JPWO2009119860A1 - フィルム用ポリアミド樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
Description
本願は、2008年3月27日に日本国特許庁に出願した特願2008−84299号に基づく優先権を主張するものであり、その出願の内容はここに参照して含めるものである。
技術分野
本発明は、フィルム延伸時の破断の発生を防止し、かつ透明性、滑り性、印刷性に優れたフィルム用ポリアミド樹脂組成物に関する。
かかるポリアミドフィルムの滑り性向上のために、無機フィラー粒子を配合する方法(特公昭54−4741号公報参照)や、ポリエチレンを配合する方法(特公昭53−45226号公報参照)等が提案されている。
しかしながら、ポリエチレンを配合する方法では、ポリアミド樹脂との親和性が乏しいことから、フィルムの透明性の大幅な悪化を招くと同時に、ポリアミドフィルムの特徴である優れた機械的強度の大幅な低下を引き起こす。
さらに、無機フィラー粒子を配合させることで滑り性を向上する方法において、無機フィラー粒子を十分な量使用することで、満足しうる滑り性が付与されたフィルムを得ることが可能となるが、その配合量が多くなりすぎると、フィルム中での無機フィラー粒子の均一な分散が妨げられ、ポリアミドフィルムの特徴である透明性の著しい低下を招き、その商品価値が損なわれてしまうといった欠点を有しており、その配合量が制約されていた。
その上、無機粒子を配合する方法では、フィッシュアイと称される粒状欠陥や、ダイラインと称される筋状の外観不良が生じ易く、ダイのリップ口にポリマー劣化物、添加剤の凝集体が蓄積した目脂の発生が早くなるため、外観に優れた高品質フィルムを安定的に生産することは難しい。さらに、無機フィラー粒子の配合により頻繁に押出機を停止させダイのリップ口を浄化することが強いられ、生産効率の低下を余儀なくされていた。
一方、滑り性を損なわずダイライン、目脂の発生を抑える様々な方法として、無機フィラー粒子及びヒドロキシ脂肪酸マグネシウム塩を配合する方法(特開平6−179813号公報参照)、あるいは無機フィラー粒子及び酸化亜鉛と塩基性脂肪酸マグネシウムの混合物を配合する方法(特開平8−73734号公報参照)が提案されている。しかしながら、前者の場合、ヒドロキシ脂肪酸マグネシウム塩によるダイライン、目脂発生の抑制効果が乏しく、満足しうる結果を得るために、実質、ヒドロキシ脂肪酸マグネシウム塩を相当量配合せしめる必要があり、そのため印刷性が損なわれるといった欠点を有していた。後者の場合、酸化亜鉛と塩基性脂肪酸マグネシウムの混合物での改良では、ダイライン発生の抑制効果を得られたものの、フィルム生産機での長時間運転による目脂発生の防止効果が乏しく、実使用面では問題点を有していた。また、これらの文献においては、延伸時の破断防止効果に対する記載はなく、延伸時の破断が少なく、長時間の連続安定製膜が可能で、なおかつ、透明性、滑り性、印刷性に優れたポリアミドフィルムは工業的に得られていないのが現状であった。
本発明者らは、前述の問題点を解決するフィルム用ポリアミド樹脂組成物の開発を目的に鋭意検討した結果、オルガノポリシロキサンにより表面処理された無機フィラー粒子とヒドロキシ脂肪酸マグネシウム塩を配合した樹脂組成物よりなるポリアミドフィルムが上記課題を解決することを見い出し、本発明に到達した。オルガノポリシロキサンにより表面処理された無機フィラー粒子及びヒドロキシ脂肪族マグネシウム塩は、それぞれ単独でフィルム用ポリアミド樹脂組成物として配合されることは公知であるが、本発明者らはこれらを特定の割合にてヒドロキシ脂肪族マグネシウム塩とオルガノポリシロキサンにより表面処理された無機フィラー粒子とを併用することにより、驚くべき相乗効果が得られることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、ポリアミド樹脂100質量部に対し、(A)オルガノポリシロキサンにより表面処理された無機フィラー粒子を0.01〜0.2質量部、(B)ヒドロキシ脂肪酸マグネシウム塩を0.003〜0.1質量部を配合してなることを特徴とするフィルム用ポリアミド樹脂組成物に関するものである。
本発明のポリアミド樹脂組成物は、特定の無機フィラー粒子とヒドロキシ脂肪酸マグネシウム塩を含有していることから、透明性、滑り性を維持したまま、印刷性に優れ、延伸時の破断の発生を防止することから連続生産性に優れるという特性を有している。
本発明のポリアミド樹脂組成物は、ポリアミド樹脂100質量部に対し、(A)オルガノポリシロキサンにより表面処理された無機フィラー粒子を0.01〜0.2質量部、(B)ヒドロキシ脂肪酸マグネシウム塩を0.003〜0.1質量部を配合してなる。
本発明で使用されるポリアミド樹脂は、ラクタム、アミノカルボン酸、又はジアミンとジカルボン酸とからなるナイロン塩を原料として、溶融重合、溶液重合や固相重合等の公知の方法で重合、又は共重合することにより得られる。
ラクタムとしては、カプロラクタム、エナントラクタム、ウンデカンラクタム、ドデカンラクタム、α−ピロリドン、α−ピペリドン等、アミノカルボン酸としては、6−アミノカプロン酸、7−アミノヘプタン酸、9−アミノノナン酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸等が挙げられる。これらは1種又は2種以上を用いることができる。
また、ナイロン塩を構成するジアミンとしては、エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、トリデカメチレンジアミン、テトラデカメチレンジアミン、ペンタデカメチレンジアミン、ヘキサデカメチレンジアミン、ヘプタデカメチレンジアミン、オクタデカメチレンジアミン、ノナデカメチレンジアミン、エイコサメチレンジアミン、2/3−メチル−1,5−ペンタンジアミン、2−メチル−1,8−オクタンジアミン、2,2,4/2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、5−メチル−1,9−ノナンジアミン等の脂肪族ジアミン、1,3/1,4−シクロヘキサンジアミン、1,3/1,4−シクロヘキサンジメチルアミン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)プロパン、ビス(3−メチル−4−アミノシクロヘキシル)メタン、ビス(3−メチル−4−アミノシクロヘキシル)プロパン、5−アミノ−2,2,4−トリメチル−1−シクロペンタンメチルアミン、5−アミノ−1,3,3−トリメチルシクロヘキサンメチルアミン(イソホロンジアミン)、ビス(アミノプロピル)ピペラジン、ビス(アミノエチル)ピペラジン、ノルボルナンジメチルアミン、トリシクロデカンジメチルアミン等の脂環式ジアミン、パラキシリレンジアミン、メタキシリレンジアミン等の芳香族ジアミンが挙げられる。これらは1種又は2種以上を用いることができる。
一方、ナイロン塩を構成するジカルボン酸としては、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカンジカルボン酸、ドデカンジカルボン酸、トリデカンジカルボン酸、テトラデカンジカルボン酸、ペンタデカンジカルボン酸、ヘキサデカンジカルボン酸、オクタデカンジカルボン酸、エイコサンジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸、1,3/1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、ジシクロヘキサンメタン−4,4’−ジカルボン酸、ノルボルナンジカルボン酸等の脂環式ジカルボン酸、イソフタル酸、テレフタル酸、1,4/2,6/2,7−ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸が挙げられる。これらは1種又は2種以上を用いることができる。
本発明において、これらラクタム、アミノカルボン酸、又はジアミンとジカルボン酸とからなるナイロン塩から誘導される単一重合体又は共重合体を各々単独又は混合物の形で用いる事ができる。
使用されるポリアミド樹脂の具体例としては、ポリカプロラクタム(ポリアミド6)、ポリウンデカンラクタム(ポリアミド11)、ポリドデカンラクタム(ポリアミド12)、ポリエチレンアジパミド(ポリアミド26)、ポリテトラメチレンアジパミド(ポリアミド46)、ポリヘキサメチレンアジパミド(ポリアミド66)、ポリヘキサメチレンアゼラミド(ポリアミド69)、ポリヘキサメチレンセバカミド(ポリアミド610)、ポリヘキサメチレンウンデカミド(ポリアミド611)、ポリヘキサメチレンドデカミド(ポリアミド612)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド(ポリアミド6T)、ポリヘキサメチレンイソフタルアミド(ポリアミド6I)、ポリヘキサメチレンヘキサヒドロテレフタラミド(ポリアミド6T(H))、ポリノナメチレンアジパミド(ポリアミド96)、ポリノナメチレンアゼラミド(ポリアミド99)、ポリノナメチレンセバカミド(ポリアミド910)、ポリノナメチレンドデカミド(ポリアミド912)、ポリノナメチレンテレフタラミド(ポリアミド9T)、ポリトリメチルヘキサメチレンテレフタラミド(ポリアミドTMHT)、ポリノナメチレンヘキサヒドロテレフタラミド(ポリアミド9T(H))、ポリノナメチレンナフタラミド(ポリアミド9N)、ポリデカメチレンアジパミド(ポリアミド106)、ポリデカメチレンアゼラミド(ポリアミド109)、ポリデカメチレンデカミド(ポリアミド1010)、ポリデカメチレンドデカミド(ポリアミド1012)、ポリデカメチレンテレフタラミド(ポリアミド10T)、ポリデカメチレンヘキサヒドロテレフタラミド(ポリアミド10T(H))、ポリデカメチレンナフタラミド(ポリアミド10N)、ポリドデカメチレンアジパミド(ポリアミド126)、ポリドデカメチレンアゼラミド(ポリアミド129)、ポリドデカメチレンセバカミド(ポリアミド1210)、ポリドデカメチレンドデカミド(ポリアミド1212)、ポリドデカメチレンテレフタラミド(ポリアミド12T)、ポリドデカメチレンヘキサヒドロテレフタラミド(ポリアミド12T(H))、ポリドデカメチレンナフタラミド(ポリアミド12N)、ポリメタキシリレンアジパミド(ポリアミドMXD6)、ポリビス(4−アミノシクロヘキシル)メタンドデカミド(ポリアミドPACM12)、ポリビス(4−アミノシクロヘキシル)メタンテレフタラミド(ポリアミドPACMT)、ポリビス(4−アミノシクロヘキシル)メタンイソフタラミド(ポリアミドPACMI)、ポリビス(3−メチル−4−アミノシクロヘキシル)メタンドデカミド(ポリアミドジメチルPACM12)、ポリイソホロンアジパミド(ポリアミドIPD6)、ポリイソホロンテレフタラミド(ポリアミドIPDT)やこれらの原料モノマーを用いたポリアミド共重合体が挙げられる。これらは1種又は2種以上を用いることができる。好ましいポリアミド樹脂としては、得られるフィルムの耐熱性、機械的強度、透明性、経済性、入手の容易さ等を考慮して、ポリアミド6、ポリアミド12、ポリアミド66、ポリアミド6/66共重合体(ポリアミド6とポリアミド66の共重合体、以下、共重合体は同様に記載)、ポリアミド6/69共重合体、ポリアミド6/610共重合体、ポリアミド6/611共重合体、ポリアミド6/612共重合体、ポリアミド6/12共重合体、ポリアミド6/66/12共重合体、ポリアミド6/6T共重合体、ポリアミド6/6I共重合体、ポリアミド6/IPD6共重合体、ポリアミド6/IPDT共重合体、ポリアミド66/6T共重合体、ポリアミド66/6I共重合体、ポリアミド6T/6I共重合体、ポリアミド66/6T/6I共重合体、ポリアミドMXD6である。特に、ポリアミド6、ポリアミド12、ポリアミド66、ポリアミド6/66共重合体、ポリアミド6/12共重合体、ポリアミド6/IPD6共重合体、ポリアミド6/IPDT共重合体、ポリアミド6/66/12共重合体が好ましい。
ポリアミド樹脂は、JIS K−6920に準じて測定した相対粘度が、2.0〜5.0であることが好ましく、2.5〜4.5であることがより好ましい。ポリアミド樹脂の相対粘度が2.0未満であると、得られるポリアミドフィルムの機械的性質が低くなる場合がある。また、5.0を超えると、溶融時の粘度が高くなり、フィルムの成形が困難となる場合がある。
なお、ポリアミド樹脂の末端基の種類及びその濃度や分子量分布に特別の制約は無い。分子量調節や成形加工時の溶融安定化のため、モノアミン、ジアミン、モノカルボン酸、ジカルボン酸のうちの1種あるいは2種以上を適宜組合せて添加することができる。例えば、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ヘキシルアミン、オクチルアミン、デシルアミン、ステアリルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン等の脂肪族モノアミン、シクロヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミン等の脂環式モノアミン、アニリン、トルイジン、ジフェニルアミン、ナフチルアミン等の芳香族モノアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン等の脂肪族ジアミン、シクロヘキサンジアミン、メチルシクロヘキサンジアミン、イソホロンジアミン等の脂環式ジアミン、メタフェニレンジアミン、パラフェニレンジアミン、メタキシリレンジアミン、パラキシリレンジアミン等の芳香族ジアミンや酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、カプリル酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ピバリン酸、イソブチル酸等の脂肪族モノカルボン酸、シクロヘキサンカルボン酸等の脂環式モノカルボン酸、安息香酸、トルイル酸、α−ナフタレンカルボン酸、β−ナフタレンカルボン酸、メチルナフタレンカルボン酸、フェニル酢酸等の芳香族モノカルボン酸、アジピン酸、トリメチルアジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカンジカルボン酸、ドデカンジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸、1,3−シクロペンタンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環式ジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、1,4/2,6/2,7−ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸が挙げられる。これらは1種又は2種以上を用いることができる。これら分子量調節剤の使用量は分子量調節剤の反応性や重合条件により異なるが、最終的に得ようとするポリアミド樹脂の相対粘度が2.0〜5.0の範囲になるように、適宜決められることができる。
本発明で使用されるポリアミド樹脂については、更に、JIS K−6920に規定する低分子量物の含有量の測定方法に準じて測定した水抽出量は1.0%以下であることが好ましく、0.5%以下であることがより好ましい。水抽出量が多いと、ダイ付近へのオリゴマー成分の付着が著しく、これら付着物によるダイラインやフィッシュアイの発生により外観不良が生じ易い場合がある。さらに、ポリアミド樹脂は、オレフィン樹脂と比較して吸湿性が大きく、吸湿したものを使用すると、原料を溶融押出しする際、加水分解が起こるためオリゴマーが発生し、フィルム製造が困難となる場合があるので事前に乾燥し、水分含有率が0.1質量%以下とすることが好ましい。
本発明に使用される無機フィラー粒子は、(A)オルガノポリシロキサンにより表面処理された無機フィラー粒子である。
無機フィラー粒子は、表面突起が表面に形成され、滑り性に優れたポリアミドフィルムが得られさえすれば、その形状は特に制限されず、粉末状、粒子状、フレーク状、板状、繊維状、針状、クロス状、マット状、その他如何なる形状のものであってもよいが、粒子状、板状のものが好ましい。無機フィラー粒子の平均粒径は、0.5〜10μmであることが好ましい。10μm以上の粒径を有する粒子を実質的に含まないことが望ましい。10μm以上の粒径を有する粒子を多量に含有すると、フッシュアイゲルが発生しフィルム外観を損ねる場合がある。また、滑り性改良効果は発現するとしても、フィルムの透明性が悪くなる場合がある。一方、平均粒径が0.5μm未満であると、二次凝集し易くなり、逆にフッシュアイゲルを発生させる場合がある。また、凝集を防止できたとしても、フィルム表面の凹凸効果を得ることが難しく、滑り性が改良されない場合がある。よって、無機フィラー粒子の粒径が本発明に適合しない場合、予め粉砕処理や分級を行うことが望ましい。特に、平均粒径が1〜5μmであると、透明性と滑り性に優れたフィルムが得ることができ、より好ましい。
無機フィラー粒子の具体例として、ゲルタイプシリカ、沈降タイプシリカ、球状シリカ等のシリカ、タルク、カオリン、モンモリロナイト、ゼオライト、マイカ、ガラスフレーク、ウォラストナイト、チタン酸カリウム、硫酸マグネシウム、セピオライト、ゾノライト、ホウ酸アルミニウム、ガラスビーズ、ケイ酸カルシウム、炭酸カルシウム、酸化チタン、硫酸バリウム、酸化亜鉛、水酸化マグネシウム等が挙げられる。これらは1種又は2種以上を用いることができる。これらの中でも、タルク、カオリン、ゼオライト、シリカが易分散性の点から好ましい。
特に、シリカであることが得られるフィルムの透明性、滑り性に優れることから、より好ましい。シリカは、SiO2・nH2Oで表される二酸化ケイ素を主成分とするものであり、その製造方法により大別して、湿式法シリカと乾式法シリカの2つに分けられるが、いずれも用いることができる。また、一次粒子は、いわゆるサブミクロン・オーダーで、これらの一次粒子が凝集して二次粒子あるいは三次粒子を形成したソフトシリカと、一次粒子の大きさが既に1μm以上のハードシリカがあるが、フィルムの延伸を実施する場合は、ソフトシリカであることがさらに好ましい。
(A)無機フィラー粒子の表面処理剤として使用されるオルガノポリシロキサンとしては、ジメチルポリシロキサンやメチル水素ポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、及び各種変性ポリシロキサン等のポリジメチルシロキサンが挙げられる。各種変性ポリシロキサンとしては、アルコール変性ポリシロキサン、エーテル変性ポリシロキサン、フッ素変性ポリシロキサン等を挙げられる。これらは1種又は2種以上を用いることができる。これらの中でも、ジメチルポリシロキサンやメチル水素ポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサンであることが好ましい。
上記オルガノポリシロキサンは、25℃における動的粘度が5〜1000cStであることが好ましく、8〜600cStであることがより好ましい。動的粘度が5cSt未満であると、引火点が低下すると共に分解し易くなるので高温で加工することが難しくなる場合がある。一方、1000cStを越えると無機フィラー粒子表面を均一に処理しできず、粗大凝集粒子が発生しやすくなる場合がある。
オルガノポリシロキサンの添加量は、無機フィラー粒子(乾燥物基準)100質量部に対して、0.5〜15質量部であることが好ましく、1〜12質量部であることがより好ましく、2〜10質量部であることがさらに好ましい。オルガノポリシロキサンの添加量が0.5質量部未満であると、延伸破断防止効果が少なく、連続生産性が良好でない場合がある。一方、15質量部を超えると、前記ポリアミド樹脂と無機フィラー粒子の親和力が十分でなくなり、分散性が悪くなるばかりか、最終的に得られるポリアミドフィルムの機械的性質を損なう場合や、該オルガノポリシロキサンのフィルムへのブリードアウト等の問題が生じる場合がある。
オルガノポリシロキサンで無機フィラー粒子を処理する方法は特に限定されないが、溶媒中に無機フィラー粒子とオルガノポリシロキサンを加え、ヘンシェルミキサー、スーパーミキサー等の高剪断力混合機を用いて均一に混合した後、溶媒を除去することによって表面処理を行う湿式処理法、あるいは、無機フィラー粒子をマイクロナイザー、ジェットミル、ヘンシェルミキサー等の流体エネルギー粉砕機で粉砕する際にオルガノポリシロキサンを添加し、均一になるように攪拌したのち次いで所定の温度で乾燥を行う乾式処理法等が挙げることができ、流体としては、通常は圧縮空気、加熱圧縮空気、スチーム等が用いられる。
特に、表面処理後または処理中に、表面処理無機フィラー粒子を加熱乾燥させることにより疎水性表面がより強固なものとなるため、水分吸着等による含水量が大きく低減する。このようにして得られた低含水量の表面処理無機フィラー粒子は樹脂へ混練分散の際、樹脂劣化が抑えられるため、分散力や分散時間を上げられる等様々な利点がある。
(A)オルガノポリシロキサンにより表面処理された無機フィラー粒子の配合量は、ポリアミド樹脂100質量部に対し、0.01〜0.2質量部であり、0.03〜0.18質量部であることが好ましく、0.05〜0.15質量部であることがより好ましい。配合量が0.01質量部未満であると、得られるフィルムの滑り性改良の効果が小さく、一方、配合量が0.2質量部を超えると、ポリアミドフィルムの透明性、外観等が損なわれる。
本発明に使用される(B)ヒドロキシ脂肪酸マグネシウム塩は、ヒドロキシ飽和又は不飽和脂肪酸カルボン酸とマグネシウムの塩であり、ヒドロキシ飽和又は不飽和脂肪酸カルボン酸とマグネシウムの酸化物もしくは水酸化物と加熱直接反応により得ることができる。その際、マグネシウムの酸化物もしくは水酸化物を過剰に加えて、塩基性の高いヒドロキシ脂肪酸マグネシウムを得ることができ、これを使用するとより良好な結果が得られる。ヒドロキシ飽和又は不飽和脂肪酸のマグネシウム塩としては、ヒドロキシラウリン酸マグネシウム塩、ヒドロキシミリスチン酸マグネシウム塩、ヒドロキシパルミチン酸マグネシウム塩、ヒドロキシステアリン酸マグネシウム塩、ヒドロキシベヘン酸マグネシウム塩等が挙げられる。これらは1種又は2種以上を用いることができる。脂肪酸の炭素数が小さいと所定の効果を得られない場合があり、炭素数が大き過ぎると透明性の低下が生じる場合があり、炭素数は12〜30であることが好ましく、12〜24であることがより好ましい。
(B)ヒドロキシ脂肪酸マグネシウム塩の配合量は、ポリアミド樹脂100質量部に対し、0.003〜0.1質量部であり、0.004〜0.08質量部であることが好ましく、0.005〜0.07質量部であることがより好ましい。配合量が0.003質量部未満であると、外観改良や延伸時の破断防止効果が小さく、一方、配合量が0.1質量部を超えると、ポリアミドフィルムの透明性や印刷性等が損なわれる。
こうした(A)オルガノポリシロキサンにより表面処理された無機フィラー粒子や、(B)ヒドロキシ脂肪酸マグネシウム塩のポリアミド樹脂に添加する方法としては、ポリアミド樹脂の重合工程の任意の段階で添加する重合内添法や予め高濃度の(A)オルガノポリシロキサンにより表面処理された無機フィラー粒子や、(B)ヒドロキシ脂肪酸マグネシウム塩をポリアミド樹脂に1軸又は二軸の押出機を使用して練り込み、これを成形時に希釈して使用するいわゆるマスターバッチ法、成形に使用する添加剤濃度で無機フィラー粒子を予めポリアミド樹脂を練り込み使用する練り込み法、成形時に、ポリアミド樹脂に対して、所定量の(A)オルガノポリシロキサンにより表面処理された無機フィラー粒子や、(B)ヒドロキシ脂肪酸マグネシウム塩を添加するドライブレンド法等が挙げられる。(A)オルガノポリシロキサンにより表面処理された無機フィラー粒子や、(B)ヒドロキシ脂肪酸マグネシウム塩のポリアミド樹脂への配合は、同時に行なっても、別々に行なってもどちらでも構わない。
本発明においてはさらに、(C)(A)以外の無機フィラー粒子、すなわち、オルガノポリシロキサンにより表面処理されていない無機フィラー粒子であって、比表面積が200m2/g以下である無機フィラー粒子を配合することが滑り性を改良する観点から好ましい。(C)無機フィラー粒子としては、前記と同様に例示できるが、(C)無機フィラー粒子としてシリカ及び/又はカオリン及び/又はゼオライトであることがより好ましい。また、(C)(A)以外の無機フィラー粒子の比表面積は、200m2/g以下であることが好ましく、180m2/g以下であることがより好ましく、160m2/g以下であることがさらに好ましい。比表面積が200m2/gを超えると、延伸時のボイドの発生や延伸切れは少なくなるが、2次凝集物による目脂の発生が多発する場合があり好ましくない。なお、比表面積は、BET法により測定された値を意味する。
(C)無機フィラー粒子としては、オルガノポリシロキサン以外の表面処理剤、例えばシランカップリング剤等により表面処理されたものを使用することもできる。シランカップリング剤としては、一般にアミノ基あるいはエポキシ基、メルカプト基、イソシアナト基、水酸基等を含有するアルコキシシラン化合物を挙げることができる。具体的には、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノジチオプロピルトリヒドロキシシラン、γ−(ポリエチレンアミノ)プロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノプロピル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(トリメトキシシリルプロピル)−エチレンジアミン、γ−ジブチルアミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノ基含有アルコキシシラン化合物、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−ウレイドエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン等のウレイド基含有アルコキシシラン化合物、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等のエポキシ基含有アルコキシシラン化合物、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン等のメルカプト基含有アルコキシシラン化合物、γ−イソシアナトプロピルトリエトキシシラン、γ−イソシアナトプロピルトリメトキシシラン、γ−イソシアナトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−イソシアナトプロピルメチルジエトキシシラン、γ−イソシアナトプロピルエチルジメトキシシラン、γ−イソシアナトプロピルエチルジエトキシシラン、γ−イソシアナトプロピルトリクロロシラン等のイソシアナト基含有アルコキシシラン化合物、γ−ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−ヒドロキシプロピルトリエトキシシラン等の水酸基含有アルコキシシラン化合物が挙げられる。これらは1種又は2種以上を用いることができる。これらの中でも、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノ基含有アルコキシシラン化合物がより好ましい。
また、シランカップリング剤の添加量は、無機フィラー粒子(乾燥物基準)100質量部に対して1〜10質量%であることが好ましく、2〜8質量%であることがより好ましく、3〜7質量%であることがさらに好ましい。シランカップリング剤の添加量が1質量%未満であると、前記無機フィラー粒子とポリアミド樹脂との親和力が十分でなくなり、分散性が悪くなる場合がある。一方、10質量%を越えると、添加量を増加しても分散性向上効果はほとんど高まらないばかりか、最終的に得られるポリアミドフィルムの機械的性質を損なう場合や、シランカップリング剤のフィルムへのブリードアウトなどの問題が生じる場合がある。
シランカップリング剤で無機フィラー粒子を処理する方法は特に限定されないが、例えば、無機フィラー粒子にシランカップリング剤又はシランカップリング剤溶液を滴下あるいはスプレーにより添加し、ヘンシェルミキサー等の適当な装置で均一になるように攪拌したのち次いで所定の温度で乾燥を行う乾式処理法、あるいは無機フィラー粒子を水等に分散させてスラリー化し、これを攪拌しながらシランカップリング剤を加え、その後脱水、乾燥を行う湿式処理法等が挙げられる。
(C)(A)以外の無機フィラー粒子であって、比表面積が200m2/g以下である無機フィラー粒子の配合量は、ポリアミド樹脂100質量部に対し、0.01〜0.2質量部であることが好ましく、0.03〜0.18質量部であることがより好ましく、0.05〜0.15質量部であることがさらに好ましい。配合量が0.01質量部未満であると、得られるフィルムの滑り性改良効果が小さい場合があり、一方、配合量が0.2質量部を超えると、ポリアミドフィルムの透明性、外観等が損なわれる場合がある。
本発明においてはさらに、(D)ビスアミド化合物を配合することが透明性、滑り性を改良する観点から好ましい。
(D)ビスアミド化合物は、下記の一般式(1)及び/又は一般式(2)で表される化合物であり、式中、R1は2価の炭化水素残基、R2及びR3は一価の炭化水素残基、R4及びR5は水素原子又は一価の炭化水素残基を示す。
一般式(1)で表される(D)ビスアミド化合物は、ジアミンとモノカルボン酸との反応によって得られ、代表的には、アルキレンビス脂肪酸アミド、アリーレンビス脂肪酸アミド等が挙げられる。原料のジアミンとしては、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン等のアルキレンジアミン、フェニレンジアミン、ナフタレンジアミン等のアリーレンジアミン、キシリレンジアミン等のアリーレンアルキルジアミン等が挙げられる。これらは1種又は2首以上を用いることができる。原料のモノカルボン酸としては、ステアリン酸、ヘキサン酸、オクタン酸、デカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、アルキジン酸、ベヘン酸、オレイン酸、エライジン酸、モンタン酸等が挙げられる。これらは1種又は2首以上を用いることができる。一般式(1)で表される(D)ビスアミド化合物としては、N,N’−メチレンビスステアリン酸アミド、N,N’−エチレンビスステアリン酸アミド、N,N’−エチレンビスベヘン酸アミドが好ましい。
一般式(2)で表される(D)ビスアミド化合物は、モノアミンとジカルボン酸との反応によって得られ、代表的には、ジオクタデシル二塩基酸アミド等が挙げられる。原料のモノアミンとしては、エチレンアミン、メチルアミン、ブチルアミン、ヘキシルアミン、デシルアミン、ペンタデシルアミン、オクタデシルアミン、ドデシルアミン等のアルキルアミン、アニリン、ナフチルアミン等のアリールアミン、ベンジルアミン等のアラルキルアミン、シクロヘキシルアミン等のシクロアルキルアミン等が挙げられる。これらは1種又は2首以上を用いることができる。原料のジカルボン酸としては、テレフタル酸、p−フェニレンジプロピオン酸、コハク酸、アジピン酸等が挙げられる。これらは1種又は2首以上を用いることができる。
一般式(2)で表される(D)ビスアミド化合物としては、N,N’−ジオクタデシルアジピン酸アミドが好ましい。
(D)ビスアミド化合物は、1種又は2首以上を用いることができる。
(D)ビスアミド化合物の配合量は、ポリアミド樹脂100質量部に対し、0.01〜0.5質量部であることが好ましく、0.02〜0.3質量部であることがより好ましく、0.03〜0.2質量部であることがさらに好ましい。配合量が0.01質量部未満であると、得られるフィルムの透明性、滑り性改良効果が小さい場合があり、一方、配合量が0.5質量部を超えると、フィルムの印刷性やラミネート加工時の密着性が低下する場合がある。
また、本発明のポリアミド樹脂組成物には、得られるフィルムの特性を損なわない範囲内で、熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、耐候剤、滑剤、フィラー、核剤、可塑剤、発泡剤、ブロッキング防止剤、防雲剤、難燃剤、染料、顔料、安定剤、カップリング剤、耐衝撃改良材等を含有することができる。
本発明においては、上記のポリアミド樹脂、(A)オルガノポリシロキサンにより表面処理された無機フィラー粒子、(B)ヒドロキシ脂肪酸マグネシウム塩からなるフィルム用ポリアミド樹脂組成物を使用して、公知のフィルム製造方法を適用し、製膜することによりポリアミドフィルムが得られる。例えば、フィルム用ポリアミド樹脂組成物を押出機で溶融混練し、T−ダイあるいはコートハンガーダイによりフラットフィルム状に押出し、キャスティングロール面上にキャスティング、冷却してフィルムを製造するキャスティング法、リング状ダイにより筒状に溶融押出したチューブ状物を空冷あるいは水冷してフィルムを製造するチューブラー法等がある。製造されたフィルムは実質的に無配向の未延伸フィルムとして使用できるが、得られるフィルムの強度及びガスバリア性の観点から二軸延伸フィルムであることが好ましい。
得られた未延伸フィルムを延伸するには、従来から知られている工業的方法によることができる。例えば、キャスティング法によって製造するフィルムは、未延伸シートをテンター式同時二軸延伸機で縦横同時に延伸する同時二軸延伸法、Tダイより溶融押出しした未延伸シートをロール式延伸機で縦方向に延伸した後、テンター式延伸機で横方向に延伸する逐次二軸延伸法が挙げられる。環状ダイより成形したチューブ状シートを気体の圧力でインフレーション式に縦横同時に延伸するチューブラー延伸法が挙げられる。延伸工程はポリアミドフィルムの製造に引続き、連続して実施しても良いし、ポリアミドフィルムを一旦巻き取り、別工程として延伸を実施しても良い。
延伸フィルムの延伸倍率は使用用途によって異なるが、テンター式二軸延伸法、チューブラー法において、通常、縦方向、横方向ともに1.5〜4.5倍であることが好ましく、2.5〜4.0倍であることがより好ましい。延伸温度は、30〜210℃であることが好ましく、50〜200℃であることがより好ましい。
上記方法により延伸されたフィルムは、引続き熱処理をすることが望ましい。熱処理することにより常温における寸法安定性を付与することができる。この場合の熱処理温度は、110℃を下限として該原料ポリアミド樹脂組成物の融点より5℃低い温度を上限とする範囲を選択するのがよく、これにより常温寸法安定性のよい、任意の熱収縮率をもった延伸フィルムを得ることができる。本発明のポリアミド樹脂組成物より得られるポリアミドフィルムは、熱収縮性が乏しいか、あるいは実質的に有していないものが望ましい。よって、延伸後に行なわれる熱処理条件において、熱処理温度は150℃以上であることが好ましく、180〜220℃であることがより好ましく、緩和率は、幅方向に20%以内であることが好ましく、3〜10%であることがより好ましい。
熱処理操作により、充分に熱固定された延伸フィルムは、常法に従い、冷却して巻き取ることができる。
さらに、本発明のフィルム用ポリアミド樹脂組成物より得られるポリアミドフィルムは、印刷性、ラミネート、粘着剤付与性を高めるため、コロナ放電処理、プラズマ処理、火炎処理、酸処理等の表面処理を行うことができる。また、必要に応じて、このような処理がなされた後、印刷、ラミネート、粘着剤塗布、ヒートシール等の二次加工工程を経てそれぞれの目的とする用途に使用することができる。
本発明のフィルム用ポリアミド樹脂組成物より得られるポリアミドフィルムは、透明性、滑り性、印刷性に優れ、単独での利用価値が高いが、これに他の熱可塑性樹脂を積層することにより、さらに多くの特性を付加させることが可能である。具体的にはポリアミドフィルムの少なくとも片面に熱可塑性樹脂層を積層して、積層フィルムとして使用することもできる。
該積層フィルムを製造するに当たっては、該フィルム用ポリアミド樹脂組成物よりなる層の片面又は両面に他の基材を積層するが、その積層方法としては、共押出法、押出ラミネート法、ドライラミネート法等が挙げられる。共押出法は、該フィルム用ポリアミド樹脂組成物と他の熱可塑性樹脂とを共押出する方法であり、共押出シート成形、共押出キャスティングフィルム成形、共押出インフレーションフィルム成形等が挙げられる。押出ラミネート法は、本発明のフィルム用ポリアミド樹脂組成物よりなるポリアミドフィルムと熱可塑性樹脂等の基材に、それぞれアンカーコート剤を塗布し、乾燥後、その間に熱可塑性樹脂等を溶融押出しながらロール間で冷却し圧力をかけて圧着することによりラミネートフィルムを得る方法である。ドライラミネート法は、有機チタン化合物、イソシアネート化合物、ポリエステル系化合物、ポリウレタン化合物等の公知の接着剤を本発明のポリアミドフィルムに塗布し、乾燥後、熱可塑性樹脂等の基材と張り合わせることによりラミネートフィルムを得る方法である。ラミネート後のフィルムは、エージングすることで、接着強度を上げることができる。ラミネートする際には、ポリアミドフィルムの片面又は両面をコロナ処理して使用することが好ましい。
積層される熱可塑性樹脂としては、高密度ポリエチレン(HDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)、ポリプロピレン(PP)、エチレン/プロピレン共重合体(EPR)、エチレン/ブテン共重合体(EBR)、エチレン/酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン/酢酸ビニル共重合体鹸化物(EVOH)、エチレン/アクリル酸共重合体(EAA)、エチレン/メタクリル酸共重合体(EMAA)、エチレン/アクリル酸メチル共重合体(EMA)、エチレン/メタクリル酸メチル共重合体(EMMA)、エチレン/アクリル酸エチル共重合体(EEA)等のポリオレフィン系樹脂及び、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、クロトン酸、メサコン酸、シトラコン酸、グルタコン酸、シス−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸、エンドビシクロ−[2.2.1]−5−ヘプテン−2,3−ジカルボン酸等のカルボキシル基及びその金属塩(Na、Zn、K、Ca、Mg)、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸、エンドビシクロ−[2.2.1]−5−ヘプテン−2,3−ジカルボン酸無水物等の酸無水物基、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、エタクリル酸グリシジル、イタコン酸グリシジル、シトラコン酸グリシジル等のエポキシ基等の官能基が含有された化合物により変性された、上記ポリオレフィン系樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンイソフタレート(PEI)、PET/PEI共重合体、ポリアリレート(PAR)、ポリブチレンナフタレート(PBN)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、液晶ポリエステル(LCP)等のポリエステル系樹脂、ポリアセタール(POM)、ポリフェニレンオキシド(PPO)等のポリエーテル系樹脂、ポリスルホン(PSF)、ポリエーテルスルホン(PES)等のポリスルホン系樹脂、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリチオエーテルスルホン(PTES)等のポリチオエーテル系樹脂、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリアリルエーテルケトン(PAEK)等のポリケトン系樹脂、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリメタクリロニトリル、アクリロニトリル/スチレン共重合体(AS)、メタクリロニトリル/スチレン共重合体、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン共重合体(ABS)、メタクリロニトリル/スチレン/ブタジエン共重合体(MBS)等のポリニトリル系樹脂、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポリメタクリル酸エチル(PEMA)等のポリメタクリレート系樹脂、ポリ酢酸ビニル(PVAc)等のポリビニルエステル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ポリ塩化ビニル(PVC)、塩化ビニル/塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニリデン/メチルアクリレート共重合体等のポリビニル系樹脂、酢酸セルロース、酪酸セルロース等のセルロース系樹脂、ポリカーボネート(PC)等のポリカーボネート系樹脂、熱可塑性ポリイミド(PI)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリエーテルイミド等のポリイミド系樹脂、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリフッ化ビニル(PVF)、エチレン/テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、エチレン/クロロトリフルオロエチレン共重合体(ECTFE)、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体(TFE/HFP,FEP)、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン/フッ化ビニリデン共重合体(TFE/HFP/VDF,THV)、テトラフルオロエチレン/フルオロ(アルキルビニルエーテル)共重合体(PFA)等のフッ素系樹脂、熱可塑性ポリウレタン系樹脂、ポリウレタンエラストマー、ポリエステルエラストマー、ポリアミドエラストマー等を挙げられる。また、本発明において規定した前記ポリアミド樹脂を積層することも可能であり、フィルム強度のバランス、ガスバリア性の観点からポリメタキシリレンアジパミド(ポリアミドMXD6)やエチレン/酢酸ビニル共重合体鹸化物(EVOH)を積層することが好ましい。
また、本発明のフィルム用ポリアミド樹脂組成物よりなるポリアミドフィルムには、ヒートシール性を付与する観点から、シーラント層を設けることが望ましい。シーラント層として使用される材料は、熱融着できる樹脂であればよく、一般にポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂等が挙げられ、ポリオレフィン系樹脂を使用することが好ましい。具体的には、ポリプロピレン(PP)、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、エチレン/酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン/アクリル酸共重合体(EAA)、エチレン/メタクリル酸共重合体(EMAA)、エチレン/アクリル酸メチル共重合体(EMA)、エチレン/メタクリル酸メチル共重合体(EMMA)、エチレン/アクリル酸エチル共重合体(EEA)、アイオノマー樹脂、アモルファスポリエステル(A−PET)等が好ましいものとして挙げられる。
さらに、無延伸、一軸又は二軸延伸熱可塑性樹脂フィルム又はシートや熱可塑性樹脂以外の任意の基材、例えば、紙、金属系材料、織布、不織布、金属綿、木材等を積層することも可能である。金属系材料としては、アルミニウム、鉄、銅、ニッケル、金、銀、チタン、モリブデン、マグネシウム、マンガン、鉛、錫、クロム、ベリリウム、タングステン、コバルト等の金属や金属化合物及びこれら2種類以上からなるステンレス鋼等の合金鋼、アルミニウム合金、黄銅、青銅等の銅合金、ニッケル合金等の合金類等が挙げられる。
本発明のフィルム用ポリアミド樹脂組成物よりなるポリアミドフィルムの厚みは用途により適宜決定すればよく、特に制限されないが、ポリアミドフィルムの厚さは、厚ければポリアミドフィルムの強度は向上するが、透明性や耐ピンホール性は低下するので、これらを勘案すれば、ポリアミド単層フィルムの場合、5〜100μmであることが好ましく、10〜80μmであることがより好ましく、10〜60μmであることがさらに好ましい。また、積層フィルムの場合、該フィルム用ポリアミド樹脂組成物層の厚さとして、2〜100μmであることが好ましく、3〜80μmであることがより好ましく、5〜60μmであることがさらに好ましい。
本発明のフィルム用ポリアミド樹脂組成物よりなるポリアミドフィルムは、ポリアミド樹脂本来有する諸特性を維持し、かつ透明性、滑り性、印刷性に優れ、さらに延伸時の破断が少なく、連続生産性が良好である。特に、(A)オルガノポリシロキサンにより表面処理された無機フィラー粒子及び、(B)ヒドロキシ脂肪族マグネシウム塩を併用することにより、フィルムの透明性、印刷性を維持しつつ、延伸時の破断防止性に優れる。従って、透明性、滑り性、印刷性が優れるフィルムを、延伸時の破断といった製膜操業時のトラブルを最小限に抑え、長時間安定して生産することが可能となる。
[透明性]
ASTM D−1003に準じ、スガ試験機(株)製の直読ヘイズコンピューター(HGM−2DP)を使用して、ヘイズを測定した。ヘイズ値が3.0%以下の場合、フィルムの透明性に優れていると判断した。
[滑り性]
ASTM D−1894に準じ、23℃、60%RHにおいて、フィルム/相手材料フィルムの動摩擦係数をそれぞれ測定した。測定は5回行い、その平均値を求めた。動摩擦係数が0.4以下の場合、フィルムの滑り性に優れていると判断した。
[印刷性]
濡れ指数をJIS K−6768に準拠して測定した。濡れ指数が、35mN/m以上の場合、印刷性に優れていると判断した。
[連続生産性]
該原料樹脂組成物を使用して、円形ダイを備えた40mmφの押出機において、押出温度280℃にて溶融させ、20℃の水により冷却しながら、引き取りを行い、未延伸フィルムを連続して製造した。引き続き、気体の圧力でインフレーション式に縦横同時に延伸するチューブラー延伸法にて、延伸温度180℃、延伸倍率(縦、横ともに)3.0倍にて延伸を行った。24時間運転を継続し、延伸工程における破断回数を記録した。24時間以内の破断回数が3回以下の場合、連続生産性に優れていると判断した。
[使用した無機フィラー粒子]
(A)オルガノポリシロキサンにより表面処理された無機フィラー粒子
(A−1)オルガノポリシロキサンにより表面処理されたシリカ(水澤化学工業(株)製、ミズカシルPM−363、平均粒径4.0μm、オルガノポリシロキサン処理量:シリカに対して10質量%)
(B)ヒドロシキ脂肪酸マグネシウム塩
(B−1) 12−ヒドロシキステアリン酸マグネシウム(勝田化工(株)製、EM644)
(B−2) 12−ヒドロシキベヘン酸マグネシウム
(B−3) ステアリン酸マグネシウム(日本油脂(株)製、工マグネシウムステアレート)
(B−4) 12−ヒドロシキステアリン酸カルシウム(日本油脂(株)製、カルシウムヒマステ)
(C)比表面積が200m2/g以下である無機フィラー粒子
(C−1)ゼオライト(水澤化学(株)製、シルトン AMT−25、平均粒径約2.5μm、比表面積3m2/g)90質量%とγ−アミノプロピルトリエトキシシラン(日本ユニカー(株)製、A1100)10質量%を水で6倍に希釈した水溶液をスーパーミキサー中で80℃にて加熱しながら混合し、水を蒸発させながら処理を行なった。次いで120℃で乾燥させ、表面処理したゼオライト(C−1)を得た。
(C−2)シリカ(水澤化学工業(株)製、ミズカシルP527、平均粒径:1.5μm、比表面積55m2/g)95質量%とγ−アミノプロピルトリエトキシシラン(日本ユニカー(株)製、A1100)5質量%を水で6倍に希釈した水溶液をスーパーミキサー中で80℃にて加熱しながら混合し、水を蒸発させながら処理を行なった。次いで120℃で乾燥させ、表面処理したシリカ(C−2)を得た。
(C−3)シリカ(水澤化学工業(株)製、ミズカシルP707、平均粒径:2.2μm、比表面積300m2/g)95質量%とγ−アミノプロピルトリエトキシシラン(日本ユニカー(株)製、A1100)5質量%を水で6倍に希釈した水溶液をスーパーミキサー中で80℃にて加熱しながら混合し、水を蒸発させながら処理を行なった。次いで120℃で乾燥させ、表面処理したシリカ(C−3)を得た。
実施例1
内容積70リットルの攪拌機付き耐圧力反応容器にε−カプロラクタム10kg、水1kg、(A)オルガノポリシロキサンにより表面処理されたシリカ(A−1)15.0gを入れ、100℃に加熱し、この温度で反応系内が均一な状態になるように攪拌した。引き続き、さらに温度を260℃まで昇温させ、2.0MPaの圧力下で1時間攪拌した。その後、放圧して水分を反応容器から揮散させながら常圧下、260℃で2時間重合反応を行い、さらに260℃、53kPaの減圧下で2時間重合反応させた。反応終了後、反応容器の下部ノズルからストランド状に取り出した反応物を水槽に導入して冷却し、カッティングして、シリカが均一に分散したポリアミド樹脂ペレットを得た。そこで、このペレットを熱水中に浸漬し、約10%の未反応モノマーを抽出して除去した後、減圧乾燥した。得られたポリマー(ポリアミド樹脂)の相対粘度は3.4であった。
次に、円筒型混合機を用いて、該ポリアミドのペレット100質量部に対して、(B)12−ヒドロシキステアリン酸マグネシウム(B−1)0.03質量部、(D)エチレンビスステアリルアミド0.08質量部を配合した組成物を使用して、円形ダイを備えた40mmφ一軸フルフライトスクリューの押出機にて、押出温度260℃にて溶融させ、20℃の水により冷却しながら、引き取りを行い、実質的に無定形で配向していないチューブラー状のポリアミド未延伸フィルムを得た。引き続き、気体の圧力でインフレーション式に縦横同時に延伸するチューブラー延伸法にて、延伸温度180℃、延伸倍率(縦、横ともに)3.0倍にて延伸を行った。その後、チューブ状フィルムの端を切り開き、フラット状のフィルムをテンター内に導入し、幅方向に緩和処理を行ないつつ、210℃にて熱固定処理を行なった。フィルム両端をクリップから解放し、耳部をトリミングして巻き取り、厚み15μmの二軸延伸ポリアミドフィルムを得た。得られた二軸延伸ポリアミドフィルムの物性測定結果を表1に示す。また、上記の方法にて、連続生産性について調査した結果を表1に示す。
実施例2
実施例1において、(A)シリカ(A−1)とともに、(C)ゼオライト(C−1)を表1に示す割合にて配合した以外は、実施例1と同様の方法にて二軸延伸ポリアミドフィルムを得た。得られた二軸延伸ポリアミドフィルムの物性測定結果を表1に示す。また、上記の方法にて、連続生産性について調査した結果を表1に示す。
実施例3
実施例2において、(B)12−ヒドロシキステアリン酸マグネシウム(B−1)の配合量を表1に示す量に変更した以外は、実施例2と同様の方法にて二軸延伸ポリアミドフィルムを得た。得られた二軸延伸ポリアミドフィルムの物性測定結果を表1に示す。また、上記の方法にて、連続生産性について調査した結果を表1に示す。
実施例4
実施例2において、(B)12−ヒドロシキステアリン酸マグネシウム(B−1)を、12−ヒドロシキベヘン酸マグネシウム(B−2)に変更した以外は、実施例2と同様の方法にて二軸延伸ポリアミドフィルムを得た。得られた二軸延伸ポリアミドフィルムの物性測定結果を表1に示す。また、上記の方法にて、連続生産性について調査した結果を表1に示す。
実施例5〜6
実施例2において、(A)シリカ(A−1)、(C)ゼオライト(C−1)の配合量を表1に示す量に変更した以外は、実施例2と同様の方法にて二軸延伸ポリアミドフィルムを得た。得られた二軸延伸ポリアミドフィルムの物性測定結果を表1に示す。また、上記の方法にて、連続生産性について調査した結果を表1に示す。
実施例7
実施例2において、(C)ゼオライト(C−1)を、シリカ(C−2)に変更した以外は、実施例2と同様の方法にて二軸延伸ポリアミドフィルムを得た。得られた二軸延伸ポリアミドフィルムの物性測定結果を表1に示す。また、上記の方法にて、連続生産性について調査した結果を表1に示す。
実施例8
実施例2において、(C)ゼオライト(C−1)を、シリカ(C−3)に変更した以外は、実施例2と同様の方法にて二軸延伸ポリアミドフィルムを得た。得られた二軸延伸ポリアミドフィルムの物性測定結果を表1に示す。また、上記の方法にて、連続生産性について調査した結果を表1に示す。
比較例1
実施例1において、(A)シリカ(A−1)を使用しない以外は、実施例1と同様の方法にて、二軸延伸ポリアミドフィルムを得た。得られた二軸延伸ポリアミドフィルムの物性測定結果を表1に示す。また、上記の方法にて、連続生産性について調査した結果を表1に示す。
比較例2
実施例1において、(B)12−ヒドロシキステアリン酸マグネシウム(B−1)を使用しない以外は、実施例1と同様の方法にて二軸延伸ポリアミドフィルムを得た。得られた二軸延伸ポリアミドフィルムの物性測定結果を表1に示す。また、上記の方法にて、連続生産性について調査した結果を表1に示す。
比較例3〜4
実施例1において、(B)12−ヒドロシキステアリン酸マグネシウム(B−1)の配合量を表1に示す量に変更した以外は、実施例1と同様の方法にて二軸延伸ポリアミドフィルムを得た。得られた二軸延伸ポリアミドフィルムの物性測定結果を表1に示す。また、上記の方法にて、連続生産性について調査した結果を表1に示す。
比較例5
実施例1において、(B)12−ヒドロシキステアリン酸マグネシウム(B−1)をステアリン酸マグネシウム(B−3)に変更した以外は、実施例1と同様の方法にて二軸延伸ポリアミドフィルムを得た。得られた二軸延伸ポリアミドフィルムの物性測定結果を表1に示す。また、上記の方法にて、連続生産性について調査した結果を表1に示す。
比較例6
実施例1において、(B)12−ヒドロシキステアリン酸マグネシウム(B−1)を12−ヒドロシキステアリン酸カルシウム(B−4)に変更した以外は、実施例1と同様の方法にて二軸延伸ポリアミドフィルムを得た。得られた二軸延伸ポリアミドフィルムの物性測定結果を表1に示す。また、上記の方法にて、連続生産性について調査した結果を表1に示す。
比較例7
実施例1において、(A)シリカ(A−1)を(C)シリカ(C−2)に変更した以外は、実施例1と同様の方法にて二軸延伸ポリアミドフィルムを得た。得られた二軸延伸ポリアミドフィルムの物性測定結果を表1に示す。また、上記の方法にて、連続生産性について調査した結果を表1に示す。
一方、本発明に規定されている組成物よリ得られる実施例1から8は、透明性、滑り性及び印刷性に優れ、かつ延伸破断回数が少なく、長時間の連続安定運転が可能であることが明らかである。
Claims (7)
- ポリアミド樹脂100質量部に対し、(A)オルガノポリシロキサンにより表面処理された無機フィラー粒子を0.01〜0.2質量部、(B)ヒドロキシ脂肪酸マグネシウム塩を0.003〜0.1質量部配合してなることを特徴とするフィルム用ポリアミド樹脂組成物。
- 前記無機フィラー粒子(A)が、シリカ100質量部に対して、オルガノポリシロキサン0.5〜15質量部にて表面処理されたシリカであることを特徴とする請求項1に記載のフィルム用ポリアミド樹脂組成物。
- ポリアミド樹脂100質量部に対して、更に、(C)(A)以外の無機フィラー粒子であって、比表面積が200m2/g以下である無機フィラー粒子を0.01〜0.2質量部配合してなることを特徴とする請求項1又は2に記載のフィルム用ポリアミド樹脂組成物。
- 前記(C)無機フィラー粒子が、シリカ、カオリン、ゼオライトよりなる群より選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする請求項1〜3に記載のフィルム用ポリアミド樹脂組成物。
- さらに(D)ビスアミド化合物を、ポリアミド樹脂100質量部に対し、0.01〜0.5重量部配合してなることを特徴とする請求項1〜4に記載のフィルム用ポリアミド樹脂組成物。
- 請求項1〜6のいずれかに記載のポリアミド樹脂組成物からなるポリアミドフィルム。
- 請求項1〜6のいずれかに記載のポリアミド樹脂組成物からなる二軸延伸ポリアミドフィルム。
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