JP6417529B2 - ポリアミド樹脂組成物及び成形体 - Google Patents

ポリアミド樹脂組成物及び成形体 Download PDF

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Description

本発明は、ポリアミド樹脂組成物及び成形体に関する。
ポリアミド樹脂は、優れた機械的特性(機械的強度、剛性や耐衝撃性など)、靭性、耐熱性、耐薬品性、耐薬品性を有することから、従来から、衣料、産業資材、自動車、電気・電子その他の工業といった様々な産業分野で利用されている。
しかし、ポリアミド樹脂は熱や紫外線等により酸化劣化しやすいため、屋外に曝露される条件下での使用については制限がある。
従来、ポリアミド樹脂の耐候性を向上させる技術として、カーボンブラックを添加する技術が知られている(例えば、特許文献1、2、3参照)。
特開2011−57977号公報 特開2006−137815号公報 特開2002−97363号公報
しかしながら、より長期間屋外に曝露される条件下での使用という点ではまだ十分ではなく、より高いレベルでの耐候性に優れるポリアミド樹脂組成物が求められている。
本発明は上記事情に鑑みなされたものであり、耐候性に優れたポリアミド樹脂組成物を提供することを目的とするものである。
本発明者らは上記課題を解決するため鋭意検討した結果、ポリアミド樹脂と、銅化合物と、アルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属のハロゲン化物と、所定のカーボンブラックと、低次酸化チタンとを含むポリアミド樹脂組成物が、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明のポリアミド樹脂組成物は、
(A)ポリアミド樹脂と、
(B)銅化合物と、
(C)アルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属のハロゲン化物と、
(D)カーボンブラックと、
(E)低次酸化チタンと、
を含有し、
(D)カーボンブラックの比表面積が300m/g以下であることを特徴とする。
(A)ポリアミド樹脂は、ポリアミド6、ポリアミド46、ポリアミド66、ポリアミド610、ポリアミド612、ポリアミド6T、ポリアミド6I及びポリアミドMXD6、並びにこれらの少なくとも1種を構成成分として含む共重合ポリアミドからなる群より選択された1種以上であることが好ましい。
(B)銅化合物はハロゲン化銅化合物であることが好ましい。
ポリアミド樹脂組成物中に含まれるハロゲン元素/銅元素のモル比は2/1〜50/1であることが好ましい。
(D)カーボンブラックの平均一次粒子径は18nm以上であることが好ましい。
(D)カーボンブラックのDBP吸油量は75cm/100g以上であることが好ましい。
(E)低次酸化チタンはTiO(m=1.0〜1.99)であることが好ましい。
(D)カーボンブラックの含有量はポリアミド樹脂組成物100質量%に対して0.1〜3質量%、(E)低次酸化チタンの含有量はポリアミド樹脂組成物100質量%に対して0.01〜1質量%であることが好ましい。
(D)カーボンブラックと(E)低次酸化チタンの質量比((D)カーボンブラック/(E)低次酸化チタン)は1/1〜20/1であることが好ましい。
ポリアミド樹脂組成物は(F)無機充填材をさらに含有することが好ましい。
ポリアミド樹脂組成物は(G)結晶化遅延剤をさらに含有することが好ましい。
本発明の成形体は、上記本発明のポリアミド樹脂組成物を成形してなることを特徴とする。
成形体としては自動車外装部品により好適である。
本発明のポリアミド樹脂組成物は、(A)ポリアミド樹脂と、(B)銅化合物と、(C)アルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属のハロゲン化物と、(D)カーボンブラックと、(E)低次酸化チタンとを含有し、(D)カーボンブラックの比表面積が300m/g以下であるので、耐候性に優れたものとすることができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
〔ポリアミド樹脂組成物〕
本発明のポリアミド樹脂組成物は、(A)ポリアミド樹脂と、(B)銅化合物と、(C)アルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属のハロゲン化物と、(D)カーボンブラックと、(E)低次酸化チタンと、を含有し、(D)カーボンブラックの比表面積が300m/g以下であることを特徴とする。
以下、ポリアミド樹脂組成物の各構成要素について詳細に説明する。
(A)ポリアミド樹脂
(A)ポリアミド樹脂(以下、単にポリアミド樹脂あるいは(A)成分と記載する場合もある)とは、主鎖に−CO−NH−(アミド)結合を有する高分子化合物を意味する。
ポリアミド樹脂は、以下に限定されるものではないが、例えば、ラクタムの開環重合で得られるポリアミド樹脂、ω−アミノカルボン酸の自己縮合で得られるポリアミド樹脂、ジアミン及びジカルボン酸を縮合することで得られるポリアミド樹脂、並びにこれらの共重合物が挙げられる。これらのポリアミド樹脂は、1種のみを単独で用いてもよく、2種以上の混合物として用いてもよい。
以下、ポリアミド樹脂の原料について説明する。
ポリアミド樹脂の構成成分である単量体としてのラクタムとしては、以下に限定されるものではないが、例えば、ピロリドン、カプロラクタム、ウンデカラクタム、及びドデカラクタムが挙げられる。これらは、1種のみを単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ω−アミノカルボン酸としては、以下に限定されるものではないが、例えば、ラクタムの水による開環化合物であるω−アミノ脂肪酸が挙げられる。なお、ラクタム又はω−アミノカルボン酸として、それぞれ2種以上の単量体を併用して縮合させてもよい。
続いて、ジアミン及びジカルボン酸を縮合することで得られるポリアミド樹脂について説明する。
まず、ジアミン(単量体)としては、以下に限定されるものではないが、例えば、ヘキサメチレンジアミン及びペンタメチレンジアミン等の直鎖状の脂肪族ジアミン;2−メチルペンタンジアミン及び2−エチルヘキサメチレンジアミン等の分岐型の脂肪族ジアミン;p−キシリレンジアミン及びm−キシリレンジアミン等の芳香族ジアミン;シクロヘキサンジアミン、シクロペンタンジアミン及びシクロオクタンジアミン等の脂環式ジアミンが挙げられる。
他方、ジカルボン酸(単量体)としては、以下に限定されるものではないが、例えば、アジピン酸、ピメリン酸及びセバシン酸などの脂肪族ジカルボン酸;フタル酸及びイソフタル酸などの芳香族ジカルボン酸;シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環式ジカルボン酸が挙げられる。
上述した単量体としてのジアミン及びジカルボン酸は、それぞれ1種のみを単独で用いてもよく、2種以上の併用により縮合させてもよい。
ポリアミド樹脂としては、以下に限定されるものではないが、例えば、ポリアミド4(ポリα−ピロリドン)、ポリアミド6(ポリカプロアミド)、ポリアミド11(ポリウンデカンアミド)、ポリアミド12(ポリドデカンアミド)、ポリアミド46(ポリテトラメチレンアジパミド)、ポリアミド66(ポリヘキサメチレンアジパミド)、ポリアミド610(ポリヘキサメチレンセバカミド)、ポリアミド612(ポリヘキサメチレンドデカミド)、ポリアミド6T(ポリヘキサメチレンテレフタルアミド)、ポリアミド9T(ポリノナンメチレンテレフタルアミド)、ポリアミドMXD6(ポリm−キシリレンアジパミド)、及びポリアミド6I(ポリヘキサメチレンイソフタルアミド)、並びにこれらを構成成分として含む共重合ポリアミドが挙げられる。
上述したポリアミド樹脂は、1種のみを単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記で列挙したポリアミド樹脂の中でも、融点が200℃以上であるポリアミド樹脂が、耐熱性向上の観点より好ましい。かかる特性を具備する好ましいポリアミド樹脂としては、以下に限定されるものではないが、例えば、ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド610、ポリアミド612、ポリアミド46、ポリアミド6T、ポリアミド6I、ポリアミド9TおよびポリアミドMXD6、並びにこれらを構成成分として含む共重合ポリアミドからなる群より選択された1種以上が挙げられ、より好ましくは、ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド610、ポリアミド612、ポリアミド46、ポリアミド6T、ポリアミド6IおよびポリアミドMXD6、並びにこれらを構成成分として含む共重合ポリアミドからなる群より選択された1種以上であり、さらに好ましくは、ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド610、ポリアミド612、ポリアミド6IおよびポリアミドMXD6、並びにこれらを構成成分として含む共重合ポリアミドからなる群より選択された1種以上である。
なお、本明細書におけるポリアミド樹脂の融点は、JIS K7121に準拠した示差走査熱量測定法(DSC法)によって求められたものを指す。
また、ポリアミド樹脂のポリマー鎖中の炭素数/窒素数の比(C/Nの比)は、耐熱エージング性の観点から、5を超えるものが好ましい。より好ましくは5を超えて15以下であり、さらに好ましくは5を超えて12以下である。
共重合ポリアミドとしては、以下に限定されるものではないが、例えば、ヘキサメチレンアジパミド及びヘキサメチレンテレフタルアミドの共重合物、ヘキサメチレンアジパミド及びヘキサメチレンイソフタルアミドの共重合物、並びにヘキサメチレンテレフタルアミド及び2−メチルペンタンジアミンテレフタルアミドからなる群より選択された1種以上の共重合物が挙げられる。
また、ポリアミド樹脂の末端基としては、一般にアミノ基又はカルボキシル基が存在する。
ポリアミド樹脂における末端基の比は、アミノ基濃度/カルボキシル基濃度として、好ましくは9/1〜1/9であり、より好ましくは6/4〜1/9であり、さらに好ましくは5/5〜1/9である。末端基の比が上記範囲内である場合、本発明のポリアミド樹脂組成物の機械的強度を一層向上させることができる。
ポリアミド樹脂におけるアミノ基末端の濃度は、好ましくは10〜100μmol/gであり、より好ましくは15〜80μmol/gであり、さらに好ましくは30〜80μmol/gである。ポリアミド樹脂におけるアミノ基末端の濃度が上記範囲内である場合、本発明のポリアミド樹脂組成物の機械的強度を一層向上させることができる。
ポリアミド樹脂におけるカルボキシル基末端の濃度は、好ましくは20μmol/g以上であり、より好ましくは50μmol/g以上であり、さらに好ましくは50〜120μmol/gであり、さらにより好ましくは50〜100μmol/gである。ポリアミド樹脂におけるカルボキシル基末端の濃度が上記範囲内である場合、本発明のポリアミド樹脂組成物の耐熱エージング性を一層向上させることができる。
ここで、ポリアミド樹脂のアミノ基末端及びカルボキシル基末端の濃度は、H−NMRにより測定され、各末端基に対応した特性シグナルの積分値によって求めることができる。
ポリアミド樹脂の末端基の濃度は、適宜調整することができ、末端基の調整方法としては、公知の方法を用いることができる。末端基の調整方法としては、以下に限定されるものではないが、例えば、末端調整剤を用いる方法が挙げられる。
具体的には、ポリアミド樹脂の重合時に所定の末端濃度となるように、モノアミン化合物、ジアミン化合物、モノカルボン酸化合物、及びジカルボン酸化合物よりなる群から選択される1種以上を添加することにより調整することができる。
これらの成分の重合溶媒への添加時期については、末端調整剤として本来の機能を果たす限り特に限定されるものではなく、例えば、上述したポリアミド樹脂の原料を重合溶媒に添加する際に添加する方法が挙げられる。
モノアミン化合物としては、以下に限定されるものではないが、例えば、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ヘキシルアミン、オクチルアミン、デシルアミン、ステアリルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン及びジブチルアミン等の脂肪族モノアミン;シクロヘキシルアミン及びジシクロヘキシルアミン等の脂環式モノアミン;アニリン、トルイジン、ジフェニルアミン及びナフチルアミン等の芳香族モノアミン、並びにこれらの任意の混合物などが挙げられる。
これらは1種のみを単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
特に、反応性、沸点、封止末端の安定性、及び価格などの観点から、モノアミン化合物としては、ブチルアミン、ヘキシルアミン、オクチルアミン、デシルアミン、ステアリルアミン、シクロヘキシルアミン、及びアニリンからなる群より選択される1種以上が好ましい。
ジアミン化合物としては、以下に限定されるものではないが、例えば、ヘキサメチレンジアミン及びペンタメチレンジアミン等の直鎖状の脂肪族ジアミン;2−メチルペンタンジアミン及び2−エチルヘキサメチレンジアミン等の分岐型の脂肪族ジアミン;p−フェニレンジアミン及びm−フェニレンジアミン等の芳香族ジアミン;シクロヘキサンジアミン、シクロペンタンジアミン及びシクロオクタンジアミン等の脂環式ジアミンが挙げられる。
これらは1種のみを単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
モノカルボン酸化合物としては、以下に限定されるものではないが、例えば、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、カプリル酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチル酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ピバリン酸及びイソブチル酸などの脂肪族モノカルボン酸;シクロヘキサンカルボン酸などの脂環式モノカルボン酸;安息香酸、トルイル酸、α−ナフタレンカルボン酸、β−ナフタレンカルボン酸、メチルナフタレンカルボン酸及びフェニル酢酸などの芳香族モノカルボン酸が挙げられる。
これらのモノカルボン酸化合物は、1種のみを単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ジカルボン酸化合物としては、以下に限定されるものではないが、例えば、マロン酸、ジメチルマロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、2−メチルアジピン酸、トリメチルアジピン酸、ピメリン酸、2,2−ジメチルグルタル酸、3,3−ジエチルコハク酸、アゼライン酸、セバシン酸及びスベリン酸などの脂肪族ジカルボン酸;1,3−シクロペンタンジカルボン酸及び1,4−シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環式ジカルボン酸;イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,4−フェニレンジオキシジ酢酸、1,3−フェニレンジオキシジ酢酸、ジフェン酸、ジフェニルメタン−4,4’−ジカルボン酸、ジフェニルスルホン−4,4’−ジカルボン酸及び4,4’−ビフェニルジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸から誘導される単位(ユニット)が挙げられる。
これらのジカルボン酸化合物は、1種のみを単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(B)銅化合物
(B)銅化合物(以下、単に銅化合物あるいは(B)成分と記載する場合もある)としては、以下に限定されるものではないが、例えば、ハロゲン化銅化合物(ヨウ化銅、臭化第一銅、臭化第二銅、塩化第一銅など)、酢酸銅、プロピオン酸銅、安息香酸銅、アジピン酸銅、テレフタル酸銅、イソフタル酸銅、サリチル酸銅、ニコチン酸銅及びステアリン酸銅、並びにエチレンジアミン及びエチレンジアミン四酢酸などのキレート剤に銅の配位した銅錯塩が挙げられる。
これらは、1種のみを単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記で列挙した銅化合物の中でも、好ましくはハロゲン化銅化合物(ヨウ化銅、臭化第一銅、臭化第二銅、塩化第一銅など)及び酢酸銅よりなる群から選択される1種以上であり、より好ましくはハロゲン化銅化合物、さらに好ましくはヨウ化銅及び/又は臭化第一銅である。これらを用いた場合、耐候性に優れ、かつ押出時のスクリューやシリンダー部の金属腐食(以下、単に「金属腐食」ともいう)を効果的に抑制できるポリアミド樹脂組成物が得られる。
銅化合物の含有量は、ポリアミド樹脂組成物100質量%に対して、好ましくは0.001〜0.2質量%であり、より好ましくは0.05〜0.15質量%であり、さらに好ましくは0.01〜0.1質量%である。
ポリアミド樹脂組成物中の銅化合物の含有量が上記範囲内である場合、耐候性を一層向上させるとともに、銅の析出や金属腐食を効果的に抑制することができる。
また、ポリアミド樹脂組成物中における銅元素の含有量は、ポリアミド樹脂組成物の耐候性を向上させる観点から、ポリアミド樹脂組成物100質量%に対し、好ましくは0.001質量%以上であり、より好ましくは0.005質量%以上であり、さらに好ましくは0.005〜0.05質量%である。
(C)アルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属のハロゲン化物
(C)アルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属のハロゲン化物(以下、単にハロゲン化物あるいは(C)成分と記載する場合もある)としては、以下に限定されるものではないが、例えば、ヨウ化カリウム、臭化カリウム、ヨウ化ナトリウム、臭化ナトリウム、ヨウ化リチウム、臭化リチウム、塩化リチウム、ヨウ化カルシウム、臭化カルシウム、ヨウ化マグネシウム及び臭化マグネシウム、並びにこれらの混合物が挙げられる。
特に、耐候性の向上、及び金属腐食の抑制という観点から、好ましくはヨウ化カリウム、臭化カリウム、ヨウ化ナトリウム、臭化ナトリウムであり、より好ましくはヨウ化カリウムまたは臭化カリウムである。
ハロゲン化物の含有量は、ポリアミド樹脂組成物100質量%に対して、好ましくは0.05〜5質量%であり、より好ましくは0.1〜2質量%であり、さらに好ましくは0.1〜0.5質量%である。ハロゲン化物の含有量が上記範囲内である場合、耐候性を一層向上させることができるとともに、銅析出や金属腐食を効果的に抑制することができる。
また、ポリアミド樹脂組成物中におけるハロゲン元素の含有量は、ポリアミド樹脂組成物の耐候性を向上させる観点から、ポリアミド樹脂組成物100質量%に対し、好ましくは0.03〜4質量%であり、より好ましくは0.06〜1.5質量%であり、さらに好ましくは0.06〜0.4質量%である。
(B)銅化合物と(C)ハロゲン化物との含有割合は、ハロゲン元素と銅元素とのモル比(ハロゲン元素/銅元素)が2/1〜50/1となるように、それぞれ含有させることが好ましく、より好ましくは5/1〜30/1であり、さらに好ましくは5/1〜20/1である。
ここで、ハロゲン元素は、例えば(B)成分がハロゲン化銅の場合、ハロゲン化銅に由来するハロゲン元素と、(C)成分のハロゲン化物に由来するハロゲン元素の合計を意味する。
ハロゲン元素と銅元素とのモル比(ハロゲン元素/銅元素)が2/1以上である場合、耐候性をより一層向上させることができる。
一方、モル比(ハロゲン元素/銅元素)が50/1以下である場合、靭性などの機械的な物性を殆ど損なうことなく、成形機のスクリュー等の腐食を防止できるため好適である。
(D)カーボンブラック
(D)カーボンブラック(以下、単にカーボンブラックあるいは(D)成分と記載する場合もある)としては、その製造方法によりファーネスブラック、チャンネルブラック、サーマルブラック等に分類され、その原料の違いにより、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、オイルブラック、ガスブラック等に分類されるが、本発明においては特に限定されずに使用することができる。
カーボンブラックの比表面積は300m/g以下である。好ましくは200m/g以下、より好ましくは5m/g以上150m/g以下、さらに好ましくは15m/g以上150m/g以下、特に好ましくは15m/g以上100m/g以下である。比表面積がこの範囲内である場合、耐候性を一層向上させることができる。これらカーボンブラックの比表面積は、JIS K6217に従い、窒素吸着量から測定することができる。
カーボンブラックの平均一次粒子径は、好ましくは18nm以上であり、より好ましくは21nm以上であり、さらに好ましくは21nm以上100nm以下であり、特に好ましくは21nm以上60nm以下である。平均一次粒子径がこの範囲内である場合、耐候性を一層向上させることができるため好適である。平均一次粒子径は、ASTM D3849規格(カーボンブラックの標準試験法−電子顕微鏡法による形態的特徴付け)に記載の手順によりアグリゲート拡大画像を取得し、このアグリゲート画像から単位構成粒子として3,000個の粒子径を測定し、この測定値の平均値として求められる。
カーボンブラックのDBP吸油量(カーボンブラック100gが吸収するジブチルフタレートの量)は、好ましくは75cm/100g以上であり、より好ましくは100〜300cm/100gであり、さらに好ましくは120〜250cm/100gである。DBP吸油量がこの範囲内である場合、耐候性を一層向上させることができる。カーボンブラックのDBP吸油量は、JIS K6221に従い測定される値である。
カーボンブラックの含有量は、ポリアミド樹脂組成物100質量%に対して、好ましくは0.1〜3質量%であり、より好ましくは0.3〜2質量%であり、さらに好ましくは0.3〜1.5質量%であり、特に好ましくは0.4〜1質量%である。カーボンブラックの含有量がこの範囲内である場合、ポリアミド樹脂組成物において成形品外観を損なうことなく、耐候性を一層向上させることができる。
(E)低次酸化チタン
(E)低次酸化チタン(以下、単に低次酸化チタンあるいは(E)成分と記載する場合もある)としては、以下に限定されるものではないが、例えば、一酸化チタン、三酸化二チタン、五酸化三チタン等のように、金属チタニウムと二酸化チタンを目的とする酸化物のTiとOの比率になるように化学量論的に混合し、不活性ガス中で焼成する方法により得られ、一般にTi2x−1(x=1,2,3)で表されるものや、二酸化チタンを還元処理して得られ、一般にTiO(y=1〜1.99)で表されるもの等が挙げられる。
これらの低次酸化チタンを総称してTiOと示した時に、m=0.1〜1.99であることが好ましく、m=1.0〜1.99であることがより好ましく、m=1.0〜1.86であることがさらに好ましい。mの値がこの範囲内である場合、耐候性を一層向上させることができる。
低次酸化チタンの含有量は、ポリアミド樹脂組成物100質量%に対して、好ましくは0.01〜1質量%であり、より好ましくは0.01〜0.5質量%であり、さらに好ましくは0.05〜0.5質量%である。低次酸化チタンの含有量がこの範囲内である場合、本発明のポリアミド樹脂組成物において機械的強度を低下させることなく、耐候性を一層向上させることができる。
本発明のポリアミド樹脂組成物における、(D)カーボンブラックと(E)低次酸化チタンとの含有割合は、質量比((D)カーボンブラック/(E)低次酸化チタン)が1/1〜20/1となるように、それぞれ含有させることが好ましく、より好ましくは1/1〜10/1であり、さらに好ましくは3/2〜10/1であり、特に好ましくは3/2〜6/1である。
質量比がこの範囲内である場合、本発明のポリアミド樹脂組成物において成形品外観を損なうことなく、耐候性を一層向上させることができるため好適である。
(ポリアミド樹脂組成物に含まれ得る他の成分)
(F)無機充填材
本発明のポリアミド樹脂組成物においては、上述した(A)成分〜(E)成分に加え、(F)無機充填材(以下、無機充填材あるいは(F)成分と記載する場合もある)を、ポリアミド樹脂組成物にさらに含有させてもよい。
無機充填材としては、以下に限定されるものではないが、例えば、ガラス繊維、炭素繊維、ケイ酸カルシウム繊維、チタン酸カリウム繊維、ホウ酸アルミニウム繊維、フレーク状ガラス、タルク、カオリン、マイカ、ハイドロタルサイト、炭酸カルシウム、炭酸亜鉛、酸化亜鉛、リン酸一水素カルシウム、ウォラストナイト、シリカ、ゼオライト、アルミナ、ベーマイト、水酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化ケイ素、酸化マグネシウム、ケイ酸カルシウム、アルミノケイ酸ナトリウム、ケイ酸マグネシウム、ケッチェンブラック、アセチレンブラック、ファーネスブラック、カーボンナノチューブ、グラファイト、黄銅、銅、銀、アルミニウム、ニッケル、鉄、フッ化カルシウム、雲母、モンモリロナイト、膨潤性フッ素雲母及びアパタイトが挙げられる。
これらは、1種のみを単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記例示した中でも、本発明のポリアミド樹脂組成物の機械的強度及び剛性を増大させる観点から、ガラス繊維、炭素繊維、フレーク状ガラス、タルク、カオリン、マイカ、炭酸カルシウム、リン酸一水素カルシウム、ウォラストナイト、シリカ、カーボンナノチューブ、グラファイト、フッ化カルシウム、モンモリロナイト、膨潤性フッ素雲母及びアパタイトよりなる群から選択される1種以上が好ましい。より好ましくは、ガラス繊維、炭素繊維、ウォラストナイト、タルク、マイカ、カオリン及び窒化珪素からなる群より選択される1種以上である。
ガラス繊維や炭素繊維のうち、優れた機械的特性をポリアミド樹脂組成物に付与できる観点から、ポリアミド樹脂組成物中において、数平均繊維径が3〜30μmであり、重量平均繊維長が100〜750μmであり、及び重量平均繊維長と数平均繊維径とのアスペクト比(重量平均繊維長を数平均繊維径で除した値)が10〜100であるものがさらに好ましい。
また、ウォラストナイトのうち、優れた機械的特性をポリアミド樹脂組成物に付与できるという観点から、ポリアミド樹脂組成物中において、数平均繊維径が3〜30μmであり、重量平均繊維長が10〜500μmであり、及びアスペクト比が3〜100であるものがさらに好ましい。
また、タルク、マイカ、カオリン、及び窒化珪素のうち、優れた機械的特性をポリアミド樹脂組成物に付与できるという観点から、ポリアミド樹脂組成物中における数平均粒子径が0.1〜10μmであるものがさらに好ましい。
ここで、無機充填材における数平均繊維径、数平均粒子径及び重量平均繊維長は、以下の方法により測定することができる。
ポリアミド樹脂組成物を電気炉に入れて、含まれる有機物を焼却処理し、残渣分から、例えば100本以上の無機充填材を任意に選択し、SEM(Scanning Electron Microscope、走査型電子顕微鏡)で観察して、これらの無機充填材の繊維径及び粒子径を測定することにより数平均繊維径及び数平均粒子径を測定する。併せて、倍率1000倍でのSEM写真を用いて繊維長を計測することにより重量平均繊維長を求める。
無機充填材は、シランカップリング剤などにより表面処理を施してもよい。シランカップリング剤としては、以下に限定されるものではないが、例えば、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン及びN−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン等のアミノシラン類;γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン及びγ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン等のメルカプトシラン類;エポキシシラン類;ビニルシラン類が挙げられる。
特に、上記の列挙成分から選択される1種以上であることが好ましく、アミノシラン類がより好ましい。
また、ガラス繊維及び炭素繊維については、さらに集束剤として、カルボン酸無水物含有不飽和ビニル単量体とカルボン酸無水物含有不飽和ビニル単量体を除く不飽和ビニル単量体とを構成単位として含む共重合体、エポキシ化合物、ポリカルボジイミド化合物、ポリウレタン樹脂、アクリル酸のホモポリマー、アクリル酸とその他共重合性モノマーとのコポリマー、並びにこれらの第1級、第2級及び第3級アミンとの塩などを含んでもよい。これらは、1種のみを単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ガラス繊維及び炭素繊維は、公知のガラス繊維及び炭素繊維の製造工程において、連続的に反応させることにより得られる。具体的には、ローラー型アプリケーターなどの公知の方法を用いて、集束剤をガラス繊維及び炭素繊維に付与して製造した繊維ストランドを乾燥することによりガラス繊維及び炭素繊維が得られる。
繊維ストランドはロービングとしてそのまま使用してもよく、さらに切断工程を行いチョップドガラスストランドとして使用してもよい。
集束剤は、ガラス繊維又は炭素繊維100質量%に対し、固形分率として0.2〜3質量%相当を付与(添加)することが好ましく、より好ましくは0.3〜2質量%相当を付与(添加)する。
ガラス繊維及び炭素繊維の集束を維持する観点から、集束剤の添加量は、ガラス繊維又は炭素繊維100質量%に対し、固形分率として0.2質量%以上相当であることが好ましい。一方、本発明のポリアミド樹脂組成物の熱安定性向上の観点から、3質量%以下相当であることが好ましい。また、ストランドの乾燥は切断工程後に行ってもよく、又はストランドの乾燥後に切断工程を行ってもよい。
無機充填材の含有量は、(A)ポリアミド樹脂100質量部に対して、1〜200質量部であることが好ましい。より好ましくは2〜200質量部であり、さらに好ましくは2〜180質量部であり、特に好ましくは5〜100質量部である。無機充填材の含有量を(A)ポリアミド樹脂100質量部に対して1質量部以上とすることにより、本発明のポリアミド樹脂組成物の機械的強度等が向上し、また、含有量を200質量部以下とすることにより、成形性に優れるポリアミド樹脂組成物が得られる。
(G)結晶化遅延剤
本発明のポリアミド樹脂組成物は、成形品外観および機械的強度をより一層向上させる観点から、(G)結晶化遅延剤(以下、単に結晶化遅延剤あるいは(G)成分と記載する場合もある)をさらに含有させてもよい。
結晶化遅延剤は、ポリアミド樹脂に配合することにより、ポリアミド樹脂の結晶化温度を降下させる作用効果を有する物質である。結晶化温度はJIS K7121に準拠した示差走査熱量測定法(DSC法)によって求めることができる。
これら結晶化遅延剤としては、以下に限定されるものではないが、アジン系染料、フタロシアニン系染料などが挙げられる。アジン系染料としては、ニグロシンが好ましく、フタロシアニン系染料としては、銅フタロシアニン系染料が好ましい。
結晶化遅延剤の含有量は、(A)ポリアミド樹脂100質量部に対して、0.05〜3.0質量部であることが好ましい。より好ましくは0.1〜2.0質量部、さらに好ましくは0.2〜1.5質量部である。結晶化遅延剤の含有量を(A)ポリアミド樹脂100質量部に対して0.05質量部以上とすることにより、本発明のポリアミド樹脂組成物の成形品外観等が向上し、また、含有量を3.0質量部以下とすることにより、離型性に優れるポリアミド樹脂組成物が得られる。
(H)滑剤
本発明のポリアミド樹脂組成物は、成形品外観をより一層向上させる観点から、(H)滑剤(以下、単に滑剤あるいは(H)成分と記載する場合もある)をさらに含有させてもよい。
滑剤としては、以下に限定されるものではないが、例えば、脂肪酸エステル、脂肪酸アミド、及び脂肪酸金属塩からなる群より選ばれる1種以上の脂肪酸化合物が挙げられる。
滑剤は、1種のみを単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
脂肪酸化合物を構成する脂肪酸とは、脂肪族モノカルボン酸を示す。特に、炭素数8以上の脂肪酸が好ましい。より好ましくは炭素数8〜40の脂肪酸である。
脂肪酸としては、以下に限定されるものではないが、例えば、飽和又は不飽和の、直鎖状又は分岐状の、脂肪族モノカルボン酸が挙げられ、ステアリン酸、パルミチン酸、ベヘン酸、エルカ酸、オレイン酸、ラウリン酸、モンタン酸等が挙げられる。
脂肪酸エステルとは、脂肪酸とアルコールとのエステル化合物である。
アルコールとしては、以下に限定されるものではないが、例えば、1,3−ブタンジオール、トリメチロールプロパン、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、ラウリルアルコール等が挙げられる。
脂肪酸エステルとしては、以下に限定されるものではないが、例えば、ステアリン酸ステアリル、ベヘン酸ベヘニル、モンタン酸−1,3−ブタンジオールエステル、モンタン酸−トリメチロールプロパンエステル、トリメチロールプロパントリラウレート、ブチルステアレート等が挙げられる。
脂肪酸アミドとは、脂肪酸のアミド化物である。
脂肪酸アミドとしては、以下に限定されるものではないが、例えば、ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、エチレンビスステアリルアミド、エチレンビスオレイルアミド、N−ステアリルステアリルアミド、N−ステアリルエルカアミド等が挙げられる。特に、ステアリン酸アミド、エルカ酸アミド、エチレンビスステアリルアミド、及びN−ステアリルエルカアミドが好ましく、エチレンビスステアリルアミド及びN−ステアリルエルカアミドがより好ましい。
脂肪酸金属塩とは、上述した脂肪酸の金属塩である。
脂肪酸と塩を形成する金属元素としては、元素周期律表の第1族元素(アルカリ金属)、第2族元素(アルカリ土類金属)、第3族元素、亜鉛、アルミニウム等が挙げられる。金属元素としては、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属;カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属;アルミニウム;が好ましい。
脂肪酸金属塩としては、モンタン酸金属塩、ベヘン酸金属塩及びステアリン酸金属塩が好適に用いられ、特に、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム、モンタン酸ナトリウム、モンタン酸カルシウム、モンタン酸アルミニウム、モンタン酸亜鉛、モンタン酸マグネシウム、ベヘン酸ナトリウム、ベヘン酸カルシウム、ベヘン酸亜鉛、ラウリン酸カルシウム、ラウリン酸亜鉛、パルミチン酸カルシウム等が挙げられ、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム、モンタン酸カルシウム、モンタン酸亜鉛、ベヘン酸カルシウム、ベヘン酸亜鉛がより好ましく、モンタン酸カルシウム、モンタン酸亜鉛、ベヘン酸亜鉛が、さらに好ましい。
これら脂肪酸金属塩は、1種のみを単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
滑剤の含有量は、本発明のポリアミド樹脂組成物100質量%に対して、0.01〜10質量%であることが好ましく、0.03〜5質量%であることがより好ましく、0.05〜2質量%であることがさらに好ましい。滑剤の含有量を上記範囲内とすることにより、外観、離型性、機械的強度及び可塑化性に一層優れるポリアミド樹脂組成物が得られる。
本発明のポリアミド樹脂組成物は、上述した(A)成分〜(H)成分の他に、本発明の効果を損なわない範囲において、必要に応じてさらに他の成分を含有してもよい。
その他の成分としては、以下に限定されるものではないが、例えば、酸化防止剤、紫外線吸収剤、熱安定剤、光劣化防止剤、可塑剤、離型剤、核剤、難燃剤、着色剤、染色剤や顔料などを添加してもよいし、他の熱可塑性樹脂を混合してもよい。
ここで、その他の成分は、それぞれ性質が大きく異なるため、各成分についての、本発明の効果をほとんど損なわない好適な含有率は様々である。そして、当業者であれば、上記した他の成分ごとの好適な含有率は容易に設定可能である。
〔ポリアミド樹脂組成物の製造方法〕
本発明のポリアミド樹脂組成物の製造方法としては、以下に制限されないが、例えば、単軸又は多軸の押出機によって(A)成分を溶融させた状態で、(B)成分、(C)成分、(D)成分、及び(E)成分を混練する方法を用いることができる。
(F)成分を用いる場合は、上流側供給口と下流側供給口とを備えた二軸押出機を使用し、上流側供給口から(A)成分、(B)成分、(C)成分、(D)成分、及び(E)成分を供給して溶融させた後、下流側供給口から(F)成分を供給して溶融混練する方法を用いることが好ましい。また、ガラス繊維及び炭素繊維などのロービングを用いる場合も、公知の方法で複合化することができる。
〔成形体〕
本発明の成形体は、上述した本発明のポリアミド樹脂組成物を成形してなり、例えば、ポリアミド樹脂組成物を射出成形することにより得られる。
〔用途〕
本発明の成形体は、例えば、自動車用、機械工業用、電気・電子用、住設用、産業資材用、工業材料用、日用・家庭品用等の種々の成形体や部品として好適に使用できる。特に屋外に曝露される自動車用、住設用等の部品に好適であり、自動車外装部品により好適に使用できる。
以下、具体的な実施例及び比較例を挙げて本発明について詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
以下、実施例及び比較例で行った評価の方法について説明する。
〔評価方法〕
<成形品外観>
実施例及び比較例で得られたポリアミド樹脂組成物のペレットを、射出成形機(PS−40E:日精樹脂株式会社製)を用いて、80×80×3mm厚の平板試験片を製造した。その際、充填時間を1秒、保圧時間9秒、冷却時間15秒、金型温度80℃、溶融樹脂温度280℃に設定した。得られた平板試験片の表面光沢を、光沢計(VG7000:日本電色工業株式会社製)を用いてJIS Z8741に準拠して、入射角60度で測定した。
<耐候光沢保持率>
上記により表面光沢を測定した平板成形片を、キセノンアーク式促進耐候試験機(Ci4000:アトラス社製)を用いてISO 4894−2に準拠し、ブラックパネル温度63℃、水噴霧時間12分、水噴霧停止時間108分のサイクルで促進耐候試験を実施した。試験時間1,000時間後の平板試験片の表面光沢を測定し、光沢保持率を算出した。
<耐候変色性>
実施例及び比較例で得られたポリアミド樹脂組成物のペレットを、射出成形機(PS−40E:日精樹脂株式会社製)を用いて、80×80×3mm厚(片面シボ加工:棚澤八光製TH113)の平板試験片を製造した。その際、充填時間を1秒、保圧時間9秒、冷却時間15秒、金型温度80℃、溶融樹脂温度280℃に設定した。得られた平板試験片のシボ面を試験面とし、キセノンアーク式促進耐候試験機(Ci4000:アトラス社製)を用いてISO 4894−2に準拠し、ブラックパネル温度63℃、水噴霧時間12分、水噴霧停止時間108分のサイクルで促進耐候試験を実施した。試験前、試験時間1,000時間後及び1,500時間後の平板試験片を、色差計(SE6000:日本電色工業株式会社製)を用いて、JIS Z8722に準拠して色調を測定し、試験前から試験後の色調変化ΔEを求めた。
<引張強度>
実施例及び比較例で得られたポリアミド樹脂組成物のペレットを、射出成形機(PS−40E:日精樹脂株式会社製)を用いて、ISO 3167に準拠しつつ、多目的試験片(A型)の成形片を製造した。その際、射出及び保圧時間25秒、冷却時間15秒、金型温度80℃、溶融樹脂温度290℃に設定した。得られた多目的試験片(A型)を用いて、ISO 527に準拠しつつ引張速度5mm/分で引張試験を行い、引張強度を測定した。
〔原材料〕
(A)ポリアミド樹脂(PA)
(PA−1)ポリアミド66/6I、下記製造例1のポリアミド
(PA−2)ポリアミド66/6I/6、下記製造例2のポリアミド
(PA−3)ポリアミドMXD6、三菱瓦斯化学社製ポリアミドMXD6#6000
(B)ヨウ化銅(以下、CuIと略記)和光純薬工業社製の試薬
(C)ヨウ化カリウム(以下、KIと略記)和光純薬工業社製の試薬
(D)カーボンブラック(CB)
(CB−1)三菱化学株式会社製三菱(登録商標)カーボンブラック#3050B
平均一次粒子径:50nm、窒素吸着比表面積:50m/g、
DBP吸油量:175cm/100g
(CB−2)三菱化学株式会社製三菱(登録商標)カーボンブラック#30
平均一次粒子径:30nm、窒素吸着比表面積:74m/g、
DBP吸油量:113cm/100g
(CB−3)三菱化学株式会社製三菱(登録商標)カーボンブラック#45
平均一次粒子径:24nm、窒素吸着比表面積:120m/g、
DBP吸油量:53cm/100g
(CB−4)三菱化学株式会社製三菱(登録商標)カーボンブラック#650B
平均一次粒子径:22nm、窒素吸着比表面積:124m/g、
DBP吸油量:114cm/100g
(CB−5)三菱化学株式会社製三菱(登録商標)カーボンブラック#950
平均一次粒子径:16nm、窒素吸着比表面積:260m/g、
DBP吸油量:79cm/100g
(CB−6)三菱化学株式会社製三菱(登録商標)カーボンブラック#2300
平均一次粒子径:15nm、窒素吸着比表面積:320m/g、
DBP吸油量:64cm/100g
(E)低次酸化チタン(以下、TiOと略記)赤穂化成株式会社製ティラックD
(F)ガラス繊維(以下、GFと略記)日本電気硝子株式会社製ECS03T−275H
(G.結晶化遅延剤)
(Dye−1)ニグロシン、オリヱント化学工業株式会社製NUBIAN(登録商標)BLACK TH−807
(Dye−2)銅フタロシアニン系染料、C.I.ソルベントブルー67
(H)滑剤(以下、waxと略記)クラリアント社製リコモントNaV101
〔製造例1〕
ヘキサメチレンジアミンとアジピン酸の等モル塩、ヘキサメチレンジアミンとイソフタル酸の等モル塩をそれぞれ80:20の質量比で投入し、投入した全原料と同量の純水を加え、重合缶内を充分窒素置換した後、撹拌しながら加温を開始した。缶内圧力は最大2.0MPa(G)に調整しながら最終到達温度は270℃とし、水浴中に吐出したポリマーをストランドカッターでペレタイズした。
〔製造例2〕
ヘキサメチレンジアミンとアジピン酸の等モル塩、ヘキサメチレンジアミンとイソフタル酸の等モル塩、ε−カプロラクタムをそれぞれ80:15:5の質量比で投入し、投入した全原料と同量の純水を加え、重合缶内を充分窒素置換した後、撹拌しながら加温を開始した。缶内圧力は最大2.0MPa(G)に調整しながら最終到達温度は270℃とし、水浴中に吐出したポリマーをストランドカッターでペレタイズした。
〔実施例1〜10〕、〔比較例1〜5〕
押出機の上流側から1番目のバレルに上流側供給口を有し、かつ9番目のバレルに下流側供給口を有する、L/D(押出機のシリンダーの長さ/押出機のシリンダー径)=48(バレル数:12)の二軸押出機[ZSK−26MC:コペリオン社製(ドイツ)]を用いた。二軸押出機において、上流側供給口からダイまでを280℃、スクリュー回転数250rpm、及び吐出量25kg/時間に設定した。
かかる条件下で、下記表1の上欄に記載された割合に従い、上流側供給口より、ポリアミド樹脂(PA)、CuI、KI、CB、TiO、結晶化遅延剤、並びwaxをそれぞれ供給し、下流側供給口よりGFを供給した。そして、これらを溶融混練することでポリアミド樹脂組成物のペレットを製造した。
得られたポリアミド樹脂組成物を、上記の溶融樹脂温度及び金型温度で成形し、成形品外観、耐候光沢保持率、耐候変色性、及び引張強度を評価した。
これらの評価(計数)結果などを下記表1に示す。
まず、表1の見方について説明する。
成形品外観(表面光沢)は数値が大きい程、成形品外観に優れることを示す。
耐候光沢保持率は数値が大きい程、色調変化ΔEは数値が小さい程、耐候性に優れることを示す。
また、引張強度は数値が大きい程、機械的強度に優れることを示す。
表1に示すように、実施例1〜10においては、成形品外観が良好で、耐候性に優れ、機械的強度も良好なポリアミド樹脂組成物が得られた。なお、実施例10はGFの含有量が他の実施例に比べて多いために成形品外観が若干下がったものの、耐候性は他の実施例と遜色がなかった。
一方で、(D)カーボンブラックの比表面積が300m/gを超えている比較例1は、成形品外観がやや劣り、耐候性に劣ることが分かった。また、(E)低次酸化チタンを含まない比較例2〜4では、耐候性が劣ることが分かった。さらに、(B)銅化合物および(C)ハロゲン化物を含まない比較例5では、成形品外観がやや劣り、耐候性に劣ることが分かった。
以上のことから、本発明のポリアミド樹脂組成物は、耐候性にも優れ、優れた外観を持った成形品が得られることが分かった。
本発明のポリアミド樹脂組成物は、自動車外装部品や住設関連部品など、高レベルの外観と耐候性が要求される成形品の材料として、産業上の利用可能性がある。

Claims (12)

  1. (A)ポリアミド樹脂と、
    (B)銅化合物と、
    (C)アルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属のハロゲン化物と、
    (D)カーボンブラックと、
    (E)低次酸化チタンと、
    を、含有し、
    前記(D)カーボンブラックと前記(E)低次酸化チタンの質量比が1/1〜20/1であり、
    前記(D)カーボンブラックの比表面積が300m/g以下であるポリアミド樹脂組成物。
  2. 前記(A)ポリアミド樹脂が、ポリアミド6、ポリアミド46、ポリアミド66、ポリアミド610、ポリアミド612、ポリアミド6T、ポリアミド6I及びポリアミドMXD6、並びにこれらの少なくとも1種を構成成分として含む共重合ポリアミドからなる群より選択された1種以上である請求項1に記載のポリアミド樹脂組成物。
  3. 前記(B)銅化合物がハロゲン化銅化合物である請求項1又は2に記載のポリアミド樹脂組成物。
  4. ポリアミド樹脂組成物中に含まれるハロゲン元素/銅元素のモル比が、2/1〜50/1である、請求項1、2又は3に記載のポリアミド樹脂組成物。
  5. 前記(D)カーボンブラックの平均一次粒子径が18nm以上である請求項1〜4のいずれか一項に記載のポリアミド樹脂組成物。
  6. 前記(D)カーボンブラックのDBP吸油量が75cm/100g以上である請求項1〜5のいずれか一項に記載のポリアミド樹脂組成物。
  7. 前記(E)低次酸化チタンがTiO(m=1.0〜1.99)である請求項1〜6のいずれか一項に記載のポリアミド樹脂組成物。
  8. 前記(D)カーボンブラックの含有量がポリアミド樹脂組成物100質量%に対して0.1〜3質量%、前記(E)低次酸化チタンの含有量がポリアミド樹脂組成物100質量%に対して0.01〜1質量%である請求項1〜7のいずれか一項に記載のポリアミド樹脂組成物。
  9. (F)無機充填材をさらに含有する請求項1〜のいずれか一項に記載のポリアミド樹脂組成物。
  10. (G)結晶化遅延剤をさらに含有する請求項1〜のいずれか一項に記載のポリアミド樹脂組成物。
  11. 請求項1〜10のいずれか一項に記載のポリアミド樹脂組成物を成形してなる成形体。
  12. 自動車外装部品である請求項11に記載の成形体。
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