JP2017124366A - アンモニア分解用触媒、及び当該触媒を用いた水素の製造方法 - Google Patents

アンモニア分解用触媒、及び当該触媒を用いた水素の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】触媒の調製や製造が煩雑とならない、しかも、原料コストが安価で原料が安定的に入手可能な触媒を用い、比較的低温でアンモニアを分解させることにより水素を製造する、工業的に好適なアンモニア分解触媒、及び当該触媒を用いた水素の製造方法を提供する。【解決手段】鉄と、周期表第1族金属、第2族金属及び第13族金属からなる群より選ばれる少なくとも1種の金属と、周期表第5族金属、第6族金属、第7族金属、第12族金属及びランタノイドからなる群より選ばれる少なくとも1種の金属とを含む混合物を還元処理することによって得られる、アンモニア分解触媒。【選択図】なし

Description

本発明は、アンモニア分解用触媒、及び当該触媒を用いたアンモニアから水素を製造する方法に関する。
従来、アンモニアは非常に有用性の高いガスとして使用されている一方で、臭気性を有するためその処理が必要とされている。アンモニアの処理方法としては、例えば、酸素とアンモニアを接触させて酸化分解する方法、アンモニアを水素へ転化する方法などが提案されている。
最近、アンモニア分解によって水素を製造する改良方法として、例えば、
ニッケルと、長周期型周期表の第2〜5族金属及び第12〜15族金属からなる群から選ばれる少なくとも1種の金属の酸化物である添加物質とを含む触媒を用いる方法(例えば、特許文献1参照)、
コバルトと、長周期型周期表の第2〜5族金属及び12〜15族金属からなる群から選ばれる少なくとも1種の金属の酸化物である添加物質とを含む触媒を用いる方法(例えば、特許文献2参照)、
鉄族金属と、セリア、ジルコニア、イットリア、酸化ランタン、アルミナ、マグネシア、酸化タングステン及びチタニアよりなる群から選択される少なくとも1種の金属酸化物とを含有する触媒を用いる方法(例えば、特許文献3参照)が知られている。
特開2011−224555号公報 特開2011−224554号公報 特開2010−94668号公報
しかしながら、特許文献1及び2の方法では、ニッケル又はコバルトの比表面積と触媒そのものの比表面積との比を調整する必要があり、触媒の調製が煩雑となる蓋然性があった。
また、特許文献3の方法では、アンモニアを分解する際に高温にする必要があり、アンモニアを分解する温度を下げる場合には、例えば、カリウム/コバルト−セリウムジルコニウムオキサイド(例えば、実施例31)のような複雑な触媒を使用する必要があった。
以上、アンモニア分解触媒が複雑な触媒組成や構造を有する場合には、触媒の調製が煩雑となるため、工業的生産に適用できるものとは言い難かった。
本発明の課題は、即ち、触媒の調製や製造が煩雑とならず、しかも、原料コストが安価で原料が安定的に入手可能な触媒を用い、比較的低温でアンモニアを分解させることにより水素を製造することができる、工業的に好適なアンモニア分解触媒、及び当該触媒を用いた水素の製造方法を提供することにある。
本発明の課題は、鉄と、周期表第1族金属、第2族金属及び第13族金属からなる群より選ばれる少なくとも1種の金属と、周期表第5族金属、第6族金属、第7族金属、第12族金属及びランタノイドからなる群より選ばれる少なくとも1種の金属とを含む混合物を還元処理することによって得られることを特徴とするアンモニア分解触媒によって解決される。
なお、本発明において、単に「周期表」と記載した場合は、「長周期型周期表」を意味するものとする。
本発明により、触媒の調製や製造が煩雑とならず、しかも、原料コストが安価で原料が安定的に入手可能な触媒を用い、比較的低温でアンモニアを分解させることにより水素を製造することができる、工業的に好適なアンモニア分解触媒、及び当該触媒を用いた水素の製造方法を提供することができる。
(アンモニア分解触媒)
本発明で使用するアンモニア分解触媒は、鉄と、周期表第1族金属、第2族金属及び第13族金属からなる群より選ばれる少なくとも1種の金属と、周期表第5族金属、第6族金属、第7族金属、第12族金属及びランタノイドからなる群より選ばれる少なくとも1種の金属とを含む混合物を還元処理することによって得られる触媒である。
前記周期表第1族金属としては、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、セシウムなどが挙げられるが、好ましくはナトリウム、カリウムである。なお、これらの周期表第1族金属は、単独又は二種以上を併用しても良い。
前記周期表第2族金属としては、例えば、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウムなどが挙げられるが、好ましくはマグネシウム、カルシウム、バリウムである。なお、これらの周期表第2族金属は、単独又は二種以上を併用しても良い。
前記周期表第13族金属としては、例えば、アルミニウム、ガリウムなどが挙げられるが、好ましくはアルミニウムである。なお、これらの周期表第13族金属は、単独又は二種以上を併用しても良い。
本発明のアンモニア分解触媒を製造するに際して、鉄と、周期表第1族金属、第2族金属及び第13族金属からなる群より選ばれる少なくとも1種の金属との比は、好ましくは100:0.5〜100:30、更に好ましくは100:1〜100:20である。なお、鉄と、周期表第1族金属、第2族金属及び第13族金属からなる群より選ばれる少なくとも1種の金属との比を、この範囲とすることでアンモニア分解活性が向上する。
前記周期表第5族金属としては、例えば、バナジウム、ニオブ、タンタルなどが挙げられるが、好ましくはバナジウムである。なお、これらの周期表第5族金属は、単独又は二種以上を併用しても良い。
前記周期表第6族金属としては、例えば、クロム、タングステンなどが挙げられるが、好ましくはクロムである。なお、これらの周期表第6族金属は、単独又は二種以上を併用しても良い。
前記周期表第7族金属としては、例えば、マンガン、レニウムなどが挙げられるが、好ましくはマンガンである。なお、これらの周期表第7族金属は、単独又は二種以上を併用しても良い。
前記周期表第12族金属としては、例えば、亜鉛などが挙げられる。なお、これらの周期表第12族金属は、単独又は二種以上を併用しても良い。
前記ランタノイドとしては、例えば、ランタン、セリウム、サマリウム、イッテルビウムなどが挙げられるが、好ましくはセリウムである。なお、これらのランタノイドは、単独又は二種以上を併用しても良い。
本発明のアンモニア分解触媒を製造するに際して、鉄と、周期表第5族金属、第6族金属、第7族金属、第12族金属及びランタノイドからなる群より選ばれる少なくとも1種の金属との比は、好ましくは100:0.1〜100:3、更に好ましくは100:0.1〜100:2である。鉄と、周期表第5族金属、第6族金属、第7族金属、第12族金属及びランタノイドからなる群より選ばれる少なくとも1種の金属との比を、この範囲とすることでアンモニア分解活性が向上する。
(アンモニア分解触媒の製造方法)
本発明のアンモニア分解触媒は、鉄と、周期表第1族金属、第2族金属及び第13族金属からなる群より選ばれる少なくとも1種の金属と、周期表第5族金属、第6族金属、第7族金属、第12族金属及びランタノイドからなる群より選ばれる少なくとも1種の金属とから製造することができる。なお、鉄は、鉄化合物の形態として用いてもよい。周期表第1族金属、第2族金属及び第13族金属からなる群より選ばれる少なくとも1種の金属は、それらの金属の化合物として用いてもよい。周期表第5族金属、第6族金属、第7族金属、第12族金属及びランタノイドからなる群より選ばれる少なくとも1種の金属は、それらの金属の化合物として用いても良い。
前記鉄化合物としては、水溶性の鉄化合物が好適に使用される。鉄化合物としては、具体的には、例えば、塩化鉄、臭化鉄、ヨウ化鉄、シアン化鉄、硝酸鉄、硫酸鉄、炭酸鉄、炭酸水素鉄、リン酸鉄、ケイ酸鉄、ギ酸鉄、酢酸鉄、シュウ酸鉄、水酸化鉄、鉄錯体、ヘキサアンミン鉄酸ナトリウム、ヘキサシアノ鉄酸ナトリウムなどが使用されるが、好ましくは硝酸鉄、炭酸鉄、更に好ましくは硝酸鉄が使用される。なお、これらの鉄化合物は、単独又は二種以上を併用しても良い。
前記周期表第1族金属、第2族金属及び第13族金属からなる群より選ばれる少なくとも1種の金属化合物としては、水溶性の金属化合物が好適に用いられる。周期表第1族金属、第2族金属及び第13族金属からなる群より選ばれる少なくとも1種の金属化合物は、具体的には、金属塩化物、金属臭化物、金属ヨウ化物、金属シアン化物、金属硝酸塩、金属硫酸塩、金属炭酸塩、金属炭酸水素塩、金属リン酸塩、金属ケイ酸塩、金属ギ酸塩、金属酢酸塩、金属シュウ酸塩、金属水酸化物、金属錯塩などの形態で使用されるが、好ましくは金属硝酸塩、金属炭酸塩、更に好ましくは金属硝酸塩の形態で使用される。なお、これらの金属化合物は、単独又は二種以上を併用しても良い。
前記周期表第5族金属、第6族金属、第7族金属、第12族金属及びランタノイドからなる群より選ばれる少なくとも1種の金属化合物としては、水溶性の金属化合物が好適に用いられる。周期表第5族金属、第6族金属、第7族金属、第12族金属及びランタノイドからなる群より選ばれる少なくとも1種の金属化合物は、具体的には、金属塩化物、金属臭化物、金属ヨウ化物、金属シアン化物、金属硝酸塩、金属硫酸塩、金属炭酸塩、金属炭酸水素塩、金属リン酸塩、金属ケイ酸塩、金属ギ酸塩、金属酢酸塩、金属シュウ酸塩、金属水酸化物、金属錯塩などの形態で使用されるが、好ましくは金属硝酸塩、金属炭酸塩、更に好ましくは金属硝酸塩の形態で使用される。なお、これらの金属化合物は、単独又は二種以上を併用しても良い。
本発明のアンモニア分解触媒は、具体的には、例えば、鉄化合物の水溶液と、周期表第1族金属、第2族金属及び第13族金属からなる群より選ばれる少なくとも1種の金属の化合物(以下、単に「金属化合物」とすることがある。)の水溶液と、周期表第5族金属、第6族金属、第7族金属、第12族金属及びランタノイドからなる群より選ばれる少なくとも1種の金属の化合物の水溶液とを混合した後に、混合液中の液体を蒸発させることにより混合液を乾燥させ、得られた固体を焼成するなどの方法によって製造される。
鉄化合物の水溶液と、金属化合物の水溶液とを混合する際の温度は、鉄化合物や金属化合物等が溶解して均一になれば特に制限されない。混合液を乾燥させる温度は、水が実質的になくなる温度(100℃以上)であれば特に制限されない。なお、減圧下で混合液を乾燥させる場合には、100℃未満であってもよい。また、焼成温度は、好ましくは100〜500℃、更に好ましくは200〜400℃である。
前記鉄化合物を、鉄化合物の水溶液と、金属化合物の水溶液との混合前又は混合後に、アンモニア水などの塩基性水溶液を用いて加水分解してもよい。好ましくは鉄化合物の水溶液に塩基性水溶液を混合して加水分解した後に、金属化合物の水溶液を加えて得られた混合液を乾燥させる。なお、鉄化合物を加水分解する際の反応温度は、好ましくは10〜80℃、更に好ましくは20〜60℃である。
前記アンモニア分解触媒を使用前に還元処理することでアンモニア分解触媒の活性の向上が図れる。アンモニア分解触媒を還元処理する方法としては、例えば、アンモニア分解触媒を水素などの還元性ガスと接触させる方法、アンモニア分解触媒を酸やアルコールなどの還元剤と接触させる方法、又はその組み合わせなどが挙げられるが、好ましくはアンモニア分解触媒を還元性ガスと接触させる方法が採用される。なお、アンモニア分解触媒を還元処理する際の反応温度は、好ましくは100〜900℃、更に好ましくは300〜800℃である。
(アンモニアの分解による水素の製造)
本発明のアンモニアの分解による水素の製造(以下、「本発明の反応」と称することもある)は、アンモニアと、本発明のアンモニア分解触媒とを接触させるなどの方法によって行われる。
なお、本発明の反応は、下記式で示される。
本発明の反応は、気体(アンモニア)と固体(触媒)の接触による反応であるため、流通式反応器で行われるのが好ましく、具体的には、アンモニア分解触媒を充填した反応管にアンモニアガスを流通させるなどの方法によって行われることが好ましい。また、本発明の反応は、アンモニア分解触媒と、アンモニアガスを反応器に充填して、閉鎖した反応形態(バッチ式)により行うこともできる。
本発明の反応の反応温度は、好ましくは200〜700℃、更に好ましくは400〜600℃である。本発明の反応の反応圧力は、好ましくは0.002〜2MPa、更に好ましくは0.004〜1MPaである。
本発明の反応を流通式反応器で行う場合、アンモニアガスの流通速度は、アンモニア分解触媒の使用量や、反応管の大きさにより適宜変更することができるが、空間速度(単位時間当たりにアンモニア分解触媒を通過するアンモニアガスの体積を、アンモニア分解触媒が占める体積で除した値)換算で、好ましくは100〜20000h−1、更に好ましくは500〜6000h−1である。
触媒の形状は、反応管への充填方法や、アンモニアガスの流通速度などにより適宜選択することができる。触媒の形状としては、例えば、粒状、球状、ペレット状、破砕状、サドル状、リング状、ハニカム状、モノリス状、網状、円柱状、円筒状などが挙げられる。
なお、アンモニアガスは、反応に関与しない不活性ガスにより希釈されていても良い。
アンモニアを分解して得られた窒素及び水素を、公知の方法を用いて、窒素と水素とに分離することにより、高純度の水素を取得することができる。
次に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではない。
なお、製造例1、2としてアンモニア分解触媒の合成方法を示すが、いずれの合成方法によっても、実質的に同じ機能を有する触媒が得られる。
「鉄−金属」の表記において、金属は「周期表第1族金属、第2族金属及び第13族金属からなる群より選ばれる少なくとも1種の金属」を示し、金属の後に記載の括弧内の数値は鉄に対する金属の含有率(質量%)を示す。「鉄−金属1−金属2」の表記において、金属1は「周期表第1族金属、第2族金属及び第13族金属からなる群より選ばれる少なくとも1種の金属」を示し、金属2は「周期表第5族金属、第6族金属、第7族金属、第12族金属及びランタノイドからなる群より選ばれる少なくとも1種の金属」を示し、金属1,2のそれぞれの後に記載の括弧内の数値は鉄に対する金属の含有率(質量%)を示す。
製造例1(アンモニア分解触媒の合成(硝酸鉄と硝酸マンガンとの加水分解物を途中で乾燥させる))
0.1mol/Lの硝酸第二鉄水溶液1L(硝酸第二鉄・9水和物として40.4g)と0.1mol/Lの硝酸マンガン(硝酸マンガンとして0.04g)と28%アンモニア水50mLとを混合した後(このときのpHは約10)、得られた固体を濾過し、濾物を水で洗浄した。濾物を加熱しながら一晩乾燥させ、硝酸第一鉄と硝酸マンガンの加水分解物を得た。
次いで、前記加水分解物と硝酸カルシウム水溶液30mL(硝酸カルシウム4水和物として1.34g)とを混合し、減圧下で水を留去し、加熱しながら一晩乾燥させて、鉄とカルシウムとマンガンとからなる固体を得た。
前記固体を空気雰囲気にて300℃で3時間焼成し、更に水素雰囲気にて700℃で2時間還元して、鉄−カルシウム−マンガン触媒(Fe−Ca(4%)−Mn(1%))5.8gを得た。
製造例2(アンモニア分解触媒の合成(硝酸鉄と硝酸マンガンとの加水分解物をそのまま使用))
0.1mol/Lの硝酸第二鉄水溶液1L(硝酸第二鉄・9水和物として40.4g)と0.1mol/Lの硝酸マンガン(硝酸マンガンとして0.04g)と28%アンモニア水50mLとを混合した後(このときのpHは約10)、得られた固体を濾過し、濾物を水で洗浄して、硝酸鉄と硝酸マンガンとの加水分解物を得た。
次いで、前記加水分解物と硝酸カルシウム水溶液30mL(硝酸カルシウム・4水和物として1.34g)とを混合し、加熱しながら一晩乾燥させて、鉄とカルシウムとマンガンとからなる固体を得た。
前記固体を空気雰囲気にて300℃で3時間焼成し、更に水素雰囲気にて700℃で2時間還元して、鉄−カルシウム−マンガン触媒(Fe−Ca(4%)−Mn(1%))5.7gを得た。
製造例1又は2の方法により、アンモニア分解触媒(鉄と、周期表第1族金属、第2族金属及び第13族金属からなる群より選ばれる少なくとも1種の金属と、周期表第5族金属、第6族金属、第7族金属、第12族金属及びランタノイドからなる群より選ばれる少なくとも1種の金属とを含む混合物を還元処理することにより得られた触媒)を得た。
金属化合物中の金属種を変更することにより異なる種類の触媒を得ることができ、また金属化合物の使用量を調整することで、金属含有量の異なる触媒を製造することができる。
以下、製造例1又は2のいずれかの方法により、本発明を実施したアンモニア分解触媒として、鉄−カルシウム−セリウム触媒(Fe−Ca−Ce)、鉄−カルシウム−クロム触媒(Fe−Ca−Cr)、鉄−カルシウム−亜鉛触媒(Fe−Ca−Zn)、鉄−カルシウム−バナジウム触媒(Fe−Ca−V)、鉄−カルシウム−カリウム−マンガン−バナジウム触媒(Fe−Ca−K−Mn−V)を合成した。
また、比較として本発明外のアンモニア分解触媒である、鉄−マンガン触媒(Fe−Mn)、鉄−セリウム触媒(Fe−Ce)、鉄−クロム触媒(Fe−Cr)、鉄−亜鉛触媒(Fe−Zn)、鉄−バナジウム触媒(Fe−V)も合成した。
なお、アンモニア分解率は、以下の方法によって行った。
(1)反応管出口から排出されるガスを20%硫酸に流通させ、未反応のアンモニアを除去した。
(2)前記ガスの流量を測定し、反応管入口のガス流量と反応管出口のガス流量をもとに、下記式によりアンモニアの分解率を求めた。
実施例1〜6、比較例1〜6(アンモニアの分解による水素の製造)
内径8mmのステンレス製反応管に、製造例1で合成した還元前の鉄−カルシウム触媒(Fe−Ca(4%)−Mn(1%))2mL(2.4g)を充填した後、常圧で水素と窒素との混合ガス(水素を15%含有)を流通させながら、反応管内の温度を室温から700℃まで3時間で昇温し、700℃で1時間保持することで触媒を還元した。
その後、反応管内の温度を500℃に設定し、常圧にてアンモニアガスを空間速度900h−1で流通させた。
また、同様な方法で触媒を還元した後に、反応管内の温度を550℃に設定し、常圧にてアンモニアガスを空間速度900h−1で流通させた。
その結果を表1に示す。
表1より、実施例1〜6のアンモニア分解触媒は、500℃において高い分解活性を示すこと、そして550℃においてはほぼ完全にアンモニアを分解させることが分かった。即ち、実施例1〜6において用いた触媒は、低温でも高いアンモニア分解活性を示すことが明らかとなった。
なお、実施例1〜6では、アンモニアの分解によって、水素と窒素以外の化合物を生成させることはなかった。
本発明は、アンモニア分解用触媒、及び当該触媒を用いた水素の製造方法に関するものである。本発明は、アンモニアを処理して無臭化する環境分野や、アンモニアを窒素と水素とに分解して、水素を取得するエネルギー分野などにおいて、多大の貢献をなすものでもある。

Claims (9)

  1. 鉄と、周期表第1族金属、第2族金属及び第13族金属からなる群より選ばれる少なくとも1種の金属と、周期表第5族金属、第6族金属、第7族金属、第12族金属及びランタノイドからなる群より選ばれる少なくとも1種の金属とを含む混合物を還元処理することによって得られる、アンモニア分解触媒。
  2. 鉄と、周期表第1族金属、第2族金属及び第13族金属からなる群より選ばれる少なくとも1種の金属との比が、100:0.5〜100:30である、請求項1に記載のアンモニア分解触媒。
  3. 周期表第1族金属、第2族金属及び第13族金属からなる群より選ばれる少なくとも1種の金属が、カリウム、カルシウム、マグネシウム、ストロンチウム、バリウム及びアルミニウム群より選ばれる少なくとも1種の金属である、請求項1又は2に記載のアンモニア分解触媒。
  4. 鉄と、周期表第5族金属、第6族金属、第7族金属、第12族金属及びランタノイドからなる群より選ばれる少なくとも1種の金属との比が、100:0.1〜100:3である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のアンモニア分解触媒。
  5. 周期表第5族金属、第6族金属、第7族金属、第12族金属及びランタノイドからなる群より選ばれる少なくとも1種の金属が、バナジウム、クロム、マンガン、亜鉛及びセリウムからなる群より選ばれる少なくとも1種の金属である、請求項1〜4のいずれか1項に記載のアンモニア分解触媒。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載のアンモニア分解触媒と、アンモニアとを反応させることにより水素を発生させる、水素の製造方法。
  7. 反応温度が200〜700℃であり、反応圧力が0.002〜2MPaである、請求項6に記載の水素の製造方法。
  8. 反応を流通式反応管内で行う、請求項6又は7に記載の水素の製造方法。
  9. 単位時間当たりにアンモニア分解触媒を通過するアンモニアガスの体積を、アンモニア分解触媒が占める体積で除した値であるアンモニアの空間速度が、100〜20000h−1である、請求項6〜8のいずれか1項に記載の水素の製造方法。
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