JP2008025024A - Wc基超硬合金 - Google Patents
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Abstract
【課題】 本願発明は、優れた高温強度を有するWC基超硬合金を提供することである。
【解決手段】 本願発明のWC基超硬合金は、
重量%で5.5%〜15%のCoを結合相とし、Zr含有量は0.05%〜0.8%、Cr含有量は結合相に対する重量比で0.03〜0.2、残部がWC及び不可避不純物を有し、該超硬合金はZrを含む炭酸化物、ZrとWを含む複炭化物を含有し、該Zrを含む炭酸化物の平均粒子径をd1(μm)、該ZrとWを含む複炭化物の平均粒子径をd2(μm)、該WCの平均粒子径をD(μm)としたとき、D≦0.8、(d1/D)≦2、(d2/D)≦2、であることを特徴とするWC基超硬合金である。
【選択図】 なし
【解決手段】 本願発明のWC基超硬合金は、
重量%で5.5%〜15%のCoを結合相とし、Zr含有量は0.05%〜0.8%、Cr含有量は結合相に対する重量比で0.03〜0.2、残部がWC及び不可避不純物を有し、該超硬合金はZrを含む炭酸化物、ZrとWを含む複炭化物を含有し、該Zrを含む炭酸化物の平均粒子径をd1(μm)、該ZrとWを含む複炭化物の平均粒子径をd2(μm)、該WCの平均粒子径をD(μm)としたとき、D≦0.8、(d1/D)≦2、(d2/D)≦2、であることを特徴とするWC基超硬合金である。
【選択図】 なし
Description
本願発明は、平均粒子径が0.8μm以下のWC粒子を有し、優れた高温強度を有するWC基超硬合金に関する。
特許文献1から3には、Zrを含有した超硬合金を用いた工具に関する技術が開示されている。
本願発明が解決しようとする課題は、600℃から700℃の高温度において優れた強度を有するWC基超硬合金を提供することである。
本願発明のWC基超硬合金は、重量%で5.5%〜15%のCoを結合相とし、Zr含有量は0.05%〜0.8%、Cr含有量は結合相に対する重量比で0.03〜0.2、残部がWC及び不可避不純物を有し、該超硬合金はZrを含む炭酸化物、ZrとWを含む複炭化物を含有し、該Zrを含む炭酸化物の平均粒子径をd1(μm)、該ZrとWを含む複炭化物の平均粒子径をd2(μm)、該WCの平均粒子径をD(μm)としたとき、D≦0.8、(d1/D)≦2、(d2/D)≦2、であることを特徴とするWC基超硬合金である。上記の構成を採用することにより、600℃から700℃の高温度において優れた強度を有するWC基超硬合金を実現できる。
本願発明によって、600℃から700℃の高温度において優れた強度を有するWC基超硬合金を提供することができた。例えば、加工工具等に適用した場合、優れた高温強度を示した。
本願発明は、優れた高温強度を有するWC基超硬合金を達成するため、超硬合金の高温強度を向上させるための検討を行った。本願発明のWC基超硬合金は、Zr元素の添加効果に着目し、検討を行った。その結果、Zrを含有することによって、高温強度を向上させることがでたのである。しかし、Zrは、WC粒子の粒成長抑制効果が少なく、微粒超硬合金における添加物となることは殆どなかった。
本願発明のWC基超硬合金は、Zrを0.05%以上、0.8%以下として含有する。また、Zrを含む炭酸化物(以下、Zr系炭酸化物と記す。)及びZrとWを含む複炭化物(以下、(ZrW)系複炭化物と記す。)の両化合物を共に含有することによって高温強度を大幅に改善している。この高温強度の強化機構について考察すると、原料として添加し、若しくは、超硬合金の焼結工程で結合相に溶解、析出して生成したと考えられる(ZrW)C等の(ZrW)系複炭化物と、溶解、析出が不十分、又は析出生成しなかったZr(CO)等のZr系炭酸化物の両化合物が共に含有されることによって、添加したZrが合金中に、数nmから数μmのオーダーの粒子となって広く均一に分散することから、Zr添加効果を有効にし、高温強度の向上に寄与していると考えられる。添加したZrの1部は、結合相中やWC相中に固溶しているものもあると考えられる。
更に、本願発明のWC基超硬合金は、Zr含有量を結合相に対して特定の関係となるように制御して、Zrを含有する化合物相を存在させ、これらの化合物の粒子径を制御することが重要である。従って本願発明は、硬質相であるWC粒子のD値、このD値に最適な結合相量と共に、Zrの含有量、Crと結合相量との関係が重要である。更に、Zrを含有する化合物のd1値、d2値を求め、D値を使って、これらd1値、d2値との比を規定する。即ち、D≦0.8、(d1/D)≦2、(d2/D)≦2、である。本願発明のWC基超硬合金は、WCを硬質相とし、Coを結合相とする焼結体であるが、D値を0.8μm以下に規定する理由は、0.8μmを超える場合、硬度の低下による耐摩耗性の低下と、強度の低下による抗折力の低下を引き起こす為である。D値が0.8μm以下の超硬合金にZrを含有させ、Zr系炭酸化物、(ZrW)系複炭化物の存在させ、その形態を粒径で規定する。(d1/D)≦2、(d2/D)≦2、とすることにより、優れた高温強度への改善効果のあることが分かった。この理由は、(d1/D)値、(d2/D)値が2を超えて大きくなると、粗大な各化合物の粒子が合金中で破壊の起点となってしまい、強度を低下させる。従って、2以下に規定する。ここで、より好ましいD値は、0.3μm以下である。
本願発明のWC基超硬合金において、結合相の組成はCoであるが、Coの1部をNi元素に置換してもよい。結合相の含有量は、重量%で5.5%以上、15%以下である。結合相が複数の元素を含む場合は、含有量は合計値とする。この含有量が5.5%未満の場合、Zr、Crの含有量が適量であっても、抗折力が低下する。一方、15%を超えて多いと、結合相量が多すぎるため、硬度が低下する不都合が生じる。
本願発明のWC基超硬合金は、WCの粒成長の抑制を図るために、粒成長抑制剤としてCrを含有する。Crの含有量は、結合相に対してCrの重量比を0.03以上、0.2以下に規定する。0.03未満では、含有量が少なく、WCの粒成長を十分に抑制できない。一方、0.2を超えて大きいと、Crが過多となり、Crの炭化物等の脆性相が超硬合金中に多量に生成し、この化合物が破壊の起点となり、強度低下を引き起こしやすい。更に、粒成長抑制剤として、Crの他にもTa、V等の各添加元素を含有しても良い。
本願発明のWC基超硬合金における各成分の含有量は、例えば、誘導結合プラズマ発光分析(以下、ICP分析と記す。)によって求めることができる。
本願発明のWC基超硬合金は、Zrを0.05%以上、0.8%以下として含有する。また、Zrを含む炭酸化物(以下、Zr系炭酸化物と記す。)及びZrとWを含む複炭化物(以下、(ZrW)系複炭化物と記す。)の両化合物を共に含有することによって高温強度を大幅に改善している。この高温強度の強化機構について考察すると、原料として添加し、若しくは、超硬合金の焼結工程で結合相に溶解、析出して生成したと考えられる(ZrW)C等の(ZrW)系複炭化物と、溶解、析出が不十分、又は析出生成しなかったZr(CO)等のZr系炭酸化物の両化合物が共に含有されることによって、添加したZrが合金中に、数nmから数μmのオーダーの粒子となって広く均一に分散することから、Zr添加効果を有効にし、高温強度の向上に寄与していると考えられる。添加したZrの1部は、結合相中やWC相中に固溶しているものもあると考えられる。
更に、本願発明のWC基超硬合金は、Zr含有量を結合相に対して特定の関係となるように制御して、Zrを含有する化合物相を存在させ、これらの化合物の粒子径を制御することが重要である。従って本願発明は、硬質相であるWC粒子のD値、このD値に最適な結合相量と共に、Zrの含有量、Crと結合相量との関係が重要である。更に、Zrを含有する化合物のd1値、d2値を求め、D値を使って、これらd1値、d2値との比を規定する。即ち、D≦0.8、(d1/D)≦2、(d2/D)≦2、である。本願発明のWC基超硬合金は、WCを硬質相とし、Coを結合相とする焼結体であるが、D値を0.8μm以下に規定する理由は、0.8μmを超える場合、硬度の低下による耐摩耗性の低下と、強度の低下による抗折力の低下を引き起こす為である。D値が0.8μm以下の超硬合金にZrを含有させ、Zr系炭酸化物、(ZrW)系複炭化物の存在させ、その形態を粒径で規定する。(d1/D)≦2、(d2/D)≦2、とすることにより、優れた高温強度への改善効果のあることが分かった。この理由は、(d1/D)値、(d2/D)値が2を超えて大きくなると、粗大な各化合物の粒子が合金中で破壊の起点となってしまい、強度を低下させる。従って、2以下に規定する。ここで、より好ましいD値は、0.3μm以下である。
本願発明のWC基超硬合金において、結合相の組成はCoであるが、Coの1部をNi元素に置換してもよい。結合相の含有量は、重量%で5.5%以上、15%以下である。結合相が複数の元素を含む場合は、含有量は合計値とする。この含有量が5.5%未満の場合、Zr、Crの含有量が適量であっても、抗折力が低下する。一方、15%を超えて多いと、結合相量が多すぎるため、硬度が低下する不都合が生じる。
本願発明のWC基超硬合金は、WCの粒成長の抑制を図るために、粒成長抑制剤としてCrを含有する。Crの含有量は、結合相に対してCrの重量比を0.03以上、0.2以下に規定する。0.03未満では、含有量が少なく、WCの粒成長を十分に抑制できない。一方、0.2を超えて大きいと、Crが過多となり、Crの炭化物等の脆性相が超硬合金中に多量に生成し、この化合物が破壊の起点となり、強度低下を引き起こしやすい。更に、粒成長抑制剤として、Crの他にもTa、V等の各添加元素を含有しても良い。
本願発明のWC基超硬合金における各成分の含有量は、例えば、誘導結合プラズマ発光分析(以下、ICP分析と記す。)によって求めることができる。
本願発明のWC基超硬合金の表面に、スパッタ法、アークイオンプレーティング法等の物理蒸着法、化学蒸着法等により、被覆を施して使用すると、更に硬度等の性能が改善されて好ましい。被覆する材料としては、例えば、周期律表4a、5a、6a族金属及びAl、Siの1種以上の炭素、窒素、酸素、硼素等との化合物からなる皮膜や酸化アルミニウム膜、酸化ジルコニウム膜等の単層や多層膜からなる硬質皮膜が有効である。これらの硬質皮膜を本願発明の超硬合金部材に被覆することにより、表面の耐摩耗性や耐酸化性、摺動性等を改善することが出来る。本願発明のWC基超硬合金は、硬さと高温強度が伴に優れているため、例えば、回転工具、プリント基板加工用回転工具、旋削加工用工具、切断用工具、打ち抜き用工具などに広範囲に用いられ、より一層の性能向上が得られる。特に刃径が0.3mm以下の小径工具、特に小径ドリルやルーター等に用いると顕著な効果が得られるが、切削工具でなくとも径の小さい耐摩耗工具、押しピン、金型、摺動材等の加工工具に適用しても同様の優れた効果が得られる。本願発明のWC基超硬合金を以下の実施例に基づいて具体的に説明する。
(実施例1)
原料粉末として、夫々、平均粒子径:0.4μmのWC粉末、平均粒子径:1.2μmのCo粉末、平均粒子径:1.5μmのNi粉末、平均粒子径:1.5μmのCr3C2粉末、平均粒子径:1.2μmのVC粉末、平均粒子径:0.4μmの(ZrW)C固溶体粉末、0.8μmのZrC粉末を夫々用意し、これらの粉末を所定の組成に配合した。配合した粉をアルコール中で12時間アトライター混合し、成型用の樹脂を添加し乾燥して混合粉末を作成した。ここで、d1値、d2値を制御して超硬合金に含有させる為に、(ZrW)C固溶体粉末とZrC粉末によるZr含有量を調整した。Zr含有量を調整するためには、両粉末を同時にバランスよく調整することが重要である。従って、ZrC粉末だけ用いた場合には、Zr系炭酸化物、(ZrW)系複炭化物が超硬合金に形成されるが、特に(ZrW)系複炭化物のd2値が制御できないという不都合がある。一方、(ZrW)C固溶体粉末のみの添加では、Zr系炭酸化物の含有量及びd1値が制御できないという不都合がある。本願発明では、超硬合金にZr系炭酸化物、(ZrW)系複炭化物を共に含有させ、(d1/D)≦2、(d2/D)≦2、に制御する為に、全体のZr含有量、ZrC原料粉末と(ZrW)C固溶体原料粉末によるZrの添加方法、Zr含有量に合わせたCr、V等の含有量の調整、焼結温度や焼結時の中間温度保持条件の制御を行った。Zr含有量が増加すると、必然的にd1値が増大する為、Zrが焼結中に結合相中に固溶する結合相含有量の5%から10%程度を、ZrC原料粉末として添加し、d1/D)≦2、(d2/D)≦2、となるようにした。(ZrW)系複炭化物の添加については、ZrC原料粉末の含有によって生成する量に加えて(ZrW)C固溶体原料粉末にて、ZrW)系複炭化物量とd2値を制御した。また、D値を抑制する為に、粒成長抑制効果を有するCrを主、Vを従として用い、これらの含有量もZrの含有量に合わせて調整した。この理由は、Cr、Vは、Zrの含有によって低下する合金の焼結性を更に低下させる要因となる為である。
原料粉末として、夫々、平均粒子径:0.4μmのWC粉末、平均粒子径:1.2μmのCo粉末、平均粒子径:1.5μmのNi粉末、平均粒子径:1.5μmのCr3C2粉末、平均粒子径:1.2μmのVC粉末、平均粒子径:0.4μmの(ZrW)C固溶体粉末、0.8μmのZrC粉末を夫々用意し、これらの粉末を所定の組成に配合した。配合した粉をアルコール中で12時間アトライター混合し、成型用の樹脂を添加し乾燥して混合粉末を作成した。ここで、d1値、d2値を制御して超硬合金に含有させる為に、(ZrW)C固溶体粉末とZrC粉末によるZr含有量を調整した。Zr含有量を調整するためには、両粉末を同時にバランスよく調整することが重要である。従って、ZrC粉末だけ用いた場合には、Zr系炭酸化物、(ZrW)系複炭化物が超硬合金に形成されるが、特に(ZrW)系複炭化物のd2値が制御できないという不都合がある。一方、(ZrW)C固溶体粉末のみの添加では、Zr系炭酸化物の含有量及びd1値が制御できないという不都合がある。本願発明では、超硬合金にZr系炭酸化物、(ZrW)系複炭化物を共に含有させ、(d1/D)≦2、(d2/D)≦2、に制御する為に、全体のZr含有量、ZrC原料粉末と(ZrW)C固溶体原料粉末によるZrの添加方法、Zr含有量に合わせたCr、V等の含有量の調整、焼結温度や焼結時の中間温度保持条件の制御を行った。Zr含有量が増加すると、必然的にd1値が増大する為、Zrが焼結中に結合相中に固溶する結合相含有量の5%から10%程度を、ZrC原料粉末として添加し、d1/D)≦2、(d2/D)≦2、となるようにした。(ZrW)系複炭化物の添加については、ZrC原料粉末の含有によって生成する量に加えて(ZrW)C固溶体原料粉末にて、ZrW)系複炭化物量とd2値を制御した。また、D値を抑制する為に、粒成長抑制効果を有するCrを主、Vを従として用い、これらの含有量もZrの含有量に合わせて調整した。この理由は、Cr、Vは、Zrの含有によって低下する合金の焼結性を更に低下させる要因となる為である。
次に混合粉末を100MPaの圧力でプレス成形し、JIS抗折試験片(JIS−B−4053)用の成形体とした。これらの成形体を真空雰囲気中、1380℃で、30分焼結した後、アルゴンガスを用いて4.9MPaで30分間加圧し、炉冷した。焼結条件は、C量を適正値に制御するため、温度プロファイル、真空度、雰囲気ガス組成等を最適化した条件を用いた。例えば、焼結温度が高い場合、Zr自身の粒成長も活性となる為、Zr含有量が多い場合は1290℃での焼結時に2時間の中間保持を行い、特に超硬合金の固相焼結状態を改善し、Zr含有量やCr、V含有量による焼結性の低下に配慮した。
JIS試験片用成形体より得られた焼結体は、ダイヤモンド砥石で研削し、4mm×8mm×24mmの寸法を有するJIS抗折力試験片を作製した。この試験片を用いて、Co、Ni、Zr、Cr及びVの組成分析をおこなった。金属結合相であるCo、Niは、超硬合金の断面を鏡面研磨した後、蛍光X線分析装置(リガク製、ZSX−100E)により分析し、その含有量を定量的に求めた。Zr、Cr、Vの各元素は、超硬合金を微細に粉砕した粉を、H3PO4、HCl、HF、HNO3及びH2SO4を用いて溶解し、Zr、Cr、Vをイオン化して、ICP分析することにより、各元素の種類を同定するとともに、その含有量を定量的に求めた。各試料の組成を表1に示す。
JIS試験片用成形体より得られた焼結体は、ダイヤモンド砥石で研削し、4mm×8mm×24mmの寸法を有するJIS抗折力試験片を作製した。この試験片を用いて、Co、Ni、Zr、Cr及びVの組成分析をおこなった。金属結合相であるCo、Niは、超硬合金の断面を鏡面研磨した後、蛍光X線分析装置(リガク製、ZSX−100E)により分析し、その含有量を定量的に求めた。Zr、Cr、Vの各元素は、超硬合金を微細に粉砕した粉を、H3PO4、HCl、HF、HNO3及びH2SO4を用いて溶解し、Zr、Cr、Vをイオン化して、ICP分析することにより、各元素の種類を同定するとともに、その含有量を定量的に求めた。各試料の組成を表1に示す。
また、試験片の断面を鏡面研磨した後、村上試薬で0.5分、王水で0.5分間エッチング処理することにより、結晶粒界を明確にした後、各種粒子やZr含有化合物の測定をおこなった。解析に使用した装置は、電界放出型電子プローブマイクロアナライザー(日本電子製、JXA−8500F、以下、FE−EPMAと記す。)である。この解析によって、Zrを含む炭酸化物の1例としてZr(CO)、(ZrW)系複炭化物の1例として(ZrW)Cの有無を同定した。まず、FE−EPMAを用いて、倍率5k倍で20視野の面分析を行った。次に、Zrを含有する粒子の解析を行い、Zr(CO)、(ZrW)Cの識別を行った。FE−EPMA分析にて1視野以上に、Zr(CO)の存在が確認できた試料は、Zr系炭酸化物を含有していると判断した。同様に、(ZrW)Cの存在が確認できた試料は、(ZrW)系複炭化物を含有していると判断した。本発明例7、18、比較例28、32の分析結果の1例を表2に示す。
表2に示す様に、本発明例7には2種類の化合物相が観察された。その1つは、化合物番号7−1のZr(CO)、化合物番号7−2の(ZrW)Cであった。両化合物相を区別するに当たって、Zr(CO)の特徴は、Zr、CとOを含有し、Oの含有量がZrに次いで多い事である。番号7−1は、Zr、OとCを含有し、Oの含有量がZrの含有量に次いで多いいことから、Zr(CO)と判断した。但し、番号7−1はWも含有するので、(ZrW)(CO)の可能性も考えられるが、本願発明では、Oの含有量がZrの含有量に次いで多いいことから、Zr(CO)の範疇と判断した。一方、(ZrW)Cの特徴は、Zr、W、Cを含有し、Zr含有量の次にWの含有量が多く、Oを含有しない事である。番号7−2は、Zr、W、Cを含有し、Zr含有量の次にWの含有量が多く、Oを含有しないことから、(ZrW)Cと判断した。また、本発明例18の化合物相番号18−2は、CoやV等の他元素を含有していても(ZrW)系複炭化物として(ZrW)Cの範疇に含めた。(ZrW)系複炭化物としての性質が損なわれることはなく、逆に性質が向上していると考えられる。d1値、d2値は、各化合物相を含有していると判別した試料について、倍率10k倍で撮影した画像を拡大コピーし、これを画像解析ソフト(Image−Pro Plus Version4.0 for Windows、Media Cybernetics社、Windowsは登録商標です。)により解析することにより算出した。D値も同様に、倍率10k倍にて5視野観察して求めた。D値、d1値、d2値、とその比を表3に示す。
試験片の室温、高温での抗折力、硬さも測定した。抗折力は、Metal Testing Machine(島津製作所製、EHF−ED20)を用いて、スパン20mm、クロスベッドスピード
1mm/minの条件で3点曲げ試験により求めた。室温条件は、室温が25℃の大気中にて測定を行った。高温条件は、700℃に保持したAr雰囲気の恒温炉中にて測定を行った。夫々の試験数は5点とし、平均値を求めた。硬さは、ロックウェル硬度試験機(ミツトヨ製、HR−523)を用い、Aスケール、加重249.2Nの条件にて求めた。測定の結果を表4に示す。
1mm/minの条件で3点曲げ試験により求めた。室温条件は、室温が25℃の大気中にて測定を行った。高温条件は、700℃に保持したAr雰囲気の恒温炉中にて測定を行った。夫々の試験数は5点とし、平均値を求めた。硬さは、ロックウェル硬度試験機(ミツトヨ製、HR−523)を用い、Aスケール、加重249.2Nの条件にて求めた。測定の結果を表4に示す。
表4の結果から、本発明例1から25は、抗折力が高く、室温の25℃では3.9GPa以上、高温の700℃では3.0GPa以上の高強度であった。しかし、結合相量が4%と少ない比較例26は、室温、高温の何れにおいても3.0GPaを下回る抗折力しか示さなかった。結合相量が16%と多い比較例35は、Zr、Cr含有量が本願発明規定内であっても、結合相量が多いため硬度が低下した。そこで、本願発明の超硬合金における結合相量は、5.5%以上、15%以下とする必要がある。但し、また、結合相がCoのみを含有する本発明例7に対し、CoとNiを含有する本発明例16は、抗折力及び硬度が低下した。そこで、超硬合金の結合相は、Coのみであることが好ましい。
Zr含有量が、0.05%から0.8%の適正範囲内にある本発明例3から10は、Zr(CO)、(ZrW)Cが共に存在し、D≦0.8、(d1/D)≦2、(d2/D)≦2を満たしてZr含有効果が得られ、高温で3.0GPa以上の抗折力が得られた。一方、Zr含有量が少ない比較例27から29は、Zrの効果が十分に得られず、高温での抗折力が低くなった。特に比較例28は、表1、2に示すように、Zr(CO)のみしか含有していなかった。即ち、Zr(CO)と(ZrW)Cとの両方が存在しないことにより、高温での抗折力が極端に低くなった。Zr含有量が多い比較例30から32は、Zr(CO)と(ZrW)Cの両方が存在しているものの、(d1/D)値、(d2/D)値が共に2を超えて大きく、この粗大な化合物粒子が破壊の起点となって、室温及び高温における抗折力が低下した。
Cr含有量の対Co重量比が0.03から0.2の適正範囲にある本発明例11から15を比較すると、何れの場合もWCの粒成長抑制効果が十分発揮され、均一な微粒をもった超硬合金が得られ、HRA93以上の高硬度を示した。一方、Cr含有量の対Co重量比が0.02と小さい比較例33は、WCの粒成長抑制効果が不十分なため、D値が1.2μmであった。その結果、硬度がHRA92.7に低下し、抗折力も2.2GPaとなり本発明例より低下した。Cr含有量の対Co重量比が0.22と大きい比較例34は、WCの粒成長は抑制されて硬度は上昇した。しかし、Cr炭化物等の脆弱相の生成により、抗折力は1.9GPaまで極端に低下した。
Vを含有した本発明例17から21は、(d1/D)値、(d2/D)値が共に2以下となり、Vの含有によるWCの粒成長抑制効果によって、均一な微粒をもった超硬合金が得られた。そして、4.6GPa以上の室温強度と、3.6GPa以上の高温強度が得られ、HRA93.5以上の高い硬度を示した。
Zr含有量が、0.05%から0.8%の適正範囲内にある本発明例3から10は、Zr(CO)、(ZrW)Cが共に存在し、D≦0.8、(d1/D)≦2、(d2/D)≦2を満たしてZr含有効果が得られ、高温で3.0GPa以上の抗折力が得られた。一方、Zr含有量が少ない比較例27から29は、Zrの効果が十分に得られず、高温での抗折力が低くなった。特に比較例28は、表1、2に示すように、Zr(CO)のみしか含有していなかった。即ち、Zr(CO)と(ZrW)Cとの両方が存在しないことにより、高温での抗折力が極端に低くなった。Zr含有量が多い比較例30から32は、Zr(CO)と(ZrW)Cの両方が存在しているものの、(d1/D)値、(d2/D)値が共に2を超えて大きく、この粗大な化合物粒子が破壊の起点となって、室温及び高温における抗折力が低下した。
Cr含有量の対Co重量比が0.03から0.2の適正範囲にある本発明例11から15を比較すると、何れの場合もWCの粒成長抑制効果が十分発揮され、均一な微粒をもった超硬合金が得られ、HRA93以上の高硬度を示した。一方、Cr含有量の対Co重量比が0.02と小さい比較例33は、WCの粒成長抑制効果が不十分なため、D値が1.2μmであった。その結果、硬度がHRA92.7に低下し、抗折力も2.2GPaとなり本発明例より低下した。Cr含有量の対Co重量比が0.22と大きい比較例34は、WCの粒成長は抑制されて硬度は上昇した。しかし、Cr炭化物等の脆弱相の生成により、抗折力は1.9GPaまで極端に低下した。
Vを含有した本発明例17から21は、(d1/D)値、(d2/D)値が共に2以下となり、Vの含有によるWCの粒成長抑制効果によって、均一な微粒をもった超硬合金が得られた。そして、4.6GPa以上の室温強度と、3.6GPa以上の高温強度が得られ、HRA93.5以上の高い硬度を示した。
(実施例2)
本願発明のWC基超硬合金の高温強度を確認する為に、小径ドリルを用いた穴開け加工の試験を行った。小径ドリルは、刃先径が細く、微粒超硬合金の性能差を容易に比較できる。即ち、穴開け加工時には、ドリルの刃先が約600℃以上になり、この高温時に強度低下が起こると、ドリルの刃先の変形を引き起こし、この変形によりドリルの破損が起こるからである。これより、折損本数を測定することにより、高温強度による性能差を容易に比較できる。
表1に示した組成の混合粉末を、25MPaの圧力で押し出し成形し、φ4.7mmの丸棒成形体を作製した。この丸棒成形体より得られた丸棒焼結体を、夫々研磨し、全長が38.1mm、シャンク径が3.175mm、刃先径が0.25mm、溝長が5.5mmの小径ドリルを作製した。これらの小径ドリルを用いて、以下の条件によって穴開け加工の試験を行った。
(試験条件)
被削材 :板厚が1.6mmのガラスエポキシ銅張り4層積層板を2枚重ね
回転数 :毎分160、000回転
耐摩耗性の評価時の送り量:13μm/回転
耐折損性の評価時の送り量:19μm/回転
評価方法は、5000穴の穴開け加工した後、小径ドリルの刃先径の減少量を測定して耐摩耗性を評価した。また、高温強度を測定する為、夫々の条件について20本のドリルを用いて、送り量が19μm/回転の条件で、被削材を6000穴まで加工した時、途中で折損したドリルの本数を測定し、耐折損性を評価した。これらの評価結果を表5に示す。
本願発明のWC基超硬合金の高温強度を確認する為に、小径ドリルを用いた穴開け加工の試験を行った。小径ドリルは、刃先径が細く、微粒超硬合金の性能差を容易に比較できる。即ち、穴開け加工時には、ドリルの刃先が約600℃以上になり、この高温時に強度低下が起こると、ドリルの刃先の変形を引き起こし、この変形によりドリルの破損が起こるからである。これより、折損本数を測定することにより、高温強度による性能差を容易に比較できる。
表1に示した組成の混合粉末を、25MPaの圧力で押し出し成形し、φ4.7mmの丸棒成形体を作製した。この丸棒成形体より得られた丸棒焼結体を、夫々研磨し、全長が38.1mm、シャンク径が3.175mm、刃先径が0.25mm、溝長が5.5mmの小径ドリルを作製した。これらの小径ドリルを用いて、以下の条件によって穴開け加工の試験を行った。
(試験条件)
被削材 :板厚が1.6mmのガラスエポキシ銅張り4層積層板を2枚重ね
回転数 :毎分160、000回転
耐摩耗性の評価時の送り量:13μm/回転
耐折損性の評価時の送り量:19μm/回転
評価方法は、5000穴の穴開け加工した後、小径ドリルの刃先径の減少量を測定して耐摩耗性を評価した。また、高温強度を測定する為、夫々の条件について20本のドリルを用いて、送り量が19μm/回転の条件で、被削材を6000穴まで加工した時、途中で折損したドリルの本数を測定し、耐折損性を評価した。これらの評価結果を表5に示す。
表5に示す小径ドリルの基体組成や物性値は、焼成条件等の素材の作製条件がJIS抗折試験片と同じであるため、表1から4に示したJIS抗折試験片の試料番号が同一のものとみなした。従って、表1の試料番号に従って、本発明例36〜60、比較例61〜70とした。本発明例36〜60は、優れた耐摩耗性、耐折損性を示した。しかし、Co含有量の少ない比較例61は、Zr及びCrの含有量が本願発明の規定値内であっても、折損本数が12本となり、耐折損性が劣った。Co含有量の多い比較例70は、刃先径減量が極端に大きくなった。結合相にCo、Niを含有する本発明例51は、他の本発明例に対し、刃先径減量と折損本数が増加した。Zr含有量が0.05%から0.8%の適正範囲内にある本発明例38〜45を比較すると、何れの場合も(d1/D)値、(d2/D)値が共に2以下となっていることから高い耐折損性を示し、試験片評価結果である高温抗折力を反映した。一方、Zr含有量が少ない比較例62から64は、Zr(CO)、(ZrW)Cの両方存在しない場合、或いは片方のみしか存在しない場合であり、折損本数が多かった。これも試験片評価結果の低抗折力を反映したものであった。Zr含有量が多い比較例65から67は、(d1/D)値、(d2/D)値が2を超えて大きくなり、この粗大粒子が破壊の起点となって、折損本数が増加した。
Cr含有量の対Co重量比が0.03から0.2の適正範囲内にある本発明例46〜50を比較すると、何れの場合も(d1/D)値、(d2/D)値が共に2以下であり、刃先径減量少なく、折損本数が零であった。これも試験片評価結果の高硬度と高抗折力を反映したものであった。一方、Cr含有比の少ない比較例68は、刃先径減量が本発明例と比較して2倍程度大きくなってしまった。Cr含有比の多い比較例69は、折損本数が9本となり、極端に増加した。これは、Cr炭化物等の脆弱相の生成により、抗折力が低下したことに起因する。以上の結果から、本願発明のWC基超硬合金を用いて作製した切削工具は、優れた高温強度による耐折損性と耐摩耗性を有し、工具寿命を向上させることができた。
Cr含有量の対Co重量比が0.03から0.2の適正範囲内にある本発明例46〜50を比較すると、何れの場合も(d1/D)値、(d2/D)値が共に2以下であり、刃先径減量少なく、折損本数が零であった。これも試験片評価結果の高硬度と高抗折力を反映したものであった。一方、Cr含有比の少ない比較例68は、刃先径減量が本発明例と比較して2倍程度大きくなってしまった。Cr含有比の多い比較例69は、折損本数が9本となり、極端に増加した。これは、Cr炭化物等の脆弱相の生成により、抗折力が低下したことに起因する。以上の結果から、本願発明のWC基超硬合金を用いて作製した切削工具は、優れた高温強度による耐折損性と耐摩耗性を有し、工具寿命を向上させることができた。
Claims (1)
- WC基超硬合金は、重量%で5.5%〜15%のCoを結合相とし、Zr含有量は0.05%〜0.8%、Cr含有量は結合相に対する重量比で0.03〜0.2、残部がWC及び不可避不純物を有し、該超硬合金はZrを含む炭酸化物、ZrとWを含む複炭化物を含有し、該Zrを含む炭酸化物の平均粒子径をd1(μm)、該ZrとWを含む複炭化物の平均粒子径をd2(μm)、該WCの平均粒子径をD(μm)としたとき、D≦0.8、(d1/D)≦2、(d2/D)≦2、であることを特徴とするWC基超硬合金。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007162171A JP2008025024A (ja) | 2006-06-21 | 2007-06-20 | Wc基超硬合金 |
Applications Claiming Priority (2)
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JP2006171774 | 2006-06-21 | ||
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011524249A (ja) * | 2008-06-05 | 2011-09-01 | ソーラ インコーポレーション | 窒化物結晶成長用の高圧装置及び結晶成長方法 |
JP2012143862A (ja) * | 2010-12-24 | 2012-08-02 | Hitachi Tool Engineering Ltd | 高温下での耐塑性変形性に優れる切削工具用wc基超硬合金および被覆切削工具ならびにこれらの製造方法 |
-
2007
- 2007-06-20 JP JP2007162171A patent/JP2008025024A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2011524249A (ja) * | 2008-06-05 | 2011-09-01 | ソーラ インコーポレーション | 窒化物結晶成長用の高圧装置及び結晶成長方法 |
JP2014166636A (ja) * | 2008-06-05 | 2014-09-11 | Solar Inc | 結晶成長用装置及び結晶成長方法 |
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