだけでなく、大きな衝撃荷重が繰り返し加わる熱間鍛造用金型には応用されていなかった。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、高温環境下にて高い強度を有するとともに大きな衝撃荷重にも耐え得る、高温耐久性に優れた熱間鍛造用金型、熱間鍛造装置、及び熱間鍛造用金型の製造方法を提供するものである。
上記課題を解決する熱間鍛造用金型、熱間鍛造装置、及び熱間鍛造用金型の製造方法は、以下の特徴を有する。
即ち、請求項1記載の如く、熱間鍛造用金型は、穴が形成された補強部材と、被加工材を成形する成形部が形成され前記穴に圧入されたニブとを備え、前記ニブにおける少なくとも前記成形部が、Niを主成分とし、2〜13原子%のAl、及び10〜17原子%のVを含む合計100原子%の組成の金属と、前記組成の金属の合計重量に対して10〜1000重量ppmのBとを含み、初析L1相と(L1+D022)共析組織とからなる2重複相組織を有するNi基金属間化合物からなる。
また、請求項2記載の如く、前記Ni基金属間化合物は、0.5〜8原子%のTa、及び/又は0〜5原子%のWをさらに含む。
また、請求項3記載の如く、前記Ni基金属間化合物は、0.01〜1.0原子%のCをさらに含む。
また、請求項4記載の如く、前記Ni基金属間化合物は、0〜5原子%のCoをさらに含む。
また、請求項5記載の如く、前記Ni基金属間化合物は、0〜5原子%のCrをさらに含む。
また、請求項6記載の如く、前記Ni基金属間化合物は、0〜5原子%のTi、及び/又は0〜5原子%のNbをさらに含む。
また、請求項7記載の如く、前記Ni基金属間化合物の硬さが、HRC40〜HRC60である。
また、請求項8記載の如く、前記補強部材の前記ニブに対する締め量が、前記穴の内径寸法の0〜2.0%の範囲である。
また、請求項9記載の如く、前記ニブは、前記穴の軸に沿った方向へ複数に分割されており、複数に分割された前記ニブのうち、前記成形部が形成された前記ニブが、前記Ni基金属間化合物にて構成される。
また、請求項10記載の如く、熱間鍛造装置は、請求項1〜9の何れか一項に記載の熱間鍛造用金型と、前記熱間鍛造用金型に対して、前記穴の軸方向に沿った方向へ相対的に移動可能なポンチとを備え、前記ポンチを前記熱間鍛造用金型に対して相対的に近接させて、再結晶温度以上に加熱された前記被加工材を、前記熱間鍛造用金型と前記ポンチとにより無冷却にて挟み込んでプレスする。
また、請求項11記載の如く、請求項1〜9の何れか一項に記載の熱間鍛造用金型を製造する方法であって、前記ニブを、前記Ni基金属間化合物からなる素材に切削工具にて切削加工を施す切削工程を含む工程により製造する。
また、請求項12記載の如く、熱間鍛造用金型の製造方法であって、被加工材を成形する成形部が形成されるニブを、Niを主成分とし、2〜13原子%のAl、及び10〜17原子%のVを含む合計100原子%の組成の金属と、前記組成の金属の合計重量に対して10〜1000重量ppmのBとを含み、初析L1相と(L1+D022)共析組織とからなる2重複相組織を有するNi基金属間化合物からなる素材を鋳造により得る鋳造工程と、前記素材に切削工具にて切削加工を施す切削工程とを含む工程により製造する。
また、請求項13記載の如く、熱間鍛造用金型は、Niを主成分とし、2〜13原子%のAl、10〜17原子%のV、並びに0.5〜8原子%のTa及び/又は0〜5原子%のWを含む合計100原子%の組成の金属と、前記組成の金属の合計重量に対して10〜1000重量ppmのBとを含み、初析L1相と(L1+D022)共析組織とからなる2重複相組織を有するNi基金属間化合物からなる。
本発明によれば、高温耐久性に優れた熱間鍛造用金型を構成することが可能である。
熱間鍛造用金型を示す斜視図である。 熱間鍛造用金型を示す側面断面図である。 熱間鍛造用金型の各構成部材を示す側面断面図である。 熱間鍛造装置の熱間鍛造用金型とポンチとにより被加工材を熱間鍛造する様子を示す側面断面図である。 2重複相組織を有するNi基金属間化合物、及び高強度型ニッケル超合金展伸材の温度による引張強度の変化を示す図である。 2重複相組織を有するNi基金属間化合物の引張強度が、温度の上昇に従って高くなっていく様子を示す図である。 2重複相組織を有するNi基金属間化合物に対するTa及びWの添加量と、2重複相組織を有するNi基金属間化合物のビッカース硬さとの関係を示す図である。 Ta、Wを含有する2重複相組織を有するNi基金属間化合物、及び他の合金の温度とビッカース硬さとの関係を示す図である。 熱間鍛造装置における鍛造回数と金型温度との関係を示す図である。 被削材を切削工具により切削した際の切削工具の摩耗量を示す図である。
次に、本発明に係る熱間鍛造用金型を実施するための形態を、添付の図面を用いて説明する。
[熱間鍛造用金型1の構成]
図1〜図3に示す熱間鍛造用金型1は、被加工材5を熱間鍛造する際に用いられる金型であり、テーパ穴20aが形成された円筒状の補強部材20と、補強部材20に圧入されたニブ10とを備えている。なお、熱間鍛造とは、再結晶温度以上に加熱した被加工材5に対して行う鍛造加工のことをいう。
補強部材20のテーパ穴20aは上下方向に貫通する穴であり、上端側が下端側よりも小径となるテーパ形状に形成されている。
テーパ穴20aの上端における内径はR1であり、テーパ穴20aのテーパ角度はθ1である。テーパ角度θ1は、例えば0°〜5°の範囲に設定することができる。
ニブ10は、略円柱状に形成されており、その外周面は上端側が下端側よりも小径となるテーパ形状に形成されている。ニブ10の外周面のテーパ角度はθ2である。テーパ角度θ2はテーパ角度θ1と同じ角度に設定されている。テーパ角度θ2は、例えば0°〜5°の範囲に設定することができる。
ニブ10は、テーパ穴20aの軸に沿った方向へ2分割されており、第1ニブ11と第2ニブ12とを有している。第1ニブ11は第2ニブ12の上方に配置されている。
第1ニブ11には、被加工材5を成形するための凹部である成形部11aと、上下方向に貫通する貫通穴11bとが形成されている。成形部11aは第1ニブ11の上端部に形成されており、貫通穴11bは成形部11aの底部から第1ニブ11の下端にかけて形成されている。
第2ニブ12には、上下方向に貫通する貫通穴12aが形成されている。貫通穴12aと貫通穴11bとは同径に形成され、同軸上に配置されていて、互いに連通している。
本実施形態における被加工材5は円柱形状の棒状部材であり、例えばステンレス鋼にて形成されている。(図4参照)。被加工材5の外径寸法は、貫通穴11b、12aの内径寸法と略同じに形成されており、被加工材5を貫通穴11b、12a内に摺動可能に挿入することが可能となっている。
第1ニブ11の上端における外径はR2であり、第1ニブ11の外径R2は、補強部材20におけるテーパ穴20aの内径R1よりも大きく形成されている。
外径R2は、例えば内径R1よりも内径R1の0%〜2.0%だけ大きな寸法に設定することができる。つまり、第1ニブ11の外径R2は、内径R1に、内径R1の0%〜2.0%の大きさの締め代αを加えた寸法に設定することができる。
これにより、第1ニブ11を補強部材20に圧入した際における、補強部材20のニブ10に対する締め量を、テーパ穴20aの内径R1の0%〜2.0%の範囲とすることができる。
また、ニブ10の外周面、及び補強部材20におけるテーパ穴20aの内周面は、表面粗さRmaxが2.5以下となるように加工されており、ニブ10を補強部材20に圧入した際に、ニブ10の外周面とテーパ穴20aの内周面との当たり面積が80%以上となるように構成されている。
ニブ10の補強部材20への圧入は、例えば補強部材20を所定温度に加熱した後、加熱された補強部材20に対して図2における下方から第1ニブ11及び第2ニブ12をプレス機にて圧入することにより行う。
また、常温の補強部材20に対して常温のニブ10をプレス機にて圧入することも可能である。常温の補強部材20に対して常温のニブ10を圧入した場合、圧入後の補強部材20及びニブ10を480℃〜550℃程度の温度で1hr〜2hr程度加熱処理を行った後、3hr程度自然冷却することで、ニブ10の補強部材20に対する圧入状態を強固に保持することが可能となる。これは、加熱処理を行った際に、ニブ10と補強部材20との接触部の界面で合金化が進むことに起因するものである。
なお、ニブ10が圧入される補強部材20の穴は、本実施形態においてはテーパ穴20aに形成されているが、テーパがなく上端部と下端部との径が同じ円筒状の穴に形成することもできる。
また、本実施形態における補強部材20の穴は上下方向に貫通する穴に形成されているが、例えば下端部が閉じた補強部材20を貫通しない穴に形成することもできる。
また、本実施形態のニブ10は、テーパ穴20aの軸に沿った方向へ2分割されて第1ニブ11と第2ニブ12とを有しているが、ニブ10は複数に分割されていない構成とすることもできる。さらに、ニブ10は、テーパ穴20aの軸に沿った方向へ3以上に分割した構成とすることもできる。
[熱間鍛造用金型1を備えた熱間鍛造装置Pの構成]
このように構成される熱間鍛造用金型1は、被加工材5を熱間鍛造する熱間鍛造装置Pに用いることができる。
図4に示すように、熱間鍛造装置Pは、熱間鍛造用金型1と、熱間鍛造用金型1の上方に配置され、熱間鍛造用金型1に対してテーパ穴20aの軸方向に沿った方向へ移動可能なポンチ3とを備えている。ポンチ3は、テーパ穴20aの軸方向に沿った方向へ移動することにより、熱間鍛造用金型1に対して近接離間する。例えば、ポンチ3は、テーパ穴20aの軸方向に沿って下降させると熱間鍛造用金型1に近接し、テーパ穴20aの軸方向に沿って上昇させると熱間鍛造用金型1から離間する。
熱間鍛造装置Pにより被加工材5を熱間鍛造する場合、まず被加工材5の被成形部を再結晶温度以上に加熱し、図4(a)に示すように、再結晶温度以上に加熱された被加工材5を、ニブ10の上端よりも上方に被加工材5が突出するように、ニブ10の貫通穴11b、12aに上方から挿入する。この場合、被加工材5の被成形部は、ニブ10の成形部11aから上方へ突出した部分となる。
次に、図4(b)に示すように、ポンチ3を下降させて熱間鍛造用金型1に近接させて、被加工材5を熱間鍛造用金型1とポンチ3とにより挟み込んでプレスする。このように被加工材5をプレスすると、被加工材5の被成形部がニブ10の成形部11aにより成形される。本実施形態においては、熱間鍛造用金型1とポンチ3とにより被加工材5をプレスする際に、無冷却にて鍛造加工を行っている。
被加工材5のプレスが完了した後は、第2ニブ12の貫通穴12aへ下方から押出しピンと挿入することにより被加工材5を上方へ押出し、被加工材5を熱間鍛造用金型1から取り出す。被加工材5のプレスが完了してから、被加工材5を熱間鍛造用金型1から取り出すまでの間は、例えば2sec〜3sec程度である。
なお、本実施形態の熱間鍛造装置Pにおいては、熱間鍛造用金型1の上下位置を固定し、ポンチ3を上下移動可能に構成しているが、ポンチ3の上下位置を固定し、熱間鍛造用金型1を上下移動可能に構成することも可能である。
つまり、熱間鍛造用金型1とポンチ3とが相対的に近接離間可能に構成されていればよい。
[熱間鍛造用金型1における各部の素材]
補強部材20は、例えばSKD61等の熱間工具鋼にて形成されている。補強部材20を熱間工具鋼にて形成した場合、例えば1000℃〜1050℃の温度で焼入れ処理を行った後に、550℃〜650℃の温度で焼き戻し処理を行う。これにより、補強部材20の硬さを、ロックウェル硬さHRC46〜48程度とすることができる。
第2ニブ12は、例えばWC−Co等の超硬合金にて形成されている。
第1ニブ11は、例えば初析L1相と(L1+D022)共析組織とからなる2重複相組織を有するNi基金属間化合物にて形成されている。
第1ニブ11を形成する2重複相組織を有するNi基金属間化合物は、Niを主成分とし、2〜13原子%のAl、及び10〜17原子%のVを含む合計100原子%の組成の金属と、前記組成の金属の合計重量に対して10〜1000重量ppmのBとを含んでいる。また、前記Ni基金属間化合物におけるAlの含有量は2.5〜9.5原子%であることが好ましく、Vの含有量は10.5〜16.5原子%であることが好ましい。
なお、前記Ni基金属間化合物における2重複相組織は、最初に、比較的高い温度において初析L1相とA1相とからなる上部複相組織を形成し、その後、温度を下げることによってA1相をL1相とD022相とに分解させることによって形成することができる。
このように、Niを主成分とし、2〜13原子%のAl、及び10〜17原子%のVを含む合計100原子%の組成の金属と、前記組成の金属の合計重量に対して10〜1000重量ppmのBとを含み、初析L1相と(L1+D022)共析組織とからなる2重複相組織を有するNi基金属間化合物は、高温での引張強度及び硬さが高い特性を有している。また、Bを含むことにより高い靭性を有しており、室温付近での脆化が抑制される。
熱間鍛造用金型1の成形部11aは、熱間鍛造時に被加工材5からの熱により加熱されて高温になるとともに、ポンチ3により上方から加圧されることで大きな衝撃荷重が加わる。この場合、図4(b)に示すように、ポンチ3からの圧力により被加工材5の加熱された部分は、テーパ穴20aの軸と直交する水平方向に膨らみながら成形部11aに沿った形状に成形され、それに伴って被加工材5から成形部11aには、下方へ押圧する力と共に水平面に沿った外向きの押圧力がかかる。この成形部11aに加わる水平面に沿った外向きの力は、成形部11aを拡径する方向に働くので、高温での成形部11aの材料の硬さが低ければ、成形部11aが拡径変形され、それに伴って、成形部11aの近傍では引張応力が生じて、割れが生じる原因となる。
しかし、成形部11aが形成される第1ニブ11は、高温での硬さに優れた前記Ni基金属間化合物にて構成されているため、熱間鍛造時に付与される前記水平面に沿った外向きの力に抗することができ、成形部11aの変形が生じにくい。また、成形部11aが形成される第1ニブ11は、高温での引張強度も高いので、熱間鍛造時に付与される前記引張応力に抗することもできる。このような第1ニブ11に用いている材料の高温特性によって、第1ニブ11は成形部11aに割れが生じにくくなっている。
また熱間鍛造時おいて、成形部11aが形成される第1ニブ11は補強部材20のテーパ穴20aに圧入された状態となっているため、第1ニブ11には補強部材20から、テーパ穴20aの軸に直交する水平方向に圧縮力が付与されている。この圧縮力は、熱間鍛造時に付与される前記外向きの力に対して逆向きに働く力なので、成形部11aが前記拡径変形するのを抑える働きがある。従って、この第1ニブ11が補強部材20に圧入される構造も、熱間鍛造時に成形部11aに割れが生じにくくする作用をなす。
このように、第1ニブ11を構成するNi基金属間化合物の材料的な特性による割れ防止作用と、第1ニブ11が補強部材20のテーパ穴20aに圧入されているという構造による割れ防止作用とが合わさることによって、熱間鍛造用金型1は、その高温耐久性を大きく向上させることが可能となっている。
ニブ10の補強部材20のテーパ穴20aへの圧入は、補強部材20のニブ10に対する締め量がテーパ穴20aの内径R1の0%〜2.0%の範囲となるように行われているため、適切な応力が補強部材20からニブ10に付与されることとなり、ニブ10に生じる割れを効果的に抑制することが可能となっている。
また、第1ニブ11の成形部11aにかかる下方への応力は、第2ニブ12により受け止められている。
ニブ10においては、第2ニブ12は被加工材5と直接接触しないため、第1ニブ11に比べてさほど高温になることがない。従って、第2ニブ12は、WC−Co等の超硬合金や、低温での強度が高いSKD61等の熱間工具鋼といったように、2重複相組織を有するNi基金属間化合物以外の金属を用いることができる。
2重複相組織を有するNi基金属間化合物は他の金属に比べて高価であるため、第1ニブ11のみを2重複相組織を有するNi基金属間化合物にて形成した場合は、ニブ10全体(第1ニブ11及び第2ニブ12)を、2重複相組織を有するNi基金属間化合物にて形成した場合に比べて、熱間鍛造用金型1を低コストにて構成することが可能となる。
但し、当然のことではあるが、第2ニブ12を、2重複相組織を有するNi基金属間化合物にて形成するとこも可能である。
2重複相組織を有するNi基金属間化合物の引張強度に関して、図5に示すように、Niを主成分とし、2〜13原子%のAl、及び10〜17原子%のVを含む合計100原子%の組成の金属と、前記組成の金属の合計重量に対して10〜1000重量ppmのBとを含み、初析L1相と(L1+D022)共析組織とからなる2重複相組織を有するNi基金属間化合物は、市販の高強度型ニッケル超合金展伸材よりも高温での引張強度が優れている。
図5においては、前記Ni基金属間化合物の引張強度に加えて、市販の高強度型ニッケル超合金展伸材であるUdimet520(56Ni−19Cr−12Co−6Mo−3Ti−2Al−1W,「UDIMET」は登録商標)、Waspaloy(56Ni−19Cr−13Co−4Mo−3Ti−1.3Al)、Inconel 718(54.0Ni−18.0Cr−3.0Mo−18.5Fe−0.9Ti−0.5Al−5.1Nb+Ta,「INCONL」は登録商標)の引張強度を示している。
図5によると、前記Ni基金属間化合物は、常温では市販の高強度型ニッケル超合金展伸材と略同等の引張強度を示すものの、600℃以上の高温域では、市販の高強度型ニッケル超合金展伸材と比べて優れた引張強度を示している。
また、Niを主成分とし、2〜13原子%のAl、及び10〜17原子%のVを含む合計100原子%の組成の金属と、前記組成の金属の合計重量に対して10〜1000重量ppmのBとを含み、初析L1相と(L1+D022)共析組織とからなる2重複相組織を有するNi基金属間化合物は、常温での引張強度よりも高温での引張強度の方が高い値を示すといった特性を有している。
具体的には、図6に示すように、温度が常温から上昇していくにつれて2重複相組織を有するNi基金属間化合物の引張強度が高くなっていき、850℃程度の温度をピークとして950℃程度の温度まで、常温時よりも大きな引張強度を示している。
図6には、比較例として単相のNi3Al及びハステロイX(「ハステロイ」は登録商標)の引張強度を示している。
単相のNi3Alにおいても、温度が上昇するにつれて引張強度が高くなっているが、引張強度の値は、2重複相組織を有するNi基金属間化合物よりも小さくなっている。
ハステロイXは、常温では2重複相組織を有するNi基金属間化合物と略同等の引張強度を示すものの、温度が上昇するにつれて引張強度が低下していき、高温域においては2重複相組織を有するNi基金属間化合物の引張強度よりも大幅に低い値を示している。
このように、2重複相組織を有するNi基金属間化合物を、熱間鍛造装置Pにおける熱間鍛造用金型1の第1ニブ11に用いた場合、第1ニブ11は、熱間鍛造時に再結晶温度以上に加熱された被加工材5からの熱により加熱されて温度が上昇するが、2重複相組織を有するNi基金属間化合物は温度が上昇するにつれて引張強度が高くなるため、第1ニブ11に発生する割れを効果的に抑制することができる。
特に、熱間鍛造装置Pでの熱間鍛造を無冷却、即ち水等による熱間鍛造用金型1の冷却を行わずに実施した場合には、冷却を行った場合よりも第1ニブ11の温度が上昇するため、第1ニブ11に発生する割れをさらに効果的に抑制することができる。
また、前記Ni基金属間化合物には、TaとWの少なくとも一方を添加することができる。前記Ni基金属間化合物がTaとWの少なくとも一方を含むことで、硬さを向上させることができる。前記Ni基金属間化合物におけるTaの含有量は0.5〜8原子%とすることができ、Wの含有量は0〜5原子%とすることができる。前記Ni基金属間化合物におけるTaの含有量は、1.0〜7.5原子%が好ましく、4〜5原子%がさらに好ましい。
このように、前記Ni基金属間化合物にTaとWの少なくとも一方を含有させて、前記Ni基金属間化合物の硬さを向上させることは、高温環境下で熱間鍛造用金型1の成形部11aにポンチ3からの大きな衝撃荷重が繰り返し加わったときに、成形部11aに割れが生じることを抑制する効果を向上させるのに寄与する。これにより、さらに高温耐久性に優れた熱間鍛造用金型1を構成することが可能となる。
また、前記Ni基金属間化合物にTaとWの少なくとも一方を含有させて、前記Ni基金属間化合物の硬さを向上させることで、例えば熱間鍛造用金型を補強部材20を有しないニブ10のみの構成とした場合でも、熱間鍛造用金型をTa及びWの少なくとも一方を含有した前記Ni基金属間化合物にて構成することで、熱間鍛造時に熱間鍛造用金型付与される引張応力に抗することができ成形部に割れが生じにくい構成とすることに寄与できる。
また、前記Ni基金属間化合物は、例えば0.5〜8原子%のTa及び/又は0〜5原子%のWを含有させた場合、ロックウェル硬さをHRC40〜HRC60程度の範囲内とすることができる。この場合の前記Ni基金属間化合物の硬さをビッカース硬さで表わすと、HV390〜HV700程度の範囲内となる。
前記Ni基金属間化合物のロックウェル硬さをHRC40〜HRC60程度の範囲内とすることで、高温環境下での耐衝撃性を向上させることができる。このように前記Ni基金属間化合物の硬さを設定することも、高温耐久性に優れた熱間鍛造用金型1を構成する上で有効である。
また、前記Ni基金属間化合物には、Cを添加することができる。前記Ni基金属間化合物は、Cを含むことで滑り性を向上させることができる。Cを含む前記Ni基金属間化合物を第1ニブ11に用いることで、熱間鍛造時に被加工材5と第1ニブ11との間に焼き付きが発生することを抑制することができる。このように滑り性を向上させて焼き付きを抑えることも、高温耐久性に優れた熱間鍛造用金型1を構成する上で有効である。
前記Ni基金属間化合物におけるCの含有量は、0.01〜1.0原子%とすることができる。
また、前記Ni基金属間化合物には、Coを添加することができる。前記Ni基金属間化合物は、Coを含むことで靭性を向上することができる。Coを含む前記Ni基金属間化合物を第1ニブ11に用いることで、第1ニブ11が脆くなることを抑制し、第1ニブ11における割れの発生を抑えることができる。これにより、さらに高温耐久性に優れた熱間鍛造用金型1を構成することが可能となる。
前記Ni基金属間化合物におけるCoの含有量は、0〜5原子%とすることができる。
また、前記Ni基金属間化合物には、Crを添加することができる。前記Ni基金属間化合物は、Crを含むことで耐酸化性を向上することができる。Crを含む前記Ni基金属間化合物を第1ニブ11に用いることで、熱間鍛造時に被加工材5と第1ニブ11との間に焼き付きが発生することを抑制することができる。この点も、高温耐久性に優れた熱間鍛造用金型1を構成するのに有効である。
前記Ni基金属間化合物におけるCrの含有量は、0〜5原子%とすることができる。
また、前記Ni基金属間化合物には、TiとNbの少なくとも一方を添加することができる。前記Ni基金属間化合物がTiとNbの少なくとも一方を含むことで、前記Ni基金属間化合物の高温環境下での引張強度をさらに向上させることができ、熱間鍛造用金型1に割れが発生することを抑制できる。この点も、さらに高温耐久性に優れた熱間鍛造用金型1を構成する上で有効である。
前記Ni基金属間化合物におけるTiの含有量は0〜5原子%とすることができ、Nbの含有量は0〜5原子%とすることができる。
なお、本実施形態の熱間鍛造装置Pにおいては、被加工材5を熱間鍛造用金型1とポンチ3とにより挟み込んでプレスする際に、成形部11a内への被加工材5の充満度を高めるために、ニブ10の成形部11aの周囲にバリを発生させるようにプレスしている。
但し、熱間鍛造装置Pによる熱間鍛造はこれに限るものではなく、上金型と下金型の間に入れた被加工材5をパンチによって上下から圧縮することで半径方向への押出しを行い、被加工材5を金型内に充満させる閉塞鍛造等の他の鍛造加工を行うように構成することもできる。この場合、前記上金型及び下金型を前記Ni基金属間化合物にて形成することで、前記上金型及び下金型を高温耐久性に優れた金型とすることができる。
つまり、本実施形態のように、前記Ni基金属間化合物を用いて構成した熱間鍛造用金型1は、閉塞鍛造用金型等の他の金型にも適用することができる。
[2重複相組織を有するNi基金属間化合物のビッカース硬さ]
Niを主成分とし、Al、V、及びBを含み、初析L1相と(L1+D022)共析組織とからなる2重複相組織を有するNi基金属間化合物にTa、又はWを添加した場合の常温におけるビッカース硬さを測定した。
図7には、試料1〜試料7について測定したビッカース硬さを示している。
試料1は、70.5原子%のNi、10原子%のAl、10.5原子%のVを含む合計100原子%の組成の金属と、前記組成の金属の合計重量に対して0.005重量%のBとを含み、初析L1相と(L1+D022)共析組織とからなる2重複相組織を有するNi基金属間化合物である。試料1は、Ta及びWの何れも含んでいない(Ta=0原子%、W=0原子%)。
試料2は、76原子%のNi、5.5原子%のAl、13.5原子%のV、2原子%のTaを含む合計100原子%の組成の金属と、前記組成の金属の合計重量に対して0.005重量%のBを含み、初析L1相と(L1+D022)共析組織とからなる2重複相組織を有するNi基金属間化合物である。試料2は、2原子%のTaを含有している。
試料3は、75原子%のNi、6原子%のAl、13原子%のV、3原子%のTaを含む合計100原子%の組成の金属と、前記組成の金属の合計重量に対して0.005重量%のBを含み、初析L1相と(L1+D022)共析組織とからなる2重複相組織を有するNi基金属間化合物である。試料3は、3原子%のTaを含有している。
試料4は、75原子%のNi、7原子%のAl、13原子%のV、5原子%のTaを含む合計100原子%の組成の金属と、前記組成の金属の合計重量に対して0.005重量%のBを含み、初析L1相と(L1+D022)共析組織とからなる2重複相組織を有するNi基金属間化合物である。試料4は、5原子%のTaを含有している。
試料5は、75原子%のNi、6原子%のAl、12原子%のV、7原子%のTaを含む合計100原子%の組成の金属と、前記組成の金属の合計重量に対して0.005重量%のBを含み、初析L1相と(L1+D022)共析組織とからなる2重複相組織を有するNi基金属間化合物である。試料5は、7原子%のTaを含有している。
試料6は、71.5原子%のNi、7原子%のAl、10.5原子%のV、2原子%のWを含む合計100原子%の組成の金属と、前記組成の金属の合計重量に対して0.005重量%のBを含み、初析L1相と(L1+D022)共析組織とからなる2重複相組織を有するNi基金属間化合物である。試料6は、2原子%のWを含有している。
図7によると、Ta及びWを含まない試料1のビッカース硬さがHV470程度であるのに対し、2原子%のTaを含んだ試料2、3原子%のTaを含んだ試料3ではビッカース硬さがHV630程度に上昇している。さらに、5原子%のTaを含んだ試料4ではビッカース硬さがHV650程度とさらに高い値を示している。また、7原子%のTaを含んだ試料では、ビッカース硬さは試料4と同等のHV650程度となっている。
また、2原子%のWを含んだ試料6では、ビッカース硬さがHV640程度に上昇している。
このように、Ni、Al、V、及びBを含んだ2重複相組織を有するNi基金属間化合物にTa又はWを添加することにより、前記Ni基金属間化合物の硬さが向上している。
また、図8には、常温から高温にかけてのビッカース硬さの変化を示している。
図8には、試料1、試料4、試料6のビッカース硬さを示している。また、比較例として、超硬合金(WC−Co)、SUS440C、SKD61のビッカース硬さも示してある。
図8によると、Ni、Al、V、及びBを含んだ2重複相組織を有するNi基金属間化合物である試料1、試料4、試料6のビッカース硬さは、常温から高温に至るまで殆ど変化せず、略一定の値を示している。
5原子%のTaを含んだ試料4、及び2原子%のWを含んだ試料6は、高温においても、Ta及びWを含まない試料1よりも高いビッカース硬さを示している。
超硬合金及びSUS440Cは、常温では試料1、試料4、試料6よりも高い値を示しているが、高温では試料1、試料4、試料6よりも低い値を示している。
SKD61は、常温では試料1と同等の値を示しているが、高温では試料1よりも低い値を示している。
このように、Ni、Al、V、及びBを含んだ2重複相組織を有するNi基金属間化合物(試料1、試料4、試料6)は、高温時において超硬合金、SUS440C、及びSKD61よりも高いビッカース硬さを有している。
また、Taを含んだ試料4及びWを含んだ試料6は、常温から高温に至るまでTa及びWを含まない試料1よりも高いビッカース硬さを有している。
[2重複相組織を有するNi基金属間化合物を用いた熱間鍛造用金型の寿命評価試験]
Ni、Al、V、及びBを含んだ2重複相組織を有するNi基金属間化合物にて第1ニブ11が形成された熱間鍛造用金型1を備える熱間鍛造装置Pにより被加工材5の熱間鍛造を行った際の、熱間鍛造用金型1の寿命評価試験を行った。
寿命評価試験は、実施例1、実施例2、及び比較例に係る熱間鍛造用金型1について行った。
実施例1は、75原子%のNi、7.5原子%のAl、13.5原子%のV、4原子%のTaを含む合計100原子%の組成の金属と、前記組成の金属の合計重量に対して0.005重量%のBを含んだ、2重複相組織を有するNi基金属間化合物にて第1ニブ11を形成した熱間鍛造用金型1である。
実施例2は、69.5原子%のNi、10原子%のAl、6.5原子%のV、4原子%のCr、3原子%のCo、2原子%のTi、3原子%のNb、2原子%のW、0.1原子%のCを含む合計100原子%の組成の金属と、前記組成の金属の合計重量に対して0.005重量%のBを含んだ、2重複相組織を有するNi基金属間化合物にて第1ニブ11を形成した熱間鍛造用金型1である。
比較例は、超硬合金(マコトロイGL90(「マコトロイ」は登録商標))にて第1ニブ11を形成した熱間鍛造用金型1である。
本寿命評価試験における熱間鍛造条件について説明する。
熱間鍛造装置は、250トンクランクプレスを用いた。熱間鍛造を施す被加工材5としては、SUS304にて形成されたものを用いた。熱間鍛造時における被加工材5の加熱温度は1150℃であった。潤滑剤としては、フッ素系水溶性潤滑剤を用いた。鍛造速度は8ショット/minであった。
また、実施例1、実施例2、及び比較例に対して、それぞれ水による冷却有りでの熱間鍛造、冷却無しでの熱間鍛造を行った。
寿命評価試験における評価としては、50ショット毎に熱間鍛造用金型1の温度を測定するとともに、熱間鍛造用金型1に割れが発生しているか否かについて行った。
図9に評価結果を示す。
実施例1(冷却無)については、熱間鍛造を800回まで行ったところ、熱間鍛造用金型1に割れは発生しなかった。実施例1(冷却無)に係る熱間鍛造用金型1の温度は、熱間鍛造の回数が増加するにつれて上昇する傾向を示しており、500℃程度まで上昇した。
実施例2(冷却無)については、熱間鍛造を300回まで行ったところ、熱間鍛造金型1に割れは生じなかった。実施例2(冷却無)に係る熱間鍛造装置1の温度は、熱間鍛造の回数が増加するにつれて上昇する傾向を示しており、570℃程度まで上昇した。
実施例1(冷却無)よりも実施例2(冷却無)の方が高温になっているが、これは、実施例2(冷却無)に用いられるNi基金属間化合物の熱伝導率が、実施例1(冷却無)に用いられるNi基金属間化合物の熱伝導率よりも小さいことに起因すると考えられる。
なお、実施例1(冷却無)に用いられるNi基金属間化合物の熱伝導率は11.9W/m・Kであり、実施例2(冷却無)に用いられるNi基金属間化合物の熱伝導率は8.4W/m・Kである。
実施例1(冷却有)については、熱間鍛造を300回まで行ったところ、熱間鍛造金型1に微小傷が生じた。実施例1(冷却有)に係る熱間鍛造装置1の温度は、290℃程度まで上昇した。実施例1(冷却有)においては、熱間鍛造時に熱間鍛造装置1が水冷されているため、実施例1(冷却無)よりも低温となっている。
実施例2(冷却有)については、熱間鍛造を300回まで行ったところ、熱間鍛造金型1に割れが生じた。実施例1(冷却有)に係る熱間鍛造装置1の温度は、270℃程度まで上昇した。実施例2(冷却有)においては、熱間鍛造時に熱間鍛造装置1が水冷されているため、実施例2(冷却無)よりも低温となっている。
また、比較例(冷却無し)ついては、熱間鍛造を300回まで行ったところ、熱間鍛造金型1に割れが生じた。比較例(冷却無し)に係る熱間鍛造装置1の温度は、290℃程度まで上昇した。比較例(冷却無し)に用いられる超硬合金の熱伝導率は、実施例1(冷却無)及び実施例2(冷却無)に用いられるNi基金属間化合物の熱伝導率よりも高いため、比較例(冷却無し)に係る熱間鍛造装置1の温度が、実施例1(冷却無)及び実施例2(冷却無)に係る熱間鍛造装置1の温度よりも低くなっている。なお、超硬合金の熱伝導率熱伝導率は60〜80W/m・K程度である。
比較例(冷却有)ついては、熱間鍛造を300回まで行ったところ、熱間鍛造金型1に割れが生じた。比較例(冷却有)に係る熱間鍛造装置1の温度は、90℃程度まで上昇した。比較例(冷却有)においては、熱間鍛造時に熱間鍛造装置1が水冷されているため、比較例(冷却無)よりも低温となっている。
このように、実施例1(冷却無)及び実施例2(冷却無)については、熱間鍛造中に熱間鍛造金型1が高温になり、第1ニブ11を形成するNi基金属間化合物の引張強度が上昇するため、鍛造回数を重ねても熱間鍛造金型1に割れが生じず、熱間鍛造金型1の長寿命化が図られている。
一方、比較例については、冷却有の場合、及び冷却無の場合の両方において、熱間鍛造回数が300回に達すると熱間鍛造金型1に割れが発生しており、実施例1(冷却無)及び実施例2(冷却無)と比較すると寿命が短く、高温耐久性が劣っている。
[熱間鍛造用金型1の製造方法]
熱間鍛造用金型1は、例えば、次のような工程により製造することができる。
まず、Ni基金属間化合物からなる素材を鋳造により得る。この場合、Ni基金属間化合物は、例えばNiを主成分とし、2〜13原子%のAl、及び10〜17原子%のVを含む合計100原子%の組成の金属と、前記組成の金属の合計重量に対して10〜1000重量ppmのBとを含み、初析L1相と(L1+D022)共析組織とからなる2重複相組織を有するNi基金属間化合物を用いることができる。
この鋳造工程により得られた前記素材をワイヤー加工により成形して、成形素材を得る。得られた前記成形素材に切削工具にて切削加工することにより、切削加工素材を得る。この切削工程により得られた前記切削加工素材は、第1ニブ11の外径形状を同様の形状に切削加工されている。
前記切削加工素材を、補強部材20のテーパ穴20aに圧入する。この場合、前記切削加工素材の補強部材20への圧入は、本願明細書の段落0028に記載したニブ10の補強部材20への圧入方法と同様の圧入方法により行うことができる。
補強部材20に圧入された前記切削加工素材に対して型掘り放電加工を施し、成形部11aを形成することにより、第1ニブ11を形成する。その後、第1ニブ11における成形部11aの成形面に対して、ラップ加工により研磨を施す。最後に、熱間鍛造用金型1が所定の仕様を充たしているかの検査を行う。
上述のように、Ni基金属間化合物からなる素材を鋳造により得る鋳造工程と、得られた前記素材に切削工具にて切削加工を施す切削工程とを備えた工程により第1ニブ11を製造することにより熱間鍛造用金型1を製造する場合、前記素材を構成するNi基金属間化合物は、高温強度に優れるのに加えて、常温での切削性に優れているため、前記切削工程における切削加工性に優れている。このような効果は、上述のごとく図8を参照して説明したように、熱間鍛造金型1を構成する前記Ni基金属間化合物が、常温から高温まで硬さが変わらない特性を持つことに起因すると見られる。
また、前記Ni基金属間化合物は、焼き入れ加工をしなくても第1ニブ11として使用できるので、第1ニブ11を製造する上で焼き入れ加工の必要がなく、製造プロセスの簡略化を図ることが可能である。
[Ni基金属間化合物の切削性]
第1ニブ11を形成する前記Ni基金属間化合物が、常温での切削性に優れることは、図10に示すグラフからもわかる。
図10には、被削材をNi基金属間化合物、SKD、及びSKHとし、被削材を切削工具により切削した際の切削工具の摩耗量を示している。具体的には、Ni基金属間化合物は、Niを主成分とし、2〜13原子%のAl、及び10〜17原子%のVを含む合計100原子%の組成の金属と、前記組成の金属の合計重量に対して10〜1000重量ppmのBとを含み、初析L1相と(L1+D022)共析組織とからなる2重複相組織を有するNi基金属間化合物であり、SKDは熱間工具鋼SKD61であり、SKHはハイスSKH51である。
また、図10に示す摩耗量は、切削工具としてTNGG160404 AC510Uを用い、80m/min、100m/min、及び120m/minの切削速度、0.2mmの切り込み深さ、0.1mm/revの送り速度の条件にて切削加工を行った場合の摩耗量である。
図10(a)は乾式切削を行った場合の摩耗量であり、図10(b)は湿式切削を行った場合の摩耗量であり、図10(a)及び図10(b)の両方において、切削速度が80m/min、100m/min、及び120m/minの場合の摩耗量を示している。
図10(a)によれば、被削材がSKDである場合の切削工具の摩耗量が90μm〜220μm程度であり、被削材がSKHである場合の切削工具の摩耗量が80μm〜110μm程度であるのに対し、被削材がNi基金属間化合物である場合の切削工具の摩耗量は10μm〜20μm程度となっている。これにより、乾式切削を行った場合において、Ni基金属間化合物を被削材としたときの切削工具の摩耗量が、SKD及びSKH被削材としたときの切削工具の摩耗量よりも大幅に小さいことがわかる。
図10(b)によれば、被削材がSKDである場合の切削工具の摩耗量が110μm〜210μm程度であり、被削材がSKHである場合の切削工具の摩耗量が40μm〜110μm程度であるのに対し、被削材がNi基金属間化合物である場合の切削工具の摩耗量は無しとなっている。これにより、湿式切削を行った場合において、Ni基金属間化合物を被削材としたときの切削工具の摩耗量が、SKD及びSKH被削材としたときの切削工具の摩耗量よりも大幅に小さいことがわかる。
1 熱間鍛造用金型
3 ポンチ
5 被加工材
10 ニブ
11 第1ニブ
11a 成形部
12 第2ニブ
20 補強部材
20a テーパ穴
P 熱間鍛造装置

Claims (13)

  1. 穴が形成された補強部材と、被加工材を成形する成形部が形成され前記穴に圧入されたニブとを備え、
    前記ニブにおける少なくとも前記成形部が、Niを主成分とし、2〜13原子%のAl、及び10〜17原子%のVを含む合計100原子%の組成の金属と、前記組成の金属の合計重量に対して10〜1000重量ppmのBとを含み、初析L1相と(L1+D022)共析組織とからなる2重複相組織を有するNi基金属間化合物からなる、
    ことを特徴とする熱間鍛造用金型。
  2. 前記Ni基金属間化合物は、0.5〜8原子%のTa、及び/又は0〜5原子%のWをさらに含む、
    ことを特徴とする請求項1に記載の熱間鍛造用金型。
  3. 前記Ni基金属間化合物は、0.01〜1.0原子%のCをさらに含む、
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の熱間鍛造用金型。
  4. 前記Ni基金属間化合物は、0〜5原子%のCoをさらに含む、
    ことを特徴とする請求項1〜請求項3の何れか一項に記載の熱間鍛造用金型。
  5. 前記Ni基金属間化合物は、0〜5原子%のCrをさらに含む、
    ことを特徴とする請求項1〜請求項4の何れか一項に記載の熱間鍛造用金型。
  6. 前記Ni基金属間化合物は、0〜5原子%のTi、及び/又は0〜5原子%のNbをさらに含む、
    ことを特徴とする請求項1〜請求項5の何れか一項に記載の熱間鍛造用金型。
  7. 前記Ni基金属間化合物の硬さが、HRC40〜HRC60である、
    ことを特徴とする請求項1〜請求項6の何れか一項に記載の熱間鍛造用金型。
  8. 前記補強部材の前記ニブに対する締め量が、前記穴の内径寸法の0〜2.0%の範囲である、
    ことを特徴とする請求項1〜請求項7の何れか一項に記載の熱間鍛造用金型。
  9. 前記ニブは、前記穴の軸に沿った方向へ複数に分割されており、
    複数に分割された前記ニブのうち、前記成形部が形成された前記ニブが、前記Ni基金属間化合物にて構成される、
    ことを特徴とする請求項1〜請求項8の何れか一項に記載の熱間鍛造用金型。
  10. 請求項1〜9の何れか一項に記載の熱間鍛造用金型と、
    前記熱間鍛造用金型に対して、前記穴の軸方向に沿った方向へ相対的に移動可能なポンチとを備え、
    前記ポンチを前記熱間鍛造用金型に対して相対的に近接させて、再結晶温度以上に加熱された前記被加工材を、前記熱間鍛造用金型と前記ポンチとにより無冷却にて挟み込んでプレスする、
    ことを特徴とする熱間鍛造装置。
  11. 請求項1〜9の何れか一項に記載の熱間鍛造用金型を製造する方法であって、
    前記ニブを、
    前記Ni基金属間化合物からなる素材に切削工具にて切削加工を施す切削工程を含む工程により製造する、
    ことを特徴とする熱間鍛造用金型の製造方法。
  12. 熱間鍛造用金型の製造方法であって、
    被加工材を成形する成形部が形成されるニブを、
    Niを主成分とし、2〜13原子%のAl、及び10〜17原子%のVを含む合計100原子%の組成の金属と、前記組成の金属の合計重量に対して10〜1000重量ppmのBとを含み、初析L1相と(L1+D022)共析組織とからなる2重複相組織を有するNi基金属間化合物からなる素材を鋳造により得る鋳造工程と、
    前記素材に切削工具にて切削加工を施す切削工程とを含む工程により製造する、
    ことを特徴とする熱間鍛造用金型の製造方法。
  13. Niを主成分とし、2〜13原子%のAl、10〜17原子%のV、並びに0.5〜8原子%のTa及び/又は0〜5原子%のWを含む合計100原子%の組成の金属と、前記組成の金属の合計重量に対して10〜1000重量ppmのBとを含み、初析L1相と(L1+D022)共析組織とからなる2重複相組織を有するNi基金属間化合物からなる、
    ことを特徴とする熱間鍛造用金型。
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