JP2003278107A - 融雪路面敷設用通電発熱シース線 - Google Patents

融雪路面敷設用通電発熱シース線

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JP2003278107A
JP2003278107A JP2003020376A JP2003020376A JP2003278107A JP 2003278107 A JP2003278107 A JP 2003278107A JP 2003020376 A JP2003020376 A JP 2003020376A JP 2003020376 A JP2003020376 A JP 2003020376A JP 2003278107 A JP2003278107 A JP 2003278107A
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laying
wire
sheath
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Tadashi Kobori
忠司 小堀
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Shin Etsu Chemical Co Ltd
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Shin Etsu Polymer Co Ltd
Shin Etsu Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 融雪路面用の通電効率のより良い線状発熱体
を提供する。 【解決手段】 本発明の線状発熱体としての融雪路面敷
設用通電発熱シース線1は、通電発熱用芯線2と、該通
電発熱用芯線2を被覆する架橋ポリエチレン製の絶縁層
3と、該絶縁層を被覆する遠赤外線素子5を含有する塩
化ビニル製のシース材層4とからなる。前記遠赤外線素
子5は、グラファイト系遠赤外線素子70〜95%とセ
ラミックス系遠赤外線素子5〜30%との混合物である
ことが望ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、降雪地帯の路面に
用いて融雪効果を発揮する融雪路面敷設用通電発熱シー
ス線に関する。
【0002】
【従来の技術】降雪地帯の路面の除雪・融雪には、各種
の方策が採られてきている。その一方策として、路面に
通電発熱体を埋設し、その発熱によって融雪するものが
知られている。通電発熱体として、線状発熱体と面状発
熱体とが用いられる。面状発熱体においては、例えば特
開平10−172725号公報に示されるように、面状
発熱体の外皮を構成する樹脂シート中に保温機能を有す
る遠赤外線放射体および高熱伝導機能を有する遠赤外線
放射体(以下、本発明では合わせて遠赤外線素子とい
う)を含むものも利用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、面状発熱体
は、比較的通電効率がよいものの、路盤から路面表面層
までの道路構造中に面状の異物が存在するのと同じで、
不連続面部分が形成され、その不連続面部分によって道
路構造を構成する層に剥がれが生じ、破損されやすくな
るという欠点が避けられない。線状発熱体は、路面面積
に対する発熱体面積が少なく、通電効率のより一層の向
上が望まれている。したがって本発明の課題は、融雪路
面用の通電効率のより良い線状発熱体を提供することに
ある。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の線状発熱体としての融雪路面敷設用通電発
熱シース線は、通電発熱用芯線と、該通電発熱用芯線を
被覆する架橋ポリエチレン製の絶縁層と、該絶縁層を被
覆する遠赤外線素子を含有する塩化ビニル製のシース材
層とからなる。前記遠赤外線素子は、グラファイト系遠
赤外線素子70〜95%とセラミックス系遠赤外線素子
5〜30%との混合物であることが望ましい。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明は、通電発熱体として、面
状発熱体ではなく、線状発熱体を用いる。図1は、本発
明の通電発熱体としての融雪路面敷設用通電発熱シース
線の一実施の形態を示す、各層のそれぞれ一部を順次剥
離した説明斜視図である。路面に埋設する通電発熱体と
しては、酷寒期に降り積もる雪を溶かすための熱源とな
るものであるから、高温になることを必ずしも必要とし
ない。したがって、本発明の融雪路面敷設用通電発熱シ
ース線1を構成する通電発熱用芯線2としては、抵抗値
が0.04〜3Ω/m程度の抵抗線であれば、いずれも
用いられ得る。例えば、各種金属線が用いられ、中でも
ニッケルクロム、銅ニッケル合金等が好ましい。通電発
熱用芯線2としては、単線でも良いし、撚り線でも良
い。例えば、芯材線の周りに6本の撚り線材を巻き付け
るケーブルタイプのものでも良い。撚り線とすることに
より、通電発熱用芯線は屈曲性が増し、路面への敷設に
際して取り扱い易くなる。埋設線であることを考慮すれ
ば、芯材線と撚り線材とは、同一の抵抗線とすることが
できる。
【0006】例えば、.銅ニッケル合金(ニッケル約
50%)の0.32mm線材を芯材線と撚り線材6本と
の7本による撚り線(見掛け外径1.0mm)とする
と、導体抵抗値は870Ω/km(20℃)、.同材
の0.50mm線材の7本撚り線(見掛け外径1.5m
m)とすると、導体抵抗値は360Ω/kmとなる。
.合金を銅ニッケル合金(ニッケル約10%)とし、
0.5mm線材の7本撚り線(見掛け外径1.5mm)
とすると、導体抵抗値は73Ω/kmとなる。敷設幅1
mで、蛇行配線のピッチ間隔を50mm、蛇行幅950
mmとし、定格電圧200Vとした場合、例えば前記
の撚り線では、設計基準130W/m で面積4.2m
、設計基準150w/mで3.9m、設計基準1
70W/m、設計基準200W/mで3.4m
なる。
【0007】通電発熱用芯線2は、絶縁層3で被覆され
る。絶縁層3としては、電気絶縁性、耐熱性、耐候性等
に優れ、硬度等を満足する各種の合成樹脂が利用可能で
ある。本発明では、架橋ポリエチレンを利用する。絶縁
層3の厚みは、特に制限はないが、0.5〜1.5mm
とすることが好ましく、例えば肉厚0.8mmとするこ
とができる。通電発熱シース線1は、通行する車両等か
ら繰り返し応力が加えられるので、外表面にシース材層
4を持つことが望ましい。シース材素材としては、柔軟
性、高弾性、耐熱性、耐候性、内層の絶縁被覆材との接
着性等が要求され、例えば、ふっ素樹脂、けい素ゴム、
耐熱ビニル系樹脂またはそれらの混合物等が例示され得
る。路面表面層にアスファルトを用いることが多いこと
を勘案して、また、後述する遠赤外線素子を混入させる
ときの分散性をも勘案して、本発明ではシース材層素材
として、塩化ビニルを用いる。
【0008】融雪路面敷設用通電発熱シース線1の通電
融雪効率を向上させるために、上述のシース材層4中に
遠赤外線素子5を混入させる。遠赤外線素子は、外部か
らの熱を吸収し、遠赤外線を放射するもので、放射され
る遠赤外線により水分中のクラスターが破壊されること
により雪・氷が効率的に溶かされる。遠赤外線素子とし
ては、各種のものが知られており、いずれも基本的に利
用可能である。例えば、SiO・Al・Fe
・TiO・MnO・CaO・MgO等のセラミッ
クス系のもの、前記のセラミックス系のものに金属ゲル
マニウムまたは酸化ゲルマニウムを配合して成形焼結し
たもの、黒鉛を高温で熱処理したグラファイト系のもの
等が例示され得る。例えば特公平4−10197号公報
にも、各種の遠赤外線放射体が示されている。
【0009】セラミックス系のものの中では、特にアル
ミナ65%、シリカ35%の組成を基本とする焼結粉砕
された粉粒体が好適である。グラファイト系のものの中
では、特に、電極用グラファイトを用いて、500〜1
000℃で1500〜2000Vの高電圧を加えて0.
5〜1時間処理し、粒径150μm以下の粉粒体とした
ものが好適である。電極用グラファイトとしては、バー
ジン材料を用いる外、電極成形に際して出る削り屑や、
電極棒及び電極板の回収品も好適に利用できる。バージ
ン材料と削り屑・回収品とを適宜の割合で混合して用い
ることができることはいうまでもない。
【0010】シース材層4に混入される遠赤外線素子5
は、単一のものでも良く、また、複合しても用いられ得
る。複合材としては、組合せは適宜選択し得るが、上述
の好適なグラファイト系のものと上述の好適なセラミッ
クス系のものとの組合せが好適であり、その割合はグラ
ファイト系遠赤外線素子70〜95%、セラミックス系
遠赤外線素子5〜30%が好ましく、前者80〜90
%、後者10〜20%が特に好ましい。シース材層4の
厚みは、特性上からはより厚いことが好ましいが、肉厚
が2.2mmを超えるとコスト高となり、また、屈曲性
が低下して作業効率が低下することから、2.2mm以
下とすることが好ましい。例えばシース厚2.2mmと
することで、シース材層2.0mm品に比して、シース
材表面の表面温度が通電15分後で3〜4℃程度(約1
2%)高くなる。
【0011】本発明の融雪路面敷設用通電発熱シース線
の発熱特性を例示すると、表1に示すとおりである。表
1には、用いた融雪路面敷設用通電発熱シース線は、後
述する実施例1として用いたもので、定格145Wとし
て通電した場合、および、後述する実施例2として用い
たもので、定格170Wとして通電した場合、の2例に
ついて示す。なお、表1に示した温度は、雰囲気が大気
中無風状態で周囲温度14℃で通電したときの、通電発
熱シース線の表面温度である。
【0012】
【表1】
【0013】融雪路面敷設用通電発熱シース線1は、路
面に埋設される。なお、本発明においては、車道、歩
道、駐車場、車庫、階段、アプローチ、路肩、飛行場等
の表面部分を総称して路面と称する。図2に、本発明の
融雪路面構造の一実施の形態を、部分的に断面を示す説
明図として示す。路面は、基本的に路盤6および路面表
面層7からなる。本発明では、融雪路面敷設用通電発熱
シース線1が埋設され、あるいは下面に融雪路面敷設用
通電発熱シース線1が接する層を路面表面層7と呼び、
その路面表面層7より下の層を路盤6と呼ぶこととす
る。したがって、路盤6は、その施工態様によって、加
熱アスファルト安定処理を施した層である場合、コンク
リート等を打った場合、橋梁や高架橋等にあっては鉄板
構造物である場合や鉄板構造物上にコンクリート等を打
設した場合、等を指し、路面表面層7は、アスファルト
一層の場合、コンクリート一層の場合、それらの性状を
異ならせて二層とする場合、アスファルト層とコンクリ
ート層との二層とする場合、基層と透水性を付与した高
機能舗装層との二層からなる場合、さらにそれらの表面
にタイルを貼った場合、等々を全て一括して指す。
【0014】本発明の融雪路面敷設用通電発熱シース線
1は、従来の、遠赤外線素子の用いられていない通電発
熱線と同様、路盤6と路面表面層7との境界に埋設さ
れ、あるいは、路面表面部7の下部に埋設される。路盤
6と路面表面層7との境界に埋設された場合でも、線状
発熱体であるので、路盤6と路面表面層7との接触面積
が十分にとれ、接続態様に支障を来すことがない。埋設
された本発明の融雪路面敷設用通電発熱シース線1より
上部の路面表面層7の厚さは、敷設当初には6〜15c
m程度であることが好ましい。路面表面層7は、車両等
の通行にしたがって徐々に削られ補修されるに際して、
融雪路面敷設用通電発熱シース線1に影響を及ぼさない
ようにするためである。より好ましくは、7〜10cm
である。
【0015】路面表面での融雪等を効率的に行わせるた
めに、路面表面層7には遠赤外線素子8を混入させる。
遠赤外線素子8を混入させることによって、降雪前の日
照・外気温を融雪に有利に利用でき、また、路面に埋設
した通電発熱体からの熱を融雪に有効かつ効率的に利用
できる。路面表面層7に混入させる遠赤外線素子8とし
ては、先にシース材層4に混入させるものとして例示し
た遠赤外線素子5が用いられ得る。経済性を考慮する
と、グラファイト系遠赤外線素子、中でも上述の好適で
あるとした焼結粉砕されたグラファイト系粉粒体が、こ
こでも好適に利用できる。
【0016】路面表面部7に混入させる遠赤外線素子8
は、細骨材として砂の代替使用が可能で、その量は、5
〜30%混入させることができる。好ましくは、7〜1
5%である。なお、路盤6の少なくとも上層部分にも、
同様の遠赤外線素子8を混入させることもできる。路盤
6にも遠赤外線素子8を混入させることによって、融雪
路面敷設用通電発熱体から下方に移行する熱の一部が、
遠赤外線放射となって上方に向かうことが期待できる。
【0017】本発明の融雪路面敷設用通電発熱シース線
を路盤上に、蛇行配線し仮止めして、路面表面層を打設
する。蛇行配線し仮止めするには適宜の手段が用いられ
得るが、図3に示すような通電発熱シース線仮止め部材
9を図4に示すように用いることが好適である。好まし
い通電発熱シース線仮止め部材9は、塩化ビニル、ポリ
スチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ABS等の
熱可塑性樹脂シートに、通電発熱シース線1を仮止めす
るに足る間隔を残して凹部10(図3では、逆向きに示
しているので、凸部に見える)を形成したものである。
残された間隔部分が、融雪路面敷設用通電発熱シース線
1の係止溝11となる。凹部10の長さは、蛇行配線す
る場合の融雪路面敷設用通電発熱シース線1(図2中の
切り欠き表示部参照)の平行配線部分の間隔とする。凹
部10の幅は適宜とする。凹部10の深さを融雪路面敷
設用通電発熱シース線1の太さ程度とすれば、融雪路面
敷設用通電発熱シース線1は路盤6に接する位置に配線
することができ、凹部10の深さを調節することによ
り、路面表面層7中に埋め込まれる路盤6からの高さが
調節される。
【0018】通電発熱シース線仮止め部材9には、強度
を必要とした場合、フランジ部12を設けることが好ま
しい。なお、フランジ部12と係止溝11とは、直接隣
接しても良いし、凹部10の壁と同一の平面を介して離
隔して設けられても良い(図3では、後者の場合が示さ
れている)。通電発熱シース線仮止め部材9の凹部10
間に形成した係止溝11に融雪路面敷設用通電発熱シー
ス線1を挟むことにより融雪路面敷設用通電発熱シース
線1の配線態様を容易に決めることができ、凹部10の
底に釘等を用いて通電発熱シース線仮止め部材9を路盤
6に固定することにより、融雪路面敷設用通電発熱シー
ス線1の蛇行配線の仮止めが極めて簡易になし得る。
【0019】通電発熱シース線仮止め部材9として熱可
塑性樹脂シート、特に塩化ビニルシートを用いることに
より、例えば路面表面層7にアスファルト材を用いる場
合には、アスファルト材を固着するための加熱によって
熱可塑性樹脂シートは軟化し形状崩壊することにより、
アスファルト中で連続性を阻害するような異物として振
る舞うことがなくなる。融雪路面敷設用通電発熱シース
線1を蛇行配線して敷設する場合、融雪路面敷設用通電
発熱シース線1の平行度、間隔等を調節するために、通
電発熱シース線仮止め部材9とともに、熱可塑性樹脂シ
ートの細幅テープと粘着テープで融雪路面敷設用通電発
熱シース線1を貼り合わせて、図4に示すように、通電
発熱シース線仮止めテープ部材13として用いることも
できる。通電発熱シース線仮止めテープ部材13も、通
電発熱シース線仮止め部材9と同様に、アスファルト材
を固着するための加熱によって溶けて、アスファルトと
混合分散するものであることが好ましい。
【0020】蛇行配線させるための仮止め部材の他の実
施の態様として、図5に示すような通電発熱シース線仮
止め部材14も好適に用いられる。通電発熱シース線仮
止め部材14は、長尺の平板部15に、適宜の間隔をも
って凹溝部15を形成したものである。凹溝部に融雪路
面敷設用通電発熱シース線1を嵌め合わせる。適宜の平
板部箇所に釘等を用いて通電発熱シース線仮止め部材1
4を路盤6に固定することにより、融雪路面敷設用通電
発熱シース線1の蛇行配線の仮止めが極めて簡易になし
得ることは、通電発熱シース線仮止め部材9の場合と同
様である。長尺平板状の通電発熱シース線仮止め部材1
4を用いることによって、図6に示すように、融雪路面
敷設用通電発熱シース線1を間隔を設けて蛇行配線した
状態で、巻き取ることが可能となるので、蛇行配線を工
場等の施工現場と離れた場所で施工し、施工現場に容易
に運搬することができ、施工現場での敷設をさらに効率
化することができる。
【0021】
【実施例・比較例】以下に、本発明の実施例、比較例を
示すが、これらは本発明を制限するものではない。 [実施例1]融雪路面敷設用通電発熱シース線用の抵抗
線として、直径0.32mmの銅ニッケル合金(ニッケ
ル約50%)線7本での撚り線(見掛け外径0.96m
m)を用意する。絶縁層用の樹脂として、ポリエチレン
を用意する。シース材層用素材として、重合度1300
の塩化ビニル樹脂に、グラファイト系遠赤外線素子粉末
(固定炭素99.00以上、灰分0.1%以下、真比重
1.7g/cm、粒径150μm以下(内、45μm
以下58.8%)であって、1750Vの電圧を掛けな
がら600℃で処理し粉砕したもの)85%、セラミッ
クス系遠赤外線素子[アルミナ65%、シリカ35%の
焼結粉砕した粉粒体で、粒径5.27μm以下(内、最
大分布粒径1.69μm(23.4%))]15%の割
合で混合した混合遠赤外線素子粉粒体を20%混入させ
た組成物を、2軸押出機で造粒した。
【0022】通電発熱用芯線を中心とし、その周囲をポ
リエチレンで絶縁層見掛け肉厚0.8mm(外径2.5
mm)で押出被覆を行い、その後電子架橋を行った。更
に、この架橋済み通電発熱用芯線の最外層に複合遠赤外
線素子入り塩化ビニル製シース材層肉厚2mm(外径
6.5mm)となるように押出被覆を行い、融雪路面敷
設用通電発熱シース線を製造した。塩化ビニルシート
(0.50mm厚)に、凹部間に形成した係止溝中心線
間隔50mm、係止溝幅約6.4mmとなるように、幅
約17mmで深さ約15mmの凹部を一列に連続して成
形した通電発熱シース線仮止め部材を用意した。
【0023】厚さ80mmの加熱アスファルト安定処理
した路盤上に、前記通電発熱シース線仮止め部材2個1
組を用いて、実施例1で製造した融雪路面敷設用通電発
熱シース線を道路車線幅に蛇行配線し、通電発熱シース
線仮止め部材の適宜の凹部に釘で固定した。融雪路面敷
設用通電発熱シース線は、路盤から約5mm浮き上がっ
た位置に配置された。アスファルトに混入する細骨材と
しての砂の10%を実施例1で使用したのと同じグラフ
ァイト系遠赤外線素子で代替して、前記釘で固定した通
電発熱シース線仮止め部材の上から高機能アスファルト
舗装を施した。高機能アスファルト舗装の厚みは、路盤
上90mmとした。高機能アスファルト舗装の内部を調
べたところ、融雪路面敷設用通電発熱シース線は仮止め
配置した位置にきちんと止まっており、通電発熱シース
線仮止め部材は軟化崩壊して原形を留めておらず、その
周辺のアスファルト舗装の性能に、他の部分と比較し
て、格別の相違は見られなかった。
【0024】[実施例2]実施例1における、融雪路面
敷設用通電発熱シース線用の抵抗線として、直径0.5
mm線(撚り線の見掛け外径1.5mmとなる)、シー
ス材層肉厚2.2mm(融雪路面敷設用通電発熱シース
線の外径7.5mm)、通電発熱シース線仮止め部材と
して、塩化ビニールシート(0.5mm厚・幅30m
m)に、凹溝部の中心線間隔50mmの凹溝を形成した
図5に示す形態のものを使用した外は、実施例1と同様
にして、融雪路面敷設用通電発熱シース線を備えた融雪
路面構造を形成した。高機能アスファルト舗装の内部を
調べた結果は、実施例1と同様であった。
【0025】[比較例1〜4]比較例として、以下のも
のを準備した。 比較例1=遠赤外線素子を用いずシース材層厚さを1.
2mmとした外は実施例1と同様にして製造した融雪路
面敷設用通電発熱線を用いて実施例2と同様に敷設した
例。 比較例2=面状発熱体を用いて、路面表面層10cmを
遠赤外線素子入り高機能アスファルトで敷設した例。 比較例3=他社融雪路面敷設用通電発熱シース線を用い
て、路面表面層7cm(表層部4cmは遠赤外線素子入
り高機能アスファルト使用)を敷設した例。 比較例4=発熱体を使用せずに、路面表面層9cmを高
機能アスファルトで敷設した例。 実施例1〜2、比較例1〜4で得られた融雪路面構造に
つき、外気温2℃、積雪量2cm/hの条件で、通電融
雪比較試験を行った。実験結果を表2に示す。なお、表
2中、「素子」は「遠赤外線素子」を意味する。
【0026】
【表2】
【0027】表2に示す試験結果と記載を省略した一連
の試験結果から、以下のことがいえる。 1.遠赤外線素子を融雪路面敷設用通電発熱シース線と
路面表面層に混入した実施例1、2の融雪効果が顕著で
ある。 2.遠赤外線素子を路面表面層に混入するだけでも、大
きな融雪効果が見られた。 3.シース線仮止め部材を使用した施工は、シース線の
ズレ防止が図られ、施工も容易であった。 4.本発明の通電発熱シース線を用いた融雪路面構造体
の設計基準は、1時間当たり平均降雪量〜2cm・最低
気温平均値−3℃で130W/m、2.5mm・−5
℃で150W/m、3cm・−7℃で170W/
、3〜cm・−10℃で200W/m、が実現で
きる。因みに、比較例3に用いた他社融雪路面敷設用通
線状発熱体シース品の設計基準は、カタログによれば、
〜2cm・−6℃で200W/m、2.5cm・−1
0℃で250W/m、3cm・−15℃で300W/
となっている。
【0028】
【発明の効果】本発明の通電発熱シース線を用いること
によって、路面の融雪において融雪路面敷設用通電発熱
体としての効率を大幅に向上させ、消費電力の低減を図
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の融雪路面敷設用通電発熱シース線の
1実施の形態の各層のそれぞれ一部を順次剥離した説明
斜視図である。
【図2】 本発明の融雪路面敷設用通電発熱シース線を
用いた融雪路面構造の一実施の形態を示す、部分的に断
面を含む説明図である。
【図3】 本発明の融雪路面敷設用通電発熱シース線を
用いた融雪路面構造形成工法に用いる通電発熱シース線
仮止め部材の1例を、使用状態と逆向きにして示す説明
図である。
【図4】 通電発熱シース線仮止め部材に融雪路面敷設
用通電発熱シース線を仮止めして路盤にセッティングし
た状態を示す説明図である。
【図5】 本発明の融雪路面敷設用通電発熱シース線に
用いて好適な通電発熱シース線仮止め部材の他の実施の
形態を示す説明図である。
【図6】 図5に示す通電発熱シース線仮止め部材を用
いる場合の施工態様を示す説明図である。
【符号の説明】
1:融雪路面敷設用通電発熱シース線 2:通電発熱用芯線 3:絶縁層 4:シース材層 5:遠赤外線素子 6:路盤 7:路面表面層 8:遠赤外線素子 9:通電発熱シース線仮止め部材 10:凹部 11:係止溝 12:フランジ部 13:通電発熱シース線仮止めテープ部材 14:通電発熱シース線仮止め部材 15:平板部 16:凹溝部

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 通電発熱用芯線と、該通電発熱用芯線を
    被覆する架橋ポリエチレン製の絶縁層と、該絶縁層を被
    覆する遠赤外線素子を含有する塩化ビニル製のシース材
    層とからなることを特徴とする融雪路面敷設用通電発熱
    シース線。
  2. 【請求項2】 前記遠赤外線素子が、グラファイト系遠
    赤外線素子70〜95%とセラミックス系遠赤外線素子
    5〜30%との混合物である請求項1に記載の融雪路面
    敷設用通電発熱シース線。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR100864702B1 (ko) * 2007-02-02 2008-10-23 주식회사 대신상역엔지니어링 철도레일의 고속 분기부 융설(融雪) 시스템
KR102342645B1 (ko) * 2020-08-21 2021-12-23 주식회사 보성산업 천장형 복사난방장치 및 그 제어방법

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