JPH07197110A - 触媒用球状ラネ−銅合金及び銅触媒の製造方法 - Google Patents

触媒用球状ラネ−銅合金及び銅触媒の製造方法

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JPH07197110A
JPH07197110A JP29315394A JP29315394A JPH07197110A JP H07197110 A JPH07197110 A JP H07197110A JP 29315394 A JP29315394 A JP 29315394A JP 29315394 A JP29315394 A JP 29315394A JP H07197110 A JPH07197110 A JP H07197110A
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raney
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JP29315394A
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Hideki Sakamura
秀樹 坂村
Kenji Negishi
賢治 根岸
Minoru Nagasawa
実 長澤
Katsunori Iwatani
勝能 岩谷
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Nikko Rica Corp
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】30〜60重量%の銅,0.5〜25重量%の亜鉛,0.5
〜10重量%のクロム及び残部が実質的にアルミニウムか
ら成る銅合金の溶融液を高速回転する円盤上面に滴下
し、これを回転円盤の遠心力により飛散させて不活性雰
囲気中において冷却凝固させ、粒径のコントロ−ルされ
た触媒用球状ラネ−銅合金を製造する方法及びこれをア
ルカリ水溶液で展開してラネ−銅触媒を製造する方法。 【効果】本発明の方法によって製造される球状ラネ−銅
触媒は、従来のラネ−銅触媒に比べて顕著に増大した比
表面積と優れた触媒活性値を有し、特に、アクリルアミ
ドの水和合成及びメタノ−ルの合成に極めて有用な触媒
であり、また繰返しや長時間の使用にも実質的粒径変化
がないので、触媒活性が長期にわたって安定に保持さ
れ、工業的に高い評価が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、触媒用球状ラネ−銅合
金の製造方法及びそれを展開してラネ−触媒を製造する
方法に関し、特に、粒径範囲がコントロ−ルされた球状
ラネ−銅合金粒子の製造方法及びその粒子から得られる
流動床反応に好適な球状ラネ−銅触媒の製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、ラネ−触媒は、粉末触媒として広
く知られ、ラネ−ニッケル触媒,ラネ−コバルト触媒の
場合には、主に二重結合,三重結合,シアノ基,カルボ
ニル基やニトロ基等の水素化反応に使用され、またラネ
−銅触媒の場合には、アクリロニトリルの水和反応によ
るアクリルアミドの製造や低温メタノ−ル合成反応等に
好適な触媒として一般に実用されている。ラネ−触媒
は、特に流動床等においては、極微粉状あるいは極微粒
状のものは容易に流出してロスとなるので、適度の大き
さを有し且つ比較的狭い粒度範囲にコントロ−ルされた
多孔性触媒が実用上要望される。また、触媒活性は、通
常、触媒表面積に比例するので、それに関連して、可及
的比表面積の大きな触媒を得る方法について多くの研究
がなされ、また提案されている。
【0003】本発明者らは、ラネ−触媒のそのような技
術的要望に沿って、実用的に望ましい触媒用球状ラネ−
合金及びその触媒の製造方法を見出し、先に提案した
(特開平5-23597号公報)。この方法は、従来のものに
比べてかなり改善されたラネ−触媒として実用的に望ま
しいものであるが、本発明者らは、その使用における触
媒の寿命及び活性を更に向上させる研究を続けた結果、
従来のものに較べて一層大きな比表面積を有し、改善さ
れた高い触媒活性を有するばかりでなく、繰返しや長時
間の使用においても実質的に粒径分布の変わらない実用
性の顕著に優れた球状ラネ−銅触媒の製造方法を見出し
た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の課題
は、狭い粒径範囲にコントロ−ルされたラネ−銅合金粒
子の製造方法を提供することにある。また、本発明の他
の課題は、その合金粒子を展開して、大きな比表面積を
有し、使用によっても粒径が実質的に低下することな
く、長期にわたって高い触媒活性が保持される球状ラネ
−銅触媒を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、30
〜60重量%の銅,0.5〜25重量%の亜鉛,0.5〜10重量%
のクロム及び残部が実質的にアルミニウムから成る銅合
金の溶融液を高速回転する円盤の上面に滴下し、該溶融
液を遠心飛散させて、その飛散する微細液滴を不活性ガ
ス雰囲気中において冷却凝固させることを特徴とする粒
径のコントロ−ルされた触媒用球状ラネ−銅合金の製造
方法、及びそのようにして得られた球状ラネ−銅合金粒
子をアルカリ水溶液で展開溶出処理するラネ−銅触媒の
製造方法を提案するものである。
【0006】本発明は、銅を主触媒活性成分とするラネ
−触媒用球状合金の製造において、銅及びアルミニウム
と共に、これにそれぞれ特定範囲量の亜鉛とクロムとを
組合せた合金によって形成される球状合金が、これを展
開するとき比表面積の顕著に増大し、アクリロニトリル
の水和反応によるアクリルアミドの製造やメタノ−ル合
成等に優れた触媒活性を示す多孔質球状ラネ−銅触媒を
効率良く製造することができ、亜鉛とクロムの特定範囲
量を逸脱するときは満足し得る多孔質球状ラネ−銅触媒
が得られないという技術的発見に基づいている。
【0007】本発明に係る触媒用球状ラネ−銅合金の製
造においては、合金の重量に基づいて、銅は30〜60重量
%の範囲量が用いられる。30重量%未満では触媒活性が
不足し、また、60重量%を超えると展開によって大きな
表面積の球状多孔質体が得られず、優れた活性の触媒を
得ることができないので不都合である。亜鉛は 0.5〜25
重量%の範囲量が混合される。亜鉛の使用量が 0.5重量
%未満では、比表面積の増大効果が小さく、また、25重
量%を超えると比表面積が減少するので好ましくない。
更に、クロムは 0.5〜10重量%の範囲量が混用される。
亜鉛の場合と同様に、その使用量が 0.5重量%未満では
比表面積の増大効果が殆どなく、また、10重量%を超え
ると比表面積が減少するので不都合である。残部は展開
により溶出されるアルミニウムであって、通常、その量
は、30〜60重量%の範囲である。
【0008】本発明の球状ラネ−銅合金をアルカリ水溶
液で展開処理すると、合金中のアルミニウムのみが溶出
して多孔質球状ラネ−銅触媒が形成される。その展開条
件は特に制限されないが、実用的には、使用するアルカ
リ水溶液として、水酸化ナトリウム水溶液又は水酸化カ
リウム水溶液が好ましく、その水溶液の濃度は、15〜30
重量%の範囲から選択される。また、展開温度は、大気
圧下で50〜80℃、好ましくは、55〜70℃が採用される。
一方、アルミニウムは、助触媒的役割(プロモ−タ−)
を果たしているものと推定されるので、展開処理におい
て、例えば、球状ラネ−銅触媒中に5〜20重量%、好ま
しくは、8〜18重量%程度のアルミニウムを残留含有さ
せることが、大きな比表面積の形成に関連して実用的で
ある。
【0009】このように展開して得られた球状ラネ−銅
触媒は、通常、水封状態で保存される。使用に際して
は、一般に、水封保存触媒の水を切り、もしくはその水
を反応に使用する溶媒で置換するが、例えば、メタノ−
ル合成等の気相反応の場合には、水切り後、不活性ガス
中で乾燥し、使用前に更に 100〜300 ℃の範囲の温度条
件で還元処理して合成反応に供される。
【0010】本発明の触媒用ラネ−銅合金の製造方法に
おいては、所定割合の銅合金が先ずラネ−触媒として好
適な大きさの球状体に形成される。その形成は、前出の
特開平5-23597号公報に説明されるところであるが、合
金を加熱溶融した融液を高速回転する耐熱性円盤の上面
に滴下し、円盤の回転遠心力によって周縁方向に微細液
滴として飛散させることにより高度にコントロ−ルされ
た狭い粒径範囲の球状粒子群を効率良く得ることができ
る。この合金溶融液の飛散に用いられる上記円盤状回転
体は、溶融合金の温度に対して充分な耐熱性を有する素
材であれば特に制限はなく、そのような高い耐熱温度を
有する円盤材料として、例えば、チタンナイトライド,
ボロンナイトライド,シリコンカ−バイド及びタングス
テンカ−バイド等のセラミック類が好都合に使用され
る。
【0011】このような合金融液を遠心飛散させるに
は、本発明のラネ−銅合金粒子の形成においては、円盤
を高速で回転させることが重要である。その回転速度
は、融液の粘度等により、また 200μm以下の微細な所
望粒子径によって選択されるが、例えば、毎分10,000回
ないし50,000回(rpm)程度の回転数であり、本発明
方法において高速回転とは、上記範囲が実質的に包含さ
れる。このような高速で回転する水平な円盤状回転体の
上面に溶融合金液を、例えば、2cmないし20cm上方から
少量ずつ滴下すると、その融液の粘度と回転速度に関連
して、それぞれに対応するコントロ−ルされた狭い粒度
範囲の粒子が遠心飛散する。その粒子径は、融液の粘度
が低いほど、また回転体の回転速度が大きいほど小さく
なるので、調製しようとする所望粒径に応じてそれらの
条件は選択されコントロ−ルされる。
【0012】本発明の方法における合金溶融液の遠心飛
散は、閉じた装置内において、好ましくは適切な温度に
調整した不活性ガス雰囲気中で行われ、飛散粒子を装置
内壁に接触する前に冷却凝固させるように操作される。
形成される球状微粒合金の粒径は、操作条件のみなら
ず、円盤状回転体の表面の粗さや周縁エッジの鋭さ、そ
のエッジ角度等によって左右され、特に、狭い粒径範囲
のものを得るには、円盤状回転体の表面を、例えばダイ
ヤモンド砥粒等で研磨して、その粗さをRmax1μm以下
とすることが望ましく、また、円盤状回転体のエッジの
角度は、所望する平均粒径範囲に応じて選択することが
望ましい。それらの円盤状回転体の条件は簡単な実験等
により容易に選択決定される。
【0013】装置内に供給される不活性ガスとしては、
例えば、窒素,アルゴン又はヘリウムが挙げられる。本
発明の方法においては、これらの不活性ガスは単独でも
よいが、二種類以上を組み合わせて混合ガスの熱伝導度
を好都合にコントロ−ルして冷却雰囲気を選択すること
ができ、その温度と供給量は、合金溶融液温度とその供
給量,円盤の回転速度及び装置の大きさ等により適宜選
択される。そのような最適条件は、予めの実験により、
あるいは経験的に容易に決定できる。
【0014】本発明の方法によって製造される球状ラネ
−銅触媒は、特に、アクリロニトリルの水和反応による
アクリルアミドの製造、及び一酸化炭素又は二酸化炭素
と、あるいはそれらの混合物と水素とからメタノ−ルを
製造するラネ−触媒として工業的に極めて有用である。
【0015】アクリロニトリルの水和反応によるアクリ
ルアミドの製造は、通常、水媒体中の液相懸濁反応で好
都合に行われる。反応容器に脱酸素水,ラネ−銅触媒及
びアクリロニトリル(AN)を仕込み、酸素の不存在条
件下、例えば、50〜 250℃、好ましくは、70〜 200℃の
温度に加熱しながら、約1〜3時間撹拌することにより
ANの実質的すべてをアクリルアミドに変換させること
ができる。
【0016】また、メタノ−ルの製造は、水素ガスと一
酸化炭素及び/又は二酸化炭素を反応用原料ガスとして
流動床に供給する気相流動床による連続的メタノ−ル合
成、あるいは、液相反応、例えば、キシレンのようなア
ルキルベンゼン類,オクチルアルコ−ルのような高級ア
ルコ−ル類やヘキサデカンのような直鎖パラフィンを反
応溶剤としてラネ−触媒を懸濁させ、反応器下部より上
記原料ガスを圧入供給する連続的メタノ−ルの合成によ
って効率良く行われる。原料ガスは、それぞれのほゞ化
学反応量割合が採用される。
【0017】メタノ−ルの合成は、発熱反応であるか
ら、その反応熱を除去することが重要であって、かかる
技術的事項に関連して、供給する原料ガスを不活性ガス
により希釈して反応速度及び発生反応熱を調整すること
がきる。反応条件としての原料ガスの反応圧力は、例え
ば、20〜 300kg/cm2、好ましくは 200kg/cm2以下で
あり、また、反応温度は、例えば、150 〜 350℃、好ま
しくは、200 〜 300℃の範囲である。更に、原料ガスの
触媒の見掛け容量に対する供給速度(SV)は、1000〜
80,000/hrの範囲である。
【0018】
【作用】本発明の方法によれば、銅−アルミニウムに亜
鉛とクロムのそれぞれ特定範囲割合を組合せて含有させ
た球状ラネ−銅合金をアルカリ水溶液で展開溶出させる
とき、従来技術からは到底考えられなかった顕著に大き
な比表面積を有し、且つ触媒寿命が永く触媒活性の優れ
た多孔質球状ラネ−銅触媒が効率よく得られる。
【0019】
【実施例】次に、本発明の球状ラネ−銅触媒の製造方法
及び触媒活性を具体例により、更に詳細に説明する。な
お、球状ラネ−銅触媒のアクリロニトリル水和反応にお
ける触媒活性の試験方法及び触媒の粒度分布の測定は、
次の方法による。
【0020】触媒活性試験:予め脱酸素処理したラネ−
銅触媒 7.0gと脱酸素水63.0g及びアクリロニトリル1
0.0gを100 mlの四つ口フラスコに仕込み、フラスコ
内を完全に脱酸素したのち温度を上げ、内容液を70℃に
保持して2時間撹拌して反応を行わせる。反応後、アク
リルアミド生成量を測定し、銅1g当たりの生成量
(g)を触媒活性値として表示する。この触媒活性値
は、数値が高いほど触媒活性が優れていることを示す。
【0021】触媒の粒度分布:レ−ザ−回折/散乱法に
より触媒の粒子径を測定し、各粒子径を10μmの幅で整
理して、それぞれの粒子径範囲とそれに含まれる粒子の
合計体積パ−セントとの関係を触媒の粒度分布として示
す。この粒度分布は、触媒の粒子が微細なほど比表面積
が大きく触媒活性は高まるが、10μm未満のものは操作
性を低下させロスとなるから触媒としては好ましくな
い。
【0022】実施例 1触媒用球状銅合金の調製 円錐形チャンバ−を有する遠心噴霧装置を用い、銅4k
g(40重量%),亜鉛1kg(10重量%),クロム0.18
kg(1.8 重量%)及びアルミニウム4.82kg(48.2重
量%)を加熱し溶融混合して、これを約 650℃の温度に
保持し、チャンバ−内の直径50mmのボロンナイトライド
製の約30000rpmで高速回転している円盤の上面中央部の
約5cm上方から連続的に滴下した。その際、チャンバ内
は、凝固用窒素ガスにより1平方センチメ−トル当り
0.1kgの加圧状態に保持した。チャンバ−内の温度は
約50℃に保持され、溶融液の飛散粒子の滞空時間は、約
0.5秒であった。チャンバ−底部から、すべてが実質的
に球形でほゞ30〜150 μmの粒径範囲内に調整された実
用的に望ましい球状銅合金粒子 9.9kgが得られた。
【0023】球状ラネ−銅触媒の調製 得られた球状銅合金粒子40gを、窒素雰囲気の容器内に
入れられ、且つ55℃の温度に保持された水酸化ナトリウ
ムの25重量%水溶液 240ccに、その温度が一定に保たれ
るように約30分間かけて少量ずつ投入した。投入終了
後、更にその温度に1時間保持して溶解性金属成分を充
分に溶出させ、イオン交換水を用いて傾斜洗浄法で洗浄
した。上澄液のpHが9以下になるまでよく水洗して球
状ラネ−銅触媒約20gを得た。得られた触媒を分析した
結果、銅79.8重量%,亜鉛 8.6重量%,クロム 3.2重量
%及びアルミニウム 8.4重量%であった。また、その比
表面積は67m2/gで、触媒活性値は1.70であった。
【0024】実施例1で調製した球状ラネ−銅触媒、及
びこれを触媒活性試験に使用した後の触媒のそれぞれの
粒径をレ−ザ−回折/散乱法で測定し、各粒子径範囲と
その範囲に含まれる粒子の合計体積パ−セント(%)と
の関係を触媒の粒度分布として表1に対比した。この表
から明らかなように、本発明の方法で製造した球状ラネ
−銅触媒は、反応に使用した場合にも粒度分布が殆ど変
化せず、使用前の粒度が実質的に保持されることが判
る。
【0025】
【表1】 触媒粒子径分布(μm使用前(%使用後(%) 150〜140 0.5 0.5 140〜130 1.7 1.4 130〜120 2.5 2.6 120〜110 5.6 4.7 110〜100 6.0 7.2 100〜90 8.4 8.5 90〜80 12.5 13.0 80〜70 16.5 17.0 70〜60 20.5 21.0 60〜50 10.3 10.4 50〜40 8.4 7.1 40〜30 3.5 3.6 30〜20 1.9 2.4 20〜10 0.0 0.6 10μm以下 0.0 0.0
【0026】実施例 2触媒用球状銅合金及び球状ラネ−銅触媒の調製 金属組成として銅4kg(40重量%),亜鉛1kg(10
重量%),クロム0.36kg( 3.6重量%)及びアルミニ
ウム4.64kg(46.4重量%)の割合の合金を使用した以
外は、実施例1と全く同様に操作して触媒用球状銅合金
粒子を製造し、次いで、これを同様にアルカリ水溶液で
展開し、約22gの球状ラネ−銅触媒を得た。得られた触
媒粒子の金属組成を分析した結果、銅が72.4重量%,亜
鉛 6.9重量%,クロム 5.6重量%及びアルミニウム15.1
重量%であった。また、その比表面積は62m2/gで、触
媒活性値は、1.67であった。
【0027】比較例 1及び2 金属組成として銅4kg(40重量%),亜鉛1kg(10
重量%)及びアルミニウム5kg(50重量%)の割合の
合金(比較例1)と、銅5kg(50重量%)及びアルミ
ニウム5kg(50重量%)の割合の合金(比較例2)を
用いて実施例1と全く同様の方法でそれぞれ触媒用球状
銅合金粒子を製造し、次いで、これを同様にアルカリ水
溶液で展開して、比較用の球状ラネ−銅触媒2種を製造
した。得られたそれぞれの球状ラネ−銅触媒の組成,比
表面積並びに活性触媒値を下掲表2に示す。また、対比
を容易にするために、前記した実施例1と2についての
それらを表2に併記した。
【0028】
【表2】 合金組成(重量%実施例1 実施例2 比較例1 比較例2 銅 40 40 40 50 亜鉛 10 10 10 − クロム 1.8 3.6 − − アルミニウム 48.2 46.4 50 50 触媒組成(重量%) 銅 79.8 72.4 93.3 98.7 亜 鉛 8.6 6.9 5.2 − クロム 3.2 5.6 − − アルミニウム 8.4 15.1 1.5 1.3 触媒比表面積(m2/g) 67 62 23 17 触媒活性値 1.70 1.67 1.18 0.98
【0029】メタノ−ルの合成 実施例 3 下部に焼結金属フィルタ−を備えた内径30mmφのステン
レス製反応器に、実施例1で調製した球状ラネ−銅触媒
を水切りした状態で 100mlを充填し、反応器下部のフ
ィルタ−を通して窒素ガスを導入しながら、触媒層温度
を 120℃に保持し、脱水処理を行った。反応器の出口側
に水分の排出が認められなくなった時点で、窒素ガスを
徐々に水素ガスに切り替え、触媒層の発熱が実質的に確
認されないように供給ガスの全量を水素ガスに変換し
た。この水素ガスへの切り替え後、触媒層の温度を 220
℃の温度に1時間保持して触媒の予備還元を実施した。
【0030】この触媒層を含む反応区域を 260℃の反応
温度に保ち、水素ガス67.0容量%,一酸化炭素24.0容量
%,二酸化炭素 7.0容量%及び窒素ガス 2.0容量%より
なる混合ガスを圧力 100kg/cm2G及びガス空間速度
(SV)20,000hr-1 の条件で供給し、メタノ−ルを
合成した。反応器出口のメタノ−ルガス濃度は、11.8重
量%,一酸化炭素の転化率は、38.0%であり、またメタ
ノ−ルの空時収量は、2.61(kg/l・触媒・hr)であった。
反応を120時間継続した後、触媒の粒度分布を測定した
ところ、使用前と実質的に変わらず、触媒の消耗は認め
られなかった。
【0031】実施例 4 実施例1と同じ触媒を用い、合成反応条件として反応区
域内の混合ガス圧力を70kg/cm2Gにする以外は実施例
3と同様に操作してメタノ−ルを製造した。反応器出口
のメタノ−ルガス濃度は 8.5重量%,一酸化炭素の転化
率は29.5%であり、またメタノ−ルの空時収量は2.02
(kg/l・触媒・hr)であった。
【0032】実施例 5 実施例2で調製された触媒を水切りし、その 100mlを
使用してメタノ−ルの合成を行った。触媒の予備乾燥,
還元条件及び反応は実施例3と全く同じ条件で操作し
た。反応器出口のメタノ−ルガス濃度は11.3重量%,一
酸化炭素の転化率は36.0%であり、またメタノ−ルの空
時収量は2.50(kg/l・触媒・hr)であった。
【0033】実施例 6 実施例1と同じ触媒を水切りした後、窒素ガス雰囲気中
で120℃の温度で乾燥し、次いで、水素ガス中で150℃の
温度に加熱し予備還元を行った。このように調製した球
状ラネ−銅触媒を用い、液相懸濁法でメタノ−ルの合成
を行った。容量100mlのステンレス製オ−トクレ−ブ
に、溶剤としてキシレン20ml及び触媒0.5gを仕込み、
水素ガスと一酸化炭素のモル比2:1の混合ガスを全圧
が60kg/cm2Gになるように仕込んだ。反応系を撹拌
しながら、系の温度を室温から250℃に昇温させ、その
温度に2時間保持してメタノ−ルを製造した。反応後、
ガス相及び液相を採取し、それぞれの組成を分析したと
ころ、一酸化炭素の転化率は57.5%、メタノ−ルの選択
率は97.0%であった。反応後回収した触媒の粒度分布を
調べたところ、反応に供する前と大差がなく実質的に変
わらないことが判った。
【0034】
【発明の効果】本発明の方法によって製造される球状ラ
ネ−銅触媒は、従来のラネ−銅触媒に比べて顕著に増大
した比表面積と優れた触媒活性を有し、コントロ−ルさ
れた粒度分布を有するから、銅触媒として極めて望まし
いものであり、また、繰返しや長時間の使用にも粒径変
化が殆どなく、触媒活性が長期にわたって安定に保持さ
れるので、工業的に高い評価が得られる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 30〜60重量%の銅,0.5〜25重量%の亜
    鉛,0.5〜10重量%のクロム及び残部が実質的にアルミ
    ニウムから成る銅合金の溶融液を高速回転する円盤の上
    面に滴下し、該溶融液を遠心飛散させて、その飛散する
    微細液滴を不活性ガス雰囲気中において冷却凝固させる
    ことを特徴とする粒径のコントロ−ルされた触媒用球状
    ラネ−銅合金の製造方法。
  2. 【請求項2】 30〜60重量%の銅,0.5〜25重量%の亜
    鉛,0.5〜10重量%のクロム及び残部が実質的にアルミ
    ニウムから成る銅合金の溶融液を高速回転する円盤の上
    面に滴下し、これを回転円盤の遠心力により飛散させ
    て、その飛散する微細液滴を不活性ガス雰囲気中におい
    て冷却凝固させ、得られた球状合金粒子をアルカリ水溶
    液で展開処理することを特徴とする球状ラネ−銅触媒の
    製造方法。
JP29315394A 1993-11-29 1994-11-28 触媒用球状ラネ−銅合金及び銅触媒の製造方法 Pending JPH07197110A (ja)

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