JPWO2009017053A1 - Ti基サーメットおよび被覆サーメット並びに切削工具 - Google Patents

Ti基サーメットおよび被覆サーメット並びに切削工具 Download PDF

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Abstract

高い耐欠損性と耐摩耗性を有する切削工具に適するTi基サーメットの提供を課題とする。CoおよびNiの少なくとも1種と、Tiを主とした周期表第4、5および6族金属のうちの1種以上の炭化物、窒化物および炭窒化物の1種以上と、0.1〜0.5質量%のMnとから構成され、任意断面についての走査型電子顕微鏡(SEM)写真において、内部が第1硬質相2aおよび第2硬質相2bからなる硬質相2と、主としてCoおよびNiの少なくとも1種の結合相3とが観察されて、第2硬質相2bは第1硬質相2aよりも白く見えるとともに、表面部に第2硬質相2bが90面積%以上の含有割合で観察される表面領域が形成されているTi基サーメット1である。

Description

本発明はTi基サーメットおよび被覆サーメット並びに切削工具に関し、特に切刃における耐摩耗性を高めた切削工具に関する。
現在、切削工具や耐摩部材、摺動部材といった耐摩耗性や摺動性、耐欠損性を必要とする部材としてWCを主成分とする超硬合金やTiを主成分とするTi基サーメット等の焼結合金が広く使われている。これら焼結合金については、その性能改善のために新規組成開発が続けられている。
例えば、特許文献1では、マイクロ波を用いた反応焼結によって超硬合金やサーメットを形成する技術について開示され、Co等の結合金属相にMnやAlを5質量%以下の割合で添加することが記載されている。
また、特許文献2では、周期表4、5および6族金属の炭化物、窒化物およびこれらの相互固溶体を主成分とする硬質相と、1〜40質量%の鉄族金属と、に加えて、Mn等の特定金属元素を0.1〜10質量%添加した傾斜組成焼結合金について開示され、表6の試料番号17および20にはMnを添加したTi基サーメットが記載されている。また、表8では、試料番号17および20におけるMnの濃度および結合相の濃度がサーメットの表面よりも内部で増加していることが記載されている。
特表2000−503344号公報 特開2004−292905号公報
しかしながら、上記特許文献1のようにMnを添加してマイクロ波焼成する方法では、サーメットの硬度と靭性の改善に限界があった。また、特許文献2のように焼結体の内部におけるMn濃度および結合相の濃度を増加させた傾斜組成でも、サーメットの表面における硬度の向上効果は充分とは言えず、しかも切刃において被削材が溶着することによって被削材の仕上げ加工面が荒れ、異常摩耗や欠損が発生するという問題があった。
そこで、本発明の切削工具は上記問題を解決するためのものであり、その目的は、Ti基サーメットの耐摩耗性および耐溶着性を高めることにある。
本発明のTi基サーメットは、CoおよびNiの少なくとも1種と、Tiを主とした周期表第4、5および6族金属のうちの1種以上の炭化物、窒化物および炭窒化物の1種以上と、0.1〜0.5質量%のMnとから構成され、任意断面についての走査型電子顕微鏡(SEM)写真において、内部が第1硬質相および第2硬質相からなる硬質相と、主としてCoおよびNiの少なくとも1種の結合相とが観察されて、前記第2硬質相は前記第1硬質相よりも白く見えるとともに、表面部に前記第2硬質相が90面積%以上の含有割合で観察される表面領域が形成されているものである。
また、本発明のTi基サーメットの製造方法は、TiCN粉末と、W、Mo、Ta、V、ZrおよびNbのうちの1種以上を含有する炭化物粉末、窒化物粉末、炭窒化物粉末の少なくとも1種と、CoおよびNiの少なくとも1種の粉末と、金属Mn粉末もしくはMn化合物粉末をMn換算による総量で0.2〜3.0質量%とを混合した混合粉末を成形した後、(a)真空中にて室温から1200℃まで昇温し、(b)真空中にて1200℃から1330〜1380℃の焼成温度Tまで0.1〜2℃/分の昇温速度で昇温し、(c)30〜2000Paの不活性ガス雰囲気中にて焼成温度Tから1450〜1600℃の焼成温度Tまで4〜15℃/分の昇温速度で昇温し、(d)30〜2000Paの不活性ガス雰囲気中にて前記焼成温度Tにて0.5〜2時間保持し、(e)降温する条件で焼成するものである。
さらに、本発明の被覆サーメットは、上記Ti基サーメットを基体として、該基体の表面を被覆層にて被覆した被覆サーメットであって、前記基体の表面領域における前記結合相の含有比率が3質量%以下であるとともに、前記被覆層は化学蒸着法にて形成されたものである。
また、本発明の切削工具は、上記Ti基サーメットまたは被覆サーメットからなり、すくい面と逃げ面との交差稜線部に切刃が形成されたものである。そして、前記すくい面にて2D法で測定したσ11方向(すくい面の中心と測定点から最も近い切刃の中心とを結ぶ方向)にかかる残留応力は、前記第2硬質相が圧縮応力で150MPa以上(σ11≦−150MPa)であることが望ましい。
本発明のTi基サーメットによれば、0.1〜0.5質量%のMnが含有するとともに、サーメットの表面に第2硬質相が90面積%以上の含有割合で観察される表面領域が形成されていることによって、サーメット全体としての靭性が高く、サーメットの表面における硬度を高めて耐摩耗性が向上し、かつ耐溶着性を高めることができる。
(Ti基サーメット)
本発明のTi基サーメットの一例について、図1のTi基サーメットの表面領域を含む断面要部についての走査型電子顕微鏡(SEM)写真を基に説明する。
図1のTi基サーメット(以下、単にサーメットと略す。)1は、CoおよびNiの少なくとも1種と、Tiを主とした周期表第4、5および6族金属のうちの1種以上の炭化物、窒化物および炭窒化物の1種以上と、0.1〜0.5質量%のMnとにて構成されている。
そして、図1に示すように、任意断面についての走査型電子顕微鏡(SEM)写真において、内部が黒色の第1硬質相2aおよび灰白色の第2硬質相2bからなる硬質相2と、主としてCoおよびNiの少なくとも1種の結合相3とが観察されるとともに、表面部に第2硬質相2bの含有割合が90面積%以上観察される表面領域5が形成されている。
これによって、サーメット全体としての靭性を高めることができるとともに、サーメットの表面における硬度を高めて耐摩耗性が向上するとともに、耐溶着性を高めることができる。
ここで、図1に示すサーメット1の断面組織の走査型電子顕微鏡(SEM)写真において、第1硬質相2aは黒色の粒子として観察され、第2硬質相2bは灰白色の粒子、または白色の芯部の周辺に灰白色の周辺部が存在する有芯構造からなる粒子として観察される。すなわち、第1硬質相2aが第2硬質相2bよりも軽元素の含有比率が多くて黒色に見える。なお、第1硬質相2aはTiCNからなる黒色粒子であるがCoやNiを含有していても良い。また、第1硬質相2aの外周に灰白色の第2硬質相2bが周辺部として存在した有芯構造をなしていてもよい。他方、結合相3は白い領域として観察され、結合相3を構成するCoおよびNiについては走査型電子顕微鏡(SEM)に付随のエネルギー分散分光分析(EMPA)にて確認することができる。
ここで、サーメット1中にMnを0.1質量%以上含有しないと、サーメット1の靭性が低下してしまい、逆にサーメット1中にMnを0.5質量%より多く含有するとサーメット1の硬度が顕著に低下する。Mnの望ましい含有量は0.2〜0.5質量%である。
また、サーメット1の表面に表面領域5が存在しない場合には、サーメット1の表面における硬度を高めることができずサーメット1の耐摩耗性が不十分となる。さらに、表面領域5中に存在する第2硬質相2bの存在割合が90面積%より少ないと、サーメット1の表面における耐摩耗性および耐溶着性が不十分である。なお、表面領域5の望ましい厚みは0.8〜3μmである。また、表面領域5における第2硬質相2bの好ましい面積比率Bは被覆層13との密着性の点で93〜97面積%である。
さらに、図1に示すサーメット1の表面付近の断面における走査型電子顕微鏡(SEM)写真のように、第2硬質相2bの平均粒径d1sが0.5〜3.0μmであること、特に
1.0〜2.0μmであることが望ましい。また、表面領域5における結合相3の含有比率cが、内部における結合相3の含有比率cに対する比率(c/c)で0.01〜0.1であることが、サーメット1の表面における耐摩耗性を高めるとともにサーメット1の表面における耐溶着性を高めることができる点で望ましい。
さらに、サーメット1の内部における断面組織を観察した場合に、第2硬質相2bの平均粒径が第1硬質相2aの平均粒径よりも大きいこと、望ましくは内部における第1硬質相2aの平均粒径をaとし、第2硬質相2bの平均粒径をbとしたとき、aとbとの比率(b/a)が2〜8であることが、第2硬質相2bが熱伝播に有効に寄与してサーメット1の熱伝導率が向上し、サーメット1の耐熱衝撃性が向上する点で望ましい。aとbとの比率(b/a)の望ましい範囲はサーメット1の耐欠損性を維持できる点で3.5〜7である。
なお、本発明における硬質相2の粒径の測定は、CIS−019D−2005に規定された超硬合金の平均粒径の測定方法に準じて測定する。この時、硬質相2が有芯構造からなる場合については、芯部と周辺部を含めた周辺部の外縁までを1つの硬質相としてその粒径を測定する。また、本発明におけるサーメット1の内部における断面組織を観察する場合には、サーメット1の表面からの深さが1000μm以上の領域において観察する。
また、サーメット1の内部についての断面組織において、第2硬質相2bの平均面積が第1硬質相2aの平均面積よりも大きいこと、望ましくは内部における硬質相2全体に対する第1硬質相2aが占める平均面積をAとし、第2硬質相2bが占める平均面積をBとしたとき、AとBとの比率(B/A)が1.5〜5であることが、第2硬質相2bが熱伝播により有効に寄与してサーメット1の熱伝導率が向上し、サーメット1の耐熱衝撃性が向上する点で望ましい。
また、サーメット1の内部において、含有される硬質相2をなすTiを主成分とする周期表第4、5および6族金属の窒化物または炭窒化物の合計含有比率は70〜96質量%であることが望ましく、特に耐摩耗性の向上の点で85〜96質量%であることが望ましい。一方、結合相3の含有比率は4〜30質量%、特に4〜15質量%であることが望ましく、これによって、サーメット1の硬度および靭性のバランスに優れたものとなる。また、結合相3としては、鉄族金属の総量に対してCoを65質量%以上含有することが切削工具の耐熱衝撃性を高めるために望ましい。なお、サーメット1の焼肌面が平滑な面となるようにサーメット1の良好な焼結性を維持するためには、鉄族金属の総量に対してNiを5〜50質量%、特に10〜35質量%の割合で含有せしめることが望ましい。
(被覆サーメット)
なお、上記サーメット1の表面に被覆層を形成することもできる。その一例について、(a)被覆サーメット10の表面領域を含む断面要部についての走査型電子顕微鏡(SEM)写真、(b)被覆サーメット10の被覆層を形成する前の研磨面要部についての走査型電子顕微鏡(SEM)写真である図2を基に説明する。
図2(a)の被覆サーメット10は、上記サーメット1からなる基体12の表面を被覆層13にて被覆した構成からなる。
本発明においては、図2に示すように、化学蒸着(CVD)法により形成された被覆層13を形成することもできる。すなわち、従来の被覆サーメットについては、基体を500℃程度に加熱した状態で行われる物理蒸着(PVD)法が一般的に用いられている。その理由は、基体を700℃以上の高温に加熱した状態で行われるCVD法を用いると、Ti基サーメットの結合相として用いるNiやFeによって、被覆層が部分的に異常な粒成長を起こして針状化してしまい、被覆層の強度が低下してチッピングや欠損が発生してしまう場合があるからである。しかしながら、本発明の基体12であるサーメット1には、基体12の表面にNiが存在するのを抑制しているので、被覆層13が異常粒成長することなく、かつ被覆層13中に結合相3が多量に拡散して被覆層13の硬度が低下することを防止できる。その結果、被覆層13は高硬度で高強度な特性となる。また、基体12の表面領域5と被覆層13との構成成分および結晶構造が類似する場合には、熱膨張係数差が小さいので基体12と被覆層13との界面において熱応力による剥離が発生することもない。
そして、図2(b)の基体12は、表面から0.1〜5μmまでの領域に結合相3の含有比率が3質量%以下の表面領域5が存在している。また、被覆層13はCVD法により形成されたものからなる。これによって、被覆層13の硬度を低下させることなく被覆層13の基体12との密着性を高めることができるので、被覆サーメット10の表面における耐欠損性を高めることができる。
すなわち、基体12の表面に表面領域5が存在しない場合には、基体12の表面にNiが存在して、この表面に形成される被覆層13が異常粒成長して硬度、靭性ともに低下する。
ここで、基体12において、表面領域5の望ましい厚みは0.8〜3μmであることが被覆サーメット10の耐衝撃性を維持するために望ましい。また、表面領域5における第2硬質相2bの面積比率Bsは硬質相2の全体に対する比率で70〜100面積%であることが、被覆層13との密着性を高めるために望ましい。
また、表面領域5の直下から1〜10μmまでの領域には、結合相3の含有比率Aが基体12の内部における結合相3の含有比率Bに対する比率(A/B)で1.1〜2.0の結合相富化領域8が存在していることが望ましい。これによって、被覆層13に衝撃がかかった際でも結合相富化領域8が衝撃を緩和して被覆層13がチッピングや欠損することを抑制する。
なお、被覆層13において、基体12の表面から0.1〜5μmまでの領域における結合相3の含有量が3質量%より多くなると被覆層13中に結合相3成分が拡散して被覆層13の硬度が低下する。
また、結合相3としては、基体12の焼肌面が平滑な面となるような良好な焼結性を維持するとともに基体12の耐熱衝撃性を高めるために、基体12の内部におけるNiの含有比率がNi/(Ni+Co)の比率で0.1〜0.5であることが望ましい。
さらに、表面領域5におけるNの含有割合が焼結体内部に比べて大きい場合には、表面領域5が靭性に優れた特性を有する。そのために、表面領域5の直上に表面領域5よりも硬度が高い被覆層13を形成すると、切削時等の衝撃によっても高硬度で脆い被覆層13がチッピングや剥離することがなく良好な耐摩耗性、耐欠損性を実現できる。なお、Nの含有割合の分布はサーメット1の表面から内部への深さ方向にX線光電子分光分析することによって比較することができる。
一方、被覆層13は、基体12の表面に対して垂直方向に伸びる柱状結晶からなり、該柱状結晶の平均結晶幅が0.1〜1μmである柱状結晶被覆層を含むことが、被覆層13の耐欠損性が高くかつ耐摩耗性にも優れる点で望ましい。なお、前記柱状結晶被覆層としてはTiCN層が上記組織を容易に作製可能な点で望ましい。また、この場合、被覆層は柱状結晶被覆層の単層であってもよく、1層以上の柱状結晶被覆層とそれ以外の層との多層構成であっても上記効果を発揮することができる。さらに、被覆層13のうちのこのTiCN柱状結晶からなるTiCN層はX線回折測定において(422)面が最強ピークであることが、被覆層13の耐摩耗性が高いとともに基体12との密着性に優れる点で望ましい。
(切削工具)
本発明の切削工具の一例についてその概略斜視図である図3を用いて説明する。
図3によれば、本発明の切削工具20は、主面にすくい面21、側面に逃げ面22、すくい面21と逃げ面22との交差稜線に切刃23(23a〜23d)を有した構成となっている。また、図3によれば、すくい面21にはブレーカ24を含む凹部25が形成されている。なお、すくい面21の中央には切削工具20をホルダ(図示せず)に取り付けるためのネジ穴26が形成されている。
そして、被切削物の加工方法は次の3つの工程によって構成される。最初の工程では、サーメット1または被覆サーメット10からなり切刃23を有する切削工具20を準備する。次の工程では、切削工具20の切刃23を被切削物に接触させる。最後の工程では、被切削物を切削工具20により切削加工する。
本発明によれば、すくい面21の凹部以外の部分Pにて2D法で測定したσ11方向(すくい面の中心と測定点から最も近い切刃23aとを結ぶ方向)にかかる残留応力は、第2硬質相2bが圧縮応力で150MPa以上(σ11≦−150MPa)となっていることが望ましい。このようにして切刃23における耐欠損性が向上する。
(製造方法)
次に、上述したサーメットの製造方法の一例について説明する。
まず、平均粒径0.1〜2μm、望ましくは0.2〜1.2μmのTiCN粉末と、平均粒径0.1〜2μmの上述した他の金属の炭化物粉末、窒化物粉末または炭窒化物粉末のいずれか1種と、Co粉末やNi粉末と、平均粒径0.5〜10μmの金属Mn粉末もしくはMn化合物粉末をMn換算による総量で0.2〜3.0質量%とを混合した混合粉末を調整する。
そして、この混合粉末にバインダを添加して、プレス成形、押出成形、射出成形等の公知の成形方法によって所定形状に成形する。
次に、本発明によれば、下記の条件にて焼成することにより、上述した所定組織のサーメットを作製することができる。焼成条件としては、(a)真空中にて室温から1200℃まで昇温し、(b)真空中にて1200℃から1330〜1380℃の焼成温度Tまで0.1〜2℃/分の昇温速度rで昇温し、(c)30〜2000Paの不活性ガス雰囲気中にて焼成温度Tから1450〜1600℃の焼成温度Tまで4〜15℃/分の昇温速度rで昇温し、(d)30〜2000Paの不活性ガス雰囲気中にて前記焼成温度Tにて0.5〜2時間保持し、(e)降温する焼成パターンにて焼成する。
すなわち、上記焼成条件のうち、(b)工程における焼成雰囲気を真空中でなく不活性ガス雰囲気とするとMnの揮発が抑制されて、焼成後のサーメット中のMn含有量を制御できないとともに上記表面領域が形成されない。また、(b)工程における昇温速度を2℃/分よりも速くした場合にも表面領域が形成されない。さらに、(c)工程における雰囲気を真空もしくは30Pa未満の不活性ガス雰囲気とした場合には、サーメット1内部にMnが0.5質量%より多く残存してしまうとともに上記表面領域が形成されない。逆に2000Paを超える高い不活性ガス雰囲気とした場合にも上記表面領域は形成されない。また、(d)工程における焼成温度Tが1450℃未満の場合には、上記表面領域は形成されず、焼成温度Tが1600℃を超えると5μm以上の上記表面領域が形成されるため靭性が劣る。
また、(e)降温工程を真空雰囲気中で行うことによって硬度および耐溶着性が高い表面領域5となるが、(e)降温工程を不活性ガス雰囲気中で行うと、表面領域5におけるNの含有割合がサーメット1の内部に比べて大きい構成となって靭性の高い表面領域5を形成することができる。
そして、望ましくは、このサーメットからなる基体の表面にCVD法にて800〜1100℃で被覆層を被覆する。具体的な成膜条件を例示すると、まず、CVD炉内において、例えば、塩化チタン(TiCl)ガスを0.1〜10体積%、窒素(N)ガスを10〜60体積%、残りが水素(H)ガスからなる混合ガスを調整して反応チャンバ内に導入し、チャンバ内を800〜1100℃、50〜85kPaとして、窒化チタン(TiN)層を成膜する。
次に、塩化チタン(TiCl)が0.5〜5.0体積%、アセトニトリル(CHCN)が0.3〜1.5体積%、窒素(N)が10〜40体積%、残りが水素(H)にて構成されるように混合したガスを導入し、反応温度800〜900℃の温度にて、いわゆるMT−CVD法により前記窒化チタン(TiN)層上に炭窒化チタン(TiCN)層を形成する。
ここで、上記成膜条件のうち、ガス中のアセトニトリルガスの割合が上記範囲内に調整することによって、炭窒化チタン(TiCN)層中の炭窒化チタン(TiCN)粒子の組織を上述した範囲に確実に成長させることができる。また、成膜温度を800℃〜850℃とするとともに、炭窒化チタン(TiCN)層の成膜前期における炭窒化チタン(TiCN)結晶の成長過程では、アセトニトリル(CHCN)ガスの割合Vを0.3〜1.5体積%に制御するとともに、キャリアガスである水素(H)ガスの割合Vとアセトニトリル(CHCN)ガスの割合Vとの比(V/V)が0.03以下となるように低濃度に制御することによって、平均結晶幅が0.1〜1μmの柱状結晶からなる炭窒化チタン(TiCN)層を形成できる。このTiCN層は2μm以上の膜厚でXRD回折において(422)ピークが最強となる。
次に、塩化チタン(TiCl)ガスを0.1〜3体積%、メタン(CH)ガスを0.1〜10体積%、二酸化炭素(CO)ガスを0.01〜5体積%、窒素(N)ガスを0.1〜60体積%、残りが水素(H)ガスからなる混合ガスを調整して反応チャンバ内に導入し、チャンバ内を800〜1100℃、5〜30kPaとして、炭窒酸化チタン(TiCNO)層を形成する。
そして、塩化アルミニウム(AlCl)ガスを3〜20体積%、塩化水素(HCl)ガスを0.5〜3.5体積%、二酸化炭素(CO)ガスを0.01〜5.0体積%、硫化水素(HS)ガスを0〜0.01体積%、残りが水素(H)ガスからなる混合ガスを用い、900〜1100℃、5〜10kPaとして、酸化アルミニウム(Al)層を成膜する。
さらに、引き続き、塩化チタン(TiCl)ガスを0.1〜10体積%、窒素(N)ガスを10〜60体積%、残りが水素(H)ガスからなる混合ガスを調整して反応チャンバ内に導入し、チャンバ内を800〜1100℃、50〜85kPaとして、窒化チタン(TiN)層を成膜する。
その後、所望により、成膜した被覆層8の表面の所定の部分に対してブラシ、弾性砥石またはブラスト法によって機械的に研磨加工する。この研磨加工により、被覆層中に残存する成膜時に発生した残留応力が調整される。
マイクロトラック法による測定で平均粒径(d50値)が0.6μmのTiCN粉末、平均粒径1.1μmのWC粉末、平均粒径1.5μmのTiN粉末、平均粒径2μmのTaC粉末、平均粒径1.5μmのMoC粉末、平均粒径1.5μmのNbC粉末、平均粒径1.8μmのZrC粉末、平均粒径1.0μmのVC粉末、平均粒径2.4μmのNi粉末、および平均粒径1.9μmのCo粉末、平均粒径5.0μmのMnCO粉末を表1に示す割合で調整した混合粉末をステンレス製ボールミルと超硬ボールを用いて、イソプロピルアルコール(IPA)を添加して湿式混合し、パラフィンを3質量%添加、混合した後、加圧圧力200MPaでCNMG120408のスローアウェイチップ工具形状にプレス成形し、(a)室温から1200℃まで真空中で10℃/分で昇温し、(b)1200℃から表2に示す焼成温度Tまでを表2に示す焼成雰囲気、昇温速度r(℃/分)で昇温し、(c)表2に示す焼成温度Tから焼成温度Tまでを表2に示す焼成雰囲気にて昇温速度r(℃/分)で昇温した後、(d)表2に示す焼成雰囲気、焼成温度、焼成時間で焼成し、(e)表2に示す焼成雰囲気にて降温して、試料No.1〜11のサーメット製スローアウェイチップを得た。
得られたサーメットについて、走査型電子顕微鏡(SEM)観察を行い、10000倍の写真にて、表面および内部のそれぞれ任意5箇所について市販の画像解析ソフトを用いて8μm×8μmの領域で画像解析を行い、硬質相および結合相の存在状態、および内部や表面における組織状態を観察し、表面領域の存在の有無を確認した。なお、いずれの試料も、走査型電子顕微鏡(SEM)に付随のエネルギー分散分光分析(EMPA)にて、結合相はCoおよびNiを主として構成されていることを確認した。そして、これらの領域における硬質相の平均粒径を測定し、これらの比率を算出した。結果は表3に示した。また、各試料についてICP分析によってサーメット基体の内部における金属Mn成分の含有比率を求めた。結果は表3に示した。
次に、得られたサーメット製の切削工具を用いて以下の切削条件にて切削試験を行った。結果は併せて表3に示した。
被削材:SCM435
切削速度:200m/分
送り:0.20mm/rev
切込み:1.0mm
切削状態:湿式(水溶性切削液使用)
評価方法:摩耗量が0.2mmに達するまでの時間(分)
表1〜3より、Mnを添加しない試料No.8では、表面領域が形成されず早期に摩耗した。また、焼成温度が1600℃よりも高くMnの含有量が0.1質量%より少ない試料No.10ではチッピングの発生により耐摩耗性が悪くなった。さらに、Mnの含有量が0.5質量%を超える試料No.9でも耐摩耗性が悪いものであった。また、焼成条件が合わずに表面領域が形成されなかった試料No.11は耐摩耗性が低下した。
これに対し、本発明の範囲内の組織となったサーメットである試料No.1〜7では、いずれも優れた耐摩耗性を発揮するとともに耐摩耗性も良好であり、その結果、工具寿命も長いものであった。
また、試料No.4、7、11について、すくい面にて2D法(装置:X線回折 BrukerAXS社製 D8 DISCOVER with GADDS Super Speed、線源:CuKα、コリメータ径:0.3mmφ、測定回折線:TiN(422)面)で残留応力を測定したところ、σ11方向(すくい面の中心と測定点から最も近い切刃の中心とを結ぶ方向)にかかる残留応力は、第2硬質相がそれぞれ圧縮応力で250MPa(σ11=−250MPa)、150MPa(σ11=−150MPa)、100MPa(σ11=−100MPa)であった。
実施例1の試料No.1〜11のサーメット製スローアウェイチップに対して、(e)降温工程の雰囲気を表4の雰囲気に変える以外は同じ製造条件でサーメットを作製した。得られたサーメットに対して実施例1と同じく組織を観察し表5に示した。また、焼結体表面から内部への深さ方向にX線光電子分光分析することによってサーメットの内部と表面領域とのN含有量を比較し、表面領域のN含有量/内部のN含有量の比率を表6に記載した。そして、これに表6の被覆層を成膜して試料No.12〜18のスローアウェイチップを得た。得られたサーメット製のスローアウェイチップを用いて実施例1と同じ切削条件にて切削試験を行った。結果は併せて表6に示した。
表4〜6より、試料No.12〜18のいずれについても、Nの含有割合がサーメット内部に比べて高い表面領域が形成されており、これに被覆層を形成したスローアウェイチップは、いずれも優れた耐摩耗性を発揮するとともに耐摩耗性も良好であった。
表7の調合組成および表8の焼成条件以外の条件は実施例1と同じ条件で、試料No.19〜31のサーメット基体を得た。
得られたサーメット基体について、走査型電子顕微鏡(SEM)観察を行い、10000倍の写真にて、表面および内部のそれぞれ任意5箇所について市販の画像解析ソフトを用いて8μm×8μmの領域で画像解析を行い、硬質相の存在状態、および内部や表面における組織状態を観察し、表面領域および結合相富化領域の存在の有無を確認した。そして、これらの領域における平均粒径を測定し、これらの比率を算出した。また、各試料についてICP分析によってサーメット基体中のMn成分の含有比率を求めた。結果は表9に示した。
次に、上記サーメット基体に対して、表10の成膜条件にて表11の構成のCVD法による被覆層を形成した。なお、表11のうち膜厚2μm以上のTiCN層を成膜した試料No.19〜22、24については、いずれも走査型電子顕微鏡観察において、図2の試料No.24についての写真である示すように、サーメットの基体の表面に対して垂直方向に伸びる平均結晶幅が0.1〜1μmの柱状結晶にて構成されていた。また、いずれもX線回折測定において(422)面のピークが最強ピークとなっていた。
得られたサーメット製の切削工具を用いて以下の切削条件にて切削試験を行った。結果は表11に併せて記載した。
(耐摩耗試験)
被削材:SCM435
切削速度:200m/分
送り:0.20mm/rev
切込み:1.0mm
切削状態:湿式(水溶性切削液使用)
評価方法:摩耗量が0.2mmに達するまでの時間
(耐欠損試験)
被削材:SCM440
切削速度:100m/分
送り:0.05mm/rev(10秒ごとに0.05mm/revずつ速くする。
最大 0.50mm/rev)
切込み:1.5mm
切削状態:乾式
評価方法:刃先が欠損するまでの時間測定(最大100秒)
表7〜11より、NiおよびMnを添加せず、Mnの含有量が0.1質量%より少ない試料No.31では、被覆層中に結合相が多量に拡散して被覆層の硬度が低下するとともにサーメット基体の焼結性が悪くてチッピングが発生しやすいものであった。また、Mnを添加せず、Mnの含有量が0.1質量%より少ない試料No.28では、表面領域が形成されず被覆層中に針状の異常粒が成長して摩耗、欠損とも激しいものであった。さらに、工程(b)における焼成温度Tが1380℃よりも高く1200℃から1300〜1380℃までの温度において昇温速度rが2℃/分よりも速い試料No.26、工程(d)における焼成雰囲気を真空にて焼成した試料No.29、および工程(e)における焼成雰囲気を真空とした試料No.30でも表面領域が形成されず、被覆層中に針状の異常粒が成長して摩耗、欠損とも低下した。また、工程(b)における焼成温度Tが1300℃よりも低い試料No.27では、焼成後のサーメット基体中に3質量%を超えるMnが残存して耐摩耗性が低下した。
これに対し、本発明の範囲内の組織となったサーメットである試料No.19〜25では、いずれも優れた耐摩耗性を発揮するとともに耐摩耗性も良好であり、その結果、工具寿命も長いものであった。
本発明のTi基サーメットの一例を示し、表面領域を含む要部断面についての走査型電子顕微鏡(SEM)写真である。 本発明の被覆サーメットの一例を示し、表面領域を含む要部断面についての走査型電子顕微鏡(SEM)写真である。 本発明の切削工具の一例についての模式図である。
符号の説明
1 サーメット(Ti基サーメット)
2 硬質相
2a 第1硬質相
2b 第2硬質相
3 結合相
5 表面領域
8 結合相富化領域
10 被覆サーメット
12 基体
13 被覆層
20 切削工具
21 すくい面
22 逃げ面
23 切刃
24 ブレーカ
25 凹部
26 ネジ穴

Claims (13)

  1. CoおよびNiの少なくとも1種と、Tiを主とした周期表第4、5および6族金属のうちの1種以上の炭化物、窒化物および炭窒化物の1種以上と、0.1〜0.5質量%のMnとから構成され、任意断面についての走査型電子顕微鏡(SEM)写真において、内部が第1硬質相および第2硬質相からなる硬質相と、主としてCoおよびNiの少なくとも1種の結合相とが観察されて、前記第2硬質相は前記第1硬質相よりも白く見えるとともに、表面部に前記第2硬質相が90面積%以上の含有割合で観察される表面領域が形成されているTi基サーメット。
  2. 前記表面領域の厚みが0.5〜5μmである請求項1記載のTi基サーメット。
  3. 前記第2硬質相中にNbが固溶しており、前記表面領域における前記第2硬質相中のNbの固溶割合が、内部における第2硬質相中のNbの固溶割合に比べて多い請求項1または請求項2記載のTi基サーメット。
  4. TiCN粉末と、W、Mo、Ta、V、ZrおよびNbのうちの1種以上を含有する炭化物粉末、窒化物粉末、炭窒化物粉末の少なくとも1種と、CoおよびNiの少なくとも1種の粉末と、金属Mn粉末もしくはMn化合物粉末をMn換算による総量で0.2〜3.0質量%とを混合した混合粉末を成形した後、(a)真空中にて室温から1200℃まで昇温し、(b)真空中にて1200℃から1330〜1380℃の焼成温度Tまで0.1〜2℃/分の昇温速度で昇温し、(c)30〜2000Paの不活性ガス雰囲気中にて焼成温度Tから1450〜1600℃の焼成温度Tまで4〜15℃/分の昇温速度で昇温し、(d)30〜2000Paの不活性ガス雰囲気中にて前記焼成温度Tにて0.5〜2時間保持し、(e)降温する条件で焼成するTi基サーメットの製造方法。
  5. 請求項1乃至3のいずれか記載のTi基サーメットを基体として、該基体の表面を被覆層にて被覆した被覆サーメットであって、前記基体の表面領域における前記結合相の含有比率が3質量%以下であるとともに、前記被覆層は化学蒸着法にて形成されたものである被覆サーメット。
  6. 前記表面領域の直下から1〜10μmまでの領域に前記結合相の含有比率Aが前記基体の内部における前記結合相の含有比率Bに対する比率(A/B)で1.1〜2.0の結合相富化領域が存在している請求項5記載の被覆サーメット。
  7. 前記基体の内部におけるNiの含有比率がNi/(Ni+Co)の比率で0.1〜0.5である請求項5または6記載の被覆サーメット。
  8. 前記表面領域におけるNの含有割合が焼結体内部に比べて大きいことを特徴とする請求項5乃至7のいずれか記載の被覆サーメット。
  9. 前記被覆層が、前記基体の表面に対して垂直方向に伸びる柱状結晶からなり、該柱状結晶の平均結晶幅が0.1〜1μmである柱状結晶被覆層を含む請求項5乃至8のいずれか記載の被覆サーメット。
  10. 前記柱状結晶がTiCNである請求項9記載の被覆サーメット。
  11. 前記被覆層は、X線回折測定において(422)面が最強ピークである請求項10記載の被覆サーメット。
  12. 請求項1乃至3のいずれか記載のTi基サーメット、または請求項5乃至11のいずれか記載の被覆サーメットからなり、すくい面と逃げ面との交差稜線部に切刃が形成された切削工具。
  13. 前記すくい面にて2D法で測定したσ11方向(すくい面の中心と測定点から最も近い切刃の中心とを結ぶ方向)にかかる前記第2硬質相の残留応力が圧縮応力で150MPa以上(σ11≦−150MPa)である請求項12記載の切削工具。
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