JP2020011228A - アルコール合成用触媒及びそれを用いたアルコールの製造方法 - Google Patents

アルコール合成用触媒及びそれを用いたアルコールの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】CO2とH2とから高収率でアルコールを合成することが可能なアルコール合成用触媒を提供すること。【解決手段】Cu、Zn、Fe、及びアルカリ土類金属を、ZnとCuとの原子比が好ましくはZn/Cu=0.1〜2.0で、FeとCuとの原子比が好ましくはFe/Cu=0.1〜2.0で、アルカリ土類金属とCuとの原子比が好ましくはアルカリ土類金属/Cu=0.01〜1.0で、含有することを特徴とするアルコール合成用触媒。【選択図】なし

Description

本発明は、アルコール合成用触媒及びそれを用いたアルコールの製造方法に関し、より詳しくは、COとHとからアルコールを合成するための触媒及びそれを用いたアルコールの製造方法に関する。
COを原料としたアルコールの合成反応は、地球温暖化対策の一つであるCOの有効利用という点で注目されている。このようなCOを原料としたアルコールの合成反応に用いられる触媒としては、例えば、特開平9−87217(特許文献1)及び特開平9−221437号公報(特許文献2)には、COの水素化反応を利用したエタノールの製造方法に用いられる触媒として、Fe、Cu、Zn及びKを、Cu/Fe=0.2〜3.0、Zn/Fe=0.2〜3.0、K/Fe=0.01〜0.5の原子比で含有する触媒が記載されている。また、Catal.Lett.、2013年、第143巻、345〜355頁(非特許文献1)には、COの水素化反応を利用したアルコールの合成方法に用いられる触媒として、K/Cu−Zn−Fe触媒が記載されており、組成がCuZnFe0.50.15の場合にアルコールの収率が最も高くなることも記載されている。しかしながら、このようなFe、Cu、Zn及びKを含有する触媒はアルコールの収率が必ずしも十分に高いものではなかった。
また、特開2012−217886号公報(特許文献3)には、COとHとからエタノールを合成するための触媒として、Cu及びZnの酸化物にアルカリ金属の酸化物を含浸させた触媒が記載されている。また、特許文献3には、アルカリ金属の酸化物の代わりにアルカリ土類金属の酸化物を含浸させた場合にはエタノールの収率が低下することも記載されている。
特開平9−87217 特開平9−221437号公報 特開2012−217886号公報
Shanggui Liら、Catal.Lett.、2013年、第143巻、345〜355頁
本発明は、上記従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、COとHとから高収率でアルコールを合成することが可能なアルコール合成用触媒、及びそれを用いたアルコールの製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、Cu、Zn、Fe、及びアルカリ土類金属を含有する触媒を用いることによって、COとHとから高収率でアルコールを合成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明のアルコール合成用触媒は、Cu、Zn、Fe、及びアルカリ土類金属を含有することを特徴とするものである。このようなアルコール合成用触媒においては、ZnとCuとの原子比がZn/Cu=0.1〜2.0であり、FeとCuとの原子比がFe/Cu=0.1〜2.0であり、アルカリ土類金属とCuとの原子比がアルカリ土類金属/Cu=0.01〜1.0である、ことが好ましく、また、前記アルカリ土類金属がCa、Sr、Baからなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。
また、本発明のアルコール合成用触媒は、Agを更に含有することが好ましい。このようなアルコール合成用触媒においては、AgとCuとの原子比がAg/Cu=0.005〜0.07であることが好ましい。
さらに、本発明のアルコールの製造方法は、前記本発明のアルコール合成用触媒にCO及びHを接触せしめてアルコールを合成することを特徴とする方法であり、前記アルコールとしては特にエタノールが好ましい。
本発明によれば、COとHとから高選択率かつ高収率でアルコールを製造することが可能となる。
実施例1〜6及び比較例1〜2で得られた触媒のエタノール収率を示すグラフである。 実施例1〜6及び比較例1〜2で得られた触媒のエタノール選択率を示すグラフである。 Sr/Cu原子比とエタノール収率との関係を示すグラフである。 実施例1、7〜8及び比較例2で得られた触媒のエタノール収率を示すグラフである。 実施例1、7〜8及び比較例2で得られた触媒のエタノール選択率を示すグラフである。
以下、本発明をその好適な実施形態に即して詳細に説明する。
〔アルコール合成用触媒〕
先ず、本発明のアルコール合成用触媒について説明する。本発明のアルコール合成用触媒は、Cu、Zn、Fe、及びアルカリ土類金属を含有するものである。前記アルカリ土類金属としては特に制限はないが、高選択率及び高収率でアルコールを合成できるという観点から、Ca、Sr、Baが好ましく、Sr、Baがより好ましく、Srが特に好ましい。
本発明のアルコール合成用触媒において、Cu、Zn、Feの形態としては特に制限はなく、メタル、酸化物、塩(例えば、炭酸塩、硝酸塩、塩化物、硫酸塩)等のいずれの形態のものが含まれていてもよいが、アルコールの合成反応時にはメタル状態のものが含まれていることが好ましい。このようなCu、Zn、Feは、例えば、触媒の調製時やアルコールの合成反応に使用する前には酸化物、塩(例えば、炭酸塩、硝酸塩、塩化物、硫酸塩)等のいずれかの状態であっても、アルコールの合成反応に使用する直前に還元処理を施すことによってメタル状態に変換することができる。また、アルコールの合成反応を還元雰囲気下で実施することによってもメタル状態に変換することができる。
また、本発明のアルコール合成用触媒において、アルカリ土類金属の形態としては特に制限はなく、メタル、酸化物、塩(例えば、炭酸塩、硝酸塩、塩化物、硫酸塩)等のいずれの形態のものが含まれていてもよい。
本発明のアルコール合成用触媒において、ZnとCuとの原子比としては、Zn/Cu=0.1〜2.0が好ましく、Zn/Cu=0.5〜1.5がより好ましい。Zn/Cuが前記範囲から逸脱すると、アルコールの選択率及び収率が低下する傾向にある。
また、本発明のアルコール合成用触媒において、FeとCuとの原子比としては、Fe/Cu=0.1〜2.0が好ましく、Fe/Cu=0.2〜1.0がより好ましい。Fe/Cuが前記範囲から逸脱すると、アルコールの選択率及び収率が低下する傾向にある。
さらに、本発明のアルコール合成用触媒において、アルカリ土類金属とCuとの原子比としては、アルカリ土類金属/Cu=0.01〜1.0が好ましく、アルカリ土類金属/Cu=0.02〜0.5がより好ましく、アルカリ土類金属/Cu=0.03〜0.25が特に好ましい。アルカリ土類金属/Cuが前記範囲から逸脱すると、アルコールの選択率及び収率が低下する傾向にある。
また、本発明のアルコール合成用触媒においては、本発明の効果を損なわない範囲において、Cu、Zn、Fe及びアルカリ土類金属以外の他の金属が更に含まれていてもよいが、例えば、COとHとからアルコールを合成する反応においてアルコールの選択率及び収率が更に向上するという観点からは、Agが更に含まれていることが特に好ましい。
本発明のアルコール合成用触媒において、このような他の金属は、Cu、Zn、Fe、及びアルカリ土類金属を含有する粒子の内部に包含されていても、表面に担持されていてもよい。また、このような他の金属(特に好ましくはAg)の形態としては特に制限はなく、メタル、酸化物、塩(例えば、炭酸塩、硝酸塩、塩化物、硫酸塩)等のいずれの形態のものが含まれていてもよい。
また、本発明のアルコール合成用触媒において、AgとCuとの原子比としては、Ag/Cu=0.005〜0.07が好ましく、Zn/Cu=0.1〜2.0がより好ましい。Zn/Cuが前記範囲から逸脱すると、Agの添加効果が十分に得られない場合がある。
このような本発明のアルコール合成用触媒の調製方法としては特に制限はないが、例えば、以下の方法によって本発明のアルコール合成用触媒を得ることができる。すなわち、先ず、Cu、Zn、Fe、及びアルカリ土類金属の各金属の塩(例えば、硝酸塩、酢酸塩、塩化物、硫酸塩)を含有する水溶液に塩基性水溶液(例えば、炭酸ナトリウム水溶液、炭酸水素ナトリウム水溶液)を滴下して沈殿物を生成させ、この沈殿物を酸化性ガス雰囲気下(例えば、大気中)で焼成することによって本発明のアルコール合成用触媒を得ることができる。
また、前記他の金属(特に好ましくはAg)を更に含有する本発明のアルコール合成用触媒の調製方法についても特に制限はないが、例えば、以下の含浸法が挙げられる。すなわち、Cu、Zn、Fe、及びアルカリ土類金属の各金属の塩(例えば、硝酸塩、酢酸塩、塩化物、硫酸塩)を含有する水溶液に塩基性水溶液(例えば、炭酸ナトリウム水溶液、炭酸水素ナトリウム水溶液)を滴下して沈殿物を生成させ、この沈殿物を、前記他の金属(特に好ましくはAg)の塩(例えば、硝酸塩、酢酸塩、塩化物、硫酸塩)を含有する水溶液に浸漬して、前記他の金属(特に好ましくはAg)の塩を前記沈殿物に含浸させた後、得られた沈殿物を酸化性ガス雰囲気下(例えば、大気中)で焼成することによって、Cu、Zn、Fe、及びアルカリ土類金属を含有する触媒に前記他の金属(特に好ましくはAg)が更に担持している本発明のアルコール合成用触媒を得ることができる。
また、前記他の金属(特に好ましくはAg)を更に含有する本発明のアルコール合成用触媒は、以下の共沈法によって調製することもできる。すなわち、Cu、Zn、Fe、アルカリ土類金属、及び前記他の金属(特に好ましくはAg)の各金属の塩(例えば、硝酸塩、酢酸塩、塩化物、硫酸塩)を含有する水溶液に塩基性水溶液(例えば、炭酸ナトリウム水溶液、炭酸水素ナトリウム水溶液)を滴下して沈殿物を生成させ、この沈殿物を酸化性ガス雰囲気下(例えば、大気中)で焼成することによって、Cu、Zn、Fe、アルカリ土類金属、及び前記他の金属(特に好ましくはAg)を含有する本発明のアルコール合成用触媒を得ることができる。
このアルコール合成用触媒の調製方法において、前記塩基性水溶液は、50〜90℃(より好ましくは、70〜80℃)で前記金属の塩を含有する水溶液に滴下することが好ましい。これにより、比表面積の高い触媒を得ることができる。また、前記金属の塩を含有する水溶液に前記塩基性水溶液を滴下することによって得られた水溶液のpHとしては8〜9が好ましい。これにより、原料溶液の組成に近い組成の触媒を得ることができる。さらに、このようにして得られた水溶液を50〜90℃(より好ましくは、70〜80℃)で0.5〜3時間(より好ましくは、1〜2時間)攪拌することが好ましい。これにより、比表面積の高い触媒を得ることができる。
このようにして得られた沈殿物の焼成温度としては、300〜500℃が好ましく、300〜350℃がより好ましい。また、焼成時間としては、3〜10時間が好ましく、5〜7時間がより好ましい。このような焼成温度及び焼成時間で前記沈殿物を焼成することによって、比表面積の高い触媒を得ることができる。
このようにして調製したアルコール合成用触媒には、通常、Cu、Zn、Fe、アルカリ土類金属、及び、必要に応じて他の金属(特に好ましくはAg)の各金属が酸化物又は塩(例えば、炭酸塩、硝酸塩、塩化物、硫酸塩)の状態で存在している。Cu、Zn及びFeの各金属の酸化物又は塩を含有するアルコール合成用触媒は、アルコールの合成反応の前に還元処理を施したり、アルコールの合成反応を還元雰囲気下で実施したりすることによって、メタル状態のCu、Zn及びFeを含有するアルコール合成用触媒に変換することができる。メタル状態のCu、Zn及びFeを含有するアルコール合成用触媒は、アルコール合成反応における触媒活性に優れており、このような本発明のアルコール合成用触媒を用いることによって、COとHとから高選択率かつ高収率でアルコールを製造することが可能となる。特に、Agを更に含有するアルコール合成用触媒は、アルコール合成反応におけるアルコールの選択性に優れており、このようなAgを更に含有する本発明のアルコール合成用触媒を用いることによって、COとHとから更に高選択率かつ高収率でアルコールを製造することが可能となる。
前記還元処理の方法としては特に制限はないが、例えば、純水素ガス雰囲気下又は水素と不活性ガスとの混合ガス雰囲気下で、Cu、Zn及びFeの酸化物又は塩を含有する触媒に加熱処理を施す方法が挙げられる。このような還元処理における加熱温度(還元処理温度)としては、250〜400℃が好ましく、300〜350℃がより好ましい。また、加熱時間(還元処理時間温度)としては、0.5〜3時間が好ましく、1〜2時間がより好ましい。このような触媒の還元処理は、触媒の再酸化を防ぐという観点から、アルコールの合成反応に使用する直前に実施することが好ましい。
また、このような使用前の還元処理の代わりに、本発明のアルコール合成用触媒を用いたアルコールの合成反応を還元雰囲気下で実施してもよい。これにより、触媒の還元処理とアルコールの合成とを同時に進行させることができる。
本発明のアルコール合成用触媒の形状としては特に制限はなく、例えば、粒子状、ペレット状、ハニカム基材に担持されたモノリス型等が挙げられる。
〔アルコールの製造方法〕
次に、本発明のアルコールの製造方法について説明する。本発明のアルコールの製造方法は、前記本発明のアルコール合成用触媒にCO及びHを接触せしめてアルコールを合成する方法である。このようなアルコール合成用触媒にCO及びHを接触させる方法としては特に制限はなく、例えば、気相固定床、気相流動床等の固体触媒反応に用いられる公知の固体触媒床を用いた方法が挙げられる。
本発明のアルコールの製造方法において、COとHのモル比としてはCO/H=1/20〜1/3が好ましく、1/10〜1/3がより好ましい。CO/Hが前記下限未満になると、CO原料比が低下し、時間あたりのアルコール生成量が低下する傾向にあり、他方、前記上限を超えると、COの添加率が下がり、収率が低下する傾向にある。また、触媒の還元処理とアルコールの合成とを同時に進行させる場合においても、COとHのモル比としてはCO/H=1/20〜1/3が好ましく、1/10〜1/3がより好ましい。CO/Hが前記下限未満になると、CO原料比が低下し、時間あたりのアルコール生成量が低下する傾向にあり、他方、前記上限を超えると、触媒が十分に還元されず、アルコール合成反応において高い触媒活性が得られず、アルコールの選択率及び収率が低下する傾向にある。
また、アルコール合成用触媒にCO及びHを接触させる際の温度(反応温度)としては、250〜350℃が好ましく、280〜320℃がより好ましい。また、反応圧力としては、0.1〜10MPaが好ましく、0.5〜5MPaがより好ましい。
このようにして得られるアルコールは、主としてエタノールであるが、本発明のアルコールの製造方法によって得られるアルコールには、メタノール、プロパノール、ブタノール等のエタノール以外のアルコールが含まれていてもよい。
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
先ず、イオン交換水に硝酸銅、硝酸亜鉛、硝酸鉄及び硝酸ストロンチウムを各金属の原子比がCu:Zn:Fe:Sr=1:1:0.5:0.15となるように溶解して原料溶液Aを調製した。また、炭酸ナトリウムをイオン交換水に溶解して原料溶液Bを調製した。なお、原料溶液B中の炭酸ナトリウム濃度は、前記原料溶液Aと前記原料溶液Bとを同量混合した場合に、得られる溶液のpHが8〜9の範囲内となるように調整した。
次に、前記原料溶液A及び前記原料溶液Bをそれぞれ70℃に加温し、送液ポンプを用いて前記原料溶液Bに同量の前記原料溶液Aを滴下した。滴下終了後、80℃で1時間撹拌し、得られた沈殿物を遠心分離により回収し、イオン交換水による洗浄と遠心分離とを繰返して精製した後、110℃で一晩乾燥させ、固形物を得た。この固形物を大気中、350℃で6時間焼成して触媒粉末を得た。この触媒粉末を冷間等方圧プレス法(CIP法)により粒径0.5〜1.0mmのペレット状に成形してCuとZnとFeとSrとを含有する触媒ペレットを調製した。
(実施例2)
各金属の原子比がCu:Zn:Fe:Sr=1:1:0.5:0.05となるように原料溶液Aを調製した以外は実施例1と同様にしてCuとZnとFeとSrとを含有する触媒ペレット(粒径:0.5〜1.0mm)を調製した。
(実施例3)
各金属の原子比がCu:Zn:Fe:Sr=1:1:0.5:0.10となるように原料溶液Aを調製した以外は実施例1と同様にしてCuとZnとFeとSrとを含有する触媒ペレット(粒径:0.5〜1.0mm)を調製した。
(実施例4)
各金属の原子比がCu:Zn:Fe:Sr=1:1:0.5:0.30となるように原料溶液Aを調製した以外は実施例1と同様にしてCuとZnとFeとSrとを含有する触媒ペレット(粒径:0.5〜1.0mm)を調製した。
(実施例5)
硝酸ストロンチウムの代わりに硝酸バリウムを用い、各金属の原子比がCu:Zn:Fe:Ba=1:1:0.5:0.15となるように原料溶液Aを調製した以外は実施例1と同様にしてCuとZnとFeとBaとを含有する触媒ペレット(粒径:0.5〜1.0mm)を調製した。
(実施例6)
イオン交換水に硝酸銀を溶解して原料溶液Cを調製した。この原料溶液Cに、実施例1と同様にして調製した固形物(Cu:Zn:Fe:Sr=1:1:0.5:0.15)を浸漬して、各金属の原子比がCu:Zn:Fe:Sr:Ag=1:1:0.5:0.15:0.01となるように前記固形物に硝酸銀を含浸させた。その後、この固形物を乾燥し、さらに、大気中、350℃で6時間焼成して触媒粉末を得た。この触媒粉末を冷間等方圧プレス法(CIP法)により粒径0.5〜1.0mmのペレット状に成形してCuとZnとFeとSrとAgとを含有する触媒ペレットを調製した。
(実施例7)
各金属の原子比がCu:Zn:Fe:Sr:Ag=1:1:0.5:0.15:0.02となるように前記固形物に硝酸銀を含浸させた以外は実施例6と同様にしてCuとZnとFeとSrとAgとを含有する触媒ペレット(粒径:0.5〜1.0mm)を調製した。
(実施例8)
各金属の原子比がCu:Zn:Fe:Sr:Ag=1:1:0.5:0.15:0.05となるように前記固形物に硝酸銀を含浸させた以外は実施例6と同様にしてCuとZnとFeとSrとAgとを含有する触媒ペレット(粒径:0.5〜1.0mm)を調製した。
(比較例1)
硝酸ストロンチウムを用いず、各金属の原子比がCu:Zn:Fe:Sr=1:1:0.5:0となるように原料溶液Aを調製した以外は実施例1と同様にしてCuとZnとFeとを含有する触媒ペレット(粒径:0.5〜1.0mm)を調製した。
(比較例2)
先ず、イオン交換水に硝酸銅、硝酸亜鉛及び硝酸鉄を各金属の原子比がCu:Zn:Fe=1:1:0.5となるように溶解して原料溶液Aを調製した。また、炭酸ナトリウムをイオン交換水に溶解して原料溶液Bを調製した。なお、原料溶液B中の炭酸ナトリウム濃度は、前記原料溶液Aと前記原料溶液Bとを同量混合した場合に、得られる溶液のpHが8〜9の範囲内となるように調整した。
次に、前記原料溶液A及び前記原料溶液Bをそれぞれ70℃に加温し、送液ポンプを用いて前記原料溶液Bに同量の前記原料溶液Aを滴下した。滴下終了後、80℃で1時間撹拌し、得られた沈殿物を遠心分離により回収し、イオン交換水による洗浄と遠心分離とを繰返して精製した後、110℃で一晩乾燥させ、固形物を得た。
次に、イオン交換水にKCOを溶解し、得られた水溶液を前記固形物に各金属の原子比がCu:Zn:Fe:K=1:1:0.5:0.15となるように含浸させた後、固形物を乾燥させ、さらに大気中、350℃で6時間焼成して触媒粉末を得た。この触媒粉末を冷間等方圧プレス法(CIP法)により粒径0.5〜1.0mmのペレット状に成形してCuとZnとFeとKとを含有する触媒ペレットを調製した。
<蛍光X線分析(XRF)>
得られた触媒粉末の元素分析を、走査型蛍光X線分析装置(株式会社リガク製「ZSX PrimusII」)を用いて行い、各金属の含有原子比を求めた。表1には、実施例1及び5で得られた触媒粉末の各金属の含有原子比を示す。
表1に示したように、得られた触媒ペレットの各金属の含有原子比は仕込原子比とほぼ一致することが確認された。
<エタノールの合成(1)>
先ず、得られた触媒ペレット(粒径:0.5〜1.0mm)を反応容器(内径:20mm)に触媒層の容積が5mlとなるように充填し、この触媒層にH(30%)とN(70%)とからなる還元性ガスを流量500ml/分で供給しながら、反応容器内の温度:300℃、反応容器内の全圧:2MPa(ゲージ圧)の条件で1時間の還元処理を行った。
次に、還元処理後の触媒層にCO(20%)とH(60%)とN(20%)とからなる原料ガスを流量500ml/分で供給しながら、反応容器内の温度:300℃、反応容器内の全圧:2MPa(ゲージ圧)の条件でエタノールの合成反応を行った。
フーリエ変換赤外分光光度計(FT−IR)を用いて、反応容器(触媒層)の出ガス中のエタノール濃度を測定し、エタノール濃度が一定となった時点のエタノールの選択率及び収率を下記式により算出した。その結果を表2及び図1〜図3に示す。
エタノール選択率[%]=エタノール生成量[ppmC]/CO反応量[ppmC]
×100
エタノール収率[%]=CO転化率[%]×エタノール選択率[%]/100
表2及び図1に示したように、Cu、Zn、Fe及びアルカリ土類金属を含有する触媒を用いた場合(実施例1〜5)には、アルカリ土類金属を含まない触媒を用いた場合(比較例1)及びアルカリ土類金属の代わりにKを含有する触媒を用いた場合(比較例2)に比べて、エタノールの収率が向上することがわかった。これは、実施例1〜5及び比較例1〜2で得られた触媒についてはCOの転化率が同程度であったことから、表2及び図2に示したように、実施例1〜5で得られた触媒が比較例1〜2で得られた触媒に比べて、エタノールの選択率が向上したことによるものであることがわかった。
また、表2及び図1〜図2に示したように、Cu、Zn、Fe、アルカリ土類金属及びAgを含有する触媒を用いた場合(実施例6)には、Cu、Zn、Fe及びアルカリ土類金属を含有する触媒を用いた場合(実施例1)に比べて、エタノールの収率は同程度であったが、エタノールの選択率が大きく増加することがわかった。このことから、Cu、Zn、Fe及びアルカリ土類金属を含有する触媒にAgを添加することによって、エタノールの合成反応における副生成物の量が低減され、合成後にエタノールと副生成物とを分離するために必要なエネルギーを削減でき、また、触媒出ガスをエタノールの合成に繰返し使用する場合には、副生成物の影響を低減できることがわかった。
さらに、図3に示したように、SrとCuとの原子比がSr/Cu=0.03〜0.24の場合に特に高収率でCOとHとからエタノールを合成できることがわかった。
<エタノールの合成(2)>
原料ガスとしてCO(25%)とH(75%)とからなる原料ガスを用いた以外は前記<エタノールの合成(1)>と同様にして、エタノールの合成反応を行い、エタノールの選択率及び収率算出した。その結果を表3及び図4〜図5に示す。
表3及び図4に示したように、Cu、Zn、Fe及びアルカリ土類金属を含有する触媒にAgを添加した場合、添加量が増加するにつれてエタノールの収率が増大することがわかった。これは、原料ガスとしてCO(25%)とH(75%)のみからなるガスを用いた場合には、実施例1、7〜8で得られた触媒はCOの転化率が同程度であったことから、表3及び図5に示したように、Agの添加量が増加するにつれてエタノールの選択率が向上したことによるものであることがわかった。
以上説明したように、本発明によれば、高選択率かつ高収率でアルコールを合成することが可能な触媒を得ることができる。したがって、本発明のアルコール合成用触媒は、COとHとから高選択率かつ高収率でアルコールを合成することが可能な触媒として有用であり、また、このようなアルコール合成用触媒を用いた本発明のアルコールの製造方法は、COとHとから効率的にアルコールを製造することが可能な方法として有用である。

Claims (7)

  1. Cu、Zn、Fe、及びアルカリ土類金属を含有することを特徴とするアルコール合成用触媒。
  2. ZnとCuとの原子比がZn/Cu=0.1〜2.0であり、
    FeとCuとの原子比がFe/Cu=0.1〜2.0であり、
    アルカリ土類金属とCuとの原子比がアルカリ土類金属/Cu=0.01〜1.0である、ことを特徴とする請求項1に記載のアルコール合成用触媒。
  3. 前記アルカリ土類金属がCa、Sr、Baからなる群から選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項1又は2に記載のアルコール合成用触媒。
  4. Agを更に含有することを特徴とする請求項1〜3のうちのいずれか一項に記載のアルコール合成用触媒。
  5. AgとCuとの原子比がAg/Cu=0.005〜0.07であることを特徴とする請求項4に記載のアルコール合成用触媒。
  6. 請求項1〜5のうちのいずれか一項に記載のアルコール合成用触媒にCO及びHを接触せしめてアルコールを合成することを特徴とするアルコールの製造方法。
  7. 前記アルコールがエタノールであることを特徴とする請求項6に記載のアルコールの製造方法。
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