JP2010194419A - 銅系触媒の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 触媒活性が良好で、従来に比較してその工程の少ない銅系触媒の製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】 酸化銅、酸化亜鉛、酸化アルミニウムを必須成分とし、酸化ジルコニウム、酸化ガリウム、酸化ケイ素を任意成分とする金属酸化物で構成された触媒を製造する方法であって、それぞれの酸性金属塩水溶液と沈殿剤水溶液の水中混合により得た金属化合物前駆体の乾燥工程において、乾燥後の触媒前駆体中の水分が、8〜17重量%の範囲になるように制御し、その後、焼成することを特徴とする水素と炭素酸化物からメタノールを合成する触媒の製造方法。
従来の方法に比して、水添加、養生の肯定を不要と出来る。
【選択図】 図1

Description

本発明は、メタノール合成反応またはその逆反応、メタノール改質反応、シフト反応またはその逆反応などに用いられる銅系触媒の製造方法に関する。具体的には従来より少ない工程によって製造が可能であり、触媒活性、耐久性が良好であり銅系触媒の製造方法に関する。
従来、合成ガス(COとH2 との混合ガス)を主原料(少量のCO2 を含む)とするメタノール合成プロセスは、化学工業において非常に重要な基礎的なプロセスであり、その省エネルギー化や経済性などの観点からその高効率化が絶えず求められている。メタノール合成プロセスにおける最も重要な技術の一つは、高性能な触媒を提供することであり、従来の触媒としては、Cu/ZnO/Al23触媒(現在の工業用触媒、たとえば、「触媒講座、第7巻、触媒学会編、株式会社講談社発行、1989年7月20日発行」(非特許文献1)の21〜39頁参照)や、Cu/ZnO/SiO2触媒(特公昭63−39287号公報(特許文献1))などの3成分系触媒が知られている。
一方、CO2 とH2 とを主原料とするメタノール合成は、炭素資源の循環再利用および地球環境問題の観点から、最近特に注目されている。CO2含有量の高い原料ガスからのメタノール合成においては、反応の熱力学的平衡およびメタノールと共に生成する水の反応阻害効果(Applied Catalysis A: General, 38 (1996), p.311-318(非特許文献2))のために、上記の合成ガスからのメタノール合成で採用されているよりも高い活性を有する触媒が要求されている。また、CO2含有量の高い原料ガスからのメタノール合成においては、メタノールと共に生成する水によると思われる触媒活性低下が、合成ガスからのメタノール合成に比べて非常に大きい。そのため、合成ガスからのメタノール合成で採用されている触媒よりもはるかに耐久性の高い触媒が要求されている。これは、上記のメタノール合成で採用されている3成分系触媒では、その触媒性能が不充分であるためである。
このような観点から更に成分を加えた、銅/酸化亜鉛/酸化アルミニウム/酸化ジルコニウム、銅/酸化亜鉛/酸化アルミニウム/酸化ジルコニウム/酸化ガリウムなどの銅系多成分触媒も開発されている(たとえば、特開平7−39755号公報(特許文献2)、特開平6−312138号公報(特許文献3)、前記非特許文献2 を参照)。さらに、シリカとしてコロイダルシリカ、又は水中溶存シリカを0.3〜0.9wt% 添加し、480〜690℃で焼成する高活性触媒も開発されている(特開平10−309466号公報(特許文献4))。これらの触媒は高活性であるため、有用であるが、その製造工程はたとえば、沈殿、熟成、洗浄、ろ過、乾燥、成形、焼成と長くなるため、工業的な生産においては、少しでも簡略化することにより、製造における負荷を軽減することが好ましく、改良が望まれている。
特公昭63−39287号公報 特開平7−39755号公報 特開平6−312138号公報 特開平10−309466号公 触媒講座、第7巻、触媒学会編、株式会社講談社発行、1989年7月20日発行 Applied Catalysis A: General, 38(1996), p.311-318
本発明は上記のような状況に鑑みてなされたもので、触媒活性が良好で、従来に比較してその製造方法を簡略化した銅系触媒およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の課題を解決するために鋭意検討した。その結果、触媒製造時の乾燥工程での水分含有率の制御を行えば、従来の製造方法で実施されていた水分添加、養生の工程を行うことなく、重合活性、耐久性が良好な触媒を高い生産性で製造できることを見出し本発明を完成した。
即ち本発明は、酸化銅、酸化亜鉛、酸化アルミニウムを必須成分とし、酸化ジルコニウム、酸化ガリウム、酸化ケイ素を任意成分とする金属酸化物で構成された触媒を製造する方法であって、前記金属成分を含む酸性金属塩水溶液と沈殿剤水溶液の水中混合により得た金属化合物前駆体の乾燥工程において、乾燥後の触媒前駆体中の水分が、8〜17重量%の範囲になるように温度、圧力を制御した後、焼成することによって得られる水素と炭素酸化物からメタノールを合成する触媒の製造方法である。
前記金属化合物前駆体の乾燥は100〜400℃の範囲で実施されることが望ましい。また、前記触媒は打錠により成形されることが望ましい。
また、前記焼成は、300〜700℃の範囲で実施するのが望ましい。
本発明による銅系触媒の製造方法は、従来と同等の活性を有する触媒を、従来よりも少ない工程で製造することができる。工程数の削減は、製造コスト低減に繋がるため極めて有用である。
実施例に記載のケーキ1とケーキ2の熱天秤分析のチャートを示したものである。
〈触媒〉
本発明の製造方法によって製造される銅系触媒は、酸化銅、酸化亜鉛、酸化アルミニウムを必須成分とし、さらに酸化ジルコニウム、酸化ガリウム、および酸化ケイ素を任意成分とする金属酸化物で構成された触媒である。また、本発明の趣旨を損なわない範囲であれば、他の酸化物を含んでいてもよい。
各成分の割合は、触媒全体を100重量%とするとき、酸化銅が20〜60重量%、好ましくは30〜50重量%であり、酸化亜鉛が10〜50重量%、好ましくは20〜40重量%であり、酸化アルミニウムが2〜10重量%、好ましくは4〜8重量%であり、酸化ジルコニウムが0〜40重量%、好ましくは10〜20重量%であり、酸化ガリウムが0〜10重量%、好ましくは0.1〜5重量%であり、酸化ケイ素が 0〜2重量%、好ましくは0.3〜 0.9重量%である。このような量的範囲の触媒の製造において、本発明は適用できる。その組成は、目的反応に応じて適切に変更することができ、それによって、その反応に適した触媒性能を得ることができる。
本発明の製造方法においては、任意成分とする酸化ケイ素はコロイダルシリカまたは水中溶存シリカに由来するものであっても良い。また、コロイダルシリカと水中溶存シリカとを併用してもよい。
水中溶存シリカを用いる場合は、天然淡水、水道水、井戸水、工業用水などを用いることができる。これらの水は、20ppm 前後ないし100ppm 程度の溶存シリカを含んでいる。溶存シリカは、検水について、モリブデン黄法またはモリブデン青法による吸光光度法により測定されるシリカ(比色シリカと通称される)である。
〈触媒の製造〉
本発明における触媒製造法は、成形時の工程簡略化を目指したものであるが、その触媒の組成を目的とする反応に合わせて最適化することは、先に述べたように、その性能を最大限に引き出すために重要である。
従来の上記メタノール製造用触媒は、金属成分の水溶性塩を含む水溶液からなるA液と塩基性物質を含む沈殿剤の水溶液からなるB液とを混合して触媒前駆体となる沈澱物を形成し、適宜、熟成し、ついで沈殿剤を除去するために洗浄を行い、そして洗浄後の沈澱物を乾燥した後、280〜690℃で焼成処理して焼成物となすことにより製造される。
ここで、A液とB液とを混合して沈澱物を形成させるに際しては、A液とB液とを一括混合してA液中の成分を沈澱させる方法のほか、A液を2以上に分割し、まず金属化合物のうちの1成分または2以上の成分を含む水溶液からなるA液と塩基性物質を含む水溶液からなるB液とを混合してA液中の成分を沈澱させ、ついでその沈澱物を含む液中に金属化合物のうちの残りの成分を含む水溶液からなるA液を加えて同様に沈澱させる沈澱法も採用される。混合の仕方には、そのほか種々のバリエーションが可能である。
上記金属成分の水溶性塩としては、水溶性の良好な硝酸塩や亜硝酸塩が好適に用いられる。前記塩基性物質としては、たとえば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属塩が好適に用いられる。また、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムを用いる場合には、COガスを吹き込むことも併用される。
沈澱物の形成後は、高活性な触媒前駆体とするため、適宜、熟成を行い、ついで洗浄を行う。ここでの洗浄は、沈殿剤であるアルカリ金属塩を除去するために行われるが、この洗浄が不十分で、アルカリ金属が多く残留すると後のメタノール製造時の触媒において活性が著しく低下することが知られている。そのため、通常、この洗浄はアルカリ金属が、メタノール合成反応に影響しないレベルに除去されるまで行われる。一般的な洗浄の方法としては、溶液中の沈殿物を、圧搾するなどしてフィルター濾過により溶存する沈殿剤とともに水分を除去した後、沈殿物に清浄な水を添加して、沈殿物を添加した水に再分散させる。この沈殿物を水に分散させたスラリーを再び、濾過する。この一連の操作を沈殿物中の沈殿剤が、目標とする濃度以下になるまで繰り返すという方法が取られる。あるいは、スラリーを濾板の中で濾過してケーキ状の沈殿物にした後、ケーキ状沈殿物の上から洗浄水を流してケーキ状沈殿物中に存在する濾液を置換して追い出す置換洗浄が行われる。
得られたケーキ状の沈殿は乾燥、成形、焼成して金属酸化物となる。一般に、工業触媒として使用する場合、これらの触媒の成形は必須である。触媒の成形方法としては、押出し成形や打錠成形が一般的であるが、固定床反応器に充填して使用する場合には、触媒が微粉化したり、あるいは欠けたりすることが少なく、また、圧損のばらつきが少ない、形状がそろった打錠成形が好ましい。打錠成形を行う場合、粉体状の触媒を、打錠器の臼の中に充填し、杵を押し下げて成形する。したがって、まず、粉体は、熱処理により、余分の水分を除去する。このとき、焼成まで行っても良いが、成形前に焼成を行うと成形後に焼成時の脱水収縮により強度をあげることができないため、通常は、打錠前は実際の焼成より低い温度で乾燥する。通常は100℃〜焼成温度の間で、好ましくは焼成温度より、100〜300℃低い温度で行う。また、粉体は、臼の中に速やかに、かつ、均一に充填できるようにある範囲の大きさに粒径をそろえなければならない。触媒の粒子をそろえるためには、乾燥後、触媒をスクリーンにかけることが通常行われるが、先のケーキ状の沈殿をスラリー状態にして、噴霧造粒することもできる。粒子の大きさとしては、臼の大きさにもよるが、一般的には数十μmからサブmm程度である。次に、打錠する際、打錠器の杵が滑らかに動くほど粉体の成形はし易くなるので、触媒粉体中にグラファイトなどの杵が動きやすくする滑剤を添加するのが一般的である。この滑剤の量はその成形体の成形状態によって、適宜調整できるものであるが、一般的には触媒粉体に対して、1〜10重量%の添加量である。
また、打錠は、その圧縮力によって粉体を固められて成形するが、できた成形体の強度は少ない圧縮力でできるだけ高いのが好ましく、一般的には粉体粒子の結合力が大きくなるように、粉体中にある程度の水分を含ませる。この水分は粉体中に均一に分散していないと、強度にばらつきがでるので、場合によっては、水分を均一に分散させるために養生などを行う。また、水の添加量については、予め、強度と水の量の関係から、最適水量を調べておく。
したがって、粉体の成形、特に、打錠に際しては、その前処理として、触媒前駆体の粒径を揃えて微粉化する、滑剤を添加し均一に混合する、水を添加し均一に混合する、というように多くの工程を必要とするとされていた。
このような操作の煩雑さに鑑み、本発明者らが検討した結果、触媒前駆体の水の含水率を8〜17%に制御する事が、上記打錠の要否に関わらず特に重要であることを見出し、本発明に至った。(尚、本願の含水率は600℃焼成した触媒の含水率をゼロとした場合の値である。) すなわち、本発明では、触媒前駆体の熱処理温度、圧力を制御することにより、触媒中に残存する水分量を制御すれば、上記の水添加や、均一に分散させるための混合、養生を省略でき、工程を簡略化しても、高活性、高耐久性の触媒を製造できることを見出した。この場合、処理温度が同じであれば、その乾燥時間は多少異なっていても、残存する水分量に大きな差は見られない。ここで、処理する温度としては、その打錠条件にもよるが、100℃以上、好ましくは200℃以上、より好ましくは250℃以上を下限とする。一方、上限は550℃、好ましくは400℃、より好ましくは300℃である。乾燥時間は特に、限定されないが、0.1時間以上が好ましい。より好ましくは0.5時間である。上限は特に設定する必要はないが、生産性を考慮すると10時間、好ましくは5時間である。また乾燥工程での圧力は真空〜0.2MPaが好ましい。より好ましくは真空〜常圧の範囲である。また前記乾燥工程は、空気の他、窒素などの不活性気体の気流下に実施しても良い。
熱処理温度による水の含有率は本発明の触媒の場合、8〜17%であり、この様に乾燥工程を制御すれば、水添加、混合、養生の工程無しでも、高活性、高耐久性の触媒を得ることが出来る。更には、触媒を成形した時、特には打錠成形したときに、割れなどが起こらず、圧壊強度の高い触媒を得ることが出来る。
水の含有率と熱処理温度とは一定の関係にあることが多い。この関係は、たとえば、熱天秤測定などによって、決定することができる。上記の関係は装置の形状などには特に限定されず、一般的な、焼成器で乾燥しても同様の結果が得られる事が多い。前処理後の触媒前駆体は例えば打錠により成形されるが、この時の打錠の装置は通常の打錠機で、特に限定されるものではない。
前記の触媒前駆体は280〜690℃、好ましくは350〜680℃、特に好ましくは480〜670℃で焼成処理する。焼成は酸素雰囲気下(通常は空気中)で行い、これにより上記の金属成分は酸化物の形態となる。
このようにして得られる触媒は、例えば以下の反応に用いられる。触媒の粒子径や形状は、反応方式、反応器の形状によって任意に選択しうる。
〈反応〉
上記の触媒は、水素と炭素酸化物からメタノールを合成する反応またはその逆反応のための触媒として有用である。
なお上記の触媒を反応に供するにあたっては、この触媒をそのまま使用することもできるが、使用に先立ちH2 ガスまたはH2 −N2 混合ガスなどの還元性ガスで還元することが好ましい。
メタノ−ル合成の場合には、水素と炭素酸化物(CO2 単独あるいはCO2 とCOとの混合ガス)からなる原料ガスを触媒上で反応させてメタノ−ルを合成する。このときの反応は、典型的には、反応温度150〜300℃、反応圧力1〜10MPaにて行われる。その逆反応の場合には、メタノールを水素と炭素酸化物とに分解することができる。このときの反応は、典型的には、反応温度200〜400℃、反応圧力大気圧〜1MPaにて行われる。これらの反応は、気相、液相のいずれでも行うことができる。液相で反応を行うときの溶媒としては、炭化水素系溶媒をはじめ、水不溶性ないし水難溶性の溶媒が用いられる。
〈作用〉
本発明の銅系触媒にあっては、必須成分である酸化銅、酸化亜鉛および酸化アルミニウム(および任意成分である酸化ジルコニウム、酸化ガリウム、酸化パラジウム、酸化ケイ素)が骨格であって、前記の乾燥工程を経た後480〜690℃という温度領域で焼成処理を行うことにより、触媒は高活性となり、しかもその活性が長期にわたって維持された耐久性のすぐれたものとなる。
以上、本発明の触媒の製造方法は、従来より少ない工程で前記触媒を製造できるので、特に工業的製法として有用である。
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
〈触媒の製造〉
(触媒粉体の製造)
以下の工程は全て常圧下で行った。
硝酸銅三水和物5.6kg、硝酸亜鉛六水和物4.1kg、硝酸アルミニウム九水和物1.4kg、亜硝酸ジルコニウム二水和物2.0kgおよびコロイダルシリカ(日産化学工業株式会社製「スノーテックスST−O」無水ケイ酸(SiO2 )含有量が20〜21重量%)0.1kgを蒸留水に溶解して、38Lの水溶液を調製し、A液とした。これとは別に、炭酸ナトリウム十水和物 15.7kgを蒸留水に溶解して38Lの水溶液を調製し、B液とした。
(ケーキ1)激しく撹拌した125Lの蒸留水中に、A液とB液を同時にいずれも200ml/minの速度で滴下した(この方法を共沈法と称する)。これを一昼夜放置した後、得られた沈澱物を2.4m3の蒸留水で洗浄した後、加圧濾過器により、ケーキを回収した。
(ケーキ2)ケーキ1と同様にして得られた沈殿物を10m3の蒸留水で洗浄した後、加圧濾過器により、ケーキを回収した。
回収したケーキ1を500℃で2時間乾燥した。このときの含水率を600℃処理した触媒に対して測定したところ、1wt%であった。これに2wt%から、2wt%ずつ水添加量を増やしながら16wt%まで添加し、強度の最も高くなる水添加量は、13wt%であることを確認した。別に、回収ケーキ1、及びケーキ2を熱天秤で分析した。(熱天秤測定結果を図1に示す)熱天秤分析より、ケーキ1、及びケーキ2ともに、13wt%の含水率は280℃で熱処理したときに相当することを確認した。
実施例1
得られた回収ケーキ1を280℃で2時間乾燥後(含水率13%)、50〜100メッシュに粒径をそろえ、滑剤を添加し、そのまま3mmタブレットに成形した。成形後、600℃で焼成し、製品としての触媒を得た。
比較例1
得られた回収ケーキ1を、500℃で2時間乾燥後(含水率1%)、50〜100メッシュに粒径をそろえ、滑剤を添加した。さらに、水を触媒に対して12wt%添加後、1日養生した。この粉体を、3mmタブレットに成形した。成形後、600℃で焼成し、製品としての触媒を得た。
表1に実施例1と比較例1の触媒の側面での圧壊強度、及び、メタノール合成反応の結果を示す。ここで、メタノール合成反応は以下のようにして行った。
反応管に上記で得た触媒2mlを充填し、300℃にて、H2 10vol%とN2 90vol%とからなる温度300℃の還元性ガスを2時間通して還元した後、CO2 25vol%、H2 75vol%の混合ガスを20リットル/hrの速度で触媒層に通し、圧力5MPa、温度250℃の条件にて反応を行った。反応生成ガスをガスクロマトグラフで分析し、反応時間とメタノール生成量との関係を求めた。反応開始後、5時間でのメタノール生成量(g-MeOH/L-Cat/hr)を触媒初期活性とした。
上記実施例1と比較例1から、本願の製造方法によれば、水添加、一日養生無しでも性能は同等の触媒が得られることが分かる。
Figure 2010194419

Claims (4)

  1. 酸化銅、酸化亜鉛、酸化アルミニウムを必須成分とし、酸化ジルコニウム、酸化ガリウム、酸化ケイ素を任意成分とする金属酸化物で構成された触媒を製造する方法であって、上記金属成分を含む酸性金属塩水溶液と塩基性水溶液とを接触させて得られる金属化合物前駆体を乾燥する工程において、乾燥後の触媒前駆体中の水分が、8〜17重量%の範囲になるように温度、圧力を制御した後、焼成することを特徴とする水素と炭素酸化物からメタノールを合成する触媒の製造方法。
  2. 金属化合物前駆体の乾燥が100〜400℃の範囲で実施されることを特徴とする請求項1に記載の触媒の製造方法。
  3. 前記触媒が打錠により成形されることを特徴とする、請求項1に触媒の製造方法。
  4. 焼成が300〜700℃の範囲で実施されることを特徴とする請求項1に記載の触媒の製造方法。
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