JP5851826B2 - 高温下での耐塑性変形性に優れる切削工具用wc基超硬合金および被覆切削工具ならびにこれらの製造方法 - Google Patents

高温下での耐塑性変形性に優れる切削工具用wc基超硬合金および被覆切削工具ならびにこれらの製造方法 Download PDF

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本発明は、超耐熱合金やチタン合金、ステンレス鋼などの難削材および熱処理後の高硬度鋼等の高速切削、乾式切削等に使用される、高温下での耐塑性変形性に優れる切削工具用WC基超硬合金および被覆切削工具ならびにこれらの製造方法に係るものである。
従来、金属材料等の切削加工では、高剛性、高硬度の特性を有するWC基超硬合金を母材とし、耐摩耗性、耐酸化性に優れたセラミック硬質皮膜を被覆した切削工具が広く使用されている。
近年では、被削材の高硬度化、高能率加工化に伴い、切削工具への熱的負荷が増大する傾向にあって、硬質皮膜だけではなく、母材である超硬合金にも高温下での特性改善が求められている。特許文献1〜3には、WC基超硬合金の強度や硬度といった高温特性を改善する手段として、WC−Co系超硬合金にZrとCrを添加する手法が開示されている。
また、特許文献4には、Ti、TaおよびZr含有した立方晶化合物を一定量有する超硬合金が開示されている。
特開平6−158214号公報 特開2003−113437号公報 特開2008−25024号公報 特開2008−69420号公報
工具の使用環境は年々苛酷化しており、Ni基超耐熱鋼や熱処理済みの高硬度鋼の高速加工や乾式加工では、加工時の工具刃先の温度上昇が極めて著しく、加工条件によっては工具刃先の温度は1000℃近くの高温に達する場合がある。このような使用環境において、特許文献1〜4に開示されている超硬合金等に、耐摩耗性や耐酸化性が優れるセラミック硬質皮膜を被覆しても、皮膜が剥離して、十分な工具性能が発揮されない場合があった。
本発明者等は、その原因について調査検討した結果、上記のような苛酷な切削工具の使用環境下において、母材である超硬合金自体がたちまち塑性変形を起こし、その塑性変形にセラミック硬質皮膜の変形が追従できず皮膜が剥離していることを見出した。従って、切削工具の母材である超硬合金には、従来、注目されてきた高温強度や硬度ではなく、使用中の工具環境と同じ高温下において加重が負荷され続ける環境での耐塑性変形性の改善も重要な課題となった。
本発明は上記の課題に鑑み、切削時の工具刃先が高温になる苛酷な環境下においても、優れた耐塑性変形性を有する切削工具用WC基超硬合金ならびに被覆切削工具およびこれらの製造方法を提供することを目的とする。
本発明者等は、高温下での耐塑性変形性の改善に必要なWC基超硬合金の具体的な合金組成および特性を見出して本発明に到達した。
すなわち本発明は、質量%で、金属元素として3.0%<Co<6.0%、0.2%<Cr<1.2%、0.05%<Zr<0.30%をそれぞれ含有するWC基超硬合金であって、残部は前記金属元素に固溶もしくは化合して存在する非金属元素と不可避的不純物でなり、酸素量が質量%で0.1%以下、有孔度が超硬合金規格CIS006C−2007でA04以下、かつB02以下であり、硬度が92.2〜93.5HRAである高温下での耐塑性変形性に優れる切削工具用WC基超硬合金である。
さらには、質量%で、金属元素として3.5%≦Co≦5.5%、0.3%≦Cr≦1.0%、0.08%≦Zr≦0.25%であることが好ましい。硬度は、92.3〜93.0HRAであることが好ましい。
また、切削工具用WC基超硬合金の表面には、硬質皮膜が被覆されている被覆切削工具であることが好ましく、硬質皮膜は化学蒸着法で被覆されていることが好ましい。被覆切削工具は、超耐熱合金の切削加工に用いることが好ましい。
また本発明の製造方法は、原料粉末のWC粉末、Co粉末、ZrC粉末、Cr粉末、C粉末を秤量し、混合して加圧成型した後に1380℃〜1500℃で100Pa以下の真空雰囲気で焼結して不活性ガスおよび/または窒素ガスで冷却することで、質量%で、金属元素として3.0%<Co<6.0%、0.2%<Cr<1.2%、0.05%<Zr<0.30%をそれぞれ含有するWC基超硬合金であって、残部は前記金属元素に固溶もしくは化合して存在する非金属元素と不可避的不純物でなり、酸素量が質量%で0.1%以下、有孔度が超硬合金規格CIS006C−2007でA04以下、かつB02以下であり、硬度が92.2〜93.5HRAの超硬合金を得る高温下での耐塑性変形性に優れる切削工具用WC基超硬合金の製造方法である。
さらには、質量%で、金属元素として3.5%≦Co≦5.5%、0.3%≦Cr≦1.0%、0.08%≦Zr≦0.25%であることが好ましい。硬度は、92.3〜93.0HRAであることが好ましく、不活性ガスで冷却することが好ましい。
また、切削工具用WC基超硬合金の表面に、硬質皮膜を被覆する被覆切削工具の製造方法であることが好ましく、硬質皮膜は化学蒸着法で被覆することが好ましい。
高温下での耐塑性変形性に優れる本発明の切削工具用WC基超硬合金および被覆切削工具は、インサートチップ、エンドミル、タップおよびドリル等の切削工具に使用可能であり、高硬度鋼の高速切削や乾式切削等だけでなく、チタン合金やFe基、Ni基、Co基の超耐熱合金等に適用しても優れた工具性能を得ることができる。
高温クリープ曲線の例を示す図である。 本発明例である試料No.1の80m切削後の刃先表面の電子顕微鏡観察写真である。 本発明例である試料No.2の80m切削後の刃先表面の電子顕微鏡観察写真である。 比較例である試料No.10の80m切削後の刃先表面の電子顕微鏡観察写真である。
本発明者等は、切削工具用WC基超硬合金の高温下での耐塑性変形性を改善する手法について鋭意研究した。その結果、結合相であるCo添加量を低く制御した上で、ZrとCrを特定の範囲で添加することが重要であり、さらには、組織中の残留巣および酸素含有量を一定値以下に制御することを見出した。そして、切削工具としてのトータルの性能を向上させるには、高温下の耐塑性変形性に加えて、WC基超硬合金の硬度を一定の範囲で制御することが必要であることを見出して本発明に到達した。以下、本発明の構成要件について説明する。
Coは硬質相であるWC粒子を繋ぎとめる結合相であり、質量%で3.0%<Co<6.0%とすることで、超硬合金が十分に緻密化し、硬度および高温下での耐塑性変形性が向上する。Coの含有量が少ないと、超硬合金の緻密化が困難で、多量の残留巣が発生するため超硬合金自体の強度が著しく低下し、高温下での耐塑性変形性も低下する。さらにCoの含有量が少なくなると、僅かな炭素量の変化によって、脱炭相や遊離炭素が発生し易くなり、健全組織に管理することが困難となる。Coの含有量が多いと、軟質なCo量が増加するため硬度および高温下での耐塑性変形性が著しく低下する。より好ましくは3.5%≦Co≦5.5%である。さらには、3.8%以上および/または5.3%以下である。
CrはCo中に固溶してCoを固溶強化して靭性および高温下の耐塑性変形性を向上させる。また、Crを含有することで、焼結過程でのWC粒子の粒成長が抑制されて均一組織となり易く、Coの分布状態もバラつきが少なく均一となるため、高温下での耐塑性変形性を向上させることができる。そして、WC粒子径が均一化されるため、超硬合金の強度が高く耐欠損性が向上する。そのため、Crの含有量は質量%で0.2%<Cr<1.2%とする。
Crの含有量が少ないと、これらの効果が十分に得られない。Crの含有量が多いと焼結性が悪く緻密化が困難となり残留巣が発生する。さらにはCrを主体とする炭化物が超硬合金の組織中に粗大に析出し易く、この析出物を起点として強度低下および高温下での耐塑性変形性の低下を引き起こす。
より好ましいCr量は質量%で、0.3%≦Cr≦1.0%である。さらには、0.4%以上および/または0.8%以下である。
結合相であるCo量に対しては、残留巣と粗大な炭化物の発生を抑制するため、質量%で、Crの含有量をCo量の15%以下とすることが好ましい。
ZrはCoに僅かに固溶してCo相を強化する。そしてCoへの固溶量を超えたZrが、Zrを含む炭化物、窒化物、炭窒素物のいずれかとして組織中に微細分散することで、Co相の変形を抑制して高温下での耐塑性変形性を向上させることができる。しかし、WC基超硬合金が酸素との結合力が高いZrを含有すると、焼結性が悪くなり残留巣が発生し易くなる。特にCo含有量を低く設定している本発明では、Zrの含有量が一定量以上になると、粗大な残留巣が大量に発生し易くなるので、Zrの含有量を適正に制御することが重要である。すなわち本発明において、残留巣を抑制して、Zrの化合物を組織中に均一に微細分散させるには、Zrの含有量は質量%で、0.05%<Zr<0.30%とする。Zrの化合物は、炭化物として分散していることが特に好ましい。
また、Zrの含有量が多いと、焼結性が極めて悪く残留巣が発生し易くなるとともに、Zrを含有した化合物が増加しそのサイズも粗大となる。そのため、WC粒子を繋ぎとめるCo相の結合力が弱まり、さらには、粗大な化合物が破壊の起点となり易く、強度および高温下の耐塑性変形が低下する。より好ましいZr量は質量%で、0.08%≦Zr≦0.25%である。さらには、0.10%以上および/または0.20%以下である。
結合相であるCo量に対しては、残留巣の発生をより抑制するため、質量%で、Zrの含有量をCo量の5%以下とすることが好ましい。
本発明において、金属元素に固溶もしくは化合して存在する非金属元素とはC、N等であり、光学顕微鏡観察で遊離成分として確認されない量で存在する。
超硬合金中の酸素量を質量%で0.1%以下とすることで、脆弱な酸化物の発生が抑制され、合金強度が高く、高温下でも安定した耐塑性変形性を達成することができる。より好ましくは0.08%以下とする。さらに好ましくは0.06%以下とする。
組織欠陥である残留巣の数が多く、そのサイズが粗大になると、超硬合金自体の強度および高温下の耐塑性変形性が著しく低下する。そのため、超硬合金の有孔度を超硬合金規格CIS006C−2007でA04以下、かつB02以下とする。
A型は、残留巣の大きさが10μm未満、B型は、10μm以上25μm未満のものである。残留巣は無いことが最も好ましいが、本発明では結合相であるCoの含有量を質量%で3.0%<Co<6.0%と低くしているため、A型の残留巣が発生し易い。そのため、A型の残留巣は04以下、特に粗大なB型の残留巣の発生は02以下とする必要がある。より好ましくはA04以下、かつB02未満である。さらには、A02以下、かつB00である。
本発明では、合金組成等を制御することに加えて、WC基超硬合金の硬度を特定範囲に制御することが重要である。つまり、WC基超硬合金の硬度と靭性はトレードオフの関係にあり、硬度が増加すると靭性が低下する傾向にあり、硬度が低下すると靭性が増加する傾向にある。切削工具としてトータルの性能を改善するには、耐摩耗性または耐チッピング性の一方のみが優れていても不十分で、これらが優れたレベルで両立することが重要である。
本発明者等の検討によると、高温下の耐塑性変形性を高く維持した上で、切削工具使用時の耐摩耗性とチッピング性を優れたレベルで両立するには、母材であるWC基超硬合金の硬度を92.2〜93.5HRAとする。これよりも低硬度となると、耐摩耗性が十分ではない。また、これよりも高硬度となると、クラックが進展し易く母材の靭性が低くなり、高温下の耐塑性変形性も低下する傾向にある。より好ましくは、92.3〜93.0HRA以下である。さらには、92.4HRA以上および/または92.7HRA以下である。
本発明では、焼結過程でのWC粒子の粒成長を抑制する元素として一般的に添加されているV、Ta等を含有すると、Zrの化合物に加えてこれらの化合物が組織中に分散するため、超硬合金自体が脆弱化し、高温下の耐塑性変形性が低下する傾向にある。また、酸素との結合力が強いTiを含有すると、焼結性がいっそう阻害され好ましくない。そのため、これらの元素は極力含有されないようにする。
本発明の切削工具用WC基超硬合金は、1000℃程度の高温下においても耐塑性変形性が極めて優れるため、使用時に工具刃先の温度が高くなる高速切削や高送り切削といった高能率加工に有効である。さらに、難削材として知られている、Fe基、Co基、Ni基の超耐熱合金やチタン合金、ステンレス鋼の加工に用いることで、優れた工具寿命を示すので好ましい。また、物理蒸着法や化学蒸着法で硬質皮膜を被覆した被覆切削工具として利用することが好ましい。
本発明の被覆切削工具は、化学蒸着法で被覆した硬質皮膜であることがより好ましい。硬質皮膜の内部に欠陥を低減する被覆方法を適用すれば、長時間でも皮膜剥離しないため、工具寿命の大きな改善となる。
つまり、物理蒸着法の一種であるスパッタリング法で被覆した硬質皮膜は、成膜時に膜内に空隙が発生し易く、皮膜破壊が発生する場合がある。また、物理蒸着法の一種であるアークイオンプレーティング法で被覆した硬質皮膜は、ドロップレットといわれる粗大な粒子が存在するため、そのドロップレットが起点となり皮膜破壊が発生する場合があるため、最適な被覆法ではない。一方、高温で成膜する化学蒸着法で被覆した硬質皮膜は、皮膜内部に欠陥が少なく、かつ、物理蒸着法よりも成膜温度が高い1000℃程度の高温で成膜しているため高温安定性に優れ、本発明の母材と組み合わせることで、著しく工具寿命を改善することができる。
続いて製造方法について説明する。本発明において焼結体の酸素量と残留巣を制御するには、例えば、原料粉末にはWC粉末、Co粉末、ZrC粉末、Cr粉末、C粉末を選択し、100Pa以下の真空雰囲気で1380℃〜1500℃で焼結し、不活性ガスおよび/または窒素ガスで冷却することが有効である。
ZrとCrを炭化物として添加する理由は、合金の炭素量調節を容易にし、焼結過程で成型体から発生するCO等のガスを低減して残留巣の発生を抑制するためである。酸化物等の原料粉末を使用すると、焼結過程でCOガスが大量に発生して、少量の添加でも残留巣が発生し易くなる。
混合時にC粉末を添加するのは、焼結過程で成型体中の酸素と反応してCOガス等として消費される成型体中の炭素を補い、脆弱な脱炭相(COC)の発生を抑制するためである。しかし、C粉末の添加量が多すぎると、焼結工程によっても遊離炭素が残留してしまい合金強度を低下させる。そのため、焼結工程で遊離炭素が残留しない不純物レベルのC量となる範囲にC粉末の添加量を調整する必要がある。好ましいC量の添加量は、粉末の総量に対して、0.05〜0.1%である。
焼結時の真空度がこれよりも低いと、焼結性が悪くなり残留巣が発生し易くなる。より好ましい真空度は50Pa以下である。
焼結温度がこれよりも低温だと、残留巣が多量に発生し易くなる。これよりも高温だと、硬度が低下し、さらにはWC粒子が異常成長して組織が不均一となる。より好ましくは1410〜1470℃である。
冷却ガスをアルゴンやヘリウム等の不活性ガスとすることで、Zrの化合物を炭化物として分散させることができるので好ましい。また、冷却ガスを窒素ガスとすれば、Zrの窒化物として分散する傾向にある。
また、WC基超硬合金を本発明の硬度に制御するには、0.6〜1.8μmの平均粒径であるWC原料粉末を用いることが好ましい。
超硬合金を緻密化するため、必要に応じて加圧焼結を実施しても良い。ただし残留巣が多い試料では、加圧焼結をして残留巣が低減したとしても、残留巣を埋めるようにCoプールが形成されるため、Coの分布が不均一となり、高温下の耐塑性変形性を向上させるのに十分でない。そのため加圧焼結をする場合は、加圧焼結しない場合でも、残留巣がA04以下、かつB02以下となる組成、焼結条件の範囲で有効である。
焼結体の酸素量を低減させるには、混合過程での配合粉の過度な酸化を抑制するために水分含有量の少ない有機溶媒を用い、さらに不活性ガスや窒素ガス雰囲気下での混合を行なうことが好ましい。そして、焼結過程では、1000℃以下の温度領域で水素やCOの還元ガスをフローすることで、実焼結過程前の酸素含有量を低下させることが好ましい。
本発明において、高温下の耐塑性変形性を評価するには、例えば、使用中の切削工具の環境下と同じく、高温下で一定量の加重が負荷され続ける高温クリープを測定し、破壊に到達するまでの変形速度から評価することができる。
原料粉末は、試料No.1〜12、14は、平均粒径が1.2μmのWC粉末を使用した。試料No.13は、平均粒径が2.0μmのWC粉末を使用した。
Zrの添加には、試料No.1〜13では平均粒径が1.5μmのZrC粉末を用いた。試料No.14では平均粒径が1.5μmのZrOを用いた。
各試料とも平均粒径が1.2μmのCo粉末を使用し、Crの添加には、平均粒径が1.0μmのCr粉末を用いた。
また、焼結過程で消費される炭素を補うためにC粉末を、粉末の総質量に対して約0.05%添加した。
これらの原料粉末を所定の組成になるように秤量して、混合、加圧成型、焼結して表1の組成である試料No.1〜14の高温クリープ測定用の試験片、そして物性評価用および切削試験用インサートチップを作製した。
混合には、三井鉱山株式会社製MA1SE−Xのアトライターを使用した。成形用バインダーを粉末の総質量に対して2質量%添加し、水分含有量10%未満のアルコール中で4時間混合した。粉末量は2kgとした。混合後、スプレードライヤーで乾燥し各組成の造粒粉を作製した。
そして、塑性変形性を評価する高温クリープ測定用の試験片と物性評価用および切削試験用に使用するインサートチップをそれぞれプレス成型した。
高温クリープ試験用の試料は一軸加圧成型機にて、焼結後のサイズが4mm×8mm×25mmとなるように成形体を作製した。また、切削試験用のインサートチップも同様に一軸加圧成型機にて、焼結後のサイズおよび形状がCNMA432(JIS B 4120規定)になるように成形体を作製した。
これらの成形体を水素中で脱脂の後、10Paの真空雰囲気中、1450℃の焼結温度に60分間保持後、5℃/minで1100℃まで真空炉冷した後に、Arを導入し、不活性雰囲気化で冷却して、遊離炭素相と脱炭相が存在しないWC基超硬合金焼結体を得た。ただし、試料No.5だけは、窒素ガスを導入して冷却した。
物性評価用のインサートチップを鏡面加工して、光学顕微鏡を用いて超硬合金規格CIS006C−2007に基づいて残留巣を測定した。表1に測定結果を示す。
鏡面加工したインサートチップを村上試薬(10質量%KOH+10質量%KFe(CN)+80質量%HO)に2分間浸漬し、光学顕微鏡(OLYMPUS製BX51RF)を用いて、1000倍にて9025μmの視野に存在する1μm以上のZrの濃化部分の個数を測定した。表1に測定結果を示す。
また、FE−SEM(日立ハイテク製S−4200)および備え付けのEDXのマッピング分析を用いて、高倍でのZrの形態および分散状態を確認した。マッピングは照射電圧20kV、照射電流10μAの条件で5.7×4.3μmの視野を10視野測定した。
超硬工具協会規格CIS027B−2007に基づいて、ロックウェル硬さ(HRA)を測定した。表1に測定結果を示す。
焼結体の酸素量測定は、物性評価用のインサートチップを粉砕し♯40の篩にかけ、得られた粉末を酸素測定装置(LECOジャパン合同会社製TC−436)にて超硬合金の酸素量を測定した。表1に測定結果を示す。
高温クリープ試験用の試験片は、2.5mm×3.0mm×25mmとなるように表面を研削し、加工歪みの影響を除去するために1μmのダイヤモンドペーストを用い、鏡面研磨を行い、さらに面取りを施し、試験片とした。
高温クリープ試験は、試験温度1000℃、Arフロー雰囲気の条件下で、支点間距離20mmの3点曲げ試験治具(超硬合金協会規格CIS026B−2007)を用い、600MPaの応力を付加し、時間変化に伴う加重点の変位を測定した。
そして、測定したクリープ曲線には、歪み速度が低下する1次クリープ域、ほぼ一定に保たれる2次クリープ域、加速する3次クリープ域が表れる。変形速度が遅いほど一定加重下での変形が少なく、同一の変位量に到達するまでの時間が長くなるため、耐塑性変形性に優れる。各試料において、変形が一定な領域である2次クリープ域のグラフの傾きを測定し、その傾きをクリープ変形速度として比較した。
例として、試料No.1、8、9、10のクリープ曲線を図1に示す。各試料で負荷開始直後および破断直前で、変形速度が大きく変化していることが確認される。試料No.1では、負荷時間が400秒から3800秒の変形速度がほぼ一定のであり、この間のクリープ変形量は440μm程度である。また、破壊した時のクリープ変位量は600μm程度である。試料No.1の場合、変形速度が安定している範囲で求めたクリープ変形速度は0.13μm/sであり、破壊に到達するまでの時間が他の試料よりも2倍以上長いことが確認される。表1に各試料の測定結果を示す。
本発明例の試料No.1〜5は、粗大なZrの化合物が少なく、微細なZrの化合物が組織中に均一に分散していた。試料No.1〜4はZrの炭化物、試料No.5はZrの窒化物が組織中に微細分散していた。本発明例は比較例と比べて高温クリープ試験で破壊に到達するまでの時間が長く、いずれもクリープ変形速度が遅くなった。
比較例の試料No.6は、Zrの含有量が少ないため、本発明例に比べてZrの化合物が組織中に均一分散しておらず、高温下の耐塑性変形性が乏しくなり、クリープ変形速度が速くなった。
比較例の試料No.7は、Zrの含有量が多いため、Zrの濃化部分が多く粗大となり、本発明例と比較してクリープ変形速度が速くなった。
比較例の試料No.8は、Zrの含有量が多いため、Zrの濃化部分が多く粗大となり、さらには合金中の酸素量も増加して脆弱なZr酸化物が多くなったためクリープ変形速度が速くなった。
比較例の試料No.9は、軟質なCoの含有量が多いため、クリープ変形速度が極めて速くなった。
比較例の試料No.10は、Zrを含有してないため、本発明例よりも残留巣が少ないが、組織中にZrの化合物が微細に分散しておらず、高温下の耐塑性変形性が乏しくクリープ変形速度が速くなった。
比較例の試料No.11は、Crを含有してないため、WC粒子およびCo分布が不均一であり、Co相の強化もされておらず、高温下の耐塑性変形性が乏しくクリープ変形速度が速くなった。
比較例の試料No.12は、Crの含有量が少ないため、Co相の強化が不十分で、高温下の耐塑性変形性が乏しくクリープ変形速度が速くなった。
比較例の試料No.13は、高温クリープ特性は優れるが、母材であるWC基超硬合金の硬度が低く、切削試験での工具寿命が極めて短寿命であった。
比較例の試料No.14は、Zr炭化物が適量かつ微細に分布しているが、ZrO原料を使用したため残留巣が粗大となったため、約250μmの少ない変位量で破壊に到達し、クリープ変形速度が極めて速くなった。
高温クリープ特性が優れた本発明例の試料No.1、2と、高温クリープ特性が劣る比較例の試料No.10、高温クリープ特性は優れるが硬度が低い比較例の試料No.13で切削性能を比較した。
切削試験用インサートチップはJIS B 4120規定に従い、所定のサイズ、表面状態になるよう加工し、アークイオンプレーティング法により表面にTiN皮膜を2μm被覆して作製した。
本発明の改善点である高温下での刃先の塑性変形性を顕著に観察できるよう、通常のNi基やCo基の超耐熱鋼を切削する条件としては高負荷である下記の条件で切削試験を行った。そして、切削長が80mのときの刃先先端部の摩耗状態を電子顕微鏡で確認した。
<切削試験条件>
加工方法:湿式(水溶性切削油使用)側面旋削加工
被削材:重量%で、Ni−19%Cr−18.7%Fe−3.0%Mo−5.0%(Nd+Ta)−0.8%Ti−0.5%Al−0.03%Cの組成を有するNi基合金(時効硬化処理済み)
切削速度:80m/min
送り量:0.2mm/rev
切り込み:1.0mm
比較例である試料No.13は、高温クリープ特性は優れるが、母材であるWC基超硬合金の硬度が低く、切削試験の初期で著しく摩耗して工具寿命となった。
図2〜4に試料No.1、2、10の、切削長が80mのときの刃先先端部の摩耗状態の電子顕微鏡による観察写真を示す。
本発明例の試料No.1、2は刃先の摩耗および若干の塑性変形が観察されるものの皮膜は剥離せず、継続し切削加工を行うことが可能と判断される。一方、試料No.10では刃先の塑性変形が大きく、被削材の溶着が確認され、表面のTiN被膜は剥離しており、継続しての切削加工は困難であった。
続いて本発明の母材に最適な硬質皮膜を検討するため、本発明例である試料No.1のWC基超硬合金に、物理蒸着法(アークイオンプレーティング法、スパッタリング法)および化学的蒸着法により、母材表面にTiN皮膜を2μm被覆したインサートチップを作製した。また、ノンコートのインサートチップも用意した。
また、高温クリープ特性が劣る比較例の試料No.10に化学的蒸着法およびアークイオンプレーティング法により、母材表面にTiN皮膜を2μm被覆したインサートチップを作製した。
切削条件は下記の通りとし、インサートチップの形状は実施例1と同様とした。そして、工具寿命に至るまでの切削距離を比較した。表2に試験結果を示す。
<切削試験条件>
加工方法:湿式(水溶性切削油使用)側面旋削加工
被削材:重量%で、Ni−19%Cr−18.7%Fe−3.0%Mo−5.0%(Nd+Ta)−0.8%Ti−0.5%Al−0.03%Cの組成を有するNi基合金(時効硬化処理済み)
切削速度:40m/min
送り量:0.2mm/rev
切り込み:1.0mm
本発明例の被覆切削工具は、安定した工具摩耗を示し、Ni基合金の切削においても極めて優れた工具寿命を達成した。
特に、化学蒸着法で被覆した硬質皮膜は、皮膜内部に空隙やドロップレットといった欠陥が少ないため工具寿命が極めて優れた。
本発明の切削工具用WC基超硬合金ならびに被覆切削工具は、高温下でも優れた耐塑性変形性を示す。そのため、金属、非鉄金属加工用、非金属加工用のインサートチップ、エンドミル、タップおよびドリルなどとして好適である。

Claims (11)

  1. 質量%で、金属元素として3.0%<Co<6.0%、0.2%<Cr<1.2%、0.05%<Zr<0.30%をそれぞれ含有するWC基超硬合金であって、残部は前記金属元素に固溶もしくは化合して存在する非金属元素と不可避的不純物でなり、酸素量が質量%で0.1%以下、有孔度が超硬合金規格CIS006C−2007でA04以下、かつB02以下であり、硬度が92.2〜93.5HRAであることを特徴とする高温下での耐塑性変形性に優れる切削工具用WC基超硬合金。
  2. 質量%で、金属元素として3.5%≦Co≦5.5%、0.3%≦Cr≦1.0%、0.08%≦Zr≦0.25%であることを特徴とする請求項1に記載の高温下での耐塑性変形性に優れる切削工具用WC基超硬合金。
  3. 硬度が92.3〜93.0HRAであることを特徴とする請求項1または2に記載の高温下での耐塑性変形性に優れる切削工具用WC基超硬合金。
  4. WC基超硬合金の表面に、硬質皮膜が被覆されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の高温下での耐塑性変形性に優れる切削工具用WC基超硬合金を基材とする被覆切削工具。
  5. 超耐熱合金の切削加工に用いることを特徴とする請求項に記載の高温下での耐塑性変形性に優れる切削工具用WC基超硬合金を基材とする被覆切削工具。
  6. 原料粉末のWC粉末、Co粉末、ZrC粉末、Cr粉末、C粉末を秤量し、混合して加圧成型した後に1380℃〜1500℃で100Pa以下の真空雰囲気で焼結して不活性ガスおよび/または窒素ガスで冷却することで、質量%で、金属元素として3.0%<Co<6.0%、0.2%<Cr<1.2%、0.05%<Zr<0.30%をそれぞれ含有するWC基超硬合金であって、残部は前記金属元素に固溶もしくは化合して存在する非金属元素と不可避的不純物でなり、酸素量が質量%で0.1%以下、有孔度が超硬合金規格CIS006C−2007でA04以下、かつB02以下であり、硬度が92.2〜93.5HRAの超硬合金を得ることを特徴とする高温下での耐塑性変形性に優れる切削工具用WC基超硬合金の製造方法。
  7. 質量%で、金属元素として3.5%≦Co≦5.5%、0.3%≦Cr≦1.0%、0.08%≦Zr≦0.25%であることを特徴とする請求項に記載の高温下での耐塑性変形性に優れる切削工具用WC基超硬合金の製造方法。
  8. 硬度が92.3〜93.0HRAであることを特徴とする請求項またはに記載の高温下での耐塑性変形性に優れる切削工具用WC基超硬合金の製造方法。
  9. 不活性ガスで冷却することを特徴とする請求項ないしのいずれかに記載の高温下での耐塑性変形性に優れる切削工具用WC基超硬合金の製造方法。
  10. WC基超硬合金の表面に、硬質皮膜を被覆することを特徴とする請求項ないしのいずれかに記載の高温下での耐塑性変形性に優れる切削工具用WC基超硬合金を基材とする被覆切削工具の製造方法。
  11. 化学蒸着法で被覆することを特徴とする請求項1に記載の高温下での耐塑性変形性に優れる切削工具用WC基超硬合金を基材とする被覆切削工具の製造方法。

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