JP2905535B2 - 触媒用担体およびその製造方法 - Google Patents

触媒用担体およびその製造方法

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JP2905535B2 JP2032483A JP3248390A JP2905535B2 JP 2905535 B2 JP2905535 B2 JP 2905535B2 JP 2032483 A JP2032483 A JP 2032483A JP 3248390 A JP3248390 A JP 3248390A JP 2905535 B2 JP2905535 B2 JP 2905535B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、触媒用担体およびその製造方法に関するも
のである。詳しく述べると、各種の使用対象反応に適合
し得るように、触媒用担体の表面積、細孔径、細孔容
積、それらの分布、酸・塩基度、その分布等を任意に設
計することが可能な触媒用担体の製造方法および新規な
構造を有する触媒用担体に関するものである。
〔従来の技術〕
従来、多孔性無機質担体はアルミナ、シリカ、チタニ
ア、ジルコニア等の各種金属酸化物あるいは炭化珪素、
窒化珪素等の耐火性素材からなる粉粒体を骨材とし、こ
れらと主に粘土質からなる接合剤を混合し、造粒等成形
後、焼成することにより製造される。
かくのごとく製造される担体は、該担体の表面積、細
孔径およびその分布等担体として具備すべき物性が各種
反応用に適合するように調製され工業的に広く使用され
ている。しかしながら、この種の担体を使用した触媒は
比較的高温領域で使用されるのが通常であり、反応中に
担体に含有される結合剤の成分が触媒物質中に移動し、
その影響で触媒活性、選択性が経時的に変化するという
現象が起る。特に、担体製造時の焼成温度を低下させる
目的で結合剤中にアルカリ金属が使用されるが、このナ
トリウム、カリウム等のアルカリ金属は移動し易く、又
アルカリ金属は一般に微量の混入でも触媒性能に重大な
影響を及ぼす。それ故担体にとって不純物とも言うべき
結合剤を使用しない高純度な担体も製造されている。例
えば、結合剤の代替えとして骨材と同種の金属のゾルや
塩類を使用する方法、あるいはSiCの場合のごとく反応
焼結による方法等が知られている。しかしながら、この
種の担体はその製法上の制約から担体物性を変化できる
範囲が狭く、担体として、機能性が低いのが実情であ
る。
〔発明が解決しようとする課題〕
したがって、本発明の目的は、新規な触媒用担体およ
びその製造方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、上記結合剤を使用せずに、かつ
担体物性を各種反応に適合するように広く調節すること
が容易に可能な担体を提供することを目的とする。
本発明のさらに他の目的は、容易に実施することが可
能であり、しかも工業的に有利な担体の製造方法を提供
することにある。
〔課題を解決するための手段〕
これらの諸目的は、耐火性無機粒子を核とし、該核上
に耐火性無機粉粒体およびウィスカーが担持されてなる
触媒用担体によっても達成される。
これらの諸目的は、耐火性無機粒子を核とし、該核上
に耐火性無機粉粒体およびジルコニアゾルが担持されて
なる触媒用担体によっても達成される。
これらの諸目的は、耐火性無機粒子を核とし、該核上
に耐火性無機粉粒体、ウィスカーおよび無機酸化物ゾル
が担持されてなる触媒用担体によっても達成される。
耐火性無機粉粒体のスラリーを適用し、50〜500℃に
加熱・攪拌流動化された耐火性無機粒子に噴霧し、溶媒
を蒸発せしめつつ担持してなる触媒用担体の製造方法。
これらの諸目的は、耐火性無機粒子に耐火性無機粉粒
体とウィスカーとの混合スラリーを適用し、かつ乾燥す
ることよりなる耐火性無機粒子を核とし、該核上に耐火
性粉粒体およびウィスカーが担持されてなる触媒用担体
の製造方法によっても達成される。
これらの諸目的は、耐火性無機粒子に耐火性無機粉粒
体とジルコニアゾルとの混合スラリーを適用し、かつ乾
燥することよりなる耐火性無機粒子を核とし、該核上に
耐火性無機粉粒体およびジルコニアゾルが担持されてな
る触媒担体の製造方法。
これらの諸目的は、耐火性無機粒子に耐火性無機粉粒
体とウィスカーと無機酸化物ゾルとの混合スラリーを適
用し、かつ乾燥することよりなる耐火性無機粒子を核と
し、該核上に耐火性無機粉粒体、ウィスカーおよび無機
酸化物ゾルが担持されてなる触媒用担体の製造方法によ
っても達成される。
本発明によれば、触媒担体の表面積、細孔径、細孔容
積、それらの分布、酸・塩基度、その分布等の諸性状を
任意に設計することが可能となったので、逐次反応のコ
ントロール、熱伝達性のコントロールおよび担体強度の
コントロールが可能となり、各種の使用対象反応に適合
した触媒が提供されるという優れた効果を奏する。
本発明につきさらに詳しく述べる。
本発明においては核となる耐火性無機粒子に骨材物質
である耐火性無機粉粒体を担持せしめ、ついで必要に応
じて熱処理して担体が製造される。従って、核となる粒
子は単に骨材粉粒体を担体の形状に形成する目的で使用
されるもので、これ自体には担体としての機能性は要求
されない。該核粒子物質としては、アルミナ、ジルコニ
ア、チタニア、シリカ等の金属酸化物、ムライト、コー
ジライト、ジルコン等の複合酸化物及び炭化珪素、窒化
珪素等の非酸化物等が使用され、これらを粘土質の結合
剤を使用せずに焼結した焼結体、あるいはこれらと同種
の金属酸化物ゾルや金属塩類等を焼結助剤とした焼結
体、ないしこれらの溶融物が使用される。そして核粒子
の形状は不定形、球形、円筒形、円柱形、ラシヒリング
形、ベールサドル形等特に制限はないが、骨材粉粒体が
均一の厚さに担持されるようにころがり性の良好な形状
が望ましい。また、核粒子の大きさはその代表径が0.3
〜12mmの範囲で適宜選択され、好ましくは、1〜8mmで
ある。
担体としての機能性、例えば表面積、細孔径、細孔容
積、酸・塩基度等の物性及び化学的諸特性を決定する骨
材物質の選択が重要である。これらの諸特性値は、触媒
の活性、選択性、耐久性に大きく影響をおよぼし、対象
とする反応に至適な担体の設計が必要である。
骨材物質としてはアルミナ、チタニア、ジルコニア、
マグネシア、シリカ等の金属酸化物、炭化珪素、窒化珪
素、窒化アルミナ等の非酸化物、あるいはアルミナ−シ
リカ、アルミナ−チタニア、チタニア−シリカ、チタニ
ア−ジルコニア、コージライト、ムライト、ジルコン等
の複合酸化物等の一種又は二種以上を混合した粉粒体が
使用される。
これらの素材を骨材用粉粒体として使用するにあたっ
ては、担体として要求される物性に適合するように表面
積や細孔径、細孔径分布、酸・塩基度、その分布等が調
整される。例えば、担体の細孔径分布において2つ以上
のピークを有する担体は、2種以上の異なる細孔径を有
する粉粒体を所望の量混合して使用することによって製
造することができる。
又、粉粒体を構成する粒子の形状は、通常は不定形で
あるが、球状、薄片状、短冊状等粒子形状を規制するこ
とにより、細孔径や細孔容積等の担体物性のより精密な
コントロールが可能となる。これらの粉粒体の平均粒径
は0.05〜1200μm、好ましくは0.1〜500μmである。
該粉粒体をついで核粒子に担持せしめるが、粉粒体が
核粒子に担持しにくくて担持歩留りが悪い場合や担持さ
れた粉粒体の担持強度が弱い場合には、担持助剤として
ウィスカーを使用することが望ましい。ウィスカー以外
にも担持強度を向上する材料としてガラス繊維等の無機
質繊維類もあるが、後述の本発明の担体製造方法におい
てはウィスカーの形状が最も望ましいものであった。担
持歩留り、担持強度の向上にはウィスカー使用の効果が
大なるものがあるが、ウィスカーは耐火性であるゆえ担
体構成成分ともなり担体物性を調節する効果を発揮す
る。
本発明で使用されるウィスカーは公知の方法で製造さ
れるものであり、その材質としてはタングステン、鉄、
ニッケル等の金属ウィスカー、あるいは炭化珪素、窒化
珪素、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化ベリリウ
ム、ボロンカーバイド、チタンカーバイド、チタン酸化
カリ、リン酸カルシウム等が挙げられる。
本発明で使用されるウィスカーの形状は平均直径が望
ましくは0.1〜5μm、更に好ましくは0.3〜1μm、長
さは好ましくは5〜1000μm、更に好ましくは70〜500
μm、そのアスペクト比が好ましくは10〜500、更に好
ましくは20〜30のものである。
使用されるウィスカーの量は骨材物質の量に対して1
〜50の重量%、好ましくは1〜20重量%の範囲の量で骨
材物質の担持歩留りおよび担持強度向上の効果が発揮さ
れる。
さらに、前記耐火性無機粉粒体、該耐火性無機粉粒体
とウィスカーとの混合物に無機酸化物ゾルを配合するこ
ともできる。すなわち、ウィスカーの使用により実用上
充分な強度を有する担体を容易に製造することができる
が、該担体を使用して触媒を調製する場合、例えば担体
を激しく撹拌しながら、触媒を調製する必要がある場合
等で、担体からもたらされる担体構成物質が触媒活性成
分中に混入する量をなるべく少量にする必要がある場合
がある。このような場合には、ウィスカーに加えあるい
はウィスカーなしにさらに無機酸化物ゾルを併用するこ
とにより良好な結果が得られる。その使用量は骨材物質
の量に対して酸化物換算で0.5〜20重量%、好ましくは
1〜10重量%である 無機酸化物ゾルは、粉粒体とウィスカーとのスラリー
中に添加し使用しても、あるいは、担持形成後に使用し
てもよい。ただし、無機酸化物ゾルは他の物質を混合し
たり、あるいは加熱することにより増粘ゲル化する場合
が多く、本発明においては安定性の高い無機酸化物ゾル
を使用することが望ましい。
本発明者らは、ゾルの調製方法についても鋭意検討し
た結果、以下に述べるジルコニアゾルが安定性が高く、
本発明の担体製造に好適に使用できることが判明した。
本発明で使用されるジルコニアゾルは、例えば炭酸ジ
ルコニルアンモニウム水溶液とキレート化剤とを混合
し、炭酸ジルコニルアンモニウムを一旦ジルコニウムキ
レート化合物となし、次いで該キレート化合物を加熱加
水分解し、次いで必要により限外過膜を使用し過お
よび洗滌することにより調製される。
本調製法においては市販の炭酸ジルコニルアンモニウ
ム水溶液が使用されるが、この炭酸ジルコニルアンモニ
ウムは、アンモニアおよび二酸化炭素等のガスの発生を
伴いながら、加水分解され含水ジルコニアとなり、この
反応液はpHがアルカリ性で、ゾルとしての性質を示すよ
うになる。しかしながら該反応を継続すると比較的短時
間で反応液の粘度上昇・ゲル化が起り、炭酸ジルコニル
アンモニウムを少量しか加水分解できない。炭酸ジルコ
ニルアンモニウムの加水分解反応を安定に継続するた
め、炭酸ジルコニルアンモニウム水溶液とキレート化剤
とを混合し、あらかじめ炭酸ジルコニルアンモニウムと
キレート化剤との反応生成物を形成せしめ、次いで、該
生成物を含む水溶液を60℃以上に加熱し加水分解反応を
行ないジルコニアゾルを得る方法を本発明者らは見いだ
した。
具体的には、撹拌槽型反応器に炭酸ジルコニルアンモ
ニウム水溶液を入れついで撹拌下キレート化剤を添加す
ると、室温で迅速に炭酸ジルコニルアンモニウムとキレ
ート化剤が反応する。
反応後、反応液を60℃以上に加熱すると二酸化炭素と
アンモニアを主体とするガスを発生しながら炭酸ジルコ
ニルアンモニウムとキレート化剤との反応物の加水分解
反応が進行する。該反応中には反応液が増粘することも
なく、反応液の透明性を保持したまま該反応を完了する
ことができる。該反応液は、pHがほぼ中性であり、上記
反応中に、ゾルとしては不純物イオン類であるアンモニ
ウムイオンや炭酸イオンがアンモニアや二酸化炭素とし
て系外に排出されるため、該反応液を洗滌することな
く、ジルコニアゾルとして好適に使用される。
なお、上記反応液中に残存する微少量の未反応物や炭
酸イオン、アンモニウムイオン等は限外過膜の使用に
より効率よく短時間に過および洗滌することができ、
さらに加熱や限外過膜による濃縮により高純度で高濃
度のジルコニアゾルを得ることができる。
本発明で使用されるキレート化剤としては、カテコー
ル、ピロガロールなどのオキシフェノール類;ジエタノ
ールアミン、トリエタノールアミンなどのアミノアルコ
ール類;グリコール類、クエン酸、酒石酸、乳酸、マン
デル酸、リンゴ酸、ヒドロキシアクリル酸などのオキシ
酸およびそれらのメチル、エチル、ヒドロキシエチルな
どのエステル類、グリコールアルデヒドなどのオキシア
ルデヒド類;シュウ酸、マロン酸等のポリカルボン酸
類;グリシン、アラニンなどのアミノ酸類;アセチルア
セトン、ベンゾイルアセトン、ステアロイルアセトン、
ステアロイルベンゾイルメタン、ジベンゾイルメタンな
どのβ−ジケトン類、ならびにアセト酢酸、プロピオニ
ル酢酸、ベンゾイル酢酸などのβ−ケトン酸およびそれ
らのメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n
−ブチル、t−ブチルなどのエステル類の1種または2
種以上を組み合せて使用することができる。これらのう
ち、グリコール酸、クエン酸、酒石酸、乳酸、マンデル
酸、リンゴ酸、ヒドロキシアクリル酸などのオキシ酸類
およびアセチルアセトンなどのβ−ジケトン類が好まし
く使用される。さらに好ましくは、α,β、およびγ−
オキシ酸類でそれぞれα,β,γの炭素上の酸素原子を
有する官能基をもつα−,β−,γ−ケトン酸類あるい
はそれらのエステル類である。
キレート化剤の使用量は使用するキレート化剤の種類
により異ってくるが、キレート化剤(モル数)/ジルコ
ニア(モル数)が0.02/1〜4/1、好ましくは0.1/1〜3/1
さらに好ましくは0.5/1〜2/1の範囲になるように選択す
るのが良い。
キレート化剤の使用量が少なすぎると、キレート化剤
と炭酸ジルコニルアンモニウムとの反応で生成するある
種の有機ジルコニウム塩は、本発明の方法により加水分
解を行うと、炭酸ジルコニルアンモニウム単独の場合と
同様な挙動を示し、加水分解反応を継続することができ
ずキレート化剤の使用の効果がなく、一方4/1を越える
割合で使用しても、特別な効果が得られず経済的ではな
い。
本発明における加水分解反応は60℃以上であればよく
反応を促進するため加圧雰囲気下での反応も望ましい。
実際的な反応温度は60〜300℃であり、炭酸ジルコニル
アンモニウムの濃度には特に制限はなく高濃度の方が経
済的に有利に製造できるが、炭酸ジルコニルアンモニウ
ム水溶液の経済的安定性を考慮しZrO2として10〜25重量
%が望ましい。
かくして得られるジルコニアゾルは、キレート化剤で
安定化されているため、安定性が高く、広いpH範囲で安
定であり、特にアルカリ物質を添加しても安定であり、
低粘度でZrO2として45重量%濃度まで調製でき、さらに
外観が透明性でゾル粒子径が微少であり、本発明のごと
き無機バインダーとして使用した場合高強度を発揮す
る。
核粒子に骨材粉粒体を担持されるには、次のような方
法が採用される。
粒度の調節された粉粒体単独または粉粒体とウィスカ
ーおよび/または無機酸化物ゾルを溶媒に添加し、ホモ
ジナイザー等で均一に撹拌混合する。この際骨材粉粒体
およびウィスカーおよび/または無機酸化物ゾルの分散
性を向上させるためには分散剤や界面活性剤を少量添加
すると効果的である。かくして得られるスラリーを次い
で50〜500℃、望ましくは100〜400℃に加熱・撹拌流動
化された核粒子に噴霧し溶媒を蒸発せしめつつ担持す
る。あるいは無機粒子を該スラリー中に浸漬したのち、
加熱乾燥する。スラリー濃度は3〜60重量%、好ましく
は10〜40重量%に調節される。スラリー濃度は低く過ぎ
ると担持に時間がかかり経済的に不利であり、濃度が高
すぎるとスラリー粘度が上昇し噴霧が不可能となる。
又、別法として遠心流動コーティング装置を使用して
も簡便に担持することができる。すなわち、遠心流動コ
ーティング装置内で流動している核粒子にコーティング
液(水等の結合剤)を定量的に噴霧し、一方、必要によ
りウィスカーが均一に混合された骨材粉粒体を定量的に
散布することによって造粒せしめて粒度の調整された球
状担体を得る方法である。装置内に空気等を導入し、乾
燥を助長しながら担持を行い、必要により加熱空気等を
使用することにより比較的短時間に担持することができ
る。コーティング液中に必要により無機酸化物ゾルを添
加し、さらにまたアクリル系等の有機系バインダーをあ
らかじめ溶解しておくことにより担持強度を高めること
も有効である。このような適用法およびそれに続く乾燥
は、必要により数回繰り返される。
担持量はいずれの製法によっても核粒子100mlに対し
て骨材粒粒体が1〜500g、好ましくは20〜200gの範囲で
担持され、担体として必要とされる細孔容積、比表面積
等によって主に担持量は決定される。
かくして得られる担持型担体はこのままでも充分に担
持強度があり、担体としての使用に供することができる
が、さらに強度を向上させるためあるいは混入している
有機物を分散除去するために熱処理を行うことが望まし
い。熱処理は200〜1600℃、好ましくは400〜1200℃の範
囲で0.5〜5時間行われる。かくして得られる担体は実
用上充分な強度を有するものであり、本発明の方法によ
って、接触気相部分酸化反応に主に用いられる低表面積
型の担体ないし接触気相完全酸化反応等に用いられる高
表面積型の担体まで種々の物性値がコントロールされた
担体を容易に製造することができる。
本発明の担体を使用しての触媒調製は通常の担体を使
用する場合と同様の方法を採用することができるが、そ
のなかでも含浸法と称される方法で触媒を調製すること
が望ましい。触媒活性成分を含む溶媒に担体を浸漬し、
乾燥後塩の熱分解、活性化により触媒化する。なお、担
体と触媒成分液との親和力が弱かったり、吸着量が少な
い場合には触媒成分液に担体を浸漬後、撹拌しながら溶
媒を蒸発させ、触媒成分を担体に担持したり、あるいは
担体をたえず乾燥状態に保ちながら触媒成分液を噴霧す
る方法を採用することができる。
以上のようにして得られた本発明の担体は種々の気相
接触反応において使用される金属および/または金属酸
化物を分散担持せしめた触媒に好適に使用される多孔性
無機質担体である。使用対象反応は特に制限されない
が、例示すれば主触媒物質に銀を使用するエチレン気相
酸化反応によるエチレンオキシド製造用触媒あるいは
鉄、ニッケル、亜鉛、銅等の一種以上を主に使用するア
ンモニア合成反応、水性ガス反応、メタノール合成反応
等の気相還元反応用触媒、さらに白金、パラジウム、金
等高価な貴金属を使用する触媒、クロム、マンガン等を
主触媒物質として使用する安息香酸の水素によるベンズ
アルデヒド製造用触媒等が挙げられる。
以下、実施例に基づいて本発明をさらに詳細に説明す
る。
実施例1 オキシ塩化ジルコニウムを純水に溶解し濃度0.2モル
/の水溶液を調製した。オーバーフロー管付撹拌型反
応器に純水1.2を入れさらにアンモニア水を入れpHを
8.0とした。これに上記水溶液を液速毎分190mlの割合
で、またアンモニア水(28重量%水溶液)を毎時200ml
の割合で定量ポンプを用いそれぞれ撹拌下注加した。反
応液はオーバーフロー管から流出し、反応器内の液量が
ほぼ一定の条件下で中和反応を連続的に行った。反応中
pHが8±0.2となるようにアンモニア水の液速を微調整
しながら中和反応を行った。流出液中の水酸化物を過
により母液より分離し、次いで水洗することにより塩化
アンモニウムを除去した。えられた水酸化物を1−プロ
パノール中に分散し、加熱することにより系内の水を1
−プロパノールとの混合物として系外に除去することに
より水酸化物中の水分の脱水を行った。脱水後乾燥して
得られる粉体を700℃で1時間焼成することにより比表
面積32m2/gのジルコニア微粉末を得た。
かくして得られたジルコニア微粉末500gと純水800ml
よりボールミルの使用により均質なスラリーを得た。
外部加熱式の回転炉中に平均粒子径が1.5mmφのSiC自
焼結多孔性球状粒子を核粒子として300ml入れ、250〜30
0℃に加熱しながら上記スラリーを噴霧し骨材物質とし
てジルコニアを250g担持した。担持後得られた担体を90
0℃で焼成することにより、平均細孔径0.1μm、比表面
積3m2/g、細孔容積0.15ml/gの高強度の担持型ジルコニ
ア担体を得た。
実施例2 粒子径の異なるα−アルミナを混合し、比表面積8m2/
gのα−アルミナ粉体を調合した。このアルミナ粉体の
粒径分布は0.5μm以下が50重量%、0.5〜2μmが35重
量%、2μm以上が15重量%であった。該粉体1kgにSiC
ウィスカー50gおよび純水600mlを加えホモジナイザーで
均一に撹拌混合した。該ウィスカーは平均直径0.6μ
m、平均長さ15μmの寸法であった。
外部加熱式の回転炉中に平均粒子径が1.5mmφのSiC自
焼結多孔性球状粒子を核粒子として300ml入れ、250〜30
0℃に加熱しながら上記スラリーを噴霧し骨材物質とし
てアルミナを350g担持した。担持後得られた担体を1400
℃で焼成することにより平均細孔径0.15μm、比表面積
2m2/g、細孔容積0.25ml/gの高強度の担持型アルミナ担
体を得た。
実施例3 15のn−オクタノールにソルビタン脂肪酸エステル
からなるHLB約6の界面活性剤180gを溶解した溶液に、
濃度10容量%のジルコニアゾル10をホモジナイザーで
撹拌しながら加えた。この予備混合された溶液をコロイ
ドミルに送入し、更に1時間撹拌することによりW/O型
ゾルエマルジョンを調製した。次いでこのW/O型ゾルエ
マルジョンに撹拌下100%アンモニアガスを流速250ml/
分で約2時間吹き込みゾルエマルジョンをゲル化させ
た。該ゲルエマルジョンを次いで真空乾燥装置で撹拌混
合下、蒸発乾固することにより水分およびn−オクタノ
ールを系外に除去した。かくして得られた球状微粒子を
600℃で2時間焼成することにより高分散性の平均粒径
0.4μmの球状ジルコニア微粒子を得た。
かくして得られた球状ジルコニア微粒子粉末800gとSi
Cウィスカー25gをメタノール中で撹拌し均一に混合し
た。乾燥後次いでジュットミルにより解砕し骨材物質粉
末とした。
コーティング造粒装置に平均粒子径が1.5mmφのSiCの
自焼結多孔性球状粒子を核粒子として400mm入れ流動混
合させながらコーティング液として純水と、上記骨材物
質粉末とを同時にそれぞれ定量的に散布し、しかもコー
ティング槽に熱風を送り乾燥させながら連続的に担持を
行った。その結果、核粒子100ml当り100gの骨材物質と
しての球状ジルコニア微粉末が担持されていた。次いで
1000℃で焼成することにより平均細孔径0.2μm、比表
面積1m2/g、細孔容積0.1ml/g高強度の担持型ジルコニア
担体が得られた。
実施例4 2のフラスコにZrO2として13重量%含有する市販の
炭酸ジルコニルアンモニウム水溶液1300g入れた。これ
に撹拌下グリコール酸10.4gを徐々に添加した。この際
無臭性のガスが発生した。次いで、マントルヒーターに
より該フラスコを加熱し加水分解反応を行った。昇温す
るにつれ激しく発泡し、アンモニアや炭酸ガスのごと
き、ゾル中の不要イオン類から生成するガスを系外に排
出しながら反応が進行した。反応液温度約100℃で約3
時間反応することにより発泡が鎮静し、フラスコ中に適
宜純水を追加しながらさらに12時間加熱を継続し、ZrO2
として濃度25重量%で、pHが7のジルコニアゾルが得ら
れた。
該ゾル500mlに、実施例3で得られた焼成後の担体200
gを入れ1時間加熱沸騰した。沸騰することにより担体
中の空気がゾルと置換され、ゾルが担体内部にまで浸透
した。次いで担体をゾル中から取り出し担体に付着した
過剰のゾルを除去後、800℃1時間焼成した。
得られた担体は、骨材物質層がジルコニアにより接着
・強化され、担体の耐摩耗性が著しく改善された。
実施例5 実施例1で得られた比表面積32m2/gのジルコニア微粉
末をさらに800℃で1時間焼成することにより比表面積2
3m2/gのジルコニア微粉末を得た。このジルコニア微粉
末500gに純水600gを加え、さらに実施例4で得られたジ
ルコニアゾル100gを添加し、ボールミルにより均質なス
ラリーを得た。
外部加熱式の回転炉中に平均粒子径が1.5mmφのSiC自
焼結多孔性球状粒子を核粒子として300ml入れ、150〜20
0℃に加熱しながら上記スラリーを噴霧し骨材物質とし
てジルコニアを300g担持した。
担持後得られた担体を600℃で焼成することにより、
平均細孔径0.15μm、比表面積4m2/g、細孔容積0.2ml/g
の高強度の担持型ジルコニア担体を得た。
実施例6 実施例5で得たジルコニア担体100ccと硝酸クロムお
よび硝酸マンガンの混合溶液200ccをナス型フラスコに
入れ、ロータリーエバポレーターに装着した。フラスコ
内を排気しながら70〜80℃に加熱してジルコニア担体に
硝酸クロムおよび硝酸マンガンを含浸乾燥せしめ、次い
で該担体を管状型電気炉で窒素ガス流直下600℃10時間
熱処理してクロムとして5g/、マンガンとして2g/担
持された組成物を得た。
これを常圧気相流通反応装置に充填し、安息香酸を水
素化してベンズアルデヒドを合成する触媒として用い
た。反応条件は触媒温度320℃圧力常圧水素の空間速度1
500Hr-1安息香酸の濃度を2%とした。反応は、安息香
酸の溶融物の中へ水素を吹き込んで安息香酸を同伴させ
て反応器へ導入して行なった。その結果は、ベンズアル
デヒドの収率は98%であった。
実施例7 実施例2で得たアミナ担体100ccと塩化白金酸水溶液2
00ccをナス型フラスコに入れ実施例6と同様にして白金
として1g/担持された組成物を得た。ただし熱処理は
空気流通下600℃3時間焼成した。
これを気相流通式反応装置に充填し、一酸化炭素500p
pm(空気バランス)のガスを反応ガス(空気速度10000H
r -1)として触媒入口のガス温度300℃でのCO燃焼性能を
評価した。
さらに該触媒を空気流通下900℃で24時間エージング
し同様の性能評価をした。その結果、フレッシュ触媒の
CO転化率が97%かつエージング後のCO転化率が88%と良
好な結果であった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B01J 27/224 B01J 27/224 Z 審査官 服部 智 (56)参考文献 特開 昭58−30333(JP,A) 特開 昭48−68487(JP,A) 特開 昭53−129189(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B01J 35/02,35/06,32/00 B01J 21/06,23/34,27/224

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】耐火性無機粒子を核とし、該核上に耐火性
    無機粉粒体およびウィスカーが担持されてなる触媒用担
    体。
  2. 【請求項2】耐火性無機粒子を核とし、該核上に耐火性
    無機粉粒体およびジルコニアゾルが担持されてなる触媒
    用担体。
  3. 【請求項3】耐火性無機粒子を核とし、該核上に耐火性
    無機粉粒体、ウィスカーおよび無機酸化物ゾルが担持さ
    れてなる触媒用担体。
  4. 【請求項4】耐火性無機粉粒体のスラリーを適用し、50
    〜500℃に加熱・攪拌流動化された耐火性無機粒子に噴
    霧し、溶媒を蒸発せしめつつ担持してなる触媒用担体の
    製造方法。
  5. 【請求項5】耐火性無機粒子に耐火性無機粉粒体とウィ
    スカーとの混合スラリーを適用し、かつ乾燥することよ
    りなる耐火性無機粒子を核とし、該核上に耐火性無機粉
    粒体およびウィスカーが担持されてなる触媒用担体の製
    造方法。
  6. 【請求項6】耐火性無機粒子に耐火性無機粉粒体とジル
    コニアゾルとの混合スラリーを適用し、かつ乾燥するこ
    とよりなる耐火性無機粒子を核とし、該核上に耐火性無
    機粉粒体およびジルコニアゾルが担持されてなる触媒担
    体の製造方法。
  7. 【請求項7】耐火性無機粒子に耐火性無機粉粒体とウィ
    スカーと無機酸化物ゾルとの混合スラリーを適用し、か
    つ乾燥することよりなる耐火性無機粒子を核とし、該核
    上に耐火性無機粉粒体、ウィスカーおよび無機酸化物ゾ
    ルが担持されてなる触媒用担体の製造方法。
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