JPH09272860A - 融雪凍結防止材とその用途 - Google Patents

融雪凍結防止材とその用途

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JPH09272860A
JPH09272860A JP8006796A JP8006796A JPH09272860A JP H09272860 A JPH09272860 A JP H09272860A JP 8006796 A JP8006796 A JP 8006796A JP 8006796 A JP8006796 A JP 8006796A JP H09272860 A JPH09272860 A JP H09272860A
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snow melting
tourmaline
antifreezing
snow
melting
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Shigeki Horizoe
茂樹 堀添
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  • Road Paving Structures (AREA)
  • Buildings Adapted To Withstand Abnormal External Influences (AREA)
  • Materials Applied To Surfaces To Minimize Adherence Of Mist Or Water (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 散水の必要がなく、しかも低コストな、融雪
システムを開発すること、そのために有用な融雪凍結防
止材及び融雪凍結防止製品を提供すること。 【解決手段】 融雪凍結防止剤として電気石が分散され
ている融雪凍結防止材と、これを用いた融雪凍結防止タ
イル、パネル、屋根材、エクステリア材、解凍材など。
融雪凍結防止製品には加熱手段を具備させることができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は融雪凍結防止材とそ
の用途に関し、特に道路、駐車場、建物屋上、建物屋
根、建物外壁、屋外施設等への応用に関する。
【0002】
【従来の技術】豪雪地帯における融雪は、地域社会の産
業と生活のあり方の将来を左右する長年の重要課題であ
り、今日まで多くの研究開発が行われてきた。その中
で、最も効果的かつ実用的な融雪方法として普及し利用
されているのは、地下水を汲み上げて散水する消雪方法
であり、現在多くの豪雪地域で採用されている。
【0003】また、道路の融雪・凍結防止方法として、
アスファルトやコンクリートの舗装道路、あるいは屋上
や屋根の下に電気ヒータを配設して電気加熱する方法
も、コスト高であるが、有効な方法として一部では採用
されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記の地下水を利用す
る融雪方法では、この方法が普及するほど地域一帯の地
盤沈下が起きるほか、地下水資源の枯渇をもたらす弊害
が生じている。一部地域ではすでにこれらが社会問題と
なり、道路・建築物・家屋等の大幅な修復を余儀なくさ
れているケースもある。また、現在ではそう問題になっ
ていない地域ではも、今後とも永遠に地下水を汲み上げ
を続けるわけにはいかず、早晩そのための対策を構じす
る必要に迫られている。
【0005】また、電気ヒータによる融雪方法は、電気
エネルギーの消費量が多いので、なんといってもコスト
高で、どこでも採用できるわけてはない。また、コスト
高にかかわらず電気ヒータによる融雪方法を採用してい
る場合でも、コストの低減が望まれていることはいうま
でもない。そこで、本発明は、このような社会的な需要
に答えて、散水の必要がなく、しかも低コストな、融雪
システムを開発すること、そのために有用な融雪凍結防
止材及び融雪凍結防止製品を提供することを目的とする
ものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、上記従
来技術の課題は、融雪凍結防止剤として電気石が極めて
有効であり、従って、融雪凍結防止剤として電気石が分
散されている融雪凍結防止材を用いることにより、解決
できることが見出された。本発明において、融雪凍結防
止材とは、融雪、凍結防止のうち少なくとも一方の作用
をする材料という意味であり、凍結防止には解凍の意味
が含まれる。
【0007】理論には限定されないが、電気石は周囲の
熱(光)を吸収して雪や氷を融解するのに最適の放射線
(特に約6〜10μm の波長)を放射する性質を有する
ため、以下の実施例に示されるように、驚異的な融雪凍
結防止効果が得られると考えられる。特に、雪は密度が
小さく、熱伝導率が低いので、積雪はあたかも断熱材の
ような働きをするため、従来の接触式熱伝導による融雪
では原理的に問題があったものが、本発明により熱伝導
と放射熱を併用したことにより、積雪中に空間があって
も放射線は個々の雪(雪の結晶)まで伝搬され、雪に吸
収されるので、これまでにない驚異的な融雪効果を奏す
ることができたものと考えられる。
【0008】また、本発明によれば、上記の融雪凍結防
止材を用いたタイル、パネル、屋根材、エクステリア材
などの融雪凍結防止製品も提供され、道路、建物屋上、
屋根、建物エクステリアなどの融雪凍結防止構造に好ま
しく適用できる。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明に融雪凍結防止剤として用
いる電気石は、ホウ素を含有するシクロ珪酸塩鉱物であ
る。化学成分によりトライパイト、ショール、エルバイ
ト、チラサイトなどに分けられる。本発明では、電気石
を含む岩石から選鉱、精製した鉱物としての電気石を用
いることが好ましい。
【0010】電気石は電気石又は電気石含有材料の粒
子、粉末を添加することが簡便で好適である。電気石の
融雪凍結防止材中に分散される割合は、少量でもそれな
りに有効であり、0.01重量%でも有効であることが
確認されている。目的によるが、0.05重量%以上、
0.1重量%以上、さらには0.3重量%以上が好まし
い。目的に応じて1重量%以上、さらに3重量%以上添
加する。添加量の上限は、融雪凍結防止材を使用する用
途に求められる物性を損なわない限り、特に限定されず
使用でき、結着さえできれば、例えば、95重量%以上
でもよい。しかし、普通の用途には、30重量%以下、
15重量%以下、さらに10重量%以下で充分である。
好ましい範囲は、0.1〜5重量%、より好ましくは
0.3〜3重量%である。電気石を分散させた分だけの
効果が得られる。
【0011】本発明の融雪凍結防止材は、主として、道
路又は各種敷地と、各種建物又は家屋に使用することを
意図している。道路等としては車道及び歩道の舗装材、
建物等としては屋根材、屋上、外壁その他のエクステリ
ア材として使用される。その他、玄関先の敷石などの屋
外施設物などにも使用できる。融雪凍結防止材において
電気石は、局所的に分散できない領域があったり、また
不必要な部分には分散させなくてもよいが、融雪凍結防
止効果を得ようとする面のすべてに分散されていること
が望ましい。
【0012】また分散させる量については、例えば、後
記の舗装道路へ応用した実施例では厚さ4cm又は8cmに
所定量の電気石を分散させて、顕著な融雪凍結防止効果
が奏されたが、これより浅くしても効果は奏されると考
えられる。屋上タイルでは1cmの厚さで効果が得られ
た。本発明の融雪凍結防止材を具体的な用途に適用する
場合、例えば、歩道タイルであれば、セラミックスやコ
ンクリート又はモルタルのタイル中に電気石を添加し、
またアスファルトやコンクリートの道路であれば、アス
ファルトやコンクリート中に電気石を添加して製造又は
施工する。このように、目的物に電気石を単純に添加す
ればよいが、必要に応じてまた好ましくは、最適の融雪
凍結防止効果を得るために、あるいは電気石を添加しや
すくするために、他の材料、特に熱伝導性に優れた材料
や保熱効果のある材料などの特定の材料と組み合わせて
目的物を製造又は施工する。
【0013】電気石を分散させた融雪凍結防止材は、後
記の如く加熱手段と組み合わせる場合には高熱伝導性で
あることが好ましいが、蓄熱性材料や大熱容量材料も保
熱効果によるエネルギー節約に有効である。従って、用
途と所望の効果に応じて、基材及び添加物を選定する。
例えば、建物屋上タイル、外壁パネル、歩道タイルなど
のセラミックス製タイルを用いる構造に適用する場合、
粘度、陶土、などのセラミックス材料と電気石を混練
し、焼成して製造できるが、好ましくは、熱伝導性を高
めまた遠赤外効果を得るために、例えば、炭素、カーボ
ンブラック、グラファイト、フライアッシュ、アルミナ
などの高熱伝導性材料、蓄熱材料を添加し、また炭素材
料、酸化アンチモンをドープした酸化第二錫、元素周期
律表第4族遷移金属の炭化物(例、ZrC)及び酸化物
(例、TiO2 )、アルミナなどの他の遠赤外線放射材
料(外部から熱や光を吸収して遠赤外線を放射する性質
を有する電気石以外の材料)を添加する。限定するわけ
ではないが、例えば、高熱伝導性材料は5〜40重量
%、好ましくは10〜30重量%程度、遠赤外線放射材
料は3〜20重量%、好ましくは5〜15重量%程度添
加するとよい。特に炭素材料は有用である。
【0014】また、コンクリートのタイルや舗装に使用
する場合には、コンクリート材料に電気石を添加する
が、好ましくは、上記の高熱伝導性材料や遠赤外線放射
材料、また必要に応じてセラミックス材料を添加する
が、電気石、高熱伝導性材料、遠赤外線放射材料を混練
して、混練物をコンクリート材料に混入するのが簡便で
ある。
【0015】また、アスファルト舗装に使用する場合
は、アスファルト材料に電気石を混練すればよいが、こ
の場合にも、好ましくは、上記の高熱伝導性材料や遠赤
外線放射材料、また必要に応じてセラミックス材料を添
加する。アスファルト材料あるいはコンクリート又はモ
ルタル材料などの道路材料に電気石、高熱伝導性材料、
遠赤外線放射材料を添加する場合は、限定するわけでは
ないが、例えば、上記タイルの製造に用いた混練材料
を、アスファルト材料あるいはコンクリート材料に3〜
30重量%、好ましくは5〜20重量%程度添加しても
よい。
【0016】また、フライアッシュなどの産業用廃棄材
料を利用して環境問題の解決にも寄与することができ
る。また、各種の増量材、骨材、添加材などを適宜添加
することができる。構造物の目的と熱効果を考慮して選
択するとよい。さらに、金属材料中に電気石を混入して
も効果かある。
【0017】以上は無機材料を用いる場合について述べ
たが、有機材料中に電気石を混入させても同様な効果を
奏することができる。例えば、樹脂パネル中に電気石を
混入することができる。本発明では、電気石を樹脂シー
トに混入して融雪凍結防止シートを作成し、これを表面
材の内側に配置しても(好ましくはそのさらに内側に加
熱装置を配置して)、所望の融雪凍結防止効果を得るこ
とができる。樹脂シート中の電気石の添加量は、限定さ
れないが、一般的に、0.1〜10重量%、好ましくは
1〜5重量%、さらには3重量%前後でよい。樹脂の材
質は限定されないが、農業用塩化ビニル廃棄物を利用す
ると、安価であり、かつ資源の有効利用及び環境問題の
解決に寄与する。樹脂シートの厚みは限定されない。必
要に応じて、通気性、水分透過性のために、穿孔して使
用してもよい。
【0018】本発明の電気石が分散されている融雪凍結
防止材によれば、外気温度が氷結温度に近いような低温
でも、融雪凍結防止材から融雪解凍作用のある電磁波
(放射線)が放射されて、融雪凍結防止効果が奏せられ
る。しかし、気温が氷結温度以下になれば、融雪解凍作
用は生じない。そこで、表面材及び/又は中間層として
使用する本発明の融雪凍結防止材と併せて、表面材の表
面温度が氷結温度より高い温度になるように加熱する融
雪凍結防止システムを構築することが望ましい。
【0019】加熱方法は特に限定されず、従来公知の如
く、地下パイプ中に温水を通したり、電気加熱ヒータを
埋め込む方法を採用してもよい。しかし、好ましくは、
面状電気ヒータを用いる。特に、いわゆるPTC(正温
度係数)特性を持つ面状電気ヒータを用いれば、サーモ
スタットを省略できるので、設備費用を低減できる。さ
らにPTC素子は自己温度制御性を有し、周囲温度とバ
ランスとして一定温度を保つ性質があるため、周囲温度
変化のムラをなくすことができ、ひいて電気消費量の低
減を図ることができる。PTC素子は、例えば、ポリエ
チレンにカーボンブラックを分散した組成物で作成しも
のが公知である。
【0020】融雪凍結防止システムの1つの態様では、
表面材と面状加熱ヒータの間に中間層を設けて、表面材
と中間層の少なくとも一方を電気石が分散されている融
雪凍結防止材で構成する。表面層と中間層の両方を電気
石が分散されている融雪凍結防止材で構成することがよ
り望ましいが、電気石が分散されている融雪凍結防止材
で構成しなかった方、あるいは表面材と中間層の一部を
遠赤外線放射材料あるいは高熱伝導性材料にした場合
も、加熱エネルギーの低減に有効である。理論を限定す
るわけではないが、遠赤外線放射材料あるいは高熱伝導
性材料の熱伝搬及び保熱効果によるものと考えられる。
しかし、表面層と中間層の両方を電気石が分散されてい
る融雪凍結防止材で構成すると、このような熱伝搬及び
保熱効果と共に放射による熱伝搬と融雪の作用が加わる
ので、より有効である。電気石が分散されている表面材
と組み合わせて、中間層を電気石が分散されている樹脂
シートを面状ヒータの上に配設したものが最も好まし
い。
【0021】遠赤外線放射材料及び高熱伝導性材料とし
ては前記と同様の材料を使用することができる。表面材
や中間層あるいはそれらの一部を遠赤外線放射材料及び
高熱伝導性材料にするには、遠赤外線放射粒子や高熱伝
導性粒子を樹脂材料に混入したものでもよい。本発明の
融雪凍結防止製品(タイル、パネル、屋根材、エクステ
リア材など)は加熱手段を組み込んだ製品とすることが
できる。また、融雪凍結防止無機材料製表面材と融雪凍
結防止樹脂シートと加熱シートを含む積層構造を持つ製
品を製造することも可能である。
【0022】先に述べたように、本発明の融雪凍結防止
材は、道路舗装材としてアスファルト舗装を使用する場
合には、電気石を混入したアスファルト舗装材と加熱ヒ
ータ(及び中間層、特に樹脂シート)との間にコンクリ
ート材などを挿入して、加熱されたアスファルト舗装材
が軟化するほど高い温度に上昇しないようにすることが
望ましい。
【0023】また、加熱装置(特に面状電気ヒータ)の
下側あるいは内側には断熱層を設けると、熱が表面の融
雪凍結防止材の側により多く伝搬させる効果を得ること
ができる。断熱層としては、建築物用途(屋上、屋根、
外壁など)ではいわゆる樹脂発泡体による断熱材などが
有効であるが、道路など地中では発泡断熱材のほか、熱
伝導性の低い骨材を敷設してもよい。
【0024】驚くべきことに、従来の融雪加熱システム
では、外気温度が約23℃以上の温度になるまで加熱し
ないと融雪効果は得られなかったが、本発明の融雪凍結
防止構造では、外気温度が約2℃の低い温度でも融雪凍
結防止効果が奏せられた。即ち、外気温度が氷結温度よ
り高ければ融雪凍結防止効果は発現する。従って、本発
明によれば、融雪凍結防止材の外表面温度を20℃以
下、さらに15℃以下、特に5℃以下、さらには2〜3
℃に設定した、融雪凍結防止システムを構築することが
でき、電気代の削減効果は極めて大きい。即ち、以下の
実施例で詳述するように同じ気候条件下で実験して完全
融雪を達成するために、従来の融雪加熱システムでは電
気ヒータを全面に敷設し、50〜80℃の発熱体温度に
設定し、なおかつ24時間連続通電加熱しているが、本
発明の融雪凍結防止材を使用する場合には、電気ヒータ
を加熱面積の一部だけに敷設し(半分以下、例えば約3
分の1の面積に敷設)、しかも50℃未満(好ましくは
約30℃の地中温度)の発熱体温度に設定し、かつ間歇
通電加熱(例えば2時間ごと)で充分であった。勿論、
これは温水ボイラ方式やヒートパイプ方式と比べても経
済的である。但し、電気ヒータの面積、加熱温度、加熱
時間などは本発明を限定するものではない。
【0025】さらに、本発明の融雪凍結防止材を用いた
加熱システムでは、地下水、温水を使わないで、充分な
経済性をもって融雪凍結防止効果を奏するので、地下水
の汲み上げに伴う従来技術の課題を見事に解決し、社会
的需要に答えるものである。本発明の代表的な態様を下
記に示す。 (1)融雪凍結防止剤として電気石が分散されているこ
とを特徴とする融雪凍結防止材。
【0026】(2)無機材料中に融雪凍結防止剤として
電気石が分散されている。 (3)無機材料がセラミックスである。 (4)無機材料がモルタル又はコンクリートである。 (5)無機材料がアスファルトである。 (6)さらに炭素材を含む。
【0027】(7)さらに電気石以外の遠赤外線放射粒
子が分散されている。 (8)さらにフライアッシュを含む。 (9)有機材料中に融雪凍結防止剤として電気石が分散
されている。 (10)電気石を0.01重量%以上、好ましくは0.
05重量%以上、さらには0.1〜10重量%含む。
【0028】(11)有機樹脂シート中に電気石を含有
する融雪凍結防止樹脂シート。 (12)上記融雪凍結防止材を用いた融雪凍結防止タイ
ル。 (13)歩道舗装用である融雪凍結防止タイル。 (14)建物屋上用である融雪凍結防止タイル。 (15)上記融雪凍結防止材を用いた融雪凍結防止パネ
ル。
【0029】(16)上記融雪凍結防止材を用いた融雪
凍結防止屋根材。 (17)上記融雪凍結防止材を用いた融雪凍結防止建物
エクステリア材。 (18)融雪凍結防止製品〔(11)〜(17)など〕
がさらに加熱装置を具備する。 (19)解凍剤として電気石が分散されていることを特
徴とする解凍材。
【0030】
【実施例】
(実施例1)無機結合剤として陶土62重量%、遠赤外
線放射パウダー(三基物産より市販)10重量%、炭素
パウダー20重量%、フライアッシュ5重量%、電気石
(三基物産より市販)3重量%を水を溶媒として混練
し、平板状に成形してから、800℃で焼成して、焼結
体(融雪凍結防止材)1を得た。
【0031】同様にして、陶土と電気石の合計量を65
重量%とし、電気石の添加量を0.02重量%、0.1
重量%、1重量%、10重量%と変えて、焼結体(融雪
凍結防止材)2〜5を作成した。また、陶土の一部をフ
ライアッシュに変えたものを作成した。比較のために、
100重量%陶土を用いて同様に作成した陶板、及び砂
を用いたモルタルで上記と同じ形状に成形及び硬化させ
たモルタル板を用意した。
【0032】これらの板の上に氷を置くと、電気石が分
散されている板(融雪凍結防止材1〜5)では直ちに氷
が融けたが、陶板及びモルタル板の上では氷はなかなか
融けなかった。氷に変えて雪を用いても、同様の結果が
得られた。 (実施例2)実施例1と同様に陶土62重量%、遠赤外
線放射パウダー10重量%、炭素パウダー20重量%、
フライアッシュ5重量%、電気石3重量%を水を溶媒と
して混練して得た混練物を、アスファルトに対して10
重量%になるように混入した。(融雪凍結防止材6) また、同様にして、同じ混練物を、川砂を用いたモルタ
ルに対して10重量%になるように混入した。(融雪凍
結防止材7) これらについても、氷と雪を用いて解凍、融雪実験を行
った。実施例1の融雪凍結防止材と同様の効果が確認さ
れた。
【0033】(実施例3)農業用塩化ビニル廃棄物を粉
砕、洗浄、乾燥後、電気石(平均粒径0.6μm)3重
量%を溶融混練し、押出成形して厚さ0.8mmのシート
を作成した。このシートに1mm径の孔を縦横10mm間隔
で一列毎に5mmずらして穿孔した。PTC面状ヒータの
上にこの樹脂シートを置き、さらにその上に厚さ10mm
の陶板を置いたものと、樹脂シートを介さずにPTC面
状ヒータの上に直接に同じ陶板を置いたものを用意し、
ヒータを30℃に加熱して、陶板の上に氷と雪をのせて
実験した。その結果、樹脂シートを介在させたことによ
る融雪効果の増加が確認された。
【0034】実施例1〜3で作成した融雪凍結防止材を
道路、屋根、屋上などに使用すれば、一般の材料を使用
した場合よりも融雪凍結防止効果があることは明白であ
る。また、解凍材として使用できることは明白である。 (実施例4)新潟県六日町の田崎新堀工業団地内に、屋
根融雪実験棟(屋根融雪面積16m2)、屋上融雪実験施
設(屋上融雪面積10m2)、道路融雪実験施設(道路融
雪面積20m2)を建設施工し、実際に冬の積雪時期に融
雪実験を行った。
【0035】図1に実験施設の平面図を示す。左下1が
屋根融雪実験棟、左上2が屋上融雪実験施設、右側が道
路(歩道)融雪実験施設で、その上半分がコンクリート
舗装部分(10m2)、下半分がアスファルト舗装部分
(10m2)である。図2に、屋根融雪実験棟の屋根融雪
システムを示す。下から順に、発泡断熱シート21、P
TC面状電気ヒータ22、遠赤外線放射樹脂シート2
3、融雪凍結防止瓦24が敷設されている。
【0036】発泡断熱シート21は任意である。例え
ば、発泡ポリスチレン製シートなどを用いることができ
る。PTC面状電気ヒータ22は、日本オイルシール
(NOK)社から購入した幅25cm,長さ2mの長尺状
面状ヒータで、図3の平面図に示す如く敷設し、発熱体
グループNo.1〜No.5(22a〜22e)に分け
て通電できるように構成した。図3中、22a,22
b,22c,22d,22eがそれぞれ発熱体グループ
No.1〜No.5である。
【0037】遠赤外線放射樹脂シート23は実施例3と
同様にしで作成したシートを使用し、これを全面に敷い
た。融雪凍結防止瓦24は、実施例1の融雪凍結防止材
1と同じ組成で同じ手順でスレート瓦として作成したも
のを用いた。通常のスレート瓦と同様に敷設した。 (実施例5)図4に屋上融雪実験施設の屋上融雪システ
ムを示す。下から順に、PTC面状電気ヒータ32、遠
赤外線放射シート33、融雪凍結防止タイル34が敷設
されている。図4の発泡断熱シート31、層35、36
は任意要素である。
【0038】PTC面状電気ヒータ32も実施例2と同
様のものであるが、幅25cmの長尺状面状ヒータを30
cmの間隔で敷設した。遠赤外線放射シート33は実施例
3と同様に作成した樹脂シートを全面に敷いた。融雪凍
結防止タイル34は、実施例1の融雪凍結防止材1と同
じ組成で同じ手順で60cm×90cm×1cmのタイルとし
て作成したものを用いた。
【0039】(実施例6)図5に道路融雪実験施設の道
路融雪システムを示す。下から順に、断熱層41、PT
C面状電気ヒータ42、遠赤外線放射樹脂シート43、
基層コンクリート層44、融雪凍結防止アスファルト層
(表層)45である。断熱層41は主として砂利や玉石
なとからなる骨材層である。PTC面状電気ヒータ42
は、実施例2と同様のものであるが、実際には、図6に
示す如く、幅25cmの長尺状面状ヒータ32aを30cm
の間隔をおいて配置した。遠赤外線放射樹脂シート43
は実施例3と同様に作成したものを全面に敷いた。その
上に、基層コンクリート層44として、セメント、砂、
骨材(小石)からなるコンクリートを厚さ4cmに施工し
た。
【0040】融雪凍結防止アスファルト層45は、実施
例2の融雪凍結防止材6と同じ組成で同じ手順で厚さ4
cmに施工した。 (実施例7)実施例6と同様であるが、但し融雪凍結防
止アスファルト層45を省略して、厚さ4cmのコンクリ
ート層44をそのまま施工した。
【0041】(実施例4の結果)12月より雪が観測さ
れ、1月には充分に積雪していたので、実験を開始し
た。例えば、2月17日に行った屋根融雪実験は下記の
条件であった。 測定日時:午前8時から午後5時まで 測定時間:9時間 屋根融雪面積:16m2 気温:最高気温2.2℃、最低気温−0.8℃ 降雪量:最高5.5cm/1時間 降雪量累計:23.3cm/9時間 このとき、図6に示す発熱体通電スケジュールで完全に
融雪できた。そのときの各時間毎の降雪量、気温、消費
電力を図6に併せて示す。これから下記のデータが得ら
れる。
【0042】消費電力:9.5Kw/9時間/16m2 単位面積当たりの消費電力:0.066Kw/16m2
時間 単位面積当たりの消費電力コスト(円/m2・時間): 消費電力料金=9.5Kw÷9時間÷16m2×10.45円/Kw =0.69円/m2・時間 (実施例5の結果)実施例4と同様に完全融雪を条件と
して、屋上融雪実験を行ったが、間歇通電の低コストの
運転が可能であった。単位面積当たりの消費電力コスト
は、実施例4と同様であった。
【0043】(実施例6の結果)実施例4と同様に完全
融雪を条件として、道路融雪実験を行った。下記の如
く、間歇通電の低コストの運転が可能であった。単位面
積当たりの消費電力コストは、0.36円/m2・時間で
あった。 測定日時:午前8時から午後4時まで 測定時間:8時間 屋根融雪面積:20m2 気温:最高気温2.2℃、最低気温−0.6℃ 降雪量:最高5.5cm/1時間 降雪量累計:21.0cm/8時間 消費電力:5.5Kw/8時間/20m2 単位面積当たりの消費電力:0.0344Kw/16m2
・時間 単位面積当たりの消費電力コスト(円/m2・時間): 消費電力料金=0.0344Kw×10.45円/Kw =0.36円/m2・時間 この道路融雪実験の結果を、従来の融雪システムと比較
すると、下記の如くである。
【0044】 比較方式 灯油料 電気料 合 計 対比 温水ボイラ 1.55円 0.46円 2.01円/m2・h 5.66 ヒートパイプ 2.92円 0.13円 3.05円/m2・h 8.47 本発明 ─── 0.36円 0.36円/m2・h 1.00 なお、コンクリート舗装部分とアスファルト舗装部分と
では、どちらも完全な融雪効果が得られたが、アスファ
ルト舗装部分の方がより融雪効果は優れていた。アスフ
ァルト舗装部分の方が、舗装表面はヒータからより遠い
にもかかわらず、コンクリート舗装部分より優れた融雪
効果を示した理由は不明であるが、本発明の融雪凍結防
止材を厚くしたwらと考えられる。
【0045】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の融雪凍結防止材を用いた構造によれば、地下水を用い
ることなく、低コストで融雪凍結防止を実現でき、その
社会的需要に極めて大ものものといえなければならな
い。なお、上記実施例では、主として道路、屋根、屋上
への応用について述べたが、本発明が広くその他一般の
融雪凍結防止材及び解凍材の用途に応用できることは明
白である。
【図面の簡単な説明】
【図1】融雪実験場所の平面図。
【図2】屋根融雪実験棟の屋根融雪システムの模式図。
【図3】屋根融雪実験棟の屋根融雪システムのヒータ説
明図。
【図4】屋上融雪実験棟の屋上融雪システムの模式図。
【図5】道路融雪実験棟の屋上融雪システムの模式図。
【図6】道路融雪実験棟の加熱スケジュール及び降雪
量、気温、消費電力。
【符号の説明】 21,31…断熱シート 22,32,42…PTC面状加熱シート 23,33,43…遠赤外線放射樹脂シート 24…融雪凍結防止瓦 34…融雪凍結防止タイル 41…断熱層 44…基層コンクリート 45…融雪凍結防止アスファルト

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 融雪凍結防止剤として電気石が分散され
    ていることを特徴とする融雪凍結防止材。
  2. 【請求項2】 無機材料中に融雪凍結防止剤として電気
    石が分散されている請求項1記載の融雪凍結防止材。
  3. 【請求項3】 さらに電気石以外の遠赤外線放射粒子、
    炭素材、フライアッシュのうち少なくとも1 種を含む請
    求項1又は2に記載の融雪凍結防止材。
  4. 【請求項4】 有機材料中に融雪凍結防止剤として電気
    石が分散されている請求項1記載の融雪凍結防止材。
  5. 【請求項5】 電気石を0.05%以上含む請求項1〜
    4のいずれか1項に記載の融雪凍結防止材。
  6. 【請求項6】 有機樹脂シート中に電気石粉末を分散さ
    せたことを特徴とする融雪凍結防止樹脂シート。
  7. 【請求項7】 請求項1〜5のいずれか1項に記載の融
    雪凍結防止材を用いたことを特徴とする融雪凍結防止タ
    イル。
  8. 【請求項8】 請求項1〜5のいずれか1項に記載の融
    雪凍結防止材を用いたことを特徴とする融雪凍結防止パ
    ネル。
  9. 【請求項9】 請求項1〜5のいずれか1項に記載の融
    雪凍結防止材を用いたことを特徴とする融雪凍結防止屋
    根材。
  10. 【請求項10】 請求項1〜5のいずれか1項に記載の
    融雪凍結防止材を用いたことを特徴とする融雪凍結防止
    建物エクステリア材。
  11. 【請求項11】 さらに加熱装置を具備する請求項6〜
    10のいずれか1項に記載の融雪凍結防止製品。
  12. 【請求項12】 解凍剤として電気石が分散されている
    ことを特徴とする解凍材。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100483702B1 (ko) * 2002-10-29 2005-04-19 이대균 경량건축재조성물 및 그의 제조방법
JP2007277968A (ja) * 2006-04-08 2007-10-25 Takehiko Oki 屋根葺材及びそれを用いた屋根構造
KR101224558B1 (ko) * 2010-01-19 2013-01-22 부성 재팬 가부시키가이샤 냉동식품 해동고

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