JP6195766B2 - ポリアミド樹脂組成物及び成形品 - Google Patents
ポリアミド樹脂組成物及び成形品 Download PDFInfo
- Publication number
- JP6195766B2 JP6195766B2 JP2013181648A JP2013181648A JP6195766B2 JP 6195766 B2 JP6195766 B2 JP 6195766B2 JP 2013181648 A JP2013181648 A JP 2013181648A JP 2013181648 A JP2013181648 A JP 2013181648A JP 6195766 B2 JP6195766 B2 JP 6195766B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- polyamide
- mass
- acid
- resin composition
- polyamide resin
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Landscapes
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
- Processes Of Treating Macromolecular Substances (AREA)
Description
近年、ポリアミド樹脂は自動車分野で多く採用されており、特にガラス繊維で強化されたポリアミド樹脂は、機械的物性、耐熱性、耐油性、靱性に優れていることから、ラジエータータンク、ウォーターバルブ等の不凍液と接触する部品用の材料に用いられている。
よって、上述したような高温雰囲気下での長時間の不凍液との接触による強度低下、及び高温雰囲気下での乾熱状態における強度低下を抑制したポリアミド樹脂が要求されている。
このような要求に対し、従来においては、ポリアミド610樹脂を用いたポリアミド樹脂組成物が開示されている(例えば、特許文献1乃至3参照。)。
また、前記特許文献1乃至3に開示されている樹脂組成物は、外観及び離型性についても十分ではなく、これらを満足するポリアミド樹脂組成物が要望されている。
すなわち、本発明は、以下の通りである。
(A)ポリアミド610樹脂:100質量部と、
(B)ガラス繊維:1〜200質量部と、
(C)ガラス繊維以外の無機充填材:0.1〜10質量部と、
(D)滑剤:0.01〜10質量部と、
を、含有するポリアミド樹脂組成物であって、
前記(D)滑剤が、高級脂肪酸金属塩であり、前記高級脂肪酸が、炭素数8以上の脂肪族モノカルボン酸であり、
前記(D)滑剤の融点が110〜150℃であり、
前記(D)滑剤である高級脂肪酸金属塩の金属含有量が3.5〜11.5質量%である、ポリアミド樹脂組成物。
〔2〕
前記(A)ポリアミド610樹脂の、98%硫酸中で測定した相対粘度が、2.0〜3
.0である、前記〔1〕に記載のポリアミド樹脂組成物。
〔3〕
前記(B)ガラス繊維が、カルボン酸無水物含有不飽和ビニル単量体と、当該カルボン
酸無水物含有不飽和ビニル単量体を除く不飽和ビニル単量体を、重合単位として具備する
共重合体を含む集束剤により処理されているガラス繊維である、前記〔1〕又は〔2〕に記載のポリアミド樹脂組成物。
〔4〕
(E)銅化合物及びハロゲン化合物(ただし、ハロゲン化銅を除く。):0.002〜
2質量部を、さらに含む、前記〔1〕乃至〔3〕のいずれか一に記載のポリアミド樹脂組成物。
〔5〕
前記(E)銅化合物及びハロゲン化合物(ただし、ハロゲン化銅を除く。)中のハロゲ
ン元素の含有量xと、銅元素の含有量yとのモル比x/yが、2/1〜50/1である、
前記〔4〕に記載のポリアミド樹脂組成物。
〔6〕
前記(E)銅化合物及びハロゲン化合物(ただし、ハロゲン化銅を除く。)が、ポリア
ミドマスターバッチの形態で添加される、前記〔4〕又は〔5〕に記載のポリアミド樹脂組成物。
〔7〕
(F)着色剤:0.01〜5質量部をさらに含む、前記〔1〕乃至〔6〕のいずれか一に記載のポリアミド樹脂組成物。
〔8〕
前記〔1〕乃至〔7〕のいずれか一に記載のポリアミド樹脂組成物を含む成形品。
以下の本実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明を以下の内容に限定する趣旨ではない。本発明は、その要旨の範囲内で適宜変形して実施できる。
本実施形態のポリアミド樹脂組成物は、
(A)ポリアミド610樹脂:100質量部と、
(B)ガラス繊維:1〜200質量部と、
(C)ガラス繊維以外の無機充填材:0.1〜10質量部と、
(D)滑剤:0.01〜10質量部と、
を、含有するポリアミド樹脂組成物である。
以下、本実施形態のポリアミド組成物の構成成分について説明する。
本実施形態のポリアミド樹脂組成物は、上記のように(A)ポリアミド610樹脂を含有し、当該(A)ポリアミド610樹脂は、ジアミンとしてヘキサメチレンジアミン、ジカルボン酸としてセバシン酸を重合単量体とし、前記ヘキサメチレンジアミンとセバシン酸とからなる単位を有するポリアミド樹脂である。
(A)ポリアミド610樹脂には、本実施形態の目的を損なわない範囲で、前記セバシン酸以外のジカルボン酸を重合単量体として含んでいてもよい。
このようなジカルボン酸としては、例えば、アジピン酸やイソフタル酸以外の脂肪族ジカルボン酸、脂環族ジカルボン酸、芳香族ジカルボン酸が挙げられる。
また、(A)ポリアミド樹脂610樹脂には、本実施形態の目的を損なわない範囲で、前記ヘキサメチレンジアミン以外のジアミンを重合単量体として含んでいてもよい。このようなジアミンとしては、ヘキサメチレンジアミン以外の主鎖から分岐した置換基を持つジアミン、脂肪族ジアミン、芳香族ジアミン、重縮合可能なアミノ酸、ラクタム等を用いることができる。
なお、本実施形態において用いる(A)ポリアミド610樹脂は、セバシン酸及びヘキサメチレンジアミンからなる重合単量体を、後述する量で主として含み、上記のように、セバシン酸以外のジカルボン酸及びヘキサメチレンジアミン以外のジアミンを含んでいる場合においても、全体としてポリアミド610樹脂と捉える。
脂環族ジカルボン酸は、無置換でも置換基を有していてもよい。
前記種々の置換基としては、例えば、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数6〜12のアリール基、炭素数7〜20のアリールアルキル基、クロロ基及びブロモ基等のハロゲン基、炭素数3〜10のアルキルシリル基、並びにスルホン酸基及びナトリウム塩等のその塩である基等が挙げられる。
前記ポリアミド610樹脂の原料として、分子量調節や耐熱水性向上のために、末端封
止剤を更に添加することができる。
例えば、本実施形態のポリアミド610樹脂を重合する際に、公知の末端封止剤を更に添加することにより、重合量を制御することができる。
それらの中でも、生産性の観点から、モノカルボン酸及びモノアミンが好ましい。
これらの末端封止剤は、1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
これらのモノカルボン酸は、1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
これらのモノアミンは、1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
(A)ポリアミド610樹脂の製造方法としては、例えば、セバシン酸、ヘキサメチレンジアミン、及び必要に応じて後述する触媒や、アパタイト等のその他の成分の混合物の水溶液、又は水の懸濁液を加熱し、溶融状態を維持したまま重合させる方法(熱溶融重合法);熱溶融重合法で得られたポリアミドを融点以下の温度で固体状態を維持したまま重合度を上昇させる方法(熱溶融重合・固相重合法);セバシン酸、ヘキサメチレンジアミン、及び必要に応じてその他の成分の混合物の水溶液、又は水の懸濁液を加熱し、析出したプレポリマーをさらにニーダー等の押出機で再び溶融させて重合度を上昇させる方法(プレポリマー・押出重合法);セバシン酸、ヘキサメチレンジアミン、及び必要に応じてその他の成分の混合物、固体塩又は重縮合物を、固体状態を維持したまま重合(固相重合法)させる方法等が挙げられる。
重合形態としては、特に限定されず、バッチ式、連続式のいずれでもよい。
また、重合装置も特に限定されず、公知の装置、例えば、オートクレーブ型の反応器、タンブラー型反応器、ニーダー等の押出機型反応器等を用いることができる。
触媒としては、ポリアミドに用いられる公知のものであれば特に限定されず、例えば、リン酸、亜リン酸、次亜リン酸、オルト亜リン酸、ピロ亜リン酸、フェニルホスフィン酸、フェニルホスホン酸、2−メトキシフェニルホスホン酸、2−(2'−ピリジル)エチルホスホン酸、及びそれらの金属塩等が挙げられる。
前記金属塩の金属としては、以下に限定されないが、例えば、カリウム、ナトリウム、マグネシウム、バナジウム、カルシウム、亜鉛、コバルト、マンガン、錫、タングステン、ゲルマニウム、チタン、アンチモン等の金属塩やアンモニウム塩等が挙げられる。
また、前記触媒としては、エチルエステル、イソプロピルエステル、ブチルエステル、ヘキシルエステル、デシルエステル、イソデシルエステル、オクタデシルエステル、ステアリルエステル、フェニルエステル等のリン酸エステル類も用いることができる。
(A)ポリアミド610樹脂は、98%硫酸溶液粘度(JIS K 6920)が、好ましくは2.0〜3.0であり、より好ましくは2.0〜2.9であり、さらに好ましくは2.2〜2.6である。
硫酸溶液粘度が1.8以上であると、実用上十分な機械的特性を有する成形体が得られ、硫酸溶液粘度が3.0以下であると、成形時の流動性が良好なものとなり、表面外観性に優れた成形体が得られる。
本実施形態のポリアミド樹脂組成物は、上述した(A)ポリアミド610樹脂:100質量部に対し、(B)ガラス繊維:1〜200質量部を含有する。
前記(B)ガラス繊維を含有することにより、優れた剛性が得られる。
前記(B)ガラス繊維は、優れた機械的強度、耐振動疲労特性を発現できる観点から、数平均繊維径は3〜30μmが好ましく、より好ましくは3〜25μmであり、さらに好ましくは5〜20μmであり、重量平均繊維長は100〜750μmが好ましく、より好ましくは100〜700μmであり、さらに好ましくは200〜600μmである。
(B)ガラス繊維の重量平均繊維長(L)と数平均繊維径(D)とのアスペクト比(L/D)は、10〜100が好ましく、より好ましくは10〜90であり、さらに好ましくは20〜90である。
(B)ガラス繊維は、1種類のみを単独で用いてもよいし、数平均繊維径、重量平均繊維長の異なる2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
上述した(B)ガラス繊維の数平均繊維径(D)及び重量平均繊維長(L)は、顕微鏡法により測定することができる。
例えば、ペレット状のガラス繊維を含有するポリアミド樹脂組成物を、該ポリアミド樹脂組成物の分解温度以上で加熱し、残った(B)ガラス繊維を、顕微鏡を用いて写真撮影し、ガラス繊維の径及び長さを計測する方法により測定することができる。
顕微鏡法によって得られた測定値から、数平均繊維径(D)及び重量平均繊維長(L)を計算する方法としては、下記式(I)、式(II)が挙げられる。
数平均繊維径(D)=ガラス繊維の径の合計/ガラス繊維の数 ・・・(I)
重量平均繊維長(L)=ガラス繊維長さの2乗和/ガラス繊維長さの合計 ・・・(II)
(B)ガラス繊維の含有量を(A)ポリアミド610樹脂:100質量部に対して1質量部以上とすることにより、本実施形態のポリアミド樹脂組成物の機械的強度等が向上し、また、含有量を200質量部以下とすることにより、成形性に優れるポリアミド樹脂組成物が得られる。
なお、(B)ガラス繊維の含有量は、ポリアミド樹脂組成物を燃焼させて、残留した(B)成分を取り出し、測定することにより算出することができる。
これらの中でも、Eガラスが、入手が容易である観点から好ましい。
また、(B)ガラス繊維の引張強度は、本実施形態のポリアミド樹脂組成物の機械的強度の観点から、290kg/mm2以上であることが好ましい。
さらに、必要に応じ、前記(B)ガラス繊維は、集束剤により処理を施すこともできる。集束剤としては、以下に限定されるものではないが、例えば、カルボン酸無水物含有不飽和ビニル単量体と当該カルボン酸無水物含有不飽和ビニル単量体を除く不飽和ビニル単量体とを重合単位として具備する共重合体、エポキシ化合物、ポリウレタン樹脂、アクリル酸のホモポリマー、アクリル酸とその他共重合性モノマーとのコポリマー、並びにこれらの第1級、第2級及び第3級アミンとの塩が挙げられる。
これらは、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
特に、本実施形態のポリアミド樹脂組成物の機械的強度の観点から、カルボン酸無水物含有不飽和ビニル単量体と当該カルボン酸無水物含有不飽和ビニル単量体を除く不飽和ビニル単量体とを重合単位として含む共重合体、エポキシ化合物及びポリウレタン樹脂、並びにこれらの組み合わせが好ましく、カルボン酸無水物含有不飽和ビニル単量体と当該カルボン酸無水物含有不飽和ビニル単量体を除く不飽和ビニル単量体とを重合単位として含む共重合体及びポリウレタン樹脂、並びにこれらの組み合わせがより好ましい。
本実施形態のポリアミド樹脂組成物は、上述した(A)ポリアミド610樹脂:100質量部に対し、(C)ガラス繊維以外の無機充填材:0.1〜10質量部含有する。
当該(C)ガラス繊維以外の無機充填材の含有量は、上述した(A)ポリアミド610樹脂100質量部に対して、0.18〜10質量部であることが好ましく、0.18〜8質量部であることがより好ましく、0.18〜5質量部であることがさらに好ましく、2.0〜5.0質量部であることがさらにより好ましい。
(C)ガラス繊維以外の無機充填材の含有量を0.1質量部以上とすることにより、本実施形態のポリアミド樹脂組成物の強度を向上させる効果が発現される。一方、上記の含有量を10質量部以下とすることにより、押出性及び成形性に優れたポリアミド樹脂組成物を得ることができる。
かかる(C)ガラス繊維以外の無機充填材は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記(C)ガラス繊維以外の無機充填材としては、強度等を向上させる観点から、ウォラストナイト、カオリン、マイカ及びタルクからなる群より選択される一以上が好ましく、ウォラストナイト、カオリン及びタルクからなる群より選択される一以上がさらに好ましい。また、本実施形態のポリアミド樹脂組成物の成形品の表面外観を向上させる観点から、ウォラストナイト及びタルクがさらにより好ましい。
前記(C)ガラス繊維以外の無機充填材の平均粒径を38μm以下とすることにより、靭性、及び成形品の表面外観に優れたポリアミド樹脂組成物とすることができる。
一方、平均粒径を0.01μm以上とすることにより、コスト面及び粉体のハンドリング面と機械的物性(強度、靭性等)とのバランスに優れたポリアミド樹脂組成物が得られる。
なお、(C)ガラス繊維以外の無機充填材のうち、ウォラストナイトのような針状の形状を持つものに関しては、数平均繊維径(以下、単に「平均繊維径」ともいう。)を平均粒径とする。また、断面が円でない場合はその長さの最大値を繊維径とみなし、これを用いた数平均繊維径を平均粒径とする。
平均粒径(数平均繊維径)は、100個(本)以上の前記(C)ガラス繊維以外の無機充填材を任意に選択し、走査型電子顕微鏡(SEM)で観察して、これらの無機充填材の粒径(繊維径)を測定し、算術平均値を算出することにより求められる。
前記針状の形状を持つものの重量平均繊維長(L)と数平均繊維径(D)とのアスペクト比(L/D)に関しては、成形品の表面外観を向上させ、かつ射出成形機等の金属性パーツの磨耗を防止するという観点からは、1.5〜10が好ましく、2.0〜5がより好ましく、2.5〜4がさらに好ましい。
さらにまた、(C)ガラス繊維以外の無機充填材のうち針状の形状を持つもののアスペクト比は、本実施形態のポリアミド樹脂組成物の成形品において反りの発生を低減化する観点からは、10〜20が好ましく、15〜20がより好ましい。
ここで、本明細書における数平均繊維径(D)は、上述したように、100個(本)以上の原材料となる無機充填材を任意に選択し、走査型電子顕微鏡(SEM)で観察して、これらの無機充填材の繊維径を測定することにより求められる。加えて、本明細書における重量平均繊維長(L)は、繊維状の無機充填材を対象として、100本以上の無機充填材を任意に選択し、SEM写真を用いて繊維長を計測することにより求められる。
前記シランカップリング剤としては、以下に限定されるものではないが、例えば、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン及びN−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン等のアミノシラン類、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン及びγ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン等のメルカプトシラン類、エポキシシラン類、並びにビニルシラン類が挙げられる。
中でも、優れた機械的強度を発現できる観点からアミノシラン類がより好ましい。
これらは、一種のみを使用してもよく、二種以上を組み合わせて使用してもよい。
このような表面処理剤は、予め(C)ガラス繊維以外の無機充填材の表面に処理してもよいし、(A)ポリアミド610樹脂と(C)ガラス繊維以外の無機充填材とを混合する際に添加してもよい。
表面処理剤の添加量は、(C)ガラス繊維以外の無機充填材100質量%に対して、好ましくは0.05〜1.5質量%である。
本実施形態のポリアミド樹脂組成物は、上述した(A)ポリアミド610樹脂:100質量部に対し、(D)滑剤:0.01〜10質量部含有する。
当該(D)滑剤の含有量は、上述した(A)ポリアミド610樹脂:100質量部に対して、0.03〜10質量部であることが好ましく、0.03〜5質量部であることがより好ましく、0.05〜3質量部であることがさらに好ましい。
(D)滑剤の含有量を上記範囲内とすることにより、外観、離型性、機械的強度及び可塑化性に一層優れるポリアミド樹脂組成物が得られる。
前記(D)滑剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
高級脂肪酸の炭素数は8〜40であることが好ましい。前記高級脂肪酸としては、以下に限定されるものではないが、例えば、飽和又は不飽和の、直鎖状又は分岐状の、脂肪族モノカルボン酸が挙げられる。例えば、高級脂肪酸としては、ステアリン酸、パルミチン酸、ベヘン酸、エルカ酸、オレイン酸、ラウリン酸、モンタン酸等が挙げられる。
高級脂肪酸と塩を形成する金属元素としては、元素周期律表の第1族元素(アルカリ金属)、第2族元素(アルカリ土類金属)、第3族元素、亜鉛、アルミニウム等が挙げられる。当該金属元素としては、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属;カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属;アルミニウム;が好ましい。
前記高級脂肪酸金属塩としては、以下に限定されるものではないが、例えば、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム、モンタン酸カルシウム、モンタン酸ナトリウム、モンタン酸アルミニウム、モンタン酸亜鉛、モンタン酸マグネシウム、ベヘン酸カルシウム、ベヘン酸ナトリウム、ベヘン酸亜鉛、ラウリン酸カルシウム、ラウリン酸亜鉛、パルミチン酸カルシウム等が挙げられる。
前記高級脂肪酸金属塩としては、モンタン酸金属塩、ベヘン酸金属塩及びステアリン酸金属塩が好適に用いられ、中でも、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム、モンタン酸カルシウム、モンタン酸亜鉛、モンタン酸マグネシウム、ベヘン酸カルシウム、ベヘン酸亜鉛が好ましく、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム、モンタン酸カルシウム、モンタン酸亜鉛、ベヘン酸カルシウム、ベヘン酸亜鉛がより好ましく、モンタン酸カルシウム、モンタン酸亜鉛、ベヘン酸亜鉛が、さらに好ましい。
これら高級脂肪酸金属塩は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記高級脂肪酸金属塩中の金属含有量は、高級脂肪酸金属塩100質量%に対し、3.5〜11.5質量%であることが、外観及び離型性に一層優れるポリアミド樹脂組成物を得られる観点から好ましい。より好ましくは3.5〜10.0質量%であり、さらに好ましくは4.0〜9.0質量%である。
前記高級脂肪酸エステルとしては、炭素数8〜40の脂肪族モノカルボン酸と炭素数8〜40の脂肪族アルコールとのエステル化物が好ましい。
脂肪族アルコールとしては、以下に限定されるものではないが、例えば、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、ラウリルアルコール等が挙げられ、高級脂肪酸エステルとしては、例えば、ステアリン酸ステアリル、ベヘン酸ベヘニル等が挙げられる。
前記高級脂肪酸アミドとしては、以下に限定されるものではないが、例えば、ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、エチレンビスステアリルアミド、エチレンビスオレイルアミド、N−ステアリルステアリルアミド、N−ステアリルエルカアミド等が挙げられる。高級脂肪酸アミドとしては、ステアリン酸アミド、エルカ酸アミド、エチレンビスステアリルアミド、及びN−ステアリルエルカアミドが好ましく、エチレンビスステアリルアミド及びN−ステアリルエルカアミドがより好ましい。
また、(D)滑剤の融点は、示差走査熱量測定(DSC)等により測定することができ
る。
本実施形態のポリアミド樹脂組成物は、(E)銅化合物及びハロゲン化合物(ただし、ハロゲン化銅を除く。)をさらに含んでいてもよい。
前記(E)銅化合物及びハロゲン化合物(但し、ハロゲン化銅を除く。)で用いられる銅化合物としては、以下に限定されるものではないが、例えば、ハロゲン化銅、酢酸銅、プロピオン酸銅、安息香酸銅、アジピン酸銅、テレフタル酸銅、イソフタル酸銅、サリチル酸銅、ニコチン酸銅、ステアリン酸銅等や、エチレンジアミン、エチレンジアミン四酢酸等のキレート剤に配位した銅錯塩等が挙げられる。
これら銅化合物は、単独で用いてもよく、2種以上を混合してもよい。
この中でも、ヨウ化銅、臭化第一銅、臭化第二銅、塩化第一銅、酢酸銅が、熱安定性の観点から好ましい。
これらハロゲン化合物は、1種のみを単独で用いてもよく、2種以上を混合してもよい。
前記(E)銅化合物及びハロゲン化合物(ただし、ハロゲン化銅を除く。)の合計の含有量は、(A)ポリアミド610樹脂:100質量部に対して0.002〜2質量部が好ましく、より好ましくは0.01〜2質量部、さらに好ましくは0.03〜1.5質量部、さらにより好ましくは0.03〜1質量部である。この範囲にすることにより、本実施形態のポリアミド樹脂組成物及びその成形品において十分な耐熱エージング性の向上効果が得られ、銅析出、腐食を抑制できる。
ハロゲン元素の含有量xと銅元素の含有量yのモル比(x/y)が、2以上であると、銅析出、金属腐食の抑制することができて好ましい。また、前記ハロゲンと銅のモル比(x/y)が50以下であると、靭性等の機械物性を損なうことなく、成形機のスクリュー等の腐食を抑制することができる。
前記(E)銅化合物及びハロゲン化合物をマスターバッチの形態で添加することにより
、(E)成分の分散性が向上し、耐熱エージング特性の向上、腐食の防止、銅析出を一層
抑制できる。
また、前記ポリアミドマスターバッチで用いられるポリアミド樹脂としては、これらのうち少なくとも2種の異なったポリアミド形成成分を含むポリアミド共重合体、並びにこれらのポリアミド及び/又はポリアミド共重合体の混合物等が挙げられる。
上述したポリアミド樹脂のうち、本実施形態のポリアミド樹脂組成物及びその成形品において、長時間における不凍液との接触による機械物性の低下、及び高温乾燥下における機械物性の低下抑制の観点から、ポリヘキサメチレンセバカミド(ポリアミド610)、ポリヘキサメチレンドデカミド(ポリアミド612)等が好ましく、特にポリヘキサメチレンセバカミド(ポリアミド610)が好ましい。
本実施形態のポリアミド樹脂組成物に含まれる、前記(E)銅化合物及びハロゲン化合物(ただし、ハロゲン化銅を除く。)を含むポリアミドマスターバッチは、当該ポリアミドマスターバッチに含まれるポリアミド樹脂中の主成分がポリアミド610樹脂であることが好ましい。ここで「主成分」とは、当該ポリアミドマスターバッチを構成するポリアミド中のポリアミド610樹脂の含有量が80質量%以上であることを言い、85質量%以上が好ましく、90質量%以上がより好ましい。
また、含有させる(E)銅化合物及びハロゲン化合物の最大粒子径、すなわちマスターバッチ中に含まれる銅化合物、ハロゲン化合物の粒子のうちの最大粒子の粒子径は、共に、50μm以下であることが好ましく、より好ましくは20μm以下であり、さらに好ましくは10μm以下である。
ポリアミドマスターバッチにおいて、粒子径とは、二軸平均径、すなわち、短径と長径の平均値をいう。ここで、短径、長径とは、それぞれ、粒子に外接する面積が最小となる外接長方形の短辺、長辺である。前記(E)銅化合物及びハロゲン化合物の最大粒子径の測定は、少なくとも50個の粒子に関して走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて観察することにより求めることができる。
(E)銅化合物及びハロゲン化合物の最大粒子径を50μm以下にすることにより、ポリアミドマスターバッチにおいて、(E)銅化合物及びハロゲン化合物を微細にポリアミド中に分散させることができ、本実施形態のポリアミド樹脂組成物及びその成形品において、金属析出、腐食の問題点がより改善され、靭性、耐熱性エージング性、外観、色調がより改良される。
前記ポリアミドマスターバッチにおいては、当該ポリアミドマスターバッチの溶融混錬中に、少なくとも1つのアミド基を有する有機化合物を混合してもよい。
前記少なくとも1つのアミド基を有する有機化合物とは、分子鎖に少なくとも1つのアミド基を有する化合物である。当該少なくとも1つのアミド基を有する有機化合物としては、以下に限定されるものではないが、例えば、モノアマイド類、置換アマイド類、メチロールアマイド類、ビスアマイド類が挙げられる。
前記モノアマイド類は、一般式R−CONH2で表される(ここで、Rは炭素数8〜30の飽和脂肪族、不飽和脂肪族、芳香族あるいはそれらの−Hの一部が−OH に置換されたものである。)。当該モノアマイド類としては、以下に限定されるものではないが、例えば、ラウリル酸アマイド、パルチミン酸アマイド、ステアリン酸アマイド、ベヘン酸アマイド、ヒドロキシステアリン酸アマイド等、オレイン酸アマイド、エルカ酸アマイド等、リノシール酸アマイド等が挙げられる。
前記置換アマイド類は、一般式R1−CONH−R2で表される(ここで、R1及びR2は、それぞれ独立して、炭素数8〜30の飽和脂肪族、不飽和脂肪族、芳香族あるいはそれらの−Hの一部が−OHに置換されたものである)。当該置換アマイド類としては、以下に限定されるものではないが、例えば、N−ラウリルラウリル酸アマアド、N−パルチミルパルチミン酸アマイド、N−ステアリルステアリン酸アマイド、N−オレイルオレイン酸アマイド、N−ステアリルオレイン酸アマイド、N−オレイルステアリン酸アマイド、N−ステアリルエルカ酸アマイド、N−オレイルパルチミン酸アマイド、N−ステアリル12ヒドロキシステアリン酸アマイド、N−オレイル12ヒドロキシステアリン酸アマイド等が挙げられる。
前記メチロールアマイド類は、一般式R−CONHCH2OHで表される(ここで、Rは炭素数8〜30の飽和脂肪族、不飽和脂肪族、芳香族あるいはそれらの−Hの一部が−OHに置換されたものである)。当該メチロールアマイド類としては、以下に限定されるものではないが、例えば、メチロールステアリン酸アマイド、メチロールベヘン酸アマイド等が挙げられる。
前記ビスアマイド類は、一般式(R−CONH)2(CH2)n で表される(ここで、Rは炭素数8〜30の飽和脂肪族、不飽和脂肪族、芳香族あるいはそれらの−Hの一部が−OHに置換されたものである。また、nは1〜8である)。当該ビスアマイド類としては、以下に限定されるものではないが、例えば、メチレンビスラウリン酸アマイド、メチレンビスラウリン酸アマイド、メチレンビスヒドロキシステアリン酸アマイド、エチレンビスカプリル酸アマイド、エチレンビスラウリン酸アマイド、エチレンビスステアリン酸アマイド、エチレンビスイソステアリン酸アマイド、エチレンビスヒドロキシステアリン酸アマイド、エチレンビスベヘン酸アマイド、ヘキサメチレンビスステアリン酸アマイド、ヘキサメチレンビスベヘン酸アマイド、ヘキサメチレンビスヒドロキシステアリン酸アマイド、ブチレンビスヒドロキシステアリン酸アマイド、N,N'−ジステアリルアジピン酸アマイド、N,N'−ジステアリルセバシン酸アマイド、メチレンビスオレイン酸アマイド、エチレンビスオレイン酸アマイド、エチレンビスエルカ酸アマイド、ヘキサメチレンビスオレイン酸アマイド、N,N'−ジオレイルアジピン酸アマイド、N,N'−ジオレイルセバシン酸アマイド、m−キシリレンビスステアリン酸アマイド、N,N'−ジステアリルイソフタル酸アマイド等が挙げられる。
上述した少なくとも1つのアミド基を有する有機化合物は、単独で用いてもよく、2種以上を混合してもよい。上述した少なくとも1つのアミド基を有する有機化合物の中でも好ましいものとしては、銅化合物、ハロゲン化合物の分散性がより向上する観点から、ビスアマイド類を挙げることができる。
この範囲にすることにより、ポリアミドマスターバッチを構成する銅化合物、ハロゲン化合物のポリアミドマスターバッチを構成するポリアミド樹脂中での分散性がより向上し、本実施形態のポリアミド樹脂組成物及びその成形品において、十分な耐熱エージング性の向上が図られ、かつ銅析出及び腐食の抑制を達成することができる。
ポリアミドマスターバッチの製造方法について説明する。
ポリアミドマスターバッチは、上述した銅化合物、ハロゲン化合物、及び必要に応じて前記少なくとも1つのアミド基を有する有機化合物を、ポリアミド樹脂と混合することにより得られる。
銅化合物、ハロゲン化合物、及び少なくとも1つのアミド基を有する有機化合物は、それぞれ単独でポリアミド樹脂に配合してもよいし、3種類のうち少なくとも2種類の化合物を予め混合してからポリアミド樹脂に配合してもよいし、3種類のうち少なくとも2種類の化合物を予め混合し粉砕してからポリアミド樹脂に配合してもよいし、また3種類のうち少なくとも2種類の化合物を予め混合し粉砕しタブレット状にしてからポリアミド樹脂に配合してもよい。
前記粉砕する方法は、公知の方法を適用できる。例えば、ハンマーミル、ナイフミル、ボールミル、ジョークラッシャー、コーンクラッシャー、ローラミル、ジェットミル、碾臼等のいずれでもよい。
前記タブレット状にする方法は、公知の方法を適用できる。例えば、圧縮造粒法、打錠成形法、乾式押出造粒法、溶融押出造粒法等のいずれでもよい。
溶融混練を行う装置としては、特に制限されるものではなく、公知の装置を用いることができる。例えば、単軸あるいは2軸押出機、バンバリーミキサー及びミキシングロール等の溶融混練機が好ましく用いられる。中でも2軸押出機が好ましく用いられる。
また溶融混練機には、脱気機構(ベント)装置ならびにサイドフィーダー設備を装備してもよい。
溶融混練の温度は、ポリアミドのJIS K7121に準じた示差走査熱量(DSC)測定で求められる融点あるいは軟化点より1〜100℃程度高い温度が好ましい。
混練機での剪断速度は100(SEC-1)以上程度であることが好ましく、混練時の平均滞留時間は1〜15分程度が好ましい。
前記ポリアミドマスターバッチの水分率は0.06〜1.0質量%であることが好ましく、より好ましくは0.10〜0.75質量%であり、さらに好ましくは0.15〜0.75質量%である。
ポリアミドマスターバッチ中の水分は、ポリアミド分子に結合した状態の水分として存在してもよいし、ポリアミドマスターバッチ表面、例えばマスターバッチペレットやマスターバッチパウダー表面に付着した水分であってもよい。
前記ポリアミドマスターバッチの水分率をこの範囲にすることにより、銅化合物やハロゲン化合物の凝集を抑制することができる。このことにより、本実施形態のポリアミド樹脂組成物及びその成形品の靭性等の機械特性、耐熱エージング性の改良効果が高く、銅析出、金属腐食性の抑制がより可能となる。
前記ポリアミドマスターバッチの水分率は、押出機の減圧度、冷却時のストランドバス中の浸漬時間、浸漬長さの制御、あるいは水噴霧量の制御により調整できる。
本実施形態のポリアミド樹脂組成物は、(F)着色剤を、さらに含んでいてもよい。
(F)着色剤の含有量は、(A)ポリアミド610樹脂100質量部に対して、0.01〜5.0質量部であることが好ましく、0.02〜4.0 質量部であることがより好ましく、
0.03〜2.0質量部であることがさらに好ましい。
本実施形態のポリアミド樹脂組成物には、必要に応じて、本実施形態の目的を損なわない範囲で、熱劣化、熱時の変色防止、耐熱エージング性、及び耐候性の向上を目的に劣化抑制剤を添加してもよい。
劣化抑制剤としては、以下に限定されるものではないが、例えば、ヒンダードフェノール化合物等のフェノール系安定剤;ホスファイト系安定剤;ヒンダードアミン系安定剤;トリアジン系安定剤;及びイオウ系安定剤等が挙げられる。
これらの劣化抑制剤は、1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合せて用いてもよい。
本実施形態のポリアミド樹脂組成物には、必要に応じて、本実施形態の目的を損なわない範囲で、他の樹脂を添加してもよい。
このような樹脂としては、以下に限定されるものではないが、後述する熱可塑性樹脂やゴム成分等が挙げられる。
これらの熱可塑性樹脂は、1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合せて用いてもよい。
これらのゴム成分は、1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合せて用いてもよい。
本実施形態のポリアミド樹脂組成物は、(A)ポリアミド610樹脂に、上述した(B)ガラス繊維、(C)ガラス繊維以外の無機充填材、(D)滑剤、必要に応じて(E)銅化合物及びハロゲン化合物(ただし、ハロゲン化銅を除く。)、(F)着色剤、劣化抑制剤、その他の樹脂を配合することにより製造できる。
配合方法としては、公知の押出技術を用いることができる。
例えば、溶融混練温度は、樹脂温度にして250〜350℃程度が好ましい。溶融混練時間は、1〜30分程度が好ましい。
また、強化ポリアミドを構成する成分を溶融混練機に供給する方法は、すべての構成成分を同一の供給口に一度に供給してもよいし、構成成分をそれぞれ異なる供給口から供給してもよい。
具体的な混合方法は、(A)ポリアミド610樹脂と(B)ガラス繊維、(C)ガラス繊維以外の無機充填材、(D)滑剤、その他の成分を、ヘンシェルミキサー等を用いて混合し、溶融混練機に供給し、混練する方法や、減圧装置を備えた単軸又は2軸押出機で溶融状態にした(A)ポリアミド610樹脂、(D)滑剤に、サイドフィーダーから(B)ガラス繊維、(C)ガラス繊維以外の無機充填材、その他の成分を配合する方法等が挙げられる。
本実施形態のポリアミド樹脂組成物においては、JIS K7121に従い、示差走査熱量測定(但し、冷却速度を20℃/分として冷却した。)を行うことにより測定した、ポリアミド樹脂組成物中の前記(A)ポリアミド610樹脂の補外結晶化開始温度(Tic)が、200℃以上であることが、外観及び離型性に一層優れるポリアミド樹脂組成物を得られる観点から好ましい。より好ましくは、201℃以上220℃以下であり、さらに好ましくは202℃以上220℃以下であり、さらにより好ましくは203℃以上220℃以下である。
前記ポリアミド樹脂組成物中の(A)ポリアミド610樹脂の補外結晶化開始温度を好ましい範囲にするためには、(C)ガラス繊維以外の無機充填材と、(D)滑剤とを、(A)ポリアミド610樹脂:100質量部に対して(C)ガラス繊維以外の無機充填材を0.1〜10質量部、(D)滑剤を0.01〜10質量部、含有させることが有効である。
また、(D)滑剤を含有することにより、より好ましい補外結晶化開始温度を得られる傾向にあり、外観及び離型性に一層優れるポリアミド樹脂組成物が得られる。
本実施形態のポリアミド樹脂組成物を成形することにより、所定の成形品が得られる。
成形品を得る方法としては、特に限定されず、公知の成形方法を用いることができる。
例えば、押出成形、射出成形、真空成形、ブロー成形、射出圧縮成形、加飾成形、他材質成形、ガスアシスト射出成形、発砲射出成形、低圧成形、超薄肉射出成形(超高速射出成形)、及び金型内複合成形(インサート成形、アウトサート成形)等の成形方法が挙げられる。
本実施形態のポリアミド樹脂組成物の成形品は、過酷な成形条件下における成形体の表面外観の安定性、耐衝撃特性に優れ、様々な用途に用いることができる。
例えば、自動車分野、電気・電子分野、機械・工業分野、事務機器分野、航空・宇宙分野において、好適に用いることができる。
<硫酸溶液粘度>
ポリアミド610樹脂を98%硫酸に溶解し、JIS K6920に準じて測定した。
後述する実施例及び比較例において製造したポリアミド樹脂組成物のペレットを用いて
評価を行った。
示唆走査熱量測定は、Perkin−Elmer社製、「DSC7」を用いた。
JIS K7121を参考に、ポリアミド樹脂の融解ピーク終了時の温度より30℃高い温度まで加熱し、この温度に3分間保った後、冷却速度を毎分20℃で100℃まで冷却してDSC曲線を描いた。
冷却過程における、高温側のベースラインを低温側に延長した直線と、結晶化ピークの高温側の曲線にこう配が最大になる点で引いた接線の交点の温度を補外結晶化開始温度(Tic)とした。
JIS3号試験片を用いて評価を行った。
シリンダー温度を280℃、金型温度を80℃に設定し、射出17秒、冷却20秒の射出成形条件で、JIS3号試験片を得た。
試験片を130℃雰囲気下で、ロングライフクーラント(LLC)50%水溶液中で450時間浸漬後、水中23℃雰囲気下で引張クリープ試験を行い、試験開始から40時間で破断する応力の測定を行った。
評価用の成形品は、射出成形機を用いて作製した。
射出成形機は日精樹脂(株)製、「FN−3000」を用いた。
シリンダー温度を290℃、金型温度を80℃に設定し、射出及び保圧の時間20秒、冷却時間15秒の射出条件で、内径30mm×長さ60mm×厚み1.5mmの円筒状成形片を得た。尚、金型として、ゲートを成形片の円筒部片端の外側に設定し、ゲートと反対側の端には無理抜きとなるアンダーカット部を配し、円筒形状の外側に無理抜き用の突起を配したものを使用した。
得られた成形片の無理抜き用の突起部付け根の外観を観察した。
外観の評価は以下の基準で行った。
+++:20個の成形片を観察し、どの成形片においても、しわ状の模様もなく、良好な外観のもの
++ :20個の成形片を観察し、1個以上5個以下の成形片で、しわ状の模様が観察されたもの
+ :20個の成形片を観察し、5個より多い成形片で、しわ状の模様が観察されたもの
後述する実施例及び比較例において製造したポリアミド樹脂組成物を用い、射出成形機により成形を行い、離型性の評価を行った。
射出成形機は日精樹脂(株)製、「FN−3000」を用いた。
シリンダー温度を290℃、金型温度を80℃に設定し、射出及び保圧の時間20秒、冷却時間10秒の射出条件で、内径30mm×長さ60mm×厚み1.5mmの円筒状成形片を成形した。このときの金型からの離型性を評価した。
離型性の評価は、以下の基準で行った。
+++:20個の成形片を成形し、どの成形片でも問題なく離型したもの
++ :20個の成形片を成形し、1個以上5個以下の成形片で、離型不良が発生したもの
+ :20個の成形片を成形し、5個より多い成形片で、離型不良が発生したもの
射出成形機として、日精樹脂(株)製、「PS40E」を用い、評価用の試験片を製造した。
シリンダー温度を280℃、金型温度を80℃に設定し、射出+保圧時間25秒、冷却15秒の射出条件で、ISO試験片を得た。
ISO試験片を用いて、ISO 179に準じてシャルピー衝撃強度を測定した。
測定値はn(測定サンプル数)=6の平均値とした。
(A1):98%硫酸粘度2.5のポリアミド610樹脂
セバシン酸及びヘキサメチレンジアミンからなる重合単位の割合:100モル%
(A2):98%硫酸粘度2.3のポリアミド610樹脂
セバシン酸及びヘキサメチレンジアミンからなる重合単位の割合:100モル%
(A3):98%硫酸粘度2.5のポリアミド610樹脂
セバシン酸及びヘキサメチレンジアミンからなる重合単位の割合:100モル%
ヨウ化銅:0.03質量%、ヨウ化カリウム:0.5質量%、
ヨウ素/銅比モル比=20 ヨウ化銅及びヨウ化カリウムは重合時添加。
(A4):98%硫酸粘度2.3のポリアミド610樹脂
セバシン酸及びヘキサメチレンジアミンからなる重合単位の割合:100モル%
ヨウ化銅:0.03質量%、ヨウ化カリウム:0.5質量%、
ヨウ素/銅比モル比=20 ヨウ化銅及びヨウ化カリウムは重合時添加。
(A5):98%硫酸粘度2.5のポリアミド66樹脂
ヨウ化銅:0.03質量%、ヨウ化カリウム:0.5質量%、
ヨウ素/銅比モル比=20 ヨウ化銅及びヨウ化カリウムは重合時添加。
(B1)無水マレイン酸共重合体を含む集束剤により処理されたガラス繊維
数平均繊維径:10μm
(B2)ウレタン樹脂を含む集束剤により処理されたガラス繊維
数平均繊維径:10μm
(C1)タルク
商品名:ミクロエース(登録商標)L−1(日本タルク社製)
(D1)モンタン酸カルシウム 融点:135℃、金属含有量:4.8質量%
(D2)ベヘン酸カルシウム 融点:148℃、金属含有量:5.6質量%
(D3)ステアリン酸カルシウム 融点:155℃、金属含有量:6.7質量%
(D4)モンタン酸マグネシウム 融点:125℃、金属含有量:2.5質量%
(D5)モンタン酸亜鉛 融点:120℃、金属含有量:7.5質量%
(D6)ベヘン酸亜鉛 融点:126℃、金属含有量:8.8質量%
(D7)ステアリン酸亜鉛 融点:123℃、金属含有量:10.7質量%
前記各(D)滑剤の融点は、示差走査熱量測定(DSC)により測定した。
(E1)98%硫酸粘度2.3のポリアミド610樹脂 ヨウ化銅:3質量%、ヨウ化カリウム:15質量%、ヨウ素/銅比モル比=8 エチレンビスステアリルアミド:2質量%
(E2)98%硫酸粘度2.3のポリアミド610樹脂 ヨウ化銅:3質量%、ヨウ化カリウム:30質量%、ヨウ素/銅比モル比=20 エチレンビスステアリルアミド:2質量%
(F1)カーボンブラック
商品名:三菱(登録商標)カーボンブラック#2600(三菱化学社製)
前記(A)ポリアミド610樹脂を、東芝機械社製、TEM35 2軸押出機(設定温度:280℃、スクリュー回転数300rpm)にフィードホッパーより供給した。
さらに、サイドフィード口より、前記(A)ポリアミド610樹脂:100質量部に対して、前記(B)ガラス繊維を、下記表1に示す割合で供給し、溶融混練を行った。
前記(C)無機充填材、前記(D)滑剤を、前記(A)ポリアミド610樹脂:100質量部に対して、下記表1に示す割合で、フィードホッパーから供給した。
その他添加剤を下記表1に示す割合で、フィードホッパーより前記(A)ポリアミド610樹脂と同時に供給した。
紡口より押出された溶融混練物をストランド状で冷却し、ペレタイズしてペレット状のポリアミド樹脂組成物を得た。
また、得られたポリアミド樹脂組成物を用いて、上記記載の方法により、補外結晶化開始温度の測定、成形品を製造し、23℃水中引張クリープ特性の評価、外観、離型性、及びシャルピー衝撃強度の測定を行った。
評価結果を下記表1に示す。
前記(A)ポリアミド610樹脂を、東芝機械社製、TEM35 2軸押出機(設定温度:280℃、スクリュー回転数300rpm)にフィードホッパーより供給した。
さらに、サイドフィード口より、前記(A)ポリアミド610樹脂:100質量部に対して、前記(B)ガラス繊維を、下記表2に示す割合で供給し、溶融混練を行った。
その他添加剤を下記表2に示す割合で、フィードホッパーより前記(A)ポリアミド610樹脂と同時に供給した。
紡口より押出された溶融混練物をストランド状で冷却し、ペレタイズしてペレット状のポリアミド樹脂組成物を得た。
また、得られたポリアミド樹脂組成物を用いて、上記記載の方法により、補外結晶化開始温度の測定、成形品を製造し、23℃水中引張クリープ特性の評価、外観、離型性、及びシャルピー衝撃強度の測定を行った。
評価結果を下記表2に示す。
前記(A)ポリアミド610樹脂を、東芝機械社製、TEM35 2軸押出機(設定温
度:280℃、スクリュー回転数300rpm)にフィードホッパーより供給した。
さらに、サイドフィード口より、前記(A)ポリアミド610樹脂:100質量部に対
して、前記(B)ガラス繊維を、下記表3に示す割合で供給し、溶融混練を行った。
前記(C)無機充填材、前記(D)滑剤を、前記(A)ポリアミド610樹脂:100
質量部に対して、下記表3に示す割合で、フィードホッパーから供給した。
その他添加剤を下記表3に示す割合で、フィードホッパーより前記(A)ポリアミド6
10樹脂と同時に供給した。
紡口より押出された溶融混練物をストランド状で冷却し、ペレタイズしてペレット状の
ポリアミド樹脂組成物を得た。
また、得られたポリアミド樹脂組成物を用いて、上記記載の方法により、補外結晶化開
始温度の測定、成形品を製造し、23℃水中引張クリープ特性の評価、外観、離型性、及
びシャルピー衝撃強度の測定を行った。
評価結果を下記表3に示す。
一方、前記表2に示した比較例1〜11のポリアミド樹脂組成物の成形品は、23℃水中引張クリープ特性、外観、離型性、機械的特性が大きく低下したことが確認された。
Claims (8)
- (A)ポリアミド610樹脂:100質量部と、
(B)ガラス繊維:1〜200質量部と、
(C)ガラス繊維以外の無機充填材:0.1〜10質量部と、
(D)滑剤:0.01〜10質量部と、
を、含有するポリアミド樹脂組成物であって、
前記(D)滑剤が、高級脂肪酸金属塩であり、前記高級脂肪酸が、炭素数8以上の脂肪族モノカルボン酸であり、
前記(D)滑剤の融点が110〜150℃であり、
前記(D)滑剤である高級脂肪酸金属塩の金属含有量が3.5〜11.5質量%である、ポリアミド樹脂組成物。 - 前記(A)ポリアミド610樹脂の、98%硫酸中で測定した相対粘度が、2.0〜3
.0である、請求項1に記載のポリアミド樹脂組成物。 - 前記(B)ガラス繊維が、カルボン酸無水物含有不飽和ビニル単量体と、当該カルボン
酸無水物含有不飽和ビニル単量体を除く不飽和ビニル単量体を、重合単位として具備する
共重合体を含む集束剤により処理されているガラス繊維である、請求項1又は2に記載のポリアミド樹脂組成物。 - (E)銅化合物及びハロゲン化合物(ただし、ハロゲン化銅を除く。):0.002〜
2質量部を、さらに含む、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のポリアミド樹脂組成物。 - 前記(E)銅化合物及びハロゲン化合物(ただし、ハロゲン化銅を除く。)中のハロゲ
ン元素の含有量xと、銅元素の含有量yとのモル比x/yが、2/1〜50/1である、
請求項4に記載のポリアミド樹脂組成物。 - 前記(E)銅化合物及びハロゲン化合物(ただし、ハロゲン化銅を除く。)が、ポリア
ミドマスターバッチの形態で添加される、請求項4又は5に記載のポリアミド樹脂組成物。 - (F)着色剤:0.01〜5質量部をさらに含む、請求項1乃至6のいずれか一項に記載のポリアミド樹脂組成物。
- 請求項1乃至7のいずれか一項に記載のポリアミド樹脂組成物を含む成形品。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013181648A JP6195766B2 (ja) | 2013-09-02 | 2013-09-02 | ポリアミド樹脂組成物及び成形品 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013181648A JP6195766B2 (ja) | 2013-09-02 | 2013-09-02 | ポリアミド樹脂組成物及び成形品 |
Publications (3)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2015048424A JP2015048424A (ja) | 2015-03-16 |
JP2015048424A5 JP2015048424A5 (ja) | 2015-07-23 |
JP6195766B2 true JP6195766B2 (ja) | 2017-09-13 |
Family
ID=52698707
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2013181648A Active JP6195766B2 (ja) | 2013-09-02 | 2013-09-02 | ポリアミド樹脂組成物及び成形品 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6195766B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP3932979A4 (en) * | 2019-02-25 | 2022-12-28 | Kuraray Co., Ltd. | WATERPROOF ELEMENT, ELECTRONIC EQUIPMENT COMPRISING SUCH WATERPROOF ELEMENT, METHOD OF SEALING BY MEANS OF AN INSERT MOLDED BODY, AND METHOD OF SEALING FOR ELECTRONIC EQUIPMENT |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017039818A (ja) * | 2015-08-18 | 2017-02-23 | 旭化成株式会社 | ポリアミド樹脂組成物、ポリアミド樹脂組成物の製造方法、及び成形品 |
Family Cites Families (11)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4488563B2 (ja) * | 1999-11-05 | 2010-06-23 | 旭化成ケミカルズ株式会社 | 成形性に優れた強化ポリアミド樹脂組成物 |
JP2003238804A (ja) * | 2002-02-21 | 2003-08-27 | Asahi Kasei Corp | 家具用ポリアミド樹脂組成物及びその成形品 |
JP2005162821A (ja) * | 2003-12-01 | 2005-06-23 | Asahi Kasei Chemicals Corp | ポリアミド樹脂組成物 |
DE102004051241A1 (de) * | 2004-10-20 | 2006-05-04 | Basf Ag | Fließfähige Polyamide mit hyperverzweigten Polyestern/Polycarbonaten |
WO2008123327A1 (ja) * | 2007-03-19 | 2008-10-16 | Denso Corporation | 自動車冷却システム構成部品 |
ATE488546T1 (de) * | 2007-03-19 | 2010-12-15 | Du Pont | Polyamidharzzusammensetzungen |
JP2009120692A (ja) * | 2007-11-14 | 2009-06-04 | Nissan Motor Co Ltd | 樹脂組成物およびその製造方法 |
TWI417329B (zh) * | 2008-07-18 | 2013-12-01 | Ticona Llc | 阻燃劑聚合物組合物 |
JP5482186B2 (ja) * | 2009-02-26 | 2014-04-23 | 東レ株式会社 | ポリアミドマスターバッチの製造方法およびポリアミド樹脂組成物の製造方法 |
JP2010269995A (ja) * | 2009-04-22 | 2010-12-02 | Asahi Kasei Chemicals Corp | ガラス繊維集束剤及びガラス繊維強化熱可塑性樹脂組成物 |
JP5844627B2 (ja) * | 2011-12-06 | 2016-01-20 | 旭化成ケミカルズ株式会社 | ポリアミド樹脂組成物及び成形品 |
-
2013
- 2013-09-02 JP JP2013181648A patent/JP6195766B2/ja active Active
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP3932979A4 (en) * | 2019-02-25 | 2022-12-28 | Kuraray Co., Ltd. | WATERPROOF ELEMENT, ELECTRONIC EQUIPMENT COMPRISING SUCH WATERPROOF ELEMENT, METHOD OF SEALING BY MEANS OF AN INSERT MOLDED BODY, AND METHOD OF SEALING FOR ELECTRONIC EQUIPMENT |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2015048424A (ja) | 2015-03-16 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5497921B2 (ja) | 共重合ポリアミド | |
JP6034463B2 (ja) | 強化ポリアミド樹脂ペレット | |
WO2014109300A1 (ja) | ポリアミド組成物及び成形品 | |
JP7311338B2 (ja) | ポリアミド樹脂組成物及び成形品の製造方法 | |
JP5667625B2 (ja) | マスターバッチペレットおよびその製造方法ならびに該マスターバッチペレットを含むポリアミド樹脂組成物 | |
WO2014010607A1 (ja) | ポリアミド、ポリアミド組成物及び成形品 | |
WO2015046247A1 (ja) | ポリアミド樹脂組成物及び成形品 | |
JP5854564B2 (ja) | ポリアミド樹脂組成物及び成形品 | |
JP5400457B2 (ja) | ポリアミド樹脂組成物及び成型体 | |
JP5400456B2 (ja) | ポリアミド樹脂組成物及びそれからなる成型体 | |
JP2017014388A (ja) | ポリアミド樹脂組成物及び成形体 | |
JP2017190405A (ja) | ポリアミド樹脂組成物及び成形体 | |
JP6195766B2 (ja) | ポリアミド樹脂組成物及び成形品 | |
JP2018002906A (ja) | 強化ポリアミド樹脂成形体 | |
JP6034074B2 (ja) | 共重合ポリアミド | |
JP5997525B2 (ja) | 共重合ポリアミド組成物及び成形品 | |
JP5669626B2 (ja) | ポリアミド樹脂組成物及び成形品 | |
JP2017014387A (ja) | ポリアミド樹脂組成物および成形品 | |
JP6822766B2 (ja) | ポリアミド樹脂組成物を含む成形体 | |
JP5637772B2 (ja) | ポリアミド溶着成形品 | |
JP6678424B2 (ja) | ポリアミド樹脂組成物及び成形体 | |
JP5959190B2 (ja) | ポリアミド樹脂組成物及び成形品 | |
JP6857708B2 (ja) | ポリアミド樹脂組成物及び成形体 | |
JP6042110B2 (ja) | 共重合ポリアミド | |
JP6417529B2 (ja) | ポリアミド樹脂組成物及び成形体 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20150609 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20150609 |
|
A871 | Explanation of circumstances concerning accelerated examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871 Effective date: 20150609 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20151015 |
|
A975 | Report on accelerated examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005 Effective date: 20151014 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20151019 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20151217 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20160208 |
|
A711 | Notification of change in applicant |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712 Effective date: 20160401 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20160502 |
|
A911 | Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911 Effective date: 20160518 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20160523 |
|
A912 | Removal of reconsideration by examiner before appeal (zenchi) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912 Effective date: 20160708 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20170816 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6195766 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
S531 | Written request for registration of change of domicile |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |