JPH10168433A - 融雪凍結防止素材及びこれを利用した融雪凍結防止塗料・シート・タイル・パネル・エクステリア材・屋根材・道路、解凍器 - Google Patents

融雪凍結防止素材及びこれを利用した融雪凍結防止塗料・シート・タイル・パネル・エクステリア材・屋根材・道路、解凍器

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JPH10168433A
JPH10168433A JP35227996A JP35227996A JPH10168433A JP H10168433 A JPH10168433 A JP H10168433A JP 35227996 A JP35227996 A JP 35227996A JP 35227996 A JP35227996 A JP 35227996A JP H10168433 A JPH10168433 A JP H10168433A
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freezing
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Kounosuke Tsunoda
宏之輔 角田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 散水の必要が無く、しかも低コストな融雪凍
結防止システムとする融雪凍結防止素材及びこれを利用
した各種の融雪凍結防止具類を提供する。 【解決手段】 赤外線域で放射率の高い遷移元素酸化物
系焼結体と三方晶系硼素珪酸塩との混晶体である遠赤外
線放射体混晶素材を含有するものとし、これを素材中に
分散させて形成する。例えば無機材料中に含有してタイ
ル、パネルその他の建築・構築用の専用材料として、主
として屋外用の屋根材、エクステリア材更には硬質ある
いは軟質性の有機材料中に含有して高分子樹脂シート等
の特定用途物品材として、道路面における路面材とし
て、また冷凍製品等を解凍する解凍器として形成する。
また遠赤外線放射体混晶素材を分散させて形成した塗料
を各種の物品の表面に塗布、付着等によって層状に形成
することで融雪凍結防止手段として構成する。更には加
熱手段と組み合わせて使用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は融雪凍結防止素材及
びこれを利用した融雪凍結防止塗料・シート・タイル・
パネル・エクステリア材・屋根材・道路、解凍器に関
し、特に車道・歩道・駐車場その他の走行路面、建物屋
恨・建物屋上・建物外壁等の各種施設面、建屋周囲・庭
園その他の屋外施設等における積雪の融雪及びその凍結
防止に、更には冷凍食品等の解凍に使用できるものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来から降雪地域にあっての積雪はその
地域における交通事情のみならず、住人の諸活動を大き
く制約する故に降雪後ではその速やかな除去等が望まれ
ているものである。例えば自動車・歩行者等の交通往来
の円滑な確保その他のために降雪は道路脇上に掻き集め
られ、邪魔にならない場所に積み上げられて処理される
も、大量にある場合にはそれが困難となることもある。
すなわち積雪地帯における処理できない積雪はその地域
社会における産業と生活とのあり方を規制するものとな
るから、その融雪を図ることは従来からの永年の重要な
課題となっており、今日まで多くの研究・開発が行なわ
れているのである。そのために従来から各種の融雪装
置、除去装置、方法等が提案されており、その中で最も
効果的かつ実践的な融雪方式として普及し利用されてい
る一つの方法は地下水を汲み上げて散水する消雪方法で
あり、他の方法としては電気エネルギーの加熱による融
雪方法であり、これらが現在多くの豪雪地城で採用され
ているものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】地下水更にはこれを加
熱して得た温水の散水等による融雪方法は、地下水の枯
渇、地盤の沈下等を招き、ひいてはそれらによる二次災
害を生じさせるものである。また電気エネルギーの加熱
による融雪方法は、電気の消費量が多くコスト高で、ど
こでも採用できるものではなく、その使用電力の低減が
望まれていることは言うまでもないのである。
【0004】また冷凍食品等の解凍に際しては、温水中
に浸漬したり、電子レンジによる誘導加熱によったりし
ているも、加熱エネルギー、電気エネルギー等の使用に
よるから、これ等の効率的な利用を図るものとしなけれ
ば結果的には無駄なエネルギーを使用せざるを得ないば
かりでなく、誘導加熱による場合には食品素材に物理
的、化学的変化を与え、その食味を損なわせる虞れがあ
った。
【0005】そこで本発明は叙上のような従来存した諸
事情に鑑み創出されたもので、貴重な資源である地下水
を使用することなく、また経済性を考慮した社会的需要
に応えた低コストな融雪凍結防止システムとし、また素
材の特性による効果的な融雪作用によって散水の必要が
ないと共に、電力を使用するとしても在来の電気ヒータ
ーの数十分の一の微弱電流で済むようにし、更には冷凍
食品等の素材に物理的、化学的な変化を与えずに解凍で
きるようにした融雪凍結防止素材及びこれを利用した融
雪凍結防止塗料・シート・タイル・パネル・エクステリ
ア材・屋根材・道路、解凍器を提供することを目的とす
るものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上述した目的を達成する
ため、本発明に係る融雪凍結防止素材にあっては、赤外
線域で放射率の高い遷移元素酸化物系焼結体と三方晶系
硼素珪酸塩との混晶体である遠赤外線放射体混晶素材を
含有するものとしたのである。そして遠赤外線放射体混
晶素材は10%以上にして含有するものとして、更に遷
移元素酸化物以外の遠赤外線放射粒子、炭素材の少なく
ともいずれかを付加含有するものとして、また加熱手段
例えば面状発熱体を組み合わせて構成することができ
る。なお本発明においての融雪凍結防止とは、融雪ある
いは凍結防止の少なくとも一方の作用が得られるものを
意味し、凍結防止には解凍の概念も含まれるものであ
る。
【0007】更に本発明に係る各種の融雪凍結防止具類
すなわち融雪凍結防止塗料・シート・タイル・パネル・
エクステリア材・屋根材・道路、解凍器にあっては、上
述の融雪凍結防止素材を無機材料、有機材料等の各種の
物品に分散状に含有させることで、また各種の物品・部
材等の表面に塗布、付着等によって層状に形成させるこ
とで融雪凍結防止手段として構成したものである。例え
ば無機材料中、硬質あるいは軟質性の有機材料中、塗料
剤中、高分子樹脂シート素材中に遠赤外線放射体混晶素
材を夫々含有したものである。また、タイル素材中、パ
ネル素材中、エクステリア素材中、屋根素材中、路面材
中に遠赤外線放射体混晶素材を夫々含有したものとし、
更には加熱手段を組み合わせたものである。そしてまた
融雪凍結防止素材によって、更には加熱手段を組み合わ
せることで解凍器として構成したものである。
【0008】以上のように構成された本発明に係る融雪
凍結防止素材及びこれを利用した融雪凍結防止塗料・シ
ート・タイル・パネル・エクステリア材・屋根材・道
路、解凍器にあって、遷移元素酸化物系焼結体と三方晶
系硼素珪酸塩との混晶体は、周囲の雪や氷を融解するに
最適の放射線(特に4〜12μmの波長)である赤外
線、遠赤外線等を放射する性質を有する。そのため、密
度が小さく熱伝導率が低い雪はこれが積雪されている
と、あたかも断熱材のような働きをする故に従来の接触
式熱伝導による融雪では原理的に問題があったのに比
し、積雪中に空間があっても上記の放射線等は個々の雪
の結晶まで伝搬され、雪に吸収されることで融雪効果を
奏させる。また同様に冷凍された食品等を解凍させる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施の形態を説
明するに、本発明に係る融雪凍結防止素材を形成する遷
移元素酸化物系焼結体の原物質として、例えば遠赤外特
性をもつ材質であるコージライト(2MgO・2Al2
3 ・5SiO2 )、β−スポジューメン(Li2 O・
Al2 3 ・4SiO2 )、チタン酸アルミニウム(A
2 3 ・TiO2 )等を挙げることができ、更にこれ
らに比し大きな遠赤放射体特性を示す遷移元素酸化物系
の焼結体として以下のものを利用する。
【0010】すなわち成分MnO2 ・Fe2 3 ・Cu
O・CoOの焼結体とするものであり、これは熱膨脹率
が大きく、その平均線熱膨張係数は8×10-6であり、
したがって耐熱衝撃性は低く破壊される虞れが大きいも
のである。そこで熱膨張の小さい素材を配合するのであ
り、例えば上記の成分MnO2 ・Fe2 3 ・CuO・
CoOの仮焼物を30%、木節粘土を25%、ベタライ
トを45%の混合物を1100℃で焼結することにより
線熱膨張係数が2.3×10-6である遷移元素酸化物系
焼結体を得るものであり、これによる線熱膨張係数は十
分な耐熱衝撃性に適すると共に、赤外線全域での遠赤放
射率も高いものである。
【0011】更にはこの焼結体中の一成分であるベタラ
イトを減量して三方晶系硼素珪酸塩のアプライトを添加
焼結するのであり、熱伝導性、遠赤放射性等を一層高め
るためにカーボンブラック、グラファイト、フライアッ
シュ等を混練し焼結するとよい。
【0012】このようにして形成された遠赤外線放射体
混晶素材は、後記の如く加熱手段と組み合わせる場合に
は高熱伝導性であることが好ましいが微熱性素材や大熱
容量素材と組み合わせることでも保熱効果が得られ、エ
ネルギー節約に有効である。したがって用途と所望の効
果に応じて無機材料、有機材料等の基材及び添加物を選
定することができる。
【0013】例えば無機材料と組み合わせる場合には、
建物屋上夕イル、建物外壁パネル等の建築・構築材料、
屋外施設となる歩道タイル等の路盤材料等のセラミック
ス製タイルのものとして各種の構築物構造に適用するこ
とができる。そしてこの場合には、粘土・陶土等のセラ
ミックス材料と上述の遠赤外線放射体混晶素材とを混練
し焼成して製造するのであり、更に遠赤外効果と熱伝導
性とを高めるためには、熱伝導性並びに微熱性の素材を
10〜30%、遠赤外放射体素材を5〜15%、遷移金
属酸化物を3〜5%等として添加することが有用であ
る。
【0014】また道路舗装に使用する場合には、骨材基
盤上に断熱施工をなし、面状発熱体の上に高分子樹脂製
フィルムを設置して上述の遠赤外線放射体混晶素材を含
有させたモルタルを層状に施工するのである。道路舗装
に際してこのように施工するのが簡便であり、またアス
ファルト舗装に使用する場合もアスファルト基材に熱伝
導材料や遠赤外線放射混晶素材を添加するのである。こ
の添加に際し好ましいのは遠赤外線放射体混晶素材を1
0〜20重量%程度とするのであり、もとよりその添加
量は構造物の目的を考慮して適宜に選択されるものであ
る。
【0015】なお以上のようなタイル、パネル、屋根
材、エクステリア材等の各種の融雪凍結防止具類とする
場合に、これらに各種の加熱手段を組み込むこともで
き、加熱手段による熱伝搬と共に放射による熱伝搬との
相乗的な作用が製品価値を一層高めるものである。
【0016】一方、硬質あるいは軟質性の有機材料中に
遠赤外線放射体混晶素材を混練させても同様な効果を奏
することができ、例えば高分子樹脂パネルや高分子樹脂
フィルム中に混入するものである。例えば遠赤外線放射
体混晶素材を高分子樹脂シートに混入して融雪凍結防止
シートを作成し、これを各種の積雪される物品・部材等
における表面材の内側に配置するのであり、所望の融雪
凍結防止効果を得ることができる。このときの融雪凍結
防止を一層効果的にするにはその内側に微弱加熱装置を
配置しておくとよいものである。
【0017】有機材料中に混練させるに際し、高分子樹
脂シート中の遠赤外線放射体混晶素材の添加量は限定さ
れないが、一般に0.1〜10重量%に、より好ましく
は1〜5重量%内にする。また高分子樹脂の材質も限定
されないが、農業用塩化ビニル樹脂やポリスチロール樹
脂等の廃棄物を利用すると安価であり、かつ資源の有効
利用及びこれらを廃棄する際に生じている環境問題の解
決に寄与できる。また高分子樹脂シートの厚みも限定さ
れないものであり、必要に応じて通気性、水分透過性等
のために穿孔して使用してもよく、穿孔によって切裂す
ることもない。こうした遠赤外線放射体混晶素材が添加
された高分子樹脂シートは、特に冬期のコンクリート施
工の場合にそのコンクリート表面を被覆するよう使用す
ることでコンクリートの凍結を防止することができ、経
済効果に大きく寄与できる利点がある。
【0018】また塗料剤中、特に有機塗料剤中に遠赤外
線放射体混晶素材を含有させることで融雪凍結防止塗料
として形成でき、これを例えば建築物、屋外に設置され
ている各種の施設その他の構築物外側面その他に塗布す
ることで、融雪凍結防止を図ることができる。
【0019】本発明の遠赤外線放射体混晶素材が分散さ
れている融雪凍結防止素材によれば、外気温度が氷結温
度に近いような低温でも融雪凍結防止素材から融雪解凍
作用のある電磁波(放射線)が放射され融雪凍結防止効
果が奏せられる。しかし気温が氷結温度以下になれば融
雪解凍作用は減衰されるので、本発明に係る融雪凍結防
止素材が施される表面材及び中間層として使用する本発
明の融雪凍結防止素材と併せて表面材の表面温度が氷結
温度より高くなるように加温することが好ましく、この
ように加熱手段と組み合わせることで融雪凍結防止シス
テムを構築することが望ましい。
【0020】この構築される融雪凍結防止システムにお
ける加熱手段は特に限定されず、従来公知の如く地下パ
イプ中に温水を通したり、電気加熱ヒーターを埋め込む
ものとしたりする加熱方法を採用してもよく、好ましく
は面状電気ヒーターを用いる。特にいわゆるPTC(正
温度係数)特性を持つ面状電気ヒーターを用いればサー
モスタットを省略できるので設備費用を低減できる利点
が得られる。更にPTC素子は自己温度制御性を有し、
周囲温度とバランスして一定温度を保つ性質があるた
め、周囲温度変化のムラを無くすことができ、ひいては
電気消費量の低減を図ることが可能である。PTC素子
としては例えばポリエチレンにカーボンブラックを分散
した組成物で作成したものである。
【0021】また融雪凍結防止システムの一つの態様で
は、各種物品あるいは部材における表面材と加熱手段と
しての面状電気ヒーターとの間に中間層を設けて、表面
材、中間層の少なくともいずれか一方を本発明に係る遠
赤外線放射体混晶素材を分散させている融雪凍結防止素
材で構成するものである。ただ表面材と中間層との両方
を遠赤外線放射体混晶素材が分散されている融雪凍結防
止素材で構成することも可能であり、これらは任意に選
定できる。表面材と中間層との両方を遠赤外線放射体混
晶素材が分散されている融雪凍結防止素材で構成する
と、熱伝搬及び保熱効果と共に放射による熱伝搬と融雪
との作用が加わるので、融雪凍結防止効果を一層顕著な
ものとすることができる。
【0022】表面材と中間層とのいずれかを融雪凍結防
止素材で構成しなかったり、あるいは表面材と中間層と
のいずれかの一部を遠赤外線放射体混晶素材としたり、
あるいは高熱熱伝導性材料としたりした場合も加熱エネ
ルギーの低減に有効である。これは遠赤外線放射体混晶
素材あるいは高熱熱伝導性材料の熱伝搬及び保熱効果に
よるものと考えられる。
【0023】また遠赤外線放射体混晶素材が分散されて
いる表面材と組み合わせる場合に、中間層として遠赤外
線放射体混晶素材が分散されている高分子樹脂シートを
面状電気ヒーターの上に配設したものが最も有効であ
る。更に遠赤外線放射体混晶素材が分散されている無機
材料製表面材と遠赤外線放射体混晶素材が分散されてい
る樹脂シートと面状電気ヒーターの如き加熱シートとを
含む積層構造となる製品として製造することも可能であ
る。
【0024】そしてまた加熱手段と組み合わせて構成し
た積層構造の各種製品において、加熱手段、特に面状電
気ヒーターの下方あるいは内側に断熱層を設けることも
でき、熱が表面の融雪凍結防止素材の側により多く伝搬
させる効果が得られるものである。断熱層は、屋上屋
根、外壁等の構築・建築材料とする用途ではいわゆる樹
脂発泡体による断熱材等が有効であり、道路等において
の地中では樹脂発泡体による断熱材のほか熱伝導の低い
骨材を敷設することも可能である。
【0025】更には本発明に係る遠赤外線放射体混晶素
材を含有した融雪凍結防止素材は、これを上述したよう
なタイル材、パネル材等の固形形態、高分子樹脂シート
等の軟質形態等とし、各種の冷凍食品等の凍結製品をこ
れらの上に載置し、あるいは包覆する等によって冷凍食
品を解凍するものとして使用することも可能である。こ
うした解凍用途のものとして使用するとき、冷凍食品等
の素材に物理的、化学的変化を与えることがなく、低温
で解凍させることができる。
【0026】しかして同じ気候条件下で本発明に係る融
雪凍結防止素材を使用した融雪凍結防止システム(融雪
加熱システム)と、従来の融雪凍結防止システム(融雪
加熱システム)とを比較実験した結果を説明すると、完
全融雪を達成するために従来の融雪凍結防止システムで
は電気ヒーターを全面に敷設して50℃〜80℃の発熱
体温度に設定し、なおかつ24時間連続通電加熱したの
に対し、本発明に係る融雪凍結防止システムでは電気ヒ
ーターを加熱面積の一部に、例えば1/2以下実際には
1/3以下の面積で敷設すると共に30℃の発熱体温度
に設定し、例えば2時間毎の間歇通電加熱で充分であっ
た。
【0027】またこれは温水ボイラー方式やヒートパイ
プ方式と比べても経済的であるのは勿論であった。なお
電気ヒーターの面積・加熱温度・加熱時間等は上記の実
験例に限らないものであり、これによって本発明が限定
されるものではない。
【0028】
【発明の効果】本発明は以上のように構成されており、
これがため、従来の融雪凍結防止システムでは、外気気
温が約23℃以上の温度になるまで加熱しないと融雪効
果は得られなかったのに比し、本発明に係る融雪凍結防
止素材、これを利用した融雪凍結防止塗料・シート・タ
イル・パネル・エクステリア材・屋根材・道路、解凍器
等の各種の融雪凍結防止具類では外気温度が約2℃の低
い温度で融雪凍結防止効果が奏せられたものであり、外
気温度が氷結温度より高ければ融雪凍結防止効果を発現
することができたものである。したがって、本発明によ
れば融雪凍結防止素材、各種の融雪凍結防止具類等の外
表面温度を20℃以下、更に15℃以下、特に5℃以
下、更には2〜3℃に設定した融雪凍結防止システムと
することができ、加熱するために要する電力を大きく節
減でき、電気代を節約できる経済的効果も極めて大きい
のである。
【0029】さらに本発明の融雪凍結防止素材を用いた
融雪凍結防止システムでは、地下水・温水を使用しない
で充分な経済性を以て融雪凍結防止効果を奏するので、
地下水の汲み上げに伴う従来技術の問題点を解決でき、
社会的需要に応えることができる。
【0030】
【実施例】次に具体的な実施例について説明する。 (実施例1)無機結合剤として陶土を62重量%、炭素
パウダーを20重量%、フライアッシュを5重量%、三
方晶系硼素珪酸塩を3重量%とし、更に前記の30%の
成分MnO2 ・Fe2 3 ・CuO・CoOの仮焼物・
25%の木節粘土・45%のぺタライトの混合物を11
00℃で焼結して得た遠赤外線放射体を10重量%とし
て水を溶媒として混練し、平板状に成型してから100
0℃で焼結して融雪凍結防止素材Iとしての焼結体を得
た。 (実施例2)実施例1の配合と同じ素材の混練物、水を
アスファルトに対して10重量%になるよう混入して融
雪凍結防止素材IIを得た。また同様にして同じ混練物
を、川砂を用いたモルタルに対して10重量%になるよ
う混入して融雪凍結防止素材IIIを得た。 (実施例3)農業用塩化ビニル廃棄物を粉砕・洗浄・乾
燥後、平均粒度0.5μmの遷移金属元素酸化物を10
重量%として溶解混練し押出成型して厚さ0.8mmの
シートを作成した。このシートに1mm径の孔を縦横1
0mm間隔で一列毎に5mmずらして穿孔した。またこ
の樹脂シートを、PTC特性を持つ面状電気ヒーターの
上に置き、更にその上に厚さ10mmの実施例1の融雪
凍結防止素材Iを置いたものと、樹脂シートを介さずに
同様な面状電気ヒーターの上に直接に同じ素材を置いた
ものとを用意し、面状電気ヒーターを10℃に加熱して
融雪凍結防止素材Iの上に氷を載せて実験した。その結
果、樹脂シートを介在させることによる融雪効果の増加
が確認された。
【0031】また実施例1〜3で作成した融雪凍結防止
素材I、II、IIIを道路舗装、建築物における屋根
・屋上等に施工した結果、一般材を施工した場合よりも
融雪凍結防止効果の明確な相違を確認することができ
た。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI E04D 13/00 E04F 13/14 103A E04F 13/14 103 C08K 3/20 // C08K 3/20 C04B 35/00 H

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 赤外線域で放射率の高い遷移元素酸化物
    系焼結体と三方晶系硼素珪酸塩との混晶体である遠赤外
    線放射体混晶素材を含有することを特徴とする融雪凍結
    防止素材。
  2. 【請求項2】 遠赤外線放射体混晶素材は10%以上に
    して含有している請求項1記載の融雪凍結防止素材。
  3. 【請求項3】 遷移元素酸化物以外の遠赤外線放射粒
    子、炭素材の少なくともいずれかを付加含有してある請
    求項1または2記載の融雪凍結防止素材。
  4. 【請求項4】 無機材料中に請求項1乃至3のいずれか
    記載の遠赤外線放射体混晶素材を含有していることを特
    徴とする融雪凍結防止素材。
  5. 【請求項5】 硬質あるいは軟質性の有機材料中に請求
    項1乃至3のいずれか記載の遠赤外線放射体混晶素材を
    含有していることを特徴とする融雪凍結防止素材。
  6. 【請求項6】 加熱手段を組み合わせてある請求項1乃
    至5のいずれか記載の融雪凍結防止素材。
  7. 【請求項7】 塗料剤中に請求項1乃至5のいずれか記
    載の融雪凍結防止素材を分散させたことを特徴とする融
    雪凍結防止塗料。
  8. 【請求項8】 高分子樹脂シート素材中に請求項1乃至
    5のいずれか記載の融雪凍結防止素材を分散させたこと
    を特徴とする融雪凍結防止シート。
  9. 【請求項9】 タイル素材中に請求項1乃至6のいずれ
    か記載の融雪凍結防止素材を用いたことを特徴とする融
    雪凍結防止タイル。
  10. 【請求項10】 パネル素材中に請求項1乃至6のいず
    れか記載の融雪凍結防止素材を用いたことを特徴とする
    融雪凍結防止パネル。
  11. 【請求項11】 エクステリア素材中に請求項1乃至6
    のいずれか記載の融雪凍結防止素材を用いたことを特徴
    とする融雪凍結防止エクステリア材。
  12. 【請求項12】 屋根素材中に請求項1乃至6のいずれ
    か記載の融雪凍結防止素材を用いたことを特徴とする融
    雪凍結防止屋根材。
  13. 【請求項13】 路面材中に請求項1乃至6のいずれか
    記載の融雪凍結防止素材を用いたことを特徴とする融雪
    凍結防止道路。
  14. 【請求項14】 請求項1乃至6のいずれか記載の融雪
    凍結防止素材によって構成されたことを特徴とする解凍
    器。
JP35227996A 1996-12-12 1996-12-12 融雪凍結防止素材及びこれを利用した融雪凍結防止塗料・シート・タイル・パネル・エクステリア材・屋根材・道路、解凍器 Pending JPH10168433A (ja)

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